(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162122
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】成形用金型、成形物の成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/44 20060101AFI20241114BHJP
B29C 45/27 20060101ALI20241114BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B29C45/44
B29C45/27
B29C45/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077351
(22)【出願日】2023-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 篤史
(72)【発明者】
【氏名】上原 瑠哉
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AG07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK02
4F202CK17
4F202CK32
4F202CK54
4F202CK90
4F206AG07
4F206JA07
4F206JL02
4F206JN41
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】成形可能な成形物の形状や構造が限定されないような金型部品等を提供する。
【解決手段】金型部品であって、成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とからなる成形用金型に配置される金型部品であって、前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とからなる成形用金型に配置される金型部品であって、
前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成する、金型部品。
【請求項2】
前記第1の金型部品が前記成形物の前記第1の開口から連続する内壁を形成し、前記第2の金型部品が前記成形物の前記第2の開口の縁を形成する、請求項1に記載の金型部品。
【請求項3】
前記第1の開口と前記第2の開口とは、前記成形物の異なる面に形成されている、請求項2に記載の金型部品。
【請求項4】
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは挿抜方向が異なる、請求項1に記載の金型部品。
【請求項5】
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形用金型の異なる側面から挿抜される、請求項1に記載の金型部品。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の金型部品を備える、成形用金型であって、
第1の金型と、第2の金型とを備え、
前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を迂回するように形成されたランナー溝を有する、成形用金型。
【請求項7】
請求項6に記載の成形用金型であって、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物を成形する第1の工程と、
前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、
前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、
前記成形物を取り出す第4の工程と、
を含む、成形物の成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型部品、成形用金型、成形物の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に樹脂を用いて成形されたプラスチックモデルのような成形物は、ランナーに組み立ての対象となる複数のパーツが接続されて構成されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような成形物は、射出金型は固定側と可動側とで構成され、固定側と可動側との間に形成されたキャビティに流入された成形材料が固まることにより生成される。生成された成形物の形状や構造は射出金型の形態に依存する。
【0005】
本発明では、成形可能な成形物の形状や構造が限定されないような金型部品、成形用金型、成形物の成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、金型部品であって、成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とからなる成形用金型に配置される金型部品であって、前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成する。
【0007】
本発明の他の一つは、例えば、上述の金型部品を備える成形用金型であって、第1の金型と、第2の金型とを備え、前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を迂回するように形成されたランナー溝を有する。
【0008】
本発明の更に他の一つは、例えば成形物の成形方法であって、上述の成形用金型であって前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物を成形する第1の工程と、前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、前記成形物を取り出す第4の工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、成形可能な成形物の形状や構造が限定されないような金型部品、成形用金型、成形物の成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る成形装置10の断面を例示する図。
【
図2】実施形態に係る成形物の成形方法の一例に対応するフローチャート。
【
図3】実施形態に係る成形物の外観の一例を示す図。
【
図4】成形物の成形方法を説明するためのスライド金型部品の利用方法の例を示す図。
【
図5】成形物を構成する面とスライド金型部品との対応を説明するための図。
【
図6】スライド金型部品の挿抜経路を確保するためのランナーの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、各図において、紙面に対する上下左右表裏方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右表裏方向として、本文中の説明の際に用いることとする。なお本発明は、以下に説明する実施形態おいて成形材料として樹脂材料を想定するがこれに限定されず、他の材質(ポリスチレン、ポリエチレン、ABS等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属等)も適用可能である。
【0012】
図1に発明の実施形態に対応する成形装置10の断面図を示す。本実施形態の成形装置10は
図1に示すように、成形材料を射出する不図示の成形材射出装置の移動側に取り付けられる移動金型本体102と、成形材射出装置の固定側に取り付けられる固定金型本体103とを有する。移動金型本体102と固定金型本体103とにはそれぞれ成形材料が流入されるランナー溝が形成されている。
【0013】
移動金型本体102は、雄型106を取り付ける雄型取付板107と、雄型取付板107を固定する固定台108と、成形材射出装置に取り付けられる移動側取付板109と、固定台108と移動側取付板109との間に設けられたスペーサ110と、を有している。雄型106と雄型取付板107とは一体的に構成されていてもよいし、別体として独立して構成されていてもよい。固定台108には空室111が形成され、空室111内には移動可能な押し出し板112が設けられている。押し出し板112は、固定台108及び移動側取付板109に形成された開口部114、115に設けられた押圧軸116に固定されている。また、押し出し板112には、雄型取付板107及び雄型106を貫通するノックアウトピン113が形成されている。ここで、押し出し板112を移動することにより、ノックアウトピン113の先端がランナー溝内に突出するように形成されている。
【0014】
固定金型本体103は、成形材射出装置に取り付けられる固定取付板117と、雌型118が取り付けられる雌型取付板119と、固定取付板117と雌型取付板119との間に設けられるスペーサ120とを有している。雌型118と雌型取付板119とは一体的に構成されていてもよいし、別体として独立して構成されていてもよい。固定金型本体103には、成形射出装置から溶融した成形材料を注入するためのスプルーブッシュ104が装着されている。スプルーブッシュ104は固定取付板117を貫通して雌型118にまで延在され、その内部には溶融樹脂の供給流路となるスプルー105が形成されている。スプルー105には、雌型118と雄型106に形成されたランナー溝が連通しており、このランナー溝を介して雌型118と雄型106とに形成された成形空間(キャビティ)に成形材料が流入される。
【0015】
雄型106と雌型118にはそれぞれ凹凸形状が形成されており、当該凹凸が合わさって成形物の外形を規定するキャビティが形成される。成形材料はキャビティ内に流入し、冷却され固まるとキャビティ形状に対応する成形物が形成される。以下、雄型106と雌型118とを纏めて成形用金型ともいう。
【0016】
成形用金型は、当該成形用金型に対して挿抜可能に構成された複数の金型部品を含むように構成されている。当該金型部品は、雄型106と雌型118の接触面に配置され、当該接触面に直交する成形用金型の側面から成形用金型に形成されたキャビティ内に挿入される。これにより、雄型106と雌型118で規定されるキャビティの内側への成形材料の流入を防ぐことができ、中空状或いは筒状の成形物を形成することが可能となる。
【0017】
本実施形態では、1つの成形物を成形するためのキャビティに対して複数の方向から金型部品を挿入することにより、単一の金型部品ではなし得なかった形状の成形物を成形することを可能とする。本実施形態では、上述の金型部品のことをスライド金型部品と称する。
【0018】
図1に示す成形装置10において、ランナー溝や各パーツを形成するためのキャビティに成形材料を流入させて成形物を形成した後、移動金型本体102を固定金型本体103から離間させ、その後、移動金型本体102からスライド金型部品を分離させていき、全てのスライド金型部品が分離された後に、押圧軸116を押圧して押し出し板112を移動させると、押し出し板112に設けられたノックアウトピン113が移動金型本体102を構成する雄型106に付着した成形物を押し出し、成形物を取り出すことができる。
【0019】
図1は成形装置10の構造を一例として示す図であって、成形装置10の構造は
図1に示すものに限定されず、様々な変更が可能である。
【0020】
次に
図2を参照して、本実施形態に対応する成形物の成形方法を説明する。まず、S201において、成形装置10の移動金型本体102に雄型106をセットし、続くS202において、第1スライド金型部品を、S203において第2スライド金型部品をそれぞれセットする。ここで、第1スライド金型部品と第2スライド金型部品をペアの金型部品とし、当該2つのスライド金型部品の組合せと、雄型106及び雌型118により、中空の成形物を成形可能とするものである。また、雄型106及び雌型118に対して当該スライド金型部品のペアを複数含めることができる。また、1つの成形物についてスライド金型部品を3つ以上組み合わせてもよい。
【0021】
第1スライド金型部品及び第2スライド金型部品は、成形装置10の移動金型本体102の所定のスライド機構に取り付けることができる。当該スライド機構により、各スライド金型は所定の方向にスライド移動(摺動)して、成形材料の投入前に雄型と雌型で形成されるキャビティ内に挿入され、また、成形材料が固化した後は抜去される。
【0022】
続くS204において、スライド金型部品を含む移動金型本体102を、固定金型本体103側に移動させ、固定金型本体103と合体する。続くS205において、スプルー105から成形材料を注入し、成形材料が雄型106、雌型118、スライド金型部品で形成されるキャビティ内に流入する。その後、成形材料が冷えて固まったら、移動金型本体102を固定金型本体103から離間する。この時点で成形物は移動金型本体102側に張り付いている。
【0023】
続くS207において第1スライド金型部品を上述の成形装置10のスライド機構により成形物内部から離間させ、S208において第2スライド金型部品を上述の成形装置10のスライド機構により成形物内部から離間させる。スライド金型部品を離間させる前に成形物を取り出そうとすると成形物を破損しかねないため、成形物の取り出しは全てのスライド金型部品を離間させた後とする。続くS209において、押し出し板112を移動してノックアウトピン113の先端をランナー溝内に突出させることで、成形物の取り出しを行う。
【0024】
次に、
図3を参照して、本実施形態に対応する成形物の構成の一例を示す。
図3(A)は成形物300の開口301が正面を向く方向からの成形物300の外観の一例を示す図である。
図3(B)は成形物300の開口301が左側を向く方向からの成形物300の外観の一例を示す図である。
図3(C)は成形物300の底面側からの成形物300の外観の一例を示す図である。
【0025】
図3に示す成形物300は、正面の開口301と底面の開口303との2つの開口を有し、当該開口が接続された中空状の模型部品である。成形物300は開口301と開口303を介して他の成形物と結合することが可能に構成されており、これにより完成品の玩具体の一部を構成することができる。開口301と開口303とは、成形物300の異なる面に形成されているが、開口の配置は
図3に示す形態に限定されるものではない。
【0026】
成形物300のような形状の模型部品は、2つの成形物を組み合わせて作ることも可能であるが、本実施形態では単体パーツとして成形することを想定している。従って、開口301から開口303へ接続する中空部分はスライド金型部品により成形材料をキャビティから排除することにより形成する必要がある。その際、単一のスライド金型部品のみで中空部分を成形しようとすると、
図3の斜線領域304で示す部分を開口させる必要がある。しかし、開口301が大きくなるとその分だけ内部の構造が外部から視認可能となるため好ましくない。
【0027】
そこで本実施形態では、開口303側から挿入して中空部分を形成するためのスライド金型部品(第1スライド金型部品)と、開口301の縁部302を形成するためのスライド金型部品(第2のスライド金型部品)との組み合わせにより、開口301を可能な限り小さく維持しつつ、中空部分を形成することを可能とする。
【0028】
図4は、スライド金型部品と雄型106との関係の一例を示す断面図である。
図4において(A)は、単一のスライド金型部品401のみを使用した場合を示し、(B)はスライド金型部品411及び412を使用した場合を示す。
【0029】
図4(A)において、スライド金型部品401は雄型106の底面側から挿入され、頂部側が突出している。これにより、中空状の成形物400を成形することができる。但し、このとき、成形物400の頂部側の開口は、スライド金型部品401を抜去する際に抜去の妨げにならないような形態でなければならない。
【0030】
これに対し
図4(B)において、スライド金型部品411は雄型106の底面側から挿入され、頂部側には雄型106の斜め上方向からスライド金型部品412が挿入されている。これにより、中空状の成形物410を成形することができる。このように、スライド金型部品411とスライド金型部品412とは成形用金型の異なる側面から挿抜される。このとき、成形物410の頂部側の開口は、スライド金型部品411とスライド金型部品412との組み合わせによりその形態が規定される。即ち、当該開口のうち、スライド金型部品411を引き出す際に妨げにならない第1の部分についてはスライド金型部品411により形成し、残りの第2の部分をスライド金型部品412を引き出す際に妨げにならない範囲で形成することができる。或いは、開口(特に縁部)の全部をスライド金型部品412により形成してもよい。これにより、引き出し方向が異なる複数のスライド金型部品により単一のスライド金型部品では形成することができなかった形状を実現することができる。
【0031】
次に
図5を参照して、成形物300の中空部分の構成について説明する。
図5(A)は、
図3(A)の成形物300のA-A断面において、成形物300を一方方向から見た場合の断面構成の一例を示す。
図5(B)は、
図3(A)の成形物300のA-A断面において、成形物300を一方方向とは逆の方向から見た場合の断面構成の一例を示す。
【0032】
このとき、成形物300の下側開口303から連続する内壁部分501に相当する範囲は
図4のスライド金型部品411に相当する第1スライド金型部品により成形することができる。また、
図3で成形物300の開口301の縁部302として示した部分に相当する範囲は
図4のスライド金型部品412に相当する第2スライド金型部品により成形することができる。このようにして、スライド金型部品の組合せにより、単一のスライド金型部品では成形することができなかった形状の成形物を成形することができる。
【0033】
次に、
図6を参照してスライド金型部品の挿抜経路を確保するためのランナー構造の例を説明する。
図6(A)は、スライド金型部品が挿入された状態の一例を示す図であり、
図6(B)は、スライド金型部品が抜去された状態の一例を示す図である。なお、
図6では、雄型106や雌型118は省略している。
【0034】
図6(A)に示すように、成形物601に対してスライド金型部品602が挿入された状態となっている。このとき成形物601はランナー603と接続されている。ランナーのうちスライド金型部品の挿抜方向に存在しているランナーパーツ603は、スライド金型部品602を迂回する(或いは、跨ぐ)形状となっている。これにより、
図6(B)に示すようにスライド金型部品602の挿抜経路が確保されるので、挿抜の際にランナーパーツ603が邪魔になることがない。仮にランナーパーツ603がスライド金型部品602と重なる位置に存在した場合、ランナー溝に成形材料を注入することができなくなるか、或いは、ランナーを破壊してスライド金型部品602を抜去しなければならなくなる。そこで、本実施形態では、雄型106或いは雌型118の少なくともいずれかに、スライド金型部品602或いはその挿抜経路を迂回するようにランナー溝を形成している。
【0035】
図6では、一方向にのみランナーパーツ603を有する場合を示しているが、上述の2本のスライド金型部品、或いは、それより多くのスライド金型部品を使用する場合、それぞれのスライド金型部品の挿抜方向に位置するランナーを、スライド金型部品の挿抜経路を確保するように迂回して配置する。
【0036】
以上の実施形態に対応する成形用金型によれば、2つ以上のスライド金型部品を組み合わせることにより、単一のスライド金型部品では成形することのできなかった形状の成形物を成形することができる。
【0037】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の金型部品、成形用金型、成形物の成形方法を少なくとも開示する。
(1) 成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とからなる成形用金型に配置される金型部品であって、
前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成する、金型部品。
(2) 前記第1の金型部品が前記成形物の前記第1の開口から連続する内壁を形成し、前記第2の金型部品が前記成形物の前記第2の開口の縁を形成する、(1)に記載の金型部品。
(3) 前記第1の開口と前記第2の開口とは、前記成形物の異なる面に形成されている、(2)に記載の金型部品。
(4) 前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは挿抜方向が異なる、(1)から(3)のいずれか1つに記載の金型部品。
(5) 前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形用金型の異なる側面から挿抜される、(1)から(4)のいずれか1つに記載の金型部品。
(6) (1)から(5)のいずれか1つに記載の金型部品を備える、成形用金型であって、
第1の金型と、第2の金型とを備え、
前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を迂回するように形成されたランナー溝を有する、成形用金型。
(7) (6)に記載の成形用金型であって、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物を成形する第1の工程と、
前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、
前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、
前記成形物を取り出す第4の工程と、
を含む、成形物の成形方法。
【0038】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とを有する成形用金型であって、
前記成形用金型に配置される金型部品を備え、
前記金型部品は、
前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成し、
前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を跨いで迂回するように形成されたランナー溝を有する、成形用金型。
【請求項2】
前記第1の金型部品が前記成形物の前記第1の開口から連続する内壁を形成し、前記第2の金型部品が前記成形物の前記第2の開口の縁を形成する、請求項1に記載の成形用金型。
【請求項3】
前記第1の開口と前記第2の開口とは、前記成形物の異なる面に形成されている、請求項2に記載の成形用金型。
【請求項4】
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは挿抜方向が異なる、請求項1に記載の成形用金型。
【請求項5】
前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形用金型の異なる側面から挿抜される、請求項1に記載の成形用金型。
【請求項6】
請求項1に記載の成形用金型であって、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物であって、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を跨いで迂回するように形成されたランナーを含む成形物を成形する第1の工程と、
前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、
前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、
前記成形物を取り出す第4の工程と、
を含む、成形物の成形方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、成形用金型、成形物の成形方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の他の一つは、例えば、上述の金型部品を備える成形用金型であって、第1の金型と、第2の金型とを備え、前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を迂回するように形成されたランナー溝を有する。
また、成形材料を内部のキャビティに注入して、前記キャビティの形状に対応する成形物を生成するための第1の金型と第2の金型とを有する成形用金型であって、前記成形用金型に配置される金型部品を備え、前記金型部品は、前記第1の金型と前記第2の金型との接触面に直交する前記成形用金型の側面より摺動により挿抜される第1の金型部品と、第2の金型部品とを含み、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品とは、前記成形物の第1の開口から第2の開口に接続する中空部分を形成し、前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくともいずれかに、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を跨いで迂回するように形成されたランナー溝を有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の更に他の一つは、例えば成形物の成形方法であって、上述の成形用金型であって前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物を成形する第1の工程と、前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、前記成形物を取り出す第4の工程とを含む。
また、成形物の成形方法であって、上述の成形用金型であって、前記第1の金型部品と前記第2の金型部品が所定位置に配置された成形用金型に成形材料を注入して、複数のパーツがランナーに接続されて構成される成形物であって、前記第1の金型部品及び前記第2の金型部品の挿抜経路を跨いで迂回するように形成されたランナーを含む成形物を成形する第1の工程と、前記成形用金型から、前記第1の金型部品を抜去する第2の工程と、前記成形用金型から、前記第2の金型部品を抜去する第3の工程と、前記成形物を取り出す第4の工程とを含む。