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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162108
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】突起部材、配管部材、配管システム
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
E04D13/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077326
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】西本 舞
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌幸
(57)【要約】
【課題】小型化を可能にしながら流量を向上でき、製造コストの低減を可能にする突起部材、配管部材及び配管システムを提供する。
【解決手段】突起部材6-1は、流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて直管の流路断面積を部分的に減少させる。突起部材6-1は、直管の内周面に接触する第1面60aと、第1面60aと反対側にあって流路を流れる流体に作用する第2面60bと、を備える。第1面60aと第2面60bとが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端6a側の第1部位610と、第2方向の第2端6b側の第2部位620とが、別体である。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて前記直管の流路断面積を部分的に減少させる突起部材であって、
前記直管の内周面に接触する第1面と、
前記第1面と反対側にあって前記流路を流れる流体に作用する第2面と、
を備え、
前記第1面と前記第2面とが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端側の第1部位と、前記第2方向の第2端側の第2部位とが、別体である、
突起部材。
【請求項2】
前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する第3方向において第3端及び第4端を備え、
前記第3端は、上流側に向けられ、
前記第4端は、下流側に向けられる、
請求項1の突起部材。
【請求項3】
前記第1部位は、
前記第2部位と対向する第3面に開口を有する中空の第1外郭部と、
前記第1外郭部内において前記第2方向に直交する方向に延びて前記第1外郭部の内面の2点間を接続する1以上の第1リブと、
を有し、
前記第2部位は、
前記第1部位と対向する第4面に開口を有する中空の第2外郭部と、
前記第2外郭部内において前記第2方向に直交する方向に延びて前記第2外郭部の内面の2点間を接続する1以上の第2リブと、
を有する、
請求項2の突起部材。
【請求項4】
前記第4端に、前記第3方向と交差する端面を備え、
前記端面は、前記第1外郭部の内部及び前記第2外郭部の内部に繋がる開口を有する、
請求項3の突起部材。
【請求項5】
前記第2外郭部は、前記第4面の開口の周囲から前記第1端側に突出し前記第4面の開口を囲う周壁部を有し、
前記第1外郭部は、前記第3面の開口の周囲に前記周壁部が収まる受け部を有する、
請求項3の突起部材。
【請求項6】
前記第1面に、前記直管の前記内周面の穴に嵌まる突起を備え、
前記第1部位は、前記突起の前記第1端側の第1部分を含み、
前記第2部位は、前記突起の前記第2端側の第2部分を含む、
請求項1の突起部材。
【請求項7】
前記突起の先端に、前記突起部材の位置を示すための目印を備える、
請求項6の突起部材。
【請求項8】
前記第1部位は、前記突起部材の前記第1端側の半分を占め、
前記第2部位は、前記突起部材の前記第2端側の半分を占める、
請求項2の突起部材。
【請求項9】
前記第2方向に直交する面に対して鏡像対称の外形形状を有する、
請求項8の突起部材。
【請求項10】
前記第3端と前記第4端との間にあって前記直管の流路断面積を最も小さくする頂部を備える、
請求項2の突起部材。
【請求項11】
前記頂部と前記第4端との間の部位から前記第3方向から見て前記直管の中心側に延びるが、前記頂部よりは突出しない突出部を備える、
請求項10の突起部材。
【請求項12】
前記突出部は、前記第4端にある、
請求項11の突起部材。
【請求項13】
前記第3方向における前記第3端と前記第4端との間の距離をL、
前記第3方向における前記第3端と前記頂部との間の距離をL1とすると、
0.1L≦L1≦0.5Lである、
請求項10の突起部材。
【請求項14】
前記直管の最大流路断面積をA、
前記頂部での前記突起部材の断面積をA1とすると、
A1/A≦0.4である、
請求項10の突起部材。
【請求項15】
前記第2方向から見て前記第4端は先細り形状であり、
前記直管の内径をd、
前記第3方向における前記第3端と前記第4端との間の距離をLとすると、
0.5d≦L≦5.0dである、
請求項2の突起部材。
【請求項16】
前記第4端に、前記第3方向と交差する端面を備え、
前記頂部での高さをH1、前記第4端での高さをH2とすると、
0.05H1≦H2≦0.90H1である、
請求項10の突起部材。
【請求項17】
前記直管の内径をd、
前記第3方向における前記第3端と前記頂部との間の距離をL1、
前記第3方向における前記頂部と前記第4端との間の距離をL2’とすると、
0.5d≦L1+H1/(H1-H2)×L2’≦5.0dである、
請求項16の突起部材。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一つの突起部材と、
前記直管と、
を備える、
配管部材。
【請求項19】
建物の壁面に固定される竪管と、
前記建物からの雨水の集水口と前記竪管との間にある横管と、
前記横管と前記竪管との間にある第1屈曲管と、
前記集水口と前記横管との間にある第2屈曲管と、
請求項1~17のいずれか一つの1以上の突起部材と、
を備え、
前記1以上の突起部材は、前記横管又は前記竪管の少なくとも一部を前記直管として配置される、
配管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、突起部材、配管部材及び配管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、サイフォン雨樋システムを開示する。特許文献1に開示されたサイフォン雨樋システムは、軒樋と、軒樋の底面に形成された集水口を貫通する筒状部を備え、且つサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部と、エルボとを備える。エルボは、サイフォン雨樋システムの下流側に設置される。エルボは、曲管部と、曲管部の両端に設けられた受け口とを備える。曲管部の管軸を含む平面における断面で見たときの曲管部において、内周側の内周面の曲率半径が64mmよりも大きく、かつ、100mmよりも小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-120068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、流量の向上が期待できるもののエルボが比較的大きくなる。
【0005】
本開示は、小型化を可能にしながら流量を向上でき、製造コストの低減を可能にする突起部材、配管部材及び配管システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる突起部材は、流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて前記直管の流路断面積を部分的に減少させる突起部材であって、前記直管の内周面に接触する第1面と、前記第1面と反対側にあって前記流路を流れる流体に作用する第2面と、を備え、前記第1面と前記第2面とが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端側の第1部位と、前記第2方向の第2端側の第2部位とが、別体である。
【0007】
本開示の一態様にかかる配管部材は、上記の突起部材と、直管と、を備える。
【0008】
本開示の一態様にかかる配管システムは、建物の壁面に固定される竪管と、建物からの雨水の集水口と竪管との間にある横管と、横管と竪管との間にある第1屈曲管と、集水口と横管との間にある第2屈曲管と、上記の1以上の突起部材と、を備える。1以上の突起部材は、横管又は竪管の少なくとも一部を直管として配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の態様は、小型化を可能にしながら流量を向上でき、製造コストの低減を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる配管システムの概略図
図2】実施の形態にかかる配管システムの配管部材の斜視図
図3】実施の形態にかかる配管部材の分解斜視図
図4】実施の形態にかかる配管部材の断面図
図5図4のP1の拡大図
図6図4のA-A線断面図
図7】実施の形態にかかる配管部材の一部を切り欠いた断面図
図8】実施の形態にかかる配管部材の平面図
図9】実施の形態にかかる配管部材の底面図
図10図6のX-X線断面図
図11図6のXI-XI線断面図
図12図6のXII-XII線断面図
図13図6のXIII-XIII線断面図
図14】実施の形態にかかる配管部材の突起部材の分解斜視図
図15】実施の形態にかかる突起部材の別の分解斜視図
図16】実施の形態にかかる突起部材の第1部位の側面図
図17】実施の形態にかかる突起部材の第2部位の側面図
図18】実施の形態にかかる突起部材の断面図
図19】実施の形態にかかる突起部材の取り付けの説明図
図20】実施の形態にかかる配管部材の取り付けの説明図
図21】比較例の配管部材における圧力分布のシミュレーションの図
図22】実施の形態にかかる突起部材と基本形状との比較図
図23】基本形状に対する実施の形態にかかる突起部材による圧力損失の変化を示すグラフ
図24】変形例1にかかる配管部材の分解斜視図
図25】変形例2にかかる配管部材の分解斜視図
図26】変形例3にかかる配管部材の分解斜視図
図27】変形例4にかかる突起部材の一部の斜視図
図28】変形例4にかかる突起部材を備える配管部材の取り付けの説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.実施の形態]
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
【0013】
なお、以下の説明において、複数ある構成要素を互いに区別する必要がある場合には、「第1」、「第2」等の接頭辞を構成要素の名称に付すが、構成要素に付した符号により互いに区別可能である場合には、文章の読みやすさを考慮して、「第1」、「第2」等の接頭辞を省略する場合がある。
【0014】
[1.1 実施の形態1]
[1.1.1 構成]
図1は、実施の形態1にかかる配管システム1の概略図である。配管システム1は、排水システムとして用いられる。配管システム1は、建物11の屋根11aからの雨水を受けて、地面20のます部21に流す雨樋システムである。配管システム1は、雨水の流路を構成する。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物11は、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。
【0015】
配管システム1は、軒樋2と、竪管3と、横管4と、屈曲管5-1,5-2と、突起部材6-1,6-2と、竪管7と、ドレン8と、を備える。
【0016】
軒樋2は、建物11の屋根11aからの雨水を受ける。軒樋2は、建物11の屋根11aの下に設置される。一例として、軒樋2は、屋根11aの軒先に配置される。特に、軒樋2は、屋根11aの軒先に沿って延びるように配置される。軒樋2は、長尺の桶状である。軒樋2は、底壁2aを有する。底壁2aには、配管システム1の全体の設計に応じて、集水口2bが形成される。集水口2bは、例えば、円形の開口である。集水口2bは、排水口又は落とし口ともいわれる。一例として、軒樋2は、樹脂材料の押出成形により形成され得る。軒樋2は、軒樋2全体の強度の補強のための芯材を備えてよい。芯材は、例えば、金属製であり得る。別例として、軒樋2は、金属板、例えば鋼板(コイルとも呼ばれる)により形成されてもよい。
【0017】
ドレン8は、軒樋2の集水口2bに配置される。ドレン8は、集水口2bでの渦の発生及び空気の巻き込みを低減する。ドレン8は、サイフォン現象の発生に寄与し得る。ドレン8は、周知の構成であってよい。
【0018】
配管システム1では、竪管3は、集水口2bに直接的に接続されておらず、横管4及び屈曲管5-1,5-2を介して、集水口2bに接続される。
【0019】
竪管3は、鉛直方向の流路を規定する。竪管3は、雨樋システムにおいては、竪樋ともいわれる。竪管3は、集水口2bから雨水を排水するために設置される。竪管3は、集水口2bからの雨水を垂直に流す。竪管3は、直管状である。竪管3の中心軸C3に直交する断面は円形状である。竪管3は、竪管3の中心軸C3の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。図1では、竪管3は、控金具35a,35b,35cにより建物11の壁面11bに固定される。竪管3は、上流側の端部3aと下流側の端部3bとを有する。上流側の端部3aは、竪管3において集水口2bに接続される端部(図1での上端部)である。下流側の端部3bは、竪管3において、ます部21に挿入される端部(図1での下端部)である。図1では、竪管3とます部21との隙間からます部21内に雨水が流入しないように排水管カバー34が配置される。
【0020】
竪管3は、複数の配管部材で構成される。竪菅3は、直管31,32と、直管31,32同士を接続する接続継手33と、を備える。直管31は、竪菅3の下流側の部位であり、直管32は、竪菅3の上流側の部位である。本実施の形態では、直管31のほうが直管32より長い。直管32の第1端(図1での上端)が、竪菅3の上流側の端部3aを規定し、直管32の第2端(図1での下端)が接続継手33を介して直管31の第1端(図1での上端)に接続され、直管31の第2端(図1での下端)が、竪菅3の下流側の端部3bを規定する。
【0021】
横管4は、鉛直方向に交差する方向の流路を規定する。横管4は、雨樋システムにおいては、呼び樋ともいわれる。横管4は、集水口2bから竪管3に建物11からの雨水を流すための部分である。横管4は、建物11からの雨水の集水口2bと竪管3との間にある。横管4は、直管状である。横管4の中心軸C4に直交する断面は円形状である。横管4は、横管4の中心軸C4の方向が上下方向(鉛直方向)に対して傾斜するように固定される。横管4は、上流側の端部4aと下流側の端部4bとを有する。上流側の端部4aは、横管4において集水口2bに接続される端部(図1での左端部)である。下流側の端部4bは、横管4において竪管3に接続される端部(図1での右端部)である。
【0022】
横管4は、複数の配管部材で構成される。横菅4は、直管41,42と、直管41,42同士を接続する接続継手43と、を備える。直管41は、横菅4の下流側の部位であり、直管42は、横菅4の上流側の部位である。本実施の形態では、直管41のほうが直管42より長い。直管42の第1端(図1での左端)が、横菅4の上流側の端部4aを規定し、直管42の第2端(図1での右端)が接続継手43を介して直管41の第1端(図1での左端)に接続され、直管41の第2端(図1での右端)が、横菅4の下流側の端部4bを規定する。
【0023】
屈曲管5-1,5-2は、流路の向きを変える。屈曲管5-1,5-2は、例えば、竪管と横管のように方向が異なる流路を接続する接続継手である。屈曲管5-1,5-2の各々は、上流側及び下流側の配管部材がそれぞれ接続される受け口51,52と、受け口51,52同士をつなぐ屈曲部50とを有する。
【0024】
屈曲管5-1は、竪管3と横管4とを接続する第1屈曲管である。屈曲管5-1は、竪管3の上流側の端部3aを横管4の下流側の端部4bに接続する。屈曲管5-1では、横管4の下流側の端部4bが受け口51に接続され、竪管3の上流側の端部3aが受け口52に接続される。屈曲管5-2は、集水口2bと横管4とを接続する第2屈曲管である。屈曲管5-2は、横管4の上流側の端部4aを集水口2bに接続する。屈曲管5-2では、集水口2bが受け口51に接続され、横管4の上流側の端部4aが受け口52に接続される。
【0025】
屈曲管5-1は、必ずしも竪管3の上流側の端部3aを横管4の下流側の端部4bに直接的に接続する部材ではなく、竪管3の上流側の端部3aを横管4の下流側の端部4bに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。屈曲管5-2は、必ずしも横管4の上流側の端部4aを集水口2bに直接的に接続する部材ではなく、横管4の上流側の端部4aを集水口2bに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。
【0026】
竪管7は、鉛直方向の流路を規定する。竪管7は、集水口2bから雨水を垂直に流す。竪管7は、ドレン2cに接続されて、集水口2bの下流側に配置される。竪管7は、集水口2bと屈曲管5-2との間にある。竪管7は、直管状である。竪管7の中心軸に直交する断面は円形状である。竪管7は、竪管7の中心軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。竪管7は、上流側の端部7aと下流側の端部7bとを有する。上流側の端部7aは、竪管7において集水口2bに接続される端部(図1での上端部)である。下流側の端部7bは、竪管7において、屈曲管5-2の受け口51に接続される端部(図1での下端部)である。
【0027】
一例として、直管31,32,41,42及び接続継手33,43の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。直管31,32,41,42の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。接続継手33,43の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」のソケットの規格に沿って設定されてよい。
【0028】
一例として、屈曲管5-1,5-2の材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。屈曲管5-1,5-2の寸法は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。屈曲管5-1,5-2は、JIS K 6739で規定される90°曲がりエルボ(所謂、DL)であってよい。受け口51,52の中心軸間の角度は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」で規定される91.17°である。
【0029】
一例として、竪管7の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。竪管7の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。
【0030】
突起部材6-1,6-2は、流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて直管の流路断面積を部分的に減少させるために用いられる。配管システム1において、竪管3の直管32は、流路の向きを変える屈曲管5-1の下流側に配置され、横菅4の直管42は、流路の向きを変える屈曲管5-2の下流側に配置される。突起部材6-1は、竪管3の少なくとも一部を直管として配置される第1突起部材である。本実施の形態では、竪管3の少なくとも一部は、直管32である。突起部材6-2は、横菅4の少なくとも一部を直管として配置される第2突起部材である。本実施の形態では、横管4の少なくとも一部は、直管42である。
【0031】
突起部材6-1,6-2は、突起部材6-1,6-2が配置される直管32,42とともに配管部材10-1,10-2を、それぞれ構成する。本実施の形態では、突起部材6-1と直管32とを備える配管部材10-1が第1配管部材である。本実施の形態では、突起部材6-2と直管42とを備える配管部材10-2が第2配管部材である。本実施の形態では、配管部材10-1は、竪管3全体ではなく、竪管3の一部(直管32)で構成されているから、運搬しやすい。この点は、配管部材10-2も同様である。
【0032】
突起部材6-1,6-2は、同じ構成である。そのため、配管部材10-1,10-2は、竪管3と横管4という違いがあるものの、実質的に同じ構成である。以下では、主に配管部材10-1について詳細に説明する。当業者であれば、配管部材10-1についての説明は、竪管3に関連する記載を横管4に関連する記載に読み替えることによって、配管部材10-2についての説明であると容易に理解し得る。
【0033】
図2は、配管部材10-1の構成例の斜視図であり、図3は、配管部材10-1の分解斜視図である。図2及び図3から理解されるように、配管部材10-1は、竪管3の直管32と、突起部材6-1と、を備える。
【0034】
図3に示すように、突起部材6-1は、竪管3の直管32内に配置可能な大きさ、すなわち、長さ、幅、及び高さ(厚み)を有する。突起部材6-1の材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。
【0035】
突起部材6-1は、第1面60aと、第2面60bと、を有する。第1面60aは、竪管3の内周面30aに接触する面である。第2面60bは、第1面60aと反対側にあって流路を流れる流体に作用(接触)する。第1面60aと第2面60bとは、第1方向における突起部材6-1の両面である。第1方向は、突起部材6-1の高さに対応する。
【0036】
突起部材6-1は、第1方向に直交する第2方向において、第1端6aと、第2端6bと、を有する。第2方向は、突起部材6-1の幅に対応する。第1端6aと第2端6bとは、突起部材6-1の幅方向の両端である。突起部材6-1の幅方向は、竪管3の中心軸C3の方向に直交する。突起部材6-1は、第2方向に直交する面に対して鏡像対称の外形形状を有する。
【0037】
突起部材6-1は、第1方向及び第2方向にそれぞれ直交する第3方向において、第3端6cと、第4端6dと、を有する。第3方向は、突起部材6-1の長さに対応する。第3端6cと第4端6dとは、突起部材6-1の長さ方向の両端である。突起部材6-1の長さ方向は、竪管3の中心軸C3の方向に一致する。第3端6cは、上流側に向けられ、第4端6dは、下流側に向けられる。突起部材6-1では、第3端6cから第4端6dに向かう流体の流れが生じる。
【0038】
図4は、配管部材10-1の断面図である。図5は、図4のP1の拡大図である。図6は、図4のA-A線断面図である。図7は、配管部材10-1の一部を切り欠いた断面図である。図8は、配管部材10-1の平面図である。図9は、配管部材10-1の底面図である。図10は、図6のX-X線断面図である。図11は、図6のXI-XI線断面図である。図12は、図6のXII-XII線断面図である。図13は、図6のXIII-XIII線断面図である。
【0039】
図8及び図9に示すように、第1面60aは、竪管3の中心軸C3の方向から見て、凸面形状である。第1面60aの曲率半径は、第1面60aと竪管3の内周面30aとの間に、実質的に隙間が生じないように、内周面30aの曲率半径に基づいて設定される。
【0040】
図4図6図9に示すように、第2面60bは、主面61と、第1及び第2側面62,63とを含む。図4図6図7に示すように、主面61は、第3端6cから第4端6dに向かって延びる。図8及び図9に示すように、主面61は、竪管3の中心軸C3の方向から見て竪管3の中心側を向く。第1側面62及び第2側面63は、竪管3の中心軸C3の方向から見て主面61の両側にある。第1側面62は、主面61の第1端6a側(図8の左側)にあり、第2側面63は、主面61の第2端6b側(図8の右側)にある。
【0041】
突起部材6-1では、第2面60bの主面61と第1及び第2側面62,63とが、竪管3内を流れる流体に接触し得る。図6に示すように、突起部材6-1は、主面61に沿った流れF1と、第1側面62に沿った流れF2と、第2側面63に沿った流れF3とを引き起こす。主面61と第1及び第2側面62,63とは、流体に接触し得るため、主面61と第1及び第2側面62,63の表面粗さは小さいほうが、流量の向上が期待できるため好ましい。
【0042】
突起部材6-1は、流れF1と流れF2との分離を促進するための第1分離壁64を有する。第1分離壁64があることで、流れF1から流れF2が分離しやすくなり得る。第1分離壁64は、主面61と第1側面62との間にある。本実施の形態では、第1分離壁64は、主面61と第1側面62との境界部分である。換言すれば、主面61と第1側面62との境界部分が、主面61を底面とする流路と、第1側面62を底面とする流路との間の壁を構成している。第1分離壁64は、主面61及び第1側面62が共に凹面形状であることで形成され得る。
【0043】
突起部材6-1は、流れF1と流れF3との分離を促進するため、第2分離壁65を有する。第2分離壁65があることで、流れF1から流れF3が分離しやすくなり得る。第2分離壁65は、主面61と第2側面63との間にある。本実施の形態では、第2分離壁65は、主面61と第2側面63との境界部分である。換言すれば、主面61と第2側面63との境界部分が、主面61を底面とする流路と、第2側面63を底面とする流路との間の壁を構成している。第2分離壁65は、主面61及び第2側面63が共に凹面形状であることで形成され得る。
【0044】
図4図7及び図8に示すように、突起部材6-1は、第3端6cに、接触端面66を有する。本実施の形態では、竪管3の内径が、屈曲管5-1の屈曲部50の内径より大きい。接触端面66は、竪管3と屈曲管5-1の屈曲部50との内径の差を埋めるために設けられる。図4に示すように、接触端面66があることで、屈曲管5-1の屈曲部50の内周側の壁面50aと突起部材6-1の主面61との間の段差を低減でき得る。これによって、屈曲管5-1から配管部材10-1への流体の流れが阻害されにくくなる。
【0045】
図8に示すように、突起部材6-1は、突起67を有する。突起67は、竪管3と突起部材6-1との結合又は位置決めに利用される。突起67は、第1面60aに配置される。突起67は、竪管3の内周面の穴3cに嵌る形状である。本実施の形態では、竪管3は、上流側の端部3aに一対の穴3cを有する。穴3cは貫通孔として形成されている。突起部材6-1は、一対の穴3cにそれぞれ嵌る一対の突起67を備える。一対の突起67を一対の穴3cにそれぞれ嵌めることで、突起部材6-1から竪管3に対して位置決めされる。
【0046】
突起部材6-1は、第4端6dに、端面68を有する。端面68は、竪管3の中心軸C3と交差する。本実施の形態では、端面68は、竪管3の中心軸C3に直交する。端面68は、開口69を有する。開口69は、突起部材6-1の内部空間に繋がる。
【0047】
図14は、突起部材6-1の分解斜視図であり、図15は、突起部材6-1の別の分解斜視図である。図14及び図15から、突起部材6-1は、別体である第1部位610と第2部位620とで構成される。第1部位610は、突起部材6-1における、第1面60aと第2面60bとが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端6a側の部位である。第2部位620は、突起部材6-1における、第2方向の第2端6b側の部位である。
【0048】
図16は、第1部位610の側面図である。第1部位610は、突起部材6-1の第1端6a側の半分を占める。第1部位610は、第1外郭部611と、第1ボス612と、第1リブ613,614と、受け部615と、を有する。
【0049】
第1外郭部611は、突起部材6-1の第1端6a側の外形を規定する。第1外郭部611は、第2部位620と対向する第3面611aに開口611bを有する中空の形状である。第1外郭部611は、中空であるから、充実である場合に比べて、必要な材料の量を減らすことができる。第1外郭部611は、第1面60a、第2面60b、第3端6c、第4端6d、接触端面66、突起67、端面68、開口69の第1端6a側の第1部分60a1、60b1、6c1、6d1、66a、67a、68a、69aを含む。
【0050】
第1ボス612は、第1外郭部611の内面から第2方向に沿って第2部位620側に延びる。第1ボス612は、円筒状である。第1ボス612は、後述する第2ボス622が嵌る穴612aを有する。本実施の形態では、第1部位610は、2つの第1ボス612を有する。2つの第1ボス612は、第3方向に沿って並ぶ。
【0051】
第1リブ613,614は、第1外郭部611内において第2方向に直交する方向に延びて第1外郭部611の内面の2点間を接続する。第1リブ613は、第3方向に沿って延びる。第1リブ614は、第1方向に沿って延びる。本実施の形態では、第1部位610は、2つの第1リブ614を有する。2つの第1リブ614は、第3方向に沿って並ぶ。第1外郭部611は中空であるが、第1リブ613,614が存在するため、第1部位610の強度の低下を低減できる。
【0052】
受け部615は、第3面611aの開口611bの周囲に形成される。受け部615は、後述する周壁部625が収まる形状である。本実施の形態では、受け部615は、開口621bを全周にわたって形成された段部である。
【0053】
図17は、第2部位620の側面図である。第2部位620は、突起部材6-1の第2端6b側の半分を占める。第2部位620は、第2外郭部621と、第2ボス622と、第2リブ623,624と、周壁部625と、を有する。
【0054】
第2外郭部621は、突起部材6-1の第2端6b側の外形を規定する。第2外郭部621は、第1部位610と対向する第4面621aに開口621bを有する中空の形状である。第2外郭部621は、中空であるから、充実である場合に比べて、必要な材料の量を減らすことができる。第2外郭部621は、第1面60a、第2面60b、第3端6c、第4端6d、接触端面66、突起67、端面68、開口69の第2端6b側の第2部分60a2、60b2、6c2、6d2、66b、67b、68b、69bを含む。
【0055】
第2ボス622は、第2外郭部621の内面から第2方向に沿って第1部位610側に延びる。第2ボス622は、円筒状である。第2ボス622は、第1ボス612の穴612aに嵌る大きさである。本実施の形態では、第2部位620は、2つの第2ボス622を有する。2つの第2ボス622は、第3方向に沿って並ぶ。
【0056】
第2リブ623,624は、第2外郭部621内において第2方向に直交する方向に延びて第2外郭部621の内面の2点間を接続する。第2リブ623は、第3方向に沿って延びる。第2リブ624は、第1方向に沿って延びる。本実施の形態では、第2部位620は、2つの第2リブ624を有する。2つの第2リブ624は、第3方向に沿って並ぶ。第2外郭部621は中空であるが、第2リブ623,624が存在するため、第2部位620の強度の低下を低減できる。
【0057】
周壁部625は、第4面621aの開口621bの周囲から第1端6a側に突出し、第4面621aの開口621bを囲う。本実施の形態では、周壁部625は、開口621bを全周にわたって囲う形状である。周壁部625は、受け部615の内側に収まる形状である。
【0058】
突起部材6-1は、第1部位610の第3面611aと第2部位620の第4面621aとが対向するようにして第1部位610と第2部位620とを結合することで組み立てられる。図18は、突起部材6-1の断面図である。第2部位620の第2ボス622を、第1部位610の第1ボス612の穴612aに嵌めることで、第1部位610と第2部位620とが結合される。
【0059】
第1部位610と第2部位620とが結合されることで、第1部位610の第1部分60a1、60b1、6c1、6d1、66a、67a、68a、69aと、第2部位620の第2部分60a2、60b2、6c2、6d2、66b、67b、68b、69bとが合わさって、第1面60a、第2面60b、第3端6c、第4端6d、接触端面66、突起67、端面68、開口69が構成される。
【0060】
このように、突起部材6-1では、第1面60aと第2面60bとが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端6a側の第1部位610と、第2方向の第2端6b側の第2部位620とが、別体である。そのため、射出成形等の金型を用いた成形技術により、第1部位610と第2部位620とを別々に、製造することができる。そのため、金型を用いた成形技術により突起部材6-1を一部品として製造する場合に比べて、突起部材6-1の製造に必要な金型の構成を簡略化することが可能となる。これは、金型自体にかかる費用を低減でき、結果として、突起部材6-1の製造コストの低減を可能にする。
【0061】
第1外郭部611及び第2外郭部621が中空であるから、これらが充実である場合に比べて、必要な材料の量を減らすことができる。金型を用いた成形技術により突起部材6-1を一部品として製造する場合とは異なり、突起部材6-1を中空にする場合には、第1面60aではなく、第1外郭部611の第3面611a及び第2外郭部621の第4面621aに開口を設けることができる。これによって、第1面60aにおいて突起部材6-1の接着に利用できる面積を大きくできる。
【0062】
突起部材6-1では、第1外郭部611の内部と第2外郭部621の内部とが、突起部材6-1の内部空間を構成する。突起部材6-1の内部空間には、第1部位610と第2部位620の隙間から流体が入り込む場合がある。流体が水である場合には、気温の低下により凍結する場合がある。この場合には水が氷になることで膨張し、これによって、突起部材6-1の破損が生じる可能性がある。本実施の形態では、第2部位620の周壁部625が、第1部位610の受け部615の内側に収まるため、第1部位610と第2部位620の隙間から流体が入り込む可能性を低減できる。さらに、突起部材6-1では、端面68の開口69が、第1外郭部611の内部及び第2外郭部621の内部に繋がる。そのため、突起部材6-1の内部空間に入り込んだ水は、開口69より排水され得る。これによって、突起部材6-1の内部空間に水等の流体がたまることに起因する突起部材6-1の破損の可能性を低減できる。つまり、開口69は水抜き孔として作用する。
【0063】
図19は、突起部材6-1の取り付けの説明図である。突起部材6-1は、竪管3の直管32の内周面30aに配置される。一対の突起67を一対の穴3cにそれぞれ嵌めることで、突起部材6-1が直管32に対して位置決めされる。第1面60aには接着剤が塗布され、接着剤により突起部材6-1が直管32に接着される。一対の突起67を一対の穴3cにそれぞれ嵌めることで、接着剤だけを用いる場合に比べて、突起部材6-1が直管32から脱落する可能性を低減できる。ここで、突起67は、第1部位610の第1部分67aと第2部位620の第2部分67bとで構成されている。突起67が穴3cに挿入されることで、突起67が第1部分67aと第2部分67bとに分かれる可能性が低減される。これによって、第1部位610と第2部位620とが結合した状態が維持され易くなる。
【0064】
図20は、配管部材10-1の取り付けの説明図である。配管部材10-1は、上流側の端部3aを、屈曲管5-1の受け口52に挿入するようにして、屈曲管5-1の下流側に配置される。
【0065】
突起部材6-1が配置されることで、配管部材10-1の流路断面積は一定ではなく、配管部材10-1の流路断面積が直管32の断面積よりも小さくなる縮小部位が存在する。突起部材6-1は、竪管3の下流側の端部3bよりも竪管3の上流側の端部3a側にある。本実施の形態では、突起部材6-1は、竪管3の上流側の端部3aにある。つまり、突起部材6-1は、屈曲管5-1に繋がる竪管3の上流側の端部3aにおいて流路を小さくする。
【0066】
次に、配管部材10-1における突起部材6-1の作用について説明する。突起部材6-1は、屈曲管5-1の下流側に配置される竪管3内に配置される。屈曲管5-1は、横管4から流入した水を竪管3に流す。屈曲管5-1において水の流れる向きが大きく変わる場合には、剥離による圧力損失が、流量の低下の一因になり得る。
【0067】
図21は、比較例の配管部材100における圧力分布のシミュレーションの図である。比較例の配管部材100は、突起部材6-1を有していない点で、配管部材10-1と異なる。図21において、色が濃いほど、圧力が低いことを示す。特に、図21ではRで示す部位において、圧力損失が大きく、このような圧力損失が大きい部位が存在することは、流量の低下の大きな要因になり得る。図21のRで示す部位での圧力損失は、剥離に起因すると考えられる。この剥離は、屈曲管5-1の内周側の壁面50aより下流側において、水が配管部材100の第1壁面30bから離れることに起因する。つまり、図21に矢印Fで示すように、上流側から流入する水は、最初は、管壁200に沿って流れるが、屈曲管5-1の内周側の壁面50a以降では、配管部材100の第1壁面30bから離れる場合がある。このような剥離は、特に、水の流速が早い場合に顕著に表れやすい。流速が早いほど圧力損失が生じる範囲が広くなりやすい。
【0068】
本実施の形態においては、配管部材10-1は、突起部材6-1を有している。突起部材6-1が存在することで、(1)突起部材6-1がない場合よりも、水が管壁に沿って流れやすくなることが期待でき、(2)圧力損失が生じる可能性がある部位自体を減らすことが期待できる。したがって、突起部材6-1は屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生を低減し、流量の向上を実現し得る。配管部材10-1は、突起部材6-1を備えるだけで、特許文献1に記載の技術とは異なり屈曲管5-1の内周側の内周面の曲率半径を大きくしなくて済むから、小型化を可能にする。したがって、突起部材6-1は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。突起部材6-1は竪管3の内部にあり、配管システム1全体として見たときに突起部材6-1が目立たなくなる。これによって、配管システム1全体としての美観の向上が期待できる。
【0069】
さらに、突起部材6-1は、頂部6eと第4端6dとの間の部位に突出部6iを備える。突出部6iが存在しない場合に比べれば、突起部材6-1に沿った流れ(主に流れF1)の経路が延長され得る。これによって、突起部材6-1によるコアンダ効果が促進され、流量を向上でき得る。さらに、突出部6iが存在することで、突起部材6-1における頂部6eと第4端6dとの間の部位の強度の向上が可能になる。
【0070】
突起部材6-1の形状について更に詳細に説明する。
【0071】
図4図6、及び図8図13から理解されるように、竪管3の中心軸C3の方向から見た突起部材6-1の形状(断面形状)は、竪管3の中心軸C3の方向に沿って変化する。
【0072】
図4に示すように、突起部材6-1の高さは、竪管3の中心軸C3の方向に沿って変化する。本実施の形態では、突起部材6-1は、頂部6eと、突出部6iと、を有する。
【0073】
頂部6eは、第3端6cと第4端6dとの間にある。頂部6eは、突起部材6-1において高さが最も高い部分である。頂部6eは、竪管3の流路断面積を最も小さくする。
【0074】
突出部6iは、頂部6eと第4端6dとの間の部位から竪管3の中心軸C3の方向から見て竪管3の中心側に延びる。本実施の形態では、突出部6iは、第4端6dにある。突出部6iは、竪管3の中心軸C3の方向から見て頂部6eよりは突出しない。
【0075】
突起部材6-1の高さは、第3端6cから頂部6eに向かって単調に増加する。突起部材6-1の高さは、頂部6eから第4端6dに向かって単調に減少する。本実施の形態では、突起部材6-1の高さは、頂部6eから突出部6iまで減少し、その後は突出部6iの形状に沿って増減する。
【0076】
図4に示すように、突起部材6-1の幅方向に直交する断面では、主面61は、頂部6eにおいて第2壁面30c側に突出する曲面形状を含む。これによって、流量を向上できる。別の観点から、主面61は、屈曲管5-1の下流側においてコアンダ効果を生じるように第2壁面30cに向かって突出した形状を有していればよい。つまり、主面61は、屈曲管5-1の下流側においてコアンダ効果を生じる形状であればよい。これによって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0077】
図4及び図5を参照する。竪管3の中心軸C3の方向から見た突出部6iの寸法をa、竪管3の内径をdとすると、0.01d≦a≦0.05dである。これは、流量の向上を可能にする。竪管3の中心軸C3の方向における突出部6iの寸法をb、竪管3の内径をdとすると、0.01d≦b≦0.05dである。これは、流量の向上を可能にする。
【0078】
図5では、突起部材6-1の高さが頂部6eから第4端6dに向かって単調に減少するとした場合の突起部材6-1の形状を2点鎖線で示す。突出部6iの寸法a,bは、この2点鎖線で示される形状を基準として設定され得る。寸法aは、2点鎖線で示される形状からの突出量の最大値であってよい。寸法bは、2点鎖線で示される形状と突出部6iとの上流側の境界と下流側の境界との間の距離であってよい。
【0079】
突起部材6-1の幅方向に直交する断面では、突出部6iは、第2壁面30c側に突出する曲面形状を含む。これによって、流量を向上できる。別の観点から、突出部6iは、コアンダ効果を生じるように第2壁面30cに向かって突出した形状を有してよい。つまり、突出部6iは、頂部6eの下流側においてコアンダ効果を生じる形状であるとよい。これによって、流量を向上できる。ここで、突起部材6-1の幅方向から見た突出部6iの上流側の角6h1及び下流側の角6h2の曲率半径をrとすると、r≦a又はr≦bである。好ましくは、r≦aかつr≦bである。なお、上流側の角6h1及び下流側の角6h2とは異なる曲率半径を有してよい。
【0080】
図6に示すように、突出部6iは、第4端6dにある。突出部6iは、第4端6dの幅の全体にわたって形成される。
【0081】
図9に示すように、竪管3の中心軸C3の方向から見て、突出部6iの少なくとも一部は凸面形状である。これは、突起部材6-1での圧力損失の低減に寄与し得る。
【0082】
図4を参照すると、突起部材6-1は、突起部材6-1に沿った流れ、主に主面61に沿った流れF1を引き起こす。突起部材6-1は、頂部6eと第4端6dとの間の部位に突出部6iを備える。図5を参照すると、流れF1の下流側では、突出部6iに沿った流れF4が生じ得る。結果として、突出部6iが存在しない場合に比べれば、流れF1の経路が延長され得る。これによって、突起部材6-1によるコアンダ効果が促進され、流量を向上でき得る。さらに、突出部6i自体がコアンダ効果を生じることで、流れF4を引き起こしやすくなる。
【0083】
図8図13から理解されるように、竪管3の中心軸C3の方向から見た主面61の形状は、竪管3の中心軸C3の方向に沿って変化する。
【0084】
図8及び図10から、竪管3の中心軸C3の方向から見て、主面61の少なくとも一部は凹面形状である。主面61の少なくとも一部は、主面61における第3端6c側の部分である。つまり、主面61は、第3端6cでは凹面形状である。竪管3の中心軸C3の方向から見て、主面61の少なくとも一部(第3端6c)の曲率半径は、竪管3の内周面30aの曲率半径以下である。これにより、突起部材6-1での圧力損失の低減が図れる。
【0085】
主面61は、図8図12に示すように第3端6cでは凹面形状であるが、第4端6dでは凸面形状である。つまり、竪管3の中心軸C3の方向から見た主面61の形状は、第3端6cから第4端6dに向かって、凹面形状から凸面形状に変化する。これにより、突起部材6-1の主面61に沿った流れが生じやすくなる。本実施の形態では、図12に示すように、竪管3の中心軸C3の方向から見た主面61の形状は、頂部6eにおいては凸面形状である。竪管3の中心軸C3の方向から見た主面61の形状は、頂部6eから第4端6dの範囲では、凸面形状である。本実施の形態では、突起部材6-1は、第3端6cと頂部6eとの間に平坦部6fを有する。図11に示すように、平坦部6fでは、竪管3の中心軸C3の方向から見て、主面61が平面形状である。
【0086】
主面61の凹面形状である範囲において、主面61の凹面形状の中心、つまり、凹面形状において最も低くなる部分は、突起部材6-1の幅方向において端よりも中心側にある。主面61の凸面形状である範囲において、主面61の凸面形状の中心、つまり、凸面形状において最も高くなる部分は、突起部材6-1の幅方向において端よりも中心側にある。本実施の形態では、主面61の凸面形状の中心は、突起部材6-1の幅方向の中心に一致する。
【0087】
図8図13から理解されるように、竪管3の中心軸C3の方向から見た第1側面62及び第2側面63の形状は、竪管3の中心軸C3の方向に沿って変化する。
【0088】
図8及び図10から、竪管3の中心軸C3の方向から見て、第1側面62の少なくとも一部は凹面形状である。第1側面62の少なくとも一部は、第1側面62における第3端6c側の部分である。つまり、第1側面62は、第3端6cでは凹面形状である。これにより、突起部材6-1での圧力損失の低減が図れる。
【0089】
図8及び図10から、竪管3の中心軸C3の方向から見て、第2側面63の少なくとも一部は凹面形状である。第2側面63の少なくとも一部は、第2側面63における第3端6c側の部分である。つまり、第2側面63は、第3端6cでは凹面形状である。これにより、突起部材6-1での圧力損失の低減が図れる。
【0090】
竪管3の中心軸C3の方向から見た第1側面62の形状は、第3端6cから第4端6dに向かって、凹面形状のままである。図12及び図13から理解されるように、第1側面62は、頂部6eから第4端6dに向かうにつれて、凹面形状の深さが浅くなる。これにより、突起部材6-1の下流側において、第1側面62に沿った流れF2を主面61に沿った流れF1にスムーズに合流させることができる。
【0091】
竪管3の中心軸C3の方向から見た第2側面63の形状は、第3端6cから第4端6dに向かって、凹面形状のままである。図12及び図13から理解されるように、第2側面63は、頂部6eから第4端6dに向かうにつれて、凹面形状の深さが浅くなる。これにより、突起部材6-1の下流側において、第2側面63に沿った流れF3を主面61に沿った流れF1にスムーズに合流させることができる。
【0092】
図6を参照する。突起部材6-1において、第1側面62及び第2側面63は、竪管3の中心軸C3に沿った突起部材6-1の中心線に対して、対称となる形状である。これによって、流量を向上できる。
【0093】
図6に示すように、突起部材6-1の幅は、竪管3の中心軸C3の方向に沿って変化する。突起部材6-1の幅は、突起部材6-1において最も竪管3の内周面30aに近い部位での幅をいう。本実施の形態では、突起部材6-1の幅は、突起部材6-1の第1面60aの幅に対応する。突起部材6-1は、第3端6cと第4端6dとの間に、幅の変化の向きが変わる第1変化部6g、及び、第2変化部6hを有する。第1変化部6gは、第3端6cと頂部6e、より詳細には、平坦部6fとの間にある。第2変化部6hは、頂部6eと第4端6dとの間にある。突起部材6-1の幅は、第3端6cから第1変化部6gに向かって単調に増加する。突起部材6-1の幅は、第1変化部6gから第2変化部6hに向かって単調に減少する。突起部材6-1の幅は、第2変化部6hから第4端6dに向かって単調に増加する。なお、突起部材6-1の幅は、第1変化部6gにおいて、最も大きい。図8に示すように、竪管3の中心軸C3の方向から見た突起部材6-1の幅の最大値(第1変化部6gでの幅)をW1とする。竪管3の内径をdとすると、0.5d≦W1≦0.9dである。ここで、竪管3の中心軸C3の方向から見た第1分離壁64及び第2分離壁65間の距離の最大値をW2とすると、0.3d≦W2≦0.7dである。W2≦W1である。
【0094】
主面61は、少なくとも第3端6cから頂部6eまでは、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて幅が狭くなる。この構成は、突起部材6-1の下流側において、第1側面62及び第2側面63に沿った流れF2,F3を主面61に沿った流れF1にスムーズに合流させることができる。本実施の形態では、主面61の幅は、第3端6cから第4端6dまで単調に減少する。
【0095】
第1側面62は、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて幅が広くなる部位を含む。より詳細には、第1側面62における第3端6c側の部位は、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて幅が広くなる。この構成は、圧力損失を低減できる。本実施の形態では、第1側面62における第3端6c側の部位は、第1側面62における第3端6cから平坦部6fまでの部位を含む。
【0096】
第2側面63は、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて幅が広くなる部位を含む。より詳細には、第2側面63における第3端6c側の部位は、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて幅が広くなる。この構成は、圧力損失を低減できる。本実施の形態では、第2側面63における第3端6c側の部位は、第2側面63における第3端6cから平坦部6fまでの部位を含む。
【0097】
第1分離壁64及び第2分離壁65は、竪管3の中心軸C3の方向において、突起部材6-1の全体ではなく、一部に形成される。より詳細には、第1分離壁64及び第2分離壁65は、第3端6cから、竪管3の中心軸C3の方向に沿った所定範囲に存在する。所定範囲は、第3端6cから平坦部6fまでの範囲である。
【0098】
第1分離壁64及び第2分離壁65間の距離は、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて短くなる。この構成は、突起部材6-1の上流側において、主面61に沿った流れF1から第1側面62及び第2側面63に沿った流れF2,F3を分離させ、突起部材6-1の下流側において、第1側面62及び第2側面63に沿った流れF2,F3を主面61に沿った流れF1にスムーズに合流させることができる。
【0099】
第1分離壁64及び第2分離壁65の高さは、第3端6cから第4端6dに向かうにつれて低くなる。この構成は、突起部材6-1の上流側において、主面61に沿った流れF1から第1側面62及び第2側面63に沿った流れF2,F3を分離させ、突起部材6-1の下流側において、第1側面62及び第2側面63に沿った流れF2,F3を主面61に沿った流れF1にスムーズに合流させることができる。
【0100】
図12を参照する。竪管3の中心軸C3の方向から見て、突起部材6-1の頂部6eにおける第2壁面30cとの距離をD1とする。突起部材6-1において、0.60d≦D1≦0.95dであるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0101】
竪管3の中心軸C3の方向から見て、突起部材6-1の頂部6eでの高さをH1とする。H1は、H1=d-D1である。突起部材6-1において、0.05d≦H1≦0.40dであるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0102】
竪管3の最大流路断面積をAとする。最大流路断面積Aは、竪管3の内径dから求まる。つまり、A=π(d/2)である。頂部6eでの突起部材の断面積をA1とする。突起部材6-1において、A1/A≦0.4であるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。配管部材10-1での流路断面積の最小値をA2とする。A2は、突起部材6-1の頂部6eにおける流路断面積である。A2は、A2=A-A1である。突起部材6-1において、0.6≦A2/A<1であるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0103】
上述したように、突起部材6-1は、第4端6dに端面68を備える。図22は、実施の形態1にかかる突起部材6-1と、端面68を有していない突起部材600との比較図である。突起部材600は、端面68を有していない点を除き、突起部材6-1と同じである。突起部材600において、突起部材600の幅方向から見て、第4端6dは、先細り形状である。第4端6dにおいて、突起部材600の高さが0になる。図22から、突起部材6-1は、突起部材600の第4端6d側の部位を、竪管3の中心軸C3に直交する方向でカットした形状であるといえる。突起部材6-1の高さは、頂部6eから突出部6iに向かって単調に減少する。突起部材6-1の長さを下流側に延長したとすれば、突起部材6-1は、仮想的に、突起部材6-1の高さが0になる部位を有する。突起部材6-1の高さが0になる部位が、突起部材600の第4端6dに対応し得る。
【0104】
突起部材6-1は、突起部材600に比べて、竪管3の中心軸C3の方向での寸法を小さくできる。特に、突起部材6-1は、突起部材600において直管32から外部に出る第4端6d側の部位をカットした形状である。つまり、突起部材600を直管32に配置した場合、突起部材600の第4端6d側の部位が、直管32の第2端から外方に突出する。突起部材600の第4端6dは厚みが薄いため、破損しやすい。よって、突起部材600を直管32に配置した場合、運搬時等に突起部材600が破損する可能性がある。
【0105】
これに対して、突起部材6-1は、端面68を有し、端面68の位置は、図4に示すように、突起部材6-1が、竪管3の中心軸C3の方向において、直管32内に収まるように設定される。本実施の形態では、突起部材6-1の長さ(第3端6cと第4端6dとの間の距離)は、直管32の長さに等しい。つまり、配管部材10-1では、突起部材6-1全体が直管32内にある。これによって、突起部材6-1が部分的に直管32から外部に出ている場合に比べて、突起部材6-1を直管32で保護することができる。したがって、突起部材6-1の破損等の可能性を低減できる。
【0106】
突起部材6-1は、突起部材600に比べて竪管3の中心軸C3の方向の寸法を小さくでき、破損を防止できるという利点がある。このような突起部材6-1と突起部材600との間の形状の変化は、圧力損失の変化も引き起こし得る。そこで、突起部材6-1と突起部材600の形状の違いに起因する圧力損失の変化について評価をした。図23は、突起部材600に対する突起部材6-1による圧力損失の変化を示すグラフである。
【0107】
図23のグラフにおいて、縦軸は、配管部材での圧力損失を示す。横軸は、長さの割合[%]を示す。長さの割合[%]は、突起部材600における頂部6eから第4端6dまでの距離に対する、突起部材6-1における頂部6eから第4端6dまでの距離の百分率である。
【0108】
図4及び図22では、竪管3の中心軸C3の方向における突起部材6-1の第3端6cと第4端6dとの間の距離はL’で表される。竪管3の中心軸C3の方向における突起部材6-1の頂部6eと第4端6dとの間の距離はL2’で表される。図22では、竪管3の中心軸C3の方向における突起部材600の第3端6cと第4端6dとの間の距離はLで表される。竪管3の中心軸C3の方向における突起部材600の頂部6eと第4端6dとの間の距離はL2で表される。竪管3の中心軸C3の方向における突起部材6-1の第4端6dと突起部材600の第4端6dとの間の距離は、ΔLで表される。L2=L2’+ΔLであり、L=L’+ΔLである。長さの割合[%]は、L2’/L2×100で求められる。
【0109】
図23において、長さの割合が100%であることは、突起部材6-1の形状が突起部材600の形状と等しいことを示す。長さの割合が0%であることは、突起部材6-1が第3端6cから頂部6eまでの形状であることを示す。突起部材6-1の高さは、頂部6eから第4端6dに向かって単調に減少する。よって、長さの割合が減少するほど、第4端6dでの突起部材6-1の高さは高くなる。図23から、長さの割合が減少するほど、圧力損失の低減の効果が減少していることが理解される。ただし、長さの割合と圧力損失との関係は直線的ではなく、長さの割合の減少に対して圧力損失が指数関数的に増加する。つまり、長さの割合の減少に対する圧力損失の増加は、比較的緩やかである。つまり、長さの割合の減少に対する圧力損失の低減の効果の減少は限定的であるといえる。このような点を考慮し、L2’は、以下の条件を満たすように設定される。すなわち、頂部6eでの突起部材6-1の高さをH1、第4端6dでの突起部材6-1の高さをH2とすると、0.05H1≦H2≦0.90H1である。これによって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。特に、突起部材6-1の長さを、突起部材600に比べて短くできる。そのため、突起部材6-1の小型化が可能になる。さらに、突起部材6-1は、突起部材600に比べて、突起部材6-1の下流側の部位において厚みが薄い部位が少なくなるから、突起部材6-1の破損の可能性を低減でき得る。
【0110】
ここで、突起部材600においては、0.5d≦L≦5.0dであるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。ここで、上述したように、L=L1+L2’+ΔLである。そして、頂部6eから第4端6dまでの突起部材600の高さの単位長さ当たりの減少量が一定であるとすれば、(H1-H2)/L2’=H2/ΔLである。つまり、ΔL=H2/(H1-H2)×L2’である。よって、0.5d≦L≦5.0dの式は、L1,L2’を用いて、0.5d≦L1+H1/(H1-H2)×L2’≦5.0dと書き換えられる。したがって、突起部材6-1において、直管32の内径をd、直管32の中心軸C3の方向における第3端6cと頂部6eとの間の距離をL1、直管32の中心軸C3の方向における頂部6eと第4端6dとの間の距離をL2’とすると、0.5d≦L1+H1/(H1-H2)×L2’≦5.0dであるとよい。
【0111】
[1.1.2 効果等]
以上述べた突起部材6-1,6-2は、流路の向きを変える屈曲管5-1,5-2の下流側に配置される直管(竪管3,横菅4)内に配置されて直管の流路断面積を部分的に減少させる。突起部材6-1,6-2は、直管(竪管3,横菅4)の内周面に接触する第1面60aと、第1面60aと反対側にあって流路を流れる流体に作用する第2面60bと、を備える。第1面60aと第2面60bとが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端6a側の第1部位610と、第2方向の第2端6b側の第2部位620とが、別体である。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上でき、製造コストの低減を可能にする。
【0112】
突起部材6-1,6-2は、第1方向及び第2方向にそれぞれ直交する第3方向において第3端6c及び第4端6dを備える。第3端6cは、上流側に向けられ、第4端6dは、下流側に向けられる。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上でき、製造コストの低減を可能にする。
【0113】
突起部材6-1,6-2において、第1部位610は、第2部位620と対向する第3面611aに開口611bを有する中空の第1外郭部611と、第1外郭部611内において第2方向に直交する方向に延びて第1外郭部611の内面の2点間を接続する1以上の第1リブ613,614と、を有する。第2部位620は、第1部位610と対向する第4面621aに開口621bを有する中空の第2外郭部621と、第2外郭部621内において第2方向に直交する方向に延びて第2外郭部621の内面の2点間を接続する1以上の第2リブ613,614と、を有する。この構成は、第1部位610及び第2部位620の強度の低下を低減しながら、必要な材料の量を減らすことができ、製造コストの低減を可能にする。
【0114】
突起部材6-1,6-2は、第4端6dに、第3方向と交差する端面68を備える。端面68は、第1外郭部611の内部及び第2外郭部621の内部に繋がる開口69を有する。この構成は、突起部材6-1の内部空間に水等の流体がたまることに起因する突起部材6-1の破損の可能性を低減できる。
【0115】
突起部材6-1,6-2において、第2外郭部621は、第4面621aの開口621bの周囲から第1端6a側に突出し第4面621aの開口621bを囲う周壁部625を有する。第1外郭部611は、第3面611aの開口611bの周囲に周壁部625が収まる受け部615を有する。この構成は、第1部位610と第2部位620の隙間から流体が入り込む可能性を低減できる。
【0116】
突起部材6-1,6-2は、第1面60aに、直管(竪管3,横菅4)の内周面の穴3cに嵌まる突起67を備える。第1部位610は、突起67の第1端6a側の第1部分67aを含み、第2部位620は、突起67の第2端6b側の第2部分67bを含む。この構成は、第1部位610と第2部位620とが結合した状態が維持され易くなる。
【0117】
突起部材6-1,6-2において、第1部位610は、突起部材6-1,6-2の第1端6a側の半分を占め、第2部位620は、突起部材6-1,6-2の第2端6b側の半分を占める。この構成は、突起部材6-1の部品の数を減らすことができ、製造コストの低減を可能にする。
【0118】
突起部材6-1,6-2は、第2方向に直交する面に対して鏡像対称の外形形状を有する。この構成は、突起部材6-1の形状を単純化でき、製造コストの低減を可能にする。
【0119】
突起部材6-1,6-2は、第3端6cと第4端6dとの間にあって直管(竪管3,横菅4)の流路断面積を最も小さくする頂部6eを備える。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0120】
突起部材6-1,6-2は、頂部6eと第4端6dとの間の部位から第3方向から見て直管(竪管3,横菅4)の中心側に延びるが、頂部6eよりは突出しない突出部6iを備える。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0121】
突起部材6-1,6-2において、突出部6iは、第4端6dにある。この構成は、突起部材6-1,6-2での圧力損失の低減が図れる。この構成は、突起部材6-1,6-2の第4端6dでの破損の可能性を低減でき得る。
【0122】
突起部材6-1,6-2において、直管(竪管3,横菅4)の最大流路断面積をA、頂部6eでの突起部材6-1,6-2の断面積をA1とすると、A1/A≦0.4である。この構成は、流量を向上できる。
【0123】
突起部材6-1,6-2は、第4端6dに、第3方向と交差する端面68を備える。頂部6eでの高さをH1、第4端6dでの高さをH2とすると、0.05H1≦H2≦0.90H1である。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0124】
突起部材6-1,6-2において、直管32,42の内径をd、直管32,42の中心軸C3,C4の方向における第3端6cと頂部6eとの間の距離をL1、直管32,42の中心軸C3,C4の方向における頂部6eと第4端6dとの間の距離をL2’とすると、0.5d≦L1+H1/(H1-H2)×L2’≦5.0dである。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0125】
以上述べた配管部材10-1,10-2は、突起部材6-1,6-2と、直管(竪管3,横菅4)と、を備える。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0126】
以上述べた配管システム1は、建物11の壁面11bに固定される竪管3と、建物11からの雨水の集水口2bと竪管3との間にある横管4と、横管4と竪管3との間にある第1屈曲管5-1と、集水口2bと横管4との間にある第2屈曲管5-2と、突起部材6-1,6-2と、を備える。突起部材6-1は、竪管3の少なくとも一部を直管として配置され、突起部材6-2は、横管4の少なくとも一部を直管として配置される。この構成は、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0127】
[2.変形例]
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0128】
なお、以下では、突起部材6-1,6-2のいずれにおいても適用可能であっても、突起部材6-1に言及するが、これは、単に記載を簡略化するためであって、突起部材6-2への適用を排除する趣旨ではない。
【0129】
[2.1 変形例1]
図24は、変形例1にかかる配管部材10A-1の概略図である。配管部材10A-1は、突起部材6A-1と、竪管3Aと、を備える。
【0130】
竪管3Aは、直管状である。竪管3Aは、竪管3とは異なり、複数の配管部材ではなく、単一の配管部材で構成される。
【0131】
突起部材6A-1は、流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて直管の流路断面積を部分的に減少させるために用いられる。竪管3Aは、流路の向きを変える屈曲管5-1の下流側に配置される直管である。突起部材6A-1は、竪管3の少なくとも一部を直管として配置される。ここでは、竪管3Aの少なくとも一部は、竪管3A全体である。
【0132】
突起部材6A-1は、端面68を有していない点で、突起部材6-1と異なる。突起部材6A-1では、突起部材6A-1の幅方向から見て、第4端6dは、先細り形状である。突起部材6A-1は、図22に示す突起部材600と同じ構成である。
【0133】
図22を参照する。突起部材6A-1の頂部6eは、配管部材10A-1において流路断面積が最小となる部位である。竪管3の中心軸C3の方向における第3端6cと頂部6eとの間の距離をL1とする。突起部材6A-1において、0.1L≦L1≦0.5Lであるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0134】
竪管3の中心軸C3の方向における頂部6eと第4端6dとの間の距離をL2とする。L2は、L2=L-L1である。突起部材6A-1において、L2>L1であるとよい。これによって、屈曲管5-1から下流側での剥離に起因する圧力損失の発生をより低減し得る。したがって、小型化を可能にしながら流量を向上できる。
【0135】
突起部材6A-1において、第2方向から見て第4端6dは先細り形状であり、直管(竪管3A)の内径をd、直管(竪管3A)の中心軸C3の方向における第3端6cと第4端6dとの間の距離をLとすると、0.5d≦L≦5.0dである。この構成は、流量を向上できる。
【0136】
[2.2 変形例2]
図25は、変形例2にかかる配管部材10B-1の概略図である。配管部材10B-1は、突起部材6B-1と、直管32と、を備える。突起部材6B-1は、突出部6iを有していない点で、突起部材6-1と異なる。
【0137】
[2.3 変形例3]
図26は、変形例3にかかる配管部材10C-1の概略図である。配管部材10C-1は、突起部材6C-1と、竪管3Aと、を備える。突起部材6C-1は、突出部6iを有していない点で、突起部材6A-1と異なる。
【0138】
[2.4 変形例4]
図27は、変形例4にかかる突起部材6D-1の一部の斜視図である。図28は、突起部材6D-1を備える配管部材10D-1の取り付けの説明図である。
【0139】
配管部材10D-1は、突起部材6D-1と、直管32と、を備える。
【0140】
突起部材6D-1は直管32内に配置されるため、外部から突起部材6D-1の位置を把握しにくい。一方で、配管部材10D-1を屈曲管5-1に取り付ける際には、突起部材6D-1が屈曲管5-1の屈曲部50の内周側の壁面50aの近傍に位置するように、屈曲管5-1に対して突起部材6D-1の位置を合わせることが好ましい。
【0141】
そこで、突起部材6D-1は、突起部材6-1の構成に加えて、突起67の先端に目印670を備える。図27では、一対の突起67のうち、下流側に突起67の先端に、目印670がある。直管32の穴3cは貫通孔であり、穴3cを通して、突起67の目印670を視認できる。
【0142】
目印670は、突起部材6D-1の位置を示すために用いられる。例えば、目印670は、屈曲管5-1に対する突起部材6D-1の適切な位置を示すための矢印(上向きの矢印)である。目印670は、人の知覚によって認識可能な、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合であってよい。目印670は、配管部材10D-1を屈曲管5-1に接続した際に、屈曲管5-1の受け口52で隠れない位置にある。この構成は、突起部材6D-1を所望の位置に配置する作業を容易に行えるようになる。
【0143】
図27に示すように、屈曲管5-1は、受け口52の外周面に、突起部材6D-1の目的位置を示す目印53を備えてよい。例えば、目印53は、突起部材6D-1の目印670を用いた突起部材6D-1の位置合わせを容易にするための矢印(下向きの矢印)である。目印53は、人の知覚によって認識可能な、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合であってよい。突起部材6D-1の目印670と屈曲管5-1の目印53とを一致させることで、突起部材6D-1を屈曲管5-1に対する目的位置に容易に配置することが可能となる。
【0144】
以上述べたように、突起部材6D-1は、突起67の先端に、突起部材6D-1の位置を示すための目印670を備える。この構成は、突起部材6D-1を所望の位置に配置する作業を容易に行えるようになる。
【0145】
[2.5 その他の変形例]
一変形例において、第2方向は、突起部材6-1の高さに対応してよい。つまり、突起部材6-1において、第1部位610は上流側の部位として、第2部位620は下流側の部位として別体に構成されてよい。
【0146】
一変形例において、突起部材6-1は、必ずしも、第2方向に直交する面に対して鏡像対称の外形形状を有する必要はない。
【0147】
一変形例において、第1部位610は、突起部材6-1の第1端6a側の半分を占めなくてもよい。第2部位620は、突起部材6-1の第2端6b側の半分を占めなくてもよい。
【0148】
一変形例において、突出部6iの位置は、第4端6dに限定されず、頂部6eと第4端6dとの間であってよい。一変形例において、突起部材6-1は、頂部6eと第4端6dとの間に複数の突出部6iを有してよい。突出部6iは、突起部材6-1に一体的に形成されてもよいし、別体に形成されて取り付けられてもよい。
【0149】
一変形例において、突起部材6-1において、第1側面62及び第2側面63は、竪管3の中心軸C3に沿った突起部材6-1の中心線に対して、非対称となる形状であってよい。配管システム1又は配管部材10の設置環境等に応じて、第1側面62及び第2側面63の形状は個別的に設定されてよく、必ずしも、竪管3の中心軸C3に沿った突起部材6-1の中心線に対して、対称となる形状でなくてもよい。
【0150】
一変形例において、突起部材6-1は、必ずしも接触端面66を有している必要はない。
【0151】
一変形例において、突起部材6-1の突起67の形状、数及び配置は、竪管3の穴3cの形状、数及び配置に応じて適宜変更されてよい。例えば、突起67の第1部分67a及び第2部分67bは、突起部材6-1の第1部位610及び第2部位620を射出成形により形成する際のゲートを兼ねてよい。穴3cは、切り欠きであってよい。穴3cの位置は、上流側の端部3aに限られない。突起67及び穴3cは、竪管3に対する突起部材6-1の位置決めが容易になるように設けられることが好ましい。ただし、突起部材6-1は、必ずしも突起67を有している必要はない。
【0152】
一変形例において、突起部材6-1は、竪管3とは別の部材ではなく、竪管3に一体的に形成されてよい。これは、竪管3の内周面30aが、突起部材6-1の主面61並びに第1及び第2側面62,63を含むことに等しい。
【0153】
一変形例において、突起部材6-1,6-2は、必ずしも同じ構成又は構造である必要はないし、必ずしも同じ形状及び寸法である必要もない。つまり、突起部材6-1,6-2の構成等は、突起部材6-1,6-2が配置される場所等に応じて適宜設定されてよい。
【0154】
一変形例において、突起部材6-1は、全体が竪管3内に収まっている必要はない。特に、突起部材6-1の第4端6dは、竪管3から外部に突出してよい。
【0155】
一変形例において、突起部材6-1の材料は、必ずしも硬質ポリ塩化ビニルでなくてもよい。突起部材6-1の材料は、配管システム1に求められる要件にしたがって決定されてよく、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂であってもよい。また、突起部材6-1の材料は、合成樹脂ではなく、金属であってもよい。
【0156】
一変形例において、配管システム1の一部又は全部の形状及び大きさは、上記の実施の形態と異なっていてよい。例えば、上記実施の形態とは異なり、配管システム1において、屈曲管5-1,5-2の形状、竪管3の形状、横管4の形状は、円形状ではなく、多角形状であってよい。
【0157】
一変形例において、屈曲管5-1,5-2は、JIS K 6739で規定される90°曲がりエルボ(所謂、DL)に限定されない。屈曲管5-1,5-2は、JIS K 6739で規定される90°大曲がりエルボ(所謂、LL)、45°エルボ(所謂、45L)であってよい。屈曲管5-1,5-2の寸法は、必ずしも、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定される必要はない。
【0158】
一変形例において、配管システム1は、必ずしも軒樋2を備えていなくてもよい。例えば、建物11がバルコニーのような集水口を備える構造を有する場合には、配管システム1の屈曲管5-2が建物11の集水口に接続されてよい。
【0159】
一変形例において、配管システム1は、突起部材6-1,6-2の一方だけを備えてよい。したがって、配管システム1は、建物11の壁面11bに固定される竪管3と、建物11からの雨水の集水口2bと竪管3との間にある横管4と、横管4と竪管3との間にある第1屈曲管5-1と、集水口2bと横管4との間にある第2屈曲管5-2と、1以上の突起部材6-1,6-2と、を備え、1以上の突起部材6-1,6-2は、横管4又は竪管3の少なくとも一部を直管として配置されてよい。
【0160】
一変形例において、ドレン8は、一般的にサイフォン現象の発生又は促進に寄与しないと考えられる構造のドレンであってよい。一変形例において、配管システム1は、必ずしもドレン8を備えていなくてもよい。ドレン8は、配管システム1において必須の構成ではなく、配管システム1の設置環境等を考慮して適宜設けられればよい。
【0161】
一変形例において、配管システム1は、必ずしも竪管7を備えていなくてもよい。竪管7は、配管システム1において必須の構成ではなく、配管システム1の設置環境等を考慮して適宜設けられればよい。
【0162】
一変形例において、配管システム1は、排水システムの一種である雨樋システムに限らず、下水システム等のその他の排水システムであってもよいし、上水システム等の給水システムにも適用され得る。つまり、突起部材又は配管部材は、給水又は排水を行うシステムにおいて利用され得る。
【0163】
[3.態様]
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
【0164】
[態様1]
流路の向きを変える屈曲管の下流側に配置される直管内に配置されて前記直管の流路断面積を部分的に減少させる突起部材であって、
前記直管の内周面に接触する第1面と、
前記第1面と反対側にあって前記流路を流れる流体に作用する第2面と、
を備え、
前記第1面と前記第2面とが対向する第1方向に直交する第2方向の第1端側の第1部位と、前記第2方向の第2端側の第2部位とが、別体である、
突起部材。
【0165】
[態様2]
前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する第3方向において第3端及び第4端を備え、
前記第3端は、上流側に向けられ、
前記第4端は、下流側に向けられる、
態様1の突起部材。
【0166】
[態様3]
前記第1部位は、
前記第2部位と対向する第3面に開口を有する中空の第1外郭部と、
前記第1外郭部内において前記第2方向に直交する方向に延びて前記第1外郭部の内面の2点間を接続する1以上の第1リブと、
を有し、
前記第2部位は、
前記第1部位と対向する第4面に開口を有する中空の第2外郭部と、
前記第2外郭部内において前記第2方向に直交する方向に延びて前記第2外郭部の内面の2点間を接続する1以上の第2リブと、
を有する、
態様2の突起部材。
【0167】
[態様4]
前記第4端に、前記第3方向と交差する端面を備え、
前記端面は、前記第1外郭部の内部及び前記第2外郭部の内部に繋がる開口を有する、
態様3の突起部材。
【0168】
[態様5]
前記第2外郭部は、前記第4面の開口の周囲から前記第1端側に突出し前記第4面の開口を囲う周壁部を有し、
前記第1外郭部は、前記第3面の開口の周囲に前記周壁部が収まる受け部を有する、
態様3又は4の突起部材。
【0169】
[態様6]
前記第1面に、前記直管の前記内周面の穴に嵌まる突起を備え、
前記第1部位は、前記突起の前記第1端側の第1部分を含み、
前記第2部位は、前記突起の前記第2端側の第2部分を含む、
態様1~5のいずれか一つの突起部材。
【0170】
[態様7]
前記突起の先端に、前記突起部材の位置を示すための目印を備える、
態様6の突起部材。
【0171】
[態様8]
前記第1部位は、前記突起部材の前記第1端側の半分を占め、
前記第2部位は、前記突起部材の前記第2端側の半分を占める、
態様2~5のいずれか一つの突起部材。
【0172】
[態様9]
前記第2方向に直交する面に対して鏡像対称の外形形状を有する、
態様8の突起部材。
【0173】
[態様10]
前記第3端と前記第4端との間にあって前記直管の流路断面積を最も小さくする頂部を備える、
態様2~5のいずれか一つの突起部材。
【0174】
[態様11]
前記頂部と前記第4端との間の部位から前記第3方向から見て前記直管の中心側に延びるが、前記頂部よりは突出しない突出部を備える、
態様10の突起部材。
【0175】
[態様12]
前記突出部は、前記第4端にある、
態様11の突起部材。
【0176】
[態様13]
前記第3方向における前記第3端と前記第4端との間の距離をL、
前記第3方向における前記第3端と前記頂部との間の距離をL1とすると、
0.1L≦L1≦0.5Lである、
態様10~12のいずれか一つの突起部材。
【0177】
[態様14]
前記直管の最大流路断面積をA、
前記頂部での前記突起部材の断面積をA1とすると、
A1/A≦0.4である、
態様10~12のいずれか一つの突起部材。
【0178】
[態様15]
前記第2方向から見て前記第4端は先細り形状であり、
前記直管の内径をd、
前記第3方向における前記第3端と前記第4端との間の距離をLとすると、
0.5d≦L≦5.0dである、
態様2又は3の突起部材。
【0179】
[態様16]
前記第4端に、前記第3方向と交差する端面を備え、
前記頂部での高さをH1、前記第4端での高さをH2とすると、
0.05H1≦H2≦0.90H1である、
態様10~12のいずれか一つの突起部材。
【0180】
[態様17]
前記直管の内径をd、
前記第3方向における前記第3端と前記頂部との間の距離をL1、
前記第3方向における前記頂部と前記第4端との間の距離をL2’とすると、
0.5d≦L1+H1/(H1-H2)×L2’≦5.0dである、
態様16の突起部材。
【0181】
[態様18]
態様1~17のいずれか一つの突起部材と、
前記直管と、
を備える、
配管部材。
【0182】
[態様19]
建物の壁面に固定される竪管と、
前記建物からの雨水の集水口と前記竪管との間にある横管と、
前記横管と前記竪管との間にある第1屈曲管と、
前記集水口と前記横管との間にある第2屈曲管と、
態様1~17のいずれか一つの1以上の突起部材と、
を備え、
前記1以上の突起部材は、前記横管又は前記竪管の少なくとも一部を前記直管として配置される、
配管システム。
【0183】
態様2~17は、任意であり、必須ではない。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本開示は、突起部材、配管部材、及び、配管システムに適用可能である。具体的には、流路断面積を変化させるための突起部材、突起部材を備える配管部材、及び、配管部材を備える配管システムに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0185】
1 配管システム
2b 集水口
3,3A 竪管(直管)
32 直管
4 横菅(直管)
42 直管
5-1 屈曲管(第1屈曲管)
5-2 屈曲管(第2屈曲管)
6-1,6-2,6A-1,6B-1,6C-1,6D-1 突起部材
6a 第1端
6b 第2端
6c 第3端
6d 第4端
6e 頂部
6i 突出部
60a 第1面
60b 第2面
610 第1部位
611 第1外郭部
611a 第3面
611b 開口
613,614 第1リブ
615 受け部
620 第2部位
621 第2外郭部
621a 第4面
621b 開口
623,624 第2リブ
625 周壁部
67 突起
67a 第1部分
67b 第2部分
68 端面
69 開口
10-1,10-2,10A-1,10B-1,10C-1,10D-1 配管部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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