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2024-162070通信装置、制御方法、システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162070
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20241114BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 36/24 20090101ALI20241114BHJP
【FI】
H04W48/16 135
H04W28/10
H04W36/36
H04W36/24
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077251
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔梧
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K067JJ39
(57)【要約】
【課題】 同じネットワークセグメントの情報装置かどうかに関係なく、送信したデータ量に従って通信を制限されることを前提とした制御を行うことで利便性が低下する可能性がある。
【解決手段】 通信装置は、前記無線ネットワークに接続する接続手段と、所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照手段と、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御手段と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照手段と、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
所定の期間における前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する取得手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記異なるネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記同じネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得しない、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて前記データの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づかずにデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて、接続する無線ネットワークを選択する選択手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記累積のデータ量の上限から前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい無線ネットワークを選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している第一の無線ネットワークにおいて、前記第一の無線ネットワークを通じて送信した前記累積のデータ量が、前記第一の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記第一の無線ネットワークと異なる第二の無線ネットワークに切り替える切り替え手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限と前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて、前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限から前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて異なるネットワークセグメントの情報装置にデータを送信する場合、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達している場合はデータを送信しないよう制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している無線ネットワークにおいて、前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記無線ネットワークを通じてのデータの送信を終了する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項13】
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続する前に、前記所定の期間における前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記取得手段は、前記第一の無線ネットワークに接続してから、所定の期間に前記第一の無線ネットワークと異なる前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続している間に、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記同じネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が同じ情報装置であり、前記異なるネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が異なる情報装置である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記所定の期間は1か月である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記累積のデータ量の上限を記憶する記憶手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信することを許可するか制限するかを取得する取得手段と、
データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じてデータを送信するよう制御し、データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項20】
前記制御手段は、前記データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じてデータを送信するよう制御し、
前記データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
無線ネットワークに接続する通信装置の制御方法であって、
前記無線ネットワークに接続する接続ステップと、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照ステップと、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項22】
コンピュータを請求項1に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
前記無線ネットワークに接続する接続装置と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照装置と、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置の制御に関し、特にデータ通信の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが電気通信事業者(以下、キャリアという。)と契約した通信回線(以下、契約回線という。)において、キャリアがユーザの契約回線に通信の制限をかける場合がある。これは、特定のユーザが大量のデータを送信することで、キャリアの通信回線を占有してしまうことを防ぐためである。キャリアが通信回線の占有を防ぐ方法として、ユーザが契約回線で一定量の通信を行った場合、一定期間、通信速度やデータ転送量に制限をかける通信制限方法が知られている。
【0003】
ユーザがこのような通信制限がかけられている回線を使用する場合、動画の視聴やサーバへのデータ転送など、大容量データの送受信に時間を要し、快適な通信を行うことができない。この課題を解決すべく、ユーザが通信制限のかかる回線を複数使用する際に、より好適な通信回線をユーザが選択できるようにした技術が開示されている。
【0004】
特許文献1では、ネットワークごとに通信量の上限を設定し、上限に達したネットワークとの接続を切断したり、別のネットワークへ切り替えたりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-126166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献に開示された従来技術では、ネットワークを介した通信のデータ量を計測することで、通信制限に対応する工夫を開示している。しかしながら、従来技術では、同じネットワークセグメントの情報装置との通信について考慮していない。同じネットワークセグメントの情報装置との通信では、ネットワークを介した通信のデータ量によって通信制限が生じない。にもかかわらず、同じネットワークセグメントの情報装置かどうかに関係なく、送信したデータ量に従って通信を制限されることを前提とした制御を行うことは、利便性を低下させる虞がある。例えば、実際は通信が制限されていないのに、上限に達したことになるという不都合が生じる可能性がある。したがって、本発明はこのような不都合が生じる可能性を低減し、より利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先によって、データの送信をするかどうか制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不都合が生じる可能性を低減し、より利便性が向上した通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)第一の実施形態におけるデジタルカメラのブロック図である。(b)及び(c)は第一の実施形態におけるデジタルカメラの外観図である。
図2】第一の実施形態におけるデジタルカメラに表示される無線LAN設定のUI画面を例示する図である。
図3】第一の実施形態におけるデジタルカメラが情報装置と通信するシステム構成図である。
図4】第一の実施形態におけるデジタルカメラに表示される通信量の上限設定のUI画面を例示する図である。
図5】第一の実施形態における同一セグメント内外の判断をする処理を示すフローチャート。
図6】第一の実施形態における同一セグメント外での無線LANの接続を切断、切り替え制御する処理を示すフローチャート。
図7】第二の実施形態におけるデジタルカメラに表示される自動転送設定のUI画面を例示する図である。
図8】第二の実施形態における同一セグメント内外の判断をする処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
【0011】
<デジタルカメラの構成>
図1(a)は、第一の実施形態における通信装置の一例であるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。なお、ここでは通信装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが、通信装置はこれに限られない。例えば通信装置は携帯型のメディアプレーヤや、いわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0012】
制御部101は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってデジタルカメラ100の各部を制御する一つ以上のプロセッサである。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0013】
撮像部102は、例えば、光学レンズユニットと絞り・ズーム・フォーカスなど制御する光学系と、光学レンズユニットを経て導入された光(映像)を電気的な映像信号に変換するための撮像素子などで構成される。撮像素子としては、一般的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が利用される。撮像部102は、制御部101に制御されることにより、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を、撮像素子により電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを画像データとして出力する。第一の実施形態のデジタルカメラ100では、画像データは、DCF(Design Rule for Camera File system)の規格に従って、記憶媒体107に記録される。
【0014】
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部101で実行される後述のプログラム等が格納される。
【0015】
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0016】
操作部105は、ユーザがデジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部105は例えば、ユーザがデジタルカメラ100の電源のON/OFFを指示するための電源スイッチや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタンを含む。さらに、後述の通信部108を介して情報装置との通信を開始するための専用の接続ボタンなどの操作部材を含む。また、後述する表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含まれる。なお、レリーズスイッチは、SW1およびSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がONとなる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備を行うための指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がONとなる。これにより、撮影を行うための指示を受け付ける。
【0017】
表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部106は必ずしもデジタルカメラ100が内蔵する必要はない。デジタルカメラ100は内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0018】
記憶媒体107は、撮像部102から出力された画像データを記録することができる。記憶媒体107は、デジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記憶媒体107にアクセスする手段を有していればよい。
【0019】
通信部108は、外部装置と通信するためのインターフェースである。第一の実施形態のデジタルカメラ100は、通信部108を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。なお、第一の実施形態では、通信部108は外部装置とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LAN(Local Area Network)で通信するためのインターフェースを含む。制御部101は、通信部108を制御することで外部装置との無線通信を実現する。無線LANと接続され無線LAN通信を行い、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。なお、無線LAN通信としてWi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)など、既存の技術を適宜採用することができる。なお、通信方式は無線LANに限定されるものではなく、例えば赤外通信方式も含む。
【0020】
また、制御部101は、通信部108で通信した際の通信量を計測する。制御部101は、接続した無線LANで外部装置と通信した累積の通信量を計測できる。また、制御部101は、計測した通信量を不揮発性メモリ103に保持することができる。さらに、制御部101は、不揮発性メモリ103に保持されている累積の通信量を、任意のタイミングでリセットできる。
【0021】
なお、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100の通信部108は、インフラストラクチャモードにおけるアクセスポイントとして動作するアクセスポイントモード(以下、APモード)を有する。更に通信部108は、インフラストラクチャモードにおけるクライアントとして動作するクライアンドモード(以下、CLモード)を有している。そして、通信部108をCLモードで動作させることにより、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100は、インフラストラクチャモードにおけるCL機器として動作することが可能である。デジタルカメラ100がCL機器として動作する場合、周辺のAP機器に接続することで、AP機器が形成するネットワークに参加することが可能である。また、通信部108をAPモードで動作させることにより、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作することも可能である。デジタルカメラ100が簡易APとして動作すると、デジタルカメラ100は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ100の周辺の装置は、デジタルカメラ100をAP機器と認識し、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加することが可能となる。上記のようにデジタルカメラ100を動作させるためのプログラムは不揮発性メモリ103に保持されているものとする。
【0022】
なお、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100はAPの一種であるものの、CL機器から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能は有していない簡易APである。したがって、自機が形成したネットワークに参加している他の装置からデータを受信しても、それをインターネットなどのネットワークに転送することはできない。
【0023】
次に、デジタルカメラ100の外観について説明する。図1(b)、図1(c)はデジタルカメラ100の外観の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aや再生ボタン105b、方向キー105c、電源スイッチ105d、メニューボタン105e、およびタッチパネル105fは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた画像が表示される。
【0024】
以上がデジタルカメラ100の説明である。
【0025】
<データ通信機能の説明>
次に、デジタルカメラに搭載されているデータ通信機能について説明する。
【0026】
デジタルカメラに搭載されているデータ通信機能は、データの送信先によって2つに分けることができる。1つ目は、LAN内でデジタルカメラと情報装置が通信する機能である。例えば、デジタルカメラをスマートデバイスからリモート操作する機能や、デジタルカメラが無線LANを介して、LAN内のPC(パーソナルコンピュータ)にデジタルカメラで撮像した画像を送信する機能がこれにあたる。2つ目は、インターネットを介してデジタルカメラと情報装置が通信する機能である。例えば、デジタルカメラで撮像した画像をクラウドサーバにアップロードする機能がこれにあたる。なお、ここでは、LAN内でデジタルカメラと情報装置が通信する場合に、情報装置を同じネットワークセグメントの情報装置と称する。また、インターネットを介してデジタルカメラと情報装置が通信する場合に、情報装置を異なるネットワークセグメントの情報装置と称する。IPv4において、同じネットワークセグメントとは、IPアドレスのネットワーク部が同じものを指し、異なるネットワークセグメントとは、IPアドレスのネットワーク部が異なるものを指す。また、IPv6においては、ルーティングプレフィックスとサブネットIDを含むプレフィックスが、IPv4におけるネットワーク部に相当する。そのため、IPv6において、同じネットワークセグメントとは、IPアドレスのプレフィックスが同じものを指し、異なるネットワークセグメントとは、IPアドレスのプレフィックスが異なるものを指す。なお、IPアドレスはプライベートIPアドレスであってもよく、グローバルIPアドレスであってもよい。なお、以下では、同じネットワークセグメントの情報装置を同一セグメント内の情報装置、異なるネットワークセグメントの情報装置を同一セグメント外の情報装置とも表現する。
【0027】
<デジタルカメラの無線LAN設定>
次に、デジタルカメラがデータ通信機能を使用するためにルータと無線LAN接続する際に必要な設定について説明する。
【0028】
図2(a)、図2(b)、図2(c)は、デジタルカメラ100の無線LAN設定を行う際のUI(ユーザインタフェース)画面を例示している。
【0029】
このUI画面図を使用して無線LAN設定の方法について説明する。
【0030】
まず、図2(a)では、ユーザによって使用するデータ通信機能が選択された場面を想定している。デジタルカメラ100の制御部101は、表示部106にUI画面201を表示するよう制御する。制御部101は、表示部106に「接続」「接続の追加」という選択肢を表示し、接続手順をユーザに選択させるよう制御する。「接続」が選択された場合、無線LANへの接続をそのまま行う。その場合、ユーザは、不揮発性メモリ103に保持されている無線LAN設定から任意の無線LANを選択して、接続を行う。「接続の追加」が選択された場合、無線LAN設定を追加してから接続を行う。
【0031】
次に図2(b)では、ユーザが、「接続の追加」を選択した場面を想定している。「接続の追加」が選択されると、無線LAN設定を追加するために、制御部101は、表示部106にUI画面202を表示するよう制御する。UI画面には、「簡単接続」と「手動接続」を表示し、無線LANへの接続方法をユーザに選択させる。「簡単接続」が選択された場合には、制御部101は、無線LAN検索を行い、周りに存在する無線LANを検索するよう制御する。「手動接続」が選択された場合は、無線LANのSSIDやIPアドレス、パスワードなど、接続したい無線LANに必要な設定値をユーザに手動で設定させる。
【0032】
次に図2(c)では、ユーザが、「簡単接続」を選択した場面を想定している。制御部101は、表示部106にUI画面203を表示するよう制御する。UI画面203には、発見した無線LANを一覧表示し、接続したい無線LANをユーザに選択させる。接続したい無線LANが選択されたら、ユーザに選択した無線LANのパスワードやIPアドレスの取得方法等を設定させ、接続を行う。
【0033】
上記で設定された値は無線LAN設定値としてデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に保持することができ、複数保持することもできる。また不揮発性メモリ103に保持しているため、後から設定値を変更することも可能である。
【0034】
<システム構成図>
次に、第一の実施形態におけるシステム構成について説明する。
【0035】
図3は、デジタルカメラ100と情報装置311、312が通信する際のシステム構成図である。デジタルカメラ100と情報装置311、312はルータ331を介して通信を行い、デジタルカメラ100はルータ331と無線LAN321を使用して接続する。情報装置311は、ルータ331と接続しており、デジタルカメラ100の同じ無線ネットワークに存在する。すなわち、デジタルカメラ100と情報装置311は、IPアドレスのネットワーク部が同じであり、2つは同じネットワークセグメントの装置である。なお、情報装置311とルータ331は、無線で繋がっていても、有線で繋がっていてもよく、同じネットワークセグメントの装置となっていればよい。情報装置312はインターネット341の先の、デジタルカメラ100が存在する無線ネットワーク外に存在する。すなわち、デジタルカメラ100と情報装置312は、IPアドレスのネットワーク部が異なり、2つは異なるネットワークセグメントの装置である。情報装置311は例えば、PCやスマートデバイスなどであり、デジタルカメラをリモート操作する機能がある。情報装置312は例えば、FTPサーバやクラウドサーバなどであり、デジタルカメラで撮影した画像をサーバに保存する機能がある。デジタルカメラ100と情報装置311、312とが同じ無線ネットワークに存在するかどうか、すなわちネットワークセグメントが同じかどうかによって通信経路が異なる。
【0036】
(第一の実施形態)
<通信量の上限設定>
次に、デジタルカメラで無線LAN設定ごとに通信量の上限を設定する方法について説明する。
【0037】
図4(a)、図4(b)、図4(c)は、ユーザが無線LAN設定ごとに通信量の上限を設定する、UI画面を例示している。
【0038】
まず、図4(a)では、ユーザが無線LANに通信量の上限を設定するかどうか選択させる場面を想定する。ここでは、「する」とは無線LANに通信量の上限を設定することを表す。また、「しない」とは無線LANに通信量の上限を設定しない、すなわち、上限なく通信できるよう設定することを表す。制御部101は、表示部106にUI画面401を表示する。画面には「する」「しない」を表示し、ユーザに通信量の上限を設定するかどうかを選択させる。ユーザが「する」403を選択した場合には、制御部101はUI画面401をUI画面404に切り替えるよう制御する。ユーザが「しない」402を選択した場合には、制御部101はUI画面401を終了し、上限の設定を終了するよう制御する。
【0039】
次に、図4(b)では、ユーザが「する」403を選択した場合を想定している。UI画面404では、ユーザに通信量の上限値を設定させる。画面には数値とその数値の増やすボタン405とその数値を減らすボタン406を配置し、ユーザに通信量の上限を設定させる。ユーザは、ボタン405,406を操作した後、決定ボタン407を操作することで、次の画面に移る。制御部101は、設定した通信量の上限値を、前述の無線LAN設定値とともにデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に保持するよう制御する。
【0040】
次に、図4(c)では、ユーザが決定ボタン407を操作した後、累積の通信量をリセットするタイミングを設定させる場面を想定している。
【0041】
UI画面404で、ユーザが通信量の上限を設定した後、制御部101は表示部106をUI画面409に切り替えるよう制御する。UI画面409では、累積の通信量をリセットするタイミング、すなわち所定の期間をユーザに設定させる。UI画面409では、画面には日付と日付を操作させるボタンを配置し、ユーザに毎月のリセット日を設定させる。ここでは、数値を増やすボタン410、数値を減らすボタン411、および決定ボタン412が配置されている。本実施形態では、累積の通信量を所定の期間でリセットする例を示したが、リセットはユーザの任意のタイミングを指定できる方法であればよく、例えば、リセット日までの残り日数を設定させたり、リセットしないように設定させたりしてもよい。
【0042】
本実施形態では、デジタルカメラの通信設定の最後で、本UI画面を表示し、ユーザに通信量の上限を設定させることを想定している。しかし、ユーザが通信量の上限を設定したい無線LANが確定していれば、通信量の上限は設定可能であるため、設定のタイミングを限定するものではない。また、前述したとおり、通信設定値はデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に保持しているため、後から変更可能である。つまり、通信機能の終了後に本UI画面を表示し、ユーザに変更させてもよい。
【0043】
<同一セグメント内外判断処理>
次に、デジタルカメラ100が、データの送信先の情報装置が同一セグメント内外のどちらに存在するかを判断する処理について説明する。すなわち、通信先の情報装置が、同一セグメント内の情報装置か、同一セグメント内の情報装置かを判断する処理について説明する。
【0044】
図5は、デジタルカメラ100の同一セグメント内外判断処理フローチャートである。このフローチャートを使用して処理の詳細な説明を行う。
【0045】
S501で、デジタルカメラ100の制御部101は、デジタルカメラ100で選択されたデータ通信機能が、同一セグメント外に通信する通信経路がある機能かを判断する。同一セグメント外に通信する通信経路がある機能と判断しない場合は処理をS507に進める。同一セグメント外に通信する通信経路がある機能と判断する場合は処理をS502に進める。
【0046】
S502で、制御部101は、無線LAN検索を行い、接続可能な無線LANがあるか否かを判断する。制御部101は、接続可能な無線LANがないと判断した場合には、無線LANとの接続を行わないものとし、同一セグメント内外判断処理を終了する。制御部101は、接続可能な無線LANがあると判断した場合には処理をS503に進める。
【0047】
S503で、制御部101は、優先度の最も高い無線LANに接続する。優先度の決め方は、通信量の上限から累積の通信量を減算した値が一番大きいものを優先する方法を想定している。すなわち、設定された累積のデータ量の上限から、所定の期間の間に通信した累積のデータ量を差し引いた、上限までの送信可能な残データ量が大きい無線LANに接続する。ただし、累積の通信量が通信量の上限を超えていない無線LANが選択できる方法であればどのような方法でもよい。
【0048】
S504で、制御部101は、デジタルカメラ100の通信先である情報装置のIPアドレスを取得する。IPアドレスの取得方法は、情報装置のドメイン名をDNSサーバに問い合わせてIPアドレスを取得する方法を想定している。ただし、デジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に情報装置のIPアドレスを保持している場合は、そのIPアドレスを使用してもよい。またS504のタイミングでユーザに設定させる方法であってもよい。
【0049】
S505で、制御部101は、取得した情報装置のIPアドレスとデジタルカメラ100のIPアドレスのネットワーク部が同一であるかを判断する。ネットワーク部が同一でないと判断した場合は処理をS506に進め、同一であると判断した場合には処理をS507に進める。
【0050】
S506で、制御部101は、データの送信先の情報装置が同一セグメント外であると判断し、同一セグメント内外判断処理を終了する。
【0051】
S507で、制御部101は、データの送信先の情報装置が同一セグメント内であると判断し、同一セグメント内外判断処理を終了する。
【0052】
<同一セグメント外との通信処理>
次に、デジタルカメラが、同一セグメント外の情報装置と通信する際の処理について説明する。
【0053】
図6は、デジタルカメラ100が、同一セグメント外の情報装置と通信する処理のフローチャートである。このフローチャートを使用して処理の詳細な説明を行う。
【0054】
S601で、デジタルカメラ100の制御部101は、通信量を計測しながら情報装置とデータ通信し、通信量が一定量に達したら処理をS602に進める。なお、本実施形態では、通信量が一定量に達したら処理を進める、としたが、定期的に累積の通信量を確認できる方法であれば、処理を進めるタイミングは限定しない。例えば、一定時間ごと処理を進める方法であってもよい。なお、本フローチャートでは、制御部101は、同一セグメント外の情報装置との通信量を計測している。
【0055】
S602で、制御部101は、接続している無線LANの累積の通信量、すなわち通信中の無線LANの累積の通信量が、無線LANに設定された通信量の上限を超えていないか判断する。制御部101は、通信量の上限を超えていると判断した場合は、処理をS603に進め、超えていないと判断した場合は、処理をS604に進める。
【0056】
S603で、制御部101は、無線LAN検索を行い、接続可能な無線LANがあるか判断する。制御部101は、接続可能な無線LANがあると判断した場合は、処理をS606に進め、接続可能な無線LANがないと判断した場合は、無線LANの接続を切断し、通信処理を終了する。
【0057】
S604で、制御部101は、無線LAN検索を行い、接続している無線LANとは異なる無線LANがあるか判断する。制御部101は、異なる無線LANを検出したと判断した場合は、処理をS605に進め、検出しなかったと判断した場合は、処理をS607に進める。
【0058】
S605で、制御部101は、S604で検出した無線LANの中に、接続している無線LANよりも優先度の高い無線LANがあるかどうかを判断する。優先度の決め方は、S503にて説明した方法のうちいずれかを想定している。制御部101は、接続している無線LANよりも優先度が高い無線LANがあると判断した場合は、処理をS606に進める。制御部101は、接続している無線LANよりも優先度が高い無線LANがないと判断した場合は、通信中の無線LANのまま、処理をS607に進める。
【0059】
S606で、制御部101は、優先度の高い無線LANに接続を切り替える。すなわち、これまで接続中であった無線LANから、優先度の高い無線LANに接続を切り替える。
【0060】
S607で、制御部101は、通信を終了するか判断する。制御部101は、通信を終了しないと判断した場合は、処理をS601に進め、通信を終了すると判断するまで前述の処理を繰り返す。制御部101は、終了すると判断した場合は、無線LANの接続を切断し、処理を終了する。なお、ここでの終了の判断基準として例えば、データ送信が完了していること、通信エラーが発生していることなどが挙げられる。
【0061】
また、デジタルカメラ100が、同一セグメント内の情報装置と通信する際には、制御部101は、通信量の上限を参照せずに通信処理を行う。制御部101は、無線LAN検索を行い、発見した無線LANに接続し、通信を行う。この際、通信量の上限を参照しないので、累積の通信量が通信量の上限に達している無線LANを発見した場合でも、無線LANに接続し、通信できる。
【0062】
(第二の実施形態)
第二の実施形態では、送信した累積のデータ量に基づかず、無線LAN設定ごとの、同一セグメント外の情報装置へのデータの送信に使用するかどうかの設定に基づいて通信を行うデジタルカメラについて説明する。
【0063】
<同一セグメント外の情報装置との通信に使用するかの設定>
次に、デジタルカメラで無線LAN設定ごとに同一セグメント外の情報装置との通信に使用するかを設定する方法について説明する。本実施形態では、同一セグメント外の情報装置との通信の一例として、自動転送機能を挙げて説明する。
【0064】
図7は、ユーザが無線LANを自動転送機能に使用するかを設定する場面を想定したUI画面を例示している。まずデジタルカメラ100の制御部101は、表示部106にUI画面701を表示する。画面には「する」「しない」を表示し、自動転送機能に使用するかどうかをユーザに選択させる。ユーザが選択した項目は設定値として前述の無線LAN設定値とともにデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に保持する。なお、本実施例では「する」と選択した場合は、自動転送機能を許可している場合を想定し、「しない」と選択した場合は、自動転送機能を制限する場合を想定している。なお、自動転送機能ではなく、手動で送信する場合について設定できてもよい。
【0065】
本実施形態では、デジタルカメラの無線LAN設定の最後で、本UI画面を表示し、ユーザに自動転送機能に使用するか設定させることを想定している。しかし、ユーザが自動転送機能に使用するかを設定したい無線LANが確定していれば、自動転送機能に使用するかは設定可能であるため、設定のタイミングを限定するものではない。また、前述したとおり、無線LAN設定値はデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に保持しているため、後から変更可能である。つまり、通信機能の終了後に本UI画面を表示し、ユーザに変更させてもよい。
【0066】
<同一セグメント内外判断処理>
次に、デジタルカメラのデータの送信先の情報装置が、同一セグメント内外のどちらに存在するかを判断する処理について説明する。すなわち、通信先の情報装置が、同一セグメント内の情報装置か、同一セグメント内の情報装置かを判断する処理について説明する。
【0067】
図8は、デジタルカメラ100の同一セグメント内外判断処理を示したフローチャートである。
【0068】
S501で、デジタルカメラ100の制御部101は、デジタルカメラ100で選択されたデータ通信機能が、同一セグメント外に通信する通信経路がある機能かを判断する。制御部101は、同一セグメント外に通信する通信経路がない機能の場合は処理をS507に進める。制御部101は、同一セグメント外に通信する通信経路がある機能の場合は処理をS802に進める。
【0069】
S802で、制御部101は、無線LAN検索し、自動転送機能に使用する設定を行った無線LANがあるか否かを判断する。制御部101は、自動転送機能に使用する設定を行った無線LANがないと判断した場合は、無線LANとの接続を行わないものとし、同一セグメント内外判断処理を終了する。制御部101は、自動転送機能に使用する設定を行った無線LANがあると判断した場合は、処理をS803に進める。
【0070】
S803で、制御部101は、自動転送に使用する無線LANに接続し、S504に進む。この際、自動転送に使用する設定を行った無線LANが複数ある場合は、最近接続した無線LANを選択し、接続することを想定している。ただし、選択する無線LANは自動転送に使用する設定を行った無線LANであればどれでもよいため、選択方法は限定するものではない。
【0071】
S504で、制御部101は、デジタルカメラ100の通信先である情報装置のIPアドレスを取得する。IPアドレスの取得方法は、上述のとおりである。
【0072】
S505で、制御部101は、取得した情報装置のIPアドレスとデジタルカメラ100のIPアドレスのネットワーク部が同一であるかを判断する。制御部101は、ネットワーク部が同一でないと判断した場合は処理をS506に進め、同一であると判断した場合には処理をS507に進める。
【0073】
S506で、制御部101は、データの送信先の情報装置が同一セグメント外であると判断し、同一セグメント内外判断処理を終了する。
【0074】
S507で、制御部101は、データの送信先の情報装置が同一セグメント内であると判断し、同一セグメント内外判断処理を終了する。
【0075】
<同一セグメント外との通信処理>
次に、デジタルカメラが、同一セグメント外の情報装置と通信する際の処理について説明する。
【0076】
デジタルカメラ100が、同一セグメント内の情報装置と通信する際には、制御部101は、無線LAN検索を行い、発見した無線LANの中で、自動転送を許可した無線LANのみに接続し、通信を行う。
【0077】
また、デジタルカメラが、同一セグメント内の情報装置と通信する際には、制御部101は、無線LAN検索を行い、発見した無線LANの中で、自動転送を許可した無線LANだけでなく、許可していない無線LANにも接続し、通信を行う。
【0078】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又は制御部やMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0079】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0080】
なお、上記の各実施形態(各変形例)の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。すなわち、各機能部が個別のハードウェアで構成された通信システムであってもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSPなどのハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリ(記憶媒体)とを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0081】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0082】
[構成1]
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照手段と、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【0083】
[構成2]
所定の期間における前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する取得手段を更に有する、
ことを特徴とする構成1に記載の通信装置。
【0084】
[構成3]
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記異なるネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする構成2に記載の通信装置。
【0085】
[構成4]
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記同じネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得しない、
ことを特徴とする構成2又は3に記載の通信装置。
【0086】
[構成5]
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて前記データの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づかずにデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【0087】
[構成6]
前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて、接続する無線ネットワークを選択する選択手段をさらに有する、
ことを特徴とする構成1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【0088】
[構成7]
前記選択手段は、前記累積のデータ量の上限から前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい無線ネットワークを選択する、
ことを特徴とする構成6に記載の通信装置。
【0089】
[構成8]
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している第一の無線ネットワークにおいて、前記第一の無線ネットワークを通じて送信した前記累積のデータ量が、前記第一の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記第一の無線ネットワークと異なる第二の無線ネットワークに切り替える切り替え手段を更に有する、
ことを特徴とする構成1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
【0090】
[構成9]
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限と前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量とに基づいて、前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする構成8に記載の通信装置。
【0091】
[構成10]
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限から前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする構成8又は9に記載の通信装置。
【0092】
[構成11]
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて異なるネットワークセグメントの情報装置にデータを送信する場合、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達している場合はデータを送信しないよう制御する、
ことを特徴とする構成1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
【0093】
[構成12]
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している無線ネットワークにおいて、前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記無線ネットワークを通じてのデータの送信を終了する、
ことを特徴とする構成1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
【0094】
[構成13]
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続する前に、前記所定の期間における前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする構成2から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【0095】
[構成14]
前記取得手段は、前記第一の無線ネットワークに接続してから、所定の期間に前記第一の無線ネットワークと異なる前記第二の無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする構成2から4及び13のいずれか1項に記載の通信装置。
【0096】
[構成15]
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続している間に、前記無線ネットワークを通じて送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする構成2から4及び13から14のいずれか1項に記載の通信装置。
【0097】
[構成16]
前記同じネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が同じ情報装置であり、前記異なるネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が異なる情報装置である、
ことを特徴とする構成1から15のいずれか1項に記載の通信装置。
【0098】
[構成17]
前記所定の期間は1か月である、
ことを特徴とする構成1から16のいずれか1項に記載の通信装置。
【0099】
[構成18]
前記累積のデータ量の上限を記憶する記憶手段をさらに有する、
ことを特徴とする構成1から17のいずれか1項に記載の通信装置。
【0100】
[構成19]
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信することを許可するか制限するかを取得する取得手段と、
データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じてデータを送信するよう制御し、
データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【0101】
[構成20]
前記制御手段は、前記データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じてデータを送信するよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて自動でデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする構成19に記載の通信装置。
【0102】
[方法]
無線ネットワークに接続する通信装置の制御方法であって、
前記無線ネットワークに接続する接続ステップと、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照ステップと、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【0103】
[プログラム]
コンピュータを構成1から20に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0104】
[システム]
前記無線ネットワークに接続する接続装置と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照装置と、
前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じてデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする通信システム。
【0105】
[システム]
前記無線ネットワークに接続する接続装置と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信することを許可するか制限するかを取得する取得装置と、
データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じてデータを送信するよう制御し、データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じてデータを送信する送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信するよう制御する制御装置と、
を有することを特徴とする通信システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照手段と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
所定の期間における前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を取得する取得手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から前記異なるネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から前記同じネットワークセグメントの情報装置に送信した前記累積のデータ量を取得しない、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が、異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量とに基づいて前記データの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量とに基づかずにデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記累積のデータ量の上限と前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量とに基づいて、接続する無線ネットワークを選択する選択手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記累積のデータ量の上限から前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい無線ネットワークを選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している第一の無線ネットワークにおいて、前記第一の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した前記累積のデータ量が、前記第一の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記第一の無線ネットワークと異なる第二の無線ネットワークに切り替える切り替え手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する前記累積のデータ量の上限と前記第二の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量とに基づいて、前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記切り替え手段は、前記第二の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する前記累積のデータ量の上限から前記第二の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を差し引いた送信可能な残データ量が大きい前記第二の無線ネットワークに切り替える、
ことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から異なるネットワークセグメントの情報装置にデータを送信する場合、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する前記累積のデータ量の上限に達している場合はデータを送信しないよう制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置が前記異なるネットワークセグメントの情報装置へのデータの送信に使用している無線ネットワークにおいて、前記制御手段は、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量が、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する前記累積のデータ量の上限に達する場合、前記無線ネットワークを通じる前記通信装置からのデータの送信を終了する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項13】
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続する前に、前記所定の期間における前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記取得手段は、前記第一の無線ネットワークに接続してから、所定の期間に前記第一の無線ネットワークと異なる前記第二の無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記取得手段は、前記無線ネットワークに接続している間に、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信した累積のデータ量を取得する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記同じネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が同じ情報装置であり、前記異なるネットワークセグメントの情報装置は、通信装置とIPアドレスのネットワーク部が異なる情報装置である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記所定の期間は1か月である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記累積のデータ量の上限を記憶する記憶手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
無線ネットワークに接続する通信装置であって、
前記無線ネットワークに接続する接続手段と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信することを許可するか制限するかを取得する取得手段と、
データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信するよう制御し、データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークでデータを送信するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項20】
前記制御手段は、前記データを送信することを許可すると設定した前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から自動でデータを送信する場合、データを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置であっても同じネットワークセグメントの情報装置であっても前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信するよう制御し、
前記データを送信することを制限すると設定した無線ネットワークを通じて前記通信装置から自動でデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から自動でデータを送信しないよう制御し、前記データを送信することを制限すると設定した前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から自動でデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置である場合、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から自動でデータを送信するよう制御する、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
無線ネットワークに接続する通信装置の制御方法であって、
前記無線ネットワークに接続する接続ステップと、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照ステップと、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項22】
コンピュータを請求項1に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
前記無線ネットワークに接続する接続装置と、
所定の期間に前記無線ネットワークを通じて前記通信装置から送信する累積のデータ量の上限を参照する参照装置と、
前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先が異なるネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づいてデータの送信を制御し、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する前記送信先が同じネットワークセグメントの情報装置の場合、前記累積のデータ量の上限に基づかずに前記データの送信を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする通信システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、前記無線ネットワークを通じて前記通信装置からデータを送信する送信先によって、データの送信をするかどうか制御することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
なお、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100の通信部108は、インフラストラクチャモードにおけるアクセスポイントとして動作するアクセスポイントモード(以下、APモード)を有する。更に通信部108は、インフラストラクチャモードにおけるクライアントとして動作するクライアントモード(以下、CLモード)を有している。そして、通信部108をCLモードで動作させることにより、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100は、インフラストラクチャモードにおけるCL機器として動作することが可能である。デジタルカメラ100がCL機器として動作する場合、周辺のAP機器に接続することで、AP機器が形成するネットワークに参加することが可能である。また、通信部108をAPモードで動作させることにより、第一の実施形態におけるデジタルカメラ100は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作することも可能である。デジタルカメラ100が簡易APとして動作すると、デジタルカメラ100は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ100の周辺の装置は、デジタルカメラ100をAP機器と認識し、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加することが可能となる。上記のようにデジタルカメラ100を動作させるためのプログラムは不揮発性メモリ103に保持されているものとする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図3は、デジタルカメラ100と情報端末311、情報端末312が通信する際のシステム構成図である。デジタルカメラ100と情報端末311、情報端末312はルータ331を介して通信を行い、デジタルカメラ100はルータ331と無線LAN321を使用して接続する。情報端末311は、ルータ331と接続しており、デジタルカメラ100の同じ無線ネットワークに存在する。すなわち、デジタルカメラ100と情報端末311は、IPアドレスのネットワーク部が同じであり、2つは同じネットワークセグメントの情報装置である。なお、情報端末311とルータ331は、無線で繋がっていても、有線で繋がっていてもよく、同じネットワークセグメントの情報装置となっていればよい。情報端末312はインターネット341の先の、デジタルカメラ100が存在する無線ネットワーク外に存在する。すなわち、デジタルカメラ100と情報端末312は、IPアドレスのネットワーク部が異なり、2つは異なるネットワークセグメントの情報装置である。情報端末311は例えば、PCやスマートデバイスなどであり、デジタルカメラをリモート操作する機能がある。情報端末312は例えば、FTPサーバやクラウドサーバなどであり、デジタルカメラで撮影した画像をサーバに保存する機能がある。デジタルカメラ100と情報端末311、情報端末312とが同じ無線ネットワークに存在するかどうか、すなわちネットワークセグメントが同じかどうかによって通信経路が異なる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
S503で、制御部101は、優先度の最も高い無線LANに接続する。優先度の決め方は、通信量の上限から累積の通信量を減算した値が一番大きいものを優先する方法を想定している。すなわち、設定された累積のデータ量の上限から、所定の期間の間に通信した累積のデータ量を差し引いた、上限までの送信可能な残データ量が大きい無線LANに接続する。ただし、累積の通信量が通信量の上限を超えていない無線LANを選択できる方法であればどのような方法でもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
S601で、デジタルカメラ100の制御部101は、デジタルカメラ100が同一セグメント外の通信装置と通信する通信量を計測しながら情報装置とデータ通信し、通信量が一定量に達するまでデータ通信を行ったら処理をS602に進める。なお、本実施形態では、通信量が一定量に達するまでデータ通信を行ったら処理を進める、としたが、定期的に累積の通信量を確認できる方法であれば、処理を進めるタイミングは限定しない。例えば、一定時間ごと処理を進める方法であってもよい。なお、本フローチャートでは、制御部101は、同一セグメント外の情報装置との通信量を計測している。