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2024-162185部門別貢献利益算出装置、部門別貢献利益算出方法、及び、部門別貢献利益算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162185
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】部門別貢献利益算出装置、部門別貢献利益算出方法、及び、部門別貢献利益算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077500
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東谷 大成
(72)【発明者】
【氏名】三谷 研
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とする。
【解決手段】算出部が、各部門に移管された商品の数量に対して、商品が移管された部門毎に定められている商品の部門単価を乗算処理すると共に、乗算処理前の商品の数量に対応する金額及び乗算処理後の商品の数量に対応する金額の差分である、商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する。出力制御部は、算出された各部門の貢献利益を含む出力データを出力制御する。これにより、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部門に移管された商品の数量に対して、前記商品が移管された部門毎に定められている前記商品の部門単価を乗算処理すると共に、前記乗算処理前の前記商品の数量に対応する金額及び前記乗算処理後の前記商品の数量に対応する金額の差分である、前記商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出部と、
算出された各前記部門の前記貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御部と、
を有する部門別貢献利益算出装置。
【請求項2】
前記算出部は、仕入部門の前記貢献利益を算出する場合、
前記商品の仕入数量に仕入単価を乗算処理することで、商品の仕入時における仕入原価金額を算出し、
前記仕入数量に、前記仕入部門に対して設定されている前記商品の前記部門単価を乗算処理することで、前記仕入部門の粗利が計上された状態の仕入部門原価金額を算出し、
前記粗利が計上された状態の前記仕入部門原価金額から、前記仕入原価金額を減算処理することで、前記仕入部門の前記貢献利益を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の部門別貢献利益算出装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記商品に対して所定の加工を施す加工部門の前記貢献利益を算出する場合、
前記仕入時の数量の前記商品に対して前記加工を施したことで生成された商品の数量に、前記加工部門に対して設定されている前記商品の前記部門単価を乗算処理することで、前記加工部門の粗利が計上された状態の加工部門原価金額を算出し、
前記粗利が計上された状態の前記加工部門原価金額から、前記仕入部門原価金額を減算処理することで、前記加工部門の前記貢献利益を算出すること、
を特徴とする請求項2に記載の部門別貢献利益算出装置。
【請求項4】
前記算出部は、
前記商品に対して所定の加工を施す前の前記商品の数量、及び、所定の加工を施した後の前記商品の数量の比率を示す歩留率を算出し、
前記加工部門原価金額を算出する際に、前記仕入時の数量の前記商品に対して前記加工を施したことで生成された商品の数量に、前記歩留率に対応する前記商品のランク毎に定められている前記部門単価を乗算処理することで、前記加工部門の粗利が計上された状態の前記加工部門原価金額を算出すること、
を特徴とする請求項3に記載の部門別貢献利益算出装置。
【請求項5】
前記算出部は、売り上げた前記商品の売上入力を行う営業部門の前記貢献利益を算出する場合、
前記加工を施したことで生成された商品の数量に、前記営業部門に対して設定されている前記商品の前記部門単価を乗算処理することで、前記営業部門の粗利が計上された状態の営業部門原価金額を算出し、
前記粗利が計上された状態の前記営業部門原価金額から、前記加工部門原価金額を減算処理することで、前記営業部門の前記貢献利益を算出すること、
を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の部門別貢献利益算出装置。
【請求項6】
前記算出部は、指定された期間内における、少なくとも一方の時期、及び、前記一方の時期よりも時間的に新しい時期である他方の時期にそれぞれ算出された前記部門毎の前記貢献利益の比率、前記仕入部門の前記仕入部門原価金額の比率、前記加工部門の前記加工部門原価金額の比率、及び、前記営業部門の前記営業部門原価金額の比率を算出し、
前記出力制御部は、算出された前記部門毎の前記貢献利益の比率、前記仕入部門原価金額の比率、前記加工部門原価金額の比率、前記営業部門原価金額の比率、前記他方の時期における前記仕入部門原価金額、前記加工部門原価金額、前記営業部門原価金額、及び、前記他方の時期における各前記部門の前記貢献利益を含む前記出力データを出力制御すること、
を特徴とする請求項5に記載の部門別貢献利益算出装置。
【請求項7】
算出部が、各部門に移管された商品の数量に対して、前記商品が移管された部門毎に定められている前記商品の部門単価を乗算処理すると共に、前記乗算処理前の前記商品の数量に対応する金額及び前記乗算処理後の前記商品の数量に対応する金額の差分である、前記商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出ステップと、
出力制御部が、算出された各前記部門の前記貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御ステップと、
を有する部門別貢献利益算出方法。
【請求項8】
コンピュータを、
各部門に移管された商品の数量に対して、前記商品が移管された部門毎に定められている前記商品の部門単価を乗算処理すると共に、前記乗算処理前の前記商品の数量に対応する金額及び前記乗算処理後の前記商品の数量に対応する金額の差分である、前記商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出部と、
算出された各前記部門の前記貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御部と、
を有する部門別貢献利益算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部門別貢献利益算出装置、部門別貢献利益算出方法、及び、部門別貢献利益算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば仕入部門で原材料の仕入を行い、仕入れられた原材料を加工部門で加工して商品を作成し、作成された商品を営業部門が販売する等のように、事業形態が部門毎に分かれている場合がある。
【0003】
特許文献1(特開2023-033654号公報)には、建物の工事の候補の場所等現場にて見積りを即座かつ精度よく発行することを目的とした情報処理システムが開示されている。この特許文献1には、段落0154に、プルダウンメニューで受注粗利が高い順、又は、粗利達成率が高い順に分析結果を並べ替え可能とされていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-033654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、事業形態が部門毎に分かれている場合、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とすることが好ましい。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とした部門別貢献利益算出装置、部門別貢献利益算出方法、及び、部門別貢献利益算出プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る部門別貢献利益算出装置は、各部門に移管された商品の数量に対して、商品が移管された部門毎に定められている商品の部門単価を乗算処理すると共に、乗算処理前の商品の数量に対応する金額及び乗算処理後の商品の数量に対応する金額の差分である、商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出部と、算出された各部門の貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御部と、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る部門別貢献利益算出方法は、算出部が、各部門に移管された商品の数量に対して、商品が移管された部門毎に定められている商品の部門単価を乗算処理すると共に、乗算処理前の商品の数量に対応する金額及び乗算処理後の商品の数量に対応する金額の差分である、商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出ステップと、出力制御部が、算出された各部門の貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御ステップと、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る部門別貢献利益算出プログラムは、コンピュータを、各部門に移管された商品の数量に対して、商品が移管された部門毎に定められている商品の部門単価を乗算処理すると共に、乗算処理前の商品の数量に対応する金額及び乗算処理後の商品の数量に対応する金額の差分である、商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する算出部と、算出された各部門の貢献利益を含む出力データを出力制御する出力制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態の部門別貢献利益算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、商品マスタの一例を示す図である。
図3図3は、加工前原料単価マスタの一例を示す図である。
図4図4は、商品別歩留率別ランク判定マスタの一例を示す図である。
図5図5は、商品別ランク別標準単価マスタの一例を示す図である。
図6図6は、振替構成マスタの一例を示す図である。
図7図7は、加工構成マスタの一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態の部門別貢献利益算出装置における部門毎の粗利(貢献利益)の管理動作を説明するための図である。
図9図9は、仕入入力画面の一例を示す図である。
図10図10は、仕入データの一例を示す図である。
図11図11は、振替入力画面の一例を示す図である。
図12図12は、振替データ、払出品データ及び受入品データの一例を示す図である。
図13図13は、加工入力画面の一例を示す図である。
図14図14は、加工実績データ、払出品データ及び受入品データの一例を示す図である。
図15図15は、売上入力画面の一例を示す図である。
図16図16は、売上データの一例を示す図である。
図17図17は、売上入力画面の一例を示す図である。
図18図18は、振替データ、払出品データ及び受入品データの一例を示す図である。
図19図19は、加工実績データ、払出品データ及び受入品データの一例を示す図である。
図20図20は、売上データの一例を示す図である。
図21図21は、各部門の前年度の貢献利益の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる部門別貢献利益算出装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下、一例として、原材料として仕入れた玄米を精米(加工)して、商品である白米を生成して販売する例を説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されることはなく、その他の食品又は歩留管理が必要な化学品の加工卸等のように、部門間で独立採算制をとっている事業形態の企業等に適用可能である。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の部門別貢献利益算出装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワークに接続される。
【0014】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とする部門別貢献利益算出プログラムが記憶されている。また、この記憶部2には、後述する商品マスタ11、加工前原料単価マスタ12、商品別歩留率別ランク判定マスタ13、商品別ランク別標準単価マスタ14、振替構成マスタ15及び加工構成マスタ16が記憶されている。また、記憶部2には、仕入データ、振替データ、払出品データ、受入品データ、加工実績データ、売上データ、及び、部門別貢献粗利一覧表データ等の各種データが記憶される。
【0015】
商品マスタ11は、図2に例示するように、商品コード及び商品名が記憶されている。この図2の例は、「G0001」の商品コードの商品は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(仕入用)」であり、「G0002」の商品コードの商品は、「令和3年秋田県産玄米 品種B(仕入用)」であることを示している。
【0016】
加工前原料単価マスタ12は、図3に例示するように、商品コード、商品名、及び、単価が記憶されている。この図2の例は、「K0001」の商品コードの商品は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」であり、「K0002」の商品コードの商品は、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」であることを示している。
【0017】
商品別歩留率別ランク判定マスタ13は、図4に例示するように、商品コード、商品名、歩留率、及び、ランクが関連付けされて記憶されている。具体的には、「A0001」の商品コードの「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の商品において、歩留率が「80%以下」の場合、その商品は「Aランク」であり、歩留率が「85%以下」の場合、その商品は「Bランク」であり、歩留率が「100%以下」の場合、その商品は「Cランク」であることを示している。同様に、「A0002」の商品コードの「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の商品において、歩留率が「80%以下」の場合、その商品は「Aランク」であり、歩留率が「85%以下」の場合、その商品は「Bランク」であり、歩留率が「100%以下」の場合、その商品は「Cランク」であることを示している。
【0018】
商品別ランク別標準単価マスタ14には、図5に例示するように、商品コード、商品名、ランク、及び、単価が関連付けされて記憶されている。具体的には、「A0001」の商品コードの「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の商品において、「ランクA」の商品は、単価が「300円」であり、「ランクB」の商品は、単価が「250円」であり、「ランクC」の商品は、単価が「200円」であることを示している。同様に、「A0002」の商品コードの「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の商品において、「ランクA」の商品は、単価が「260円」であり、「ランクB」の商品は、単価が「230円」であり、「ランクC」の商品は、単価が「200円」であることを示している。
【0019】
振替構成マスタ15には、図6に示すように、親商品コード、親商品名、子商品コード、及び、子商品名が関連付けされて記憶されている。この図6の例は、親商品コードが「G0001」の「令和3年秋田県産玄米 品種A(仕入用)」の親商品の子商品は、子商品コードが「K0001」で、子商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」であることを示している。また、図6の例は、親商品コードが「G0002」の「令和3年秋田県産玄米 品種B(仕入用)」の親商品の子商品は、子商品コードが「K0002」で、子商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」であることを示している。
【0020】
加工構成マスタ16には、図7に示すように、親商品コード、親商品名、子商品コード、及び、子商品名が関連付けされて記憶されている。この図7の例は、親商品コードが「K0001」の「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」の親商品の子商品は、子商品コードが「A0001」で、子商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」であることを示している。また、図7の例は、親商品コードが「K0002」の「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の親商品の子商品は、子商品コードが「A0002」で、子商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」であることを示している。
【0021】
(部門別貢献利益算出装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている部門別貢献利益算出プログラムを実行することで、図1に示すように、表示制御部21、データ生成部22、記憶制御部23、及び、算出部24として機能する。
【0022】
算出部24は、各部門に移管された商品の数量に対して、商品が移管された部門毎に定められている商品の部門単価を乗算処理すると共に、乗算処理前の商品の数量に対応する金額及び乗算処理後の商品の数量に対応する金額の差分である、商品が移管された部門の貢献利益を部門毎に算出する。
【0023】
表示制御部21は、出力制御部の一例であり、算出部24により算出された各部門の貢献利益を含む出力データを、表示部の一例である出力装置7を介して表示する。なお、出力装置7が印刷装置の場合、制御部3は出力制御部として機能した際に、データ生成部22により算出された各部門の貢献利益を含む出力データを印刷データに変換して、印刷装置である出力装置7に供給する。これにより、各部門の貢献利益を含む出力データの印刷出力を得ることができる。また、出力装置7がスピーカ装置の場合、制御部3は出力制御部として機能した際に、データ生成部22により算出された各部門の貢献利益を含む出力データを音声データに変換して、スピーカ装置である出力装置7に供給する。これにより、各部門の貢献利益を含む出力データの音声出力を得ることができる。
【0024】
また、算出部24は、仕入部門の貢献利益を算出する場合、商品の仕入数量に仕入単価を乗算処理することで、商品の仕入時における仕入原価金額を算出する。また、算出部24は、仕入数量に、仕入部門に対して設定されている商品の部門単価を乗算処理することで、仕入部門の粗利が計上された状態の仕入部門原価金額を算出する。また、算出部24は、粗利が計上された状態の仕入部門原価金額から、仕入原価金額を減算処理することで、仕入部門の貢献利益を算出する。
【0025】
また、算出部24は、商品に対して所定の加工を施す加工部門の貢献利益を算出する場合、仕入時の数量の商品に対して加工を施したことで生成された商品の数量に、加工部門に対して設定されている商品の部門単価を乗算処理することで、加工部門の粗利が計上された状態の加工部門原価金額を算出する。また、算出部24は、粗利が計上された状態の加工部門原価金額から、仕入部門原価金額を減算処理することで、加工部門の貢献利益を算出する。
【0026】
また、算出部24は、商品に対して所定の加工を施す前の商品の数量、及び、所定の加工を施した後の商品の数量の比率を示す歩留率を算出する。また、算出部24は、加工部門原価金額を算出する際に、仕入時の数量の商品に対して加工を施したことで生成された商品の数量に、歩留率に対応する商品のランク毎に定められている部門単価を乗算処理することで、加工部門の粗利が計上された状態の加工部門原価金額を算出する。
【0027】
また、算出部24は、売り上げた商品の売上入力を行う営業部門の貢献利益を算出する場合、加工を施したことで生成された商品の数量に、営業部門に対して設定されている商品の部門単価を乗算処理することで、営業部門の粗利が計上された状態の営業部門原価金額を算出する。また、算出部24は、粗利が計上された状態の営業部門原価金額から、加工部門原価金額を減算処理することで、営業部門の貢献利益を算出する。
【0028】
また、算出部24は、指定された期間内における、少なくとも一方の時期、及び、一方の時期よりも時間的に新しい時期である他方の時期にそれぞれ算出された部門毎の貢献利益の比率、仕入部門の仕入部門原価金額の比率、加工部門の加工部門原価金額の比率、及び、営業部門の営業部門原価金額の比率を算出する。
【0029】
表示制御部21は、算出された部門毎の貢献利益の比率、仕入部門原価金額の比率、加工部門原価金額の比率、営業部門原価金額の比率、他方の時期における仕入部門原価金額、加工部門原価金額、営業部門原価金額、及び、他方の時期における各部門の貢献利益を含む出力データを、出力装置7を介して表示する。
【0030】
(部門別の貢献利益の出力動作の概要)
次に、実施の形態の部門別貢献利益算出装置1における部門別の貢献利益の出力動作は、記憶部2に記憶されている部門別貢献利益算出プログラム(フロー)に基づいて、制御部3が動作することで、図8のステップS1~ステップS5に示す流れで行われる。
【0031】
ステップS1では、制御部3が、操作者により入力操作された、仕入が行われた商品(原料)の仕入入力処理を行う。
【0032】
ステップS2では、制御部3が、操作者により入力操作に基づいて、仕入が行われた商品(原料)に対して粗利(仕入部門の貢献利益)を計上する振替入力処理を行う。
【0033】
ステップS3では、制御部3が、操作者により入力操作に基づいて、仕入が行われた商品(原料)に所定の加工を施して生成した商品の粗利(製造部門の貢献利益)を計上する加工入力処理を行う。
【0034】
ステップS4では、制御部3が、操作者により入力操作に基づいて、加工された商品の売上に対応する粗利(営業部門の貢献利益)を計上する売上入力処理を行う。
【0035】
ステップS5では、制御部3が、仕入部門、製造部門及び営業部門の各貢献利益を一覧表示する。この際、制御部3は、各部門の各貢献利益の前年比等も、各貢献利益の一覧に含めて表示する。
【0036】
(仕入部門の貢献利益の算出動作)
次に、ステップS1及びステップS2における仕入部門の貢献利益の算出動作の具体例を説明する。仕入入力を行う場合、操作者は、仕入入力画面の表示を指定操作する。これにより、表示制御部21は、図9に例示する仕入入力画面を、出力装置7を介して表示する。操作者は、この仕入入力画面に対して、仕入日、在庫場所、仕入先、仕入を行った部門(この例では、商品部)、及び、仕入を行った商品の明細を入力する。
【0037】
図9の例は、商品コードが「G0001」で、商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種A(仕入用)」で、ロット番号が「LOTG0001」の商品を、100g=100円の仕入単価で50kg(数量=仕入数量)の仕入を行うことで、50万円の仕入金額(仕入原価金額)となったことを示している。また、図9の例は、商品コードが「G0002」で、商品名が「令和3年秋田県産玄米 品種B(仕入用)」で、ロット番号が「LOTG0002」の商品を、100g=90円の仕入単価で50kg(数量=仕入数量)の仕入を行うことで、45万円の仕入金額(仕入原価金額)となったことを示している。そして、図9の例は、これらの仕入により、仕入金額(仕入原価金額)の合計は、95万円になったことを示している。
【0038】
このような仕入入力操作が行われると、データ生成部22は、仕入入力画面に入力された各種情報に基づいて、図10に例示するように、仕入伝票番号、仕入行番号、部門、在庫場所、仕入先、商品名、数量(仕入数量)、仕入単価及び仕入金額を含む仕入データを生成する。
【0039】
次に、操作者は、仕入部門における粗利(貢献利益)を計上すべく、振替入力画面の表示を指定操作する。この指定操作が行われると、算出部24は、図3に示す加工前原料単価マスタ12を参照し、仕入入力された商品名の商品に対応する仕入部門の単価(振替単価)を検出する。この図3の例の場合、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」の振替単価は「100g=150円」に設定されており、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の振替単価は「100g=120円」に設定されている。
【0040】
算出部24は、上述の「50kg」の仕入数量に、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」の振替単価である、「100g=150円」の振替単価を乗算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」の振替原価金額として、「75万円」を算出する。また、算出部24は、この「75万円」の振替原価金額から、上述の「50万円」の仕入原価金額を減算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」に対応する仕入部門の粗利(貢献利益)として「25万円」を算出する。
【0041】
同様に、算出部24は、上述の「50kg」の仕入数量に、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の振替単価である、「100g=120円」の振替単価を乗算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の振替原価金額として、「60万円」を算出する。また、算出部24は、この「60万円」の振替原価金額から、上述の「45万円」の仕入原価金額を減算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」に対応する仕入部門の粗利(貢献利益)として「15万円」を算出する。
【0042】
そして、算出部24は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」に対応する仕入部門の粗利(貢献利益)である「25万円」と、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」に対応する仕入部門の粗利(貢献利益)である「15万円」とを加算処理した計「40万円」を、仕入部門の粗利(貢献利益)として算出する。
【0043】
このような演算が行われると、表示制御部21は、図11に例示するように、振替番号、振替日、払出部門、払出場所、受入部門、受入場所、及び、利益計上部門の各入力欄を表示した振替入力画面を、出力装置7を介して表示する。操作者は、各入力欄に対して、所望の振替日、払出部門、払出場所、受入部門、受入場所を入力する。また、この場合、操作者は、利益計上部門として、「001」の部門コードを選択する。この「001」の部門コードは、振替入力を行った仕入部門(=商品部)の部門コードとなっている。
【0044】
また、表示制御部21は、仕入入力された「令和3年秋田県産玄米 品種A(仕入用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(仕入用)」の仕入数量(数量)、原価単価(仕入単価)、原価金額、原価金額の合計額(合計)を、「払出品」の明細の表示欄に表示する。なお、表示制御部21は、「払出品」の明細の表示欄において、商品名、原価単価及び原価金額は、変更不可の状態で表示する。商品コード、ロット番号、及び、数量は、変更可能である。
【0045】
また、表示制御部21は、振替入力された「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の仕入数量(数量)、原価単価(振替単価)、原価金額、原価金額の合計額(合計)を、「受入品」の明細の表示欄に表示する。なお、表示制御部21は、「受入品」の明細の表示欄において、商品コード、商品名、原価単価及び原価金額は、変更不可の状態で表示する。ロット番号、及び、数量は、変更可能である。
【0046】
また、表示制御部21は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の振替入力を行ったことによる、仕入部門の粗利(貢献利益、この例は4万円)を、表示不可の状態で振替入力画面に表示する。
【0047】
また、データ生成部22は、振替入力画面に入力された各種情報に基づいて、図12(a)に示すように加工番号、加工日、払出部門、払出場所、受入部門、受入場所、利益計上部門、及び、仕入部門の粗利(貢献利益)等を含む振替データを生成する。
【0048】
また、データ生成部22は、振替入力画面の払出品の明細等に基づいて、図12(b)に示すように払出行、商品コード、商品名、ロット番号、数量、原価単価、及び、原価金額等を含む払出品データを生成する。
【0049】
また、データ生成部22は、振替入力画面の受入品の明細等に基づいて、図12(c)に示すように受入行、払出行、商品コード、商品名、ロット番号、数量、原価単価、及び、原価金額等を含む受入品データを生成する。
【0050】
記憶制御部23は、データ生成部22により生成された振替データ、払出品データ及び受入品データを、記憶部2に記憶させる。
【0051】
(製造部門の貢献利益の算出動作)
次に、ステップS3おける製造部門の貢献利益の算出動作の具体例を説明する。製造部門では、仕入られた玄米の精米(=加工)を行う。このような商品の加工が行われると、操作者は、加工入力画面の表示を指定操作する。これにより、表示制御部21は、図13に例示するように、加工番号、加工日、払出部門、払出場所、受入部門、受入場所、加工を行った部門である利益計上部門(この例では、製造部)の入力欄を含む加工入力画面を、出力装置7を介して表示する。操作者は、この例の場合、この加工入力画面に対して、払出部門として部門コードが「002」の「製造部」を入力し、受入部門として部門コードが「003」の「営業部」を入力する。
【0052】
また、表示制御部21は、振替入力された「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の振替数量(数量)、原価単価(振替単価)、原価金額、原価金額の合計額(合計)を、「払出品」の明細の表示欄に表示する。なお、表示制御部21は、「払出品」の明細の表示欄において、商品名、原価単価及び原価金額は、変更不可の状態で表示する。商品コード、ロット番号、及び、数量は、変更可能である。
【0053】
ここで、玄米の精米(加工)が行われることで、種皮及び胚芽等の糠が除去され、数量が減少する。このため、操作者は、精米により製造された白米の数量を、加工入力画面の受入品の明細における数量の入力欄に入力する。図13の例は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」を精米することで、元の「50kg」から「42kg」に減少し、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」を精米することで、元の「50kg」から「40kg」に減少した例である。
【0054】
このような精米後の数量が入力されると、算出部24は、精米前の数量と、精米後の数量との比率である歩留率を算出する。「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」の場合、精米を行うことで、元の「50kg」が「42kg」に減少したため、歩留率は、「84.0%」となる。また、「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の場合、精米を行うことで、元の「50kg」が「40kg」に減少したため、歩留率は、「80.0%」となる。
【0055】
算出部24は、算出した歩留率に基づいて図4に示す商品別歩留率別ランク判定マスタ13を参照し、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」のランクを検出する。この例の場合、歩留率が「84.0%」の「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」のランクは「Bランク」であり、歩留率が「80.0%」の「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」のランクは「Aランク」である。
【0056】
また、算出部24は、検出した各ランクに基づいて、図5に示す商品別ランク別標準単価マスタ14を参照し、各ランクに対応する単価(加工単価)を検出する。この例の場合、「Bランク」となった「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の加工単価は「250円」であり、「Aランク」となった「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の加工単価は「260円」である。
【0057】
算出部24は、上述の加工数量に加工単価を乗算処理することで、原価金額(加工部門原価金額)を算出する。この例の場合、「Bランク」となった「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」は、数量が「42kg」であり、加工単価が「250円」であるため、加工部門原価金額が「105万円」となる。また、「Aランク」となった「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」は、数量が「40kg」であり、加工単価が「260円」であるため、加工部門原価金額が「104万円」となる。
【0058】
このように、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の加工部門原価金額を算出すると、算出部24は、算出した各加工部門原価金額を加算処理することで「209万円」の合計金額を算出する。そして、算出部24は、精米後における原価金額の合計額である「209万円」から、精米前の原価金額の合計額である「135万円」を減算処理することで、加工部門の粗利(貢献利益)として「74万円」を算出する。
【0059】
表示制御部21は、図13に示すように、加工入力画面の受入品の明細の表示欄に、商品コード、商品名、歩留率、ランク、原価単価(加工単価)、原価金額(加工部門原価金額)及び、各商品の加工部門原価金額の合計額を、変更不可の状態で表示する。なお、払出行、ロット番号、及び、数量は、変更可能である。
【0060】
この例の場合、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の明細には、数量が「42kg」、歩留率が「84.0%」、ランクが「B」、原価単価が「250円」、原価金額が「105万円」として表示される。また、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の明細には、数量が「40kg」、歩留率が「80.0%」、ランクが「A」、原価単価が「260円」、原価金額が「104万円」として表示される。また、原価金額の合計額としては、「209万円」が表示される。
【0061】
また、表示制御部21は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(精米用)」及び「令和3年秋田県産玄米 品種B(精米用)」の加工を行ったことによる、製造部門の粗利(貢献利益、この例は74万円)を、表示不可の状態で振替入力画面に表示する。
【0062】
また、データ生成部22は、加工入力画面に入力された各種情報に基づいて、図14(a)に示すように加工番号、加工日、払出部門、払出場所、受入部門、受入場所、利益計上部門、及び、製造部門の粗利(貢献利益)等を含む加工実績データを生成する。
【0063】
また、データ生成部22は、加工入力画面の払出品の明細等に基づいて、図14(b)に示すように払出行、商品コード、商品名、ロット番号、数量、原価単価、及び、原価金額等を含む払出品データを生成する。
【0064】
また、データ生成部22は、加工入力画面の受入品の明細等に基づいて、図14(c)に示すように受入行、払出行、商品コード、商品名、ロット番号、数量、歩留率、ランク、原価単価、及び、原価金額等を含む受入品データを生成する。
【0065】
記憶制御部23は、データ生成部22により生成された加工実績データ、払出品データ及び受入品データを、記憶部2に記憶させる。
【0066】
(営業部門の貢献利益の算出動作)
次に、ステップS4おける営業部門の貢献利益の算出動作の具体例を説明する。営業部門では、精米(=加工)された米の販売を行った際に、その売上入力を行う。売上入力を行う場合、操作者は、売上入力画面の表示を指定操作する。これにより、表示制御部21は、図15に例示するように、売上日、得意先、納入先、担当者、在庫場所、請求先、売上を行った部門(この例では、営業部)の入力欄を含む売上入力画面を、出力装置7を介して表示する。なお、この例の場合、表示制御部21は、売上を行った部門として、部門コードが「003」の「製造部」を変更不可の状態で表示する。
【0067】
また、表示制御部21は、売上入力の明細欄に対して、商品コード、商品名、ロット番号、ランク、数量、売上単価、売上金額、売上合計額、原価単価、原価金額、原価合計額、及び、粗利金額を表示する。このうち、表示制御部21は、ランク、原価単価、原価金額、原価合計額、及び、粗利金額は、変更不可の状態で表示する。
【0068】
すなわち、ランクの表示欄には、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」のランクである「Bランク」が変更不可の状態で表示され、また、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」のランクである「Aランク」が変更不可の状態で表示される。また、原価単価の表示欄には、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の原価単価である「250円」が変更不可の状態で表示され、また、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の原価単価である「260円」が変更不可の状態で表示される。
【0069】
また、原価金額の表示欄には、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の原価金額である「105万円」が変更不可の状態で表示され、また、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の原価金額である「104万円」が変更不可の状態で表示される。さらに、原価合計額の表示欄には、「105万円」の原価金額と、「104万円」の原価金額の合計額である「209万円」が変更不可の状態で表示される。
【0070】
ここで、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている売上単価マスタを参照し、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の売上単価、及び、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の売上単価を検出する。「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の売上単価は「270円」であり、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の売上単価は「290円」であったとする。この場合、表示制御部21は、図15に示すように、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の売上単価の表示欄に「270円」を表示し、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の売上単価の表示欄に「290円」を表示する。
【0071】
また、算出部24は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の各数量である「42kg」に、売上単価である「270円」を乗算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の売上金額として「113万4千円」を算出する。また、算出部24は、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の各数量である「40kg」に、売上単価である「290円」を乗算処理することで、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の売上金額として「116万円」を算出する。
【0072】
さらに、算出部24は、算出した各売上金額である「113万4千円」及び「116万円」を加算処理し、「229万4千円」の売上金額の合計額を算出する。
【0073】
表示制御部21は、「令和3年秋田県産玄米 品種A(売上用)」の売上金額の表示欄に、算出された「113万4千円」の売上金額を表示し、「令和3年秋田県産玄米 品種B(売上用)」の売上金額の表示欄に、算出された「116万円」の売上金額を表示する。また、表示制御部21は、売上金額の合計額の表示欄に、算出された「229万4千円」の売上金額の合計額を表示する。
【0074】
また、算出部24は、売上金額の合計額である「229万4千円」から、「209万円」の原価金額を減算処理することで、営業部門の粗利(貢献利益)として「20万4千円」を算出する。表示制御部21は、この「20万4千円」を、売上入力画面の粗利金額の表示欄に表示する。
【0075】
また、データ生成部22は、この売上入力画面の各種入力情報に基づいて、図16に示すように、売上番号、行番号、売上日、部門名、得意先名、商品名、ロット番号、ランク、売上数量、売上単価、売上金額、原価単価、原価金額及び粗利金額等を含む売上データを生成する。記憶制御部23は、この売上データを記憶部2に記憶させる。
【0076】
(各部門の貢献利益の一覧の表示動作)
次に、ステップS5における各部門の貢献利益の一覧表の表示動作を説明する。操作者により、各部門の貢献利益の一覧表の表示が指定操作されると、表示制御部21は、図17(a)に例示する部門別貢献粗利一覧表入力画面を、出力装置7を介して表示する。操作者は、この部門別貢献粗利一覧表入力画面に対して、表示対象とする「期間」を入力し、出力ボタンを操作する。図17の例は、「期間」として「2023年2月1日~2023年2月28日」が指定された例である。
【0077】
期間が指定されると、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、仕入部門(商品部)の振替入力による振替データ(図12(a))を参照して、仕入部門の貢献利益(この例の場合、40万円)を検出する。また、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、仕入部門(商品部)の振替入力による受入品データ(図12(c))を参照して、仕入部門の原価金額の合計額(この例の場合、75万円+60万円=135万円)を検出する。
【0078】
同様に、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、製造部門の加工入力による加工実績データ(図14(a))を参照して、製造部門の貢献利益(この例の場合、74万円)を検出する。また、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、製造部門の加工入力による受入品データ(図14(c))を参照して、仕入部門の原価金額の合計額(この例の場合、105万円+104万円=209万円)を検出する。
【0079】
同様に、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、営業部門の売上入力による売上データ(図16)を参照して、営業部門の貢献利益(この例の場合、8万4千円+12万円=20万4千円)を検出する。また、表示制御部21は、記憶部2に記憶されている、例えば「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間に対応する、製造部門の売上入力による売上データ(図16)を参照して、営業部門の売上金額の合計額(この例の場合、113万4千円+116万円=229万4千円)を検出する。
【0080】
そして、表示制御部21は、それぞれ検出した仕入部門(商品部)、製造部門(製造部)及び営業部門(営業部)の売上高(原価金額の合計額又は売上金額の合計額)及び粗利高(貢献利益)を、図17(b)に示すように、出力装置7を介して一覧表示する。これにより、管理者等は、部門毎に売上高及び粗利高を一目で認識することができる。
【0081】
また、算出部24は、部門別貢献粗利一覧表入力画面で「期間」が指定されると、指定された期間に対応する、前年度の期間における各部門の「原価金額の合計額又は売上金額の合計額」及び「貢献利益」を記憶部2から検出する。すなわち、上述の例では、「2023年2月1日~2023年2月28日」の期間が指定されたため、算出部24は、「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間に対応する各部門の「原価金額の合計額又は売上金額の合計額」及び「貢献利益」を検出する。
【0082】
すなわち、算出部24は、図18(a)に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における仕入部門の振替データを記憶部2から参照し、例えば「50万円」等の、この期間の貢献利益を検出する。また、算出部24は、図18(c)に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における仕入部門の受入品データを記憶部2から参照し、例えば「150万円」等の、この期間の原価金額の合計額を検出する。なお、図18(b)は、「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における仕入部門の払出品データの一例である。
【0083】
また、算出部24は、図19(a)に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における製造部門の加工実績データを記憶部2から参照し、例えば「40万円」等の、この期間の貢献利益を検出する。また、算出部24は、図19(c)に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における製造部門の受入品データを記憶部2から参照し、例えば「190万円」等の、この期間の原価金額の合計額を検出する。なお、図19(b)は、「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における製造部門の払出品データの一例である。
【0084】
また、算出部24は、図20に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における営業部門の売上データを記憶部2から参照し、例えば「40万円」等の、この期間の貢献利益を検出する。また、算出部24は、図20に示す「2022年2月1日~2022年2月28日」の期間における営業部門の売上データを記憶部2から参照し、例えば「208万円」等の、この期間の売上金額を検出する。
【0085】
これにより、図21に示すように、前年度における各部門の売上高及び粗利高を検出することができる。なお、表示制御部21は、この前年度における各部門の売上高及び粗利高を、出力装置7を介して表示してもよい。算出部24は、前年度における各部門の売上高及び粗利高を検出すると、部門毎に、今年度の売上高及び粗利高と比較し、部門毎の比率(前年比)を算出する。
【0086】
具体的には、図17(b)に示す例の場合、仕入部門(商品部)における今年度の売上高は、「135万円」であり、前年度の売上高は「150万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「90%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。また、仕入部門(商品部)における今年度の粗利高は、「40万円」であり、前年度の粗利高は「50万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「80%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。
【0087】
同様に、図17(b)に示す例の場合、製造部門における今年度の売上高は、「209万円」であり、前年度の売上高は「190万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「110%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。また、製造部門における今年度の粗利高は、「74万円」であり、前年度の粗利高は「40万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「185%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。
【0088】
同様に、図17(b)に示す例の場合、営業部門における今年度の売上高は、「229万4千円」であり、前年度の売上高は「208万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「110%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。また、営業部門における今年度の粗利高は、「20万4千円」であり、前年度の粗利高は「48万円(図21参照)」であるため、算出部24は、前年比「43%」を算出して、部門別貢献粗利一覧表に表示する。
【0089】
このように、各部門における売上高及び粗利率の前年比も一覧表示することで、後の経営計画を立てやすくすることができる。
【0090】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の部門別貢献利益算出装置1は、部門毎に粗利(貢献利益)の管理を可能とすることができる。
【0091】
また、部門毎の在庫責任、売上計上のタイミングを明確にすることができ、各部門での社内売買業務の負荷又は部門毎の調整の負荷を軽減できる。
【0092】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0095】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0096】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0097】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0098】
また、部門別貢献利益算出装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0099】
例えば、部門別貢献利益算出装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて部門別貢献利益算出装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0100】
また、この部門別貢献利益算出装置1の部門別貢献利益算出プログラムは、部門別貢献利益算出装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0101】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための部門別貢献利益算出プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0102】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した部門別貢献利益算出装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0103】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0104】
また、部門別貢献利益算出装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0105】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、食品又は歩留管理が必要な化学品の加工卸の企業等のように、部門間で独立採算制をとっている食品商社等に適用して好適である。
【符号の説明】
【0107】
1 部門別貢献利益算出装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 商品マスタ
12 加工前原料単価マスタ
13 商品別歩留率別ランク判定マスタ
14 商品別ランク別標準単価マスタ
15 振替構成マスタ
16 加工構成マスタ
21 表示制御部
22 データ生成部
23 記憶制御部
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