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2024-162292会合支援システム、会合支援方法、及び会合支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162292
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】会合支援システム、会合支援方法、及び会合支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241114BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06T7/20 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077661
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】太田 雄一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
5L096DA02
5L096FA09
5L096HA02
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】会合における発言者を支援することにより会合の質を向上させることが可能な会合支援システム、会合支援方法、及び会合支援プログラムを提供する。
【解決手段】会合支援システムは、会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定する判定処理部と、前記判定処理部により判定される前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示する提示処理部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定する判定処理部と、
前記判定処理部により判定される前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示する提示処理部と、
を備える会合支援システム。
【請求項2】
前記判定処理部は、前記撮像画像に含まれる前記聴講者の顔画像に基づいて前記聴講者の表情及び仕草の少なくともいずれかを認識し、認識結果に基づいて前記会合の状況を判定する、
請求項1に記載の会合支援システム。
【請求項3】
前記判定処理部は、前記認識結果に基づいて前記会合に対する前記聴講者の関心度合いを判定し、前記関心度合いに基づいて前記会合の状況を判定する、
請求項2に記載の会合支援システム。
【請求項4】
前記取得処理部により取得される前記撮像画像を前記発言者の操作端末に表示させ、かつ、前記関心度合いを示す指標を前記顔画像に対応付けて表示させる表示処理部をさらに備える、
請求項3に記載の会合支援システム。
【請求項5】
前記提示処理部は、前記聴講者の前記関心度合いを高める前記支援情報を前記発言者に提示する、
請求項3に記載の会合支援システム。
【請求項6】
前記提示処理部は、前記会合の話題の変更又は前記会合の進行の変更を提案する前記支援情報を前記発言者に提示する、
請求項5に記載の会合支援システム。
【請求項7】
前記取得処理部により取得される前記撮像画像と、前記判定処理部により判定される前記会合の状況とを、前記発言者の操作端末に表示させる表示処理部をさらに備え、
前記提示処理部は、前記支援情報を前記操作端末に表示させる、
請求項1~6のいずれかに記載の会合支援システム。
【請求項8】
会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定することと、
前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示することと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する会合支援方法。
【請求項9】
会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定することと、
前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための会合支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、会合で発言する発言者を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議などの会合の活性度を評価する技術が知られている。例えば、会合参加者の動作又は現象を表す動作情報を個別に算出し、会合参加者間の相関データを算出し、会合参加者間の発話誘発度などの会合参加者間の関係性を考慮して会合活性度を評価する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-163431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、会合において発言者(例えばプレゼンテーションの発表者、会議の司会者、参加者など)が発言する場合において、発言の経験が浅かったり、発言のスキルが低かったりすると、会合の聴講者の集中が途切れたり興味が薄れたりして、会合の質が低下する問題が生じる。
【0005】
本開示の目的は、会合における発言者を支援することにより会合の質を向上させることが可能な会合支援システム、会合支援方法、及び会合支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様に係る会合支援システムは、取得処理部と判定処理部と提示処理部とを備える。前記取得処理部は、会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得する。前記判定処理部は、前記取得処理部により取得される前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定する。前記提示処理部は、前記判定処理部により判定される前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示する。
【0007】
本開示の他の態様に係る会合支援方法は、会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定することと、前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示することと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0008】
本開示の他の態様に係る会合支援プログラムは、会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定することと、前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、会合における発言者を支援することにより会合の質を向上させることが可能な会合支援システム、会合支援方法、及び会合支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る会合支援システムの適用例を示す模式図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る会合支援システムの構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る会合支援システムで利用されるスコア情報の一例を示す図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る会合支援システムで利用される支援情報リストの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の画像表示欄の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の画像表示欄の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の画像表示欄の他の例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施形態に係る会合支援システムで実行される会合支援処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、本開示の実施形態に係る操作端末に表示される会合支援画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
本実施形態に係る会合支援システム10は、会合支援装置1と操作端末2とカメラ3とを備えている。会合支援システム10は、例えば、発表者が聴講者(聴衆、受講者、参加者など)に対して発表、講義などを行う発表会(プレゼンテーション、セミナー)、複数の参加者が参加する会議(例えばWeb会議)などの各種の会合に適用される。図1には、会合支援システム10が、プレゼンテーションの会合に適用される場合の具体例を示している。例えば、会議室R1において、発表者A(プレゼンター)が複数の聴講者に対して発表を行う。また、発表者Aは、操作端末2を使用しながら発表を行う。
【0013】
カメラ3は、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ3は、デジタル画像データをネットワークN1を通じて会合支援装置1に送信する通信機能を備えている。カメラ3は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。具体的には、カメラ3は、所定の撮像対象のエリア(撮像エリア)を撮像可能な場所に設置され、前記撮像エリアを所定のフレームレートで撮像して、画像データ(フレーム画像)を会合支援装置1に順次送信する。例えば図1に示すように、カメラ3は、会議室R1において、参加者(発表者A、聴講者)の身体(顔、手など)が撮像可能な位置に設置される。カメラ3は、会議室R1に予め設置されたカメラであってもよいし、会合支援装置1又は操作端末2に搭載されたカメラであってもよい。
【0014】
図2は、会合支援システム10の構成を示す機能ブロック図である。会合支援装置1は、ネットワークN1を介して操作端末2及びカメラ3とデータ通信可能に接続されている。会合支援システム10は、カメラ3から取得する撮影画像を画像解析して、各参加者(発表者A、聴講者)の感情、関心度合いなどを推定して会合(プレゼンテーション)の状況を判定し、会合の状況に応じた支援情報を発表者Aに提示する会合支援処理を実行する。以下、会合支援処理の具体的構成について説明する。
【0015】
なお、本実施形態では、会合支援装置1単体が本開示に係る会合支援システムに相当するが、本開示に係る会合支援システムは、会合支援装置1、操作端末2、及びカメラ3のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、会合支援装置1、操作端末2、及びカメラ3の構成要素が協働して後述する会合支援処理(図10参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本開示に係る会合支援システムとして捉えることが可能である。また例えば、会合支援装置1及び操作端末2が本開示に係る会合支援システムを構成してもよい。
【0016】
[会合支援装置1]
図2に示すように、会合支援装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信部14などを備える。会合支援装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置(サーバー装置)であってもよい。また、会合支援装置1は、クラウドサーバーで構成されてもよい。
【0017】
通信部14は、会合支援装置1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して操作端末2及びカメラ3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。前記ネットワークは、例えばLAN、インターネットなどで構成される。
【0018】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0019】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部もしくはSRAMやDRAMといった揮発性メモリである。記憶部12には、制御部11に後述の会合支援処理(図10参照)を実行させるための会合支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記会合支援プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、会合支援装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記会合支援プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0020】
また、記憶部12には、会合支援装置1がカメラ3から取得する画像データが記憶される。例えば、記憶部12には、カメラ3が所定のフレームレートで撮像した画像データ(フレーム画像)が蓄積される。
【0021】
また、記憶部12には、撮影画像から推定される会合(プレゼンテーション)に対する各参加者の感情、関心度合いなどに対応するスコア(評価値)に関するスコア情報D1と、会合の状況に対応する支援情報に関する支援情報リストD2とが記憶される。
【0022】
図3は、スコア情報D1の一例である。スコア情報D1には、人物ID及びスコアが互いに関連付けられて登録される。人物IDは、会合の参加者(発表者A、聴講者)を識別する識別情報であり、制御部11によって任意の識別情報が付与される。前記スコアは、会合に対する各参加者の感情、関心度合いなどを示す評価値である。制御部11は、所定の時間間隔で(例えばフレームごとに)前記スコアを算出してスコア情報D1に登録する。また、制御部11は、前記スコアを算出するごとに最小値(最小スコア)、最大値(最大スコア)、平均値(平均スコア)を更新する。制御部11は、撮影画像から各参加者を特定してトラッキングしながら前記スコアを登録及び更新する。また、制御部11は、全参加者の平均スコアを算出する。
【0023】
図4は、支援情報リストD2の一例である。支援情報リストD2には、支援ID、状況、及び支援情報が互いに関連付けられて登録される。前記支援IDは、支援情報を識別する識別情報である。前記状況は、会合の状況を示す情報である。例えば、前記状況には、前記スコアの変化の状況、聴講者及び発表者の表情、仕草、行動、聴講者の関心度合いなどの状況が含まれる。前記支援情報は、前記状況に対応する情報であり、例えば発表者Aに対する、発表を支援する情報である。前記状況及び前記支援情報は、ユーザーによる登録操作によって予め支援情報リストD2に登録される。詳細は後述するが、制御部11は、会合支援処理において、算出した前記スコアに基づいて会合の状況を判定すると、支援情報リストD2を参照して前記状況に対応する支援情報を取得して、前記支援情報を発表者Aの操作端末2に通知する。発表者Aは、前記支援情報を取得することにより適切な行動を実施することが可能になるため、発表の質を向上させることができる。
【0024】
他の実施形態として、画像データ(撮像画像)、スコア情報D1、及び支援情報リストD2の一部又は全部が、会合支援装置1からネットワークN1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、会合支援装置1の制御部11は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の会合支援処理(図10参照)などの各処理を実行してもよい。
【0025】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより会合支援装置1を制御する。
【0026】
具体的には、図2に示すように、制御部11は、取得処理部111、判定処理部112、表示処理部113、提示処理部114などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記会合支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって各処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記会合支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0027】
取得処理部111は、カメラ3から、カメラ3が撮像した撮像画像の画像データを取得する。具体的には、取得処理部111は、カメラ3から所定の撮像エリアの撮像画像をフレームごとに順次取得する。取得処理部111は、取得した撮像画像を記憶部12に登録する。図1に示す例では、取得処理部111は、会議室R1で実施される会合(プレゼンテーション)において、発表者A及び聴講者を撮像した撮像画像をカメラ3から取得する。取得処理部111は、本開示の取得処理部の一例である。
【0028】
判定処理部112は、取得処理部111により取得される前記撮像画像に基づいて会合の状況を判定する。具体的には、判定処理部112は、前記撮像画像に含まれる聴講者の顔画像に基づいて前記聴講者の表情及び仕草の少なくともいずれかを認識し、認識結果に基づいて会合の状況を判定する。また、判定処理部112は、前記認識結果に基づいて会合に対する聴講者の関心度合いを判定し、前記関心度合いに基づいて会合の状況を判定する。
【0029】
例えば、判定処理部112は、前記撮像画像に含まれる人物の顔画像において顔の各部位の特徴点を抽出して特徴点の動きに基づいて当該人物の表情、仕草を認識し、認識した表情、仕草に基づいて当該人物の感情(怒り、嫌悪、悲しみ、軽蔑、驚き、恐怖など)を推定する。なお、人物の顔画像に基づいて当該人物の感情を推定する技術は周知技術であり、判定処理部112は、当該周知技術を用いて会合の参加者(発表者A、聴講者)の感情を推定してもよい。
【0030】
判定処理部112は、参加者について判定した表情、仕草、及び感情に基づいて、会合に対する当該参加者の感情、関心度合いなどに対応するスコア(評価値)を算出する。例えば、判定処理部112は、予め設定された複数の仕草のそれぞれについて、聴講者の仕草が合致する可能性(確率)を算出し、各仕草の確率について所定の重み(係数)を乗算して当該聴講者のスコアを算出する。例えば、判定処理部112は、予め設定された仕草1~5のそれぞれについて、学習済みモデルを利用して、聴講者の仕草が合致する各仕草の確率として、「仕草1:5%」、「仕草2:10%」、「仕草3:70%」、「仕草4:15%」、「仕草5:0%」を算出する。そして、判定処理部112は、各確率に所定の重み(例えば、「仕草1:-0.7」、「仕草2:0.5」、「仕草3:-0.2」、「仕草4:1」、「仕草5:0.3」)を乗算し、乗算した各結果を合計した値(5%×(-0.7)+10%×0.5+70%×(-0.2)+15%×1)を当該聴講者のスコアとして算出する。
【0031】
判定処理部112は、例えばある聴講者について、「喜び」に対応する仕草が100%であって、他の感情に対応する仕草が0%である場合に、スコアを「100」として算出する。
【0032】
判定処理部112は、参加者ごとに前記スコアを算出してスコア情報D1(図3参照)に登録する。また、判定処理部112は、撮像画像を取得するごとに前記スコアを算出してスコア情報D1に登録する。また、判定処理部112は、参加者全員の前記スコアの平均値を算出してスコア情報D1に登録する。
【0033】
他の実施形態として、判定処理部112は、参加者に関する参加者情報に応じた優先度を設定し、優先度に応じた重みを利用して参加者全員の前記スコアの平均値を算出してもよい。前記参加者情報には、例えば、発表者Aから聴講者までの距離、会議室R1の着席位置(前列、中列、後列など)、聴講者の発言頻度、聴講者の地位(役職、資格など)などの情報が含まれる。例えば、会合において発言が多い聴講者は発言が少ない聴講者よりもスコアが高くなり、前列に着席する聴講者は後列に着席する聴講者よりもスコアが高くなる。判定処理部112は、各参加者のスコアに優先度に応じた重みを付加して参加者全体の平均スコアを算出する。
【0034】
判定処理部112は、上記のようにして算出したスコア(各参加者のスコア、全体のスコア)に基づいて会合の状況を判定する。例えば、判定処理部112は、前記スコアに基づいて、支援情報リストD2(図4参照)に登録されている「状況」のうち合致する「状況」を特定する。判定処理部112は、本開示の判定処理部の一例である。
【0035】
表示処理部113は、各種の情報を操作端末2に表示させる。具体的には、表示処理部113は、取得処理部111により取得される前記撮像画像を発表者Aの操作端末2に表示させる。図5には、操作端末2の表示画面の一例を示している。例えば会合が開始されると、表示処理部113は、発表者Aの操作端末2に会合支援画面P1を表示させる。会合支援画面P1には、発表用の資料を表示する資料表示欄K1と、会議室R1の様子(ライブ映像)を表示する画像表示欄K2と、支援情報を表示する支援表示欄K3とが含まれる。表示処理部113は、資料表示欄K1に資料を表示させ、発表者Aの操作に応じて資料のページを切り替える。なお、会議室R1に聴講者向けのディスプレイが設置される場合には、表示処理部113は、操作端末2とディスプレイとを画面共有させて、資料表示欄K1の表示内容をディスプレイに表示させてもよい。
【0036】
また、表示処理部113は、カメラ3による撮像画像を画像表示欄K2に表示させる。表示処理部113は、所定のフレームレートで表示画像を切り替える。また、表示処理部113は、画像表示欄K2において、聴講者の関心度合いを示す指標を顔画像に対応付けて表示させる。例えば、表示処理部113は、判定処理部112が判定した聴講者の表情、仕草、及び感情を表す顔アイコン画像f1を、ライブ映像の顔画像に対応付けて表示させる。顔アイコン画像f1は、本開示の指標の一例である。
【0037】
例えば、表示処理部113は、図6に示すライブ映像において、各聴講者の顔画像に重なるように、顔アイコン画像f1を表示させる(図7参照)。なお、表示処理部113は、顔アイコン画像f1を顔画像に並べて表示させてもよい。また、表示処理部113は、ライブ映像の画面において、顔アイコン画像f1を表示させる表示モード(図7参照)と、顔アイコン画像f1を表示させない表示モード(図6参照)とを、発表者Aの操作に応じて切り替えてもよい。
【0038】
顔アイコン画像f1を表示させる構成によれば、発表者Aは、各聴講者の感情を確認することができるため会合の状況を把握することができる。
【0039】
他の実施形態として、表示処理部113は、図8に示すように、顔アイコン画像f1に代えて、判定処理部112が算出したスコアを示すスコア画像f2を表示させてもよい。この構成によれば、発表者Aは、各聴講者の関心度合いを数値で把握できるため会合の状況をより正確に把握することができる。なお、表示処理部113は、スコア画像f2に代えて、スコアのテキスト情報を表示させてもよい。また、表示処理部113は、ライブ映像の画面において、顔アイコン画像f1を表示させる表示モード(図7参照)と、スコア画像f2を表示させる表示モード(図8参照)とを、発表者Aの操作に応じて切り替えてもよい。スコア画像f2及びスコアのテキスト情報は、本開示の指標の一例である。
【0040】
また他の実施形態として、表示処理部113は、顔アイコン画像f1及びスコア画像f2を、スコアに応じた色で表示させてもよい。例えば表示処理部113は、聴講者ごとに、スコアが所定値以上の場合に顔アイコン画像f1の背景、スコア画像f2の数値を青色で表示させ、スコアが所定値未満の場合に顔アイコン画像f1の背景、スコア画像f2の数値を赤色で表示させる。また、表示処理部113は、参加者全体のスコアが所定値以上の場合に全ての聴講者の顔アイコン画像f1の背景、スコア画像f2の数値を青色で表示させ、参加者全体のスコアが所定値未満の場合に全ての聴講者の顔アイコン画像f1の背景、スコア画像f2の数値を赤色で表示させる。表示処理部113は、本開示の表示処理部の一例である。
【0041】
提示処理部114は、判定処理部により判定される会合の状況に応じた支援情報を発表者Aに提示する。具体的には、提示処理部114は、聴講者の関心度合いを高める支援情報、すなわち発表者Aの発表をサポートする支援情報を発表者Aに提示する。また、提示処理部114は、会合の話題の変更又は会合の進行の変更を提案する支援情報を発表者Aに提示する。
【0042】
例えば、提示処理部114は、支援情報リストD2(図4参照)を参照して、判定処理部112が特定した「状況」に対応する支援情報を取得し、前記支援情報を発表者Aの操作端末2に表示される会合支援画面P1の支援表示欄K3に表示させる(図9参照)。例えば、判定処理部112が各参加者のスコアに基づいて会合の状況が「全体スコアが下降」の状況であると判定した場合に、提示処理部114は、当該状況に対応する支援情報(支援ID「1001」)を発表者Aの操作端末2の支援表示欄K3に表示させる(図9参照)。また、提示処理部114は、予め登録された複数の発表テーマのうち前記会合の状況に応じた発表テーマ(話題)を特定し、特定した発表テーマの情報を発表者Aに提示してもよい。これにより、発表者Aは、操作端末2に表示される支援情報を確認すると、例えば発表のテーマを変更するなど話題を変える行動を取ることによって、現在の状況を改善することができる。
【0043】
なお、提示処理部114は、例えば会合が終了した後に、会合全体における平均スコアを算出し、平均スコアに応じた評価情報(総評、点数など)を発表者Aに提示してもよい。また、提示処理部114は、会合が終了した後に、会合の単位時間(例えば20分)ごとの平均スコアを算出し、平均スコアに応じた評価情報を発表者Aに提示してもよい。また、提示処理部114は、会合が終了した後に、発表したテーマごとの平均スコアを算出し、平均スコアに応じた評価情報を発表者Aに提示してもよい。また、提示処理部114は、会合が終了した後に、聴講者ごとのスコアの変化の傾向を算出し、傾向に応じた評価情報を発表者Aに提示してもよい。
【0044】
また、提示処理部114は、今回の会合と過去(例えば前回)の会合とを比較した評価情報を発表者Aに提示してもよい。さらに、提示処理部114は、過去の評価情報(スコア履歴、評価履歴など)に基づいて、次回の会合に対応する支援情報を発表者Aに提示してもよい。提示処理部114は、本開示の提示処理部の一例である。
【0045】
[操作端末2]
図2に示すように、操作端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える。操作端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話のような情報処理装置である。
【0046】
通信部24は、操作端末2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して会合支援装置1及びカメラ3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0047】
操作表示部23は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0048】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って会合支援装置1などの外部装置との間で通信処理を制御部21に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、会合支援装置1との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであってもよい。
【0049】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末2を制御する。
【0050】
具体的に、制御部21は、記憶部22に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部として機能する。ブラウザ処理部は、会合支援装置1からネットワークN1を介して提供されるウェブページを操作表示部23に表示させ、操作表示部23に対する操作を会合支援装置1に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、操作端末2は、制御部21によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、会合支援装置1の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0051】
例えば、制御部21は、会合支援装置1から会合支援サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部23に前記会合支援サービスサイトのウェブページを表示させる。また、操作端末2に会合支援装置1に対応する専用アプリケーション(会合支援アプリケーション)がインストールされている場合には、操作端末2のユーザー(例えば発表者A)が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部23に前記ウェブページが表示される。
【0052】
例えば、発表者Aが会合支援サービスサイトにアクセスして会合を開始する操作を行うと、制御部21は、会合支援装置1から取得するデータに基づいて、会合支援画面P1(図5参照)を操作表示部23に表示させる。また、制御部21は、会合支援装置1から取得する各種情報に基づいて、ライブ映像(撮像画像)、支援情報などを会合支援画面P1に表示させる(図5図9参照)。
【0053】
[会合支援処理]
以下、図10を参照しつつ、会合支援システム10において実行される会議支援処理について説明する。具体的に、本実施形態では、会合支援装置1の制御部11によって会合支援処理が実行される。
なお、本開示は、前記会合支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する会合支援方法(本開示の会合支援方法の一例)として捉えることができ、ここで説明する会合支援処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記会合支援処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11が前記会合支援処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーが当該会合支援処理における各ステップを分散して実行する会合支援方法であってもよい。
【0054】
先ずステップS1において、制御部11は、会合を開始するか否かを判定する。例えば発表者A又は司会者が操作端末2において会合の開始指示を入力すると、制御部11は、会合を開始する。制御部11は、会合の開始を契機として以下に示す前記会合支援処理を実行する。制御部11は、会合を開始すると(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。制御部11は、会合を開始するまで待機する(S1:No)。
【0055】
ステップS2において、制御部11は、カメラ3から撮像画像(フレーム画像)を取得する。制御部11は、会合開始後の所定時刻におけるフレーム画像を取得する。
【0056】
次にステップS3において、制御部11は、会合の参加者(発表者A、聴講者)について、会合に対する感情、関心度合いなどに対応するスコア(評価値)を算出する。
【0057】
例えば、制御部11は、予め設定された複数の仕草のそれぞれについて、参加者の仕草が合致する可能性(確率)を算出し、各仕草の確率について所定の重みを乗算して当該参加者のスコアを算出する。例えば、予め5つの仕草1~5が設定されている場合に、制御部11は、以下の式により各参加者のスコアE1を算出する。
E1=[(仕草1に合致する可能性(%)×仕草1に対応する重み)+(仕草2に合致する可能性(%)×仕草2に対応する重み)+(仕草3に合致する可能性(%)×仕草3に対応する重み)+(仕草4に合致する可能性(%)×仕草4に対応する重み)+(仕草5に合致する可能性(%)×仕草5に対応する重み)]
【0058】
また、制御部11は、各参加者について、先に取得した撮像画像に基づいてスコアを算出済の場合、今回取得した撮像画像に基づいて算出したスコアとの平均値を算出する。また、制御部11は、各参加者について、複数のスコアのうちの最小値、最大値を算出する。また、制御部11は、全参加者の平均スコアを算出する。制御部11は、算出した各スコアをスコア情報D1(図3参照)に登録する。
【0059】
また、他の実施形態として、制御部11は、参加者に関する参加者情報に応じた優先度に応じた重みを利用して参加者全員の前記スコアの平均値を算出してもよい。例えば、参加者が3名である場合、制御部11は、以下の式により平均値E2を算出する。
E2=[(参加者1のスコア×参加者1の優先度)+(参加者2のスコア×参加者2の優先度)+(参加者3のスコア×参加者3の優先度)]
【0060】
制御部11は、算出した各参加者のスコア、参加者全体の平均スコアをスコア情報D1(図3参照)に登録する。
【0061】
次にステップS4において、制御部11は、会合の状況を判定する。具体的には、制御部11は、算出したスコア(各参加者のスコア、参加者全体の平均スコア)に基づいて会合の状況を判定する。例えば、制御部11は、前記スコアに基づいて、支援情報リストD2(図4参照)に登録されている「状況」のうち合致する「状況」を特定する。
【0062】
次にステップS5において、制御部11は、会合に対する参加者の関心度合いを示す指標を表示する。具体的には、制御部11は、発表者Aの操作端末2に会合支援画面P1を表示させ、会合支援画面P1において、資料表示欄K1に発表用の資料を表示させるとともに、画像表示欄K2に会議室R1の様子(ライブ映像)を表示させる(図5参照)。また、制御部11は、画像表示欄K2において、聴講者の関心度合いを示す指標を顔画像に対応付けて表示させる。例えば図7に示すように、制御部11は、判定した聴講者の表情、仕草、及び感情を表す顔アイコン画像f1を、ライブ映像の顔画像に対応付けて表示させる。他の実施形態として、図8に示すように、制御部11は、算出したスコアを示すスコア画像f2を、ライブ映像の顔画像に対応付けて表示させてもよい。
【0063】
次にステップS6において、制御部11は、会合の状況に対応する支援情報があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、支援情報リストD2(図4参照)を参照して、ステップS4で特定した「状況」に対応する支援情報が登録されているか否かを判定する。制御部11は、前記支援情報が登録されている場合(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。一方、制御部11は、前記支援情報が登録されていない場合(S4:No)、処理をステップS8に移行させる。
【0064】
ステップS7において、制御部11は、前記支援情報を発表者Aに提示する。具体的には、制御部11は、前記支援情報を発表者Aの操作端末2に表示される会合支援画面P1の支援表示欄K3に表示させる(図9参照)。
【0065】
ステップS8において、制御部11は、会合を終了するか否かを判定する。例えば発表者A又は司会者が操作端末2において会合の終了指示を入力すると、制御部11は、会合を終了する。制御部11は、会合を終了すると前記会合支援処理を終了する(S8:Yes)。制御部11は、会合が終了するまで上述の処理を繰り返し実行する(S8:No)。制御部11は、会合中、撮像画像を取得するごとに、スコアを算出して会合の状況を判定し、会合の状況に応じた指標と支援情報とを発表者Aの操作端末2に表示させる。会合支援装置1は、以上のようにして前記会合支援処理を実行する。
【0066】
[他の実施形態]
上述の実施形態では、会合支援システム10がプレゼンテーションの会合に適用される例を示したが、会合支援システム10は、例えば、異なる複数の拠点をネットワークN1に接続して会話を行うWeb会議(オンライン会議)に適用されてもよい。Web会議では、会議に参加する複数の会議参加者のそれぞれが操作端末2を使用し、会合支援装置1は、Web会議アプリケーションを実行して、各操作端末2に会合支援画面P2(図11参照)を表示させる。また、会合支援装置1は、各操作端末2から、各操作端末2に搭載されたカメラ3により撮像される撮像画像を取得する。
【0067】
また、会合支援装置1の制御部11は、会議参加者の操作端末2において、図11に示す会合支援画面P2を表示させるとともに、会合支援画面P2の画像表示欄K2に、各会議参加者の顔画像と、会議に対する会議参加者の感情、関心度合いなどに対応するスコア(評価値)とを表示させる。なお、制御部11は、スコアに代えて顔アイコン画像f1(図7参照)を各会議参加者の顔画像に対応付けて表示させてもよい。
【0068】
また、制御部11は、各会議参加者のスコアに基づいて判定した会合(会議)の状況に応じた支援情報を、会合支援画面P2の支援表示欄K3に表示させる。図11に示す例では、会議参加者B4のスコアが「0」になっているため、制御部11は、会議参加者B4が居眠りしていると判断して、支援情報に、会議参加者B4を起こすかどうかの質問を含めている。この場合に、前記支援情報を取得した会議参加者が「Yes」を選択すると、制御部11は、会議参加者B4が所持する通信端末と通信を行い、会議参加者B4が所持する通信端末を介して会議参加者B4に対して会議参加者B4を起こすための報知を行う。一例としては、制御部11は、会議参加者B4が所持する通信端末のスピーカーから所定の音を出力させる。また、他の例としては、制御部11は、会議参加者B4が所持する通信端末の画面を光らせる。また、さらに他の例としては、会議の進行及び他の会議参加者に影響を与えないように、会議参加者B4が所持する通信端末に備えられた振動機構により通信端末を振動させる。
【0069】
なお、制御部11は、会合支援画面P2において、画像表示欄K2及び支援表示欄K3を、所定のユーザーの操作端末2のみに表示させてもよい。例えば、制御部11は、会議の司会者、進行者、管理者などの操作端末2のみに画像表示欄K2及び支援表示欄K3を表示させ、他の会議参加者の会合支援画面P2には画像表示欄K2及び支援表示欄K3を表示させずに資料表示欄K1のみを表示させる。
【0070】
また、他の実施形態として、制御部11は、会議参加者の音声を考慮して前記スコアを算出してもよい。例えば、制御部11は、会議参加者の発言内容(返答内容、質問内容など)を加味して前記スコアを算出する。また、他の実施形態として、制御部11は、会議の環境を考慮してスコアを算出してもよい。例えば、制御部11は、会議室の室温、湿度などの環境情報を加味してスコアを算出する。
【0071】
以上説明したように、本開示に係る会合支援システム10において、会合支援装置1は、会合で発言する発言者(例えば発表者A)と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像するカメラ3により撮像される撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定し、判定した前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示する。
【0072】
上記構成によれば、会合の発言者は、前記支援情報を取得することにより適切な行動を実施することができる。よって、会合における発言者を支援することにより会合の質を向上させることが可能になる。
【0073】
また、会合支援装置1は、前記撮像画像に含まれる前記聴講者の顔画像に基づいて前記聴講者の表情及び仕草の少なくともいずれかを認識し、認識結果に基づいて前記会合の状況を判定する。また、会合支援装置1は、前記認識結果に基づいて前記会合に対する前記聴講者の関心度合いを判定し、前記関心度合いに基づいて前記会合の状況を判定する。上記構成によれば、聴講者の表情、仕草から会合に対する関心度合いを判定することができるため、会合の状況を正確に把握することができる。
【0074】
また、会合支援装置1は、取得する前記撮像画像を前記発言者の操作端末2に表示させ、かつ、前記関心度合いを示す指標を前記顔画像に対応付けて表示させる。これにより、発言者は、自身の発言に対する聴講者の関心度合いを一見して把握することができる。
【0075】
また、会合支援装置1は、前記聴講者の関心度合いを高める支援情報を前記発言者に提示する。例えば、会合支援装置1は、前記会合の話題の変更又は前記会合の進行の変更を提案する支援情報を前記発言者に提示する。これにより、発言者が支援情報に応じた行動を実施することにより、聴講者の関心度合いを高めることができる。
【0076】
また、会合支援装置1は、取得した前記撮像画像と、判定した前記会合の状況と、前記支援情報とを、前記発言者の操作端末2に表示させる。例えば、会合支援装置1は、同一画面(会合支援画面P1)に前記撮像画像と前記会合の状況と前記支援情報とを表示させる(図9参照)。
【0077】
[開示の付記]
以下、実施形態から抽出される開示の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0078】
<付記1>
会合で発言する発言者と前記発言者の発言を聴講する聴講者とを撮像する撮像部により撮像される撮像画像を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記撮像画像に基づいて前記会合の状況を判定する判定処理部と、
前記判定処理部により判定される前記会合の状況に応じた支援情報を前記発言者に提示する提示処理部と、
を備える会合支援システム。
【0079】
<付記2>
前記判定処理部は、前記撮像画像に含まれる前記聴講者の顔画像に基づいて前記聴講者の表情及び仕草の少なくともいずれかを認識し、認識結果に基づいて前記会合の状況を判定する、
付記1に記載の会合支援システム。
【0080】
<付記3>
前記判定処理部は、前記認識結果に基づいて前記会合に対する前記聴講者の関心度合いを判定し、前記関心度合いに基づいて前記会合の状況を判定する、
付記2に記載の会合支援システム。
【0081】
<付記4>
前記取得処理部により取得される前記撮像画像を前記発言者の操作端末に表示させ、かつ、前記関心度合いを示す指標を前記顔画像に対応付けて表示させる表示処理部をさらに備える、
付記3に記載の会合支援システム。
【0082】
<付記5>
前記提示処理部は、前記聴講者の前記関心度合いを高める前記支援情報を前記発言者に提示する、
付記3又は4に記載の会合支援システム。
【0083】
<付記6>
前記提示処理部は、前記会合の話題の変更又は前記会合の進行の変更を提案する前記支援情報を前記発言者に提示する、
付記5に記載の会合支援システム。
【0084】
<付記7>
前記取得処理部により取得される前記撮像画像と、前記判定処理部により判定される前記会合の状況とを、前記発言者の操作端末に表示させる表示処理部をさらに備え、
前記提示処理部は、前記支援情報を前記操作端末に表示させる、
付記1~6のいずれかに記載の会合支援システム。
【符号の説明】
【0085】
1 :会合支援装置
2 :操作端末
3 :カメラ
10 :会合支援システム
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信部
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信部
111 :取得処理部
112 :判定処理部
113 :表示処理部
114 :提示処理部
D1 :スコア情報
D2 :支援情報リスト
P1 :会合支援画面
P2 :会合支援画面
K1 :資料表示欄
K2 :画像表示欄
K3 :支援表示欄
f1 :顔アイコン画像
f2 :スコア画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11