(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161989
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】消防情報管理装置、消防情報管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241114BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/26
G09B29/00 Z
G09B29/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077103
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】久松 欣一
(72)【発明者】
【氏名】金谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 嵩史
(72)【発明者】
【氏名】安井 大輝
【テーマコード(参考)】
2C032
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC27
2C032HC38
2C032HD17
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】警防地図の更新作業を効率化できる消防情報管理装置等を提供する。
【解決手段】消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する取得部と、画像データから管理対象の状態を抽出する抽出部と、抽出された管理対象の状態に応じて更新された管理対象の管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する更新部と、を備える消防情報管理装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する取得部と、
前記画像データから前記管理対象の状態を抽出する抽出部と、
抽出された前記管理対象の状態に応じて更新された前記管理対象の管理情報に基づいて、前記管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する更新部と、を備える消防情報管理装置。
【請求項2】
前記管理情報および前記警防地図を含む消防情報を出力する出力部を備える請求項1に記載の消防情報管理装置。
【請求項3】
前記出力部は、
使用可能な前記管理対象と、使用不可能な前記管理対象とが異なる表示状態で表示される前記警防地図を含む前記消防情報を出力する請求項2に記載の消防情報管理装置。
【請求項4】
前記出力部は、
前記管理対象に前記管理情報が対応付けられて表示される前記警防地図を含む前記消防情報を出力する請求項2に記載の消防情報管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記管理対象の設置要望を含む要望情報を取得し、
前記抽出部は、
前記要望情報から前記管理対象の前記設置要望を抽出し、
前記更新部は、
前記管理対象の前記設置要望に応じて前記警防地図を更新し、
前記出力部は、
更新された前記警防地図が含まれる前記消防情報を出力する請求項2に記載の消防情報管理装置。
【請求項6】
火災現場の位置情報および前記管理情報を用いて、前記火災現場における消火活動で使用可能な消防水利を示す水利情報を推定する水利情報推定部を備え、
前記更新部は、
推定された前記水利情報に基づいて、使用可能な前記消防水利が明示された火災用警防地図を生成し、
前記出力部は、
生成された前記火災用警防地図が含まれる前記消防情報を出力する請求項2に記載の消防情報管理装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記火災現場の位置情報を含む火災情報を取得し、
前記抽出部は、
前記火災情報から前記火災現場の位置情報を抽出し、
前記水利情報推定部は、
抽出された前記火災現場の位置情報および前記管理情報を用いて前記水利情報を推定し、
前記更新部は、
推定された前記水利情報に基づいて、使用可能な前記消防水利が明示された前記火災用警防地図を生成し、
前記出力部は、
生成された前記火災用警防地図が含まれる前記消防情報を出力する請求項6に記載の消防情報管理装置。
【請求項8】
前記更新部は、
推定された前記水利情報および前記管理情報に基づいて、前記火災現場までのルートを含む火災用の前記警防地図を生成し、
前記出力部は、
生成された前記火災用警防地図が含まれる前記消防情報を出力する請求項7に記載の消防情報管理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
消防に関連する管理対象に関する画像データを取得し、
前記画像データから前記管理対象の状態を抽出し、
抽出された前記管理対象の状態に応じて、前記管理対象の管理情報を更新し、
更新された前記管理情報に基づいて、前記管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する消防情報管理方法。
【請求項10】
消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する処理と、
前記画像データから前記管理対象の状態を抽出する処理と、
抽出された前記管理対象の状態に応じて、前記管理対象の管理情報を更新する処理と、
更新された前記管理情報に基づいて、前記管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消防情報管理装置、消防情報管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消防局では、消防に固有な情報が付加された地図(警防地図とも呼ぶ)を使用する。消防隊員は、火災等の現場に向かう際に、現場対応に適した消防活動に必要な情報を把握する。警防地図は、消防隊員が手作業で作成されることが多かった。現状では、消防に固有な情報を住宅地図に重ねて表示させるシステムがある。しかし、このようなシステムを用いる場合であっても、消防に固有な情報を手作業で入力する必要があった。
【0003】
特許文献1には、道路または施設の変更を示す地図更新情報の取得に応じて、地図情報を更新する地図情報更新システムについて開示されている。特許文献1のシステムは、道路または施設の変更を他の情報源から再確認できた場合に、地図情報を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシステムは、地図上に記載されている道路または施設の変更に応じて、地図情報を更新する。特許文献1のシステムは、消防水利情報を含む消防に固有な情報を更新できなかった。そのため、特許文献1のシステムは、警防地図の更新作業を効率化できなかった。
【0006】
本開示の目的は、警防地図の更新作業を効率化できる消防情報管理装置、消防情報管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の消防情報管理装置は、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する取得部と、画像データから管理対象の状態を抽出する抽出部と、抽出された管理対象の状態に応じて更新された管理対象の管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する更新部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様の消防情報管理方法においては、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得し、画像データから管理対象の状態を抽出し、抽出された管理対象の状態に応じて、管理対象の管理情報を更新し、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する。
【0009】
本開示の一態様のプログラムは、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する処理と、画像データから管理対象の状態を抽出する処理と、抽出された管理対象の状態に応じて、管理対象の管理情報を更新する処理と、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、警防地図の更新作業を効率化できる消防情報管理装置、消防情報管理方法、およびプログラムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る消防情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る消防情報管理装置に記憶される管理対象情報および固有情報の一例を示す概念図である。
【
図3】第1実施形態に係る消防情報管理装置に記憶される管理対象情報および固有情報の一例を示す概念図である。
【
図4】第1実施形態に係る消防情報管理装置に記憶される管理対象情報および固有情報の一例を示す概念図である。
【
図5】第1実施形態に係る消防情報管理装置に記憶される管理対象情報および固有情報の一例を示す概念図である。
【
図6】第1実施形態に係る消防情報管理装置に記憶される警防地図の一例を示す概念図である。
【
図7】第1実施形態に係る消防情報管理装置によって更新された警防地図の一例を示す概念図である。
【
図8】第1実施形態に係る消防情報管理装置を含むシステムの構成の一例を示す概念図である。
【
図9】第1実施形態に係る消防情報管理装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る消防情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態に係る消防情報管理装置によって更新された警防地図の一例を示す概念図である。
【
図12】第2実施形態に係る消防情報管理装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図13】第3実施形態に係る消防情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】第3実施形態に係る消防情報管理装置による水利情報の推定に用いられる水利情報推定モデルの学習の一例について説明するための概念図である。
【
図15】第3実施形態に係る消防情報管理装置による水利情報の推定の一例について説明するための概念図である。
【
図16】第3実施形態に係る消防情報管理装置によって生成される火災用の警防地図の一例を示す概念図である。
【
図17】第3実施形態に係る消防情報管理装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図18】第4実施形態に係る消防情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】第4実施形態に係る消防情報管理装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図20】各実施形態に係る処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る消防情報管理装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の消防情報管理装置は、消防に関連する管理対象が撮影された画像データを取得する。本実施形態の消防情報管理装置は、取得した画像データから、管理対象の状態を抽出する。本実施形態の消防情報管理装置は、抽出された管理対象の状態に応じて、管理対象に関する消防情報を更新する。
【0014】
(構成)
図1は、本実施形態に係る消防情報管理装置10の構成の一例を示すブロック図である。消防情報管理装置10は、取得部11、抽出部13、記憶部14、更新部15、および出力部17を備える。
【0015】
取得部11は、消防に関連する管理対象が撮影された画像データを取得する。取得部11は、管理対象が撮影された動画データを取得してもよい。管理対象には、その管理対象の位置情報が紐づけられる。例えば、画像データには、消防水利に関する管理対象が含まれる。消防水利に関する管理対象には、消火栓が含まれる。また、消防水利に関する管理対象には、消火栓以外の水利が含まれる。消火栓以外の水利には、河川などの自然水利や、防火水槽やプールなどの人工水利が含まれる。また、管理対象には、道路や橋梁などが含まれてもよい。取得部11は、管理対象そのものが撮影された画像データではなく、管理対象に関する情報が記載された書類が撮影された画像データを取得してもよい。また、取得部11は、画像データと併せて提供された情報を取得してもよい。
【0016】
例えば、取得部11は、自治体の職員や担当者によって撮影された画像データを取得する。例えば、取得部11は、一般市民によって撮影された画像データを取得する。例えば、取得部11は、SNS(Social Networking Service)に投稿された画像データを取得する。取得部11は、消防水利や道路などの管理対象物の画像データを収集するアプリケーションから画像データを取得してもよい。
【0017】
抽出部13は、画像データから管理対象を抽出する。例えば、抽出部13は、画像データに含まれる特徴的な形状に応じて、管理対象を抽出する。例えば、抽出部13は、機械学習の手法を用いて、画像データから管理対象を抽出する。
【0018】
抽出部13は、抽出された管理対象に関して、その管理対象の状態を抽出する。例えば、抽出部13は、抽出された管理対象の変化に基づいて、その管理対象の状態を抽出する。例えば、抽出部13は、記憶部14に記憶された管理対象の画像データと、取得された管理対象の画像データとの差分に基づいて、管理対象の変化を抽出する。例えば、抽出部13は、管理対象の内容物の変化を抽出する。例えば、抽出部13は、防火水槽やプールに貯められた水の貯水量や変化を抽出する。また、抽出部13は、画像データと併せて提供された情報に基づいて、管理対象の状態を抽出してもよい。例えば、抽出部13は、撮影された管理対象に対して付与されたコメントなどの文字情報に基づいて、その管理対象の状態を抽出してもよい。
【0019】
記憶部14には、管理対象地区に配置された管理対象に関する情報(消防情報とも呼ぶ)が記憶される。消防情報には、管理対象ごとの管理情報が含まれる。管理情報には、管理対象ごとの固有情報および状態情報が含まれる。固有情報は、管理対象に固有な情報である。状態情報は、管理対象の状態に関する情報である。記憶部14に記憶された管理情報は、管理対象の固有情報や状態情報の更新に応じて、適宜更新される。
【0020】
図2~
図5は、記憶部14に記憶される管理情報の一例を示す概念図である。管理情報(破線の内部)には、固有情報(二点鎖線の内部)および状態情報(一点鎖線の内部)が含まれる。
図2~
図5の例において、消防局等に設置された端末装置150の画面に管理情報が表示される。端末装置150は、消防局に限定されず、任意の場所に設置される。
図2~
図4には、管理対象が消防水利である場合の例を示す。
図5には、管理対象が道路である場合の例を示す。
【0021】
固有情報は、事前に記憶部14に登録される。固有情報には、管理対象の種別や、登録番号、管轄、設置場所、設置年月日が含まれる。設置場所には、管理対象が設置された位置の緯度および経度が含まれる。固有情報には、管理対象の種別や、登録番号、管轄、設置場所、設置年月日ではない情報が含まれてもよい。固有情報は、管理対象の設置場所の変更などに応じて、適宜更新される。固有情報の更新については、特に限定を加えない。固有情報には、
図2~
図5に示されていない情報が含まれてもよい。
【0022】
状態情報には、管理対象の画像データ、画像データの更新日時、および画像データの情報源が含まれる。画像データの取得方法については、特に限定を加えない。例えば、画像データは、管理対象を撮影した携帯端末(図示しない)から電子メールなどで送信される。また、状態情報には、管理対象の状態に応じた管理ステータスが含まれる。管理ステータスは、管理対象の使用可否に関する状態を示す。例えば、管理ステータスは、画像データに基づいて判定される。例えば、管理ステータスは、画像データの変化に応じて、自動的に判定される。管理ステータスは、手入力で修正されてもよい。例えば、管理対象の使用可否が判定できるように、管理ステータスに応じたフラグが設定される。例えば、管理対象が使用可能ならば、フラグが1に設定される。一方、管理対象が使用不可能ならば、フラグが0に設定される。さらに、
図2~
図5には、管理対象の管理ステータスに応じたコメントを示す。コメントは、状態情報に含まれてもよい。コメントは、自動的に生成されてもよいし、消防局等の職員によって入力されてもよい。状態情報には、
図2~
図5に示されていない情報が含まれてもよい。
【0023】
図2は、管理対象の種別が消火栓の例である。
図2の画像データの情報源は、市民である。
図2の例では、管理対象の消火栓の上部に「凹み、錆び」が見られる。管理対象の消火栓の状態に応じた管理ステータスは、「使用不可」である。この管理ステータスでは、消火栓を使用できないため、フラグが0に設定される。
図2の例では、管理対象の管理ステータスに応じて、「消火栓の上部に凹みや錆びがあるようです。速やかに調査に向かってください。」というコメントが表示される。
【0024】
図3は、管理対象の種別が防火水槽の例である。
図3の画像データの情報源は、消防局等の職員による定期調査である。
図3の例では、管理対象の防火水槽に貯められた「水が少ない」状態である。管理対象の防火水槽の状態に応じた管理ステータスは、「使用不可」である。この管理ステータスでは、防火水槽を使用できないため、フラグが0に設定される。
図3の例では、管理対象の管理ステータスに応じて、「水量が基準を下回っています。消火に用いることは困難です。」というコメントが表示される。
【0025】
図4は、管理対象の種別がその他(プール)の例である。
図4の画像データの情報源は、SNSの投稿である。
図4の例では、管理対象のプールに「十分な水量」の水が貯まっている。管理対象のプールの状態に応じた管理ステータスは、「使用可」である。この管理ステータスでは、消防水利としてプールを使用できるため、フラグが1に設定される。
図4の例では、管理対象の管理ステータスに応じて、「十分な水量です。消火に用いることができます。」というコメントが表示される。
【0026】
図5は、管理対象の種別が道路(橋梁)の例である。
図5の画像データの情報源は、SNSの投稿である。
図5の例では、管理対象の「橋梁が落下」している。管理対象の橋梁の状態に応じた管理ステータスは、「使用不可」である。この管理ステータスでは、橋梁を使用できないため、フラグが0に設定される。
図5の例では、管理対象の管理ステータスに応じて、「先日の台風で橋梁が落ちました。しばらく通行できません。」というコメントが表示される。
【0027】
また、記憶部14には、警防地図が記憶される。警防地図は、上述した消防情報に含まれる。警防地図は、管理対象が配置された地域の地図に管理対象情報が付加された地図である。すなわち、警防地図は、管理対象の位置がマッピングされた地図である。例えば、警防地図には、管理対象の位置を示す記号が付加される。管理対象の位置を示す記号は、任意に設定される。警防地図にマッピングされた管理対象には、その管理対象の管理情報が紐づけられる。例えば、管理対象に紐づけられた管理情報は、警防地図上の管理対象の選択に応じて、表示される。警防地図のベースとなる地図に関しては、特に限定を加えない。例えば、警防地図のベースとなる地図は、一般的な住宅地図である。警防地図のベースとなる地図は、ネットワーク経由で閲覧可能な地図であってもよい。記憶部14に記憶された警防地図は、管理対象の固有情報や状態情報の更新に応じて、適宜更新される。
【0028】
図6は、警防地図の一例を示す概念図である。
図6は、管理対象の位置を示す記号が付加された警防地図が、端末装置150の画面に表示された例である。警防地図には、管理対象が設置された位置に対応付けられて、管理対象ごとの記号が付加される。例えば、使用可能な管理対象と、使用不可能な管理対象とは、異なる表示状態で表示されてもよい。例えば、使用可能な管理対象は、目立つ表示状態に設定される。例えば、使用不可能な管理対象は、目立たない表示状態に設定される。例えば、使用不可能な管理対象は、警防地図に表示されないように設定されてもよい。
図6の例では、通行止めとなっている橋梁の位置に「×」が表示される。
【0029】
更新部15は、画像データから抽出された管理対象の状態に応じて、記憶部14に記憶された管理対象の管理情報を更新する。また、更新部15は、管理対象の管理情報の更新に応じて、記憶部14に記憶された警防地図を更新する。
【0030】
図7は、警防地図の更新の一例を示す概念図である。
図7は、防火水槽に関する管理対象情報が更新された例である。警防地図が更新されるタイミングについては、特に限定しない。例えば、更新部15は、管理対象ごとの管理情報の更新に応じて、警防地図を更新する。例えば、警防地図に表示された管理対象の記号がクリックされたタイミングにおいて、その記号に対応付けられた管理対象情報が表示される。
【0031】
出力部17は、更新済みの消防情報を出力する。例えば、出力部17は、更新済みの消防情報を、消防局等の端末装置150に出力する。出力部17は、更新済みの消防情報を、管理対象を管理する自治体等の端末装置(図示しない)に出力してもよい。更新済みの消防情報が出力されるタイミングについては、特に限定を加えない。例えば、出力部17は、消防情報が更新されたタイミングにおいて、更新済みの消防情報を出力する。例えば、出力部17は、消防情報の出力先からの要求に応じて、更新済みの消防情報を出力する。例えば、出力部17は、予め設定されたタイミングにおいて、更新済みの消防情報を出力する。出力部17は、更新された情報のみを出力してもよい。
【0032】
図8は、消防情報管理装置10を含めたシステム構成の一例を示す概念図である。例えば、消防情報管理装置10は、サーバ100に実装される。消防情報管理装置10は、汎用のパーソナルコンピュータなどの端末装置(図示しない)やクラウドに実装されてもよい。例えば、画像データは、カメラ機能を含む携帯端末180によって撮影される。携帯端末180は、インターネットなどの通信ネットワークを介して、サーバ100に実装された消防情報管理装置10に画像データを送信する。例えば、消防情報管理装置10は、消防水利や道路に関する情報を含む書類が撮影された画像データを取得する。例えば、消防情報管理装置10は、実際に撮影された消防水利や道路に関する情報を含む画像データを取得する。消防情報管理装置10は、取得した画像データから管理対象の状態を抽出する。消防情報管理装置10は、抽出された管理対象の状態に応じて、その管理対象の状態情報を更新する。消防情報管理装置10は、状態情報の更新に応じて、管理情報が付加された警防地図を更新する。消防情報管理装置10は、更新された警防地図を含む消防情報を、インターネットなどの通信ネットワークを介して、消防局などに配置された端末装置150に送信する。端末装置150は、警防地図を含む消防情報を画面に表示させる。端末装置150の画面に表示された消防情報を視認した作業者は、消防情報の最新状態を確認できる。
【0033】
(動作)
次に、本実施形態に係る消防情報管理装置10の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
図9は、消防情報管理装置10の動作について説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートに沿った説明においては、消防情報管理装置10の構成要素を動作主体として説明する。
図9のフローチャートに沿った処理の動作主体は、消防情報管理装置10であってもよい。
【0034】
図9において、まず、取得部11が、管理対象が撮影された画像データを取得する(ステップS11)。例えば、画像データには、その画像データが撮影された位置の位置情報が紐づけられる。
【0035】
次に、抽出部13が、取得した画像データから管理対象を抽出する(ステップS12)。抽出部13は、抽出された管理対象の状態を抽出する。
【0036】
次に、抽出された管理対象の状態に応じて、更新部15が、記憶部14に記憶された管理対象情報を更新する(ステップS13)。
【0037】
次に、管理情報の更新に応じて、更新部15が、警防地図を更新する(ステップS14)。更新部15は、警防地図上の管理対象に、更新された管理情報を対応付ける。
【0038】
次に、出力部17が、更新済みの消防情報を出力する(ステップS15)。例えば、出力部17から出力された更新済みの消防情報は、消防局等に設置された端末装置150の画面に表示される。出力部17から出力された消防情報の使用については、特に限定を加えない。
【0039】
以上のように、本実施形態の消防情報管理装置は、取得部、抽出部、記憶部、更新部、および出力部を備える。取得部は、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する。抽出部は、画像データから管理対象の状態を抽出する。記憶部は、管理対象の管理情報と、警防地図とを含む消防情報を記憶する。更新部は、抽出された管理対象の状態に応じて、管理対象の管理情報を更新する。更新部は、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する。出力部は、管理情報および警防地図を含む消防情報を出力する。
【0040】
本実施形態の消防情報管理装置は、消防に関連する管理対象に関する画像データに基づいて、管理対象の管理情報を更新する。また、本実施形態の消防情報管理装置は、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する。本実施形態の消防情報管理装置は、更新された警防地図を含む消防情報を出力する。本実施形態によれば、手作業による入力作業を介さずに、警防地図を更新できる。そのため、本実施形態によれば、警防地図の更新作業を効率化できる。また、本実施形態によれば、手作業による入力作業を介さずに更新された警防地図を含む消防情報を出力できる。
【0041】
本実施形態の一態様において、出力部は、使用可能な管理対象と、使用不可能な管理対象とが異なる表示状態で表示される警防地図を含む消防情報を出力する。本態様によれば、警防地図の閲覧することによって、使用可能な管理対象と、使用不可能な管理対象とを明確に把握できる。
【0042】
本実施形態の一態様において、出力部は、管理対象に管理情報が対応付けられて表示される警防地図を含む消防情報を出力する。本態様によれば、警防地図の閲覧することによって、管理対象ごとの管理情報を把握できる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る消防情報管理装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の消防情報管理装置は、消防水利などの管理対象の設置要望に応じて、消防情報を更新する。
【0044】
(構成)
図10は、本実施形態に係る消防情報管理装置20の構成の一例を示すブロック図である。消防情報管理装置20は、取得部21、抽出部23、記憶部24、更新部25、および出力部27を備える。
【0045】
取得部21は、消防水利などの管理対象の設置要望を含む要望情報を取得する。要望情報には、管理対象の設置が求められている位置の位置情報が含まれる。要望情報には、管理対象の設置要望を含むコメントが含まれてもよい。例えば、取得部21は、消火栓や防火水槽、その他の設置要望を含む要望情報を取得する。例えば、取得部21は、自治体の職員や担当者、一般市民から、要望情報を取得する。例えば、取得部21は、SNSに投稿されたデータから、要望情報を取得する。取得部21は、管理対象の設置要望を収集するアプリケーションから、要望情報を取得してもよい。
【0046】
抽出部23は、要望情報から、管理対象の設置要望を抽出する。例えば、抽出部23は、要望情報から、管理対象の設置が求められている位置の位置情報や、管理対象の設置要望を含むコメントを抽出する。
【0047】
記憶部24には、管理対象に関する管理情報を含むデータが記憶される。また、記憶部24には、管理対象が配置された地域の警防地図が記憶される。管理情報および警防地図を含む消防情報は、第1実施形態の対応する情報と同様である。記憶部24に記憶された消防情報は、適宜更新される。
【0048】
更新部25は、要望情報から抽出された管理対象の設置要望に応じて、記憶部24に記憶された警防地図を更新する。例えば、更新部25は、管理対象の設置要望に応じて、その管理対象の設置が求められている位置を示す記号を警防地図に付加する。例えば、管理対象の設置要望に応じて、その管理対象の設置要望を含むコメントが警防地図に表示されてもよい。警防地図が更新されるタイミングについては、特に限定しない。例えば、更新部25は、管理対象の設置要望の取得に応じて、警防地図を更新する。例えば、管理対象の設置が求められている位置がクリックされたタイミングにおいて、その位置に対応付けられた管理対象の設置要望を含むコメントが表示されてもよい。
【0049】
出力部27は、更新済みの警防地図を含む消防情報を出力する。例えば、出力部27は、更新済みの警防地図を含む消防情報を、消防局等の端末装置(図示しない)に出力する。出力部27は、更新済みの警防地図を含む消防情報を、管理対象を管理する自治体等の端末装置(図示しない)に出力してもよい。更新済みの警防地図を含む消防情報が出力されるタイミングについては、特に限定を加えない。例えば、出力部27は、警防地図が更新されたタイミングにおいて、更新済みの警防地図を含む消防情報を出力する。例えば、出力部27は、警防地図の出力先からの要求に応じて、更新済みである最新の警防地図を含む消防情報を出力する。例えば、出力部27は、予め設定されたタイミングにおいて、更新済みの警防地図を含む消防情報を出力する。出力部27は、更新された情報のみを出力してもよい。
【0050】
図11は、管理対象の設置要望に応じて更新された警防地図の一例を示す概念図である。
図11の例において、管理対象の設置要望に応じて更新された警防地図は、消防局等に設置された端末装置250の画面に表示される。
図11は、消火栓の設置要望に応じて、警防地図が更新された例である。警防地図には、消火栓の設置要望が受け付けられた位置が表示される。例えば、消火栓の設置要望が受け付けられた位置は、その位置を示す記号を目立つ色で表示させたり、記号やその周囲を点滅させたりすることで、強調表示される。
図11の例では、更新された警防地図において、消火栓の設置要望が受け付けられた位置に対応付けて、管理対象の設置要望を含むコメントが表示される。
図11の例では、「近くの防火水槽の水量が不安定なので、消火栓の設置を希望します。」というコメントが表示される。端末装置250の画面に表示された警防地図を確認した消防局等の担当者は、管理対象の設置要望に応じて、管理対象の設置について検討できる。
【0051】
消防情報管理装置20は、警防地図における消防水利の位置関係に応じて、新たな消防水利の設置要望を含む情報を生成してもよい。例えば、消防情報管理装置20は、警防地図における位置の選択を受け付ける。消防情報管理装置20は、選択された位置において使用可能な消防水利を抽出する。例えば、消防情報管理装置20は、選択された位置を含む所定範囲内における消防水利を抽出する。消防情報管理装置20は、抽出された消防水利によって得られる水量や水圧を計算する。算出された水量や水圧が消火に不十分であった場合、消防情報管理装置20は、警防地図において、選択された位置に消防水利の設置要望を含む情報を表示させる。このように消防情報管理装置20が構成されれば、実際のフィールド調査をせずに、警防地図に付加された消防水利に関する管理対象情報に基づいて、消防水利の配置を最適化できる。
【0052】
(動作)
次に、本実施形態に係る消防情報管理装置20の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
図12は、消防情報管理装置20の動作について説明するためのフローチャートである。
図12のフローチャートに沿った説明においては、消防情報管理装置20の構成要素を動作主体として説明する。
図12のフローチャートに沿った処理の動作主体は、消防情報管理装置20であってもよい。
【0053】
図12において、まず、取得部21が、管理対象の設置要望を含む要望情報を取得する(ステップS21)。要望情報には、管理対象の設置要望がなされた位置の位置情報が紐づけられる。
【0054】
次に、抽出部23が、取得した要望情報から、管理対象の設置要望を抽出する(ステップS22)。抽出部23は、管理対象の設置要望がなされた位置の位置情報を抽出する。
【0055】
次に、抽出された設置要望に応じて、更新部25が、警防地図を更新する(ステップS23)。
【0056】
次に、出力部27が、更新された警防地図を含む消防情報を出力する(ステップS24)。例えば、出力部27から出力された更新された警防地図を含む消防情報は、消防局等に設置された端末装置250の画面に表示される。出力部27から出力された更新された警防地図を含む消防情報の使用については、特に限定を加えない。
【0057】
以上のように、本実施形態の消防情報管理装置は、取得部、抽出部、記憶部、更新部、および出力部を備える。取得部は、管理対象の設置要望を含む要望情報を取得する。抽出部は、要望情報から管理対象の設置要望を抽出する。記憶部は、管理対象の管理情報と、警防地図とを含む消防情報を記憶する。更新部は、管理対象の設置要望に応じて警防地図を更新する。出力部は、更新された警防地図が含まれる消防情報を出力する。
【0058】
本実施形態の消防情報管理装置は、管理対象の設置要望に応じて、警防地図を更新する。本実施形態によれば、手作業による入力作業を介さずに、管理対象の設置要望が反映された警防地図が含まれる消防情報を提供できる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る消防情報管理装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の消防情報管理装置は、火災現場の位置に応じて、消火に使用可能な消防水利を示す水利情報を推定する。
【0060】
(構成)
図13は、本実施形態に係る消防情報管理装置30の構成の一例を示すブロック図である。消防情報管理装置30は、取得部31、抽出部33、記憶部34、更新部35、水利情報推定部36、および出力部37を備える。
【0061】
取得部31は、火災現場の位置情報を含む火災情報を取得する。例えば、取得部31は、自治体の職員や担当者によって通報された火災情報を取得する。例えば、取得部31は、一般市民による通報や、SNSに投稿された情報に基づく火災情報を取得する。火災情報は、火災の規模を表す情報を含んでもよい。例えば、取得部31は、自治体の職員や担当者によって撮影された画像データを取得する。例えば、取得部31は、一般市民によって撮影された画像データや、SNSに投稿された画像データを取得してもよい。取得部31は、火災現場が撮影された動画データを取得してもよい。
【0062】
抽出部33は、火災情報から位置情報を抽出する。例えば、取得部31は、自治体の職員や担当者によって通報された火災情報から位置情報を取得する。例えば、取得部31は、一般市民からの通報や、SNSに投稿された情報に基づく火災情報から位置情報を取得する。例えば、抽出部33は、火災現場が撮影された画像データから、火災の規模を示す情報を抽出してもよい。例えば、抽出部33は、画像データに含まれる形や色などに応じて、炎を抽出する。例えば、抽出部33は、機械学習を用いた画像認識によって、画像データから炎を抽出してもよい。抽出部33は、抽出された炎の大きさや変化を抽出する。例えば、抽出部13は、動画として撮影された映像データを構成するフレームの差分に基づいて、炎の大きさや変化を抽出する。抽出部33は、抽出された炎の大きさや変化に応じて、火災の規模を抽出する。例えば、抽出部33は、撮影された火災情報に付与されたコメントなどの文字情報に基づいて、火災現場の位置情報や火災の規模などの情報を抽出してもよい。抽出部33は、抽出された情報を水利情報推定部36に出力する。
【0063】
記憶部34には、管理対象に関する管理情報を含むデータが記憶される。また、記憶部34には、管理対象が配置された地域の警防地図が記憶される。管理情報および警防地図を含む消防情報は、第1実施形態の対応する情報と同様である。記憶部34に記憶された消防情報は、適宜更新される。さらに、記憶部34には、水利情報推定モデルが記憶される。水利情報推定モデルは、火災現場の位置情報および管理情報の入力に応じて、その火災現場で使用可能な消防水利を示す水利情報を出力するモデルである。
【0064】
図14は、水利情報の推定に用いられる水利情報推定モデル345の学習の一例について説明するための概念図である。水利情報推定モデル345は、管理対象の消防水利が配置された地区で発生した火災に関して、火災現場の位置情報と、その火災現場を含む位置で使用可能な管理対象に関する管理情報との入力を受け付ける。水利情報推定モデル345は、火災現場の位置情報と、その火災現場を含む位置で使用可能な管理対象に関する管理情報との入力に応じて、その火災の消火活動で使用可能な消防水利を示す水利情報を出力する。
【0065】
水利情報推定モデル345の学習において、説明変数には、管理対象の消防水利が配置された地区に含まれる位置の位置情報と、その地区内に配置された管理対象の消防水利に関する管理情報とが用いられる。水利情報推定モデル345の学習においては、位置ごとに使用可能な消防水利を示す管理情報が用いられてもよい。応答変数には、位置ごとに使用可能な消防水利を示す消防水利(正解データ)が用いられる。消防水利(正解データ)は、位置ごとに、予め決められた水量が得られる消防水利の組み合わせを示す情報である。水利情報推定モデル345の学習においては、管理情報に基づいて、使用可能な消防水利の組み合わせが水利情報(正解データ)として用いられる。すなわち、水利情報推定モデル345の学習においては、フラグが1(使用可能)の消防水利に関する水利情報が用いられる。水利情報推定モデル345の学習においては、フラグが0(使用不可能)の消防水利に関する水利情報は用いられない。
【0066】
水利情報推定モデル345の学習に用いられるアルゴリズムには、特に限定を加えない。例えば、水利情報推定モデル345は、ニューラルネットワークを用いた機械学習の手法を用いて、構築される。水利情報推定モデル345は、線形回帰のアルゴリズムを用いた学習によって、構築されてもよい。水利情報推定モデル345は、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)のアルゴリズムを用いた学習によって、構築されてもよい。水利情報推定モデル345は、ガウス過程回帰(GPR:Gaussian Process Regression)のアルゴリズムを用いた学習によって、構築されてもよい。水利情報推定モデル345は、ランダムフォレスト(RF:Random Forest)のアルゴリズムを用いた学習によって、構築されてもよい。水利情報推定モデル345は、位置情報および管理情報を用いて、使用可能な消防水利を分類する教師なし学習によって、構築されてもよい。
【0067】
図15は、火災現場で使用可能な消防水利を示す水利情報の推定例を示す概念図である。
図15の例では、
図14に示す学習によって予め構築された水利情報推定モデル345が用いられる。
図15の例では、位置情報および管理情報が、入力データとして用いられる。水利情報推定モデル345は、火災現場の位置情報および管理情報の入力に応じて、その火災現場で使用可能な消防水利を示す水利情報を出力する。
【0068】
水利情報推定部36は、火災現場の位置情報を抽出部33から取得する。また、水利情報推定部36は、火災現場を含む地区に配置された管理対象に関する管理情報を記憶部34から取得する。水利情報推定部36は、火災現場の位置情報に応じて、その火災現場の使用範囲に含まれる管理対象に関する管理情報のみを取得してもよい。水利情報推定部36は、位置情報および管理情報を用いて、その火災現場で使用可能な消防水利に関する水利情報を推定する。水利情報推定部36は、火災現場の位置情報および管理情報を水利情報推定モデル345に入力する。水利情報推定モデル345は、火災現場の位置情報および管理情報の入力に応じて、その火災現場で使用可能な消防水利の組み合わせを示す水利情報を出力する。水利情報推定部36は、水利情報推定モデル345から出力された水利情報を更新部35に出力する。
【0069】
更新部35は、水利情報推定部36から水利情報を取得する。更新部35は、取得した水利情報に基づいて、警防地図を更新する。例えば、更新部35は、警防地図を更新して、火災用の警防地図を生成する。火災用の警防地図は、火災現場の位置と、消火活動で使用可能な消防水利とが明示された地図である。
【0070】
出力部37は、火災用の警防地図を含む消防情報を出力する。例えば、出力部37は、火災用の警防地図を含む消防情報を、消防局等の端末装置(図示しない)に出力する。出力部37は、火災用の警防地図を含む消防情報を、管理対象を管理する自治体等の端末装置(図示しない)に出力してもよい。火災が発生した緊急の場面においては、火災用の警防地図が生成されたタイミングにおいて、その火災用の警防地図を含む消防情報が出力されることが好ましい。例えば、出力部37は、出力先からの要求に応じて、その火災用の警防地図を含む消防情報を出力してもよい。
【0071】
図16は、火災用の警防地図の一例を示す概念図である。
図16において、火災用の警防地図は、消防局等に設置された端末装置350の画面に表示される。
図16の例では、火災現場で使用可能な消防水利の位置が、火災用の警防地図に明示される。また、
図16の例では、消防局から火災現場までのルートR(実線の矢印)が火災用の警防地図に明示される。さらに、
図16の例では、消防水利から火災現場までの消火用ホースのルートW(点線)が明示される。火災用の警防地図を確認した消防局の隊員等は、火災現場までのルートRおよび使用可能な消防水利を直感的に把握できる。
【0072】
(動作)
次に、本実施形態に関する消防情報管理装置30の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
図17は、消防情報管理装置30の動作について説明するためのフローチャートである。
図17のフローチャートに沿った説明においては、消防情報管理装置30の構成要素を動作主体として説明する。消防情報管理装置30の動作主体は、消防情報管理装置30であってもよい。
【0073】
図17において、まず、取得部31が、火災が発生した火災現場に関する火災情報を取得する(ステップS31)。火災情報には、火災現場の位置情報が含まれる。
【0074】
次に、抽出部33が、取得した火災情報から、火災現場の位置情報を抽出する(ステップS32)。抽出部33は、火災情報から火災の規模を抽出してもよい。
【0075】
次に、水利情報推定部36が、火災現場の位置情報および管理情報を用いて、水利情報を推定する(ステップS33)。水利情報推定部36は、火災現場の位置情報および管理情報を水利情報推定モデル345に入力する。水利情報推定モデル345は、火災現場で使用可能な消防水利を示す水利情報を出力する。
【0076】
次に、更新部35が、水利情報を用いて、火災用の警防地図を生成する(ステップS34)。例えば、更新部35は、火災現場で使用可能な消防水利の位置を示す記号が強調表示された警防地図を生成する。例えば、使用可能な消防水利に関する管理情報や、火災の規模に応じたコメントが警防地図に表示されてもよい。火災用の警防地図が生成されるタイミングについては、特に限定しない。火災用の警防地図は、火災が発生してからできるだけ早く生成された方がよい。そのため、更新部35は、火災情報の取得に応じて、即座に火災用の警防地図を生成することが好ましい。例えば、火災用の警防地図上で強調表示された消防水利の位置がクリックされたタイミングにおいて、その位置に対応付けられた管理対象の管理情報が表示されてもよい。
【0077】
次に、出力部37が、生成された火災用の警防地図を出力する(ステップS35)。例えば、出力部37は、火災用の警防地図を含む消防情報を、消防局等の端末装置(図示しない)に出力する。出力部37は、火災用の警防地図を含む消防情報を、管理対象を管理する自治体等の端末装置(図示しない)に出力してもよい。火災が発生した緊急の場面においては、火災用の警防地図が生成されたタイミングにおいて、その火災用の警防地図を含む消防情報が出力されることが好ましい。例えば、出力部37は、出力先からの要求に応じて、その火災用の警防地図を含む消防情報を出力してもよい。
【0078】
以上のように、本実施形態の消防情報管理装置は、取得部、抽出部、記憶部、水利情報推定部、更新部、および出力部を備える。取得部は、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する。抽出部は、画像データから管理対象の状態を抽出する。記憶部は、管理対象の管理情報と、警防地図とを含む消防情報を記憶する。水利情報推定部は、火災現場の位置情報および管理情報を用いて、火災現場における消火活動で使用可能な消防水利を示す水利情報を推定する。更新部は、推定された水利情報に基づいて、使用可能な消防水利が明示された火災用警防地図を生成する。出力部は、生成された火災用警防地図が含まれる消防情報を出力する。
【0079】
本実施形態の消防情報管理装置は、火災現場の位置情報および管理情報を用いて、その火災現場で使用可能な消防水利が明示された火災用警防地図を生成する。本実施形態によれば、手作業による入力作業を介さずに、火災現場で使用可能な消防水利が明示された火災用が含まれる消防情報を提供できる。
【0080】
本実施形態の一態様において、取得部は、火災現場の位置情報を含む火災情報を取得する。抽出部は、火災情報から火災現場の位置情報を抽出する。水利情報推定部は、抽出された火災現場の位置情報および管理情報を用いて水利情報を推定する。更新部は、推定された水利情報に基づいて、使用可能な消防水利が明示された火災用警防地図を生成する。出力部は、生成された火災用警防地図が含まれる消防情報を出力する。本態様によれば、火災現場の位置情報を含む火災情報に基づいて、手作業による入力作業を介さずに、火災現場で使用可能な消防水利が明示された火災用警防地図が含まれる消防情報を提供できる。
【0081】
本実施形態の一態様において、更新部は、推定された水利情報および管理情報に基づいて、火災現場までのルートを含む火災用の警防地図を生成する。出力部は、生成された火災用警防地図が含まれる消防情報を出力する。本態様によれば、手作業による入力作業を介さずに、火災現場までのルートが明示された火災用警防地図が含まれる消防情報を提供できる。
【0082】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る消防情報管理装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の消防情報管理装置は、第1~第3実施形態の消防情報管理装置を簡略化した構成である。
【0083】
(構成)
図18は、本実施形態に係る消防情報管理装置40の構成の一例を示すブロック図である。消防情報管理装置40は、取得部41、抽出部43、および更新部45を備える。
【0084】
取得部41は、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する。抽出部43は、画像データから管理対象の状態を抽出する。更新部45は、抽出された管理対象の状態に応じて更新された管理対象の管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する。
【0085】
(動作)
次に、本実施形態に係る消防情報管理装置40の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
図19は、消防情報管理装置40の動作について説明するためのフローチャートである。
図19のフローチャートに沿った説明においては、消防情報管理装置40の構成要素を動作主体として説明する。
図19のフローチャートに沿った処理の動作主体は、消防情報管理装置40であってもよい。
【0086】
図19において、まず、取得部41が、消防に関連する管理対象に関する画像データを取得する(ステップS41)。
【0087】
次に、抽出部43が、画像データから管理対象の状態を抽出する(ステップS42)。
【0088】
次に、更新部45が、抽出された管理対象の状態に応じて、管理対象の管理情報を更新する(ステップS43)。
【0089】
次に、更新部45が、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する(ステップS44)。
【0090】
本実施形態の消防情報管理装置は、消防に関連する管理対象に関する画像データに基づいて、管理対象の管理情報を更新する。また、本実施形態の消防情報管理装置は、更新された管理情報に基づいて、管理対象が配置された位置を示す警防地図を更新する。本実施形態によれば、手作業による入力作業を介さずに、警防地図を更新できる。そのため、本実施形態によれば、警防地図の更新作業を効率化できる。
【0091】
(ハードウェア)
次に、本開示の各実施形態に係る処理を実行するハードウェア構成について、図面を参照しながら説明する。ここでは、そのようなハードウェア構成の一例として、
図20の情報処理装置90(コンピュータ)をあげる。
図20の情報処理装置90は、各実施形態の処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0092】
図20のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図20においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0093】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る処理を実行する。
【0094】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0095】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0096】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0097】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0098】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0099】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0100】
以上が、本開示の各実施形態に係る処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図20のハードウェア構成は、各実施形態に係る処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本開示の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る処理をコンピュータに実行させるプログラムも、本開示の範囲に含まれる。
【0101】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本開示の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0102】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0103】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0104】
10、20、30、40 消防情報管理装置
11、21、31、41 取得部
13、23、33、43 抽出部
14、24、34 記憶部
15、25、35、45 更新部
17、27、37 出力部
36 水利情報推定部
100 サーバ
150、250、350 端末装置
180 携帯端末