(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162201
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077524
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】菊池 亮介
(72)【発明者】
【氏名】野村 大樹
(72)【発明者】
【氏名】折原 健介
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA36
2C088AA39
2C088AA42
2C088CA31
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】始動領域へ遊技球が進入し難い第1態様、進入し易い第2態様になる可動手段、第2態様になるか否かを決定可能な第1決定手段、第1又は第2の決定結果を導出可能な第2決定手段、第1又は第2遊技状態を設定可能な設定手段を備え、第1の決定結果が導出された場合に特別遊技を介して第2遊技状態を設定可能であり、第2の決定結果が導出された場合に特別遊技を介さず第2遊技状態を設定可能であり、第2遊技状態は、第1決定手段の決定に基づく第1終了条件、第2決定手段の決定に基づく第2終了条件の成立により終了可能な遊技機において、第2遊技状態において第2の決定結果が導出された場合、所定の参照時点の第2終了条件の成否に基づく遊技状態に応じて、第2遊技状態の設定可否が異なるように設定する。
【選択図】
図107
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動領域へ遊技球が進入し難い第1態様、又は、前記所定の始動領域へ遊技球が進入し易い第2態様になり得る可動手段と、
前記可動手段が前記第2態様になるか否かを決定可能な第1決定手段と、
前記所定の始動領域への遊技球の進入に基づき、第1の決定結果及び第2の決定結果を含む複数の決定結果のいずれかを導出可能な第2決定手段と、
前記第1の決定結果の導出を条件として、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
第1遊技状態、及び、当該第1遊技状態と異なる第2遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、を備え、
前記設定手段は、前記第1の決定結果が導出された場合には、前記特別遊技を介して前記第2遊技状態を設定可能であるものの、前記第2の決定結果が導出された場合には、前記特別遊技を介することなく前記第2遊技状態を設定可能であり、
前記第2遊技状態は、前記第1決定手段による決定に基づく第1終了条件、又は、前記第2決定手段による決定に基づく第2終了条件の成立により終了可能に設定された遊技機であって、
前記第2遊技状態において前記第2の決定結果が導出された場合、所定の参照時点における前記第2終了条件の成否に基づく遊技状態に応じて、前記第2遊技状態の設定の可否が異なることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
所定の条件が成立することに基づき、所定量の遊技価値を付与する付与手段と、
遊技機の外部へ出力可能であり、かつ遊技の進行状況や遊技状態を示す試験信号を生成可能な試験信号制御手段と、を備え、
所定の算出開始時点からの前記付与手段による付与に係る遊技価値の量、及び、遊技に用いられた遊技価値の量の差である差分量が特定量に到達したことに基づき、遊技の進行が不可となる遊技不可状態を設定可能であり、
前記試験信号の生成中に前記遊技不可状態が設定されると、当該遊技不可状態の設定後に当該試験信号の生成を継続することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機として特別遊技の実行の可否を決定する当否抽選及び当該当否抽選の結果を示す特別図柄の決定が行われるとともに、特別図柄の変動表示が実行され、上述の当否抽選の結果が特別遊技を実行する旨(大当たりの当選)であることを示す特定図柄(大当たり図柄)の停止表示が行われることにより多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。
このような遊技機においては、遊技者の興趣を高めるべく、有利度の異なる複数の遊技状態を設け、所定の特定図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態を有利度の異なる遊技状態(たとえば、時短遊技状態等)に設定するようなことが行われている。
また、近年では、遊技者の興趣を高めるべく、上述の当否抽選において、特別遊技を実行する旨の抽選結果の他、特別遊技の実行と異なる遊技利益として、特別遊技を介することなく有利度の異なる遊技状態(時短遊技状態)を設定する旨の特定抽選結果を導出可能とし、当該特定抽選結果を示す特殊図柄(時短図柄)の停止表示が行われることにより、特別遊技を介することなく所定の遊技状態と有利度の異なる遊技状態を設定するような遊技機も考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、各遊技状態において種々の演出を実行可能とすることにより、遊技者の興趣を高めることができるものの、遊技や演出の多様化が進む近年においては、より遊技者の興趣を高めることが可能な遊技や演出を実行可能な遊技機の登場が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
(1)本発明は、所定の始動領域へ遊技球が進入し難い第1態様、又は、前記所定の始動領域へ遊技球が進入し易い第2態様になり得る可動手段と、前記可動手段が前記第2態様になるか否かを決定可能な第1決定手段と、前記所定の始動領域への遊技球の進入に基づき、第1の決定結果及び第2の決定結果を含む複数の決定結果のいずれかを導出可能な第2決定手段と、前記第1の決定結果の導出を条件として、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、第1遊技状態、及び、当該第1遊技状態と異なる第2遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記第1の決定結果が導出された場合には、前記特別遊技を介して前記第2遊技状態を設定可能であるものの、前記第2の決定結果が導出された場合には、前記特別遊技を介することなく前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態は、前記第1決定手段による決定に基づく第1終了条件、又は、前記第2決定手段による決定に基づく第2終了条件の成立により終了可能に設定された遊技機であって、前記第2遊技状態において前記第2の決定結果が導出された場合、所定の参照時点における前記第2終了条件の成否に基づく遊技状態に応じて、前記第2遊技状態の設定の可否が異なることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る遊技機によれば、第2遊技状態において第2の決定結果が導出された場合に設定される遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、ひいては、遊技者の興趣を高めることができる。
【0008】
(2)また、本発明に係る遊技機は、所定の条件が成立することに基づき、所定量の遊技価値を付与する付与手段と、遊技機の外部へ出力可能であり、かつ遊技の進行状況や遊技状態を示す試験信号を生成可能な試験信号制御手段と、を備え、所定の算出開始時点からの前記付与手段による付与に係る遊技価値の量、及び、遊技に用いられた遊技価値の量の差である差分量が特定量に到達したことに基づき、遊技の進行が不可となる遊技不可状態を設定可能であり、前記試験信号の生成中に前記遊技不可状態が設定されると、当該遊技不可状態の設定後に当該試験信号の生成を継続するようにしてもよい。
ここで、遊技価値とは、遊技球や遊技メダル等の物理的な遊技媒体の他、遊技媒体と同等の価値を有するデータであって、遊技媒体の数に相当する値が記憶される数値データを含む意味である。また、遊技価値を付与するとは、所定の条件の成立に基づき、対応する量の遊技球や遊技メダル等の遊技媒体の実際の払い出しを行う(物理的な遊技媒体の払い出しを実行する)ことの他、所定の条件の成立に基づき、対応する量を上述の数値データに加算することを含む意味である。
以上より、本発明に係る遊技機には、所定の条件の成立に基づき、対応する量の遊技球や遊技メダル等の遊技媒体の実際の払い出しを行う(物理的な遊技媒体の払い出しを実行する)ことで遊技価値を付与する遊技機の他、遊技媒体と同等の価値を有し遊技媒体の数に相当する値が記憶される数値データを備え、所定の条件の成立に基づき、遊技媒体の払い出しを行う代わりに、所定の条件の成立に基づき、対応する量を上述の数値データに加算することで遊技価値を付与する遊技機が含まれる。
また、所定の条件とは、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた各種領域(始動入賞口、大入賞口等)へ進入したこと等が挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【
図2】第1形態に係るパチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図3A】第1形態に係るパチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
【
図3B】第1形態に係るパチンコ機の内レールの外観斜視図である。
【
図3C】第1形態に係るパチンコ機の逆流防止部の分解斜視図である。
【
図3D】第1形態に係るパチンコ機の回動基部が非回動状態にあるときの逆流防止部の正面概略図である。
【
図3E】第1形態に係るパチンコ機の回動基部が回動状態にあるときの逆流防止部の正面概略図である。
【
図3F】第1形態に係るパチンコ機の回動基部が回動中状態にあるときの逆流防止部の正面概略図である。
【
図3G】第1形態に係るパチンコ機の回動基部が回動中状態にあるときの逆流防止部における回動弁の正面拡大図である。
【
図3H】第1形態に係るパチンコ機の裏側の概略図である。
【
図3I】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板の外観斜視図である。
【
図4】第1形態に係るパチンコ機の第2始動入賞口及び可動片の拡大図である。
【
図5】第1形態に係るパチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。
【
図6】第1形態に係るパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】第1形態に係るパチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】第1形態に係るパチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】第1形態に係るパチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図10】第1形態に係るパチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図11】第1形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図12】第1形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図13】第1形態に係るパチンコ機の停止表示時間テーブルの説明図である。
【
図14】第1形態に係るパチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図15】第1形態に係るパチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図16】第1形態に係るパチンコ機の可動片作動制御テーブルの説明図である。
【
図17】第1形態に係るパチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図18】第1形態に係るパチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図19】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における差球制御リセット処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における大入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるアウト検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄抽選処理の概略を示すフローチャートである。
【
図44】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図45】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図46】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図47】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板におけるソレノイド制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における差球関連コマンドセット処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における差球判定制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】第1形態に係るパチンコ機の主制御基板における設定関連処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】第1形態に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図52】第1形態に係るパチンコ機の各演出状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図53】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図54】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図55】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図56】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図57】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図58】第1形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図59】第1形態に係るパチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図60】第1形態に係るパチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図61】第1形態に係るパチンコ機の各種演出や各種示唆の態様の一例を示す図である。
【
図62】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図63】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図64】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における遊技状態設定関連コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図65】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における電断復帰コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図66】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における停止表示終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図67】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図68】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における差球関連コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図69】第1形態に係るパチンコ機の副制御基板における賞球指定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図70】第1形態に係るパチンコ機の他の設定例における当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図71】第1形態に係るパチンコ機の他の設定例における特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図72】第2形態に係るパチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図73】第2形態に係るパチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図74】第2形態に係るパチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図75】第2形態に係るパチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図76】第2形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図77】第2形態に係るパチンコ機の停止表示時間テーブルの説明図である。
【
図78】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図79】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図80】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図81】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図82】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における停止表示時遊技状態設定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図83】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図84】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図85】第2形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図86】第2形態に係るパチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図87】第3形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図88】第3形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図89】第3形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図90】第3形態に係るパチンコ機の主制御基板における残変動回数更新処理の概略を示すフローチャートである。
【
図91】第3形態に係るパチンコ機の主制御基板における残小当たり回数更新処理の概略を示すフローチャートである。
【
図92】第3形態に係るパチンコ機の主制御基板における遊技状態制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図93】第3形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図94】第4形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図95】第4形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図96】第4形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルを説明する図である。
【
図97】第4形態に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図98】第4形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図99】第4形態に係るパチンコ機の主制御基板における遊技状態制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図100】第4形態に係るパチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図101】第4形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図102】第4形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図103】第4形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図104】第4形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図105】第4形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図106】第5形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図107】第5形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図108】第5形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルを説明する図である。
【
図109】第5形態に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図110】第5形態の変形例1に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図111】第5形態の変形例1に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図112】第5形態の変形例1に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図113】第5形態の変形例2に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図114】第5形態の変形例2に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図115】第5形態の変形例2に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図116】第6形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図117】第6形態に係るパチンコ機の各種設定内容を説明する図である。
【
図118】第6形態に係るパチンコ機の変動パターンテーブルを説明する図である。
【
図119】第6形態に係るパチンコ機の主制御基板における遊技状態制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図120】第6形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図121】第6形態に係るパチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図122】第6形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図123】第6形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図124】第6形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【
図125】第6形態に係るパチンコ機の変動演出やその他の演出の態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1形態)
以下、本発明の第1形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0012】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0013】
機枠1の左下部には、
図1に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、
図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う前扉演出ランプDLが設けられており、前扉3の外周における左上部には、種々の色で発光することで、所定の発生条件の成立により生じる種々の状態を報知する状態報知ランプELが設けられている。前扉演出ランプDL及び状態報知ランプELはいずれも、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
【0014】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0015】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0016】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0017】
遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3Aに示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0018】
ここで、レール13a、13bについて詳述する。
遊技盤11は、正面視略矩形の板状部材であり(
図3A参照)、上述したように、遊技盤11の盤面には、一対のレール13a、13bが設けられている。なお、以下では、レール13a、13bのうち外側に位置するレール13a(遊技盤11の外周に近い方のレール)を外レール13aともいうものとし、内側に位置するレール13b(遊技盤11の外周から遠い方のレール)を内レール13bともいうものとする。
【0019】
外レール13aは、遊技球の直径よりも大きい幅を有する長尺の金属製薄板状部材であり(
図3A参照)、遊技盤11の盤面に設置されるレールベース(特に図示しておらず)のベース面上に沿って取り付けられる(支持される)ようになっている。レールベースは、正面視略C字型の板状部材であって、遊技盤11の盤面に設置された際に右下方に向けて開口し、かつ遊技領域12(遊技盤11)の略中央部分を中心とする円弧状(すなわち、左方に向けて凸となる円弧状)となるように切り欠かれたものである。この切り欠きにより形成された切り欠き面がベース面となる。外レール13aは、ベース面に取り付けられることで、遊技盤11の中央下部よりも左方の位置を始端とし、遊技盤11の左端、上端、右上端にかけて、左方に凸となる円弧状に配置される(
図2参照)。
【0020】
内レール13bは、外レール13aとほぼ同一の幅を有する長尺の合成樹脂製薄板状部材であり、外レール13aと遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように遊技盤11の盤面に立設され、遊技盤11の中央下部よりもやや左方の位置を始端とし、遊技盤11の左端近傍、左上端近傍にかけて左方に凸となる円弧状に配置されている。
そして、外レール13aと内レール13bとで挟まれた空間部分の前面が透明板4bの背面と対向することにより、発射装置により発射された遊技球が通過可能な誘導通路640が形成されている(
図3D~
図3G参照)。この誘導通路640は、遊技領域12に連通しており、発射装置により発射された遊技球を遊技領域12に案内する。
また、内レール13bの上端(内レール13bの先端、換言すれば、誘導通路640と遊技領域12との境界部分)には、遊技領域12に進入した遊技球が誘導通路640に戻ることを防止するための逆流防止部700が設けられている。
【0021】
逆流防止部700は、
図3B及び
図3Cに示すように、回動部710と、回動部710が配置されるケース部730と、回動部710を配置した状態でケース部730を覆うカバー板750と、を備えており、回動部710は、ケース部730とカバー板750とに挟まれた状態で回動可能となるように、これらケース部730及びカバー板750に取り付けられている。
【0022】
ケース部730は、遊技盤11に固定される合成樹脂製薄板状のベース板731と、ベース板731の外周縁における略右半分(遊技盤11に固定された状態のベース板731の略右半分)に対応する部分から立設する合成樹脂製薄板状の側板732と、を備え、ベース板731と側板732とによって、遊技盤11の正面方向及び誘導通路640の方向に開口する空間Sが形成されている(
図3C参照)。
ベース板731には、その上端(遊技盤11に固定された状態のベース板731の上端)に位置し当該ベース板731から立設する円筒状のボス731aと、ボス731aの下方(ベース板731の中央やや上方)に位置し当該ベース板731から立設する円筒状のベース側軸受部731bと、ベース側軸受部731bの下方(ベース板731の中央やや下方)に位置し当該ベース板731を貫通する略扇状の案内溝731cと、案内溝731cの下方(ベース板731の下端部)に位置し当該ベース板731から立設する細長棒状の係合ピン731dと、が設けられている(
図3C参照)。
【0023】
カバー板750は、ケース部730における遊技盤11の正面方向の開口を覆う合成樹脂製薄板状の部材である。カバー板750には、上述の開口を覆った状態でベース板731のボス731aと対応する位置に配置され、当該カバー板750を貫通するネジ孔750aと、当該カバー板750の背面(上述の開口を覆った状態でベース板731と対向する面)における、ベース板731のベース側軸受部731bと対応する位置に配置され、当該カバー板750の背面から立設する円筒状のカバー側軸受部750bと、上述の開口を覆った状態でベース板731の係合ピン731dと対応する位置に配置され、当該カバー板750を貫通する係合孔750cと、が設けられている(
図3C参照)。
【0024】
回動部710は、「く」の字状の外形をした部材であり、ベース板731及びカバー板750に回動可能に取り付けられる合成樹脂製略楕円柱状の回動基部711と、回動基部711の上端近傍(ケース部730に取り付けられた状態の回動基部711の上端近傍)から突設する合成樹脂製薄板状の回動弁712と、を備えている(
図3C参照)。回動部710がケース部730に取り付けられた状態では、回動基部711は、ケース部730の空間S内に位置し、ベース板731及びカバー板750に挟まれた状態でこの空間S内を回動可能となっており、回動弁712は、ケース部730における誘導通路640の方向の開口を介して空間S外に突出し、回動基部711に伴って回動可能となっている。
【0025】
回動基部711は、ケース部730に取り付けられた状態でベース板731と対向する略楕円状の基部底面711aと、基部底面711aの外周縁から立設する基部側面711bと、基部側面711bの立設端に位置し当該基部側面711bを挟んで基部底面711aと対向する略楕円状の基部天面711cと、を備えている(
図3C参照)。
また、ケース部730に取り付けられた状態の回動基部711における、ベース板731のベース側軸受部731b及びカバー板750のカバー側軸受部750bと対応する位置には、基部天面711cから基部底面711aまで貫通する軸孔711dが設けられており、ベース板731の案内溝731cと対応する位置には、基部底面711aからベース板731の方向へ突設する案内ピン(特に図示しておらず)が設けられている。
また、基部底面711aから基部天面711cまでの長さは、ケース部730のベース板731の表面から側板732の立設端までの長さよりもやや短くなっており、これにより、回動部710がケース部730に取り付けられた際、回動基部711が、ベース板731及びカバー板750に挟まれた状態で空間S内に収納されるようになっている。
【0026】
回動弁712は、ケース部730に取り付けられた状態における回動基部711の基部側面711bの左上端から鉛直上方へ延びる略長方形薄板状部材であり、誘導通路640の方向を向く(誘導通路640と対向する)誘導通路側面712aと、誘導通路側面712aと対向し遊技領域12の方向を向く(遊技領域12と対向する)遊技領域側面712bと、誘導通路側面712aの上端縁から遊技領域側面712bの上端縁へ向かう下り傾斜の上端面712cと、遊技領域側面712bにおける長手方向(鉛直方向)の略中央部分から遊技領域12へ向けて突出する突出片712dと、を備えている(
図3C参照)。
基部側面711bから誘導通路側面712aの上端縁までの長さは、基部側面711bから遊技領域側面712bの上端縁までの長さよりも長くなっている。
また、回動基部711がケース部730に取り付けられた際、回動弁712は、ケース部730における誘導通路640の方向の開口を介して空間Sから誘導通路640に突出し、常態では、誘導通路640内を鉛直上方に延び、回動弁712の先端が外レール13aのやや下方に位置するようになっている(
図3D参照)。すなわち、回転基部711の基部側面711bから回動弁712の先端までの長さは、回転基部711がケース部730に取り付けられた際に常態で、誘導通路640をほぼ遮蔽できる程度となっている。
【0027】
上述の回動部710を上述のケース部730及びカバー板750に取り付けるときには、まず、ベース板731のベース側軸受部731bと回動基部711の軸孔711dとを一致させ、かつ回動基部711の案内ピンがベース板731の案内溝731cに挿通するように、回動部710をケース部730に配置する。次に、回動基部711の軸孔711dに、ベース側軸受部731bからカバー板750のカバー側軸受部750bまで至る長さの細長棒状の軸ピン760を挿通した上で、ベース板731のボス731aとカバー板750のネジ孔750aとを一致させ、かつカバー側軸受部750bと回動基部711の軸孔711dから突出している軸ピン760の先端とを一致させ、さらに、ベース板731の係合ピン731dがカバー板750の係合孔750cに挿通するように、カバー板750を配置する。最後に、カバー板750の表面(カバー板750の背面と対向する面)側からボス731a及びネジ孔750aにネジ764を螺合させることにより、回動基部711がベース板731及びカバー板750に挟まれた状態で(カバー板750がケース部730における遊技盤11の正面方向の開口を覆った状態で)、回動部710がケース部730及びカバー板750に取り付けられる(
図3C及び
図3D等参照)。
【0028】
そして、上述のように、回動部710がケース部730及びカバー板750に取り付けられると、軸ピン760の一端がベース側軸受部731bに係止され、かつ他端がカバー側軸受部750bに係止されることにより、回動基部711は、軸ピン760を軸心として回動可能となるように、ベース板731及びカバー板750に挟まれた状態で支持される。
ここで、上述したように、回動基部711は略楕円柱状の部材であり、回動基部711から延設された回動弁712は薄板状の部材であり、回動基部711は回動弁712よりも重い部材となっている。
これにより、回動部710がケース部730及びカバー板750に取り付けられた際、常態では、回動基部711は、その自重によって軸ピン760を軸心として反時計回りに回動するように付勢されているものの、ベース板731の案内溝731cに挿通された案内ピンが当該案内溝731cの左端に当接した状態で停留している。このとき、回動弁712は誘導通路640内を鉛直上方に延びた状態となり、誘導通路640は回動弁712によりほぼ遮蔽されるようになっている(
図3D参照)。
これに対して、発射装置により発射され誘導通路640内を上昇する遊技球が、回動片712の誘導通路側面712aに接触すると、回動基部711は、その自重に反して、回動片712の遊技領域側面712bがベース板731におけるボス731aの側面に当接するまで、軸ピン760を軸心として時計回りに回動する。また、遊技領域側面712bがボス731aの側面に当接した状態では、回動弁712は右上方(遊技領域12の上端方向)へ向けて延びた状態となり、誘導通路640は開放されるようになっている(
図3E参照)。
【0029】
次に、回動弁712の回動、及び遊技領域12へ進入した遊技球の誘導通路640への回動弁712による逆流防止について詳述する。なお、以下では、回動部710がケース部730及びカバー板750に取り付けられた際における常態のとき(回動弁712が鉛直上方に延びた状態のとき)を「非回動状態」という場合があり、回動基部711が回動し遊技領域712bがボス731aの側面に当接した状態を「回動状態」という場合があり、回動基部711が非回動状態から回動状態に至るまでの間の状態(回動基部711が回動中の状態)を「回動中状態」という場合がある。
【0030】
上述したように、非回動状態では、回動弁712は誘導通路640内を鉛直上方に延びた状態となり、このときの回動弁712の先端(誘導通路側面712aの上端縁)から外レール13aまでの距離は、遊技球の直径よりも短くなっており、さらには、非回動状態から回動状態に至るまでの間における、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離の中で最も短くなっている。
また、上述したように、回動状態では、回動弁712は右上方へ延びた状態となり、このときの回動弁712の先端から外レール13aまでの距離は、遊技球の直径よりも長くなっており、さらには、非回動状態から回動状態に至るまでの間における、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離の中で最も長くなっている。
【0031】
非回動状態において、発射装置により発射され誘導通路640内を上昇する遊技球が回動片712の誘導通路側面712aに接触すると、回動状態に至るまで回動基部711が回動する。上述したように、この回動状態では、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離は遊技球の直径よりも長くなっており、誘導通路640が開放される。これにより、誘導通路側面712aに接触した遊技球は遊技領域12に進入することとなる。
そして、当該遊技球が遊技領域12に進入した後は、当該遊技球が誘導通路側側面712aに接触したことによる生じた力が解放されることにより、速やかに、回動基部711が自重によって反時計回りに回動し非回動状態となる。この非回動状態では、案内ピンが案内溝731cの左端に当接しているため、回動基部711はこれ以上反時計回りに回動することはできず、また、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離は遊技球の直径よりも短くなっており、誘導通路640は回動弁712によりほぼ遮蔽された状態となる。すると、遊技領域12に進入した遊技球は、例えば、風車や釘に接触し遊技領域12から誘導通路640へ向かったとしても回動弁712の遊技領域側面712bに接触することとなり、誘導通路640への進入が妨げられる。このように、非回動状態においては、回動弁712により、遊技領域12に進入した遊技球が誘導通路640へ戻ることが防止されることとなる。
【0032】
また、回動状態から非回動状態に至る途中の回動中状態において、遊技領域12へ進入したものの誘導通路640内へ戻ろうとする遊技球(以下、戻り中遊技球ともいう)BBと、発射装置により発射され誘導通路640内を上昇し遊技領域12へ進入しようとする遊技球(以下、進入中遊技球ともいう)BGとが接触した状態(以下、回動中接触状態ともいう)となる場合がある(
図3F及び
図3G参照)。
【0033】
この回動中接触状態では、進入中遊技球BGは、回動弁712の誘導通路側面712a、外レール13a、及び戻り中遊技球BBに接触しており、戻り中遊技球BBは、回動弁712の先端、外レール13a、及び進入中遊技球BGに接触している(
図3F及び
図3G参照)。
また、この回動中接触状態では、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離は、非回動状態における回動弁712の先端から外レール13aまでの距離よりも長く、かつ回動状態における回動弁712の先端から外レール13aまでの距離よりも短くなっており、さらに、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離D1は、戻り中遊技球BBの最下点Pから外レール13aまでの距離D2よりも短くなっている(
図3G参照)。
さらに、この回動中接触状態では、回動片712の先端は、戻り中遊技球BBの最下点Pの左上側(すなわち、戻り中遊技球BBの最下点Pよりも上側であって、かつ左側)に位置するようになっている(
図3G参照)。
【0034】
この回動中接触状態において進入中遊技球BGと戻り中遊技球BBとが接触した後に戻り中遊技球BBが誘導通路640内へ戻ろうとした場合、戻り中遊技球BBは遊技領域12の方向から回動弁712の先端に接触するため、この戻り中遊技球BBに接触した回動弁712が反時計回りに回動することにより、非回動状態へと変位しようとする。すると、非回動状態へ向けての変位に伴って、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離が次第に短くなり、誘導通路640は回動弁712により遮蔽されていくこととなる。したがって、この場合には、誘導通路640を上昇中の進入中遊技球BGは上昇してきた誘導通路640を流下(逆流)していくものの、戻り中遊技球BBが誘導通路640内へ戻ることは困難となる。このように、回動中接触状態となり、誘導通路640と遊技領域112との境界部分で進入中遊技球BGと戻り中遊技球BBとが接触したような場合には、戻り中遊技球BBが誘導通路640へ戻ることを抑止することができ、進入中遊技球BG及び戻り中遊技球BBの両方が誘導通路640を流下してしまうような事態を抑止可能となる。
【0035】
なお、上述の回動中接触状態において、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離D1が、戻り中遊技球BBの最下点Pから外レール13aまでの距離D2よりも長くなっていたとすると、進入中遊技球BGと戻り中遊技球BBとが接触した後に、戻り中遊技球BBが回動弁712の先端と外ガイドレール13aとの隙間に入り込みやすくなる。そして、この隙間に戻り中遊技球BBに入り込んでしまうと、この戻り中遊技球BBにより回動弁712が時計回りに回動することにより、回動状態へと変位しようとする。すると、回動状態へ向けての変位に伴って、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離が次第に長くなり、誘導通路640は開放していくため、戻り中遊技球BBが誘導通路640内へ戻ってしまうような事態が生じることとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の回動中接触状態において、回動弁712の先端から外レール13aまでの距離D1が、戻り中遊技球BBの最下点Pから外レール13aまでの距離D2より短くなっているため、上述のような事態が生じるのを抑止できる。
【0036】
以下、遊技領域12の説明に戻る。
遊技領域12内には、
図2及び
図3Aに示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って各種演出や各種示唆(報知)を行う演出表示装置21、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL(特に図示しておらず)及び役物演出装置YSと、が設けられている。なお、
図3Aにおいては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0037】
一般入賞口14は、
図3Aに示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0038】
第1始動入賞口15は、
図3Aに示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0039】
ゲート20は、
図3Aに示すように、第2遊技領域12bの上部(遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置)に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみゲート20を通過可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球はゲート20を通過できないようになっている。また、第2遊技領域12bへ進入した遊技球はほぼ全て、ゲート20を通過するように構成されている。
遊技球がゲート20を通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、後述する可動片16bが所定時間突出するようになっている。
【0040】
ゲート20の下方には、
図3Aに示すように、第2始動入賞口16、及び、遊技盤11に対して突没可能な平板状の可動片16b(普通電動役物)が横並びに併設されている。
可動片16bの上面は、遊技盤11から突出した状態において、右端から左端に向けて下り傾斜となるように形成されている。ゲート20の直下には、可動片16bの右端が位置するようになっており、可動片16bの左端の左方に第2始動入賞口16が配置されている。第2始動入賞口16は、上方に向けて開口したコップ形状となっており、開口に到達した遊技球が第2始動入賞口16に入球するようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達するまでの時間(以下、開口到達時間ともいう)がおよそ0.3秒となるように構成されている。
そして、可動片16bが遊技盤11から突出している状態(以下、突出状態ともいう)においては、この可動片16bの上面が遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内するガイド部材として機能する(
図4(b)参照)。これに対して、可動片16bが遊技盤11に没入している状態(以下、没入状態ともいう)においては、可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内することができないようになっている(
図4(a)参照)。
また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0041】
なお、第2始動入賞口16及び可動片16bに関しては、上記のような構成に限定されるものではない。
たとえば、第2始動入賞口16に対し、可動片16bとして、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して当該第2始動入賞口16を開閉可能な羽根部材を設けるようにしてもよい。具体的には、可動片16b(羽根部材)が閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となり、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能であるのに対し、可動片16bが開くと第2始動入賞口16が開状態となり、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となるようにしてもよい。
また、可動片16bは、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材としてもよいし、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材としてもよい。
【0042】
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0043】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)、後述する時短遊技状態を付与するか否か(以下、時短付与の当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種類が設けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、時短遊技状態の付与(後述する時短遊技状態JT1又はJT2の設定)等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、第1始動入賞口15(可動片16bが併設されていない始動入賞口)と第2始動入賞口16(可動片16bが併設されている始動入賞口)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0044】
アタッカー装置17は、
図3Aに示すように、遊技領域12の右部ほぼ中央(第2始動入賞口16及び可動片16bの下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。具体的には、上述の特別遊技中には大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっている。大入賞口18へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3Aに示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
【0045】
さらに、
図5(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(
図5(a)及び(b)参照)。
【0046】
また、
図5(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
【0047】
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
【0048】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された特別図柄の種類ごとに、上述の特別遊技中に実行されるラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び後述する時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球が全て一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT2に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
なお、上述のように、特別遊技中のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入したか否かより特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2に設定するのではなく、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態や低確率時短遊技状態LJT2に設定するようにしてもよい。たとえば、大当たりに当選した場合において、特定の特別図柄が決定されたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるものの、特定の特別図柄以外の特別図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2や通常遊技状態に設定されるようにしてもよい。このように、特別遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の種類に応じて決定されるようにした場合には、上述の特定領域57を設ける必要はない。
【0049】
アウト口19は、
図3Aに示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0050】
演出表示装置21は、
図3Aに示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
また、特別遊技中は、表示部21aにおいて、特別遊技の開始時に実行されるオープニング演出、後述するラウンド遊技中に実行されるラウンド遊技演出、全てのラウンド遊技が終了した後(特別遊技の終了時)に実行されるエンディング演出(以下、オープニング演出、ラウンド遊技演出、エンディング演出をまとめて特別遊技中演出ともいう)が行われる。オープニング演出ではオープニング画像が表示され、ラウンド遊技演出ではラウンド遊技画像が表示され、エンディング演出ではエンディング画像が表示されるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0051】
盤面演出ランプGLは、
図2に示すように、遊技領域12の上部に設けられており、種々の色や発光パターンで発光することにより演出や示唆を行う装置である。盤面演出ランプGLは、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。なお、盤面演出ランプGLの設置位置や設置個数は特に限定されるものではない。
右打ち報知ランプRLは、特に図示していないが、演出表示装置21の右側に設けられており、点灯及び消灯が可能なLEDにより構成されている。
【0052】
役物演出装置YSは、所定の態様で作動することにより演出を行う装置である。
本形態の役物演出装置YSは、
図2に示すように円板形状の構造物となっており、駆動モータM(特に図示しておらず)により、遊技領域12の中央上端に対応する初期位置から、遊技領域12の中央よりも上方に対応する可動位置までの範囲内で上下に変位(移動)可能となっている。また、役物演出装置YSは、可動位置において、回転モータRM(特に図示しておらず)により、時計回り又は反時計回りに回転可能となっている。役物演出装置YSは、常態においては初期位置に停留しており、種々のタイミング(たとえば、後述するリーチ発展演出の実行中等)で可動位置まで変位し、この可動位置において、時計回り又は反時計回りに回転(所定の態様で作動)する役物回転演出が行われるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の初期位置は演出表示装置21の中央上端よりも上方の位置となっており、上述の可動位置は演出表示装置21の中央上端の位置となっている。すなわち、役物演出装置YSは、常態において停留する初期位置では演出表示装置21と重ならないようになっているものの、可動位置では演出表示装置21と所定の間隙を挟み、その前面において重なるようになっている。これにより、常態においては、演出表示装置21で実行される変動演出が役物演出装置YSによって妨げられるのを防止し、当該変動演出の視認性を確保することができる。一方、役物回転演出は、役物演出装置YSが可動位置まで変位して行われるため、当該役物回転演出に対し遊技者を注目させることができる。また、役物演出装置YSは、可動位置にあるときには、表示部21aに表示される後述の発動警告文字画像とその前面において重なるようになっており、発動警告文字画像は役物演出装置YSにより視認困難又は視認不可となる。
なお、役物演出装置YSにより実行される演出としては、役物回転演出に限定されるものではない。たとえば、役物演出装置YSにLED等のランプを設け、このランプが所定の態様で点灯するような演出を実行できるようにしてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0053】
上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0054】
また、
図3Aに示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0055】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0056】
また、遊技盤11の裏面側には、
図3Hに示すように、後述する設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100が透明箱型の主制御基板ケース150に収納された状態で取り付けられており、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200が透明箱型の発射払出制御基板ケース250に収納された状態で取り付けられており、各種演出を制御する副制御基板300が透明箱型の副制御基板ケース350に収納された状態で取り付けられており、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が透明箱型の遊技球貸出制御基板ケース450に収納された状態で取り付けられている。
【0057】
また、この遊技盤11の裏面側には、各基板に電源を供給するための電源基板600が設けられており、この電源基板600には電源スイッチ650が設けられている。
電源スイッチ650はオン又はオフに切り替えることが可能となっており、電源スイッチ650がオンになると電源基板600から各基板に電源が供給され、電源スイッチ650がオフになると電源基板600から各基板への電源の供給が停止する。
なお、本明細書においては、電源スイッチ650がオンになり電源が供給されることを「電源がオン」になるともいい、電源スイッチ650がオフになり電源の供給が停止することを「電源がオフ」になるともいうものとする。
【0058】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの作動を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は、
図6に示すように、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300、遊技球貸出制御基板400及び電源基板600により構成されている。
また、
図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。また、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の外部信号(以下、外部情報ともいう)をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に送信するための外部情報端子基板500が接続されている。また、各基板には電源基板600が接続されている。
【0059】
(主制御基板100の概要)
主制御基板100は、上述の如く、設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものである。具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう)等)、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、及び上述の特別遊技等を制御する。
【0060】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1の1段階のみ定められており、後述する当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、この設定値1に対応したものが設けられている。
出玉に関する設定としては、1段階のみならず、たとえば、設定値1から設定値6までの6段階のように複数段階を定めるようにしてもよい。出玉に関する設定として複数段階を定めた場合、この設定値の違いにより、当否抽選における大当たりの当選の確率が異なるように設定することができる。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が大当たりの当選の確率が大きくなるように設定することができ、大当たりの当選の確率が高ければ賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられ、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた当否乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、後述するように、RAMクリアスイッチ109及び設定スイッチ108が設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ109及び設定スイッチ108の両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチ109の押下操作を行うことにより設定値を変更できるようになっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、出玉に関する設定として設定値1の1段階のみ定められているため、設定変更状態中にRAMクリアスイッチ109を押下操作しても設定値1のままとなる(すなわち、設定値は変更されない)。
なお、出玉に関する設定が1段階のみ設けられているパチンコ機、及び出玉に関する設定が複数段階設けられているパチンコ機のいずれであっても、設定値に関して同様の制御や処理が実行され得るように設定されている(すなわち、設定値に関する制御や処理について共通の処理プログラム(モジュール)が設けられている)ものの、たとえば、本形態のように出玉に関する設定が1段階のみ設けられているパチンコ機では、上記のように設定変更状態中にRAMクリアスイッチ109を押下操作しても設定値が変更されない等、設けられている設定の段階数に応じて、一部の制御や処理の実行、不実行が異なるようにしている。本明細書では、出玉に関する設定が複数段階設けられているパチンコ機を前提として設定値に関する各種制御や処理を説明し、必要に応じて、本形態のように出玉に関する設定が1段階のみ設けられている場合の制御や処理の違いを補足的に説明するものとする。
【0061】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、電源がオンとなっているときには、遊技を実行可能な遊技可能状態、設定されている設定値を確認可能な設定確認状態、設定されている設定値を変更可能な設定変更状態、並びに、遊技の実行、設定値の確認及び変更が不可能な遊技停止状態の4つの制御状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。
そして、パチンコ機Pの制御状態が設定変更状態であるときに、上述のRAMクリアスイッチ109の押下操作を行うことで、設定されている設定値を変更できる(切り替えることができる)ようになっている。なお、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値1の1段階のみが定められているため、設定変更状態中にRAMクリアスイッチ109の押下操作をしても設定値は変更されない。
設定値の記憶や変更、電源がオンとなったときに設定される制御状態等については、後程詳述する。
【0062】
本形態における主制御基板100は、
図3Iに示すように、長方形板状の基板であって、配線パターンが片面にのみ設けられた片面基板(1層基板)となっている。なお、主制御基板100は、配線パターンが両面に設けられた両面基板(2層基板)を採用してもよい。
【0063】
また、主制御基板100の表面には、
図3Iに示すように、メインCPU101、メインROM102及びメインRAM103を一体に構成したワンチップ型のメインIC104その他複数のICと、メイン情報表示装置105、コネクタ106、試験専用出力端子107、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109等が設けられている。
【0064】
メインCPU101は、各種演算処理を行う装置である。また、メインROM102は、パチンコ機Pのスペック(大当たりの当選確率の高低の種類、特別遊技終了後の遊技状態の決定の方法等)を示すスペックコード、遊技に必要な制御プログラム、テーブル等(後述する当否乱数判定テーブル110、特別図柄乱数判定テーブル111等)を格納する記憶領域を備えた装置(Read Only Memory)である。また、メインRAM103は、上述の設定値、パチンコ機Pの制御状態、遊技の進行に係る各種データ等を記憶可能であるとともに、メインCPU101による演算処理時の一時的なデータの記憶等に用いられる読み書き可能な記憶領域を備えた装置(Read Write Memory)である。
メインCPU101は、後述する各種センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムやテーブルを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板(副制御基板300等)へのコマンド送信等の処理を行う。
【0065】
また、特に図示していないが、本形態におけるメインRAM103の記憶領域は、大別して、所定の先頭アドレス(たとえば、F00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様))から所定の最終アドレス(たとえば、F200H)までの間の領域である使用領域と、当該使用領域の最終アドレスよりも所定距離(たとえば、16バイト)以上離れた特定の先頭アドレス(たとえば、F300H)から特定の最終アドレス(たとえば、F400H)までの間の領域である使用外領域とから構成されている。
【0066】
また、特に図示していないが、使用領域には、所定の先頭アドレスから所定の最終アドレスに至るまで、第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域という4つの領域が順に配置されている。
第1領域には、設定値、滞在中の制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を示す遊技機状態フラグが記憶される。また、第2領域には、電源がオフとなる時点で算定されるメインRAM103のチェックサム、及び電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理に異常があったかどうかを判定するためのバックアップフラグが記憶される。また、第3領域には、パチンコ機Pに発生したエラーの情報等が記憶される。
また、第4領域には、遊技の進行に係る各種データ(後述する変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、高確回数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)が記憶されるようになっている。なお、第4領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技が終了してからの変動回数が特定回数に至ると特殊な変動パターンが決定されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、上述の特定回数の情報等が記憶されるようにしてもよい。
【0067】
また、使用外領域には、工場出荷後等の初期状態において遊技が開始されてからの発射球数や払い出された賞球数等のデータが記憶される。具体的には、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、総賞球数という)、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、特別電動役物総賞球数という)、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、役物総賞球数という)等が記憶される。
そして、この使用外領域においては、上述の発射球数や賞球数等のデータに基づいて、出玉率、特別電動役物比率、役物比率等の遊技に関する情報が算出されるようになっている。
ここで、出玉率は、発射球数に対する総賞球数の割合であり、総賞球数/発射球数により算出される値である。また、特別電動役物比率は、総賞球数に対する特別電動役物総賞球の割合であり、特別電動役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。また、役物比率は、総賞球数に対する役物総賞球数の割合であり、役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。
【0068】
なお、使用外領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数の総数等が記憶されるようにしてもよい。
また、本明細書においては、上述の使用外領域に記憶される発射球数や払い出された賞球数等のデータを「遊技性能データ」ともいい、また、上述の出玉率等の遊技に関する情報を「遊技性能表示情報」ともいう。
【0069】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、使用外領域における特定の領域に、後述する差球数に基づく作動停止制御(以下、差球作動停止制御ともいう)に用いられる差球カウント値、差球作動停止制御に関する各種状態(後述する発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定するための差球作動停止制御フェーズデータ、後述する試験信号情報、後述する発動セキュリティ情報が記憶される。なお、差球カウント値、差球作動停止制御フェーズデータ、試験信号情報、発動セキュリティ情報は、使用外領域に記憶するのではなく、たとえば、使用領域の第1領域や第4領域に記憶するようにしてもよい。
差球作動停止制御については、後程、詳述する。
【0070】
メイン情報表示装置105は、各種情報の表示を行う装置であり、横並びに配設された4つのデシマルポイント付き7セグメント表示器により構成されている。本形態におけるメイン情報表示装置105は、受信したデータについて独自に演算処理を行うCPU等の処理装置を内蔵しておらず、メインIC104から受信したデータに基づく表示のみを行うものとなっている。
具体的には、設定確認状態中や設定変更状態中においては、メインRAM103の使用領域(第1領域)に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態中においては、メインRAM103の使用外領域に記憶されている遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態中やパチンコ機Pにエラーが発生した場合には、その旨を示すコードが表示される。
なお、メイン情報表示装置105は、7セグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示器やドットマトリクス表示器等により構成してもよい。また、メイン情報表示装置105は、メインIC104から受信したデータを独自に処理する装置が内蔵されていなければ他の装置を内蔵してもよく、たとえば、メイン情報表示装置105の作動をコントロールするためのドライバ回路等を内蔵してもよい。
【0071】
コネクタ106は、各種ハーネスやケーブル等を接続するためのものであり、主制御基板100の表面上に複数設けられている。
また、試験専用出力端子107は、型式試験の際に用いられる試験信号を出力するための端子であり、主制御基板100の表面上に設けられている。ここで、型式試験は、パチンコ機Pが予め定められた規則に適合しているかどうかを判断する試験であり、試験信号は、型式試験の際に用いられる信号である。本形態に係るパチンコ機Pでは、種々のタイミングでメインCPU101により各種試験信号が生成され、生成された試験信号を試験専用出力端子107からパチンコ機Pの外部へ出力可能となっている。具体的には、型式試験には試験用のコンピュータ(特に図示しておらず)が用いられるようになっており、この試験用のコンピュータには試験専用出力端子107と接続可能な専用の受信端子(特に図示しておらず)が設けられている。そして、試験専用出力端子107に上述の受信端子を接続すると、メインCPU101により生成され試験専用出力端子107から出力される試験信号が、この受信端子を介して、パチンコ機Pの外部における試験用のコンピュータに入力される。
試験信号の出力については、後程詳述する。
【0072】
また、設定スイッチ108は、電源がオンとなった時点で、制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を設定するために参照されるものである。この設定スイッチ108には、鍵穴を備えた操作部(特に図示しておらず)が設けられており、この鍵穴に所定の鍵を差し込んだ状態で回転操作が可能に形成されている。常態においては、設定スイッチ108はオフになっているが、回転操作が行われると、設定スイッチ108がオンになる。
また、RAMクリアスイッチ109は、メインRAM103に記憶されている各種データのクリア及び設定値の変更に用いられるものである。このRAMクリアスイッチ109には、押下操作が可能な押下ボタン109a(
図3I参照)が設けられており、この押下ボタン109aが押下操作されていないときは、RAMクリアスイッチ109はオフになっているが、押下ボタン109aが押下操作されると、RAMクリアスイッチ109がオンになる。
【0073】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、後述する本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(すなわち、本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常の発生の有無、メインRAM103における異常の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
そして、設定変更状態中に押下ボタン109aを操作する(RAMクリアスイッチ109がオンになる)ことで、設定値を変更する(切り替える)ことができるようになっている。上述の如く、設定値はメインRAM103の使用領域に記憶されるようになっており、設定値が変更される場合には、このメインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が変更されることとなる。
【0074】
本形態におけるメインRAM103には、上述の遊技性能データや設定値の他、遊技の進行に係る各種データ(後述する第1特図保留数、第2特図保留数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ等)が記憶されるようになっている。
なお、主制御基板100の表面に設けられる装置や電子部品は、上述のものに限定されるものではなく、たとえば、メイン情報表示装置105への各種情報の表示の実行や表示内容の切り換えを行うためのスイッチ等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されているデータのクリア及び設定値の変更はいずれも、RAMクリアスイッチ109を操作することで行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、RAMクリアスイッチ109とは別個独立の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチ109はメインRAM103に記憶されているデータのクリアに用いるように設定し、設定変更スイッチは設定値の変更に用いるように設定してもよい。
【0075】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、設定スイッチ108と、RAMクリアスイッチ109と、遊技盤11に向けられる磁気を検出する磁気検出センサ70aと、遊技盤11の特定箇所(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18等)に照射される電波を検出する電波検出センサ71aと、パチンコ機Pを揺らす等の不正行為により生じる振動を検出する振動検出センサ72と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。
そして、これらの各検出センサから出力される検出信号や各スイッチのオン又はオフを示す信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等を設けてもよい。
【0076】
なお、磁気検出センサ70aは、磁気を検出するとオンとなり磁気検出信号を主制御基板100に出力し、磁気の検出中は、磁気検出信号が連続して出力される。そして、磁気検出センサ70aは、磁気を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への磁気検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、磁気検出センサ70aから磁気検出信号が入力されると主制御磁気エラーが発生したものと判定する。
また、電波検出センサ71aは、電波を検出するとオンとなり電波検出信号を主制御基板100に出力し、電波の検出中は、電波検出信号が連続して出力される。そして、電波検出センサ71aは、電波を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への電波検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、電波検出センサ71aから電波検出信号が入力されると主制御電波エラーが発生したものと判定する。
また、振動検出センサ72は、パチンコ機Pが振動していることを検出するとオンとなり振動検出信号を主制御基板100に出力し、振動の検出中は、振動検出信号が連続して出力される。そして、振動検出センサ72は、パチンコ機Pの振動を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への振動検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、振動検出センサ72から振動検出信号が入力されると主制御振動エラーが発生したものと判定する。
【0077】
また、大入賞口検出センサ18aは、大入賞口18から大入賞口排出口へ至る経路の途中に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、大入賞口18へ遊技球が入球してから当該遊技球が大入賞口検出センサ18aに検出されるまでの時間が約0.5秒となっている。
【0078】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16に併設された可動片16bを突没駆動する可動片ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、メイン情報表示装置105と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16に併設された可動片16bの突没制御、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0079】
(発射払出制御基板200の概要)
発射払出制御基板200は、主に、各種入賞口への遊技球の入球に基づく賞球や遊技者の所定の操作に基づいて貸し出される遊技球の払い出し、及び、遊技球の発射を制御するものである。
発射払出制御基板200は、
図6に示すように、払出CPU201、払出ROM202及び払出RAM203を備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0080】
また、
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、発射モータ61により遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ64と、が接続されており、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0081】
そして、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態又は発動予告状態となっているときに、遊技者が操作ハンドル5に触れて回転操作を行うと、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号(以下、回転操作信号ともいう)が発射払出制御基板200に入力され、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。そして、遊技者による操作ハンドル5への接触が解除されるか、操作ハンドル5の回転操作が行われなくなると、発射払出制御基板200への回転操作信号の入力が停止し、遊技球を発射させる制御も停止する。
また、回転操作信号が発射払出制御基板200に入力されている場合であっても、発射停止スイッチ5cからの制御信号(以下、発射停止制御信号ともいう)が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態のときに、又は、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であって、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態となっているときに、回転操作信号が発射払出制御基板200に入力されても、球送りソレノイド60及び発射モータ61は通電されず、遊技球を発射させる制御は行われない。
また、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態であるとき、又は、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であるときには差球作動停止制御に関する状態にかかわらず(すなわち、差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態又は発動状態のいずれであっても)、発射払出制御基板200は、回転操作信号が入力されると、ハンドル操作コマンドを主制御基板100に送信し、回転操作信号の入力が停止すると、主制御基板100へのハンドル操作コマンドの送信を停止する。すなわち、回転操作信号が入力されている間(遊技者が操作ハンドル5に触れて回転操作を行っている間)は、ハンドル操作コマンドが主制御基板100に連続して送信される。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0082】
また、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。また、特に図示していないが、払出計数スイッチ63には、当該スイッチに照射された電波を検出する払出電波検出センサが内蔵されている。
そして、主制御基板100から送信される賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この賞球指定コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0083】
また、本形態における発射払出制御基板200は、パチンコ機Pの外部へ送信する外部信号として、払出モータ62により実際に遊技球が払い出された(払出計数スイッチ63により遊技球が計数された)ことに基づく払出賞球信号を外部情報端子基板500に送信する。これにより、上記払出賞球信号が、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部(変動回数や大当たり回数等の情報を表示する外部情報表示装置やホールコンピュータ等)に送信され、パチンコ機Pの外部の装置において、実際に払い出された遊技球の数を把握できるようになっている。
なお、遊技球(賞球)の払い出しに関する外部信号は、払出賞球信号に限定されるものではない。たとえば、遊技球の実際に払い出されたことに基づく信号ではなく、主制御基板100から賞球指定コマンドを受信したことに基づく受信賞球信号を外部情報端子基板500に送信するようにしてもよい。これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数を把握できるようにしてもよい。
【0084】
さらに、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、本体枠2の開放状態を検出する本体枠開放検出センサ2aと、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、アウト口19へ受け入れられ又は各入賞口に入球しアウト通路を経て遊技盤11の背面側に導かれる遊技球を検出するアウトセンサ19aと、アウト口19に照射される電波を検出するアウト口電波検出センサ71bと、が接続されている。
【0085】
本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出するとオンとなり、本体枠開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、本体枠2の開放中は、本体枠開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、本体枠開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号の入力が止まると、本体枠2が閉じられたと判断し、主制御基板100への本体枠開放コマンドの送信を停止する。
【0086】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出するとオンとなり、扉開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、扉開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、扉開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0087】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり、受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり発射払出制御基板200への受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0088】
アウトセンサ19aは、アウト通路に設けられている。また、アウトセンサ19aは、アウト口19へ受けられるか又は各入賞口へ入球してアウト通路を通過する遊技球を検出するごとにオンとなり、アウト信号を発射払出制御基板200に出力するようになっている。そして、発射払出制御基板200は、アウト信号が入力されるごとに、アウトコマンドを主制御基板100に送信する。
【0089】
アウト口電波検出センサ71bは、アウト口19周辺の所定位置に設けられている。
また、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0090】
払出電波検出センサは、上述の如く、払出計数スイッチ63に内蔵されている。
また、払出電波検出センサは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、払出電波検出センサは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0091】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
なお、これらの機器は、遊技球貸出制御基板400を介して発射払出制御基板200と接続するのではなく、発射払出制御基板200に直接接続するようにしてもよい。
【0092】
そして、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカード(すなわち、残高のあるカード)が遊技球貸出装置Rに挿入され認識されると、当該価値情報を示す価値情報信号が、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、遊技球貸出装置Rから価値情報表示装置35に送信される。これにより、価値情報表示装置35においては、受信した価値情報信号に対応する価値情報が表示される。
【0093】
また、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカードが遊技球貸出装置Rに挿入され、かつ認識された状態で球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が、遊技球貸出制御基板400及び発射払出制御基板200を介して、遊技球貸出装置Rに送信される。
上述の検出信号を受信すると、遊技球貸出装置Rは、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理を行い、発射払出制御基板200に減算した価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを送信するとともに、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35に減算した価値情報に対応する減算コマンドを送信する。
そして、貸球払出コマンドを受信すると、発射払出制御基板200においては、減算された価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を払い出す制御が行われる。また、減算コマンドを受信すると、価値情報表示装置35においては、減算後の価値情報への更新表示が行われる。
【0094】
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0095】
なお、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されていないカード(すなわち、残高の無いカード)が遊技球貸出装置Rに挿入された場合や、球貸ボタン36の押下操作により所定の価値情報が減算された結果、カードに記憶されていた価値情報が全て無くなった場合(すなわち、カードの残高が無くなった場合)にも、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御を行ってもよい。
【0096】
以上のように、発射払出制御基板200においては、各種入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しの制御、及び、遊技者の操作に基づいて貸し出される遊技球(貸球)の払い出しの制御の両方が行われる。
【0097】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200に接続されている機器に関連するエラー(以下、払出関連エラーともいう)として、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラー、扉開放エラーが発生する可能性がある。
そして、発射払出制御基板200では、当該発射払出制御基板200に接続されている上述のスイッチの作動状況、発射払出制御基板200に接続されている上述のセンサから発射払出制御基板200に出力される各種信号等に基づいて、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラー、の発生の判定(発生の検出)が行われるようになっている。
なお、本明細書において、エラーの発生の判定とは、スイッチの作動状況、各種センサ(たとえば、払出電波検出センサ、本体枠開放検出センサ2a等)による検出に基づいて具体的にエラーの発生を判定することのみならず、スイッチの作動状況の検出や各種センサによる検出が行われたことも意味するものである。
【0098】
球切れエラーは、遊技球貯留部に遊技球が貯留されていない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、遊技球を払い出すように払出モータ62が作動しているにもかかわらず、所定期間、払出計数スイッチ63による遊技球の計数が行われない場合に球切れエラーが発生したものと判定する。そして、球切れエラーが発生すると、その旨を示す球切れエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球切れエラーの発生を把握できるようになっている。
【0099】
満タンエラーは、受皿7が満タン状態である場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、受皿検出信号が入力されると満タンエラーが発生したものと判定する。そして、満タンエラーが発生すると、その旨を示す満タンエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において満タンエラーの発生を把握できるようになっている。
【0100】
払出計数スイッチエラーは、ハーネスの断線等により払出計数スイッチ63が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出計数スイッチ63の作動が確認できなくなると払出計数スイッチエラーが発生したものと判定する。そして、払出計数スイッチエラーが発生すると、その旨を示す払出計数スイッチエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出計数スイッチエラーの発生を把握できるようになっている。
【0101】
球詰まりエラーは、払出モータ62に作動異常が生じた場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62が作動信号を受信しているものの、作動しない場合に球詰まりエラーが発生したものと判定する。そして、球詰まりエラーが発生すると、その旨を示す球詰まりエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球詰まりエラーの発生を把握できるようになっている。
【0102】
過剰賞球エラーは、賞球指定コマンドを受信していないにもかかわらず遊技球の払い出しが行われたり、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数よりも多くの遊技球の払い出しが行われたりした場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、予定されていないにもかかわらず払い出された遊技球の数が所定個数(たとえば、10個)に達した場合に過剰賞球エラーが発生したものと判定する。そして、過剰賞球エラーが発生すると、その旨を示す過剰賞球エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において過剰賞球エラーの発生を把握できるようになっている。
【0103】
払出電波エラーは、電波の照射を検出した場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、アウト口電波検出センサ71b又は払出電波検出センサから電波検出信号が入力されると払出電波エラーが発生したものと判定する。そして、払出電波エラーが発生すると、その旨を示す払出電波エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出電波エラーの発生を把握できるようになっている。
【0104】
払出モータエラーは、ハーネスの断線等により払出モータ62が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62の作動が確認できなくなると払出モータエラーが発生したものと判定する。そして、払出モータエラーが発生すると、その旨を示す払出モータエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出モータエラーの発生を把握できるようになっている。
【0105】
また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーは、本体枠2又は前扉3が開放されている場合に発生するエラーである。
ここで、上述の如く、本体枠2の開放を検出する本体枠開放検出センサ2a、及び、前扉3の開放を検出する前扉開放検出センサ3aはいずれも、発射払出制御基板200に接続されているが、扉開放エラーの発生の判定は、発射払出制御基板200ではなく、主制御基板100で行われるようになっている。
具体的には、発射払出制御基板200に本体枠開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される本体枠開放コマンド、又は、発射払出制御基板200に前扉開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される前扉開放コマンドの少なくともいずれか一方を受信すると、主制御基板100において、扉開放エラーが発生したものと判定する。
そして、扉開放エラーが発生したものと判定した場合、主制御基板100は、遊技球の払い出し動作の制御を停止するための払出停止コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、扉開放エラーの発生中において、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。
【0106】
なお、払出関連エラーのうち、主制御基板100において発生の判定が行われるエラーは、扉開放エラーに限定されるものではなく、他のエラーの発生も主制御基板100において判定するようにしてもよい。
【0107】
また、主制御基板100においては、当該主制御基板100に接続されている機器に関連するエラー(上述の主制御電波エラー、主制御磁気エラー、主制御振動エラー、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ過剰に遊技球が入球した場合に生じる異常入賞エラー、特別遊技の実行中以外に遊技球が大入賞口18へ入球した場合に生じる不正入賞エラー等、以下、主制御関連エラーともいう)の発生も判定されるようになっている。
そして、主制御基板100において、扉開放エラーを除く払出関連エラーの発生が把握された場合や、扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、発生したエラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。これにより、副制御基板300においても各種エラーの発生を把握することができるとともに、発生したエラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、発生したエラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、発生したエラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、発生したエラーが示唆されるようになっている。
また、エラーの発生原因が消滅し発生していたエラーが解除されると、エラーの判定に用いられるコマンドを受信しなくなる等により、主制御基板100において、発生していたエラーの解除の把握又は判定がなされる。そして、発生していたエラーの解除が把握された場合や、発生していたエラーが解除されたものと判定した場合には、メインCPU101は、エラーの解除を示すエラー解除コマンドを副制御基板300に送信する。これにより、副制御基板300においても、発生していたエラーの解除を把握できるとともに、発生していたエラーの示唆を終了することができるようになっている。
【0108】
(副制御基板300の概要)
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0109】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、各種ランプの点灯等を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置YSの変位や役物回転演出を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0110】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10、及び十字キー25の押下操作を検出する十字キー検出センサ25aが接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、各種ランプ(前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL)、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9c、及び操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、駆動モータM、及び回転モータRMが接続されている。
【0111】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM及び画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0112】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0113】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンド(各種演出や各種示唆の実行に係るコマンド等)に基づき、各種ランプ(前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL)の点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0114】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動モータMや回転モータRMの駆動を制御する。そして、駆動モータMが駆動することにより、演出役物装置YSが初期位置と可動位置との範囲内で上下方向に変位し、回転モータRMが駆動することにより、可動位置において演出役物装置YSによる役物回転演出(時計回り又は反時計回りに回転する演出)が行われる。
【0115】
(電源基板600の概要)
電源基板600は、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300等の各基板に電力を供給するものである。この電源基板600にはバックアップ電源が設けられている。また、本形態に係るパチンコ機Pには、電源基板600から供給される電力の電圧値を検出するための電断検出回路が設けられている。この電源検出回路は、供給される電力の電圧値が所定値以下になった場合(たとえば、電源スイッチ650がオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断が発生したと判断して、主制御基板100に電断発生信号を送信する。また、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチ650がオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100への電断発生信号の送信を停止する。
【0116】
そして、主制御基板100のメインCPU101は、電断発生信号を検出した(電断が発生した)場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止し、メインRAM103(使用領域及び使用外領域)のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、試験信号情報、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ(第1特図保留数、第2特図保留数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ)、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時におけるメインRAM103の記憶データと電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じているか否か(すなわち、上述のバックアップ処理に異常が発生しているか否か)が判断され、その後、電断復帰時の処理が実行される。
【0117】
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300においては上述のようなバックアップ処理は行われない。そのため、電断から復帰した際には、サブCPU301がメインCPU101から送信される上述の各種コマンドに基づいて演出の制御を行うことにより、当該時点で適切な演出が実行できるようになっている。
【0118】
また、メインCPU101は、電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)際、後述する遊技可能状態又は設定変更状態が設定されたときにはこの時点で、また、後述する設定確認状態が設定されたときには当該設定確認状態が終了した時点で、役物演出装置YSを初期位置に停止させるイニシャル処理を実行するためのイニシャル処理実行信号を副制御基板300へ送信するようになっている。そして、このイニシャル処理実行信号が受信されると、副制御基板300において、役物演出装置YSのイニシャル処理が実行される。
具体的には、このイニシャル処理が実行されると、役物演出装置YSが可動位置まで移動した後、初期位置まで移動するようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、イニシャル処理が開始されてから終了するまでの時間が25秒となっている。
【0119】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態を設定可能となっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態である通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT2、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である高確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
【0120】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0121】
非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度(入球の難易度、換言すれば、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選の頻度)がそれぞれ所定の内容に設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT2は非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも、可動片16bが突出状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい)ように設定されている。また、後述するように若干の差はあるものの、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1はいずれも、可動片16bがほぼ突出状態に維持されない(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球がほぼ入球しない)ように設定されている。
なお、工場出荷直後や、後述する異常時初期化処理や通常初期化処理の実行後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0122】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に対応付けられた特別図柄が決定される。本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりに当選していない(以下、大当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否(時短遊技状態を付与するか否か、換言すれば、時短遊技状態を設定するか否か)の判定が行われ、時短遊技状態を付与しないとの判定結果(以下、時短付与の非当選ともいう)が導出された場合にハズレとなる。
そして、この当否抽選によって大当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、大当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
【0123】
また、上述の当否抽選によって時短遊技状態を付与するとの判定結果(以下、時短付与の当選ともいう)が導出されると、後述するように、時短付与の当選に対応付けられた特別図柄(以下、時短図柄ともいう)として時短図柄J1又はJ2のいずれかが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において時短図柄J1が決定されると、低確率遊技状態は変わることなく時短遊技状態JT1が設定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において上述の当否抽選によって時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更され、これにより低確率時短遊技状態LJT1へ移行する。また、通常遊技状態において時短図柄J2が決定されると、低確率遊技状態は変わることなく時短遊技状態JT2が設定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において上述の当否抽選によって時短付与に当選し時短図柄J2が決定されると、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更され、これにより低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。
これに対して、通常遊技状態において上述の当否抽選によってハズレとなる(大当たりに当選せず、かつ時短付与にも当選しない)と、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
このように、本形態に係るパチンコ機では、通常遊技状態においては、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、時短遊技状態(時短遊技状態JT1(低確率時短遊技状態LJT1)又は時短遊技状態JT2(低確率時短遊技状態LJT2))が設定され得るようになっている。すなわち、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく遊技状態を変更可能となっている。
【0124】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中(時短遊技状態中))においても、上述の当否抽選によって時短付与の当否の判定が行われて時短付与に当選可能であり、時短付与に当選した場合には時短図柄J1又はJ2が決定され得るようになっている。
しかし、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態中に、時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されても、当該決定に基づく新たな時短遊技状態は設定されず、当該決定時に設定されていた遊技状態が維持されるようになっている。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中に時短付与に当選しても、当該当選に基づく時短遊技状態が改めて設定されることはなく、設定中の低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が継続する。
このように、本形態に係るパチンコ機では、通常遊技状態以外の遊技状態においては、通常遊技状態と異なり、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、新たな時短遊技状態が設定されることはないようになっている。
【0125】
なお、時短付与の当否の判定は、全ての遊技状態中の当否抽選において行うのではなく、通常遊技状態中の当否抽選においてのみ行うようにしてもよい。すなわち、通常遊技状態中の当否抽選によっては時短付与に当選可能であるものの、通常遊技状態以外の遊技状態中の当否抽選によっては時短付与に当選しないようにしてもよい。このようにした場合、通常遊技状態以外の遊技状態中には、時短付与に当選しないため、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、新たな時短遊技状態が設定されることはない。
【0126】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせるようになっている。すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっている。
具体的には、低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態が設定されると、又は特別遊技が開始されると、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す右打ち示唆(たとえば、演出表示装置21の表示部21aにおける「→→→右打ち」という右打ち示唆画像の表示、第2遊技領域12bへ向けて遊技を打ち出す旨を促す右打ち報知ランプRLの点灯等)が行われる。また、通常遊技状態が設定されると、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す左打ち示唆(たとえば、演出表示装置21の表示部21aにおける「←←←左打ち」という左打ち示唆画像の表示、上述の右打ち報知ランプRLの消灯等)が行われる。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において時短図柄J1が決定されると低確率時短遊技状態LJT1が設定されるが、低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には上述の左打ち示唆は行われない。
【0127】
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数として、当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)の判定に用いられる当否乱数、特別図柄の種類の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0128】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0129】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0130】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数ともいう)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数ともいう)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
【0131】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種類を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、時短付与に当選した後(時短図柄J1又はJ2が決定された後)又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114、及び、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄を停止表示する停止表示時間を決定するための停止表示時間テーブル115を有している。
なお、当否抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0132】
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、低確率遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2)において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態(高確率時短遊技状態)において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、出玉に関する設定として設定値1の1段階のみ定められており、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bは、設定値1に対応した1種類のみ設けられている。
【0133】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選が行われる。
【0134】
図7(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、当否乱数が1000~1217であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が3000~6275であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1218~2999、6276~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/300、時短付与の当選の確率はおよそ1/20となる。
【0135】
図7(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、当否乱数が1000~2309であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が3000~6275であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、2310~2999、6276~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/20となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ6倍となるように設定されている。また、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれであっても、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されている。
【0136】
また、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲に含まれる(具体的には、大当たりの当選と判定される数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なる)ように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aで大当たりの当選と判定される当否乱数は、高確率判定テーブル110bでも大当たりの当選と判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、上限値が同一であり、かつ下限値が異なるように設定してもよい。
【0137】
また、低確率判定テーブル110aにおいて時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲、及び、高確率判定テーブル110bにおいて時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれにおいても、時短付与の当選の確率が同一となるように設定されている。
【0138】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲、及び、時短付与の当選と判定される数値範囲はいずれも、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
【0139】
なお、出玉に関する設定として複数段階を定めた場合には、同一の設定値に対応する高確率判定テーブルと低確率判定テーブルとを比較したときに、高確率判定テーブルは低確率判定テーブルに比べて大当たりの当選の確率が高くなるように設定してもよい。
同様に、同一の設定値に対応する高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルのいずれにおいても、時短付与の当選の確率が同一となるように設定してもよい。
【0140】
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種類を決定するためのものであって、
図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種類が決定される。
【0141】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として6種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)が設けられており、また、時短付与の当選となった場合に決定される特別図柄(時短図柄)として2種類の時短図柄(J1、J2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0142】
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~193であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が194~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は50%、大当たり図柄X2が決定される確率は47%、大当たり図柄X3が決定される確率は3%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~169であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が170~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%となっている。
【0143】
図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~39であった場合に大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が40~139であった場合に大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X6が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X4が決定される確率は20%、大当たり図柄X5が決定される確率は50%、大当たり図柄X5が決定される確率は30%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~169であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が170~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様に、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%となっている。
【0144】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合と時短付与に当選した場合とに参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0145】
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX5が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX6が決定された場合に参照される第3作動テーブル112cと、が設けられている。
【0146】
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、
図9(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~3ラウンドの計3回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、
図9(a)に示すように、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっており、さらに、2ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0147】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX5が決定された場合には、
図9(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、上述の第1作動テーブル112aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~3ラウンドの計3回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル112aと同一の内容に設定されている。
また、
図9(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX5が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。これに対して、2ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0148】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX6が決定された場合には、
図9(c)に示す第3作動テーブル112cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、上述の第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドの計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の内容に設定されている。
また、
図9(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX6が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1、X2、X4又はX5が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、2ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2又はX5が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0149】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、2ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数(本形態では1個)の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、2ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
【0150】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、決定された時短図柄に応じた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種類に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
【0151】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図10(a)~(d)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、が設けられている。
【0152】
具体的には、
図10(a)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、かつ時短遊技状態JT2に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される。また、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数ともいう)は100回に設定される。
この場合には、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで(特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT2が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT2中に当否抽選の結果が100回全て大当たりの当選以外(すなわち、時短付与の当選又はハズレ)となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっているため(
図7(a)参照)、低確率時短遊技状態LJT2中には必ずしも大当たりに当選するとは限らない。
【0153】
図10(b)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、かつ時短遊技状態JT2に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数ともいう)及び時短回数はいずれも10000回に設定される。
この場合には、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、高確率時短遊技状態が継続する。そして、高確率時短遊技状態中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、高確率遊技状態が低確率遊技状態に変更され、かつ時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/50となっており(
図7(b)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0154】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の2ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、原則として高確率時短遊技状態が設定される。
ただし、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合であっても、たとえば大入賞口18が開放しないといった異常発生等により、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される。
【0155】
また、上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技のいずれのラウンド遊技中も振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球を入球させても特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、原則として低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
ただし、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合であっても、たとえば振り分け部材59が第2位置に停留するといった異常発生等により、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入したときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。
【0156】
図10(c)に示すように、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J1の変動表示が終了し当該特別図柄を停止表示させる後述の停止表示時間が経過した時点で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更される。すなわち、当該時短図柄J1の変動表示が終了し停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。また、時短回数は10000回に設定される。
この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT1が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT1中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT1が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっており(
図7(a)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の低確率時短遊技状態LJT1が継続することとなる。
【0157】
図10(d)に示すように、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J2の変動表示が終了し上述の停止表示時間が経過した時点で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更される。すなわち、当該時短図柄J2の変動表示が終了し停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。また、時短回数は10000回に設定される。
この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT2が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT2中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっており(
図7(a)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の低確率時短遊技状態LJT2が継続することとなる。
【0158】
なおここで、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)においても時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定される場合があるが、この場合には、設定中の遊技状態がそのまま継続する。
【0159】
また、通常遊技状態において時短付与に当選した場合に遊技状態を低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2に設定するタイミングは、上述の停止表示時間が経過した時点に限定されるものではなく、上述の時短図柄の変動表示が開始されてから終了するまでのいずれかの時点(たとえば、開始時点、変動表示中のいずれかの時点、終了時点等)としてもよい。
【0160】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0161】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0162】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に参照されるテーブルMP1、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブルMP2、低確率時短遊技状態LJT2中に参照されるテーブルMP3、及び、高確率時短遊技状態中に参照されるテーブルMP4を備えている(
図11、
図12参照)。
【0163】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
【0164】
ここで、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中においては、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるため、原則として第1始動入賞口15へ遊技球が入球し第2始動入賞口16への遊技球の入球はイレギュラーなものとなるが、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれへ遊技球が入球した場合であっても、現時点の遊技状態に応じた同一の変動パターンテーブル114を用いて、変動パターンコマンドが決定される。なお、低確率時短遊技状態LJT2が終了し通常遊技状態が設定された際には、低確率時短遊技状態LJT2中における第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得された第2特図乱数が記憶されている場合があり、この第2特図乱数については、通常遊技状態に応じた変動パターンテーブル114を用いて変動パターンコマンドが決定される。
同様に、低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中においては、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるため、原則として第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものとなるが、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれへ遊技球が入球した場合であっても、現時点の遊技状態に応じた同一の変動パターンテーブル114を用いて、変動パターンコマンドが決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点の第1保留数が参照され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点の第2保留数が参照される。
【0165】
なお、変動パターンテーブル114としては、現時点の遊技状態、及び遊技球が入球した始動入賞口の種類(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))ごとに別個のテーブルを設けてもよい。すなわち、現時点の遊技状態、及び遊技球が入球した始動入賞口に応じた変動パターンテーブル114を参照して、変動パターンコマンドを決定するようにしてもよい。
【0166】
図11(a)に示すように、通常遊技状態中に参照されるテーブルMP1によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の保留数(第1保留数、第2保留数)が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が47秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0167】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0168】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であると)、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」が決定される。
【0169】
また、時短図柄J1が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0EH」が決定される。
また、時短図柄J2が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0FH」が決定される。
【0170】
図11(b)に示すように、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブルMP2によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
【0171】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「11H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
【0172】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1BH」が決定される。
【0173】
また、時短図柄J1又はJ2が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1CH」が決定される。
【0174】
図12(a)に示すように、低確率時短遊技状態LJT2中に参照されるテーブルMP3によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が32秒)が対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0175】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「2秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が2秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「21H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0176】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2BH」が決定される。
【0177】
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2CH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2FH」が決定される。
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2DH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2FH」が決定される。
【0178】
図12(b)に示すように、高確率時短遊技状態中に参照されるテーブルMP4によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「30H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「32H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「33H」が決定される。
【0179】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「1秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が1秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「31H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「32H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「33H」が決定される。
【0180】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3BH」が決定される。
【0181】
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3CH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3FH」が決定される。
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「1秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3DH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3FH」が決定される。
【0182】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は13秒、後半部分の変動時間は7秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値20秒(=13秒+7秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「01H」、「0EH」、「0FH」、「10H」、「11H」、「1CH」、「20H」、「21H」、「2CH」、「2DH」、「30H」、「31H」、「3CH」、「3DH」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
【0183】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、後述する停止表示時間が経過するまで、決定された特別図柄が停止表示される。
【0184】
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0185】
停止表示時間テーブル115は、上述の如く、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄を停止表示する停止表示時間を決定するためのものである。
この停止表示時間テーブル115には、現時点の遊技状態(当否抽選の実行時の遊技状態)、及び、上述のように決定された特別図柄の種類に応じて停止表示時間が定められている。メインCPU101は、この停止表示時間テーブル115を参照して、現時点の遊技状態及び決定された特別図柄に応じた停止表示時間を決定する。そして、特別図柄の変動表示が終了(停止)すると、決定された停止表示時間が経過するまで当該特別図柄が停止表示されることとなる。
図13に示すように、停止表示時間テーブル115によれば、現時点の遊技状態が通常遊技状態であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、時短図柄J1又はJ2が決定されたときには20秒の停止表示時間が決定される。
また、現時点の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたとき、及び、時短図柄J1又はJ2が決定されたときはいずれも、0.5秒の停止表示時間が決定される。
【0186】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、可動片16bを作動させて当該可動片16bを突出させるか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定の作動時間の間、可動片16bが突出状態となるため、可動片16bの上面右端に流下した遊技球が第2始動入賞口16へ案内され、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
【0187】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数ともいう)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0188】
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)に参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態JT1中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中)に参照される第2判定テーブル116bと、時短遊技状態JT2中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。なお、特に図示していないが、第1判定テーブル116aは、特別遊技中にも参照されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態JT1であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0189】
図14(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
図14(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、第1判定テーブル116aと同様に、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率も、第1判定テーブル116aと同様に、およそ99/100となる。
図14(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、第1判定テーブル116a及び第2判定テーブル116bと同様に、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率も、第1判定テーブル116a及び第2判定テーブル116bと同様に、およそ99/100となる。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの遊技状態であっても、普通図柄の抽選により当たりとなる確率は同一となるように設定されている。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0190】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの作動の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、可動片作動制御テーブル118を備えている。
【0191】
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、10秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態JT1の場合には、非時短遊技状態よりもやや短い9.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態JT2の場合には、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも極めて短い1秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。なお、特に図示していないが、特別遊技中は、非時短遊技状態と同様に、10秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。
そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3A参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0192】
また、可動片作動制御テーブル118は、第2始動入賞口16に併設された可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、可動片16bが、可動片作動制御テーブル118に定められた態様で作動するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが0.05秒間、突出状態となる。また、遊技状態が時短遊技状態JT1の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが0.08秒(=0.08秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが、非時短遊技状態よりもやや長い0.08秒間、突出状態となる。また、遊技状態が時短遊技状態JT2の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが3秒(=3秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも長い3秒間、突出状態となる。なお、特に図示していないが、特別遊技中は、非時短遊技状態と同様に、可動片16bが0.05秒間、突出状態となる。
【0193】
以上のように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)は、遊技球がゲート20を通過した場合に実行される普通図柄の抽選において極めて高い確率で当たりとなり、可動片16bが突出状態となる機会は多い。しかし、普通図柄の変動時間が10秒、可動片16bの作動時間が0.05秒であることから、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は長く(突出状態から次に突出状態となるまでの間隔は長く)、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は極めて短い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達するまでの時間)であるおよそ0.3秒よりも短い。したがって、非時短遊技状態中は、ほぼ可動片16bが没入状態となり、突出状態となったとしても当該可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達する前に没入状態となるため、原則として第2遊技領域12bへ進入した遊技球が第2始動入賞口16へ入球することは不可能となっている。
【0194】
また、時短遊技状態JT1中(低確率時短遊技状態LJT1中)は、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が非時短遊技状態中と同一であるため、非時短遊技状態中と同様に、可動片16bが突出状態となる機会は多い。しかし、普通図柄の変動時間が9.5秒、可動片16bの作動時間が0.08秒であることから、非時短遊技状態中と同様に、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は長く、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は極めて短い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(およそ0.3秒)よりも短い。したがって、非時短遊技状態中とは普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間の点で多少の差はあるものの、時短遊技状態JT1中も、ほぼ可動片16bが没入状態となり、突出状態となったとしても当該可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達する前に没入状態となるため、原則として第2遊技領域12bへ進入した遊技球が第2始動入賞口16へ入球することは不可能となっている。
【0195】
これに対して、時短遊技状態JT2中(低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と同一であるため、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と同様に、可動片16bが突出状態となる機会は多い。そして、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中よりも短い1秒、可動片16bの作動時間は非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中よりも長い3秒であることから、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1よりも、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は短く、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は長い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(およそ0.3秒)よりも長い。したがって、時短遊技状態JT2中は、可動片16bが突出状態となる期間が長くなり、当該可動片16bの上面右端にある遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内可能となるため、第2遊技領域12bへ進入した遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球可能となる。
【0196】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2のいずれにおいても、総じて普通図柄の抽選により当たりとなる確率は極めて高く設定されているものの、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間を異ならせることで、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する可能性が変化するようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中はいずれも、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能であるものの、時短遊技状態JT2中は、高い頻度で第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。したがって、時短遊技状態JT2中(低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができるため、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)及び時短遊技状態JT1中(低確率時短遊技状態LJT1中)よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、所定時間あたりの当否抽選の機会を多く獲得できることとなる。
【0197】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT2中には、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と比較して、特別図柄の変動時間の平均が短くなる制御(いわゆる特別図柄変動短縮機能の作動)が行われるようになっている(
図11、
図12参照)。これにより、上述した第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度が変化することと相俟って、時短遊技状態JT2中は、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と比較して、当否抽選及び特別図柄の変動表示が実行されやすくなる。すなわち、当否抽選の実行の頻度(換言すれば、特別図柄の変動表示の実行頻度)が変化するようになっている。
【0198】
なお、遊技状態ごとに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する可能性、当否抽選及び特別図柄の変動表示の実行頻度を変化させるためには、遊技状態ごとに、普図遊技の性能を決定する要素(普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間)のいずれか1又は複数が異なる内容となるように設定してもよいし、全ての要素が異なる内容となるように設定してもよい。また、いずれの遊技状態であっても普図遊技の性能を決定する全要素は同一の内容に設定する一方で、特別図柄の変動時間の平均を遊技状態ごとに異ならせるように設定してもよい。
【0199】
(主制御基板100における電断復帰時の処理の概要)
上述したように、パチンコ機Pの電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、主制御基板100のメインCPU101が、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなった時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常(以下、バックアップ異常という)の発生の有無、メインRAM103における異常(以下、RAM異常という)の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態を設定する。
【0200】
(主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除)
ここで、主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除について説明する。
電断復帰時において、電断発生時のメインRAM103の記憶データと電断復帰時のメインRAM103の記憶データとに不整合が生じていた場合に、バックアップ異常が発生したと判断され、上述の不整合が生じていなかった場合に、バックアップ異常が発生していないと判断される。
このバックアップ異常は、一過性の原因(たとえば、一時的にいずれかの装置に異常が生じたことによりデータの読み込みや保持に失敗した場合等)により発生する可能性が高い。また、新規にメインROM102やメインRAM103等を取り付けてパチンコ機Pの電源をオンにした場合には、これよりも前にバックアップ処理が実行されていないため、必ずバックアップ異常が発生することとなる。
【0201】
また、メインRAM103の使用領域内においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常の発生の判断対象となるのは当該使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。なお、使用領域内のみならず、使用領域内及び使用外領域の両方をRAM異常の発生の判断対象としてもよい。そして、このように設定したときには、使用領域内及び使用外領域の少なくともいずれか一方においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断して、後述する処理(異常時初期化処理、遊技停止状態の設定)を行ってもよい。
このRAM異常は、チップの破損等、ハードウェア自体に異常が生じているために発生する可能性が高く、メインRAM103の交換や修理が必要となる。
【0202】
そして、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合には、後述の設定変更条件を満たすときを除き、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。また、電断復帰時にRAM異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。なお、バックアップ異常とRAM異常が重複して発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、後述するが、遊技停止状態が設定される場合に実行される異常時初期化処理では、メインRAM103に記憶されている全データ(すなわち、使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技機状態フラグ、試験信号情報、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
【0203】
バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、制御状態を設定変更状態に設定するための設定変更条件(具体的には、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオンであること)を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
また、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時にRAM異常が解除された状態(メインRAM103の交換や修理が行われRAM異常が無い状態)で設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、電断復帰時にRAM異常が解除されていないときや、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される(遊技可能状態へ移行する)。
【0204】
(電断復帰時における制御状態の設定)
以下、電断復帰時に設定される制御状態について、
図17~
図18を参照して、具体的に説明する。
(1)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。すなわち、電断復帰時の制御状態は、電断発生直前に滞在していた制御状態のままとなる。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、設定スイッチ108がオンとなっている間のみ、設定変更状態又は設定確認状態に滞在するようになっている。上述の場合には、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには電断復帰時に設定変更状態が設定され、電断発生直前の制御状態が設定確認状態であったときには電断復帰時に設定確認状態が設定されるが、設定スイッチ108はオフであるため、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定(遊技可能状態に変更)されることとなる。
【0205】
(2)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、この場合に、電断復帰時に設定変更状態又は設定確認状態が設定されたときには、その後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0206】
(3)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態又は設定確認状態であったときには、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、後述するが、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。そのため、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったとき、上述の通常初期化処理では設定値はクリアされないため、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、後述するように変更中の設定値が確定することとなる。
【0207】
(4)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0208】
(5)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。
【0209】
(6)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになると特別遊技が再開される。
また、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0210】
(7)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、変更中の設定値が確定することとなる。
【0211】
(8)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0212】
(9)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合(設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109、本体枠開放検出センサ2aがいずれもオンであった場合を除く)
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図17参照)。
【0213】
(10)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図17に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生していた場合)には、電断復帰時に実行される異常時初期化処理において、設定値のクリアも行われるようになっている。そのため、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態において、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)は維持されず、メインRAM103に記憶されている設定値が、初期値として予め定められた設定値(本形態では「1」)に変更される。なお、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では設定値は確定しない。
【0214】
(11)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合には、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常が発生していなかったときには、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見(検出)できない場合がある。また、RAM異常の発生の判断対象となるのは使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。このように、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(1)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0215】
(12)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(2)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0216】
(13)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(3)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0217】
(14)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(4)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0218】
(15)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(5)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0219】
(16)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(6)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0220】
(17)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(7)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0221】
(18)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図18に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常を発見できなかった場合や、RAM異常が発生したと判断されない場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(8)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常が発生した場合には、設定変更条件を満たしたときであっても、設定変更状態に優先して遊技停止状態が設定されることとなる。
【0222】
(19)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生有りであった場合
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図18参照)。
【0223】
そして、上述の(1)~(19)の処理が実行されることにより、設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている遊技性能データに基づく遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、遊技停止状態が設定された旨を示すコードが表示される。
なお、設定確認状態又は設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105に一瞬、設定値が表示された後、遊技可能状態の設定に伴って遊技性能表示情報が表示されることとなる。
【0224】
また、設定スイッチ108がオンであることに基づき設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、その後、設定スイッチ108がオフになると、設定中の設定確認状態又は設定変更状態を遊技可能状態に切り替える処理が実行され、遊技可能状態が設定されることとなる。そして、遊技可能状態が設定されることにより、メイン情報表示装置105の表示も対応する内容に切り替わることとなる。
【0225】
また、複数段階の設定が設けられているパチンコ機では、設定変更状態の設定中においては、本体枠開放検出センサ2aが本体枠2の開放を検出していることを条件として、押下ボタン109aが押下操作されRAMクリアスイッチ109がオンになるごとに、メインRAM103に記憶されている設定値が1段階ずつ変更されるようになっている。具体的には、メインRAM103に記憶されている設定値が1インクリメントした値に変更される。
たとえば、「1」~「6」の設定値(6段階の設定)が設けられているパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されている設定値が「2」であった場合において、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されると、メインRAM103に記憶される設定値が「3」に変更されることとなる。そして、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されるごとに、メインRAM103に記憶される設定値が「4」→「5」→「6」と変更され、「6」の次には「1」に変更される。なお、メインRAM103に記憶される設定値が変更されるごとに、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されるようになっている。
そして、設定スイッチ108がオフになると、これ以降はメインRAM103に記憶されている設定値の変更が不可となる。すなわち、この時点でメインRAM103に記憶されている設定値が、新たな設定値として確定することとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、1段階の設定のみ設けられているため、押下ボタン109aが押下操作されても設定値が変更されることはない。また、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されることはない。
【0226】
(設定値異常の発生時の処理)
本形態に係るパチンコ機Pにおいてノイズ等が発生した場合には、メインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が異常値(たとえば、「1」以外の値等)に書き換えられるような事態が発生し得る。このように、記憶されている設定値が異常値となるような事態(以下、設定値異常ともいう)が発生した場合には、適切な設定値に基づいた大当たりの抽選を行うことができず、遊技の進行に深刻な影響を与えるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101が、遊技可能状態中において、上述の大当たりの抽選又は普通図柄の抽選が行われる時点で、設定値異常が発生しているか否かを判定する設定値異常判定処理を行う。そして、この設定値異常判定処理において設定値異常が発生していると判定された場合には、上述の異常時初期化処理が実行され、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の実行中は次の大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示は行われないため、大当たりの抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中にのみ実行可能である。これに対して、普通図柄の抽選は特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても行われるため、普通図柄の抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても実行可能である。
【0227】
設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合と同様に、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される。
【0228】
(通常初期化処理、異常時初期化処理、クリア処理)
本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づいて遊技停止状態が設定される場合には、異常時初期化処理が実行される。また、電断復帰時にバックアップ異常が発生しているときに、設定変更条件を満たして設定変更状態が設定される場合にも、異常時初期化処理が実行される。
この異常時初期化処理では、上述の如く、メインRAM103に記憶されている全データ(使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技機状態フラグ、試験信号情報、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ等)がクリアされる。
なお、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、その後、設定変更状態が設定されたことにより、デフォルトの設定値として「1」がメインRAM103の使用領域に自動的に記憶されるようにしてもよい。
【0229】
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであって、かつ遊技停止状態以外の制御状態(遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態)が設定される場合には、上記のように異常時初期化処理が実行される場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生しているときに、設定変更条件を満たして設定変更状態が設定される場合)を除き、通常初期化処理が実行される。この通常初期化処理では、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオフであって、かつ遊技可能状態又は設定確認状態が設定される場合には、メインRAM103の一部をクリアするクリア処理が実行される。このクリア処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報)がクリアされる。
なお、以下では、異常時初期化処理及び通常初期化処理を総称して、単に、RAMクリアという場合がある。
【0230】
(設定値異常、バックアップ異常、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合の各種制御の概要)
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中であって特図遊技、普図遊技、特別遊技が実行されている際に、ノイズ等が生じることで設定値異常が発生したことにより、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合がある。また、上述の際に、たとえば、瞬間的な停電(すなわち、瞬断)が発生し、停電が復帰したときに(電断復帰したときに)主制御基板100においてバックアップ異常やRAM異常が発生したことにより、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合もある。
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値異常、バックアップ異常、RAM異常の発生に基づき上述の設定が行われたことにより遊技停止状態に滞在しているときには、当該遊技停止状態が設定される前の遊技可能状態中に実行されていた特図遊技、普図遊技、特別遊技は行われず、遊技が進行しないようになっている。
【0231】
具体的には、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われると、発射払出制御基板200により遊技球を発射する制御が行われる。一方、遊技停止状態においては、操作ハンドル5の回転操作が行われても、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は行われないようになっている。
すなわち、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われると遊技球が発射されるものの、遊技停止状態においては、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球は発射されない。
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、各制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)が設定されると、主制御基板100のメインCPU101は各制御状態が設定された旨を示す状態設定コマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300に送信する。これにより、発射払出制御基板200や副制御基板300においても、設定された制御状態を把握できるようになっている。
【0232】
また、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出しないようになっている。これにより、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球しても当該入球に基づく大当たりの抽選が行われず、遊技球がゲート20を通過しても当該通過に基づく普通図柄の抽選が行われないとともに、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しないようになっている。
また、遊技可能状態中に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合には、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止するようになっている。
このように、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が上述の制御を行うことにより遊技が進行しないこととなる。
【0233】
また、遊技可能状態であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球すると、当該入球以後の所定の開始時点(たとえば、特別図柄の変動表示の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、所定の開始時点から所定時間(たとえば、3000ms)が経過した時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部信号として、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ入賞信号を送信する制御が行われる。また、遊技可能状態であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、大当たりに当選すると、当該大当たりの当選以後の所定の開始時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部信号として、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ大当たり信号を送信する制御が行われる。
これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への入球に基づく特別図柄の変動表示や大当たりの当選等を把握できるようになっている。
【0234】
これに対して、遊技停止状態においては、上述のように遊技が進行しないことから、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ上述の入賞信号や大当たり信号等の外部信号を送信する制御も制限されるようになっている。
たとえば、上述の入賞信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示を停止し、メインCPU101は実行中の入賞信号の送信を停止することができなくなり、当該入賞信号は送信されたままの状態となる。また、上述の入賞信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後に第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、主制御基板100のメインCPU101は当該入球を検出せず、メインCPU101は上述の入賞信号の送信を開始することができなくなる。
また、上述の大当たり信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別遊技の実行を停止し、メインCPU101は実行中の大当たり信号の送信を停止することができなくなり、当該大当たり信号は送信されたままの状態となる。また、上述の大当たり信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後、主制御基板100のメインCPU101は特別遊技を開始しないため、メインCPU101が上述の大当たり信号の送信を開始することはない。
【0235】
また、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101がメイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させ、副制御基板300に遊技停止状態が設定された旨を示す状態設定コマンド(以下、遊技停止コマンドともいう)を送信し、外部信号として、遊技停止状態が設定された旨を示すセキュリティ信号を生成し、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ当該セキュリティ信号を出力する。
副制御基板300により遊技停止コマンドが受信されると、演出表示装置21において所定の遊技停止状態設定示唆画像が表示され、音声出力装置10から所定の遊技停止状態示唆音声が出力され、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯することにより、遊技停止状態が設定された旨が示唆される。また、パチンコ機Pの外部へ出力されたセキュリティ信号は、ホールコンピュータや各種情報を表示するための外部表示装置により受信可能となっており、これにより、遊技停止状態が設定された旨をホールコンピュータにおいて把握することができ、遊技停止状態が設定された旨を外部表示装置において示唆することができるようになっている。
【0236】
(遊技停止状態中における可動片16b及び開閉扉18bの制御の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限されるようになっている。
具体的には、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを突没駆動する可動片ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。
【0237】
これにより、たとえば、遊技可能状態中に第2始動入賞口16の可動片16bが突出していた場合には、遊技停止状態が設定されると可動片16bが没入し、遊技停止状態中は可動片16bが没入した状態が維持される。また、たとえば、遊技可能状態中に大入賞口18の開閉扉18bが開いていた場合には、遊技停止状態が設定されると開閉扉18bが閉じ、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じた状態が維持される。
また、たとえば、遊技可能状態中に普通図柄の抽選で当たりとなった後、第2始動入賞口16の可動片16bが突出する前に遊技停止状態が設定された場合には、可動片16bは突出せず、遊技停止状態中は可動片16bが没入したままとなる。また、たとえば、遊技可能状態中に特別遊技が実行されており、所定のラウンド遊技が終了し大入賞口18の開閉扉18bが閉じた後、次のラウンド遊技が開始され開閉扉18bが開く前に遊技停止状態が設定された場合には、開閉扉18bは開放されず、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じたままとなる。
【0238】
(遊技停止状態中における遊技球の払い出し関連の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、メインCPU101が上述のような制御を行うことにより遊技が進行しないようになっている。
一方、遊技停止状態中には、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されるものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は停止しない。
【0239】
具体的には、主制御基板100のメインCPU101が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて、対応する個数の賞球を払い出す旨の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に(すなわち、賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信した後に)、遊技停止状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
【0240】
これにより、たとえば、特別遊技の実行中(すなわち、遊技可能状態)において大入賞口18へ遊技球が入球したことにより賞球が順次払い出されているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、上述の入球に基づく全ての賞球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に大入賞口18へ遊技球が入球することで獲得されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない賞球も全て払い出される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中にいずれかの入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく賞球の払い出しの最中に遊技停止状態が設定された場合には、主制御基板100による遊技の進行及び発射払出制御基板200による遊技球の発射については停止するものの、発射払出制御基板200による賞球の払い出しは停止することなく遊技停止状態中も継続して行われる。
【0241】
同様に、遊技者により球貸ボタン36が押下操作され、遊技球貸出装置Rが所定個数の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に、遊技停止状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
これにより、球貸ボタン36の押下操作による所定個数の遊技球(貸球)の払い出しが行われているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に球貸ボタン36が押下操作され、遊技球の払い出しが開始されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない遊技球も全て払い出される。
【0242】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置R、価値情報表示装置35、球貸スイッチ36a、カード返却スイッチ37aの作動が制限されることはなく、これらの機器からの信号やコマンドの送信、これらの機器による信号やコマンドの受信が制限されることもない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出される。
【0243】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35における価値情報の表示が継続して行われる。また、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合にも、遊技球貸出装置Rが減算コマンドを価値情報表示装置35に送信するため、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35において価値情報の更新表示が行われる。
さらに、遊技停止状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合にも、カード返却スイッチ37aが返却要求信号を遊技球貸出装置Rに送信するため、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0244】
(遊技停止状態中における払出関連エラーの判定の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラーについては、発射払出制御基板200において発生の判定(発生の検出)が行われる。また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーについては、主制御基板100において発生の判定(発生の検出)が行われる。
【0245】
ここで、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、主制御基板100及び発射払出制御基板200のいずれにおいても、それぞれ対応するエラーの発生の判定が行われるようになっている。
これに対して、遊技停止状態中は、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。
具体的には、遊技停止状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放されると発射払出制御基板200に本体枠開放検出信号又は前扉開放検出信号が入力され、これにより発射払出制御基板200から本体枠開放コマンド又は前扉開放コマンドが主制御基板100に送信される。主制御基板100において、本体枠開放コマンド又は前扉開放コマンドを受信すると、メインCPU101は、扉開放エラーが発生したものと判定する。
一方、遊技停止状態中であっても、たとえば、遊技盤11に磁気が向けられると磁気検出センサ70aが磁気を検出し磁気検出信号を主制御基板100に出力するものの、主制御基板100に磁気検出信号が入力されても、メインCPU101は、主制御磁気エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、遊技盤11に磁気が向けられても主制御磁気エラーは発生しないこととなる。
同様に、たとえば、遊技盤11に電波が照射されると電波検出センサ71aが電波を検出し電波検出信号を主制御基板100に出力するものの、主制御基板100に電波検出信号が入力されても、メインCPU101は、主制御電波エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、遊技盤11に電波が照射されても、主制御電波エラーは発生しない。
すなわち、遊技停止状態中においては、主制御関連エラーの発生原因となる事象が発生したとしても、メインCPU101は主制御関連エラーの発生を判定しないため、主制御関連エラーは発生しないこととなる。
【0246】
なお、上述のように、遊技停止状態中であっても、扉開放エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、扉開放エラーに対応するエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。以上より、遊技停止状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放された場合には扉開放エラーが発生したものと判定され、演出表示装置21、各種ランプ、音声出力装置10により扉開放エラーが発生した旨の示唆が行われる。
【0247】
また、遊技停止状態中においては、発射払出制御基板200の払出CPU201は、いずれのエラーの発生の判定も行わないようになっている。したがって、遊技停止状態中は、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されない。
具体的には、遊技停止状態中において、たとえば、払出モータ62が作動しているにもかかわらず、所定期間、払出計数スイッチ63による遊技球の計数による遊技球の計数が行われなかったとしても、払出CPU201は、球切れエラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、所定期間、遊技球の計数が行われなくとも球切れエラーは発生しないこととなる。そして、払出CPU201が、球切れエラーが発生したものとは判定しないことから、球切れエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信されることもなく、主制御基板100において、球切れエラーが発生したものと把握されることもない。
同様に、遊技停止状態中において、たとえば、アウト口19へ電波が照射されるとアウト口電波検出センサ71bが電波を検出し電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するものの、発射払出制御基板200に電波検出信号が入力されても、払出CPU201は、払出電波エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、アウト口19に電波が照射されても払出電波エラーは発生しないこととなる。そして、払出CPU201が、払出電波エラーが発生したものとは判定しないことから、払出電波エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信されることもなく、主制御基板100において、払出電波エラーが発生したものと把握されることもない。
すなわち、遊技停止状態中においては、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生原因となる事象が発生したとしても、払出CPU201はこれらのエラーの発生を判定しないため、これらのエラーは発生しないこととなる。また、主制御基板100においても、これらのエラーの発生は把握されないこととなる。
【0248】
なお、遊技停止状態中であっても、発射払出制御基板200の払出CPU201は継続して、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0249】
(遊技停止状態中におけるパチンコ機P外部への外部信号送信の概要)
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ入賞信号や大当たり信号等の外部信号を送信する制御が行われ、発射払出制御基板200の払出CPU201によりパチンコ機Pの外部へ払出賞球信号等の外部信号を送信する制御が行われるようになっている。
ここで、遊技可能状態中であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、メインCPU101による入賞信号や大当たり信号等の外部信号を送信する制御、及び、払出CPU201による払出賞球信号等の外部信号を送信する制御のいずれもが行われる。
一方、遊技停止状態中は、上述のように、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号等の外部信号を送信する制御は制限されるようになっている。
【0250】
また、遊技停止状態中は、発射払出制御基板200による払出賞球信号等の外部信号を送信する制御は制限されることなく、継続して行われるようになっている。
具体的には、たとえば、払出CPU201による払出賞球信号等の外部信号の送信中に遊技停止状態が設定された場合であっても、所定時間が経過すると、払出CPU201による外部信号の送信は終了する。また、たとえば、遊技停止状態が設定された後に遊技球の払い出しが行われ、払い出された遊技球が所定個数に到達した場合には、払出CPU201による払出賞球信号の送信が行われ、所定時間が経過すると、払出CPU201による払出賞球信号の送信は終了する。
【0251】
(設定変更状態又は設定確認状態が設定された場合の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定変更状態又は設定確認状態が設定されると、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球が発射されず、主制御基板100のメインCPU101は、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出せず、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止する。これにより、遊技停止状態中と同様に、設定変更状態又は設定確認状態においては、遊技が進行しないこととなる。
また、設定変更状態又は設定確認状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを突没駆動する可動片ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。これにより、遊技停止状態と同様に、設定変更状態中又は設定確認状態中は、可動片16bが没入したまま、かつ開閉扉18bが閉じたままとなる。
また、設定変更状態又は設定確認状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。
【0252】
さらに、設定変更状態中又は設定確認状態中においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しは継続して行われるものの、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されず、また、払出賞球信号等の外部信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御は制限されないようになっている。
なお、設定変更状態中又は設定確認状態中には、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しを停止するようにしてもよいし、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生の判定を継続して行うようにしてもよいし、払出賞球信号等の外部信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御が制限されるようにしてもよい。
【0253】
(差球作動停止制御(差球数に基づく作動停止制御)の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技中に遊技者が獲得した遊技球の数が過剰となり射幸性が高くなり過ぎるような事態を防止するために、遊技可能状態中において所定の算出開始時点からの差球数が所定の作動停止個数(本形態では95000個)に到達することに基づき、メインCPU101は、パチンコ機Pの作動を停止する作動停止制御(差球作動停止制御)を実行するようになっている。
【0254】
差球数とは、各入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づき払い出される賞球(一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aによる遊技球の検出に基づき払い出される賞球)と、遊技者により発射されて各入賞口へ入球するか又はアウト口19に受け入れられた遊技球(アウトセンサ19aにより検出された遊技球、換言すれば、遊技に用いられた遊技球)との差数である。
【0255】
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に設けられた使用外領域における特定の領域に、差球数を判定するために用いられる差球カウント値が記憶されるようになっている。
この特定の領域に記憶される差球カウント値は、後述する発動予告状態及び発動状態以外の状態(発動警告前状態、発動警告状態)においては、特定のエラーが発生していない状態で電断復帰した場合(電源のオフ・オンが行われた場合)にリセットされ、特定のエラーが発生している状態で電断復帰した場合にはリセットされないようになっている。すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態において、特定のエラーが発生している状態で電断復帰した場合には、電断発生時に記憶されていた差球カウント値が維持される。また、上述の差球カウント値は、発動予告状態及び発動状態においては、設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常初期化処理)が行われることによりリセットされる。そして、リセットされると差球カウント値に初期値(本形態では100000)がセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のエラーとして、遊技の進行に重大な影響を及ぼすエラー(たとえば、メインCPU101の誤動作を誘発する可能性がある主制御電波エラー、大入賞口18の故障の可能性がある不正入賞エラー等)が定められている。特定のエラーはこれに限定されるものではなく、たとえば、発生した場合に遊技停止状態が設定されるようなエラーとしてもよい。
【0256】
差球カウント値は、各入賞口へ遊技球が入球するごとに(一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a又は大入賞口検出センサ18aにより遊技球が検出されるごとに)当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数だけインクリメントされ、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されるごとに1デクリメントされる。差球カウント値が0となっているときには、アウトセンサ19aにより検出されても、当該差球カウント値はデクリメントされず0のままとなる。
そして、差球カウント値が後述する第2基準値(本形態では195000)に到達すると、差球数が所定の作動停止個数(95000個)に到達したこととなる。
【0257】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、各入賞口へ遊技球が入球するごとに、当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数を差球カウント値に加算するようになっているが、これに限定されるものではなく、各入賞口への遊技球の入球に基づいて実際に賞球が払い出されるごとに、当該払い出された賞球の数を差球カウント値に加算するようにしてもよい。
また、上述したように、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されるごとに、差球カウント値を1デクリメントするようになっているが、これに限定されるものではなく、発射された遊技球が遊技領域12に到達するごとに、差球カウント値を1デクリメントするようにしてもよい。すなわち、遊技球が遊技に用いられるごとに、差球カウント値を1デクリメントするようにしてもよい。
また、上述したように、発動予告状態及び発動状態においては、差球カウント値は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常初期化処理)が行われることによりリセットされるようになっていたが、これに限定されるものではなく、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(すなわち、設定変更状態の設定を伴わずに実行される通常初期化処理)が行われることによりリセットするようにしてもよいし、異常時初期化処理が行われることによりリセットされるようにしてもよい。
また、上述したように、発動警告前状態や発動警告状態においては、差球カウント値は、電断復帰によりリセットされるようになっていたが、これに限定されるものではなく、発動予告状態や発動状態と同様に、設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常時初期化処理)が行われることによりリセットされるようにしてもよいし、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(設定変更状態の設定を伴わずに実行される通常初期化処理)が行われることによりリセットするようにしてもよいし、異常時初期化処理が行われることによりリセットされるようにしてもよい。
【0258】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球作動停止制御に関する各種状態として、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、及び、発動状態の4種類が設けられている。遊技可能状態中は、上述の4種類の状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。
【0259】
(発動警告前状態)
発動警告前状態は、差球カウント値がリセットされることにより設定され、当該差球カウント値が第1基準値(本形態では190000)に到達していないときに滞在する状態であり、遊技可能状態中は主にこの発動警告前状態に滞在する。そして、差球カウント値が第1基準値に到達すると発動警告前状態が終了し、発動警告状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値がリセットされてから第1基準値に到達するまでの間、発動警告前状態に滞在することとなる。
【0260】
(発動警告状態)
発動警告状態は、上述のように、差球カウント値が第1基準値に到達することにより設定される。そして、差球カウント値が第2基準値(195000)に到達すると発動警告状態が終了し、この到達の際において、特別遊技が実行されていたときには発動予告状態が設定され、特別遊技が実行されていなかったときには発動状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第1基準値に到達してから第2基準値に到達するまでの間、発動警告状態に滞在することとなる。
【0261】
また、メインCPU101は、発動警告状態が設定されると、その旨を示す第1差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第1差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、電断が発生するか、発動警告状態が終了するか又は所定時間(本形態では600秒)が経過するという終了条件を満たすまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、第1基準値に到達し間もなく第2基準値に到達する旨を示唆する発動警告示唆(たとえば、「打ち止めまで残り約5000発です」という発動警告文字画像の表示等)が行われるとともに(
図61(c)~(e)参照)、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯する(たとえば、前扉演出ランプDLのみ青色で点灯等)ようになっている。また、第1差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、当該時点(すなわち、発動警告状態の設定時点)から所定の発動警告音声出力時間(本形態では5秒)が経過するまでの間、発動警告音声(たとえば、「打ち止めまで残り約5000発です」という音声)の出力が行われる。これらにより、発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動警告音声の出力については、電断が発生するまで継続して行うようにしてもよいし、発動警告状態が終了するまで継続して行うようにしてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動警告状態が設定された後は電断復帰が行われない限り、差球カウント値が第1基準値を下回っても、発動警告状態が終了し発動警告前状態が設定されることはないようになっている。なお、発動警告状態が設定された後に差球カウント値が第1基準値を下回った場合には、発動警告状態を終了させ発動警告前状態を設定するようにしてもよい。
【0262】
(発動予告状態)
発動予告状態は、上述のように、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていたときに設定される。そして、この実行中の特別遊技が終了すると発動予告状態が終了し、発動状態が設定される。また、発動予告状態中に上述した設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常初期化処理)が行われると発動予告状態が終了し、発動警告前状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていた場合において、差球カウント値が第2基準値に到達してから、実行中の特別遊技が終了するか又は設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動予告状態に滞在することとなる。
【0263】
なお、発動予告状態は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われることにより終了するのではなく、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(設定変更状態の設定を伴わずに実行される通常初期化処理)が行われることにより終了するようにしてもよいし、異常時初期化処理が行われることにより終了するようにしてもよい。
【0264】
また、メインCPU101は、発動予告状態が設定されると、その旨を示す第2差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第2差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、電断が発生するか又は発動予告状態が終了するという終了条件を満たすまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、特別遊技が終了した後にパチンコ機Pの作動が停止する旨を示唆する発動予告示唆(たとえば、「大当たりの終了後に打ち止めとなります」という発動予告文字画像の表示等)が行われるとともに(
図61(f)参照)、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯する(たとえば、前扉演出ランプDLのみ青色で点灯等)ようになっている。また、第2差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、当該時点(すなわち、発動予告状態の設定時点)から所定の発動予告音声出力時間(本形態では7秒)が経過するまでの間、発動予告音声(たとえば、「大当たりの終了後に打ち止めとなります」という音声)の出力が行われる。これらにより、発動予告状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動予告示唆、各種ランプの所定の点灯パターンによる点灯又は消灯については、所定時間(たとえば60秒)が経過するまでの間に行うようにしてもよい。また、発動予告音声の出力については、電断が発生するまで継続して行うようにしてもよいし、発動予告状態が終了するまで継続して行うようにしてもよい。
【0265】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、差球カウント値が第2基準値に到達することに基づき発動状態が設定されると遊技が進行しない(遊技が停止する)ようになるものの、上述の如く、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていたときには発動状態ではなく発動予告状態が設定され、実行中の特別遊技が終了すると発動予告状態が終了し発動状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行中に差球カウント値が第2基準値に到達した場合には、当該到達に基づきすぐに遊技が停止され強制的に実行中の特別遊技が終了するのではなく、実行中の特別遊技における最終のラウンド遊技が終了するまで遊技が進行する。これにより、特別遊技の実行中に差球カウント値が第2基準値に到達した場合であっても、遊技者の興趣を持続させることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動予告状態が設定されたものの、当該発動予告状態中に差球カウント値が減少し、実行中の特別遊技が終了した時点で第2基準値を下回っていた場合であっても、発動予告状態が終了し発動状態が設定されるようになっている。なお、特別遊技が終了した時点で差球カウント値が第2基準値を下回っていた場合には、発動状態が設定されないようにしてもよい。
【0266】
(発動状態)
発動状態は、上述のように、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていなかった場合に、又は、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていたときには当該実行中の特別遊技が終了した場合に設定される。そして、上述した設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常初期化処理)が行われると発動状態が終了し、発動警告前状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていなかった場合には、差球カウント値が第2基準値に到達してから設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動状態に滞在することとなる。また、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていた場合には、実行中の特別遊技が終了してから設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動状態に滞在することとなる。
換言すれば、発動状態が設定された後は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われない限り、当該発動状態は終了することなく当該発動状態が継続する。
【0267】
なお、発動状態は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われることにより終了するのではなく、電断復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(設定変更状態の設定を伴わずに実行される通常初期化処理)が行われることにより終了するようにしてもよいし、異常時初期化処理が行われることにより終了するようにしてもよい。
【0268】
本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101は、発動状態が設定されると、当該発動状態が設定された旨を示す発動状態設定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、発射払出制御基板200においても発動状態が設定された旨を把握できるようになっている。
そして、発動状態においては、上述の遊技停止状態と同様に、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球が発射されないようになっている。また、主制御基板100のメインCPU101が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出しないようになっており、これにより、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球しても当該入球に基づく大当たりの抽選が行われず、遊技球がゲート20を通過しても当該通過に基づく普通図柄の抽選が行われないとともに、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しないようになっている。さらに、特別図柄の変動表示や普通図柄の変動表示が実行されていた場合には、発動状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示や普通図柄の変動表示を停止するようになっている。
このように、発動状態においては主制御基板100のメインCPU101が上述の制御を行うことにより、遊技停止状態中と同様に、遊技が進行しない(遊技が停止する)こととなる。
なお、上述したように、発動状態において操作ハンドル5の回転操作が行われた場合、遊技球は発射されないものの、ハンドル操作コマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。そして、メインCPU101は、ハンドル操作コマンドを受信すると、回転操作コマンドを副制御基板300に送信する。したがって、発動状態中であっても、操作ハンドル5の回転操作が行われた旨を主制御基板100及び副制御基板300において把握できる。
【0269】
また、発動状態においては、上述のように遊技が進行しないことから、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ入賞信号等の外部信号を送信する制御も制限されるようになっている。
たとえば、入賞信号の送信中に発動状態が設定された場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示を停止することから、メインCPU101は実行中の入賞信号の送信を停止することができなくなり、当該入賞信号は送信されたままの状態となる。また、入賞信号が送信されていないときに発動状態が設定された場合には、その後に第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、主制御基板100のメインCPU101は当該入球を検出しないため、メインCPU101は入賞信号の送信を開始することができなくなる。
【0270】
さらに、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限されるようになっている。
具体的には、発動状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを突没駆動する可動片ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。
これにより、たとえば、第2始動入賞口16の可動片16bが突出していた場合には、発動状態が設定されると可動片16bが没入し、発動状態中は可動片16bが没入した状態が維持される。また、発動状態中は開閉扉18bが閉じた状態が維持される。また、たとえば、普通図柄の抽選で当たりとなった後、第2始動入賞口16の可動片16bが突出する前に発動状態が設定された場合には、可動片16bは突出せず、発動状態中は可動片16bが没入したままとなる。
【0271】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されるものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は停止しないようになっている。
【0272】
具体的には、主制御基板100のメインCPU101が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて、対応する個数の賞球を払い出す旨の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に(すなわち、賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信した後に)、発動状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
【0273】
これにより、たとえば、いずれかの入賞口への遊技球の入球に基づく賞球が払い出されているときに、発動状態が設定された場合であっても、上述の入球に基づく全ての賞球が払い出されることとなる。すなわち、発動状態が設定される前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球することで獲得されたものの、発動状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない賞球も全て払い出される。
このように、発動状態が設定される前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく賞球の払い出しの最中に発動状態が設定された場合には、主制御基板100による遊技の進行及び発射払出制御基板200による遊技球の発射については停止するものの、発射払出制御基板200による賞球の払い出しは停止することなく発動状態中も継続して行われる。
【0274】
同様に、遊技者により球貸ボタン36が押下操作され、遊技球貸出装置Rが所定個数の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に、発動状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
これにより、球貸ボタン36の押下操作による所定個数の遊技球(貸球)の払い出しが行われているときに、発動状態が設定された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出されることとなる。すなわち、発動状態が設定される前に球貸ボタン36が押下操作され、遊技球の払い出しが開始されたものの、発動状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない遊技球も全て払い出される。
【0275】
また、発動状態中であっても、遊技球貸出装置R、価値情報表示装置35、球貸スイッチ36a、カード返却スイッチ37aの作動が制限されることはなく、これらの機器からの信号やコマンドの送信、これらの機器による信号やコマンドの受信が制限されることもない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出される。
【0276】
また、発動状態中であっても、価値情報表示装置35における価値情報の表示が継続して行われる。また、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合にも、遊技球貸出装置Rが減算コマンドを価値情報表示装置35に送信するため、発動状態中であっても、価値情報表示装置35において価値情報の更新表示が行われる。さらに、発動状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合にも、カード返却スイッチ37aが返却要求信号を遊技球貸出装置Rに送信するため、発動状態中であっても、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
なお、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合には、遊技球の払い出しを行わないようにするとともに、価値情報表示装置35における価値情報の更新表示も行われないようにしてもよい。また、発動状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合には、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われないようにしてもよい。
【0277】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。そして、発動状態中であっても、扉開放エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、扉開放エラーに対応するエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。以上より、発動状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放された場合には扉開放エラーが発生したものと判定され、演出表示装置21、各種ランプ、音声出力装置10により扉開放エラーが発生した旨の示唆が行われる。
さらに、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200の払出CPU201は、いずれのエラーの発生の判定も行わないようになっている。したがって、遊技停止状態中は、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されない。
なお、発動状態中であっても、主制御基板100のメインCPU101は、主制御基板100において判定する扉開放エラー以外のエラー(主制御関連エラー)の発生も判定するようにしてもよい。これにより、発動状態中も、扉開放エラー以外のエラーについて発生条件を満たした場合には、当該エラーが発生することとなる。
また、発動状態中には、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生についても判定しないようにしてもよい。
また、発動状態中であっても、発射払出制御基板200の払出CPU201は継続して、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0278】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101によるパチンコ機Pの外部へ入賞信号や大当たり信号等の外部信号を送信する制御は制限されるものの、発射払出制御基板200による払出賞球信号等の外部信号を送信する制御は制限されることなく、継続して行われるようになっている。
なお、発動状態においては、発射払出制御基板200による払出賞球信号を送信する制御も制限されるようにしてもよい。
【0279】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態においては、遊技が進行せず、かつ遊技球を発射する制御が停止することにより遊技球の発射が行えないようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、発動状態においては、遊技が進行しないようにするものの、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されないようにしてもよい。すなわち、発動状態においては、遊技は進行しないものの、遊技球の発射を行うことができるようにしてもよい。
【0280】
また、発動状態が設定されると、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33における表示をクリアするようになっている。具体的には、これらの表示装置は点灯又は消灯が可能なLEDから構成されているが、各表示装置を構成するLEDが消灯するようになっている。これにより、第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置32において変動表示中であった特別図柄や停止表示中であった特別図柄、普通図柄表示装置32において変動表示中であった普通図柄や停止表示中であった普通図柄、第1特図保留表示装置38により表示されていた第1特図保留数、第2特図保留表示装置39により表示されていた第2特図保留数、普通図柄保留表示装置33により表示されていた普図保留数が全てクリアされることとなる。
これに対して、発動状態が設定された際に、副制御基板300に接続されている右打ち報知ランプRLが点灯していた場合には、発動状態の設定後も、この右打ち報知ランプRLの点灯は継続して行われるようになっている。
なお、右打ち報知ランプRLの他、たとえば、所定態様で点灯することにより第1特図保留数や第2特図保留数を示唆する保留数ランプ等が副制御基板300に接続されていた場合には、この保留数ランプについても、発動状態の設定後も、第1特図保留数や第2特図保留数を示唆する所定態様での点灯が継続して行われるようにしてもよい。すなわち、副制御基板300に接続されている表示装置であって、遊技の進行に係る示唆を行うものについては、発動状態の設定後も当該示唆を継続して実行するようにしてもよい。
【0281】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、その旨を示す第3差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第3差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、この時点で演出表示装置21の表示部21aに表示されていた演出図柄50、保留記憶が行われていることを示唆する保留画像(特に図示しておらず)、背景画像、右打ち示唆画像等の各種演出画像がクリアされた上で、電断が発生するまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、パチンコ機Pの作動が停止した旨を示唆する発動示唆(たとえば、「差球作動停止機能作動中 差球上限に到達のため打ち止めとなります 係員を呼んでください」という発動文字画像の表示等)が行われ(
図61(g)参照)、音声出力装置10から所定の発動音声(たとえば、「差球上限に到達のため打ち止めとなります」という音声)が出力され、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯すること(たとえば、前扉演出ランプDLが青色で点灯、状態報知ランプELが赤色で点灯、盤面演出ランプGLが消灯等)により、発動状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動示唆、発動音声の出力、各種ランプの点灯又は消灯による発動状態が設定された旨の示唆については、電断が発生するまで行うのではなく、所定時間(発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる時間よりも長い時間(たとえば10分)等)が経過するまでの間のみ行うようにしてもよい。
また、発動状態が設定された時点で表示されていた各種演出画像はクリアするのではなく、そのまま表示し続けてもよい。そして、これらの各種演出画像に重ねて上述の発動示唆(発動文字画像の表示)を行ってもよい。
【0282】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、メイン情報表示装置105において発動状態を示すコードを表示するようになっている。これにより、発動状態が設定された旨をメイン情報表示装置105により把握することができる。
なお、発動状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105においてはいかなる表示も行わないようにしてもよい。すなわち、メイン情報表示装置105における表示をクリアするようにしてもよい。
【0283】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、外部信号として、発動状態が設定された旨を示すセキュリティ信号を生成し、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部(ホールコンピュータや外部表示装置等)へ当該セキュリティ信号を出力する。このセキュリティ信号は、ホールコンピュータや上述の外部表示装置により受信可能となっており、これにより、発動状態が設定された旨をホールコンピュータにおいて把握することができ、発動状態が設定された旨を外部表示装置において示唆することができるようになっている。また、発動状態の設定に基づくセキュリティ信号の生成中、及び出力中は、メインRAM103の使用外領域における特定の領域に当該セキュリティ信号の生成中、及び出力中である旨を示す発動セキュリティ情報が記憶されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中に、当該発動状態が終了することとなる初期化処理(すなわち、設定変更状態の設定に伴う初期化処理)が実行されることなく電断復帰(電源のオフ・オン)が行われた場合には、上述のセキュリティ信号の生成、及び出力を再開するようになっている。これにより、発動状態中に電断が発生したとしても、電断復帰後に、発動状態中である旨をホールコンピュータにおいて再度把握することができ、発動状態中である旨を外部表示装置において再度示唆することができる。
なお、発動予告状態が設定された場合にも、発動状態が設定された場合と同様のセキュリティ信号を生成、及び出力するようにするとともに、発動予告状態中に、当該発動予告状態が終了することとなる初期化処理(すなわち、設定変更状態の設定に伴う初期化処理)が実行されることなく電断復帰が行われた場合には、セキュリティ信号の生成、及び出力を再開するようにしてもよい。
【0284】
なお、発動状態においては、遊技が進行せず、かつ遊技球の発射が行われないため、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することなく、特別図柄の変動表示、特別遊技、普図遊技が実行されることはない。したがって、これらの実行(遊技の進行)に伴う各種コマンド(たとえば、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく始動入賞コマンド、特別図柄の変動開始に基づく変動モードコマンドや変動パターンコマンド、特別遊技の開始に基づくオープニングコマンド等)が、主制御基板100から副制御基板300に送信されることもない。
また、副制御基板300には、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dが接続されているが、発動状態においても、このセンサによる検出は実行されるようになっている。これにより、発動状態中も、副制御基板300において、操作ボタン9bの押下操作を把握できることとなる。
【0285】
(差球作動停止制御に関する各種状態の設定の概要)
また、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に設けられた使用外領域における特定の領域に、差球作動停止制御に関する各種状態(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定するための差球作動停止制御フェーズデータが記憶されるようになっている。この差球作動停止制御フェーズデータに、上述の各種状態に対応する状態値が記憶されることにより、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態のいずれかが設定されることとなる。
【0286】
具体的には、発動警告前状態又は発動警告状態において電断復帰が行われるか、或いは、発動予告状態又は発動状態において設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われると、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータをクリアした上で、この差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動警告前状態が設定される。
すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態において電断復帰が行われると、上述したように差球カウント値がリセットされることにより発動警告前状態が設定される。また、発動予告状態又は発動状態において設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われると、これらの状態が終了するとともに差球カウント値がリセットされることにより発動警告前状態が設定される。
【0287】
また、差球カウント値が第1基準値に到達すると、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動警告状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動警告状態が設定される。
また、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていたときには、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動予告状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動予告状態が設定される。
また、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていなかったとき、又は、差球カウント値が第2基準値に到達した際に実行されていた特別遊技が終了したときには、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動状態が設定される。
【0288】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態においては、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限され、遊技が進行しない制御状態中は可動片16bが没入したまま、かつ大入賞口18が閉じたままとなる。
これにより、遊技が進行していないにもかかわらず、可動片ソレノイド16cや大入賞口ソレノイド18cが作動し続けることで、たとえば、これらの構成部品が発熱し故障したり破損したりするような事態を防止できる。また、大入賞口18が開き続けることで、遊技が進行していない間に当該入賞口へ不正部品を挿入して賞球を獲得するような不正行為を防止できる。
【0289】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態においては、遊技球の発射は行われないものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し(賞球の払い出し及び貸球の払い出しの両方)は継続して行われ、また、価値情報表示装置35における価値情報の表示、遊技球貸出装置Rによるカードの排出等も行われる。
これにより、たとえば、遊技停止状態が設定されるよりも前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球したにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより賞球の払い出しが停止し、上述の入球に基づく賞球の一部を獲得できないといった不利益や、遊技停止状態が設定されるよりも前に遊技者により球貸スイッチ36が押下されたにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより貸球の払い出しが停止し、貸球の一部を取得できないといった不利益の発生を防止することができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、作動を停止させたり、遊技球の払い出しを停止させたりする信号やコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無いため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0290】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100で発生の判定がなされるエラーのうち扉開放エラーについてのみ、発生の判定を行うようになっている。
これにより、遊技停止状態中に本体枠2や前扉3を開放し、主制御基板100に対して不正行為が行われるような事態を防止可能となる。
【0291】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号等の外部信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されるものの、発射払出制御基板200による払出賞球信号等の外部信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されないようになっている。
これにより、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御が継続して行われる遊技停止状態中であっても、遊技球の払い出しに関する情報をパチンコ機Pの外部の装置においても確実に把握させることができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、パチンコ機Pの外部への信号の送信を停止させるコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無く、また、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号等の外部信号の送信の制御は制限されるため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0292】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間は、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間よりも長く設定されている。
これにより、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する外部信号よりも、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する外部信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
【0293】
なお、上記送信の時間の設定については、これに限定されるものではない。
たとえば、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間が、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間よりも長くなるように設定してもよい。
このように設定した場合には、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する外部信号よりも、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する外部信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
また、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間と、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ外部信号を送信する時間とが同じとなるように設定してもよい。
【0294】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達することに(差球数が所定の作動停止個数に到達すること)に基づき、遊技が進行せず、かつ遊技球の発射が行われない発動状態が設定される。
これにより、遊技中に遊技者が獲得した遊技球の数が過剰となり射幸性が高くなり過ぎるような事態を防止することができるとともに、上述の遊技停止状態中と同様の効果が生じることとなる。
【0295】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中は、遊技停止状態中と同様に、主制御基板100で発生の判定がなされるエラーのうち扉開放エラーについてのみ、発生の判定を行うようになっている。
これにより、発動状態中に本体枠2や前扉3を開放し、主制御基板100に対して不正行為が行われるような事態を防止可能となる。
【0296】
(試験信号の生成、及び出力の概要)
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101は、種々のタイミングで型式試験の際に用いられる試験信号を生成し、試験専用出力端子107からパチンコ機Pの外部へ出力できるようになっている。
メインCPU101は、原則として、試験信号の生成が開始されてから終了するまで(出力開始条件が成立してから出力終了条件が成立するまで)、この生成中の試験信号を試験専用出力端子107へ出力し続ける。このとき、試験専用出力端子107に専用の受信端子を接続することにより、当該受信端子を備えた試験用のコンピュータに上述の試験信号が入力される。すなわち、生成中の試験信号は、試験専用出力端子107に専用の受信端子が接続されることにより、試験専用出力端子107及び受信端子を介してパチンコ機Pの外部(試験用のコンピュータ)へ出力される。一方、試験専用出力端子107に専用の受信端子が接続されていない場合には、生成中の試験信号は試験専用出力端子107へ出力されるものの、パチンコ機Pの外部へは出力されない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、各試験信号の生成、及び出力中は、メインRAM103の使用外領域における特定の領域に、生成中、及び出力中の試験信号を示す(各試験信号の生成中、及び出力中である旨を示す)試験信号情報が記憶されるようになっている。
【0297】
本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101が生成し試験用のコンピュータへ出力可能な試験信号として、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号、差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号が設けられている。
遊技の進行状況に関する試験信号としては、普図変動中試験信号、普図当たり中試験信号、可動片開放中試験信号、第1特図変動中試験信号、第1特図大当たり中試験信号、第2特図変動中試験信号、第2特図大当たり中試験信号、ラウンド遊技中試験信号が設けられている。遊技状態に関する試験信号としては、普図高確率状態試験信号、普図変動短縮状態試験信号、可動片作動延長状態試験信号、特図高確率状態試験信号、特図変動短縮状態試験信号が設けられている。差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号としては、発動設定前状態試験信号が設けられている。
【0298】
普図変動中試験信号は、普通図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間(すなわち、普通図柄の変動中)において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、普通図柄の変動表示の開始(出力開始条件の成立)に基づき普図変動中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、普通図柄の変動表示の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この普図変動中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータ(すなわち、パチンコ機Pの外部)では、当該普図変動中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて普通図柄の変動表示が行われていることを把握可能となる。
【0299】
普図当たり中試験信号は、普通図柄の抽選により当たりとなってから可動片16bの作動が終了するまでの期間(すなわち、普通図柄の抽選により当たりとなって当該当たりに基づく可動片16bの作動が全て終了するまでの間)において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、普通図柄の抽選により当たりとなって当該当たりに基づく可動片16bの作動が開始されること(出力開始条件の成立)に基づき普図当たり中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、可動片16bの作動が全て終了すること(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この普図当たり中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該普図当たり中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて普通図柄の抽選による当たりに基づく可動片16bの作動が行われていることを把握可能となる。
【0300】
可動片開放中試験信号は、可動片16bの1回の開放が開始されてから終了するまで(閉鎖するまで)の期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、可動片16bの1回の開放が開始されること(出力開始条件の成立)に基づき可動片開放中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、可動片16bの1回の開放が終了すること(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この可動片開放中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該可動片開放中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて可動片16bの1回の開放が行われていることを把握可能となる。
【0301】
第1特図変動中試験信号は、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示の開始(出力開始条件の成立)に基づき第1特図変動中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該変動表示の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この第1特図変動中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該第1特図変動中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示が行われていることを把握可能となる。
【0302】
第1特図大当たり中試験信号は、第1特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、第1特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技の開始(出力開始条件の成立)に基づき第1特図大当たり中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該特別遊技の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この第1特図大当たり中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該第1特図大当たり中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて第1特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技が行われていることを把握可能となる。
【0303】
第2特図変動中試験信号は、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示の開始(出力開始条件の成立)に基づき第2特図変動中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該変動表示の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この第2特図変動中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該第2特図変動中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示が行われていることを把握可能となる。
【0304】
第2特図大当たり中試験信号は、第2特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、第2特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技の開始(出力開始条件の成立)に基づき第2特図大当たり中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該特別遊技の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この第2特図大当たり中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該第2特図大当たり中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて第2特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技が行われていることを把握可能となる。
【0305】
ラウンド遊技中試験信号は、特別遊技におけるラウンド遊技が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始(出力開始条件の成立)に基づきラウンド中試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該ラウンド遊技の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。このラウンド遊技中試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該ラウンド遊技中試験信号を出力したパチンコ機Pにおいてラウンド遊技が行われていることを把握可能となる。
【0306】
普図高確率状態試験信号は、普通図柄の抽選により当たりとなる確率が相対的に高い遊技状態が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中(低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)、及び非時短遊技状態中(通常遊技状態中)はいずれも普通図柄の抽選で当たりとなる確率が同一に設定されているため(
図14参照)、普図高確率状態試験信号が設けられているものの、生成、及び出力されることはない。
【0307】
普図変動短縮状態試験信号は、普通図柄の変動時間が相対的に短い遊技状態が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中(低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は非時短遊技状態中(通常遊技状態中)よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されているため(
図15参照)、メインCPU101は、時短遊技状態の設定(出力開始条件の成立)に基づき普図変動短縮状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該時短遊技状態の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この普図変動短縮状態試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該普図変動短縮状態試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて普通図柄の変動時間が相対的に短い遊技状態が設定されていることを把握可能となる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中と通常遊技状態中とは、普通図柄の変動時間はほぼ同一となるように設定されているため、低確率時短遊技状態LJT2中、及び高確率時短遊技状態中にのみ、普図変動短縮状態試験信号の生成、及び出力を行い、低確率時短遊技状態LJT1中は普図変動短縮状態試験信号の生成、及び出力を行わないようにしてもよい。
【0308】
可動片作動延長状態試験信号は、普通図柄の抽選により当たりとなった場合における可動片16bの作動時間が相対的に長い遊技状態が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中(低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は非時短遊技状態中(通常遊技状態中)よりも可動片16bの作動時間が長くなるように設定されているため(
図16参照)、メインCPU101は、時短遊技状態の設定(出力開始条件の成立)に基づき可動片作動延長状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該時短遊技状態の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この可動片作動延長状態試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該可動片作動延長状態試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて可動片16bの作動時間が相対的に長い遊技状態が設定されていることを把握可能となる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中と通常遊技状態中とは、可動片16bの作動時間はほぼ同一となるように設定されているため、低確率時短遊技状態LJT2中、及び高確率時短遊技状態中にのみ、可動片作動延長状態試験信号の生成、及び出力を行い、低確率時短遊技状態LJT1中は可動片作動延長状態試験信号の生成、及び出力を行わないようにしてもよい。
【0309】
特図高確率状態試験信号は、大当たりの当選の確率が相対的に高い遊技状態が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態中(高確率時短遊技状態中)は低確率遊技状態中(通常遊技状態中)よりも大当たりの当選の確率が高くなるように設定されているため(
図7参照)、メインCPU101は、高確率遊技状態の設定(出力開始条件の成立)に基づき特図高確率状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該高確率遊技状態の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この特図高確率状態試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該特図高確率状態試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて大当たりの当選の確率が相対的に高い遊技状態が設定されていることを把握可能となる。
【0310】
特図変動短縮状態試験信号は、特別図柄の変動時間が相対的に短い遊技状態が開始されてから終了するまでの期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1よりも特別図柄の変動時間が短くなるように設定されているため(
図11~
図12参照)、メインCPU101は、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態の設定(出力開始条件の成立)に基づき特図変動短縮状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始し、当該遊技状態の終了(出力終了条件の成立)に基づき当該生成、及び出力を終了する。この特図変動短縮状態試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該特図変動短縮状態試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて特別図柄の変動時間が相対的に短い遊技状態が設定されていることを把握可能となる。
【0311】
発動設定前状態試験信号は、差球カウント値が所定の発動設定前判定値(本形態では175000)以上となっている期間において、メインCPU101により生成され、試験専用出力端子107を介して試験用のコンピュータに出力可能な試験信号である。
すなわち、メインCPU101は、差球カウント値が発動設定前判定値未満であるときには、発動設定前状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を行わないものの、差球カウント値が発動設定前判定値以上となる(出力開始条件の成立)と、発動設定前状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を開始する。また、発動設定前状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力が開始された後、発動状態又は発動予告状態が設定される前に(差球カウント値が第2基準値(195000)に到達する前に)、再度、差球カウント値が発動設定前判定値未満となる(出力終了条件の成立)と、メインCPU101は、発動設定前状態試験信号の生成、及び試験専用出力端子107への出力を終了する。
この発動設定前状態試験信号が試験専用出力端子107及び受信端子を介して試験用のコンピュータに入力されることにより、当該試験用のコンピュータでは、当該発動設定前状態試験信号を出力したパチンコ機Pにおいて差球カウント値が発動設定前判定値以上となっていることを把握可能となり、ひいては、発動状態の設定間近であることを把握可能となる。
【0312】
(発動状態が設定された場合における試験信号の生成、及び出力の制御の概要)
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達することを条件として発動状態が設定され、遊技が進行しないようになっているが、上述の試験信号の生成中、及び出力中に発動状態が設定された場合、発動状態の設定後も当該試験信号の生成、及び出力が継続して行われるようになっている。
【0313】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態の設定中に、遊技の進行状況に関する試験信号(普図変動中試験信号、普図当たり中試験信号、可動片開放中試験信号、第1特図変動中試験信号、第1特図大当たり中試験信号、第2特図変動中試験信号、第2特図大当たり中試験信号、ラウンド遊技中試験信号)、遊技状態に関する試験信号(普図高確率状態試験信号、普図変動短縮状態試験信号、可動片作動延長状態試験信号、特図高確率状態試験信号、特図変動短縮状態試験信号)が生成、及び出力されていた場合において、電断が発生したときには、これらの試験信号の生成、及び出力が一旦停止するものの、当該電断から復帰して再度、発動状態となった後に(すなわち、発動状態が終了することとなる初期化処理(通常初期化処理)が行われることなく電断から復帰した後に)に再開されるようになっている。そして、これらの試験信号の出力は、発動状態が終了するまで(すなわち、上述した初期化処理が行われるまで)継続して行われる。
すなわち、発動状態の設定中に生成、及び出力されている遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号は、当該発動状態(電断の発生中を除く)が終了するまで生成、及び出力されることとなる。
【0314】
これに対して、発動状態の設定中に、発動設定前状態試験信号(差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号)が生成、及び出力されていた場合において、電断が発生したときには、当該試験信号の生成、及び出力が停止し、当該電断から復帰して再度、発動状態となった後も再開されることなく停止したままとなる。
すなわち、発動状態の設定中に生成、及び出力されていた発動設定前状態試験信号は、当該発動状態中に電断が発生しなかったときには、当該発動状態が終了するまで生成、及び出力されるものの、当該発動状態中に電断が発生したときには、この時点で生成、及び出力が終了することとなる。
【0315】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中であって、かつ発動警告前状態中又は発動警告状態中(差球カウント値が第2基準値未満であるとき)に電断が発生した場合には、発動状態中と同様に、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が一旦停止する。
そして、上記の一旦停止後に、上述の特定のエラー(遊技の進行に重大な影響を及ぼすエラー)が発生している状態で電断復帰して再度、発動警告前状態又は発動警告状態となった場合には、電断発生時に記憶されていた差球カウント値が維持されており、この差球カウント値は発動設定前判定値以上であることから、当該電断復帰後に発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開されるようになっている。一方、特定のエラーが発生していない状態で電断復帰した場合には、差球カウント値はリセットされ、この差球カウント値は発動設定前判定値未満となるため、当該電断復帰後に発動設定前状態試験信号の生成、及び出力は再開されない。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰してから所定の起動時間(たとえば、10秒等)が経過するまでの起動準備期間中に、演出表示装置21の表示部21aにおいて、背景画像の表示や変動演出等の各種演出が実行可能となるまでの準備期間である旨を示す準備中画像(たとえば、「画面復帰中 そのまま遊技を続けてください。」という文字画像等)が表示されるようになっており、上記の一旦停止後に発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開された場合には、上述の起動準備期間中において、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が行われることとなる。
【0316】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中であって、かつ発動予告状態中に電断が発生した場合には、発動状態中と同様に、当該試験信号の生成、及び出力が停止し、当該電断から復帰して再度、発動予告状態となった後も再開されることなく停止したままとなる。すなわち、発動予告状態中に生成、及び出力されていた発動設定前状態試験信号は、当該発動予告状態中に電断が発生したときには、この時点で生成、及び出力が終了することとなる。なお、発動予告状態中に電断が発生した場合において、発動予告状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰したときには、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力を再開するようにしてもよい。
【0317】
(具体例)
次に、発動状態が設定された場合における試験信号の生成、及び出力の制御について、具体例を挙げて説明する。
たとえば、普図変動中試験信号(遊技の進行状況に関する試験信号)は、普通図柄の変動表示中に生成、及び出力される。普通図柄の変動表示中に発動状態が設定されると、実行中の普通図柄の変動表示は停止する一方で、普図変動中試験信号の生成、及び出力は継続して行われる。また、この発動状態中に電断が発生すると、普図変動中試験信号の生成、及び出力は一旦停止するものの、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、普図変動中試験信号の生成、及び出力が再開される。そして、設定中の発動状態が終了すると、普図変動中試験信号の生成、及び出力も終了する。
また、たとえば、第1特図変動中試験信号(遊技の進行状況に関する試験信号)は第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示中に生成、及び出力される。当該特別図柄の変動表示中に発動状態が設定されると、実行中の当該特別図柄の変動表示は停止する一方で、第1特図変動中試験信号の生成、及び出力は継続して行われる。また、この発動状態中に電断が発生すると、第1特図変動中試験信号の生成、及び出力は一旦停止するものの、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、第1特図変動中試験信号の生成、及び出力が再開される。そして、設定中の発動状態が終了すると、第1特図変動中試験信号の生成、及び出力も終了する。
また、たとえば、第2特図大当たり中試験信号(遊技の進行状況に関する試験信号)は、第2特図乱数による大当たりの当選に基づく特別遊技の実行中に生成、及び出力される。当該特別遊技の実行中に発動状態が設定されると、当該特別遊技は停止し、大入賞口18が開放されていたときには当該大入賞口18が閉鎖する一方で、第2特図大当たり中試験信号の生成、及び出力は継続して行われる。また、この発動状態中に電断が発生すると、第2特図大当たり中試験信号の生成、及び出力は一旦停止するものの、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、第2特図大当たり中試験信号の生成、及び出力が再開される。そして、設定中の発動状態が終了すると、第2特図大当たり中試験信号の生成、及び出力も終了する。
【0318】
また、たとえば、特図高確率状態試験信号(遊技状態に関する試験信号)は、高確率時短遊技状態中(高確率遊技状態中)に生成、及び出力される。当該高確率時短遊技状態中に発動状態が設定されると、遊技の進行が停止する一方で、特図高確率状態試験信号の生成、及び出力は継続して行われる。また、この発動状態中に電断が発生すると、特図高確率状態試験信号の生成、及び出力は一旦停止するものの、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、特図高確率状態試験信号の生成、及び出力が再開される。そして、設定中の発動状態が終了すると、特図高確率状態試験信号の生成、及び出力も終了する。
【0319】
また、発動設定前状態信号(差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号)は、差球カウント値が発動設定前判定値以上となっている間に生成、及び出力される。この間に発動状態が設定されると、遊技の進行が停止する一方で、発動設定前状態信号の生成、及び出力は継続して行われる。また、この発動状態中に電断が発生すると、これに基づき発動設定前状態信号の生成、及び出力は終了し、当該電断から復帰しても、発動設定前状態信号の生成、及び出力は再開されない。また、この発動状態中に電断が発生しなかった場合には、発動状態中には発動設定前状態信号の生成、及び出力が継続して行われ、当該発動状態が終了すると、発動設定前状態信号の生成、及び出力も終了する。
【0320】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、型式試験の際に用いられパチンコ機Pの外部(試験用のコンピュータ)へ出力可能な試験信号として、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号、発動設定前状態試験信号(差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号)を生成、及び出力可能となっている。
ここで、発動状態が設定されることにより遊技の進行が停止し型式試験が中断してしまうと、最終的な試験結果を得られず、長時間に亘って蓄積された出玉率等のデータが無駄となるといった事態が生じる可能性がある。本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号を生成、及び出力可能としたことで、当該試験信号により発動状態の設定間近であることを把握可能となるため、事前に差球カウント値のリセットを行う等の措置を採って発動状態の設定を阻止でき、上述のような事態の発生を適切に防止可能となる。
【0321】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中に発動状態が設定された場合、当該発動状態の設定後もこれらの試験信号の生成、及び出力が継続するようになっている。
これにより、発動状態の設定に基づいて試験信号の生成、及び出力を停止する処理が不要となるため、メインCPU101等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減可能となる。また、発動状態の設定後も、試験用のコンピュータにおいて、発動状態が設定される前の遊技の進行状況、遊技状態等を把握できるようになり、試験信号の利便性が高まるとともに、効率的に型式試験を実施可能となる。
【0322】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態の設定中に、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号が生成、及び出力されていた場合において、電断が発生したときには、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰した後に、これらの試験信号の生成、及び出力が再開されるようになっている。
これにより、発動状態中に電断が発生した場合であっても電断復帰後に、試験用のコンピュータにおいて、発動状態が設定される前の遊技の進行状況や遊技状態を把握できるようになるため、さらに試験信号の利便性が高まるとともに、より効率的に型式試験を実施可能となる。
【0323】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態の設定中に、発動設定前状態試験信号が生成、及び出力されていた場合において、電断が発生したときには、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰しても、当該試験信号の生成、及び出力は再開されないようになっている。
発動状態が設定された後は、遊技が進行されることなく、また、後述するように演出表示装置21の表示部21aにおいて発動状態の設定中である旨を示唆する発動示唆が行われるため、発動設定前状態試験信号を生成、及び出力せずとも、パチンコ機Pの外観から発動状態の設定中である旨を把握可能となる。そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態の設定中に電断が発生した場合には当該電断から復帰しても、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開されないようにして、発動状態中に電断が発生した場合におけるメインCPU101等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減可能としている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態が設定されると、発動状態が設定された旨を示すセキュリティ信号が生成、及び出力され、発動状態の設定中に電断が発生したときには、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰した後に当該セキュリティ信号の生成、及び出力が再開されるようになっている。
これにより、たとえば、演出表示装置21の故障により発動示唆が実行されず、また、メインCPU101の故障により遊技の進行が停止せず、パチンコ機Pの外観からは発動状態の設定中である旨を把握できなかったような場合であっても、上記セキュリティ信号の生成(出力)の有無を確認することで、発動状態の設定中である旨を把握可能となる。
【0324】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中であって、かつ発動警告前状態中又は発動警告状態中に電断が発生した場合、特定のエラー(遊技の進行に重大な影響を及ぼすエラー)が発生している状態で電断復帰して再度、発動警告前状態又は発動警告状態となったときには、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開されるようになっており、この発動設定前状態試験信号の生成、及び出力は、電断復帰してから所定の起動時間が経過するまでの起動準備期間に行われるようになっている。
これにより、起動準備期間中のため、演出表示装置21の表示部21aにおいて準備中画像が表示されている場合であっても、発動設定前状態試験信号の出力の有無を確認することで、発動状態の設定間近である旨を把握可能となる。
【0325】
(試験信号の生成、及び出力に関する変形例)
メインCPU101が生成、及び出力可能な遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号は、上記のものに限定されず、遊技仕様等に応じて、上記の試験信号以外の試験信号を生成、及び出力可能としてもよいし、上記の試験信号の一部を生成、及び出力可能としてもよい。そして、このようにした場合にも、試験信号について本形態に係るパチンコ機Pと同様の制御(発動状態が設定された後の制御等)が行われるようにしてもよい。
たとえば、大当たりに当選した場合に決定された特別図柄の種別に応じて異なるラウンド数の特別遊技が実行されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、遊技の進行状況に関する試験信号として、特別遊技ごとに異なる特図大当たり中試験信号を設けてもよい。具体的には、たとえば、第1特図乱数により大当たりに当選した場合において、特別図柄Aが決定されたときには3ラウンドのラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、特別図柄Bが決定されたときには8ラウンドのラウンド遊技が行われる特別遊技が実行されるように設定されていた場合には、特別図柄Aの決定に基づく特別遊技中に生成、及び出力可能な第1特図大当たり中信号A、特別図柄Bの決定に基づく特別遊技中に生成、及び出力可能な第1特図大当たり中信号Bを設けてもよい。
また、たとえば、大当たりの抽選により大当たりのみならず、小当たりに当選するように設定されたパチンコ機Pにおいては、遊技の進行状況に関する試験信号として、小当たりに当選してから当該当選に基づく小当たり遊技が終了するまでの間に生成、及び出力可能な試験信号として、小当たり中試験信号を設けてもよい。
また、たとえば、大当たりの当選後に遊技球が所定の通過領域を通過することで特別遊技が開始されるように設定されているパチンコ機Pにおいては、遊技の進行状況に関する試験信号として、大当たりに当選してから遊技球が通過領域を通過するまでの期間中に生成、及び出力可能な遊技球通過待ち試験信号を設けてもよい。
また、たとえば、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態を有し、この高確率非時短遊技状態中には通常遊技状態よりも特別図柄の変動時間が短くなるように設定されたパチンコ機Pにおいては、この高確率非時短遊技状態中に、遊技状態に関する試験信号として、特図変動短縮試験信号を生成、及び出力するようにしてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態において非時短遊技状態よりも普図遊技の性能が高くなるようにするために、普通図柄の抽選による当たりの確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間の3つの要素のうち、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間を異ならせていたが、これに限定されるものではなく、これらの要素の少なくとも1つを異ならせるようにしてもよいし、全ての要素を異ならせるようにしてもよい。そして、異ならせた要素に応じて、遊技状態に関する試験信号の生成、及び出力を行うようにしてもよい。
たとえば、時短遊技状態では非時短遊技状態よりも普通図柄の抽選による当たりの確率は高くなっているものの、普通図柄の変動時間、及び可動片16bの作動時間はいずれも遊技状態でも同一となるように設定した場合には、時短遊技状態中には、遊技状態に関する試験信号として、普図高確率状態試験信号のみ出力し、普図変動短縮状態試験信号、及び可動片作動延長状態試験信号は出力しないようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0326】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が発動設定前判定値(170000)以上であるときに、差球作動停止制御に基づく状態に関する信号である発動設定前状態試験信号を生成、及び出力可能となっており、上記発動設定前判定値は、発動警告状態が設定される第1基準値(190000)、及び発動状態が設定される第2基準値(195000)よりも小さい値が定められているが、第2基準値よりも小さい値であれば、これに限定されるものではない。
たとえば、発動設定前判定値は、第1基準値と同じ値としてもよいし、第1基準値よりも大きく、かつ第2基準値よりも小さい値としてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0327】
また、メインCPU101により生成、及び出力可能な差球作動停止制御に基づく状態に関する試験信号は、発動設定前状態試験信号に限定されるものではない。
たとえば、この発動設定前状態試験信号の他、差球カウント値が発動設定前判定値よりも大きく第2基準値よりも小さい発動設定直前判定値(たとえば、第1基準値と同一の190000等)以上であるときにはその旨を示す発動設定直前状態試験信号を生成、及び出力可能としてもよい。また、たとえば、差球カウント値が発動設定前判定値よりも小さい発動設定近接判定値(たとえば、160000等)以上であるときにはその旨を示す発動設定近接試験信号を生成、及び出力可能としてもよい。そして、これらの試験信号について、本形態に係るパチンコ機Pの発動設定前状態試験信号と同様の制御が行われるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、試験用のコンピュータにおいて、発動状態が設定されるまでの期間がどの程度であるかをより詳細に把握可能となる。
【0328】
また、メインCPU101により生成、及び出力可能な試験信号として、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中に生成、及び出力可能であって、遊技が進行しない状態である旨を示す遊技進行不可試験信号を設けてもよい。また、遊技進行不可試験信号の生成中、及び出力中において電断が発生した場合、当該電断からの復帰後も電断発生前の状態に滞在していたときには、当該遊技進行不可試験信号の生成、及び出力が再開されないようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、上述の試験信号の出力の有無を確認することのみで、試験用のコンピュータにおいて、遊技が進行しない状態である旨を把握可能となる。
なお、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中のいずれにおいても同一の遊技進行不可試験信号を生成、及び出力可能とすることで、遊技が進行しない状態である旨は把握可能であるものの、設定されている状態の種類は把握不可能としてもよい。また、設定中の状態ごとに異なる遊技進行不可試験信号を生成、及び出力可能とすることで、遊技が進行しない状態である旨、及び設定されている状態の種類の両方を把握可能としてもよい。
【0329】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号の生成中、及び出力中に発動状態が設定された場合、発動状態の設定後も当該試験信号の生成、及び出力が継続して行われ、この発動状態中に電断が発生したときには、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、上述の試験信号の生成、及び出力が再開されるようになっているが、この制御は、全ての試験信号について行われるのではなく、一部の試験信号のみを対象として行われるようにしてもよい。
たとえば、遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号のうち、特図遊技や特別遊技に関する試験信号(第1特図変動中試験信号、第1特図大当たり中試験信号、第2特図変動中試験信号、第2特図大当たり中試験信号、ラウンド遊技中試験信号、特図高確率状態試験信号、特図変動短縮状態試験信号)については、上述の制御を行うものの、普図遊技に関する試験信号(普図変動中試験信号、普図当たり中試験信号、可動片開放中試験信号、普図高確率状態試験信号、普図変動短縮状態試験信号、可動片作動延長状態試験信号)については、上述の制御を行わないようにしてもよい。
また、上述の特図遊技や特別遊技に関する試験信号、及び普図遊技に関する試験信号のいずれについても、発動状態の設定後にも継続して生成、及び出力は行うものの、発動状態中に電断が発生した場合、特図遊技や特別遊技に関する試験信号については電断から復帰した後に生成、及び出力を再開するものの、普図遊技に関する試験信号については電断から復帰した後に生成、及び出力は再開しないようにしてもよい。
以上のようにした場合には、パチンコ機Pの遊技仕様等に応じて、試験信号の出力に関する制御を種々実行することができ、試験信号の利便性をさらに高めることが可能となる。
【0330】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中に発動状態が設定された場合、発動状態の設定後も当該試験信号の生成、及び出力が継続して行われ、この発動状態中に電断が発生したときには、当該電断からの復帰後には上述の試験信号の生成、及び出力が再開されないようになっているが、発動設定前状態試験信号に関する制御は、これに限定されるものではない。
たとえば、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中に発動状態が設定された場合には、発動状態の設定後には当該試験信号の生成、及び出力が終了するようにしてもよい。また、発動状態の設定後も上述の試験信号の生成、及び出力が継続して行われるように設定した場合において、この発動状態中に電断が発生したときには、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、上述の試験信号の生成、及び出力が再開されるようにしてもよい。
【0331】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中であって、かつ発動警告前状態中又は発動警告状態中に電断が発生し特定のエラーが発生している状態で電断復帰したときには、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開されるようになっているが、当該制御については下記のように行ってもよい。
たとえば、上述の電断復帰のときには常に、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力が再開されるようにしてもよい。また、上述の電断復帰のときに、差球カウント値が所定の再開判定値(たとえば、180000)以上であれば発動設定前状態試験信号の生成、及び出力を再開するものの、差球カウント値が再開判定値未満であれば発動設定前状態試験信号の生成、及び出力を再開しないようにしてもよい。また、差球カウント値が再開判定値未満のとき発動設定前状態試験信号の生成、及び出力を再開しないようにした場合には、電断復帰から所定時間の経過後に(たとえば、上述の起動準備期間の経過後に)、発動設定前状態試験信号の生成、及び出力を再開するようにしてもよい。
【0332】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態が設定されると、その旨を示すセキュリティ信号が生成、及び出力され、発動状態が設定されると、その旨を示すセキュリティ信号が生成、及び出力されるようになっている。すなわち、遊技停止状態が設定された場合と発動状態が設定された場合とでは、それぞれ異なるセキュリティ信号が生成、及び出力され、生成、及び出力されたセキュリティ信号に応じて、遊技停止状態又は発動状態のいずれが設定されたかを把握可能となっているが、セキュリティ信号の生成、及び出力については上記内容に限定されるものではない。
たとえば、遊技停止状態が設定された場合、及び発動状態が設定された場合のいずれにおいても、同一のセキュリティ信号が生成、及び出力されるようにして、遊技が進行しない状態が設定された旨は把握可能であるものの、遊技停止状態及び発動状態のいずれが設定されたのかは把握できないようにしてもよい。
また、発動状態の設定に基づくセキュリティ信号については、発動状態中に電断が発生し、発動状態が終了することとなる初期化処理が行われることなく当該電断から復帰すると、生成、及び出力が再開されるようになっていたが、生成、及び出力が再開されないようにしてもよい。
【0333】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図19のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0334】
ステップ100において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、メインRAM103における使用領域及び使用外領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを第2領域に記憶する。そして、次のステップ102に進む。
【0335】
ステップ102において、メインCPU101は、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、試験信号情報、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを第2領域に記憶する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ104に進む。
【0336】
ステップ104において、メインCPU101は、発射払出制御基板200に対する各種信号(主制御基板100との双方向通信が確立され主制御基板100へコマンドを送信可能である旨を示す主コマンド許可信号、遊技球の発射を許可する発射許可信号等)の送信を停止する。また、メインCPU101は、1又は複数の試験信号が生成、及び出力されていた場合には、全ての試験信号の生成、及び出力を停止する。また、メインCPU101は、発動状態に基づくセキュリティ信号が生成、及び出力されていた場合には、当該セキュリティ信号の生成、及び出力を停止する。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、メインCPU101は、電断監視時間(3000ms)を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ106に進む。
【0337】
ステップ106において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ105に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ107に進む。
ステップ107において、メインCPU101は、上述のステップ105で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ106に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、後述の電断復帰時処理を実行する。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ105からステップ107までをループしている間は、パチンコ機Pの作動が停止している。
【0338】
次に、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図20のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0339】
ステップ110において、メインCPU101は、電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ112に進む。
ステップ112において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ112の処理が終了すると、以降は、後述するタイマ割込み処理が行われるまで、ステップ111とステップ112の処理を繰り返し実行する。
【0340】
次に、上述したステップ110の電断復帰時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチ650がオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。また、メインCPU101は、発射払出制御基板200に対する各種信号(発射許可信号、主コマンド許可信号等)の送信を開始する。これにより、操作ハンドル5の回転操作に基づき、発射払出制御基板200によって遊技球を発射させる制御が実行可能となるとともに、発射払出制御基板200から主制御基板100へのコマンドの送信が可能となる。また、特に図示していないが、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。さらに、メインCPU101は、特図遊技や普図遊技を実行するために用いられる各種コマンドを解析する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、この時点におけるメインRAM103のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及びメインRAM103の第2領域に記憶されているチェックサム(ステップ101で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、第2領域に記憶されているバックアップフラグに基づいて、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ136に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ132に進む。
【0341】
ステップ132において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、ステップ136に進む。一方、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、滞在中の制御状態(電断発生前の制御状態)が遊技可能状態であって、当該遊技可能状態を終了し設定確認状態が設定されるための条件を満たしているか否か(すなわち、滞在中の制御状態(電断発生前の制御状態)が遊技可能状態、設定スイッチ108がオン、かつ本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か)を判定する。そして、当該条件を満たしていないと判定した場合、ステップ135に進む。一方、当該条件を満たしていると判定した場合、次のステップ134に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第1領域に、滞在中の制御状態を示す遊技機状態フラグが記憶されるようになっており、この遊技機状態フラグを参照することで、滞在中の制御状態を判断することができる。
【0342】
ステップ134において、メインCPU101は、設定確認状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、上述のステップ134で設定確認状態が設定された場合にはクリア処理を実行する。また、メインCPU101は、RAM異常が発生していた場合には、後述するRAM異常に基づく遊技停止状態の設定、及び遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行し、さらに、異常時初期化処理を実行するものの、RAM異常が発生していなかった場合には、電断発生前の制御状態を設定する。そして、ステップ144に進む。
【0343】
また、上述のステップ131でバックアップ異常が発生していると判定した場合、上述のステップ132でRAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合に進むステップ136において、メインCPU101は、RAM異常が発生していないか否かを判定する。そして、RAM異常が発生していないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAM異常が発生していると判定した場合、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。具体的には、停止関連処理として、発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止する処理、遊技停止状態の設定前に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合にはこれらを停止する処理、主制御関連エラーの判定を停止する処理、入賞信号及び大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御を停止(制限)する処理、メイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させる処理、遊技停止状態の設定に基づくセキュリティ信号を生成しパチンコ機Pの外部へ出力する処理、生成中、及び出力中であった試験信号について当該生成、及び出力を停止(終了)する処理等が実行される。これにより、操作ハンドル5の回転操作が行われても、発射払出制御基板200による遊技球を発射させる制御が実行不可となり、また、遊技の進行が停止する。さらに、主制御基板100において発生の判定を行うエラーのうち扉開放エラー以外のエラーの判定が行われなくなり、入賞信号及び大当たり信号等の外部信号をパチンコ機Pの外部へ出力する制御が制限される。一方、発射払出制御基板200による、遊技球を払い出す制御、払出賞球信号等の外部信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御は継続して行われるものの、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラーの判定は行われなくなる。そして、ステップ143に進む。
【0344】
また、上述のステップ136でRAM異常が発生していないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、設定変更条件(すなわち、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン)が成立しているか否かを判定する。そして、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、設定変更条件が成立していると判定した場合、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、設定変更状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0345】
また、上述のステップ138で設定変更条件が成立していないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ142に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0346】
また、上述のステップ140でバックアップ異常が発生していると判定した場合に進むステップ142において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ143に進む。
ステップ143において、メインCPU101は、RAM異常又はバックアップ異常に基づく遊技停止状態が設定された場合、或いは、バックアップ異常が発生しているものの設定変更条件を満たし設定変更状態が設定された場合には、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、バックアップ異常が発生しておらず設定変更条件を満たし設定変更状態が設定された場合、又は、RAMクリアスイッチ109がオンであって遊技可能状態が設定された場合には、通常初期化処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0347】
ステップ144において、メインCPU101は、電断復帰時に実行された処理に応じた各種コマンドを副制御基板300へ送信する。この各種コマンドとしては、RAMクリア(異常時初期化処理、通常初期化処理)が実行されたことを示すRAMクリアコマンド、RAMクリアが実行されることなく電断から復帰したことを示す電断復帰コマンド、電断復帰時の制御状態を示す状態設定コマンド(遊技停止状態が設定された旨を示す遊技停止コマンド等)、第1保留数を示す第1保留数指定コマンド、第2保留数を示す第2保留数指定コマンド、電断復帰時の遊技状態を示す遊技状態指定コマンド、遊技球の打ち出しの方向(右打ち又は左打ちのいずれか)を示す発射位置指定コマンド等が挙げられる。そして、上述のRAMクリアコマンドや電断復帰コマンドが受信されることにより、副制御基板300において、主制御基板100が電断復帰した旨を把握可能となり、また、電断復帰時に、演出表示装置21の表示部21aにおいて背景画像の表示や上述の準備中画像の表示を実行可能となる。そして、次のステップ145に進む。
ステップ145において、メインCPU101は、電断復帰時に実行された処理に応じた各種コマンド(たとえば、上述の電断復帰コマンド、RAMクリアコマンド、状態設定コマンド等)を発射払出制御基板200へ送信する。これにより、発射払出制御基板200において、主制御基板100が電断復帰した旨を把握可能となる。そして、次のステップ146に進む。
【0348】
ステップ146において、メインCPU101は、電断復帰に基づいて行われる差球制御リセット処理を実行する。そして、電断復帰時処理を終了する。
【0349】
次に、上述したステップ146の差球制御リセット処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ150において、メインCPU101は、差球作動停止フェーズデータに発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されているか否かを判定する。そして、発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていない(すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態に対応する状態値が記憶されている)と判定した場合、ステップ156に進む。一方、発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていると判定した場合、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、上述の電断復帰時処理で設定変更状態の設定に伴う初期化処理(通常初期化処理)が実行されたか否かを判定する。そして、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が実行されていないと判定した場合、ステップ155に進む。一方、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が実行されたと判定した場合、次のステップ152に進む。
【0350】
ステップ152において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータをクリアするとともに、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値を記憶する。これにより、設定中の発動状態又は発動予告状態が終了し、発動警告前状態が設定される。そして、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、差球カウント値をリセットする。そして、次のステップ154に進む。
【0351】
ステップ154において、メインCPU101は、1又は複数の試験信号情報がメインRAM103の特定の領域に記憶されていた場合(すなわち、電断発生前に1又は複数の試験信号が生成、及び出力されていた場合)には全ての試験信号情報をクリアするとともに、発動セキュリティ情報がメインRAM103の特定の領域に記憶されていた場合(すなわち、電断発生前に発動状態が設定されていた場合)には当該発動セキュリティ情報をクリアする。これにより、電断発生前に1又は複数の試験信号が生成、及び出力されていた場合には、全ての試験信号についての生成、及び出力が終了し、電断発生前に発動状態が設定されていた場合には、当該発動状態の設定に基づくセキュリティ信号の生成、及び出力が終了する。そして、差球制御リセット処理を終了する。
また、上述のステップ151で設定変更状態の設定に伴う初期化処理が実行されていないと判定した場合に進むステップ155において、メインCPU101は、メインRAM103の特定の領域に発動設定前状態試験信号についての試験信号情報が記憶されていた場合(すなわち、発動設定前状態試験信号の生成中、及び出力中であった場合)には当該試験信号情報をクリアする。これにより、電断発生前に発動設定前状態試験信号が生成、及び出力されていた場合には、当該生成、及び出力が終了する。これに対して、特定の領域に、遊技の進行状況に関する試験信号についての試験信号情報、遊技状態に関する試験信号についての試験信号情報、発動セキュリティ情報が記憶されていた場合、メインCPU101はこれらの試験信号情報及び発動セキュリティ情報をクリアしない。これにより、電断発生前に遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号が生成、及び出力されていた場合には、当該生成、及び出力が再開される。また、電断発生前に発動状態の設定に基づくセキュリティ信号が生成、及び出力されていた場合には、当該生成、及び出力が再開される。そして、差球制御リセット処理を終了する。
【0352】
また、上述のステップ150で発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていないと判定した場合に進むステップ156において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータをクリアするとともに、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値を記憶する。これにより、電断発生前に発動警告前状態であったときには当該発動警告前状態が終了し、改めて発動警告前状態が設定される。また、電断発生前に発動警告状態であったときには当該発動警告状態が終了し、発動警告前状態が設定される。そして、次のステップ157に進む。
ステップ157において、メインCPU101は、特定のエラーが発生している状態であるか否かを判定する。そして、特定のエラーが発生している状態であると判定した場合、差球制御リセット処理を終了する。一方、特定のエラーが発生している状態でないと判定した場合、次のステップ158に進む。
【0353】
ステップ158において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている差球カウント値をリセットする。そして、差球制御リセット処理を終了する。
なお、発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていない場合(すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態が設定されている場合)には、特定のエラーが発生している状態であるか否かにかかわらず、遊技の進行状況に関する試験信号についての試験信号情報、遊技状態に関する試験信号についての試験信号情報、発動設定前状態信号についての試験信号情報が記憶されていたとしても、これらの試験信号情報はクリアされない。これにより、電断発生前に遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号、発動設定前状態信号が生成、及び出力されていた場合には、当該生成、及び出力が再開される。
【0354】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)ごとにクロックパルスが発生されることで、
図23のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0355】
ステップ200において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であり、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でない(すなわち、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態である)か、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でない(すなわち、発動状態である)と判定した場合、ステップ218に進む。一方、遊技可能状態であり、かつ発動状態以外であると判定した場合、次のステップ201に進む。
ステップ201において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ202に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
【0356】
ステップ202において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18a、特定領域検出センサ57a、一般入賞口検出センサ14a、アウトセンサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。なお、このセンサ検出時処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中は、遊技球が一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ入球しても又は遊技球がゲート20を通過しても、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しない。そして、次のステップ204に進む。
【0357】
ステップ204において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。なお、この特図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中は、大当たりの抽選、特別図柄の変動表示及び特別遊技が実行されない。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。なお、この普図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中においては、普通図柄の抽選が実行されない。そして、次のステップ206に進む。
【0358】
ステップ206において、メインCPU101は、遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)に応じて遊技球を打ち出す遊技領域(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を制御するための発射位置制御処理を実行する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、エラーに関する各種処理を行う状態制御処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、遊技可能状態であって、かつ発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるときには、扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したか否かを判定し、また、発射払出制御基板200において扉開放エラーを除く払出関連エラーが発生した旨の判定がなされたか否かを判定する。扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したと判定した場合、或いは、発射払出制御基板200において扉開放エラーを除く払出関連エラーが発生した旨の判定がなされたと判定した場合(すなわち、扉開放エラーを除く払出関連エラーの発生を把握した場合)、メインCPU101は、発生したエラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、発生したエラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、発生したエラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、発生したエラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、発生したエラーが示唆されるとともに、ホールコンピュータ等に対して上述のエラーが発生した旨が通知されることとなる。
また、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態であるとき、或いは、遊技可能状態であって、かつ発動状態であるときには、メインCPU101は、扉開放エラーが発生したか否かについてのみ判定する。扉開放エラーが発生したと判定した場合、上述と同様に、メインCPU101は、扉開放エラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、扉開放エラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、扉開放エラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、扉開放エラーの発生が示唆されるとともに、ホールコンピュータ等に対して扉開放エラーが発生した旨が通知されることとなる。
また、発生していたエラーの解除が把握された場合や、発生していたエラーが解除されたものと判定した場合、メインCPU101は、エラー解除コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、実行されていたエラーの示唆を終了させることができ、ホールコンピュータ等に対して発生していたエラーの解除が通知されることとなる。
そして、次のステップ208に進む。
【0359】
ステップ208において、メインCPU101は、発射払出制御基板200において遊技球を払い出すために必要な各種処理を行う払出制御処理を実行する。
具体的には、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合には、メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する賞球指定コマンドを発射払出制御基板200及び副制御基板300に送信する。さらに、メインCPU101は、差球カウント値を、上述の検出信号に対応する賞球の数(各入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される予定の賞球の数)だけインクリメントする。
なお、上述の如く、発射払出制御基板200に賞球指定コマンドが送信された後に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態が設定されても、当該賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は継続して行われる。
また、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は、上述したように、遊技が進行しないため、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aによる遊技球の検出は行われない。したがって、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中には、新たに払出制御処理が開始されることはない。
そして、次のステップ209に進む。
【0360】
ステップ209において、メインCPU101は、外部情報端子基板500への各種外部信号の出力を制御するための外部情報制御処理を実行する。遊技可能状態であって、かつ発動状態以外の状態のときは、この外部情報制御処理の実行により、上述の入賞信号や大当たり信号等の外部信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御が行われるが、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は、遊技が進行しないことから、入賞信号や大当たり信号等の外部信号をパチンコ機Pの外部へ出力する制御は制限される。また、遊技停止状態が設定されると、当該遊技停止状態の設定に基づくセキュリティ信号を生成しパチンコ機Pの外部へ出力する制御が行われる。また、発動状態が設定されると、当該発動状態の設定に基づくセキュリティ信号を生成しパチンコ機Pの外部へ出力する制御が行われるとともに、発動セキュリティ情報をメインRAM103の特定の領域に記憶する制御が行われる。
たとえば、外部信号である入賞信号の出力中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった場合には、当該入賞信号は出力されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった後に、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、メインCPU101は当該入球を検出しないため、新たに入賞信号の出力が開始されることはない。
また、外部信号である大当たり信号の出力中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった場合には、当該大当たり信号は出力されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった後は、メインCPU101は特別遊技を開始しないため、新たに大当たり信号の出力が開始されることはない。
そして、次のステップ210に進む。
【0361】
ステップ210において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bの突没を制御するための可動片ソレノイドデータ、及び、大入賞口18の開閉扉18bの開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータを所定のソレノイド記憶領域にセットするソレノイド制御処理を実行する。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、メインCPU101は、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データを作成する表示データ作成処理を実行する。そして、次のステップ212に進む。
【0362】
ステップ212において、メインCPU101は、上述のステップ210でセットされた可動片ソレノイドデータ及び大入賞口ソレノイドデータ、並びに、上述のステップ211で作成した表示データを対応するポートに出力するポート出力処理を実行する。これにより、これらのデータに基づいて、第2始動入賞口16の可動片16bの突没、大入賞口18の開閉扉18bの開閉、各種表示装置における表示が行われる。また、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信する処理も行う。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、メインCPU101は、メイン情報表示装置105に遊技性能表示情報を表示する性能表示制御処理を実行する。そして、次のステップ214に進む。
【0363】
ステップ214において、メインCPU101は、差球関連コマンドセット処理を実行する。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、メインCPU101は、差球判定制御処理を実行する。そして、次のステップ216に進む。
【0364】
ステップ216において、メインCPU101は、試験信号の生成、及び出力の開始、終了の制御に係る試験信号制御処理を実行する。
具体的には、各試験信号の生成、及び出力を開始する条件(出力開始条件)が成立すると、メインCPU101は、当該試験信号の生成、及び出力を開始するとともに、メインRAM103の特定の領域に当該試験信号に対応する試験信号情報を記憶する。また、各試験信号が生成、及び出力されている場合において、当該生成、及び出力を終了する条件(出力終了条件)が成立すると、メインCPU101は、当該試験信号の生成、及び出力を終了するとともに、メインRAM103の特定の領域に記憶されている当該試験信号に対応する試験信号情報をクリアする。そして、次のステップ217に進む。
【0365】
ステップ217において、メインCPU101は、発射払出制御手段200から送信されるハンドル操作コマンドに基づくハンドル操作コマンド制御処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、発射払出制御基板200からハンドル操作コマンドを受信しているか否かを判定し、ハンドル操作コマンドを受信していると判定した場合には、操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を示す回転操作コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、副制御基板300に、操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を伝達することができる。一方、ハンドル操作コマンドを受信していないと判定した場合には、メインCPU101は特に処理を行わない。
なお、上述したように、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態であるとき、又は、差球作動停止制御に関する状態にかかわらずパチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われていれば、ハンドル操作コマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。したがって、遊技停止状態や発動状態であっても、操作ハンドル5の回転操作が行われていれば回転操作コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300において操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を把握できることとなる。
そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0366】
また、上述のステップ200で遊技可能状態でないか、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でないと判定した場合に進むステップ218において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態又は設定確認状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態及び設定確認状態のいずれでもない(すなわち、遊技停止状態、又は、遊技可能状態であって、かつ発動状態である)と判定した場合、ステップ207に進む。一方、設定変更状態又は設定確認状態であると判定した場合、次のステップ219に進む。
ステップ218において、メインCPU101は、設定関連処理を実行する。そして、ステップ207に進む。
【0367】
次に、上述したステップ203のセンサ検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0368】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が大入賞口18へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
【0369】
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための一般入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305において、メインCPU101は、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されたことに基づいて所定の処理を行うためのアウト検出時処理を実行する。そして、次のステップ306に進む。
【0370】
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0371】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0372】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0373】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0374】
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0375】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0376】
ステップ506において、メインCPU101は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球の数をカウントするための第1始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ508に進む。
【0377】
ステップ508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1のいずれでもない(すなわち、時短遊技状態JT2である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1であると判定した場合、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく特別図柄の変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0378】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0379】
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0380】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0381】
ステップ606において、メインCPU101は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球の数をカウントするための第2始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ608に進む。
【0382】
ステップ608において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態JT2でない(すなわち、非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態JT2であると判定した場合、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく特別図柄の変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0383】
次に、上述したステップ509及びステップ609の事前判定処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ509の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ609の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種類(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
【0384】
ステップ651において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種類を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種類(大当たり図柄X1、X2、X3)、時短図柄の種類(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種類(ハズレ図柄Z1)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種類(大当たり図柄X4、X5、X6)、時短図柄の種類(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種類(ハズレ図柄Z2)を判定する。メインCPU101は、当該判定の結果(特別図柄の種類)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0385】
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された特別図柄の種類、保留数、上述のステップ653で取得された変動パターンテーブル114及び記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ655に進む。
【0386】
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果、上述のステップ652で判定された特別図柄の種類、上述のステップ654で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される当否抽選の結果、特別図柄の種類及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0387】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された第1特図乱数、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された第2特図乱数を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0388】
次に、上述したステップ303の大入賞口検出時処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ660において、メインCPU101は、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、大入賞口検出時処理を終了する。一方、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ661に進む。
ステップ661において、メインCPU101は、大入賞口18へ入球した遊技球の数をカウントするための大入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、大入賞口検出時処理を終了する。
【0389】
次に、上述したステップ304の一般入賞口検出時処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ663において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ664に進む。
ステップ664において、メインCPU101は、一般入賞口14へ入球した遊技球の数をカウントするための一般入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
【0390】
次に、上述したステップ305のアウト検出時処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ667において、メインCPU101は、発射払出制御基板200から送信されたアウトコマンド(アウト通路を遊技球が通過するごとに送信されるコマンド)を受信したか否かを判定する。そして、アウトコマンドを受信していないと判定した場合、アウト検出時処理を終了する。一方、アウトコマンドを受信したと判定した場合、次のステップ668に進む。
ステップ668において、メインCPU101は、差球カウント値を1デクリメントする。そして、アウト検出時処理を終了する。
【0391】
次に、上述したステップ306の特定領域検出時処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
【0392】
次に、上述したステップ204の特図関連制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0393】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0394】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0395】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0396】
ステップ806において、メインCPU101は、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種類を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種類(大当たり図柄X1、X2、X3)、時短図柄の種類(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種類(ハズレ図柄Z1)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種類(大当たり図柄X4、X5、X6)、時短図柄の種類(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種類(ハズレ図柄Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0397】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種類を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種類に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0398】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0399】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0400】
次に、上述したステップ806の当否判定処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」以外)と判定した場合、ステップ858に進む。一方、この設定値が正常値であると判定した場合、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、大当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、大当たりの当否の判定を行う)大当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから大当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に大当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に大当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ852に進む。
【0401】
ステップ852において、メインCPU101は、上述のステップ851で実行された大当たり当否判定処理の結果が大当たりの当選であったか否か(すなわち、大当たりに当選したか否か)を判定する。そして、大当たりの当選でない(大当たりの非当選)と判定した場合、ステップ854に進む。一方、大当たりの当選と判定した場合、次のステップ853に進む。
ステップ853において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に大当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0402】
また、上述のステップ852で大当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ854において、メインCPU101は、上述のステップ851で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ851で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、時短付与の当選となるか否かを判定する(すなわち、時短付与の当否の判定を行う)時短付与判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから時短付与の当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に時短付与の当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に時短付与の非当選と判定される。そして、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メインCPU101は、上述のステップ854で実行された時短付与当否判定処理の結果が時短付与の当選であったか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、時短付与の当選でない(時短付与の非当選)と判定した場合、ステップ857に進む。一方、時短付与の当選と判定した場合、次のステップ856に進む。
【0403】
ステップ856において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に時短付与の当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ855で時短付与に当選していないと判定した場合に進むステップ856において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域にハズレである旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0404】
また、上述のステップ850で設定値が正常値でないと判定した場合に進むステップ858において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ859に進む。
ステップ859において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリアコマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
【0405】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり当否判定処理、及び時短付与当否判定処理はいずれも、遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110の選択、判定の対象となる数値範囲の情報の取得、及び、当該数値範囲に当否乱数が属するか否かの判定を実行するための共通化された処理プログラム(同一のモジュール)により実行されるようになっている。
【0406】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種類(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
【0407】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種類と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0408】
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0409】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0410】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0411】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、停止表示時間テーブル115を参照して、現時点の遊技状態、及び上述のステップ807で決定された特別図柄の種類に対応する停止表示時間を決定し、この決定された停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、現時点の遊技状態が通常遊技状態の場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、及び大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたときにはいずれも、0.5秒の停止表示時間がセットされ、時短図柄J1又はJ2が決定されたときには20秒の停止表示時間がセットされる(
図13参照)。また、現時点の遊技状態が通常遊技状態以外(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)の場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたとき、及び時短図柄J1又はJ2が決定されたときにはいずれも、0.5秒の停止表示時間がセットされる(
図13参照)。そして、次のステップ1005に進む。
【0412】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0413】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0414】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT1であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0415】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
【0416】
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種類(大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
【0417】
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
【0418】
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種類に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1、X2、X4又はX5であれば、ラウンド数として「3」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX6であれば、ラウンド数として「10」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0419】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1115に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(すなわち、当否抽選の実行時点の遊技状態、特別図柄の変動開始時点の遊技状態)が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ1113に進む。
【0420】
ステップ1113において、メインCPU101は、停止表示された時短図柄に応じた遊技状態を設定する時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これにより、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT1が設定される(通常遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短回数は10000回)に変更される)。また、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これにより、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定される(通常遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は10000回)に変更される)。そして、ステップ1115に進む。
また、上述のステップ1112で通常遊技状態でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数、及び、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数に基づいて、通常遊技状態を設定する通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、上述のステップ1103で更新された時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「0」となった場合、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする。また、上述のステップ1104で更新された高確回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「0」となった場合、オンとなっていた高確遊技フラグをオフにする。これにより、通常遊技状態が設定される(設定されていた低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確時短遊技状態が通常遊技状態に変更される)。なお、更新後の時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「1」以上であった場合、更新後の時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「1」以上であった場合には、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1115に進む。
【0421】
ステップ1115において、メインCPU101は、上述のステップ1113又はステップ1114の処理の実行後に設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0422】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0423】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種類に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行うための制御データをセットする大入賞口開閉制御処理を実行する。これにより、セットされた制御データに基づき、各ラウンド遊技において大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動に関する制御が行われる。そして、次のステップ1204に進む。
【0424】
ステップ1204において、メインCPU101は、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、各ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、各ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各ラウンド遊技の開始時点に、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、各ラウンド遊技において大入賞口18が開放される開放時間(29.0秒)が大入賞口開放タイマカウンタにセットされる。メインCPU101は、この大入賞口開放タイマカウンタの値を確認することにより、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定することができるようになっている。
【0425】
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、大入賞口18の開放中である旨を示す大入賞口フラグをオンにする。なお、この大入賞口フラグは、特別遊技の開始時点でオフにされる。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0426】
ステップ1206において、メインCPU101は、ラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
なお、メインCPU101は、大入賞口開放タイマカウンタにセットされた開放時間が経過するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球したかを確認することにより、ラウンド遊技が終了したか否かを判定することができるようになっている。
【0427】
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。また、メインCPU101は、大入賞口フラグをオフにする。そして、次のステップ1208に進む。
【0428】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0429】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0430】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0431】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1303に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
【0432】
ステップ1302において、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1304に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1303において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1304に進む。
【0433】
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を時短遊技状態JT2に設定する時短遊技状態JT2設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1305に進む。
ステップ1305において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1306に進む。
【0434】
ステップ1306において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、特図関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0435】
次に、上述したステップ205の普図関連制御処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0436】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0437】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0438】
ステップ1504において、メインCPU101は、普通図柄抽選処理を実行する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態JT1又は時短遊技状態JT2のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「10秒」をセットし、時短遊技状態JT1中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「9.5秒」をセットし、時短遊技状態JT2中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「1秒」をセットする。そして、次のステップ1506に進む。
【0439】
ステップ1506において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1507に進む。
ステップ1507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0440】
ステップ1508において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0441】
次に、上述したステップ1504の普通図柄抽選処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1550において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値であると判定した場合、ステップ1553に進む。一方、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」以外)と判定した場合、次のステップ1551に進む。
ステップ1551において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ1552に進む。
【0442】
ステップ1552において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリアコマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
また、上述のステップ1550で設定値が正常値であると判定した場合に進むステップ1553において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態JT1、時短遊技状態JT2)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中である場合には第1判定テーブル116aを参照し、時短遊技状態JT1中である場合には第2判定テーブル116bを参照し、時短遊技状態JT2中である場合には第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1554に進む。
【0443】
ステップ1554において、メインCPU101は、上述のステップ1553における当選判定処理の結果に基づく普通図柄のデータをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。具体的には、当選判定処理の結果が当たりであった場合には当たり図柄データが所定の普図記憶領域に記憶され、当選判定処理の結果がハズレであった場合にはハズレ図柄データが所定の普図記憶領域に記憶される。そして、普通図柄抽選処理を終了する。
【0444】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1505で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0445】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データ(上述のステップ1554で普図記憶領域に記憶された当たり図柄データ又はハズレ図柄データ)をセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0446】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0447】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図45のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0448】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0449】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0450】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図46のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、可動片ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0451】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態中、時短遊技状態JT1中又は時短遊技状態JT2中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、可動片作動制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、可動片ソレノイド16cの作動制御データ(通電制御データ)として、作動回数(通電回数)及び作動時間(通電時間)をセットする。これにより、可動片16bが突出状態となる。また、メインCPU101は、可動片16bが突出状態である旨を示す可動片フラグをオンにする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0452】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた作動時間(通電時間)を経過したか否かを判定する。そして、作動時間(通電時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、作動時間(通電時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、可動片ソレノイド16cの通電の停止を実行する。これにより、可動片16bが没入状態となる。また、可動片フラグをオフにする。そして、次のステップ1806に進む。
【0453】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0454】
次に、上述したステップ210のソレノイド制御処理について、
図47のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1850において、メインCPU101は、可動片ソレノイドデータとして、可動片16bを没入させる(可動片ソレノイド16cに通電しない)ための没入データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1851に進む。
ステップ1851において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を閉鎖させる(開閉扉18bを閉じる、大入賞口ソレノイド18cに通電しない)ための閉鎖データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1852に進む。
【0455】
ステップ1852において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であり、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でない(すなわち、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態である)か、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でない(すなわち、発動状態である)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、遊技可能状態であり、かつ発動状態以外であると判定した場合、次のステップ1853に進む。
ステップ1853において、メインCPU101は、可動片フラグがオンであるか否かを判定する。そして、可動片フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、可動片フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1854に進む。
【0456】
ステップ1854において、メインCPU101は、可動片ソレノイドデータとして、可動片16bを突出させる(可動片ソレノイド16cに通電する)ための突出データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1855に進む。
ステップ1855において、メインCPU101は、大入賞口フラグがオンであるか否かを判定する。そして、大入賞口フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、大入賞口フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1856に進む。
【0457】
ステップ1856において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を開放させる(開閉扉18bを開く、大入賞口ソレノイド18cに通電する)ための開放データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、ソレノイド制御処理を終了する。
以上のような処理が行われることで、没入データがセットされると可動片16bが没入し、閉鎖データがセットされると開閉扉18bが閉じ大入賞口18が閉鎖する。一方、突出データがセットされると可動片16bが突出し、開放データがセットされると開閉扉18bが開き大入賞口18が開放する。また、遊技可能状態でないとき、及び、遊技可能状態であるものの発動状態であるときにはいずれも、没入データ及び閉鎖データがセットされる。したがって、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態においては必ず、可動片16が没入し、大入賞口18が閉鎖することとなる。
なお、このソレノイド制御処理は、所定の周期(4ミリ秒)ごとに実行されるタイマ割込処理において実行されるものである。すなわち、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態において、可動片16b及び開閉扉18bの作動を制限する処理は、所定のタイミングごとに行われるようになっている。
【0458】
次に、上述したステップ214の差球関連コマンドセット処理について、
図48のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1870において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、差球関連コマンドセット処理を終了する。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ1871に進む。
ステップ1871において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータが変更されたか否かを判定する。そして、差球作動停止制御フェーズデータが変更されていないと判定した場合、差球関連コマンドセット処理を終了する。一方、差球作動停止制御フェーズデータが変更されたと判定した場合、次のステップ1872に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pは、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される管理バッファを有している。差球作動停止制御フェーズデータがクリアされて、この差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値が記憶されると、これに伴って管理バッファにも発動警告前状態に対応する状態値が記憶される。その後、差球作動停止制御に関する状態が変更されると、まず、差球作動停止制御フェーズデータにのみ変更後の状態に対応する状態値が記憶される。そして、このステップ1871において、差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値と管理バッファに記憶されている状態値とが一致するかどうかが判定され、両者が一致していれば、差球作動停止制御フェーズデータは変更されていないと判定する。一方、両者が一致していなければ、差球作動停止制御フェーズデータは変更されたと判定し、これに伴って差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値を管理バッファにも記憶する。
【0459】
ステップ1872において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値に応じて、第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド、第3差球作動停止制御指定コマンドのいずれかを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
具体的には、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動警告状態が設定された場合)には、第1差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第1差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動警告状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。
差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動予告状態が設定された場合)には、第2差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第2差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動予告状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。
差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動状態が設定された場合)には、第3差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第3差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。さらに、メインCPU101は、発動状態が設定された旨を示す発動状態設定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、発射払出制御基板200においても発動状態が設定された旨を把握できることとなる。
そして、差球関連コマンドセット処理を終了する。
【0460】
次に、上述したステップ215の差球判定制御処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1880において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ1881に進む。
ステップ1881において、メインCPU101は、差球カウント値が第1基準値に到達した旨を示す第1基準値到達フラグ(主制御基板100に設けられたフラグ)がオフであるか否かを判定する。そして、第1基準値到達フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、ステップ1884に進む。一方、第1基準値到達フラグがオフであると判定した場合、次のステップ1882に進む。
なお、第1基準値到達フラグは、差球カウント値がリセットされることに基づきオフとなるように設定されている。
【0461】
ステップ1882において、メインCPU101は、差球カウント値は第1基準値に到達したか否かを判定する。そして、第1基準値に到達していないと判定した場合、ステップ1884に進む。一方、第1基準値に到達したと判定した場合、次のステップ1883に進む。
ステップ1883において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動警告状態が設定される。また、メインCPU101は、第1基準値到達フラグをオンにする。そして、次のステップ1884に進む。
【0462】
ステップ1884において、メインCPU101は、メインCPU101は、差球カウント値が第2基準値に到達した旨を示す第2基準値到達フラグ(主制御基板100に設けられたフラグ)がオフであるか否かを判定する。そして、第2基準値到達フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、ステップ1889に進む。一方、第2基準値到達フラグがオフであると判定した場合、次のステップ1885に進む。
なお、第2基準値到達フラグは、差球カウント値がリセットされることに基づきオフとなるように設定されている。
ステップ1885において、メインCPU101は、差球カウント値は第2基準値に到達したか否かを判定する。そして、第2基準値に到達していないと判定した場合、ステップ1889に進む。一方、第2基準値に到達したと判定した場合、次のステップ1886に進む。
【0463】
ステップ1886において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、ステップ1888に進む。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ1887に進む。
ステップ1887において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動予告状態が設定される。また、メインCPU101は、第2基準値到達フラグをオンにする。そして、ステップ1889に進む。
【0464】
また、上述のステップ1886で特別遊技中でないと判定した場合に進むステップ1888において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動状態が設定される。また、メインCPU101は、第2基準値到達フラグをオンにする。そして、次のステップ1889に進む。
ステップ1889において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値が記憶されているか否か(すなわち、発動予告状態中であるか否か)を判定する。そして、発動予告状態に対応する状態値が記憶されていないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、発動予告状態に対応する状態値が記憶されていると判定した場合、ステップ1890に進む。
【0465】
ステップ1890において、メインCPU101は、特別遊技が終了したか否かを判定する。そして、特別遊技が終了していないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、特別遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1891に進む。
ステップ1891において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動状態が設定される。そして、差球判定制御処理を終了する。
【0466】
次に、上述したステップ219の設定関連処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1900において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態でないと判定した場合、ステップ1908に進む。一方、設定変更状態であると判定した場合、次のステップ1901に進む。
ステップ1901において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、ステップ1905に進む。一方、設定スイッチ108がオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、次のステップ1902に進む。
【0467】
ステップ1902において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、次のステップ1903に進む。
ステップ1903において、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か(すなわち、本体枠2が開放している否か)を判定する。具体的には、発射払出制御基板200から送信される本体枠開放コマンドを受信していた場合、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定する。そして、本体枠開放検出センサ2aがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定した場合、次のステップ1904に進む。
【0468】
ステップ1904において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている設定値を変更する。具体的には、複数段階の設定が設けられている場合には、現時点において記憶されている設定値を1インクリメントした設定値に変更する。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、ここでは何も処理が行われない。そして、設定変更処理を終了する。
また、上述のステップ1901で設定スイッチ108がオフであると判定した場合に進むステップ1905において、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。ここで記憶されたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1906に進む。
【0469】
ステップ1906において、メインCPU101は、副制御基板300へ送信する各種コマンド(たとえば、設定変更状態や設定確認状態の終了時に記憶されている設定値を示すコマンド等)を演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1907に進む。
ステップ1907において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、設定関連処理を終了する。
【0470】
また、上述のステップ1900で滞在中の制御状態が設定変更状態でないと判定した場合に進むステップ1908において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフでないと判定した場合、設定変更処理を終了する。一方、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、次のステップ1909に進む。
ステップ1909において、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、ステップ1906に進む。
【0471】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT2(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0472】
上述したように、RAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後等の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、大当たりに当選する確率がおよそ1/300に設定されており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない(
図7(a)、
図14(a)、
図15、
図16参照)。
また、通常遊技状態中は、上述したように、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(a)参照)。
【0473】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
また、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、当該時短図柄J1の変動表示が終了し停止表示時間が経過した後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1に設定され、時短回数は10000回に設定される(
図10(c)参照)。通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J2が決定された場合には、当該時短図柄J2の変動表示が終了し停止表示時間が経過した後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は10000回に設定される(
図10(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たり又は時短付与の当選に基づき、低確率時短状態LJT1(時短回数は10000回)、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は10000回)、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)、又は、高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図51参照)。
【0474】
ここで、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)は、時短付与に当選する確率がおよそ1/20であるため時短付与に当選しやすく、また、この時短付与に当選する確率は通常遊技状態中に大当たりに当選する確率(およそ1/300)よりも極めて高いことから、大当たりに当選するよりも時短付与に当選しやすい(
図7(a)参照)。また、時短付与に当選した場合、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%であるため、時短図柄J2よりも時短図柄J1が決定されやすい(
図8(a)及び(b)参照)。
以上より、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態には滞在し難く、また、大当たりの当選に基づく特別遊技の実行や時短付与の当選に基づく時短図柄J2の決定を介して他の遊技状態へ移行するよりも、時短付与の当選に基づく時短図柄J1の決定により低確率時短遊技状態LJT1(時短回数は10000回)へ移行する可能性が高くなっている。
【0475】
低確率時短遊技状態LJT1中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中と同一になっており、通常遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない(
図7(a)、
図14(b)、
図15、
図16参照)。
また、低確率時短遊技状態LJT1中は、通常遊技状態中と同様に、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。低確率時短遊技状態LJT1中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(a)参照)。
【0476】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中に第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図51参照)。
【0477】
ここで、通常遊技状態中の時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には時短回数が10000回に設定され、低確率時短遊技状態LJT1中(低確率遊技状態中)に大当たりに当選する確率はおよそ1/300であることから、上述したように、実質的には、大当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1が継続する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、通常遊技状態に滞在し難く、かつ通常遊技状態からは時短付与の当選に基づき低確率時短遊技状態LJT1へ移行し易いため、低確率時短遊技状態LJT1には、通常遊技状態よりも長く滞在する可能性が高くなっている。
また、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるとともに、大当たりの当選確率が同一であり、さらには、普図遊技の性能もほぼ同一である(第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出したとしても第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である)ため、遊技操作の態様(第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出し)及び普図遊技の性能から、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中であるのかを認識することは不可能である。
なお、上述したように、遊技状態ごとに第2始動入賞口16への遊技球の入球の可能性を変化させるには、普図遊技の性能を決定する要素(普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間)のいずれか1又は複数が異なる内容となるように設定することができる。
ここで、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中のいずれにおいても第2始動入賞口16への遊技球の入球を不可能とするには、たとえば、低確率時短遊技状態LJT1中及び通常遊技状態中のいずれも可動片16bの作動時間は開口到達時間よりも短い同一の時間とするものの、低確率時短遊技状態LJT1中は通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短い設定、及び、低確率時短遊技状態LJT1中は通常遊技状態よりも普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定の少なくともいずれか一方の設定が行われるようにしてもよい。このようにした場合であっても、第2始動入賞口16及び可動片16bが本形態に係るパチンコ機Pのような構成であれば(
図4参照)、可動片16bの作動時間が開口到達時間よりも短い以上、その他の要素(普通図柄の変動時間、普通図柄の抽選において当たりとなる確率)が低確率時短遊技状態LJT1において通常遊技状態よりも有利な設定としても、いずれの遊技状態でも第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができず、普図遊技の性能は本形態に係るパチンコ機と同様となる。
【0478】
低確率時短遊技状態LJT2中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中と同一になっているものの、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている(
図7(a)、
図14(c)、
図15、
図16参照)。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができ、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるため、これら通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも有利な遊技状態となっている。
また、低確率時短遊技状態LJT2中は、上述したように、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球する。低確率時短遊技状態LJT2中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X4、X5又はX6が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(b)参照)。
【0479】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図51参照)。
【0480】
高確率時短遊技状態中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも高く、低確率時短遊技状態LJT2と同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている(
図7(b)、
図14(c)、
図15、
図16参照)。すなわち、高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも高い確率で大当たりに当選し、かつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができ、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるため、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも有利な遊技状態(最も有利な遊技状態)となっている。
また、高低確率時短遊技状態中は、上述したように、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球する。高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X4、X5又はX6が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(b)及び
図8(b)参照)。
【0481】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、高確率時短遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図51参照)。
【0482】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAMクリア後や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の終了後に設定される通常遊技状態中は、時短付与に当選する確率(およそ1/20)が高く、時短付与に当選した場合には、時短図柄J2よりも時短図柄J1が決定され易い。そのため、通常遊技状態において大当たりに当選するよりも前に、低確率時短遊技状態LJT1へ移行する可能性が高い。
そして、通常遊技状態においては、時短付与の当選により時短図柄J2が決定されると、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。これに対して、上述のように通常遊技状態から移行する低確率時短遊技状態LJT1においては、時短付与の当選により時短図柄J2が決定されても、上述の時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行することはない。すなわち、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行した後は、再度、通常遊技状態が設定されない限りは、時短付与に当選しても、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行することはない。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAMクリア後や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の終了後に設定される通常遊技状態においては、大当たりに当選するか、又は時短図柄J1が決定されるよりも前に時短図柄J2が決定されると、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ確実に大当たりの当選を獲得できる、遊技者にとって有利な時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。一方、通常遊技状態から移行し易く、かつ当該通常遊技状態よりも長く滞在し易い低確率時短遊技状態LJT1においては、上述の時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へは移行しない。そのため、通常遊技状態が、遊技者にとって有利な時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する可能性のあるチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるため、遊技者に遊技操作を変更させることなく、通常遊技状態から、異なる遊技状態である低確率時短遊技状態LJT1への切り替えが可能となるという斬新な遊技性を付与することができる。
【0483】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示に伴って実行され、当否抽選の結果を報知(示唆)し得る変動演出について説明する。
【0484】
(演出状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する変動演出を実行するために参照される演出状態が複数種類設けられており、上述の遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)への移行、電断の発生、時短付与の当選等に基づいて、サブCPU301がいずれかの演出状態を設定するようになっている。また、演出状態ごとに選択可能な変動演出の実行態様がそれぞれ定められており、設定中の演出状態に応じたいずれかの実行態様により変動演出が実行され得るようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出状態として、通常遊技状態中に滞在する通常演出状態、低確率時短遊技状態LJT1中に滞在する低確率時短演出状態A1及び低確率時短演出状態A2、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中に滞在する低確率時短演出状態B、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中に滞在する低確率時短演出状態C、並びに、高確率時短遊技状態中に滞在する高確率時短演出状態が設けられている。
【0485】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図52に示すように、通常遊技状態が設定される(通常遊技状態へ移行する)と、演出状態が通常演出状態に設定される(通常演出状態が開始される)。
通常遊技状態の設定に基づく通常演出状態において、時短付与に当選し時短図柄J1が決定されることにより低確率時短遊技状態LJT1へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定され、また、時短付与に当選し時短図柄J2が決定されることにより時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定され、また、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定される(
図52参照)。なお、特に図示していないが、通常演出状態(通常遊技状態)の設定中に電断が発生し、RAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)が行われることなく電断から復帰(すなわち、RAMクリアが実行される条件を満たすことなく電断から復帰、以下、通常電断復帰ともいう)した場合には、演出状態は通常演出状態のままとなる。
【0486】
低確率時短遊技状態LJT1へ移行したことに基づく低確率時短演出状態A1の設定中において、電断が発生し通常電断復帰が行われると、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定される(
図52参照)。また、低確率時短演出状態A2の設定中において、時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される(
図52参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態A2の設定中に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態A2のままとなる。
また、低確率時短遊技状態LJT1において、低確率時短演出状態A1及びA2のいずれの設定中であっても、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図52参照)。
【0487】
時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行したことに基づく低確率時短演出状態Bの設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図52参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)の設定中に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態Bのままとなる。
【0488】
時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行したことに基づく低確率時短演出状態Cの設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ再度移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに再設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が100回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図52参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態C(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2)の設定中に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態Cのままとなる。
【0489】
高確率時短遊技状態へ移行したことに基づく高確率時短演出状態の設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ再度移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に再設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図52参照)。なお、特に図示していないが、高確率時短演出状態(高確率時短遊技状態)の設定中に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、演出状態は高確率時短演出状態のままとなる。
【0490】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知(示唆)し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
【0491】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図53~
図57に示すように、演出図柄50は「1」~「9」の数字を表示する図柄(以下、数字図柄ともいう)となっている。
なお、演出図柄50は数字図柄に限定されるものではなく、停止表示された場合に所定の演出(たとえば、所定の仮停止表示態様による仮停止が所定回数実行される擬似連演出や、所定の保留を対象として実行され当該保留に基づく変動演出よりも前から実行可能な先読み演出等)が実行される旨を示す特殊図柄(たとえば、擬似連演出が実行される旨を示す擬似連図柄や、先読み演出が実行される旨を示す先読み図柄等)を設けてもよい。また、演出図柄50は、数字を表示する数字表示部と、数字以外の他の画像(たとえば、キャラクターの画像等)を表示する非数字表示部とから構成される図柄としてもよい。
【0492】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示が開始されると、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(
図53(a)~(b)、
図54(a)~(b)参照、
図55(a)~(b)参照、
図56(a)~(b)、
図57(a)~(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄ともいう)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄ともいう)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される(
図53(c)~(e)参照)。
【0493】
そして、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が全て同じ数字図柄(たとえば、222、555等)で停止表示されることにより大当たりの当選が報知される(
図54(e)参照)。なお、以下では、このような停止表示態様を「当選態様」ともいうものとする。
【0494】
これに対して、当否抽選の結果が時短付与の当選又はハズレであった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の少なくともいずれか一が異なる数字図柄で停止表示されることにより、時短付与の当選又はハズレが報知される(
図53(e)、
図55(e)、
図56(f)、
図57(f)参照)。なお、以下では、このような停止表示態様を「非当選態様」ともいうものとする。このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与の当選及びハズレのいずれの場合であっても演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となることから、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様からは、当否抽選の結果が大当たりの当選でないことは把握できるものの、時短付与の当選又はハズレのいずれであるかを把握することができないようになっている。
なお、時短付与に当選した場合には、演出図柄50の停止表示態様が上述の当選態様及び非当選態様とは異なる特殊な態様(たとえば、全ての演出図柄50が時短付与の当選に対応する特殊図柄(たとえば、「J」のアルファベット等)で停止表示される態様等)となるようにしてもよい。このようにした場合には、演出図柄50の停止表示態様により、遊技者に時短付与の当選を把握させることができる。
【0495】
また、変動演出の実行態様としては、大別して、ノーマル非当選変動パターン、発展ありリーチ変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、特殊リーチ変動パターン及び特殊非当選変動パターンが設けられている。
ノーマル非当選変動パターンは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる数字図柄で停止表示された後に第3停止図柄がそのまま停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図53(c)~(e)参照)。
発展ありリーチ変動パターンは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の数字図柄で停止表示されるリーチ表示が行われた後、第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行された上で第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様又は当選態様となる実行態様である(
図54(c)~(e)参照)。
発展なしリーチ変動パターンは、特に図示していないが、リーチ表示が行われた後に、上述のリーチ発展演出が実行されることなく第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様又は当選態様となる実行態様である。
特殊リーチ変動パターンは、演出図柄50の変動表示の開始後、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて、特殊発展演出画像が表示される特殊リーチ発展演出の実行の有無を煽る特殊煽り演出が実行され、特殊リーチ発展演出を実行する旨の示唆が行われた後にリーチ表示が行われ、上述の特殊リーチ発展演出が実行された上で第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図56(c)~(f)、
図57(c)~(f)参照)。
特殊非当選変動パターンは、演出図柄50の変動表示の開始後、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて上述の特殊煽り演出が実行されるものの、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆が行われ、リーチ表示が行われることなく、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図55(c)~(e)参照)。
【0496】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発展ありリーチ変動パターンは、発展なしリーチ変動パターンよりも、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0497】
また、各実行態様には、演出図柄50の変動表示の仕方、当該変動表示中に表示される各種画像(たとえば、演出図柄50と異なる動画や静止画であって、大当たりの当選に対する期待感を高める予告画像、上述の発展演出画像)等が種々設定されている。
たとえば、発展ありリーチ変動パターンのリーチ発展演出において表示される発展演出画像としては、ハズレ、時短付与の当選及び大当たりの当選のいずれの場合にも表示され得るものの、大当たりに当選した場合に表示される可能性が相対的に低く設定された低期待度発展演出画像、ハズレ、時短付与の当選及び大当たりの当選のいずれの場合にも表示され得るものの、大当たりに当選した場合に表示される可能性が相対的に高く設定された高期待度発展演出画像、ハズレ及び時短付与の当選の場合には表示されず大当たりに当選した場合にのみ表示され得る大当たり確定発展演出画像等が設けられている。
これにより、リーチ発展演出において、高期待度発展演出画像が表示された場合には低期待度発展演出画像が表示された場合よりも、大当たりの当選の期待度が高まり、また、大当たり確定発展演出画像が表示された場合には大当たりの当選を認識することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0498】
また、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、所定の音声を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0499】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出状態及び当否抽選の結果ごとに実行可能な変動演出の実行態様が定められており、設定中の演出状態及び当否抽選の結果に対応して実行可能ないずれかの実行態様により変動演出が実行されるようになっている。
各演出状態中において実行される変動演出の概要については、後程詳述する。
【0500】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示に伴って、上述の演出図柄50の変動表示に加え、表示部21aの右下隅において、演出図柄50よりも極めて小さいサイズであって演出図柄50よりも遊技者が視認し難いミニ図柄MDの変動表示が行われるようになっている(
図53(a)等参照)。そして、変動表示した後に停止表示されたミニ図柄MDの組み合わせ(停止表示態様)によっても、当否抽選の結果が遊技者に報知(示唆)されるようになっている。
【0501】
ミニ図柄MDは、演出図柄50と同様の「1」~「9」の数字図柄、及び、演出図柄50には用いられていない「0」の数字図柄となっており、
図53等に示すように、3個のミニ図柄MDが横並びに表示される。特別図柄の変動表示が開始されると、全てのミニ図柄MDが停止表示された状態から、全てのミニ図柄MDの変動表示(上方から下方に向けてのスクロール表示)が開始され、特別図柄の変動表示が終了すると(特別図柄が停止表示されると)、左側に位置するミニ図柄MD、中央に位置するミニ図柄MD及び右側に位置するミニ図柄MDが、一斉に停止表示する。
【0502】
このとき、演出状態にかかわらず当否抽選の結果がハズレ又は大当たりの当選であった場合、及び、低確率時短演出状態A1、低確率時短演出状態B、低確率時短演出状態C又は高確率時短演出状態において時短付与の当選であった場合には、左側に位置するミニ図柄MDは左側に位置する演出図柄50(第1停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示され、中央に位置するミニ図柄MDは中央に位置する演出図柄50(第3停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示され、右側に位置するミニ図柄MDは右側に位置する演出図柄50(第2停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示されるようになっている(
図53(e)、
図54(e)、
図55(e)参照)。すなわち、対応する位置の演出図柄50及びミニ図柄MDはいずれも同一の数字図柄で停止表示される。
一方、通常演出状態又は低確率時短演出状態A2において時短付与の当選であった場合には、左側に位置するミニ図柄MDは左側に位置する演出図柄50と同一の数字図柄で停止表示され、右側に位置するミニ図柄MDは右側に位置する演出図柄50と同一の数字図柄で停止表示されるものの、中央に位置するミニ図柄MDは「0」の数字図柄(すなわち、中央に位置する演出図柄50と異なる数字図柄)で停止表示されるようになっている(
図56(f)、
図57(f)参照)。
【0503】
(背景画像の表示の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像として、通常遊技状態及び時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT1に対応する第1背景画像(
図53(a)~(e)、
図54(a)~(c)、
図55(a)~(b)及び(e)、
図56(a)~(b)、
図57(a)~(b)及び(g)参照)、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2に対応する第2背景画像(
図58(b)参照)、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2及び高確率時短遊技状態に対応する第3背景画像(
図56(g)参照)が設けられており、各遊技状態中には背景画像が表示部21aに表示されるようになっている。
【0504】
具体的には、RAMクリア(異常時初期化処理、通常初期化処理)後や、大当たりに当選することなく100回の特別図柄の変動表示が実行されたことにより時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了した後に設定される通常遊技状態中、及び、通常遊技状態中の時短図柄J1の決定に基づき設定される時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT1中にはいずれも、第1背景画像が表示される。すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中にはいずれも、同一の背景画像が表示される。これにより、遊技者は、表示されている背景画像にからは通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握することができないようになっている。
大当たり図柄X1又はX4の決定に基づく特別遊技の終了後(特定領域57へ所定数の遊技球が入球しなかった場合)に設定される時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中には、第2背景画像が表示される。
通常遊技状態中の時短図柄J2の決定に基づき設定される時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中、及び、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6の決定に基づく特別遊技の終了後(特定領域57へ所定数の遊技球が入球した場合)に設定される高確率時短遊技状態中にはいずれも、第3背景画像が表示される。すなわち、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中にはいずれも、同一の背景画像が表示される。これらは大当たりに当選する確率が異なる別個の遊技状態ではあるものの、いずれも大当たりに当選するまで継続し普図遊技の性能も同一であるため、実質的には同様の有利度の遊技状態であるといえる。そのため、同一の背景画像を表示することにより、異なる遊技状態である旨を積極的に示唆せずに、遊技者に対して同一の遊技状態で遊技をしているような印象を与えることができる。
なお、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中、及び、高確率時短遊技状態中はそれぞれ異なる背景画像が表示されるようにしてもよい。
【0505】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中には、第1特図乱数や第2特図乱数が取得され保留として記憶された場合や、保留として記憶された第1特図乱数や第2特図乱数が読み出された場合に、所定の表示態様の保留画像を表示する保留表示が行われる。この保留表示により、第1特図保留数や第2特図保留数が示唆されることとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が行われ、主に第1始動入賞口15へ遊技球が入球する通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われる。一方、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が行われ、主に第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中には、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われる。また、特に図示していないが、特別遊技中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示、及び、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示のいずれも行われないようになっている。
【0506】
(各演出状態中に実行され得る演出の概要)
以下、各演出状態中に実行され得る各種演出について、具体的に説明する。
(1)通常演出状態中(通常遊技状態中)
上述したように、RAMクリア後や、大当たりに当選することなく100回の特別図柄の変動表示が実行されたことにより時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了した後には、通常遊技状態が設定されるとともに、演出状態が通常演出状態に設定される。
そして、通常演出状態(通常遊技状態)の設定に伴い、表示部21aにおいて、第1背景画像の表示が行われるとともに、チャンスゾーンである通常遊技状態に滞在している可能性がある旨を示唆するチャンスゾーン滞在示唆(たとえば、「キャラ登場でスーパータイム!?」という文字が横方向にスクロールするチャンスゾーン滞在示唆画像の表示等)が行われるようになっている(
図53(a)~(e)、
図54(a)~(c)、
図55(a)~(e)、
図56(a)~(f)、
図57(a)~(f)参照)。第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は、一部の期間を除き、通常演出状態中(通常遊技状態中)において継続して実行される。なお、通常演出状態中(通常遊技状態中)に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、通常演出状態(通常遊技状態)のままとなるため、電断復帰後も、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
また、特に図示していないが、通常遊技状態の設定に伴い、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを示唆する左打ち示唆(たとえば、「←←←左打ち」という左打ち示唆画像の表示、当該打ち出しを示唆する左打ちランプの点灯等)も行われるようになっている。この左打ち示唆は、通常演出状態中(通常遊技状態中)に継続して実行するようにしてもよいし、通常演出状態(通常遊技状態)が設定されてから所定の終了時点(たとえば、最初の変動演出が開始されてから所定時間(たとえば、5秒等)が経過した時点)に至るまで継続して実行するようにしてもよい。
【0507】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(1-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、発展ありリーチ変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
【0508】
具体的には、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、表示部21aにおいて上述のようにチャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、表示部21aの中央において全ての演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、表示部21aの右下隅において全てのミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図53(a)~(b)参照)。
このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、上述したように、リーチ表示は行われない(
図53(c)~(d)参照)。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図53(c)~(e)参照)。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0509】
発展なしリーチ変動パターンによる変動演出では、上述のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図54(a)~(b)参照)。その後、表示部21aの中央においてリーチ表示が行われる(
図54(c)参照)。
この発展なしリーチ変動パターンによる変動演出では、上述したように、リーチ表示後にリーチ発展演出は行われない。
そして、上述のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0510】
発展ありリーチ変動パターンによる変動演出では、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、表示部21aの中央においてリーチ表示が行われる(
図54(a)~(c)参照)。
リーチ表示が行われた後はリーチ発展演出が実行される。このリーチ発展演出では、表示部21aの一部や全面において種々の発展演出画像(上述の低期待度発展演出画像、高期待度発展演出画像等)が表示される(
図54(d)参照)。
また、リーチ発展演出の実行中は、発展演出画像の視認性の低下を防止するために、演出図柄50の変動表示(第1停止図柄及び第2停止図柄によるリーチ表示、及び、第3停止図柄の変動表示)が表示部21aの中央ではなく右上隅において行われるとともに、チャンスゾーン滞在示唆は行わないようになっている(
図54(d)参照)。
なお、リーチ発展演出の実行中は、演出図柄50の変動表示を一切行わないようにしてもよいし、また、リーチ発展演出の実行中であっても、チャンスゾーン滞在示唆を行うようにしてもよい。
そして、このリーチ発展演出においては、当否抽選の結果がハズレである旨を示唆するハズレ示唆(たとえば、発展演出画像により示されていた所定のストーリーの結果が失敗となった旨を示すハズレ示唆画像の表示等)が行われ、リーチ発展演出が終了する。なお、このリーチ発展演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0511】
特殊非当選変動パターンによる変動演出では、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図55(a)~(b)参照)。
その後、後述する特殊リーチ発展演出の実行の有無を煽る特殊煽り演出が実行される。この特殊煽り演出では、表示部21aの全面において特殊煽り画像(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターが登場するかどうかを煽る画像等(当該キャラクターの登場に期待感を抱かせる画像))が表示される(
図55(c)参照)。
また、特殊煽り演出の実行中は、特殊煽り画像の視認性の低下を防止するために、演出図柄50の変動表示(第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示)が表示部21aの中央ではなく右上隅において行われるようになっている(
図55(c)参照)。これに対して、チャンスゾーン滞在示唆は、特殊煽り演出の実行中も継続して行われるようになっている(
図55(c)~(d)参照)。
なお、特殊煽り演出の実行中は、演出図柄50の変動表示を一切行わないようにしてもよいし、チャンスゾーン滞在示唆も行わないようにしてもよい。
そして、この特殊煽り演出においては、上述したように、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターが登場しなかった旨を示唆する非実行示唆画像の表示等)が行われ(
図55(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。なお、この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、上述の発展なしリーチ変動パターンや発展ありリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0512】
(1-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
【0513】
当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合における発展なしリーチ変動パターンによる変動演出は、上述したハズレの場合における発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に大当たり図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図54(e)参照)。また、表示部21aにおいて、大当たりに当選した旨を報知する当選報知画像(たとえば、「BONUS!」という画像)が表示される(
図54(f)参照)。そして、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると特別遊技が開始される。
【0514】
当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合における発展ありリーチ変動パターンによる変動演出も、上述したハズレの場合における発展ありリーチ変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるが、リーチ発展演出においては、ハズレの場合と異なり、当否抽選の結果が大当たりである旨を示唆する大当たり示唆(たとえば、発展演出画像により示されていた所定のストーリーの結果が成功となった旨を示す大当たり示唆画像の表示等)が行われる。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に大当たり図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図54(e)参照)。また、表示部21aにおいて、上述の当選報知画像が表示される(
図54(f)参照)。そして、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると特別遊技が開始される。
【0515】
(1-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された場合には、特殊リーチ変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
【0516】
時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出では、上述の当否抽選の結果がハズレであった場合における特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(時短図柄J2)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、特殊煽り演出が実行される(
図56(a)~(c)参照)。また、特殊煽り演出の実行中における演出図柄50の変動表示、及びチャンスゾーン滞在示唆の態様も、上述の当否抽選の結果がハズレであった場合における特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様となっている(
図56(c)参照)。
そして、この特殊煽り演出においては、上述したように、特殊リーチ発展演出を実行する旨の示唆(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターの登場を示唆する実行示唆画像の表示等)が行われ(
図56(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J2が停止表示される)直前に終了する。
その後、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J2が停止表示されると、表示部21aの右上隅においてリーチ表示が行われるとともに、表示部21aの全面において特殊リーチ発展演出(たとえば、登場したキャラクターと敵キャラクターにより行われる対決の画像の表示等)が開始される(
図56(e)参照)。また、この際、第1停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第2停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第3停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが「0」の数字図柄により停止表示する(
図56(e)参照)。これにより、視認は困難であるものの、ミニ図柄MDの停止表示態様によって時短付与の当選が示唆されることとなる。
そして、この特殊リーチ発展演出においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された旨(すなわち、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する旨)を示唆する高有利結果決定示唆(たとえば、登場したキャラクターが対決に勝利した旨を示す「WIN!」という画像の表示等)が行われるとともに、表示部21aの右上隅において、第3停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄と異なる数字図柄(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄と1違いの数字図柄等)が停止表示することにより、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示し、特殊リーチ発展演出が終了する。この特殊リーチ発展演出は、停止表示時間(20秒)が経過する直前に終了する。すなわち、特殊リーチ発展演出は、時短図柄J2が停止表示されてから停止表示時間(20秒)が経過するまでの間において実行されるようになっている。
その後は、停止表示時間(20秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定されるとともに、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了するとともに、第3背景画像の表示、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された旨を示唆する高有利状態設定示唆(たとえば、「スーパータイムスタート!」という高有利状態設定示唆画像の表示等)、及び右打ち示唆(たとえば、「→→→右打ち」という右打ち示唆画像の表示、右打ち報知ランプRLの点灯等)も行われる(
図46(g)参照)。
なお、この右打ち示唆は、上述の低確率時短遊技状態LJT2中(低確率時短演出状態B中)に継続して実行するようにしてもよいし、低確率時短遊技状態LJT2(低確率時短演出状態B)が設定されてから所定の終了時点(たとえば、最初の変動演出が開始されてから所定時間(たとえば、5秒等)が経過した時点)に至るまで継続して実行するようにしてもよい。
【0517】
(1-4)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された場合には、時短図柄J2が決定された場合と同様に、特殊リーチ変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
【0518】
時短図柄J1が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出においては、チャンスゾーン滞在示唆の態様、特別図柄(時短図柄J1)の変動表示の開始により開始される演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示の態様、特殊煽り演出の態様はいずれも、上述の時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出と同様となっている(
図57(a)~(d)参照)。なお、特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1が停止表示される)直前に終了する。
その後、時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1が停止表示されると、表示部21aの右上隅においてリーチ表示が行われるとともに、表示部21aの全面において特殊リーチ発展演出が開始される(
図57(e)参照)。また、この際、第1停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第2停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第3停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが「0」の数字図柄により停止表示する(
図57(e)参照)。これにより、視認は困難であるものの、ミニ図柄MDの停止表示態様によって時短付与の当選が示唆されることとなる。
そして、この特殊リーチ発展演出においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された旨(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1へ移行する旨)を示唆する低有利結果決定示唆(たとえば、登場したキャラクターが対決に敗北した旨を示す「LOSE・・・」という画像の表示等)が行われるとともに、表示部21aの右上隅において、第3停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄と異なる数字図柄(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄と1違いの数字図柄等)が停止表示することにより、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示し、特殊リーチ発展演出が終了する。この特殊リーチ発展演出は、停止表示時間(20秒)が経過する直前に終了する。すなわち、特殊リーチ発展演出は、時短図柄J1が停止表示されてから停止表示時間(20秒)が経過するまでの間において実行されるようになっている。
その後は、停止表示時間(20秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるとともに、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される(
図52参照)。この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆は終了するものの、通常演出状態中(通常遊技状態中)に表示されていた第1背景画像は引き続き表示される(
図57(g)参照)。
【0519】
(2)低確率時短演出状態A1中(低確率時短遊技状態LJT1中)
上述したように、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。また、低確率時短演出状態A2(低確率時短演出遊技状態A1中にRAMクリア(異常時初期化処理、通常初期化処理)が行われることなく電断から復帰した場合に設定される演出状態)中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。
そして、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定されると、上述したように、通常演出状態中(通常遊技状態中)に行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了する一方で、第1背景画像の表示は継続するようになっている(
図57(g)参照)。また、後述するように、低確率時短演出状態A2においては、通常演出状態中と同様に第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われるようになっているものの、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定されると、チャンスゾーン滞在示唆が終了する一方で、第1背景画像の表示は継続するようになっている。
すなわち、低確率時短演出状態A1中は、通常演出状態中や低確率時短演出状態A2中と同様の第1背景画像が表示されるものの、チャンスゾーン滞在示唆は行われない。
また、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定された際には、演出状態が通常演出状態(通常遊技状態)に設定された場合と異なり、上述の左打ち示唆は行われない(
図57(g)参照)。
【0520】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(2-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と異なり、特殊非当選変動パターンによる変動演出は実行されず、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、チャンスゾーン滞在示唆が行われない点を除き、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0521】
(2-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、チャンスゾーン滞在示唆が行われない点を除き、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0522】
(2-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合にはいずれも、通常演出状態において当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合と異なり、特殊リーチ変動パターンによる変動演出は実行されず、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
なお、上述したように、低確率時短演出状態A1中は通常演出状態中と異なり、チャンスゾーン滞在示唆が行われず、表示部21aにチャンスゾーン滞在示唆画像が表示されていない状態のまま、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行される。
このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、通常演出状態中と同様に、特別図柄(時短図柄J1又はJ2)の変動表示が開始されると、表示部21aの中央において全ての演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、表示部21aの右下隅において全てのミニ図柄MDの変動表示が開始される。このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、リーチ表示は行われない。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1又はJ2が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されたものの、上述の停止表示時間が経過しても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続する。また、演出状態も、低確率時短演出状態A1のまま継続する(
図52参照)。
【0523】
低確率時短演出状態A1においては、時短付与に当選しても設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1のままであることから、通常演出状態中に時短付与に当選した場合のように、特殊リーチ変動パターンによる変動演出を実行し時短図柄J1や時短図柄J2の決定を示唆すると、遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えるおそれがある。
そこで、低確率時短演出状態A1においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターンによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われるようにしている。
これにより、低確率時短演出状態A1においては、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0524】
(3)低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)
上述したように、低確率時短演出状態A1中に電断が発生し、RAMクリアが行われることなく電断から復帰すると(通常電断復帰が行われると)、低確率時短遊技状態LJT1はそのままに、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定される。
そして、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定されると、通常演出状態中と同様に、表示部21aにおいて、第1背景画像の表示が行われるとともに、チャンスゾーン滞在示唆が行われるようになっている(
図53(a)~(e)、
図54(a)~(c)、
図55(a)~(e)、
図56(a)~(f)、
図57(a)~(f)参照)。第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は、一部の期間を除き、低確率時短演出状態A2中において継続して実行される。なお、低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に電断が発生し通常電断復帰が行われた場合には、低確率時短演出状態A2(低確率時短遊技状態LJT1)のままとなるため、電断復帰後も、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
なお、電断から復帰し遊技状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合には、左打ち示唆を実行するようにしてもよいし、実行しないようにしてもよい。
【0525】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(3-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、発展ありリーチ変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
これらの実行態様による変動演出は、通常演出状態中と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま実行される。そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、特殊非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている(
図53、
図55等参照)。
【0526】
(3-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
これらの実行態様による変動演出は、通常演出状態中と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま実行される。そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている(
図54等参照)。
【0527】
(3-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合にはいずれも、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特殊非当選変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
この時短図柄J1又はJ2の決定に基づく特殊非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態においてハズレとなった場合の特殊非当選変動パターンとほぼ同様の態様により実行されるようになっている。
具体的には、特別図柄(時短図柄J1又はJ2)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、特殊煽り演出が実行される(
図55(a)~(d)参照)。
この特殊煽り演出においては、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆が行われ(
図55(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。なお、この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1又はJ2が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
ここで、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されたものの、上述の停止表示時間が経過しても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続する。これに対して、演出状態は低確率時短演出状態A1に設定される(
図52参照)。そして、この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆は終了するものの、低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に表示されていた第1背景画像は引き続き表示される(
図57(g)参照)。
【0528】
(4)低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)
上述したように、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J2が決定されると、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。
そして、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定されると、上述したように、通常演出状態中(通常遊技状態中)に行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了するとともに、第3背景画像が表示される(
図56(g)参照)。
【0529】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(4-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0530】
(4-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0531】
(4-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【0532】
このように、低確率時短演出状態Bにおいては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、低確率時短演出状態Bにおいては、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0533】
(5)低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)
上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定される。
そして、上述の特別遊技が終了すると、特別遊技中に行われていた特別遊技中演出(たとえば、特別遊技を盛り上げる特別遊技中画像の表示等(
図58(a)参照))が終了する。そして、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定されると、第2背景画像の表示、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された旨を示唆する低有利状態設定示唆(たとえば、「リベンジタイムスタート!」という低有利状態設定示唆画像の表示等)、及び右打ち示唆が行われる(
図48(b)参照)。さらに、表示部21aの左下隅において、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示唆する回数示唆も行われるようになっている(
図58(b)参照)。
【0534】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(5-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0535】
(5-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0536】
(5-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態C中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【0537】
このように、低確率時短演出状態Cにおいては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、低確率時短演出状態Cにおいては、低確率時短演出状態B等と同様に、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0538】
(6)高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)
上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定され、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入すると、高確率時短遊技状態へ移行するとともに、演出状態が高確率時短演出状態に設定される。
そして、上述の特別遊技が終了すると、特別遊技中に行われていた特別遊技中演出が終了する。そして、高確率時短遊技状態へ移行し、演出状態が高確率時短演出状態に設定されると、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)が設定された場合と同様に、第3背景画像の表示、高有利状態設定示唆、及び右打ち示唆が行われる(
図56(g)参照)。
すなわち、演出状態が高確率時短演出状態に設定されると、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定された際と同一の高有利状態設定示唆が行われるとともに、高確率時短演出状態中は、低確率時短演出状態B中と同一の背景画像が表示されるようになっている。これにより、背景画像や上述の遊技状態へ移行した旨の示唆(高有利状態設定示唆)からは、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれが設定されたのかを把握することができず、同一の遊技状態へ移行したような印象を遊技者に与えることができる。
なお、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合と、高確率時短遊技状態が設定された場合とで、表示される背景画像を異ならせるようにしてもよいし、また、これらの遊技状態へ移行した旨の示唆を異ならせるようにしてもよい。このようにすることで、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれが設定されたのかを把握させることができる。
【0539】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(6-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0540】
(6-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0541】
(6-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は高確率時短遊技状態であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の高確率時短遊技状態が継続する。
【0542】
このように、高確率時短演出状態においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、高確率時短演出状態においては、低確率時短演出状態Bや低確率時短演出状態C等と同様に、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0543】
(変動演出の実行態様の決定)
次に、上述の変動演出の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、変動演出の実行態様を決定するための変動演出決定テーブル119が複数記憶されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図59及び
図60に示すように、変動演出決定テーブル119として、通常演出状態において参照される第1変動演出決定テーブル119aと、低確率時短演出状態A1において参照される第2変動演出決定テーブル119bと、低確率時短演出状態A2において参照される第3変動演出決定テーブル119cと、低確率時短演出状態B又は低確率時短演出状態Cにおいて参照される第4変動演出決定テーブル119dと、高確率時短演出状態において参照される第5変動演出決定テーブル119eと、が設けられている。
【0544】
各変動演出決定テーブル119には、主制御基板100において決定され得る変動パターンコマンド及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の実行態様が定められている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、所定の数値範囲(0~249)から1の変動演出乱数を取得する。サブCPU301は、設定中の演出状態に対応する変動演出決定テーブル119を参照し、受信した変動パターンコマンド及び取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の実行態様を決定する。
また、副制御基板300のサブROM302には演出データテーブルが設けられており、この演出データテーブルには、各種演出の具体的な実行内容を定めた演出データが記憶されている。そして、サブCPU301が決定された変動演出の実行態様に対応する演出データを取得することにより、当該取得された演出データに基づいて、決定された実行態様による変動演出が実行されることとなる。
【0545】
図59(a)に示すように、第1変動演出決定テーブル119aによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかが決定され、受信した変動パターンコマンドが「01H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「02H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「03H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「0BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0EH」又は「0FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には特殊非当選変動パターンが決定される。
【0546】
図59(b)に示すように、第2変動演出決定テーブル119bによれば、受信した変動パターンコマンドが「10H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「11H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「12H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「13H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「1BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定される。
【0547】
図59(c)に示すように、第3変動演出決定テーブル119cによれば、受信した変動パターンコマンドが「10H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「11H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「12H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「13H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「1BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には特殊非当選変動パターンが決定される。
【0548】
図60(a)に示すように、第4変動演出決定テーブル119dによれば、受信した変動パターンコマンドが「20H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「21H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「22H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「23H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「2AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「2CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2DH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2EH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
【0549】
図60(b)に示すように、第5変動演出決定テーブル119eによれば、受信した変動パターンコマンドが「30H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「31H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「32H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「33H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「3AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「3CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3DH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3EH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
【0550】
なお、
図59及び
図60において、変動パターンコマンドと変動演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択割合(決定割合)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の実行態様について、当否抽選の結果がハズレの場合、大当たりの当選の場合、時短付与の当選の場合における選択割合がそれぞれ別個に設定されている。
【0551】
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
【0552】
(特別遊技中演出の概要)
特別遊技中には、特別遊技中演出が実行される。この特別遊技中演出では、演出表示装置21の表示部21aにおいて、実行中の特別遊技を盛り上げるための特別遊技中画像が表示されるようになっている(
図58(a)、
図61(a)、
図61(c)~(f)参照)。また、特別遊技中は、演出表示装置21の表示部21aにおいて、実行中のラウンド遊技を示唆するラウンド遊技数の画像も表示されるようになっている(
図61(a)、(c)~(f)参照)。このラウンド遊技数の画像の表示により、何ラウンド目のラウンド遊技を実行しているのかを遊技者に示唆することができる。
また、特別遊技中演出においては、特別遊技中画像の表示のみならず、特別遊技中画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声が出力されるとともに、演出照明装置23(ランプ)が所定の点灯パターンや色で発光するようになっている。
【0553】
(獲得賞球数の表示の概要)
通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2において大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技が開始されると、当該開始時点からの賞球数の累計値(すなわち、各入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づいて払い出され遊技者により獲得される賞球数の累計値)を示唆する獲得賞球数の表示(たとえば、賞球数の累計値が700個に達した場合には「700pt」の文字画像等の表示(
図61(a)~(d)参照))が開始される。
この獲得賞球数の表示は、各入賞口へ遊技球が入球するごとに更新される。すなわち、当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数を加算した値に更新される。なお、各入賞口へ遊技球が入球するごとに、払い出される予定の賞球の数を加算した値に更新するのではなく、各入賞口への遊技球の入球に基づいて実際に賞球が払い出されるごとに、当該払い出された賞球の数を加算した値に更新するようにしてもよい。
そして、獲得賞球数の表示は、特別遊技の終了後に設定される高確率時短遊技状態中又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中、及び、高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2における大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中も継続して実行され、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了すると、終了する。
すなわち、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中の大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されると、高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の設定、及び高確率時短遊技状態中又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返されている間は、継続して獲得賞球数の表示が行われる。
【0554】
ここで、高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の設定、及び高確率時短遊技状態中又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返されると、表示される獲得賞球数は次第に増加することとなるが、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(すなわち、作動停止個数である95000個)に到達すると、当該獲得賞球数は表示されず、演出表示装置21の表示部21aにおいて、当該獲得賞球数の代わりに差球数に相当する個数に到達している旨を示唆する差球到達表示(たとえば、「COMPLETE!」という差球到達画像の表示等)が行われるようになっている(
図61(e)~(f)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようになっている。
特別遊技中、高確率時短遊技状態中、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中に表示されるのは獲得賞球数であるものの、これを見た遊技者やホール関係者が差球数と認識していた場合、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(作動停止個数である95000個)を獲得賞球数として表示してしまうと、発動状態の設定に基づく遊技の停止が正常に機能していないとの誤解を与えるおそれがある。そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようにしている。これにより、上述のような誤解の発生を防止することができる。
【0555】
獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようにする制御は、上述の差球到達表示(差球到達画像の表示)に限定されるものではない。
たとえば、獲得賞球数として、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数より1個少ない個数(94999個)までは表示するものの、当該個数まで表示された後は獲得賞球数の更新をストップ(すなわち、カウントストップ)するようにしてもよい。また、差球到達画像としては、上述のような文字情報が表示された画像ではなく、所定のキャラクターが表示された画像等としてもよい。
【0556】
なお、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中は、獲得賞球数の表示を行わないようにしてもよい。このようにした場合には、獲得賞球数の表示は、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中の大当たりの当選に基づく特別遊技中、当該特別遊技の終了後に設定される高確率時短遊技状態中、及び、高確率時短遊技状態における大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中に継続して実行され、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態が終了すると、終了する。
【0557】
(差球作動停止制御に関する示唆の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、差球カウント値が第1基準値に到達し発動警告状態が設定されると、電断が発生するか、発動警告状態が終了するか又は所定時間(600秒)が経過するという終了条件を満たすまでの間、発動警告示唆(発動警告文字画像の表示)、及び、各種ランプの点灯又は消灯による発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる。また、発動警告状態が設定されてから発動警告音声出力時間(5秒)が経過するまでの間、発動警告音声の出力が行われる。
特別遊技中に発動警告状態が設定された場合には、特別遊技中画像や右打ち示唆画像と共に発動警告文字画像が表示され、特別遊技中以外に発動警告状態が設定された場合には、演出図柄50、表示部21aの下部において表示される保留画像(特に図示しておらず)や右打ち示唆画像と共に発動警告文字画像が表示される。この発動警告文字画像は、特別遊技中画像、演出図柄50、保留画像や右打ち示唆画像の視認の妨げとならないように、演出表示装置21の表示部21aの中央上部において小さいサイズで表示している(
図61(c)~(e)参照)。
【0558】
また、上述したように、差球カウント値が第2基準値に到達し、当該到達の際に特別遊技が実行されていたことにより発動予告状態が設定されると、電断が発生するか又は発動予告状態が終了するという終了条件を満たすまでの間、発動予告示唆(発動予告文字画像の表示)、及び、各種ランプの点灯又は消灯による発動予告状態が設定された旨の示唆が行われる。また、発動予告状態が設定されてから発動予告音声出力時間(7秒)が経過するまでの間、発動予告音声の出力が行われる。
発動予告状態は特別遊技中に設定されるため、特別遊技中画像や右打ち示唆画像と共に発動予告文字画像が表示される。また、この発動予告文字画像は、発動警告文字画像と同様に、特別遊技中画像や右打ち示唆画像の視認の妨げとならないように、演出表示装置21の表示部21aの中央上部において小さいサイズで表示している(
図61(f)参照)。
【0559】
また、上述したように、差球カウント値が第2基準値に到達し、当該到達の際に特別遊技が実行されていなかったことにより、又は、差球カウント値が第2基準値に到達したときに実行されていた特別遊技が終了したことにより、発動状態が設定されると、電断が発生するまでの間、発動示唆(発動文字画像の表示)、発動音声の出力、各種ランプの点灯又は消灯による発動状態が設定された旨の示唆が行われる。
特別遊技の終了後には、通常であれば、演出図柄50の変動表示、保留画像の表示(特に図示しておらず)、獲得賞球数の表示等が行われるが(
図61(b)参照)、特別遊技が終了し発動状態が設定された場合には、これらの表示は行われることなく、発動文字画像が表示される。
また、特別遊技以外(高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、通常遊技状態)においても、通常であれば、演出図柄50の変動表示、保留画像の表示、獲得賞球数の表示、右打ち示唆画像の表示等が行われるが、特別遊技以外のときに発動状態が設定された場合には、これらの表示が全てクリアされて、発動文字画像が表示される。たとえば、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄50の変動表示が行われていたような場合であっても、この演出図柄50の変動表示が強制的に終了し当該変動表示がクリアされることとなる。
このように、発動状態が設定された場合には、演出図柄50、保留画像、獲得賞球数、右打ち示唆画像等がクリアされるため、これらの視認を妨げる事態は生じないことから、発動文字画像は、演出表示装置21の表示部21aの全面において、発動警告文字画像や発動予告文字画像よりも大きいサイズで表示している(
図61(g)参照)。
【0560】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図62に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ10000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ10001に進む。
ステップ10001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ10001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0561】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図63に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図63に示すタイマ割込処理を開始する。
【0562】
ステップ10100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ10101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ10101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ10102に進む。
【0563】
ステップ10102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ10103に進む。
ステップ10103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0564】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、遊技状態の設定に関する各種コマンドを受信した場合に実行される遊技状態設定関連コマンド受信処理について、
図64のフローチャートを参照して説明する。具体的には、主制御基板100において、電断退避処理のステップ144で記憶され副制御基板300に送信されるRAMクリアコマンドや遊技状態指定コマンド、停止後処理のステップ1115で記憶され副制御基板300に送信される遊技状態コマンド、特別遊技終了処理のステップ1306で記憶され副制御基板300に送信される遊技状態指定コマンドを受信した場合に、遊技状態設定関連コマンド受信処理が実行される。
ステップ10200において、サブCPU301は、現時点の遊技状態として、主制御基板100から受信した上述のコマンドにより示される遊技状態をサブRAM303の所定の記憶領域に記憶する遊技状態記憶処理を実行する。
具体的には、RAMクリアコマンドを受信したときには、現時点の遊技状態として通常遊技状態が記憶される。また、遊技状態コマンドを受信したときには、所定の記憶領域に記憶されている現時点の遊技状態と遊技状態コマンドにより示される遊技状態とが異なる場合に、現時点の遊技状態として遊技状態コマンドにより示される遊技状態が記憶され、所定の記憶領域に記憶されている現時点の遊技状態と遊技状態コマンドにより示される遊技状態とが同じ場合には、ここでは何も処理は行われない。また、遊技状態指定コマンドを受信したときには、現時点の遊技状態として当該遊技状態指定コマンドにより示される遊技状態が記憶される。
そして、次のステップ10201に進む。
【0565】
ステップ10201において、サブCPU301は、上述のステップ10200で遊技状態が記憶された場合に、現時点の演出状態として、記憶された遊技状態に対応する演出状態をサブRAM303の所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態の設定を行う演出状態設定処理を実行する。
具体的には、現時点の遊技状態として通常遊技状態が記憶された場合には、現時点の演出状態として通常演出状態が記憶され、これにより、演出状態が通常演出状態に設定される。また、現時点の遊技状態として低確率時短遊技状態LJT1が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A1が記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。また、現時点の遊技状態として時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態Bが記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。また、現時点の遊技状態として時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態Cが記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定される。また、現時点の遊技状態として高確率時短遊技状態が記憶された場合には、現時点の演出状態として高確率時短演出状態が記憶され、これにより、演出状態が高確率時短演出状態に設定される。
また、サブCPU301は、上述のように演出状態の設定が行われると、この演出状態の設定に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、演出状態が通常遊技演出状態に設定された場合には、表示部21aにおいて第1背景画像を表示するとともに、左打ち示唆及びチャンスゾーン滞在示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定された場合には、チャンスゾーン滞在示唆を終了する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定された場合には、表示部21aにおいて第3背景画像を表示するとともに、高有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定された場合には、表示部21aにおいて第2背景画像を表示するとともに、低有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が高確率時短演出状態に設定された場合には、表示部21aにおいて第3背景画像を表示するとともに、高有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。
そして、遊技状態設定関連コマンド受信処理を終了する。
【0566】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、電断復帰コマンドを受信した場合に実行される電断復帰コマンド受信処理について、
図65のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、電断復帰コマンドは、主制御基板100において、電断復帰時処理のステップ144により副制御基板300に送信される。
ステップ10300において、サブCPU301は、設定されている演出状態(所定の記憶領域に記憶されている演出状態)が低確率時短演出状態A1であるか否かを判定する。そして、低確率時短演出状態A1でないと判定した場合、電断復帰コマンド受信処理を終了する。一方、低確率時短演出状態A1であると判定した場合、次のステップ10301に進む。
ステップ10301において、サブCPU301は、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A2を所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態を低確率時短演出状態A2に設定するとともに、この低確率時短演出状態A2に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、表示部21aにおいて第1背景画像を表示するとともに、左打ち示唆を行う場合には当該左打ち示唆、及びチャンスゾーン滞在示唆を実行する制御が行われる。そして、電断復帰コマンド受信処理を終了する。
【0567】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、停止表示終了コマンドを受信した場合に実行される停止表示終了コマンド受信処理について、
図66のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、停止表示終了コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1102で記憶された後、ステップ212のポート出力処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10400において、サブCPU301は、設定されている演出状態(所定の記憶領域に記憶されている演出状態)が低確率時短演出状態A2であるか否かを判定する。そして、低確率時短演出状態A2でないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、低確率時短演出状態A2であると判定した場合、次のステップ10401に進む。
ステップ10401において、サブCPU301は、停止表示時間が経過する前に停止表示されていた特別図柄が時短図柄J1又はJ2であったか否かを判定する。そして、時短図柄J1及びJ2のいずれでもないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、時短図柄J1又はJ2であったと判定した場合、次のステップ10402に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄変動開始処理のステップ808で記憶され副制御基板300に送信される図柄決定コマンドに、当否抽選の結果に基づいて決定された特別図柄の情報が含まれており、図柄決定コマンドを受信すると、サブRAM303の所定の記憶領域に上述の特別図柄が記憶される。これにより、サブCPU301は、停止表示されていた特別図柄を判定することができるようになっている。
【0568】
ステップ10402において、サブCPU301は、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A1を所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態を低確率時短演出状態A1に設定するとともに、この低確率時短演出状態A1に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、チャンスゾーン滞在示唆を終了する制御が行われる。そして、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。
【0569】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、
図67のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ903で記憶された後、ステップ212のポート出力処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10500において、サブCPU301は、上述のステップ10001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ10501に進む。
ステップ10501において、サブCPU301は、設定されている演出状態に対応する変動演出決定テーブル119を選択する。そして、次のステップ10502に進む。
【0570】
ステップ10502において、サブCPU301は、上述のステップ10501で選択した変動演出決定テーブル119を参照し、上述のステップ10500で取得した変動演出乱数及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の実行態様を決定する。そして、次のステップ10503に進む。
ステップ10503において、サブCPU301は、決定された変動演出の実行態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ10103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0571】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド又は第3差球作動停止制御指定コマンドを受信した場合に実行される差球関連コマンド受信処理について、
図68のフローチャートを参照して説明する。第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド、第3差球作動停止制御指定コマンドは、主制御基板100において、差球関連コマンドセット処理のステップ1872で記憶された後、ステップ212のポート出力処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10700において、サブCPU301は、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、ステップ10702に進む。一方、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10701に進む。
ステップ10701において、サブCPU301は、発動警告状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動警告状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ10702に進む。
【0572】
ステップ10702において、サブCPU301は、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、ステップ10704に進む。一方、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10703に進む。
ステップ10703において、サブCPU301は、発動予告状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動予告状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ10704に進む。
【0573】
ステップ10704において、サブCPU301は、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、差球関連コマンド受信処理を終了する。一方、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10705に進む。
ステップ10705において、サブCPU301は、発動状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。なお、発動音声については、現在設定されている音量にかかわらず、最大の音量により音声出力装置10から出力されるようになっている。そして、差球関連コマンド受信処理を終了する。
【0574】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、賞球指定コマンド受信処理について、
図69のフローチャートを参照して説明する。上述の如く、賞球指定コマンドは、主制御基板100において、主制御基板100のタイマ割込処理のステップ208で記憶された後、ステップ212のポート出力処理によって副制御基板300に送信される。なお、特に図示していないが、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時には、サブCPU301は、演出表示装置21の表示部21aの右下隅において、獲得賞球数の表示について初期表示(たとえば、0ptという文字画像の表示等)を実行する。
ステップ10900において、サブCPU301は、特別遊技中又は所定の遊技状態中(高確率時短遊技状態中、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)であるか否かを判定する。そして、特別遊技中及び所定の遊技状態中のいずれでもない(すなわち、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中である)と判定した場合、賞球指定コマンド受信処理を終了する。一方、特別遊技中又は所定の遊技状態中であると判定した場合、次のステップ10901に進む。
【0575】
ステップ10901において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域により構成され、特別遊技中及び所定の遊技状態中に獲得された遊技球の数を累積する獲得賞球表示カウンタの値を、受信した賞球指定コマンドに対応する賞球の数だけインクリメントする。すなわち、一般入賞口14に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は一般入賞口14への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、第1始動入賞口15に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、第2始動入賞口16に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、大入賞口18に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされる。
なお、この獲得賞球表示カウンタの値は、高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了するとリセットされるようになっており、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中の大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時においては0となる。
そして、次のステップ10902に進む。
【0576】
ステップ10902において、サブCPU301は、差球到達表示(差球到達画像の表示)の実行中であるか否かを判定する。そして、差球到達表示の実行中であると判定した場合、賞球指定コマンド受信処理を終了する。一方、差球到達表示の実行中でないと判定した場合、次のステップ10903に進む。
ステップ10903において、サブCPU301は、獲得賞球表示カウンタの値が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(すなわち、作動停止個数である95000)以上であるか否かを判定する。そして、作動停止個数以上でない(すなわち、作動停止個数未満である)と判定した場合、ステップ10905に進む。一方、作動停止個数以上であると判定した場合、次のステップ10904に進む。
【0577】
ステップ10904において、サブCPU301は、差球到達表示を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて差球到達表示を実行する制御が行われることとなる。そして、賞球指定コマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ10903で作動停止個数以上でないと判定した場合に進むステップ10905において、サブCPU301は、表示中の獲得賞球数を現時点の獲得賞球表示カウンタの値に更新する更新表示の実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて上述の更新表示を実行する制御が行われることとなる。そして、賞球指定コマンド受信処理を終了する。
なお、特に図示していないが、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態又は時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了すると、サブCPU301は、獲得賞球数の表示のクリアを実行する。
【0578】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態(通常遊技状態)において、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われ、通常演出状態中(通常遊技状態中)に時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するとともに演出状態が低確率時短演出状態A1に設定され、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は終了する。また、低確率時短演出状態A1中又は低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に電断が発生し通常電断復帰が行われると、低確率時短遊技状態LJT1のまま演出状態が低確率時短演出状態A2に設定され、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
すなわち、RAMクリア(異常時初期化処理、通常初期化処理)が実行されて通常遊技状態が設定された場合(演出状態が通常演出状態に設定された場合)、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に通常電断復帰が行われ低確率時短遊技状態LJT1が継続した場合(演出状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合)はいずれも、同一の背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われるため、これらの演出からは、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのか把握できないこととなる。これにより、遊技者に対して、RAMクリアが実行されて低確率時短遊技状態LJT1よりも有利度の高い通常遊技状態が設定されているとの期待を抱かせることが可能となり、ひいてはパチンコ機Pの稼働を向上させることができる。
【0579】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態(通常遊技状態)においては、ハズレとなりハズレ図柄が決定された場合の停止表示時間、及び、大当たりに当選し大当たり図柄が決定された場合の停止表示時間はいずれも0.5秒であるものの、時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合の停止表示時間は20秒であり、ハズレ及び大当たりの当選の場合よりも長くなっている。そして、ハズレの場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて非当選態様による演出図柄50の停止表示が行われ、大当たりの当選の場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて当選態様による演出図柄50の停止表示が行われる。これに対して、時短付与の当選の場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて、停止表示時間の経過後に設定される遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)を示唆する特殊リーチ発展演出が行われる。
これにより、通常遊技状態中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合に、時短図柄J1又はJ2の変動表示が終了した後すぐに遊技状態が切り替わり、遊技者に違和感を与えるような事態を防止することが可能となる。また、停止表示時間は、ハズレ図柄が決定された場合よりも時短図柄J1又はJ2が決定された場合の方が長いことから、停止表示された時短図柄J1又はJ2の確認が容易となるため、その後の遊技状態の変更を把握し易くすることができる。さらには、ハズレ図柄が決定された場合の停止表示時間よりも長い停止表示時間の経過中に、設定される遊技状態を示唆する特殊リーチ発展演出が行われるため、この特殊リーチ発展演出によっても、その後の遊技状態の変更を把握し易くすることができる。
【0580】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態からは時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行可能であるものの、通常遊技状態から移行する可能性が高く当該通常遊技状態よりも長く滞在し易い低確率時短遊技状態LJT1からは上述の時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行できないようにすることで、低確率時短遊技状態LJT1よりも通常遊技状態の方が、有利度が高くなるように設定されていたが、通常遊技状態を低確率時短遊技状態LJT1よりも有利にする設定は、これに限定されるものではない。
【0581】
たとえば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合にはいずれも、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2へ移行可能となるように設定した上で、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に移行する低確率時短遊技状態LJT2の時短回数よりも、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に移行する低確率時短遊技状態LJT2の時短回数の方が多くなるように設定してもよい。
このようにした場合にも、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0582】
また、たとえば、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に設定される遊技状態において決定され得る変動時間の平均が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に設定される遊技状態において決定され得る変動時間の平均よりも短くなるように設定してもよい。換言すれば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態においては、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態よりも、短い変動時間が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
より具体的には、たとえば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合にはいずれも、低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態へ移行可能となるように設定した上で、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態においてハズレとなったときに決定され得る変動時間の平均(たとえば、3.5秒等)が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態においてハズレとなったときに決定され得る変動時間の平均(たとえば、5.5秒等)よりも短くなるように設定してもよい。また、大当たりとなったときに決定され得る変動時間についても、上述と同様となるように設定してもよい。
このようにした場合には、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態では、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態よりも、同一時間内で行われる当否抽選の回数が多くなるため、より早く大当たりに当選する可能性が高くなる。したがって、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0583】
また、たとえば、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、通常遊技状態から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のオープニング時間が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、低確率時短遊技状態LJT1から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のオープニング時間よりも短くなるように設定してもよい。また、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、通常遊技状態から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のエンディング時間が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、低確率時短遊技状態LJT1から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のエンディング時間よりも短くなるように設定してもよい。
このようにした場合には、通常遊技状態中に大当たりに当選したときには、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選したときよりも、特別遊技の開始から終了までの時間が短くなり、その分、実行可能な当否抽選の回数を多くすることができるため、より早く大当たりに当選する可能性が高くなる。したがって、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0584】
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像(第1背景画像)を表示するものの、通常演出状態中のみチャンスゾーン滞在示唆を行うことで、両演出状態中の演出態様から通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握できるようにしていたが、これに限定されるものではない。
【0585】
たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないことで、両演出状態中の演出態様から通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握できないようにしてもよい。
また、たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないようにしつつ、低確率時短演出状態A1中よりも通常演出状態中の実行確率が高く設定された特定演出(たとえば、流れ星が流れる画像の表示等)を実行可能としてもよい。このようにすることで、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを、背景画像の表示やチャンスゾーン滞在示唆の実行の有無からは把握できないようにしつつも、特定演出の実行の頻度によって推認できることとなる。
【0586】
また、たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないようにしつつ、通常遊技状態中には実行されず、かつ低確率時短遊技状態LJT1中のみ所定の実行確率で実行される特定演出を実行可能としてもよい。このようにすることで、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを、背景画像の表示やチャンスゾーン滞在示唆の実行の有無からは把握できないようにしつつも、特定演出の実行により低確率時短遊技状態LJT1が設定されている旨を把握できることとなる。
【0587】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1へ移行した場合、実質的に大当たりに当選するまで当該低確率時短遊技状態LJT1が継続することとなる時短回数(10000回)が設定されるようになっていたが、当該遊技状態が設定された場合の時短回数は、これに限定されるものではない。
たとえば、低確率時短遊技状態LJT1中に必ずしも大当たりに当選するとは限らない程度の時短回数(たとえば、200回、500回)を設定するようにしてもよい。すなわち、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示の回数が時短回数に到達することにより、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定される可能性があるような時短回数を設定するようにしてもよい。
このようにした場合には、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示の回数が時短回数に到達することで低確率時短遊技状態LJT1が終了した後に、再度、チャンスゾーン的な位置づけの通常遊技状態へ移行するため、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、上述のようにした場合には、低確率時短遊技状態LJT1が終了するまでの残りの時短回数のカウントダウン表示を実行し、時短回数に到達し通常遊技状態へ移行した場合には、通常遊技状態への復帰を祝福するような演出(たとえば、「Congratulation!! チャンスゾーン復活!!」という祝福画像の表示等)を実行するようにしてもよい。
【0588】
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1への移行が対応付けられた時短図柄、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2への移行が対応付けられた時短図柄はそれぞれ1種類ずつ設けられていたが、時短図柄の種類は、これに限定されるものではない。
たとえば、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1への移行が対応付けられた時短図柄、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2への移行が対応付けられた時短図柄をそれぞれ複数種類設けるようにしてもよい。そして、各時短図柄に応じて異なる停止表示時間を定めるようにしてもよい。
このようにした場合には、停止表示時間のバリエーションが豊富となるため、この停止表示時間の経過中に実行される特殊リーチ発展演出を種々の態様で行うことが可能となる。
【0589】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特殊リーチ変動パターンにおける特殊リーチ発展演出は、特別図柄が停止表示された時点(停止表示時間の経過開始時点)から開始されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、特別図柄が停止表示される前の所定時点から開始されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特殊リーチ発展演出の態様をバリエーションに富んだものにすることができる。
【0590】
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態から時短図柄J2の決定に基づいて移行する低確率時短遊技状態LJT2と、大当たり図柄X1又はX4の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される低確率時短遊技状態LJT2とは、設定される時短回数を異ならせることで(前者が10000回、後者が100回)有利度が異なっていたが、これらいずれの遊技状態でも設定される時短回数を同一とすることで(たとえば、100回)同じ有利度にしてもよい。
また、いずれの遊技状態も普図遊技の性能は同一となっていたが、いずれか一方の普図遊技の性能が、いずれか他方よりも高くなるように設定してもよい。
【0591】
本形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選により時短付与に当選可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短図柄が決定され時短遊技状態を設定可能となるように設定されていたが、当否抽選においては時短付与の当選という抽選結果が導出されないようにするとともに、ハズレとなった場合に複数のハズレ図柄の中からいずれかを決定し、決定されたハズレ図柄の種類に応じて、時短遊技状態の設定の有無を決定し得るようにしてもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短図柄を設けて時短遊技状態を設定するのではなく、ハズレとなった場合に決定し得る特定のハズレ図柄を時短図柄として代用し、特定のハズレ図柄が決定された場合に、時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合に決定されるハズレ図柄として、ハズレ図柄ZA1、ハズレ図柄ZA2、ハズレ図柄ZA3等を設け、ハズレ図柄ZA1が決定されたときに時短遊技状態JT1が設定され、ハズレ図柄ZA2が決定されたときに時短遊技状態JT2が設定され、ハズレ図柄ZA3が決定されたときにはいずれの時短遊技状態も設定されないようにしてもよい。
なお、時短遊技状態を設定するタイミングは、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)としてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、時短図柄に関するデータが不要となるため、メインROM102等のハードウェア資源に対する負荷を軽減することができる。
【0592】
本形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選により大当たりに当選した場合には、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が設定され得るようになっていたが、これに限定されるものではなく、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後には高確率時短遊技状態は設定されず、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2が設定され得るようにしてもよい。
また、当否抽選により大当たり以外に小当たりに当選可能となるように設定し、大当たりの当選となった場合のみならず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技において大入賞口内に設けられた特別領域へ遊技球が進入した場合にも、特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)し、特別遊技の終了後は、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2が設定され得るようにしてもよい。
そして、以上のようにした場合においても、本形態に係るパチンコ機Pと同様に、通常遊技状態から時短付与の当選に基づき低確率時短遊技状態LJT1へ移行可能とし、通常遊技状態からは相対的に有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2(たとえば、時短回数10000回)へ移行可能であるものの、低確率時短遊技状態LJT1からは相対的に有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2へは移行できないようにすることで、RAMクリア後等に設定される通常遊技状態がチャンスゾーン的な位置付けになるという遊技性を付与してもよい。
【0593】
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機においては、当否抽選により小当たりに当選し当該当選に基づく小当たり遊技について、本形態における特別遊技の場合と同様の差球作動停止制御が実行されるようにしてもよい。
具体的には、差球カウント値が第1基準値に到達すると発動警告状態が設定されるとともに、差球カウント値が第2基準値に到達した際に小当たり遊技が実行されていた場合には発動予告状態が設定され、特別領域へ遊技球が進入することなく実行中の小当たり遊技が終了したときには当該小当たり遊技が終了すると発動状態が設定され、小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入し小当たり遊技の終了後に特別遊技が実行されたときには当該特別遊技が終了すると発動状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、小当たり遊技中や小当たり遊技を介して実行される特別遊技中に差球カウント値が第2基準値に到達しても、これらの小当たり遊技や特別遊技が終了するまで遊技が進行するため、遊技者の興趣を持続させることができる。
なお、発動予告状態が設定された場合に、実行中の小当たり遊技が終了すると、小当たり遊技中における特別領域への遊技球の進入の有無にかかわらず常に発動状態が設定されるようにしてもよい。
【0594】
本形態に係るパチンコ機Pでは、差球数に基づいて差球作動停止制御を実行していたが、これに限定されるものではない。たとえば、払い出された賞球の累計数(すなわち、獲得賞球数)に基づいて、本形態の差球作動停止制御と同様の制御を実行するようにしてもよい。たとえば、獲得賞球数が警告実行個数(遊技が停止することとなる作動停止個数よりも所定個数(たとえば5000個)少ない獲得賞球数)に到達すると発動警告状態が設定され、獲得賞球数が作動停止個数(遊技が停止することとなる獲得賞球数)に到達し当該到達の際に特別遊技が実行されていたときには発動予告状態が設定され、当該特別遊技が終了するか又は獲得賞球数が作動停止個数に到達した際に特別遊技が実行されていなかったときには発動状態が設定されるようにしてもよい。また、特別遊技中や高確率時短遊技状態中に表示される獲得賞球数については、遊技が停止することとなる作動停止個数については表示されないようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0595】
本形態では、パチンコ機Pの制御状態として、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態及び遊技可能状態の4つが設けられ、差球カウント値が第2基準値に到達することに基づいて設定される発動状態は、遊技可能状態における一の状態として各種制御を行っていたが、これに限定されるものではない。たとえば、パチンコ機Pの制御状態として、上記4つの他に発動状態を設け、この発動状態を、遊技可能状態とは別個に設定され得る制御状態として、本形態と同様の各種制御を行うようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0596】
本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100によりパチンコ機Pの外部(ホールコンピュータや外部表示装置等)に対して出力可能な外部信号として、入賞信号や大当たり信号が設けられていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中、低確率時短遊技状態LTJ1中における大当たりの当選に基づいて特別遊技が開始されてから、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了し通常遊技状態が設定されるまで継続して出力可能な特定外部信号を設けてもよい。
具体的には、メインCPU101は、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技が開始されると、パチンコ機Pの外部へ特定外部信号の出力を開始する。その後、特別遊技の終了後における時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態の設定、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返し行われている間、メインCPU101は、パチンコ機Pの外部へ特定外部信号を出力し続ける。そして、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了すると(大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示の回数が時短回数(高確回数)に到達すると)、メインCPU101は、パチンコ機Pの外部への特定外部信号の出力を終了するようにしてもよい。
このようにすることで、遊技球の消費を抑えつつ遊技が進行する低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態を介して連続して特別遊技が実行されており、遊技者により獲得される賞球の数が増加し易い状態(以下、連チャン継続状態ともいう)である旨を、ホールコンピュータ等においても確実に認識させることができる。また、たとえば、外部表示装置においては、連チャン継続状態である旨を表示することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0597】
なお、特定外部信号の出力を終了する時点としては、上述の内容に限定されるものではない。たとえば、メインCPU101は、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も、特定外部信号の出力を継続し、この通常遊技状態中に時短図柄J1が決定されることによりこの通常遊技状態が終了すると(低確率時短遊技状態LJT1が設定されると)、特定外部信号の出力を終了するようにしてもよい。そして、この通常遊技状態中に大当たりに当選した場合や、時短図柄J2が決定されることによりこの通常遊技状態が終了した場合(低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合)には、特定外部信号の出力を継続してもよい。
上述したように、通常遊技状態は遊技者にとって有利な低確率時短遊技状態LJT2へ移行する可能性のあるチャンスゾーン的な位置付けとなっているところ、上述の如く、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続することで、この通常遊技状態中も、連チャン継続状態であるとホールコンピュータ等に認識させることができる。そして、外部表示装置では、上述の通常遊技状態中においても連チャン継続状態である旨を表示することができるため、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0598】
また、上述したように、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合であっても、RAMクリア後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行わないようにしてもよい。すなわち、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行うものの、RAMクリア後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行わないようにしてもよい。
このようにすることで、RAMクリア後であるにもかかわらず、連チャン継続状態であると遊技者に誤解させるような事態を防止することができる。
【0599】
また、上述したように、主に第1始動入賞口15へ遊技球が入球する通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われ、主に第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中には、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われるとともに、特別遊技中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示、及び、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示のいずれも行われないようになっている。
ここで、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合、当該通常遊技状態中には、第1特図乱数の保留を示唆する表示が行われないようにしてもよい。
このようにした場合には、通常遊技状態中であることを遊技者に認識させ難くすることができ、連チャン継続状態である旨を遊技者に強く印象付けることができる。
【0600】
また、特定外部信号の出力は、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中における大当たりの当選に基づいて特別遊技が開始されたことによって開始するのみならず、通常遊技状態中に時短図柄J2が決定され、当該決定に基づいて時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定されたことによって開始するようにしてもよい。
具体的には、メインCPU101は、通常遊技状態中に時短図柄J2が決定され、当該決定に基づいて時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、特定外部情報の出力を開始する。大当たりに当選することなく、この低確率時短遊技状態LJT2が終了すると(大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示の回数が時短回数に到達すると)、メインCPU101は、特定外部信号の出力を終了する。これに対して、上述の低確率時短遊技状態LJT2中に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技が実行された場合には、特別遊技の終了後における時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態の設定、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返し行われている間、メインCPU101は、特定外部信号を出力し続ける。そして、大当たりに当選することなく、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了すると、メインCPU101は、特定外部信号の出力を終了するようにしてもよい。
【0601】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態中(通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中)における第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく当否抽選、及び、高確率遊技状態中(高確率時短遊技状態中)における第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく当否抽選のいずれにおいても、大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっており、時短付与の当選となる確率はおよそ1/20に設定されていたが、これに限定されるものではなく、以下の他の設定例のようにしてもよい。
【0602】
(他の設定例)
以下、他の設定例について詳述する。
他の設定例においては、
図70に示すように、当否乱数判定テーブル110として、低確率遊技状態中の第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される乱数)に基づく当否抽選において参照される第1低確率判定テーブル110a1と、低確率遊技状態中の第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される乱数)に基づく当否抽選において参照される第2低確率判定テーブル110a2と、高確率遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選において参照される第1高確率判定テーブル110b1と、高確率遊技状態中の第2特図乱数に基づく当否抽選において参照される第2高確率判定テーブル110b2と、が設けられている。そして、第1低確率判定テーブル110a1においては、大当たりの当選と判定される当否乱数以外は全て、時短付与の当選と判定されるように設定されており、第2低確率判定テーブル110a2、第1高確率判定テーブル110b1及び第2高確率判定テーブル110b2においては、大当たりの当選と判定される当否乱数以外は全て、ハズレと判定されるように設定されている。
すなわち、他の設定例では、低確率遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選において、大当たりの当選又は時短付与の当選の抽選結果のみ導出される。換言すれば、大当たりに当選しなかった場合には必ず時短付与に当選し、ハズレとはならないようになっている。
また、低確率時短遊技状態中の第2特図乱数に基づく当否抽選、高確率遊技状態中の第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく当否抽選においてはいずれも、大当たりの当選又はハズレの抽選結果のみ導出される。換言すれば、大当たりに当選しなかった場合には必ずハズレとなり、時短付与には当選しないようになっている。
【0603】
他の設定例においては、
図71に示すように、特別図柄乱数判定テーブル111として、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111a1と、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111b1と、が設けられている。
そして、
図71(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111a1においては、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、大当たりの当選となった場合には大当たり図柄X1、X2又はX3のいずれかが決定され、時短付与の当選となった場合には時短図柄J1又はJ2のいずれかが決定されるように設定されている。
また、
図71(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111b1においては、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、大当たりの当選となった場合には大当たり図柄X4、X5又はX6のいずれかが決定されるように設定されている、また、ハズレとなった場合にはハズレ図柄Z2が決定されるように設定されている。
また、上述の各大当たり図柄が決定された場合に実行される特別遊技の仕様、特別遊技の終了後に設定される遊技状態の種類及び仕様、時短図柄の決定に基づいて設定される遊技状態の種類及び仕様等は、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に設定されている。
【0604】
以上のように設定したことで、他の設定例においては、上述の大当たり図柄や時短図柄の決定に基づき、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様の遊技状態の遷移が行われる。
ここで、上述したように、低確率遊技状態中の第2特図乱数に基づく当否抽選においては時短付与に当選しない。そのため、大当たりに当選することなく低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された際に、低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中に取得された第2特図乱数が記憶されていたとしても、この第2特図乱数に基づいて時短図柄が決定されることはなく、ひいては時短図柄の決定に基づく時短遊技状態の設定が行われることはない。
【0605】
また、上述したように、低確率遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選においては、ハズレとはならず、大当たり又は時短付与のいずれかに当選する。また、低確率遊技状態中に大当たりに当選する確率はおよそ1/300であることから、極めて高い確率(およそ299/300)で時短付与に当選するようになっている。
したがって、RAMクリア後に通常遊技状態が設定されると、この通常遊技状態の設定後における第1特図乱数に基づく1回目の当否抽選によりほぼ時短付与に当選し、時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定されるか、又は、時短図柄J2の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
また、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されると、第2特図乱数が記憶されていなかった場合には、この通常遊技状態の設定後における第1特図乱数に基づく1回目の当否抽選によりほぼ時短付与に当選し、時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定されるか、又は、時短図柄J2の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT2が設定される。一方、第2特図乱数が記憶されていた場合には、大当たりに当選することなくこの第2特図乱数に基づく当否抽選が終了した後における第1特図乱数に基づく1回目の当否抽選によりほぼ時短付与に当選し、時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定されるか、又は、時短図柄J2の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
【0606】
このように、他の設定例では、通常遊技状態の設定後の第1特図乱数による1回目の当否抽選において、大当たりに当選しない限りは時短付与に当選し、低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2が設定される。すなわち、通常遊技状態が設定された後に第1特図乱数による当否抽選が行われると、極めて高い確率で低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2のいずれかが設定される。
したがって、通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選においてのみ、有利な低確率時短遊技状態LJT2の設定が可能となる時短付与の当選という抽選結果が導出される可能性があるため、当該当否抽選に対する遊技者の興趣を高めることができるとともに、遊技性を向上させることができる。
【0607】
また、他の設定例においても、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、外部信号として特定外部信号を出力するようにしてもよい。
たとえば、この特定外部信号は、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中における大当たりの当選に基づいて特別遊技が開始されてから、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了し通常遊技状態が設定され、当該通常遊技状態の設定後の第1特図乱数による1回目の当否抽選が行われることにより低確率時短遊技状態LJT1が設定されるまで、継続して出力されるようにしてもよい。
【0608】
具体的には、メインCPU101は、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技が開始されると、特定外部信号の出力を開始する。その後、特別遊技の終了後における時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態の設定、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返し行われている間、メインCPU101は、特定外部信号を出力し続ける。そして、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定され、当該通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選において時短付与に当選し、時短図柄J1が決定されることにより通常遊技状態が終了し低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、メインCPU101は、特定外部信号の出力を終了する。
なお、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された際に第2特図乱数が記憶されており、当該第2特図乱数により大当たりに当選した場合には、メインCPU101は、特定外部信号の出力を継続する。また、上述の通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選において時短付与に当選し、時短図柄J2が決定されることにより通常遊技状態が終了し時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合にも、メインCPU101は、特定外部信号の出力を継続する。さらに、上述の通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選において大当たりに当選した場合にも、メインCPU101は、特定外部信号の出力を継続する。
【0609】
以上のようにした場合には、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も、連チャン継続状態であるとホールコンピュータ等に認識させることができる。そして、外部表示装置では、上述の通常遊技状態中においても連チャン継続状態である旨を表示することができるため、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0610】
また、上述のように、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合であっても、RAMクリア後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行わないようにしてもよい。すなわち、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行うものの、RAMクリア後に設定される通常遊技状態中は特定外部信号の出力を行わないようにしてもよい。
このようにすることで、RAMクリア後であるにもかかわらず、連チャン継続状態であると遊技者に誤解させるような事態を防止することができる。
【0611】
また、他の設定例においても、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、主に第1始動入賞口15へ遊技球が入球する通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われ、主に第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中には、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示が行われるとともに、特別遊技中には、第1特図乱数の保留を示唆する保留表示、及び、第2特図乱数の保留を示唆する保留表示のいずれも行われないように設定されている。
ここで、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合、当該通常遊技状態中には、第1特図乱数の保留を示唆する表示が行われないようにするとともに、当該通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選において時短付与に当選し、時短図柄J1が決定されることにより通常遊技状態が終了し低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、第1特図乱数の保留を示唆する表示が行われるようにしてもよい。
また、RAMクリア後に設定される通常遊技状態中には、第1特図乱数の保留を示唆する表示が行われるようにしてもよい。
このようにした場合には、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中であることを遊技者に認識させ難くすることができ、連チャン継続状態である旨を遊技者に印象付けることができる。
【0612】
また、他の設定例においても、通常遊技状態が設定されると、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す左打ち示唆(演出表示装置21の表示部21aにおける「←←←左打ち」という左打ち示唆画像の表示、右打ち報知ランプRLの消灯)が行われるようになっている。
ここで、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合において、当該通常遊技状態が設定されると右打ち報知ランプRLの消灯を行うのに対し、当該通常遊技状態が設定された時点で第1特図乱数が記憶されていなかったときには、この時点で左打ち示唆画像の表示を行い、当該通常遊技状態が設定された時点で第1特図乱数が記憶されていたときには、この時点では左打ち示唆画像の表示は行わず、当該第1特図乱数による当否抽選において時短付与に当選し、時短図柄J1が決定されることにより通常遊技状態が終了し低確率時短遊技状態LJT1が設定された時点で左打ち示唆画像の表示を行うようにしてもよい。
また、RAMクリアに基づき通常遊技状態が設定された場合には、この時点で左打ち示唆画像の表示を行うようにしてもよい。
このようにした場合には、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了して通常遊技状態が設定されても、第1特図乱数が記憶されていたときには、遊技者が最も注目する演出表示装置21の表示部21aにおいて左打ち示唆画像が表示されないことから、当該通常遊技状態中であることを遊技者に認識させ難くすることができ、連チャン継続状態である旨を遊技者に印象付けることができる。
【0613】
また、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中も特定外部信号の出力を継続するようにした場合には、当該通常遊技状態が設定された際に記憶されていた第2特図乱数に基づく変動演出中、及び、当該通常遊技状態の設定後における第1特図乱数に基づく1回目の変動演出中は、通常遊技状態に対応する第1背景画像を表示するのではなく、当該第1背景画像と異なる背景画像であって、通常遊技状態が設定されている旨を遊技者が認識し難い特殊背景画像が表示されるようにするのが望ましい。また、いずれの変動演出も、同一の態様(たとえば、後述のボタン押下操作演出が実行される特殊パターンA(
図86(b)及び(c)等参照)等)により行うようにするのが望ましい。
このようにした場合にも、大当たりに当選することなく時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了した後に設定される通常遊技状態中であることを遊技者に認識させ難くすることができ、連チャン継続状態である旨を遊技者に印象付けることができる。
【0614】
なお、特定外部信号の出力を終了する時点としては、上述の内容に限定されるものではない。たとえば、メインCPU101は、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されると、特定外部信号の出力を終了するようにしてもよい。
【0615】
また、他の設定例においても、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、通常遊技状態中、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中又は低確率時短遊技状態LJT1中における大当たりの当選に基づいて特別遊技が開始されたことによって、特定外部信号の出力を開始するのみならず、通常遊技状態中に時短図柄J2が決定され、当該決定に基づいて時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定されたことによっても、特定外部信号の出力を開始するようにしてもよい。
【0616】
(第2形態)
以下、第2形態を、図面を参照しつつ説明する。この説明にあたっては、上述した第1形態と同様の構成には、同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
本形態に係るパチンコ機Pは、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に後述する特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【0617】
本形態に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、アタッカー装置17以外、第1態様と同一となっている。
本形態のアタッカー装置17は、第1形態における特定領域57の代わりに、当該特定領域57と構造及び設置位置は同一であるものの機能が異なる特別領域を備えている点で第1形態のアタッカー装置17と異なるものの、これ以外は第1形態のアタッカー装置17と同一の構造(転道路51、上側通路52、下側通路53、一般領域58、振り分け部材59等を具備)となっている。
【0618】
そして、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、大入賞口18が開放し遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。しかし、特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。同様に、後述する所定の小当たり図柄(後述するY5、Y6、Y7、Y8、Y9)以外の小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、所定の小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、所定の小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、当該小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入する。そして、小当たり遊技中に特別領域へ所定個数の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行されるようになっている。
【0619】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、当該大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定可能な遊技状態として、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT2が設けられており、いずれかの遊技状態が設定されて遊技が進行するようになっている。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの遊技状態においても常に低確率遊技状態が設定される。したがって、いずれの遊技状態であっても、当否抽選における大当たりの当選の確率は変化することはなく常に同一となる。
また、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度は、第1形態と同様になっている。すなわち、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間はいずれも、第1形態と同様に設定されている(
図14~
図16参照)。
なお、工場出荷直後や、異常時初期化処理や通常初期化処理の実行後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0620】
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)を行わせるようになっている。すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっている。
【0621】
ここで、本形態におけるメインRAM103の保留記憶領域は、第1記憶部から第8記憶部までの計8つの記憶部から構成されており、第1特図乱数及び第2特図乱数を計8組記憶可能となっている。
第1特図乱数及び第2特図乱数は、各始動入賞口への入球順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15→第1始動入賞口15→第2始動入賞口16の順に、遊技球が入球した場合には、1番目の第1始動入賞口15への入球に係る第1特図乱数が第1記憶部に記憶され、2番目の第1始動入賞口15への入球に係る第1特図乱数が第2記憶部に記憶され、3番目の第2始動入賞口16への入球に係る第2特図乱数が第3記憶部に記憶されることとなる。既にいくつかの記憶部に上述の乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に上述の乱数が記憶されるようになっている。
ただし、保留記憶領域に記憶可能な第1特図乱数の組数及び第2特図乱数の組数は、それぞれ4組までとなっている。そのため、保留記憶領域に既に4組の第1特図乱数が記憶されている場合に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても、この入球に係る第1特図乱数は保留記憶領域に記憶されない。同様に、保留記憶領域に既に4組の第2特図乱数が記憶されている場合に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても、この入球に係る第2特図乱数は保留記憶領域に記憶されない。
【0622】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態と異なり、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理されるようになっている。たとえば、特別図柄の変動表示を開始する際に第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されていた場合において、第2特図乱数よりも先に第1特図乱数が保留記憶領域に記憶されていたときには、まず第1特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われ、当該変動表示が終了すると、次に第2特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われる。
【0623】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図72に示すように、当否乱数判定テーブル110として、第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される乱数)に基づく当否抽選において参照される第1低確率判定テーブル110cと、第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される乱数)に基づく当否抽選において参照される第2低確率判定テーブル110dと、を備えている。
【0624】
図72(a)に示すように、第1低確率判定テーブル110cによれば、当否乱数が1000~1328であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~6368であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が12000~14183であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1329~1999、6369~11999、14184~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1低確率判定テーブル110cにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/199、小当たりの当選の確率はおよそ1/15、時短付与の当選の確率はおよそ1/30となる。
【0625】
図72(b)に示すように、第2低確率判定テーブル110dによれば、当否乱数が1000~1328であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~11361であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が12000~14183であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1329~1999、11362~11999、14184~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2低確率判定テーブル110dにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/199、小当たりの当選の確率はおよそ1/7、時短付与の当選の確率はおよそ1/30となる。
【0626】
本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりに当選していない(以下、小当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の非当選が導出された場合にハズレとなる。
【0627】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、
図73に示すように、特別図柄乱数判定テーブル111として、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111cと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111dと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、12種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12)、小当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄ともいう)として9種類の小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9)、3種類の時短図柄(J1、J2、J3)が設けられている。また、第1形態と同様に、2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0628】
図73(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111cによれば、上述の当否抽選により大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~31であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が32~63であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が64~98であったときに大当たり図柄X3が決定され、特別図柄乱数が99~130であったときに大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が131~163であったときに大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が164~199であったときに大当たり図柄X6が決定される。この第1始動入賞口判定テーブル111cにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される確率は49%、大当たり図柄X4、X5又はX6が決定される確率は51%となっている。
また、上述の当否抽選により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~49であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が50~99であったときに小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が100~149であったときに小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が150~199であったときに小当たり図柄Y4が決定される。この第1始動入賞口判定テーブル111cにおいては、小当たりの当選となった場合に、小当たり図柄Y1又はY2が決定される確率は50%、小当たり図柄Y3又はY4が決定される確率は50%となっている。
また、上述の当否抽選により時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~179であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が180~199であったときに時短図柄J2が決定される。この第1始動入賞口判定テーブル111cにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は90%、時短図柄J2が決定される確率は10%となっている。
さらに、上述の当否抽選によりハズレとなると、ハズレ図柄Z1が決定される。
【0629】
図73(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111dによれば、上述の当否抽選により大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~31であったときに大当たり図柄X7が決定され、特別図柄乱数が32~63であったときに大当たり図柄X8が決定され、特別図柄乱数が64~98であったときに大当たり図柄X9が決定され、特別図柄乱数が99~130であったときに大当たり図柄X10が決定され、特別図柄乱数が131~163であったときに大当たり図柄X11が決定され、特別図柄乱数が164~199であったときに大当たり図柄X12が決定される。この第2始動入賞口判定テーブル111dにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X7、X8又はX9が決定される確率は49%、大当たり図柄X10、X11又はX12が決定される確率は51%となっている。
また、上述の当否抽選により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~49であったときに小当たり図柄Y5が決定され、特別図柄乱数が50~99であったときに小当たり図柄Y6が決定され、特別図柄乱数が100~149であったときに小当たり図柄Y7が決定され、特別図柄乱数が150~179であったときに小当たり図柄Y8が決定され、特別図柄乱数が180~199であったときに小当たり図柄Y9が決定される。この第2始動入賞口判定テーブル111dにおいては、小当たりの当選となった場合に、小当たり図柄Y5又はY6が決定される確率は50%、小当たり図柄Y7、Y8又はY9が決定される確率は50%となっている。
また、上述の当否抽選により時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに時短図柄J3が決定される。この第2始動入賞口判定テーブル111dにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J3が決定される確率は100%となっている。
さらに、上述の当否抽選によりハズレとなると、ハズレ図柄Z2が決定される。
【0630】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいても、第1形態と同様に、特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて、特別図柄の変動時間や変動演出の態様等が定められた変動パターンに対応する変動パターンコマンドが決定されるとともに、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄が停止表示する時間である停止表示時間(いわゆる図柄確定時間)が決定されるようになっている。
【0631】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図74に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6の決定に基づく特別遊技において参照される第1作動テーブル112dと、大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12の決定に基づく特別遊技、或いは、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技を介して実行される特別遊技において参照される第2作動テーブル112eと、小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4の決定に基づく小当たり遊技において参照される第3作動テーブル112fと、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技において参照される第4作動テーブル112gと、を備えている。
【0632】
図74(a)に示すように、第1作動テーブル112dによれば、第1特図乱数による当否抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたことにより実行される特別遊技においては、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が計3回実行されるように設定されている。また、いずれのラウンド遊技においても大入賞口18が1回のみ開放され(29.0秒の開放が1回実行され)、各ラウンド遊技間のインターバル時間はいずれも2.0秒に設定されている。さらに、いずれのラウンド遊技中も振り分け部材59は第1位置に停留する。
【0633】
図74(b)に示すように、第2作動テーブル112eによれば、第2特図乱数による当否抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定されたことにより実行される特別遊技、或いは、第2特図乱数による当否抽選で小当たりに当選し、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入したことにより実行される特別遊技においては、上述の第1作動テーブル112dと同一の条件で終了するラウンド遊技が計10回実行されるように設定されている。ラウンド遊技中の開閉扉18bの開閉パターン及び振り分け部材59の作動態様、インターバル時間も、第1作動テーブル112dと同一の内容に設定されている。
【0634】
図74(c)に示すように、第3作動テーブル112eによれば、第1特図乱数による当否抽選で小当たりに当選し、小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.05秒間の開放が1回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。また、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第1位置に停留する。
すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が0.05秒しか開放されない。そのため、この小当たり遊技中に、いわゆる右打ちを行ったとしても、遊技球を大入賞口18へ入球させることは極めて困難となっている。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第1位置に停留することから、大入賞口18へ遊技球が入球したとしても、この遊技球が特別領域へ進入することはない。
【0635】
図74(d)に示すように、第4作動テーブル112fによれば、第2特図乱数による当否抽選で小当たりに当選し、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.9秒間の開放が2回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。また、1回目の開放が終了してから2回目の開放が開始されるまでの間の大入賞口18の閉鎖時間は0.6秒に設定されている。さらに、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第2位置に停留する。
すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が合計1.8秒開放される。そのため、この小当たり遊技中に、いわゆる右打ちを行っていれば遊技球を大入賞口18へ入球させることができる。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第2位置に停留することから、大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域へ進入する。
したがって、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選した場合には、いわゆる右打ちを行っていれば、当該当選に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入するため、当該進入に基づき上述の特別遊技(
図74(b)参照)が実行されることとなる。
【0636】
(設定される遊技状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄の決定(大当たりの当選)に基づき特別遊技が実行された場合には、決定された大当たり図柄の種類に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0637】
また、小当たり図柄の決定(小当たりの当選)に基づき小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき特別遊技が実行された場合には、決定された小当たり図柄の種類に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入可能となっているため、これらの小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し、特別遊技が実行されると、当該特別遊技の終了後には、決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される。
なお、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入せず、特別遊技が実行されなかった場合には、上述の処理は行われない。本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4の決定に基づく小当たり遊技中には遊技球が特別領域へ進入不可となっており、これらの小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入せず、特別遊技は実行されない。また、小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技中に、たとえば右打ちを行わなかったために大入賞口18へ遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数の遊技球が特別領域へ進入しないことから、特別遊技は実行されない。これらのときには、上述の処理は行われない。
【0638】
また、非時短遊技状態(通常遊技状態)において、時短図柄が決定されて(時短付与に当選した)当該時短図柄が停止表示された場合には、決定された時短図柄の種類に応じて、当該時短図柄の停止表示後(当該時短図柄の変動表示の終了後)の遊技状態が設定される。これに対して、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2))において時短図柄が決定されて当該時短図柄が停止表示された場合には、当該時短図柄の停止表示後に、当該時短図柄の決定に基づく新たな遊技状態は設定されず、当該時短図柄の決定時(当否抽選の実行時)に設定されていた遊技状態が維持されるようになっている。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中又は低確率時短遊技状態LJT2中に時短付与に当選し時短図柄が停止表示されても、当該当選に基づく時短遊技状態が改めて設定されることはなく、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【0639】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、
図75に示すように、遊技状態設定テーブル113として、第1特図乱数により大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定されたことに基づく特別遊技の終了後、或いは、第2特図乱数により大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定されたことに基づく特別遊技の終了後の遊技状態の設定内容を定めた第1遊技状態設定テーブル113eと、第1特図乱数により大当たりに当選し大当たり図柄X4、X5又はX6が決定されたことに基づく特別遊技の終了後、第2特図乱数により大当たりに当選し大当たり図柄X10、X11又はX12が決定されたことに基づく特別遊技の終了後、或いは、第2特図乱数により小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技を介して実行される特別遊技の終了後の遊技状態の設定内容を定めた第2遊技状態設定テーブル113fと、非時短遊技状態において第1特図乱数により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたことに基づいて設定される遊技状態の設定内容を定めた第3遊技状態設定テーブル113gと、非時短遊技状態において第1特図乱数により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されるか、又は、非時短遊技状態において第2特図乱数により時短付与に当選し時短図柄J3が決定され当該時短図柄J3が停止表示されたことに基づいて設定される遊技状態の設定内容を定めた第4遊技状態設定テーブル113hと、を備えている。
【0640】
図75(a)に示すように、設定中の遊技状態にかかわらず、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合、或いは、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態、かつ非時短遊技状態に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
【0641】
図75(b)に示すように、設定中の遊技状態にかかわらず、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X4、X5又はX6が決定された場合、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X10、X11又はX12が決定された場合、或いは、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9の決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、これらに基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態、かつ時短遊技状態JT2に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短回数として第1時短回数及び第2時短回数の2種類が設定されるようになっており、上述の低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、第1時短回数に6回、第2時短回数に11回が設定される。
なお、以下では、上述の特別遊技の終了後に設定される低確率時短遊技状態LJT2(第1時短回数に6回、第2時短回数に11回が設定される低確率時短遊技状態LJT2)を、低確率時短遊技状態LJT2-Aともいうものとする。
【0642】
低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定された場合には、当該遊技状態の設定後、(1)特別遊技が実行されることなく、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄(以下、第2特図ともいう)の変動回数が第1時短回数(6回)に到達したか(第2特図乱数による当否抽選の結果が6回導出されたか)、(2)特別遊技が実行されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄(以下、第1特図ともいう)の変動回数及び第2特図の変動回数の合計が第2時短回数(11回)に到達したか(第1特図乱数による当否抽選の結果及び第2特図乱数による当否抽選の結果が合計11回導出されたか)、又は、(3)特別遊技が実行されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき決定され得る小当たり図柄Y1又はY2の決定回数が終了決定回数に到達した、といういずれかの時短終了条件が成立するまで、低確率時短遊技状態LJT2-Aが継続する。なお、低確率時短遊技状態LJT2-Aでは、上述の終了決定回数として、第1保留数の上限数(4個)よりも多い5回が設定される。
【0643】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域として、第1時短回数記憶領域及び第2時短回数記憶領域を備えており、第1時短回数記憶領域には、上述の第1時短回数が0となるまでの残りの特別図柄の変動回数(以下、第1残変動回数ともいう)が記憶され、第2時短回数記憶領域には、上述の第2時短回数が0となるまでの残りの特別図柄の変動回数(以下、第2残変動回数ともいう)が記憶される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に終了決定回数記憶領域が設けられており、この終了決定回数記憶領域には、上述の終了決定回数が0となるまでの残りの小当たり図柄の決定回数(以下、残小当たり決定回数ともいう)が記憶される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-A中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第1時短回数記憶領域に記憶されている第1残変動回数及び第2時短回数記憶領域に記憶されている第1残変動回数の両方が更新され、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数のみ更新される。また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり決定回数が更新される。
そして、これらの処理が行われた結果、上述のいずれかの時短終了条件が成立すると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
【0644】
図75(c)に示すように、非時短遊技状態(通常遊技状態)において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J1の変動表示が終了した時点(時短図柄J1が停止表示された時点)で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更される。すなわち、当該時短図柄J1の変動表示が終了すると、この終了時点で(すなわち、停止表示時間が経過する前に)低確率時短遊技状態LJT1が設定される。
また、上述の低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、第1時短回数に300回、第2時短回数に305回が設定される。
【0645】
低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には、当該遊技状態の設定後、(1)特別遊技が実行されることなく、第1特図の変動回数が第1時短回数(300回)に到達したか(第1特図乱数による当否抽選の結果が300回導出されたか)、(2)特別遊技が実行されることなく、第1特図の変動回数及び第2特図の変動回数の合計が第2時短回数(305回)に到達したか(第1特図乱数による当否抽選の結果及び第2特図乱数による当否抽選の結果が合計305回導出されたか)、又は、(3)特別遊技が実行されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき決定され得る小当たり図柄Y1又はY2の決定回数が終了決定回数に到達した、といういずれかの時短終了条件が成立するまで、低確率時短遊技状態LJT1が継続する。なお、低確率時短遊技状態LJT1では、上述の終了決定回数として、第1保留数の上限数(4個)よりも少ない1回が設定される。
【0646】
また、低確率時短遊技状態LJT1中は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第1時短回数記憶領域に記憶されている第1残変動回数及び第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数の両方が更新され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数のみ更新される。また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり決定回数が更新される。
そして、これらの処理が行われた結果、上述のいずれかの時短終了条件が成立すると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT1が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
【0647】
図75(d)に示すように、非時短遊技状態(通常遊技状態)において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示された場合、又は、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J3が決定され当該時短図柄J3が停止表示された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J2又はJ3の変動表示が終了した時点(時短図柄J2又はJ3が停止表示された時点)で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更される。すなわち、当該時短図柄J2又はJ3の変動表示が終了すると、この終了時点で(停止表示時間が経過する前に)低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
また、上述の低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、第1時短回数に1回、第2時短回数に6回が設定される。
なお、以下では、上述の時短図柄の停止表示後に設定される低確率時短遊技状態LJT2(第1時短回数に1回、第2時短回数に6回が設定される低確率時短遊技状態LJT2)を、低確率時短遊技状態LJT2-Bともいうものとする。
【0648】
低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定された場合には、当該遊技状態の設定後、(1)特別遊技が実行されることなく、第2特図の変動回数が第1時短回数(1回)に到達したか(第2特図乱数による当否抽選の結果が1回導出されたか)、(2)特別遊技が実行されることなく、第1特図の変動回数及び第2特図の変動回数の合計が第2時短回数(6回)に到達したか(第1特図乱数による当否抽選の結果及び第2特図乱数による当否抽選の結果が合計6回導出されたか)、又は、(3)特別遊技が実行されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき決定され得る小当たり図柄Y1又はY2の決定回数が終了決定回数に到達した、といういずれかの時短終了条件が成立するまで、低確率時短遊技状態LJT2-Bが継続する。なお、低確率時短遊技状態LJT2-Bでは、上述の終了決定回数として、第1保留数の上限数(4個)よりも多い5回が設定される。
【0649】
また、低確率時短遊技状態LJT2-B中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第1時短回数記憶領域に記憶されている第1残変動回数及び第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数の両方が更新され、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数のみ更新される。また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、当該特別図柄の変動表示が終了した時点で、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり決定回数が更新される。
そして、これらの処理が行われた結果、上述のいずれかの時短終了条件が成立すると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
【0650】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、左打ちが行われる低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図乱数に基づく当否抽選で時短付与の当選となる場合があり、また、可能性は低いものの、第2特図乱数に基づく当否抽選で時短付与の当選となる場合もある。
また、右打ちが行われる低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいて、第2特図乱数に基づく当否抽選で時短付与の当選となる場合があり、また、第1特図乱数に基づく当否抽選で時短付与の当選となる場合もある。
このように、通常遊技状態以外の遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-B)においても、第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく当否抽選で時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定されこれらの時短図柄が停止表示される場合があるが、この場合には、設定中の遊技状態がそのまま継続する。
【0651】
(時短遊技状態の終了条件(時短終了条件)について)
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、大当たりに当選する確率は同一であり、第2遊技状態12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない。これらの遊技状態中は、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。
通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中に第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される乱数)による当否抽選に基づき大当たりに当選した場合には、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され得るようになっている。
また、通常遊技状態中に、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示された場合には、その後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2-Bのいずれかに設定される。一方、低確率時短遊技状態LTJ1中に、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示されても、遊技状態は変更されることなくその後も低確率時短遊技状態LJT1が継続する。
【0652】
低確率時短遊技状態LJT2-A中及び低確率時短遊技状態LJT2-B中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中と同一となっているものの、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。これらの遊技状態中は、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第2始動入賞口16へ入球する可能性がある。
第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される乱数)による当否抽選に基づき大当たりに当選した場合には、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され得るようになっている。また、小当たりに当選した場合には、小当たり遊技を介して10回のラウンド遊技が行われる特別遊技を実行可能となり、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され得るようになっている。
すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-A中及び低確率時短遊技状態LJT2-B中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球により、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるとともに、大当たりの当選のみならず小当たりの当選に基づき特別遊技が実行可能となり、さらには、当該特別遊技においては、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりの当選となった場合の特別遊技中よりも多い回数のラウンド遊技が行われるため、通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態となっている。
そして、上述したように、通常遊技状態中に、時短付与に当選し時短図柄が停止表示された場合には、低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2-Bのいずれかが設定されるものの、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行した後は、当該低確率時短遊技状態LJT1中に、時短付与に当選し時短図柄が停止表示されても、低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定されることはない。したがって、時短付与の当選及び時短図柄の停止表示により低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され得る通常遊技状態の方が、低確率時短遊技状態LJT1中よりも有利な遊技状態となっている。これにより、第1形態と同様に、低確率時短遊技状態LJT1に移行する前の通常遊技状態がチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0653】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bは、第1特図の変動回数や第2特図の変動回数のみならず、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき決定され得る小当たり図柄Y1又はY2の決定回数によっても終了するようになっている。すなわち、小当たり図柄Y1又はY2の決定回数が、時短遊技状態の終了条件(時短終了条件)として設定されている。
これにより、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了し、チャンスゾーン的な位置付けの通常遊技状態が設定される契機が増えるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0654】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1が終了することとなる小当たり図柄Y1又はY2の決定回数(終了決定回数:1回)と、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了することとなる小当たり図柄Y1又はY2の決定回数(終了決定回数:5回)とが異なるように設定されている。具体的には、低悪率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bは、低確率時短遊技状態LJT1が終了することとなる小当たり図柄Y1又はY2の決定回数(終了決定回数)に関する時短終了条件が成立しても終了しないようになっている。
これにより、低確率時短遊技状態LJT1と、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bとで、小当たり図柄Y1又はY2の決定に基づいてこれらの遊技状態が終了する契機を異ならせることができるため、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0655】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了することとなる小当たり図柄Y1又はY2の決定回数(終了決定回数:5回)は、第1保留数の上限数(4個)よりも多くなるように設定されている。
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理される。そのため、たとえば、左打ちが行われる通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定された場合や、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたことに基づいて低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定された場合、これらの遊技状態が設定された際に、当該設定前の通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中に取得された第1特図乱数が記憶されていると、当該記憶されていた第1特図乱数が、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に新たに取得される第2特図乱数よりも先に処理される。すると、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し、小当たり図柄Y1又はY2が決定される可能性がある。
【0656】
ここで、たとえば、小当たり図柄Y1又はY2が第1保留数の上限数(4個)以下の決定回数だけ決定されることにより、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了するように設定されていたとすると、遊技者が第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを開始する前に低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了してしまう可能性がある。すると、せっかく通常遊技状態や低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定されたにもかかわらず、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させられないまま(第2特図乱数に基づく当否抽選を受けられないまま)、これらの有利な遊技状態が終了してしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了することとなる小当たり図柄Y1又はY2の決定回数(終了決定回数)を、第1保留数の上限数(4個)よりも多くなるように設定した。これにより、仮に、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定される前から記憶されていた第1特図乱数が全て、小当たり図柄Y1又はY2の決定を導出するものであったとしても、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bは終了しない。したがって、上述の第1特図乱数に基づく当否抽選が全て終了した後も、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが継続していることから、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数に基づく当否抽選を受けることができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
【0657】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定され得る全ての小当たり図柄のうち、特定の小当たり図柄(Y1又はY2)の決定回数に基づいて時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-B)が終了するようになっていたが、これに限定されるものではなく、全ての小当たり図柄の決定回数(すなわち、小当たりの当選回数)に基づいて時短遊技状態が終了するようにしてもよい。
また、小当たりに関する時短終了条件としては、種々のものを採用することができる。たとえば、複数の小当たり図柄それぞれの決定回数が予め定められた終了決定回数に到達した場合(たとえば、小当たり図柄Y1の決定回数が2回(終了決定回数)に到達し、かつ小当たり図柄Y2の決定回数が3回(終了決定回数)に到達した場合等)に時短遊技状態を終了するようにしてもよい。また、たとえば、予め定められた順番で小当たり図柄が決定された場合(たとえば、小当たり図柄Y1→小当たり図柄Y2→小当たり図柄Y1という順番で小当たり図柄が決定された場合等)に時短遊技状態を終了するようにしてもよい。また、たとえば、所定期間内に予め定められた決定回数だけ小当たり図柄が決定された場合(たとえば、時短遊技状態が設定されてから特別図柄の変動表示が30回行われるまでの間に、小当たり図柄Y1の決定回数が3回(終了決定回数)に到達した場合等)に時短遊技状態を終了するようにしてもよい。
また、小当たりに関する時短終了条件は、全ての時短遊技状態において設定するのではなく、一部の時短遊技状態においてのみ設定するようにしてもよい。たとえば、低確率時短遊技状態LJT1は小当たりの決定に関する条件に基づいて終了するものの、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bは小当たりの決定に関する条件に基づいては終了しないように設定してもよい。
以上のようにした場合にも、時短遊技状態の終了の契機がバリエーションに富んだものとなり、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0658】
(時短遊技状態が終了する際に時短付与に当選した場合の処理について)
上述したように、低確率時短遊技状態LJT1は、特別図柄の変動表示が終了した時点で第1残変動回数や第2残変動回数を更新する処理が行われた結果、たとえば第1特図の変動回数が第1時短回数に到達すると終了し、通常遊技状態が設定される。また、低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bは、特別図柄の変動表示が終了した時点で第1残変動回数や第2残変動回数を更新処理が行われた結果、たとえば第2特図の変動回数が第1時短回数に到達すると終了し、通常遊技状態が設定される。なお、以下では、第1残変動回数や第2残変動回数を更新する処理を、「残変動回数更新処理」ともいうものとする。
一方、通常遊技状態において、時短付与に当選し時短図柄が決定され当該時短図柄が停止表示された場合には、当該時短図柄が停止表示した時点(当該時短図柄の変動表示が終了した時点)で、決定された時短図柄の種類に応じて低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定される。
【0659】
ここで、低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図の変動回数が第1時短回数に到達した時点の当否抽選で時短付与に当選するケースや、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいて、第2特図の変動回数が第1時短回数に到達した時点の当否抽選で時短付与に当選するケースがある。
時短図柄の停止表示に基づく低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2-Bの設定に関する処理(時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理)、及び、残変動回数更新処理はいずれも、時短図柄の変動表示が終了した時点(時短図柄の停止表示時点)で行われるが、仮に、残変動回数更新処理が行われた後に時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行うこととする。
すると、上述のケースでは、残変動回数更新処理が行われると通常遊技状態が設定されることから、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を実行する時点では、通常遊技状態において時短図柄が停止表示されたこととなり、再度、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2-B)が設定されることとなる。すなわち、残変動回数更新処理を行った後に時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行うと、上述のケースでは、複数の時短遊技状態が連続して設定される状況が発生することとなり、時短遊技状態の区切り及び設定契機が曖昧となり、遊技の違和感が生じるおそれがある。
【0660】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行った後に、残変動回数更新処理を行うように設定されている。
これにより、上述の場合には、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を実行する時点において、残変動回数更新処理が行われておらず、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-B)が設定されたままとなり、時短遊技状態において時短図柄が停止表示されたこととなる。そのため、時短図柄の停止表示に基づく新たな時短遊技状態の設定は行われない。そして、残変動回数更新処理が行われることにより、通常遊技状態が設定されることとなる。したがって、時短遊技状態の区切り及び設定契機が曖昧となるような事態を防止することができ、遊技の違和感が生じるおそれを防止可能となる。
【0661】
なお、上述したように、残変動回数更新処理が行われた後に時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行うように設定し、上述の場合に、複数の時短遊技状態が連続して設定されるようにしてもよい。
【0662】
(変動パターンテーブル114の概要)
本形態に係るパチンコ機Pは、
図76に示すように、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に参照されるテーブルMP11、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブルMP21、低確率時短遊技状態LJT2中(低確率時短遊技状態LJT2-A中、低確率時短遊技状態LJT2-B中)に参照されるテーブルMP31を備えている。
そして、これらの変動パターンテーブル114には、第1形態と同様に、決定された特別図柄(ハズレ図柄Z1、Z2、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、時短図柄J1、J2、J3)、現時点の保留数(変動パターンコマンドの決定時点(当否抽選の実行時点)の第1保留数、第2保留数)、変動パターン乱数に応じて、所定の変動時間が設定された変動パターンに対応する変動パターンコマンドが定められている。
【0663】
具体的には、
図76(a)に示すように、テーブルMP11(通常遊技状態中に参照される変動パターンテーブル114)においては、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1形態で通常遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合と同様の変動パターンコマンド(変動パターン)が決定されるようになっている。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、第1形態で通常遊技状態中に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定されるようになっている。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、第1形態で通常遊技状態中に時短図柄J1が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっており、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、第1形態で通常遊技状態中に時短図柄J2が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
【0664】
また、
図76(a)に示すように、テーブルMP11においては、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定されるようになっている。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「09H」が決定されるようになっている。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定されるようになっている。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合において、時短図柄J3が決定されたときには、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0CH」が決定される。
【0665】
図76(b)に示すように、テーブルMP21(低確率時短遊技状態LJT1中に参照される変動パターンテーブル114)においては、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1形態で低確率時短遊技状態LJT1中にハズレ図柄Z1が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、第1形態で低確率時短遊技状態LJT1中に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合において、小当たり図柄Y1又はY2が決定されたときには、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「15秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン)に対応付けられた変動パターンコマンド「15H」が決定され、小当たり図柄Y3又はY4が決定されたときには、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンに対応付けられた変動パターンコマンド「16H」が決定される。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、第1形態で低確率時短遊技状態LJT1中に時短図柄J1が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっており、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、第1形態で低確率時短遊技状態LJT1中に時短図柄J2が決定された場合と同様の変動パターンコマンドが決定されるようになっている。
【0666】
また、
図76(b)に示すように、テーブルMP21においては、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「14H」が決定されるようになっている。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「19H」が決定されるようになっている。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンに対応付けられた変動パターンコマンド「17H」が決定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合において、時短図柄J3が決定されたときには、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1DH」が決定される。
【0667】
図76(c)に示すように、テーブルMP31(低確率時短遊技状態LJT2中に参照される変動パターンテーブル114)においては、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「50H」が決定される。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「5AH」が決定される。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「55H」が決定される。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「5DH」が決定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「51H」が決定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「59H」が決定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「56H」が決定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「5EH」が決定される。
【0668】
(停止表示時間の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態と同様に、停止表示時間テーブル115に、現時点の遊技状態(当否抽選の実行時点の遊技状態)、及び、特別図柄の種類に応じて停止表示時間が定められている。
図77に示すように、停止表示時間テーブル115によれば、現時点の遊技状態が通常遊技状態であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、時短図柄J1又はJ2が決定されたときには20秒の停止表示時間が決定され、時短図柄J3が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定される。
また、現時点の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定されたとき、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8又はY9が決定されたとき、及び、時短図柄J1、J2又はJ3が決定されたときはいずれも、0.5秒の停止表示時間が決定される。
【0669】
(特別図柄の停止表示の概要)
特に図示していないが、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31はいずれも、複数のLEDから構成されており、特別図柄の種類ごとに、それぞれ異なる当該LEDによる点灯パターンが定められている。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき特別図柄(第1特図)が決定されると、第1特別図柄表示装置30の上述のLEDが点滅表示を開始し(すなわち、特別図柄の変動表示が開始され)、その後変動時間が経過すると、当該LEDの点滅表示が終了し(すなわち、特別図柄の変動表示が終了し)、決定された第1特図に対応する点灯パターンにより上述のLEDが点灯表示される。これにより、第1特図の停止表示が行われる。
また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき特別図柄(第2特図)が決定されると、第2特別図柄表示装置31の上述のLEDが点滅表示を開始し、その後変動時間が経過すると、当該LEDの点滅表示が終了し、決定された第2特図に対応する点灯パターンにより上述のLEDが点灯表示される。これにより、第2特図の停止表示が行われる。
【0670】
ここで、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選に基づいて特別遊技が実行されると、当該特別遊技の終了後には、当該大当たりの当選に基づいて決定された大当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される。また、小当たりの当選に基づく小当たり遊技を介して特別遊技が実行されると、当該特別遊技の終了後には、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される。また、通常遊技状態中に時短付与に当選すると、当該当選に基づく特別図柄の変動表示の終了後には、当該時短付与に当選に基づいて決定された時短図柄の種類に応じた遊技状態が設定される。
このように、当否抽選に基づいて決定された特別図柄の種類により、新たに遊技状態が設定される可能性があり、かつ新たに遊技状態が設定される場合にはこの遊技状態の種類が決定されるため、決定された特別図柄の種類に対する遊技者の関心は高い。そのため、第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置31のLEDの点灯パターンを確認することにより、停止表示された特別図柄の種類を判別するといった事を行う遊技者も多い。
【0671】
ところで、大当たり図柄、小当たり図柄及び時短図柄はいずれも、上述の停止表示時間が経過し次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31において停止表示される。
大当たり図柄(X1~X12のいずれか)が決定された場合には、上述の停止表示時間が経過した後に当該決定に基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技が終了したときに第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されていると、次の特別図柄の変動表示が開始される。したがって、大当たり図柄は、上述の停止表示時間の経過後も上述の特別遊技が終了するまで、停止表示されることとなる。
同様に、たとえば、小当たり図柄(Y5~Y9のいずれか)が決定された場合には、上述の停止表示時間が経過した後に当該決定に基づく小当たり遊技が実行され、さらに、当該小当たり遊技を介して特別遊技が実行される場合、当該特別遊技が終了したときに第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されていると、次の特別図柄の変動表示が開始される。したがって、小当たり遊技を介して特別遊技が実行される場合には、小当たり図柄は、上述の停止表示時間の経過後も小当たり遊技を介して実行される特別遊技が終了するまで、停止表示されることとなる。
これに対して、通常遊技状態中に時短図柄(J1~J3のいずれか)が決定された場合には、上述の停止表示時間が経過したときに第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されていると、次の特別図柄の変動表示が開始される。ここで、遊技者は、保留数(第1保留数、第2保留数)が上限数に達していない限り、遊技球の打ち出しを継続して行う事が多いため、上述の停止表示時間が経過したときには第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されている可能性が高い。そのため、通常遊技状態中に時短図柄が決定された場合には、当該時短図柄は、上述の停止表示時間が経過するまでの間のみ、停止表示される可能性が高い。
【0672】
すると、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄が決定された場合には、当該時短図柄は、停止表示時間である0.5秒間又は20秒間(
図77参照)、停止表示される。
一方、大当たりに当選し大当たり図柄が決定された場合には、当該大当たり図柄は、予め定められた停止表示時間である0.5秒間(
図77参照)に加え、特別遊技が開始されてから終了するまでの期間(オープニング時間(本形態では10秒)、全ラウンド遊技の実行時間(4ラウンドの場合には短くても30秒程度、10ラウンドの場合には短くても80秒程度)、エンディング時間(本形態では10秒))、停止表示される。また、小当たりに当選し上述の小当たり図柄(Y5~Y9のいずれか)が決定された場合には、当該小当たり図柄は、予め定められた停止表示時間である0.5秒間(
図77参照)に加え、小当たり遊技が開始されてから終了するまでの期間(オープニング時間(本形態では3秒)、小当たり遊技の実行時間(2.5秒程度)、エンディング時間(本形態では0.5秒))、及び、特別遊技が開始されてから終了するまでの期間、停止表示される。
すなわち、通常遊技状態中に時短図柄が決定された場合に当該時短図柄が停止表示される期間は、大当たり図柄や上述の小当たり図柄が決定された場合に当該大当たり図柄や当該小当たり図柄が停止表示される期間よりも短い。そのため、第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置31におけるLEDの点灯パターンを確認することにより、通常遊技状態中に決定された時短図柄の種類を判別するのは、上述の大当たり図柄の種類や小当たり図柄の種類を判別するのに比べて困難であり、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
【0673】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定可能な大当たり図柄の種類(大当たり図柄X1~X12の12種類)や、小当たりに当選した場合に決定可能な小当たり図柄の種類(小当たり図柄Y1~Y9の9種類)よりも、時短付与に当選した場合に決定可能な時短図柄の種類(時短図柄J1~J3の3種類)の方が少なくなるように設定している。
これにより、時短付与に当選した場合に第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置31において点灯表示されるLEDの点灯パターンの種類が、大当たりや小当たりに当選した場合に第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置31において点灯表示されるLEDの点灯パターンの種類よりも少なくなるため、当該LEDの点灯パターンによって、大当たり図柄の種類や小当たり図柄の種類を判別するよりも時短図柄の種類を判別する方が容易となるため、遊技者の興趣の低下を防止可能となる。
【0674】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、各特別図柄表示装置において停止表示される特別図柄の種類に関しても、大当たりに当選した場合に決定可能な大当たり図柄の種類や、小当たりに当選した場合に決定可能な小当たり図柄の種類よりも、時短付与に当選した場合に決定可能な時短図柄の種類の方が少なくなるように設定している。
具体的には、第1特別図柄表示装置30においては、大当たりに当選した場合に6種類(X1~X6)の大当たり図柄が停止表示可能となっており、小当たりに当選した場合に4種類(Y1~Y4)の小当たり図柄が停止表示可能となっており、時短付与に当選した場合に2種類(J1、J2)の時短図柄が停止表示可能となっている。また、第2特別図柄表示装置31においては、大当たりに当選した場合に6種類(X7~X12)の大当たり図柄が停止表示可能となっており、小当たりに当選した場合に5種類(Y5~Y9)の小当たり図柄が停止表示可能となっており、時短付与に当選した場合に1種類(J3)の時短図柄が停止表示可能となっている。
これにより、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31のいずれにおいても、時短付与に当選した場合に点灯表示されるLEDの点灯パターンの種類が、大当たりや小当たりに当選した場合に点灯表示されるLEDの点灯パターンの種類よりも少なくなる。したがって、いずれの特別図柄表示装置においても、LEDの点灯パターンによって、大当たり図柄の種類や小当たり図柄の種類を判別するよりも時短図柄の種類を判別する方が容易となるため、遊技者の興趣の低下を防止可能となる。
【0675】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の決定に基づく設定内容(設定される遊技状態)ごとに対応付けられた特別図柄の種類に関しても、大当たりに当選した場合に決定可能な大当たり図柄の種類や、小当たりに当選した場合に決定可能な小当たり図柄の種類よりも、時短付与に当選した場合に決定可能な時短図柄の種類の方が少なくなるように設定している。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されるように定められた大当たり図柄が6種類(X1~X3、X7~X9)設けられており、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定されるように定められた大当たり図柄が6種類(X4~X6、X10~X12)設けられており、小当たり遊技を介する特別遊技の実行が行われないように定められた小当たり図柄が4種類(Y1~Y4)設けられており、小当たり遊技を介して特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定されるように定められた小当たり図柄が5種類(Y5~Y9)設けられており、通常遊技状態中に決定されることで低確率時短遊技状態LJT1が設定されるように定められた時短図柄が1種類(J1)設けられており、通常遊技状態中に決定されることで低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定されるように定められた時短図柄が2種類(J2、J3)設けられている。
これにより、LEDの点灯パターンによって、大当たり図柄の種類や小当たり図柄の種類を判別するよりも時短図柄の種類を判別する方が容易になるとともに、特別図柄の決定に基づく設定内容の判別についても、大当たり図柄や小当たり図柄に比べて時短図柄の方が容易となるため、遊技者の興趣の低下を防止可能となる。
【0676】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後に設定される遊技状態ごとに複数種類の大当たり図柄が設けられており、また、特別遊技の実行の可否に応じて複数種類の小当たり図柄が設けられているが、たとえば、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数ごとに複数種類の大当たり図柄や小当たり図柄を設けるようにしてもよい。
具体的には、特別遊技中に3回のラウンド遊技を実行する旨が定められた大当たり図柄を複数種類設けるとともに、特別遊技中に10回のラウンド遊技を実行する旨が定められた大当たり図柄を複数種類設けるようにしてもよい。また、小当たり遊技を介する特別遊技中に3回のラウンド遊技を実行する旨が定められた小当たり図柄を複数種類設けるとともに、小当たり遊技を介する特別遊技中に10回のラウンド遊技を実行する旨が定められた小当たり図柄を複数種類設けるようにしてもよい。
そして、上述のように設定した場合にも、大当たりに当選した場合に決定可能な大当たり図柄の種類や、小当たりに当選した場合に決定可能な小当たり図柄の種類よりも、時短付与に当選した場合に決定可能な時短図柄の種類の方が少なくなるように設定してもよい。
【0677】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいても、第1形態と同様に、特定外部情報を外部装置へ出力するようにしてもよい。たとえば、メインCPU101は、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中における第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選すると、特定外部情報の外部装置への出力を開始し、その後、通常遊技状態が設定され、当該通常遊技状態中に時短図柄J1が決定され低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、特定外部情報の外部装置への出力を終了するようにしてもよい。
なお、特定外部情報の出力に関する他の制御等に関しては、第1形態や上述の他の設定例と同様の内容に設定してもよい。
【0678】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、第1形態と異なる点を中心に、フローチャートを用いて説明する。なお、第1形態と同一の処理や、第1形態とほぼ同一の処理であって当業者が本形態での実施方法(本形態への適用方法)を理解し得るものについては、第1形態と同一のステップ番号を付し、原則として説明を省略する。
【0679】
まず、遊技球が特別領域へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特別領域検出時処理について、
図78のフローチャートを参照して説明する。この特別領域検出時処理は、第1形態の特定領域検出時処理(
図32参照)の代わりに実行されるものである。
ステップ670-1において、メインCPU101は、小当たり遊技中であるか否かを判定する。そして、小当たり遊技中でないと判定した場合、特別領域検出時処理を終了する。一方、小たり遊技中であると判定した場合、次のステップ671-1に進む。
ステップ671-1において、メインCPU101は、主制御基板100に接続され特別領域への遊技球の進入を検出する特別領域検出センサ(特に図示しておらず)からの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特別領域検出センサからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特別領域検出時処理を終了する。一方、特別領域検出センサからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672-2に進む。
ステップ672-2において、メインCPU101は、特別領域へ所定個数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特別領域検出時処理を終了する。
【0680】
次に、特別図柄変動開始処理(特図関連制御処理のステップ701(
図33参照))について、
図79のフローチャートを参照して説明する。
ステップ801-1において、メインCPU101は、保留記憶領域に第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上又は第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、いずれかが記憶されていると判定した場合、ステップ803-1に進む。一方、いずれも記憶されていないと判定した場合、客待ち判定処理を行うステップ812に進む。
ステップ803-1において、メインCPU101は、保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第8記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、当否判定処理に用いられるようになっている。そして、変動回数カウンタに関する処理を行うステップ805に進む。
【0681】
次に、当否判定処理(特別図柄変動開始処理のステップ806(
図34、
図79参照))について、
図80のフローチャートを参照して説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選でないと判定した場合に、時短付与の当選となるか否かを判定する時短付与当否判定処理(ステップ853)を実行する前に、小当たりの当選となるか否かを判定する小当たり当否判定処理を実行するようになっている。
【0682】
具体的には、ステップ851で大当たりの当選でないと判定した場合、ステップ852-1に進む。
ステップ852-1において、メインCPU101は、選択した当否乱数判定テーブル110とステップ803-1で所定の処理領域に記憶された当否乱数(大当たり当否判定処理で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、小当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、小当たりの当否の判定を行う)小当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから小当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に小当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に小当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ852-2に進む。
ステップ852-2において、メインCPU101は、上述のステップ852-1で実行された小当たり当否判定処理の結果が小当たりの当選であったか否か(すなわち、小当たりに当選したか否か)を判定する。そして、小当たりの当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、時短付与当否判定処理を行うステップ853に進む。一方、小当たりの当選と判定した場合、次のステップ852-3に進む。
ステップ852-3において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に小当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0683】
次に、特別図柄変動停止処理(特図関連制御処理のステップ702(
図33参照))について、
図81のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1003-1において、メインCPU101は、遊技状態の設定に関する処理を行う停止表示時遊技状態設定処理を実行する。そして、次のステップ1003-2に進む。
ステップ1003-2において、メインCPU101は、上述のステップ1003-1において時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-B)の設定が行われたか否かを判定する。そして、時短遊技状態の設定が行われたと判定した場合、ステップ1004に進む。一方、時短遊技状態の設定が行われていないと判定した場合、次のステップ1003-3に進む。
【0684】
ステップ1003-3において、メインCPU101は、第1残変動回数や第2残変動回数を更新する残変動回数更新処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT1(低確率時短遊技状態LJT1)であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2(低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-B)であることを示す第2時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。第1時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、第1特図が停止表示されたときには第1残変動回数及び第2残変動回数の両方を1デクリメントし、第2特図が停止表示されたときには第2残変動回数のみ1デクリメントする。これに対して、第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、第2特図が停止表示されたときには第1残変動回数及び第2残変動回数の両方を1デクリメントし、第1特図が停止表示されたときには第2残変動回数のみ1デクリメントする。また、上述の第1残変動回数、第2残変動回数の更新によりいずれかが「0」となった場合(すなわち、時短遊技状態が終了となる時短終了条件を満たした場合)には、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする処理を実行する。これにより、設定中の時短遊技状態JT1又は時短遊技状態JT2が終了し、非時短遊技状態(通常遊技状態)が設定される。なお、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていなかった場合、メインCPU101はここでは何も処理を行わない。そして、停止表示時間の決定、セットを行うステップ1004に進む。
【0685】
次に、上述したステップ1003-1の停止表示時遊技状態設定処理について、
図82のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1050において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1053に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1051に進む。
ステップ1051において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-Bである)と判定した場合、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。一方、現時点の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ1052に進む。
【0686】
ステップ1052において、メインCPU101は、停止表示された時短図柄に応じた遊技状態の設定を行う時短遊技状態設定処理を実行する。
具体的には、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に第1時短回数である「300」をセットし、第2時短回数記憶領域に第2時短回数である「305」をセットし、終了決定回数記憶領域に終了決定回数である「1」をセットする。これにより、低確率時短遊技状態LJT1の設定が行われる。
また、停止表示された時短図柄がJ2又はJ3であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に第1時短回数である「1」をセットし、第2時短回数記憶領域に第2時短回数である「6」をセットし、終了決定回数記憶領域に終了決定回数である「5」をセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT2-Bの設定が行われる。
そして、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。
【0687】
また、上述のステップ1050で停止表示されている特別図柄が時短図柄でないと判定した場合に進むステップ1053において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄Y1又はY2であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄Y1及びY2のいずれでもないと判定した場合、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄Y1又はY2であると判定した場合、次のステップ1054に進む。
ステップ1054において、メインCPU101は、残小当たり決定回数を更新する残小当たり決定回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、残小当たり決定回数が1以上であった場合、当該残小当たり決定回数を1デクリメントする。一方、残小当たり決定回数が0であった場合、メインCPU101はここでは何も処理を行わない。そして、次のステップ1055に進む。
【0688】
ステップ1055において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-B)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、通常遊技状態である)と判定した場合、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。一方、現時点の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1056に進む。
ステップ1056において、メインCPU101は、上述のステップ1054で残小当たり決定回数が1デクリメントされたことにより、残小当たり決定回数が0となったか否か(すなわち、小当たり図柄Y1又はY2の決定回数が終了決定回数に到達したか否か)を判定する。そして、残小当たり決定回数が0となっていないと判定した場合、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。一方、残小当たり決定回数が0となったと判定した場合、次のステップ1057に進む。
【0689】
ステップ1057において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態を終了し通常遊技状態の設定を行う通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、第1時短回数記憶領域、第2時短回数記憶領域及び終了決定回数記憶領域をクリアする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了し、通常遊技状態(非時短遊技状態)の設定が行われる。そして、停止表示時遊技状態設定処理を終了する。
【0690】
次に、停止後処理(特図関連制御処理のステップ703(
図33参照))について、
図83のフローチャートを参照して説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かの判定が行われるようになっている。
【0691】
具体的には、ステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合、ステップ1111-1に進む。
ステップ1111-1において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するステップ1115に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1111-2に進む。
ステップ1111-2において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間である小当たりオープニング時間を小当たりオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、小当たり遊技におけるオープニング処理が開始されることを示す小当たりオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1111-3に進む。
【0692】
ステップ111-3において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、特図関連制御処理を構成する機能モジュールとして、小当たり遊技を制御する小当たり遊技制御処理を有しており、この小当たり遊技制御処理の実行を示す実行フェーズデータは「05」となっている。上述のように実行フェーズデータに「05」をセットすることで、小当たり遊技制御処理が実行されることとなる。そして、停止後処理を終了する。
【0693】
次に、小当たり遊技制御処理(特図関連制御処理を構成する機能モジュール(特に図示しておらず))について、
図84のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1111-2で小当たりオープニング時間タイマカウンタにセットされた小当たりオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、小当たりオープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、小当たりオープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
【0694】
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理である小当たりエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、小当たりエンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、小当たりエンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、停止表示された小当たり図柄の種類に対応する特別電動役物作動テーブル112(第3作動テーブル112f又は第4作動テーブル112g)に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
【0695】
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間である小当たりエンディング時間を小当たりエンディング時間タイマカウンタにセットし、小当たりエンディング処理が開始されることを示す小当たりエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0696】
また、上述のステップ1252で小当たりエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255で小当たりエンディング時間タイマカウンタにセットした小当たりエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該小当たりエンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該小当たりエンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1264に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1259に進む。
【0697】
ステップ1259において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1260に進む。
ステップ1260において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1261に進む。
【0698】
ステップ1261において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1262に進む。
ステップ1262において、メインCPU101は、停止表示されている小当たり図柄の種類に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、停止表示された小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y8又はY9であった場合に、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域に進入可能であり、進入フラグがオンになり得る。この場合には、メインCPU101は、ラウンド数として「10」をセットする。そして、次のステップ1263に進む。
ステップ1263において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0699】
また、上述のステップ1258で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1264において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0700】
次に、特別遊技終了処理(特図関連制御処理のステップ706(
図33参照))について、
図85のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300で実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であった場合に進むステップ1301-1において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が所定の大当たり図柄(大当たり図柄X4、X5、X6、X10、X11、X12)又は所定の小当たり図柄(小当たり図柄Y5、Y6、Y7、Y9)であるか否かを判定する。そして、停止表示された特別図柄が所定の大当たり図柄及び所定の小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合、ステップ1304-2に進む。一方、停止表示された特別図柄が所定の大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1304-1に進む。
ステップ1304-1において、メインCPU101は、時短遊技状態の設定を行う時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に第1時短回数である「6」をセットし、第2時短回数記憶領域に第2時短回数である「11」をセットし、終了決定回数記憶領域に終了決定回数である「5」をセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT2-Aの設定が行われる。そして、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するステップ1306に進む。
【0701】
また、上述のステップ1301-1で停止表示された特別図柄が所定の大当たり図柄及び所定の小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1304―2において、メインCPU101は、通常遊技状態の設定を行う通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、第1時短回数記憶領域、第2時短回数記憶領域及び終了決定回数記憶領域をクリアする。これにより、通常遊技状態(非時短遊技状態)の設定が行われる。そして、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するステップ1306に進む。
【0702】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける変動演出の概要)
次に、本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出について、第1形態と異なる点を中心に説明する。
【0703】
(1)通常遊技状態中
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAMクリアが実行されるか、大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2、X3、X7、X8又はX9が決定され当該決定に基づく特別遊技が終了するか、又は、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2-A中或いは低確率時短遊技状態LJT2-B中に時短遊技状態が終了となる時短終了条件が成立すると、通常遊技状態が設定されるとともに、演出状態が第1形態と同様の通常演出状態に設定される。
【0704】
RAMクリアが実行されて通常遊技状態が設定された場合、及び、大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2、X3、X7、X8又はX9が決定され当該決定に基づく特別遊技が終了した場合には、第1形態において通常遊技状態が設定された場合と同様の演出制御(第1背景画像の表示、チャンスゾーン滞在示唆の実行、左打ち示唆の実行等)が行われる。
【0705】
低確率時短遊技状態LJT1中に時短終了条件が成立し、当該低確率時短遊技状態LJT1が終了して通常遊技状態が設定された場合、当該低確率時短遊技状態LJT1中は、後述するように、第1形態と同様に第1背景画像が表示されるため、この第1背景画像が継続して表示される。また、低確率時短遊技状態LJT1中は、通常遊技状態中と同様に第1遊技領域12aへ向けての遊技球が打ち出されているため、左打ち示唆は行われない。また、第1形態と同様に、低確率時短遊技状態LJT1中は、チャンスゾーン滞在示唆が行われているとき及び行われていないときの両方があるが、上述のように通常遊技状態が設定されると、チャンスゾーン滞在示唆が実行される。
【0706】
ところで、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出され高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球することから、時短終了条件が成立することにより低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了し通常遊技状態が設定されたときに、第2特図乱数が保留記憶されている可能性が高い。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中に時短終了条件が成立し、当該低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了して通常遊技状態が設定された場合、この設定時点で保留記憶されている第2特図乱数(以下、第2特図残保留ともいう)に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでは、通常遊技状態が設定される前の低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中と同様の演出制御(第3背景画像の表示等)が行われる。そして、第2特図残保留に基づく特別図柄の変動表示が終了すると、第1形態において通常遊技状態が設定された場合と同様の演出制御(第1背景画像の表示、チャンスゾーン滞在示唆の実行、左打ち示唆の実行等)が行われる。
【0707】
また、通常遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合)には、第1形態において通常遊技状態中に当否抽選の結果がハズレとなった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。通常遊技状態中に大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となった場合)には、第1形態において通常遊技状態中に当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。通常遊技状態中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合)には、第1形態において通常遊技状態中に当否抽選の結果が時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。
【0708】
また、特に図示していないが、通常遊技状態中に小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合)には、第1形態において通常遊技状態中に当否抽選の結果がハズレとなった場合に実行されるノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて小当たり図柄が決定された場合の演出図柄50の停止表示態様は、第1形態の非当選態様となるように設定されているが、これに限定されるものではなく、非当選態様及び当選態様と異なる停止表示態様としてもよい。
【0709】
また、通常遊技状態中に第2特図乱数(第2特図残保留)に基づく当否抽選が行われた場合(すなわち、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y8又はY9が決定された場合、及び、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合)にはいずれも、特殊パターンAによる変動演出が行われる。
【0710】
この特殊パターンAは、特別図柄の変動表示が開始されるとともに全ての演出図柄50の変動表示が開始され、変動時間が経過すると、全ての演出図柄50の変動表示が一斉に終了する(全ての演出図柄50が一斉に停止表示される)という態様である。そして、この特殊パターンAによる変動演出では、演出図柄50の変動表示に伴って、表示部21aの全面において、遊技者による操作ボタン9bの押下操作に基づき当否抽選の結果を示唆するボタン押下操作演出が実行される。
【0711】
具体的には、ボタン押下操作演出では、演出図柄50の変動表示が開始されると、ボタン押下操作演出が実行される旨を示す押下操作演出実行画像(たとえば、「一撃チャンス」という文字画像等)、及び、ボタン押下操作演出の内容を説明する押下操作演出説明画像(たとえば、「ボタンを押して一撃で決めろ!!」という文字画像等)が表示される(
図86(b)参照)。その後、操作ボタン9bの押下操作を促す押下操作示唆画像が表示される(
図86(c)参照)。そして、操作ボタン9bの押下操作が有効となる押下操作有効時間(たとえば、3秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されるか、又は、操作ボタン9bが押下されることなく押下操作有効時間が経過すると、当否抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選であった場合にはその旨を示唆する特殊中当たり示唆(たとえば、「BONUS!!」という特殊中当たり示唆画像の表示等)が行われ、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合にはその旨を示唆する特殊中時短付与示唆(たとえば、「スーパータイム!!」という特殊中時短付与当選示唆画像の表示等)が行われ、当否抽選の結果がハズレであった場合にはその旨を示唆する特殊ハズレ示唆(たとえば、「LOSE・・・」という特殊ハズレ示唆画像の表示等)が行われる(
図86(d)~(f)参照)。
なお、ボタン押下操作演出においては、当否抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選のいずれであっても、同一態様の特殊中当たり示唆が行われるように設定されているが、これに限定されるものではなく、小当たりに当選した場合と大当たりに当選した場合とでは、異なる態様の特殊中当たり示唆を行うようにしてもよい。
【0712】
(2)低確率時短遊技状態LJT1中
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率時短遊技状態LJT1が設定され、演出状態が第1形態と同様の低確率時短演出状態A1に設定される。また、本形態に係るパチンコ機Pでも、低確率時短演出状態A1中にRAMクリアが行われることなく電断から復帰した場合には、演出状態が第1形態と同様の低確率時短演出状態A2に設定される。そして、低確率時短演出状態A2中に第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されるか、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J3が決定されると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出しても第2始動入賞口16には遊技球が入球しないことから、基本的には、この低確率時短遊技状態LJT1中に第2特図乱数に基づく当否抽選は行われない。しかし、たとえば、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球し第1特図乱数が保留記憶され、さらに第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第2特図乱数が保留記憶されたような場合において、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了し通常遊技状態が設定された後に、上述の保留記憶されていた第1特図乱数に基づく当否抽選が行われ時短付与に当選し時短図柄J1が決定されたときには、その後、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるため、設定された低確率時短遊技状態LJT1中に、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に保留記憶された第2特図乱数に基づく当否抽選が行われることがある。
【0713】
(2-1)低確率時短演出状態A1中
上述のように通常遊技状態中に時短図柄J1が決定されることにより、低確率時短遊技状態LJT1が設定され、演出状態が第1形態と同様の低確率時短演出状態A1に設定された場合には、第1形態において低確率時短遊技状態LJT1が設定され、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定された場合と同様の演出制御(チャンスゾーン滞在示唆の終了、第1背景画像の表示の継続、左打ち示唆の非実行等)が行われる。
【0714】
また、低確率時短演出状態A1中にハズレ図柄Z1が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A1中に当否抽選の結果がハズレとなった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。低確率時短演出状態A1中に大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A1中に当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。低確率時短演出状態A1中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A1中に当否抽選の結果が時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。
【0715】
また、特に図示していないが、低確率時短演出状態A1中に小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A1中に実行されるノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行される。
【0716】
また、低確率時短演出状態A1中に第2特図乱数(第2特図残保留)に基づく当否抽選が行われた場合(すなわち、低確率時短演出状態A1中に第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合、低確率時短演出状態A1中に第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合、低確率時短演出状態A1中に第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y8又はY9が決定された場合、及び、低確率時短演出状態A1中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合)にはいずれも、通常遊技状態中と同様に、特殊パターンAによる変動演出が行われる。
また、通常遊技状態中と同様に、ボタン押下操作演出においては、ハズレとなった場合には特殊中ハズレ示唆が行われ、大当たりの当選又は小当たりの当選となった場合には特殊中当たり示唆が行われる。これに対して、低確率時短演出状態A1中(低確率時短遊技状態LJT1中)に時短付与に当選しても新たな時短遊技状態の設定は行われないため、時短付与の当選となった場合には、特殊中時短付与示唆は行われず、特殊中ハズレ示唆が行われるようになっている。
【0717】
(2-2)低確率時短演出状態A2中
低確率時短演出状態A1中に電断が発生し、RAMクリア処理が行われることなく電断から復帰し(通常電断復帰が行われ)、低確率時短遊技状態LJT1はそのままに、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合には、第1形態において演出状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合と同様の演出制御(チャンスゾーン滞在示唆の実行、第1背景画像の表示等)が行われる。
【0718】
また、低確率時短演出状態A2中にハズレ図柄Z1が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A2中に当否抽選の結果がハズレとなった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。低確率時短演出状態A2中に大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A2中に当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。低確率時短演出状態A2中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A2中に当否抽選の結果が時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合と同様の制御及び態様により、変動演出が実行される。
【0719】
また、特に図示していないが、低確率時短演出状態A2中に小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合)には、第1形態において低確率時短演出状態A2中に実行されるノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行される。
【0720】
また、低確率時短演出状態A2中に第2特図乱数(第2特図残保留)に基づく当否抽選が行われた場合(すなわち、低確率時短演出状態A2中に第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合、低確率時短演出状態A2中に第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合、低確率時短演出状態A2中に第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y8又はY9が決定された場合、及び、低確率時短演出状態A2中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合)にはいずれも、通常遊技状態中や低確率時短演出状態A1中と同様に、特殊パターンAによる変動演出が行われる。
また、通常遊技状態中や低確率時短演出状態A1中と同様に、ボタン押下操作演出においては、ハズレとなった場合には特殊中ハズレ示唆が行われ、大当たりの当選又は小当たりの当選となった場合には特殊中当たり示唆が行われる。これに対して、低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に時短付与に当選しても新たな時短遊技状態の設定は行われないため、時短付与の当選となった場合には、低確率時短演出状態A1中と同様に、特殊中時短付与示唆は行われず、特殊中ハズレ示唆が行われるようになっている。
【0721】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、低確率時短遊技状態LJT1中に時短終了条件が成立する時点で実行される変動演出が終了する際に、通常遊技状態が設定される旨を示唆する通常遊技状態設定示唆演出(たとえば、特定のキャラクター画像の表示等)が実行されるようになっている。
これにより、たとえば、低確率時短演出状態A2中であったために、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中のいずれであるのかを把握できないような場合であっても、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定される旨を遊技者に把握させることができる。
【0722】
(3)低確率時短遊技状態LJT2中(低確率時短遊技状態LJT2-A中、低確率時短遊技状態LJT2-B中)
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定されるか、又は、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J3が決定されると、低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され、演出状態が低確率時短演出状態B-1に設定される。また、大当たりに当選し大当たり図柄X4、X5、X6、X10、X11又はX12が決定され当該決定に基づく特別遊技が終了するか、又は、小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8が決定され当該決定に基づく小当たり遊技を介して実行される特別遊技が終了すると、低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、演出状態が、低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定された場合と同様の低確率時短演出状態B-1に設定される。
【0723】
上述のように、低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され、演出状態が低確率時短演出状態B-1に設定された場合にはいずれも、第1形態において低確率時短演出状態Bが設定された場合と同様の演出制御(チャンスゾーン滞在示唆が行われていた場合には当該チャンスゾーン滞在示唆の終了、第3背景画像の表示、高有利状態設定示唆の実行、右打ち示唆の実行等)が行われる(
図86(a)参照)。
【0724】
ここで、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定される前に保留記憶された第1特図乱数が、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bの設定後に処理される(当否抽選、第1特図の変動表示が実行される)ことがある。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中にハズレ図柄Z1が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合)、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中に大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となった場合)、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中に小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合)、及び、低確率時短遊技状態LJT2-A中又は低確率時短遊技状態LJT2-B中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合(第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となった場合)にはいずれも、特殊パターンBによる変動演出が行われる。
【0725】
この特殊パターンBは、特殊パターンAと同様に、特別図柄の変動表示が開始されるとともに全ての演出図柄50の変動表示が開始され、変動時間が経過すると、全ての演出図柄50の変動表示が一斉に終了する(全ての演出図柄50が一斉に停止表示される)という態様であるが、特殊パターンBによる変動演出では、ボタン押下操作演出は実行されない。そして、ボタン押下操作演出が実行されることなく、当否抽選の結果がハズレとなった場合には上述の特殊中ハズレ示唆が行われ、大当たりの当選となった場合には特殊中当たり示唆が行われる。これに対して、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に時短付与に当選しても新たな時短遊技状態の設定は行われないため、当否抽選の結果が時短付与の当選となった場合には、特殊中時短付与示唆は行われず、特殊中ハズレ示唆が行われる。また、当否抽選の結果が小当たりの当選となった場合にも、特殊中当たり示唆は行われず、特殊中ハズレ示唆が行われる。
【0726】
また、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われた場合(すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z2が決定された場合、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりの当選となり大当たり図柄X7、X8、X9、X10、X11又はX12が決定された場合、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となり小当たり図柄Y5、Y6、Y8又はY9が決定された場合、及び、低確率時短遊技状態LJT2-A中や低確率時短遊技状態LJT2-B中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合)にはいずれも、通常遊技状態中、低確率時短演出状態A1中や低確率時短演出状態A2中と同様に、特殊パターンAによる変動演出が行われる。
また、通常遊技状態中、低確率時短演出状態A1中や低確率時短演出状態A2中と同様に、ボタン押下操作演出においては、ハズレとなった場合には特殊中ハズレ示唆が行われ、大当たりの当選又は小当たりの当選となった場合には特殊中当たり示唆が行われる。これに対して、時短付与の当選となった場合には、低確率時短演出状態A1中や低確率時短演出状態A2中と同様に、特殊中時短付与示唆は行われず、特殊中ハズレ示唆が行われるようになっている。
【0727】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態が終了することとなる時短終了条件として、特別図柄の変動表示の回数(特別図柄の変動回数)、小当たり図柄の決定回数等の特別図柄に関する時短終了条件が定められていたが、これに限定されるものではなく、普通図柄の変動表示の回数(普通図柄の変動回数)等の普通図柄に関する時短終了条件を定めるようにしてもよい。
【0728】
具体的には、たとえば、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-B及び低確率時短遊技状態LJT2-Bは、上述した第1特図や第2特図の変動回数の時短終了条件が成立した場合に加え、普通図柄の変動回数が所定の普図時短回数(たとえば、5回等)に到達したという時短終了条件が成立した場合に終了するように設定してもよい。また、このように設定した場合には、第2遊技領域12bのみならず、第1遊技領域12aにも、遊技球が通過可能であって、遊技球が通過した場合に普通図柄の抽選及び普通図柄の変動表示が実行されるゲートを設ける。なお、第1遊技領域12aには、当該ゲートではなく、遊技球が入球可能であって、遊技球が入球した場合に普通図柄の抽選及び普通図柄の変動表示が実行される普図始動入賞口を設けてもよい。
このようにすることで、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせる低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bでは、主に第2始動入賞口16への遊技球の入球により行われる特別図柄(第2特図)の変動表示の回数に関する時短終了条件が成立することのみならず、主に第2遊技領域12bに設けられたゲート20を遊技球が通過することにより行われる普通図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件が成立することによっても、設定中の低確率時短遊技状態LJT2-A及び低確率時短遊技状態LJT2-Bが終了し、通常遊技状態が設定されることとなる。
また、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせる低確率時短遊技状態LJT1では、主に第1始動入賞口15への遊技球の入球により行われる特別図柄(第1特図)の変動表示の回数に関する時短終了条件が成立することのみならず、主に第1遊技領域12aに設けられたゲートを遊技球が通過することにより(又は普図始動入賞口へ遊技球が入球することにより)行われる普通図柄の変動回数に関する時短終了条件が成立することによっても、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が終了し、通常遊技状態が設定されることとなる。
以上のようにしたことにより、時短遊技状態が終了する契機のバリエーションが豊富となるため、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0729】
また、上述のように特別図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件のみならず、普通図柄の変動回数に関する時短終了条件を定めた場合には、設定されている時短遊技状態が終了するまでの残りの特別図柄の変動表示の回数(第1残変動回数、第2残変動回数等)の示唆、及び、当該残りの特別図柄の変動表示の回数が0に到達したことにより設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された旨の示唆は行うものの、設定されている時短遊技状態が終了するまでの残りの普通図柄の変動表示の回数の示唆、及び、当該残りの普通図柄の変動表示の回数が0に到達したことにより設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された旨の示唆は行わないようにしてもよい。
すなわち、特別図柄に関する時短終了条件の成否及び当該時短終了条件に基づく時短遊技状態の終了については秘匿しないものの、普通図柄に関する時短終了条件の成否及び当該時短終了条件に基づく時短遊技状態の終了については秘匿するようにしてもよい。
このようにした場合には、設定中の時短遊技状態がいつ終了となるのか、また、いつ終了したのかを遊技者に把握し難くすることができるため、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0730】
また、上述の場合において、設定されている時短遊技状態が終了するまでの残りの特別図柄の変動表示の回数の示唆、及び、当該残りの特別図柄の変動表示の回数が0に到達したことにより設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された旨の示唆を行わず、さらに、設定されている時短遊技状態が終了するまでの残りの普通図柄の変動表示の回数の示唆、及び、当該残りの普通図柄の変動表示の回数が0に到達したことにより設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された旨の示唆も行わないようにしてもよい。
すなわち、特別図柄に関する時短終了条件の成否及び当該時短終了条件に基づく時短遊技状態の終了、並びに、普通図柄に関する時短終了条件の成否及び当該時短終了条件に基づく時短遊技状態の終了のいずれについても秘匿するようにしてもよい。
【0731】
また、設定され得る全ての時短遊技状態において、特別図柄に関する時短終了条件及び普通図柄に関する時短終了条件の両方を定めるのではなく、一部の時短遊技状態においてのみ、特別図柄に関する時短終了条件及び普通図柄に関する時短終了条件の両方を定め、他の時短遊技状態においては、特別図柄に関する時短終了条件のみ定めるようにしてもよい。
たとえば、低確率時短遊技状態LJT1においては、特別図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件及び普通図柄の変動回数に関する時短終了条件の両方を定め、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいては、特別図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件のみ定めるようにしてもよい。
また、たとえば、低確率時短遊技状態LJT2-Aや低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいては、特別図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件及び普通図柄の変動回数に関する時短終了条件の両方を定め、低確率時短遊技状態LJT1においては、特別図柄の変動表示の回数に関する時短終了条件のみ定めるようにしてもよい。
このようにした場合には、時短遊技状態の種類に応じて当該時短遊技状態の終了の契機が異なるため、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0732】
また、同一の時短遊技状態において、普通図柄に関する時短終了条件を複数定めるようにしてもよい。
たとえば、低確率時短遊技状態LJT1が設定されることとなる時短図柄として、時短図柄J1-1及び時短図柄J1-2が設けられており、通常遊技状態において時短図柄J1-1が決定されたことに基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT1は、普通図柄の変動回数が第1の普図時短回数(たとえば、5回)に到達したことで終了し、通常遊技状態において時短図柄J1-2が決定されたことに基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT1は、普通図柄の変動回数が第2の普図時短回数(たとえば、10回)に到達したことで終了するように設定してもよい。
このようにした場合には、異なる普通図柄に関する時短終了条件によって同一の時短遊技状態が終了することとなるため、遊技性が向上し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0733】
また、特別図柄に関する時短終了条件及び普通図柄に関する時短終了条件の両方を定めた場合にも、特別図柄に関する時短終了条件としては、特別図柄の変動表示の回数のみならず、第2形態と同様に小当たり図柄の決定回数を定めてもよい。
また、普通図柄に関する時短終了条件としては、普通図柄の変動表示の回数のみならず、普通図柄の抽選により当たりとなった回数が所定回数に到達したこと、普通図柄の抽選によりハズレとなった回数が所定回数に到達したこと、普通図柄の抽選によりハズレとなった場合に複数の普通図柄の中からいずれかの普通図柄を決定するように設定した上で、所定の普通図柄の決定回数が所定回数に到達したこと等を定めてもよい。
【0734】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数に基づく当否抽選においては、大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっており、時短付与の当選となる確率はおよそ1/30に設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、ハズレの抽選結果は導出されることなく、大当たりの当選、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出されるようにした上で、大当たりの当選又は小当たりの当選と判定される当否乱数以外は全て、時短付与の当選と判定されるように設定してもよい。すなわち、大当たりの非当選及び小当たりの非当選となった場合には、必ず時短付与の当選となるように設定してもよい。
このようにした場合には、極めて高い確率で時短付与に当選するため、通常遊技状態が設定されると、当該通常遊技状態の設定後における第1特図乱数による1回目の当否抽選によりほぼ時短付与に当選し、時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定されるか、又は、時短図柄J2の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定されることとなる。すなわち、通常遊技状態の設定後の1回目の当否抽選においてのみ、有利な低確率時短遊技状態LJT2-Bの設定が可能となる時短付与の当選という抽選結果が導出される期待度が高くなるため、遊技性を向上させることができる。
【0735】
なお、第2特図乱数に基づく当否抽選においても、上述と同様に設定するようにしてもよい。
また、小当たりの当選の抽選結果が導出されず、大当たりの当選及び時短付与の当選の抽選結果のみが導出されるパチンコ機の当否抽選においても、上述と同様に設定するようにしてもよい。具体的には、当否抽選において、ハズレの抽選結果は導出されることなく、大当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出されるようにした上で、大当たりの当選と判定される当否乱数以外は全て、時短付与の当選と判定されるように設定してもよい。すなわち、大当たりの非当選となった場合には、必ず時短付与の当選となるように設定してもよい。
なお、上述のように設定した場合であっても、第1形態や上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、特定外部信号を出力するようにしてもよい。たとえば、メインCPU101は、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中における第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選すると、特定外部信号の出力を開始し、その後、通常遊技状態が設定され、当該通常遊技状態中に時短図柄J1が決定され低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、特定外部信号の出力を終了するようにしてもよい。また、特定外部信号の出力に関する他の制御等に関しては、第1形態や上述の他の設定例と同様の内容に設定してもよい。
【0736】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示が終了した時点で、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行った後に、残変動回数更新処理を実行することで、時短遊技状態において時短図柄が停止表示されたこととなるように処理を行っていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動表示の開始時に、当該開始時点において設定されている遊技状態、第1残変動回数、第2残変動回数等の情報を、メインRAM103の所定の予備領域に記憶しておき、特別図柄の変動表示が終了した時点で、この予備領域に記憶されている情報を所定の記憶領域に記憶させる。そして、停止表示された特別図柄が時短図柄であった場合には、この所定の記憶領域に記憶された情報のうち特別図柄の変動表示の開始時点において設定されている遊技状態の情報を参照し、当該遊技状態が時短遊技状態であれば、時短遊技状態において時短図柄が停止表示されたこととなるように処理を行ってもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0737】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示が終了した時点(特別図柄の停止表示時点)で、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理、及び、残変動回数更新処理を実行していたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動表示が終了し停止表示時間が経過した時点で、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理、及び、残変動回数更新処理を実行するようにしてもよい。そして、このようにした場合にも、上述の停止表示時間が経過した時点で、時短図柄の停止表示に基づく時短遊技状態の設定に関する処理を行った後に、残変動回数更新処理を実行することで、時短遊技状態において時短図柄が停止表示されたこととなるように処理してもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0738】
(第3形態)
以下、第3形態を、図面を参照しつつ説明する。この説明にあたっては、上述した第1形態、第2形態と同様の構成には、同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
本形態に係るパチンコ機Pは、第2形態と同様に、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【0739】
本形態に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、第2形態と同一となっている。
また、第2形態と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、大入賞口18が開放し遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入する。そして、小当たり遊技中に特別領域へ所定個数の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行されるようになっている。
【0740】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2形態と同様に、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、当該大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
また、第2形態と同様に、設定可能な遊技状態として、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT2が設けられており、いずれかの遊技状態が設定されて遊技が進行するようになっている。
このように、第2形態と同様に、いずれの遊技状態においても常に低確率遊技状態が設定される。したがって、いずれの遊技状態であっても、当否抽選における大当たりの当選の確率は変化することはなく常に同一(1/300)となる(
図87参照)。
【0741】
また、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度は、第2形態と同様になっている。すなわち、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間はいずれも、第2形態(第1形態)と同様に設定されている(
図14~
図16、
図87(c)参照)。
【0742】
なお、工場出荷直後やRAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後等の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0743】
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)を行わせ(遊技者に左打ちが指示され)、低確率時短遊技状態LJT2中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)を行わせる(遊技者に右打ちが指示される)ようになっている。
すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。また、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となる。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行される。
【0744】
ここで、本形態に係るメインRAM103の保留記憶領域は、第1形態と同様に(第2形態と異なり)、第1特図乱数を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域から構成されており、また、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。そして、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態と同様に(第2形態と異なり)、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっている。たとえば、特別図柄の変動表示を開始する際に第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されていたときには、まず第2特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われ、当該変動表示が終了すると、次に第1特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われる。
なお、本形態においても、第2形態と同様の保留記憶領域の構成とし、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理するようにしてもよい。
【0745】
図87(a)に示すように、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、大当たり、小当たり又は時短付与に当選可能となっており、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1又はJ2が決定されるようになっている。
また、大当たりの当選の確率はおよそ1/300に設定されており、大当たりに当選した場合における大当たり図柄X1の決定確率は100/100(100%)に設定されている。小当たりの当選の確率はおよそ1/300に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y1、Y2の決定確率はいずれも50/100(50%)に設定されている。時短付与の当選の確率はおよそ298/300に設定されており、時短付与に当選した場合における時短図柄J1の決定確率は90/100(90%)、時短図柄J2の決定確率は10/100(10%)に設定されている。
このように、第1特図乱数に基づく当否抽選では、大当たりの当選、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出されるようになっている。すなわち、大当たり又は小当たりに当選しなかった場合には必ず時短付与に当選し、ハズレとはならないようになっている。
【0746】
一方、
図87(a)に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、大当たり又は小当たりに当選可能となっており、大当たりに当選すると大当たり図柄X2が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y3又はY4が決定されるようになっている。
また、大当たりの当選の確率はおよそ1/300に設定されており、大当たりに当選した場合における大当たり図柄X2の決定確率は100/100(100%)に設定されている。小当たりの当選の確率はおよそ50/300(およそ1/6)に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y3の決定確率は30/100(30%)、小当たり図柄Y4の決定確率は70/100(70%)に設定されている。さらに、上述の当否抽選によりハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
このように、第2特図乱数に基づく当否抽選では、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっている。すなわち、大当たり又は小当たりに当選しなかった場合には必ずハズレとなり、時短付与には当選しないようになっている。
【0747】
また、本形態における当否抽選でも、第2形態と同様に、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の非当選が導出された場合にハズレとなる。
さらに、第2形態と同様に、特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて、特別図柄の変動時間や変動演出の態様等が定められた変動パターンに対応する変動パターンコマンドが決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態及び第2形態と異なり、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄が停止表示する時間である停止表示時間(いわゆる図柄確定時間)は、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類にかかわらず、同一(本形態では0.5秒)となっている。当該停止表示時間は、第1形態や第2形態と同様に、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0748】
そして、
図87(b)に示すように、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.45秒間の開放が4回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。また、開放が終了してから次の開放が開始されるまでの間の大入賞口18の閉鎖時間(インターバル時間)は0.6秒に設定されている。さらに、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第2位置に停留する。
すなわち、小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が合計1.8秒開放される。そのため、この小当たり遊技中に、右打ちを行っていれば遊技球を大入賞口18へ入球させることができる。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第2位置に停留することから、大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域へ進入する。
したがって、小当たりに当選した場合には、右打ちを行っていれば、当該当選に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入するため、当該進入に基づき特別遊技が実行されることとなる。
【0749】
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1が決定された場合、或いは、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数(本例では1個)の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が計3回実行されるように設定されている。また、いずれのラウンド遊技においても大入賞口18が1回のみ開放され(29.0秒の開放が1回実行され)、各ラウンド遊技間のインターバル時間はいずれも2.0秒に設定されている。さらに、いずれのラウンド遊技中も振り分け部材59は第1位置に停留する。
また、大当たり図柄X2が決定された場合、又は、小当たり図柄Y4が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。ラウンド遊技中の開閉扉18bの開閉パターン及び振り分け部材59の作動態様、インターバル時間も、上述の大当たり図柄X1の決定、小当たり図柄Y1、Y2又はY3の決定に基づく特別遊技と同一の内容に設定されている。
【0750】
(設定される遊技状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄の決定(大当たりの当選)に基づき特別遊技が実行された場合には、決定された大当たり図柄の種類及び予め定められた参照時点における遊技状態(以下、参照時遊技状態ともいう)に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
また、小当たり図柄の決定(小当たりの当選)に基づき小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき特別遊技が実行された場合には、決定された小当たり図柄の種類及び参照時遊技状態に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
なお、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入しなかった場合(たとえば、小当たり遊技中に右打ちを行わなかったために大入賞口18へ遊技球が入球しなかった場合)には特別遊技が実行されないため、上述の遊技状態の設定は行われない。具体的には、非時短遊技状態中に小当たりに当選し小当たり遊技が実行されたときには、小当たり遊技の終了後は当該小当たり遊技前の非時短遊技状態となる。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、時短遊技状態中に小当たりに当選すると当該時短遊技状態は終了するため、小当たり遊技の終了後は非時短遊技状態となる。
【0751】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、時短遊技状態中(低確率時短遊技状態LJT1中又はLJT2中)に小当たりの当選回数が予め定められた終了決定回数に到達するか、特別図柄の変動回数が時短回数に到達すると、設定中の時短遊技状態が終了し非時短遊技状態が設定されるようになっている。
また、時短遊技状態中は、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数に到達するまでの残りの特別図柄の変動回数が更新され、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数に到達するまでの残りの小当たりの当選回数が更新される。
そして、メインCPU101は、残りの特別図柄の変動回数の更新により特別図柄の変動回数が時短回数に到達したと判断された場合、又は、残りの小当たりの当選回数の更新により小当たりの当選回数が終了決定回数に到達したと判断された場合には、設定中の時短遊技状態を終了して非時短遊技状態を設定し、いずれも到達していないと判断された場合には、設定中の時短遊技状態を維持する(すなわち、設定中の時短遊技状態に関し何も行わない)処理が行われる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、当該処理が終了した時点を上述の参照時点として定めており、大当たり又は小当たりに当選した場合には、当該時点における遊技状態(参照時遊技状態)を参照して、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
【0752】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選の実行時点における遊技状態が非時短遊技状態(通常遊技状態)であった場合において、時短付与に当選し時短図柄が決定されたときには、当該時短図柄の種類に応じて、当該時短図柄の停止表示後(当該時短図柄の変動表示の終了後)の遊技状態が設定される。
これに対して、当否抽選の実行時点における遊技状態が時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2)であった場合において、時短付与に当選し時短図柄が決定されたときには、当該時短図柄の停止表示後に、当該時短図柄の決定に基づく新たな遊技状態は設定されず、設定中の時短遊技状態が継続する。
なお、当否抽選の実行時点における遊技状態ではなく、時短図柄の停止表示時点における遊技状態や上述の参照時点における遊技状態に応じて、時短遊技状態の設定の有無を決定するようにしてもよい。たとえば、時短付与に当選し時短図柄が決定された場合において、当該時短図柄の停止表示時点における遊技状態が非時短遊技状態であるときには、時短図柄の種類に応じた遊技状態を設定し、当該時短図柄の停止表示時点における遊技状態が時短遊技状態であるときには、設定中の時短遊技状態を継続するようにしてもよい。
【0753】
以下、遊技状態の設定について、より詳しく説明する。
(大当たり図柄X1又はX2、或いは、小当たり図柄Y1、Y3又はY4が決定された場合)
図88(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合、或いは、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3又はY4が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、これらに基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【0754】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短回数として第1時短回数及び第2時短回数の2種類が定められているとともに、設定中の時短遊技状態が終了することとなる小当たりの当選回数である終了決定回数が定められている。
参照時遊技状態が非時短遊技状態の場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、第1時短回数が1回、第2時短回数が6回、終了決定回数が100回に定められている。これに対して、参照時遊技状態が時短遊技状態の場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、第1時短回数が6回、第2時短回数が11回、終了決定回数が100回に定められている。
なお、以下では、第1時短回数が1回、第2時短回数が6回、終了決定回数が100回に定められた低確率時短遊技状態LJT2を、低確率時短遊技状態LJT2-Cともいうものとし、第1時短回数が6回、第2時短回数が11回、終了決定回数が100回に定められた低確率時短遊技状態LJT2を、低確率時短遊技状態LJT2-Dともいうものとする。
【0755】
そして、低確率時短遊技状態LJT2-C又はLJT2-Dは、(1)特別遊技が実行されることなく、第2特図(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動表示される特別図柄)の変動回数が第1時短回数に到達(第2特図乱数による当否抽選が1回実行)、(2)特別遊技が実行されることなく、第1特図(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動表示される特別図柄)及び第2特図の変動回数の合計が第2時短回数に到達(第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計6回実行)、(3)小当たりの当選回数が終了決定回数に到達、(4)小当たりに当選、又は、(5)大当たりに当選、といういずれかの時短終了条件の成立に基づき、終了する。
【0756】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2形態と同様に、メインRAM103に第1時短回数記憶領域及び第2時短回数記憶領域を備えており、第1時短回数記憶領域には、第1残変動回数(第1時短回数に到達するまでの残りの特別図柄の変動回数)が記憶され、第2時短回数記憶領域には、第2残変動回数(第2時短回数に到達するまでの残りの特別図柄の変動回数)が記憶される。
また、第2形態と同様に、メインRAM103に終了決定回数記憶領域を備えており、この終了決定回数記憶領域には、終了決定回数が0となるまでの残りの小当たりの当選回数(以下、残小当たり回数ともいう)が記憶される。
【0757】
また、低確率時短遊技状態LJT2-C中又はLJT2-D中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、第1時短回数記憶領域に記憶されている第1残変動回数及び第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数の両方が1デクリメントされ、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、上述の特別図柄変動停止処理において、第2時短回数記憶領域に記憶されている第2残変動回数のみ1デクリメントされる。また、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり回数が1デクリメントされる。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(3)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-C又はLJT2-Dのままとなる。
【0758】
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の特別図柄変動停止処理において、上述の各種回数の更新が行われた後に(4)の時短終了条件が成立したか否かの判断(すなわち、小当たりに当選したか否かの判断)が行われるようになっている。
低確率時短遊技状態LJT2-C又はLJT2-Dにおいて小当たりに当選した場合、終了決定回数としては100回が設定されているため、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果によっては(3)の時短終了条件は成立しないものの、特別図柄変動停止処理において、上述の更新が行われた後に(4)の時短終了条件が成立したと判断される。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-C又はLJT2-Dにおいて小当たりに当選した場合には、残小当たり回数が更新された時点では遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-C又はLJT2-Dのままであるものの、その後、小当たりに当選したと判断されることによって、当該判断が行われた時点で、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
【0759】
(小当たり図柄Y2が決定された場合)
図88(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、これに基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される。
また、この低確率時短遊技状態LJT1では、第1時短回数が10000回、第2時短回数が10000回、終了決定回数が1回に定められている。
【0760】
この低確率時短遊技状態LJT1は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-CやLJT2-Dと同様の(1)~(5)のいずれかの時短終了条件の成立に基づき、終了する。
また、この低確率時短遊技状態LJT1中は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-CやLJT2-Dと同様に、特別図柄変動停止処理において、第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新が実行される。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(3)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1のままとなる。
【0761】
この低確率時短遊技状態LJT1中は、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、第1時短回数及び第2時短回数はいずれも10000回であり、大当たりの当選の確率、小当たりの当選の確率はいずれも1/300であるため(
図87(a)参照)、実質的には、(1)及び(2)の時短終了条件が成立することはなく、大当たり又は小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1が継続する。
また、上述のように、この低確率時短遊技状態LJT1においては、終了決定回数が1回に定められている。この低確率時短遊技状態LJT1において小当たりに当選した場合には、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数が更新されると、この更新の結果によって(3)の時短終了条件(すなわち、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達という時短終了条件)が成立することとなる。したがって、この低確率時短遊技状態LJT1において小当たりに当選した場合には、残小当たり回数が更新された時点で小当たりの当選回数が終了決定回数に到達することによって、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定され、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0762】
また、
図88(a)に示すように、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、これに基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)に設定される。
【0763】
(時短図柄J1が決定された場合)
図88(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたときには、当該停止表示時点で、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更されることにより、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。
また、この低確率時短遊技状態LJT1でも、第1時短回数が10000回、第2時短回数が10000回、終了決定回数が1回に定められている。
【0764】
この低確率時短遊技状態LJT1も、上述した大当たり又は小当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT1と同様の(1)~(5)のいずれかの時短終了条件の成立に基づき、終了するとともに、特別図柄変動停止処理において、第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新が実行される。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(3)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1のままとなる。
また、この低確率時短遊技状態LJT1も、実質的には、(1)及び(2)の時短終了条件が成立することはなく、大当たり又は小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1が継続する。
そして、この低確率時短遊技状態LJT1において小当たりに当選した場合にも、残小当たり回数が更新された時点で小当たりの当選回数が終了決定回数に到達する((3)の時短終了条件が成立)ことによって、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定され、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0765】
また、
図88(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態JT1又はJT2)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたときには、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が継続する。
【0766】
(時短図柄J2が決定された場合)
図88(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたときには、当該停止表示時点で、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更されることにより、低確率時短遊技状態LJT2(低確率時短遊技状態LJT2-C)が設定される。
この低確率時短遊技状態LJT2-Cにおいても、第1時短回数が1回、第2時短回数が6回、終了決定回数が100回に設定される。
【0767】
この低確率時短遊技状態LJT2-Cも、上述した大当たり又は小当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT2-Cと同様の(1)~(5)のいずれかの時短終了条件の成立に基づき、終了するとともに、特別図柄変動停止処理において、第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新が実行される。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される第1残変動回数、第2残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(3)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Cのままとなる。
また、この低確率時短遊技状態LJT2-Cにおいて小当たりに当選した場合にも、残小当たり回数が更新された時点では(3)の時短終了条件が成立しておらず、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Cのままであるものの、その後、小当たりに当選した((4)の時短終了条件が成立)と判断されることによって、当該判断が行われた時点で、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
【0768】
また、
図88(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態JT1又はJT2)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたときには、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が継続する。
【0769】
(低確率時短遊技状態LJT1中又は低確率時短遊技状態LJT2中に小当たり図柄Y2が決定された場合の処理について)
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、大当たりに当選する確率は同一であり、第2遊技状態12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない。これらの遊技状態中は、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。
通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中において、第1特図乱数による当否抽選に基づき大当たりに当選した場合には、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-C)が設定される(
図87(a)、
図88(a)参照)。また、第1特図乱数による当否抽選に基づき小当たりに当選した場合には、小当たり遊技を介して3回のラウンド遊技が行われる特別遊技を実行可能となり、当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-C)又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれかに設定される(
図87(a)、
図88(a)参照)。
また、通常遊技状態中において、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示された場合には、その後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-C)又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれかに設定される(
図88(b)参照)。一方、低確率時短遊技状態LTJ1中に、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示されても、遊技状態は変更されることなくその後も低確率時短遊技状態LJT1が継続する。
【0770】
低確率時短遊技状態LJT2中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中と同一となっているものの、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。この遊技状態中は、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第2始動入賞口16へ入球する可能性がある。
第2特図乱数による当否抽選に基づき大当たりに当選した場合には、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に再度、低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-D)が設定される(
図87(a)、
図88(a)参照)。また、第2特図乱数による当否抽選に基づき小当たりに当選した場合には、小当たり遊技を介して3回又は10回のラウンド遊技が行われる特別遊技を実行可能となり、当該特別遊技の終了後に再度、低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-D)が設定される(
図87(a)、
図88(a)参照)。
すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球により、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるとともに、大当たりの当選又は小当たりの当選を介して実行される特別遊技においては、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中における大当たりの当選又は小当たりの当選を介して実行される特別遊技よりも多い回数のラウンド遊技が行われる可能性があり、さらには、当該特別遊技の終了後は必ず、再度の低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-D)が設定されるため、通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態となっている。
また、上述したように、通常遊技状態中に、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示された場合には、低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-C)のいずれかが設定されるものの、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行した後は、当該低確率時短遊技状態LJT1中に、第1特図乱数による当否抽選に基づき時短付与に当選し時短図柄が停止表示されても、低確率時短遊技状態LJT2が設定されることはない。したがって、時短付与の当選及び時短図柄の停止表示により低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-C)が設定され得る通常遊技状態の方が、低確率時短遊技状態LJT1中よりも有利な遊技状態となっている。これにより、第2形態と同様に、低確率時短遊技状態LJT1に移行する前の通常遊技状態がチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0771】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、主に、RAMクリア(異常時初期化処理、通常初期化処理)の実行後や、大当たりや小当たりに当選することなく低確率時短遊技状態LJT2が終了し当該終了時点で記憶されていた全ての第2特図乱数(第2特図残保留)について当否抽選及び特別図柄の変動表示が実行された後に、通常遊技状態中における第1特図乱数による当否抽選が実行されることとなる。この当否抽選ではほぼ時短付与に当選し、極めて高い確率で時短図柄J1が決定されるため(
図87(a)参照)、当該当否抽選が実行され特別図柄の変動表示が終了すると低確率時短遊技状態LJT1が設定される可能性が高い。また、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1は、実質的に大当たり又は小当たりに当選するまで継続する。
したがって、本形態における遊技中は概ね、低確率時短遊技状態LJT1に滞在することとなる。
【0772】
ここで、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)においては終了決定回数が1回に定められており、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)においては終了決定回数が100回に定められている。そして、これらの遊技状態中に小当たりに当選した場合には、特別図柄変動停止処理において、残小当たり回数が更新された(1インクリメントされた)後、この更新の結果に基づく遊技状態の処理が行われ、当該処理が終了した時点における遊技状態を参照して、小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
すると、低確率時短遊技状態LJT1中に第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合には、残小当たり回数が更新され0となり、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達する。これにより非時短遊技状態が設定される。すなわち、参照時遊技状態が非時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は低確率時短遊技状態JT1(時短遊技状態JT1)となる(
図88(a)参照)。
これに対して、低確率時短遊技状態LJT2中に第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合には、残小当たり回数が更新され99となり、小当たりの当選回数は終了決定回数に達しない。そのため、遊技状態は変わらず低確率時短遊技状態LJT2のままとなる。すなわち、参照時遊技状態は時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる(
図88(a)参照)。
【0773】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりの当選回数により時短遊技状態を終了可能とするとともに、複数種類の時短遊技状態において、それぞれ時短遊技状態が終了可能となる小当たりの当選回数を異ならせることで、上述の参照時点における遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかとなるように制御している。これにより、低確率時短遊技状態LJT2中に小当たり図柄Y2が決定された場合と、低確率時短遊技状態LJT1中に小当たり図柄Y2が決定された場合とで、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を異ならせることができる。
【0774】
たとえば、低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合において、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第2特図乱数に基づく当否抽選が開始されるよりも前に、当該低確率時短遊技状態LJT2の設定前に取得かつ記憶されていた第1特図乱数に基づく当否抽選が実行され、確率は低いものの、この当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定されるようなケースがある。
原則として、特別図柄の決定に基づき特別遊技の終了後に時短遊技状態を設定する場合には、決定された特別図柄の種類に応じた内容とする必要があり、同一の特別図柄が決定されたときには同一の時短遊技状態を設定するようにしなければならない。なお、参照時点の遊技状態が異なっていれば(時短遊技状態又は非時短遊技状態のいずれか)、同一の特別図柄が決定されたときであっても、参照時遊技状態に応じて時短遊技状態の設定の有無を異ならせるように設定することは可能である。
ここで、たとえば、小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態JT1を設定する旨が定められていたものとする。このときには、低確率時短遊技状態LJT1中に小当たり図柄Y2が決定された場合、低確率時短遊技状態LJT2中に小当たり図柄Y2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定される。そうすると、上述のケースでは、せっかく有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2が設定されたにもかかわらず、特別遊技の終了後に有利度の低い低確率時短遊技状態LJT1が設定され、遊技者に大きな損失感を抱かせてしまうおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中に小当たり図柄Y2が決定された場合には、参照時遊技状態が非時短遊技状態となり、当該決定に基づく特別遊技の終了後は再度、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるものの、上述のケースのように低確率時短遊技状態LJT2中に小当たり図柄Y2が決定された場合には、参照時遊技状態が時短遊技状態となり、当該決定に基づく特別遊技の終了後は非時短遊技状態が設定されるようにしている。上述したように、非時短遊技状態は、低確率時短遊技状態LJT2が設定され得るチャンスゾーン的な位置付けとなっているため、運悪く上述のケースが発生したとしても、遊技者に与える損失感を軽減することができる。
【0775】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pは、第2形態と同様に、変動パターンを決定するための変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に参照されるテーブル、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブル、低確率時短遊技状態LJT2中に参照されるテーブルを備えている。
これらの変動パターンテーブル114には、第2形態と同様に、決定された特別図柄(ハズレ図柄Z2、大当たり図柄X1、X2、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、時短図柄J1、J2)、現時点の保留数(変動パターンコマンドの決定時点(当否抽選の実行時点)の第1保留数、第2保留数)、変動パターン乱数に応じて、所定の変動時間が設定された変動パターンに対応する変動パターンコマンドが定められている。
そして、当否抽選が行われ特別図柄が決定されると、メインCPU101は、当否抽選が実行された時点の遊技状態に対応する変動パターンテーブル114に基づき、決定された特別図柄、現時点の保留数及び変動パターン乱数に応じた変動パターンコマンドを決定する。決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行態様を決定する。
【0776】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、第1形態や第2形態と異なる点を中心に、フローチャートを用いて説明する。なお、第1形態や第2形態と同一の処理や、第1形態や第2形態とほぼ同一の処理であって当業者が本形態での実施方法(本形態への適用方法)を理解し得るものについては、第1形態や第2形態と同一のステップ番号を付し、原則として説明を省略する。
【0777】
本形態に係るパチンコ機Pにおける特別図柄変動開始処理(特図関連制御処理のステップ701(
図27参照))は、第2形態と異なるものの、第1形態と同一の処理(
図28参照)となっているため、説明を省略する。
【0778】
次に、特別図柄変動停止処理(特図関連制御処理のステップ702(
図27参照))について、
図89のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1003-11において、メインCPU101は、第1残変動回数、第2残変動回数の更新に係る残変動回数更新処理を実行する。そして、次のステップ1003-12に進む。
ステップ1003-12において、メインCPU101は、残小当たり回数の更新に係る残小当たり回数更新処理を実行する。そして、次のステップ1003-13に進む。
【0779】
ステップ1003-13において、メインCPU101は、遊技状態の設定等に係る遊技状態制御処理を実行する。そして、停止表示時間をセットする処理を実行するステップ1004に進む。
【0780】
次に、上述したステップ1003-11の残変動回数更新処理について、
図90のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1010において、メインCPU101は、現時点(当否抽選の実行時点)の遊技状態が時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2)であるか否か、すなわち、時短遊技状態の設定中であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態(通常遊技状態)である)と判定した場合、残変動回数更新処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1011に進む。
ステップ1011において、メインCPU101は、第1残変動回数や第2残変動回数を更新する。具体的には、メインCPU101は、第2特図が停止表示されたときには第1残変動回数及び第2残変動回数の両方を1デクリメントし、第1特図が停止表示されたときには第2残変動回数のみ1デクリメントする。そして、残変動回数更新処理を終了する。
【0781】
次に、上述したステップ1003-12の残小当たり回数更新処理について、
図91のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1020において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示された特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、大当たり図柄、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、残小当たり回数更新処理を終了する。一方、停止表示された特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1021に進む。
ステップ1021において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でないと判定した場合、残小当たり回数更新処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1022に進む。
【0782】
ステップ1022において、メインCPU101は、残小当たり回数を更新する。具体的には、メインCPU101は、残小当たり回数が1以上であった場合、当該残小当たり回数を1デクリメントする。一方、残小当たり回数が0であった場合、何も処理を行わない。そして、残小当たり回数更新処理を終了する。
【0783】
次に、上述したステップ1003-13の遊技状態制御処理について、
図92のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1030において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でないと判定した場合、ステップ1036に進む。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1031に進む。
ステップ1031において、メインCPU101は、上述の(1)~(3)のいずれかの時短終了条件(すなわち、時短回数、小当たりの当選回数に関する時短終了条件)が成立したか否かを判定する。そして、いずれも成立していないと判定した場合、ステップ1033に進む。一方、成立したと判定した場合、次のステップ1032に進む。
【0784】
ステップ1032において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態を終了し通常遊技状態の設定を行う通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、第1時短回数記憶領域、第2時短回数記憶領域及び終了決定回数記憶領域をクリアする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が終了し、通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。そして、次のステップ1033に進む。
ステップ1033において、メインCPU101は、当該時点における遊技状態を参照時遊技状態としてメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。具体的には、上述のステップ1031で(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立したと判定した場合に進む上述のステップ1032で通常遊技状態が設定されたときには、参照時遊技状態として非時短遊技状態が記憶される。また、上述のステップ1031で(1)~(3)のいずれの時短終了条件を成立していないと判定した場合には、参照時遊技状態として時短遊技状態が記憶される。そして、次のステップ1034に進む。
【0785】
ステップ1034において、メインCPU101は、上述の(4)の時短終了条件(すなわち、小当たりの当選)が成立したか否かを判定する。そして、成立していないと判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、成立したと判定した場合、次のステップ1035に進む。
ステップ1035において、メインCPU101は、通常遊技状態設定処理を実行する。当該処理は上述ステップ1032と同様であるため、説明を省略する。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2の設定中に小当たりに当選した場合、上述の残小当たり回数更新処理の結果によっては小当たりの当選回数が終了決定回数に到達したという(3)の時短終了条件が成立せず、上述のステップ1032の処理は実行されないものの、上述のステップ1034で(4)の時短終了条件が成立したと判定されるため、ここで通常遊技状態が設定される。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT1又はJT2(低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2)のいずれにおいても、小当たりに当選した場合には、設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。そして、遊技状態制御処理を終了する。
【0786】
また、上述のステップ1030で時短遊技状態でないと判定した場合に進むステップ1036において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示された特別図柄が時短図柄でない(すなわち、大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、停止表示された特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1037に進む。
ステップ1037において、メインCPU101は、停止表示された時短図柄に応じた遊技状態の設定を行う時短遊技状態設定処理を実行する。
具体的には、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に、第1時短回数に対応する「10000」を第1残変動回数としてセットし、第2時短回数記憶領域に、第2時短回数に対応する「10000」を第2残変動回数としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「1」を残小当たり回数としてセットする。これにより、低確率時短遊技状態LJT1の設定が行われる。
また、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に、第1時短回数に対応する「1」を第1残変動回数としてセットし、第2時短回数記憶領域に、第2時短回数に対応する「6」を第2残変動回数としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「100」を残小当たり回数としてセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT2(LJT2-C)の設定が行われる。
そして、遊技状態制御処理を終了する。
【0787】
次に、特別遊技終了処理(特図関連制御処理のステップ706(
図27参照))について、
図93のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300で実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であった場合に進むステップ1304-11において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている参照時遊技状態、及び停止表示された特別図柄の種類に基づいて遊技状態の設定を行う遊技状態設定処理を実行する。
具体的には、参照時遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ停止表示された特別図柄が大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y3又はY4であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に、第1時短回数に対応する「1」を第1残変動回数としてセットし、第2時短回数記憶領域に、第2時短回数に対応する「6」を第2残変動回数としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「100」を残小当たり回数としてセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT2(LJT2-C)の設定が行われる。
また、参照時遊技状態が時短遊技状態であり、かつ停止表示された特別図柄が大当たり図柄X1又はX2、小当たり図柄Y1、Y3又はY4であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に、第1時短回数に対応する「6」を第1残変動回数としてセットし、第2時短回数記憶領域に、第2時短回数に対応する「11」を第2残変動回数としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「100」を残小当たり回数としてセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT2(LJT2-D)の設定が行われる。
また、参照時遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ停止表示された特別図柄が小当たり図柄Y2であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、第1時短回数記憶領域に、第1時短回数に対応する「10000」を第1残変動回数としてセットし、第2時短回数記憶領域に、第2時短回数に対応する「10000」を第2残変動回数としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「1」を残小当たり回数としてセットする。これにより、低確率時遊技状態LJT1の設定が行われる。
また、参照時遊技状態が時短遊技状態であり、かつ停止表示された特別図柄が小当たり図柄Y2であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、第1時短回数記憶領域、第2時短回数記憶領域及び終了決定回数記憶領域をクリアする。これにより、通常遊技状態(非時短遊技状態)の設定が行われる。
そして、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するステップ1306に進む。
【0788】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中に小当たり図柄Y2が決定された場合と、低確率時短遊技状態LJT2中に小当たり図柄Y2が決定された場合とでは、参照時遊技状態が異なるようになっており、これにより、小当たり図柄Y2を介して実行される特別遊技の終了後に、参照時遊技状態に応じた異なる遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又は通常遊技状態)が設定されることとなる。
このような本形態に係るパチンコ機Pによれば、遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0789】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT1又はJT2(低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2)のいずれにおいても、小当たりに当選した場合には上述の(4)の時短終了条件を満たすため、設定中の時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。
仮に、小当たりに当選した場合に時短遊技状態が終了しないように設定していたとすると、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中は時短遊技状態となる。すると、小当たり遊技中における大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しにより、時短遊技状態中の出玉率が高くなり、時短遊技状態中の射幸性が高まり過ぎるといった事態が生じ得る。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように構成したことにより、小当たり遊技中は通常遊技状態(非時短遊技状態)となるため、時短遊技状態中の射幸性が高まり過ぎるといった事態が生じるのを効果的に防止することが可能となる。
【0790】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける各種演出の概要)
次に、本形態に係るパチンコ機Pで実行される各種演出の概要について、遊技状態ごとに説明する。
(1)低確率時短遊技状態LJT1
上述したように、本形態における遊技中は、主に低確率時短遊技状態LJT1に滞在する。低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には、第1形態や第2形態の左打ち示唆が行われ、この低確率時短遊技状態LJT1中は当該遊技状態に対応する背景画像が表示される。この背景画像により低確率時短遊技状態LJT1中である旨を把握可能となる。
また、低確率時短遊技状態LJT1においては、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行され、この当否抽選により大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出では、第1形態や第2形態の当選態様(
図54(e)等参照)により演出図柄50の停止表示が行われ、この当否抽選により時短付与に当選した場合の変動演出では、第1形態や第2形態の非当選態様(
図54(a)等参照)により演出図柄50の停止表示が行われ、この当否抽選によりハズレとなった場合の変動演出では、上述の非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。
なお、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中や、小当たりの当選又は大当たりの当選を介して実行される特別遊技中には、第1形態や第2形態の右打ち示唆(
図56等参照)が行われる。また、小当たり遊技中には当該遊技に対応する小当たり遊技演出が実行され、特別遊技中には特別遊技中演出(
図58(a)等参照)が実行される。
【0791】
(2)低確率時短遊技状態LJT2
低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合には、上述の右打ち示唆が行われ、この低確率時短遊技状態LJT2中は当該遊技状態に対応する背景画像が表示される。この背景画像により低確率時短遊技状態LJT2中である旨を把握可能となる。
また、低確率時短遊技状態LJT2においては、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、この当否抽選により大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出では、上述の当選態様により演出図柄50の停止表示が行われ、この当否抽選によりハズレとなった場合の変動演出では、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。なお、低確率時短遊技状態LJT2中には、特殊パターンAによる変動演出が行われるようになっている(
図86等参照)。
【0792】
(3)通常遊技状態
大当たり又は小当たりに当選することなく低確率時短遊技状態LJT2が終了することにより通常遊技状態が設定された場合には、第2特図残保留に基づく第2特図の変動表示が終了するまでは、低確率時短遊技状態LJT2に対応する背景画像の表示が継続する。そして、この第2特図の変動表示が終了すると、上述の左打ち示唆が行われ、通常遊技状態に対応する背景画像が表示される。この背景画像により通常遊技状態中である旨を把握可能となる。
また、通常遊技状態中に第2特図残保留に基づく当否抽選が行われ、この当否抽選により大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出では、上述の当選態様により演出図柄50の停止表示が行われ、この当否抽選によりハズレとなった場合の変動演出では、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。
また、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われ、この当否抽選により大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出では、上述の当選態様により演出図柄50の停止表示が行われ、この当否抽選により時短付与に当選した場合の変動演出では、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。また、時短付与に当選した場合において、時短図柄J1が決定されたときには、その後に低確率時短遊技状態LJT1が設定される旨の示唆が行われ(
図86(f)等参照)、時短図柄J2が決定されたときには、その後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される旨の示唆が行われる(
図86(e)等参照)。
また、通常遊技状態中も、特殊パターンAによる変動演出が行われるようになっている
【0793】
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて実行可能な演出としては、上述の内容に限定されるものではなく、矛盾の生じない範囲で、第1形態や第2形態における演出を適用してもよい。
【0794】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数に基づく当否抽選、第2特図乱数に基づく当否抽選のいずれにおいても大当たりの当選の抽選結果が導出されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、大当たりの当選の抽選結果は導出されないようにしてもよい。
具体的には、たとえば、第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出され、第2特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようにしてもよい。そして、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、特別遊技が実行されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0795】
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中に小当たりに当選した場合において、残小当たり回数の更新により上述の(3)の時短終了条件が成立しないときであっても、その後に、小当たりの当選に基づいて設定中の時短遊技状態が終了するようになっていた(すなわち、時短終了条件として小当たりの当選が定められていた)が、これに限定されるものではない。
たとえば、時短終了条件として小当たりの当選を定めないようにすることで、時短遊技状態中に小当たりに当選した場合において、残小当たり回数の更新により上述の(3)の時短終了条件が成立しないときには、設定中の時短遊技状態が終了しないようにしてもよい。
【0796】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示が終了した後であって当該特別図柄の停止表示期間が開始される前に、残小当たり回数の更新、及び当該更新に基づく遊技状態の処理を実行し、当該処理が実行された時点を参照時点として定めていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動表示中に、残小当たり回数の更新、及び当該更新に基づく遊技状態の処理を実行し、当該処理が実行された時点を参照時点としてもよい。また、特別図柄の停止表示期間中に、残小当たり回数の更新、及び当該更新に基づく遊技状態の処理を実行し、当該処理が実行された時点を参照時点としてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0797】
本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりの当選回数により時短遊技状態を終了可能とするとともに、複数種類の時短遊技状態において、それぞれ時短遊技状態が終了可能となる小当たりの当選回数を異ならせることで、参照時点における遊技状態が異なる(非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかとなる)ように制御していたが、これに限定されるものではなく、大当たりの当選回数により同様の制御を実行するようにしてもよい。
たとえば、時短遊技状態JT1は大当たりの当選回数が1回に到達することで終了し、時短遊技状態JT2は大当たりの当選回数が100回に到達することで終了するように設定する。また、特別図柄変動終了処理において、大当たりの当選回数が更新され、当該更新に基づく遊技状態の処理が実行された時点を参照時点として設定する。そして、大当たり図柄X1が決定された場合において、参照時遊技状態が非時短遊技状態であったときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態JT1が設定され、参照時遊技状態が時短遊技状態であったときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合には、本形態に係るパチンコ機Pと同様の制御を大当たりの当選に基づいて実行することが可能となる。
【0798】
(第4形態)
以下、第4形態を、図面を参照しつつ説明する。この説明にあたっては、上述した第1形態、第2形態、第3形態と同様の構成には、同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
本形態に係るパチンコ機Pは、第2形態や第3形態と同様に、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【0799】
本形態に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、第2形態や第3形態と同一となっている。
また、第2形態や第3形態と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、大入賞口18が開放し遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入する。そして、小当たり遊技中に特別領域へ所定個数の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行されるようになっている。
【0800】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2形態と同様に、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、当該大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
また、第2形態や第3形態と同様に、設定可能な遊技状態として、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT2が設けられており、いずれかの遊技状態が設定されて遊技が進行するようになっている。
そして、第2形態や第3形態と同様に、いずれの遊技状態においても常に低確率遊技状態が設定される。したがって、いずれの遊技状態であっても、当否抽選における大当たりの当選の確率は変化することはなく常に同一(およそ1/200)となる(
図94(a)参照)。
【0801】
また、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度は、第2形態や第3形態と同様になっている。すなわち、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間はいずれも、第2形態や第3形態と同様に設定されている(
図14~
図16、
図87(c)、
図94(c)参照)。
【0802】
なお、工場出荷直後やRAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後等の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0803】
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)を行わせ(遊技者に左打ちが指示され)、低確率時短遊技状態LJT2中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)を行わせる(遊技者に右打ちが指示される)ようになっている。
すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。また、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となる。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行される。
【0804】
ここで、本形態に係るメインRAM103の保留記憶領域は、第1特図乱数を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域から構成されており、また、これらの保留記憶領域は、それぞれ1つの記憶部(第1記憶部)のみから構成されており、第1特図乱数を1組、第2特図乱数を1組記憶可能となっている。そして、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されるようになっている。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されているときに第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても、当該入球に基づいて取得される第1特図乱数が記憶されることはなく、第2保留記憶領域の第1記憶部に第2特図乱数が記憶されているときに第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても、当該入球に基づいて取得される第2特図乱数が記憶されることはない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態や第3形態と同様に、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっている。たとえば、特別図柄の変動表示を開始する際に第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されていたときには、まず第2特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われ、当該変動表示が終了すると、次に第1特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われる。
なお、本形態においても、第2形態と同様に、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理するようにしてもよい。また、各保留記憶領域に複数の記憶部を設け、第1特図乱数及び第2特図乱数を複数記憶できるようにしてもよい。
【0805】
図94(a)に示すように、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、大当たり又は時短付与に当選可能となっており、大当たりに当選すると大当たり図柄X1又はX2が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1が決定されるようになっている。
また、大当たりの当選の確率はおよそ1/200に設定されており、大当たりに当選した場合における大当たり図柄X1、X2の決定確率はいずれも50/100(50%)に設定されている。時短付与の当選の確率はおよそ1/200に設定されており、時短付与に当選した場合における時短図柄J1の決定確率は100/100(100%)に設定されている。さらに、上述の当否抽選によりハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。
このように、第1特図乱数に基づく当否抽選では、大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっている。すなわち、第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりに当選することはなく、大当たり又は時短付与に当選しなかった場合にはハズレとなるように設定されている。
【0806】
これに対して、
図94(a)に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、大当たり又は小当たりに当選可能となっており、大当たりに当選すると大当たり図柄X3又はX4が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定されるようになっている。
また、大当たりの当選の確率はおよそ1/200に設定されており、大当たりに当選した場合における大当たり図柄X3、X4の決定確率はいずれも50/100(50%)に設定されている。小当たりの当選の確率はおよそ20/200(およそ1/10)に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y1、Y2の決定確率はいずれも50/100(50%)に設定されている。さらに、上述の当否抽選によりハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
このように、第2特図乱数に基づく当否抽選では、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっている。すなわち、第2特図乱数に基づく当否抽選では、時短付与に当選することはなく、大当たり又は小当たりに当選しなかった場合にはハズレとなるように設定されている。
【0807】
また、本形態における当否抽選でも、第2形態や第3形態と同様に、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の非当選が導出された場合にハズレとなる。
さらに、特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて、特別図柄の変動時間や変動演出の態様等が定められた変動パターンに対応する変動パターンコマンドが決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第3形態と同様に、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄が停止表示する時間である停止表示時間(図柄確定時間)は、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類にかかわらず、同一(0.5秒)となっている。当該停止表示時間は、第1形態や第2形態と同様に、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0808】
そして、第3形態と同様に、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.45秒間の開放が4回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている(
図94(b)参照)。また、開放が終了してから次の開放が開始されるまでの間の大入賞口18の閉鎖時間(インターバル時間)は0.6秒に設定されている(
図94(b)参照)。さらに、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第2位置に停留する(
図94(b)参照)。
すなわち、小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が合計1.8秒開放される。そのため、この小当たり遊技中に、右打ちを行っていれば遊技球を大入賞口18へ入球させることができる。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第2位置に停留することから、大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域へ進入する。
したがって、小当たりに当選した場合には、右打ちを行っていれば、当該当選に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入するため、当該進入に基づき特別遊技が実行されることとなる。
【0809】
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1、X2又はX4が決定された場合、或いは、小当たり図柄Y2が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が計3回実行されるように設定されている。また、いずれのラウンド遊技においても大入賞口18が1回のみ開放され(29.0秒の開放が1回実行され)、各ラウンド遊技間のインターバル時間はいずれも2.0秒に設定されている。さらに、いずれのラウンド遊技中も振り分け部材59は第1位置に停留する。
また、大当たり図柄X3が決定された場合、又は、小当たり図柄Y1が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、上述と同態様のラウンド遊技が計10回行われる特別遊技が実行される。ラウンド遊技中の開閉扉18bの開閉パターン及び振り分け部材59の作動態様、インターバル時間も、上述の特別遊技と同一の内容に設定されている。
【0810】
(設定される遊技状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選に基づいて特別遊技が実行された場合には、決定された大当たり図柄の種類、及び、大当たり当選時の遊技状態(当否抽選実行時の遊技状態)に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0811】
また、小当たりの当選に基づいて小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことにより特別遊技が実行された場合には、決定された小当たり図柄の種類、及び、小当たり当選時の遊技状態(当否抽選実行時の遊技状態)に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
これに対して、たとえば、右打ちを行わなかった等の理由により、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入しなかった場合には、特別遊技が実行されず上述の遊技状態の設定も行われない。したがって、小当たり遊技の終了後も、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態が継続する。
【0812】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態(通常遊技状態)において時短付与に当選した場合には、決定された時短図柄に応じた時短遊技状態の設定が行われず、当該時短図柄の停止表示後も非時短遊技状態が継続するようになっている。
これに対して、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2))において時短付与に当選した場合には、決定された時短図柄の停止表示後に設定中の時短遊技状態が終了し、この決定された時短図柄に応じた時短遊技状態が新たに設定されるようになっている。
【0813】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態と同様に、メインRAM103に時短回数記憶領域を備えており、この時短回数記憶領域には、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されるようになっている。
具体的には、時短遊技状態が設定されると、当該時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数を示す初期値として、所定の時短回数が時短回数記憶領域に設定(記憶)される。そして、特別図柄の変動表示が実行されるごとに、時短回数記憶領域に記憶されている値が更新される。これにより、時短回数記憶領域に記憶されている値が、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数となる。
【0814】
具体的には、
図95(a)に示すように、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定された場合、又は、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大当たり当選時又は小当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定され、時短回数は200回に設定される。
【0815】
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合、又は、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大当たり当選時又は小当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるときに、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定され、時短回数は200回に設定される。
なお、後述するように、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)中に大当たり図柄X4や小当たり図柄Y2が決定され、当該決定を介して特別遊技が実行されると、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。この通常遊技状態が設定された際に、特別遊技開始前の低確率時短遊技状態LJT2中に取得され保留記憶された第2特図乱数(第2残保留)が存在している場合がある。第2特図乱数に基づく当否抽選は、主に低確率時短遊技状態LJT2中に行われるものの、この場合には、通常遊技状態において第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。そして、この当否抽選により大当たり図柄X4又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり当選時又は小当たり当選時の遊技状態は非時短遊技状態であることから、上述のように、当該決定を介して実行される特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
【0816】
上述の低確率時短遊技状態LJT2は、特別遊技が実行されることなく当否抽選の結果が200回導出されるまで(特別図柄の変動回数が200回に到達するまで)継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT2中に、特別遊技が実行されることなく当否抽選の結果が200回導出されると、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
また、低確率時短遊技状態LJT2中は、指示通りに右打ちを行っている限りにおいて第2特図乱数に基づく当否抽選が行われ、第2特図乱数に基づく当否抽選では大当たり又は小当たりに当選可能であり、大当たりの当選の確率はおよそ1/200、小当たりの当選の確率はおよそ20/200となっている(
図94(a)参照)。そのため、実質的には、大当たりに当選するか、又は、小当たりに当選し当該当選を介して特別遊技が実行されるまで、低確率時短遊技状態LJT2が継続することとなる。
【0817】
図95(a)に示すように、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合、又は、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大当たり当選時又は小当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であるときに、特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)に設定される。
【0818】
図95(a)に示すように、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定され、時短回数は20回に設定される。
【0819】
この低確率時短遊技状態LJT1は、特別遊技が実行されることなく当否抽選の結果が20回導出されるまで(特別図柄の変動回数が20回に到達するまで)継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT1中に、特別遊技が実行されることなく当否抽選の結果が20回導出されると、時短遊技状態JT1が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
また、低確率時短遊技状態LJT1中は、指示通りに左打ちを行っている限りにおいて第1特図乱数に基づく当否抽選が行われ、第1特図乱数に基づく当否抽選では大当たりに当選可能であり、大当たりの当選の確率はおよそ1/200となっている(
図94(a)参照)。そのため、低確率時短遊技状態LJT1中には必ずしも大当たりに当選するとは限らない。
【0820】
図95(a)に示すように、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2))において第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合(すなわち、時短付与に当選し、この時短付与当選時の遊技状態が時短遊技状態であった場合)には、時短図柄J1の停止表示時に設定中の時短遊技状態が終了し、新たに低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)が設定され、時短回数は200回に設定される。
これに対して、非時短遊技状態(通常遊技状態)において第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合(すなわち、時短付与に当選し、この時短付与当選時の遊技状態が非時短遊技状態であった場合)には、時短図柄J1の決定に基づく低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)の設定は行われず、時短図柄J1が停止表示された後も通常遊技状態(非時短遊技状態)が継続する。
【0821】
時短遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選は、主に、左打ちが指示される低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)中に行われるため、時短付与当選時の遊技状態は概ね低確率時短遊技状態LJT1となる。ただし、低確率時短遊技状態LJT2中であっても、右打ちの指示に従わず左打ちを行って第1始動入賞口15へ遊技球が入球したような場合には、第1特図乱数に基づく当否抽選が行われるため、時短付与当選時の遊技状態が低確率時短遊技状態JT2となる場合もある。
そして、低確率時短遊技状態LJT1において時短付与に当選した場合には、当該低確率時短遊技状態LJT1が終了し、低確率時短遊技状態LJT2が設定され、時短回数が200回に設定される。一方、低確率時短遊技状態LJT2において時短付与に当選した場合には、当該低確率時短遊技状態LJT2が終了し、新たに低確率時短遊技状態LJT2が設定され、時短回数が200回に再設定される。
【0822】
なお、時短付与に当選した場合に低確率時短遊技状態LJT2を設定するタイミングは、時短図柄J1の停止表示時に限定されるものではなく、たとえば、時短図柄J1を停止表示する停止表示時間(図柄確定時間)が経過した時点、時短図柄J1の変動表示が開始されてから終了するまでのいずれかの時点(たとえば、開始時時点、変動表示中のいずれかの時点等)としてもよい。
【0823】
(変動パターンテーブル114の概要)
本形態に係るパチンコ機Pも、複数種類の変動パターンテーブル114を備えている。ここでは、
図96(a)~(d)に示すように、通常遊技状態中(低確率時短遊技状態LJT2中の大当たり又は小当たりの当選を介する特別遊技の終了後に設定された通常遊技状態において、第2残保留に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでの期間を除く)であって第1特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP51、低確率時短遊技状態LJT1中であって第1特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP52、低確率時短遊技状態LJT2中であって第2特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP53、低確率時短遊技状態LJT2中の大当たり又は小当たりの当選を介する特別遊技の終了後に設定された通常遊技状態中であって第2特図乱数(第2残保留)に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP54について説明し、他の変動パターンテーブル114については説明を省略する。
【0824】
図96(a)に示すように、テーブルMP51によれば、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」(選択割合は85%)、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」(選択割合は10%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」(選択割合は5%)のいずれかが決定される。
時短図柄J1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「05H」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」(選択割合は5%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」(選択割合は95%)のいずれかが決定される。
大当たり図柄X2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0CH」(選択割合は5%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0DH」(選択割合は95%)のいずれかが決定される。
【0825】
図96(b)に示すように、テーブルMP52によれば、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」(選択割合は70%)、又は、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「14H」(選択割合は30)のいずれかが決定される。
時短図柄J1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「15H」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1AH」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1CH」(選択割合は100%)が決定される。
【0826】
図96(c)に示すように、テーブルMP53によれば、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」(選択割合は85%)、又は、「8秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「24H」(選択割合は15%)のいずれかが決定される。
大当たり図柄X3が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「8秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2AH」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X4が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「8秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2CH」(選択割合は100%)が決定される。
小当たり図柄Y1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「8秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2EH」(選択割合は100%)が決定される。
小当たり図柄Y2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「8秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2FH」(選択割合は100%)が決定される。
【0827】
図96(d)に示すように、テーブルMP54によれば、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「34H」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X3が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3AH」(選択割合は100%)が決定される。
大当たり図柄X4が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3CH」(選択割合は100%)が決定される。
小当たり図柄Y1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3EH」(選択割合は100%)が決定される。
小当たり図柄Y2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「15秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3FH」(選択割合は100%)が決定される。
【0828】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態)、又は、低確率時短遊技状態LJT2(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0829】
遊技者が遊技を開始する時点では、概ね、通常遊技状態が設定されている。
通常遊技状態においては、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、また、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても当該遊技球が第2始動入賞口16へ入球することはない。そのため、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX2が決定される(
図94(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、大当たり図柄X2が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1に設定される(
図95(a)参照)。
また、通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選した(時短図柄J1が決定された)場合には、特別図柄の停止表示後も通常遊技状態が継続する(
図95(b)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示に従って左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行を経て低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2のいずれかへ移行することとなる(
図97参照)。
【0830】
低確率時短遊技状態LJT1中は、大当たりの当選の確率が通常遊技状態中と同一となっている。また、低確率時短遊技状態LJT1においては、通常遊技状態と同様に、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても当該遊技球が第2始動入賞口16へ入球することはない。そのため、低確率時短遊技状態LJT1中も、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
低確率時短遊技状態LJT1においても、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX2が決定される(
図94(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、大当たり図柄X2が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1に設定される(
図95(a)参照)。
また、低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選した場合には、特別図柄の停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(b)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT1中に指示に従って左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行を経て低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2のいずれかへ移行し、時短付与に当選することにより、特別遊技の実行を経ずに低確率時短遊技状態LJT2へ移行することとなる(
図97参照)。なお、特別遊技が実行されることなく特別図柄の変動表示が20回行われると、低確率時短遊技状態LJT1は終了し通常遊技状態へ移行する(
図97参照)。
【0831】
低確率時短遊技状態LJT2中は、大当たりの当選の確率が通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中と同一となっているものの、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されると、高い頻度で遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能となる。また、この低確率時短遊技状態LJT2においては、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
低確率時短遊技状態LJT2において、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X3又はX4が決定される(
図94(a)参照)。そして、大当たり図柄X3が決定されると、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、大当たり図柄X4が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図95(a)参照)。
また、低確率時短遊技状態LJT2において、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y1又はY2が決定される(
図94(a)参照)。そして、小当たり図柄Y1が決定されると、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することにより、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することにより、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図95(a)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT2中に指示に従って右打ちを行っていれば、大当たり又は小当たりに当選することにより、3回又は10回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行を経て通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2のいずれかへ移行することとなる(
図97参照)。
【0832】
また、低確率時短遊技状態LJT2中の大当たり図柄X4又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技を経て通常遊技状態へ移行した際、当該低確率時短遊技状態LJT2中に取得され記憶された第2特図乱数(第2残保留)が存在していたときには、通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される前に、この第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
通常遊技状態において、第2特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X3又はX4が決定される(
図94(a)参照)。そして、大当たり図柄X3が決定されると、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、大当たり図柄X4が決定されると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。
また、通常遊技状態において、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y1又はY2が決定される(
図94(a)参照)。そして、小当たり図柄Y1が決定されると、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することにより、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。また、小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することにより、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行され、この特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される(
図95(a)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT2中の大当たり図柄X4又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技を経て通常遊技状態が設定された際、第2特図乱数が記憶されていたときには、大当たり又は小当たりに当選することにより、3回又は10回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行を経て、必ず低確率時短遊技状態LJT2へ移行することとなる(
図97参照)。
【0833】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球により、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるとともに、大当たり又は小当たりの当選を介して実行される特別遊技においては、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりの当選となった場合の特別遊技中よりも多い回数のラウンド遊技を実行可能となっている。さらには、上述したように、時短回数が200回に設定され、大当たりの当選の確率がおよそ1/200、小当たりの当選の確率がおよそ20/200であることから、低確率時短遊技状態LJT2において、ほぼ確実に大当たり又は小当たりに当選する。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2は、通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態となっている。
【0834】
ここで、低確率時短遊技状態LJT2へは、通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1のいずれからも移行可能であるところ、通常遊技状態からは大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)を経て移行可能となっているのに対し、低確率時短遊技状態LJT1からは大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)又は時短付与の当選(時短図柄J1の決定)を経て移行可能となっている。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中は、通常遊技状態中よりも低確率時短遊技状態LJT2へ移行する確率が高くなっている。これにより、低確率時短遊技状態LJT1が、遊技者にとって有利な低確率時短遊技状態LJT2への移行確率が高いチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0835】
また、大当たり図柄X4又は小当たり図柄Y2の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT2が終了し通常遊技状態が設定された場合であっても、第2残保留が記憶されており、この第2残保留(第2特図乱数)に基づく当否抽選により大当たり又は小当たりに当選すれば、再度、低確率時短遊技状態LJT2へ移行するようになっている。これにより、低確率時短遊技状態LJT2が終了した場合であっても、遊技者に、低確率時短遊技状態LJT2への再移行に対する期待感を抱かせることが可能となる。
【0836】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、第1形態~第3形態と異なる点を中心に、フローチャートを用いて説明する。なお、第1形態~第3形態と同一の処理や、第1形態~第3形態とほぼ同一の処理であって当業者が本形態での実施方法(本形態への適用方法)を理解し得るものについては、第1形態~第3形態と同一のステップ番号を付し、原則として説明を省略する。
【0837】
本形態に係るパチンコ機Pにおける特別図柄変動開始処理(特図関連制御処理のステップ701(
図33参照))は、第2形態と異なるものの、第1形態や第3形態と同一の処理(
図34参照)となっているため、説明を省略する。
【0838】
次に、特別図柄変動停止処理(特図関連制御処理のステップ702(
図33参照))について、
図98のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1003-21において、メインCPU101は、残変動回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であるか否か、すなわち、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT1であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンであるか否かを判定する。そして、時短遊技状態である(時短遊技状態第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグのいずれかがオンである)と判定した場合、時短回数記憶領域に記憶されている値(設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数)を1デクリメントする。これに対して、時短遊技状態でない(第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンでない)と判定した場合には、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1003-22に進む。
ステップ1003-22において、メインCPU101は、メインCPU101は、遊技状態の設定に係る遊技状態制御処理を実行する。そして、停止表示時間をセットする処理を実行するステップ1004に進む。
【0839】
次に、上述したステップ1003-22の遊技状態制御処理について、
図99のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1030-1において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でないと判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1031-1に進む。
ステップ1031-1において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示された特別図柄が時短図柄でない(すなわち、大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1033-1に進む。一方、停止表示された特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1032-1に進む。
【0840】
ステップ1032-1において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態を終了し、新たに低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)の設定を行う低確率時短遊技状態LJT2設定処理を実行する。
具体的には、遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)であったときには、第1時短遊技フラグをオフ、かつ第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数記憶領域に時短回数「200」をセットする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が終了し、新たに低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
一方、遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)であったときには、第1時短遊技フラグをオフ、かつ第2時短遊技フラグをオフにした後に再度オンにするとともに、時短回数記憶領域に時短回数「200」を再セットする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が終了し、新たに低確率時短遊技状態LJT2が設定される。なお、第2時短遊技フラグはオンのままとして、時短回数の再セットのみ行うようにしてもよい。
そして、遊技状態制御処理を終了する。
【0841】
また、上述のステップ1031-1で停止表示された特別図柄が時短図柄でないと判定した場合に進むステップ1033-1において、メインCPU101は、時短回数記憶領域に記憶されている値が0に到達したか否か、すなわち、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が0に到達したか否かを判定する。そして、0に到達していないと判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、0に到達したと判定した場合、次のステップ1034-1に進む。
ステップ1034-1において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態を終了し通常遊技状態の設定を行う通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、時短回数記憶領域をクリアする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が終了し、通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。なお、停止表示された特別図柄が大当たり図柄であった場合、この後に実行される停止後処理(
図83参照)のステップ1107において設定中の遊技状態がリセットされるため、ここでは通常遊技状態設定処理を実行しないようにしてもよい。そして、遊技状態制御処理を終了する。
【0842】
次に、特別遊技終了処理(特図関連制御処理のステップ705(
図33参照))について、
図100のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300で実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であった場合に進むステップ1304-21において、メインCPU101は、当否抽選時の遊技状態、及び、停止表示された特別図柄の種類に基づいて遊技状態の設定を行う遊技状態設定処理を実行する。
具体的には、停止表示された特別図柄が大当たり図柄X1又はX3、小当たり図柄Y1であった場合には、当否抽選時の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであっても、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオフ、かつ第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数記憶領域に時短回数「200」をセットする。これにより、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
また、停止表示された特別図柄が大当たり図柄X2であった場合には、当否抽選時の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであっても、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオン、かつ第時短遊技フラグをオフにするとともに、時短回数記憶領域に時短回数「20」をセットする。これにより、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。
また、停止表示された特別図柄が大当たり図柄X4、小当たり図柄Y2であった場合において、当否抽選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオフ、かつ第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数記憶領域に時短回数「200」をセットする。また、当否抽選時の遊技状態が時短遊技状態であったときには、メインCPU101は、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、時短回数記憶領域をクリアする。これにより、停止表示された特別図柄が大当たり図柄X4、小当たり図柄Y2であった場合において、当否抽選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには低確率時短遊技状態LJT2が設定され、当否抽選時の遊技状態が時短遊技状態であったときには通常遊技状態が設定される。
そして、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するステップ1306に進む。
【0843】
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいても、第2形態の特別領域検出時処理(
図78参照)、当否判定処理(
図80参照)、停止後処理(
図83参照)、小当たり遊技制御処理(
図84参照)等が実行されるが、第2形態と同一の内容であるため、ここでは説明を省略する。
【0844】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける各種演出の概要)
次に、本形態に係るパチンコ機Pで実行される各種演出の概要について、
図101~
図105の図面を参照して説明する。なお、これらの図面では、本形態における演出の説明に必要な構成のみを記載し、その他の構成(保留画像、ミニ図柄等)については記載を省略するものとする。
【0845】
(1)通常遊技状態(第2残保留に係る第2特図の変動表示中を除く)
通常遊技状態中には、第2残保留に係る第2特図の変動表示中を除き、表示部21aにおいて、当該遊技状態に対応する第1背景画像(
図101(a)~(e)、
図102(a)~(c)等参照)が表示される。
【0846】
そして、特別図柄の変動表示に伴って、表示部21aにおいて変動演出が実行される。
第2残保留に係る第2特図の変動表示中を除く通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果がハズレであった場合には、第1形態や第2形態と同様のノーマル非当選変動パターン(「00H」(13秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、発展なしリーチ変動パターン(「03H」(20秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、又は、発展ありリーチ変動パターン(「04H」(60秒変動)の変動パターンコマンドに対応)のいずれかにより変動演出が実行され、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる(
図101(a)~(e)等参照)。
【0847】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X1が決定された場合には、発展なしリーチ変動パターン(「0AH」(20秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、又は、発展ありリーチ変動パターン(「0BH」(60秒変動)の変動パターンコマンドに対応)のいずれかにより変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、低確率時短遊技状態LJT2の設定が決定した旨を示唆するLJT2決定示唆(たとえば、「RUSH確定!!」というLJT2決定示唆画像の表示等)、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技が実行される旨を示唆する特別遊技実行示唆(たとえば、「BONUS!」という特別遊技実行示唆画像の表示等)が実行される(
図102(e)~(g)等参照)。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X2が決定された場合には、発展なしリーチ変動パターン(「0CH」(20秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、又は、発展ありリーチ変動パターン(「0DH」(60秒変動)の変動パターンコマンドに対応)のいずれかにより変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される(
図102(f)~(g)等参照)。この場合、低確率時短遊技状態LJT2が設定されることはないため、LJT2決定示唆は実行されない。
【0848】
そして、当該大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技中には、右打ち示唆や、実行中の特別遊技を盛り上げるための特別遊技中画像の表示等を行う特別遊技中演出等が実行される(
図103(a)、
図103(i)等参照)。
【0849】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、ノーマル非当選変動パターン(「05H」(13秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。
【0850】
このように、第2残保留に係る第2特図の変動表示中を除く通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選した場合には、ハズレとなった場合に実行され得るノーマル非当選変動パターンにより変動演出が実行され、時短付与の当選及びハズレのいずれの場合であっても演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる。したがって、この通常遊技状態においては、遊技者は、変動演出の態様及び演出図柄50の停止表示態様から、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選でないことを把握できるものの、時短付与の当選又はハズレのいずれであるかを把握できないようになっている。
【0851】
なお、(1)において、大当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50は、決定された大当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。
具体的には、低確率時短遊技状態LJT2の設定の契機となる大当たり図柄X1が決定された場合には全ての演出図柄50(たとえば、「1」~「9」の全ての数字図柄)が停止表示され得るものの、低確率時短遊技状態LJT1の設定の契機となる大当たり図柄X2が決定された場合には特定の演出図柄50(たとえば、「7」の数字図柄)以外の演出図柄50が停止表示され得るようにしてもよい。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合には、大当たり図柄X2が決定された場合には停止表示されない特定の演出図柄50が停止表示され得るようにしてもよい。
このようにした場合には、特定の演出図柄50が停止表示されると、低確率時短遊技状態LJT2の設定の契機となる大当たり図柄X1が決定された旨を把握できるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0852】
また、大当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50の選択割合は、決定された大当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。
具体的には、低確率時短遊技状態LJT2の設定の契機となる大当たり図柄X1が決定された場合には、第1の演出図柄50(たとえば、偶数図柄)よりも第2の演出図柄50(たとえば、奇数図柄)の方が選択されやすいものの、低確率時短遊技状態LJT1の設定の契機となる大当たり図柄X2が決定された場合には、第2の演出図柄50よりも第1の演出図柄50の方が選択されやすいように設定してもよい。
このようにした場合には、たとえば、第1の演出図柄50によるリーチ表示が行われると、低確率時短遊技状態LJT2の設定の契機となる大当たり図柄X1の決定に対する期待感が高まるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0853】
また、(1)において、時短付与に当選した場合には、演出図柄50の停止表示態様が、当選態様及び非当選態様とは異なる特殊態様(たとえば、第3停止図柄のみ「1」~「9」以外の特殊な図柄(たとえば、「0」の数字図柄等)が停止表示される態様)となるようにしてもよい。
【0854】
また、(1)において、大当たり図柄X1が決定された場合における変動演出の最終結果として実行される、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆の実行の順番は、特に限定されるものではない。たとえば、LJT2決定示唆→当選態様による演出図柄50の停止表示→特別遊技実行示唆という順番、当選態様による演出図柄50の停止表示→LJT2決定示唆→特別遊技実行示唆という順番、当選態様による演出図柄50の停止表示→特別遊技実行示唆→LJT2決定示唆という順番等で実行してもよい。
また、上述のLJT2決定示唆は、変動演出の最終結果として実行するのではなく、特別遊技の開始から終了までのいずれかのタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
【0855】
(2)低確率時短遊技状態LJT1
たとえば、通常遊技状態中における大当たり図柄X2の決定等により、当該決定に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、表示部21aにおいて、当該遊技状態に対応する第2背景画像(
図103(b)~(d)、
図104(a)~(c)等参照)が表示されるとともに、左打ち示唆、低確率時短遊技状態LJT1が設定された旨を示唆するLJT1設定示唆(たとえば、「高確率ゾーンスタート!」というLJT1設定示唆画像の表示等)、低確率時短遊技状態LJT2へ移行する確率が高いチャンスゾーン中である旨を示唆するチャンスゾーン滞在示唆(たとえば、「RUSH突入確率上昇中!!」という文字が横方向にスクロールするチャンスゾーン滞在示唆画像の表示)が行われるようになっている(
図103(b)、
図104(a)等参照)。さらに、低確率時短遊技状態LJT1が終了するまでの残りの変動回数を示唆する回数示唆も行われるようになっている(
図103(b)~(d)、
図104(a)~(c)等参照)。
【0856】
そして、特別図柄の変動表示に伴って、表示部21aにおいて変動演出が実行される。
低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果がハズレであった場合には、ノーマル非当選変動パターン(「10H」(10秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、又は、発展ありリーチ変動パターン(「14H」(45秒変動)の変動パターンコマンドに対応)のいずれかにより変動演出が実行され、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。
【0857】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X1が決定された場合には、発展ありリーチ変動パターン(「1AH」(45秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され(
図103(c)~(e)等参照)、当該変動演出の最終結果として、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される(
図103(f)~(h)等参照)。
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X2が決定された場合には、発展ありリーチ変動パターン(「1CH」(45秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される(
図103(g)~(h)等参照)。この場合、低確率時短遊技状態LJT2が設定されることはないため、LJT2決定示唆は実行されない。
【0858】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、発展ありリーチ変動パターン(「15H」(45秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され(
図104(b)~(d)等参照)、当該変動演出の最終結果として、LJT2決定示唆、上述の特殊態様による演出図柄50の停止表示が実行される(
図104(e)~(f)参照)。この場合、特別遊技は行われないため、特別遊技実行示唆は実行されない。
【0859】
このように、低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合、及び、時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合)にはいずれも、LJT2決定示唆が共通して実行されるようになっている。これにより、いずれの場合においても、遊技者に対して確実に低確率時短遊技状態LJT2の設定が決定した旨を把握させることができる。
【0860】
なお、(2)においても、上述した(1)と同様に、大当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50は、決定された大当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。また、大当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50の選択割合は、決定された大当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。
また、(2)において、時短付与に当選した場合には、演出図柄50の停止表示態様は非当選態様や当選態様となるようにしてもよい。
また、(2)においても、上述した(1)と同様に、大当たりや時短付与に当選した場合には、発展なしリーチ変動パターンによる変動演出を実行可能となるようにしてもよい。
【0861】
また、(2)においても、大当たり図柄X1が決定された場合における変動演出の最終結果として実行される、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆の実行の順番は特に限定されるものではなく、たとえば、上述した(1)で挙げた順番で実行するようにしてもよい。
また、(2)において、時短付与に当選した場合における変動演出の最終結果として実行される、LJT2決定示唆、特殊態様による演出図柄50の停止表示の順番も特に限定されるものではなく、たとえば、LJT2決定示唆→特殊態様による演出図柄50の停止表示という順番、特殊態様による演出図柄50の停止表示→LJT2決定示唆という順番で実行してもよい。
また、大当たり図柄X1が決定された場合のLJT2決定示唆は、(1)と同様に、変動演出の最終結果として実行するのではなく、特別遊技の開始から終了までのいずれかのタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
【0862】
また、(2)において、時短付与に当選した場合には、LJT2決定示唆のみ実行し、演出図柄50の停止表示は明示せずに、後述する低確率時短遊技状態LJT2の設定に伴って行われる各種演出が実行されるようにしてもよい。
なお、前回の変動演出が終了してから次の変動演出が開始されるまでの間においては、前回の変動演出の停止表示態様による演出図柄50の停止表示が継続するようになっているが、上述のように演出図柄50の停止表示を明示しなかったときには、低確率時短遊技状態LJT2の設定に伴って行われる各種演出が実行された後、次の変動演出が開始されるまでの間において、前回の変動演出において停止表示されるはずの停止表示態様により演出図柄50の停止表示を継続するようにしてもよい。
【0863】
また、左打ち示唆は、低確率時短遊技状態LJT1中に常に実行されるようにしてもよいし、開始から所定時間(たとえば、10秒等)が経過すると終了するようにしてもよい。また、チャンスゾーン滞在示唆は、低確率時短遊技状態LJT1中に常に実行されるようにしてもよいし、所定の演出(たとえば、大当たりや時短付与の当選の期待度の高いリーチ発展演出等)の実行中は実行されないようにしてもよい。また、低確率時短遊技状態LJT1中は、回数示唆を行わないようにしてもよい。
【0864】
(3)低確率時短遊技状態LJT2
たとえば、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中における大当たり図柄X1の決定や、低確率時短遊技状態LJT1中における時短付与の当選等により、これらに基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、表示部21aにおいて、当該遊技状態に対応する第3背景画像(
図103(j)、
図104(g)~(h)等参照)が表示されるとともに、右打ち示唆、低確率時短遊技状態LJT2が設定された旨を示唆するLJT2設定示唆(たとえば、「RUSHスタート!」というLJT2設定示唆画像の表示等)が行われるようになっている(
図103(j)、
図104(g)等参照)。さらに、低確率時短遊技状態LJT2が終了するまでの残りの変動回数を示唆する回数示唆も行われるようになっている(
図103(j)、
図104(g)~(h)等参照)。
【0865】
そして、特別図柄の変動表示に伴って、表示部21aにおいて変動演出が実行される。
低確率時短遊技状態LJT2において、第2特図乱数に基づく当否抽選の結果がハズレであった場合には、ノーマル非当選変動パターン(「20H」(3秒変動)の変動パターンコマンドに対応)、又は、特殊変動パターン(「24H」(8秒変動)の変動パターン)のいずれかにより変動演出が実行され、非当選態様により演出図柄50の停止表示が行われる。
ここで、特殊変動パターンは、特に図示していないが、全ての演出図柄50の変動表示が開始され、変動時間が経過すると、全ての演出図柄50の変動表示が一斉に終了する(全ての演出図柄50が同時に停止表示される)という態様である。
【0866】
また、第2特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X3が決定された場合には、特に図示していないが、特殊変動パターン(「2AH」(8秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示(
図105(a)参照)、特別遊技実行示唆が実行される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選の結果が大当たりの当選であって、大当たり図柄X4が決定された場合には、特に図示していないが、特殊変動パターン(「2CH」(8秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される。この場合、低確率時短遊技状態LJT2が設定されることはないため、LJT2決定示唆は実行されない。
【0867】
また、第2特図乱数に基づく当否抽選の結果が小当たりの当選であって、小当たり図柄Y1が決定された場合には、特に図示していないが、特殊変動パターン(「2EH」(8秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選の結果が小当たりの当選であって、小当たり図柄Y4が決定された場合には、特に図示していないが、特殊変動パターン(「2FH」(8秒変動)の変動パターンコマンドに対応)により変動演出が実行され、当該変動演出の最終結果として、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆が実行される。この場合、低確率時短遊技状態LJT2が設定されることはないため、LJT2決定示唆は実行されない。
【0868】
そして、小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技中には、右打ち示唆や、特別領域へ遊技球を進入させる旨を遊技球に促す小当たり遊技中演出(たとえば、「Vを狙え!」という小当たり遊技中画像の表示等)が実行され、当該小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技中に特別遊技演出が実行される(
図105(b)~(c)等参照)。
【0869】
なお、(3)においても、上述した(1)や(2)と同様に、大当たりや小当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50は、決定された大当たり図柄や小当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。また、大当たりや小当たりに当選した場合に停止表示される演出図柄50の選択割合は、決定された大当たり図柄や小当たり図柄の種類に応じて異なるように設定してもよい。
また、(3)においても、上述した(1)や(2)と同様に、大当たりや小当たりに当選した場合には、発展なしリーチ変動パターンによる変動演出、発展ありリーチ変動パターンによる変動演出等を実行可能となるようにしてもよい。
【0870】
また、(3)においても、大当たり図柄X3や小当たり図柄Y1が決定された場合における変動演出の最終結果として実行される、LJT2決定示唆、当選態様による演出図柄50の停止表示、特別遊技実行示唆の実行の順番は特に限定されるものではなく、たとえば、上述した(1)で挙げた順番で実行するようにしてもよい。
また、大当たり図柄X3や小当たり図柄Y1が決定された場合のLJT2決定示唆は、(1)や(2)と同様に、変動演出の最終結果として実行するのではなく、特別遊技の開始から終了までのいずれかのタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
また、小当たり図柄Y1やY2が決定された場合の特別遊技実行示唆は、変動演出の最終結果として実行するのではなく、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した際に実行するようにしてもよい。
【0871】
また、右打ち示唆は、低確率時短遊技状態LJT2中に常に実行されるようにしてもよいし、開始から所定時間(たとえば、5秒等)が経過すると終了するようにしてもよい。また、低確率時短遊技状態LJT2中は、回数示唆を行わないようにしてもよい。
【0872】
(4)通常遊技状態(第2残保留に係る第2特図の変動表示中)
低確率時短遊技状態LJT2中における大当たり図柄X4又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定され、この際に第2残保留が存在していた場合には、表示部21aにおいて、第1背景画像、第2背景画像及び第3背景画像と異なる特殊背景画像(
図105(d)参照)が表示される。
【0873】
そして、第2残保留に基づく特別図柄の変動表示に伴って、表示部21aにおいて変動演出が実行される。
第2残保留(第2特図乱数)に基づく当否抽選の結果がハズレ、大当たりの当選又は小当たりの当選であった場合にはいずれも、特殊変動パターン(「34H」、「3AH」、「3CH」、「3EH」又は「3FH」(15秒変動)の変動パターンコマンドに対応)による変動演出が行われるとともに、この変動演出中にボタン押下操作演出が実行される。
具体的には、このボタン押下操作演出では、ボタン押下操作演出が実行される旨を示す押下操作演出実行画像(たとえば、「☆☆復活チャンス☆☆」という文字画像等)、及び、ボタン押下操作演出の内容を説明する押下操作演出説明画像(たとえば、「ボタンを押せ!!」という文字画像等)が表示される(
図105(d)参照)。その後、操作ボタン9bの押下操作を促す押下操作示唆画像(特に図示しておらず)が表示される。そして、操作ボタン9bの押下操作が有効となる押下操作有効時間(たとえば、5秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されるか、又は、操作ボタン9bが押下されることなく押下操作有効時間が経過すると、第2残保留に基づく当否抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選であった場合には、当選態様による演出図柄50の停止表示、及び、大当たり又は小当たりの当選を示唆する第2残保留当選示唆(たとえば、「復活!!」という第2残保留当選示唆画像の表示等)が行われ、ハズレであった場合には、非当選態様による演出図柄50の停止表示、及び、ハズレを示唆する第2残保留ハズレ示唆(たとえば、「復活ならず・・・」という第2残保留当選示唆画像の表示等)が行われる(
図105(e)~(f)参照)。
これにより、遊技者は、第2残保留に基づく当否抽選の結果(すなわち、低確率時短遊技状態LJT2が設定されるか否か)を把握可能となる。
【0874】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1において、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合、及び、時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合)にはいずれも、LJT2決定示唆が共通して実行されるようになっている。これに対して、通常遊技状態において、第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、LJT2決定示唆が実行されるものの、時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合)には、LJT2決定示唆は実行されない。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合、及び、時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合)のいずれにおいても、LJT2決定示唆が共通して実行されるようにはなっていない。
これにより、異なる決定結果(大当たり図柄X1の決定、時短付与の当選(時短図柄J1の決定))が導出された場合、設定中の遊技状態によっては、当該決定結果に基づいて実行される処理が同一又は異なる旨を適切に示すことが可能となる。
【0875】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)の設定の契機となる大当たり図柄は、第1特図乱数に基づいて決定可能な大当たり図柄X2のみとなっていたが、これに限定されるものではなく、複数種類の大当たり図柄を設けてもよい。また、大当たり図柄の種類に応じて、設定される低確率時短遊技状態LJT1の時短回数が異なるようにしてもよい。
たとえば、第1特図乱数に基づいて決定可能であって、低確率時短遊技状態LJT1の設定の契機となる大当たり図柄として、大当たり図柄X2A、大当たり図柄X2Bを設け、大当たり図柄X2Aの決定に基づく低確率時短遊技状態LJT1では、時短回数が20回に設定され、大当たり図柄X2Bの決定に基づく低確率時短遊技状態LJT1では、時短回数が35回に設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、低確率時短遊技状態LJT1において設定される時短回数のバリエーションが豊富になり、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0876】
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に大当たり図柄X2が決定された場合と、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たり図柄X2が決定された場合とでは、当該決定に基づく低確率時短遊技状態LJT1において設定される時短回数は同一なっていたが、これに限定されるものではなく、異なる時短回数が設定されるようにしてもよい。
たとえば、通常遊技状態中に大当たり図柄X2が決定された場合には、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たり図柄X2が決定された場合よりも、当該決定に基づく低確率時短遊技状態LJT1において設定される時短回数が多くなるようにしてもよいし、少なくなるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、より遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0877】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数に基づいて決定される時短図柄として、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)の設定の契機となる時短図柄J1のみが設けられていたが、これに限定されるものではなく、複数種類の時短図柄を設けてもよい。そして、時短図柄の種類に応じて、設定される時短遊技状態の種類や時短回数が異なるようにしてもよい。
たとえば、第1特図乱数に基づいて決定可能な時短図柄として、時短図柄J1A、時短図柄J1B、時短図柄J1Cを設けるとともに、低確率時短遊技状態LJ1において、時短図柄J1Aが決定された場合には、時短回数200回の低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)が設定され、時短図柄J1Bが決定された場合には、時短回数50回の低確率時短遊技状態LJT2が設定され、時短図柄J1Cが決定された場合には、時短回数30回の低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、時短図柄が決定された場合に設定される時短遊技状態の種類や時短回数のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0878】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中に第1特図乱数に基づく当否抽選により大当たりに当選した場合、決定された大当たり図柄の種類によって特別遊技の終了後に設定される遊技状態が異なる(大当たり図柄X1が決定された場合には低確率時短遊技状態LJT2が設定され、大当たり図柄X2が決定された場合には低確率時短遊技状態LJT1が設定される)ようになっていたが、これに限定されるものではなく、いずれの大当たり図柄が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定されるようにしてもよい。
また、このようにした場合には、大当たりに当選し大当たり図柄X1又X2のいずれが決定されたときにもLJT2決定示唆が実行されるようにすることで、大当たりに当選したとき及び時短付与に当選したときに、LJT2決定示唆が共通して実行されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0879】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となっていたが、これに限定されるものではなく、第1特図乱数に基づく当否抽選においても小当たりの当選可能となるようにしてもよい。また、当該小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後に、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0880】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1において、大当たり図柄X1が決定された場合と時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合)とで、変動演出の最終結果としてLJT2決定示唆が共通して実行されるようになっていたが、共通して実行される演出はこれに限定されるものではない。
たとえば、上述の決定結果が導出されることとなる第1特図乱数を対象として実行され、当該第1特図乱数に基づく変動演出が開始されるよりも前に開始可能な先読み演出において、所定態様による演出が共通して実行されるようにしてもよい。
具体的には、低確率時短遊技状態LJT1において、取得された第1特図乱数により大当たり図柄X1が決定される場合には、当該第1特図乱数に対応する保留画像を低確率時短遊技状態LJT2の設定を示唆する特定態様により表示する保留先読み演出を実行可能とするとともに、取得された第1特図乱数により時短付与の当選が決定される場合にも、上述の保留先読み演出を実行可能としてもよい。これにより、低確率時短遊技状態LJT1において、大当たり図柄X1が決定された場合と時短付与に当選した場合とで、上述の保留先読み演出が共通して実行される。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、たとえば、通常遊技状態において、所定の大当たり図柄が決定された場合と所定の時短図柄が決定された場合とで、同一の時短遊技状態が設定されるようになっていたときには、これらの場合においても、同一の時短遊技状態が設定される旨を示す所定の演出が共通して実行されるようにしてもよい。
【0881】
(第5形態)
以下、第5形態を、図面を参照しつつ説明する。この説明にあたっては、上述した第1形態、第2形態、第3形態、第4形態と同様の構成には、同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
本形態に係るパチンコ機Pは、特別遊技の実行の契機が小当たりの当選のみとなっているパチンコ機(いわゆる2種のパチンコ機)であり、具体的には、当否抽選において、大当たりには当選しないものの小当たりに当選可能となっており、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【0882】
本形態に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、第2形態、第3形態、第4形態と同一となっている。
また、第2形態、第3形態、第4形態と同様に、特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、大入賞口18が開放し遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入する。そして、小当たり遊技中に特別領域へ所定個数の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行される。
【0883】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2形態、第3形態、第4形態と同様に、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、当該小当たり図柄の決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
また、第2形態、第3形態、第4形態と同様に、設定可能な遊技状態として、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT2が設けられており、いずれかの遊技状態が設定されて遊技が進行するようになっている。
そして、第2形態、第3形態、第4形態と同様に、いずれの遊技状態においても常に低確率遊技状態が設定される。したがって、いずれの遊技状態であっても、当否抽選における大当たりの当選の確率は変化することはなく常に同一(1/300)となる(
図106(a)参照)。
【0884】
また、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度は、第2形態、第3形態、第4形態と同様になっている。すなわち、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間はいずれも、第2形態、第3形態、第4形態と同様に設定されている(
図14~
図16、
図87(c)、
図94(c)、
図106(c)参照)。
【0885】
なお、工場出荷直後やRAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後等の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0886】
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)を行わせ(遊技者に左打ちが指示され)、低確率時短遊技状態LJT2中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)を行わせる(遊技者に右打ちが指示される)ようになっている。
すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。また、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となる。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行される。
【0887】
ここで、本形態に係るメインRAM103の保留記憶領域は、第1形態、第3形態と同様に、第1特図乱数を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域から構成されており、また、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。そして、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態、第2形態、第3形態と同様に、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっている。たとえば、特別図柄の変動表示を開始する際に第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されていたときには、まず第2特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われ、当該変動表示が終了すると、次に第1特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われる。
なお、本形態においても、第2形態と同様の保留記憶領域の構成とし、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理するようにしてもよい。
【0888】
図106(a)に示すように、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出される。すなわち、非時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりに当選しなかった場合には必ず時短付与に当選し、ハズレとはならない。そして、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1又はJ2が決定されるようになっている。
また、小当たりの当選の確率は1/300に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y1の決定確率は40/100(40%)、小当たり図柄Y2の決定確率は40/100(40%)、小当たり図柄Y3の決定確率は20/100(20%)に設定されている。時短付与の当選の確率は299/300に設定されており、時短付与に当選した場合における時短図柄J1の決定確率は15/100(15%)、時短図柄J2の決定確率は85/100(85%)に設定されている。
【0889】
図106(a)に示すように、時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出される。すなわち、時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりに当選しなかった場合には必ずハズレとなり、時短付与には当選しない。そして、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。
また、小当たりの当選の確率は1/300に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y1の決定確率は40/100(40%)、小当たり図柄Y2の決定確率は40/100(40%)、小当たり図柄Y3の決定確率は20/100(20%)に設定されている。
【0890】
図106(a)に示すように、非時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選、時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においてはいずれも、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出される。すなわち、第2特図乱数に基づく当否抽選では、設定されている遊技状態にかかわらず、小当たりに当選しなかった場合には必ずハズレとなり、時短付与には当選しない。そして、小当たりに当選すると小当たり図柄Y4又はY5が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される。
また、小当たりの当選の確率は7/300に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y4、Y5の決定確率はいずれも50/100(50%)に設定されている。
【0891】
また、本形態における当否抽選では、まず、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の非当選が導出された場合にハズレとなる。
さらに、特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて、特別図柄の変動時間や変動演出の態様等が定められた変動パターンに対応する変動パターンコマンドが決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第3形態や第4形態と同様に、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄が停止表示する時間である停止表示時間(図柄確定時間)は、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類にかかわらず、同一(0.5秒)となっている。当該停止表示時間は、第1形態や第2形態と同様に、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0892】
そして、第3形態や第4形態と同様に、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4又はY5が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.45秒間の開放が4回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている(
図106(b)参照)。また、開放が終了してから次の開放が開始されるまでの間の大入賞口18の閉鎖時間(インターバル時間)は0.6秒に設定されている(
図106(b)参照)。さらに、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第2位置に停留する(
図106(b)参照)。
すなわち、小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が合計1.8秒開放される。そのため、この小当たり遊技中に、右打ちを行っていれば遊技球を大入賞口18へ入球させることができる。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第2位置に停留することから、大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域へ進入する。
したがって、小当たりに当選した場合には、右打ちを行っていれば、当該当選に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入するため、当該進入に基づき特別遊技が実行されることとなる。
【0893】
また、特に図示していないが、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が計3回実行されるように設定されている。また、いずれのラウンド遊技においても大入賞口18が1回のみ開放され(29.0秒の開放が1回実行され)、各ラウンド遊技間のインターバル時間はいずれも2.0秒に設定されている。さらに、いずれのラウンド遊技中も振り分け部材59は第1位置に停留する。
また、小当たり図柄Y4又はY5が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、上述と同態様のラウンド遊技が計10回行われる特別遊技が実行される。ラウンド遊技中の開閉扉18bの開閉パターン及び振り分け部材59の作動態様、インターバル時間も、上述の特別遊技と同一の内容に設定されている。
【0894】
(設定される遊技状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり図柄の決定(小当たりの当選)に基づき小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことにより特別遊技が実行された場合には、決定された小当たり図柄の種類及び予め定められた参照時点における遊技状態(以下、参照時遊技状態ともいう)に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
なお、右打ちを行わなかった等の理由により、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入しなかった場合には、特別遊技が実行されず上述の遊技状態の設定も行われない。たとえば、非時短遊技状態中に小当たりに当選し小当たり遊技が実行されたときには、小当たり遊技の終了後は当該小当たり遊技前の非時短遊技状態となる。
【0895】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2)は、(1)特別図柄の変動回数(当否抽選の回数)が所定の時短回数に到達すること、又は、(2)小当たりの当選回数が所定の終了決定回数に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了し、非時短遊技状態が設定されるようになっている。
また、時短遊技状態中は、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数に到達するまでの残りの特別図柄の変動回数が更新され、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数に到達するまでの残りの小当たりの当選回数が更新される。
そして、メインCPU101は、残りの特別図柄の変動回数の更新により特別図柄の変動回数が時短回数に到達したと判断された場合、又は、残りの小当たりの当選回数の更新により小当たりの当選回数が終了決定回数に到達したと判断された場合には、設定中の時短遊技状態を終了して非時短遊技状態を設定し、いずれも到達していないと判断された場合には、設定中の時短遊技状態を維持する(すなわち、設定中の時短遊技状態に関し何も行わない)処理を行う。
本形態に係るパチンコ機Pでは、当該処理が終了した時点を上述の参照時点として定めている。そして、小当たりに当選した場合には、当該時点における遊技状態(参照時遊技状態)を参照して、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
【0896】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選の実行時点における遊技状態が非時短遊技状態(通常遊技状態)であった場合において、時短付与に当選し時短図柄が決定されたときには、当該時短図柄の種類に応じて、当該時短図柄の停止表示後(当該時短図柄の変動表示の終了後)の遊技状態が設定される。
【0897】
以下、遊技状態の設定について、より詳しく説明する。
(A)小当たり図柄Y1が決定された場合
図107(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【0898】
また、上述の場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2ではいずれも、時短回数(設定中の時短遊技状態が終了することとなる特別図柄の変動回数)が10000回、終了決定回数(設定中の時短遊技状態が終了することとなる小当たりの当選回数)が2回に設定される。
なお、以下では、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT2を、低確率時短遊技状態LJT2-Aともいうものとする。
【0899】
そして、低確率時短遊技状態LJT2-Aは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数10000回に到達する(すなわち、第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計10000回実行される)こと、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数2回に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
【0900】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に時短回数記憶領域を備えており、時短回数記憶領域には、残変動回数(時短回数に到達するまでの残りの特別図柄の変動回数)が記憶される。また、メインRAM103に終了決定回数記憶領域を備えており、終了決定回数記憶領域には、終了決定回数が0となるまでの残りの小当たりの当選回数(以下、残小当たり回数ともいう)が記憶される。
【0901】
また、低確率時短遊技状態LJT2-A中は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数記憶領域に記憶されている残変動回数が1デクリメントされる。また、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり回数が1デクリメントされる。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(2)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(2)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Aのままとなる。
【0902】
またここで、低確率時短遊技状態LJT2-A中は第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図106(a)参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはなく、小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT2-Aが継続する。
また、低確率時短遊技状態LJT2-Aでは、終了決定回数が2回に設定されているため、この低確率時短遊技状態LJT2-Aにおいて小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果によっては(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点では遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Aのままとなる。すなわち、参照時遊技状態(特別図柄変動停止処理が終了した時点の遊技状態)は、時短遊技状態となる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Aにおいて小当たりに当選した場合、参照時遊技状態が時短遊技状態であるとして、当該小当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0903】
(B)小当たり図柄Y2が決定された場合
図107(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【0904】
また、参照時遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y2が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、時短回数が30回、終了決定回数が1回に設定される。
なお、以下では、時短回数が30回、終了決定回数が1回に定められた低確率時短遊技状態LJT2を、低確率時短遊技状態LJT2-Cともいうものとする。
これに対して、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y2が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される。すなわち、この低確率時短遊技状態LJT2は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-Aとなる。
【0905】
低確率時短遊技状態LJT2-Aに関する内容は、上記の(A)と同様であるため、説明を省略する。
低確率時短遊技状態LJT2-Cは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数30回に到達する(第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計30回実行される)こと、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数1回に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
【0906】
また、低確率時短遊技状態LJT2-C中は、低確率時短遊技状態LJT2-A中と同様に、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数記憶領域に記憶されている残変動回数が1デクリメントされる。また、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり回数が1デクリメントされる。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(2)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(2)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Cのままとなる。
【0907】
またここで、低確率時短遊技状態LJT2-C中も、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は30回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図106(a)参照)、特別図柄の変動回数が30回に到達するまでに必ずしも小当たりに当選するとは限らない。したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Cは、(1)又は(2)の時短終了条件が成立するまで継続する。
また、低確率時短遊技状態LJT2-Cでは、終了決定回数が1回に設定されているため、この低確率時短遊技状態LJT2-Cにおいて小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果により(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態が通常遊技状態となる。すなわち、参照時遊技状態(特別図柄変動停止処理が終了した時点の遊技状態)は、非時短遊技状態となる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Cにおいて小当たりに当選した場合、参照時遊技状態が非時短遊技状態であるとして、当該小当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0908】
(C)小当たり図柄Y3が決定された場合
図107(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される。
【0909】
また、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y3が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT1では、時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定される。
これに対して、参照時遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y3が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT1では、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される。
なお、以下では、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT1を、低確率時短遊技状態LJT1-Aともいうものとし、時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定される低確率時短遊技状態LJT1を、低確率時短遊技状態LJT1-Bともいうものとする。
【0910】
そして、低確率時短遊技状態LJT1-Aは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数10000回に到達する(すなわち、第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計10000回実行される)こと、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数2回に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
一方、低確率時短遊技状態LJT1-Bは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数10000回に到達する(すなわち、第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計10000回実行される)こと、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数1回に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
【0911】
また、低確率時短遊技状態LJT1-A中及び低確率時短遊技状態LJT1-B中はいずれも、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数記憶領域に記憶されている残変動回数が1デクリメントされる。また、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり回数が1デクリメントされる。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(2)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(2)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-A又は低確率時短遊技状態LJT1-Bのままとなる。
【0912】
またここで、低確率時短遊技状態LJT1-A中及び低確率時短遊技状態LJT1-B中はいずれも、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図106(a)参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはなく、小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1-A又は低確率時短遊技状態LJT1-Bが継続する。
【0913】
低確率時短遊技状態LJT1-Aでは、終了決定回数が2回に設定されているため、この低確率時短遊技状態LJT1-Aにおいて小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果によっては(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点では遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-Aのままとなる。すなわち、参照時遊技状態(特別図柄変動停止処理が終了した時点の遊技状態)は、時短遊技状態となる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT1-Aにおいて小当たりに当選した場合、参照時遊技状態が時短遊技状態であるとして、当該小当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0914】
これに対して、低確率時短遊技状態LJT1-Bでは、終了決定回数が1回に設定されているため、この低確率時短遊技状態LJT1-Bにおいて小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果により(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態が通常遊技状態となる。すなわち、参照時遊技状態(特別図柄変動停止処理が終了した時点の遊技状態)は、非時短遊技状態となる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT1-Bにおいて小当たりに当選した場合、参照時遊技状態が非時短遊技状態であるとして、当該小当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0915】
(D)小当たり図柄Y4が決定された場合
図107(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【0916】
また、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y4が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、時短回数が30回、終了決定回数が1回に設定される。すなわち、この低確率時短遊技状態LJT2は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-Cとなる。
これに対して、参照時遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)であって、小当たり図柄Y4が決定された場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2では、時短回数が70回、終了決定回数が2回に設定される。
なお、以下では、時短回数が70回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT2を、低確率時短遊技状態LJT2-Bともいうものとする。
【0917】
低確率時短遊技状態LJT2-Cに関する内容は、上記の(2)と同様であるため、説明を省略する。
低確率時短遊技状態LJT2-Bは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数70回に到達する(すなわち、第1特図乱数による当否抽選及び第2特図乱数による当否抽選が合計70回実行される)こと、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数2回に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
【0918】
また、低確率時短遊技状態LJT2-B中は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われると、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、時短回数記憶領域に記憶されている残変動回数が1デクリメントされる。また、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数記憶領域に記憶されている残小当たり回数が1デクリメントされる。
そして、上述の特別図柄変動停止処理において実行される残変動回数、残小当たり回数の更新の結果、上述の(1)~(2)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。一方、(1)~(2)のいずれの時短終了条件も成立していないと、遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Bのままとなる。
【0919】
またここで、低確率時短遊技状態LJT2-B中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図106(a)参照)、特別図柄の変動回数が70回に到達するまでに必ずしも小当たりに当選するとは限らない。したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Bは、(1)又は(2)の時短終了条件が成立するまで継続する。
また、この低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいて小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において実行される残小当たり回数の更新の結果によっては(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点では遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-Bのままとなる。すなわち、参照時遊技状態(特別図柄変動停止処理が終了した時点の遊技状態)は、時短遊技状態となる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Bにおいて小当たりに当選した場合、参照時遊技状態が時短遊技状態であるとして、当該小当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
【0920】
(E)小当たり図柄Y5が決定された場合
図107(a)に示すように、参照時遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)、及び、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2(時短遊技状態)のいずれであっても、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【0921】
また、上述の場合に設定される低確率時短遊技状態LJT2ではいずれも、時短回数が30回、終了決定回数が1回に設定される。すなわち、この低確率時短遊技状態LJT2は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-Cとなる。
低確率時短遊技状態LJT2-Cに関する内容は、上記の(2)と同様であるため、説明を省略する。
【0922】
(F)時短図柄J1が決定された場合
図107(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたときには、当該停止表示時点で、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更されることにより、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
この低確率時短遊技状態LJT2では、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される。すなわち、この低確率時短遊技状態LJT2は、上述の低確率時短遊技状態LJT2-Aとなる。
低確率時短遊技状態LJT2-Aに関する内容は、上記の(A)と同様であるため、説明を省略する。
【0923】
(G)時短図柄J2が決定された場合
図107(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたときには、当該停止表示時点で、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更されることにより、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。
この低確率時短遊技状態LJT1では、時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定される。すなわち、この低確率時短遊技状態LJT1は、上述の低確率時短遊技状態LJT1-Bとなる。
低確率時短遊技状態LJT1-Bに関する内容は、上記の(C)と同様であるため、説明を省略する。
【0924】
(変動パターンテーブル114の概要)
本形態に係るパチンコ機Pも、複数種類の変動パターンテーブル114を備えている。ここでは、
図108(a)~(c)に示すように、通常遊技状態中であって第1特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP61、低確率時短遊技状態LJT1中であって第1特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP62、低確率時短遊技状態LJT2中であって第2特図乱数に基づく当否抽選が実行された際に参照されるテーブルMP63について説明し、他の変動パターンテーブル114については説明を省略する。
【0925】
図108(a)に示すように、テーブルMP61によれば、小当たり図柄Y1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「05H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」(選択割合は100%)が決定される。
時短図柄J1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」(変動時間が45秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「07H」(選択割合は100%)が決定され、時短図柄J2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「08H」(選択割合は100%)が決定される。
【0926】
図108(b)に示すように、テーブルMP62によれば、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、現時点の保留数(第1保留数)が2未満のときには、「13秒変動」(変動時間が13秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」(選択割合は85%)、「20秒変動」(変動時間が20秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」(選択割合は10%)、又は、「60秒変動」(変動時間が60秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」(選択割合は5%)のいずれかが決定される。また、現時点の保留数(第1保留数)が2以上のときには、「5秒変動」(変動時間が5秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「11H」(選択割合は85%)、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」(選択割合は10%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」(選択割合は5%)のいずれかが決定される。
小当たり図柄Y1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「14H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「15H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「16H」(選択割合は100%)が決定される。
【0927】
図108(c)に示すように、テーブルMP63によれば、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、現時点の保留数(第2保留数)が2未満のときには、「10秒変動」(変動時間が10秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」(選択割合は85%)、又は、「30秒変動」(変動時間が30秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」(選択割合は15%)のいずれかが決定される。また、現時点の保留数(第2保留数)が2以上のときには、「3秒変動」(変動時間が3秒)の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「21H」(選択割合は85%)、又は、「30秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」(選択割合は15%)のいずれかが決定される。
小当たり図柄Y1が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「30秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「24H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「30秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「25H」(選択割合は100%)が決定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、現時点の保留数がいかなる値であっても、「30秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「26H」(選択割合は100%)が決定される。
【0928】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態)、又は、低確率時短遊技状態LJT2(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
また、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1としては、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT1-A、又は、時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定される低確率時短遊技状態LJT1-Bのいずれかが設定される。
低確率時短遊技状態LJT2としては、時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT2-A、時短回数が70回、終了決定回数が2回に設定される低確率時短遊技状態LJT2-B、又は、時短回数が30回、終了決定回数が1回に設定される低確率時短遊技状態LJT2-Cのいずれかが設定される。
【0929】
RAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後や、低確率時短遊技状態LJT2-B中又はLJT2-C中に特別図柄の変動回数が時短回数に到達した後においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
この通常遊技状態においては、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、また、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても当該遊技球が第2始動入賞口16へ入球することはない。そのため、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
上述したように、通常遊技状態における第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たり又は時短付与のいずれかに必ず当選し、ハズレとはならない(
図106(a)参照)。そして、小当たりに当選した場合には小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定され、時短付与に当選した場合には時短図柄J1又はJ2が決定される(
図106(a)参照)。
小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。そして、非時短遊技状態中に当否抽選が実行されたことから参照時遊技状態は非時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y1が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT1-Bが設定される(
図107(a)、
図109参照)。
また、時短図柄J1が決定された場合には、当該特別図柄の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、時短図柄J2が決定された場合には、当該特別図柄の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT1-Bが設定される(
図107(b)、
図109参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-C又は低確率時短遊技状態LJT1-Bのいずれかへ移行し、時短付与に当選した場合には、当該当選を経て低確率時短遊技状態LJT2-A又は低確率時短遊技状態LJT1-Bへ移行することとなる(
図109参照)。
ここで、通常遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりよりも時短付与に当選する確率が極めて高く設定されており、また、時短図柄J1よりも時短図柄J2の決定確率が極めて高く設定されているため(
図106(a)参照)、当該当否抽選が実行されると低確率時短遊技状態LJT1-Bが設定される可能性が極めて高い。また、上述したように、この低確率時短遊技状態LJT1-Bは、実質的に小当たりに当選するまで継続する。したがって、本形態に係るパチンコ機Pの遊技中は概ね、低確率時短遊技状態LJT1-Bに滞在することとなる。
【0930】
低確率時短遊技状態LJT1-B(低確率時短遊技状態LJT1)においては、通常遊技状態と同様に、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても当該遊技球が第2始動入賞口16へ入球することはない。そのため、低確率時短遊技状態LJT1-B中も、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
上述したように、低確率時短遊技状態LJT1-Bにおける第1特図乱数に基づく当否抽選では、時短付与に当選することはなく小当たりに当選する可能性があり、当該小当たりの当選の確率は通常遊技状態中(非時短遊技状態中)と同一となっている(
図106(a)参照)。そして、小当たりに当選した場合には小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定される(
図106(a)参照)。
通常遊技状態中と同様に、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。
ここで、低確率時短遊技状態LJT1-Bでは、終了決定回数が1回に設定されている。そうすると、上記小当たりに当選すると(小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定されると)特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われ、残小当たり回数が0回となる(終了決定回数に到達する)ことから、上記(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。したがって、参照時遊技状態は非時短遊技状態となるため、通常遊技状態中と同様に、小当たり図柄Y1が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT1-Bが設定される(
図107(a)、
図109参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT1-B中に指示に従って左打ちを行っていれば、第1特図乱数に基づく当否抽選において小当たりに当選することにより、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-C又は低確率時短遊技状態LJT1-Bのいずれかへ移行することとなる(
図109参照)。
【0931】
低確率時短遊技状態LJT2-A(低確率時短遊技状態LJT2)においては、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されると、高い頻度で遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能となる。低確率時短遊技状態LJT2-A中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されることとなる。
上述したように、第2特図乱数に基づく当否抽選では、時短付与に当選することはなく小当たりに当選する可能性があり、第2特図乱数に基づく当否抽選で小当たりに当選する確率は、第1特図乱数に基づく当否抽選で小当たりに当選する確率よりも高く設定されている(
図106(a)参照)。そして、小当たりに当選した場合には小当たり図柄Y4又はY5が決定される(
図106(a)参照)。
小当たり図柄Y4又はY5が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。
ここで、低確率時短遊技状態LJT2-Aでは、終了決定回数が2回に設定されている。そうすると、上記小当たりに当選すると(小当たり図柄Y4又はY5が決定されると)特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われるものの、残小当たり回数は1回となる(終了決定回数に到達しない)ことから、上記(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-A(時短遊技状態)のままとなる。したがって、参照時遊技状態は時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y4が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され、小当たり図柄Y5が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定される(
図107(a)、
図109参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT2-A中に指示に従って右打ちを行っていれば、第2特図乱数に基づく当否抽選において小当たりに当選することにより、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-B又は低確率時短遊技状態LJT2-Cのいずれかへ移行することとなる(
図109参照)。
なお、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2-Aでは時短回数が10000回に設定されることから、実質的には小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT2-Aが継続し、当該小当たりの当選を経て、低確率時短遊技状態LJT2-B又はLJT2-Cへ移行する。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-Aへ移行すると、小当たりの当選を経て再度、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
【0932】
低確率時短遊技状態LJT2-B(低確率時短遊技状態LJT2)においては、低確率時短遊技状態LJT2-Aと同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、小当たりに当選可能となっている。そして、小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y4又はY5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。
ここで、低確率時短遊技状態LJT2-Bも、低確率時短遊技状態LJT2-Aと同様に、終了決定回数が2回に設定されている。そうすると、上記小当たりに当選すると(小当たり図柄Y4又はY5が決定されると)特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われるものの、残小当たり回数は1回となる(終了決定回数に到達しない)ことから、上記(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-B(時短遊技状態)のままとなる。したがって、参照時遊技状態は時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y4が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され、小当たり図柄Y2が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され、小当たり図柄Y5が決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定される(
図107(a)、
図109参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT2-B中に指示に従って右打ちを行っていれば、第2特図乱数に基づく当否抽選において小当たりに当選することにより、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-B又は低確率時短遊技状態LJT2-Cのいずれかへ移行することとなる(
図109参照)。
なお、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2-Bでは時短回数が70回に設定されることから、この低確率時短遊技状態LJT2-B中に必ずしも小当たりに当選するとは限らない。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-Bへ移行すると、特別図柄の変動回数が70回に到達するまでに小当たりに当選した場合に限り、当該小当たりの当選を経て再度、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
【0933】
低確率時短遊技状態LJT2-C(低確率時短遊技状態LJT2)においては、低確率時短遊技状態LJT2-AやLJT2-Bと同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、小当たりに当選可能となっている。そして、小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y4又はY5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技が実行される。
ここで、低確率時短遊技状態LJT2-Cでは、終了決定回数が1回に設定されている。そうすると、上記小当たりに当選すると(小当たり図柄Y4又はY5が決定されると)特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われ、残小当たり回数が0回となる(終了決定回数に到達する)ことから、上記(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。したがって、参照時遊技状態は非時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y4又はY5が決定された場合にはいずれも、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定される(
図107(a)、
図109参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態LJT2-C中に指示に従って右打ちを行っていれば、第2特図乱数に基づく当否抽選において小当たりに当選することにより、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て再度、低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定されることとなる(
図109参照)。
なお、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2-Cでは時短回数が30回に設定されることから、この低確率時短遊技状態LJT2-C中に必ずしも小当たりに当選するとは限らない。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-Cへ移行すると、特別図柄の変動回数が30回に到達するまでに小当たりに当選した場合に限り、当該小当たりの当選を経て再度、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
【0934】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-A、LJT2-B、LJT2-C)中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球により、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるとともに、第2特図乱数に基づく当否抽選で小当たりに当選した場合に実行可能な特別遊技においては、第1特図乱数に基づく当否抽選で小当たりに当選した場合に実行可能な特別遊技よりも多い回数のラウンド遊技を実行可能となっている。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2は、通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態となっている。
【0935】
また、低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-A、LJT2-B又はLJT2-Cのいずれかに移行可能であるところ、低確率時短遊技状態LJT2-Aでは、時短回数が10000回に設定されることからほぼ確実に小当たりに当選する。これに対して、低確率時短遊技状態LJT2-Bでは時短回数が70回に設定され、低確率時短遊技状態LJT2-Cでは時短回数が30回に設定されるため、必ずしも小当たりに当選するとは限らないものの、設定される時短回数は低確率時短遊技状態LJT2-Cよりも低確率時短遊技状態LJT2-Bの方が多いことから、低確率時短遊技状態LJT2-Bの方が低確率時短遊技状態LJT2-Cよりも、特別図柄の変動回数が時短回数に到達するまでに小当たりに当選する可能性が高い。
また、低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bにおいて小当たり図柄Y4が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定されるものの、低確率時短遊技状態LJT2-Cにおいて小当たり図柄Y4が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT2-Cが設定される。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bの方が低確率時短遊技状態LJT2-Cよりも、小当たりに当選した場合に、特別図柄の変動回数が時短回数に到達するまでに小当たりに当選する可能性が高い低確率時短遊技状態LJT2-Bが設定され易い。
以上より、低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-Aが最も有利な遊技状態であり、低確率時短遊技状態LJT2-B、低確率時短遊技状態LJT2-Cの順に有利度が低くなる。
【0936】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技中に概ね滞在する低確率時短遊技状態LJT1-Bにおいては、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-C、低確率時短遊技状態LJT1-Bに移行可能となっている。低確率時短遊技状態LJT2-Aへ移行した場合には、ほぼ確実に第2特図乱数に基づく小当たりの当選を獲得できると共に、低確率時短遊技状態LJT2-Cよりも有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Bへの移行に期待できる。これに対して、低確率時短遊技状態LJT2-Cへ移行した場合には、必ずしも第2特図乱数に基づく小当たりの当選を獲得できるとは限らず、小当たりに当選した場合であっても、低確率時短遊技状態LJT2-Bよりも有利度の低い低確率時短遊技状態LJT2-Cが再度設定されることとなる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技中に概ね滞在する低確率時短遊技状態LJT1-Bから移行可能な低確率時短遊技状態LJT2-Aと低確率時短遊技状態LJT2-Cとは有利度が大きく異なるため、低確率時短遊技状態LJT1-Bでは、遊技者に対して低確率時短遊技状態LJT2-Aへの移行を期待させながら、遊技を進行させるという遊技性が付与されることとなる。
【0937】
また、RAMクリア後や、低確率時短遊技状態LJT2-B中又はLJT2-C中に特別図柄の変動回数が時短回数に到達した後に設定される通常遊技状態では、低確率時短遊技状態LJT1-Bと同様に、小当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT2-C、低確率時短遊技状態LJT1-Bへ移行可能であるのに加え、時短付与の当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2-A、低確率時短遊技状態LJT1-Bへ移行可能となっている。すなわち、通常遊技状態中は、低確率時短遊技状態LJT1-Bよりも低確率時短遊技状態LJT2-Aへ移行する確率が高くなっている。これにより、通常遊技状態が、遊技者にとって有利な低確率時短遊技状態LJT2-Aへの移行確率が高いチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0938】
(低確率時短遊技状態LJT1-B中、又は、低確率時短遊技状態LJT2-A中、LJT2-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合の処理について)
上述したように、低確率時短遊技状態LJT1-Bでは、終了決定回数が1回に定められており、低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bでは、終了決定回数が2回に定められている。そして、これらの遊技状態中に小当たりに当選した場合には、特別図柄変動停止処理において、残小当たり回数が更新された後にこの更新の結果に基づく遊技状態の処理が行われ、当該処理が終了した時点における遊技状態を参照して、小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。
すると、低確率時短遊技状態LJT1―B中に第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合には、残小当たり回数が更新され0となることから(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態が通常遊技状態となる。すなわち、参照時遊技状態が非時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-Bとなる(
図107(a)参照)。
これに対して、低確率時短遊技状態LJT2-A中又はLJT2-B中に第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合には、残小当たり回数が更新され1となることから(2)の時短終了条件は成立せず、遊技状態は変わらず低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bのままとなる。すなわち、参照時遊技状態は時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-A(時短回数10000回、終了決定回数2回)となる(
図107(a)参照)。
【0939】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりの当選回数により時短遊技状態を終了可能とするとともに、複数種類の時短遊技状態において、それぞれ時短遊技状態が終了可能となる小当たりの当選回数を異ならせることで、上述の参照時点における遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかとなるように制御している。これにより、低確率時短遊技状態LJT2-A中又はLJT2-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合と、低確率時短遊技状態LJT1-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合とで、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を異ならせることができる。
【0940】
たとえば、低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bが設定された場合において、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第2特図乱数に基づく当否抽選が開始されるよりも前に、当該低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bの設定前に取得かつ記憶されていた第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されることで、確率は低いものの、この当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるようなケースがある。
パチンコ機においては、特別図柄の決定に基づき特別遊技の終了後に時短遊技状態を設定する場合には、決定された特別図柄の種類に応じた内容とする必要があり、同一の特別図柄が決定されたときには同一の時短遊技状態を設定するようにしなければならない。なお、参照時点の遊技状態が異なっていれば(時短遊技状態又は非時短遊技状態のいずれか)、同一の特別図柄が決定されたときであっても、参照時遊技状態に応じて時短回数や終了決定回数を異ならせるように設定することは可能である。
ここで、たとえば、小当たり図柄Y3が決定されたときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態JT1を設定する旨が定められていたものとする。このときには、低確率時短遊技状態LJT1-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合、低確率時短遊技状態LJT2-A中又はLJT2-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定される。そうすると、上述のケースでは、せっかく有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-AやLJT2-Bが設定されたにもかかわらず、特別遊技の終了後に有利度の低い低確率時短遊技状態LJT1が設定され、遊技者に大きな損失感を抱かせてしまうおそれがある。
【0941】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合には、参照時遊技状態が非時短遊技状態となり、当該決定に基づく特別遊技の終了後は再度、低確率時短遊技状態LJT1-Bが設定されるものの、上述のケースのように低確率時短遊技状態LJT2-A中又はLJT2-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合には、参照時遊技状態が時短遊技状態となり、当該決定に基づく特別遊技の終了後は低確率時短遊技状態LJT1-Aが設定されるようにしている。
【0942】
この低確率時短遊技状態LJT1-Aでは、時短回数が10000回に設定されているため、実質的には小当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1-Aが継続する。また、終了決定回数が2回に設定されているため、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合には、残小当たり回数が更新され1となることから(2)の時短終了条件は成立せず、遊技状態は変わらず低確率時短遊技状態LJT1-Aのままとなる。すなわち、参照時遊技状態は時短遊技状態となるため、小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、小当たり図柄Y2が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定され、小当たり図柄Y3が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT1-Aが再度設定される(
図107(a)参照)。
すなわち、低確率時短遊技状態LJT1-Aでは、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される場合(すなわち、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合)には必ず、最も有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Aが設定される。これに対して、低確率時短遊技状態LJT1-Bでは、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される場合には、低確率時短遊技状態LJT2-A又はLJT2-Bが設定される。
このように、低確率時短遊技状態LJT1-Aは、低確率時短遊技状態LJT1-Bよりも低確率時短遊技状態LJT2-Aへの移行確率が高く、低確率時短遊技状態LJT1-Bよりも有利な遊技状態となっている。
【0943】
したがって、運悪く上述のケースが発生したとしても、低確率時短遊技状態LJT1-Bよりも有利度の高い低確率時短遊技状態LJT1-Aが設定されることから、遊技者に与える損失感を軽減することができる。
【0944】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける処理について)
本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理については、大当たりの当選に関する処理を除き、第3形態とほぼ同一となっており、当業者であれば第3形態における処理に基づいて当業者が本形態での実施方法(本形態への適用方法)を理解し得るため、説明を省略する。
【0945】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、いわゆる左打ちが行われる低確率時短遊技状態LJT1として、小当たりに当選した場合に参照される遊技状態(参照時遊技状態)が異なる低確率時短遊技状態LJT1-A又はLJT1-Bのいずれかが設定され、低確率時短遊技状態LJT1-A中に小当たり図柄Y3が決定された場合と、低確率時短遊技状態LJT1-B中に小当たり図柄Y3が決定された場合とではそれぞれ、当該決定に基づいて設定される遊技状態が異なるようになっている。したがって、遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0946】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
次に、本形態(第5形態)に係るパチンコ機Pの変形例について説明する。
(変形例1)
本形態に係るパチンコ機Pでは、いわゆる右打ちが行われる所定の遊技状態(低確率時短遊技状態LJT2-B又はLJT2-C)においては必ずしも、特別図柄の変動回数が時短回数に到達するまでに小当たりに当選するとは限らず、小当たりに当選することなく特別図柄の変動回数が時短回数に到達すると通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、実質的に小当たりに当選するまで上記の遊技状態が継続するようにするとともに、所定の小当たり図柄が決定された場合に、上記の遊技状態が終了するように設定してもよい。
以下、変形例1について具体例を挙げて説明する。なお、以下では、上記第5形態と同様の内容については説明を省略し、異なる点についてのみ詳述する。
【0947】
(変形例1に関する具体例)
(ア)当否抽選の概要
図110に示すように、変形例1では、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1(決定確率は25/100)、小当たり図柄Y2(決定確率は50/100)又は小当たり図柄Y3(決定確率は25/100)が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1(決定確率は20/100)又は時短図柄J2(決定確率は80/100)が決定される。
時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1(決定確率は25/100)、小当たり図柄Y2(決定確率は50/100)又は小当たり図柄Y3(決定確率は25/100)が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定される。
非時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選、時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においてはいずれも、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y4(決定確率は10/100)、小当たり図柄Y5(決定確率は71/100)、小当たり図柄Y6(決定確率は9/100)又は小当たり図柄Y7(決定確率は10/100)が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される。
【0948】
(イ)設定される遊技状態の概要
変形例1では、第5形態と同様に、通常遊技状態(低確率非時短遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1、又は、低確率時短遊技状態LJT2のいずれかが設定される。また、低確率時短遊技状態LJT1としては、低確率時短遊技状態LJT1-X(時短回数が30回、終了決定回数が2回に設定)、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Y(時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定)のいずれかが設定される。また、低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-X(時短回数が10000回、終了決定回数が2回に設定)、又は、低確率時短遊技状態LJT2-Y(時短回数が10000回、終了決定回数が1回に設定)のいずれかが設定される。
【0949】
そして、低確率時短遊技状態LJT1-X、LJT1-Y、LJT2-X、LJT2-Yはいずれも、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数に到達すること、又は、(2)小当たりの当選回数が終了決定回数に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
【0950】
ここで、低確率時短遊技状態LJT1-X中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は30回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図110参照)、特別図柄の変動回数が時短回数に到達するまでに必ずしも小当たりに当選するとは限らない。そして、特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数(30回)に到達した場合、低確率時短遊技状態LJT1-Xは終了し通常遊技状態へ移行する。また、終了決定回数は2回であるため、特別図柄の変動回数が時短回数に到達するまでに小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われると残小当たり回数は1回となる(終了決定回数に到達しない)ことから、上記(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-X(時短遊技状態)のままとなる。したがって、参照時遊技状態は時短遊技状態となる。
【0951】
また、低確率時短遊技状態LJT1-Y中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図110参照)、実質的には上記(1)の時短終了条件が成立することはなく、小当たりに当選するまで当該遊技状態が継続する。そして、終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われると残小当たり回数は0回となる(終了決定回数に到達する)ことから、上記(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。したがって、参照時遊技状態は非時短遊技状態となる。
【0952】
また、低確率時短遊技状態LJT2-X中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図110参照)、実質的には上記(1)の時短終了条件が成立することはなく、小当たりに当選するまで当該遊技状態が継続する。そして、終了決定回数は2回であるため、小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われると残小当たり回数は1回となる(終了決定回数に到達しない)ことから、上記(2)の時短終了条件は成立せず、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2-X(時短遊技状態)のままとなる。したがって、参照時遊技状態は時短遊技状態となる。
【0953】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Y中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図110参照)、実質的には上記(1)の時短終了条件が成立することはなく、小当たりに当選するまで当該遊技状態が継続する。そして、終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選した場合、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数の更新が行われると残小当たり回数は0回となる(終了決定回数に到達する)ことから、上記(2)の時短終了条件が成立し、この残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。したがって、参照時遊技状態は非時短遊技状態となる。
【0954】
(ウ)小当たり図柄又は時短図柄の種類に応じて設定される遊技状態の概要
図111(a)に示すように、変形例1では、参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合にも、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。
【0955】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。
【0956】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Yに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Xに設定される。
【0957】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合にも、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。
【0958】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定される。
【0959】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y6が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y6が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合にも、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定される。
【0960】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y7が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Xに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y7が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定される。
【0961】
図111(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたときには、当該停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Xに設定され、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたときには、当該停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Xに設定される。
【0962】
(エ)変形例1の遊技性
RAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後や低確率時短遊技状態LJT1-X中に特別図柄の変動回数が時短回数に到達した後においては、通常遊技状態が設定される。通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT2-Y(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Y(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行し、時短付与に当選した場合には、当該当選を経て低確率時短遊技状態LJT2-X(時短図柄J1が決定された場合)、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Yのいずれかへ移行する(
図111(a)~(b)、
図112参照)。
ここで、第5形態と同様に、通常遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりよりも時短付与に当選する確率が極めて高く設定されており、また、時短図柄J1よりも時短図柄J2の決定確率が極めて高く設定されているため(
図110(a)参照)、当該当否抽選が実行されると低確率時短遊技状態LJT1-Yが設定される可能性が極めて高い。また、この低確率時短遊技状態LJT1-Yは、実質的に小当たりに当選するまで継続する。したがって、変形例1の遊技中は概ね、低確率時短遊技状態LJT1-Yに滞在することとなる。
【0963】
低確率時短遊技状態LJT1-Y中は、通常遊技状態と同様に、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-Y中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT2-Y(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Y(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図111(a)、
図112参照)。
【0964】
低確率時短遊技状態LJT2-X中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-X中に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X(小当たり図柄Y4又はY5が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT2-Y(小当たり図柄Y6又はY7が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図111(a)、
図112参照)。
【0965】
低確率時短遊技状態LJT2-Y中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-Y中に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X(小当たり図柄Y4が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT2-Y(小当たり図柄Y5又はY6が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-X(小当たり図柄Y7が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図111(a)、
図112参照)。
【0966】
低確率時短遊技状態LJT1-X中は、第1遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-X中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X(小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-X(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図111(a)、
図112参照)。
なお、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1-Xでは時短回数が30回に設定されることから、この低確率時短遊技状態LJT1-X中に必ずしも小当たりに当選するとは限らない。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行すると、特別図柄の変動回数が30回に到達するまでに小当たりに当選した場合に限り、当該小当たりの当選を経て、低確率時短遊技状態LJT2-X、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Xが設定される。そして、特別図柄の変動回数が30回に到達するまでに小当たりに当選しなかった場合には、低確率時短遊技状態LJT1-Xが終了し通常遊技状態が設定される(
図112参照)。
【0967】
以上のように、変形例1では、第5形態と同様に、低確率時短遊技状態LJT2は、通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態である。
また、低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-X又はLJT2-Yのいずれかに移行可能であるところ、低確率時短遊技状態LJT2-Xからは、いわゆる左打ちが行われる(第1特図乱数に基づく当否抽選が行われる)低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行せず、いわゆる右打ちが行われる(第2特図乱数に基づく当否抽選が行われる)低確率時短遊技状態LJT2-X又はLJT2-Yへ移行するものの、低確率時短遊技状態LJT2-Yからは低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行する可能性がある。そして、上記したように、低確率時短遊技状態LJT2-X又はLJT2-Y(低確率時短遊技状態LJT2)は、低確率時短遊技状態LJT1-X(低確率時短遊技状態LJT1)よりも有利な遊技状態であることから、低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行しない低確率時短遊技状態LJT2-Xは、低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行する可能性のある低確率時短遊技状態LJT2-Yよりも有利な遊技状態となる。
【0968】
そして、変形例1では、遊技中に概ね滞在する低確率時短遊技状態LJT1-Yにおいては、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合、低確率時短遊技状態LJT2-X、低確率時短遊技状態LJT2-Y、低確率時短遊技状態LJT1-Yに移行可能となっている。低確率時短遊技状態LJT2-Xへ移行した場合には、ほぼ確実に第2特図乱数に基づく小当たりの当選を獲得できると共に、当該小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後も引き続き、有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-X、LJT2-Y)への滞在が確定することとなる。これに対して、低確率時短遊技状態LJT2-Yへ移行した場合には、ほぼ確実に第2特図乱数に基づく小当たりの当選を獲得できるものの、当該小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後には、有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-X、LJT2-Y)への滞在の可能性がある一方で、有利度の低い低確率時短遊技状態LJT1(LJT1-X)への移行の可能性もある。
したがって、低確率時短遊技状態LJT1-Yでは、遊技者に対して、低確率時短遊技状態LJT2-Yよりも低確率時短遊技状態LJT2-Xへの移行を期待させながら、遊技を進行させるという遊技性が付与されることとなる。
【0969】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Xでは、上記したように、小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後も引き続き、低確率時短遊技状態LJT2への滞在が確定するものの、低確率時短遊技状態LJT2-Yへ移行した場合には、その後、相対的に有利度の低い低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行する可能性が生じる。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Xでは、遊技者に対して、低確率時短遊技状態LJT2-Yへの移行よりも低確率時短遊技状態LJT2-Xへの滞在を期待させながら、遊技を進行させるという遊技性が付与されることとなる。
【0970】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Yでは、小当たりの当選を介して実行される特別遊技の終了後には、有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Xへ移行する可能性、低確率時短遊技状態LJT2-Yへ滞在する可能性、有利度の低い低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行する可能性がある。
したがって、低確率時短遊技状態LJT2-Yでは、遊技者に対して、低確率時短遊技状態LJT1-Xへの移行よりも、低確率時短遊技状態LJT2-Xへの移行又は低確率時短遊技状態LJT2-Yへの滞在を期待させながら、遊技を進行させるという遊技性が付与されることとなる。
【0971】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Yから移行する可能性のある低確率時短遊技状態LJT1-Xは、低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-X、LJT2-Y)と比べて有利度は低いものの、この遊技状態中に小当たりに当選した場合には、最も有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Xへ移行するか、又は、この低確率時短遊技状態LJT1-Xに再度滞在する。また、低確率時短遊技状態LJT1-Xの方が低確率時短遊技状態LJT1-Yよりも、低確率時短遊技状態LJT2-Xへ移行する確率が高くなっている。
これにより、低確率時短遊技状態LJT2-Yから移行した低確率時短遊技状態LJT1-Xが、遊技者にとって有利な低確率時短遊技状態LJT2-Xへの移行確率が高いチャンスゾーンになるという斬新な遊技性が付与されることとなる。
【0972】
また、RAMクリア後や、低確率時短遊技状態LJT2-Y中に特別図柄の変動回数が時短回数に到達した後に設定される通常遊技状態では、低確率時短遊技状態LJT1-Yと同様に、小当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2-X、低確率時短遊技状態LJT2-Y、低確率時短遊技状態LJT1-Yへ移行可能であるのに加え、時短付与の当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2-X、低確率時短遊技状態LJT1-Yへ移行可能となっている。すなわち、通常遊技状態中は、低確率時短遊技状態LJT1-Yよりも低確率時短遊技状態LJT2-Xへ移行する確率が高くなっている。これにより、通常遊技状態が、遊技者にとって有利な低確率時短遊技状態LJT2-Xへの移行確率が高いチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与されることとなる。
【0973】
以上のように、変形例1によっても、第5形態と同様に、遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり遊技者の興趣を高めることが可能となる。
なお、変形例1では、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y7が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Yに設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Xに設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、低確率時短遊技状態LJT2-Xからも低確率時短遊技状態LJT1-Xへ移行する可能性が生じるため、低確率時短遊技状態LJT2-X中においてスリリングな印象を遊技者に抱かせることができる。
【0974】
(変形例2)
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1として設定され得る低確率時短遊技状態LJT1-AとLJT1-Bとでそれぞれ、時短遊技状態JT1が終了することとなる小当たりの当選回数(終了回数)を異ならせることで、小当たりに当選した場合に参照される遊技状態(参照時遊技状態)が異なるように設定されていたが、参照時遊技状態を異ならせるための方法はこれに限定されるものではなく、所定の小当たり図柄の決定回数が所定回数に到達することで時短遊技状態JT1が終了するように設定した上で、時短遊技状態JT1が終了することとなる小当たり図柄の決定回数を異ならせることで、小当たりに当選した場合に参照される遊技状態が異なるように設定してもよい。
以下、変形例2について具体例を挙げて説明する。なお、以下では、第5形態と同様の内容については説明を省略し、異なる点についてのみ詳述する。
【0975】
(変形例2に関する具体例)
(ア)当否抽選及び小当たり遊技の概要
図113に示すように、変形例2では、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1(決定確率は70/100)、小当たり図柄Y2(決定確率は10/100)、小当たり図柄Y3(決定確率は10/100)又は小当たり図柄Y4(決定確率は10/100)が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1(決定確率は20/100)、時短図柄J2(決定確率は40/100)又は時短図柄J3(決定確率は40/100)が決定される。
時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1(決定確率は70/100)、小当たり図柄Y2(決定確率は10/100)、小当たり図柄Y3(決定確率は10/100)又は小当たり図柄Y4(決定確率は10/100)が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定される。
非時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選、時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においてはいずれも、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y5(決定確率は75/100)、小当たり図柄Y6(決定確率は15/100)、小当たり図柄Y7(決定確率は5/100)又は小当たり図柄Y8(決定確率は5/100)が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される。
【0976】
また、変形例2では、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合には、上記第5形態と同様に、当該小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留し、大入賞口18へ入球した遊技球は全て特別領域へ進入するようになっており、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行される。
これに対して、小当たり図柄Y4が決定された場合には、当該小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留し、大入賞口18へ入球した遊技球は全て一般領域へ進入するようになっている。そのため、当該小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することがなく、特別遊技は実行されない。
すなわち、変形例2では、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y5、Y6、Y7又はY8の決定は特別遊技の実行契機となるものの、小当たり図柄Y4の決定は特別遊技の実行契機とはならない。
【0977】
(イ)設定される遊技状態の概要
変形例2では、第5形態と同様に、通常遊技状態(非時短遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)、又は、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)のいずれかが設定される。
低確率時短遊技状態LJT1としては、低確率時短遊技状態LJT1-P1、低確率時短遊技状態LJT1-P2、低確率時短遊技状態LJT1-Q1、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Q2のいずれかが設定される。
低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-P、又は、低確率時短遊技状態LJT2-Qのいずれかが設定される。
また、第5形態と同様に、通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1(LJT1-P1、LJT1-P2、LJT1-Q1、LJT1-Q2)においては、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっており、低確率時短遊技状態LJT2(LJT2-P、LJT2-Q)においては、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっている。
【0978】
また、変形例2では、低確率時短遊技状態LJT2-P、LJT2-Qは、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数に到達すること、又は、(2)小当たり図柄Y4以外(すなわち、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y5、Y6、Y7、Y8、換言すれば、特別遊技の実行契機となる小当たり図柄)の決定回数が所定の第1終了決定回数に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了する。
図114に示すように、低確率時短遊技状態LJT2-Pでは、時短回数が10000回、第1終了決定回数が1回に設定される。また、低確率時短遊技状態LJT2-Qでは、時短回数が10000回、第1終了決定回数が2回に設定される。
【0979】
また、低確率時短遊技状態LJT1-P1、LJT1-P2,LJT1-Q1、LJT1-Q2は、(1)特別遊技が実行されることなく、特別図柄の変動回数が時短回数に到達すること、(2)小当たり図柄Y4以外の決定回数が所定の第1終了決定回数に到達すること、又は、(3)小当たり図柄Y4(すなわち、特別遊技の実行契機とならない小当たり図柄)の決定回数が所定の第2終了決定回数に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了するように設定されている。
図114に示すように、低確率時短遊技状態LJT1-P1では、時短回数が10000回、第1終了決定回数が1回、第2終了決定回数が1000回に設定される。また、低確率時短遊技状態LJT1-P2では、時短回数が10000回、第1終了決定回数が1回、第2終了決定回数が1回に設定される。また、低確率時短遊技状態LJT1-Q1では、時短回数が10000回、第1終了決定回数が2回、第2終了決定回数が1000回に設定される。また、低確率時短遊技状態LJT1-Q2では、時短回数が10000回、第1終了決定回数が2回、第2終了決定回数が1回に設定される。
【0980】
なお、変形例2では、メインRAM103に、第1終了決定回数記憶領域及び第2終了決定回数記憶領域が設けられており、第1終了決定回数記憶領域には、上述の第1終了決定回数に到達するまでの残りの小当たり図柄Y4以外の決定回数(以下、第1残小当たり回数ともいう)が記憶され、第2終了決定回数記憶領域には、上述の第2終了決定回数に到達するまでの残りの小当たり図柄Y4の決定回数(以下、第2残小当たり回数ともいう)が記憶される。
第5形態と同様に、時短遊技状態中は、上述の特別図柄変動停止処理において、残変動回数の更新が行われる。さらに、変形例2では、上述の特別図柄変動停止処理において、小当たり図柄Y4以外が決定されると、第1終了決定回数記憶領域に記憶されている第1残小当たり回数が更新され(1デクリメントされ)、小当たり図柄Y4が決定されると、第2終了決定回数記憶領域に記憶されている第2残小当たり回数が更新される(1デクリメントされる)。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-P1、LJT1-P2、LJT1-Q1、LJT1-Q2では、上記更新の結果、上記(1)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。また、低確率時短遊技状態LJT2-P、LJT2-Qでは、上記更新の結果、上記(1)~(2)のいずれかの時短終了条件が成立すると、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【0981】
ここで、低確率時短遊技状態LJT1-P1中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
また、第2終了決定回数は1000回であり、小当たりに当選した場合に小当たり図柄Y4が決定される確率は10/100であることから(
図113参照)、実質的には(3)の時短終了条件が成立することもない。
一方、第1終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第1残第小当たり回数の更新が行われると第1残小当たり回数は0回となる(第1終了決定回数に到達する)ことから、(2)の時短終了条件が成立する。すると、この第1残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となり、参照時遊技状態は非時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y1、Y2又はY3の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が非時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
【0982】
また、低確率時短遊技状態LJT1-P2中は、低確率時短遊技状態LJT1-P1中と同様に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
一方、第1終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第1残第小当たり回数の更新が行われると第1残小当たり回数は0回となる(第1終了決定回数に到達する)ことから、(2)の時短終了条件が成立する。すると、この第1残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となり、参照時遊技状態は非時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y1、Y2又はY3の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が非時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
また、第2終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第2残小当たり回数の更新が行われると第2残小当たり回数は0回となる(第2終了決定回数に到達する)ことから、(3)の時短終了条件が成立する。すると、この第2残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。なお、上記したように、小当たり図柄Y4の決定を介して特別遊技が実行されることはないため、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合のように、参照時遊技状態、小当たり図柄の種類に応じた遊技状態の設定は行われない。
【0983】
また、低確率時短遊技状態LJT1-Q1中は、低確率時短遊技状態LJT1-P1中、LJT2-P2中と同様に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
また、第2終了決定回数は1000回であり、小当たりに当選した場合に小当たり図柄Y4が決定される確率は10/100であることから(
図113参照)、実質的には(3)の時短終了条件が成立することもない。
一方、第1終了決定回数は2回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第2残小当たり回数の更新が行われると第2残小当たり回数は1回となる(第1終了決定回数に到達しない)ことから、(2)の時短終了条件は成立しない。すると、この第2残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-Q1(時短遊技状態)のままとなり、参照時遊技状態は時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y1、Y2又はY3の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
【0984】
また、低確率時短遊技状態LJT1-Q2中は、低確率時短遊技状態LJT1-P1中、LJT2-P2中、LJT1-Q1中と同様に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第1特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は1/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
一方、第1終了決定回数は2回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第1残第小当たり回数の更新が行われると第1残小当たり回数は1回となる(第1終了決定回数に到達しない)ことから、(2)の時短終了条件は成立しない。すると、この第2残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-Q2(時短遊技状態)のままとなり、参照時遊技状態は時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y1、Y2又はY3の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
また、第2終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第2残小当たり回数の更新が行われると第2残小当たり回数は0回となる(第2終了決定回数に到達する)ことから、(3)の時短終了条件が成立する。すると、この第2残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となる。なお、上記したように、特別遊技は実行されないことから、参照時遊技状態、小当たり図柄の種類に応じた遊技状態の設定は行われない。
【0985】
また、低確率時短遊技状態LJT2-P中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
一方、第1終了決定回数は1回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第1残第小当たり回数の更新が行われると第1残小当たり回数は0回となる(第1終了決定回数に到達する)ことから、(2)の時短終了条件が成立する。すると、この第1残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は通常遊技状態(非時短遊技状態)となり、参照時遊技状態は非時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が非時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
【0986】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Q中は、LJT2-P中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、原則として第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるところ、時短回数は10000回であり、小当たりの当選の確率は7/300であるため(
図113参照)、実質的には(1)の時短終了条件が成立することはない。
一方、第1終了決定回数は2回であるため、小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合、特別図柄変動停止処理において第1残第小当たり回数の更新が行われると第1残小当たり回数は1回となる(第1終了決定回数に到達しない)ことから、(2)の時短終了条件は成立しない。すると、この第2残小当たり回数が更新された時点で遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1-Q2(時短遊技状態)のままとなり、参照時遊技状態は時短遊技状態となる。そして、小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8の決定を介して実行される特別遊技の終了後には、参照時遊技状態が時短遊技状態、かつ決定された小当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定される(
図114(a)参照)。
【0987】
(ウ)小当たり図柄又は時短図柄の種類に応じて設定される遊技状態の概要
図114(a)に示すように、変形例2では、参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Pに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Qに設定される。
【0988】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P1に設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Q1に設定される。
【0989】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P2に設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Q2に設定される。
【0990】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Pに設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y5が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Qに設定される。
【0991】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y6が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P2に設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y6が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
【0992】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y7が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P1に設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y7が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合にも、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P1に設定される。
【0993】
参照時遊技状態が非時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y8が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P2に設定される。また、参照時遊技状態が時短遊技状態であって、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y8が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合にも、当該進入に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-P2に設定される。
【0994】
図114(b)に示すように、当否抽選の実行時点における遊技状態が通常遊技状態(非時短遊技状態)であった場合において、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され当該時短図柄J1が停止表示されたときには、当該停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2-Qに設定され、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J2が決定され当該時短図柄J2が停止表示されたときには、当該停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Q1に設定され、第1特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J3が決定され当該時短図柄J3が停止表示されたときには、当該停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1-Q2に設定される。
【0995】
(エ)変形例2の遊技性
RAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後、低確率時短遊技状態LJT1-P2中やLJT1-Q2中に小当たり図柄Y4が決定された後、低確率時短遊技状態LJT2-Q中に小当たり図柄Y6が決定され当該決定を介して実行される特別遊技が終了した後においては、通常遊技状態が設定される。通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該決定を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-P(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT2-P1(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-P2(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行し、時短付与に当選した場合には、当該当選を経て低確率時短遊技状態LJT2-Q(時短図柄J1が決定された場合)、低確率時短遊技状態LJT1-Q1(時短図柄J2が決定された場合)、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Q2(時短図柄J3が決定された場合)のいずれかへ移行する(
図114(a)~(b)、
図115参照)。
ここで、第5形態と同様に、通常遊技状態中の第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりよりも時短付与に当選する確率が極めて高く設定されており、また、時短図柄J1よりも時短図柄J2やJ3の決定確率が高く設定されているため(
図113(a)参照)、当該当否抽選が実行されると低確率時短遊技状態LJT1-Q1、LJT1-Q2が設定される可能性が高い。また、低確率時短遊技状態LJT1-Q1は、実質的に小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定されるまで継続し、低確率時短遊技状態LJT1-Q2は、小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定されるまで継続する。したがって、変形例2の遊技中は、低確率時短遊技状態LJT1-Q1やLJT-Q2に滞在する可能性が高い。
【0996】
低確率時短遊技状態LJT1-Q1中は、通常遊技状態と同様に、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-Q1中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該決定を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-Q(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-Q1(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Q2(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【0997】
また、低確率時短遊技状態LJT1-Q2中は、通常遊技状態や低確率時短遊技状態LJT1-Q1と同様に、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-Q2中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-Q(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-Q1(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-Q2(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))のいずれかへ移行し、小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定された場合には通常遊技状態へ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【0998】
また、低確率時短遊技状態LJT2-Q中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-Q中に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-Q(小当たり図柄Y5が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-P1(小当たり図柄Y7が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-P2(小当たり図柄Y8が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))、又は、通常遊技状態(小当たり図柄Y6が決定された場合(参照時遊技状態は時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【0999】
また、上記のように、通常遊技状態において小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、低確率時短遊技状態LJT1-P1、低確率時短遊技状態LJT1-P2、又は、低確率時短遊技状態LJT2-Pのいずれかへ移行する。
低確率時短遊技状態LJT1-P1中は、通常遊技状態や低確率時短遊技状態LJT1-Q1、LJT1-Q2と同様に、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-P1中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該決定を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-P(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-P1(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-P2(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【1000】
また、低確率時短遊技状態LJT1-P2中は、通常遊技状態や低確率時短遊技状態LJT1-Q1、LJT1-Q2、LJT1-P1と同様に、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すことで第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより、第1特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1-P2中に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定された場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-P(小当たり図柄Y1が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-P1(小当たり図柄Y2が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-P2(小当たり図柄Y3が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))のいずれかへ移行し、小当たりに当選し小当たり図柄Y4が決定された場合には、通常遊技状態(小当たり図柄Y4が決定された場合)へ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【1001】
また、低確率時短遊技状態LJT2-P中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことで第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2-P中に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われると、小当たりに当選した場合には、当該当選を介して行われる特別遊技の実行を経て、低確率時短遊技状態LJT2-P(小当たり図柄Y5が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、低確率時短遊技状態LJT1-P1(小当たり図柄Y7が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))、又は、低確率時短遊技状態LJT1-P2(小当たり図柄Y6又はY8が決定された場合(参照時遊技状態は非時短遊技状態))へ移行する(
図114(a)、
図115参照)。
【1002】
以上のように、変形例2では、第5形態と同様に、低確率時短遊技状態LJT2は、主に第2特図乱数に基づく当否抽選が行われ、当該当否抽選で小当たりに当選した場合に実行される特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行されるため、主に第1特図乱数に基づく当否抽選が行われ、当該当否抽選で小当たりに当選した場合に実行される特別遊技中に3回のラウンド遊技が実行される通常遊技状態及び低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態である。
また、低確率時短遊技状態LJT2としては、低確率時短遊技状態LJT2-P又はLJT2-Qのいずれかに移行可能であるところ、低確率時短遊技状態LJT2-Pからは通常遊技状態へ移行しないものの、低確率時短遊技状態LJT2-Qからは通常遊技状態へ移行する可能性がある。ここで、上記したように、通常遊技状態においては、小当たりよりも時短付与に当選する確率が極めて高く、時短付与の当選を介して低確率時短遊技状態LJT2-Q(低確率時短遊技状態LJT2)へ移行可能となっていることから、通常遊技状態へ移行する可能性のある低確率時短遊技状態LJT2-Qは、通常遊技状態へ移行しない低確率時短遊技状態LJT2-Pよりも有利な遊技状態となる。
【1003】
また、いわゆる左打ちが行われる(第1特図乱数に基づく当否抽選が行われる)低確率時短遊技状態LJT1としては、低確率時短遊技状態LJT1-P1、LJT1-P2、LJT1-Q1又はLJT1-Q2のいずれかに移行であるところ、低確率時短遊技状態LJT1-P1又はLJT1-P2からは、低確率時短遊技状態LJT2-Qへ移行せず、当該遊技状態よりも有利度の低い低確率時短遊技状態LJT2-Pへ移行する可能性がある。一方、低確率時短遊技状態LJT1-Q1又はLJT1-Q2からは、低確率時短遊技状態LJT2-Pへ移行せず、当該遊技状態よりも有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Qへ移行する可能性がある。したがって、左打ちが行われる低確率時短遊技状態LJT1のうち、低確率時短遊技状態LJT1-Q1、LJT1-Q2は、低確率時短遊技状態LJT1-P1、LJT1-P2よりも有利な遊技状態となる。
【1004】
また、低確率時短遊技状態LJT1-P1からは通常遊技状態へ移行しないものの、低確率時短遊技状態LJT1-P2からは通常遊技状態へ移行する可能性がある。同様に、低確率時短遊技状態LJT1-Q1からは通常遊技状態へ移行しないものの、低確率時短遊技状態LJT1-Q2からは通常遊技状態へ移行する可能性がある。
したがって、通常遊技状態へ移行する可能性のある低確率時短遊技状態LJT2-P2は、通常遊技状態へ移行しない低確率時短遊技状態LJT2-P1よりも有利な遊技状態となり、通常遊技状態へ移行する可能性のある低確率時短遊技状態LJT2-Q2は、通常遊技状態へ移行しない低確率時短遊技状態LJT2-Q1よりも有利な遊技状態となる。
【1005】
すなわち、変形例2では、いわゆる左打ち中に滞在する遊技状態は、低確率時短遊技状態LJT1-P1→低確率時短遊技状態LJT1-P2→低確率時短遊技状態LJT1-Q1→低確率時短遊技状態LJT1-Q2→通常遊技状態の順に、次第に有利度が高くなるように設定されている。
そして、遊技中に滞在する可能性の高い低確率時短遊技状態LJT1-Q1やLJT1-Q2においては、小当たりの当選に基づき有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2-Qへの移行を目指し、低確率時短遊技状態LJT2-Qへ移行した後は、小当たり図柄Y5の決定に基づき、特別遊技の実行を介して再度の低確率時短遊技状態LJT2-Qへの滞在を目指すか、又は、小当たり図柄Y6の決定に基づき、特別遊技の実行を介して有利度の高い通常遊技状態への移行を目指すという遊技性が付与されることとなる。また、低確率時短遊技状態LJT2-Q中の小当たり図柄Y7又はY8の決定に基づき、低確率時短遊技状態LJT1-P2又はLJT1-P1へ移行した場合には、小当たりの当選に基づき有利の高い低確率時短遊技状態LJT2-Pへの移行を目指しつつも、低確率時短遊技状態LJT1-P2において小当たり図柄Y4の決定に基づき通常遊技状態へ移行させた後、この通常遊技状態から、低確率時短遊技状態LJT1-P1やLJT1-P2よりも有利度の高い、低確率時短遊技状態LJT1-Q1、LJT1-Q2、LJT2-Qへの移行を目指すという遊技性が付与されることとなる。
【1006】
以上のように、変形例2によっても、第5形態と同様に、遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり遊技者の興趣を高めることが可能となる。
なお、変形例2では、低確率時短遊技状態LJT1において、時短遊技状態が終了することとなる小当たり図柄Y4の決定回数を異ならせることで、参照時遊技状態が異なるように設定されていたが、低確率時短遊技状態LJT2においても、同様の制御を行ってもよい。
具体的には、たとえば、低確率時短遊技状態LJT2として、低確率時短遊技状態LJT2-P1、LJT2-P2、LJT2-Q1、LJT2-Q2の4種類を設けるとともに、第2特図乱数の当否抽選で小当たりとなった場合に決定される小当たり図柄として、特別図柄の実行契機となる小当たり図柄、及び、特別図柄の実行契機とならない小当たり図柄の両方を設ける。そして、低確率時短遊技状態LJT2-P1においては、第1終了決定回数(特別図柄の実行契機となる小当たり図柄の決定回数)を1回、第2終了決定回数(特別図柄の実行契機とならない小当たり図柄の決定回数)を1000回に設定し、低確率時短遊技状態LJT2-P2においては、第1終了決定回数を1回、第2終了決定回数を1回に設定し、低確率時短遊技状態LJT2-Q1においては、第1終了決定回数を2回、第2終了決定回数を1000回に設定し、低確率時短遊技状態LJT2-Q2においては、第1終了決定回数を2回、第2終了決定回数を1回に設定してもよい。
このようにした場合には、低確率時短遊技状態LJT2として、実質的に有利度の異なる複数の遊技状態を設けることができ、遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【1007】
また、低確率時短遊技状態LJT1として設定されるLJT1-P1、LJT1-P2、LJT1-Q1、LJT1-Q2は、たとえば、それぞれにおいて表示される背景画像や演出図柄50等を異ならせることで、遊技者が識別可能となるようにしてもよいし、いずれにおいても表示される背景画像や演出図柄50等を同一にすることで、遊技者が識別できないようにしてもよい。すなわち、実行される演出によって、遊技者が各遊技状態を識別可又は識別不可となるように設定してもよい。
同様に、低確率時短遊技状態LJT2-P、LJT2-Qについても、実行される演出によって、遊技者が識別可又は識別不可となるように設定してもよい。
【1008】
その他、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短終了条件として、特別図柄の変動回数が時短回数に到達すること、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達することが定められていたが、時短終了条件はこれらに限定されるものではない。
たとえば、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動回数(第1特図乱数に基づく当否抽選の回数)が所定回数に到達すること、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数(第2特図乱数に基づく当否抽選の回数)が所定回数に到達すること、小当たりに当選すること等の条件を定めてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1009】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選により小当たりにのみ当選可能であって、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入することにより特別遊技が実行されるようになっていたが、当否抽選により導出される抽選結果、及び、特別遊技の実行の契機はこれに限定されるものではない。
たとえば、当否抽選により小当たりのみならず大当たりにも当選可能であって、大当たりの当選に基づき特別遊技が実行されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1010】
(第6形態)
以下、第6形態を、図面を参照しつつ説明する。この説明にあたっては、上述した第1形態~第5形態と同様の構成には、同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。
本形態に係るパチンコ機Pは、第5形態と同様に、特別遊技の実行の契機が小当たりの当選となっているパチンコ機(いわゆる2種のパチンコ機)であり、具体的には、当否抽選において、大当たりには当選しないものの小当たりに当選可能となっており、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【1011】
また、第6形態に係るパチンコ機Pは、後述するように、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態においては、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選により小当たりの当選を目指し、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過することに基づく普通図柄の抽選により第2始動入賞口16へ遊技球の入球が可能となる抽選結果の導出を目指すという遊技性となっている。
また、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態においては、第1始動入賞口15への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に伴って、当該入球に基づく当否抽選の結果を報知する変動演出が実行される。一方、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過することによる普通図柄の変動表示(以下、普図変動ともいう)に伴って、当該通過による普通図柄の抽選に基づく抽選結果(第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる抽選結果であるか否か)を報知する変動演出が実行される。
すなわち、第6形態に係るパチンコ機Pは、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態中に実行される変動演出において、普通図柄の抽選に基づく抽選結果が報知される点で、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが促される遊技状態中に実行される変動演出において、第2始動入賞口16への遊技球の入球による当否抽選の結果を報知する第1形態~第5形態に係るパチンコ機Pと相違する。
【1012】
本形態に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、第2形態~第5形態と同一となっている。
また、第2形態~第4形態と同様に、特別遊技中、及び、小当たり図柄の決定(小当たりの当選)に基づく小当たり遊技中には、大入賞口18が開放し遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たり遊技中に所定個数(本形態では1個)の遊技球が特別領域へ進入する。そして、小当たり遊技中に特別領域へ所定個数の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき、特別遊技が実行される。
【1013】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第5形態と同様に、小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、当該小当たり図柄の決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
また、第5形態と同様に、設定可能な遊技状態として、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた低確率時短遊技状態LJT2が設けられており、いずれかの遊技状態が設定されて遊技が進行するようになっている。
【1014】
また、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2における第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度(普通図柄の変動表示の実行頻度)、具体的には、普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間等はそれぞれ、所定の内容に設定されている(
図117参照)。
【1015】
なお、工場出荷直後やRAMクリア(異常時初期化処理、通常時初期化処理)後等の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【1016】
そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせる(第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)を行わせるように、遊技者に左打ちが指示される)ようになっており、第1遊技領域12aで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。また、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせる(第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)行わせるように、遊技者に右打ちが指示される)ようになっており、第2遊技領域12bで遊技が行われている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、大入賞口18への入球、第2始動入賞口16への入球が可能となる。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行される。
【1017】
ここで、本形態に係るメインRAM103の保留記憶領域は、第1特図乱数を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。また、第1保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成され、第1特図乱数を計4組記憶可能であるのに対し、第2保留記憶領域は、第1記憶部のみ(1つの記憶部)から構成されており、第2特図乱数を1組記憶可能となっている。そして、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されるようになっている。
【1018】
また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されているときに第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても、当該入球に基づいて取得される第1特図乱数が記憶されることはなく、第2保留記憶領域の第1記憶部に第2特図乱数が記憶されているときに第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても、当該入球に基づいて取得される第2特図乱数が記憶されることはない。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄(以下、第1特図ともいう)の変動表示中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合において、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数が3組以下であったときには、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶され、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数が4組であったときには、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されない。また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄(以下、第2特図ともいう)の変動表示中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合において、第2保留記憶領域に第2特図乱数が記憶されていなかったときには、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶され、第2保留記憶領域に第2特図乱数が記憶されていたときには、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されない。
なお、第2保留記憶領域にも複数の記憶部を設け、第2特図乱数を複数記憶できるようにしてもよい。
【1019】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1形態、第3形態、第5形態と同様に、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっている。たとえば、特別図柄の変動表示を開始する際に第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されていたときには、まず第2特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われ、当該変動表示が終了すると、次に第1特図乱数に基づく当否抽選及び特別図柄の変動表示が行われる。
なお、本形態においても、第2形態と同様に、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に処理するようにしてもよい。
【1020】
図116(a)に示すように、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たりに当選可能となっており、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定される。すなわち、主に第1遊技領域12aにおいて遊技が行われる通常遊技状態中は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)に基づいて特別遊技が実行され得る。
また、
図116(a)に示すように、上記当否抽選における小当たりの当選の確率は1/200に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y1の決定確率は100/100(100%)に設定されている。さらに、上記当否抽選によりハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定される。
このように、第1特図乱数に基づく当否抽選では、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出されるようになっている。すなわち、小当たりに当選しなかった場合には必ずハズレとなり、時短付与には当選しない。
【1021】
図116(a)に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の当否抽選においては、小当たり又は時短付与に当選可能となっており、小当たりに当選すると小当たり図柄Y2又はY3が決定され、時短付与に当選すると時短図柄J1が決定される。すなわち、主に第2遊技領域12bにおいて遊技が行われる低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2中は、小当たりの当選(小当たり図柄Y2又はY3の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して特別遊技が実行され得る。
また、
図116(a)に示すように、上記当否抽選における小当たりの当選の確率は100/200に設定されており、小当たりに当選した場合における小当たり図柄Y2の決定確率は20/100(20%)、小当たり図柄Y3の決定確率は80/100(80%)に設定されている。
また、
図116(a)に示すように、時短付与の当選の確率は100/200に設定されており、時短付与に当選した場合における時短図柄J1の決定確率は100/100(100%)に設定されている。
このように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選確率は100/200、時短付与の当選確率は100/200であるため、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において小当たりの当選又は時短付与の当選のいずれかの抽選結果が導出される。すなわち、小当たりに当選しなかった場合には必ず時短付与の当選となり、ハズレとはならない。
【1022】
また、本形態における当否抽選でも、第5形態と同様に、まず、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりの非当選との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の非当選が導出された場合にハズレとなる。
さらに、特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて、特別図柄の変動時間や変動演出の態様等が定められた変動パターンに対応する変動パターンコマンドが決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第3形態~第5形態と同様に、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄が停止表示する時間である停止表示時間(いわゆる図柄確定時間)は、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類にかかわらず、同一(本形態では0.5秒)となっている。当該停止表示時間は、当否抽選時の遊技状態や決定された特別図柄の種類に基づいて決定されるようにしてもよい。
変動パターンコマンドの決定に関しては、後程、詳述する。
【1023】
そして、小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定されたことにより実行される小当たり遊技は、大入賞口18による0.45秒間の開放が4回行われるか又は開放中の大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている(
図116(b)参照)。また、開放が終了してから次の開放が開始されるまでの間の大入賞口18の閉鎖時間(インターバル時間)は0.6秒に設定されている。さらに、大入賞口18の開放中は、振り分け部材59は第2位置に停留する。
このように、小当たりに当選した場合には、いずれの小当たり図柄が決定されたときであっても、小当たり遊技中には大入賞口18が合計1.8秒開放されることにより、この小当たり遊技中に、右打ちを行っていれば遊技球を大入賞口18へ入球させることができる。また、この小当たり遊技中には、振り分け部材59が第2位置に停留することから、大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域へ進入する。
したがって、小当たりに当選した場合には、右打ちを行っていれば、当該当選に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域に進入するため、当該進入に基づき特別遊技が実行される。
【1024】
また、特に図示していないが、小当たり図柄Y1又はY2が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入した場合には、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が計3回実行されるように設定されている。また、いずれのラウンド遊技においても大入賞口18が1回のみ開放され(29.0秒の開放が1回実行され)、各ラウンド遊技間のインターバル時間はいずれも2.0秒に設定されている。さらに、いずれのラウンド遊技中も振り分け部材59は第1位置に停留する。
また、小当たり図柄Y3が決定され当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入した場合には、上述のラウンド遊技が計10回行われる特別遊技が実行される。ラウンド遊技中の開閉扉18bの開閉パターン及び振り分け部材59の作動態様、インターバル時間はいずれも、上述の小当たり図柄Y1又はY2の決定に基づく特別遊技と同一の内容に設定されている。
【1025】
(普図遊技の概要)
次に、本形態に係るパチンコ機Pで実行される普図遊技の概要について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、普通図柄の抽選、当該抽選の結果に基づく普通図柄を決定するための普通図柄決定処理、及び、決定された普通図柄の変動パターンを決定するための普通図柄変動パターン決定処理が行われる。そして、普通図柄決定処理により決定された普通図柄の種類に応じて可動片16bの作動態様が定められており、所定の作動態様で可動片16bが作動した場合に第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
【1026】
普通図柄の抽選は、第1形態とほぼ同様の態様により行われ、具体的には、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、遊技状態ごとに設けられ、当該当たり決定乱数に抽選結果(当たり、ハズレ)が対応付けられた当たり決定乱数判定テーブル(特に図示しておらず)に基づいて、メインCPU101により行われる。
普通図柄決定処理は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される普通図柄決定乱数、並びに、遊技状態ごとに設けられ、当該普通図柄決定乱数及び普通図柄の抽選の結果に普通図柄の種類が対応付けられた普通図柄決定テーブル(特に図示しておらず)に基づいて、メインCPU101により行われる。
普通図柄変動パターン決定処理は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される普通図柄変動パターン決定乱数、並びに、遊技状態ごとに設けられ、当該普通図柄変動パターン決定乱数、遊技状態及び普通図柄の種類に普通図柄の変動パターン(以下、普図変動パターンともいう)が対応付けられた普通図柄変動パターン決定テーブル(特に図示しておらず)に基づいて、メインCPU101により行われる。
【1027】
また、遊技球がゲート20を通過することにより取得される上述の当たり決定乱数、普通図柄決定乱数及び普通図柄変動パターン決定乱数(以下、これらを総じて普図乱数ともいう)は、第1形態~第5形態と同様に、普図保留記憶領域に4個を上限として記憶される。
【1028】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図117に示すように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)、低確率時短遊技状態LJT1中(時短遊技状態JT1中)、低確率時短遊技状態LJT2中(時短遊技状態JT2中)のいずれであっても、遊技球がゲート20を通過した場合に行われる普通図柄の抽選において当たりとなる確率が100/100に設定されている。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄の抽選によりハズレとなることはなく、必ず、当たりの抽選結果が導出される。
【1029】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄の抽選により当たりとなった場合に決定される当たり図柄(普通図柄)として、当たり図柄N1及びN2の2種類が設けられている。
図117に示すように、通常遊技状態中においては、普通図柄の抽選により当たりとなると当たり図柄N1が決定され、当たり図柄N1の決定確率が100/100(100%)に設定されている。また、低確率時短遊技状態LJT1中おいては、普通図柄の抽選により当たりとなると当たり図柄N1又はN2が決定され、当たり図柄N1の決定確率は99/100(99%)、当たり図柄N2の決定確率は1/100に設定されている。また、低確率時短遊技状態LJT2中においては、普通図柄の抽選により当たりとなると当たり図柄N2が決定され、当たり図柄N2の決定確率が100/100(100%)に設定されている。
【1030】
当たり図柄N1又はN2が決定されると、決定された当たり図柄の変動表示(普通図柄の変動表示)を実行するための普図変動パターンが決定される。普図変動パターンが決定されると、普通図柄表示装置32において、当たり図柄の変動表示(普通図柄表示装置32の点滅表示)が開始される。そして、当該普図変動パターンに設定された変動時間が経過すると、当該当たり図柄の変動表示が終了し、当該当たり図柄を停止表示する時間である普図停止表示時間が経過するまで、当該当たり図柄が停止表示される。
図114に示すように、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり図柄N1が決定された場合、及び、当たり図柄N2が決定された場合のいずれであっても、普図停止表示時間は0.5秒に設定されている。
なお、普図変動パターンの決定については、後程詳述する。
【1031】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、第1形態~第5形態と同様に、可動片16bの作動(開閉)の制御内容が定められた第2始動入賞口開放制御テーブル(特に図示しておらず)を備えている。メインCPU101は、普図停止表示時間が経過すると、第2始動入賞口開放制御テーブルを参照して可動片16bを作動させる制御を実行する。
【1032】
具体的には、
図117に示すように、当たり図柄N1が決定された場合には、普図停止表示時間が経過してから可動片16bの作動が開始するまでの時間であるオープニング時間が0.5秒に設定されている。そして、このオープニング時間が経過すると、可動片16bが、0.02秒突出するという作動態様(以下、短作動態様ともいう)により作動するように設定されている。また、可動片16bの作動が終了してから次の普通図柄の抽選が実行される(次の普通図柄の変動表示が開始される)までの時間であるエンディング時間が0.5秒に設定されている。
すなわち、当たり図柄N1が決定された場合には、普図停止表示時間が経過した後にオープニング時間である0.5秒が経過すると可動片16bが作動し(可動片16bが突出し)、この作動時点から0.02秒経過すると可動片16bの作動が終了する(可動片16bが没入する)。そして、この作動の終了時点からエンディング時間である0.5秒が経過すると、次の普通図柄の抽選が実行される。
【1033】
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中において操作ミス等により第2遊技領域12bへ向けて打ち出した遊技球がゲート20を通過した場合や、低確率時短遊技状態LJT1中において第2遊技領域12bへ向けて打ち出した遊技球がゲート20を通過した場合に、当たり図柄N1が決定され得る。しかし、当たり図柄N1が決定された場合には、可動片16bが作動した状態に維持される時間(0.02秒)が極めて短いため、第2遊技領域12bへ進入した遊技球が第2始動入賞口16へ入球することは不可能となっている。
【1034】
また、
図117に示すように、当たり図柄N2が決定された場合には、オープニング時間が6秒に設定されている。そして、このオープニング時間が経過すると、可動片16bが、5.8秒突出するという作動態様(以下、長作動態様ともいう)により作動するように設定されている。また、エンディング時間が0.5秒に設定されている。
すなわち、当たり図柄N2が決定された場合には、普図停止表示時間が経過した後にオープニング時間である6秒が経過すると可動片16bが作動し、この作動時点から5.8秒経過すると可動片16bの作動が終了する。そして、この作動の終了時点からエンディング時間である0.5秒が経過すると、次の普通図柄の抽選が実行される。
【1035】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中やLJT2中において第2遊技領域12bへ向けて打ち出した遊技球がゲート20を通過した場合に、当たり図柄N2が決定され得る。この当たり図柄N2が決定された場合には、可動片16bが作動した状態に維持される時間(5.8秒)が長いため、第2遊技領域12bに進入した遊技球は第2始動入賞口16へ入球可能となっている。
【1036】
なお、低確率時短遊技状態LJT2中に遊技球がゲート20を通過した場合には、必ず当たり図柄N2が決定され、長作動態様により可動片16bが作動する。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技球がゲート20を通過すれば必ず、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができるようになる。そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、当該入球に基づく当否抽選により小当たりに当選すれば、当該当選に基づく特別遊技を実行可能となる。
また、低確率時短遊技状態LJT1中に遊技球がゲート20を通過した場合には、1/100の決定確率で当たり図柄N2が決定されるため、この決定確率で当たり図柄N2が決定されたときに、長作動態様により可動片16bが作動する。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球がゲート20を通過し1/100の決定確率で当たり
図N2が決定されると、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができるようになる。そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、当該入球に基づく当否抽選により小当たりに当選すれば、これらの当選に基づく特別遊技を実行可能となる。
【1037】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2のいずれにおいても、普通図柄の抽選により必ず当たりとなり当たり図柄N1又はN2が決定されるものの、各当たり図柄の決定確率を異ならせるとともに、決定された当たり図柄の種類に応じて可動片16bの作動態様を異ならせることで、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度が変化するようになっている。
すなわち、上述したように、通常遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過した場合に必ず短作動態様により可動片16bが作動し、低確率時短遊技状態LJT2においては、遊技球がゲート20を通過した場合に必ず長作動態様により可動片16bが作動し、低確率時短遊技状態LJT1においては、遊技球がゲート20を通過した場合の1/100の確率で長作動態様により可動片16bが作動する。そのため、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度は、通常遊技状態が最も高く(入球し難く)、低確率時短遊技状態LJT1→低確率時短遊技状態LJT2の順に低く(入球し易く)なっている。
【1038】
(設定される遊技状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり図柄の決定(小当たりの当選)に基づき小当たり遊技が実行された場合において、当該小当たり遊技中に所定個数(1個)の遊技球が特別領域へ進入したことに基づき特別遊技が実行されたときには、決定された小当たり図柄の種類に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が設定される。具体的には、後述するように、特別遊技の終了後の遊技状態は、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)又は低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)のいずれかに設定される。
これに対して、右打ちを行わず大入賞口18へ遊技球が入球しなかった等の理由により、小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入しなかったときには、特別遊技が実行されないとともに上述の小当たり図柄の種類に応じた遊技状態の設定は行われず、小当たり遊技の終了後は、当該小当たり遊技の開始時に設定されていた遊技状態が継続する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合、後述する予め定められた参照時点における遊技状態(以下、参照時遊技状態ともいう)に応じて、当該時短図柄J1(特別図柄)の停止表示後に、決定された時短図柄J1に応じた時短遊技状態を設定するか否かが定められている。具体的には、参照時遊技状態が非時短遊技状態(通常遊技状態)のときには、時短図柄J1の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定され、参照時遊技状態が時短遊技状態(本形態では、後述するように低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2))のときには、時短図柄J1の停止表示後に、新たに時短遊技状態が設定されることはなく、設定中の時短遊技状態(すなわち、低確率時短遊技状態LJT2)が継続する。
【1039】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2)は、(1)普通図柄の変動回数が所定の普図時短回数に到達すること、(2)第2特図の変動回数が所定の特定回数に到達すること、又は、(3)小当たりの当選回数が所定の終了決定回数に到達すること、といういずれかの時短終了条件が成立すると終了し、非時短遊技状態(通常遊技状態)が設定される。
【1040】
時短遊技状態中は、普図変動が行われるごとに、普図停止表示時間の経過時点で、普図時短回数に到達するまでの残りの普通図柄の変動回数(以下、残普図変動回数ともいう)が更新される。メインCPU101は、残普図変動回数の更新により普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達したと判断した場合には、この時点において、設定中の時短遊技状態を終了する。
【1041】
また、時短遊技状態中は、特別図柄の変動表示の終了の際に実行される特別図柄変動停止処理において、特定回数に到達するまでの残りの第2特図の変動回数(以下、残変動回数ともいう)が更新され、小当たりに当選すると、上述の特別図柄変動停止処理において、終了決定回数に到達するまでの残りの小当たりの当選回数(以下、残小当たり回数ともいう)が更新される。メインCPU101は、残変動回数の更新により第2特図の変動回数が特定回数に到達したと判断した場合、又は、残小当たり回数の更新により小当たりの当選回数が終了決定回数に到達したと判断した場合には、設定中の時短遊技状態を終了して非時短遊技状態を設定し、いずれも到達していないと判断された場合には、設定中の時短遊技状態を維持する(すなわち、設定中の時短遊技状態に関し何も行わない)処理を行う。
本形態に係るパチンコ機Pでは、当該処理が終了した時点を上述の参照時点として定めており、時短付与に当選した場合には当該時点における遊技状態(参照時遊技状態)を参照し、当該参照時遊技状態が非時短遊技状態であったときには、時短図柄J1の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定される。
【1042】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に普図時短回数記憶領域を備えており、この普図時短回数記憶領域には残普図変動回数が記憶される。また、メインRAM103に、第5形態等の時短回数記憶領域の代わりに、特定回数記憶領域を備えており、この特定回数記憶領域には残変動回数が記憶される。また、メインRAM103に終了決定回数記憶領域を備えており、この終了決定回数記憶領域には残小当たり回数が記憶される。
具体的には、時短遊技状態が設定されると、残普図変動回数の初期値として、所定の普図時短回数が普図時短回数記憶領域に記憶(設定)される。そして、普通図柄の変動表示が実行されるごとに、普図時短回数記憶領域に記憶されている値が更新される。これにより、普図時短回数記憶領域に記憶されている値が、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの普通図柄の変動回数となる。
また、時短遊技状態が設定されると、残変動回数の初期値として、所定の特定回数が特定回数記憶領域に記憶(設定)される。そして、第2特図の変動表示が実行されるごとに、特定回数記憶領域に記憶されている値が更新される。これにより、特定回数記憶領域に記憶されている値が、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの第2特図の変動回数となる。
また、時短遊技状態が設定されると、残小当たり回数の初期値として、所定の終了決定回数が終了決定回数記憶領域に記憶(設定)される。そして、小当たりに当選すると、終了決定回数記憶領域に記憶されている値が更新される。これにより、終了決定回数記憶領域に記憶されている値が、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの小当たりの当選回数となる。
【1043】
以下、遊技状態の設定について説明する。
(A)低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)
図116(c)に示すように、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合、又は、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合において、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行されたときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される。
また、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定され、かつ、参照時遊技状態が非時短遊技状態であった場合にも、当該時短図柄J1の停止表示後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される。
【1044】
低確率時短遊技状態LJT1が設定されると、普図時短回数(設定中の時短遊技状態が終了することとなる普通図柄の変動回数)は100回、特定回数(設定中の時短遊技状態が終了することとなる第2特図の変動回数)は1回、終了決定回数(設定中の時短遊技状態が終了することとなる小当たりの当選回数)は1回に設定される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1は、(1)普通図柄の変動回数が、設定された普図時短回数(100回)に到達すること、(2)第2特図の変動回数が、設定された特定回数(1回)に到達すること、又は、(3)小当たりの当選回数が、設定された終了決定回数(1回)に到達することといういずれかの時短終了条件が成立すると、終了する。すなわち、時短遊技状態JT1が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【1045】
ここで、低確率時短遊技状態LJT1中は、第2遊技領域12bへ打ち出した遊技球がゲート20を通過すると当たり図柄N1又はN2のいずれかが決定されるが、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる当たり図柄N2の決定確率は1/100であるため(
図117参照)、普通図柄の変動回数が普図時短回数(100回)に到達するまでに当たり図柄N2が決定されるとは限らない。そして、当たり図柄N2が決定されることなく、普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達した場合には、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定される。
これに対して、普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達するまでに当たり図柄N2が決定された場合には、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいて必ず第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、第2特図の変動表示が実行されることにより、特別図柄変動停止処理において残変動回数が更新され、第2特図の変動回数が特定回数(1回)に到達することとなる。これにより、この時点で、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。
【1046】
またここで、上記第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき、第2特図乱数による当否抽選が実行される。この当否抽選によっては小当たり又は時短付与に当選する(
図116(a)参照)。
そして、小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態が再度、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される(
図116(c)参照)。また、小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される(
図116(c)参照)。
これに対して、時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、上記のように、特別図柄変動停止処理における残変動回数の更新により第2特図の変動回数が特定回数に到達し通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定されることから、参照時遊技状態が非時短遊技状態となるため、時短図柄J1の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定される(
図116(c)参照)。
【1047】
(B)低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)
図116(c)に示すように、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合において、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行されたときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される。
【1048】
低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、普図時短回数は100回、特定回数は100回、終了決定回数は1回に設定される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2は、(1)普通図柄の変動回数が、設定された普図時短回数(100回)に到達すること、(2)第2特図の変動回数が、設定された特定回数(100回)に到達すること、又は、(3)小当たりの当選回数が、設定された終了決定回数(1回)に到達することといういずれかの時短終了条件が成立すると、終了する。すなわち、時短遊技状態JT2が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【1049】
ここで、低確率時短遊技状態LJT2中は、第2遊技領域12bへ打ち出した遊技球がゲート20を通過すると必ず当たり図柄N2が決定され、長作動態様により可動片16が作動する(
図117参照)。したがって、低確率時短遊技状態LJT2が設定された後に第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、第2特図の変動表示が実行される。
そして、第2特図の変動表示が実行されることにより、特別図柄変動停止処理において残変動回数が更新されるものの、この更新によっては残変動回数が99回となるため、第2特図の変動回数が特定回数(100回)に到達することはない。
【1050】
またここで、低確率時短遊技状態LJT1中と同様に、上記第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき、第2特図乱数による当否抽選が実行される。この当否抽選によっては小当たり又は時短付与に当選する(
図116(a)参照)。
小当たりに当選した場合には、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数が更新され、小当たり回数が終了決定回数(1回)に到達することとなる。これにより、この時点で、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。
そして、低確率時短遊技状態LJT1中と同様に、小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)に設定される(
図116(c)参照)。また、小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定され、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入し特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態が再度、低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)に設定される(
図116(c)参照)。
【1051】
これに対して、時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、上記のように、特別図柄変動停止処理における残変動回数の更新によっては第2特図の変動回数が特定回数に到達せず、また、時短付与の当選であるため残小当たり回数は更新されないことから小当たりの当選回数も終了決定回数に到達しない。したがって、特別図柄変動停止処理後も低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)が継続することから、参照時遊技状態が時短遊技状態となるため、時短図柄J1の停止表示後に、新たに低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定されることはなく、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続することとなる(
図116(c)参照)。
このように、低確率時短遊技状態LJT2においては、実質的に(1)の時短終了条件が成立することはない。
【1052】
(決定される変動パターン(変動パターンコマンド)の概要)
本形態に係るパチンコ機Pは、特別図柄の変動表示に係る変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンドを記憶した変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に変動パターンコマンド(変動パターン)を決定する際に参照するテーブルMP71、及び、低確率時短遊技状態LJT1中又は低確率時短遊技状態LJT2中に変動パターンコマンドを決定する際に参照するテーブルMP72を備えている(
図118参照)。そして、第1形態~第5形態と同様に、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、設定中の遊技状態に応じたいずれかの変動パターンテーブルを参照して、変動パターンコマンドが決定される。
【1053】
具体的には、
図118(a)に示すように、テーブルMP71によれば、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z1が決定され、かつ当該時点の第1保留数が2未満の場合には、「13秒変動(特別図柄の変動時間が13秒)」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」(決定確率は90%)、「20秒変動(特別図柄の変動時間が20秒)」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」(決定確率は8%)、又は、「60秒変動(特別図柄の変動時間が60秒)」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」(決定確率は2%)のいずれかが決定される。上述の時点の第1保留数が2以上の場合には、「6秒変動(特別図柄の変動時間が6秒)」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」(決定確率は90%)、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」(決定確率は8%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」(決定確率は2%)のいずれかが決定される。
第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合には、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」(決定確率は10%)、又は、「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」(決定確率は90%)のいずれかが決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0DH」(決定確率は100%)が決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0EH」(決定確率は100%)が決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0FH」(決定確率は100%)が決定される。
【1054】
図118(b)に示すように、テーブルMP72によれば、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、「5秒変動(特別図柄の変動時間が5秒)」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」(決定確率は100%)が決定される。
第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0CH」(決定確率は100%)が決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0DH」(決定確率は100%)が決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0EH」(決定確率は100%)が決定される。
第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、「12秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0FH」(決定確率は100%)が決定される。
【1055】
(決定される普図変動パターン(普図変動パターンコマンド)の概要)
本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動表示に係る普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンドを記憶した普通図柄変動パターン決定テーブル(特に図示しておらず)を備えている。そして、上述したように、遊技球がゲート20を通過すると、この普通図柄変動パターン決定テーブルを参照して、普図変動パターンコマンドが決定される。
【1056】
具体的には、
図117に示すように、通常遊技状態中(非時短遊技状態中)において、普通図柄の抽選により当たりとなり当たり図柄N1が決定された場合には、「10秒変動(普通図柄の変動時間が10秒)」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「50H」(決定確率は100%)が決定される。
また、低確率時短遊技状態LJT1中(時短遊技状態JT1中)において、普通図柄の抽選により当たりとなり当たり図柄N1が決定された場合には、「6秒変動」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「51H」(決定確率は85%)、「10秒変動」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「52H」(決定確率は10%)、又は、「30秒変動(普通図柄の変動時間が30秒)」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「53H」(決定確率は5%)のいずれかが決定される。
また、低確率時短遊技状態LJT1中(時短遊技状態JT1中)において、普通図柄の抽選により当たりとなり当たり図柄N2が決定された場合には、「10秒変動」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「54H」(決定確率は5%)、又は、「30秒変動」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「55H」(決定確率は95%)のいずれかが決定される。
また、低確率時短遊技状態LJT2中(時短遊技状態JT2中)において、普通図柄の抽選により当たりとなり当たり図柄N2が決定された場合には、「6秒変動(普通図柄の変動時間が6秒)」の普図変動パターンが対応付けられた普図変動パターンコマンド「56H」(決定確率は100%)が決定される。
【1057】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留数がいくつであっても、同一の普図変動パターンが同一の割合で決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、普図保留数に応じて、異なる変動パターンが決定されるようにしてもよいし、同一の変動パターンが異なる割合で決定されるようにしてもよい。
たとえば、普図保留数が所定数(たとえば2)以上であった場合には、普通図柄の変動時間が相対的に長い普図変動パターンよりも、普通図柄の変動時間が相対的に短い普図変動パターンが決定され易いようにする一方で、普図保留数が所定数未満であった場合には、普通図柄の変動時間が相対的に短い普図変動パターンよりも、普通図柄の変動時間が相対的に長い普図変動パターンが決定され易いようにしてもよい。
【1058】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1又は低確率時短遊技状態LJT2のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【1059】
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が行われる。また、左打ちをしている限り、遊技球は第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、通常遊技状態中は第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。この当否抽選では、小当たりに当選する可能性がある(
図116(a)参照)。
小当たりに当選すると小当たり図柄X1が決定され(
図116(a)参照)、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると特別遊技が実行される。この小当たり図柄Y1の決定に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が3回実行され約450個の賞球を獲得できる。そして、当該特別遊技の終了後には、低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定される(
図116(c)参照)。
【1060】
低確率時短遊技状態LJT1中は、上述したように、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が行われる。そして、右打ちをしている限り、遊技球は極めて高い確率でゲート20を通過し、低確率時短遊技状態LJT1中は、当該通過に基づき当たり図柄N1又はN2が決定される(
図117参照)。当たり図柄N1が決定された場合には、可動片16bが短作動態様で作動し、第2始動入賞口16へ遊技球は入球しないものの、当たり図柄N2が決定された場合には、可動片16bが長作動態様で作動し、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
【1061】
また、低確率時短遊技状態LJT1は、右打ちをしている限りにおいては、普通図柄の変動回数が普図時短回数(100回)に到達するか、又は、第2特図の変動回数が特定回数(1回)に到達することにより終了する。
すると、当たり図柄N2(決定確率は1/100)が決定されることなく普通図柄の変動回数が普図時短回数(100回)に到達した場合には、低確率時短遊技状態LJT1が終了し、その後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。
これに対して、普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達する前に当たり図柄N2が決定されると、長作動態様により可動片16bが作動し、この作動中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき第2特図の変動表示が実行され、特別図柄変動停止処理において残変動回数が更新されることにより第2特図の変動回数が特定回数(1回)に到達するため、この時点で、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定される。
【1062】
ここで、第2特図乱数に基づく当否抽選では必ず、小当たり又は時短付与に当選する(
図116(a)参照)。
小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y2又はY3が決定され(
図116(a)参照)、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると特別遊技が実行される。小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が3回実行され約450個の賞球を獲得でき、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が10回実行され約1500個の賞球を獲得できる。そして、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定され、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)が設定される(
図116(c)参照)。
一方、時短付与に当選した場合には、時短図柄J1が決定され(
図116(a)参照)、特別遊技は実行されない。そして、上記したように、低確率時短遊技状態LJT1中に第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選した場合には、参照時遊技状態が非時短遊技状態となるため、時短図柄J1の停止表示後に再度、低確率時短遊技状態LJT1が設定される(
図116(c)参照)。
【1063】
すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中は、右打ちを行い、遊技球をゲート20に通過させて普通図柄の抽選を実行することにより、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能な長作動態様で可動片16bが作動することとなる当たり図柄N2の決定を目指すという遊技が行われる。そして、可動片16bの作動中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させると、約450個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して再度、低確率時短遊技状態LJT1に滞在するか(小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合)、約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して低確率時短遊技状態LJT2へ移行するか(小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合)、特別遊技は実行されることなく再度、低確率時短遊技状態LJT1に滞在する(時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合))。
【1064】
低確率時短遊技状態LJT2中は、上述したように、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が行われる。また、右打ちをしている限り、遊技球は極めて高い確率でゲート20を通過し、低確率時短遊技状態LJT2中は、当該通過に基づき必ず当たり図柄N2が決定される(
図117参照)。これにより、可動片16bが長作動態様で作動し、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2が設定された後は、遊技球がゲート20を通過しさえすれば、右打ちをしている限りにおいて確実に第2始動入賞口16へ遊技球が入球する。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで第2特図乱数に基づく当否抽選が実行される。また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき第2特図の変動表示が実行され、これにより特別図柄変動停止処理において残変動回数が更新されるものの、この更新では第2特図の変動回数が特定回数(100回)に到達せず、第2特図の変動回数が特定回数に到達することという上記(2)の時短終了条件は成立しない。
【1065】
ここで、上記したように、第2特図乱数に基づく当否抽選では必ず、小当たり又は時短付与に当選する(
図116(a)参照)。
小当たりに当選した場合には、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数が更新され、この更新で小当たりの当選回数が終了決定回数(1回)に到達するため、この時点で、低確率時短遊技状態LJT2が終了し通常遊技状態が設定される。
また、低確率時短遊技状態LJT1中と同様に、小当たりに当選すると小当たり図柄Y2又はY3が決定され(
図116(a)参照)、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると特別遊技が実行される。小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が3回実行され約450個の賞球を獲得でき、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が10回実行され約1500個の賞球を獲得できる。そして、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)が設定され、小当たり図柄Y3の決定に基づく特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT2(時短遊技状態JT2)が設定される(
図116(c)参照)。
一方、時短付与に当選した場合には、特別図柄変動停止処理において残小当たり回数が更新されず、小当たりの当選回数が終了決定回数(1回)に到達しない。したがって、第2特図の変動回数が特定回数に到達することという上記(2)の時短終了条件のみならず、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達することという上記(3)の時短終了条件も成立せず、参照時遊技状態が時短遊技状態となるため、時短図柄J1の停止表示後に新たに時短遊技状態が設定されることはなく、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続する(
図116(c)参照)。
【1066】
すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中は、右打ちを行い、遊技球をゲート20に通過させると必ず、普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定され、長作動態様で可動片16bが作動する。そして、可動片16bの作動中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させると、約450個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するか(小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合)、約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して再度、低確率時短遊技状態LJT2に滞在するか(小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定された場合)、特別遊技は実行されることなく低確率時短遊技状態LJT2に滞在したままとなる
(時短付与に当選した場合(時短図柄J1が決定された場合))。
【1067】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技中は主に通常遊技状態に滞在するようになっており、この通常遊技状態においては、第1特図乱数に基づく当否抽選による小当たりの当選を目指す。小当たりに当選すると、当該当選に基づいて実行される特別遊技を介して低確率時短遊技状態LJT1へ移行する。
低確率時短遊技状態LJT1においては、遊技球がゲート20を通過しても、必ずしも普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定されるとは限らず、普通図柄の変動回数が普図時短回数(100回)に到達するまでに当たり図柄N2が決定されれば、長作動態様で可動片16bが作動し、この可動片16bの作動中に確実に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができる。第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、必ず、小当たり又は時短付与に当選する。そして、小当たりに当選すると、約450個又は約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して、再度、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるか、又は、低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。また、時短付与に当選した場合には、再度、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。
低確率時短遊技状態LJT2においては、遊技球がゲート20を通過すれば、必ず、普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定され長作動態様で可動片16bが作動し、この可動片16bの作動中に確実に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができる。上述同様、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、必ず、小当たり又は時短付与に当選する。そして、小当たりに当選すると、約450個又は約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行を介して、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するか、又は、低確率時短遊技状態LJT2が再度設定される。また、時短付与に当選した場合には、低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【1068】
すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中は必ずしも、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されるとは限らず、第2特図乱数に基づく当否抽選が実行されたとしても、時短付与に当選した場合には、再度、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるため、小当たりに当選することなく低確率時短遊技状態LJT1が終了する可能がある。
これに対して、低確率時短遊技状態LJT2中は、遊技球がゲート20を通過すれば必ず第2特図乱数に基づく当否抽選が実行され、時短付与に当選した場合には、低確率時短遊技状態LJT2が継続するため、実質的には小当たりに当選するまで当該低確率時短遊技状態LJT2が継続することとなる。
以上より、低確率時短遊技状態LJT2は、低確率時短遊技状態LJT1よりも有利な遊技状態であるといえる。また、通常遊技状態中に行われる第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合には、約450個の賞球を獲得可能な特別遊技を実行可能であるのに対し、低確率時短遊技状態LJT1中に行われる第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選した場合には、約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技を実行可能であるため、低確率時短遊技状態LJT1は、通常遊技状態よりも有利な遊技状態であるといえる。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態→低確率時短遊技状態LJT1→低確率時短遊技状態LJT2の順に、次第に有利度が高くなるように設定されている。
【1069】
このように設定されている本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1を経て低確率時短遊技状態LJT2への移行を目指し、さらに、低確率時短遊技状態LJT2へ移行した後は、約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行、及び、再度の低確率時短遊技状態LJT2の滞在の契機となる小当たり図柄Y3の決定を目指して、遊技を進行させるという遊技性が付与される。
そして、低確率時短遊技状態LJT2では、1個の遊技球がゲート20を通過すれば、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となり、1個の遊技球が第2始動入賞口16へ入球すれば、小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定される可能性がある。したがって、低確率時短遊技状態LJT2へ移行した後は、極めて速いスピードで小当たり図柄Y3の決定が繰り返される可能性があり、小当たり図柄Y3の決定が繰り返されると、約1500個の賞球を獲得可能な特別遊技の実行と低確率時短遊技状態LJT2の設定とが相俟って、短期間で大量の賞球を獲得できることとなるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中及びLJT2中はいずれも、小当たりの当選確率は同一であるものの、低確率時短遊技状態LJT2中に時短付与に当選した場合には当該低確率時短遊技状態LJT2が継続し、低確率時短遊技状態LJT1中に時短付与に当選した場合には当該低確率時短遊技状態LJT1が再度設定されることから、低確率時短遊技状態LJT2中は、低確率時短遊技状態LJT1中よりも体感的に小当たりに当選し易いという印象、及び小当たり図柄Y3が決定され易いという印象を与えることができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【1070】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、第1形態~第5形態と異なる点を中心に、フローチャートを用いて説明する。以下では特に、遊技状態の設定に関する制御、普図遊技に関する制御を詳述する。
なお、第1形態~第5形態と同一の処理や、第1形態~第5形態とほぼ同一の処理であって当業者が本形態での実施方法(本形態への適用方法)を理解し得るものについては、第1形態~第5形態と同一のステップ番号を付し、原則として説明を省略する。
【1071】
本形態に係るパチンコ機Pにおいても、第3形態の特別図柄変動停止処理(
図89参照)、特別図柄変動停止処理における残変動回数更新処理(
図90参照)及び残小当たり回数更新処理(
図91参照)が実行される。いずれの処理も第3形態と同様であるため、説明を省略する。
【1072】
上述の特別図柄変動停止処理におけるステップ1003-13の遊技状態制御処理について、
図119のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1030において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でないと判定した場合、ステップ1036に進む。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1031-1に進む。
ステップ1031-1において、メインCPU101は、上述の(2)~(3)のいずれかの時短終了条件(すなわち、第2特図の変動回数が特定回数に到達、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達)が成立したか否かを判定する。そして、いずれも成立していないと判定した場合、ステップ1033に進む。一方、いずれかが成立したと判定した場合、次のステップ1032に進む。
【1073】
ステップ1032において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態を終了し通常遊技状態の設定を行う通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、時短遊技状態JT1が設定されている旨を示す第1時短遊技フラグ、及び、時短遊技状態JT2が設定されている旨を示す第2時短遊技フラグの両方をオフにするとともに、普図時短回数記憶領域、特定回数記憶領域及び終了決定回数記憶領域をクリアする。これにより、設定中の低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が終了し、通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される。そして、次のステップ1033に進む。
ステップ1033において、メインCPU101は、当該時点における遊技状態を参照時遊技状態としてメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。具体的には、上述のステップ1031-1で(2)~(3)のいずれかの時短終了条件が成立したと判定した場合に進む上述のステップ1032で通常遊技状態が設定されたときには、参照時遊技状態として非時短遊技状態が記憶される。また、上述のステップ1031で(2)~(3)のいずれの時短終了条件も成立していないと判定した場合には、参照時遊技状態として時短遊技状態が記憶される。そして、次のステップ1034-1に進む。
【1074】
ステップ1034-1において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が時短図柄であるか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、停止表示された特別図柄が時短図柄でないと判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、停止表示された特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1034-2に進む。
ステップ1034-2において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域に記憶された参照時遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、参照時遊技状態が非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、遊技状態制御処理を終了する。一方、参照時遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1034-3に進む。
【1075】
ステップ1034-3において、メインCPU101は、低確率時短遊技状態LJT1を設定する低確率時短遊技状態LJT1設定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、普図時短回数記憶領域に、普図時短回数に対応する「100」を残普図変動回数の初期値としてセットし、特定回数記憶領域に、特定回数に対応する「1」を残変動回数の初期値としてセットし、終了決定回数記憶領域に、終了決定回数に対応する「1」を残小当たり回数の初期値としてセットする。これにより、低確率時短遊技状態LJT1の設定が行われる。そして、遊技状態制御処理を終了する。
【1076】
次に、普通図柄の変動表示を開始する際に実行される普通図柄変動開始処理(普図関連制御処理のステップ1401(
図41参照))について、
図120のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1504において、メインCPU101は、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。この処理は、第1形態における普通図柄変動開始処理のステップ1504の処理とほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、この当選判定処理でハズレの抽選結果が導出されることはなく、必ず、当たりの抽選結果が導出される。そして、次のステップ1504-1に進む。
【1077】
ステップ1504-1において、メインCPU101は、普通図柄決定テーブル(特に図示しておらず)と、上述のステップ1503で処理領域に記憶された普通図柄決定乱数と、上述のステップ1504で導出された抽選結果(ここでは当たり)とに基づいて、普通図柄の種類を決定する普通図柄決定処理を実行する。なお、ステップ1504では当たりの抽選結果が導出されるため、この普通図柄決定処理では、当たり図柄N1又はN2のいずれかが決定される。そして、次のステップ1504-2に進む。
ステップ1504-2において、メインCPU101は、上述のステップ1504-1で決定された普通図柄の種別を示す普通図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された普通図柄の種別に係る情報が、普通図柄の変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ1504-3に進む。
【1078】
ステップ1504-3において、メインCPU101は、普通図柄変動パターン決定テーブル(特に図示しておらず)と、上述のステップ1503で処理領域に記憶された普通図柄変動パターン決定乱数と、上述のステップ1504-1で決定された普通図柄の種別とに基づいて、普図変動パターン(普図変動パターンコマンド)を決定する普通図柄変動パターン決定処理を実行する。また、メインCPU101は、決定された普図変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された普図変動パターンに係る情報が、普通図柄の変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ1505に進む。
【1079】
次に、普通図柄の変動表示の停止後の処理である普通図柄停止後処理(普図関連制御処理のステップ1403(
図41参照))について、
図121のフローチャートを参照して説明する。
普図停止表示時間が経過したと判定した(ステップ1701)後に進むステップ1701-1において、メインCPU101は、普図時短回数記憶領域に記憶されている残普図変動回数を1デクリメントする(更新する)。そして、次のステップ1701-2に進む。
ステップ1701-2おいて、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であり、かつ上述のステップ1701-1で残普図変動回数が1デクリメントされたことにより(1)の時短終了条件(すなわち、普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達)が成立したか否かを判定する。そして、現時点の遊技状態が時短遊技状態でないか、又は、(1)の終了条件が成立していないと判定した場合、ステップ1701-4に進む。一方、現時点の遊技状態が時短遊技状態であり、かつ(1)の終了条件が成立したと判定した場合、次のステップ1701-3に進む。
【1080】
ステップ1701-3において、メインCPU101は、通常遊技状態設定処理を実行する。この通常遊技状態設定処理は、上記したステップ1032と同様であるため、説明を省略する。そして、次のステップ1701-4に進む。
【1081】
ステップ1701-4において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態を確認する。そして、次のステップ1701-5に進む。
ステップ1701-5において、メインCPU101は、停止表示した普通図柄が当たり図柄N1又はN2であるか否かを判定する。そして、当たり図柄N1及びN2のいずれでもないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当たり図柄N1又はN2であると判定した場合、次のステップ1701-6に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過した場合には必ず、当たり図柄N1又はN2が決定されるため、ここではステップ1701-6に進むこととなる。
【1082】
ステップ1701-6において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブルを参照し、上述のステップ1701-4で確認した遊技状態、及び、停止表示した普通図柄の種類に応じた可動片16bの作動に関する制御データ(オープニング時間、作動態様(長作動態様又は短作動態様)、作動時間、エンディング時間)を取得する。そして、次のステップ1701-7に進む。
ステップ1701-7において、メインCPU101は、上述のステップ1701-6で取得した制御データに基づいて可動片16bを作動させる可動片制御処理を実行する。そして、普通図柄停止後処理を終了する。なお、可動片16bの作動が終了すると、上述の普通図柄変動開始処理を実行可能となる。
【1083】
(本形態に係るパチンコ機Pにおける各種演出の概要)
次に、本形態に係るパチンコ機Pで実行される各種演出について、第1特図乱数に基づく当否抽選の結果又は普通図柄の抽選の結果を報知し得る変動演出、各遊技状態が設定される際に実行される各種演出を中心に説明する。
【1084】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態においては、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選により小当たりの当選を目指す遊技となっており、第1特図乱数に基づく特別図柄(第1特図)の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により上述の当否抽選の結果を報知する変動演出(以下、通常中変動演出ともいう)が実行される。これに対して、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2においては、遊技球がゲート20を通過することに基づき当たり図柄N2(第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる、すなわち、可動片16bが長作動態様で作動する旨が定められた当たり図柄)の決定を目指す遊技となっており、普通図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により上述の当たり図柄の決定の結果を報知する変動演出(以下、時短中変動演出ともいう)が実行される。
なお、上述したように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には必ず、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選又は時短付与の当選となる。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2の設定後の第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示中には、上述のような変動演出は実行されないようになっている。
【1085】
通常中変動演出及び時短中変動演出ではいずれも、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて当該表示部21aの中央において、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われ、当該変動表示が終了し停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果や当たり図柄の決定の結果を遊技者に報知し得るようになっている(
図122等参照)。
具体的には、通常遊技状態においては第1特図の変動表示の開始に伴って、また、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2においては普通図柄の変動表示の開始に伴って、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される。その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄ともいう)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄ともいう)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される。
【1086】
そして、通常遊技状態において第1特図乱数に基づく当否抽選の結果が小当たりの当選であった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が全て同一の図柄(たとえば、222、555等)で停止表示される。これにより、上述の当否抽選の結果が小当たりの当選であることが示唆される。なお、以下では、この停止表示態様を「当選示唆態様」ともいうものとする。
同様に、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2において遊技球がゲート20を通過することに基づき当たり図柄N2が決定された場合にも、当選示唆態様により演出図柄50が停止表示する(
図122(d)参照)。これにより、遊技球がゲート20を通過したことに基づき、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる当たり図柄N2が決定されたこと(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができる旨)が示唆される。
なお、低確率時短遊技状態LJT2においては、遊技球がゲート20を通過すると必ず当たり図柄N2が決定されるため、1回目の時短中変動演出において当選示唆態様により演出図柄50が停止表示する(
図122(d)参照)。
【1087】
また、通常遊技状態において第1特図乱数に基づく当否抽選の結果がハズレであった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の少なくともいずれか一が他と異なる図柄(たとえば、312、558、282等)で停止表示される。これにより、上述の当否抽選の結果がハズレであることが示唆される。なお、以下では、このような停止表示態様を「非当選示唆態様」ともいうものとする。
同様に、低確率時短遊技状態LJT1において遊技球がゲート20を通過することに基づき当たり図柄N1が決定された場合にも、非当選示唆態様により演出図柄50が停止表示する(
図123(h)参照)。これにより、遊技球がゲート20を通過したことに基づき、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能とならない当たり図柄N1が決定されたこと(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができない旨)が示唆される。
【1088】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において普通図柄の変動表示が実行された場合、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2において第1特図の変動表示が実行された場合には、表示部21aの中央における演出図柄50の変動表示は実行されないようになっている。
したがって、たとえば、通常遊技状態において、演出図柄50が停止表示されているときに遊技球がゲート20を通過し普通図柄の変動表示が開始されても、演出図柄50は停止表示されたままとなる。同様に、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2において、演出図柄50が停止表示されているときに第1始動入賞口15へ遊技球が入球し第1特図の変動表示が開始されても、演出図柄50は停止表示されたままとなる。
【1089】
また、通常中変動演出の演出パターン、及び、時短中変動演出の演出パターンとしては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示された後(すなわち、リーチ表示が行われることなく)、非当選示唆態様で停止表示されるノーマルハズレ変動パターン、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示が行われた後、所定の発展演出画像(特に図示しておらず)を表示するリーチ発展演出が実行された上で当選示唆態様又は非当選示唆態様で停止表示される発展ありリーチ変動パターン、リーチ表示が行われた後、リーチ発展演出が実行されることなく当選示唆態様又は非当選示唆態様で停止表示される発展なしリーチ変動パターンが設けられている。
【1090】
また、上述の各演出パターンにはそれぞれ複数の態様が設けられている。
たとえば、上述の各演出パターンには、演出図柄50の変動表示に併せて、所定の予告画像を表示する態様(予告演出が実行される態様)、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行う態様(ボタン操作演出が実行される態様)、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出が実行される態様)等が設けられている。
また、たとえば、発展ありリーチ変動パターンや発展なしリーチ変動パターンには、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ、その後にリーチ表示が行われる態様(擬似連演出が実行される態様)等が設けられている。
また、たとえば、発展ありリーチ変動パターンには、所定の発展演出画像が表示されるリーチ発展演出を実行した後、所定の発展演出画像よりも当選示唆態様で停止表示される期待度が高い旨を示唆する高期待度発展演出画像が表示されるリーチ発展演出に切り替わる態様(チャンスアップ演出が実行される態様)等が設けられている。
また、上述の予告画像、役物演出装置の作動態様、仮停止の実行回数、高期待度発展演出画像等は、第1特図乱数に基づく当否抽選による小当たりの当選の期待度や普通図柄の抽選による当たり図柄N2の決定の期待度が異なる複数種類が設けられている。
また、上述の各演出においては、画像の表示や音声の出力のみならず、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【1091】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、副制御基板300のサブROM302に、決定され得る変動パターンコマンドごとに上述の各演出パターンの態様を対応付けて記憶した通常中変動演出決定テーブル、及び、決定され得る普図変動パターンコマンドごとに上述の各演出パターンの態様を対応付けて記憶した時短中変動演出決定テーブルが設けられている。
副制御基板300のサブCPU301は、通常遊技状態において第1特図の変動表示の開始時に変動パターンコマンドを受信すると、所定の演出乱数を取得するとともに、取得した演出乱数、受信した変動パターンコマンド及び上述の通常中変動演出決定テーブルに基づいて、通常中変動演出における演出パターンの態様を決定する。そして、決定された演出パターンの態様により通常中変動演出が実行される。
また、副制御基板300のサブCPU301は、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2において普通図柄の変動表示の開始時に普図変動パターンコマンドを受信すると、所定の演出乱数を取得するとともに、取得した演出乱数、受信した普図変動パターンコマンド及び上述の時短中変動演出決定テーブルに基づいて、時短中変動演出の態様を決定する。そして、決定された演出パターンの態様により時短中変動演出が実行される。
【1092】
なお、通常中変動演出及び時短中変動演出の演出パターンとしては、上記内容に限定されるものではなく、たとえば、リーチ表示が行われることなく第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が全て同時に同一の図柄で停止表示されるような特殊変動パターン等を備えてもよい。
また、通常中変動演出及び時短中変動演出にはいずれも、同一の演出パターンが設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、通常中変動演出では発展なしリーチ変動パターンが実行されるものの、時短中変動演出では発展なしリーチ変動パターンが実行されないようにする等、通常中変動演出に設けられる演出パターンと時短中変動演出に設けられる演出パターンとが異なるようにしてもよい。また、通常中変動演出と時短中変動演出とでは、同一の演出パターンにおいて決定され得る態様は同一であってもよいし、異なるようにしてもよい。
このようにすることで、通常中変動演出及び時短中変動演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【1093】
(背景画像の表示の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像として、通常遊技状態に対応する通常背景画像(
図123(i)参照)、低確率時短遊技状態LJT1に対応する低確時短背景画像A(
図122(b)~(h)、
図123(a)~(d)、(f)~(h)、
図124(a)~(c)参照)、低確率時短遊技状態LJT2に対応する低確時短背景画像B(
図125(a)~(f)参照)が設けられており、各遊技状態中には対応する背景画像が表示部21aに表示されるようになっている。
【1094】
(各遊技状態が設定される際に実行される各種演出の概要)
次に、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2が設定される際の各種演出の概要について説明する。
【1095】
(1)低確率時短遊技状態LJT1
通常遊技状態において第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合、当該決定に基づく小当たり遊技中に所定個数の遊技球が所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、特別遊技が実行される。当該特別遊技中には、当該特別遊技を盛り上げるための特別遊技中演出が実行される(
図122(a)参照)。そして、特別遊技が終了すると低確率時短遊技状態LJT1が設定され、当該設定に基づく各種演出が実行される。
【1096】
具体的には、
図122(b)に示すように、低確時短背景画像Aが表示され、低確率時短遊技状態LJT1の設定を示唆する低確時短LJT1設定示唆演出(たとえば、「チャンスゾーン突入!!」という低確時短LJT1設定示唆画像の表示等)が行われるとともに、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す右打ち示唆(たとえば、「右打ち→→→」の右打ち示唆画像の表示)が行われる(
図122(b)参照)。
また、低確率時短遊技状態LTJ1中は、残普図変動回数をカウントダウンする残普図変動回数カウントダウン表示が実行されるようになっている。残普図変動回数カウントダウン表示では、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるとまず、残普図変動回数の初期値を示す数値の表示(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1に対応する普図時短回数100回を示す「100」という表示)が行われ(
図125(b)参照)、その後、普通図柄の変動表示が実行されるごとに、上述の数値が1ずつカウントダウンされる表示が行われる。
【1097】
その後、遊技球がゲート20を通過すると時短中変動演出(演出図柄50の変動表示)が実行される(
図122(c)参照)。また、この通過に基づく普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定されると、当選示唆態様により演出図柄50が停止表示する(
図122(d)参照)。そして、普図停止表示時間が経過してから、可動片16bが長作動態様により作動するまでの時間であるオープニング時間(6秒)が経過すると、当たり図柄N2が決定され可動片16bが長作動態様により作動することで第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となった旨を示唆する普図当選示唆演出(たとえば、「Vチャンスゲット!」という普図当選示唆画像の表示等)が実行されるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球を促す入球指示演出(たとえば、「電チューを狙え!!」という入球指示画像の表示等)が実行される(
図122(e)、
図123(a)、
図124(a)参照)。普図当選示唆演出及び入球指示演出は、第2始動入賞口16へ遊技球が入球するか、又は、可動片16bの作動時間(5.8秒)が経過すると、終了する。
なお、普図当選示唆演出及び入球指示演出は、オープニング時間の経過前(たとえば、普図停止表示時間が経過した時点や、普図停止表示時間が経過してから所定時間(たとえば、3秒等)経過した時点等)から実行するようにしてもよい。
【1098】
そして、可動片16bの作動中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、当該入球に基づく第2特図乱数による当否抽選が実行される。
この当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されると、上記普図当選示唆演出及び入球指示演出の終了後に、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行、及び、低確率時短遊技状態LJT2へ移行が決定された旨を示唆する第1特別遊技示唆演出(たとえば、「SUPER BONUS!!」という第1特別遊技示唆画像の表示等)が実行される(
図122(f)参照)。これにより、遊技者は、10回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行、及び、低確率時短遊技状態LJT2への移行が決定された旨を把握可能となる。
その後、小当たり図柄Y3の決定に基づく小当たり遊技に伴って、特別領域への遊技球の進入を促す特別領域進入指示演出(たとえば、「Vを狙え!!」という特別領域進入指示画像の表示等)が実行される(
図122(g)参照)。そして、所定個数の遊技球が特別領域へ進入すると、特別領域進入指示演出が終了し、所定個数の遊技球が特別領域へ進入した旨を示唆する特別領域進入示唆演出(たとえば、「V!!」という特別領域進入示唆画像の表示等)が実行される(
図122(h)参照)。その後、小当たり遊技が終了し特別遊技が実行されると、特別領域進入示唆演出が終了し、特別遊技中演出が実行される(
図122(i)参照)。
【1099】
また、上記第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定されると、上記普図当選示唆演出及び入球指示演出の終了後に、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行、及び、低確率時短遊技状態LJT1へ移行が決定された旨を示唆する第2特別遊技示唆演出(たとえば、「BONUS!!」という第2特別遊技示唆画像の表示等)が実行される(
図123(a)~(b)参照)。これにより、遊技者は、3回のラウンド遊技が行われる特別遊技の実行、及び、低確率時短遊技状態LJT1への移行が決定された旨を把握可能となる。
その後は、上記と同様に、小当たり遊技及び特別遊技の実行に伴って、特別領域進入指示演出、特別領域進入示唆演出、特別遊技中演出が実行される(
図123(c)~(e)参照)。
そして、特別遊技が終了すると、低確率時短遊技状態LJT1の再設定を示唆する低確時短LJT1再設定示唆演出(たとえば、「チャンスゾーンリピート!!」という低確時短LJT1再設定示唆画像の表示等)が行われるとともに、右打ち示唆が行われる(
図123(f)参照)。また、上記と同様に、残普図変動回数カウントダウン表示も実行される(
図123(f)参照)。
なお、当たり図柄N2が決定されることなく残普図変動回数が0回となると、普通図柄の変動表示の終了後に通常遊技状態が設定される(
図123(g)~(i)参照)。通常遊技状態が設定されると、表示されていた低確時短背景画像Aが通常背景画像に切り替わり、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定された旨を示唆する低確時短LJT1終了示唆演出(たとえば、「チャンスゾーン終了」という低確時短LJT1終了示唆画像の表示等)が行われ、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しの操作を行う旨を促す左打ち示唆(たとえば、「←←←左打ち」の左打ち示唆画像の表示等)が行われる(
図123(i)参照)。
【1100】
また、上記第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、上記普図当選示唆演出及び入球指示演出の終了後に、時短付与の当選に基づき低確率時短遊技状態LJT1の再設定が決定された旨を示唆する時短付与当選示唆演出(たとえば、「BONUSゲット失敗」という時短付与当選示唆画像の表示等)が実行される(
図124(a)~(b)参照)。これにより、遊技者は、特別遊技が実行されることなく、低確率時短遊技状態LJT1の再設定が決定された旨を把握可能となる。
そして、時短付与当選示唆演出の終了後に、上述の低確時短LJT1再設定示唆演出が行われるとともに、右打ち示唆が行われる(
図124(c)参照)。また、上記と同様に、残普図変動回数カウントダウン表示も実行される(
図124(c)参照)。
【1101】
(2)低確率時短遊技状態LJT2
上記したように、第2特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されると、当該決定を介して実行される特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
低確率時短遊技状態LJT2が設定されると、
図125(a)に示すように、低確時短背景画像Bが表示され、低確率時短遊技状態LJT2の設定を示唆する低確時短LJT2設定示唆演出(たとえば、「スーパーチャンスゾーン突入!!」という低確時短LJT2設定示唆画像の表示)が行われるとともに、右打ち示唆が行われる。
【1102】
その後、遊技球がゲート20を通過すると時短中変動演出が実行される(
図125(b)参照)。また、低確率時短遊技状態LJT2中は、当該通過に基づく普通図柄の抽選により必ず当たり図柄N2が決定されるため、当選示唆態様により演出図柄50が停止表示され(
図125(c)参照)、低確率時短遊技状態LJT1中に当たり図柄N2が決定された場合と同様に、普図当選示唆演出及び入球指示演出が実行される(
図125(d)~(e)参照)。
そして、可動片16bの作動中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、当該入球に基づく第2特図乱数による当否抽選が実行される。小当たり図柄Y2又はY3が決定された場合の演出については、低確率時短遊技状態LJT1中に小当たり図柄Y2又はY3が決定された場合と同様であるため(
図125(e)参照)、説明を省略する。
また、上記第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、上記普図当選示唆演出及び入球指示演出の終了後に、低確率時短遊技状態LJT2の継続を示唆するLJT2継続示唆演出(たとえば、「スーパーチャンスゾーン継続!!」というLJT2継続示唆画像の表示等)が実行されるとともに、右打ち示唆が行われる(
図125(f)参照)。これにより、遊技者は、時短付与に当選したことで、低確率時短遊技状態LJT2が継続する旨を把握可能となる。
【1103】
(本形態に係るパチンコ機Pの変形例)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると普通図柄の抽選が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、ゲート20の代わりに、遊技球の入球に基づき所定個数(たとえば、1個)の賞球が払い出される普図始動入賞口を設け、当該普図始動入賞口へ遊技球が入球した場合に、普通図柄の抽選が行われるようにしてもよい。また、ゲート20及び普図始動入賞口の両方を設けてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1104】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においては小当たりにのみ当選可能となっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、小当たりと異なる抽選結果であって、特別遊技の実行契機となる大当たりにも当選可能となるように設定してもよい。なお、このように設定した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選でも大当たりに当選可能となるように設定する必要がある。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1105】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選においては必ず小当たり又は時短付与に当選するようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、所定の確率でハズレとなるように設定してもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1106】
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技状態にかかわらず普通図柄の抽選において必ず当たりの抽選結果が導出され、遊技状態に応じて、短作動態様により可動片16bが作動することとなる当たり図柄N1、及び、長作動態様により可動片16bが作動することとなる当たり図柄N2の決定確率が異なるようにすることで、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となるか否かの決定確率が遊技状態ごとに異なるように設定されていたが、当該設定の方法については、これに限定されるものではない。
たとえば、普通図柄の抽選において当たり又はハズレの抽選結果が導出されるように設定し、当たりの抽選結果が導出された場合には、可動片16bが長作動態様で作動することにより第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となり、ハズレの抽選結果が導出された場合には、可動片16bが作動しない又は短作動態様で作動することにより第2始動入賞口16へ遊技球が入球不可能となるように設定し、さらに、普通図柄の抽選において当たりの抽選結果が導出される確率を遊技状態ごとに異なるように設定してもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1107】
本形態に係るパチンコ機Pでは、普図停止表示時間が経過してから可動片16bが作動を開始するまでの時間であるオープニング時間が設定されていたが、これに限定されるものではなく、オープニング時間は設定しなくてもよい。すなわち、普図停止表示時間が経過した時点で可動片16bが作動を開始するようにしてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、可動片16bの作動が終了してから次の普通図柄の抽選を開始可能となるまでの時間であるエンディング時間が設定されていたが、これに限定されるものではなく、エンディング時間は設定しなくてもよい。すなわち、可動片16bの作動が終了した時点で次の普通図柄の抽選を開始可能となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1108】
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2において第2特図の変動表示が実行された場合には、当該第2特図の変動表示に伴う変動演出(演出図柄50の変動表示)は行われないようになっていたが、これに限定されるものではなく、第2特図の変動表示に伴って変動演出を実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1109】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄変動停止処理において残変動回数、残小当たり回数の更新を行い、当該更新の結果により時短終了条件(第2特図の変動回数が特定回数に到達、小当たりの当選回数が終了決定回数に到達)が成立すると、この時点で設定中の時短遊技状態が終了するようになっていたが、時短遊技状態の終了タイミングはこれに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動表示が開始されてから、当該変動表示が終了し停止表示時間が経過するまでのいずれかの時点(特別図柄の変動表示の開始時点、特別図柄の変動表示中のいずれかの時点、停止表示時間の経過時点等)において上記更新を行い、当該更新の結果により時短終了条件が成立した場合には、この時点で設定中の時短遊技状態が終了し、時短終了条件が成立しなかった場合には、設定中の時短遊技状態が継続するようにしてもよい。そして、当該処理が終了した時点の遊技状態を参照時遊技状態として、時短付与の当選に基づく時短遊技状態の設定の有無を判定(決定)するようにしてもよい。
また、時短付与の当選に基づく時短遊技状態を設定するタイミングは、上記処理の終了後であれば、特別図柄の変動表示が開始されてから上記停止表示時間が経過するまでのいずれの時点としても構わないが、特別図柄の変動表示が終了してから上記停止表示時間が経過するまでのいずれかの時点とするのが望ましい。
以上のようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1110】
時短終了条件は、上記した(1)~(3)に限定されるものではなく、第1特図乱数に基づく当否抽選の実行回数(第1特図の変動回数)が所定回数に到達すること、第1特図乱数に基づく当否抽選の実行回数と第2特図乱数に基づく当否抽選の実行回数の合計(第1特図の変動回数と第2特図の変動回数の合計)が所定回数に到達すること等の条件を設けてもよい。
このようにした場合にも、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【1111】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数に基づく当否抽選により小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定され、当該決定を介して実行される特別遊技の終了後には低確率時短遊技状態LJT1が設定されるようになっていたが、小当たりの当選に基づいて設定される遊技状態は、これに限定されるものではない。
たとえば、上記抽選により小当たりに当選した場合に複数種類の小当たり図柄が決定され得るように設定し、所定の小当たり図柄が決定された場合には、当該決定を介して実行される特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT1が設定され、所定の小当たり図柄と異なる他の小当たり図柄が決定された場合には、当該決定を介して実行される特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定されるようにしてもよい。また、小当たり図柄が決定された場合には、時短遊技状態が設定されるのではなく、非時短遊技状態(通常遊技状態)が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特別遊技の終了後に設定される遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【1112】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数に基づく当否抽選により時短付与に当選すると時短図柄J1が決定され、参照時遊技状態が非時短遊技状態であったときには、当該時短図柄J1の停止表示後に低確率時短遊技状態LJT1が設定されるようになっていたが、時短付与の当選に基づいて設定される遊技状態はこれに限定されるものではない。
たとえば、上記抽選により時短付与に当選した場合に複数種類の時短図柄が決定され得るように設定し、所定の時短図柄が決定され、参照時遊技状態が非時短遊技状態であったときには、当該所定の時短図柄の停止表示後に所定の普図時短回数(たとえば、100回)が定められた時短遊技状態が設定され、所定の時短図柄と異なる他の時短図柄が決定され、参照時遊技状態が非時短遊技状態であったときには、当該他の時短図柄の停止表示後に上記所定の普図時短回数と異なる普図時短回数が定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
より具体的には、所定の時短図柄が決定されたときには、本形態の低確率時短遊技状態LJT1(時短遊技状態JT1)のように普図時短回数が100回に定められた時短遊技状態が設定されるものの、他の時短図柄が決定されたときには、100回よりも多い200回の普図時短回数が定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。なお、このようにした場合には、200回の普図時短回数が定められた時短遊技状態中に実行する残普図変動回数カウントダウン表示においては、最初から200回のカウントダウン表示を行うのではなく、100回の普図時短回数が定められた時短遊技状態中に実行する残普図変動回数カウントダウン表示と同様に、まず100回のカウントダウン表示を行い、当該カウントダウン表示中又は当該カウントダウン表示の終了後に、残普図変動回数を増加させる上乗せ表示を実行するようにしてもよい。
また、他の時短図柄が決定されたときには、所定の時短図柄の決定に基づく時短遊技状態において定められた100回の普図時短回数よりも少ない50回の普図時短回数が定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合には、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特別遊技の終了後に設定される遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【1113】
本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりの当選を介して設定される低確率時短遊技状態LJT1中、及び、時短付与の当選を介して設定される低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定される確率は同一(1/100)となっていたが、当該確率の設定内容はこれに限定されるものではない。
たとえば、小当たりの当選を介して設定される時短遊技状態中は、時短付与の当選を介して設定される時短遊技状態中よりも、普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定される確率が高い(又は低い)等、小当たりの当選を介して設定される時短遊技状態中と、時短付与の当選を介して設定される時短遊技状態中とで、当たり図柄N2が決定される確率が異なるように設定してもよい。
また、時短付与に当選した場合に複数の時短図柄が決定され得るように設定し、所定の時短図柄の決定を介して設定される時短遊技状態中は、当該所定の時短図柄と異なる他の時短図柄の決定を介して設定される時短遊技状態中よりも、普通図柄の抽選により当たり図柄N2が決定される確率が高い(又は低い)等、決定された時短図柄の種類に応じて、時短図柄の決定を介して設定される時短遊技状態中に当たり図柄N2が決定される確率が異なるようにしてもよい。
以上のようにした場合には、本形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、小当たりの当選や時短付与の当選を介して設定される遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【1114】
なお、上述の各形態、変形例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態における各種制御は、管理遊技機においても採用してもよい。ここで、管理遊技機とは、(A)遊技者は、遊技球を管理遊技機遊技盤の盤面に打ち出すことにより遊技を行う、(B)上皿及び下皿が無く、遊技者が直接遊技球に触れることができない、(C)発射に必要な最小数を遊技機内で循環させる、(D)遊技球数や獲得遊技球を数値データとして、管理遊技機で管理して表示する、(E)遊技終了時は、計数スイッチを押下操作することにより管理遊技機で管理していた遊技球数を専用ユニットに移行して管理することができる、ように構成されたものである。
【1115】
また、第6形態における第2始動入賞口16は、本発明の所定の始動領域に相当する。また、第6形態における可動片16bは、本発明の可動手段に相当する。また、第6形態における短作動態様は、本発明の第1態様に相当する。また、第6形態における長作動態様は、本発明の第2態様に相当する。また、第6形態におけるステップ1504、ステップ1504-1の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第1決定手段に相当する。また、第6形態における小当たりの当選は、本発明の第1の決定結果に相当する。また、第6形態における時短付与の当選は、本発明の第2の決定結果に相当する。また、第6形態(第1形態)におけるステップ806の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第2決定手段に相当する。また、第6形態(第1形態)における特別遊技制御処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、第6形態における非時短遊技状態(通常遊技状態)は、本発明の第1遊技状態に相当する。また、第6形態における時短遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、LJT2)は、本発明の第2遊技状態に相当する。また、第6形態における遊技状態制御処理等を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、第6形態における普通図柄の変動回数が普図時短回数に到達することは、本発明の第1終了条件に相当する。また、第6形態における第2特図の変動回数が特定回数に到達することは、本発明の第2終了条件に相当する。また、第6形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、第6形態(第1形態)における遊技球は、本発明の遊技価値に相当する。また、第6形態(第1形態)における払出モータ62、発射払出制御基板200は、本発明の付与手段に相当する。また、第6形態(第1形態)における遊技の進行状況に関する試験信号、遊技状態に関する試験信号は、本発明の試験信号に相当する。また、第6形態(第1形態)におけるステップ216の処理を実行するメインCPU101は、本発明の試験信号制御手段に相当する。また、第6形態(第1形態)における、差球カウント値がリセットされた時点は、本発明の所定の算出開始時点に相当する。また、第6形態(第1形態)における作動停止個数は、本発明の特定量に相当する。また、第6形態(第1形態)における発動状態は、本発明の遊技不可状態に相当する。
【符号の説明】
【1116】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM