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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162151
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】荷重検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/20 20060101AFI20241114BHJP
   G01L 5/00 20060101ALN20241114BHJP
   G01L 5/1623 20200101ALN20241114BHJP
【FI】
G01L1/20 G
G01L5/00 101Z
G01L5/1623
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077428
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金城 拓海
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB07
(57)【要約】
【課題】入力面の凹凸数を低減でき、突起のせん断変形のし易さを確保しつつ、回転荷重を検出できる荷重検出装置を提供する。
【解決手段】荷重検出装置は、第1方向に順に配置された圧力検出部と弾性変形部と入力部を有する。圧力検出部はアレイ基板センサ層を有し、複数のアレイ電極は第2方向と第3方向とのそれぞれに配列し、弾性変形部は、第2方向及び第3方向に配列する複数の第1突起を有し、第1突起は、第2方向に配列する2つ以上のアレイ電極と、第3方向に配列する2つ以上のアレイ電極と、のそれぞれと重なるように配置され、入力部は、第2方向及び第3方向に配列する複数の第2突起を有し、第2突起は、第1方向から視て、第2方向に配列する少なくとも2つ以上の第1突起と、第3方向に配列する少なくとも2つ以上の第1突起と、のそれぞれと重なるように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に順に配置された圧力検出部と弾性変形部と入力部を有し、
前記圧力検出部は、
前記第1方向を向く第1面に複数のアレイ電極が設けられたアレイ基板と、
複数の前記アレイ電極と対向するセンサ層と、
を有し、
複数の前記アレイ電極は、前記第1方向と交差する第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向と、のそれぞれに配列し、
前記弾性変形部は、前記第2方向及び前記第3方向に配列する複数の第1突起を有し、
前記第1突起は、前記第1方向から視て、前記第2方向に配列する少なくとも2つ以上の前記アレイ電極と、前記第3方向に配列する少なくとも2つ以上の前記アレイ電極と、のそれぞれと重なるように配置され、
前記入力部は、前記第2方向及び前記第3方向に配列する複数の第2突起を有し、
前記第2突起は、前記第1方向から視て、前記第2方向に配列する少なくとも2つ以上の前記第1突起と、前記第3方向に配列する少なくとも2つ以上の前記第1突起と、のそれぞれと重なるように配置されている
荷重検出装置。
【請求項2】
前記第2突起は、前記第1方向から視て、前記第2方向に配列する少なくとも3つ以上の前記第1突起と、前記第3方向に配列する少なくとも3つ以上の前記第1突起と、のそれぞれと重なるように配置され、
前記第1方向から視て、1つの前記第2突起と重なる少なくとも9つ以上の前記第1突起のうち、一部は前記第1方向の端部が前記第2突起と接着し、残りは前記第1方向の端部が前記第2突起と未接着である
請求項1に記載の荷重検出装置。
【請求項3】
前記第2突起は、前記第1突起よりも剛性が高い
請求項1又は請求項2に記載の荷重検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷重検出装置は、検出面に垂直に入力する荷重(圧力)と、検出面と平行な方向に入力する荷重と、を検出する装置である。以下、検出面と平行な方向を水平方向という。下記特許文献の荷重検出装置は、圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部に重ねられた弾性変形部と、を備えている。圧力検出部は、複数のアレイ電極が設けられたアレイ基板と、アレイ電極と対向するセンサ層と、を備えている。また、弾性変形部は、複数の突起(バンプ)を有している。1つの突起は、複数のアレイ電極に跨って配置されている。突起の底面は圧力検出部に固定され、突起の先端部に荷重が入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-200281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷重検出装置は、荷重の入力面が複数の突起で構成され凹凸状となる。この凹凸の数が多いと、突起間に異物等が侵入し易く、好ましくない。これに対し、突起を大きくし、凹凸の数を低減することが考えられる。しかしながら、突起が大きくなると、水平方向の荷重の入力時にせん断変形し難く、検出感度が悪くなる。また、荷重検出装置では、圧力や水平方向の荷重以外に、回転荷重(入力面に対し垂直な軸を中心とする回転方向の荷重)を検出できることが望まれている。
【0005】
本発明は、入力面の凹凸数を低減でき、突起のせん断変形のし易さを確保しつつ、回転荷重を検出できる荷重検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る荷重検出装置は、第1方向に順に配置された圧力検出部と弾性変形部と入力部を有している。前記圧力検出部は、前記第1方向を向く第1面に複数のアレイ電極が設けられたアレイ基板と、複数の前記アレイ電極と対向するセンサ層と、を有している。複数の前記アレイ電極は、前記第1方向と交差する第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向と、のそれぞれに配列している。前記弾性変形部は、前記第2方向及び前記第3方向に配列する複数の第1突起を有している。前記第1突起は、前記第1方向から視て、前記第2方向に配列する少なくとも2つ以上の前記アレイ電極と、前記第3方向に配列する少なくとも2つ以上の前記アレイ電極と、のそれぞれと重なるように配置されている。前記入力部は、前記第2方向及び前記第3方向に配列する複数の第2突起を有している。前記第2突起は、前記第1方向から視て、前記第2方向に配列する少なくとも2つ以上の前記第1突起と、前記第3方向に配列する少なくとも2つ以上の前記第1突起と、のそれぞれと重なるように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1に係る荷重検出装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すII-II線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。
図3図3は、実施形態1の圧力センサの回路構成を示す回路図である。
図4図4は、実施形態1において突起と個別検出領域との対応関係を示す模式図である。
図5図5は、実施形態1において第1突起に押圧方向の荷重が入力された場合の断面図である。
図6図6は、実施形態1において突起に水平方向の荷重が入力された場合の断面図である。
図7図7は、実施形態1において第2突起と第1突起との対応関係を示す模式図である。
図8図8は、実施形態1において第2突起に水平荷重が作用した場合を断面視した模式図である。
図9図9は、実施形態1において第2突起に回転荷重が作用した場合を平面視した模式図である。
図10図10は、実施形態2の荷重検出装置において、第2突起と第1突起の対応関係を示す模式図である。
図11図11は、図10のXI-XI線の断面を模式化し、矢印方向から視た模式図である。
図12図12は、実施形態2において第2突起に水平荷重が作用した場合を断面視した模式図である。
図13図13は、実施形態2において第2突起に回転荷重が作用した場合を平面視した模式図である。
図14図14は、変形例1の圧力検出部を積層方向に切った断面図である。
図15図15は、変形例2の圧力検出部を積層方向に切った断面図である。
図16図16は、変形例3の圧力検出部であって、圧力入力前の状態を積層方向に切った断面図である。
図17図17は、変形例3の圧力検出部であって、圧力入力後の状態を積層方向に切った断面図である。
図18図18は、変形例4の圧力検出部であって、圧力入力前の状態を積層方向に切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の荷重検出装置を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示の発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る荷重検出装置を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、荷重検出装置100は、圧力検出部1と、圧力検出部1の一面(検出面1a)に配置された弾性変形部60と、弾性変形部60から視て圧力検出部1と反対方向に配置された入力部80と、を備えている。
【0011】
以下の説明において、圧力検出部1と弾性変形部60と入力部80が配置された方向を積層方向と称する。積層方向のうち、圧力検出部1から視て入力部80が配置された方向を第1方向X1と称する。第1方向X1と反対方向を押圧方向X2と称する。押圧方向X2から視ることを平面視と称する。また、圧力検出部1の一面(検出面1a)と平行な方向を水平方向と称する。
【0012】
荷重検出装置100は、押圧方向X2の荷重(圧力)と、水平方向の荷重と、回転方向の荷重(図1の矢印H2を参照)を検出する。回転方向の荷重とは、図1に示すように、積層方向に延在する仮想線H1を中心に回転方向の荷重H2である。また、荷重検出装置100のうち、第1方向X1に配置される面が荷重の入力面90となっている。よって、入力面90は、入力部80によって構成されている。
【0013】
圧力検出部1は、積層方向の厚みが小さく、かつ水平方向に延在する平板状の装置である。圧力検出部1は、第1方向X1を向く検出面1aを有している。圧力検出部1の検出面1aは、検出面1aの中央部に位置し圧力を検出可能な検出領域2と、検出領域2の外側を囲む周辺領域3と、に区分けされる。
【0014】
検出領域2は、平面視で長方形に形成されている。よって、検出領域2の外枠Lは、一対の長辺2aと、一対の短辺2bと、を有している。以下、長辺2aと平行な方向を第2方向Yと称する。短辺2bと平行な方向を第3方向Zと称する。検出領域2は、第2方向Yと第3方向Zとに複数に区分けされている。この区分けされた領域を個別検出領域4と称する。
【0015】
図2は、図1に示すII-II線で切った断面を矢印方向から視た断面図である。図2に示すように、圧力検出部1は、第1方向X1に順に配置されたアレイ基板10と、センサ層30と、共通電極40と、保護層50と、を有している。また、アレイ基板10は、第1方向X1に順に配置された基板11とアレイ層12とを有している。
【0016】
基板11は、アレイ層12の基材であり、絶縁性を有している。基板11は、圧力検出部1に荷重が加えられても変形し難い材料により形成され、例えば、ガラス基板、樹脂基板等が挙げられる。
【0017】
アレイ層12は、基板11に積層され、基板11と一体化している。アレイ層12は、特に図示しないが、積層方向に積層された複数の絶縁層を有している。アレイ層12の内部には、複数の駆動用トランジスタ(スイッチ素子)13が設けられている。駆動用トランジスタ13は、半導体層13aと、ゲート絶縁膜13bと、ゲート電極13cと、ドレイン電極13dと、ソース電極13eと、を備えている。駆動用トランジスタ13は、検出領域2の範囲に配置されている。駆動用トランジスタ13は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。よって、複数の駆動用トランジスタ13は、個別検出領域4に対応して第2方向Yと第3方向Zに配列している。
【0018】
アレイ層12は、第1方向X1を向く第1面12aを有している。この第1面12aには、複数のアレイ電極20が設けられている。アレイ電極20は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの金属材料で製造されている。アレイ電極20は、平面視で矩形状に形成されている(図4参照)。アレイ電極20は、検出領域2の範囲に配置されている。アレイ電極20は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。よって、複数のアレイ電極20は、個別検出領域4に対応して第2方向Yと第3方向Zに配列している(図1参照)。平面視で、アレイ電極20は、個別検出領域4の中央部に位置している(図4参照)。アレイ電極20には、駆動用トランジスタ13のソース電極13eが接続している。
【0019】
アレイ層12は、駆動用トランジスタ13を駆動するための各種構成を含んでいる。具体的に、アレイ層12は、接続部7(図1参照)、ゲート線駆動回路8(図1参照)、信号線選択回路9(図1参照)、ゲート線14(図3参照)、及び信号線15(図3参照)を有している。
【0020】
図1に示すように、接続部7、ゲート線駆動回路8、及び信号線選択回路9は、周辺領域3に配置されている。接続部7は、圧力検出部1の外部に配置された駆動IC(Integrated Circuit)と接続するためのものである。なお、本開示においての駆動ICは、接続部7に接続されたフレキシブルプリント基板や、リジット基板の上にCOF(Chip On Film)として実装されてもよい。または、駆動ICは、周辺領域3にCOG(Chip On Glass)として実装されてもよい。
【0021】
ゲート線駆動回路8は、駆動ICからの各種制御信号に基づいて複数のゲート線14(図3参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路8は、複数のゲート線14を順次又は同時に選択し、選択されたゲート線14にゲート駆動信号を供給する。信号線選択回路9は、複数の信号線15(図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路9は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路9は、駆動ICから供給される選択信号に基づき、選択された信号線15と駆動ICとを接続する。
【0022】
図3は、実施形態1の圧力センサの回路構成を示す回路図である。図3に示すように、ゲート線14は、一端がゲート線駆動回路8に接続され、検出領域2内を第3方向Zに延在している。また、検出領域2内において第2方向Yに複数のゲート線14が配列している。信号線15は、一端が信号線選択回路9に接続され、検出領域2内を第2方向Yに延在している。また、検出領域2内において第3方向Zに複数の信号線15が配列している。
【0023】
ゲート線14には、駆動用トランジスタ13のゲート電極13cが接続している。信号線15には、駆動用トランジスタ13のドレイン電極13dが接続している。よって、ゲート線14を走査すると、駆動用トランジスタ13が閉じる。これにより、アレイ電極20に入力された電気信号(電流値)は、駆動用トランジスタ13を介して、信号線15に出力される。そして、電気信号(電流値)は、信号線15から駆動ICに送られる。
【0024】
そのほか、特に図示しないが、アレイ層12は、周辺領域3に沿って延在する共通配線を有している。共通配線は、共通電極40に電流を供給するための配線である。共通配線は、接続部7を介して駆動ICに接続し、駆動ICから一定量の電流が供給されている。
【0025】
図2に示すように、保護層50は、水平方向に延在し、かつ絶縁性を備えている。アレイ基板10の第1面12aのうち周辺領域3には、図示しない枠状のスペーサが設けられている。保護層50は、この図示しないスペーサに支持されている。これにより、保護層50は、アレイ基板10に対し第1方向X1に離隔して配置される。また、保護層50は、第1方向X1を向く検出面1aと、押圧方向X2を向き、アレイ電極20と対向する対向面51と、を有している。
【0026】
共通電極40は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの金属材料で形成されている。共通電極40は、保護層50の対向面51に成膜されたベタ膜であり、検出領域2の全ての領域で設けられている。共通電極40は、図示しない配線により共通配線(不図示)と接続している。よって、共通電極40には、駆動ICから一定量の電流が供給されている。
【0027】
センサ層30は、共通電極40の押圧方向X2の面41に設けられている。センサ層30は、検出領域2の全ての領域で設けられている。センサ層30は、導電性樹脂により形成されている。センサ層30の押圧方向X2の面には、複数の凸部30aが設けられている。各凸部30aは、アレイ電極20及びアレイ層12の第1面12aと離隔している。よって、アレイ電極20及び第1面12aと、センサ層30との間に隙間が生じている。
【0028】
弾性変形部60は、弾性変形可能な材料で形成されている。よって、弾性変形部60に荷重が入力されると変形し、荷重がなくなると元の形状に復帰する。弾性変形部60を形成する代表的な材料として、ゴム、樹脂等が挙げられるが、本開示はこれらに限定されない。
【0029】
図1に示すように、実施形態1の弾性変形部60は、複数の第1突起61を有している。第1突起61は、四角柱状に形成されている。第1突起61は、第2方向Y及び第3方向Zに配列している。なお、図1においては、検出領域2内を見え易くするため、複数の第1突起61のうち一部の第1突起61を図示していない。
【0030】
本実施形態の弾性変形部60は、複数の第1突起61のみから成る。つまり、複数の第1突起61はそれぞれ独立している。図2に示すように、第1突起61の第1方向X1の端部は先端部62となっている。第1突起61は、第1方向X1を向く先端面63と、押圧方向X2を向く底面64と、4つの側面65と、を有している。
【0031】
底面64は、圧力検出部1の検出面1aに固定されている。固定方法は、接着や溶着が挙げられるが、本開示はこれらの方法に限定されない。4つの側面65のうち2つが第2方向Yを向き、残り2つが第3方向Zを向いている。よって、第2方向Yや第3方向Zに隣り合う2つの第1突起61は、互いに側面65同士が対向している。
【0032】
図1に示すように、第1突起61は、第2方向Y及び第3方向Zのそれぞれに配置された他の第1突起61に対し離隔している。第1突起61を積層方向に切った断面形状は、四角形となっている。なお、本実施形態の第1突起61は、積層方向の断面形状が四角形となっているが、本開示はこれに限定されず、例えば、断面形状が台形であってもよい。
【0033】
図4は、実施形態1において突起と個別検出領域との対応関係を示す模式図である。図4に示すように、平面視すると、第1突起61は、複数の個別検出領域4に跨って配置されている。よって、1つの第1突起61に荷重が入力されると、4つの個別検出領域4に荷重が作用(伝達)する。以下、4つの個別検出領域4を1つにまとめて荷重検出領域5と称する。また、底面64は、4つの辺66を有している。各辺66は、平面視でアレイ電極20と重なっている。
【0034】
図5は、実施形態1において第1突起に押圧方向の荷重が入力された場合の断面図である。なお、図5では、第2突起81を図示していない。以上の構造によれば、図5に示すように、第1突起61の先端面63に圧力A(押圧方向X2への荷重)が入力されると、第1突起61が押圧方向X2へ移動する。また、第1突起61から共通電極40及びセンサ層30に荷重が伝達し、共通電極40及びセンサ層30も押圧方向X2に移動する。そして、センサ層30の凸部30aがアレイ電極20に接触する。
【0035】
これにより、アレイ電極20と共通電極40が電気的に接続し、共通電極40からアレイ電極20に電流が流れる(図5の矢印A1を参照)。また、アレイ電極20に流れた電流は、信号線15を介して駆動ICに送られる。駆動ICは、検出信号(電流)を受け取り、個別検出領域4に荷重が入力されたことを検出する。
【0036】
また、第1突起61に入力された圧力Aが大きい場合、アレイ電極20に接触する凸部30aに数が増加し、アレイ電極20との接触面積が増加する。さらに、凸部30aは、アレイ電極20に押し付けられて平坦化することで、アレイ電極20との接触面積が増加する。このような理由から、圧力Aの増加(接触面積の増加)に比例してアレイ電極20に入力する電流量が大きくなる。そして、駆動ICは、受け取った電流値の大きさから個別検出領域4に作用した荷重の大きさを検出する。
【0037】
また、第1突起61に作用した荷重が圧力(押圧方向X2の荷重)の場合、第1突起61に作用した圧力は、4つの個別検出領域4に均等に分散される。言い換えると、荷重検出領域5に含まれる4つの個別検出領域4のそれぞれで検出された荷重(電流値)が均等となる。よって、駆動ICは、荷重検出領域5に含まれる4つの個別検出領域4のそれぞれから検出された電流量が均等である場合、第1突起61に作用した荷重の向きが押圧方向X2と判断する。
【0038】
図6は、実施形態1において突起に水平方向の荷重が入力された場合の断面図である。なお、図6でも第2突起81を図示していない。次に、水平方向の荷重(図6の矢印B参照)が第1突起61に入力した場合について説明するが、本説明で説明する水平方向の荷重は、第3方向Zの荷重(以下、水平荷重Bを称する)とする。
【0039】
なお、水平荷重Bには、押圧方向X2の荷重成分が含まれている。このため、第1突起61の底面64から検出面1aに押圧方向X2の荷重が作用する。この結果、4つの個別検出領域4のそれぞれに属するセンサ層30はアレイ電極20と接触し、共通電極40からアレイ電極20に電流が流れる。このような理由から、水平荷重Bが第1突起61に入力された場合であっても、個別検出領域4のそれぞれから押圧方向X2の荷重が検出される。
【0040】
図6に示すように、水平荷重Bが第1突起61の先端部62に入力されると、第1突起61の先端部62は、荷重の方向(第3方向Z)に移動する。一方で、第1突起61の底面64が固定され、第1突起61自体は移動しない。よって、第1突起61がせん断変形し、第1突起61の断面形状が平行四辺形となる。
【0041】
第1突起61の断面形状が平行四辺形になると、第1突起61にせん断応力が発生する。このため、先端面63の4辺のうち水平荷重Bの方向にある辺(図6の辺63a)と、底面64の4つの辺66のうち水平荷重Bと反対方向にある辺(図6の辺66a参照)と、の間には、対角線上に伸張するような伸張応力(矢印B1)が作用する。これにより、底面64のうち水平荷重Bと反対方向にある辺(図6の辺66a参照)の近くでは、底面64から検出面1aに作用する押圧方向X2の荷重が低減する。
【0042】
また、先端面63の4辺のうち水平荷重Bと反対方向にある辺(図6の辺63b)と、底面64の4つの辺66のうち水平荷重Bの方向にある辺(図6の辺66b)と、の間には、対角線上に圧縮するような圧縮応力(矢印B2)が作用する。これにより、底面64のうち水平荷重Bの方向にある辺(図6の辺66b参照)の近くでは、底面64から検出面1aに作用する押圧方向X2の荷重が増加する。
【0043】
このような理由から、底面64から検出面1aに作用する押圧方向X2の荷重は、底面64内で異なり、水平荷重Bの方向に位置するほど大きくなり、水平荷重Bと反対方向に位置するほど小さくなる。このように、第1突起61の底面64から検出面1aに作用する押圧方向X2の荷重に偏りが発生する。
【0044】
よって、水平荷重Bが入力されると、センサ層30とアレイ電極20との接触面積は、辺66bが属する個別検出領域4の方が、辺66aが属する個別検出領域4よりも大きくなる。この結果、辺66bが属する個別検出領域4でアレイ電極20に入力する電流量(図6の矢印B3参照)は、辺66aが属する個別検出領域4でアレイ電極20に入力する電流量(図6の矢印B4参照)よりも大きい。
【0045】
よって、駆動ICは、荷重検出領域5に含まれる4つの個別検出領域4のそれぞれから検出された電流量が均等でないと判断した場合、第1突起61に入力された荷重の向きは水平方向と判断する。また、駆動ICは、4つの個別検出領域4のうち、検出した電流量が小さい個別検出領域4から視て、検出した電流量が大きい個別検出領域4が配置される方向を、水平荷重Bの向きと特定する。
【0046】
また、水平荷重Bが大きくなるにつれて、底面64から検出面1aに作用する押圧方向X2の荷重の偏りが大きくなる。よって、駆動ICは、各個別検出領域4から検出された電流量の差分(偏り)を算出し、水平荷重Bの大きさを算出している。
【0047】
そのほか、第1突起61に入力する荷重が水平方向の場合、第1突起61の底面64から検出面1aに作用する押圧荷重は、底面64の4つの辺66に近いほど大きく変化するする。つまり、せん断応力による荷重の偏りは、底面64の4つの辺66に近いほど大きい。本実施形態では、底面64の4つの辺66がアレイ電極20に重なっており(図4参照)、水平方向の荷重を検出する感度が高い。次に入力部80について説明する。
【0048】
図1に示すように、入力部80は、複数の第2突起81を有している。第2突起81は、四角柱状に形成されている。よって、第2突起81を積層方向に切った断面形状は、四角形となっている。第2突起81は、第2方向Y及び第3方向Zに配列している。なお、図1においては、検出領域2内を見え易くするため、複数の第2突起81のうち一部の第2突起81を図示していない。
【0049】
本実施形態の入力部80は、複数の第2突起81のみから成る。つまり、複数の第2突起81はそれぞれ独立している。図2に示すように、第2突起81の第1方向X1の端部は、先端部82となっている。この先端部82に荷重が入力される。また、第2突起81は、第1方向X1を向く先端面83と、押圧方向X2を向く底面84と、4つの側面85と、を有している。先端面83及び底面84は、それぞれ正方形(四角形)に形成されている。複数の第2突起81の先端面83により入力面90が構成される。底面84は、第1突起61の先端面63に固定されている。固定方法は、接着や溶着が挙げられるが、本開示はこれらの方法に限定されない。
【0050】
図1に示すように、4つの側面85のうち2つが第2方向Yを向き、残り2つが第3方向Zを向いている。よって、第2方向Yや第3方向Zに隣り合う2つの第2突起81は、側面85同士が対向している。第2突起81は、それぞれ、第2方向Y及び第3方向Zに配置された他の第2突起81に対し離隔している。よって、第2突起81に水平方向の荷重が入力した場合、他の第2突起81に接触し難い。
【0051】
図7は、実施形態1において第2突起と第1突起との対応関係を示す模式図である。図7に示すように、平面視すると、第2突起81は、複数の荷重検出領域5に跨って配置されている。よって、1つの第2突起81に荷重が入力されると、4つの荷重検出領域5のそれぞれに配置された4つの第1突起61に荷重が作用(伝達)する。
【0052】
そのほか、入力部80は、弾性変形が生じ難い材料で形成されている。より好ましくは、入力部80は第1突起よりも剛性が高い材料で形成されている。これによれば、荷重によって入力部80が変形し、第1突起61に伝達される荷重が低減する、ということが回避される。
【0053】
次に、実施形態1の荷重検出装置の動作例を説明する。第2突起81に作用した荷重が圧力(押圧方向X2の荷重)の場合、第2突起81から、第2突起81と接続する4つの第1突起61に荷重が均等に伝達される。よって、4つの荷重検出領域5のそれぞれで圧力が検出される。
【0054】
図8は、実施形態1において第2突起に水平荷重が作用した場合を断面視した模式図である。図8に示すように、第2突起81に作用した荷重が水平荷重Cの場合、第2突起81が水平荷重Cの方向に移動する。なお、第2突起81は剛性が高く、せん断変形しない。第2突起81と接続する4つの第1突起61は、それぞれの先端部62が水平荷重Cの方向に移動する。これにより、4つの第1突起61のそれぞれがせん断変形し、4つの荷重検出領域5のそれぞれで水平荷重Cが検出される。
【0055】
図9は、実施形態1において第2突起に回転荷重が作用した場合を平面視した模式図である。次に第2突起81に作用した荷重が回転荷重について説明するが、本説明では、平面視で右回りの荷重(図9の矢印D参照)が作用した場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明では、第2方向Yに関し、検出領域2から視て接続部7が配置される方向を下側Y1と称し、下側Y1の反対方向を上側Y2と称する。また、第3方向Zに関し、検出領域2を基準に上側Y2を向いて右手が配置される方向を右側Z1と称し、右側Z1と反対側を左側と称する。
【0056】
図9に示すように、第2突起81に回転荷重Dが入力した場合、第2突起81は、平面視で、第2突起81の中心O81を中心に右回り方向に回転する。このため、4つの第1突起61のうち左上側に配置される第1突起61Aは、先端部62が上側Y2に移動するような荷重を受ける(矢印D1参照)。4つの第1突起61のうち右上側に配置される第1突起61Bは、先端部62が右側Z1に移動するような荷重を受ける(矢印D2参照)。4つの第1突起61のうち右下側に配置される第1突起61Cは、先端部62が下側Y1に移動するような荷重を受ける(矢印D3参照)。4つの第1突起61のうち左下側に配置される第1突起61Dは、先端部62が左側Z2に移動するような荷重を受ける(矢印D4参照)。よって、4つの個別検出領域4のそれぞれで異なる方向の水平荷重(矢印D1、D2、D3、D4参照)が入力される。以上から、駆動ICは、4つの荷重検出領域5のそれぞれで、異なる方向の水平荷重が入力された場合、第2突起81に入力した荷重を回転荷重と特定する。
【0057】
次に実施形態1の荷重検出装置100の効果について説明する。本実施形態の荷重検出装置100によれば、入力面90が複数の第2突起91により構成される。つまり入力面90が第1突起61により構成される場合よりも、凹凸の数が低減している。このため、突起間(第2突起81間)に異物が侵入し難い。また、本実施形態では、第1突起61が大型化されておらず、従来のものと同じ大きさである。よって、第1突起61のせん断変形のし易さが確保されている。さらに、本実施形態によれば、回転荷重を検出することができる。
【0058】
以上、実施形態1の荷重検出装置100について説明したが、本開示の荷重検出装置は、第2突起81が水平方向に所定量移動した後、隣に配置される他の第2突起81に接触するようになっていてもよい。他の第2突起81に接触すると、第2突起81の移動量が小さく制限されるが、第1突起61にせん断変形が発生しており、水平方向及び回転方向の荷重を検出できる。よって、第2突起81が水平方向に所定量移動した後、隣に配置される他の第2突起81に接触してもよい。次に荷重検出装置の他の実施形態について説明する。また、以下の説明では、実施形態1との相違点に絞って説明する。
【0059】
(実施形態2)
図10は、実施形態2の荷重検出装置において、第2突起と第1突起の対応関係を示す模式図である。図11は、図10のXI-XI線の断面を模式化し、矢印方向から視て模式図である。図10図11に示すように、実施形態2の荷重検出装置100Aの第2突起181(入力部180)は、平面視で第2方向Y及び第3方向Zのそれぞれに3列ずつ、合計で9つの第1突起161(弾性変形部160)と重なるように配置されている点で実施形態1と相違している。
【0060】
また、9つの第1突起161のうち一部の第1突起161が第2突起181と接着している。詳細には、9つの第1突起161のうち、平面視で、左上に配置された第1突起161Aと、右上に配置された第1突起161Bと、右下に配置された第1突起161Cと、左下に配置された第1突起161Dと、のそれぞれの先端部が第2突起181と接着している。以下、第1突起161のうち、第2突起181と接着している第1突起161を接着突起261と称する。よって、第2突起181が水平方向に移動すると、接着突起261の先端部が追従して水平方向に移動する。また、第2突起181が押圧方向X2に移動すると、接着突起261が押圧方向X2への荷重を受ける。
【0061】
以下、第1突起161のうち、第2突起181と接着していない第1突起161を未接着突起361と称する。未接着突起361の先端面163は、第2突起181の底面184と当接している。よって、第2突起181が水平方向に移動しても、未接着突起361の先端面163は第2突起181に追従しない。また、第2突起181が押圧方向X2に移動すると、未接着突起361が押圧方向X2への荷重を受ける。
【0062】
次に実施形態2の荷重検出装置の動作例を説明する。第2突起181に作用した荷重が圧力(押圧方向X2の荷重)の場合、第2突起181から9つの第1突起161のそれぞれに押圧荷重が伝達される。よって、9つの荷重検出領域5のそれぞれに圧力が検出される。
【0063】
図12は、実施形態2において第2突起に水平荷重が作用した場合を断面視した模式図である。図12に示すように、第2突起181に水平荷重Eが入力された場合、第2突起181が水平荷重Eの方向に移動する。これにより、接着突起261の先端部が水平荷重Eの方向に移動し、接着突起261がせん断変形する。よって、接着突起261が属する荷重検出領域5のそれぞれで水平荷重Eが検出される。
【0064】
一方、未接着突起361の先端部は、水平荷重Eの方向に移動しない。つまり、未接着突起361はせん断変形しない。このため、未接着突起361が属する荷重検出領域5では水平荷重が検出されない。
【0065】
他方、第2突起181に入力された荷重が押圧方向X2の荷重と水平荷重の両方を含む場合、第2突起181は、押圧方向X2に移動し、かつ水平荷重の方向にも移動する。このため、未接着突起361は、第2突起181により押圧方向X2に押圧される。そして、未接着突起361が属する荷重検出領域5のそれぞれでは、押圧方向X2の荷重が検出される。また、第2突起181の水平方向への移動に伴い、接着突起261の先端部が水平荷重の方向へ移動する。そして、接着突起261がせん断変形し、接着突起261の属する荷重検出領域5のそれぞれで水平荷重が検出される。
【0066】
図13は、実施形態2において第2突起に回転荷重が作用した場合を平面視した模式図である。図13に示すように、第2突起181に対し、第2突起181の中心O181を中心に右回り方向の回転荷重Fが作用した場合、第2突起181は、中心O181を中心に右回り方向に回転する。これにより、接着突起261がせん断変形する。詳細には、第1突起161Aは、先端部が上側Y2に移動するような荷重を受ける(矢印F1参照)。第1突起161Bは、先端部が右側Z1に移動するような荷重を受ける(矢印F2参照)。第1突起161Cは、先端部が下側Y1に移動するような荷重を受ける(矢印F3参照)。第1突起161Dは、先端部が左側Z2に移動するような荷重を受ける(矢印F4参照)。よって、4つの接着突起261が属する荷重検出領域5のそれぞれで、互いに異なる方向の水平荷重が検出される。
【0067】
また、第2突起181に入力された荷重が回転荷重Fの場合、未接着突起361は、第2突起181から押圧されない。よって、未接着突起361が属する荷重検出領域5では荷重が検出されない。一方で、第2突起181に入力された荷重が回転荷重F以外に押圧方向X2の荷重が含まれている場合、未接着突起361は第2突起181から押圧方向X2の荷重を受ける。このため、未接着突起361が属する荷重検出領域5のそれぞれで圧力が検出される。
【0068】
以上、実施形態2によれば、水平荷重及び回転荷重を検出する場合、水平荷重及び回転荷重に含まれる圧力(押圧方向X2の荷重)も併せて検出することができる。
【0069】
以上、実施形態1と実施形態2について説明したが、本開示は、上記したものに限定されない。例えば、本実施形態の入力部は、第2突起のみから構成されているが、入力部は、第2突起の他に、第2突起に対し第1方向に配置され、かつ複数の第2突起に跨って配置される複数の第3突起を有していもよい。つまり、入力部における積層方向に重ねられる突起の段数は少なくとも1段以上あればよい。
【0070】
また、実施形態の第2突起は、四角柱となっているが、多角柱、円柱であってもよく、第2突起の形状について特に問わない。
【0071】
また、実施形態では、1つの第1突起61が4つの個別検出領域4に跨って重なっているが、1つの第1突起61が第2方向Y及び第3方向Zのそれぞれに3列ずつ配列し、合計9個の個別検出領域4と重なるように配置されていてもよい。よって、平面視で1つの第1突起61と重なる個別検出領域4の数について本開示では特に限定されない。
【0072】
また、複数の第1突起の間に隙間が設けられているが、本開示はこの隙間を充填してもよい。ただし、隙間を充填する材料は、突起(突起部)が変形し易くするため、剛性が低いものが好ましい。
【0073】
また、実施形態では、アレイ電極20と共通電極40との配置に関し、センサ層30を挟んで互いに対向するものを例示したが、本開示はこれに限定されない。以下、他の配置例を採用した変形例1と変形例2を説明する。
【0074】
(変形例1)
図14は、変形例1の圧力検出部を積層方向に切った断面図である。変形例1の圧力検出部1Bのアレイ電極20と共通電極40は、アレイ基板10の第1面12aに配置されている。よって、アレイ電極20と共通電極40は、水平方向に配置されている。圧力が入力された場合、センサ層30がアレイ電極20と共通電極40のそれぞれに接触し、共通電極40からアレイ電極20に電流が流れる。
【0075】
(変形例2)
図15は、変形例2の圧力検出部を積層方向に切った断面図である。変形例2の圧力検出部1Cは、アレイ電極20と共通電極40と中間電極45とを備えている。アレイ電極20と共通電極40は、変形例1と同様に、アレイ基板10の第1面12aに配置されている。中間電極45は、センサ層30と保護層50との間に配置されている。そして、圧力が入力された場合、センサ層30がアレイ電極20と共通電極40のそれぞれに接触する。これによれば、共通電極40から中間電極45に電流が流れた後、中間電極45からアレイ電極20に電流が流れる。
【0076】
また、実施形態のセンサ層30は、押圧方向X2の面に凸部30aが設けられた導電性樹脂により形成されているが、本開示はこれに限定されない。以下、他のセンサ層を採用した変形例3と変形例4を説明する。
【0077】
(変形例3)
図16は、変形例3の圧力検出部であって、圧力入力前の状態を積層方向に切った断面図である。図17は、変形例3の圧力検出部であって、圧力入力後の状態を積層方向に切った断面図である。図16に示すように、変形例3の圧力検出部1Dのセンサ層30Dは、導電性樹脂により製造されている。センサ層30Dの押圧方向X2の面33は、水平方向に平坦に形成され、かつアレイ電極20と接触していない。
【0078】
図18に示すように、圧力が入力されると、センサ層30Dは、押圧方向X2に移動し、アレイ電極20と接触する。これにより、共通電極40からアレイ電極20に電流が流れる。また、圧力が大きくなると、センサ層30Dとアレイ電極20との接触面積が大きくなる。よって、共通電極40からアレイ電極20に流れる電流量も大きくなる。
【0079】
(変形例4)
図18は、変形例4の圧力検出部であって、圧力入力前の状態を積層方向に切った断面図である。図18に示すように、変形例4の圧力検出部1Eのセンサ層30Eは、絶縁性の樹脂の内部に導電性の微粒子36が含まれているものである。センサ層30Eの押圧方向X2の面は、アレイ電極20及びアレイ基板10の第1面12aに接触している。
【0080】
センサ層30Eは、圧力が作用していない状態、つまり変形していない状態では微粒子36が離隔し、絶縁状態となっている。センサ層30Eに圧力が作用すると、微粒子36同士が接触する。これにより、センサ層30Eの抵抗値が小さくなり、共通電極40とアレイ電極20とが電気的に接続する。そして、共通電極40からアレイ電極20に電流が流れる。また、圧力が大きくなると、微粒子36同士が接触する数が増加し、センサ層30Eの抵抗値がさらに小さくなる。この結果、共通電極40からアレイ電極20に流れる電流量も大きくなる。
【0081】
また、第2突起の積層方向の長さは、均等でなくてもよい。つまり、突起及び突起部の積層方向の長さを適宜変更してもよい。また、突起及び突起部は、全て同じ材料により形成しなくてもよい。つまり、異なる材料で形成された突起(又は突起部)が混在していてもよい。また、本開示の第2突起の先端面は、平面に限定されず、摩擦係数を大きくするため、凹状又は突状にしてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
1、1B、1C、1D、1E 圧力検出部
1a 検出面
2 検出領域
3 周辺領域
4 個別検出領域
10 アレイ基板
13 駆動用トランジスタ
20 アレイ電極
30、30D、30E センサ層
40 共通電極
45 中間電極
50 保護層
60 弾性変形部
61 第1突起
80 入力部
81 第2突起
82 先端部
83 先端面
84 底面
100、100A 荷重検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18