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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162035
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20241114BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F25D19/00 530D
F25D11/00 101U
F25D19/00 530E
F25D19/00 530A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077185
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加賀 進一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義康
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 雅史
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA06
3L045BA01
3L045CA03
3L045DA02
3L045EA03
3L045GA06
3L045HA01
3L045PA04
3L045PA05
(57)【要約】
【課題】冷却能力を向上しつつ、安全性を高める。
【解決手段】冷却貯蔵庫10は、貯蔵庫本体11と、前記貯蔵庫本体11を冷却する冷却管21と、前記貯蔵庫本体11の下方に配置され、前記冷却管21からの冷媒を圧縮する圧縮機24を収容する機械室15と、前記貯蔵庫本体11の庫壁40における外面に設けられ、前記圧縮機24からの冷媒を凝縮する凝縮器23と、前記圧縮機24から前記凝縮器23に向かう冷媒の流通経路上に設けられ、前記冷媒を下方に向かって流下させる補助冷媒管29であって、前記機械室15内に収容される補助冷媒管29と、前記補助冷媒管を空冷可能な空冷用ファン25と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫本体と、
前記貯蔵庫本体を冷却する冷却管と、
前記貯蔵庫本体の下方に配置され、前記冷却管からの冷媒を圧縮する圧縮機を収容する機械室と、
前記貯蔵庫本体の庫壁における外面に設けられ、前記圧縮機からの冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記圧縮機から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられ、前記冷媒を下方に向かって流下させる補助冷媒管であって、前記機械室内に収容される補助冷媒管と、
前記補助冷媒管を空冷可能な空冷用ファンと、を備える冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記補助冷媒管は、コイル形状を有する請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記補助冷媒管は、前記コイル形状をなす本体部が前記圧縮機の上方に配置されている請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記補助冷媒管から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第1冷媒配管と、
前記凝縮器の冷媒流通方向下流側に設けられ、前記貯蔵庫本体の前記庫壁に沿って設けられる庫壁冷媒管と、
前記庫壁冷媒管の冷媒流通方向下流側に設けられる第2冷媒配管と、を備え、
前記第1冷媒配管は、前記第2冷媒配管と熱交換されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記補助冷媒管から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第1冷媒配管と、
前記凝縮器の冷媒流通方向下流側に設けられ、前記貯蔵庫本体の前記庫壁に沿って設けられる庫壁冷媒管と、
前記凝縮器から前記庫壁冷媒管に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第3冷媒配管と、を備え、
前記第1冷媒配管は、前記第3冷媒配管と熱交換されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵物を超低温域(例えば-40℃以下)で貯蔵する冷却貯蔵庫としてディープフリーザ(超低温冷凍庫)が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の低温庫は、上扉を有するチェスト型をなし、冷却パイプが庫壁に内蔵されている。庫内は庫壁を介して冷却され、庫内における冷気の循環は、庫内ファンを用いず自然対流によって行われることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11―72281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却貯蔵庫の冷却温度を-50℃程度以下に低くするためには、冷凍サイクルに用いられる冷媒を混合冷媒(例えばブタンとエチレンの混合冷媒)にすることが有効である。その際には、混合冷媒を適切に凝縮、及び蒸発するために、混合でない一般的な冷媒を用いる場合に比べて、圧縮機、及び凝縮器を高性能化することが求められる。凝縮器の凝縮能力を向上するには、凝縮管を長尺化して大型化することが考えられるが、大型化すると機械室内に収容することが難しくなる。そこで、凝縮器を例えば庫壁の外面に設けると、高温冷媒が流れる凝縮管が外部に露出することとなり、安全上の懸念が生じてしまう。
【0005】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、冷却能力を向上しつつ、安全性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に関わる冷却貯蔵庫は、貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体を冷却する冷却管と、前記貯蔵庫本体の下方に配置され、前記冷却管からの冷媒を圧縮する圧縮機を収容する機械室と、前記貯蔵庫本体の庫壁における外面に設けられ、前記圧縮機からの冷媒を凝縮する凝縮器と、前記圧縮機から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられ、前記冷媒を下方に向かって流下させる補助冷媒管であって、前記機械室内に収容される補助冷媒管と、前記補助冷媒管を空冷可能な空冷用ファンと、を備える。
【0007】
また、前記補助冷媒管は、コイル形状を有してもよい。
【0008】
また、前記補助冷媒管は、前記コイル形状をなす本体部が前記圧縮機の上方に配置されていてもよい。
【0009】
また、前記補助冷媒管から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第1冷媒配管と、前記凝縮器の冷媒流通方向下流側に設けられ、前記貯蔵庫本体の前記庫壁に沿って設けられる庫壁冷媒管と、前記庫壁冷媒管の冷媒流通方向下流側に設けられる第2冷媒配管と、を備え、前記第1冷媒配管は、前記第2冷媒配管と熱交換されていてもよい。
【0010】
また、前記補助冷媒管から前記凝縮器に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第1冷媒配管と、前記凝縮器の冷媒流通方向下流側に設けられ、前記貯蔵庫本体の前記庫壁に沿って設けられる庫壁冷媒管と、前記凝縮器から前記庫壁冷媒管に向かう冷媒の流通経路上に設けられる第3冷媒配管と、を備え、前記第1冷媒配管は、前記第3冷媒配管と熱交換されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本技術によれば、冷却能力を向上しつつ、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係るディープフリーザの斜視図
図2】外箱の一部を取り外した状態のディープフリーザの斜視図
図3】外箱の一部を取り外した状態のディープフリーザの斜視図
図4】外箱の一部を取り外した状態のディープフリーザの斜視図
図5】冷却管の斜視図
図6】冷却装置の概略図
図7図6の二重管熱交換器及びキャピラリ付近を拡大した概略図
図8図7のI-I線断面概略図
図9】ワイヤーチューブ凝縮器付近を拡大したディープフリーザの斜視図
図10図9のワイヤーチューブ凝縮器の一部を拡大した斜視図
図11】実施形態2に係る冷却装置の概略図
図12】実施形態3に係る冷却装置の概略図
図13】他の実施形態に係る冷却管を示す模式図
図14】他の実施形態に係る冷却管を示す模式図
図15】他の実施形態に係る冷却管を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
実施形態1に係るディープフリーザ10(冷却貯蔵庫の一例)について図1から図10を参照して説明する。各図に示した符号F,B,L,R,U,Dはそれぞれ、ディープフリーザ10の前後方向における前、後、正面から見たときの幅方向(左右方向)における左、右、鉛直方向(上下方向)の上、下を示している。
【0014】
ディープフリーザ10は、図1に示すように、全体として横長の略直方体状をなしており、貯蔵物を超低温域(例えば-40℃以下と、一般的な冷却貯蔵庫の冷却温度より低い温域)の冷却状態で貯蔵する。ディープフリーザ10は、図1から図4に示すように、おおまかには、上面開口11Sを有する貯蔵庫本体11と、上面開口11Sを開閉するための扉13と、貯蔵庫本体11の側方下部(本実施形態では右方下部)に配置された機械室15と、貯蔵庫本体11内(以下、「貯蔵庫本体11内」を庫内と言うことがある)を冷却するための冷却装置20と、を備える。
【0015】
扉13は、断熱性を有し、上開き式に揺動するように貯蔵庫本体11の上面開口11Sの開口縁部にヒンジ部材13Aによって取り付けられている。
【0016】
貯蔵庫本体11は、ステンレス鋼等の金属板が箱状に組み立てられた外箱11Aと内箱11Bとの間に、発泡樹脂(発泡ウレタン材、メラミンフォーム等)製の断熱材が充填された構造を有する断熱箱体である。ただし図2から図4では、後述する冷却管21及び庫壁冷媒管22を明示するために、断熱材の図示は省略されている。貯蔵庫本体11の内部は、貯蔵物を収納する貯蔵室となる。貯蔵庫本体11は、底壁部42と、左側壁部43と、右側壁部44と、後壁部45と、前壁部46と、を有する断熱壁部である庫壁40から構成されている。右側壁部44の下部は、左方に窪んだ形状をなしており、この窪んだ部分に機械室15が配置されている。
【0017】
貯蔵庫本体11の左側壁部43、右側壁部44、後壁部45、及び前壁部46には、冷却管21、及び庫壁冷媒管22がそれぞれ埋設されている。冷却管21は、内部を通過する冷媒液が気化することで、気化熱によって庫内を冷却する。冷却管21は、左側壁部43、右側壁部44、後壁部45、及び前壁部46を構成する内箱11Bの外箱11A側の面(庫内と反対側の面)に沿って取り付けられている。冷却管21は、図5に示すように螺旋状をなし、内箱11Bに沿って周回するように、左側壁部43、右側壁部44、後壁部45、及び前壁部46に亘って配索されている。冷却管21内の冷媒は、冷却管21の形状に沿って庫壁40内を螺旋状に周回しつつ、図5に矢線で示すように全体として上から下方向に流下する。冷却管21によれば、上方から冷却されるので、庫内上方が下方より冷えが悪くなる事態を抑制できる。また、冷却管21は複数段(例えば7段)が上下方向に一定の間隔を保って並行となるように螺旋状をなしている。このように冷却管21を形成することで、螺旋状に巻きやすく、内箱11Bに貼り付けやすくなる。
【0018】
庫壁冷媒管22は、後述するワイヤーチューブ凝縮器23の冷媒流通方向下流側に設けられ、主に庫壁40の外面(外箱11Aの庫内と反対側の面)に結露が発生する事態を抑制するために配索されている。庫壁冷媒管22は、左側壁部43、右側壁部44、後壁部45、及び前壁部46を構成する外箱11Aの内面(庫内側の面)に沿って取り付けられている。庫壁冷媒管22は、外箱11Aに沿って螺旋状に周回するように、左側壁部43、右側壁部44、後壁部45、及び前壁部46に亘って配索されている。
【0019】
庫壁冷媒管22は庫壁40の外箱11A側に設けられ、庫壁40の内箱11B側に設けられる冷却管21とは、庫壁内において間隔を空けて埋設されている。庫壁40の内箱11B側は冷却管21によって冷却され、庫内を冷却する一方、外気に触れる庫壁40の外箱11A側は庫壁冷媒管22によって結露が防止されるようになっている。
【0020】
機械室15は、図1から図2に示すように、貯蔵庫本体11の右側壁部44が窪んだ部分に設けられている。すなわち、機械室15は貯蔵室の下方に配置されている。機械室15の上方及び左方は右側壁部44に覆われ、前方、右方、後方、及び下方は通風孔を有するパネル15Aによって覆われている(図4図9参照)。機械室15には、冷却装置20の一部を構成する圧縮機24、空冷用ファン25、ドライヤ26、及び補助冷媒管29の他に、制御装置60等が収容されている。制御装置60は、ディープフリーザ10の運転を制御したり、電源を供給したりするための回路等を備える。
【0021】
冷却装置20は、図6に示すように、冷却管21、庫壁冷媒管22、ワイヤーチューブ凝縮器23、圧縮機24、空冷用ファン25、ドライヤ26、二重管熱交換器27、キャピラリーチューブ28、及び補助冷媒管29を備え、これらが冷媒配管30(例えば銅製の中空状配管)で繋がれて冷媒が循環されることで冷凍回路(冷凍サイクル)が形成されている。冷媒は、冷却温度を-50℃程度以下に低くするために、混合冷媒(例えばブタンとエチレンの混合冷媒)が用いられる。
【0022】
圧縮機24は、モータを動力源として冷媒ガスを吸引して圧縮し、高温高圧の冷媒ガスを吐出する。空冷用ファン25は、外気を吸い込んで圧縮機24に向かって吹き出すことで、圧縮機24を空冷して保護する。圧縮機24の冷媒流通方向下流側(出口側)には補助冷媒管29が設けられており、空冷用ファン25は、補助冷媒管29を空冷し、補助冷媒管29を通過する冷媒ガスを冷却する役割も担っている。圧縮機24で圧縮された冷媒ガスは、補助冷媒管29を通ってワイヤーチューブ凝縮器23へと流入する。ワイヤーチューブ凝縮器23は、圧縮機24からの冷媒ガスを冷却して液化させる。庫壁冷媒管22は、ワイヤーチューブ凝縮器23の冷媒流通方向下流側(出口側)に設けられ、既述したように貯蔵庫本体11の庫壁40の外面の結露を抑制する。ドライヤ26は、庫壁冷媒管22の冷媒流通方向下流側(出口側)に設けられ、冷媒液に混入した水分を除去する。ドライヤ26の冷媒流通方向下流側(出口側)には、二重管熱交換器27を介して、減圧(膨張)手段であるキャピラリーチューブ28が設けられている。
【0023】
キャピラリーチューブ28は、狭い流路を有する毛細管であり、冷媒はキャピラリーチューブ28を通過することで圧力降下(絞り膨張)する。キャピラリーチューブ28の冷媒流通方向下流側(出口側)には、冷却管21が設けられている。冷却管21は、キャピラリーチューブ28によって減圧された冷媒液を気化させることで、気化熱によって冷却作用を奏する。冷却管21から流出した冷媒ガスは、二重管熱交換器27を通って、圧縮機24に帰還される。ディープフリーザ10の冷却運転は、制御装置60によって圧縮機24、及び空冷用ファン25が作動されることで行われる。
【0024】
二重管熱交換器27は、図7及び図8に示すように、径の異なる2つの冷媒管27A、27Bが径方向に重なる二重管構造を有する熱交換器である。各冷媒管27A、27Bを流れる冷媒は、他方の冷媒管27A、27Bを流れる冷媒と熱交換するようになっている。より詳しくは、二重管熱交換器27は、外側冷媒管27Aと、外側冷媒管27A内に挿通され外側冷媒管27Aより径が小さい内側冷媒管27Bと、を備える。外側冷媒管27Aは、冷却管21の冷媒流通方向下流側(出口側)において、冷媒管21から圧縮機24に向かう冷媒の流通経路上に設けられている。外側冷媒管27Aに流入する冷媒は、冷却管21から流入し、図7に白抜き矢線で示すように流通して、圧縮機24へと流出する。外側冷媒管27Aに流入する冷媒は、冷却管21から流出した冷媒であるため、相対的に(内側冷媒管27Bに流入する冷媒に比べて)低温である。
【0025】
一方、内側冷媒管27Bは、ドライヤ26の冷媒流通方向下流側(出口側)において、ドライヤ26からキャピラリーチューブ28に向かう冷媒の流通経路上に設けられている。内側冷媒管27Bに流入する冷媒は、庫壁冷媒管22及びドライヤ26を介してワイヤーチューブ凝縮器23から流入し、図7に点線矢線で示すように流通する。このため、内側冷媒管27Bに流入する冷媒は、ワイヤーチューブ凝縮器23側から流出した冷媒であり、相対的に(外側冷媒管27Aに流入する冷媒に比べて)高温である。内側冷媒管27B内の冷媒は、外側冷媒管27A内の冷媒と逆方向(対向方向)に流れ、熱交換することで低温化される。これにより、冷凍サイクルに混合冷媒を用いた場合であっても、適切に凝縮及び蒸発(例えば、混合冷媒のうちエチレンを凝縮しブタンを蒸発)できるようになり、冷却能力を向上できる。
【0026】
キャピラリーチューブ28は、図7及び図8に示すように、一端部(冷媒流通方向上流側(入口側)の端部)28Aが二重管熱交換器27の内側冷媒管27Bに接続される。また、キャピラリーチューブ28の他端部28B側は、二重管熱交換器27の外側冷媒管27Aと接触するように配索されている。キャピラリーチューブ28と外側冷媒管27Aは、例えば半田付けや熱伝導性を有するテープ部材(銅箔テープ、アルミニウム箔テープ等)によって接触される。キャピラリーチューブ28と外側冷媒管27Aが熱交換のために接触される長さは、本実施形態では、外側冷媒管27Aの冷媒流通方向上流側の半分程度の長さである。キャピラリーチューブ28内の冷媒は、外側冷媒管27A内の冷媒と熱交換することで低温化され、冷却能力を向上できる。
【0027】
また、二重管熱交換器27を採用すると共に、キャピラリーチューブ28を二重管熱交換器27の外側冷媒管27Aに接触させることで、熱交換のために半田付けが必要となる部分を小さくできる。その結果、省スペースに高効率の熱交換を実現できると共に、製造時の作業性及び自由度を増大し、低コスト化できる。
【0028】
ワイヤーチューブ凝縮器23は、図9及び図10に示すように、凝縮管23Aと、ワイヤー23Bと、を備える。凝縮管23Aは、蛇行状をなす長尺の冷媒管であって、左右方向に延出する直線部23A1と、折り返し部23A2(Uベンド部)と、を有する。凝縮管23Aには圧縮機24からの高温高圧の冷媒ガスが流入され、圧縮機24からの冷媒ガスは、凝縮管23Aを通過する過程で外気に触れて冷却されることで液化される。ワイヤー23Bは、凝縮管23Aの直線部23A1と交わる上下方向に延在し、左右方向に沿って所定の間隔で並んで配設される針金状の伝熱部材である。ワイヤー23Bは、凝縮管23Aの直線部23A1の前面及び後面に溶接されている。
【0029】
ワイヤーチューブ凝縮器23は、凝縮管23Aが長尺であるため大型であり、機械室15内に収容することが難しい。そこでワイヤーチューブ凝縮器23は、貯蔵庫本体11の後壁部45の外面に設けられ、外部に露出している。ワイヤー23Bを用いることで、外部に露出するように配設した場合であっても、より一般的な伝熱部材であるフィンに比べて接触による変形を抑制しつつ、伝熱面積を増やして凝縮能力を向上できる。
【0030】
補助冷媒管29は、図4に示すように、コイル形状の本体部29Aを有し、本体部29Aは機械室15内において圧縮機24の上方に設けられている。本体部29Aは、冷媒が全体として上から下に流下するようにコイル形状に形成されている。補助冷媒管29の冷媒流通方向上流側(入口側)の端部29Bは、圧縮機24の吐出出口に接続され、冷媒流通方向下流側(出口側)の端部29Cは、ワイヤーチューブ凝縮器23へと繋がっている(図3)。
【0031】
圧縮機24から吐出された高温の冷媒ガスは、空冷用ファン25によって空冷される補助冷媒管29を通ることで冷却され、温度低下された状態でワイヤーチューブ凝縮器23に流入するようになる。これにより、ワイヤーチューブ凝縮器23に流入する冷媒温度を低下でき、ワイヤーチューブ凝縮器23を外部に露出する状態で庫壁40に取り付けた場合であっても、ワイヤーチューブ凝縮器23が過度に高温になる事態を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0032】
本実施形態では、圧縮機24が収容される機械室15は貯蔵庫本体11の下方に配置されており、ワイヤーチューブ凝縮器23の凝縮管23Aの大部分は、圧縮機24より上方に配置される位置関係にある。このため圧縮機24の停止時に、凝縮管23A内に存在する冷媒も含めて圧縮機24の吐出側に液溜まりが発生しやすい懸念がある。補助冷媒管29の本体部29Aを圧縮機24の上方に設けることで、液化した冷媒が圧縮機24の吐出出口(補助冷媒管29の一端部29B)の近傍に到達しにくくなる。その結果、圧縮機24の冷媒吐出が液溜まりによって阻害されて、圧縮機24が破損してしまう事態を抑制できる。
【0033】
また補助冷媒管29の本体部29Aを圧縮機24の上方に設けることで、空冷用ファン25によって圧縮機24と共に補助冷媒管29を効果的に空冷しつつ、補助冷媒管29を省スペースに配置できる。ただし、補助冷媒管29の本体部29Aは、空冷用ファン25によって空冷可能な位置に配設されていればよく、例えば圧縮機24の後方に配置されていても構わない。その場合、補助冷媒管29は、空冷用ファン25によって形成される気流について圧縮機24の下流に位置することとなり、圧縮機24の排熱の影響をより受けやすくなるため、冷却効率は低下することとなる。
【0034】
<実施形態2>
実施形態2に係る冷却装置120について、図11を参照して説明する。実施形態2では、冷却装置120の冷媒配管30の一部が熱交換されている点が実施形態1と異なる。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、及び作用効果について重複する説明は省略する。
【0035】
冷媒配管30のうち、補助冷媒管29からワイヤーチューブ凝縮器23に向かう冷媒の流通経路上に設けられる部分を第1冷媒配管31とする。また冷媒配管30のうち、庫壁冷媒管22からの冷媒が流入し、ドライヤ26の冷媒流通方向下流側(出口側)に設けられた部分を第2冷媒配管32とする。第1冷媒配管31は、図11に網掛で示すように、第2冷媒配管32と半田付け等で接触されることで、第2冷媒配管32と熱交換されている。
【0036】
このようにすれば、第1冷媒配管31の温度を第2冷媒配管32と熱交換することでより低温化できるようになる。その結果、ワイヤーチューブ凝縮器23に流入する冷媒温度をより低下しやすくなり、凝縮能力を向上しつつ、安全性を高めることができる。
【0037】
<実施形態3>
実施形態3に係る冷却装置220について、図12を参照して説明する。実施形態3では、冷却装置220の冷媒配管30の一部が熱交換されている点が実施形態1と異なる。実施形態3において、実施形態1から2と同様の構成、及び作用効果について重複する説明は省略する。
【0038】
冷媒配管30のうち、ワイヤーチューブ凝縮器23から庫壁冷媒管22に向かう冷媒の流通経路上に設けられた部分を第3冷媒配管33とする。第1冷媒配管31は、図12に網掛で示すように、第3冷媒配管33と半田付け等で接触されることで、第3冷媒配管33と熱交換されている。
【0039】
このようにすれば、第1冷媒配管31の温度を第3冷媒配管33と熱交換することでより低温化できるようになる。その結果、ワイヤーチューブ凝縮器23に流入する冷媒温度をより低下しやすくなり、凝縮能力を向上しつつ、安全性を高めることができる。また、実施形態2に比べて、ドライヤ26の冷媒流通方向下流側(出口側)の冷媒温度をより低下しやすくなり、例えば外気温近傍まで低下可能となる。その結果、冷凍サイクルの冷却能力を高め、庫内をより短時間で低温化できるようになる。
【0040】
<他の実施形態>
本技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本技術の技術的範囲に含まれる。
【0041】
(1)冷却管21は、図5に示す以外の形状であっても構わない。例えば、冷却管121は、図13に模式的に示すように、螺旋状をなす第1冷却管121A、第2冷却管121Bが上下に連なっており、各冷却管121A、121Bに全体として下から上方に冷媒が流れるように構成されていても構わない。このようにすれば、各冷却管121A、121Bの下部で冷媒が保持され、庫内空気と十分熱交換できるようになり、より効率的な熱交換が実現できる。また上方の第1冷却管121Aから冷却されるため、庫内の上方が下方より冷えにくくなる事態を抑制でき、庫内温度分布をより均一化できる。
【0042】
(2)また例えば、冷却管221は、図14に模式的に示すように、下り勾配部分(図14の実線部分)と上り勾配部分(図14の一点鎖線部分)を含む螺旋状をなしていても構わない。このようにすれば、上り勾配の手前の位置に冷媒が保持され、庫内空気と十分熱交換できるようになり、より効率的な熱交換が実現できる。
【0043】
(3)また例えば、冷却管321は、図15に模式的に示すように、螺旋状の各段(一巻)が、下り勾配部分(図15の実線部分)、上り勾配部分(図15の一点鎖線部分)、及び水平部分(図15の点線部分)を含む形状をなしていても構わない。また、各部分は、複数の段の間で平行であっても構わない。このようにすれば、上り勾配の手前の位置に冷媒が保持され、庫内空気と十分熱交換できるようになり、より効率的な熱交換が実現できる。
【0044】
(4)貯蔵庫本体11は、図示の形状に限られず、上面以外に開口を有していても構わない。
【符号の説明】
【0045】
10:ディープフリーザ(冷却貯蔵庫)、11:貯蔵庫本体、15:機械室、21、121、221、321:冷却管、22:庫壁冷媒管、23:ワイヤーチューブ凝縮器(凝縮器)、24:圧縮機、25:空冷用ファン、29:補助冷媒管、29A:本体部、31:第1冷媒配管、32:第2冷媒配管、33:第3冷媒配管
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