(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161987
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ディスプレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/30 20060101AFI20241114BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20241114BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20241114BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01Q3/30
H01Q21/06
H01Q1/22 Z
G06F3/041 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077101
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 亮太
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 真吾
(72)【発明者】
【氏名】奥村 藤男
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA04
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021CA03
5J021DB03
5J021FA06
5J021FA31
5J021GA02
5J021HA10
5J021JA07
5J047AA07
5J047AB13
5J047EF04
(57)【要約】
【課題】タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能なディスプレイアンテナを提供する。
【解決手段】格子状に配列された複数の発光器を含むディスプレイと、ディスプレイに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列されたタッチセンサと、タッチセンサに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列されたアンテナアレイと、備え、タッチ電極は、上方に配置されたパッチアンテナの接地電極を兼ねるディスプレイアンテナとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配列された複数の発光器を含むディスプレイと、
前記ディスプレイに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列されたタッチセンサと、
前記タッチセンサに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列されたアンテナアレイと、
を備え、
前記タッチ電極は、上方に配置された前記パッチアンテナの接地電極を兼ねるディスプレイアンテナ。
【請求項2】
隣接し合う前記発光器に挟まれた隙間領域に配置され、複数の前記パッチアンテナのうち少なくともいずれかに対応付けられ、送受信対象の信号を移相する移相器を備える請求項1に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項3】
前記移相器は、
前記タッチセンサに形成された貫通孔に配置された給電電極を介して、複数の前記パッチアンテナのうち少なくともいずれかに接続される請求項2に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項4】
前記移相器は、
前記タッチセンサに形成された貫通孔を通じた電磁結合を介して、複数の前記パッチアンテナのうち少なくともいずれかに接続される請求項2に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項5】
前記パッチアンテナは、
前記タッチセンサに形成された前記貫通孔を通じた電磁結合を介して、下方に配置された前記移相器に接続される請求項4に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項6】
前記アンテナアレイに含まれる複数の前記パッチアンテナの接続を切り替えてフェーズドアレイアンテナを構成し、前記タッチセンサに含まれる複数の前記タッチ電極のON/OFFを切り替えて接触検知する制御部を備え、
前記制御部は、
行方向に配列された複数の前記タッチ電極によって形成された行と、列方向に配列された複数の前記タッチ電極によって形成された列との交点における容量変化に応じて、指示体の接触位置を検出する請求項1に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項7】
前記制御部は、
アンテナとして機能する前記パッチアンテナの下方に配置された前記タッチ電極をOFFに設定する請求項6に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項8】
前記制御部は、
アクティブな状態の前記タッチ電極の上方に配置された前記パッチアンテナをOFFに切り替える請求項6に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項9】
前記制御部は、
アクティブな状態の前記タッチ電極の上方に配置された複数の前記パッチアンテナを同電位に設定して、前記タッチセンサの一部として機能させる請求項8に記載のディスプレイアンテナ。
【請求項10】
前記制御部は、
前記タッチセンサにおける位置に対応付けられたユーザインターフェースを前記ディスプレイに表示させ、
検出された前記指示体の接触位置と、前記ディスプレイにおいて前記接触位置に表示された入力画像とを対応付けて、選択された前記入力画像を判別する請求項9に記載のディスプレイアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチセンサの機能を有するディスプレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)以降の移動通信のために、第4世代移動通信システム(4G)以前と比べて高い周波数帯の電波に対応した平面型アンテナが開発されている。パッチアンテナがアレイ状に配列された構成のアンテナアレイを用いれば、平面型のフェーズドアレイアンテナを構成できる。また、複数のパッチアンテナによって構成されるアンテナアレイは、タッチセンサ(タッチパネル)として機能させることもできる。
【0003】
特許文献1には、情報処理装置の入力装置に利用される抵抗膜方式のタッチパネルについて開示されている。特許文献1のタッチパネルは、抵抗膜方式のタッチパネルである。特許文献1のタッチパネルは、下面に透明導電膜が固着された上部電極基板の上面に、アンテナ素子が形成されたことを特徴とする。
【0004】
特許文献2には、装置の小型化を図りつつ、かつ誘電損失の発生を抑制することを目的とした半導体装置について開示されている。特許文献2の装置は、半導体素子と、該半導体素子を貫通して形成された貫通電極とを有する。特許文献2の装置は、半導体素子の主面に対する反対側面に、無機絶縁層を介して、貫通電極に接続した受動層を積層した構造を有する。
【0005】
特許文献3には、タッチパネルと、近距離無線通信により情報を読み取るアンテナとを備えたアンテナ内蔵タッチパネルについて開示されている。タッチパネルは、第1の電極と第2の電極とを備える。アンテナは、タッチパネルの第1の電極層および第2の電極層の少なくとも一方に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-280815号公報
【特許文献2】特開2009-158743号公報
【特許文献3】特開2019-053343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のタッチパネルでは、上部電極基板の上面に形成されたアンテナ素子によって、タッチパネルの内部にアンテナが形成される。特許文献1の構成では、上部電極基板の上面に形成されたアンテナ素子によってアンテナが形成されるため、タッチパネルの構造によってアンテナの形状や大きさが制限される。また、特許文献1の手法は、抵抗膜方式のタッチパネルには適用できるが、静電容量方式などの抵抗膜方式以外のタッチパネルには適用できなかった。
【0008】
特許文献2の構成では、半導体素子を貫通して形成された貫通電極によって、パッチアンテナとグランド層とが積層される。特許文献2の構造は、パッチアンテナの基本的な構造に相当する。特許文献2には、アンテナとタッチパネルとを共存させる構造は開示されていない。
【0009】
特許文献3の構成においては、タッチパネルが備える電極層に、アンテナが設けられる。このような構成を取ることによって、特許文献3のアンテナ内蔵タッチパネルの厚みが小さくなる。特許文献3の構成では、タッチパネルが備える電極層にアンテナが設けられるため、タッチパネルの構造によってアンテナの形状や大きさが制限される。
【0010】
本開示の目的は、タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能なディスプレイアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様のディスプレイアンテナは、格子状に配列された複数の発光器を含むディスプレイと、ディスプレイに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列されたタッチセンサと、タッチセンサに重ねて配置され、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列されたアンテナアレイと、備え、タッチ電極は、上方に配置されたパッチアンテナの接地電極を兼ねる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能なディスプレイアンテナを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係るディスプレイアンテナの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるアンテナアレイによって構成されるアンテナ集合体の一例を示す概念図である。
【
図3】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるタッチセンサの一例を示す概念図である。
【
図4】第1実施形態に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるパッチアンテナとタッチ電極のスイッチングの一例について説明するための概念図である。
【
図6】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるパッチアンテナとタッチ電極のスイッチングの一例について説明するための概念図である。
【
図7】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるパッチアンテナとタッチ電極のスイッチングの一例について説明するための概念図である。
【
図8】第1実施形態に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図9】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるディスプレイの構成の一例を示す概念図である。
【
図10】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれるディスプレイの構成の一例を示す概念図である。
【
図11】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれる移相器の構成の一例を示す概念図である。
【
図12】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれる移相器の構成の一例を示す概念図である。
【
図13】第1実施形態に係るディスプレイアンテナに含まれる移相器の構成の一例を示す概念図である。
【
図14】第1実施形態に係るディスプレイアンテナが搭載された端末装置の画面に表示されたユーザインターフェースの一例を示す概念図である。
【
図15】第1実施形態の変形例1に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図16】第1実施形態の変形例1に係るディスプレイアンテナに含まれるスイッチの構成の一例を示す概念図である。
【
図17】第1実施形態の変形例2に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図18】第1実施形態の変形例3に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図19】第1実施形態の変形例4に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図20】第2実施形態に係るディスプレイアンテナの構成の一例を示すブロック図である。
【
図21】第2実施形態に係るディスプレイアンテナの内部構成の一例を示す断面図である。
【
図22】第2実施形態に係るディスプレイアンテナのパッチアンテナと移相器との間の電磁結合について説明するための概念図である。
【
図23】第3実施形態に係るディスプレイアンテナの構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】各実施形態の制御や処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るディスプレイアンテナについて図面を参照しながら説明する。本実施形態のディスプレイアンテナは、タッチセンサ(タッチパネル)およびアンテナの機能を有する。本実施形態においては、複数のパッチアンテナによってアンテナ集合体が構成される例をあげる。アンテナ集合体は、フェーズドアレイアンテナとして機能する。また、本実施形態においては、パッチアンテナの接地電極をタッチセンサとして機能させる。
【0016】
(構成)
図1は、本実施形態に係るディスプレイアンテナ10の構成の一例を示すブロック図である。ディスプレイアンテナ10は、アンテナアレイ11、タッチセンサ12、移相器13、ディスプレイ15、および制御部17を備える。アンテナアレイ11、タッチセンサ12、および移相器13は、アンテナ装置100を構成する。アンテナ装置100には、制御部17が追加されてもよい。ディスプレイアンテナ10は、ディスプレイ15の上にアンテナ装置100が重ねられた構造を有する。制御部17は、ディスプレイアンテナ10の外部に配置されてもよい。その場合、ディスプレイアンテナ10は、アンテナアレイ11、タッチセンサ12、移相器13、およびディスプレイ15によって構成される。
【0017】
アンテナアレイ11は、複数のパッチアンテナを含む。パッチアンテナは、板状の放射素子である。例えば、パッチアンテナは正方形である。パッチアンテナは矩形や菱形であってもよい。送受信対象の波長帯の電波を受信できれば、パッチアンテナは正方形や矩形、菱形ではない形状であってもよい。パッチアンテナは、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明電極である。例えば、可視領域は、380~800nm(ナノメートル)の波長帯である。例えば、パッチアンテナは、酸化インジウムスズや酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンなどの材質によって実現される。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、パッチアンテナの材質には限定を加えない。パッチアンテナは、可視領域ではない波長帯の光が透過する材質であってもよい。例えば、パッチアンテナは、近赤外領域や、赤外領域、紫外領域の光が透過する材質であってもよい。
【0018】
図2は、アンテナアレイ11の構成の一例を示す概念図である。アンテナアレイ11は、複数のパッチアンテナPが2次元アレイ状に配列された構成である。パッチアンテナPは、1辺に対応する長さの1/2波長の整数倍に一致する周波数で共振する。パッチアンテナPの大きさは、送受信対象の電波の波長に応じて設定される。
図2の例において、パッチアンテナPは正方形である。複数のパッチアンテナPは、それらのパッチアンテナPの外形を成す正方形の対角線の交点を回転中心として、45度回転された状態で配列されたパターン(ダイヤパターン)を形成する。すなわち、複数のパッチアンテナPは、ダイヤパターンで配列される。フェーズドアレイアンテナの機能を発現できれば、複数のパッチアンテナPは、ダイヤパターンではないパターンで配列されてもよい。
【0019】
複数のパッチアンテナPは、2次元アレイ状に配列される。
図2の例においては、複数のパッチアンテナPは、X方向とY方向に沿って、2次元アレイ状に配列される。複数のパッチアンテナPは、いくつかのパッチアンテナPの単位でグループ化される。
図2の例では、16個のパッチアンテナPのグループを単位として、4×4で配列されたアンテナ集合体AEが構成される。後述するように、本実施形態のディスプレイアンテナ10において、アンテナ集合体AEを構成するパッチアンテナPの数や組み合わせは、任意に変更できる。例えば、70GHz(ギガヘルツ)の周波数帯の電波を送受信するためには、6.8mm(ミリメートル)角の領域のアンテナ集合体AEが形成されればよい。
【0020】
第5世代移動通信システム(5G)以降の移動通信に対応する周波数帯で用いられるパッチアンテナPの最適な大きさは、送受信対象の電波の波長λに応じて決まる。送受信対象の電波の空間中における波長λに関して、隣接するパッチアンテナPの間隔(ピッチ)を0.7λよりも大きくすると、サイドローブが大きくなり、ゲインが低下する。また、隣接するパッチアンテナPのピッチを広げるほど、走査角が狭くなる。そのため、隣接するパッチアンテナPのピッチは、0.4~0.5λ程度であることが好ましい。本実施形態においては、送受信対象の電波の波長に応じて、アンテナ集合体AEを構成するパッチアンテナPの数や組み合わせを変更することによって、複数の波長帯の電波の送受信に対応する。
【0021】
タッチ電極Tは、パッチアンテナPの接地電極を兼ねる。タッチ電極Tは、図示しない回路を介して接地される。複数のタッチ電極Tは、2次元アレイ状に配列される。
図3は、複数のタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ12の一例を示す概念図である。
図3は、複数のパッチアンテナPの側から見た平面図である。1つのタッチ電極Tの上方には、4つのパッチアンテナPが配置される。行方向(X方向)において隣接する2つのタッチ電極Tは、配線L
Xによって接続される。行方向(X方向)に連結された複数のタッチ電極Tによって構成された行センサTS
Xは、行方向(X方向)における位置検知に用いられる。列方向(Y方向)において隣接する2つのタッチ電極Tは、配線L
Yによって接続される。列方向(Y方向)に連結された複数のタッチ電極Tによって構成された列センサTS
Yは、列方向(Y方向)における位置検知に用いられる。X方向に連結された複数のタッチ電極Tによって構成された行と、Y方向に連結された複数のタッチ電極Tによって構成された列との交点における容量の変化に応じて、接触位置が検出される。
【0022】
図4は、ディスプレイアンテナ10の構造の一例について説明するための断面図である。
図4においては、ディスプレイアンテナ10の構成の一部を示す。
図4には、アンテナ層110、タッチセンサ層120、移相器形成層130、およびディスプレイ形成層150を示す。ディスプレイ形成層150には、ディスプレイ15が構成される。ディスプレイ形成層150の上方に、移相器13を含む移相器形成層130が配置される。移相器形成層130の上方に、接地電極を兼ねたタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ層120が配置される。タッチセンサ層120の上方に、複数のパッチアンテナPによって構成されたアンテナ層110が配置される。複数のパッチアンテナPの各々は、給電電極FEを介して、移相器形成層130に含まれる移相器13の給電点Fに接続される。給電電極FEは、タッチセンサ層120に形成された貫通孔を通じて、パッチアンテナPと移相器23とを電気的に接続する。
【0023】
図5~
図7は、パッチアンテナPとタッチ電極Tのスイッチングの一例について説明するための概念図である。アンテナ層110を形成する複数のタッチ電極Tは、配線(図示しない)を介して、同電位に設定される。複数のパッチアンテナPの各々は、複数のタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ層120に形成された貫通孔を介して、移相器13の給電点に接続される。移相器13の入力端は、スイッチSW1の一端に接続される。スイッチSW1の他端は、信号源SGに接続される。すなわち、移相器13は、スイッチSW1を介して、信号源SGに接続される。タッチセンサ層120を形成する複数のタッチ電極Tのうち少なくとも1つは、スイッチSW2の一端に接続される。スイッチSW2の他端は、スイッチSW1の一端および移相器13の入力端に接続される。すなわち、タッチセンサ層120を形成する複数のタッチ電極Tは、スイッチSW2を介して、スイッチSW1および移相器13に接続される。制御部17は、タッチセンサを構成するタッチ電極Tのスキャンに合わせて、スイッチSW1およびスイッチSW2を開閉する。
【0024】
制御部17は、スキャン中ではないタッチ電極Tの上方に位置するパッチアンテナPに接続されたスイッチSW1を閉じる。
図5は、スイッチSW1が閉じた状態(ON)であり、スイッチSW2が開いた状態(OFF)であることを示す。
図5の状態では、複数の移相器13の入力端が信号源SGに接続される。信号源SGからパッチアンテナPに供給された高周波電力に応じて、信号線(図示しない)を通じて供給された送信対象の信号が、パッチアンテナPから無線信号として送信される。
【0025】
制御部17は、スキャン中のタッチ電極Tの上方に位置するパッチアンテナPに接続されたスイッチSW1を開く。
図6は、スイッチSW1が開いた状態(OFF)であり、スイッチSW2も開いた状態(OFF)であることを示す。
図6の状態では、複数の移相器13の入力端が信号源SGから遮断される。そのため、信号源SGからパッチアンテナPに高周波電力が供給されず、パッチアンテナPから無線信号は送信されない。制御部17は、スキャン中のタッチ電極Tにおける静電容量の変化に応じて、接触位置を検知する。
【0026】
制御部17は、スキャン中のタッチ電極Tにおける接触の検知に応じて、スキャン中のタッチ電極Tに接続されたスイッチSW2を閉じてもよい。
図7は、スイッチSW1が開いた状態(OFF)であり、スイッチSW2が閉じた状態(ON)であることを示す。
図7の状態では、複数の移相器13の入力端が信号源SGから遮断されるとともに、パッチアンテナPとタッチ電極Tとが同電位になる。その結果、同電位になったパッチアンテナPとタッチ電極Tとがタッチセンサとして機能する。
図6の状態よりも、
図7の状態の方が、タッチセンサを構成する電極が増えるため、接触検知の感度が向上する。
【0027】
図8は、ディスプレイアンテナ10の構造の一例について説明するための断面図である。なお、
図8の断面図においては、ハッチングを省略した箇所がある。
図8には、パッチアンテナP、タッチ電極T、給電電極FE、および給電点Fを示す。また、
図8には、移相器形成層130、発光器155、基板170、配線層171、シールド電極172、および保護層177を示す。
【0028】
基板170の上には、複数の発光器155によって、ディスプレイ15が形成される。複数の発光器155は、2次元アレイ状に配置される。例えば、発光器155は、赤R(Red)、緑G(Green)、および青B(Blue)の各色に対応した波長帯の光を発光する発光部を有する。例えば、発光器155は、マイクロLED(Light-Emitting Diode)によって実現される。マイクロLEDは、赤Rの波長帯の光を発光する赤色LED、緑Gの波長帯の光を発光する緑色LED、および青Bの波長帯の光を発光する青色LEDを含む。赤R、緑G、および青Bの3原色の光を発光できれば、それらの光を混色させることによって、種々の色を表現できる。発光器155は、赤色LED、緑色LED、および青色LEDのうち少なくとも一つを有すればよい。また、発光器155は、赤色LED、緑色LED、および青色LEDとは異なる波長帯の光を発光する発光部を有してもよい。発光器155は、配線層171に含まれる配線を介して、駆動部(図示しない)に接続される。発光器155は、制御部17による駆動部の制御に応じて、赤色LED、緑色LED、および青色LEDを発光させる。
【0029】
図9は、発光器155の一例(発光器156)を示す概念図である。
図9は、2次元アレイ状に発光器156が配列された様子を示す。
図9は、複数の発光器156によって構成されたディスプレイ15の一部分を示す。発光器156は、赤色LED(R)、緑色LED(G)、および青色LED(B)を含む。赤色LED、緑色LED、および青色LEDは、マイクロLEDである。赤色LED、緑色LED、および青色LEDは、一か所にまとめて配置される。赤色LEDには、行選択線L
Rと列選択線L
CRが接続される。緑色LEDには、行選択線L
Rと列選択線L
CGが接続される。青色LEDには、行選択線L
Rと列選択線L
CBが接続される。行選択線L
Rは、赤色LED、緑色LED、および青色LEDに共通の選択線である。行選択線L
Rと列選択線L
CRの選択に応じて、選択された2つの選択線が交差する位置の赤色LEDが発光する。行選択線L
Rと列選択線L
CGの選択に応じて、選択された2つの選択線が交差する位置の緑色LEDが発光する。行選択線L
Rと列選択線L
CBの選択に応じて、選択された2つの選択線が交差する位置の青色LEDが発光する。
【0030】
図10は、発光器155の別の一例(発光器157)を示す概念図である。
図10は、2次元アレイ状に発光器157が配列された様子を示す。
図10は、複数の発光器157によって構成されたディスプレイ15の一部分を示す。発光器157は、赤色、緑色、および青色の発光部が集積された集積型のマイクロLEDである。赤色LED、緑色LED、および青色LEDには、互いに共通の行選択線L
Rおよび列選択線L
Cが接続される。行選択線L
Rと列選択線L
Cの選択に応じて、選択された2つの選択線が交差する位置の赤色LED、緑色LED、および青色LEDのうち少なくともいずれかが発光する。
【0031】
ディスプレイ15を構成する複数の発光器155は、制御部17の制御に応じて、発光する。複数の発光器155の間の領域を隙間領域と呼ぶ。隙間領域は、複数の発光器155の間の上方領域を含む。例えば、複数の発光器155と配線層171との間には、絶縁層が形成される。絶縁層の材質に関しては、特に限定を加えない。例えば、複数の発光器155と配線層171との間には、空隙が形成されてもよい。ディスプレイ15には、所望の画像が表示される。例えば、ディスプレイ15には、少なくとも1つの入力画像を含むタッチパネルの画像が表示される。例えば、入力画像は、操作を受け付けるボタンである。例えば、入力画像は、キーボードやテンキーなどの文字や数字、記号の入力を受け付けるキーの画像である。例えば、入力画像は、スライダーやタグなどのように、操作を受け付ける画像である。ディスプレイ15に表示された入力画像の位置において、タッチセンサとして機能しているパッチアンテナPによって接触が検出されると、その入力画像の位置で検出された操作に応じた入力がなされる。
【0032】
配線層171は、基板170の上面に形成される(
図8)。配線層171は、複数の発光器155の間に形成される。配線層171には、ディスプレイ15を駆動させるための配線が配置される。配線層171には、各種のスイッチや配線が配置されてもよい。また、配線層171には、送受信対象の信号を伝播させる信号線が配置されてもよい。配線層171は、単一の層であってもよいし、複数の層が積層された構造であってもよい。例えば、デバイス転写技術を用いれば、微小な素子を配線層171に形成できる。配線層171における構成要素や、構成要素間の接続関係などの詳細に関しては、図面を省略する。
【0033】
複数の発光器155によって構成されるディスプレイ15の上部は、平坦化膜や保護膜が形成される。平坦化膜や保護膜は、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明な材質である。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、平坦化膜や保護膜の材質には限定を加えない。例えば、平坦化膜や保護膜は、酸化シリコンなどによって実現される。ディスプレイ15の上部には、空隙が形成されてもよい。
【0034】
配線層171の上方には、シールド電極172が配置される。シールド電極172は、発光器155の上方の領域を避けて配置される。シールド電極172は、そのシールド電極172の上方と下方の電磁結合を防ぐために形成される。シールド電極172は、導電性を有する。シールド電極172の材質については、導電性があれば、特に限定を加えない。例えば、シールド電極172は、アルミニウムや銅などの金属を含む素材で実現される。シールド電極172は、図示しない導線等によって、筐体や接地端子に接続される。シールド電極172の電位は、そのシールド電極172が接続された接地箇所と同じ電位である。パッチアンテナPや配線層171、移相器形成層130と、シールド電極172との間には、それらの間に形成された誘電体層や空間の誘電率に応じた容量が形成される。
【0035】
シールド電極172の上方には、移相器形成層130が配置される。移相器形成層130は、移相器13によって構成される。移相器13は、発光器155の上方を避けた位置に配置される。移相器13の給電点Fは、給電電極FEを介して、パッチアンテナPに接続される。移相器形成層130には、各種のスイッチや配線などが配置されてもよい。また、移相器形成層130には、送受信対象の信号を伝播させる信号線(図示しない)が配置されてもよい。移相器形成層130は、単一の層であってもよいし、複数の層が積層された構造であってもよい。例えば、デバイス転写技術を用いれば、微小な素子を移相器形成層130に形成できる。移相器形成層130における構成要素や、構成要素間の接続関係などの詳細に関しては、図面を省略する。
【0036】
図11は、移相器形成層130に配置される移相器13の一例(移相器131)である。
図11は、基板170の上面を上方の視座から見た平面図である。移相器131は、上面視において、複数の発光器155の間に配置される。移相器131は、線路切替型移相器の一例である。移相器131は、異なる線路長の分岐線路(R1、R2、R3、R4)が、移相スイッチSWPを介して、主要線路Mに接続された構成である。
図11の例では、入力端Iから給電点Fまでを結ぶ主要線路Mに、4つの分岐線路(R1、R2、R3、R4)が接続される。移相器131を通過した信号は、主要線路Mと分岐線路(R1、R2、R3、R4)との接続状態に応じた移相量で移相される。主要線路Mと分岐線路(R1、R2、R3、R4)との接続は、制御部17による移相スイッチSWPの開閉制御に応じて、切り替えられる。
【0037】
分岐線路R1は、22.5度の位相差を与える線路である。分岐線路R1を経由した信号の位相は、分岐線路R1を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、22.5度移相される。分岐線路R2は、45度の位相差を与える線路である。分岐線路R2を経由した信号の位相は、分岐線路R2を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、45度移相される。分岐線路R3は、90度の位相差を与える線路である。分岐線路R3を経由した信号の位相は、分岐線路R3を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、90度移相される。分岐線路R4は、180度の位相差を与える線路である。分岐線路R4を経由した信号の位相は、分岐線路R4を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、180度移相される。例えば、分岐線路R1および分岐線路R2を経由した信号の位相は、それらの線路を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、47.5度移相される。
【0038】
図12は、移相器形成層130に配置される移相器13の一例(移相器132)である。
図12は、基板170の上面を上方の視座から見た平面図である。移相器132は、上面視において、複数の発光器155の間に配置される。移相器132は、スタブ切替型移相器の一例である。移相器132は、異なる線路長のオープンスタブ(S1、S2、S3、S4)が、移相スイッチSWPを介して、主要線路Mに接続された構成である。
図12の例では、入力端Iから給電点Fまでを結ぶ主要線路Mに、4つのオープンスタブ(S1、S2、S3、S4)が接続される。移相器132を通過した信号は、主要線路Mとオープンスタブ(S1、S2、S3、S4)との接続状態に応じた移相量で移相される。主要線路Mとオープンスタブ(S1、S2、S3、S4)との接続は、制御部17による移相スイッチSWPの開閉制御に応じて、切り替えられる。
【0039】
オープンスタブS1は、22.5度の位相差を与えるスタブである。オープンスタブS1を経由した信号の位相は、オープンスタブS1を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、22.5度移相される。オープンスタブS2は、45度の位相差を与えるスタブである。オープンスタブS2を経由した信号の位相は、オープンスタブS2を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、45度移相される。オープンスタブS3は、90度の位相差を与えるスタブである。オープンスタブS3を経由した信号の位相は、オープンスタブS3を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、90度移相される。オープンスタブS4は、180度の位相差を与えるスタブである。オープンスタブS4を経由した信号の位相は、オープンスタブS4を経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、180度移相される。例えば、オープンスタブS1およびオープンスタブS2を経由した信号の位相は、それらのスタブを経由せずに主要線路Mを進行した信号の位相に対して、47.5度移相される。
【0040】
図13は、移相器形成層130に配置される移相器13の一例(移相器133)である。
図13は、基板170の上面を上方の視座から見た平面図である。移相器133は、上面視において、複数の発光器155の間に配置される。移相器133は、反射型移相器の一例である。移相器133は、90度ハイブリッド回路とスタブを組み合わせた構成である。伝送線路H1、伝送線路H2、伝送線路H3、および伝送線路H4が、90度ハイブリッド回路を構成する。90度ハイブリッド回路を構成する伝送線路H1、伝送線路H2、伝送線路H3、および伝送線路H4の電気長は、λ/4(90度)である。伝送線路H1および伝送線路H3の特性インピーダンスはZ
0である。伝送線路H2および伝送線路H4の特性インピーダンスはZ
0/√2である。
【0041】
移相器133は、スタブST1およびスタブST2を含む。
図13の例において、スタブST1およびスタブST2は、開放端(右端)を有するオープンスタブである。スタブST1およびスタブST2は、開放端(右端)が接地されたショートスタブであってもよい。スタブST1およびスタブST2の長さは、任意に設定できる。スタブST1およびスタブST2に伝播した信号は、その長さに応じた位相差で移相される。スタブST1およびスタブST2の長さは、可変であってもよい。例えば、スタブST1およびスタブST2の線路上にスイッチを配置すれば、そのスイッチをON/OFFすることによって、スタブST1およびスタブST2の長さを変更できる。
【0042】
伝送線路H1の第1端(上端)は、入力端Iに接続される。また、伝送線路H1の第1端(上端)は、伝送線路H2の第1端(左端)に接続される。伝送線路H1の第2端(下端)は、給電点Fに接続される。また、伝送線路H1の第2端(下端)は、伝送線路H4の第1端(左端)に接続される。伝送線路H2の第1端(左端)は、入力端Iに接続される。また、伝送線路H2の第1端(左端)は、伝送線路H1の第1端(上端)に接続される。伝送線路H2の第2端(右端)は、移相スイッチSWPを介して、スタブST1に接続される。また、伝送線路H1の第2端(右端)は、伝送線路H3の第1端(上端)に接続される。伝送線路H3の第1端(上端)は、伝送線路H2の第2端(右端)に接続される。また、伝送線路H3の第1端(上端)は、移相スイッチSWPを介して、スタブST1に接続される。伝送線路H3の第2端(下端)は、移相スイッチSWPを介して、スタブST2に接続される。また、伝送線路H3の第2端(下端)は、伝送線路H4の第2端(右端)に接続される。伝送線路H4の第1端(左端)は、給電点Fに接続される。また、伝送線路H4の第1端(左端)は、伝送線路H1の第2端(下端)に接続される。伝送線路H4の第2端(右端)は、伝送線路H3の第2端(下端)に接続される。また、伝送線路H4の第2端(右端)は、移相スイッチSWPを介して、スタブST2に接続される。移相器13を通過した信号は、SWの開閉状態に応じて、通過した線路やスタブの電気長に応じた移相量で移相される。移相器13の移相量は、制御部17による移相スイッチSWPの開閉制御に応じて、切り替えられる。
【0043】
複数の発光器155によって構成されるディスプレイ15および移相器形成層130の上方には、複数のタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ層120が配置される。複数のタッチ電極Tは、接地電極を兼ねる。すなわち、タッチセンサ層120は、シールド層として機能する。タッチ電極Tは、透明な導電体によって構成される。例えば、パッチアンテナPと同様に、タッチ電極Tは、酸化インジウムスズや酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンなどの材質によって実現される。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、タッチ電極Tの材質には限定を加えない。タッチ電極Tは、図示しない導線等によって、筐体や接地端子に接続される。タッチ電極Tの電位は、そのタッチ電極Tが接続された接地箇所と同じ電位である。パッチアンテナPや移相器形成層130に形成された移相器13や配線と、タッチ電極Tとの間には、それらの間に形成された誘電体層や空間の誘電率に応じた容量が形成される。
【0044】
タッチ電極Tが形成されたタッチセンサ層120の上方には、複数のパッチアンテナPによって構成されたアンテナ層110が配置される。複数のパッチアンテナPは、給電電極FEを介して、移相器形成層130に形成された移相器13の給電点Fに電気的に接続される。給電電極FEは、パッチアンテナPと移相器13の給電点とを電気的に接続する導電性のビアである。導電性があれば、給電電極FEの材質には、特に限定を加えない。
【0045】
複数のパッチアンテナPの上方には、保護層177が形成される。保護層177は、可視領域の波長帯の光が透過可能な部材によって形成される。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、保護層177の材質には、限定を加えない。例えば、保護層177は、ガラスやプラスチックなどの透明部材によって実現される。
【0046】
配線層171と保護層177との間の空間には、誘電体層(図示しない)が形成される。誘電体層は、可視領域の波長帯の光が透過可能な誘電体によって形成される。配線層171と保護層177との間の空間は、誘電体層を構成する誘電体で満たされていてもよいし、空隙が形成されてもよい。誘電体層の材質や形状、位置については、特に限定を加えない。
【0047】
送信対象の信号は、送信回路(図示しない)から出力される。送信回路から出力された信号は、信号線(図示しない)を通じて、移相器13に到達する。移相器13に到達した送信対象の信号は、移相器13に設定された移相量で移相される。移相器13を通過した信号は、給電電極FEを介して、パッチアンテナPに到達する。パッチアンテナPに到達した信号は、送信対象の波長帯の電波として送信される。ディスプレイアンテナ10から送信される電波は、アンテナ集合体AEごとに送信方向が制御される。
【0048】
また、パッチアンテナPで受信された受信対象の電波は、そのパッチアンテナPに接続された移相器13に設定された移相量で、移相される。移相された信号は、信号線を通じて、受信回路(図示しない)によって受信される。受信回路によって受信される信号に含まれる情報は、図示しないデコーダでデコードされる。
【0049】
制御部17(制御手段)は、アンテナアレイ11を構成する複数のパッチアンテナPの接続状態を制御して、アンテナ集合体AEを形成させる。制御部17は、送受信対象の電波の周波数帯に合わせて、アンテナ集合体AEの大きさを設定する。制御部17は、パッチアンテナPの間に配置されたスイッチ(図示しない)のON/OFFを切り替えて、アンテナ集合体AEを構成するパッチアンテナPの組み合わせを変更する。その結果、送受信対象の電波の周波数帯に合わせて、アンテナ集合体AEの大きさが設定される。制御部17は、アンテナ集合体AEとして設定されたパッチアンテナPの下方に配置されたタッチ電極Tを接地させる。パッチアンテナPの下方に配置されたタッチ電極Tは、そのパッチアンテナPの接地電極として機能する。
【0050】
例えば、送受信対象の電波の周波数帯が70GHzの場合、制御部17は、1辺が6.8mmの方形領域になるように、アンテナ集合体AEの大きさを設定する。制御部17は、複数のスイッチを切り替えて、一辺が1.7mmのパッチアンテナPを16個(4×4)組み合わせる。制御部17は、16個のパッチアンテナPが同電位になるように、複数のスイッチを切り替える。その結果、4×4で配列された16個のパッチアンテナPが組み合わされて、1辺が6.8mmである方形領域のアンテナ集合体AEが設定される。制御部17は、アンテナアレイ11に関して、複数のアンテナ集合体AEを設定する。制御部17は、隣接したアンテナ集合体AEの間の接続に用いられるスイッチをOFFに設定する。複数のアンテナ集合体AEを組み合わせてさらに大きなアンテナ集合体AEを形成させる場合、制御部17は、隣接したアンテナ集合体AEの間の接続に用いられるスイッチをONに設定する。その場合、制御部17は、送受信対象の電波の波長帯に合わせて、隣接したアンテナ集合体AEの間の接続に用いられるスイッチをONに設定する。
【0051】
また、制御部17は、移相器13の移相量を設定する。制御部17は、移相器13に配置された移相スイッチSWPのON/OFFを切り替えて、移相器13の移相量を設定する。制御部17は、移相量が設定された移相器13の入力端Iに接続された信号線に、送信対象の信号を供給する。また、制御部17は、電波の送信に用いられるアンテナ集合体AEを構成するパッチアンテナPと信号源(図示しない)との接続を切り替えるスイッチ(図示しない)をONに切り替える。信号源は、送信対象の電波の送信に用いられる高周波電源である。信号源は、送信対象の電波の周波数帯や、その電波の送信強度に応じた高周波電力を供給する。信号源に接続されたパッチアンテナPを含むアンテナ集合体AEには、その信号源から高周波電力が供給される。その結果、信号線から供給された送信対象の信号は、移相器13の移相量に応じて移相されて、アンテナ集合体AEから送信される。
【0052】
制御部17は、アクティブな行センサTSXおよび列センサTSYを順次切り替えて、接触のスキャンを実行する。行センサTSXは、行方向(X方向)の接触を検知する。列センサTSYは、列方向(Y方向)の接触を検知する。制御部17は、スキャン中のタッチ電極Tの上方に位置するパッチアンテナPに接続されたスイッチSW1を順次開いて、信号源SGから切り離す。その結果、接触検知のスキャンに合わせて、パッチアンテナPへの高周波電力の供給が停止する。制御部17は、行センサTSXと列センサTSYとの交点における容量の変化に応じて、接触位置を検出する。
【0053】
さらに、制御部17は、ディスプレイ15の表示を制御する。制御部17は、操作入力を受け付けるユーザインターフェースが表示されるように、ディスプレイ15を構成する複数の発光器155を発光させる。制御部17は、タッチセンサ12による検出位置に対応付けて、その検出位置において選択や操作を行うための表示情報が表示されるように、複数の発光器155を発光させる。ユーザインターフェースを表示させない場合、制御部17は、タッチパネルとは無関係の画像が表示されるように、ディスプレイ15を構成する複数の発光器155を発光させてもよい。なお、ディスプレイ15の表示制御のために、制御部17とは異なる表示制御部(図示しない)が用いられてもよい。
【0054】
図14は、ディスプレイアンテナ10が搭載された端末装置の一例を示す概念図である。端末装置の画面180には、ディスプレイアンテナ10に含まれるディスプレイ15の画像が表示される。また、端末装置の画面180には、ディスプレイアンテナ10のタッチパネルの機能が設定される。
図14には、ユーザインターフェースが画面180に表示される例を示す。
図14には、画面180に表示されたユーザインターフェースに含まれるボタンのうち一つが、ユーザによって選択された様子を示す。
図14には、タッチパネルを構成するタッチセンサの行方向および列方向のイメージを網目状のパターンで示すが、実際に形成されるタッチセンサの大きさや間隔を正確に表してはいない。
【0055】
図14の例において、ディスプレイアンテナ10は、ユーザの指が接触した位置を検出する。ディスプレイアンテナ10は、検出された位置に表示された表示情報に対応した入力を受け付ける。また、端末装置の画面180は、フェーズドアレイアンテナとしても機能する。このように、ディスプレイアンテナ10は、タッチパネルの機能と、フェーズドアレイアンテナの機能とを同時に発揮できる。ディスプレイアンテナ10は、タッチパネル、フェーズドアレイアンテナ、およびディスプレイのうち少なくともいずれかの機能が発現すればよい。
【0056】
(変形例)
次に、本実施形態のディスプレイアンテナ10の変形例をあげる。ここでは、4つの変形例をあげる。以下の変形例に関する説明においては、これまで説明されたディスプレイアンテナ10と同様の部分については、説明を省略する。
【0057】
〔変形例1〕
図15は、変形例1に係るディスプレイアンテナ10-1の構成の一例を示す概念図である。
図15は、ディスプレイアンテナ10-1の断面構造の一例を示す。ディスプレイアンテナ10-1は、移相器形成層130に配置された移相器13に含まれる移相スイッチSWPを実現する構成の一例である。本変形例では、二酸化バナジウムVO
2の金属-絶縁体相転移(以下、相転移と呼ぶ)を利用したスイッチSWVが、移相スイッチSWPとして用いられる例をあげる。
【0058】
スイッチSWVは、移相器13に設置される。スイッチSWVの下方には、シールド電極172を挟んで、TFT(Thin Film Transistor)が配置される。TFTは、基板170の上面に配置される。シールド電極172には、貫通孔が形成される。貫通孔は、スイッチSWVの下方に形成される。貫通孔を通して、ビアV1が配置される。スイッチSWVは、ビアV1を介して、スイッチSWVの開閉制御を行うTFTに接続される。
【0059】
図16は、スイッチSWVを実現する構成の一例を示す概念図である。
図16のスイッチSWVは、二酸化バナジウムVO
2の薄膜を含む。二酸化バナジウムVO
2は、常温から温度を上昇させると、摂氏67度付近で急激に電気抵抗が減少して、絶縁体から金属に相転移する。相転移温度よりも低温において、二酸化バナジウムVO
2は絶縁相である。相転移温度よりも高温において、二酸化バナジウムVO
2は金属相である。実際の二酸化バナジウムVO
2の相転移においては、温度の上昇と下降においてヒステリシスが発生する。そのため、スイッチSWVは、所定の温度帯でスイッチSWVのON/OFFが切り替わるように、温度設計される。
【0060】
図16の例において、スイッチSWVは、移相器13に含まれる配線Lに配置される。例えば、スイッチSWVは、分岐線路やスタブなどと主要線路との接続点に配置される。また、スイッチSWVには、電熱線Hが熱的に接続される。電熱線Hの第1端は、ビアV2を介して、電源線L
Pに電気的に接続される。また、電熱線Hの第2端は、ビアV1を介して、TFTのドレインdに電気的に接続される。電熱線Hは、スイッチSWVに含まれる二酸化バナジウムVO
2の薄膜の温度を制御するために用いられる。例えば、電熱線Hは、ニッケルNiやクロムCrを主成分とする合金で実現される。電熱線Hは、クロムCr、鉄Fe、およびアルミニウムAlを主成分とする合金で実現されてもよい。電流の印加に応じて温度を制御しやすい材質であれば、電熱線Hの材質には、特に限定を加えない。
【0061】
電熱線Hへの電流の供給は、TFTを用いて制御できる。TFTのゲートgに閾値電圧を越えた電圧が印加されると、TFTがONになる。TFTがONになると、接地線GNDに接続されたソースsとドレインdが同電位(0V)になり、電源線LPを介して電熱線Hに電流が供給される。電熱線Hに電流が供給されると、電熱線の温度が上昇する。電熱線Hの熱は、スイッチSWVに含まれる二酸化バナジウムVO2の薄膜に伝わる。スイッチSWVに含まれる二酸化バナジウムVO2の薄膜の温度が相転移温度を超えると、その薄膜が金属相に相転移する。その結果、スイッチSWVがONの状態に遷移し、スイッチSWVが介在する配線Lが導通される。また、電熱線Hへの電流の供給が停止されると、電熱線Hの温度が下降する。スイッチSWVに含まれる二酸化バナジウムVO2の薄膜の温度が相転移温度を下回ると、その薄膜は絶縁相に相転移する。その結果、スイッチSWVがOFFの状態に遷移し、スイッチSWVが介在する配線Lが電気的に遮断される。
【0062】
本変形例によれば、二酸化バナジウムVO2の薄膜を含むスイッチSWVを用いることによって、ディスプレイアンテナ10-1を半導体プロセスで一括して製造できる。また、本変形例によれば、移相器形成層130に形成される移相器13を小型化できる。二酸化バナジウムVO2の薄膜を含むスイッチSWVは、ディスプレイアンテナ10-1に含まれるその他のスイッチに適用されてもよい。
【0063】
〔変形例2〕
図17は、変形例2に係るディスプレイアンテナ10-2の構成の一例を示す概念図である。
図17は、ディスプレイアンテナ10-2の断面構造の一例を示す。ディスプレイアンテナ10-2は、アンテナの機能(アンテナA2)とディスプレイの機能(ディスプレイD2)が分割された構成である。アンテナA2は、ディスプレイD2の上方に積層される。アンテナA2には、パッチアンテナP、タッチ電極T、給電電極FE、移相器形成層130、シールド層175、および保護層177が含まれる。ディスプレイD2には、複数の発光器155、基板170、および配線層171が含まれる。アンテナの機能とディスプレイの機能とは、一体で形成されてもよい。
図17においては、ディスプレイアンテナ10-2の構成のうち一部を省略する。また、
図17の断面図においては、ハッチングを省略した箇所がある。
【0064】
アンテナA2の最下層には、シールド電極172の替わりに、シールド層175が形成される。シールド層175は、そのシールド層175の上方と下方の電磁結合を防ぐために形成される。シールド層175は、透明な導電体によって構成される。例えば、パッチアンテナPと同様に、シールド層175は、酸化インジウムスズや酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンなどの材質によって実現される。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、シールド層175の材質には限定を加えない。シールド層175は、図示しない導線等によって、筐体や接地端子に接続される。シールド層175の電位は、そのシールド層175が接続された接地箇所と同じ電位である。
【0065】
ディスプレイD2の上部には、平坦化膜や保護膜が形成される。平坦化膜や保護膜は、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明な材質である。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、平坦化膜や保護膜の材質には限定を加えない。例えば、平坦化膜や保護膜は、酸化シリコンなどによって実現される。ディスプレイD2の上方には、アンテナA2が配置される。アンテナA2に含まれる移相器形成層130は、ディスプレイD2に含まれる発光器155の上方の領域を避けて配置される。
【0066】
本変形例によれば、アンテナA2とディスプレイD2とを個別に製造できる。例えば、アンテナA2とディスプレイD2とは、異なる工場で製造されてもよい。このように、本変形例によれば、ディスプレイアンテナ10-2の製造における自由度が向上する。
【0067】
〔変形例3〕
図18は、変形例3に係るディスプレイアンテナ10-3の構成の一例を示す概念図である。
図18は、ディスプレイアンテナ10-3の断面構造の一例を示す。ディスプレイアンテナ10-3は、アンテナの機能(アンテナA3)とディスプレイの機能(ディスプレイD3)が分割された構成である。アンテナA3は、ディスプレイD3の上方に積層される。アンテナA3には、パッチアンテナP、タッチ電極T、給電電極FE、移相器形成層130、シールド電極172、および保護層177が含まれる。ディスプレイD3には、複数の発光器155、基板170、および配線層171が含まれる。アンテナの機能とディスプレイの機能とは、一体で形成されてもよい。
図18においては、ディスプレイアンテナ10-3の構成のうち一部を省略する。また、
図18の断面図においては、ハッチングを省略した箇所がある。
【0068】
アンテナA3の最下層には、シールド電極172が形成される。シールド電極172は、シールド電極172の上方と、シールド電極172の下方に配置されるディスプレイD3との電磁結合を防ぐために形成される。シールド電極172の材質については、導電性があれば、特に限定を加えない。例えば、シールド電極172は、アルミニウムや銅などの金属を含む素材で実現される。シールド電極172は、図示しない導線等によって、筐体や接地端子に接続される。シールド電極172の電位は、そのシールド電極172が接続された接地箇所と同じ電位である。
【0069】
ディスプレイD3の上部には、平坦化膜や保護膜が形成される。平坦化膜や保護膜は、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明な材質である。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、平坦化膜や保護膜の材質には限定を加えない。例えば、平坦化膜や保護膜は、酸化シリコンなどによって実現される。ディスプレイD3の上方には、アンテナA3が配置される。アンテナA3に含まれる移相器形成層130およびシールド電極172は、ディスプレイD3に含まれる発光器155の上方の領域を避けて配置される。
【0070】
本変形例によれば、アンテナA3とディスプレイD3とを個別に製造できる。例えば、アンテナA3とディスプレイD3とは、異なる工場で製造されてもよい。このように、本変形例によれば、ディスプレイアンテナ10-3の製造における自由度が向上する。
【0071】
〔変形例4〕
図19は、変形例4に係るディスプレイアンテナ10-4の構成の一例を示す概念図である。
図19は、ディスプレイアンテナ10-4の断面構造の一例を示す。ディスプレイアンテナ10-4は、アンテナの機能(アンテナA4)とディスプレイの機能(ディスプレイD4)が分割された構成である。アンテナA4は、ディスプレイD4の上方に積層される。アンテナA4には、パッチアンテナP、タッチ電極T、給電電極FE、移相器形成層130、および保護層177が含まれる。ディスプレイD4には、複数の発光器155、基板170、配線層171、およびシールド電極172が含まれる。アンテナの機能とディスプレイの機能とは、一体で形成されてもよい。
図19においては、ディスプレイアンテナ10-4の構成のうち一部を省略する。また、
図19の断面図においては、ハッチングを省略した箇所がある。
【0072】
アンテナA4の最下層には、移相器形成層130が形成される。例えば、移相器形成層130の下方には、平坦化膜や保護膜が形成される。平坦化膜や保護膜は、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明な材質である。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、平坦化膜や保護膜の材質には限定を加えない。例えば、平坦化膜や保護膜は、酸化シリコンなどによって実現される。
【0073】
ディスプレイD4の上部には、平坦化膜や保護膜が形成される。平坦化膜や保護膜は、可視領域の波長帯の光が透過可能な透明な材質である。可視領域の波長帯の光が透過可能であれば、平坦化膜や保護膜の材質には限定を加えない。例えば、平坦化膜や保護膜は、酸化シリコンなどによって実現される。複数の発光器155の間には、シールド電極172が配置される。シールド電極172は、アンテナA4に含まれる移相器形成層130に含まれる移相器13に対応付けられて、移相器13の下方に配置される。シールド電極172は、シールド電極172の上方と、シールド電極172の下方に配置された配線層171などとの電磁結合を防ぐために形成される。シールド電極172の材質については、導電性があれば、特に限定を加えない。例えば、シールド電極172は、アルミニウムや銅などの金属を含む素材で実現される。シールド電極172は、図示しない導線等によって、筐体や接地端子に接続される。シールド電極172の電位は、そのシールド電極172が接続された接地箇所と同じ電位である。ディスプレイD4の上方には、アンテナA4が配置される。移相器形成層130は、ディスプレイD4に含まれる発光器155の上方の領域を避けて配置される。
【0074】
本変形例によれば、アンテナA4とディスプレイD4とを個別に製造できる。例えば、アンテナA4とディスプレイD4とは、異なる工場で製造されてもよい。このように、本変形例によれば、ディスプレイアンテナ10-4の製造における自由度が向上する。本変形例の構成によれば、移相器形成層130に含まれる移相器13が透明でなくてもよい。
【0075】
以上のように、本実施形態のディスプレイアンテナは、アンテナアレイ、タッチセンサ、移相器、ディスプレイ、および制御部を備える。ディスプレイは、格子状に配列された複数の発光器を含む。タッチセンサは、ディスプレイに重ねて配置される。タッチセンサは、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列された構造を有する。タッチ電極は、上方に配置されたパッチアンテナの接地電極を兼ねる。アンテナアレイは、タッチセンサに重ねて配置される。アンテナアレイは、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列された構造を有する。移相器は、隣接し合う発光器に挟まれた隙間領域に配置される。移相器は、タッチセンサに形成された貫通孔に配置された給電電極を介して、複数のパッチアンテナのうち少なくともいずれかに接続される。移相器は、複数のパッチアンテナのうち少なくともいずれかに対応付けられる。移相器は、送受信対象の信号を移相する。制御部は、アンテナアレイに含まれる複数のパッチアンテナの接続を切り替えてフェーズドアレイアンテナを構成する。制御部は、タッチセンサに含まれる複数のタッチ電極のON/OFFを切り替えて接触検知する。制御部は、行方向に配列された複数のタッチ電極によって形成された行と、列方向に配列された複数のタッチ電極によって形成された列との交点における容量変化に応じて、指示体の接触位置を検出する。
【0076】
本実施形態のディスプレイアンテナは、アンテナアレイとタッチセンサが積層された構造を有する。アンテナアレイは、複数のパッチアンテナによってアンテナ集合体を構成されることによって、送受信対象の電波の周波数帯を変更できる。アンテナアレイは、信号源との接続を切り替えることによって、電波の送受信に用いられるパッチアンテナを選択できる。タッチセンサは、複数のタッチ電極のON/OFFを切り替えることによって、接触を検知できる。フェーズドアレイアンテナとタッチセンサとは、異なる層で構成される。すなわち、本実施形態のディスプレイアンテナによれば、タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能である。
【0077】
5G以降の移動通信に対応する周波数帯で用いられるパッチアンテナの最適な大きさは、タッチセンサに用いられるタッチ電極の最適な大きさとは異なる。また、5G以降の移動通信に対応する周波数帯に応じて、パッチアンテナの最適な大きさと、タッチ電極の最適なピッチとが異なる。本実施形態によれば、タッチセンサとアンテナとを独立して設定できる。すなわち、本実施形態の構成は、5G以降の移動通信に用いられるタッチセンサ兼用型アンテナ装置に好適である。
【0078】
本実施形態の一態様において、制御部は、アンテナとして機能するパッチアンテナの下方に配置されたタッチ電極をOFFに設定する。本態様によれば、アンテナとして動作するパッチアンテナの下方に配置されたタッチ電極を、パッチアンテナの接地電極として機能させることができる。
【0079】
本実施形態の一態様において、制御部は、アクティブな状態のタッチ電極の上方に配置されたパッチアンテナをOFFに切り替える。本態様によれば、タッチ電極の上方に配置されたパッチアンテナをOFFに切り替えることによって、タッチ電極の感度を向上できる。
【0080】
本実施形態の一態様において、制御部は、アクティブな状態のタッチ電極の上方に配置された複数のパッチアンテナを同電位に設定して、タッチセンサの一部として機能させる。本態様によれば、タッチ電極の上方に配置されたパッチアンテナを、タッチセンサの一部として機能させることによって、タッチ電極の感度を向上できる。
【0081】
本実施形態の一態様において、制御部は、タッチセンサにおける位置に対応付けられたユーザインターフェースをディスプレイに表示させる。制御部は、検出された指示体の接触位置と、ディスプレイにおいて接触位置に表示された入力画像とを対応付けて、選択された入力画像を判別する。本態様によれば、ディスプレイに表示された入力画像の選択に応じて、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースを実現できる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るディスプレイアンテナについて図面を参照しながら説明する。本実施形態のディスプレイアンテナは、パッチアンテナと移相器とを電磁結合によって接続する点において、第1実施形態に係るディスプレイアンテナとは異なる。
【0083】
(構成)
図20は、本実施形態に係るディスプレイアンテナ20の構成の一例を示すブロック図である。ディスプレイアンテナ20は、アンテナアレイ21、タッチセンサ22、移相器23、ディスプレイ25、および制御部27を備える。アンテナアレイ21、タッチセンサ22、および移相器23は、アンテナ装置200を構成する。アンテナ装置200には、制御部27が追加されてもよい。制御部27は、ディスプレイアンテナ20の外部に配置されてもよい。その場合、ディスプレイアンテナ20は、アンテナアレイ21、タッチセンサ22、移相器23、およびディスプレイ25によって構成される。
【0084】
アンテナアレイ21は、第1実施形態のアンテナアレイ11と同様の構成である。アンテナアレイ21は、複数のパッチアンテナを含む。パッチアンテナは、可視領域および近赤外領域の波長帯の光が透過可能な透明電極である。例えば、可視領域は、380~800nmの波長帯である。例えば、近赤外領域は、0.7~2.5μm(マイクロメートル)の波長帯である。アンテナアレイ21は、接触の検知に用いられる光の波長帯に対して、透明であればよい。
【0085】
図21は、ディスプレイアンテナ20の構造の一例について説明するための断面図である。
図21においては、ディスプレイアンテナ20の構成の一部を示す。
図21には、アンテナ層210、タッチセンサ層220、移相器形成層230、およびディスプレイ形成層250を示す。ディスプレイ形成層250には、ディスプレイ25が構成される。ディスプレイ形成層250の上方に、移相器23を含む移相器形成層230が配置される。移相器形成層230の上方に、接地電極を兼ねたタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ層220が配置される。タッチセンサ層220の上方に、複数のパッチアンテナPによって構成されたアンテナ層210が配置される。移相器形成層230に形成された移相器23からは、マイクロストリップライン(図示しない)が出ている。移相器23から出ているマイクロストリップラインは、電磁結合によって、その移相器23の上方に配置されたパッチアンテナPに接続される。
【0086】
パッチアンテナPは、電磁結合給電方式で、給電される。パッチアンテナPの下のタッチセンサ層220には、開口部(スロットとも呼ぶ)が開口する。パッチアンテナPは、タッチセンサ層220のスロットを介して、移相器形成層230に形成された移相器23から出ているマイクロストリップラインと電磁結合される。移相器23は、マイクロストリップ線路に相当する。スロットを介して、移相器23から出ているマイクロストリップラインとパッチアンテナPとが電磁結合することによって、パッチアンテナPが励振される。例えば、送信対象である電波の波長の1/4波長程度スロット直下から離れた位置に、移相器23の開放端を配置し、スロットの寸法を調整することによって、インピーダンスを整合できる。例えば、スロットの形状は、長方形である。例えば、スロットの形状は、ドッグボーン型などのように、長方形以外の形状であってもよい。移相器23から出ているマイクロストリップラインとパッチアンテナPとは、スロットを介さずに、近接結合給電によって、電磁結合されてもよい。
【0087】
図22は、パッチアンテナPと移相器23との間の電磁結合ECについて説明するための概念図である。
図22においては、移相器23から出ているマイクロストリップラインを省略する。アンテナ層210を形成する複数のタッチ電極Tは、配線(図示しない)を介して、同電位に設定される。複数のパッチアンテナPの各々は、複数のタッチ電極Tによって構成されたタッチセンサ層220に形成された貫通孔を介して、電磁結合ECによって移相器23(マイクロストリップライン)に接続される。移相器23の入力端は、信号源SGに接続される。信号源SGから移相器23に供給された高周波電力に応じて、信号線(図示しない)を通じて供給された送信対象の信号が、電磁結合ECによって、パッチアンテナPに伝送される。パッチアンテナPに伝送された信号は、無線信号として送信される。
【0088】
タッチ電極Tは、第1実施形態のタッチ電極Tと同様の構成である。タッチ電極Tは、移相器形成層230に含まれる移相器23の上方に配置される。タッチ電極Tは、パッチアンテナPの接地電極を兼ねる。タッチ電極Tは、図示しない回路を介して接地される。複数のタッチ電極Tは、2次元アレイ状に配列される。
【0089】
タッチ電極Tの上方には、複数のパッチアンテナPが配置される。複数のパッチアンテナPは、電磁結合ECを介して、下方に配置された移相器23から出ているマイクロストリップラインに接続される。パッチアンテナPは、下方に配置された移相器23との間で信号を送受信する。パッチアンテナPは、移相器23から受信した信号を無線信号として送信する。また、パッチアンテナPは、受信した無線信号を移相器23に送信する。
【0090】
送信対象の信号は、送信回路(図示しない)から出力される。送信回路から出力された信号は、信号線(図示しない)を通じて、移相器23に到達する。移相器23に到達した送信対象の信号は、移相器23に設定された移相量で移相される。移相器23から出ているマイクロストリップラインに到達した信号は、電磁結合ECによって、その移相器23の上方に配置されたパッチアンテナPに伝播する。パッチアンテナPに伝播した信号は、送信対象の波長帯の電波として送信される。ディスプレイアンテナ20から送信される電波は、アンテナ集合体ごとに送信方向が制御される。
【0091】
また、パッチアンテナPで受信された受信対象の信号は、電磁結合ECによって、そのパッチアンテナPの下方に配置された移相器23に送信される。移相器23によって受信された信号は、その移相器23に設定された移相量で移相される。移相された信号は、信号線を通じて、受信回路(図示しない)によって受信される。受信回路によって受信される信号に含まれる情報は、図示しないデコーダでデコードされる。
【0092】
制御部27(制御手段)は、第1実施形態の制御部17と同様の構成である。制御部27は、アンテナアレイ21を構成する複数のパッチアンテナPの接続状態を制御して、アンテナ集合体を形成させる。制御部27は、送受信対象の電波の周波数帯に合わせて、アンテナ集合体の大きさを設定する。制御部27は、パッチアンテナPの間に配置されたスイッチ(図示しない)のON/OFFを切り替えて、アンテナ集合体を構成するパッチアンテナPの組み合わせを変更する。その結果、送受信対象の電波の周波数帯に合わせて、アンテナ集合体の大きさが設定される。制御部27は、アンテナ集合体として設定されたパッチアンテナPの下方に配置されたタッチ電極Tを接地させる。パッチアンテナPの下方に配置されたタッチ電極Tは、そのパッチアンテナPの接地電極として機能する。
【0093】
また、制御部27は、移相器23の移相量を設定する。制御部27は、移相器23に配置された移相スイッチのON/OFFを切り替えて、移相器23の移相量を設定する。制御部27は、移相量が設定された移相器23の入力端に接続された信号線に、送信対象の信号を供給する。また、制御部27は、電波の送信に用いられるアンテナ集合体を構成するパッチアンテナPに対応付けられた移相器23と信号源(図示しない)との接続を切り替えるスイッチ(図示しない)をONに切り替える。信号源は、送信対象の電波の送信に用いられる高周波電源である。信号源は、送信対象の電波の周波数帯や、その電波の送信強度に応じた高周波電力を供給する。信号源に接続された移相器23に対応付けられたパッチアンテナPを含むアンテナ集合体には、その信号源から高周波電力が供給される。その結果、信号線から供給された送信対象の信号は、移相器23の移相量に応じて移相されて、アンテナ集合体を構成するパッチアンテナPに伝送される。パッチアンテナPに伝送された信号は、そのパッチアンテナPから無線信号として送信される。
【0094】
制御部27は、アクティブな行センサTSXおよび列センサTSYを順次切り替えて、接触のスキャンを実行する。行センサTSXは、行方向(X方向)の接触を検知する。列センサTSYは、列方向(Y方向)の接触を検知する。制御部27は、スキャン中のタッチ電極Tの上方に位置するパッチアンテナPに対応付けられた移相器23と信号源SGとの間のスイッチを開く。その結果、接触検知のスキャンに合わせて、パッチアンテナPに対応付けられた移相器23への高周波電力の供給が停止する。制御部27は、行センサTSXと列センサTSYとの交点における容量の変化に応じて、接触位置を検出する。
【0095】
さらに、制御部27は、ディスプレイ25の表示を制御する。制御部27は、操作入力を受け付けるユーザインターフェースが表示されるように、ディスプレイ25を構成する複数の発光器255を発光させる。制御部27は、タッチセンサ22による検出位置に対応付けて、その検出位置において選択や操作を行うための表示情報が表示されるように、複数の発光器255を発光させる。ユーザインターフェースを表示させない場合、制御部27は、タッチセンサとは無関係の画像が表示されるように、ディスプレイ25を構成する複数の発光器255を発光させてもよい。なお、ディスプレイ25の表示制御のために、制御部27とは異なる表示制御部(図示しない)が用いられてもよい。
【0096】
上記のように、ディスプレイアンテナ20は、タッチセンサの機能と、フェーズドアレイアンテナの機能とを同時に発揮できる。ディスプレイアンテナ20は、フェーズドアレイの機能を使わずに、タッチセンサとして用いられてもよい。また、ディスプレイアンテナ20は、タッチセンサの機能を使わずに、フェーズドアレイアンテナとして用いられてもよい。
【0097】
以上のように、本実施形態のディスプレイアンテナは、アンテナアレイ、タッチセンサ、移相器、ディスプレイ、および制御部を備える。ディスプレイは、格子状に配列された複数の発光器を含む。タッチセンサは、ディスプレイに重ねて配置される。タッチセンサは、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列された構造を有する。タッチ電極は、上方に配置されたパッチアンテナの接地電極を兼ねる。アンテナアレイは、タッチセンサに重ねて配置される。アンテナアレイは、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列された構造を有する。移相器は、隣接し合う発光器に挟まれた隙間領域に配置される。移相器は、タッチセンサに形成された貫通孔を通じた電磁結合を介して、複数のパッチアンテナのうち少なくともいずれかに接続される。移相器は、複数のパッチアンテナのうち少なくともいずれかに対応付けられる。移相器は、送受信対象の信号を移相する。制御部は、アンテナアレイに含まれる複数のパッチアンテナの接続を切り替えて、フェーズドアレイアンテナを構成する。制御部は、タッチセンサに含まれる複数のタッチ電極のON/OFFを切り替えて、接触を検知する。制御部は、行方向に配列された複数のタッチ電極によって形成された行と、列方向に配列された複数のタッチ電極によって形成された列との交点における容量変化に応じて、指示体の接触位置を検出する。
【0098】
本実施形態のディスプレイアンテナは、アンテナアレイとタッチセンサが積層された構造を有する。アンテナアレイは、複数のパッチアンテナによってアンテナ集合体を構成されることによって、送受信対象の電波の周波数帯を変更できる。アンテナアレイは、信号源との接続を切り替えることによって、電波の送受信に用いられるパッチアンテナを選択できる。タッチセンサは、複数のタッチ電極のON/OFFを切り替えることによって、接触を検知できる。フェーズドアレイアンテナとタッチセンサとは、異なる層で構成される。すなわち、本実施形態のディスプレイアンテナによれば、タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能である。また、本実施形態のディスプレイアンテナによれば、電磁結合によって複数のパッチアンテナが移相器に接続されるため、配線を簡略化できる。
【0099】
本実施形態の一態様のディスプレイアンテナは、タッチセンサに形成された貫通孔を通じた電磁結合を介して、下方に配置された移相器に接続される。本態様によれば、タッチセンサに形成された貫通孔を介して対向し合うパッチアンテナと移相器とが、電磁結合によって互いに通信できる。
【0100】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るディスプレイアンテナについて図面を参照しながら説明する。本実施形態のディスプレイアンテナは、第1~第2実施形態に係るディスプレイアンテナを簡略化した構成である。
【0101】
図23は、本実施形態に係るディスプレイアンテナ30の構成の一例を示すブロック図である。ディスプレイアンテナ30は、アンテナアレイ31、タッチセンサ32、およびディスプレイ35を備える。ディスプレイ35は、格子状に配列された複数の発光器を含む。タッチセンサ32は、ディスプレイ35に重ねて配置される。タッチセンサ32は、可視領域の波長帯の光が透過する複数のタッチ電極が格子状に配列された構造を有する。タッチ電極は、上方に配置されたパッチアンテナの接地電極を兼ねる。アンテナアレイ31は、タッチセンサ32に重ねて配置される。アンテナアレイ31は、可視領域の波長帯の光が透過する複数のパッチアンテナが格子状に配列された構造を有する。
【0102】
本実施形態のディスプレイアンテナは、アンテナアレイとタッチセンサが積層された構造を有する。アンテナアレイは、複数のパッチアンテナによってアンテナ集合体を構成されることによって、送受信対象の電波の周波数帯を変更できる。また、アンテナアレイは、信号源との接続を切り替えることによって、電波の送受信に用いられるパッチアンテナを選択できる。タッチセンサは、複数のタッチ電極のON/OFFを切り替えることによって、接触を検知できる。このように、アンテナアレイとタッチセンサは、独立して制御できる。すなわち、本実施形態のディスプレイアンテナによれば、タッチセンサとアンテナとを独立して設定可能である。
【0103】
(ハードウェア)
次に、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、図面を参照しながら説明する。ここでは、そのようなハードウェア構成の一例として、
図24の情報処理装置90(コンピュータ)をあげる。
図24の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0104】
図24のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図24においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0105】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の制御や処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0106】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0107】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0108】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0109】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0110】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0111】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0112】
以上が、本開示の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図24のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本開示の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも、本開示の範囲に含まれる。
【0113】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本開示の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0114】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0115】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0116】
10、20、30 ディスプレイアンテナ
11、21、31 アンテナアレイ
12、22、32 タッチセンサ
13、23 移相器
15、25、35 ディスプレイ
17、27 制御部
100、200 アンテナ装置
110、210 アンテナ層
120、220 タッチセンサ層
130、230 移相器形成層
150、250 ディスプレイ形成層
155 発光器
170 基板
171 配線層
172 シールド電極
177 保護層