(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161992
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G03G15/20 535
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077107
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 尚樹
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033BA10
2H033BA12
2H033BA16
2H033BA25
2H033BB18
2H033BB29
2H033BB30
2H033BB34
2H033BB39
2H033BE00
2H033CA16
2H033CA39
(57)【要約】
【課題】ニップ部における記録媒体への加圧力を変更可能な定着装置において印刷品質の向上を図る。
【解決手段】定着装置30は、定着ベルト34、パッド部32、加圧回転体39、支持部110および加圧力切換機構を備える。加圧回転体39は、ニップ部Nを搬送される記録媒体を加圧する。加圧力切換機構は、加圧回転体39が第1位置に位置する第1加圧状態と、加圧回転体39が第1位置よりもパッド部32から離間した第2位置に位置する第2加圧状態とに切り換えることで加圧回転体39の加圧力を切り換える。加圧回転体39を回転可能かつ加圧回転体39がパッド部32に接近および離間する第1方向に沿って移動可能に支持し、加圧力切換機構によって加圧回転体39が移動されるに際し、その軸方向と第1方向との双方に直交する第2方向の加圧回転体39の移動を制限するガイド部111が、支持部110に設けられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、
無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱源と、
前記定着ベルトの内周面に宛がわれたパッド部と、
前記パッド部が宛がわれた部分の前記定着ベルトの外周面に対向配置されることで記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、前記ニップ部を搬送される記録媒体を前記定着ベルト側に向けて加圧する加圧回転体と、
前記加圧回転体の軸方向に沿う方向において前記定着ベルトおよび前記加圧回転体の外側に位置し、前記パッド部を支持する一対の支持部と、
前記ニップ部を搬送される記録媒体への前記加圧回転体による加圧力を切り換える加圧力切換機構とを備え、
前記加圧力切換機構は、前記加圧回転体が第1位置に配置された第1加圧状態と、前記加圧回転体が前記パッド部に接近および離間する第1方向において、前記加圧回転体が前記第1位置よりも前記パッド部から離間した第2位置に配置された第2加圧状態とに切り換えることにより、前記ニップ部を搬送される記録媒体への前記加圧回転体による加圧力を切り換えるものであり、
前記加圧回転体を当該加圧回転体の軸回りに回転可能に支持するとともに、前記加圧回転体を前記第1方向に沿って移動可能に支持し、かつ、前記加圧力切換機構によって前記加圧回転体が移動されるに際して、前記第1方向および前記加圧回転体の軸方向の双方に直交する第2方向における前記加圧回転体の移動を制限するガイド部が、前記一対の支持部に設けられている、定着装置。
【請求項2】
前記加圧回転体が、シャフト部を有し、
前記ガイド部が、前記第1方向に沿って延在するガイド溝によって構成され、
前記シャフト部が、前記ガイド溝に挿通された状態で当該ガイド溝によって支持されている、請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記加圧力切換機構が、前記加圧回転体を前記パッド部側に向けて付勢する付勢部をさらに備え、
前記加圧力切換機構が、前記加圧回転体に前記付勢部の付勢力が印加されることにより、前記加圧回転体が前記パッド部側に向けて移動されるとともに、前記加圧回転体に対する前記付勢部の付勢力が解除されることにより、前記加圧回転体が前記パッド部側とは反対側に向けて移動されるように構成されている、請求項1に記載の定着装置。
【請求項4】
前記ニップ部のうちの記録媒体の搬送方向における一部を規定する部分の前記パッド部に、前記パッド部から前記加圧回転体側に向けて突出する突出部が設けられている、請求項1に記載の定着装置。
【請求項5】
前記ニップ部から排出される記録媒体を前記加圧回転体から剥離するための爪部をさらに備えた、請求項1に記載の定着装置。
【請求項6】
前記ニップ部から排出される記録媒体を、記録媒体の搬送経路のうちの前記ニップ部の下流側に位置する部分に向けて誘導する誘導部をさらに備えた、請求項1に記載の定着装置。
【請求項7】
前記加熱源が前記内周面に対向配置されることにより、前記加熱源が前記パッド部との間で前記定着ベルトを張架している、請求項1に記載の定着装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の定着装置を備えた、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の記録媒体上に形成されたトナー像を当該記録媒体に定着させる定着装置に関し、また、カラー/モノクロ等の種別を問わず、電子写真方式を利用して画像を形成する画像形成部に当該定着装置を備えてなる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置に具備される定着装置としては、安全性と効率の観点から、トナー像が形成された記録媒体に熱と圧力とを加えることでトナー像を記録媒体に定着させる熱定着方式のものが利用されている。熱定着方式の定着装置においては、トナー像が形成された記録媒体が加熱回転体および加圧回転体によって挟み込まれることで定着が行なわれる。
【0003】
このような熱定着方式の定着装置としては、たとえば、特開2019-191379号公報(特許文献1)に、内周面にパッド部が宛がわれた無端状の定着ベルトと、これに対向配置された加圧回転体との間にニップ部を形成し、記録媒体がこのニップ部を搬送されることで当該記録媒体に熱と加圧力とを加える構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、印刷品質の向上の観点からは、記録媒体の種類に応じて、ニップ部において当該記録媒体に印加される加圧力が最適化されることが望まれる。そのため、上記特許文献1に開示された定着装置においては、記録媒体の種類に応じて加圧回転体を移動させることで当該加圧回転体と定着ベルトとの間の距離を変更し、これによってニップ部において記録媒体に印加する加圧力を切り換えることが可能に構成された加圧力切換機構が設けられている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された定着装置の如く、加圧回転体と定着ベルトとの間の距離が変更可能に構成される場合においては、加圧回転体が移動する際に記録媒体の搬送方向における加圧回転体の定着ベルトに対する相対的な位置にずれが生じ、これに伴ってニップ部の上記方向における形成位置にもずれが生じるおそれがある。このようにニップ部の形成位置にずれが生じた場合には、ニップ部において記録媒体に所望の加圧力を印加できず、これによって印刷品質が低下してしまうことになる。
【0007】
したがって、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、ニップ部における記録媒体への加圧力を切り換え可能に構成された定着装置およびこれを備えた画像形成装置において、印刷品質の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく定着装置は、記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させるものであって、無端状の定着ベルトと、加熱源と、パッド部と、加圧回転体と、一対の支持部と、加圧力切換機構とを備えている。上記加熱源は、上記定着ベルトを加熱する。上記パッド部は、上記定着ベルトの内周面に宛がわれている。上記加圧回転体は、上記パッド部が宛がわれた部分の上記定着ベルトの外周面に対向配置されることで記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、上記ニップ部を搬送される記録媒体を上記定着ベルト側に向けて加圧する。上記一対の支持部は、上記加圧回転体の軸方向に沿う方向において上記定着ベルトおよび上記加圧回転体の外側に位置し、上記パッド部を支持する。上記加圧力切換機構は、上記ニップ部を搬送される記録媒体への上記加圧回転体による加圧力を切り換える。上記加圧力切換機構は、上記加圧回転体が第1位置に配置された第1加圧状態と、上記加圧回転体が上記パッド部に接近および離間する第1方向において、上記加圧回転体が上記第1位置よりも上記パッド部から離間した第2位置に配置された第2加圧状態とに切り換えることにより、上記ニップ部を搬送される記録媒体への上記加圧回転体による加圧力を切り換えるものである。上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記加圧回転体を当該加圧回転体の軸回りに回転可能に支持するとともに、上記加圧回転体を上記第1方向に沿って移動可能に支持し、かつ、上記加圧力切換機構によって上記加圧回転体が移動されるに際して、上記第1方向および上記加圧回転体の軸方向の双方に直交する第2方向における上記加圧回転体の移動を制限するガイド部が、上記一対の支持部に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ニップ部における記録媒体への加圧力を切り換え可能に構成された定着装置およびこれを備えた画像形成装置において、印刷品質の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。
【
図3】
図1に示す定着装置が具備する加圧力切換機構の斜視図である。
【
図4】
図1に示す定着装置が具備する加圧力切換機構の側面図である。
【
図5】メインフレームによって加圧ローラを支持する構成を説明するための斜視図である。
【
図6】メインフレームによって加圧ローラを支持する構成を説明するための側面図である。
【
図7】加圧ローラおよびこれに取付けられたサブフレームの構成を示す斜視図である。
【
図8】記録媒体と爪部および誘導部との関係を説明するための模式図である。
【
図10】軽加圧状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、本発明が適用された画像形成装置および定着装置として、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンタおよびこれに具備された定着装置を例示して説明を行なう。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。まず、
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略的な構成および動作について説明する。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、給紙ユニット8とを主として備えている。装置本体2は、記録媒体としての用紙Sに画像を形成するための部位である画像形成部2Aと、画像形成部2Aに用紙Sを供給するための部位である給紙部2Bとを含んでいる。給紙ユニット8は、画像形成部2Aに供給するための用紙Sを収納するものであり、給紙部2Bに着脱自在に設けられている。
【0014】
画像形成装置1の内部には、複数のローラ3が設置されている。これにより、用紙Sが所定の方向に沿って搬送される搬送経路4が、画像形成部2Aおよび給紙部2Bに跨って構築されている。なお、装置本体2には、画像形成部2Aに用紙Sを供給するための手差しトレイ9が別途設けられてもよい。
【0015】
画像形成部2Aは、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成可能な作像ユニット5と、当該作像ユニット5に含まれる感光体を露光するための露光ユニット6と、作像ユニット5に張架された中間転写ベルト7aと、搬送経路4上であってかつ中間転写ベルト7aの走路上に設けられた転写部7と、転写部7よりも下流側の部分の搬送経路4上に設けられた定着装置30とを主として備えている。
【0016】
作像ユニット5は、露光ユニット6からの露光を受けてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像あるいはブラック(K)のみからなるトナー像を感光体の表面に形成し、これを中間転写ベルト7aに転写する(いわゆる一次転写)。これにより、中間転写ベルト7aには、カラートナー像あるいはモノクロトナー像が形成されることになる。
【0017】
中間転写ベルト7aは、その表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像を転写部7へと移送し、給紙部2Bから転写部7に搬送された用紙Sとともに転写部7において圧接される。これにより、中間転写ベルト7aの表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像が用紙Sに転写されることになる(いわゆる二次転写)。
【0018】
次に、カラートナー像あるいはモノクロトナー像が転写された用紙Sは、定着装置30によって加圧および加熱される。これにより、用紙Sにカラー画像あるいはモノクロ画像が形成されることになる。次に、カラー画像あるいはモノクロ画像が形成された用紙Sは、装置本体2から排出される。
【0019】
図2は、
図1に示す定着装置の概略図である。次に、
図2を参照して、本実施の形態に係る定着装置30の構成について説明する。
【0020】
定着装置30は、パッド部32と、加熱ローラ33と、定着ベルト34と、加圧回転体としての加圧ローラ39とを主に備えている。
【0021】
パッド部32は、定着ベルト34の幅方向(すなわち、加圧ローラ39の軸方向)に沿って延在する長尺板状の部材にて構成されている。パッド部32は、定着ベルト34の内周面の一部に宛がわれている。これにより、パッド部32は、定着ベルト34を間に挟んで加圧ローラ39と対向するように定着ベルト34の内周面に向き合っている。パッド部32は、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、あるいは液晶ポリマー等の耐熱性の樹脂で構成されている。
【0022】
加圧ローラ39は、たとえば、芯金、表層、および離型層で構成されている。芯金は、アルミニウム合金または鉄鋼等の金属製であり、中実または中空の円筒形状を有している。表層は、芯金の外周面を被覆している。表層は、たとえばシリコーンゴムまたはフッ素ゴム等の弾性材料で形成された弾性層である。離型層は、表層を覆うように設けられている。離型層は、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等によって構成されている。
【0023】
加圧ローラ39は、パッド部32が宛がわれた部分の定着ベルト34の外周面に対向配置されている。これにより、加圧ローラ39は、定着ベルト34の外周面との間において、用紙Sが搬送されるニップ部Nを形成している。加圧ローラ39は、ニップ部Nを搬送される用紙Sを定着ベルト34側に向けて加圧する。
【0024】
加圧ローラ39は、図示しない駆動源からのトルクによって回転し、この回転に伴って定着ベルト34が従動回転する。加圧ローラ39が回転することにより、定着ベルト34は、加圧ローラ39の回転方向とは反対方向に回転する。
【0025】
加圧ローラ39は、定着ベルト34を従動回転させることによって用紙Sを搬送する。定着ベルト34を介したパッド部32および加圧ローラ39は、未定着のトナーTを担持した用紙Sをニップ部Nで挟持して、搬送方向に搬送しながら用紙Sを加熱および加圧する。用紙Sがニップ部Nを通過する間にトナーTが加熱および加圧されることにより、用紙S上に形成されたトナーTが溶融して、トナーTの像が用紙Sに定着する。
【0026】
ニップ部Nのうちの用紙Sの搬送方向における一部を規定する部分のパッド部32には、パッド部32から加圧ローラ39側に向けて突出する突出部32aが設けられている。突出部32aは、用紙Sの搬送方向(
図2中の矢印B方向)下流側に向かうにつれて、すなわちニップ部Nの出口に近づくにつれて、加圧ローラ39側に次第に突出する曲面を含んでいる。
【0027】
このようにしてニップ部Nのうちの上記搬送方向の下流側の位置において、用紙Sに印加される圧力を局所的に大きくすることにより、トナーの溶融効率の向上を図ることができる。その結果、定着ベルト34の加熱温度を低く設定できることになるため、定着装置30の省電力化を図ることができる。
【0028】
加熱源としての加熱ローラ33は、定着ベルト34の幅方向に沿って延在する円筒状の部材にて構成されている。加熱ローラ33は、定着ベルト34の内側に配置されている。加熱ローラ33は、その内部に、定着ベルト34を加熱するためのヒータ33aを有している。ヒータ33aとしては、たとえばハロゲンランプが用いられる。なお、ヒータ33aは、特にこれがハロゲンランプに限定されるものではなく、定着ベルト34を誘導加熱(IH)するものや、定着ベルト34を抵抗発熱体とし発熱させるもの等が用いられてもよい。
【0029】
加熱ローラ33は、たとえばアルミニウム合金およびステンレス鋼(SUS)等の金属によって構成されている。ヒータ33aとしてハロゲンランプを用いる場合には、加熱ローラ33の内周面を黒色にすることが好ましい。加熱ローラ33の外周面には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等がコーティングされてもよい。これにより、異物等によって外表面に傷が付くことを抑制できる。
【0030】
定着ベルト34は、無端状に設けられている。定着ベルト34は、パッド部32と加熱ローラ33との間で回転可能に張架されている。定着ベルト34は、基層と、基層を被覆する弾性層と、弾性層を被覆する離型層とを有している。基層は、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、銅等の金属、または、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の樹脂で形成されてもよい。弾性層は、シリコーンゴムあるいはフッ素ゴム等の耐熱性に優れた材料で形成されてもよい。離型層は、フッ素樹脂あるいはフッ素系コーティング等の、離型性が付与された構成であってもよい。
【0031】
パッド部32は、支持部材35によって支持されている。支持部材35は、定着ベルト34の幅方向(すなわち、
図2中の紙面と直交する方向)に沿って見た場合に、角張ったU字形状を有している。支持部材35は、U字形状の先端側が加熱ローラ33に向くように配置されている。パッド部32は、支持部材35におけるU字形状の底部35a(すなわち、支持部材35のうち加圧ローラ39に対向する部分)に取付けられている。
【0032】
支持部材35のうちの用紙Sの搬送方向の下流側に位置する部分35bには、保持部材37が支持されている。保持部材37には、ニップ部Nを通過して加熱ローラ33側に向かう定着ベルト34が巻き掛けられている。
【0033】
保持部材37は、潤滑剤塗布部36を保持している。潤滑剤塗布部36は、潤滑剤を保持する機能を有し、定着ベルト34の内周面に潤滑剤を塗布するものである。潤滑剤としては、耐熱性の高いシリコン系、または、フッ素系の潤滑剤を採用できる。潤滑剤塗布部36は、定着ベルト34の内周面に接触するように配置されている。潤滑剤塗布部36は、定着ベルト34の回転方向(すなわち、
図2中の矢印C方向)におけるパッド部32の下流側であってかつ加熱ローラ33の上流側の位置に配置されている。
【0034】
封筒等の特殊紙がニップ部Nを搬送される際に特殊紙に印加される加圧力は、普通紙がニップ部Nを搬送される際における加圧力よりも小さくされることが好ましい。ニップ部Nにおける加圧力が過度に大きい場合、特殊紙にしわ等が発生するおそれがあるからである。以下、ニップ部Nにおいて普通紙にトナー像を定着させるときに加圧ローラ39が第1位置に配置された状態を「全加圧状態」と称し、封筒等の特殊紙にトナー像を定着させるときに、加圧ローラ39がパッド部32に接近および離間する第1方向において当該加圧ローラ39が第1位置よりもパッド部32から離間した第2位置に配置された状態を「軽加圧状態」と称する。全加圧状態における加圧ローラ39による加圧力は、軽加圧状態における加圧ローラ39による加圧力よりも大きい。ここで、全加圧状態は、本開示の「第1加圧状態」の一例であり、軽加圧状態は、本開示の「第2加圧状態」の一例である。
【0035】
図3および
図4は、それぞれ
図1に示す定着装置が具備する加圧力切換機構の構成を示す斜視図および側面図である。
図5および
図6は、それぞれメインフレームによって加圧ローラを支持する構成を説明するための斜視図および側面図である。
図7は、加圧ローラおよびこれに取付けられたサブフレームの構成を示す斜視図である。
図8は、記録媒体と爪部および誘導部との関係を説明するための模式図である。次に、
図3ないし
図8を参照して、本実施の形態に係る定着装置30およびこれが具備する加圧力切換機構100について説明する。
【0036】
なお、
図3ないし
図6においては、後述するサブフレーム140の図示を省略している。また、
図3ないし
図6においては、加圧ローラ39の軸方向に沿う方向において定着ベルト34および加圧ローラ39の外側に位置する一対の支持部としてのメインフレーム110のうちの一方のみが現れており、他方の図示は省略されている。他方のメインフレーム110およびその周辺の構成は、以下において説明する一方のメインフレーム110およびその周辺の構成と同様である。
【0037】
図3ないし
図6に示すように、メインフレーム110には、レバー120が、メインフレーム110の主面と平行な平面内で揺動自在なように支軸121を介して軸支されている。メインフレーム110には、パッド部32と加熱ローラ33とが支持されている。メインフレーム110には、支持部材35が固定されている。パッド部32は、支持部材35に搭載された状態でこれを介してメインフレーム110に支持されている。
【0038】
メインフレーム110には、加圧ローラ39が支持されている。より詳細には、メインフレーム110には、加圧ローラ39がパッド部32に接近および離間する第1方向(すなわち、
図6中の左右方向)に沿って延在するガイド部としての略U字状のガイド溝111が設けられている。加圧ローラ39のシャフト部39aは、ガイド溝111に挿通された状態でこれによって支持されている。これにより、加圧ローラ39は、その軸回りに回転可能となり、かつ、上記第1方向に沿って移動可能となるように、ガイド溝111によって支持されている。なお、ガイド溝111は、必ずしもこれが略U字状のように角が丸みを有するものである必要はない。
【0039】
図3および
図4に示すように、加圧力切換機構100は、加圧ローラ39による加圧状態を、全加圧状態および軽加圧状態の2つの状態に選択的に切り換えることにより、ニップ部Nを搬送される用紙Sへの加圧ローラ39による加圧力を切り換えるものである。加圧力切換機構100は、記録媒体の種類に応じて全加圧状態と軽加圧状態とを切り換える切換部130を含んでいる。
【0040】
切換部130は、リンクレバー131と、加圧バネ133と、駆動円板138とを主として有している。リンクレバー131は、メインフレーム110に、揺動軸132を介して揺動可能に軸支されている。揺動軸132は、メインフレーム110に支持されている。
【0041】
駆動源としてのモータ160は、リンクレバー131を揺動軸132を中心に回動させる駆動力を発生させる。モータ160と平歯車139とは、メインフレーム110に対して
図4中の紙面直交方向奥側に配置されている。
【0042】
メインフレーム110には、これを貫通する軸穴が形成されている。駆動ロッド137は、メインフレーム110の軸穴を貫通して配置されている。駆動ロッド137の一端には、平歯車139が連結されている。駆動ロッド137のうちの、メインフレーム110の手前側に突出した他端には、駆動円板138が連結されている。
【0043】
駆動円板138から立設された駆動ピン136は、リンクレバー131の長穴135に挿入されてこれと係合しており、これによって駆動力変換機構としてのクランク機構が形成されている。
【0044】
モータ160のモータ軸に取付けられたピニオン(不図示)は、平歯車139と噛合している。モータ160が発生させる回転駆動力は、駆動ロッド137を経由して、駆動円板138に伝達される。駆動円板138が回動すると、上記クランク機構により、リンクレバー131が揺動軸132を中心に上下方向に揺動する。
【0045】
付勢部としての加圧バネ133は、レバー120の上部に設けられたバネ掛止部123と、リンクレバー131のうちの、長穴135とは反対側に配置されたバネ掛止ピン131aとの間に架設されている。加圧バネ133は、レバー120とリンクレバー131とに架け渡されている。リンクレバー131はメインフレーム110に支持されており、加圧バネ133は、メインフレーム110とレバー120との両方に架け渡されている。
【0046】
リンクレバー131の揺動動作に伴って、バネ掛止部123とバネ掛止ピン131aと間の距離が変動する。これに伴って加圧バネ133の付勢力が変動することにより、ニップ部Nを搬送される用紙Sへの加圧ローラ39による加圧力が変化する。
【0047】
図7および
図8に示すように、加圧ローラ39には、メインフレーム110とは異なる部材であるサブフレーム140が取付けられている。サブフレーム140は、加圧ローラ39の軸方向に沿う方向において一対のメインフレーム110の内側に位置するように加圧ローラ39に取付けられている。
【0048】
サブフレーム140には、複数の爪部141と誘導部142とが設けられている。複数の爪部141と誘導部142とは、用紙Sの搬送経路4上の位置であって、用紙Sの搬送方向に沿ってニップ部Nよりも下流側の位置(すなわち、
図8中における上方側の位置)に配置されている。本実施の形態においては、3つの爪部141が、加圧ローラ39の軸方向に沿って互いに所定の間隔をもって配置されている。なお、爪部141の数は、特にこれが3つに限定されるものではなく、単数であってもよいし、3つ以外の複数であってもよい。
【0049】
複数の爪部141は、ニップ部Nから排出されるに際して加圧ローラ39に密着した状態にある用紙Sを当該加圧ローラ39から剥離するためのものである。誘導部142は、ニップ部Nから排出されるに際して複数の爪部141によって加圧ローラ39から剥離された用紙Sを、搬送経路4のうちのニップ部Nの下流側に位置する部分に向けて確実に誘導するためのものである。
【0050】
図9および
図10は、それぞれ全加圧状態および軽加圧状態を説明するための模式図である。次に、
図9および
図10と、前述の
図3および
図4とを参照して、本実施の形態に係る定着装置30の全加圧状態および軽加圧状態について説明する。なお、
図9および
図10においては、メインフレーム110等の図示を省略している。
【0051】
図3、
図4および
図9に示すように、モータ160は、駆動円板138を、駆動ロッド137を中心とする
図9中の時計回り方向に回動させて、
図9に示される回転位相(第1回転位相)で停止させる。駆動ピン136は、駆動円板138と一体となって
図9中の時計回り方向に回動する。駆動ピン136が長穴135を押し下げる作用により、リンクレバー131は、揺動軸132を中心に、
図9中の反時計回り方向に回動する。
【0052】
バネ掛止ピン131aがバネ掛止部123から遠ざかることにより、加圧バネ133が、自然長よりも伸張した状態となる。これによって生じる加圧バネ133の付勢力がレバー120に印加され、レバー120が支軸121を中心として
図9中の反時計回り方向に回動する。加圧バネ133の付勢力がレバー120を介して加圧ローラ39のシャフト部39aに印加されることにより、加圧ローラ39は、パッド部32に接近する方向に付勢される。これにより、加圧ローラ39は、第1位置に配置されるように移動される。その結果、加圧ローラ39による加圧状態は、全加圧接態となる。
【0053】
図3、
図4、
図9および
図10に示すように、モータ160は、駆動円板138を、
図9に示される第1回転位相から、駆動ロッド137を中心とする
図9および
図10中の反時計回り方向に回動させて、
図10に示される回転位相(第2回転位相)で停止させる。駆動ピン136は、駆動円板138と一体となって
図9および
図10における反時計回り方向に回動する。駆動ピン136が
図9および
図10中の上方に移動し、駆動ピン136による長穴135の押し下げ力が小さくなることにより、加圧バネ133の自然長からの伸び量が、全加圧状態における伸び量よりも減少する。
【0054】
加圧バネ133の自然長からの伸び量の減少に伴い、リンクレバー131が、揺動軸132を中心に、
図10中の時計回り方向に回動する。リンクレバー131のバネ掛止ピン131aがレバー120側に接近することにより、バネ掛止ピン131aとバネ掛止部123との距離が小さくなる。これにより、レバー120を介して加圧ローラ39のシャフト部39aに印加される加圧バネ133の付勢力が、全加圧状態における付勢力よりも小さくなる。これにより、加圧ローラ39は、上記第1方向(すなわち、
図9および
図10中の左右方向)において、第1位置よりもパッド部32から離間した第2位置に配置されるように移動される。その結果、加圧ローラ39による加圧状態は、
図10に示される軽加圧状態に切り換えられる。
【0055】
このように、記録媒体の種類に応じて加圧状態を切り換え可能に構成することにより、ニップ部Nを搬送される記録媒体への加圧ローラ39による加圧力を最適化でき、結果として印刷品質の向上を図ることができる。
【0056】
なお、加圧状態を解除する場合には、上述した動作と同様にしてモータ160の駆動等を行なうことで加圧バネ133を自然長に復帰させることにより、加圧バネ133の付勢力を解除すればよい。これにより、加圧ローラ39が軽加圧状態における第2位置からパッド部32とは反対側に向けて移動し、加圧ローラ39による加圧が解除される。
【0057】
ここで、本実施の形態に係る定着装置30においては、上述したように、メインフレーム110に、上記第1方向に沿って延在するガイド溝111が設けられており、加圧ローラ39は、そのシャフト部39aがガイド溝111に挿通された状態でこれによって支持されている(
図5および
図6参照)。
【0058】
このように構成した場合には、上述の如く加圧力切換機構100によって加圧ローラ39が移動されるに際し、加圧ローラ39の軸方向および上記第1方向の双方に直交する方向である第2方向(すなわち、
図6中の上下方向)における加圧ローラ39の移動を制限することができる。
【0059】
これにより、パッド部32が宛がわれた部分の定着ベルト34の外周面と加圧ローラ39との間において形成されるニップ部Nが、用紙Sの搬送方向と略平行な方向である上記第2方向において位置ずれを起こすことを効果的に抑制することが可能になる。その結果、上記切り換えが可能に構成された定着装置30において、ニップ部Nを搬送される記録媒体への加圧ローラ39による加圧力を精緻に管理することが可能になり、ひいては、印刷品質の向上を図ることが可能になる。
【0060】
したがって、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、ニップ部における記録媒体への加圧力を切り換え可能に構成された定着装置およびこれを備えた画像形成装置において、印刷品質の向上を図ることが可能になる。
【0061】
なお、本実施の形態に係る定着装置30においては、上述したように、加圧力切換機構100が、加圧状態を全加圧状態と軽加圧状態の2つの状態に選択的に切り換え可能な構成である場合を例示して説明を行なったが、加圧力切換機構100によって切り換え可能な状態は、これら2つの状態のみに限定されるものではない。すなわち、記録媒体の種類に応じて加圧バネ133の伸び量を適宜変更することにより、3つ以上の加圧状態を相互に切り換え可能な構成であってもよい。
【0062】
また、本実施の形態に係る定着装置30においては、上述したように、定着ベルト34が、パッド部32と加熱ローラ33との間で張架されている場合を例示して説明を行なったが、定着ベルト34は、必ずしもこれらによって張架された構成のものでなくてもよい。たとえば、定着ベルト34は、その幅方向の両端であってかつ当該定着ベルト34の内側からこれに宛がわれた一対の支持ローラ等によって回転可能に張架されたものであってもよい。
【0063】
さらに、本実施の形態に係る定着装置30においては、上述したように、加熱源としての加熱ローラ33が、定着ベルト34の内側に配置される場合を例示して説明を行なったが、加熱源の構成は、特にこれに限定されるものではない。たとえば、加熱ローラ33を単なるローラに置き換え、加熱源としてのヒータを定着ベルト34の外側に別途配置することにより、定着ベルト34の外周面を加熱する構成であってもよい。
【0064】
(付記)
上述した実施の形態において開示した定着装置および画像形成装置の特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
【0065】
[付記1]
記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、
無端状の定着ベルトと、
上記定着ベルトを加熱する加熱源と、
上記定着ベルトの内周面に宛がわれたパッド部と、
上記パッド部が宛がわれた部分の上記定着ベルトの外周面に対向配置されることで記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、上記ニップ部を搬送される記録媒体を上記定着ベルト側に向けて加圧する加圧回転体と、
上記加圧回転体の軸方向に沿う方向において上記定着ベルトおよび上記加圧回転体の外側に位置し、上記パッド部を支持する一対の支持部と、
上記ニップ部を搬送される記録媒体への上記加圧回転体による加圧力を切り換える加圧力切換機構とを備え、
上記加圧力切換機構は、上記加圧回転体が第1位置に配置された第1加圧状態と、上記加圧回転体が上記パッド部に接近および離間する第1方向において、上記加圧回転体が上記第1位置よりも上記パッド部から離間した第2位置に配置された第2加圧状態とに切り換えることにより、上記ニップ部を搬送される記録媒体への上記加圧回転体による加圧力を切り換えるものであり、
上記加圧回転体を当該加圧回転体の軸回りに回転可能に支持するとともに、上記加圧回転体を上記第1方向に沿って移動可能に支持し、かつ、上記加圧力切換機構によって上記加圧回転体が移動されるに際して、上記第1方向および上記加圧回転体の軸方向の双方に直交する第2方向における上記加圧回転体の移動を制限するガイド部が、上記一対の支持部に設けられている、定着装置。
【0066】
[付記2]
上記加圧回転体が、シャフト部を有し、
上記ガイド部が、上記第1方向に沿って延在するガイド溝によって構成され、
上記シャフト部が、上記ガイド溝に挿通された状態で当該ガイド溝によって支持されている、付記1に記載の定着装置。
【0067】
[付記3]
上記加圧力切換機構が、上記加圧回転体を上記パッド部側に向けて付勢する付勢部をさらに備え、
上記加圧力切換機構が、上記加圧回転体に上記付勢部の付勢力が印加されることにより、上記加圧回転体が上記パッド部側に向けて移動されるとともに、上記加圧回転体に対する上記付勢部の付勢力が解除されることにより、上記加圧回転体が上記パッド部側とは反対側に向けて移動されるように構成されている、付記1または2に記載の定着装置。
【0068】
[付記4]
上記ニップ部のうちの記録媒体の搬送方向における一部を規定する部分の上記パッド部に、上記パッド部から上記加圧回転体側に向けて突出する突出部が設けられている、付記1から3のいずれかに記載の定着装置。
【0069】
[付記5]
上記ニップ部から排出される記録媒体を上記加圧回転体から剥離するための爪部をさらに備えた、付記1から4のいずれかに記載の定着装置。
【0070】
[付記6]
上記ニップ部から排出される記録媒体を、記録媒体の搬送経路のうちの上記ニップ部の下流側に位置する部分に向けて誘導する誘導部をさらに備えた、付記1から5のいずれかに記載の定着装置。
【0071】
[付記7]
上記加熱源が上記内周面に対向配置されることにより、上記加熱源が上記パッド部との間で上記定着ベルトを張架している、付記1から6のいずれかに記載の定着装置。
【0072】
[付記8]
付記1から7のいずれかに記載の定着装置を備えた、画像形成装置。
【0073】
(その他の形態等)
上述した実施の形態においては、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンタおよびこれに具備される定着装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、電子写真方式を採用した各種の画像形成装置およびこれに具備される定着装置に本発明を適用できる。
【0074】
また、上述した本発明の実施の形態において示した各部の形状や構成、大きさ、数、材質等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変更が可能である。
【0075】
さらに、上述した本発明の実施の形態において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当然に相互に組み合わせることができる。
【0076】
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置、2 装置本体、2A 画像形成部、2B 給紙部、3 ローラ、4 搬送経路、5 作像ユニット、6 露光ユニット、7 転写部、7a 中間転写ベルト、8 給紙ユニット、9 手差しトレイ、30 定着装置、32 パッド部、32a 突出部、33 加熱ローラ、33a ヒータ、34 定着ベルト、35 支持部材、35a 底部、35b 部分、36 潤滑剤塗布部、37 保持部材、39 加圧ローラ、39a シャフト部、100 加圧力切換機構、110 メインフレーム、111 ガイド溝、120 レバー、121 支軸、123 バネ掛止部、130 切換部、131 リンクレバー、131a バネ掛止ピン、132 揺動軸、133 加圧バネ、135 長穴、136 駆動ピン、137 駆動ロッド、138 駆動円板、139 平歯車、140 サブフレーム、141 爪部、142 誘導部、160 モータ、N ニップ部、S 用紙、T トナー。