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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162033
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】RFID読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G06K7/10 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077181
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 昌幹
(72)【発明者】
【氏名】平野 健三
(72)【発明者】
【氏名】田中 高弘
(57)【要約】
【課題】ユーザの要望が様々である状況において、各ユーザにRFIDから情報を読み取るためのシステムを簡易な構造で提供するための技術を提供する。
【解決手段】RFID読取装置は、RFIDタグと通信するアンテナを一端に備える胴体と、前記胴体の下面から突出しているグリップと、を備え、前記胴体の上面には、開口が形成されており、前記開口には、前記上面から閲覧可能なディスプレイを含む第1種の部品と、前記開口を塞ぐ蓋である第2種の部品と、のいずれかが選択的に前記胴体内に取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグと通信するアンテナを一端に備える胴体と、
前記胴体の下面から突出しているグリップと、
を備え、
前記胴体の上面には、開口が形成されており、
前記開口には、前記上面から閲覧可能なディスプレイを含む第1種の部品と、前記開口を塞ぐ蓋である第2種の部品と、のうちのいずれかが選択的に前記胴体内に取り付けられる、RFID読取装置。
【請求項2】
前記第1種の部品が前記開口に取り付けられている状態において、前記第1種の部品の上面は、前記胴体の前記上面よりも下側に位置している、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項3】
前記胴体の少なくとも一つの角には、衝撃吸収部材が配置されている、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項4】
前記衝撃吸収部材は、前記胴体の前記一端の角に配置されている、請求項3に記載のRFID読取装置。
【請求項5】
前記開口の内側面には、突起及び凹部のうちの一方の構造が移動可能に接続されており、
前記第1種の部品と前記第2種の部品のそれぞれの側面には、前記突起及び前記凹部のうちの他方の構造が形成されており、
前記一つの部品が上側から前記開口に挿入される途中で、前記開口の前記内側面に接続されている前記一方の構造が前記一つの部品から遠ざかるように移動した後に元の位置まで戻り、前記突起が前記凹部に挿入し、
前記一つの部品は、前記突起が前記凹部に挿入することにより、前記胴体に固定される、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項6】
前記胴体の前記上面には、前記突起を前記凹部から抜くためのレバーが露出している、請求項5に記載のRFID読取装置。
【請求項7】
前記第1種の部品と前記第2種の部品のそれぞれは、締結部材を介して、前記胴体に固定される、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項8】
前記開口の底面には、前記開口に挿入された部品によって圧縮される弾性部材が配置されている、請求項6又は7に記載のRFID読取装置。
【請求項9】
前記胴体及び前記グリップのいずれかに、前記アンテナに電力を供給するバッテリが収容されており、
前記第1種の部品が前記開口に取り付けられている状態において、前記第1種の部品は、前記バッテリの電力によって駆動する、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項10】
前記第1種の部品は、さらに、前記ディスプレイを操作するためのタッチパネルを含む、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項11】
前記第1種の部品と前記第2種の部品の少なくとも一つは、外部の装置と通信するための通信インターフェースを含む、請求項1に記載のRFID読取装置。
【請求項12】
前記胴体及び前記グリップのいずれかに外部の装置と通信するための通信インターフェースが収容されており、
前記通信インターフェースの状態は、前記一つの部品が前記開口に取り付けられる場合に、動作不可能な状態から動作可能な状態に変化する、請求項1に記載のRFID読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、RFIDタグから情報を読み取るRFID読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガン形状のRFIDユニットにスマートフォンを接続するための接続ユニットが開示されている。接続ユニットは、スマートフォンのメス型のコネクタに接続されるとともに、スマートフォンの背面を覆う。接続ユニットの背面には、パターン電極が設けられている。スマートフォンが接続ユニットに接続された状態で接続ユニットの背面がRFIDユニットの載置面に取り付けられる。これにより、接続ユニットのパターン電極が載置面の突出電極に接続され、スマートフォンがRFIDユニットに接続される。スマートフォンは、アプリを実行して、RFIDユニットに対してデータの読み取りを要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-175386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、RFIDユニットはスマートフォンが接続された状態で利用される。この状態では、ユーザは、スマートフォンの正面にあるディスプレイを閲覧可能である。一方、RFIDタグから情報を読み取るための装置として、ディスプレイが不要と考えるユーザも存在する。
【0005】
ディスプレイが不要と考えるユーザのために、スマートフォンの接続が不要なRFIDユニットを準備することが想定される。この場合には、スマートフォンの接続が不要な他のモデルを準備する必要がある。
【0006】
また、特許文献1では、ユーザは、スマートフォンと接続ユニットとRFIDユニットが一体となったシステムを把持して利用する。当該システムは、複雑である。さらに、当該システムの重さは、3個の装置の総和であり、当該システムは、比較的に重たい。
【0007】
本明細書では、ユーザの要望が様々である状況において、各ユーザにRFIDから情報を読み取るためのシステムを簡易な構造で提供するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示するRFID読取装置は、RFIDタグと通信するアンテナを一端に備える胴体と、前記胴体の下面から突出しているグリップと、を備え、前記胴体の上面には、前記胴体の上面には、開口が形成されており、前記開口には、前記上面から閲覧可能なディスプレイを含む第1種の部品と、前記開口を塞ぐ蓋である第2種の部品と、のうちのいずれかが選択的に前記胴体内に取り付けられる。
【0009】
上記の構成によれば、ディスプレイが必要であると考えるユーザは、胴体の開口に第1種の部品を取り付ける。一方、ディスプレイが不要であると考えるユーザは、胴体の開口に第2種の部品を取り付ける。ユーザは、2個の部品の中から自身の要望に応じた部品を選択することができる。さらに、ディスプレイが必要な状況でもディスプレイが不要な状況でも胴体は共通であり、いずれの状況も一種類の胴体で対応することができる。さらに、RFID読取装置の構造は、部品を胴体の開口に取り付ける簡易な構造である。以上より、ユーザの要望が様々である状況において、各ユーザにRFIDから情報を読み取るためのシステムを簡易な構造で提供することができる。
【0010】
前記第1種の部品が前記開口に取り付けられている状態において、前記第1種の部品の上面は、前記胴体の上面よりも下側に位置していてもよい。
【0011】
例えば、グリップを把持しているユーザがRFID読取装置を誤って足元に落とす場合がある。上記の構成によれば、胴体の上面が下向きでRFID読取装置が落下したとしても、胴体の上面が足元に当接し、第1種の部品は足元に当接しない。RFID読取装置の落下時に第1種の部品を保護することができる。
【0012】
前記胴体の少なくとも一つの角には、衝撃吸収部材が配置されていてもよい。
【0013】
RFID読取装置の落下時に胴体の角が足元に当接する場合がある。上記の構成によれば、落下時の衝撃が衝撃吸収部材によって吸収され、第1種の部品に伝達することを防止することができる。
【0014】
前記衝撃吸収部材は、前記胴体の前記一端の角に配置されていてもよい。
【0015】
RFID読取装置の重心は、アンテナが配置されている一端の側に片寄っている。RFID読取装置の落下時には、重心が偏っている一端が先に足元に当接する可能性が高い。上記の構成によれば、先に足元に当接する一端で落下時の衝撃を吸収することができる。
【0016】
前記開口の内側面には、突起及び凹部のうちの一方の構造が移動可能に接続されており、前記第1種の部品と前記第2種の部品のそれぞれの側面には、前記突起及び前記凹部のうちの他方の構造が形成されており、前記一つの部品が上側から前記開口に挿入される途中で、前記開口の前記内側面に接続されている前記一方の構造が前記一つの部品から遠ざかるように移動した後に元の位置まで戻り、前記突起が前記凹部に挿入し、前記一つの部品は、前記突起が前記凹部に挿入することにより、前記胴体に固定されていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ねじ等の締結部材を利用することなく、部品を開口に簡易に取り付けることができる。
【0018】
前記胴体の前記上面には、前記突起を前記凹部から抜くためのレバーが露出していてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、RFID読取装置のユーザは、レバーを利用して、部品の固定を簡易に解除することができる。
【0020】
前記第1種の部品と前記第2種の部品のそれぞれは、締結部材を介して、前記胴体に固定されていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、部品を開口内で強固に固定することができる。
【0022】
前記開口の底面には、前記開口に挿入された部品によって圧縮される弾性部材が配置されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、開口に取り付けられている部品を取り外す際に、弾性部材が復元する。復元する弾性部材が部品を開口から押し出す。ユーザは、開口から部品を簡易に取り出すことができる。
【0024】
前記胴体及び前記グリップのいずれかに、前記アンテナに電力を供給するバッテリが収容されており、前記第1種の部品が前記開口に取り付けられている状態において、前記第1種の部品は、前記バッテリの電力によって駆動してもよい。
【0025】
上記の構成によれば、第1種の部品の電力源をアンテナの電力源と共有することができる。
【0026】
前記第1種の部品は、さらに、前記ディスプレイを操作するためのタッチパネルを含んでもよい。
【0027】
上記の構成によれば、第1種の部品を取り付けることにより、ディスプレイに加えて、タッチパネルも追加することができる。
【0028】
前記第1種の部品と前記第2種の部品の少なくとも一つは、外部の装置と通信するための通信インターフェースを含んでもよい。
【0029】
上記の構成によれば、部品を開口に取り付けることにより、外部の装置と通信する機能をRFID読取装置に追加することができる。
【0030】
前記胴体及び前記グリップのいずれかに外部の装置と通信するための通信インターフェースが収容されており、前記通信インターフェースの状態は、前記一つの部品が前記開口に取り付けられる場合に、動作不可能な状態から動作可能な状態に変化してもよい。
【0031】
上記の構成によれば、部品が開口に取り付けられていない状態において、通信インターフェースが不必要に動作することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】蓋部品を取り付けるRFID読取装置の斜視図である。
図2】機能部品を取り付けるRFID読取装置の斜視図である。
図3】第1実施例において機能部品を取り付けたRFID読取装置の断面図である。
図4】第2実施例において機能部品を取り付けたRFID読取装置の断面図である。
図5】機能部品の変形例1である。
図6】機能部品の変形例2である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1実施例)
(RFID読取装置10の構成;図1図3
RFID読取装置10は、RFIDタグ100から情報を読み取る携帯型の装置である。RFIDタグ100は、Radio Frequency Identification(RFID)の技術を利用したICタグである。RFIDはよく知られた技術であるので、詳細な説明は省略する。例えば、RFIDタグ100には、商品に関する商品情報、例えば、商品名、識別子等が記憶されている。
【0034】
RFID読取装置10は、胴体12と、胴体12の下面12bから下側へ突出しているグリップ14と、を備える。ユーザは、図1に示す姿勢でグリップ14を把持してRFID読取装置10を使用する。本明細書における「上」及び「下」は、図1に示す姿勢における「上」及び「下」に対応する。
【0035】
胴体12の一端20は、下側へ折れ曲がっている。RFIDタグ100と通信するアンテナ22(図3参照)は、一端20に収容されている。ユーザは、一端20をRFIDタグ100に向けてRFID読取装置10を使用する。
【0036】
胴体12の上面12aの四隅には、衝撃吸収部材18aが配置されている。また、一端20の下面の四隅にも、衝撃吸収部材18bが配置されている。例えば、胴体12の本体は、樹脂で形成されており、衝撃吸収部材18a及び18bは、本体を形成する樹脂とは異なる他の材料、例えば、ゴムで形成されている。衝撃吸収部材18a及び18bは、RFID読取装置10の落下時の衝撃を吸収する。
【0037】
胴体12の上面12aには、上側に開いている開口12cが形成されている。開口12cには、図1に示す第1種の部品である蓋部品50と、図2に示す第2種の部品である機能部品70と、のいずれかが選択的に取り付けられる。
【0038】
図1に示す蓋部品50は、開口12cを塞ぐ蓋であり、ディスプレイ等の電子部品を備えない。蓋部品50の側面には、開口12cの内側面と蓋部品50の側面との隙間からの浸水を防止するガスケット52が配置されている。
【0039】
図2に示す機能部品70は、開口12cを塞ぐ蓋として機能するとともにRFID読取装置10にディスプレイ80を追加する機能を有する。機能部品70は、上面12aから閲覧可能なディスプレイ80と、ディスプレイ80を操作するためのタッチパネル82と、を備える。機能部品70の側面には、開口12cの内側面と機能部品70の側面との隙間からの浸水を防止するガスケット72が配置されている。さらに、機能部品70の側面には、ボタン式のスイッチ74が配置されている。機能部品70が開口12cに取り付けられると、ボタン式のスイッチ74は、胴体12の外側面に設けられている可撓性のボタン16と対面する。ユーザは、ボタン16を押し込んで、スイッチ74を操作する。スイッチ74には、例えば、ディスプレイ80の表示を停止する機能が割り当てられる。なお、変形例では、胴体12の外側面に孔が形成されていてもよい。そして、スイッチ74が当該孔と対面していてもよい。また、当該孔は、開閉可能な蓋で覆われていてもよいし、蓋で覆われていなくてもよい。本変形例では、スイッチ74には、例えば、初期化の機能が割り当てられてもよい。また、他の変形例では、機能部品70は、スイッチ74を備えなくてもよい。
【0040】
図1及び図2に示すように、ユーザは、2個の部品のいずれか(例えば蓋部品50)を選択する。ユーザは、選択した部品を開口12cの上側から開口12cに挿入する。これにより、ユーザが選択した部品がRFID読取装置10に取り付けられる。
【0041】
例えば、ディスプレイ80が不要と考えるユーザは、RFID読取装置10と蓋部品50とを購入する。また、例えば、ディスプレイ80が必要と考えるユーザは、RFID読取装置10と機能部品70とを購入する。また、例えば、ディスプレイ80を選択的に利用したいユーザは、RFID読取装置10と蓋部品50と機能部品70とを購入する。各ユーザは、一つの部品をRFID読取装置10の開口12cに選択的に取り付けることにより、各ユーザの要望に応じたシステムを取得することができる。さらに、ディスプレイが必要な状況でもディスプレイが不要な状況でもRFID読取装置10は共通であり、いずれの状況も一種類のRFID読取装置10で対応することができる。さらに、RFID読取装置10の構造は、部品を胴体12の開口12cに取り付ける簡易な構造である。以上より、ユーザの要望が様々である状況において、各ユーザにRFIDを読み取るためのシステムを簡易な構造で提供することができる。
【0042】
変形例では、RFID読取装置10への各部品の取り付けは、ユーザへの出荷時に工場で実施されてもよい。本変形例では、工場は、各部品と開口12cとの間の気密性を確認するための検査を実施してもよい。本変形例では、工場は、本体としてRFID読取装置10を準備すればよく、ディスプレイ80の有無に応じて別々の本体を準備しなくてもよい。工場の在庫管理が簡易となる。
【0043】
(機能部品70の固定構造;図3
図3は、機能部品70をRFID読取装置10に取り付ける固定構造を示す。なお、図1及び図2では、図3に示す固定構造が簡略化して描かれていることに留意されたい。また、図示は省略するが、蓋部品50をRFID読取装置10に取り付ける固定構造は、機能部品70をRFID読取装置10に取り付ける固定構造と同様である。例えば、蓋部品50は、後述する枠部材84に似た形状を有しており、当該形状では、枠部材84の上面に形成されている開口が塞がっている。
【0044】
機能部品70は、ディスプレイ80とディスプレイ80の上面に配置されるタッチパネル82とを支持する枠部材84を備える。枠部材84の上面は開口している。枠部材84の側面には、フランジ84aが形成されている。フランジ84aは、開口12cの内側面に形成されている段差面12dと対面する。ねじ等の締結部材86を介してフランジ84aを段差面12dに締結することにより、機能部品70が開口12c内において胴体12に固定される。締結部材86で固定することにより、機能部品70を開口12c内で強固に固定することができる。
【0045】
また、ガスケット72に加えて、枠部材84と開口12cの底面の間にもガスケット76が配置される。
【0046】
また、開口12cの底面には、コネクタ34が突出している。機能部品70が開口12cに挿入されることにより、機能部品70がコネクタ34に接続される。コネクタ34は、胴体12内の制御基板30に接続されている。制御基板30は、コネクタ34を介して、機能部品70を制御する。なお、制御基板30は、アンテナ22にも接続されており、アンテナ22も制御する。
【0047】
また、グリップ14の内側には、バッテリ32が収容されている。バッテリ32は、例えば、充電式のバッテリである。バッテリ32の電力は、制御基板30に供給される。さらに、バッテリ32の電力は、制御基板30及びコネクタ34を介して、機能部品70に供給される。機能部品70の電力源を制御基板30及びアンテナ22の電力源と共有することができる。
【0048】
また、開口12cの底面には、ばね等の弾性部材36が配置されている。機能部品70が開口12cに挿入されると、弾性部材36は、枠部材84の下面によって圧縮される。例えば、ユーザが開口12cに取り付けられている部品50又は70を取り外す状況が想定される。この際に、弾性部材36が復元し、復元する弾性部材36が部品50又は70を開口12cから押し出す。ユーザは、開口12cから部品50又は70を簡易に取り出すことができる。
【0049】
また、図3に示すように、機能部品70が開口12cに取り付けられている状態において、機能部品70の上面70aは、胴体12の上面12aよりも下側に位置している。例えば、グリップ14を把持しているユーザがRFID読取装置10を誤って足元(例えば床、地面)に落とす場合がある。本実施例の構成によれば、胴体12の上面12aが下向きでRFID読取装置10が落下したとしても、胴体12の上面12aが足元に当接し、機能部品70は足元に当接しない。RFID読取装置10の落下時に機能部品70を保護することができる。
【0050】
また、図1及び図2に示すように、胴体12の上面12aの四隅には、衝撃吸収部材18aが配置されている。本実施例の構成によれば、落下時の衝撃が衝撃吸収部材18aによって吸収され、開口12c内に取り付けられた機能部品70に伝達することを防止することができる。
【0051】
また、図1及び図2に示すように、一端20の下面の四隅にも、衝撃吸収部材18bが配置されている。RFID読取装置10の重心は、アンテナ22が配置されている一端20の側に片寄っている。RFID読取装置10の落下時には、重心が偏っている一端20が先に足元に当接する可能性が高い。本実施例の構成によれば、先に足元に当接する一端20で落下時の衝撃を吸収することができる。
【0052】
(対応関係)
RFIDタグ100、RFID読取装置10が、それぞれ、「RFIDタグ」、「RFID読取装置」の一例である。胴体12、開口12cが、それぞれ、「胴体」、「開口」の一例である。グリップ14、一端20、アンテナ22が、それぞれ、「グリップ」、「一端」、「アンテナ」の一例である。衝撃吸収部材18a及び18bが、「衝撃吸収部材」の一例である。バッテリ32、締結部材86、弾性部材36が、それぞれ、「バッテリ」、「締結部材」、「弾性部材」の一例である。機能部品70、ディスプレイ80、タッチパネル82が、それぞれ、「第1種の部品」、「ディスプレイ」、「タッチパネル」の一例である。蓋部品50が、「第2種の部品」の一例である。
【0053】
(第1実施例の変形例)
本変形例では、蓋部品50及び機能部品70の少なくとも一つは、外部の装置(例えば、スマートフォン)と通信するための通信インターフェースを備える。本変形例の構成によれば、部品50又は70を開口12cに取り付けることにより、外部の装置と通信する機能を追加することができる。
【0054】
(第1実施例の他の変形例)
本変形例では、制御基板30が外部の装置(例えば、スマートフォン)と通信するための通信インターフェースを備える。当該通信インターフェースの状態は、部品50又は70が開口12cに取り付けられる場合に、動作不可能な状態から動作可能な状態に変化する。部品50又は70が取り付けられたことは、例えば、コネクタ34によって検知される。また、動作不可能な状態は、例えば、通信インターフェースへの電力の供給が遮断されている状態である。動作可能な状態は、例えば、通信インターフェースへ電力が供給されている状態である。本変形例の構成によれば、部品50又は70が開口12cに取り付けられていない状態において、制御基板30上の通信インターフェースが不必要に動作することを防止することができる。
【0055】
(第2実施例)
(機能部品70の固定構造;図4
本実施例は、部品50及び70の固定構造が異なる点を除いて、第1実施例と同様である。図4は、機能部品70をRFID読取装置10に取り付ける固定構造を示す。また、図示は省略するが、蓋部品50をRFID読取装置10に取り付ける固定構造は、機能部品70をRFID読取装置10に取り付ける固定構造と同様である。
【0056】
本実施例では、機能部品70の枠部材84の側面に凹部200が形成されている。また、開口12cの内側面には、突起202が配置されている。突起202は、ばね等の弾性部材204を介して、胴体12の内面に接続されている。突起202は、弾性部材204が圧縮されることにより、紙面左右方向に移動可能である。
【0057】
部品50又は70が上側から開口12cに挿入される途中で、開口12cの内側面に接続されている突起202は、部品50又は70から遠ざかるように移動した後に元の位置まで戻る。突起202が元の位置に戻ると、突起202が部品50又は70の側面に形成されている凹部200に挿入する。部品50又は70は、突起202が凹部200に挿入することにより、胴体12に固定される。本実施例の構成によれば、ねじ等の締結部材(例えば、図3の締結部材86)を利用することなく、部品50又は70を開口に簡易に取り付けることができる。
【0058】
また、胴体12の上面12aには、突起202を凹部200から抜くためのレバー206が露出している。RFID読取装置10のユーザは、レバー206を利用して、部品50又は70の固定を簡易に解除することができる。また、部品50又は70の固定が解除されると、部品50又は70は、開口12cの底面に配置されている弾性部材36の復元力によって開口12cから押し出される。ユーザは、開口12cから部品50又は70を簡易に取り出すことができる。
【0059】
(対応関係)
凹部200、突起202、レバー206が、それぞれ、「凹部」、「突起」、「レバー」の一例である。
【0060】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0061】
(変形例1) 図5に示すように、工場からの出荷段階において、機能部品70は、枠部材84と、機能モジュール300と、に分かれていてもよい。本変形例では、機能モジュール300は、ディスプレイ80とタッチパネル82を組み合わせたモジュールである。ユーザは、枠部材84の下側から機能モジュール300を枠部材84に挿入して機能部品70を組み立てた後に、機能部品70を開口12cに挿入する。
【0062】
(変形例2) 図6に示すように、機能モジュール400は、枠部材484の上側から枠部材484に挿入されてもよい。本変形例では、機能モジュール400において、タッチパネル82とディスプレイ80の間に段差面82aが形成されている。そして、枠部材484の上面に防水性の両面テープ476が貼り付けられている。機能モジュール400を枠部材484に挿入すると、段差面82aが両面テープ476に接着し、機能モジュール400が枠部材484に固定される。ユーザは、機能モジュール400を枠部材484に固定した後に、機能部品70を開口12cに挿入する。
【0063】
(変形例3) 開口12cは、上側に加えて側方も開いていてもよい。この場合、部品50又は70は、開口12cの側方から開口12cにスライドするように挿入されてもよい。開口12cの側方は、部品50又は70が取り付けられた後に、他の蓋によって閉じられてもよい。
【0064】
(変形例4) 機能部品70は、タッチパネル82を備えなくてもよい。また、機能部品70の上面には、ディスプレイ80を操作するための1個以上のキーが設けられていてもよい。
【0065】
(変形例5) 機能部品70の上面70aは、胴体12の上面12aと面一であってもよい。また、機能部品70の上面70aは、胴体12の上面12aの上側に位置していてもよい。
【0066】
(変形例6) 衝撃吸収部材18a及び18bの個数は、4個に限らず、1個、2個、3個、5個以上であってもよい。また、衝撃吸収部材18aは、胴体12の下面12bの角に配置されていてもよい。即ち、胴体12の少なくとも一つの角に衝撃吸収部材18aが配置されていればよい。一端20の下面の少なくとも一つの角に衝撃吸収部材18bが配置されていればよい。また、他の変形例では、RFID読取装置10は、衝撃吸収部材18a及び18bの少なくとも一方を備えなくてもよい。
【0067】
(変形例7) 第2実施例において、RFID読取装置10は、レバー206を備えなくてもよい。
【0068】
(変形例8) 第2実施例において、部品50及び70の側面に突起が形成されており、開口12cの内側面に当該突起が挿入される凹部が移動可能に接続されていてもよい。即ち、開口12cの内側面には、突起及び凹部のうちの一方の構造が移動可能に接続されており、部品50及び70の側面には、突起及び凹部のうちの他方の構造が形成されていればよい。
【0069】
(変形例9) 各実施例において、RFID読取装置10は、弾性部材36を備えなくてもよい。
【0070】
(変形例10) 各実施例において、バッテリ32は、胴体12内に収容されてもよい。一般的に言えば、胴体12及びグリップ14のいずれかにバッテリ32が収容されていればよい。
【0071】
(変形例11) 各実施例において、機能部品70は、バッテリ32とは別の電源で駆動してもよい。別の電源は、例えば、機能部品70が備える他のバッテリであってもよい。
【0072】
(変形例12) 胴体12の一端20は、下側へ折れ曲がっていなくてもよい。例えば、一端20は、胴体12から直線状に延びてもよいし、胴体12から緩やかに湾曲していてもよい。
【0073】
(変形例13) 開口12cには、蓋部品50と機能部品70に加えて、他の部品が取り付けられてもよい。当該他の部品は、例えば、ディスプレイとボタン式のスイッチの機能を追加するための他の機能部品、スイッチの機能のみを追加するための他の機能部品等であってもよい。別言すれば、開口12cには、3個以上の部品の中の1つの部品が選択的に取り付けられてもよい。
【0074】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
10 :RFID読取装置
12 :胴体
12a :上面
12b :下面
12c :開口
12d :段差面
14 :グリップ
16 :ボタン
18a :衝撃吸収部材
18b :衝撃吸収部材
20 :一端
22 :アンテナ
30 :制御基板
32 :バッテリ
34 :コネクタ
36 :弾性部材
50 :蓋部品
52 :ガスケット
70 :機能部品
70a :上面
72 :ガスケット
74 :スイッチ
76 :ガスケット
80 :ディスプレイ
82 :タッチパネル
82a :段差面
84 :枠部材
84a :フランジ
86 :締結部材
100 :RFIDタグ
200 :凹部
202 :突起
204 :弾性部材
206 :レバー
300、400 :機能モジュール
476 :両面テープ
484 :枠部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6