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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162038
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/80 20170101AFI20241114BHJP
   B60Q 3/74 20170101ALI20241114BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20241114BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20241114BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B60Q3/80
B60Q3/74
H01H36/00 J
H01H13/02 A
H01H35/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077189
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 知樹
(72)【発明者】
【氏名】村田 健二
(72)【発明者】
【氏名】澤田 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】村山 友規
【テーマコード(参考)】
3K040
5G046
5G055
5G206
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040DA01
3K040DA03
3K040DA05
3K040GC01
5G046AA11
5G046AB02
5G046AC21
5G046AE05
5G055AA15
5G055AB02
5G055AC01
5G055AD01
5G055AD04
5G055AE46
5G055AG18
5G055AG34
5G206AS31H
5G206AS35Q
5G206GS27
5G206KS03
5G206KS12
5G206RS04
5G206RS14
5G206RS24
(57)【要約】
【課題】操作性を向上させることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、操作を受け付ける操作部材20を照明する照明部としてのスイッチ照明部3と、操作部材20に対する検出対象の接近を検出する接近検出部としての接近センサ4と、接近センサ4により、予め定められた距離L以下の検出対象の接近が検出された場合、スイッチ照明部3を制御して操作部材20を照明させる制御部6と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を受け付ける操作部材を照明する照明部と、
前記操作部材に対する検出対象の接近を検出する接近検出部と、
前記接近検出部により、予め定められた距離以下の前記検出対象の接近が検出された場合、前記照明部を制御して前記操作部材を照明させる制御部と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
さらに車両の天井に配置された前記操作部材と、
前記操作部材と共に前記車両の天井に配置され、車室内を照明する室内照明部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部材が操作を受け付けた場合、前記室内照明部を点灯又は消灯させる、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
さらに前記操作部材の周囲の明るさを検出する光検出部を備え、
前記制御部は、前記光検出部が検出した検出値が予め定められた光しきい値以上となって周囲が明るいと判定した場合、前記検出値が前記光しきい値より小さくて暗いと判定された場合よりも前記予め定められた距離を短く設定する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記接近検出部は、前記操作部材に配置され、前記検出対象の接近、及び前記検出対象による操作に伴って変化する静電容量を検出し、
前記制御部は、予め定められた接近しきい値と検出された前記静電容量とを比較して前記検出対象が前記予め定められた距離以下となる前記検出対象の接近を判定し、予め定められた操作しきい値と検出された前記静電容量とを比較して前記検出対象による操作を判定する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記操作部材は、割り当てられた機能を示すマークを有し、
前記照明部は、前記マークを照明する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、光が透過する木の突き板と、表示しようとするマークに対応した位置に透光部が形成され、突き板の背面に配置された隠蔽層と、透光部に対応した位置に光源を有し、隠蔽層の突き板とは反対側に配置された光源層と、を備えた表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この表示装置は、車両のイグニッションキーなどのメインスイッチが入力されるまでは、自然木の外観のみでマークのいずれも表示されず、メインスイッチが入力されると、マークが透過光によって表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-190668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の表示装置は、メインスイッチが入力されるまでは、自然木の外観のみでマークが表示されない。そのため、従来の表示装置は、例えば、メインスイッチが入力されなくても操作可能とされた操作スイッチに適用された場合、夜間などで操作スイッチの周囲が暗いと、操作スイッチを見つけ難く、操作性が良くない問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、操作性を向上させることができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作を受け付ける操作部材を照明する照明部と、操作部材に対する検出対象の接近を検出する接近検出部と、接近検出部により、予め定められた距離以下の検出対象の接近が検出された場合、照明部を制御して操作部材を照明させる制御部と、を備えた照明装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、照明装置の配置の一例を示す図であり、図1(b)は、ブロック図の一例である。
図2図2(a)は、照明装置の一例を示す図であり、図2(b)は、操作部材までの距離と検出領域との関係の一例の図であり、図2(c)は、スイッチの配置の一例を示す図である。
図3図3は、照明装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4(a)は、照明装置のブロック図の一例であり、図4(b)は、接近を検出する距離と明るさの関係の一例を示す図である。
図5図5(a)は、照明装置の接近センサの配置の一例を示す図であり、図5(b)は、照明装置のブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
(照明装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る照明装置が配置された車両内部の一例を示す図であり、図1(b)は、照明装置のブロック図の一例である。図2(a)は、第1の実施の形態に係る照明装置の一例を示す図であり、図2(b)は、操作部材までの距離と検出領域との関係の一例を説明するための図であり、図2(c)は、スイッチの配置の一例を示す図である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図1(b)、後述する図4(a)及び図5(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに数値範囲を示す「A~B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
【0011】
照明装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、操作を受け付ける操作部材20を照明する照明部としてのスイッチ照明部3と、操作部材20に対する検出対象の接近を検出する接近検出部としての接近センサ4と、接近センサ4により、予め定められた距離L以下の検出対象の接近が検出された場合、スイッチ照明部3を制御して操作部材20を照明させる制御部6と、を備えて概略構成されている。照明装置1は、さらに車両8の天井80に配置された操作部材20と、操作部材20と共に車両8の天井80に配置され、車室内を照明する室内照明部5と、を備えている。制御部6は、操作部材20が操作を受け付けた場合、室内照明部5を点灯又は消灯させるように構成されている。つまり本実施の形態の照明装置1は、室内照明部5を点灯及び消灯させるスイッチ2と、スイッチ照明部3と、接近センサ4と、室内照明部5と、制御部6と、とが一体とされたルームランプ装置として車両8に配置されている。
【0012】
(スイッチ2の構成)
スイッチ2は、一例として、プッシュ操作を受け付けるように構成されているがこれに限定されない。スイッチ2は、図1(b)及び図2(a)に示すように、操作部材20と、操作部材20になされたプッシュ操作を検出するスイッチ部21と、を備えている。操作部材20は、図2(a)に示すように、割り当てられた機能を示すマーク22を有している。スイッチ照明部3は、このマーク22を照明するように構成されている。操作部材20は、一例として、黒色であり、スイッチ照明部3が消灯している際にはマーク22が表示されず、点灯することによりマーク22が表示される。つまり操作部材20は、スイッチ照明部3が消灯している際にはブラックアウトしている。
【0013】
スイッチ部21は、操作部材20の下方に配置され、操作部材20になされたプッシュ操作に基づいてオン、オフするマイクロスイッチとして構成されている。なおスイッチ部21は、マイクロスイッチに限定されず、静電容量方式のタッチセンサとして構成され、プッシュ操作ではなく、タッチ操作を検出するように構成されても良い。スイッチ部21は、制御部6と電気的に接続されている。スイッチ部21は、プッシュ操作を検出したことを示すスイッチ信号Sを制御部6に出力する。
【0014】
・スイッチ2の配置について
スイッチ2は、一例として、車両8の座席に着座する乗員から見て目視し難い場所に配置される。目視し難い場所は、一例として、図1(a)に示すように、右座席側面領域83、左座席側面領域84、右側足元領域85及び左側足元領域86などである。なお目視し難い場所は、後部座席に着座する乗員から見た足元などの領域、トランクの中などの暗い場所などが含まれる。右座席側面領域83は、運転席81とドアの間の領域である。左座席側面領域84は、助手席82とドアの間の領域である。右側足元領域85は、運転席81の足元の領域であってセンターコンソール87の右側面、運転席81の前方のパネル88の下側、及び他の車体部分などで形成される領域である。左側足元領域86は、助手席82の足元の領域であってセンターコンソール87の左側面、助手席82の前方のパネル89の下側、及び他の車体部分などで形成される領域である。目視し難い場所には、例えば、ボンネットを開けるための操作部材20、給油口を開けるための操作部材20、機能が異なる複数のスイッチ2が配置される。ボンネットや給油口の操作部材20は、例えば、操作レバーとして構成される。
【0015】
またスイッチ2は、一例として、図2(c)に示すように、並んで配置されても良い。この場合、接近を検出したスイッチ2のマーク22が照明されても良いし、接近を検出したスイッチ2に近接したスイッチ2の全てのマーク22が照明されても良い。
【0016】
(スイッチ照明部3の構成)
スイッチ照明部3は、図2(a)に示すように、操作部材20のマーク22を内部から照明する。このスイッチ照明部3は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子であるが光を出力するものであれば良く、これに限定されない。スイッチ照明部3は、図1(b)に示すように、制御部6と電気的に接続されている。スイッチ照明部3は、制御部6から出力される点灯信号Sに基づいて点灯し、点灯信号Sが停止されると消灯する。ここで変形例としてのスイッチ照明部3は、操作部材20を外側から照明しても良い。
【0017】
(接近センサ4の構成)
接近センサ4は、図2(a)に示すように、操作部材20の近傍に配置され、制御部6と電気的に接続されている。この接近センサ4は、一例として、光を出力する発光素子と、検出対象9としての操作者の手で反射した光を受光する受光素子と、を備えて構成されている。接近センサ4は、図2(b)において点線で示す検出範囲40を有している。この検出範囲40は、一例として、円錐形状を有している。そして接近センサ4は、検出した結果に基づく検出情報Sを制御部6に出力する。本実施の形態の接近センサ4は、検出対象9までの距離Rに関する情報を含む検出情報Sを出力する。この検出対象9までの距離Rは、光の速度と、光の出力から受光までの時間と、に基づいて算出される。なお検出対象9は、図2(b)では操作者の手であるがこれに限定されない。ここで変形例として接近センサ4は、光の速度が一定であるため、光の出力から受光までの時間に関する情報を検出情報Sとして出力しても良い。この場合、制御部6は、出力から受光までの時間に基づいて距離を算出しても良いし、出力から受光までの時間に関するしきい値を有して接近センサ4に対する接近を判定しても良い。
【0018】
(室内照明部5の構成)
室内照明部5は、一例として、図2(a)に示すように、操作部材20を挟んで右側照明50と、左側照明51と、を備えている。室内照明部5は、図1(b)に示すように、制御部6と電気的に接続されている。右側照明50及び左側照明51は、一例として、LED素子などから構成されている。右側照明50及び左側照明51は、制御部6から出力される照明信号Sに基づいて点灯し、照明信号Sが停止されると消灯する。右側照明50は、運転席81側を照明する。左側照明51は、助手席82側を照明する。
【0019】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、記憶部6としての半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。制御部6は、予め定められた距離Lに関する距離しきい値Thを記憶部60に記憶している。制御部6は、図2(b)に示すように、検出対象9までの距離Rが検出範囲40であって一点鎖線で示す距離L以下となると検出対象9が接近したと判定する。また制御部6は、操作部材20に対する照明時間に関するしきい値である時間しきい値Thを記憶部60に記憶している。
【0020】
距離しきい値Thは、予め定められた距離Lを定めるしきい値である。接近センサ4が検出した検出対象9までの距離Rを出力する場合、制御部6は、検出された距離Rと距離しきい値Thとを比較する。制御部6は、検出された距離Rが距離しきい値Th以下となった場合、マーク22を照明する。この予め定められた距離Lは、一例として、10~20cmであるがこれに限定されない。また変形例として距離しきい値Thは、接近センサ4が光を出力してから受光するまでの時間を出力する場合、光が予め定められた距離Lを往復する際の時間として定められても良い。制御部6は、光を出力してから受光するまでの時間が距離しきい値Th以下となった場合、マーク22を照明する。さらに変形例として制御部6は、光を出力してから受光するまでの時間と光の速度とに基づいて距離Rを算出するように構成されても良い。
【0021】
時間しきい値Thは、マーク22の照明を継続する時間に関するしきい値である。制御部6は、検出された距離Rが予め定められた距離L以下となってマーク22が照明され、操作部材20が操作されないまま時間しきい値Th以上の照明時間が経過した場合、マーク22の照明を終了する。なお制御部6は、操作部材20に操作がなされた場合、一定時間マーク22を照明した後、照明を終了する。
【0022】
以下に、本実施の形態の照明装置1の動作の一例について図3のフローチャートに従って説明する。
【0023】
(動作)
照明装置1の制御部6は、接近センサ4から出力される検出情報Sと距離しきい値Thとを比較して検出対象9が接近しているか否かを監視する。制御部6は、ステップ1の「Yes」が成立、つまり検出対象9の接近を判定した場合(Step1:Yes)、スイッチ照明部3に点灯信号Sを出力してマーク22を照明する(Step2)。制御部6は、点灯信号Sを出力した時間を起点として経過時間の測定を開始する。制御部6は、スイッチ部21から出力されるスイッチ信号Sに基づいてスイッチ2が操作されるか否かを監視する。制御部6は、スイッチ信号Sに基づいてスイッチ2が操作されたと判定した場合(Step3:Yes)、照明信号Sを出力して室内照明部5を点灯させ(Step4)、マーク22を一定時間点灯させた後(Step5)、点灯信号Sを停止してマーク22の照明を終了する(Step6)。なお変形例として照明装置1は、操作の判定を行なった後、マーク22を一定時間、点滅させたり、光量や色を変化させたりするアンサーバックを行なっても良い。
【0024】
ここでステップ3において制御部6は、スイッチ操作が判定されない期間(Step3:No)、測定した経過時間と時間しきい値Thとを比較して予め定められた時間が経過するか否かを監視する。制御部6は、経過時間が予め定められた時間以上となった場合(Step7:Yes)、ステップ6に処理を進めてマーク22の照明を終了する(Step6)。また制御部6は、測定した経過時間が予め定められた時間未満である場合(Step7:No)、ステップ3に処理を進める。
【0025】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る照明装置1は、操作性を向上させることができる。具体的には、照明装置1は、操作部材20が操作者から見つけ難い場所に配置されていたり、周囲が暗くて操作部材20を見つけ難かったりしても検出対象9としての手を近づけることで操作部材20が照明されて見つけ易くなるので、照明されない場合と比べて、操作性を向上させることができる。また照明装置1は、見つけ難い場所や暗い場所に配置されていても手を近づけることによりマーク22が照明されて見つけ易くなるので、この構成を採用しない場合と比べて、意図しない操作部材20を操作してしまう誤操作を抑制することができる。
【0026】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、周囲の明るさに応じて接近を検出する距離を変更する点で他の実施の形態と異なっている。
【0027】
図4(a)は、第2の実施の形態に係る照明装置のブロック図の一例であり、図4(b)は、接近を検出する距離と明るさの関係の一例を示す図である。図4(b)は、横軸が検出値Sであり、縦軸が接近を検出する予め定められた距離Lである。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0028】
照明装置1は、図4(a)に示すように、さらに操作部材20の周囲の明るさを検出する光検出部7を備えている。制御部6は、図4(b)に示すように、光検出部7が検出した検出値Sが予め定められた光しきい値Th以上となって周囲が明るいと判定した場合、検出値Sが光しきい値Thより小さくて暗いと判定された場合よりも予め定められた距離Lを短く設定するように構成されている。光検出部7は、周囲の輝度又は照度を測定し、測定した輝度値又は照度値を検出値Sとして制御部6に出力するように構成されている。本実施の形態の光検出部7は、一例として、周囲の輝度を測定し、輝度値としての検出値Sを制御部6に出力する。光検出部7は、フォトダイオードやフォトトランジスタなどを用いて構成されている。
【0029】
操作者は、スイッチ2の周囲が暗い場合、手探りでスイッチ2を探そうとする。従って操作者は、操作部材20に近い位置で接近が検出されるよりも遠い位置で接近が検出されてマーク22が照明された方が所望のスイッチ2を見つけ易い。
【0030】
制御部6は、図4(b)に示すように、光しきい値Thを境に、第1の距離Lと、第1の距離Lよりも短い距離である第2の距離Lと、に予め定められた距離Lを変更する。制御部6は、スイッチ2の周囲が暗いと判定した場合、つまり検出値Sが光しきい値Thより小さい場合、第2の距離Lよりも遠い距離である第1の距離L以下となる距離Rで検出対象が検出されると、マーク22を照明する。また制御部6は、スイッチ2の周囲が明るいと判定した場合、つまり検出値Sが光しきい値Th以上である場合、第1の距離Lよりも短い第2の距離L以下となる距離Rで検出対象が検出されると、マーク22を照明する。周囲が明るい場合、操作者は、スイッチ2を見つけ易いので、スイッチ2に近い第1の距離L以下となる距離Rまで手を近づけないとマーク22が照明されない。
【0031】
以下に、本実施の形態の照明装置1の動作の一例について説明する。ここでは、予め定められた距離Lを変更する動作の一例について説明する。
【0032】
(動作)
照明装置1の制御部6は、光検出部7から検出値Sを取得する。
【0033】
制御部6は、光しきい値Thと検出値Sとを比較して操作部材20の周囲の明るさを判定する。制御部6は、検出値Sが光しきい値Thより小さい場合、周囲が暗いと判定する。制御部6は、周囲が暗いと判定した場合、検出対象9の接近を検出するための距離Lを、第1の距離Lに設定する。制御部6は、距離しきい値Thを第1の距離Lに設定し、接近センサ4から出力された検出情報Sと変更した距離しきい値Thに基づいて検出対象9の接近を判定する。ここで制御部6は、検出値Sが光しきい値Th以上である場合、周囲が明るいと判定する。制御部6は、周囲が明るいと判定した場合、検出対象9の接近を検出するための距離Lを、第2の距離Lに設定する。制御部6は、距離しきい値Thを第2の距離Lに設定し、接近センサ4から出力された検出情報Sと変更した距離しきい値Thに基づいて検出対象9の接近を判定する。
【0034】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の照明装置1は、周囲の明るさに応じて検出対象9の接近を検出するための距離しきい値Thを変更する。従って照明装置1は、距離しきい値が一定である場合と比べて、周囲が暗い際、明るいときよりも遠い位置で接近が検出されてマーク22が照明されるので、所望のスイッチ2を見つけ易くすることができる。また照明装置1は、周囲の明るさ応じて距離しきい値Thを変更するので、この構成を採用しない場合と比べて、周囲が明るく、操作部材20が見えているのに意図せず照明されるようなことが抑制される。
【0035】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、接近と操作の検出を静電容量方式のセンサで兼用する点で他の実施の形態と異なっている。
【0036】
図5(a)は、第3の実施の形態に係る照明装置の接近センサの配置の一例を示す図であり、図5(b)は、照明装置のブロック図の一例である。
【0037】
接近センサ4は、図5(a)に示すように、操作部材20に配置され、検出対象9の接近、及び検出対象9による操作に伴って変化する静電容量を検出する。接近センサ4は、図5(b)に示すように、検出した静電容量Sを制御部6に出力する。制御部6は、図5(b)に示すように、予め定められた接近しきい値Thと検出された静電容量とを比較して検出対象が予め定められた距離L以下となる検出対象の接近を判定し、予め定められた操作しきい値Thと検出された静電容量とを比較して検出対象による操作を判定する。つまり本実施の形態の照明装置1は、接近と操作を静電容量方式の接近センサ4によって検出するように構成されている。接近センサ4は、図5(a)に示すように、検出電極41が操作部材20の裏面201側に配置されている。制御部6は、静電容量Sと接近しきい値Thとを比較することにより、検出対象の接近を判定する。また制御部6は、静電容量Sと操作しきい値Thとを比較することにより、検出対象の表面200への接触を判定する。
【0038】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態の照明装置1は、検出対象9の接近と、検出対象9による操作と、を接近センサ4によって検出することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、部品点数が削減され、製造コストが抑制される。
【0039】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の照明装置1によれば、操作性を向上させることができる。本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1…照明装置、2…スイッチ、3…スイッチ照明部、4…接近センサ、5…室内照明部、6…制御部、7…光検出部、20…操作部材、21…スイッチ部、22…マーク
図1
図2
図3
図4
図5