(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162308
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】洗浄搬送装置、ウェハ処理装置、搬送装置および洗浄搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241114BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241114BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20241114BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20241114BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20241114BHJP
B24B 37/34 20120101ALN20241114BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 622L
H01L21/304 622Q
H01L21/304 651A
H01L21/304 648A
H01L21/304 648H
B24B55/06
B24B49/10
B24B41/06 A
B24B37/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077683
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】豊澤 功太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉成 大
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
5F057
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C034BB83
3C034CA11
3C034CA26
3C034CA30
3C034CB13
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3C158AA07
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3C158EB01
5F057AA04
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5F131KA32
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5F157AB02
5F157AB33
5F157AB48
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5F157AB90
5F157CD23
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5F157CD28
5F157CD29
5F157CF42
5F157CF44
5F157DA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウェハの搬送中に、ウェハ搬送機構のハンド上でのウェハの把持を確認する洗浄搬送装置、ウェハ処理装置、搬送装置及び洗浄方法を提供する。
【解決手段】ウェハ処理装置において、洗浄部は、直列配置の複数の洗浄モジュール、複数の洗浄モジュール間でウェハを搬送するウェハ搬送機構及びその動作を制御する制御部を有する。ウェハ搬送機構32は、ウェハ把持機構601、2、ウェハ上下移動機構641、2及びウェハ把持機構を複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構62を有する。ウェハ把持機構は、開閉可能な一対のハンド61、開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構63及びハンドが閉状態にあるときに、一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するトルクセンサ81を有する。制御部は、センサの測定データを予め定められた閾値と比較してハンド上にウェハが把持されているか否かを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に配置された複数の洗浄モジュールと、
前記複数の洗浄モジュール間でウェハを搬送するウェハ搬送機構と、
前記ウェハ搬送機構の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記制御装置は、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定する
洗浄搬送装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記一対のハンド上にウェハが把持されていないと判定された場合に、前記ウェハ搬送機構の動作を停止させる、
請求項1に記載の洗浄搬送装置。
【請求項3】
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサである、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項4】
前記センサは、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサである、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項5】
前記一対のハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体の下方に吊り下がるように配置されるフックと、前記フックを前記ハンド本体に対して弾性的に支持する弾性部材とを有し、
前記センサは、前記ハンド本体上に配置され、前記フックの接近または離間を検出する近接センサである、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項6】
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサと、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサと、を有する、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項7】
前記一対のハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体の下方に吊り下がるように配置されるフックと、前記フックを前記ハンド本体に対して弾性的に支持する弾性部材とを有し、
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサと、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサとのうちの一方または両方と、前記ハンド本体上に配置され、前記フックの接近または離間を検出する近接センサと、を有する、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記センサの測定データを前記閾値とは異なる第2の閾値と比較して前記一対のハンド上に把持されているウェハの状態を推定する
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項9】
前記ウェハの状態は、ウェハが前記一対のハンドの一方のみに片持ちされているか否か、ウェハが割れているか否か、ウェハ上に所定の水滴量があるか否か、評価用ウェハの摩耗量が所定の値を上回っているか否か、異常個体のウェハであるか否か、のいずれかである、
請求項8に記載の洗浄搬送装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記センサの測定データが前記閾値を超えた回数をカウントして装置の故障診断を行う、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記上下移動機構および配列方向移動機構による前記ウェハ把持機構の移動中に、前記センサの測定データの変動を確認して異常を検知する、
請求項1または2に記載の洗浄搬送装置。
【請求項12】
ウェハを研磨する研磨部と、
研磨後のウェハを洗浄する洗浄部と、
を備え、
前記洗浄部は、請求項1または2に記載の洗浄搬送装置を有する、
ウェハ処理装置。
【請求項13】
直列に配置された複数の洗浄モジュール間でウェハを搬送するウェハ搬送機構と、
前記ウェハ搬送機構の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記制御装置は、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定する
搬送装置。
【請求項14】
直列に配置された複数の洗浄モジュールでウェハを洗浄するステップと、
前記複数の洗浄モジュール間でウェハ搬送機構によりウェハを搬送するステップと、
を含み、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記搬送するステップは、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定するステップを含む、
洗浄搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄搬送装置、ウェハ処理装置、搬送装置および洗浄搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。半導体デバイスの製造では、シリコンウェハの上に多くの種類の材料が膜状に繰り返し形成され、積層構造が形成される。この積層構造を形成するためには、ウェハの表面を平坦にする技術が重要となっている。このようなウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行う研磨装置(化学的機械的研磨装置ともいう)が広く用いられている。
【0003】
この化学機械研磨(CMP)装置は、一般に、研磨パッドが取り付けられた研磨テーブルと、ウェハを保持するトップリングと、研磨液(スラリー)を研磨パッド上に供給するノズルとを備えている。ノズルから研磨液を研磨パッド上に供給しながら、トップリングによりウェハを研磨パッドに押し付け、さらにトップリングと研磨テーブルとを相対移動させることにより、ウェハを研磨してその表面を平坦にする。
【0004】
ウェハ処理装置は、このようなCMP装置に加え、研磨後のウェハを洗浄し、さらに乾燥させる機能を有する装置である。特許文献1では、研磨後の基板を洗浄する洗浄部の構成の一例として、複数の洗浄モジュールが直列に配置されている構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
このようなウェハ処理装置において、本件出願人は、各洗浄モジュール内に光センサを設置し、ステージ上にウェハが存在しているか否かを光センサでの受光量の大小により判定する技術を既に提案している(特願2022-012769号)。
【0007】
この技術によれば、たとえば、第1洗浄モジュールから第2洗浄モジュールへのウェハの搬送開始時には、第1洗浄モジュールにウェハが存在し、第2洗浄モジュールにはウェハが存在しない、という状態が想定されるところ、
図10Aに示すように、正常時であれば、各洗浄モジュールの光センサの検出結果により、第1洗浄モジュールにウェハが存在し、第2洗浄モジュールにはウェハが存在しないと判定される。したがって、搬送開始時に想定される状態とセンサにより実際に判定された状態とを照らし合わせた場合、両者に矛盾がないことから、正常であると判断できる。
【0008】
また、第1洗浄モジュールから第2洗浄モジュールへのウェハの搬送完了時には、第1洗浄モジュールにはウェハが存在せず、第2洗浄モジュールにウェハが存在する、という状態が想定されるところ、
図10Bに示すように、正常時であれば、各洗浄モジュールの光センサの検出結果により、第1洗浄モジュールにはウェハが存在せず、第2洗浄モジュールにウェハが存在すると判定される。したがって、搬送完了時に想定される状態とセンサにより実際に判定された状態とを照らし合わせた場合、両者に矛盾がないことから、正常であると判断できる。
【0009】
他方、
図10Cに示すように、第1洗浄モジュール内でウェハが割れ、第1洗浄モジュールの光センサでは発光部からの光を受光できた場合を考える。この場合、第1洗浄モジュールから第2洗浄モジュールへのウェハの搬送開始時には、各洗浄モジュールの光センサの検出結果により、第1洗浄モジュールと第2洗浄モジュールにはウェハが存在しないと判定される。したがって、搬送開始時に想定される状態とセンサにより実際に判定された状態とを照らし合わせた場合、両者に矛盾があることから、異常であると判断できる。
【0010】
また、
図10Dに示すように、第1洗浄モジュール内でウェハが割れたものの、第1洗浄モジュールの光センサでは発光部からの光を受光できない場合を考える。この場合、第1洗浄モジュールから第2洗浄モジュールへのウェハの搬送完了時には、各洗浄モジュールの光センサの検出結果により、第1洗浄モジュールにはウェハが存在し、第2洗浄モジュールにはウェハが存在しないと判定される。したがって、搬送完了時に想定される状態とセンサにより実際に判定された状態とを照らし合わせた場合、両者に矛盾があることから、異常であると判断できる。
【0011】
しかし、上記の方法では、異常の有無を、搬送開始時または搬送完了時でのみ確認できるにとどまり、搬送中の確認ができない。また、搬送中に何らかの理由でウェハ搬送機構のハンドからウェハが脱落した場合、その事実は次の洗浄モジュールへの受け渡し時に(搬送完了時)に初めてわかることになる。
【0012】
複数の処理モジュールに対し、複数枚のウェハを順番に移動させながら個別の処理を行う場合、搬送中にウェハが脱落したことが次の処理に移るタイミングで確認されることになるのでは、脱落したウェハの前後のウェハの移送・処理にも影響することになり、場合によっては、前後のウェハ自体が使い物にならなくなる場合も起こりうる。さらに、ウェハ処理時間の短縮による効率化が望まれている前提で、このような気づきの遅れによる効率化の阻害は問題である。
【0013】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、ウェハの搬送中であっても、ウェハ搬送機構のハンド上にウェハが把持されていることを確認できる洗浄搬送装置、ウェハ処理装置、搬送装置および洗浄方法を提供することにある。
【0014】
本発明の第1の態様に係る洗浄搬送装置は、
直列に配置された複数の洗浄モジュールと、
前記複数の洗浄モジュール間でウェハを搬送するウェハ搬送機構と、
前記ウェハ搬送機構の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記制御装置は、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定する。
【0015】
このような態様によれば、一対のハンドが閉状態にあるときに当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサが、上下移動機構および配列方向移動機構により移動されるウェハ把持機構に設けられているため、上下移動機構および配列方向移動機構の動作中(ウェハの搬送中)であっても、一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定することが可能である。これにより、搬送ミスを迅速に検知して対応することができる。また、搬送中のウェハの位置情報を追跡することができる。
【0016】
本発明の第2の態様に係る洗浄搬送装置は、第1の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記制御装置は、前記一対のハンド上にウェハが把持されていないと判定された場合に、前記ウェハ搬送機構の動作を停止させる。
【0017】
このような態様によれば、異常発生時にすぐに動作を停止させることで、装置のダウンタイム削減に寄与することができる。
【0018】
本発明の第3の態様に係る洗浄搬送装置は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサである。
【0019】
本発明の第4の態様に係る洗浄搬送装置は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記センサは、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサである。
【0020】
本発明の第5の態様に係る洗浄搬送装置は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記一対のハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体の下方に吊り下がるように配置されるフックと、前記フックを前記ハンド本体に対して弾性的に支持する弾性部材とを有し、
前記センサは、前記ハンド本体上に配置され、前記フックの接近または離間を検出する近接センサである。
【0021】
本発明の第6の態様に係る洗浄搬送装置は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサと、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサと、を有する。
【0022】
本発明の第7の態様に係る洗浄搬送装置は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記一対のハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体の下方に吊り下がるように配置されるフックと、前記フックを前記ハンド本体に対して弾性的に支持する弾性部材とを有し、
前記センサは、前記回動機構が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサと、前記一対のハンドの基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサとのうちの一方または両方と、前記ハンド本体上に配置され、前記フックの接近または離間を検出する近接センサと、を有する。
【0023】
本発明の第8の態様に係る洗浄搬送装置は、第1~7のいずれかの態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記制御装置は、前記センサの測定データを前記閾値とは異なる第2の閾値と比較して前記一対のハンド上に把持されているウェハの状態を推定する。
【0024】
本発明の第9の態様に係る洗浄搬送装置は、第8の態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記ウェハの状態は、ウェハが前記一対のハンドの一方のみに片持ちされているか否か、ウェハが割れているか否か、ウェハ上に所定の水滴量があるか否か、評価用ウェハの摩耗量が所定の値を上回っているか否か、異常個体のウェハであるか否か、のいずれかである。
【0025】
本発明の第10の態様に係る洗浄搬送装置は、第1~9のいずれかの態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記制御装置は、前記センサの測定データが前記閾値を超えた回数をカウントして装置の故障診断を行う。
【0026】
本発明の第11の態様に係る洗浄搬送装置は、第1~10のいずれかの態様に係る洗浄搬送装置であって、
前記制御装置は、前記上下移動機構および配列方向移動機構による前記ウェハ把持機構の移動中に、前記センサの測定データの変動を確認して異常を検知する。
【0027】
本発明の第12の態様に係るウェハ処理装置は、
ウェハを研磨する研磨部と、
研磨後のウェハを洗浄する洗浄部と、
を備え、
前記洗浄部は、第1または2の態様に係る洗浄搬送装置を有する。
【0028】
本発明の第13の態様に係る搬送装置は、
直列に配置された複数の洗浄モジュール間でウェハを搬送するウェハ搬送機構と、
前記ウェハ搬送機構の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記制御装置は、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定する。
【0029】
本発明の第14の態様に係る洗浄搬送方法は、
直列に配置された複数の洗浄モジュールでウェハを洗浄するステップと、
前記複数の洗浄モジュール間でウェハ搬送機構によりウェハを搬送するステップと、
を含み、
前記ウェハ搬送機構は、
ウェハを把持するウェハ把持機構と、
前記ウェハ把持機構を上下移動させる上下移動機構と、
前記ウェハ把持機構を前記複数の洗浄モジュールの配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構と、
を有し、
前記ウェハ把持機構は、
開閉可能な一対のハンドと、
前記一対のハンドを開閉方向と平行な回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記一対のハンドが閉状態にあるときに、当該一対のハンドに加わる重みに応じた値を測定するセンサと、
を有し、
前記搬送するステップは、前記センサの測定データを予め定められた閾値と比較して前記一対のハンド上にウェハが把持されているか否かを判定するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係るウェハ処理装置の全体構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すウェハ処理装置の洗浄部におけるウェハ搬送機構の構成を示す内部背面図である。
【
図3A】
図3Aは、
図2に示すウェハ搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
【
図3B】
図3Bは、
図2に示すウェハ搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
【
図3C】
図3Cは、
図2に示すウェハ搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
【
図3D】
図3Dは、
図2に示すウェハ搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
【
図3E】
図3Eは、
図2に示すウェハ搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
【
図4】
図4は、ハンド上にウェハが把持されているときと把持されていないときのトルクセンサの測定データを示すテーブルである。
【
図5】
図5は、変位センサを有するウェハ把持機構の構成を示す斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、近接センサを有するウェハ把持機構の構成を拡大して示す内部側面図である。
【
図6B】
図6Bは、近接センサを有するウェハ把持機構の構成を拡大して示す内部側面図である。
【
図7】
図7は、近接センサを有するウェハ把持機構においてウェハの周縁部がフックの胴部にめり込んでしまって沈み込まない状態を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、正常時のトルクセンサと近接センサの計測データを示すグラフである。
【
図8B】
図8Bは、異常時のトルクセンサと近接センサの計測データを示すグラフである。
【
図9A】
図9Aは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9B】
図9Bは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9C】
図9Cは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9D】
図9Dは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9E】
図9Eは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9F】
図9Fは、洗浄搬送装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図10A】
図10Aは、正常時のウェハ搬送開始時における光センサの検出結果によるウェハの有無の判定を説明するための図である。
【
図10B】
図10Bは、正常時のウェハ搬送完了時における光センサの検出結果によるウェハの有無の判定を説明するための図である。
【
図10C】
図10Cは、異常時のウェハ搬送開始時における光センサの検出結果によるウェハの有無の判定を説明するための図である。
【
図10D】
図10Dは、異常時のウェハ搬送完了時における光センサの検出結果によるウェハの有無の判定を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0032】
<基板処理装置の構成>
図1は、一実施の形態に係るウェハ処理装置の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、ウェハ処理装置10は、平面視略矩形状のハウジングを備えており、ハウジングの内部は隔壁によってロード/アンロード部11と研磨部12と洗浄部13と搬送部14に区画されている。これらのロード/アンロード部11、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気されるものである。また、ウェハ処理装置10には、ロード/アンロード部11、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14の動作を制御する制御部15(制御装置ともいう)が設けられている。
【0033】
このうちロード/アンロード部11は、多数のウェハ(基板)Wをストックするウェハカセットが載置される複数(図示された例では4つ)のフロントロード部113と、フロントロード部113の配列方向(図示された例では基板処理装置10の幅方向)に沿って移動可能な搬送ロボット111とを有している。ロード/アンロード部11の具体的な構成としては、たとえば、特許第6727044号に記載の構成を採用することができる。搬送ロボット111は、フロントロード部113のウェハカセットから研磨前のウェハWを取り出して後述する搬送部14へと搬送するとともに、後述する洗浄部13から洗浄および乾燥後のウェハWを取り出してウェハカセットに戻すようになっている。
【0034】
搬送部14は、研磨前のウェハWをロード/アンロード部11から研磨部12へと搬送する領域であり、基板処理装置10の長手方向に沿って延びるように設けられている。搬送部14は、ウェハWを保持するスライドステージ(不図示)と、スライドステージを長手方向に沿って直線移動させるステージ移動機構(不図示)とを有している。搬送部14の具体的な構成としては、たとえば、特許第6727044号に記載の構成を採用することができる。ロード/アンロード部11の搬送ロボット111から搬送部14へと受け渡された研磨前のウェハWは、スライドステージ上に載せられて、後述する研磨部14の搬送ロボット23がアクセスできる位置まで移動される。
【0035】
研磨部12は、ウェハWの研磨が行われる領域であり、第1研磨装置21aと第2研磨装置21bとを有する第1研磨ユニット20aと、第3研磨装置21cと第4研磨装置21dとを有する第2研磨ユニット20bと、搬送部14と第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bのそれぞれに隣接するように配置された研磨部搬送機構22と、を有している。研磨部12の具体的な構成としては、たとえば、特許第6727044号に記載の構成を採用することができる。第1研磨装置21a、第2研磨装置21b、第3研磨装置21c、および第4研磨装置21dは、基板処理装置10の長手方向に沿って配列されており、研磨部搬送機構22は、基板処理装置10の幅方向において洗浄部13と第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bとの間に配置されている。
【0036】
研磨部搬送機構22は、第1研磨ユニット20aにウェハWを搬送する第1搬送ユニット24aと、第2研磨ユニット20bにウェハWを搬送する第2搬送ユニット24bと、第1搬送ユニット24aと第2搬送ユニット24bとの間に配置され、搬送部14と第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bとの間のウェハの受け渡しを行う搬送ロボット23とを有している。図示された例では、搬送ロボット23は、基板処理装置10のハウジングの略中央に配置されている。
【0037】
搬送部14から研磨部12へと連続的に搬送されてくる研磨前のウェハWは、搬送ロボット23により第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bに振り分けられる。そして、第1搬送ユニット24aに振り分けられたウェハWは、第1研磨ユニット20aへと搬入されて、第1研磨ユニット20aの研磨装置21aおよび/または21bにて研磨処理される。また、第2搬送ユニット24bに振り分けられたウェハWは、第2研磨ユニット20bへと搬入されて、第2研磨ユニット20bの研磨装置21cおよび/または21dにて研磨処理される。
【0038】
第1研磨ユニット20aの研磨装置21a、21bにて研磨処理されたウェハWは、第1研磨ユニット20aから第1搬送ユニット24aへと受け渡された後、搬送ロボット23により第1搬送ユニット24aから取り出され、後述する洗浄部13のウェハステーション33へと搬送される。同様に、第2研磨ユニット20bの研磨装置21c、21dにて研磨処理されたウェハWは、第2研磨ユニット20bから第2搬送ユニット24bへと受け渡された後、搬送ロボット23により第2搬送ユニット24bから取り出され、後述する洗浄部13のウェハステーション33へと搬送される。
【0039】
洗浄部13は、研磨後のウェハを洗浄する領域である。
図1に示す例では、洗浄部13と搬送部14とが上下方向に重なるように配列されており、これにより、フットプリントが小さいという利点が得られている。
【0040】
図1に示すように、洗浄部13は、複数(図示された例では4つ)の洗浄モジュール311、312、313、314と、ウェハステーション33と、各洗浄モジュール311~314とウェハステーション33との間にてウェハWを搬送するウェハ搬送機構32とを有する洗浄搬送装置30を有している。ウェハステーション33の具体的な構成としては、たとえば、特許第6727044号に記載の構成を採用することができる。
【0041】
図示された例では、4つの洗浄モジュール311~314(以下、1次~4次洗浄モジュールと呼ぶことがある)は、ウェハステーション33からこの順に直列に配置されている。各洗浄モジュール311~314は、それぞれ、不図示の洗浄機と、この洗浄機をカバーする筐体91(
図3A~
図3E参照)とを有している。
【0042】
1次洗浄モジュール311および2次洗浄モジュール312の洗浄機としては、例えば、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させてウェハの表面および裏面に押し付けてウェハの表面および裏面を洗浄するロールタイプの洗浄機を用いることができる。また、3次洗浄モジュール313の洗浄機としては、例えば、半球状のスポンジを回転させながらウェハに押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機(例えば、特開2000-173966号公報の
図10等に開示されている装置)を用いることができる。4次洗浄モジュール314の洗浄機としては、例えば、ウェハの裏面はリンス洗浄することができ、ウェハ表面の洗浄は半球状のスポンジを回転させながら押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。この4次洗浄モジュール314の洗浄機は、チャックしたウェハを高速回転させるステージを備えており、ウェハを高速回転させることで洗浄後のウェハを乾燥させる機能(スピンドライ機能)を有している。一変形例として、4次洗浄モジュール314は、ウェハWを回転させながらウェハWの表面にIPA(イソプロピルアルコール)蒸気を吹き付けて乾燥させるIPA乾燥装置(例えば、特開2010-50436号公報の
図33~
図39等に開示されている装置)を有していてもよい。なお、各洗浄モジュール311~314の洗浄機において、上述したロールタイプの洗浄機やペンシルタイプの洗浄機に加えて、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプの洗浄機を付加的に設けてもよい。
【0043】
各洗浄モジュール311~314の筐体は、ウェハステーション33の筐体と同様に、底面板と、4つの側面板と、天面板とを有している。4つの側面板のうちウェハ搬送機構32に対向する側面板および左右の側面板には、ウェハ搬送機構32のハンドを通過させるためのハンド通過用開口94が形成されている(
図3A~
図3E参照)。ハンド通過用開口94は、シャッタ97により開閉可能となっている。このハンド通過用開口94の高さ位置は、ウェハステーション33のハンド通過用開口と同じ高さ位置に形成されている。ウェハ搬送機構32は、このハンド通過用開口94から筐体91の内側にアクセス可能となっている。
【0044】
図2は、ウェハ搬送機構32の構成を示す内部背面図である。
図2に示すように、ウェハ搬送機構32は、ウェハWをそれぞれ把持する第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602と、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602をそれぞれ上下移動させる第1上下移動機構641および第2上下移動機構642と、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602を複数の洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動させる配列方向移動機構62と、を有している。すなわち、本実施の形態では、ウェハ把持機構601、602の数は、洗浄モジュール311~314の数より少なくなっている。
【0045】
本実施の形態では、例えばウェハWの清浄度に応じて第1ウェハ把持機構601と第2ウェハ把持機構602とを使い分けることができる。例えば、1次~4次洗浄モジュール311~314のうち洗浄処理前半の1次洗浄モジュール311および2次洗浄モジュール312では第1ウェハ把持機構601を使用し、洗浄処理後半の3次洗浄モジュール313および4次洗浄モジュール314では第2ウェハ把持機構602を使用することで、洗浄処理後半のウェハWが第1ウェハ把持機構601に接して汚染されることを防止できる。
【0046】
配列方向移動機構62としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構が用いられる。
図2に示すように、配列方向移動機構62のボールねじは、洗浄モジュール311~314の上方に洗浄モジュール311~314の配列方向に延びるように設けられている。
【0047】
配列方向移動機構62のボールねじには、メインフレーム68が取り付けられている。メインフレーム68は、配列方向移動機構62のボールねじから下方に吊り下がるように取り付けられており、洗浄モジュール311~314の側面と対向するようになっている。配列方向移動機構62のボールねじに連結されたモータの駆動により、メインフレーム68は洗浄モジュール311~314の側面と対向したまま洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って直線移動される。
【0048】
図示された例では、メインフレーム68は、奥行方向(洗浄モジュール311~314の配列方向および上下方向の両方に対して垂直な方向)の位置を調整するための奥行方向移動機構67を有している。奥行方向移動機構67としては、例えばラック・アンド・ピニオンを用いたモータ駆動機構が用いられる。奥行方向移動機構67の駆動により、奥行方向におけるメインフレーム68の位置が調整される。
【0049】
第1上下移動機構641および第2上下移動機構642は、メインフレーム68上に設けられている。第1上下移動機構641および第2上下移動機構642としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構が用いられる。
図2に示すように、第1上下移動機構641のボールねじは、メインフレーム68の左端部において上下方向に延びるように取り付けられており、第2上下移動機構642のボールねじは、メインフレーム68の右端部において上下方向に延びるように取り付けられている。
【0050】
第1上下移動機構641のボールねじには、第1ウェハ把持機構601を支持するサブフレーム69が取り付けられている。このサブフレーム69は、メインフレーム68の左側にメインフレーム68と隣り合うように設けられており、洗浄モジュール311~314の側面と対向するようになっている。第1上下移動機構641のボールねじに連結されたモータの駆動により、サブフレーム69上に設けられた第1ウェハ把持機構601は上下方向に沿って直線移動される。
【0051】
同様に、第2上下移動機構642のボールねじには、第2ウェハ把持機構602を支持するサブフレーム69が取り付けられている。このサブフレーム69は、メインフレーム68の右側にメインフレーム68と隣り合うように設けられており、洗浄モジュール311~314の側面と対向できるようになっている。第2上下移動機構642のボールねじに連結されたモータの駆動により、サブフレーム69上に設けられた第2ウェハ把持機構602は上下方向に沿って直線移動される。
【0052】
第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602は、メインフレーム68に対して対称であること以外は、実質的に同様の構造を有しているため、以下では第1ウェハ把持機構601について説明する。
【0053】
図2に示すように、第1ウェハ把持機構601は、ウェハを把持する開閉可能な一対のハンド61と、一対のハンド61を開閉方向と平行な回転軸63Aを中心として回動させる回動機構63と、一対のハンド61を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する開閉機構66と、を有している。
【0054】
図2に示すように、一対のハンド61は互いに平行に配置されており、ハンド61の基端部は、サブフレーム69上に回転可能に設けられた回転軸63Aに取り付けられている。また、サブフレーム69上には回転軸63Aを中心として一対のハンド61を回転させる回動機構63が設けられている。回動機構63としては、例えばモータ駆動機構(サーボモータ)が用いられる。この回動機構63の回転軸は、リンク部材63Lを介して回転軸63Aに連結されている。第2回動機構63の回転力は、リンク部材63Lを介して回転軸63Aに伝達され、一対のハンド61は、回転軸63Aを中心として回転される。
【0055】
また、サブフレーム69上には、一対のハンド61を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する開閉機構66が設けられている。開閉機構66としては、例えばエアシリンダが用いられる。開閉機構66により一対のハンド61が閉じられることにより、一対のハンド61はウェハWの周縁部を挟み込んで保持するようになっている。
【0056】
次に、
図3A~
図3Eを参照して、一対のハンド61の動作の一例を説明する。上述したように各洗浄モジュールは、ウェハWの洗浄中に外部に使用流体が飛散しないように筐体91によって区画されており、筐体91の側面にはアーム通過用開口94が形成されている。アーム通過用開口94には、開閉可能なシャッタ97が設けられている。
【0057】
洗浄後のウェハWを筐体91から取り出す場合には、
図3Aに示すように、先端が上向きに向けられた一対のハンド61は、配列方向移動機構62の駆動より筐体91に隣接する待機位置へと移動される。本実施の形態では、筐体91のシャッタ97が閉じられていても、一対のハンド61の先端を上向きに向けておくことで、一対のハンド61を筐体91に隣接する待機位置へと移動させることができる。したがって、ウェハ取り出し作業の開始タイミングを早くすることができ、プロセス全体のスループットが向上させることができる。
【0058】
次に、
図3Bおよび
図3Cに示すように、回動機構63の駆動により、一対のハンド61は、回転軸63Aを中心として回動される。図示された例では、一対のハンド61は、側面視において回転軸63Aを中心として時計回りに90°回転され、一対のハンド61の先端は横向きに向けられる。
【0059】
次に、
図3Dに示すように、上下駆動機構641の駆動により、一対のハンド61は、アーム通過用開口94と同じ高さ位置まで上昇される。このとき、シャッタ97が退避されアーム通過用開口94が開けられる。
【0060】
次に、
図3Eに示すように、開閉機構662の駆動により、一対のハンド61は、互いに近接する方向に閉じられ、アーム通過用開口94を通って筐体91内側に挿入され、筐体91内のウェハWを把持する。そして、ウェハWを把持した一対のハンド61は、配列方向移動機構62の駆動より次の洗浄モジュールへと移動される。
【0061】
洗浄前のウェハWを筐体91に搬入する場合には、
図3A~
図3Eに示す上述した動作が逆の順序で行われる。すなわち、
図3Eに示すように、ウェハWを把持した一対のハンド61は、配列方向移動機構62の駆動よりアーム通過用開口94を通って筐体91の内側に移動される。
【0062】
次に、
図3Dに示すように、開閉機構66の駆動により、一対のハンド61は、互いに離間する方向に開かれ、アーム通過用開口94を通って筐体91の外側に出される。
【0063】
次に、
図3Cに示すように、上下駆動機構641の駆動により、一対のハンド61は、アーム通過用開口94より低い高さ位置まで下降される。このとき、アーム通過用開口94がシャッタ97により、筐体91の内側にウェハWの洗浄処理が開始される。
【0064】
次に、
図3Bおよび
図3Aに示すように、回動機構63の駆動により、一対のハンド61は、回転軸63Aを中心として回動される。図示された例では、一対のハンド61は、側面視において回転軸63Aを中心として反時計回りに90°回転され、一対のハンド61の先端は上向きに向けられる。そして、先端が上向きに向けられた一対のjハンド61は、配列方向移動機構62の駆動より次の洗浄モジュールへと移動される。本実施の形態では、回動機構63が一対のハンド61を先端が上向きになるように回動させる際に、上下移動機構641が一対のハンド61を下降させるため、一対のハンド61の上方に必要なスペースを削減できる。
【0065】
図2に示すように、本実施の形態では、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が、配列方向移動機構62の下方に懸垂状に配置されている。これにより、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602のメンテナンススペースを拡大される。したがって、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
【0066】
本実施の形態では、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602には、それぞれ、一対のハンド61が閉状態にあるときに、当該一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサ81がさらに設けられている。
図2に示す例では、センサ81は、回動機構63が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサである。
【0067】
図4は、本実施の形態に係る具体的な実施例として、ハンド61上にウェハWが把持されているときと把持されていないときにそれぞれ測定されたトルクセンサ81の測定データを示すテーブルである。
【0068】
図4に示すように、本件発明者らによる実際の検証によれば、ハンド61上にウェハWが把持されているときと、把持されていないときでは、回動機構63のサーボモータに掛かる負荷トルクに、約10%以上の変動が見られることが分かった。したがって、回動機構63が有するサーボモータの負荷トルクを測定するトルクセンサ81は、一対のハンド61が閉状態にあるときに当該一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサとして利用することが可能である。
【0069】
本実施の形態では、制御装置15は、センサ81の測定データを予め定められた閾値(以下、第1の閾値ともいう)と比較して一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定する。
【0070】
たとえば、
図4に示す例では、制御装置15には、ハンド61上にウェハWが把持されているときの負荷トルク(
図4に示す例では、たとえば-23%)が第1の閾値として記憶されている。そして、制御装置15は、ハンド61が閉状態にあるときに、トルクセンサ81の計測データを、予め記憶しておいた第1の閾値(-23%)と比較し、その差が所定値(たとえば5%)未満であるときは、ハンド61上にウェハWが把持されていると判定し、所定値以上であるときは、ハンド61上にウェハWが把持されていないと判定する。
【0071】
本実施の形態では、一対のハンド61が閉状態にあるときに当該一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサ81が、上下移動機構651、652および配列方向移動機構62により移動されるウェハ把持機構601、602に設けられているため、上下移動機構651、652および配列方向移動機構62の動作中(ウェハWの搬送中)であっても、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定することが可能である。
【0072】
一変形例として、
図5に示すように、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602のサブフレーム69には、一対のハンド61の上方において、一対のハンド61と平行に延びるブラケット84が取り付けられており、当該ブラケット84の先端部には、一対のハンド61が閉状態にあるときに、一対のハンド61の基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサ82が設けられていてもよい。
【0073】
図5に示す例では、一対のハンド61上にウェハWが把持されていない場合には、一対のハンド61の先端部は基端部と同じ高さ位置にある。これに対し、一対のハンド61上にウェハWが把持されている場合には、ウェハWの重みに応じて一対のハンド61が撓る(曲がる)ため、一対のハンド61の先端部は基端部より下方に下がることになる。したがって、ハンド61上にウェハWが把持されているときと、把持されていないときでは、一対のハンド61の基端部に対する先端部の相対的な高さ位置が変動することが分かる。したがって、一対のハンド61が閉状態にあるときに、一対のハンド61の基端部に対する先端部の相対的な高さ位置を測定する変位センサ82は、一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサとして利用することが可能である。
【0074】
別の変形例として、
図6Aおよび
図6Bに示すように、一対のハンド61は、ハンド本体61Aと、ハンド本体61Aの下方にブッシュ61Dを介して吊り下がるように配置されるフック61Bと、フック61Bをハンド本体61Aに対して弾性的に支持する弾性部材61C(たとえばスプリング)とを有しており、ハンド本体61A上には、フック61Bの接近または離間を検出する近接センサ83(たとえばフォトマイクロセンサ)が配置されていてもよい。
【0075】
図6Aに示すように、一対のハンド61上にウェハWが把持されていない場合には、フック61Bの上端部が近接センサ83に近接してその検知範囲内に入っている。これに対し、
図6Bに示すように、一対のハンド61上にウェハWが把持されている場合には、ウェハWの重みに応じて弾性部材61Cが収縮することで、フック61Bが下方に下がるため、フック61Bの上端部が近接センサ83から離間してその検知範囲外に外れることになる。したがって、ハンド61上にウェハWが把持されているときと、把持されていないときでは、近接センサ83による検知結果が変動することが分かる。したがって、ハンド61A本体上に配置され、フック61Bの接近または離間を検出する近接センサ83は、一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサとして利用することが可能である。
【0076】
さらに別の変形例として、一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサは、上述したトルクセンサ81と、変位センサ82と、近接センサ83のうちの2種類以上を有していてもよい。この場合、より高精度でウェハWを監視することができる。
【0077】
たとえば、
図8Aは、一対のハンド61が洗浄モジュール内のステージ上からウェハWを受け取るときのトルクセンサ81と近接センサ83の計測データを重ねて示すグラフである。
図8Aに示すように、ウェハWの受け取り(ステージ上からの離脱)のタイミングでは、トルクセンサ81の計測データがある傾きで増加するのに対し、近接センサ83の計測データは階段状にON(近接)からOFF(離間)に切り替わる。したがって、複数のセンサを組み合わせて利用することで、時間軸の正確な割り出しが可能となる。
【0078】
また、
図7に示すように、一対のハンド61が洗浄モジュール内のステージ上からウェハWを受け取るときに、ウェハWの周縁部がフック81Bの胴部にめり込んでしまって沈み込まず、近接センサ83がOFF(離間)にならない場合がある。
図8Bは、この場合のトルクセンサ81と近接センサ83の計測データを重ねて示すグラフである。このような異常が起こっても、
図8Bに示すように、トルクセンサ81の計測データは正常時と同様に変動するため、トルクセンサ81の計測データだけでは異常に気づくことができない。したがって、複数のセンサを組み合わせて利用することで、一対のハンド61がウェハWを正確に把持できているか判断することが可能となる。
【0079】
制御装置15は、一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、ウェハ搬送機構62の動作を停止させてもよい。異常発生時にすぐに動作を停止させることで、装置のダウンタイム削減に寄与することが可能となる。
【0080】
制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値とは異なる第2の閾値と比較して一対のハンド61上に把持されているウェハWの状態を推定してもよい。ここで、推定されるウェハWの状態は、ウェハWが一対のハンド61の一方のみに片持ちされているか否か、ウェハWが割れているか否か、ウェハW上に所定の水滴量があるか否か、評価用ウェハWの摩耗量が所定の値を上回っているか否か、異常個体(ゴミや欠けがある個体)のウェハWであるか否か、のいずれかであってもよい。
【0081】
たとえば、ウェハWが一対のハンド61の一方のみに片持ちされている場合には、回動機構63が有するサーボモータの負荷トルクは、ハンド61の両方の上にウェハWが把持されているときの負荷トルクと、ハンド61上にウェハWが把持されていないときの負荷トルクとの中間の値となる。したがって、制御装置15は、その中間の値を第2の閾値として記憶しておき、ハンド61が閉状態にあるときに、トルクセンサ81の計測データを第2の閾値と比較し、その差が所定値(たとえば5%)未満であるときは、ウェハWが一対のハンド61の一方のみに片持ちされていると判定してもよい。
【0082】
ウェハWの搬送中、ウェハWの受け渡し中、退避中といった装置の動作に応じて、センサ81~83の計測データの閾値を設定することで、以下のような応用も可能となる。
【0083】
すなわち、たとえば、制御装置15は、センサ81~83の測定データが閾値を超えた回数をカウントし、カウントされた回数に応じて装置の故障診断を行ってもよい。具体的には、たとえば、センサ81~83の測定データが第1の閾値を超えた回数をカウントし、その回数が所定回数(たとえば10回)に達した場合には、制御装置15は、装置の故障の予兆であると判断してもよい。
【0084】
また、制御装置15は、上下移動機構641、642および配列方向移動機構62によるウェハ把持機構601、602の移動中に、センサ81~83の測定データの変動の強度(振れ幅)および/または周期(周波数)を確認し、測定データの変動の強度(振れ幅)および/または周期(周波数)に応じて装置の異常を検知してもよい。具体的には、たとえば、センサ81~83の測定データの変動の強度(振れ幅)が所定値を超えた場合には、制御装置15は、装置に異常があると判断してもよい。
【0085】
次に、以上のように構成された洗浄搬送装置30の動作の一例を説明する。
【0086】
まず、
図9Aに示すように、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602の各々のハンド61が先端を上向きに向けられた状態で、配列方向移動機構62の動作により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が、洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、第1ウェハ把持機構601のハンド61がウェハステーション33に隣接する待機位置にて静止される。そして、回動機構63の駆動により、第1ウェハ把持機構601の一対のハンド61は回転軸63Aを中心として回動され、一対のハンド61の先端は横向きに向けられる。ウェハステーション33のシャッタが退避されてアーム通過用開口74が開けられた後、第1ウェハ把持機構601の一対のハンド61がアーム通過用開口74を通ってウェハステーション33の内側に挿入され、ステージ72上に保持されたウェハWを把持する。ウェハWが一対のハンド61に把持された後、ステージ72は下方に退避される。
【0087】
このとき、正常時は、一対のハンド61にウェハWの重みが加わり、センサ81~83の計測データが変動するため、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されていることを検知できる。他方、たとえばウェハWが割れている場合は、一対のハンド61にウェハWの重みが加わらず、センサ81~83の計測データが変動しない。そのため、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されておらず、異常が起きたことを検知できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。
【0088】
次に、
図9Bに示すように、1次洗浄モジュール311のシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、配列方向移動機構62の動作により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、第1ウェハ把持機構601の一対のハンド61に把持されたウェハWは、ウェハステーション33から1次洗浄モジュール311へと搬送され、1次洗浄モジュール311の洗浄機に受け渡される。
【0089】
ウェハステーション33から1次洗浄モジュール311への搬送中に、正常時は、一対のハンド61にウェハWの重みが加わっているため、センサ81~83の計測データは変動しない。そのため、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されていることを検知できる。他方、たとえば搬送中にウェハWが脱落した場合は、一対のハンド61にウェハWの重みが加わらず、センサ81~83の計測データが変動するため、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されておらず、異常が起きたことを検知できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。
【0090】
また、1次洗浄モジュール311の洗浄機への受け渡しのタイミングでは、正常時は、一対のハンド61からウェハWの重みが取り除かれ、センサ81~83の計測データが変動する。そのため、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、受け渡しが完了したことを検知できる。
【0091】
1次洗浄モジュール311の洗浄機にウェハWが受け渡された後、一対のハンド61が1次洗浄モジュール311の筐体91の外側に出され、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、1次洗浄モジュール311の洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0092】
1次洗浄モジュール311での洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。第1ウェハ把持機構601の一対のハンド61がアーム通過用開口94を通って1次洗浄モジュール311の筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。このときも、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。
【0093】
次に、
図9Cに示すように、2次洗浄モジュール312のシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、配列方向移動機構62の動作により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、一対のハンド61に把持されたウェハWは、1次洗浄モジュール311から2次洗浄モジュール312へと搬送され、2次洗浄モジュール312の洗浄機に受け渡される。1次洗浄モジュール311から2次洗浄モジュール312への搬送中も、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。また、2次洗浄モジュール312の洗浄機への受け渡しのタイミングでは、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、受け渡しが完了したことを検知できる。
【0094】
次いで、第1ウェハ把持機構601の一対のハンド61が2次洗浄モジュール312の筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、2次洗浄モジュール312の洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0095】
次に、
図9Dに示すように、回動機構63の駆動により、第1ウェハ把持機構601のハンド61は回転軸63Aを中心として回動され、ハンド61の先端は上向きに向けられる。そして、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602の各々のハンド61がそれぞれ先端を上向きに向けられた状態で、配列方向移動機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が第1洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、第2ウェハ把持機構602のハンド61が第2洗浄モジュール312に隣接する待機位置にて静止される。回動機構63の駆動により、第2ウェハ把持機構602のハンド61は回転軸632Aを中心として回動され、ハンド61の先端は横向きに向けられる。
【0096】
2次洗浄モジュール312での洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。第2ウェハ把持機構602の一対のハンド61がアーム通過用開口94を通って2次洗浄モジュール312の筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。このときも、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。
【0097】
本実施の形態では、2次洗浄モジュール312での洗浄前のウェハWは第1ウェハ把持機構601のハンド61により把持されて搬送され、2次洗浄モジュール312での洗浄後のウェハWは第2ウェハ把持機構602のハンド61により把持されて搬送される。すなわち、2次洗浄モジュール312においてハンドが交換される。これにより、2次洗浄モジュール312での洗浄後のウェハWに第1ウェハ把持機構601のハンド61が接触して当該ウェハWが汚染されることを防止できる。
【0098】
次に、
図9Eに示すように、3次洗浄モジュール313のシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、配列方向移動機構62の動作により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、第2ウェハ把持機構602の一対のハンド61に把持されたウェハWは、2次洗浄モジュール312から3次洗浄モジュール313へと搬送され、3次洗浄モジュール313の洗浄機に受け渡される。2次洗浄モジュール312から3次洗浄モジュール313への搬送中も、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。また、3次洗浄モジュール313の洗浄機への受け渡しのタイミングでは、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、受け渡しが完了したことを検知できる。
【0099】
次いで、第2ウェハ把持機構602の一対のハンド61が3次洗浄モジュール313の筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、3次洗浄モジュール313の洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0100】
3次洗浄モジュール313での洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。第2ウェハ把持機構602の一対の第2アーム612がアーム通過用開口94を通って3次洗浄モジュール313aの筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。このときも、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。
【0101】
次に、
図9Fに示すように、4次洗浄モジュール314のシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、配列方向移動機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311~314の配列方向に沿って移動され、第2ウェハ把持機構602の一対のハンド61に把持されたウェハWは、3次洗浄モジュール313から4次洗浄モジュール314へと搬送され、4次洗浄モジュール314の洗浄機に受け渡される。3次洗浄モジュール313から4次洗浄モジュール314への搬送中も、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定できる。一対のハンド61上にウェハWが把持されていないと判定された場合には、制御装置15は、ウェハ搬送機構30の動作を停止させる。また、4次洗浄モジュール314の洗浄機への受け渡しのタイミングでは、制御装置15は、センサ81~83の測定データを第1の閾値と比較することで、受け渡しが完了したことを検知できる。
【0102】
次いで、第2ウェハ把持機構602の一対のハンド61が4次洗浄モジュール314の筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、4次洗浄モジュール314の洗浄機にてウェハWの洗浄及び乾燥が行われる。
【0103】
4次洗浄モジュール314での洗浄及び乾燥処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。上述したロード/アンロード部11の搬送ロボット111のハンドがアーム通過用開口94を通って4次洗浄モジュール314の筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄され、最後の工程として(例えばスピン)乾燥処理されたウェハWがロード/アンロード部11へと取り出される。
【0104】
以上のような本実施の形態によれば、一対のハンド61が閉状態にあるときに当該一対のハンド61に加わる重みに応じた値を測定するセンサ81~83が、上下移動機構641、642および配列方向移動機構62により移動されるウェハ把持機構601、602に設けられているため、上下移動機構641、642および配列方向移動機構62の動作中(ウェハの搬送中)であっても、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定することが可能である。これにより、搬送ミスを迅速に検知して対応することができる。また、搬送中のウェハWの位置情報を追跡することができる。
【0105】
また、本実施の形態によれば、ウェハの搬送中であっても、一対のハンド61上にウェハWが把持されているか否かを判定することができ、異常発生時には、制御装置15がウェハ搬送機構32の動作をすぐに停止させることで、装置のダウンタイム削減に寄与することができる。
【0106】
以上、本発明の実施の形態および変形例を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。また、各実施の形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0107】
10 ウェハ処理装置
11 ロード/アンロード部
12 研磨部
13 洗浄部
14 搬送部
15 制御部
20a 第1研磨ユニット
20b 第2研磨ユニット
21a 第1研磨装置
21b 第2研磨装置
21c 第3研磨装置
21d 第4研磨装置
22 研磨部搬送機構
23 搬送ロボット
24a 第1搬送ユニット
24b 第2搬送ユニット
30 洗浄搬送装置
311~314 洗浄モジュール
32 ウェハ搬送機構
33 ウェハステーション
601 第1ウェハ把持機構
602 第2ウェハ把持機構
61 ハンド
62 配列方向移動機構
63 回動機構
63A 回転軸
63L リンク部材
641 第1上下移動機構
642 第2上下移動機構
66 開閉機構
67 奥行方向移動機構
68 メインフレーム
69 サブフレーム
81 トルクセンサ
82 変位センサ
83 近接センサ
84 ブラケット
91 筐体
94 アーム通過用開口
97 シャッタ
W 基板