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特開2024-162199液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法
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  • 特開-液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162199
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077520
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰人
(72)【発明者】
【氏名】大上 裕之
【テーマコード(参考)】
2H189
【Fターム(参考)】
2H189DA07
2H189DA32
2H189DA38
2H189DA43
2H189DA48
2H189FA16
2H189HA16
2H189LA03
2H189LA05
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA15
(57)【要約】
【課題】表示品質の高い液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】液晶表示パネル100は、複数のゲート線12を含むゲート層12A、複数のソース線14を含むソース層14A、並びに、ゲート層及びソース層を覆う配向膜20を有するアクティブマトリクス基板10と、アクティブマトリクス基板に対向して配置された、平面視において複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分、及び、複数の第1部分と交差し、複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクス52と、複数の第1部分と複数の第2部分とが交差する複数の交差領域52Cに配置されたスペーサ55とを有するカラーフィルタ基板50と、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に配置された液晶層70とを備える。アクティブマトリクス基板は、さらに、交差領域と平面視で重なる領域10C内のスペーサを取り囲む位置に設けられた土手部BKを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブマトリクス基板と、
前記アクティブマトリクス基板に対向して配置されたカラーフィルタ基板と、
前記アクティブマトリクス基板と前記カラーフィルタ基板との間に配置された液晶層と、を備え、
前記アクティブマトリクス基板は、
第1方向に伸びる複数のゲート線を含むゲート層と、
前記複数のゲート線と交差し、第2方向に伸びる複数のソース線を含むソース層と、
前記ゲート層及び前記ソース層を覆う配向膜と、を有し、
前記カラーフィルタ基板は、
平面視において、前記アクティブマトリクス基板の前記複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分、及び、前記複数の第1部分と交差し、前記複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクスと、
前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とが交差する複数の交差領域の少なくとも一部に配置された、前記アクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサと、を有し、
前記アクティブマトリクス基板は、さらに、前記交差領域と平面視で重なる領域内の前記スペーサを取り囲む位置に設けられた、前記カラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を有する
液晶表示パネル。
【請求項2】
前記土手部は、前記配向膜が覆っている前記ゲート層と前記ソース層との少なくとも一方によって形成される
請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記土手部は、前記配向膜が覆っている前記ゲート層と前記ソース層とのうちの一方によって形成される
請求項2に記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記土手部は、前記配向膜が覆っている前記ゲート層と前記ソース層との両方によって形成される
請求項2に記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記土手部は、前記交差領域と平面視で重なる領域の縁部に配置される
請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の液晶表示パネルを備えた
表示装置。
【請求項7】
液晶表示パネルに搭載されるアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
基板上に、第1方向に伸びる複数のゲート線を含むゲート層を形成し、
前記ゲート層の上層に、前記複数のゲート線と交差し、第2方向に伸びる複数のソース線を含むソース層を形成し、
前記ソース層の上層に、前記ゲート層及び前記ソース層を覆う配向膜を形成する、ことを備え、
前記液晶表示パネルにおいて、前記アクティブマトリクス基板と液晶層を挟んで対向して配置されるカラーフィルタ基板は、平面視において、前記アクティブマトリクス基板の前記複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分と、前記複数の第1部分と交差し、前記複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクスと、前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とが交差する複数の交差領域の少なくとも一部に配置された、前記アクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサと、を有し、
前記ゲート層を形成すること、及び、前記ソース層を形成すること、の少なくとも一方は、前記交差領域と平面視で重なる領域内の前記スペーサを取り囲む位置に、前記カラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を形成することを含む
アクティブマトリクス基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶層の厚さを一定に保つための柱状のスペーサが設けられた液晶表示パネルが知られている。このような液晶表示パネルに外力が加えられると、スペーサの変位が生じることがある。フォトスペーサが遮光領域外まで変位することによって、表示画面に表示ムラが生じる場合がある。そのため、表示品質が低下するという問題があった。
【0003】
この問題について、特表2019-525256号公報(以下、特許文献1)は、互いに対向して離間するように設けられたカラーフィルム基板及びアレイ基板と、両基板の間に位置するフォトスペーサと、を含む液晶表示パネルを開示している。この液晶パネルでは、アレイ基板のカラーフィルム基板に対向する側にコンタクトホールが開設され、カラーフィルム基板のアレイ基板に対向する側に凸柱が設けられ、凸柱の高さは、フォトスペーサの高さよりも大きく、凸柱の頂部は、コンタクトホールに挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2019-525256号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の液晶表示パネルでは、フォトスペーサの直径より大きいコンタクトホールが必要となる。また、特許文献1に開示の液晶表示パネルでは、コンタクトホール部に常時フォトスペーサが接触するため、電気的に表示不良が発生する可能性がある。従って、表示品質の高い液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法が望まれる。
【0006】
ある実施の形態に従うと、液晶表示パネルは、アクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板に対向して配置されたカラーフィルタ基板と、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に配置された液晶層と、を備える。アクティブマトリクス基板は、第1方向に伸びる複数のゲート線を含むゲート層、複数のゲート線と交差し、第2方向に伸びる複数のソース線を含むソース層、並びに、ゲート層及びソース層を覆う配向膜、を有する。カラーフィルタ基板は、平面視において、アクティブマトリクス基板の複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分、及び、複数の第1部分と交差し、複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクスと、複数の第1部分と複数の第2部分とが交差する複数の交差領域の少なくとも一部に配置された、アクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサと、を有する。アクティブマトリクス基板は、さらに、交差領域と平面視で重なる領域内のスペーサを取り囲む位置に設けられた、カラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を有する。
【0007】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、比較例に係る液晶表示パネルに外力が加えられたときの、ずれ量とガラス基板の厚みとの関係を説明するための概略図である。
図2図2は、比較例に係る液晶表示パネルに外力が加えられたときの、変形のメカニズムを表した概略図である。
図3図3は、実施の形態に係る表示装置の概略構成図である。
図4図4は、第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの概略断面図である。
図5図5は、液晶表示パネルのカラーフィルタ基板の一部の概略平面図である。
図6図6は、実施の形態に係るアクティブマトリクス基板の製造方法の一部の流れの一例を表したフローチャートである。
図7図7は、第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの概略断面図である。
図8図8は、第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの他の例の概略断面図である。
図9図9は、第3の実施の形態に係る液晶表示パネルのカラーフィルタ基板50の一部の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.課題の説明>
低価格の液晶表示パネルとして、ガラス基板を薄くする加工工程であるスリミングを省略したガラススリミングレス液晶表示パネルがある。これにより製造コストが抑えられる。
【0010】
発明者らは、ガラススリミングレス液晶表示パネルを搭載した、比較例に係る表示装置に対して、外圧をかける実験を行った。具体的には、ガラススリミングレス液晶表示パネルを搭載したノート型パソコンを閉じた状態で、外側から直径30mm程度の治具で押す実験を行った。この実験の結果、画面に表示ムラが発生することを確認した。
【0011】
この理由について、発明者らは、比較例に係るガラススリミングレス液晶表示パネルでは、カラーフィルタ基板のブラックマトリクスに設けられた、液晶層に向けて凸のスペーサの位置が面と平行な方向にずれながら強く押されることで、面と平行な方向へのずれ量が大きくなるためと考察した。すなわち、比較例に係るガラススリミングレス液晶表示パネルでは、外圧によって面と平行な方向へのずれ量が大きくなってスペーサの位置がブラックマトリクスよりも外になると、スペーサの先端と液晶配向膜との接触によって光漏れが生じると考えられた。
【0012】
詳しくは、図1図2を用いて説明する。図1は、比較例に係る液晶表示パネル100Aに外力が加えられたときの、ずれ量とガラス基板の厚みとの関係を説明するための概略図である。図2は、比較例に係る液晶表示パネル100Aに外力が加えられたときの、変形のメカニズムを表した概略図である。
【0013】
図1は、比較例に係る液晶表示パネル100Aが、外力によって曲げられた状態を表している。液晶表示パネル100Aは、間隔dで重ねられた厚みT1のアクティブマトリクス基板1と厚みT2のカラーフィルタ基板2とを有する。図1では、係る液晶表示パネル100Aが、外力によってアクティブマトリクス基板1の裏面1bが凸になるように曲げられた状態を表している。
【0014】
このとき、アクティブマトリクス基板1とカラーフィルタ基板2とでは、撓みの半径が異なる。すなわち、カラーフィルタ基板2の表面2bは半径Rで撓み、アクティブマトリクス基板1の裏面1bは半径(R+α)で撓む。そのため、アクティブマトリクス基板1の裏面1bとカラーフィルタ基板2の表面2bとで、撓みによって円周方向にずれ量Sの位置ずれが生じる。
【0015】
ずれ量Sは、半径Rが、アクティブマトリクス基板1及びカラーフィルタ基板2の厚みT1,T2、並びに間隔dに対して十分に大きい場合、撓みがない場合の液晶表示パネルの長さL、及び、厚みT1,T2の和Tを用いて、下の式(1)で表される。
S=L(T+d)/(2R) …(1)
【0016】
図2に示すように、カラーフィルタ基板2は、遮光領域であるブラックマトリクス4を有する。カラーフィルタ基板2においてブラックマトリクス4と平面視で重なる位置に、アクティブマトリクス基板1に向けて凸の柱状のスペーサ3が設けられている。液晶表示パネルが、外圧が加えられていない通常状態のときであるステップS1では、スペーサ3の先端がアクティブマトリクス基板1の表面に接する。
【0017】
液晶表示パネル100Aに局所的に大きな外力が加わると、ステップS2で、カラーフィルタ基板2はアクティブマトリクス基板1に対して方向Kにずれ量Sでずれる。方向Kは、アクティブマトリクス基板1及びカラーフィルタ基板2が撓むときの円周方向に相当し、撓みの半径Rが十分に大きい場合に、方向Kはアクティブマトリクス基板1及びカラーフィルタ基板2の面に平行な方向に相当する。
【0018】
また、液晶表示パネル100Aに局所的に大きな外力が加わると、ステップS3で、カラーフィルタ基板2はアクティブマトリクス基板1に対して方向Kにずれ量Sでずれた状態で、アクティブマトリクス基板1に対して押しつけられる。そのため、スペーサ3の先端がアクティブマトリクス基板1の表面に配置された配向膜と接触する。配向膜が損なわれることにより、その位置での液晶層の配向が乱れる。
【0019】
液晶表示パネル100Aがガラススリミングレス液晶表示パネルの場合、ガラス基板が厚いため厚みT1,T2の和Tが大きくなる。そのため、式(1)より、方向Kへのずれ量Sは大きくなる。その結果、液晶表示パネル100Aがガラススリミングレス液晶表示パネルの場合、外力による撓みや変形によって、スペーサ3が配向膜と接触して移動する範囲も大きくなり、液晶層の配向が乱れる範囲も大きくなる。液晶層の配向が乱れた位置C1が、ステップS1の通常状態でのブラックマトリクス4と平面視で重なる範囲を超えると、ステップS1の通常状態において液晶層の配向の乱れが視認されるようになる。つまり、表示ムラが生じる。
【0020】
発明者らは、ガラススリミングレス液晶表示パネルに外力を加えた場合に生じる表示ムラについて上記のように原因を考察し、上記の原因に起因する表示ムラを抑えた液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法を見出した。
【0021】
<2.液晶表示パネル、表示装置、及びアクティブマトリクス基板の製造方法の概要>
【0022】
(1)実施の形態に係る液晶表示パネルは、アクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板に対向して配置されたカラーフィルタ基板と、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に配置された液晶層と、を備える。アクティブマトリクス基板は、第1方向に伸びる複数のゲート線を含むゲート層、複数のゲート線と交差し、第2方向に伸びる複数のソース線を含むソース層、並びに、ゲート層及びソース層を覆う配向膜、を有する。カラーフィルタ基板は、平面視において、アクティブマトリクス基板の複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分、及び、複数の第1部分と交差し、複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクスと、複数の第1部分と複数の第2部分とが交差する複数の交差領域の少なくとも一部に配置された、アクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサと、を有する。アクティブマトリクス基板は、さらに、交差領域と平面視で重なる領域内のスペーサを取り囲む位置に設けられた、カラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を有する。
【0023】
液晶表示パネルを搭載した表示装置に外圧が加えられ、液晶表示パネルに外力が加わった場合に、対向して設けられたアクティブマトリクス基板及びカラーフィルタ基板は、それぞれ撓みが生じ、その厚みの違いから面に平行な方向にずれが生じる。このずれは、例えばガラススリミングレス液晶表示パネルなど、厚みの大きい液晶表示パネルほど大きくなることは、発明者らによってシミュレーションされている。カラーフィルタ基板が、交差領域にアクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサを有し、アクティブマトリクス基板が、交差領域と平面視で重なる領域内のスペーサを取り囲む位置にカラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を有することで、スペーサのずれが土手部によって阻止され、その結果、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板とのずれが阻止される。
【0024】
そのため、実施の形態に係る液晶表示パネルでは、スペーサが配向膜と接触して移動する範囲を、土手部を有しない比較例に係る液晶表示パネルより小さくすることができる。その結果、液晶層の配向が乱れる範囲を、比較例に係る液晶表示パネルより小さくすることができる。
【0025】
また、実施の形態に係る液晶表示パネルでは、土手部が交差領域と平面視で重なる領域に設けられるため、スペーサが配向膜と接触して移動する範囲を、交差領域と平面視で重なる領域内とすることができる。これにより、実施の形態に係る液晶表示パネルでは、スペーサが配向膜と接触することで生じる液晶層の配向の乱れがブラックマトリクスによって視認されない。その結果、表示ムラが抑えられる。
【0026】
(2)(1)に記載の液晶表示パネルであって、好ましくは、土手部は、配向膜が覆っているゲート層とソース層との少なくとも一方によって形成される。これにより、ゲート層及びソース層とは別に、土手部を形成するための層を用意することなく、ゲート層とソース層との少なくとも一方を用いてアクティブマトリクス基板を製造することができる。そのため、製造コストが抑えられる。
【0027】
(3)(2)に記載の液晶表示パネルであって、土手部が、配向膜が覆っているゲート層とソース層との少なくとも一方によって形成されることは、例えば、土手部が、配向膜が覆っているゲート層とソース層とのうちの一方によって形成されることでもよい。
【0028】
(4)または、(2)に記載の液晶表示パネルであって、土手部が、配向膜が覆っているゲート層とソース層との少なくとも一方によって形成されることは、例えば、土手部が、配向膜が覆っているゲート層とソース層との両方によって形成されることでもよい。いずれの場合であっても、製造コストを抑えてアクティブマトリクス基板を製造することができる。
【0029】
(5)(1)~(4)のいずれか1つに記載の液晶表示パネルであって、土手部は、交差領域と平面視で重なる領域の縁部に配置される。これにより、液晶表示パネルに対して外力が加えられた際に、カラーフィルタ基板とアクティブマトリクス基板との変形がある程度許容されるようになる。その結果、外力によって液晶表示パネルに生じる応力が緩和される。
【0030】
(6)実施の形態に係る表示装置は、(1)~(5)のいずれか1つに記載の液晶表示パネルを備えている。これにより、表示装置での表示ムラが抑えられる。
【0031】
(7)実施の形態に係るアクティブマトリクス基板の製造方法は、液晶表示パネルに搭載されるアクティブマトリクス基板の製造方法であって、基板上に、第1方向に伸びる複数のゲート線を含むゲート層を形成し、ゲート層の上層に、複数のゲート線と交差し、第2方向に伸びる複数のソース線を含むソース層を形成し、ソース層の上層に、ゲート層及びソース層を覆う配向膜を形成する、ことを備える。液晶表示パネルにおいて、アクティブマトリクス基板と液晶層を挟んで対向して配置されるカラーフィルタ基板は、平面視において、アクティブマトリクス基板の複数のソース線とそれぞれ重なる複数の第1部分と、複数の第1部分と交差し、複数のゲート線とそれぞれ重なる複数の第2部分とを含むブラックマトリクスと、複数の第1部分と複数の第2部分とが交差する複数の交差領域の少なくとも一部に配置された、アクティブマトリクス基板に向けて凸のスペーサと、を有する。ゲート層を形成すること、及び、ソース層を形成すること、の少なくとも一方は、複数の第1部分と複数の第2部分とが交差する交差領域と平面視で重なる領域内のスペーサを取り囲む位置に、カラーフィルタ基板に向けて凸の土手部を形成することを含む。
【0032】
実施の形態に係る製造方法によって製造されたアクティブマトリクス基板と、上記のカラーフィルタ基板とが対向して配置された液晶表示パネルでは、表示ムラを抑えることができる。
【0033】
<3.液晶表示パネル、表示装置、及び、アクティブマトリクス基板の製造方法の例>
[第1の実施の形態]
[表示装置の説明]
図3は、本実施の形態に係る表示装置300の概略構成図である。表示装置300は、液晶表示パネル100と、コントローラ200と、を備える。液晶表示パネル100は、映像又は画像を表示する機能、及び、指示体からのタッチ及びタッチ位置を検出する機能を有する。コントローラ200は、液晶表示パネル100から取得したタッチ位置に基づいて、表示装置300における各制御処理を実行する。
【0034】
[液晶表示パネルの説明]
図4は、液晶表示パネル100の概略断面図である。液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス基板10と、アクティブマトリクス基板10に対向して配置されているカラーフィルタ基板50と、アクティブマトリクス基板10とカラーフィルタ基板50との間に配置された液晶層70と、を有する。図5は、カラーフィルタ基板50の一部の概略平面図である。
【0035】
アクティブマトリクス基板10は、第1基板11を含む。第1基板11は、例えばガラス、又は樹脂等の透明材料によって構成されている。
【0036】
アクティブマトリクス基板10は、第1基板11の上に配置された複数のゲート線12を含む。複数のゲート線12は、第1基板11上においてそれぞれ第1方向に伸びており、第1基板11上において、第1方向に直交する第2方向に所定の間隔で配列されている。複数のゲート線12を含むゲート層12Aは、例えばアルミニウム、銅、チタン、モリブデン、クロム、又は、これらの合金等の金属材料によって構成されている。
【0037】
アクティブマトリクス基板10は、複数のゲート線12の上に配置されたゲート絶縁膜13を含む。ゲート絶縁膜13は、ゲート線12を覆って第1基板11上に配置されている。ゲート絶縁膜13は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素などの無機材料によって構成されている。
【0038】
アクティブマトリクス基板10は、ゲート絶縁膜13の上に配置された複数のソース線14を含む。複数のソース線14は、全体として、ゲート絶縁膜13上においてそれぞれ第2方向に伸びており、ゲート絶縁膜13上において、所定の間隔で第1方向に配置されている。従って、複数のソース線14は、複数のゲート線12とゲート絶縁膜13を介して交差している。複数のソース線14を含むソース層14Aは、例えばアルミニウム、銅、チタン、モリブデン、クロム、又はこれらの合金等の金属材料によって構成されている。
【0039】
複数のゲート線12のうちの各隣接する一対のゲート線12、及び複数のソース線14のうちの各隣接する一対のソース線14によって囲まれる領域に、図示しない薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)15及び画素電極16が配置される。TFT15は、基板の表面のゲート電極と、ゲート電極の上を覆うゲート絶縁膜の上に配置された半導体層と、その両側に配置されたソース電極及びドレイン電極と、を有する(図示せず)。
【0040】
ゲート線12は、TFT15の半導体層及びドレイン電極とゲート絶縁膜を介して重なっている。ソース線14は、TFT15のドレイン電極と電気的に接続されている。ドレイン電極は、さらに、半導体層及び画素電極と電気的に接続されている。
【0041】
アクティブマトリクス基板10は、ゲート線12、ソース線14、TFT15、及び画素電極16を覆って第1基板11上に配置された層間絶縁膜18を含む。層間絶縁膜18は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素などの無機材料によって構成されていてもよいし、アクリル樹脂等の有機材料によって構成されていてもよい。
【0042】
アクティブマトリクス基板10は、層間絶縁膜18を覆って第1基板11上に配置された共通電極19を含む。好ましくは、共通電極19は、透明電極材料によって構成されている。共通電極19は、一例として、画素ごと、又は複数の画素ごとに分断されている。共通電極19は、他の例として、全体につながった1つのベタ電極であってもよい。
【0043】
アクティブマトリクス基板10は、共通電極19及び層間絶縁膜18を覆って、第1基板11上に配置された第1配向膜20を含む。第1配向膜20は、例えばポリイミド樹脂などによって構成されており、表面に光配向法、又はラビング法などの配向処理が施されている。
【0044】
カラーフィルタ基板50は、第2基板51を含む。第2基板51は、ガラス、又は樹脂等の透明材料によって構成されている。
【0045】
カラーフィルタ基板50は、第2基板51上に位置するブラックマトリクス52を含む。ブラックマトリクス52は遮光領域であって、例えば、黒色樹脂などの光を透過し難い樹脂材料、又はクロムなどの単層の金属膜或いは金属層と、金属酸化物からなる層と、の積層構造によって構成されている。
【0046】
ブラックマトリクス52は、平面視において、アクティブマトリクス基板10の複数のソース線14とそれぞれ重なる複数の第1部分52Aと、複数のゲート線12とそれぞれ重なる複数の第2部分52Bと、を含む(図5参照)。複数の第1部分52Aと複数の第2部分52Bとは互いに交差し、交差領域52Cを形成している。
【0047】
カラーフィルタ基板50は、第2基板51上に配置された複数のカラーフィルタ53を含む。複数のカラーフィルタ53は、ブラックマトリクス52の複数の第1部分52A及び複数の第2部分52Bによって区画された複数の領域にそれぞれ配置される。
【0048】
カラーフィルタ基板50は、カラーフィルタ53を覆って第2基板51に配置されたオーバーコート層54を含む。オーバーコート層54は、例えば、樹脂材料などからなる誘電体である。
【0049】
カラーフィルタ基板50は、オーバーコート層54上のブラックマトリクス52の第1部分52Aと第2部分52Bとが交差する交差領域52Cの少なくとも一部に配置された、アクティブマトリクス基板10に向けて凸の複数の柱状のスペーサ55を含む。スペーサ55は、一例として、すべての交差領域52Cに配置される。スペーサ55は、例えばフォトレジストによって構成される。
【0050】
好ましくは、スペーサ55は、第1スペーサ55Aと第2スペーサ55Bとを含む。第1スペーサ55Aの高さh1は第2スペーサ55Bの高さh2よりも大きい(図4参照)。
【0051】
カラーフィルタ基板50は、スペーサ55を覆って、オーバーコート層54上に配置された第2配向膜56を含む。第2配向膜56は、例えばポリイミド樹脂などによって構成されており、表面に光配向法、又はラビング法などの配向処理が施されている。
【0052】
[土手部の説明]
第1基板11の上に形成されたゲート層12Aは、土手用ゲート部12aを有する。土手用ゲート部12aは、ゲート線12と同じ金属材料で形成された金属膜であって、後述する土手部BKを構成する。従って、土手用ゲート部12aはゲート線12と同じ高さ(厚み)h5を有する。土手用ゲート部12aは、第1スペーサ55Aを取り囲む位置に設けられている。第1スペーサ55Aを取り囲む位置は、第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的に円形、又は略円形の位置を指す。
【0053】
また、ゲート絶縁膜13の上に形成されたソース層14Aは土手用ソース部14aを有する。土手用ソース部14aはソース線14と同じ金属材料で形成された金属膜であって、後述する土手部BKを構成する。従って、土手用ソース部14aはソース線14と同じ高さ(厚み)h4を有する。土手用ソース部14aは、土手用ゲート部12aと平面視で少なくとも一部が重なる位置に配置されている。つまり、土手用ソース部14aも第1スペーサ55Aを取り囲む位置に設けられている。
【0054】
層間絶縁膜18の上面は、層間絶縁膜18が覆っている構造に対応した凹凸を有しており、上面は平坦化されていない。層間絶縁膜18の、平面視で重複して配置された土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aを覆う位置は、土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aの高さh5,h4に対応して、カラーフィルタ基板50に向けて凸の形状を有している。そのため、第1配向膜20の土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aを覆う位置の上面もまた、これらの凸形状に対応してカラーフィルタ基板50に向けて凸の形状を有している。従って、土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aの配置された、第1スペーサ55Aを取り囲む位置に、上面を第1配向膜20として、カラーフィルタ基板50に向けて凸の土手部BKが形成される。
【0055】
土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aは第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的な円形、又は略円形に配置されているため、土手部BKは、第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的な円形、又は略円形である。つまり、土手部BKは、第1スペーサ55Aを囲む位置に形成されている。なお、土手部BKの側面は、アクティブマトリクス基板10の表面の法線方向に平行であってもよいし、前記法線方向に対して傾斜を有していてもよい。
【0056】
土手部BKの高さHは、土手用ゲート部12aの高さh5と土手用ソース部14aの高さh4との和から得られる。高さh5はゲート線12の高さ(ゲート層厚)に相当し、高さh4はソース線14の高さ(ソース層厚)に相当する。土手用ゲート部12aの高さh5と土手用ソース部14aの高さh4との和は、第1スペーサ55Aの高さh1の1/4~1/5程度である。好ましくは、高さh5と高さh4との和は、高さh1の1/3.3~1/5.4である。
【0057】
一例として、第1スペーサ55Aの高さh1を2.14~2.50μmとすると、高さh5と高さh4との和は0.39~0.75μm程度となる。つまり、土手用ゲート部12aの高さh5及び土手用ソース部14aの高さh4は、それぞれ、0.20~0.38μmとなる。このとき、一例として、液晶層70の高さ(セル厚)h3を3.00μm、及び、TFT(半導体層)15の高さh6を0.10μmとすると、第1スペーサ55Aの頂部55Atと土手部BKの頂部BKtとのギャップが-0.36~0.06μmと算出される。これにより、高さ方向(厚み方向)において第1スペーサ55Aの頂部55Atと土手部BKの頂部BKtとは接触する関係となる。
【0058】
土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aは、いずれも、平面視で交差領域52Cと重なる領域10C内に設けられる。土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aは、好ましくは、領域10Cの縁部10SSに設けられる(図5参照)。好ましくは、第1スペーサ55Aの頂部55Atの端部から縁部10SSの内縁までには、アクティブマトリクス基板10とカラーフィルタ基板50との張り合わせを考慮して所定のキャップ(一例として5μm程度)が設けられる。縁部10SSの外縁は領域10Cの外縁以内であればよい。これにより、土手部BKは平面視で交差領域52Cと重なる領域10Cに配置される。
【0059】
[アクティブマトリクス基板の製造方法]
図6は、アクティブマトリクス基板10の製造方法の一部の流れの一例を表したフローチャートである。初めに、ガラス基板などの第1基板11上に、金属膜によってゲート層12Aが形成される(ステップS101)。
【0060】
ゲート層12Aは、複数のゲート線12を含む。ステップS101では、第1基板11上に、それぞれ第1方向に伸び、所定の間隔で第2方向に配列されるように、複数のゲート線12が形成される。また、ゲート層12Aは土手用ゲート部12aを含む。そのため、ステップS101では、さらに、交差領域52Cに対応する領域10C内の縁部10SSであって、第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的に円形、又は略円形に、土手用ゲート部12aが形成される。
【0061】
次に、形成されたゲート層12Aを覆って、無機絶縁膜によってゲート絶縁膜13が形成される(ステップS103)。形成されたゲート絶縁膜13の上層に、例えば酸化物半導体単層によって半導体層が形成される(ステップS105)。
【0062】
形成された半導体層を覆ってのゲート絶縁膜13上に、金属膜によってソース層14Aが形成される(ステップS107)。ソース層14Aは、複数のソース線14及び土手用ソース部14aを含む。従って、ステップS107では、ゲート絶縁膜13上に複数のソース線14及び土手用ソース部14aが形成される。
【0063】
ソース層14Aは、複数のソース線14を含む。ステップS107では、ゲート絶縁膜13上に、それぞれ第2方向に伸び、所定の間隔で第1方向に配列されるように、複数のソース線14が形成される。また、ソース層14Aは、土手用ソース部14aを含む。そのため、ステップS107では、さらに、交差領域52Cに対応する領域10C内の縁部10SSであって、土手用ゲート部12aに平面視で重なる位置に、土手用ソース部14aが形成される。すなわち、ステップS107では、さらに、交差領域52Cに対応する領域10C内の縁部10SSであって、第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的に円形、又は略円形に、土手用ソース部14aが形成される。
【0064】
形成されたゲート線12、ソース線14、TFT、及び画素電極を覆って、第1基板11上に、無機絶縁膜によって層間絶縁膜18が形成される(ステップS109)。形成された層間絶縁膜18の上に、透明導電膜によって共通電極19が形成される(ステップS111)。形成された共通電極19を覆って層間絶縁膜18の上に、例えば、表面に配向処理が施されポリイミド樹脂などによって第1配向膜20が形成される(ステップS113)。ステップS101,S107で、それぞれ土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aが形成されている。そのため、ステップS109~S113では、それぞれ土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aの上において、層間絶縁膜18、共通電極19、及び、第1配向膜20がカラーフィルタ基板50に向けて凸の凸形状となる。すなわち、ステップS101,S107で、それぞれ土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aが形成されることによって、ステップS113で、第1スペーサ55Aを取り囲む位置に、つまり、第1スペーサ55Aを中心、又は略中心として、連続的、又は断続的に円形、又は略円形に土手部BKが形成される。
【0065】
[第1の実施の形態の効果]
実施の形態に係る液晶表示パネル100では、高さ方向(厚み方向)において第1スペーサ55Aの頂部55Atと土手部BKの頂部BKtとは接触する関係である。そのため、液晶表示パネル100に外力が加えられて左右のいずれかにずれたとき、第1スペーサ55Aは土手部BKに接触する。これにより、第1スペーサ55Aは土手部BKに移動が妨げられ、それより横方向にずれない。そのため、土手部BKに第1スペーサ55Aのずれを阻止するストッパとして機能する。
【0066】
第1スペーサ55Aのずれが土手部BKによって阻止されるため、アクティブマトリクス基板10のカラーフィルタ基板50に対するずれも阻止される。そのため、実施の形態に係る液晶表示パネル100では、外力による撓みや変形によって第1スペーサ55Aが第1配向膜20と接触して移動する範囲を、ストッパを有しない比較例に係る液晶表示パネル100A(図1図2)より小さくすることができる。その結果、液晶層の配向が乱れる範囲も、比較例に係る液晶表示パネル100Aより小さくなる。
【0067】
土手部BKはブラックマトリクス52の交差領域52Cと平面視で重なる領域10Cに配置される。そのため、第1スペーサ55Aが第1配向膜20と接触して移動する範囲を領域10C内とすることができる。言い換えると、実施の形態に係る液晶表示パネル100では液晶層の配向が乱れた位置C2が領域10C内となり、交差領域52Cから外に液晶層の配向の乱れが生じない。そのため、実施の形態に係る液晶表示パネル100では、液晶層の配向の乱れがブラックマトリクスによって視認されない。その結果、表示ムラが抑えられる。
【0068】
さらに、実施の形態に係る液晶表示パネル100では、領域10Cの縁部10SSに設けられる。これにより、液晶表示パネル100に対して外力が加えられた際に、第1スペーサ55A、つまり、カラーフィルタ基板50は、縁部10SSまでの移動が許容されるようになる。すなわち、アクティブマトリクス基板10及びカラーフィルタ基板50の撓み変形が縁部10SSまでの距離分、許容される。その結果、外力によって液晶表示パネル100に生じる応力が緩和される。
【0069】
さらに、実施の形態に係る液晶表示パネル100では、第1配向膜20が覆っているゲート層12Aが土手用ゲート部12aを含み、ソース層14Aが土手用ソース部14aを含むことによって土手部BKが形成される。これにより、実施の形態に係る液晶表示パネル100では、アクティブマトリクス基板10を、ゲート層12A及びソース層14Aとは別に土手部BKを形成するための層を用意することなく製造することができる。そのため、製造コストが抑えられる。
【0070】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態に係る液晶表示パネル100では、アクティブマトリクス基板10に設けられた土手部BKは、第1配向膜20が覆っているゲート層12Aとソース層14Aとがそれぞれ土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aを有することによって、つまり、ゲート層12Aとソース層14Aとの両方によって形成されていた。しかしながら、土手部BKは、土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aの少なくとも一方が設けられることによって形成されればよい。すなわち、土手部BKは、ゲート層12Aとソース層14Aとの少なくとも一方によって形成されればよい。
【0071】
図7は、第2の実施の形態に係る液晶表示パネル100の概略断面図である。第2の実施の形態に係る液晶表示パネル100では、他の例として、土手部BKは、ゲート層12Aが土手用ゲート部12aを有することによって、つまりゲート層12Aによって形成される。
【0072】
図8は、第2の実施の形態に係る液晶表示パネル100の、他の例の概略断面図である。第2の実施の形態に係る液晶表示パネル100の他の例では、土手部BKは、ソース層14Aが土手用ソース部14aを有することによって、つまりソース層14Aによって形成される。
【0073】
図7又は図8の場合、土手用ゲート部12aの高さh5、又は土手用ソース部14aの高さh4は、第1スペーサ55Aの高さh1の1/7~1/11程度である。一例として、第1スペーサ55Aの高さh1を2.14~2.50μmとすると、土手用ゲート部12aの高さh5、又は土手用ソース部14aの高さh4は0.19~0.36μm程度となる。これにより、第1の実施の形態に係る液晶表示パネル100と同様に、液晶表示パネル100に外力が加えられて横方向にずれたときに第1スペーサ55Aは土手部BKに接触する。そのため、第1スペーサ55Aは土手部BKに移動が妨げられ、土手部BKに第1スペーサ55Aのずれを阻止するストッパとして機能させることができる。
【0074】
以上の説明では、土手部BKは、第1スペーサ55Aのずれを阻止するストッパとして、第1スペーサ55Aが設けられたブラックマトリクスの交差領域52Cと平面視で重なる領域10C内に、第1スペーサ55Aを取り囲む位置に配置されるものとしている。しかしながら、土手部BKは、さらに、第2スペーサ55Bのずれを阻止するストッパとして配置された部分を有してもよい。
【0075】
図9は、第3の実施の形態に係る液晶表示パネル100のカラーフィルタ基板50の一部の概略平面図である。図9は、第2の実施の形態に示された、ソース層14Aが土手用ソース部14aを有することによって土手部BKが形成される例を示している。第3の実施の形態に係る液晶表示パネル100では、ソース層14Aが、さらに、第2土手用ソース部14bを有する。第2土手用ソース部14bは、領域10C内であって、第1スペーサ55A及び第2スペーサ55Bを挟んでゲート線12と平行に配置されている。これにより、領域10C内であって、第1スペーサ55A及び第2スペーサ55Bを挟んでゲート線12と平行な位置にも土手部BKが形成される。このように土手部BKが形成されることによって、第2スペーサ55Bが楕円形状であって、第1スペーサ55Aと並んで配置されている場合、第2スペーサ55Bのずれも阻止される。
【0076】
また、他の例として、図4,7,8に表されたように、土手用ゲート部12a及び土手用ソース部14aの少なくとも一方が、さらに、第2スペーサ55Bが設けられた交差領域52Cと平面視で重なる領域10C内に、第2スペーサ55Bを取り囲む位置に配置されてもよい。これにより、第1スペーサ55Aのずれが阻止されるとともに、土手部BKは、加わる外力が大きくなったときに第2スペーサ55Bのずれも阻止する。そのため、表示ムラが抑えられる。
【0077】
また、他の例として、土手部BKは、第1スペーサ55Aが設けられた交差領域52Cと平面視で重なる領域10C内に替えて、第2スペーサ55Bが設けられた交差領域52Cと平面視で重なる領域10C内に、第2スペーサ55Bを取り囲む位置に配置されてもよい。この場合であっても、土手部BKは、加わる外力が大きくなったときに第2スペーサ55Bのずれも阻止する。そのため、大きな外力が加えられた際の、カラーフィルタ基板50のアクティブマトリクス基板10に対するずれを抑えることができる。そのため、この場合においても、土手部BKを有しない比較例に係る液晶表示パネルよりも表示ムラが抑えられる。
【0078】
[変形例]
以上の説明では、土手部BKはゲート層12Aとソース層14Aとの少なくとも一方が土手用部分である土手用ゲート部12a又は土手用ソース部14aを有することによって形成されるものとしている。しかしながら、ゲート層12Aとソース層14Aとの少なくとも一方が土手用部分を有することは必須ではない。すなわち、土手部BKはゲート層12Aとソース層14Aとの少なくとも一方によって形成されることは必須ではない。ゲート層12A及びソース層14Aとは別の層が土手用部分を有してもよい。すなわち、土手部BKは、ゲート層12A及びソース層14Aとは別の層によって形成されてもよい。この場合であっても土手部BKは形成されて、第1スペーサ55Aのずれを阻止するストッパとして機能させることができる。
【0079】
<4.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10:アクティブマトリクス基板、10C:領域(交差領域に重なる領域)、10SS:縁部、11:第1基板(基板)、12:ゲート線、12A:ゲート層、12a:土手用ゲート部、14:ソース線、14A:ソース層、14a:土手用ソース部、50:カラーフィルタ基板、52:ブラックマトリクス、52A:第1部分、52B:第2部分、52C:交差領域、55,55A,55B:スペーサ、70:液晶層、100:液晶表示パネル、300:表示装置、BK:土手部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9