(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162072
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】コネクタ装置及び車両
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20241114BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077253
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏 綾那
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大亮
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC31
5E021HB01
5E021HB05
5E021HB07
(57)【要約】
【課題】二つの部材に挟まれた位置に配置される場合であっても嵌合離脱する際の様子を確認しやすいコネクタ装置及びこのコネクタ装置を備えた車両を提供する。
【解決手段】コネクタ装置10は、互いに接近及び離間可能であり、接近及び離間する接離方向に嵌合離脱される第1コネクタ30と第2コネクタ50と、を備えている。コネクタ装置10は、第1コネクタ30を固定するシャシーCと、第1コネクタ30に設けられるシール部材33と、シャシーCに間隔を置いて対向するボディBと、をさらに備えている。ボディBには、ボディBがシャシーCに対向した状態において第1コネクタ30及び第2コネクタ50を嵌合する際、第2コネクタ50が挿通される作業用空間Sが形成され、シール部材33は、ボディBに弾性接触して密着するリップ33Aを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接近及び離間可能であり、前記接近及び前記離間する接離方向に嵌合離脱される第1コネクタと第2コネクタと、を備えたコネクタ装置であって、
前記第1コネクタを固定する基部と、前記第1コネクタに設けられるシール部材と、前記基部に間隔を置いて対向する対向部と、をさらに備え、
前記対向部には、前記対向部が前記基部に対向した状態において前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを嵌合する際、前記第2コネクタが挿通される作業用空間が形成され、
前記シール部材は、前記対向部に弾性接触して密着するリップを有する、コネクタ装置。
【請求項2】
前記リップは、前記対向部側にラッパ状に拡開した形態をなし、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが嵌合した状態において、前記接離方向から見ると、前記リップは、前記作業用空間を包囲している、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタ装置を備えた車両であって、
前記基部は、前記車両の下部に配置されるシャシーであり、
前記対向部は、前記車両の上部に配置されるボディである、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車側の第1嵌合装置にバッテリユニット側の第2嵌合装置を接続するためのコネクタ嵌合装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このコネクタ嵌合装置は、電気自動車のボディとバッテリユニットとに挟まれるように配置されるため、雌コネクタと雄コネクタとが嵌合する様子を直接的に確認することが困難である。よって、雌コネクタと雄コネクタとが確実に嵌合しているか否かを別途に確認する工程を検討する必要がある。
【0005】
本開示は上述した事情に基づいてなされたものであり、嵌合離脱する際の様子を確認しやすいコネクタ装置及びこのコネクタ装置を備えた車両の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示は、
互いに接近及び離間可能であり、前記接近及び前記離間する接離方向に嵌合離脱される第1コネクタと第2コネクタと、を備えたコネクタ装置であって、
前記第1コネクタを固定する基部と、前記第1コネクタに設けられるシール部材と、前記基部に間隔を置いて対向する対向部と、をさらに備え、
前記対向部には、前記対向部が前記基部に対向した状態において前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを嵌合する際、前記第2コネクタが挿通される作業用空間が形成され、
前記シール部材は、前記対向部に弾性接触して密着するリップを有する、コネクタ装置。
【0007】
第2の開示は、
上記のコネクタ装置を備えた車両であって、
前記基部は、前記車両の下部に配置されるシャシーであり、
前記対向部は、前記車両の上部に配置されるボディである、車両。
【発明の効果】
【0008】
第1の開示及び第2の開示によれば、嵌合離脱する際の様子を確認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1のコネクタ装置の側面図である。
【
図2】
図2は、第1コネクタを示す側断面図である。
【
図3】
図3は、第2コネクタを示す側断面図である。
【
図4】
図4は、基部に第1コネクタを取り付けた状態を示す側面図である。
【
図5】
図5は、対向部を基部に接近させて、リップを対向部に密着させた状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、第1コネクタに第2コネクタを嵌合させた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
(1)互いに接近及び離間可能であり、前記接近及び前記離間する接離方向に嵌合離脱される第1コネクタと第2コネクタと、を備えたコネクタ装置であって、
前記第1コネクタを固定する基部と、前記第1コネクタに設けられるシール部材と、前記基部に間隔を置いて対向する対向部と、をさらに備え、
前記対向部には、前記対向部が前記基部に対向した状態において前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを嵌合する際、前記第2コネクタが挿通される作業用空間が形成され、
前記シール部材は、前記対向部に弾性接触して密着するリップを有する、コネクタ装置。
【0012】
(1)のコネクタ装置は、対向部を基部に取り付けた後であっても、作業用空間を利用して第1コネクタ及び第2コネクタを嵌合させることができる。また、シール部材のリップが対向部に弾性接触して密着するので、対向部と基部との間の距離にばらつきが生じてもリップが対向部に追従するように密着した状態を維持することができる。
【0013】
(2)前記リップは、前記対向部側にラッパ状に拡開した形態をなし、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが嵌合した状態において、前記接離方向から見ると、前記リップは、前記作業用空間を包囲している、(1)に記載のコネクタ装置。
【0014】
(2)のコネクタ装置は、対向部側にラッパ状に拡開した形態のリップが作業用空間を包囲しているので、対向部と基部とが接離方向に交差する方向に相対的に位置ずれしても、リップの全周を対向部に密着させることが可能となる。
【0015】
(3)(1)又は(2)に記載のコネクタ装置を備えた車両であって、
前記基部は、前記車両の下部に配置されるシャシーであり、
前記対向部は、前記車両の上部に配置されるボディである、車両。
【0016】
(3)の車両は、ボディをシャシーに取り付けた後であっても、作業用空間を利用して第1コネクタ及び第2コネクタを嵌合させることができる。また、シール部材のリップがボディに弾性接触して密着するので、ボディとシャシーとの間の距離にばらつきが生じてもリップがボディに追従するように密着した状態を維持することができる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
<実施形態1>
本開示のコネクタ装置10、及びコネクタ装置10を備える車両100を具体化した実施形態1を、
図1から
図6を参照して説明する。図中、「上側」、「下側」は、それぞれ「U」、「D」で表される。上下方向は、第1コネクタ30及び第2コネクタ50が接近及び離間する接離方向である。
【0018】
コネクタ装置10は、
図1に示すように、基部であるシャシーCと、対向部であるボディBと、第1コネクタ30と、シール部材33と、第2コネクタ50と、を備えている。シャシーC及びボディBは、車両100の一部を構成する。シャシーCは、車両100の下部に配置される。ボディBは、車両100の上部に配置される。シャシーCと、ボディBとは、上下方向に並んで対向している。具体的には、ボディBは、シャシーCに上方から対向するように配置されシャシーCに取り付けられる。第1コネクタ30は、第1ハウジング31と、雄端子金具32と、を有している(
図2参照)。第2コネクタ50は、第2ハウジング51と、雌端子金具52と、電線カバー53と、レバー54と、を有している(
図3参照)。
【0019】
[第1ハウジングの構成]
第1ハウジング31は、例えば、絶縁性を有した合成樹脂製である。
図2に示すように、第1ハウジング31は、ブロック状をなしている。第1ハウジング31には、上下方向に貫通して複数の第1キャビティ31Dが形成されている。第1ハウジング31の下端部には、横方向外向きに鍔状に突出して鍔部31Eが設けられている。
【0020】
[雄端子金具の構成]
雄端子金具32は、導電金属製である。雄端子金具32は、第1雄端子金具32Aと、第2雄端子金具32Bと、を有している。第1雄端子金具32A、及び第2雄端子金具32Bは、上下方向に延びる形状をなしている。第1雄端子金具32Aは、上下方向に細長く延びるタブ32Cと、タブ32Cの下方に配置されたオープンバレル状のバレル部32Dと、を有している。タブ32Cは、後述する雌端子金具52の接続部52Cに挿入される。バレル部32Dは、電線W1の端部に接続される。電線W1の外周面には、ゴム栓32Eが嵌め付けられている。バレル部32Dは、ゴム栓32Eを圧着する部分を有している。ゴム栓32Eは、第1キャビティ31D内に液密に挿入される。第2雄端子金具32Bは、円柱状をなしている。第2雄端子金具32Bの下端からは、下向きに電線W1が引き出されている。
【0021】
[シール部材の構成]
シール部材33は、例えば、シリコンゴム等のゴム製である。シール部材33は、上下方向に開放された筒状をなしている。シール部材33は、リップ33Aを有している。リップ33Aは、シール部材33の上部として構成されている。リップ33Aは、上向きに拡径するラッパ状に形成されている。シール部材33は、第1コネクタ30の第1ハウジング31の側面を包囲するように設けられている。具体的には、シール部材33の下部は、第1ハウジング31の側面の全周にわたって密着している。シール部材33の下部の内周面には、周方向の全体にわたって外向きに凹んだ溝部33Bが形成されている。溝部33Bには、第1ハウジング31の鍔部31Eが嵌り込んでいる。リップ33Aは、第1ハウジング31の側面から外向きに離間するように配置されている。
【0022】
[第2ハウジングの構成]
図3に示すように、第2ハウジング51は、第2ハウジング本体51Aと、サブハウジング51Bと、を有している。第2ハウジング本体51A及びサブハウジング51Bは、例えば、絶縁性を有した合成樹脂製である。第2ハウジング本体51Aは、ブロック状をなしている。第2ハウジング本体51Aには、上下方向に貫通して複数の第2キャビティ51Dと、サブハウジング51Bを収容する収容部51Eが形成されている。複数の第2キャビティ51Dと、収容部51Eとは、横方向に並んで配置されている。第2ハウジング本体51Aには、シールリング51Jが設けられている。シールリング51Jは、例えば、シリコンゴム等のゴム製であり、環状をなしている。シールリング51Jは、複数の第2キャビティ51Dと、収容部51Eとを包囲するように設けられている。
【0023】
サブハウジング51Bは、ブロック状をなしている。サブハウジング51Bには、上下方向に貫通して複数の第3キャビティ51Gが形成されている。サブハウジング51Bには、シールリング51Fが設けられている。シールリング51Fは、例えば、シリコンゴム等のゴム製であり、環状をなしている。シールリング51Fは、サブハウジング51Bの側面の全周にわたって密着して設けられている。シールリング51Fの外周面は、全周にわたって第2ハウジング本体51Aの収容部51Eの内面にも密着している。
【0024】
[雌端子金具の構成]
雌端子金具52は、導電金属製である。雌端子金具52は、第1雌端子金具52Aと、第2雌端子金具52Bと、を有している。第1雌端子金具52A、及び第2雌端子金具52Bは、上下方向に延びる形状をなしている。第1雌端子金具52A、及び第2雌端子金具52Bは、筒状をなした接続部52Cと、接続部52Cの上方に配置されたオープンバレル状のバレル部52Dと、を有している。バレル部52Dは、電線W2の端部に接続される。各電線W2の外周面には、ゴム栓52Eが嵌め付けられている。第2雌端子金具52Bのバレル部52Dは、ゴム栓52Eを圧着する部分を有している。第1雌端子金具52Aは、第2キャビティ51Dに挿入され、第2雌端子金具52Bは、第3キャビティ51Gに挿入される。ゴム栓52Eは、第2キャビティ51D及び第3キャビティ51G内に液密に挿入される。
【0025】
[電線カバーの構成]
電線カバー53は、例えば、絶縁性を有した合成樹脂製である。電線カバー53は、サブハウジング51Bの上面を覆うように第2ハウジング本体51Aに組み付けられる。電線カバー53の側面には、側方に開口する開口部53Aが形成されている。サブハウジング51Bから引き出された電線W2は、開口部53Aを介して外部に延出している。
【0026】
[レバーの構成]
レバー54は、例えば、絶縁性を有した合成樹脂製である。レバー54は、横向きに延びる操作部54Aと、操作部54Aの横向きの両端部の各々から、操作部54Aに対して直角をなし、互いに平行をなして延出する一対の側板部54Bと、を有している。
図3において、側板部54Bは、一方のみが表れている。各側板部54Bは、軸受孔54Cが形成されている(
図1参照)。レバー54の各軸受孔54Cは、第2ハウジング51に設けられた各軸部51Hに嵌合した状態とされている(
図1参照)。これにより、レバー54は、各軸部51H周りに回転可能とされている。作業者は、操作部54Aを把持してレバー54の回転操作を行うことができる。
【0027】
各側板部54Bの下端縁部には、軸受孔54Cを囲むように歯車54Dが形成されている(
図1参照)。歯車54Dは、第2ハウジング51内に設けられたスライダ(図示せず)に形成されたラックに噛み合っている。レバー54を軸部51H周りに回転させると、レバー54の回転力が歯車54D及びラックを介してスライダに伝達され、スライダが第2ハウジング51内で横向きに移動する。
【0028】
スライダには、第1ハウジング31に設けられたカムピン31F(
図4参照)が挿入されて摺動するカム溝(図示せず)が形成されている。スライダは、第2ハウジング51内で横向きの一方向に移動すると、カム溝によって第1ハウジング31のカムピン31Fを上向きに引き寄せる。これにより、第1ハウジング31と、第2ハウジング51と、の嵌合が進む。スライダは、第2ハウジング51内で横向きの他方向に移動すると、カム溝によって第1ハウジング31のカムピン31Fを下向きに引き離す。これにより、第1ハウジング31と、第2ハウジング51との嵌合が解除しつつ第1ハウジング31と、第2ハウジング51とが上下方向に離れる。
【0029】
[コネクタ装置の組み立ての一例]
次に、コネクタ装置10の組み立ての一例について説明する。先ず、
図4に示すように、シャシーCに雄端子金具32及びシール部材33を取り付けた第1コネクタ30を取り付ける。具体的には、シャシーCには、第1コネクタ30を取り付けるホルダ70が上向きに突出して設けられている。例えば、シール部材33の下部の外周面をホルダ70の内周面に接触させるようにして、第1コネクタ30をホルダ70に取り付ける。つまり、シャシーCには、ホルダ70を介して第1コネクタ30を固定する。電線W1は、シャシーCの上面に配索される。
【0030】
次に、
図5に示すように、ボディBをシャシーCに載置して取り付ける。ボディBは、シャシーCに対して間隔を置いて対向する。ボディBには、板厚方向に貫通して、作業用空間Sが形成されている。ボディBをシャシーCに載置すると、作業用空間Sに挿通されるように第1コネクタ30の第1ハウジング31が配置される。このとき、リップ33Aの上端は、全周にわたってボディBの下面に弾性接触して密着する。リップ33Aは、ボディB(対向部)側にラッパ状に拡開している。ボディBと、シャシーCとの上下方向の相対位置は、例えば、図示しない位置決め面同士が直接的に接触することによって決まる。例えば、位置決め面の各々において、上下方向に位置がばらつくような場合、ボディBと、シャシーCとの上下方向の相対位置もばらつくことになる。リップ33Aは、ボディBの下面に弾性接触して密着するので、ボディBと、シャシーCとの上下方向の相対位置がばらついても、ボディBの下面に追従するように密着した状態を維持することができる。
【0031】
次に、
図1に示すように、第2コネクタ50を、第1コネクタ30に嵌合させる。具体的には、第1コネクタ30に対して上方から第2コネクタ50を接近させ、第1ハウジング31に第2ハウジング51を嵌合させる。このとき、第2コネクタ50を作業用空間Sに上方から挿通する。作業用空間Sには、ボディBがシャシーCに取り付けられて上方から対向した状態において第1コネクタ30及び第2コネクタ50を嵌合する際、第2コネクタ50が挿通される。このとき、第1ハウジング31のカムピン31Fが第2ハウジング51内のスライダのカム溝に嵌まる(図示せず)。この状態で、レバー54を起立した状態から時計方向に回転させ、電線カバー53を囲うように倒伏した状態にする。すると、スライダは、カム溝によって第1ハウジング31のカムピン31Fを上向きに引き寄せる。これにより、雄端子金具32と雌端子金具52とが電気的に接続され、第1ハウジング31と第2ハウジング51との嵌合が完了する。
【0032】
図6に示すように、第1コネクタ30及び第2コネクタ50が嵌合した状態において、接離方向(上下方向)から見ると、リップ33Aの先端縁は、作業用空間Sを包囲するように配置されている。また、
図1に示すように、第2ハウジング51の下端縁と、シール部材33の内面とは、上下方向に離間しており、接触していない。
【0033】
次に、本構成の効果を例示する。
コネクタ装置10は、互いに接近及び離間可能であり、接近及び離間する接離方向に嵌合離脱される第1コネクタ30と第2コネクタ50と、を備えている。コネクタ装置10は、第1コネクタ30を固定するシャシーC(基部)と、第1コネクタ30に設けられるシール部材33と、シャシーC(基部)に間隔を置いて上方から対向するボディB(対向部)と、をさらに備えている。ボディB(対向部)には、ボディB(対向部)がシャシーC(基部)に対向した状態において第1コネクタ30及び第2コネクタ50を嵌合する際、第2コネクタ50が挿通される作業用空間Sが形成されている。シール部材33は、ボディB(対向部)に弾性接触して密着するリップ33Aを有する。
【0034】
この構成によれば、ボディB(対向部)をシャシーC(基部)に取り付けた後であっても、作業用空間Sを利用して第1コネクタ30及び第2コネクタ50を嵌合させることができる。また、シール部材33のリップ33AがボディB(対向部)に弾性接触して密着するので、ボディB(対向部)とシャシーC(基部)との間の距離にばらつきが生じてもリップ33AがボディB(対向部)に追従するように密着した状態を維持することができる。
【0035】
リップ33Aは、ボディB(対向部)側にラッパ状に拡開した形態をなし、第1コネクタ30及び第2コネクタ50が嵌合した状態において、接離方向から見ると、リップ33Aは、作業用空間Sを包囲している。この構成によれば、ボディB(対向部)側にラッパ状に拡開した形態のリップ33Aが作業用空間Sを包囲しているので、ボディB(対向部)とシャシーC(基部)とが接離方向に交差する方向に相対的に位置ずれしても、リップ33Aの全周をボディB(対向部)に密着させることが可能となる。
【0036】
車両100は、コネクタ装置10を備えている。基部は、車両100の下部に配置されるシャシーCであり、対向部は、車両100の上部に配置されるボディBである。車両100は、ボディBをシャシーCに取り付けた後であっても、作業用空間Sを利用して第1コネクタ30及び第2コネクタ50を嵌合させることができる。また、シール部材33のリップ33AがボディBに弾性接触して密着するので、ボディBとシャシーCとの間の距離にばらつきが生じてもリップ33AがボディBに追従するように密着した状態を維持することができる。
【0037】
<他の実施形態>
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0038】
実施形態1とは異なり、サブハウジングを設けない構成としてもよい。
【0039】
実施形態1とは異なり、上下方向に延びる基部に対して上下方向に延びる対向部を側方から接近させてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 …コネクタ装置
30 …第1コネクタ
31 …第1ハウジング
31D …第1キャビティ
31E …鍔部
31F …カムピン
32 …雄端子金具
32A …第1雄端子金具
32B …第2雄端子金具
32C …タブ
32D …バレル部
32E …ゴム栓
33 …シール部材
33A …リップ
33B …溝部
50 …第2コネクタ
51 …第2ハウジング
51A …第2ハウジング本体
51B …サブハウジング
51D …第2キャビティ
51E …収容部
51F,51J…シールリング
51G …第3キャビティ
51H …軸部
52 …雌端子金具
52A …第1雌端子金具
52B …第2雌端子金具
52C …接続部
52D …バレル部
52E …ゴム栓
53 …電線カバー
53A …開口部
54 …レバー
54A …操作部
54B …側板部
54C …軸受孔
54D …歯車
70 …ホルダ
100 …車両
B …ボディ(対向部)
C …シャシー(基部)
S …作業用空間
W1,W2…電線