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特開2024-162163簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トイレ
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  • 特開-簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トイレ 図1
  • 特開-簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トイレ 図2
  • 特開-簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トイレ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162163
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A47K11/00 113
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077456
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】507152202
【氏名又は名称】吉村 清己
(71)【出願人】
【識別番号】594079349
【氏名又は名称】広瀬 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】吉村 清己
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】川口 啓太
(72)【発明者】
【氏名】師岡 知弘
(72)【発明者】
【氏名】縄田 和生
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
(72)【発明者】
【氏名】村田 博光
(72)【発明者】
【氏名】広田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 和揮
(72)【発明者】
【氏名】今村 祥宏
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036AA02
2D036BA47
2D036CA05
2D036DA05
2D036HA51
2D036HA81
(57)【要約】
【課題】小便用の簡易トイレに簡単に着脱でき、消臭が可能な簡易トイレ用消臭ユニットの提供を目的とする。
【解決手段】簡易トイレの貯留タンクに着脱可能に接続し、消臭を行うための消臭ユニットであって、前記消臭ユニットは過熱蒸気発生機と前記過熱蒸気発生機に給水するためのカートリッジ式の給水器とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易トイレの貯留タンクに着脱可能に接続し、消臭を行うための消臭ユニットであって、
前記消臭ユニットは過熱蒸気発生機と前記過熱蒸気発生機に給水するためのカートリッジ式の給水器とを備えたことを特徴とする簡易トイレ用消臭ユニット。
【請求項2】
前記過熱蒸気発生機は蒸気を発生させるための貯水部を有し、前記カートリッジ式の給水器の水位と前記貯水部の水位との水位差により、前記貯水部に自動給水する水位検知器を有していることを特徴とする請求項1記載の簡易トイレ用消臭ユニット。
【請求項3】
小便器の貯留タンクに請求項1又は2記載の簡易トイレ用消臭ユニットを着脱自在に接続可能になっていることを特徴とする簡易トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設トイレに関し、特に工事現場等に仮設される簡易トイレの消臭分解に用いる消臭装置に係る。
【背景技術】
【0002】
高層建築物の建設現場や架橋,道路工事等の工事現場は、近くにトイレが無い場合が多い。
例えば、高層建築の建設現場にあっては高所での作業が多く、これまでも作業場に簡易式の小便用のポータブル型トイレが仮設されている。
尿には、尿素,尿酸,クレアチニン等の多く排泄物が含まれ、これら排泄物自体は臭いが強くないものの、細菌等による分解にてアンモニア等の強烈な臭いが発生することが知られている。
したがって、高層現場等に仮設される、いわゆるスカイトイレにおいて、これまで長年悩まされてきた仮設簡易トイレの問題であった。
【0003】
特許文献1には、オゾンを発生させ、トイレ本体内にファン供給し、さらに無臭化処理した空気をファンで吸引し、オゾン分解用触媒にて分解し、外に排出する消臭装置を開示するが、装置が複雑で工事現場に仮設できるものではない。
特許文献2には、屎尿を分解する微生物を繁殖させた木質細片を処理槽に収容する技術を開示するが、これでは強い臭いがするアンモニア等が発生するために、さらに消臭装置が必要になる。
また、工事現場に仮設できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-125890号公報
【特許文献2】特開2005-305008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、小便用の簡易トイレに簡単に着脱でき、消臭が可能な簡易トイレ用消臭ユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る簡易トイレ用消臭ユニットは、簡易トイレの貯留タンクに着脱可能に接続し、消臭を行うための消臭ユニットであって、前記消臭ユニットは過熱蒸気発生機と前記過熱蒸気発生機に給水するためのカートリッジ式の給水器とを備えたことを特徴とする。
ここで、過熱蒸気発生機は蒸気を発生させるための貯水部を有し、前記カートリッジ式の給水器の水位と前記貯水部の水位との水位差により、前記貯水部に自動給水する水位検知器を有しているのが好ましい。
【0007】
本発明において消臭ユニットと表現したのは、新設の小便用仮設トイレだけでなく、これまで使用されてきた仮設トイレにも接続して用いることができることから、着脱自在のユニットであることを明確にするためである。
【0008】
高層現場等においては工事用の電源はあるものの、給水配管までは備えていない場合が多いが、水位差にて自動給水できるカートリッジ式の給水構造にしたので、いろいろな工事現場にて使用できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、小便用の貯留タンクの空間部に過熱蒸気を供給したことにより、この空間部の空気が過熱蒸気にて置換されるので低酸素雰囲気となり、細菌の発生及び増殖を抑えることができる。
これにより、細菌が尿を分解することで生じるアンモニアの発生を抑えることができる。
また、過熱蒸気中のHOは揮発性化合物を吸収することで、臭いとなるのを抑える効果もある。
また、本発明においては過熱蒸気発生用の給水部、あるいは過熱蒸気の発生部に水素発生材を設けることで、還元性の高い水素が含まれる過熱蒸気となり、アンモニアも分解する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る消臭ユニットを接続した小便用簡易トイレの例を示す。
図2】消臭ユニットの構成例を示す。
図3】過熱蒸気発生機の構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る簡易トイレ用消臭ユニット及びそれを用いた簡易トレイの例を以下図に基づいて説明する。
【0012】
図1に、小便用の簡易トイレと、それに接続した消臭ユニットの例を示す。
本実施例では、便器1の下側に尿の貯留タンク2を設けた例になっている。
貯留タンク2は尿の貯留部2aと、その上側の空間部2bと、この空間部2bに過熱蒸気の供給管3を着脱可能に接続できるジョイント部2cを有している。
【0013】
消臭ユニットは過熱蒸気発生機40と、これに供給するためのカートリッジ式の給水器10を有し、給水器10に収容された水が空になると、過熱発生器40が止まるように水位検知器30が設けられている。
過熱蒸気は、発生した水蒸気を100℃を超える温度に過熱したもので、350~500℃の過熱蒸気を用いるのが好ましい。
【0014】
消臭ユニットの詳細構造を図2に示し、過熱蒸気発生機40の構造例を図3に示す。
カートリッジ式の給水器10は、ボトル型の本体部11と取り外し可能な蓋体12を有する。
本実施例では、蓋体12が本体部11のおねじ部からなる開口部に、ねじ止めする例になっている。
蓋体12は、給水口13と内側から給水口を塞ぐ給水弁13aを有し、内側からスプリング等の押圧部材13bにて付勢されている。
【0015】
受水部20は、受水槽となる受水皿21と、この受水皿21の内側から上方に向けて立設した突出ビン22を有し、この突出ビン22に給水弁13aが位置するように本体部11を逆さにして受水皿の開口部の上縁部に載置すると、給水弁13aが上方に向けて押されることで給水口13が開口した状態になり、水位が下がり給水口13と給水弁13aとの間の開口部からエアーが入り込み、水位が高くなるとエアーが侵入できなくなり、給水が止まる。
【0016】
受水皿21はその底部側にて接続管23を介して水位検知器30と配管接続されている。
水位検知器30は筒状の本体部31の内側に上下方向のシャフト33に沿って、上下移動するフロート32が取り付けられている。
給水器10の水位Waの水位が下がり、受水皿21の水位も下がると、フロート32が低下し、このフロート32がセンサー34に接触するとB接点回路になっていて、後述する過熱蒸気発生機40のヒーター類への電気供給が遮断される。
水位検知器30は、接続管35により過熱蒸気発生機40と配管接続されている。
【0017】
過熱蒸気発生機40は、図2に示すように略長方形のケース体41になっていて、底部側に貯水部41aを有し、この内部の底部側に沿って概ね水平方向に配設した蒸気発生加熱ヒーター42を有し、この部分が貯水部41aに貯留する水Wの水中に浸漬させる部分となっている。
水位よりも上側には、過熱ヒーター43,44を蒸気加熱発生ヒーター42とほぼ並行に配置されている。
本実施例では、下段側の第1過熱ヒーター43と上段側の第2過熱ヒーター44の2本が平行に配置され、間に過熱蒸気の流れを整流する斜めに傾斜した仕切板45を設けた例になっている。
本実施例では、蒸気発生加熱ヒーター42,過熱ヒーター43,44は外周部に保護部42a,43a,44aを有し、この保護部はヒーター本体部の周側面に巻装したパンチングメタルの例である。
これにより寿命が向上する。
給水器10に入っている水Wは、受水部20に流れ込み、水位検知器30を介して過熱蒸気発生機40に供給される。
受水皿21の水位Wb、水位検知器30の水位Wb及び貯水部41aの水位Wbとが同じ高さを維持するように、これらの水位差により給水器10内の水Wが貯水部41aに自動給水される。
【0018】
過熱蒸気発生機40の上部側の過熱蒸気の流路中に、水素発生材46を設けた例になっていて、過熱蒸気中に水素が混合されることで還元性が向上する。
また、水素発生材46は、給水器10の流路途中に設けてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 便器
2 貯留タンク
10 給水器
20 受水部
30 水位検知器
40 過熱蒸気発生機
図1
図2
図3