(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162049
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】車両用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20241114BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20241114BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01Q1/22 B
H01Q1/32 Z
H01Q1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077216
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000165848
【氏名又は名称】原田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124257
【弁理士】
【氏名又は名称】生井 和平
(72)【発明者】
【氏名】岩田 俊洋
【テーマコード(参考)】
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J046AA06
5J046AA13
5J046MA09
5J046RA03
5J046RA11
5J047AA05
5J047AA13
(57)【要約】
【課題】アンテナベース上の回路基板に熱応力による不用意な力が加えられず、回路基板のレイアウトに制限も少ない車両用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】車両用アンテナ装置は、アンテナベース10と、アンテナケース20と、アンテナエレメント30と、回路基板40とからなる。アンテナベース10は、樹脂ベース11と導電ベース12とからなる。アンテナエレメント30は、給電部31を有する。回路基板40は、アンテナエレメント30の給電部31が接続され、アンテナベース10の導電ベース12の上に延在し導電ベース12に固定されると共に樹脂ベース11の上まで延在する。回路基板40は、アンテナベース10がアンテナケース20に固定される際に樹脂ベース11の上に延在する回路基板40の少なくとも一部が樹脂ベース11とアンテナケース20の間に挟み込まれることで固定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に固定される車両用アンテナ装置であって、該車両用アンテナ装置は、
樹脂ベースと導電ベースとからなるアンテナベースと、
前記アンテナベースに固定され、アンテナベースと共に内部空間を画定するアンテナケースと、
前記アンテナケースの内部空間に配置され、給電部を有するアンテナエレメントと、
前記アンテナエレメントの給電部が接続され、アンテナベースの導電ベースの上に延在し導電ベースに固定されると共に樹脂ベースの上まで延在する回路基板であって、アンテナベースがアンテナケースに固定される際に樹脂ベースの上に延在する回路基板の少なくとも一部が樹脂ベースとアンテナケースの間に挟み込まれることで固定される、回路基板と、
を具備することを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用アンテナ装置であって、さらに、前記アンテナベースの樹脂ベースの上に延在する回路基板上に載置され、アンテナエレメントの給電部が接続される接続端子を具備することを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用アンテナ装置において、
前記アンテナケースは、シャークフィン形状を有し、
前記接続端子は、アンテナケースのシャークフィン形状の背の低い先端近傍の内部空間の回路基板上に載置される、
ことを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用アンテナ装置であって、さらに、前記アンテナベースの導電ベースの上に延在する回路基板上に載置されるアンプ回路を具備することを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用アンテナ装置において、前記アンテナエレメントは、アンテナケースに固定されることを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用アンテナ装置において、
前記アンテナエレメントの給電部は、板状の平面部を有する板状端子からなり、板状端子の平面部の面方向がシャークフィン形状の背の低い先端から後端を通る軸方向を向き、
前記接続端子は、板状端子の平面部の面を挟み込む板ばね端子からなる、
ことを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の車両用アンテナ装置であって、
さらに、前記アンテナベースとアンテナケースの間に介在し内部空間を防水するための防水パッドを具備し、
前記回路基板の少なくとも一部が樹脂ベースとアンテナケースの間に挟み込まれる位置において、防水パッドの一部が、樹脂ベースと回路基板の間、及び/又はアンテナケースと回路基板の間にも介在する、
ことを特徴とする車両用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用アンテナ装置に関し、特に、車両に固定され回路基板が収納される車両用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に固定される車両用アンテナ装置として、AM放送及びFM放送を受信可能なアンテナエレメントを有するものが一般的に用いられている。このようなアンテナエレメントを内部空間に収納する、所謂シャークフィンアンテナといった小型且つ低背型のアンテナ装置も存在する。また、近年、電気自動車やハイブリッドカーに代表されるように、燃費を考慮して車両の軽量化が進められている。車両用アンテナ装置に対しても軽量化が求められており、導電ベースに代わって樹脂ベースの車載アンテナが開発されつつある。例えば、特許文献1には、樹脂ベースと導電ベースを組み合わせた複合アンテナベースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用アンテナ装置のアンテナベースには、アンテナエレメントの給電部を接続するコネクタやアンテナエレメントの受信信号を増幅するためのアンプ回路等を載置するための回路基板が固定されている。回路基板が導電ベースから樹脂ベースの上まで延在し、導電ベースと樹脂ベースのそれぞれに固定された場合、導電ベースと樹脂ベースの熱膨張率の違いから、それぞれに固定された回路基板に熱応力による不用意な力が加えられ得る。このような熱応力が回路基板に加えられると、回路基板上のコネクタがずれたり配線が切れたり、回路基板が割れたりするおそれがあった。このため、回路基板を大きくできずレイアウトに制限があったり、回路基板を導電ベースと樹脂ベースのそれぞれに配置したりする必要があった。
【0005】
したがって、アンテナベース上の回路基板に熱応力による不用意な力が加えられず、回路基板のレイアウトに制限も少ない車両用アンテナ装置の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、アンテナベース上の回路基板に熱応力による不用意な力が加えられず、回路基板のレイアウトに制限も少ない車両用アンテナ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車両用アンテナ装置は、樹脂ベースと導電ベースとからなるアンテナベースと、アンテナベースに固定され、アンテナベースと共に内部空間を画定するアンテナケースと、アンテナケースの内部空間に配置され、給電部を有するアンテナエレメントと、アンテナエレメントの給電部が接続され、アンテナベースの導電ベースの上に延在し導電ベースに固定されると共に樹脂ベースの上まで延在する回路基板であって、アンテナベースがアンテナケースに固定される際に樹脂ベースの上に延在する回路基板の少なくとも一部が樹脂ベースとアンテナケースの間に挟み込まれることで固定される、回路基板と、を具備するものである。
【0008】
さらに、アンテナベースの樹脂ベースの上に延在する回路基板上に載置され、アンテナエレメントの給電部が接続される接続端子を具備するものであっても良い。
【0009】
ここで、アンテナケースは、シャークフィン形状を有し、接続端子は、アンテナケースのシャークフィン形状の背の低い先端近傍の内部空間の回路基板上に載置される、ものであっても良い。
【0010】
さらに、アンテナベースの導電ベースの上に延在する回路基板上に載置されるアンプ回路を具備するものであっても良い。
【0011】
また、アンテナエレメントは、アンテナケースに固定されるものであっても良い。
【0012】
また、アンテナエレメントの給電部は、板状の平面部を有する板状端子からなり、板状端子の平面部の面方向がシャークフィン形状の背の低い先端から後端を通る軸方向を向き、接続端子は、板状端子の平面部の面を挟み込む板ばね端子からなる、ものであっても良い。
【0013】
さらに、アンテナベースとアンテナケースの間に介在し内部空間を防水するための防水パッドを具備し、回路基板の少なくとも一部が樹脂ベースとアンテナケースの間に挟み込まれる位置において、防水パッドの一部が、樹脂ベースと回路基板の間、及び/又はアンテナケースと回路基板の間にも介在する、ものであっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両用アンテナ装置には、アンテナベース上の回路基板に熱応力による不用意な力が加えられず、回路基板のレイアウトに制限も少ないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の車両用アンテナ装置を説明するための概略分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の車両用アンテナ装置の回路基板の固定部分の詳細を説明するための概略拡大側断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の車両用アンテナ装置のアンテナエレメントの給電部と接続端子の詳細を説明するための概略拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の車両用アンテナ装置の防水パッドの詳細を説明するための概略拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の車両用アンテナ装置の
図4に対応する防水パッドの概略拡大側断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の車両用アンテナ装置の他の防水パッドの詳細を説明するための概略拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。本発明の車両用アンテナ装置は、筐体に覆われたアンテナエレメントが車両に固定されるものである。以下、低背型ルーフマウントアンテナ装置に適用した例について具体的に説明する。筐体に覆われたアンテナエレメントが車両に固定されるものであれば、ルーフマウントアンテナ装置に限らず、例えばダッシュボードアンテナ装置等、固定位置は特に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の車両用アンテナ装置を説明するための概略分解斜視図である。図示の通り、本発明の車両用アンテナ装置は、アンテナベース10と、アンテナケース20と、アンテナエレメント30と、回路基板40とから主に構成されている。なお、図示例の各構成要素の形状は単なる一例で、説明のために開示したものであり、本発明の車両用アンテナ装置がこれらの形状に限定されるものではない。
【0018】
アンテナベース10は、樹脂ベース11と導電ベース12とからなるものである。所謂複合アンテナベースである。図示例のアンテナベース10は、樹脂ベース11の中央付近に貫通孔が設けられており、貫通孔に嵌合するように導電ベース12が構成されている。樹脂ベース11は、後述のアンテナケース20の開口部を塞ぐように開口部に嵌合するものである。樹脂ベース11とアンテナケース20は、例えばねじ23により固定されれば良い。導電ベース12は、後述の回路基板40のグラウンドとなるものである。より具体的には、導電ベース12には、例えばねじボスが設けられており、ねじボスが車両ルーフに設けられた貫通孔に挿通されナット等により固定され、車両ルーフに導通する。
【0019】
アンテナケース20は、アンテナベース10に固定され、アンテナベース10と共に内部空間を画定するものである。アンテナケース20の内部空間には、後述のアンテナエレメント30や回路基板40が収納される。図示例のアンテナケース20は、所謂シャークフィン形状のものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、三角形状や四角形状等、内部空間を有するものであれば如何なるものであっても良い。また、アンテナケース20は、インナーカバーとアウターカバーを用いる2重カバーであっても良い。
【0020】
アンテナエレメント30は、アンテナケース20の内部空間に配置されるものである。アンテナエレメント30は、例えばラジオ用のものであれば良い。図示例のアンテナエレメント30は、所謂トップロードアンテナエレメントである傘形状のものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、平板形状やメアンダ形状等、アンテナエレメントとして機能するものであれば如何なるものであっても良い。また、アンテナエレメント30は、給電部31を有している。図示例の給電部31は、アンテナケース20の背の低い先端側に配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、給電部31は、アンテナエレメント30の中央や後端側に配置されるものであっても良い。
【0021】
回路基板40は、アンテナエレメント30の給電部31が接続されるものである。回路基板40は、アンテナベース10の導電ベース12の上に延在し導電ベース12に固定されると共に樹脂ベース11の上まで延在するものである。即ち、回路基板40は、導電ベース12の上から樹脂ベース11の上にわたって延在するものである。回路基板40は、導電ベース12に例えばねじ13により固定される。回路基板40のグラウンドは、例えばねじ13を介して導電ベース12に電気的に接続されることで、車両ルーフがグラウンドとなる。一方、以下に説明するように、回路基板40は、樹脂ベース11にはねじ13では固定されていない。即ち、アンテナベース10がアンテナケース20に固定される際に樹脂ベース11の上に延在する回路基板40の少なくとも一部が樹脂ベース11とアンテナケース20の間に挟み込まれることで固定される。
【0022】
以下、
図2を用いてより具体的に説明する。
図2は、本発明の車両用アンテナ装置の回路基板の固定部分の詳細を説明するための概略拡大側断面図である。図中、
図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。図示の通り、アンテナケース20をアンテナベース10に、例えばねじ23により固定する。このとき、樹脂ベース11に設けられる固定用凸部15と、アンテナケース20に設けられる固定用リブ25とで、樹脂ベース11の上に延在する回路基板40が挟み込まれて固定される。即ち、回路基板40の表裏面を、固定用凸部15と固定用リブ25とで挟み込むことで回路基板40が固定される。回路基板40は、樹脂ベース11の上では表裏面が固定用凸部15と固定用リブ25で挟み込まれているため、水平方向にはスライド可能に固定されていることになる。一方、導電ベース12の上の回路基板は、導電ベース12にねじ13で固定されているため水平方向には移動しない。このように、回路基板40は、導電ベース12に固定される一方、樹脂ベース11の上では、スライド可能に固定される。したがって、樹脂ベース11と導電ベース12の熱膨張率が異なり、熱変化により水平方向に樹脂ベース11や導電ベース12が伸縮した場合であっても、回路基板40には熱応力による不用意な力が加えられない。樹脂ベース11の上の回路基板40の固定位置は、樹脂ベース11や導電ベース12の伸縮の影響がより大きい長手方向へのスライドが可能な位置であればより効果的である。
【0023】
なお、上述の図示例では、固定用凸部15と固定用リブ25とで回路基板40を挟み込む構成を示したが、本発明はこれに限定されない。回路基板40は、アンテナベース10とアンテナケース20の間に挟み込まれて固定されるものであれば、例えば凸部同士で挟み込まれるように構成されても良い。また、アンテナベース10とアンテナケース20の固定についても、ねじ23により固定するものには限定されず、係合爪等により固定されるものであっても良い。
【0024】
また、アンテナエレメント30は、支持部材等を用いてアンテナベース側に固定されるものであっても良い。そして、アンテナエレメント30の給電部31は、回路基板40に直接接続されるものであっても良い。さらに、アンテナエレメント30は、アンテナケース20に固定されるものであっても良い。そして、
図2に示されるように、アンテナエレメント30の給電部31が接続される接続端子41が回路基板40上に載置されていても良い。
【0025】
上述の通り、従来技術のものでは、回路基板に熱応力による不用意な力が加えられないように導電ベース上にのみ回路基板を配置し固定せざるを得なかった。このため、アンテナケースの背の低い先端側のほうに接続端子を配置したくても回路基板が存在しないので、配置できなかった。しかしながら、本発明の車両用アンテナ装置では、回路基板40には熱応力による不用意な力が加えられないため、回路基板を任意の位置まで延在させることが可能となる。したがって、例えばアンテナケース20がシャークフィン形状の場合、シャークフィン形状の背の低い先端近傍まで回路基板40を延在させることが可能となる。このため、接続端子41を、シャークフィン形状の背の低い先端近傍の内部空間の回路基板40上に載置することが可能となる。このように、回路基板40のレイアウトに制限も少ないものとなる。
【0026】
また、回路基板40上には、アンプ回路42が載置されていても良い。アンプ回路42は、グラウンドが必要となるため、導電ベース12の上に延在する回路基板40上に載置されることが好ましい。回路基板40のグラウンドは、導電ベース12に電気的に接続されるため、導電ベース12に近い位置にアンプ回路42が載置されることが好ましい。この場合、シャークフィン形状の背の低い先端近傍に接続端子41が配置されると共に、アンテナエレメント30に覆われる部分の導電ベース12の上に延在する回路基板40上にアンプ回路42が配置されることになる。
【0027】
次に、
図3を用いて、本発明の車両用アンテナ装置のアンテナエレメントの給電部と接続端子の詳細を説明する。
図3は、本発明の車両用アンテナ装置のアンテナエレメントの給電部と接続端子の詳細を説明するための概略拡大斜視図である。図中、
図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、給電部31と接続端子41の周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。アンテナエレメント30の給電部31は、例えば板状の平面部を有する板状端子からなるものであれば良い。このとき、図示の通り、板状端子の平面部の面方向が、シャークフィン形状の背の低い先端から後端を通る軸方向を向いているように構成可能である。そして、接続端子41は、板状端子の平面部の面を挟み込む板ばね端子からなるものであれば良い。即ち、接続端子41の挟み込む溝も、シャークフィン形状の背の低い先端から後端を通る軸方向を向いている。給電部31の板状端子は、アンテナベース10の長手方向にスライド可能に、板ばね端子である接続端子41に挟み込まれた状態となっている。
【0028】
図3に示されるように、アンテナベース10の長手方向にスライド可能に給電部31と接続端子41とを構成すれば、樹脂ベース11や導電ベース12が熱変化の影響がより大きい長手方向に伸縮し、アンテナケース20に固定されたアンテナエレメント30に対して回路基板40の位置が相対的にずれた場合であっても、熱応力による不用意な力が加えられることによる接触不良も防止することが可能となる。即ち、給電部31と接続端子41との間に対して、アンテナベース10の熱応力による不用意な力が加えられることはない。一方、上述の通り、樹脂ベース11の上の回路基板40は、固定用凸部15と固定用リブ25で挟み込まれているため、少なくとも上下方向は安定的に固定されているので、給電部31と接続端子41との間で上下方向にスライドすることもない。
【0029】
さらに、本発明の車両用アンテナ装置は、
図2に示されるように、防水パッド50を有していても良い。防水パッド50は、アンテナベース10とアンテナケース20の間に介在し内部空間を防水したり、車両ルーフとアンテナベース10の間を防水したりするためのものである。防水パッド50は、例えばアンテナベース10の下部(車両ルーフ側)を覆うと共に、側部からアンテナケース20との当接部にまで延在するように構成されている。即ち、アンテナベース10に被せるように防水パッド50が構成されれば良い。
【0030】
この防水パッド50の一部が、樹脂ベース11と回路基板40の間にも介在するように構成されていても良い。
図4は、本発明の車両用アンテナ装置の防水パッドの詳細を説明するための概略拡大斜視図である。また、
図5は、本発明の車両用アンテナ装置の
図4に対応する防水パッドの概略拡大側断面図である。図中、
図2と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、固定用凸部15と固定用リブ25の周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。図示の通り、防水パッド50の一部が、固定用凸部15の凸部を覆うように加工されたスペーサ部51として構成されている。即ち、樹脂ベース11の固定用凸部15とアンテナケース20の固定用リブ25の間に回路基板40が挟み込まれる位置において、防水パッド50のスペーサ部51が、樹脂ベース11の固定用凸部15と回路基板40の間に介在するように構成されている。このように構成されることで、固定用凸部15と固定用リブ25の間で回路基板40を挟み込む際に、隙間の設計誤差があったとしてもスペーサ部51により誤差を吸収することが可能となる。
【0031】
また、
図6は、本発明の車両用アンテナ装置の他の防水パッドの詳細を説明するための概略拡大側断面図である。図中、
図2と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、固定用凸部15と固定用リブ25の周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。図示の通り、この例では、樹脂ベース11の固定用凸部15とアンテナケース20の固定用リブ25の間に回路基板40が挟み込まれる位置において、防水パッド50のスペーサ部52が、アンテナケース20の固定用リブ25と回路基板40の間に介在するように構成されている。スペーサ部52は、例えば回路基板40の側端部から上面にかけて延在するように構成されれば良い。例えば、回路基板40をアンテナベース10に固定した後に、防水パッド50をアンテナベース10に被せるように設ける。このときに、スペーサ部52が、固定用凸部15と固定用リブ25の間に挟み込まれる回路基板40の上面の位置に配置されるように構成されている。このように構成されても、固定用凸部15と固定用リブ25の間で回路基板40を挟み込む際に、隙間の設計誤差があったとしてもスペーサ部52により誤差を吸収することが可能となる。なお、
図5に示されるスペーサ部51と
図6に示されるスペーサ部52を組み合わせても良い。即ち、防水パッド50の一部が、樹脂ベース11と回路基板40の間、及びアンテナケース20と回路基板40の間にも介在するように構成されても良い。
【0032】
なお、本発明の車両用アンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
10 アンテナベース
11 樹脂ベース
12 導電ベース
13 ねじ
15 固定用凸部
20 アンテナケース
23 ねじ
25 固定用リブ
30 アンテナエレメント
31 給電部
40 回路基板
41 接続端子
42 アンプ回路
50 防水パッド
51 スペーサ部
52 スペーサ部