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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162118
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】画像送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20241114BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N1/32 037
H04N1/00 C
H04N1/00 J
H04N1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077346
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】中林 亮
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC42
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF02
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を提供する。
【解決手段】送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データの送信宛先を入力する操作部と、前記画像データおよび前記送信宛先ごとの送信履歴を記憶する記憶部と、前記送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、前記画像データ取得部、前記操作部、前記記憶部および前記画像データ送信部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、同報送信のため複数の前記送信宛先が入力された場合に、前記送信宛先ごとの前記送信履歴に基づき前記送信宛先への前記画像データの送信順を決定する判断基準となる送信時間レベルを判定し、前記送信時間レベルに応じて前記送信宛先を送信順に並べ替えた後、前記画像データ送信部に前記送信宛先に対して前記画像データを順次送信させることを特徴とする画像送信装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データの送信宛先を入力する操作部と、
前記画像データおよび前記送信宛先ごとの送信履歴を記憶する記憶部と、
前記送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、
前記画像データ取得部、前記操作部、前記記憶部および前記画像データ送信部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、同報送信のため複数の前記送信宛先が入力された場合に、前記送信宛先ごとの前記送信履歴に基づき前記送信宛先への前記画像データの送信順を決定する判断基準となる送信時間レベルを判定し、前記送信時間レベルに応じて前記送信宛先を送信順に並べ替えた後、前記画像データ送信部に前記送信宛先に対して前記画像データを順次送信させることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の符号化方式に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の再送回数および通信速度の低下回数に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記制御部は、FAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の変調方式に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記制御部は、送達確認要求があるインターネットFAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の前記送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項7】
前記制御部は、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の前記送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間に基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項8】
前記制御部は、FAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、変調方式、再送回数および通信速度の低下回数の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項9】
前記制御部は、送達確認要求があるインターネットFAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、前記送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項10】
前記制御部は、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、前記送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの送信履歴を予め定められた時間帯別に前記記憶部に記憶させる請求項1~10のいずれか1つに記載の画像送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像送信装置に関し、より詳細には、複数の送信宛先に対し画像データを同報送信する機能を有する画像送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの画像形成装置において、FAXデータを送受信するFAX送受信機能を有するものがある。
【0003】
このようなFAX送信機能を有する画像送信装置において、ユーザーがFAX画像データを複数の宛先に送信する(同報送信する)際に電話回線が1つしかない場合は、宛先ごとに順番にFAXを送信する必要がある。
【0004】
しかしながら、宛先の入力順に送信すると、先に入力された宛先のFAX通信能力が低い(例えば、通信速度がV.29-9600 bpsなど)場合、後に入力された宛先の通信能力が高くても(例えば、通信速度がV.34-33600 bpsなど)、先に入力された宛先へのFAX通信が完了するまで後に入力された宛先へのFAX通信が開始されないため、その分待たされてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、このような問題を解決すべく、複数の送信要求に関する情報を優先レベル順に格納するキュー情報記憶部と、発生した送信要求へ優先レベルを割り当てる優先レベル選択部と、発生した送信要求情報を優先レベル選択部が割り当てた優先レベルに応じてキュー情報記憶部へ書き込み、送信実行時にキュー情報記憶部の先頭に位置する送信要求情報を読み込む優先レベルキュー制御部からなるファクシミリ装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
また、送信原稿をスキャナで読み取った送信データをファイル単位でメモリに蓄積した後、相手方に送信するメモリ送信機能を備えたファクシミリ装置において、前記各ファイル毎の送信原稿枚数、使用メモリ容量、あるいは相手先等に基づいてファイルデータの送信時間を演算する送信時間演算手段が設けられ、送信時間の短いファイル順にメモリ送信を行うようにしたことを特徴とするファクシミリ装置も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
一方、FAX送信だけでなく、電子メールやインターネットFax、FTP(ファイル転送プロトコル)なども含む複数の宛先に同報送信する技術も知られている。
【0008】
このような同報送信に係る従来技術として、同一の送信先に対して、メールアドレスとファイル転送サーバアドレスとファクシミリ番号とを、アドレスとして登録し得るアドレス帳手段に登録されている送信先が、同報送信のために複数指定された際に、送信先に対して適用されるアドレスを選択するための複数のモードから1つのモードを設定するための設定手順、設定されたモードに従って、送信先毎に適したアドレスを選択するための選択手順、および、送信先毎に、選択されたアドレスに対応する通信プロトコルを使用して、同報送信を実行するための送信手順を、制御部に実行させるデータ送信装置が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5-284305号公報
【特許文献2】特開平6-62209号公報
【特許文献3】特開2002-358266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、画像データの送信に要する時間は、FAXや電子メールなどの送信方法によって異なることがある。
また、同じ送信方法であっても、画像データの符号化方式や変調方式などのさまざまな要因によっても異なることがある。
さらに、自機と相手機とをつなぐネットワークの安定性や、自機および相手機の環境・時間帯などによっても異なることがある。
【0011】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この開示による画像送信装置は、送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データの送信宛先を入力する操作部と、前記画像データおよび前記送信宛先ごとの送信履歴を記憶する記憶部と、前記送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、前記画像データ取得部、前記操作部、前記記憶部および前記画像データ送信部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、同報送信のため複数の前記送信宛先が入力された場合に、前記送信宛先ごとの前記送信履歴に基づき前記送信宛先への前記画像データの送信順を決定する判断基準となる送信時間レベルを判定し、前記送信時間レベルに応じて前記送信宛先を送信順に並べ替えた後、前記画像データ送信部に前記送信宛先に対して前記画像データを順次送信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この開示によれば、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この開示のデジタル複合機を含む画像送信システムの構成の一例を示す説明図である。
図2図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1の画像送信システムのFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
図4図1の画像送信システムのFAX画像の送信時間レベル判定処理の一例を示すフローチャートである。
図5図1の画像送信システムのFAX画像の順次同報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図6】この開示の実施形態2に係る画像送信システムの構成の一例を示す説明図である。
図7】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX画像の送信時間レベル判定処理の一例を示すフローチャートである。
図8】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX画像の送信時間レベル判定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX画像の宛先情報の種別を示す履歴データの一例である。
図10】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX画像の宛先情報の種別ごとの記憶内容を示す履歴データの一例である。
図11】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX画像の順次同報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図12】この開示の実施形態3に係る画像送信システムのFAX画像の宛先情報の種別ごとの記憶内容を示す履歴データの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この開示において、「画像送信装置」は、複数の宛先に同報送信可能な画像データの送信装置である。
画像送信装置としては、FAX文書を送信するファクシミリ機能を有するFAX機器に限られず、インターネットFAX(送達確認要求あり/なし)、電子メール、FTP、Desktop、共有フォルダ(SMB)により画像データを送信可能な機器であってもよい。
【0016】
この開示の「画像データ送信部」は、通信部15によって実現される。
【0017】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0018】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、送信宛先ごとの送信履歴の送信時間に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0020】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の符号化方式に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、送信宛先ごとの送信履歴の符号化方式に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0022】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の再送回数および通信速度の低下回数に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、送信宛先ごとの送信履歴の再送回数および通信速度の低下回数に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0024】
前記制御部は、FAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の変調方式に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0025】
このようにすれば、FAXにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の変調方式に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0026】
前記制御部は、送達確認要求があるインターネットFAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の前記送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0027】
このようにすれば、送達確認要求があるインターネットFAXにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の前記送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0028】
前記制御部は、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の前記送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間に基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0029】
このようにすれば、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の前記送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0030】
前記制御部は、FAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、変調方式、再送回数および通信速度の低下回数の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0031】
このようにすれば、FAXにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の送信時間、符号化方式、変調方式、再送回数および通信速度の低下回数の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0032】
前記制御部は、送達確認要求があるインターネットFAXにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、前記送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0033】
このようにすれば、送達確認要求があるインターネットFAXにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の送信時間、符号化方式、送信宛先からの送達確認応答が返ってくる時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0034】
前記制御部は、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより前記画像データを送信する場合、前記送信宛先ごとの前記送信履歴の送信時間、符号化方式、前記送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づき、前記送信時間レベルを判定するものであってもよい。
【0035】
このようにすれば、送達確認要求がないインターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップまたは共有フォルダのいずれかにより画像データを送信する場合、送信宛先ごとの送信履歴の送信時間、符号化方式、送信宛先からのネットワークコマンドの応答時間の各要素に応じて予め定められた係数を与えて組み合わせたものに基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0036】
前記制御部は、前記送信宛先ごとの送信履歴を予め定められた時間帯別に前記記憶部に記憶させるものであってもよい。
【0037】
このようにすれば、予め定められた時間帯別に記憶部に記憶された送信履歴に基づいて複数の送信宛先の送信順が決定されるため、複数の送信宛先の同報送信を行う際に、従来よりも適切に前記送信宛先に対する画像データの送信順を設定可能な画像送信装置を実現できる。
【0038】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0039】
〔実施形態1〕
図1に基づき、この開示の画像送信装置の一実施形態であるデジタル複合機1を含む画像送信システム100について説明する。
【0040】
図1は、この開示のデジタル複合機1を含む画像送信システム100の構成の一例を示す説明図である。
【0041】
図1の例に示すように、この開示の画像送信システム100において、デジタル複合機1は、有線または無線のネットワーク3あるいは電話回線網4を介して相手機2A,2B,2C(以下、相手機2ともいう)に接続されている。
【0042】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびメール送信機能を有するMFP等の装置である。
また、デジタル複合機1は、ネットワーク3あるいは電話回線網4を通じて相手機2に画像データを送信する。
【0043】
<デジタル複合機1の概略構成>
次に、図2に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図2は、図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、FAX送受信部16および操作パネル17を備える。
【0045】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0046】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御する部分であって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0047】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0048】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、有線または無線のネットワーク3を経由して外部の情報処理装置等から画像データを取得するものであってもよく、USB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0049】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0050】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0051】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
【0052】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0053】
記憶部13は、デジタル複合機1の送信宛先ごとの送信履歴を記憶する。
記憶すべき送信履歴としては、例えば、「FAX」、「インターネットFAX(送達確認要求の有無)」、「E-mail」、「FTP」、「Desktop」、「共有フォルダ(SMB)」などの送信手段の種別が含まれる。
【0054】
また、「送信時間(送信に要した時間)」、「符号化方式」、「変調方式」(FAXの場合)、「画像データの再送回数=PPR信号を受信した回数」(FAXの場合)、「過去に通信速度が落ちたことがある」(FAXの場合)、「相手機からの送達確認応答が返ってくるまでの時間」(インターネットFAX(送達確認要求あり)の場合)、「相手機からのネットワークコマンドの応答時間」(インターネットFAX(送達確認要求の有無))、「E-mail」、「FTP」、「Desktop」、「共有フォルダ」(SMBの場合)なども含まれる。
【0055】
画像処理部14は、操作部172から入力された印刷等のジョブの指令に基づき、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0056】
通信部15は、ネットワーク3を通じて、相手機2との通信をおこない、これらの相手機2とデータを送受信する部分である。
【0057】
FAX送受信部16は、電話回線網4を通じて相手機2とFAXデータを送受信する部分である。
【0058】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0059】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0060】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0061】
<この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理>
次に、図3図5に基づき、この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理について説明する。
【0062】
実施形態1において、複数の相手機2A~2Cに対して、FAX画像の同報送信を実行する場合を想定する。
【0063】
図3は、図1の画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図3のステップS1において、デジタル複合機1の制御部10は、すべての宛先の入力が完了したか否かを判定する(ステップS1)。
【0065】
すべての宛先の入力が完了した場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS2において、制御部10は、送信原稿の読取が完了したか否かを判定する(ステップS2)。
【0066】
送信原稿の読取が完了した場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS3において、制御部10は、宛先を読み出す(ステップS3)。
【0067】
次に、ステップS4において、制御部10は、当該宛先について送信時間レベル判定処理を行う(ステップS4)。
送信時間レベル判定処理の詳細については、図4の説明において後述する。
【0068】
次に、ステップS5において、制御部10は、次の宛先があるか否かを判定する(ステップS5)。
【0069】
次の宛先がある場合(ステップS5の判定がYesの場合)、制御部10は、処理をステップS3に戻し、次の宛先を読み出す。
【0070】
一方、次の宛先がない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、ステップS6において、制御部10は、すべての宛先の送信順序の入替処理を行う(ステップS6)。
【0071】
具体的には、ステップS4で判定した送信時間レベルに基づき、レベルの値の小さい宛先から送信できるように宛先を並べ替える。
【0072】
なお、送信時間レベルが同じ複数の宛先がある場合、入力順のままにするか、あるいは、過去の送信履歴において送信時間が短い順など、予め定められた順序に従って宛先を並べ替えるようにしてもよい。
【0073】
次に、ステップS7において、制御部10は、ステップS6で入れ替えた送信順序にしたがって順次同報の送信処理を行って(ステップS7)、処理を終了する。
【0074】
ここで、送信情報の履歴としては、過去のFAX通信に要した時間、FAX画像データの再送回数、通信速度が所定の値よりも低下した回数などが含まれる。
【0075】
<この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX画像の送信時間レベル判定処理>
次に、図1の画像送信システム100のFAX画像の送信時間レベル判定処理について説明する。
【0076】
図4は、図1の画像送信システム100の送信時間レベル判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図4のステップS11において、制御部10は、当該宛先の送信時間レベルを1に設定する(ステップS11)。
【0078】
次に、ステップS12において、制御部10は、記憶部13にアクセスして、当該宛先について過去の送信履歴があるか否かを判定する(ステップS12)。
【0079】
当該宛先について過去の送信履歴がない新規の宛先である場合(ステップS12の判定がNoの場合)、ステップS13において、制御部10は、送信時間レベルに予め定められた任意の値(整数値)を加えて(ステップS13)、図3のステップS5の判定に処理を戻す。
【0080】
ここで、送信時間レベルに加えるべき値として、例えば、新規の宛先を最初に送信したい場合は、当該宛先の送信時間レベルに1を加える。
一方、新規の宛先を最後に送信したい場合は、当該宛先の送信時間レベルに100を加える。
【0081】
ステップS12において、当該宛先について過去の送信履歴がある場合(ステップS12の判定がYesの場合)、ステップS14において、当該宛先の送信時間レベルに当該宛先の過去の送信時間に応じた値をかける(ステップS14)。
【0082】
例えば、直近の予め定められた期間の送信時間の平均時間Tavg(分)(端数切捨てまたは四捨五入したもの)を算出し、当該宛先の送信時間レベルに平均時間Tavgをかける(または加える)。
また、送信時間の平均時間Tavg(分)の代わりに、前回の送信時間Tprv(分)を用いて計算してもよい。
なお、端数の切捨てまたは四捨五入を最後に行うようにしてもよい。
【0083】
送信時間から送信時間レベルの算出方法については、
・原稿の枚数やデータサイズに関係なく、送信時間で送信時間レベルを求める。
・送信した原稿の枚数も記憶しておき、原稿1枚当たりの送信時間に換算して送信時間レベルを求める。
・送信した原稿のデータサイズも記憶しておき、あるデータサイズ当たりの送信時間に換算して送信時間レベルを求める。
といった方法でもよい。
【0084】
次に、ステップS15において、制御部10は、符号化方式に応じた送信時間レベルの変更を行う(ステップS15)。
【0085】
圧縮率の高い符号化方式の宛先はサイズが小さくなるため、送信に要する時間も短くなる。
符号化方式は、JBIG,MMR,MR,MIHの順で圧縮率が高く、サイズが小さくなる。
【0086】
そこで、例えば、符号化方式がJBIGの場合、送信時間レベルを1倍にする。
また、符号化方式がMMRの場合、送信時間レベルを2倍にする。
また、符号化方式がMRの場合、送信時間レベルを3倍にする。
また、符号化方式がMIHの場合、送信時間レベルを4倍にする。
【0087】
次に、ステップS16において、制御部10は、変調方式に応じた送信時間レベルの変更を行う(ステップS16)。
【0088】
例えば、変調方式がV.34(MAXスピード33,600 bpsだが実際の回線環境では28,800 bps程度)の場合、送信時間レベルを1倍にする。
また、変調方式がV.17(MAXスピード14,400 bps)の場合、送信時間レベルを2倍にする。
また、変調方式がV.29(MAXスピード9,600 bps)の場合、送信時間レベルを3倍にする。
また、変調方式がV.27ter(MAXスピード4,800 bps)の場合、送信時間レベルを6倍にする。
【0089】
次に、ステップS17において、制御部10は、FAX画像データの再送回数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS17)。
【0090】
FAX画像データの再送回数が0よりも大きい場合(ステップS17の判定がYesの場合)、ステップS18において、制御部10は、送信時間レベルに1を加える(ステップS18)。
【0091】
なお、FAX画像データの再送回数が2以上の場合は、例えば、再送回数が2~3回なら2、再送回数が4~5回なら3というように、再送回数に応じた値を加えるようにしてもよい。
また、この場合、例えば送信時間レベルに2の値を加えるのではなく、送信時間レベルを2倍するようにしてもよい。
【0092】
一方、FAX画像データの再送回数が0の場合(ステップS17の判定がNoの場合)、ステップS19において、制御部10は、FAX通信速度が予め定められた速度よりも低下した回数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS19)。
【0093】
FAX通信速度が予め定められた速度よりも低下した回数が0よりも大きい場合(ステップS19の判定がYesの場合)、ステップS20において、制御部10は、送信時間レベルに1を加えて(ステップS20)、図3のステップS5の判定に処理を戻す。
【0094】
なお、FAX通信速度が予め定められた速度よりも低下した回数が2以上の場合は、例えば、低下回数が2~3回なら2、低下回数が4~5回なら3というように、低下回数に応じた値を加えるようにしてもよい。
また、この場合、例えば送信時間レベルに2の値を加えるのではなく、送信時間レベルを2倍するようにしてもよい。
【0095】
一方、FAX通信速度が予め定められた速度よりも低下した回数が0の場合(ステップS19の判定がNoの場合)、制御部10は、図3のステップS5の判定に処理を戻す。
【0096】
なお、図4の送信時間レベルの変更の際に加算または乗算すべき数値(+1やx2など)はあくまで一例にすぎず、他の数値であってもよい。
【0097】
また、ステップS13~S20の送信時間レベルの変更はすべて適用する必要はなく、これらのうち任意のものを1つだけか、任意の複数の組み合わせを適用するようにしてもよい。
【0098】
<この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理>
次に、図1の画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理について説明する。
【0099】
図5は、図1の画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図5のステップS21において、制御部10は、送信順序入れ替え後の次の宛先を読み出す(ステップS21)。
【0101】
次に、ステップS22において、制御部10は、宛先があるか否かを判定する(ステップS22)。
【0102】
宛先がない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、制御部10は、処理を終了する。
【0103】
一方、宛先がある場合(ステップS22の判定がYesの場合)、ステップS23において、制御部10は、当該宛先について送信処理を行う(ステップS23)。
【0104】
続くステップS24において、制御部10は、送信完了後、記憶部13に記憶された宛先ごとの過去の送信情報を更新させて(ステップS24)、処理を終了する。
【0105】
なお、宛先の環境が変化した場合、宛先が変化する前の過去の送信情報を削除するようにしてもよい。
【0106】
このようにして、FAX通信の過去の送信情報の履歴に応じて、従来よりも適切にFAXの送信先の宛先の優先順位を設定可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0107】
〔実施形態2〕
次に、図6図11に基づき、画像送信システム100のFAX送信時間レベル判定処理について説明する。
【0108】
実施形態1においては、宛先の種別としてFAXの送信先のみを対象としてFAX送信を行うデジタル複合機1について説明した。
【0109】
一方、実施形態2においては、宛先の種別としてFAX以外の送信先も対象としたデジタル複合機1について説明する。
【0110】
図6は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100の構成の一例を示す説明図である。
【0111】
図6の例に示すように、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100において、デジタル複合機1は、有線または無線のネットワーク3あるいは電話回線網4を介して相手機2Aに接続されている。
【0112】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびメール送信機能を有するMFP等の装置である。
また、デジタル複合機1は、ネットワーク3あるいは電話回線網4を通じて相手機2Aに画像データを送信する。
【0113】
実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0114】
<この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の送信時間レベル判定処理>
図7および図8は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の送信時間レベル判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0115】
ここで、図7のステップS31~S35およびS37~S41の処理は、図4(実施形態1)のステップS11~S20の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、図4に記載のない図7のステップS36の処理について説明する。
【0116】
図7のステップS35において、符号化方式に応じた送信時間レベルの変更を行った後(ステップS35)、ステップS36において、制御部10は、宛先の種別がFAXか否かを判定する(ステップS36)。
【0117】
図9は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の宛先情報の種別を示す履歴データの一例である。
【0118】
図9の例において、宛先情報として、宛先1および2には種別No.1、宛先3には種別No.7、宛先4には種別No.5、…宛先nには種別No.6がそれぞれ記憶されている。
【0119】
図10は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の宛先情報の種別ごとの記憶内容を示す履歴データの一例である。
【0120】
図10の例において、宛先情報として、種別No.1には「FAX」、種別No.2には「インターネットFAX(送達確認要求あり)」、種別No.3には「インターネットFAX(送達確認要求なし)」、種別No.4には「E-mail」、種別No.5には「FTP」、種別No.6には「Desktop」、種別No.7には「共有フォルダ(SMB)」の種別がそれぞれ割り当てられている。
【0121】
また、各種別につき、「送信時間(送信に要した時間)」、「符号化方式」、「変調方式」(FAXの場合)、「画像データの再送回数=PPR信号を受信した回数」(FAXの場合)、「過去に通信速度が落ちたことがある」(FAXの場合)、「相手機からの送達確認応答が返ってくるまでの時間」(インターネットFAX(送達確認要求あり)の場合)、「相手機からのネットワークコマンドの応答時間」(インターネットFAX(送達確認要求の有無))の記憶の有無が設定される。
【0122】
例えば、種別が「FAX」の場合、「送信時間」、「符号化方式」、「変調方式」、「画像データの再送回数=PPR信号を受信した回数」および「過去に通信速度が落ちたことがある」の5項目が記憶される。
【0123】
また、種別が「インターネットFAX(送達確認要求あり)」の場合、「送信時間」、「符号化方式」および「相手機からの送達確認応答が返ってくるまでの時間」の3項目が記憶される。
【0124】
その他の種別「インターネットFAX(送達確認要求なし)」、「E-mail」、「FTP」、「Desktop」および「共有フォルダ(SMB)」の場合、「送信時間」、「符号化方式」および「相手機からのネットワークコマンドの応答時間」の3項目が記憶される。
【0125】
図7のステップS36において、宛先の種別がFAXである場合(ステップS36の判定がYesの場合)、ステップS37において、制御部10は、変調方式に応じた送信時間レベルの変更を行う(ステップS37)。
【0126】
一方、宛先の種別がFAX以外の種別である場合(ステップS36の判定がNoの場合)、ステップS42において、制御部10は、宛先の種別がインターネットFAX(送達確認要求あり)か否かを判定する(ステップS42)。
【0127】
宛先の種別がインターネットFAX(送達確認要求あり)である場合(ステップS42の判定がYesの場合)、ステップS43において、制御部10は、当該宛先の送信時間レベルに相手機からの送達確認要求が返ってくるまでの時間に応じた値をかける(ステップS43)。
【0128】
例えば、直近の予め定められた期間の相手機からの送達確認要求が返ってくるまでの時間の平均時間Tavg(分)(端数切捨てまたは四捨五入したもの)を算出し、当該宛先の送信時間レベルに平均時間Tavgをかける(または加える)。
また、平均時間Tavg(分)の代わりに、前回の相手機からの送達確認要求が返ってくるまでの時間Tprv(分)を用いて計算してもよい。
なお、端数の切捨てまたは四捨五入を最後に行うようにしてもよい。
【0129】
宛先の種別がインターネットFAX(送達確認要求あり)でない場合(ステップS42の判定がNoの場合)、ステップS44において、制御部10は、当該宛先の送信時間レベルに相手機からのネットワークコマンドの応答時間に応じた値をかける(ステップS44)。
【0130】
例えば、直近の予め定められた期間の相手機からのネットワークコマンドの応答時間の平均時間Tavg(分)(端数切捨てまたは四捨五入したもの)を算出し、当該宛先の送信時間レベルに平均時間Tavgをかける(または加える)。
また、平均時間Tavg(分)の代わりに、前回のネットワークコマンドの応答時間Tprv(分)を用いて計算してもよい。
なお、端数の切捨てまたは四捨五入を最後に行うようにしてもよい。
【0131】
<この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理>
次に、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理について説明する。
【0132】
図11は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX画像の順次同報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0133】
ここで、図11のステップS51,S52およびS54の処理は、図5(実施形態1)のステップS21,S22およびS24の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、図5に記載のない図11のステップS53の処理について説明する。
【0134】
図11のステップS52の判定において、宛先がある場合(ステップS52の判定がYesの場合)、ステップS53において、制御部10は、当該宛先の種別に応じた送信処理を行う(ステップS53)。
【0135】
このようにして、宛先の種別としてFAX以外の送信先も対象としてFAX送信を行う場合も、過去の送信情報の履歴に応じて、従来よりも適切に送信先の宛先の優先順位を設定可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0136】
〔実施形態3〕
<この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理>
次に、図12に基づき、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理について説明する。
【0137】
実施形態1および2においては、FAX画像の宛先情報の種別ごとの記憶内容を時間帯によらず一律に記憶していたが、実施形態3においては、時間帯に応じて記憶する点に特徴がある。
【0138】
実施形態3に係る画像送信システム100の概略構成は、実施形態1(図1図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0139】
また、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX画像の同報送信処理のフローチャートも、実施形態2と同一であるため、説明を省略する。
【0140】
図12は、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX画像の宛先情報の種別ごとの記憶内容を示す履歴データの一例である。
【0141】
図12の例に示すように、宛先情報の各種別に対し、8:00~20:00および20:00~8:00の2つの時間帯に分けて記憶内容を履歴データとして記憶する。
【0142】
なお、図12の例に限らず、より細かい時間帯の区分に分けて履歴データを記憶するようにしてもよい。
【0143】
このようにして、予め定められた時間帯ごとの過去の送信情報の履歴に応じて、従来よりも適切に送信先の宛先の優先順位を設定可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0144】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0145】
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0146】
1:デジタル複合機、 2,2A,2B,2C:相手機、 3:ネットワーク、 4:電話回線網、 10:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:FAX送受信部、 17:操作パネル、 171:表示部、 172:操作部、 100:画像送信システム、 Tavg:送信時間の平均時間、 Tprv:前回の送信時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12