(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162179
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20241114BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241114BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/00 D
G08G1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077484
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100226263
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 未来生
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 基史
(72)【発明者】
【氏名】西野 正基
(72)【発明者】
【氏名】ボワール ジャンセバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】西岡 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】牧原 正樹
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD34
2F129DD40
2F129DD46
2F129DD49
2F129DD57
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE81
2F129EE92
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF60
2F129FF65
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF33
5H181MB03
(57)【要約】
【課題】給電車両により給電する技術を改善する。
【解決手段】情報処理装置30は、第1目的地において第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの位置情報及びSOCを取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの中から、第1目的地の周辺、及び/又は給電車両の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを特定する。そして情報処理装置30は、特定された前記1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して給電車両20が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
第1目的地において第1車両に給電を行う給電車両の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得することと、
複数の第2車両の位置情報及びSOCを取得することと、
前記複数の第2車両の中から、前記第1目的地の周辺、及び/又は前記給電車両の前記経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両を特定することと、
特定された前記1以上の第2車両のそれぞれに対して前記給電車両が給電を行う給電サービスの利用予約を提案することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
特定された前記1以上の第2車両の数が2台以上である場合、SOCが少ない車両を優先して前記給電サービスの利用予約を提案することと、
を更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記1以上の第2車両のうち、少なくとも1台の第2車両から前記給電サービスの利用予約を受け付けることと、
前記給電車両が前記第1車両及び前記少なくとも1台の第2車両に給電を行った後の前記給電車両の予測SOCを算出することと、
算出された前記予測SOCが所定値以上の場合、複数の第3車両の位置情報及びSOCを取得することと、
前記第1目的地の周辺、及び/又は前記給電車両の前記経路上に存在し、且つSOCが前記第1基準値以上、第2基準値未満である1以上の第3車両を特定することと、
特定された前記1以上の第3車両のそれぞれに対して前記給電サービスの利用予約を提案することと、
を更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1目的地へ移動中の前記給電車両の現在位置を監視することと、
前記給電車両の前記経路に変更が発生した場合、前記複数の第2車両の中から、変更後の経路上に存在し、且つSOCが前記第1基準値未満である1以上の第2車両を新たに特定することと、
新たに特定された前記1以上の第2車両のそれぞれに対して前記給電サービスの利用予約を提案することと、
を更に含む、方法。
【請求項5】
制御部を備える、情報処理装置であって、
前記制御部は、
第1目的地において第1車両に給電を行う給電車両の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得し、
複数の第2車両の位置情報及びSOCを取得し、
前記複数の第2車両の中から、前記第1目的地の周辺、及び/又は前記給電車両の前記経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両を特定し、
特定された前記1以上の第2車両のそれぞれに対して前記給電車両が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電動車両が電欠した場合等に、給電車両により給電する技術が知られている。例えば、特許文献1には、電欠した車両が自車両の現在位置を含む情報をサーバに送信し、複数の給電車両のそれぞれが自車両の位置を含む情報をサーバに送信することで、サーバが当該電欠した車両に給電を行う給電車両を選択する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給電車両により給電する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、給電車両により給電する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
第1目的地において第1車両に給電を行う給電車両の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得することと、
複数の第2車両の位置情報及びSOCを取得することと、
前記複数の第2車両の中から、前記第1目的地の周辺、及び/又は前記給電車両の前記経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両を特定することと、
特定された前記1以上の第2車両のそれぞれに対して前記給電車両が給電を行う給電サービスの利用予約を提案することと、
を含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える、情報処理装置であって、
前記制御部は、
第1目的地において第1車両に給電を行う給電車両の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得し、
複数の第2車両の位置情報及びSOCを取得し、
前記複数の第2車両の中から、前記第1目的地の周辺、及び/又は前記給電車両の前記経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両を特定し、
特定された前記1以上の第2車両のそれぞれに対して前記給電車両が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、給電車両により給電する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】給電車両の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0011】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の車両10と、給電車両20と、情報処理装置30と、を備える。複数の車両10、給電車両20、及び情報処理装置30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40と通信可能に接続される。なお、以下の説明において、複数の車両10のそれぞれを区別する場合、第1車両10A、第2車両10B、及び第3車両10C等と記載する。
【0012】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばBEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle) 等、電力を動力源とする自動車であるが、これらに限られない。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0013】
給電車両20は、車両10の動力源となる電力を大容量で充電したバッテリを搭載して移動することが可能な車両である。給電車両20は、車両10に給電サービスを行う。
図1において、システム1が備える給電車両20の数は1台であるが、これに限られず任意に定められてもよい。なお、給電サービスの提供において典型的には、給電車両20は、例えば拠点を出発してユーザの車両の位置まで移動し、ユーザの車両に対して給電を行い、その後拠点に戻る。ここで、拠点からユーザの車両の位置までの移動を往路といい、ユーザの車両の位置から拠点までの移動を復路という。
【0014】
情報処理装置30は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置30は、ネットワーク40を介して複数の車両10及び給電車両20と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置30は、第1目的地において第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの位置情報及びSOC(State of Charge)を取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの中から、第1目的地の周辺、及び/又は給電車両20の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを特定する。そして情報処理装置30は、特定された当該1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して給電車両20が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、給電車両20が、第1目的地において第1車両10Aに給電するための往路及び/又は復路の間に、第1車両10Aだけでなく1以上の第2車両10Bにも給電を行い得るため、給電車両20のサービス効率及びエネルギー効率を改善し得る。したがって本実施形態によれば、給電車両20のサービス効率及びエネルギー効率が改善し得る点で、給電車両により給電する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、通信部11と、出力部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15と、測位部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部11及びネットワーク40を介して情報処理装置30と通信する。
【0020】
出力部12は、情報を出力する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。或いは、出力部12は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0021】
入力部13は、ユーザによる入力操作を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、マウス、タッチパネル、出力部12のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクロフォン等であるが、これらに限られない。或いは、入力部13は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0022】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。車両10の動作に用いられる任意の情報は、SOCを含む。また、例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。例えば、記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0023】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、車両10全体の動作を制御する。
【0024】
測位部16は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部16は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0025】
(給電車両の構成)
図3に示すように、給電車両20は、通信部21と、出力部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25と、測位部26と、を備える。なお、通信部21、出力部22、入力部23、記憶部24、制御部25、及び測位部26は、それぞれ、通信部11、出力部12、入力部13、記憶部14、制御部15、及び測位部16と同様のため、説明を省略する。
【0026】
(情報処理装置の構成)
図4に示すように、情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0027】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置30は、通信部31及びネットワーク40を介して複数の車両10及び給電車両20と通信する。
【0028】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、情報処理装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部33は、情報処理装置30全体の動作を制御する。
【0030】
(情報処理装置の動作フロー)
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置30の動作について説明する。
【0031】
S100:情報処理装置30の制御部33は、第1目的地において第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得する。
【0032】
具体的には、制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介して第1車両10Aから、第1車両10Aの目的地である第1目的地の位置情報を受信する。制御部33は、第1目的地の位置情報と、情報処理装置30の記憶部32に格納されている給電車両20の拠点の位置情報と、記憶部32に格納されている地図情報から、例えば経路探索により給電車両20の往路及び/又は復路を算出することで、第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得する。
【0033】
「位置情報」には、例えば住所、緯度経度、又は施設名などのような場所を示す任意の情報を含んでもよい。
【0034】
S101:制御部33は、複数の第2車両10Bの位置情報及びSOCを取得する。
【0035】
具体的には、制御部33は、通信部31及びネットワーク40を介して、複数の第2車両10Bから、それぞれの位置情報及びSOCを受信することで、複数の第2車両10Bの位置情報及びSOCを取得する。例えば、複数の第2車両10Bは、それぞれの現在位置の位置情報の取得にそれぞれの測位部16を用いることができる。
【0036】
S102:制御部33は、複数の第2車両10Bの中から、第1目的地の周辺、及び/又は給電車両20の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを特定する。
【0037】
具体的には、制御部33は、S100で取得した第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報、S101で取得した複数の第2車両10Bの位置情報及びSOC、並びに記憶部32に格納されている地図情報に基づいて、第1目的地から所定距離内及び/又は給電車両20の経路上から所定距離内に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを特定する。なお、所定距離は変更可能であってもよい。また、第1基準値は、例えばSOCの予め決められた値であるが、例えばオペレータが変更可能であってもよい。
【0038】
S103:制御部33は、S102で特定された1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して給電車両20が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する。
【0039】
給電給電サービスの利用予約の提案には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部33は、特定された当該1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して、給電サービスの利用予約を提案するメッセージを、通信部31を介して送信することで、提案してもよい。或いは、制御部33は、特定された当該1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して、給電サービスの利用予約の提案に関する情報を出力する指示を、通信部31を介して送信してもよい。当該指示を受信した当該1以上の第2車両10Bは、例えば各々がディスプレイ又はスピーカ等の出力装置を介して情報を出力する。
【0040】
また、例えば、S102で特定された1以上の第2車両10Bの台数が2台以上である場合、制御部33は、特定された当該1以上の第2車両10Bの中でSOCが少ない車両10Bを優先して給電サービスの利用予約を提案してもよい。
【0041】
ここで、給電サービスの利用予約の提案をされた1以上の第2車両10Bのユーザは、給電サービスの利用予約を希望する場合、第2車両10Bの入力部13に対して所定のユーザ操作を行う。第2車両Bの制御部15は、当該ユーザ操作を検出すると、通信部11を介して、給電サービスの利用予約に関する情報を情報処理装置30に送信する。情報処理装置30の制御部33は、例えば、通信部31及びネットワーク40を介して、当該情報を受信し、記憶部32に格納されている給電車両20の運行計画情報を修正し、修正後の運行計画情報を給電車両20に送信することによって、給電サービスの利用予約を受け付ける。なお、利用予約の受付には、当該例に限らず任意の手法が採用可能である。
【0042】
以上述べたように、情報処理装置30は、第1目的地において第1車両10Aに給電を行う給電車両20の往路及び/又は復路の経路を示す情報を取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの位置情報及びSOCを取得する。次に情報処理装置30は、複数の第2車両10Bの中から、第1目的地の周辺、及び/又は給電車両20の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを特定する。そして情報処理装置30は、特定された当該1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して給電車両20が給電を行う給電サービスの利用予約を提案する。
【0043】
かかる構成によれば、給電車両20が、第1目的地において第1車両10Aに給電するための往路及び/又は復路の間に、第1車両10Aだけでなく1以上の第2車両10Bにも給電を行い得るため、給電車両20のサービス効率及びエネルギー効率を改善し得る。したがって本実施形態によれば、給電車両20のサービス効率及びエネルギー効率が改善し得る点で、給電車両により給電する技術が改善される。
【0044】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0045】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、情報処理装置30の一部又は全部の構成要素を、車両10、又は給電車両20に設けた実施形態も可能である。例えば、車両10が、情報処理装置30の一部又は全部の構成要素を備えてもよく、給電車両20が、情報処理装置30の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0046】
また、例えば、上述した実施形態において、制御部33は、1以上の第2車両10Bのうち、少なくとも1台の第2車両10Bから給電サービスの利用予約を受け付けた場合、給電車両20が第1車両10A及び当該少なくとも1台の第2車両10Bに給電を行った後の給電車両20の予測SOCを算出してもよい。次に、制御部33は、算出された給電車両20の予測SOCが所定値以上の場合、複数の第3車両10Cの位置情報及びSOCを取得してもよい。その後、制御部33は、第1目的地の周辺、及び/又は給電車両20の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値以上、第2基準値未満である1以上の第3車両30Cを特定し、特定された1以上の第3車両10Cのそれぞれに対して給電サービスの利用予約を提案してもよい。なお、給電車両20の予測SOCに対する所定値は、変更可能であってもよい。
【0047】
第2基準値は、SOCの予め決められた値であり、第1基準値よりも大きい。また、第2基準値は、例えばオペレータが第1基準値よりも大きい任意の値に変更可能であってもよい。
【0048】
また、例えば、上述した実施形態において、制御部33は、第1目的地へ移動中の給電車両20の現在位置を監視してもよい。次に、制御部33は、給電車両20の経路に変更が発生した場合、複数の第2車両10Bの中から、変更後の経路上に存在し、且つSOCが第1基準値未満である1以上の第2車両10Bを新たに特定してもよい。そして、新たに特定された1以上の第2車両10Bのそれぞれに対して給電サービスの利用予約を提案してもよい。
【0049】
給電車両20の現在位置の監視には、GPSを使用するといった任意の手法が採用可能である。
【0050】
また、上述した実施形態において、給電車両20が出発する第1拠点と、帰還する第2拠点とは異なっていてもよい。この場合、制御部33は、第1目的地の位置情報と、記憶部32に格納されている第1拠点の位置情報と、記憶部32に格納されている第2拠点の位置情報と、記憶部32に格納されている地図情報から、例えば経路探索により給電車両20の往路及び/又は復路を算出してもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、第1目的地を第1車両10Aの目的地としていたが、これに限られず、例えば、第1車両10Aが既に駐車している場合、駐車位置を第1目的地としてもよい。
【0052】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 システム
10 車両
11 通信部
12 出力部
13 入力部
14 記憶部
15 制御部
16 測位部
20 給電車両
21 通信部
22 出力部
23 入力部
24 記憶部
25 制御部
26 測位部
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 ネットワーク