(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162205
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】包装サンドイッチ、サンドイッチ包装方法およびサンドイッチ包装用原反
(51)【国際特許分類】
B65D 85/36 20060101AFI20241114BHJP
B65D 65/10 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B65D85/36 100
B65D65/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077530
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】509009038
【氏名又は名称】アイワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3E086
3E096
【Fターム(参考)】
3E086AA02
3E086AB01
3E086BA02
3E086BA14
3E086BA15
3E086CA01
3E086DA08
3E096AA05
3E096BA28
3E096BB07
3E096CA11
3E096CC01
3E096DA10
3E096DA14
3E096DC03
3E096EA01X
3E096EA04Y
3E096FA26
3E096FA27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動的に包装でき、開封が容易な包装サンドイッチを提供する。
【解決手段】対向する一対の直角三角形面34と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面31および第2長方形面32と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを長方形の包装シートの折り畳みによって形成される包装材で包装された包装サンドイッチ1であって、包装材は背張りシール部2と、第1長方形面および第2長方形面の上に形成された折り畳み部と、第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿って形成されたシール部と、直角三角形面の少なくとも一方に接する領域内に設けられた開封補助部12と、を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な帯状の本体シートと、一定の間隔で本体シートに設けられた開封補助部を有し、
開封補助部には、直角三角形の3辺の少なくとも2辺に平行に本体シートに設けられた開裂予定線と、開裂予定線を覆うカバーシートと、開裂予定線によって形成される領域の外部および内部において本体シートとカバーシートが接続される接続部が設けられているサンドイッチ包装用原反。
【請求項2】
本体シートが紙シートであり、一定の間隔で窓部と、窓部と覆う透明フィルムが設けられている請求項1に記載のサンドイッチ包装用原反。
【請求項3】
本体シートが相互に間隔をあけて設けられた一対の紙シートと、一対の紙シートの間に設けられた透明フィルムである請求項1に記載のサンドイッチ包装用原反。
【請求項4】
対向する一対の直角三角形面と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面および第2長方形面と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを長方形の包装シートの折り畳みによって形成される包装材で包装された包装サンドイッチであって、
包装材は背張りシール部と、
第1長方形面および第2長方形面の上に形成された折り畳み部と、
第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿って形成されたシール部と、
直角三角形面の少なくとも一方に接する領域内に設けられた開封補助部と、を有し、
開封補助部には、直角三角形の3辺の少なくとも2辺に平行に本体シートに設けられた開裂予定線と、開裂予定線を覆うカバーシートと、開裂予定線によって形成される領域の外部および内部において本体シートとカバーシートが接続される接続部が設けられている包装サンドイッチ。
【請求項5】
包装材の本体シートは紙シートと、紙シートに設けられた窓部と、窓部と覆う透明フィルムを備えたものであり、
第3長方形面に窓部が表れている請求項4に記載の包装サンドイッチ。
【請求項6】
包装材の本体シートは相互に間隔をあけて設けられた一対の紙シートと、一対の紙シートの間に設けられた1枚の透明フィルムを備え、
第3長方形面が透明フィルムに表れている請求項4に記載の包装サンドイッチ。
【請求項7】
対向する一対の直角三角形面と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面および第2長方形面と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを包装する方法であり、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のサンドイッチ包装用原反を周期的に一定の長さで切断して長方形の包装シートを形成し、
サンドイッチの第3長方形面を包装シートに接するように置き、
包装シートの2辺を合掌合わせにシールして背張り部を形成ながらサンドイッチを内部に有する四角筒を形成し、
第1長方形面および第2長方形面の上部にある包装シートの部分を折り畳んで第1長方形面および第2長方形面のそれぞれの上に折り畳み部を形成し、
第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿ってシールすることによって封止するサンドイッチ包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直角三角形状のサンドイッチを食品包装シートで包装する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
直角三角形の形状をしたサンドイッチは、プラスチックフィルムでできた包装袋に収納され、店頭に陳列されている。使用されるサンドイッチ用包装体は、等脚台形部を有するプラスチックフィルムよりなる袋状の包装体である。等脚台形部の斜辺部および上辺部には2枚のプラスチックフィルムの接続部が所定の幅で形成され、等脚台形部の下辺部は上下のプラスチックフィルムが接続されていない開口部となっている。この包装袋の開口部より直角三角形のサンドイッチを入れ、開口部を折り畳んで封止する。特許文献1、特許文献2、特許文献3などには、このような直角三角形のサンドイッチを包装袋で包装した包装サンドイッチが記載されている。
【0003】
特許文献4や特許文献5には、サンドイッチの厚み方向に包囲的に巻付けられて筒状に成形されたフィルムの長手方向に少なくとも1個所のシールが施され、サンドイッチの短辺が位置する各傾斜面同士が接する辺を基準としてフィルムを傾斜面に沿わせて折り込むと共に、サンドイッチの各短辺に接するフィルムの側方延出部が、該短辺を基準として傾斜面に沿って折り曲げられ包装されるサンドイッチの包装体が記載されている。
【0004】
特許文献6には、三角柱状のサンドイッチと、サンドイッチの斜面に沿う斜面部及び一対の底面にそれぞれ沿う一対の底面部を有して三角柱状物の周囲を覆う筒状包装シートとから成り、サンドイッチの斜面と両底面とに連なる各側面に対応した筒状包装シートの各余剰部が、両側方より折り込んだガゼット部と両ガゼット部に接続すると共に各側面に沿って表面側に置かれた側面部とに成形され、斜面部の延長部分と側面部の延長部分とが互いにシールされてサンドイッチを密封包装した成るサンドイッチの包装体が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献7には、対向する一対の直角三角形面と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面および第2長方形面と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを長方形の包装シートの折り畳みによって形成される包装材で包装された包装サンドイッチであって、包装材は第1長方形面および第2長方形面に沿って形成された背張りシール部と、第1長方形面および第2長方形面の上に形成された折り畳み部と、第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿って形成されたシール部と、第1長方形面と第2長方形面の共通の辺に沿って設けられた開封補助部と、サンドイッチの第3長方形面および2つの直角三角形面に接する汚れ防止シートを有する包装サンドイッチが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-315064号公報
【特許文献2】特開2013-166566号公報
【特許文献3】特開平9-24950号公報
【特許文献4】特開平6-24466号公報
【特許文献5】特開平7-291348号公報
【特許文献6】特開2003-291915号公報
【特許文献7】特開2021-54526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1や特許文献2に記載のサンドイッチ用包装材では、口部を折り畳んで封止するが、この折り畳みの行程の自動化は難しく、手作業で行われる。また、特許文献1では折り畳んだ後に、粘着テープなどを貼り付けて封止する。
【0008】
特許文献3の発明では、開口部の幅全体を熱溶着し、開口部をシール部として袋内部を密封するので、密封性がさらに向上することが期待された。しかし、この特許文献3の発明を詳細に検討したところ、その実現は困難であることが判明した。まず、相互に直行する2組の加熱装置が必要であり、その2組の加熱装置を制御しなければならず、設備が複雑で高価なものになる。しかも、包装袋の口部の元の状態から直角な向きに変形させるような押圧を正確に行うことが難しい。
【0009】
特許文献4および特許文献5では、帯状の連続するフィルムを使用して包装し得るので、包材コストを低廉に抑えることができ、サンドイッチの包装の自動化を容易に達成し得るとの記載がある。しかし、特許文献4および特許文献5では、サンドイッチの斜面をカバーするシートが備えられていない。三角形のサンドイッチは四角形の複数のパンを間に具材を挟んで重ね、その対角線に沿って切断して形成されるが、切断面である斜面は具材が露出しており、そのまま包装材の本体シートで包めば具材が付着して、不快であり、また衛生的でない。開封手段としては、特許文献4ではミシン目からなる切断線が、特許文献5では開封用切込みが記載されているが、これらの開封手段では開封するのは面倒である。
【0010】
特許文献6には、サンドイッチを筒状包装シートで取り囲んだ状態で、筒状包装シートをサンドイッチに密着するように折り畳む様子が示されており、サンドイッチの斜面に具当てシートを当てることも記載されている。しかし、サンドイッチを載置するときに、サンドイッチと筒状包装シートとの間に予め具当てシートを斜面に当てておくか、又は具当てシートを置いた筒状包装シートにサンドイッチを載置するので、包装の自動化は困難である。また、特許文献6では、センターシールに形成される開封ノッチを摘んで、センターシールから側面部を引き裂いて開封する。しかし、開封ノッチだけでは、シートが折り畳まれた側面の良好な開封は困難である。
【0011】
特許文献7の発明では、開封補助部であるカットテープを包装シートの折り畳み部のない箇所に設けているために、開封は容易になる。しかし、具材が最もよく見える斜面部の中心を開封補助部が通る。また、斜面部には汚れ防止シートを設けているが、カットテープのある位置には汚れ防止シートは設けられていない。
【0012】
この発明は、サンドイッチを自動的に包装でき、しかも開封が容易である包装サンドイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、この発明のサンドイッチ包装用原反は、連続的な帯状の本体シートと、一定の間隔で本体シートに設けられた開封補助部を有し、
開封補助部には、直角三角形の3辺の少なくとも2辺に平行に本体シートに設けられた開裂予定線と、開裂予定線を覆うカバーシートと、開裂予定線によって形成される領域の外部および内部において本体シートとカバーシートが接続される接続部が設けられている。
本体シートを紙シートとし、一定の間隔で窓部と、窓部と覆う透明フィルムが設けられていてもよく、あるいは、本体シートが紙シートであり、一定の間隔で窓部と、窓部と覆う透明フィルムが設けられてもよい。
【0014】
本発明のサンドイッチ包装方法は、上述のサンドイッチ包装用原反を使用して対向する一対の直角三角形面と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面および第2長方形面と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを包装する方法であり、サンドイッチ包装用原反を周期的に一定の長さで切断して長方形の包装シート材を形成し、
サンドイッチの第3長方形面を包装シートに接するように置き、
2辺を合掌合わせにシールして背張り部を形成ながらサンドイッチを内部に有する四角筒を形成し、
第1長方形面および第2長方形面の上部にある包装シートの部分を折り畳んで第1長方形面および第2長方形面のそれぞれの上に折り畳み部を形成し、
第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿ってシールすることによって封止する。
【0015】
さらに、本発明の包装サンドイッチは、対向する一対の直角三角形面と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面および第2長方形面と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面を有する三角柱状のサンドイッチを長方形の包装シートの折り畳みによって形成される包装材で包装された包装サンドイッチであって、
包装材は背張りシール部と、
第1長方形面および第2長方形面の上に形成された折り畳み部と、
第1長方形面および第3長方形面の共通の辺と第2長方形面および第3長方形面の共通のそれぞれの辺に沿って形成されたシール部と、
直角三角形面の少なくとも一方に接する領域内に設けられた開封補助部と、を有し、
開封補助部には、直角三角形の3辺の少なくとも2辺に平行に本体シートに設けられた開裂予定線と、開裂予定線を覆うカバーシートと、開裂予定線によって形成される領域の外部および内部において包装シートとカバーシートが接続される接続部が設けられている。
本体シートを紙シートとし、一定の間隔で窓部と、窓部と覆う透明フィルムが設けられていいてもよく、あるいは、本体シートが紙シートであり、一定の間隔で窓部と、窓部と覆う透明フィルムが設けられてもよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明の包装サンドイッチは、包装を自動化することができる。三角サンドイッチの三角形面に開封補助部が設けていて、三角形面を開封することにより、中のサンドイッチを簡単に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】サンドイッチの外形を示す斜面側から見た斜視図である。
【
図3】サンドイッチの外形を示す垂直面側から見た斜視図である。
【
図6】サンドイッチ包装用原反の第1の例を示す平面図である。
【
図7】包装シートを筒状にした状態を示す斜視図である。
【
図8】包装シートを第1長方形面に接触させた状態を示す斜視図である。
【
図9】耳部の片方を第1長方形面に取り畳んだ状態を示す斜視図である。
【
図10】耳部の両方を第1長方形面に取り畳んだ状態を示す斜視図である。
【
図11】シートの突出部をヒートシールした状態を示す斜視図である。
【
図13】包装シートの第2の例を示す平面図である。
【
図15】サンドイッチ包装用原反の第2の例を示す平面図である。
【
図16】第2の例の包装サンドイッチを示す斜面側から見た斜視図である。
【
図17】包装シートの第3の例を示す平面図である。
【
図19】サンドイッチ包装用原反の第3の例を示す平面図である。
【
図20】第3の例の包装サンドイッチを示す斜面側から見た斜視図である。
【
図21】サンドイッチ包装用原反の第4の例を示す平面図である。
【
図22】サンドイッチ包装用原反の第5の例を示す平面図である。
【
図23】包装シートの第6の例を示す平面図である。
【
図24】第6の例の例の包装シートを筒状にした状態を示す斜視図である。
【
図25】シートの突出部をヒートシールした状態を示す斜視図である。
【0018】
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は包装サンドイッチを示す斜視図、
図2はサンドイッチの外形を示す斜面側から見た斜視図、
図3は同じく垂直面側から見た斜視図である。
【0019】
包装の対象となるサンドイッチについて説明する。本発明を適用するサンドイッチ30は
図2,
図3に示すような三角サンドイッチである。対向する一対の直角三角形面34と、直角三角形の直角部で交わる2辺のそれぞれに沿った第1長方形面31および第2長方形面32と、直角三角形の斜辺に沿った第3長方形面33を有する三角柱状である。つまり、第3長方形面33はサンドイッチの斜面であり、第1長方形面31および第2長方形面32は垂直面である。ここで、直角部で交わる2辺が同じ長さである直角二等辺三角形(L=H)であってもよく、異なっていてもよい(L≠H)であってもよい。不等辺である場合は、短い辺Lの方向を長さとし、長い辺Hの方向を高さとする。本例では、HをLよりも若干長くしており、長さLを97mm、高さHを102mm、幅Wを65mmとしている。
【0020】
サンドイッチは複数の長方形のパン、多くの場合、2枚または3枚のパンを使用し、間に具材を挟みながら重ね合わせて作る。これを対角線に沿って切断することによって、三角柱状のサンドイッチが得られる。したがって、切断面である第3長方形面33には、具材が露出する。通常、一つの包装シートにより2つまたは3つのサンドイッチが重ねられて包装される。
図2および
図3は、その重ね合わせた状態での外形を示している。
【0021】
包装シートについて説明する。
図4は包装シートの第1の例を示す平面図、
図5は同底面図である。包装シートの形状や構造は包装対象のサンドイッチの外形に基いて設定される。包装シート10は長方形状であり、包装時においてサンドイッチに接する面が、
図4においては上面として表されている。本体シート11は包装シート10の基材となるものであり、食品を安全に包装できるシート材である。サンドイッチの第3長方形面33に接するべき領域R3が、
図4において中央部に縦長の長方形で表れている。領域R3の両側には、サンドイッチの三角形面34が接する領域R4、さらにその外側には第1長方形面31に接するべき領域R1と第2長方形面32に接するべき領域R2が示されている。さらに外側で、端部に沿った位置に背張りシール領域R5が示されている。それ以外の部分は包装において折り重ねられる領域である。なお、本例においては、端部縁と背張りシール領域R5の間には、シールしない領域が残されている。
【0022】
三角形面が接する領域R4は2か所あるが、少なくとも一方に開封補助部12が設けられる。三角形面が接する領域R4において、直角三角形の3辺の内で少なくとも2辺に平行に開裂予定線13が設けられる。開裂予定線13は本体シートの開裂を容易にするものであり、例えばミシン目のように切断部と接続部が交互に繰り返す線やハーフカット、あるいはその区間が完全に切断されている切断線などで形成できる。ここでは、直角三角形の3辺のそれぞれに平行な3本のミシン目が設けられている。この3本のミシン目は領域R4の外周に近く設けることが好ましいが、さらに3本のミシン目の外側には後述の接続部が設けられるためのスペースは残されている。
【0023】
開裂予定線13の上にはカバーシート14が取り付けられている。開裂予定線である3本のミシン目13により閉じた三角形の領域が形成されるが、その領域の外側には、カバーシート14と本体シートが接続された外側接続部15が設けられている。外側接続部15は3本のミシン目13に形成された領域の外部を囲むように形成される。開裂予定線13がミシン目などの場合は切断部があるが、外側接続部15があることで、切断部を裏側から通過した空気はカバーシート14によって遮断され、表側に出ることはできない。
【0024】
3本のミシン目13に形成された領域の内側には、カバーシート14と本体シートが接続された内側接続部16が設けられている。外側接続部15および内側接続部16は接着剤などにより設けてもよいが、本例では熱溶着により形成している。そして、外側接続部15と内側接続部16の間にはカバーシート14と本体シートが接続されていない非接続部17が設けられている。この非接続部17の範囲内に開裂予定線であるミシン目13が設けられている。また、直角三角形の斜辺および長い方の垂直線による角部において、外側接続部15の更に外側にカバーシート14と本体シートが接続されていない領域が設けられており、カバーシート14のこの部分が摘まみ部18となっている。
【0025】
本体シート11は、透明なプラスチックシートや紙など包装するのに適した素材であれば、広く選択できる。
図1の例では単一のシート材で形成しているが、後述の例のように紙シートと透明フィルムのように複数の部材の組み合わせで構成してもよい。紙シートを使用する場合には、サンドイッチと接する面にポリラミネートやドライコートなどを設けてヒートシール可能な層を形成しておく。
【0026】
図6はサンドイッチ包装用原反の第1の例を示す平面図である。
図4に示すような包装シート10が周期的に連なっている。帯状の連続した本体シート11と、包装シート1枚分の間隔で繰り返し設けられる開封補助部を有する。この原反を先端から包装シート1枚分の長さに基く間隔で切断していくと、包装シートが順次作られていく。サンドイッチ包装用原反はボビンに巻き取られた状態でサンドイッチを包装する者に提供される。
【0027】
サンドイッチの包装方法について説明する。サンドイッチ包装用原反の巻かれたボビンから包装シート1枚分の長さのサンドイッチ包装用原反を引き出して切断する。これによって、1枚の包装シートが形成される。包装シート10は
図4に示すようにカバーシート14のある面を下に向ける。そして、サンドイッチxの第3長方形面33を下に向けて、包装シート1の中央部で第3長方形面に接する領域R3に置く。このとき、第1長方形面31と第2長方形面32は上を向ている。そして、サンドイッチxの左右いずれかの側に開封補助部12が位置する。
【0028】
次に包装シート1の両端辺(
図4において左右の辺)を持ち上げ、サンドイッチ30の回りに巻いて、その上側で両端辺部の背張りシール領域R5を合掌合わせにし、ヒートシールする。これによって、背張りシール部2が形成され、包装シート1は四角形の筒状になり、その内部にサンドイッチ30が入った状態になる(
図7)。このとき、包装シート1の三角形面接触領域R4はサンドイッチxの三角形面34に接している。
【0029】
筒状の包装シート1の上面と第1長方形面31および第2長方形面32の間には空間がある。一方の長方形面、例えば第1長方形面31の上の包装シートを第1長方形面31に押し当てるように折り込む。包装シート1の第1長方形面接触領域R1が第1長方形面31に接する。このとき、接触領域R1の外側のシート部分は折り畳まれて、第1長方形面31の両側に耳部を形成する(
図8)。この耳部の一方を、第1長方形面31の辺に沿って折り曲げて第1長方形面31の上に畳む(
図9)。他方の耳部も同様に畳む(
図10)。他方の長方形面、ここでは第2長方形面32の上の包装シートも同様に折り畳む。こうして、サンドイッチxの全ての面が包装シート1によって包まれる。
【0030】
第1長方形面31および第2長方形面32にはそれぞれ外側にシートの一部が突出部として残っている。第1長方形面31および第2長方形面32のそれぞれの辺に沿って突出部にヒートシールを行い、シール部を形成する(
図11)。
【0031】
突出部として残ったシート部は、一方または両方を長方形面に重ねて折り畳んでもよい。本例では、底面となる第2長方形面32の方の突出部のみを折り畳んでいる。第1長方形面31の方の突出部は折り畳まない状態で残している。こうして、包装材で包装された包装サンドイッチが得られる(
図1)。この工程は、ほとんどが自動化できる。原反から切り出された包装シートにサンドイッチをのせる工程については手作業としてもよく、やはり自動化してもよい。包装サンドイッチは送り出され、次の包装シートの分がサンドイッチ包装用原反から引き出され、同じ工程が順次繰り返されていく。
【0032】
包装サンドイッチにおいて、三角形面34の一つに開封補助部12である開裂予定線13とカバーシート14が表れている。
【0033】
包装サンドイッチの開封について説明する。開封補助部12のカバーシート14をシート本体から引き剥がすことにより開封できる。カバーシート14の摘まみ部18を摘まみ、直角三角形の短い方の垂辺の方に向けて引くことによって、外側接続部15が剥離される。一方、内側接続部16の接続は維持され、この本体シート11は開裂予定線13に沿って開裂され、開口部が表れる。カバーシート14を完全に取り去ると、開裂予定線13に囲まれていた領域に三角形の大きな開口ができ、サンドイッチの三角形面34の片側の大部分が露出する。この開口より、中のサンドイッチを簡単に取り出して食べることができる。三角形サンドイッチの斜面には多くの具材が露出しており、取り出し時にこの近くを摘まむと具材がはみ出して不快である。しかし、この大きな三角形の開口であれば具材が少ない垂直面近くを摘まむこともでき、具材ははみ出ることがない。
【0034】
開封補助部の別の例について説明する。
図12は開封補助部の別の例を示す平面図である。開裂予定線13は2本であり、直角三角形の斜辺および長い方の垂直線に沿って形成されている。短い方の垂直線に沿った開裂予定線は形成されていない。また、2本の開裂予定線13はこの区間の全てで完全に切断された切断線である。
【0035】
本例においても
図4の例と同様の三角形のカバーシートが開裂予定線13の上に取り付けられる。外側には外側接続部15、内側には内側接続部16が設けられる。そして、開裂予定線13は外側接続部15と内側には内側接続部16により取り囲まれる。したがって、開裂予定線13を通っての空気の出入りはない。外側接続部15と内側接続部16の間にはカバーシート14と本体シートが接続されていない非接続部17が設けられている。この非接続部17の範囲内に開裂予定線であるミシン目13が設けられている。また、直角三角形の斜辺および長い方の垂直線による角部において、外側接続部15の更に外側にカバーシート14と本体シートが接続されていない領域が設けられており、カバーシート14のこの部分が摘まみ部18となっている。
【0036】
カバーシート14の摘まみ部18を摘まみ、直角三角形の短い方の垂辺の方に向けて引くことによって、外側接続部15が剥離される。2本の開裂予定線13の端部までカバーシート14を引き剥がすと、三角形の大きな開口ができ、サンドイッチの三角形面34の片側の大部分が露出する。この開口より、中のサンドイッチを簡単に取り出して食べることができる。この例の開封補助部は本体シート11が紙シートである場合などに特に適している。紙シートは固いのでミシン目であっても開裂するのに強い力が必要であるが、本例では、2本の開裂予定線13は既に切断された切断線であり、開裂するための力は不要である。
【0037】
この発明の第2の実施形態について説明する。
図13は包装シートの第2の例を示す平面図、
図14は同底面図である。本例の包装シートも
図2,
図3に示すサンドイッチを包装の対象とする。第1の例と共通する事項についての詳細な説明は省略し、本例特有の事項を中心に説明する。
【0038】
包装シート10の外形は平面視では第1の例と同様である。本例では、本体シート11は、紙シートを基材とする。紙シートはサンドイッチと接する面、つまり
図13において表側に表れる面は、ヒートシール可能となっている。本例ではポリラミネートを設けている。一方、反対側の面にはオーバーコートを施し、耐水性および耐油性を向上されている。なお、後述の第3の例においても紙シートが使用されるが、それらの例においても同様にポリラミネートとオーバーコートが施されている。
【0039】
本体シート11の内部には窓部19が設けられている。本例ではサンドイッチの第3長方形面33が接する領域R3の内部において、紙シート13が長方形にくり抜かれることによって窓部19が形成されている。窓部19にはプラスチックやセロハンなどの透明なフィルム20が取り付けられている。透明フィルム20は窓部19より若干大きく、その縁部が窓部19に接合されている。本例では透明フィルム20は本体シート11の内面、すなわち包装時にサンドイッチに向いた側の面に接合されている。
【0040】
本例においても
図4に示す第1の包装シートの例と同様に、2つの三角形面と接する領域R4のうちの少なくも一方に開封補助部12が設けられている。本例の開封補助部12は
図12に示すの例のものと同様であり、完全に切断された切断線が開裂予定線13として直角三角形の斜辺および長い方の垂直線に沿って形成されている。そして、この2本の開裂予定線13を覆う三角形のカバーシート14が本体シートの裏面、すなわちサンドイッチと接する面と反対の面に外側接続部15と内側接続部16によって取り付けられている。
【0041】
紙シート11および透明フィルム20のさらに内側、
図12において手前側には、汚れ防止シート21が設けられている。汚れ防止シート21はサンドイッチの切断面である第3長方形面33(斜面)を保護するもので、斜面に露出している具材が汚れるのを防止するとともに、具材が包装シートの他の部分や開封時に手に付着するのを防止する。本例では、透明はプラスチックフィルムを素材としている。汚れ防止シート21は具材がより多く表れる領域をカバーする広さを有している。また、第3長方形面33に接する領域R3のみに設けてもよいが、本例では包装シートの長さ方向(
図12における横方向)に沿って全長に渡って設けられている。これにより、原反においては連続したシートを使用することができ、原反の作成が容易になる。
【0042】
図15はサンドイッチ包装用原反の第2の例を示す平面図であり、本例の包装シートのための原反を示している。帯状の紙シートである本体シート11と、本体シート11の内面に設けられた汚れ防止シート21が連続して設けられている。また、本体シート11には窓部19となる長方形のくり抜きの穴とその窓部をカバーする透明フィルム20が一定の間隔で繰り返し設けられており、この間隔は包装シート1枚分の長さに対応している。また、窓部19の隣には開封補助部12が同様の間隔で繰り返し設けられている。この原反シート40を包装シート1枚分の長さだけ引き出して切断することによって
図13に示す包装シート10が形成される。
【0043】
本例の包装シートも第1の例の包装シートと同様の包装方法で使用することができる。
図16は本例の包装シート10により包装された包装サンドイッチ1を第3長方形面側から見た斜視図である。本例では紙シートが使用されているので、収納されているサンドイッチ30のほどんどの部分は見えない。しかし、第3長方形面33においては包装シート10の窓部19が配置されており、この面は外部から観察できる。サンドイッチの具材が表れた面が見えるので、サンドイッチを魅力的に見せることができる。また、消費者も具材を見た上でサンドイッチを選択して購入することができる。
【0044】
カバーシート14の摘まみ部18を摘まみ、直角三角形の短い方の垂辺の方に向けて引くことによって開封する。2本の開裂予定線13の端部までカバーシート14を引き剥がすと、三角形の大きな開口ができ、この開口より、中のサンドイッチを簡単に取り出して食べることができる。本例では本体シート11が固い紙シートであるが、2本の開裂予定線13は既に切断された切断線であり、開裂するための力は不要である。
【0045】
以上、包装材には汚れ防止シート21が備えられているので、具材の露出する面を清潔な状態に保つことができる。それでも、包装装置を使用して自動的に包装することができ、開封も簡単である。本例では、包装シートは紙シートを主体としており、プラスチックの使用量が少ない。そのため、使用後の廃棄処分も容易であり、また、外部に流出しても環境への影響は小さい。
【0046】
この発明の第3の実施形態について説明する。
図17は包装シートの第3の例を示す平面図、
図21は同底面図である。本例でも、本体シート11には、紙シート22が使用され、またサンドイッチ30を観察する窓部も備えられている。本例では、本体シート11は相互に間隔をあけて設けられた一対の紙シート22と、一対の紙シート22の間に設けられた透明フィルム20を有する。紙シート同士を隔てる空間によって窓部が形成され、それが紙シート22の間に設けられた透明フィルム15によってカバーされている。
【0047】
本例においても
図4に示す第1の包装シートの例と同様に、2つの三角形面と接する領域R4のうちの少なくも一方に開封補助部12が設けられている。三角形面と接する領域R4の大部分はプラスチックシートである透明フィルム15に位置するので、開裂補助線13はミシン目等で形成してもよく、
図12に示すの例のものと同様に2本の完全に切断された切断線でもよい。
【0048】
図19はサンドイッチ包装用原反の第3の例を示す平面図であり、本例の包装シートのための原反を示している。相互に間隔をあけて連続的に設けられた一対の紙シート22と、一対の紙シート13の間に設けられた透明フィルム20と、透明フィルム20の内面に設けられた汚れ防止シート21を備える。また、開封補助部12が包装シート1枚分の長さの間隔で繰り返し設けられている。この原反40を包装シート1枚分の長さだけ引き出して切断することによって
図17に示す包装シート10が形成される。
【0049】
本例の包装シートも第1の例の包装シートと同様の包装方法で使用することができる。
図20は本例の包装シートにより包装された包装サンドイッチを示す斜視図である。本例では窓部および透明フィルムは第3長方形面33に加えて、三角形面34にも表れる。
【0050】
開封は、第1の例や第2の例の包装サンドイッチと同様に、カバーシート14を引き剥がすことにより行う。
【0051】
この発明の第4の実施形態について説明する。
図21はサンドイッチ包装用原反の第4の例を示す平面図である。本例の包装シートは第1の例、すなわち
図4に示すものと同じである。本例では包装シート10の各単位が第1の例のサンドイッチ包装用原反と較べて縦横が逆になった状態で並んでいる。すなわち、サンドイッチの第3長方形面(斜面)33に接すべき領域R3の長さ方向が、連続した原反の長さ方向に沿っている。
【0052】
繰り返し周期の長さ毎に切り出せば、第1の例と同じ包装シートが得られる。包装の方法や得られる包装サンドイッチも第1の例と同じである。
【0053】
この発明の第5の実施形態について説明する。
図22はサンドイッチ包装用原反の第5の例を示す平面図である。本例は第3のサンドイッチ包装用原反の変形例である。第4の例と同様に、サンドイッチの第3長方形面(斜面)33に接すべき領域R3の長さ方向が、連続した原反の長さ方向に沿っていて、その領域R3の長辺の一つに沿って開封補助部12が隣接している。本例においては第3の例の場合(
図19)よりも透明フィルム20の幅を狭くでき、領域R3の短辺の長さに紙シート22と接続する糊代分を加えた程度の幅があれば、サンドイッチの第3長方形面33を露出させる窓部を形成できる。一方、紙シート22の幅は第3の例よりも広くなる。したがって、本例ではプラスチックの使用量を少なくできる。また同様に、汚れ防止シート21も領域R3の短辺と同程度の幅があれば、サンドイッチの斜面33を全て覆うことが出き、材料の使用量を少なくできる。
【0054】
繰り返し周期の長さ毎に切り出せば、1回分の包装シートが得られる。包装の方法も第1の例等と同じである。
【0055】
この発明の第6の実施形態について説明する。
図23は包装シートの第6の例を示す平面図である。
図4に示す第1の例の包装シートと類似しているが、サンドイッチの第3長方形面33に接すべき領域R3はシートの中央よりもずれた位置に設定されている。三角形面に接すべき領域R4の2つの内で開封補助部12が設けられている方は、シートの中央近くに位置する。他方の開封補助部12が設けられない方(R4‘)は、シートの両側部に分離して設定される。一方、第1長方形面に接すべき領域R1および第2長方形面に接すべき領域R2は分離せず、一つの領域を形成している。
【0056】
本例の包装シートは
図6に示す第1の例のサンドイッチ包装用原反から作ることもできる。第1の例の切断箇所と異なる位置、すなわち、
図23において左右側辺となる位置で切断することによって得ることができる。
【0057】
サンドイッチの包装方法について説明する。包装シート10は
図23に示すようにカバーシート14のある面を下に向ける。そして、サンドイッチ30の第3長方形面33を下に向けて、第3長方形面に接する領域R3に置く。
【0058】
次に包装シート1の両端辺(
図23において左右の辺)を持ち上げ、サンドイッチ30の回りに巻いて、両端辺部の背張りシール領域R5を合掌合わせにし、ヒートシールする。これによって、背張りシール部2が形成され、包装シート1は四角形の筒状になり、その内部にサンドイッチ30が入った状態になる(
図24)。本例においては、背張りシール部2はサンドイッチ30の三角形面34の一つの位置に形成される。このとき、包装シート10の開封補助部12は他方の三角形面34に接している。筒状の包装シート1の上面は第1長方形面31および第2長方形面32の上に位置する。この部分には背張りシール部2は表れていない。
【0059】
これ以降の折り畳みは、第1の例と同じであり、
図8から
図11に示すように折り畳んでいく。
図25はシートの突出部をヒートシールした状態を示す斜視図である。手前側に見える三角形面34には背張りシール部2はなく、反対側の三角形面34‘に背張りシール部2が位置する。したがって、背張りシール部2は開封補助部12に干渉しておらず、第1の例と同様にカバーシートを引き剥がすことによって簡単に開封できる。
【符号の説明】
【0060】
1.包装サンドイッチ
2.背張りシール部
3.シール部
10.包装シート
11.本体シート
12.開封補助部
13.開裂予定線
14.カバーシート
15.外側接続部
16.内側接続部
17.非接続部
18.つまみ部
19.窓部
20.透明フィルム
21.汚れ防止シート
22.紙シート
30.サンドイッチ
31.第1長方形面(垂直面)
32.第2長方形面(垂直面)
33.第3長方形面(斜面)
34.三角形面
40.サンドイッチ包装用原反