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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162345
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】紫外線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20241114BHJP
   G01J 1/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G01J1/02 G
G01J1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077746
(22)【出願日】2023-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】松井 良太郎
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AB05
2G065BA17
2G065BA36
2G065CA23
2G065CA27
2G065DA03
2G065DA06
(57)【要約】
【課題】振動又は衝撃に対する耐性を向上することができる紫外線検出装置を提供する。
【解決手段】紫外線検出装置は、放電ガスGが封入された容器10と、容器10内に配置された一対の電極21,22と、一対の電極21,22にそれぞれ電気的に接続され、所定方向に沿って容器10外まで延在する通電部23,24と、を有する紫外線検出管2と、紫外線検出管2を駆動するための駆動回路32が設けられた回路基板3と、紫外線検出管2及び回路基板3を収容しており、紫外線検出管2に入射する光LTが導入される光導入部41を有する筐体4と、を備える。回路基板3は、筐体4に固定されており、紫外線検出管2は、所定方向の一方側S1では筐体4に保持されており、所定方向の他方側S2では通電部23,24において回路基板3に保持されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電ガスが封入された容器と、前記容器内に配置された一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電気的に接続され、所定方向に沿って前記容器外まで延在する少なくとも2つの通電部と、を有する紫外線検出管と、
前記紫外線検出管を駆動するための駆動回路が設けられた回路基板と、
前記紫外線検出管及び前記回路基板を収容しており、前記紫外線検出管に入射する光が導入される光導入部を有する筐体と、を備え、
前記回路基板は、前記筐体に固定されており、
前記紫外線検出管は、前記所定方向の一方側では前記筐体に保持されており、前記所定方向の他方側では前記通電部において前記回路基板に保持されている、紫外線検出装置。
【請求項2】
前記紫外線検出管における前記所定方向の一方側の部分と前記筐体との間には、弾性部材が介在している、請求項1に記載の紫外線検出装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記所定方向から見た場合に、前記一対の電極と重ならないように配置されている、請求項2に記載の紫外線検出装置。
【請求項4】
前記容器は、前記所定方向に沿った中心線を有する円筒部分と、前記円筒部分に対して前記所定方向の一方側に配置され、前記一方側に凸となるように湾曲した湾曲部分と、を有し、
前記弾性部材は、前記湾曲部分に接触している、請求項2又は3に記載の紫外線検出装置。
【請求項5】
前記容器は、前記所定方向に沿った中心線を有する円筒部分を有し、
前記弾性部材は、前記所定方向から見た場合に、前記円筒部分の縁と重なるように配置されている、請求項2又は3に記載の紫外線検出装置。
【請求項6】
前記容器における前記所定方向の他方側の部分と前記回路基板との間には隙間が空いている、請求項1又は2に記載の紫外線検出装置。
【請求項7】
前記紫外線検出管は、前記所定方向の一方側の部分が前記筐体の前記光導入部と向かい合うように配置されている、請求項1又は2に記載の紫外線検出装置。
【請求項8】
前記紫外線検出管の感度波長域に含まれる波長を有する紫外光を出力する第1発光素子を備え、
前記第1発光素子は、半導体発光素子である、請求項1又は2に記載の紫外線検出装置。
【請求項9】
前記回路基板に設けられ、前記第1発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号に基づいて前記紫外線検出管の駆動状態を判定する判定部を更に備える、請求項8に記載の紫外線検出装置。
【請求項10】
前記第1発光素子が出力する前記紫外光よりも長い波長を有する光を出力する第2発光素子を更に備え、
前記判定部は、前記第1発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号、及び前記第2発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号に基づいて前記紫外線検出管の駆動状態を判定する、請求項9に記載の紫外線検出装置。
【請求項11】
前記紫外線検出管における前記所定方向の一方側の部分と前記筐体との間には、弾性部材が介在しており、
前記弾性部材は、前記一対の電極に対して前記所定方向の一方側に位置している、請求項8に記載の紫外線検出装置。
【請求項12】
前記第1発光素子は、前記所定方向の一方側に向かって前記紫外光を出力するように、前記回路基板に配置されており、
前記筐体のうち前記所定方向から見た場合に前記紫外線検出管と前記第1発光素子との間に位置する部分は、前記筐体の他の部分と比べて高い光反射率を有する、請求項8に記載の紫外線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バーナ等の燃焼機器における燃焼火炎の有無を検出する火炎検出器が記載されている。特許文献1に記載の構成では、紫外線検出管が、円筒外壁と底板により区画される凹部内において、底板上に吊されるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-61836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような火炎検出器では、火炎検出器が受けた振動や衝撃の影響が紫外線検出管に及びやすい。当該影響によって紫外線検出管の内部構造、例えば電極に変形や傷が生じてしまうと、特性が劣化したり、不具合の原因となってしまうおそれがある。また、内部構造に限らず、当該影響によって紫外線検出管の容器が破損してしまうおそれもある。そのため、振動や衝撃に対する耐性を向上することが求められる。
【0005】
本発明は、振動又は衝撃に対する耐性を向上することができる紫外線検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の紫外線検出装置は、[1]「放電ガスが封入された容器と、前記容器内に配置された一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電気的に接続され、所定方向に沿って前記容器外まで延在する少なくとも2つの通電部と、を有する紫外線検出管と、前記紫外線検出管を駆動するための駆動回路が設けられた回路基板と、前記紫外線検出管及び前記回路基板を収容しており、前記紫外線検出管に入射する光が導入される光導入部を有する筐体と、を備え、前記回路基板は、前記筐体に固定されており、前記紫外線検出管は、前記所定方向の一方側では前記筐体に保持されており、前記所定方向の他方側では前記通電部において前記回路基板に保持されている、紫外線検出装置」である。
【0007】
この紫外線検出装置では、紫外線検出管が、所定方向の一方側では筐体に保持されており、所定方向の他方側では通電部において回路基板に保持されている。これにより、所定方向の一方側では筐体によって紫外線検出管を確実に保持することができ、また、所定方向の他方側では筐体に固定された回路基板によって紫外線検出管を確実に保持することができる。このように、所定方向の一方側及び他方側の両方において紫外線検出管を保持することで、振動や衝撃に対する耐性を効果的に高めることができる。よって、この紫外線検出装置によれば、振動又は衝撃に対する耐性を向上することができる。
【0008】
本発明の紫外線検出装置は、[2]「前記紫外線検出管における前記所定方向の一方側の部分と前記筐体との間には、弾性部材が介在している、[1]に記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、振動又は衝撃に対する耐性を一層向上することができる。
【0009】
本発明の紫外線検出装置は、[3]「前記弾性部材は、前記所定方向から見た場合に、前記一対の電極と重ならないように配置されている、[2]に記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、弾性部材によって電極に入射する光が遮られることを抑制することができ、感度の低下を抑制することができる。
【0010】
本発明の紫外線検出装置は、[4]「前記容器は、前記所定方向に沿った中心線を有する円筒部分と、前記円筒部分に対して前記所定方向の一方側に配置され、前記一方側に凸となるように湾曲した湾曲部分と、を有し、前記弾性部材は、前記湾曲部分に接触している、[2]又は[3]に記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、例えば弾性部材が円筒部分の側面に接触する場合と比べて、紫外線検出管を強固に保持することができる。
【0011】
本発明の紫外線検出装置は、[5]「前記容器は、前記所定方向に沿った中心線を有する円筒部分を有し、前記弾性部材は、前記所定方向から見た場合に、前記円筒部分の縁と重なるように配置されている、[2]~[4]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、弾性部材によって電極に入射する光が遮られて感度が低下することを抑制しつつ、紫外線検出管を強固に保持することができる。
【0012】
本発明の紫外線検出装置は、[6]「前記容器における前記所定方向の他方側の部分と前記回路基板との間には隙間が空いている、[1]~[5]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、振動又は衝撃により容器が回路基板に接触して破損することを抑制することができる。
【0013】
本発明の紫外線検出装置は、[7]「前記紫外線検出管は、前記所定方向の一方側の部分が前記筐体の前記光導入部と向かい合うように配置されている、[1]~[6]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、紫外線検出管に好適な指向性を持たせて配置することができる。
【0014】
本発明の紫外線検出装置は、[8]「前記紫外線検出管の感度波長域に含まれる波長を有する紫外光を出力する第1発光素子を備え、前記第1発光素子は、半導体発光素子である、[1]~[7]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、紫外線検出管の動作確認を精度良く行うことが可能となる。すなわち、例えば、発光素子として放電管を使用した場合に比べて、目的とする波長を確実に得ることができる。
【0015】
本発明の紫外線検出装置は、[9]「前記回路基板に設けられ、前記第1発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号に基づいて前記紫外線検出管の駆動状態を判定する判定部を更に備える、[8]に記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、紫外線検出管の動作確認を含む、駆動状態の判定を行うことで、紫外線検出装置の動作信頼性を向上させることができる。
【0016】
本発明の紫外線検出装置は、[10]「前記第1発光素子が出力する前記紫外光よりも長い波長を有する光を出力する第2発光素子を更に備え、前記判定部は、前記第1発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号、及び前記第2発光素子の駆動に伴う前記紫外線検出管の出力信号に基づいて前記紫外線検出管の駆動状態を判定する、[9]に記載の紫外線検出装置」であってもよい。紫外線検出管においては、光に対して反応しなくなる不具合だけでなく、経年劣化等により、狙いの波長域(紫外領域)よりも長い波長域の光にも反応してしまうようになる不具合も発生し得る。[10]の紫外線検出装置では、例えば、紫外線検出管が正常に動作している場合には紫外線検出管が第1発光素子からの光に反応する一方で第2発光素子からの光に反応せず、紫外線検出管が正常に動作していない場合には紫外線検出管が第1発光素子からの光及び第2発光素子からの光の両方に反応するように第1発光素子及び第2発光素子からの光の波長を設定することで、上述した後者の不具合の発生を把握することができる。
【0017】
本発明の紫外線検出装置は、[11]「前記紫外線検出管における前記所定方向の一方側の部分と前記筐体との間には、弾性部材が介在しており、前記弾性部材は、前記一対の電極に対して前記所定方向の一方側に位置している、[8]~[10]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、第1発光素子からの光が弾性部材によって遮られることを抑制することができ、第1発光素子からの光が電極に入射しやすくなる。
【0018】
本発明の紫外線検出装置は、[12]「前記第1発光素子は、前記所定方向の一方側に向かって前記紫外光を出力するように、前記回路基板に配置されており、前記筐体のうち前記所定方向から見た場合に前記紫外線検出管と前記第1発光素子との間に位置する部分は、前記筐体の他の部分と比べて高い光反射率を有する、[8]~[11]のいずれかに記載の紫外線検出装置」であってもよい。この場合、第1発光素子を安定した状態で回路基板に固定することで、振動又は衝撃に対する耐性を向上させつつ、第1発光素子からの光が筐体の当該部分において反射されて紫外線検出管に入射しやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、振動又は衝撃に対する耐性を向上することができる紫外線検出装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の紫外線検出装置の斜視図である。
図2】紫外線検出装置の内部を示す斜視図である。
図3図2のIII-III線に沿っての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0022】
図1図3に示されるように、紫外線検出装置1は、紫外線検出管2と、回路基板3と、筐体4と、を備えている。紫外線検出装置1は、例えば、ボイラーにおける燃焼の監視、危険物取り扱い場所での失火の監視、倉庫又は施設での失火や火災の検知、発電所における放電の検知等に用いられる。以下、各図に示されるX方向、Y方向、Z方向(所定方向)を適宜参照しつつ説明する。Y方向はX方向に垂直な方向であり、Z方向はX方向及びZ方向に垂直な方向である。また、Z方向の一方側S1(各図中の上側)及び他方側S2(各図中の下側)を参照する。他方側S2は、一方側S1とは反対側である。
【0023】
紫外線検出管2は、容器10と、アノード21(電極)と、カソード22(電極)と、2つのアノード通電部23と、2つのカソード通電部24と、を備えている。容器10は管状の密閉容器であり、ステム部11及びバルブ部12を有している。この例では、ステム部11及びバルブ部12は、紫外線透過性を有する材料により一体的に形成されている。当該材料としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、紫外線透過ガラス、石英ガラス等が挙げられる。容器10内は気密に封止されており、容器10内には放電ガスGが封入されている。
【0024】
ステム部11は、例えば円形板状に形成されている。ステム部11の中央部にはZ方向の他方側S2に突出した突出部11aが形成されている。バルブ部12は、円筒部分13及び湾曲部分14を有している(図3)。円筒部分13は、Z方向に沿った中心線を有している。円筒部分13は、ステム部11からZ方向の一方側S1に延在している。湾曲部分14は、円筒部分13に対してZ方向の一方側S1に配置されており、円筒部分13に接続されている。湾曲部分14は、一方側S1に凸となるように、例えば球面状に湾曲している。
【0025】
アノード21は、アノード本体部21aと、2つのアノード接合部21bと、を有している。アノード21は、例えば、タングステン、ニッケル、モリブデン、銅、ステンレス、コバール金属等の金属材料により形成されている。アノード本体部21aは、例えば矩形平板状に形成されており、Z方向と垂直に配置されている。アノード本体部21aの中央部には、Z方向に沿ってアノード本体部21aを貫通する複数の孔21cが形成されている。複数の孔21cは、例えば一定の間隔を空けて二次元状に規則的に並んで配置されている。アノード接合部21bは、タブ状(矩形状)に形成され、アノード本体部21aからZ方向の他方側S2に延在している。2つのアノード接合部21bは、アノード本体部21aにおける対角に位置する一対の隅部にそれぞれ配置されている。
【0026】
カソード22は、カソード本体部22aと、2つのカソード接合部22bと、を有している。カソード22は、例えば、タングステン、ニッケル、モリブデン、銅、コバール金属等の金属材料により形成されている。カソード本体部22aは、例えば矩形平板状に形成されており、Z方向においてアノード本体部21aと向かい合うように、Z方向と垂直に配置されている。カソード本体部22aは、アノード本体部21aに対してZ方向の他方側S2に位置している。
【0027】
アノード本体部21aとは異なり、カソード本体部22aには孔が形成されていない。紫外線検出管2では、アノード本体部21aの孔21cを通過した光がカソード本体部22aの表面22cに入射する。表面22cは、カソード本体部22aのZ方向における一方側S1の表面(平坦面)であり(図3)、光電面として機能する。表面22cは、紫外域の光の入射に応じて光電子を放出する。カソード接合部22bは、タブ状(矩形状)に形成され、カソード本体部22aからZ方向の他方側S2に延在している。2つのカソード接合部22bは、カソード接合部22bにおける対角に位置する一対の隅部にそれぞれ配置されている。
【0028】
アノード通電部23は、棒状のピン(ステムピン)であり、ステム部11を貫通するように設けられ、ステム部11に固定されている。アノード通電部23は、アノード接合部21bに例えば溶接により接合されており、アノード接合部21bからZ方向に沿って容器10の外部まで真っ直ぐに延在している。アノード通電部23は、例えばコバール金属により形成されている。
【0029】
カソード通電部24は、棒状のピン(ステムピン)であり、ステム部11を貫通するように設けられ、ステム部11に固定されている。カソード通電部24は、カソード接合部22bに例えば溶接により接合されており、カソード接合部22bからZ方向に沿って容器10の外部まで真っ直ぐに延在している。カソード通電部24は、例えばコバール金属により形成されている。この例では、Z方向から見た場合に、2つのアノード通電部23は紫外線検出管2の中心を挟んで向かい合っており、2つのカソード通電部24は紫外線検出管2の中心を挟んで向かい合っている。
【0030】
紫外線検出管2の使用状態においては、アノード通電部23及びカソード通電部24を介してアノード21とカソード22との間に電圧が印加されている。使用状態において、容器10(バルブ部12)及びアノード21の孔21cを介してカソード22(表面22c)に紫外域の光が入射すると、カソード22から光電子が放出される。この光電子は、アノード21に引き寄せられ、容器10内の放電ガス分子と衝突して放電ガス分子を電離させる。電離によって発生した電子及び正イオンのうち、電子は更に他の放電ガス分子と衝突及び電離を繰り返してアノード21に至る。一方、正イオンは、カソード22に向けて加速され、カソード22に衝突して多くの二次電子を発生させる。以上の現象を繰り返すことにより、アノード21とカソード22との間に電流が流れ、放電状態となる。紫外線検出管2では、この放電現象を利用して紫外域の光を検出する。
【0031】
回路基板3は、例えば矩形平板状のプリント配線基板(PCB)であり、Z方向と垂直に配置されている。回路基板3は、例えば締結部材3a等を用いて筐体4に固定されている。この例では、回路基板3と筐体4との間に円筒状のスペーサ部材3bが配置されており、回路基板3は、Z方向に筐体4の底壁4bから所定の間隔を空けて配置されている。
【0032】
回路基板3上には、種々の電子部品31が実装されている。電子部品31は、例えば、紫外線検出管2を駆動するための駆動回路32(駆動部)を構成する電子部品を含んでいる。電子部品31は、各要素を制御するマイクロコンピュータ、紫外線検出管2からの出力信号を読み取る読取回路、DC-DCコンバータ等を含んでいてもよい。当該マイクロコンピュータは、後述する判定部60を構成する。なお、図2及び図3では2つの電子部品31が例示的に簡略化して示されているが、実際には回路基板3上には多数の電子部品が実装されている。
【0033】
回路基板3上には紫外線検出管2が実装されている。回路基板3には、アノード通電部23又はカソード通電部24を保持(固定)するための4つのソケット33が設けられている。これらのソケット33にアノード通電部23及びカソード通電部24がそれぞれ挿入されて保持されることにより、紫外線検出管2が回路基板3に保持されている。このように、紫外線検出管2は、Z方向の他方側S2では、アノード通電部23及びカソード通電部24において回路基板3に保持(固定)されている。図3に示されるように、容器10のステム部11(容器10における他方側S2の部分)と回路基板3との間にはZ方向に隙間Sが空いている。換言すれば、容器10のステム部11は、回路基板3に対して、隙間Sをもって離間するように配置されている。
【0034】
ソケット33は、例えば板バネからなる接触部を有し、ピン状のアノード通電部23又はカソード通電部24が挿入されると接触部がアノード通電部23又はカソード通電部24に弾性接触するように構成されている。これにより、ソケット33は、アノード通電部23又はカソード通電部24を挟み込んで保持する。この例では、ソケット33を介することで、例えばはんだ付けでの固定のように、アノード通電部23又はカソード通電部24は回路基板3に完全には固定されていない。通常状態では一定の固定状態が維持されるが、例えば紫外線検出装置1への振動又は衝撃によって紫外線検出管2に応力が掛かった場合には僅かに回路基板3に対する固定状態が変化可能となるように(アノード通電部23又はカソード通電部24が回路基板3に対して僅かに移動可能となるように)アノード通電部23又はカソード通電部24が弾性的に保持されている。よって、ピン状のアノード通電部23又はカソード通電部24が回路基板3に完全に固定されている場合と比べて、例えば紫外線検出装置1への振動又は衝撃によって紫外線検出管2に応力が掛かった場合に紫外線検出管2自体が破損してしまう可能性を低減することができる。紫外線検出管2はソケット33から取り外し可能であり、交換可能となっている。
【0035】
回路基板3上には、第1発光素子5及び第2発光素子6が更に実装されている。第1発光素子5及び第2発光素子6は、Y方向(Z方向に垂直な方向)において紫外線検出管2と隣り合うように配置されている。第1発光素子5及び第2発光素子6は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子である。第1発光素子5は、紫外線検出管2の感度波長域に含まれる波長を有する紫外光を第1光L1として出力する。第2発光素子6は、第1発光素子5が出力する第1光L1よりも長い波長を有する紫外光を第2光L2として出力する。一例として、第1光L1の波長は275nmであり、第2光L2の波長は365nmである。第1発光素子5及び第2発光素子6は、Z方向における一方側S1に向かって第1光L1及び第2光L2を出力するように配置されている。すなわち、第1発光素子5及び第2発光素子6の光出射面は、一方側S1を向いている。
【0036】
筐体4は、例えばアルミニウム等の金属材料により箱状に形成されている。筐体4は、紫外線検出管2及び回路基板3を収容している。筐体4は、紫外線検出管2に入射する光LTが導入される光導入部41を有している。この例では、光導入部41は、筐体4の頂壁4aに形成された開口4cにユニット42が取り付けられることによって構成されている。頂壁4aは、例えば、筐体4における他の部分に対して取り外し可能に構成された蓋部である。ユニット42は、第1部材51と、第2部材52と、窓部材53と、Oリング54と、Oリング55と、Oリング(弾性部材)56と、備えている。ユニット42は、筐体4の一部を構成している。図2では頂壁4a及び第1部材51等が省略して示されている。
【0037】
第1部材51は、円筒部51aと、円筒部51aにおけるZ方向の他方側S2の端部から径方向の外側に延在する円環状のフランジ部51bと、を有している。円筒部51aの内側にはOリング56が取り付けられている。Oリング56については後述する。第2部材52は、円筒部52aと、円筒部52aに対してZ方向の一方側S1に位置する円筒部52bと、円筒部52aと円筒部52bとの間に形成された円環状の接続部52cと、を有している。円筒部52aの内径は、円筒部51aの内径と略同一であり、円筒部52bの内径は、円筒部52aの内径よりも大きい。第1部材51及び第2部材52は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成されている。
【0038】
第1部材51は、円筒部51aが開口4c内に位置すると共にフランジ部51bが筐体4内において頂壁4aと向かい合うように配置され、フランジ部51bにおいて頂壁4aに固定されている。フランジ部51bは、例えばネジ等の締結部材(図示省略)によって頂壁4aに固定されている。第2部材52は、円筒部52aにおいて、例えばネジ等の締結部材(図示省略)によって第1部材51の円筒部51aに固定されている。
【0039】
窓部材53は、第2部材52の円筒部52aと第1部材51の円筒部51aとの間に配置されている。窓部材53は、例えばガラスにより平板状に形成されており、紫外域の光に対して光透過性を有している。窓部材53は、光導入部41からの異物が紫外線検出管2や回路基板3が収容された空間内に侵入することを抑制したり、光導入部41からの熱を遮断したりして、紫外線検出装置1を安定に動作させることに寄与する。窓部材53と円筒部52aとの間には主に封止部材として機能するOリング54が介在している。Oリング54は、窓部材53と円筒部52aとの間との間を封止し、例えば光導入部41からの異物が紫外線検出管2や回路基板3が収容された空間内に侵入することを抑制することができる。また、Oリング54は窓部材53への応力を緩和する機能も備えている。また、第2部材52の接続部52c上には主に封止部材として機能するOリング55が配置されている。Oリング54,55は、主に隣接部材間の封止のために用いられ、例えばゴムやウレタンのような樹脂材料からなる弾性材料により円環状に形成されている。
【0040】
第2部材52の円筒部52bの内面には、取付対象との取付けのためのネジ溝が形成されている。取付対象は、例えばボイラーに備えられた検出窓部である。例えば検出窓部に形成されたネジ山と円筒部52bの内面のネジ溝とを螺合させることにより、検出窓部に第2部材52(紫外線検出装置1)が取り付けられる。この際には上述したOリング55が検出窓部と第2部材52との間に介在することで、検出窓部と第2部材52との間を封止している。円筒部52bの内面には、検出窓部から到来する光LTを取り込みやすくするために、光反射率を高めるための加工が施されていてもよい。
【0041】
ボイラーの検出窓部から到来した光LTは、第2部材52から導入され、窓部材53に入射する。窓部材53は、入射した光LTのうち紫外域の光を透過させる。窓部材53を透過した光LTは、第1部材51及び開口4cを介して筐体4内に導入され、紫外線検出管2に入射する。これにより、ボイラーの検出窓部からの光LT、すなわちボイラーの炎に含まれる紫外光が紫外線検出管2において検出される。このように、紫外線検出管2は、炎センサとして機能し得る。
【0042】
紫外線検出管2は、Z方向の一方側S1においては、バルブ部12(紫外線検出管2における一方側S1の部分)において筐体4に保持(固定)されている。より具体的には、バルブ部12がOリング56を介在させつつ第1部材51の円筒部51aの内面に押し当てられることにより、Z方向の一方側S1においてバルブ部12が筐体4の頂壁4aに保持される。これにより、例えば紫外線検出装置1への振動又は衝撃によって紫外線検出管2がZ方向の一方側S1において、例えばX方向やY方向に揺動されることが抑制されている。さらに、筐体4の頂壁4aが、Oリング56を介してバルブ部12を回路基板3に向かって押さえ込むように押し付けている。つまり、筐体4の頂壁4aと回路基板3とで挟み込むように紫外線検出管2を固定している。これにより、Z方向での揺動も抑制されている。このように、この例では、バルブ部12は、光導入部41において筐体4に保持されている。
【0043】
このような保持は、例えば、Z方向の他方側S2において回路基板3に保持された紫外線検出管2に対して、ユニット42をZ方向の一方側S1から近づけることにより達成され得る。この場合、例えば、回路基板3が固定された筐体4の底壁4bに対して、ユニット42が固定された頂壁4aが近づけられる。これにより、Z方向の一方側S1及び他方側S2の各々において紫外線検出管2が保持され、結果として紫外線検出管2が筐体4内において保持される。この例では、紫外線検出管2は、湾曲部分14(Z方向の一方側S1の部分)が筐体4の光導入部41と向かい合うように配置されている。
【0044】
Oリング56は、主にバルブ部12と第1部材51との間に挟まれることでバルブ部12への応力を緩和するために設けられた弾性部材であって、例えばゴムやウレタンのような樹脂材料からなる弾性材料により円環状に形成されている。よって、Oリング56の弾性を利用することで、紫外線検出管2の固定と、当該固定に伴う紫外線検出管2と第1部材51との間の応力を緩和することによる紫外線検出管2の破損の抑制とを両立することができる。つまり、この構成によれば、紫外線検出管2を、Oリング56とソケット33によって、確実に、且つ応力を緩和しながら、筐体4に固定することができる。なお、Oリング56は、バルブ部12と第1部材51との間を封止する封止部材としても機能し、例えば光導入部41からの異物が紫外線検出管2や回路基板3が収容された空間内に侵入することを抑制することができる。Oリング56は、例えば円形状の断面を有している。Oリング56は、例えばシリコーンゴムにより形成されている。Oリング56の剛性は、容器10の剛性よりも低い。すなわち、Oリング56は容器10よりも柔らかい。
【0045】
Oリング56は、Z方向から見た場合に、アノード21及びカソード22と重ならないように配置されている。すなわち、Oリング56は、Z方向から見た場合に、アノード21及びカソード22よりも外側に位置している。Oリング56は、バルブ部12の湾曲部分14に接触している。この例では、Oリング56は、Z方向から見た場合に円筒部分13の縁と重なるように、湾曲部分14の外縁部に接触している。Z方向において、Oリング56の全体は、アノード21及びカソード22に対して一方側S1に位置している。
【0046】
紫外線検出装置1における動作確認について説明する。紫外線検出装置1は、紫外線検出管2の駆動状態を判定する判定部60を備えている。判定部60は、例えば、上述した回路基板3上に実装された電子部品31の1つであるマイクロコンピュータによって構成されている。
【0047】
動作確認時には、判定部60は、第1発光素子5に第1光L1を出力させる(駆動させる)と共に第2発光素子6に第2光L2を出力させる(駆動させる)。判定部60は、読取回路を介して紫外線検出管2からの出力信号を読み出し、第1発光素子5及び第2発光素子6の駆動に伴う紫外線検出管2の信号に基づいて、紫外線検出管2の駆動状態を判定する。この判定は、例えば紫外線検出装置1の電源がオンされたタイミングで実施される。電源がオンされた後に任意のタイミングで判定が更に実施されてもよい。判定結果は、任意の手段によって外部に出力されるか又はユーザに報知される。
【0048】
判定部60は、例えば、紫外線検出管2が第1光L1に反応する一方で第2光L2に対して反応しない場合、紫外線検出管2が正常に動作していると判定する。この場合、紫外線検出管2が狙いの波長(275nm)に対して感度を有する一方で、それよりも長い波長(365nm)に対して感度を有していないためである。一方、判定部60は、紫外線検出管2が第1光L1及び第2光L2に対して反応しない場合、紫外線検出管2に不具合が発生していると判定する。また、判定部60は、紫外線検出管2が第1光L1及び第2光L2に対して反応する場合にも、紫外線検出管2に不具合が発生していると判定する。この場合、紫外線検出管2が狙いの波長(275nm)だけでなく、それよりも長い波長(365nm)に対しても感度を有しているためである。このような不具合は、例えば経年劣化により発生し得る。
【0049】
第1発光素子5及び第2発光素子6から出力された第1光L1及び第2光L2は、例えば、第1部材51のフランジ部51bにおいて反射されて紫外線検出管2のバルブ部12に入射する。そのため、紫外線検出装置1では、フランジ部51bにおけるZ方向の他方側S2の表面51cが、筐体4の他の部分と比べて高い光反射率を有するように構成されている。表面51cは、筐体4のうちZ方向から見た場合に紫外線検出管2と第1発光素子5及び第2発光素子6との間に位置する部分であり、第1発光素子5及び第2発光素子6からの第1光L1及び第2光L2が紫外線検出管2に向かうように反射される部分である。例えば表面51cには、光反射率を高めるための加工が施されていてもよい。また、第1発光素子5及び第2発光素子6から出力された光は、筐体4内において反射及び散乱を繰り返すことによっても、紫外線検出管2のバルブ部12に入射し得る。
[作用及び効果]
【0050】
紫外線検出装置1では、紫外線検出管2が、Z方向の一方側S1では筐体4に保持されており、Z方向の他方側S2ではアノード通電部23又はカソード通電部24において回路基板3に保持されている。これにより、Z方向の一方側S1では筐体4によって紫外線検出管2を確実に保持することができ、また、Z方向の他方側S2では筐体4に固定された回路基板3によって紫外線検出管2を確実に保持することができる。このように、Z方向の一方側S1及び他方側S2の両方において紫外線検出管2を保持することで、振動や衝撃に対する耐性を効果的に高めることができる。よって、紫外線検出装置1によれば、振動又は衝撃に対する耐性(耐震性)を向上することができる。このような振動又は衝撃に対する耐性の向上は、例えば紫外線検出装置1をボイラーの監視に用いる場合に特に有効である。ボイラーの動作時には振動が発生しやすいためである。また、振動又は衝撃に対する耐性の向上は、紫外線検出装置1の輸送中又は取扱中の落下による不具合の発生を抑制する観点からも重要である。
【0051】
バルブ部12(紫外線検出管2におけるZ方向の一方側S1の部分)と筐体4との間にOリング56(弾性部材)が介在している。これにより、振動又は衝撃に対する耐性を一層向上することができる。
【0052】
Oリング56が、Z方向から見た場合に、アノード21及びカソード22と重ならないように配置されている。これにより、Oリング56によってアノード21及びカソード22に入射する光LTが遮られることを抑制することができ、感度の低下を抑制することができる。
【0053】
Oリング56が、容器10の湾曲部分14に接触している。これにより、例えばOリング56が容器10の円筒部分13の側面に接触する場合と比べて、紫外線検出管2を強固に保持することができる。
【0054】
Oリング56が、Z方向から見た場合に、円筒部分13の縁と重なるように配置されている。これにより、Oリング56によってアノード21及びカソード22に入射する光が遮られて感度が低下することを抑制しつつ、紫外線検出管2を強固に保持することができる。
【0055】
ステム部11(容器10におけるZ方向の他方側S2の部分)と回路基板3との間には隙間Sが空いている。これにより、振動又は衝撃により容器10が回路基板3に接触して破損することを抑制することができる。
【0056】
紫外線検出管2が、Z方向の一方側S1の部分が筐体4の光導入部41と向かい合うように配置されている。これにより、紫外線検出管2に好適な指向性を持たせて配置することができる。
【0057】
紫外線検出装置1は、紫外線検出管2の感度波長域に含まれる波長を有する紫外光(第1光L1)を出力する第1発光素子5を備え、第1発光素子5は、半導体発光素子である。これにより、紫外線検出管2の動作確認を精度良く行うことが可能となる。すなわち、発光素子として放電管を使用した場合に比べて、目的とする波長を確実に得ることができる。より具体的には、例えば、第1発光素子5に代えて水素放電管を配置し、水素放電管からの光の検出結果に基づいて紫外線検出管2の駆動状態を判定する場合、水素放電管からの光には赤外域の光も含まれているため、紫外線検出管2のソーラーブラインド特性までは確認することができない。これに対し、紫外線検出装置1では、半導体発光素子である第1発光素子5を用いることで、狙いの光(紫外光)を紫外線検出管2に検出させることでき、紫外線検出管2の動作確認を精度良く行うことが可能となる。
【0058】
紫外線検出装置1は、回路基板3に設けられ、第1発光素子5の駆動に伴う紫外線検出管2の出力信号に基づいて紫外線検出管2の駆動状態を判定する判定部60を備える。これにより、紫外線検出管2の動作確認を含む、駆動状態の判定を行うことで、紫外線検出装置1の動作信頼性を向上させることができる。より具体的には、例えば、紫外線検出管2の駆動状態は入射する紫外光の波長や光量によって変化し得るが、第1発光素子5として半導体発光素子を用いることで、安定した波長及び光量を有する紫外光を出力することができるため、一定の条件下において駆動状態の確認を行うことが可能となる。
【0059】
紫外線検出装置1は、第1発光素子5が出力する紫外光よりも長い波長を有する光(第2光L2)を出力する第2発光素子6を備えており、判定部60は、第1発光素子5の駆動に伴う紫外線検出管2の出力信号、及び第2発光素子6の駆動に伴う紫外線検出管2の出力信号に基づいて紫外線検出管2の駆動状態を判定する。この場合、上述したように、経年劣化等によって狙いの波長域(紫外領域)よりも長い波長域の光にも反応してしまうようになる不具合の発生を把握することができる。
【0060】
Oリング56が、アノード21及びカソード22に対してZ方向の一方側S1に位置している。これにより、第1発光素子5からの光がOリング56によって遮られることを抑制することができ、第1発光素子5からの光がアノード21及びカソード22に入射しやすくなる。
【0061】
第1発光素子5及び第2発光素子6が、Z方向の一方側S1に向かって紫外光(第1光L1及び第2光L2)を出力するように、回路基板3に配置されており、フランジ部51bの表面51c(筐体4のうちZ方向から見た場合に紫外線検出管2と第1発光素子5との間に位置する部分)が、筐体4の他の部分と比べて高い光反射率を有する。これにより、第1発光素子5及び第2発光素子6を安定した状態で回路基板3に固定することで、振動又は衝撃に対する耐性を向上させつつ、第1発光素子5及び第2発光素子6からの光がフランジ部51bの表面51cにおいて反射されて紫外線検出管2に入射しやすくなる。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。上記実施形態ではアノード本体部21a及びカソード本体部22aが平板状であったが、アノード本体部21a及びカソード本体部22a(アノード21及びカソード22)は棒状、又は棒状と平板状の組み合わせであってもよい。アノード通電部23とアノード21とは一体に形成されてもよく、カソード通電部24とカソード22とは一体に形成されてもよい。アノード通電部23の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。カソード通電部24の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。上記実施形態ではアノード通電部23及びカソード通電部24がソケット33を用いることで完全には固定されていなかったが、アノード通電部23及びカソード通電部24ははんだ付け等によって回路基板3に完全に固定されていてもよい。
【0063】
本実施形態においては、円環状の弾性部材であるOリング56を用いたが、弾性部材は、多角形状の弾性部材や線状の弾性部材を巻き付けたものでもよいし、複数に分割した弾性部材を所望の位置に配置したものでもよいし、所望の位置に弾性材料を塗布し、固化させたものでもよい。Oリング56は、Z方向から見た場合にアノード21及びカソード22と重なる部分を有していてもよい。Oリング56は、容器10の円筒部分13の側面に接触しててもよい。Oリング56は、アノード21及びカソード22に対してZ方向の他方側S2に位置していてもよい。Oリング56は省略されてもよく、例えばバルブ部12が第1部材51に直接に接触してもよい。紫外線検出管2を回路基板3に保持する手段はソケット33に限られず、任意の保持手段であってよい。紫外線検出管2は、ステム部11が回路基板3に接触した状態で保持されてもよい。
【0064】
第2発光素子6は省略されてもよく、第1発光素子5のみが設けられてもよい。この場合、判定部60は、第1発光素子5の駆動に伴う紫外線検出管2の出力信号に基づいて紫外線検出管2の駆動状態を判定する。第1発光素子5及び第2発光素子6の両方が省略されてもよい。フランジ部51bの表面51cは、筐体4の他の部分と比べて高い光反射率を有していなくてもよく、例えば筐体4の内面の全体が同一の光反射率を有していてもよい。
【0065】
上記実施形態では紫外線検出管2におけるZ方向の一方側S1の部分が筐体4の光導入部41と向かい合っていたが、紫外線検出管2の配置はこれに限られない。例えば、アノード本体部21a及びカソード本体部22aは棒状である場合、紫外線検出管2に対して側方から光を入射させてもよい。上記実施形態では紫外線検出管2が光導入部41において筐体4に保持されていたが、紫外線検出管2は光導入部41以外の位置において筐体4に保持されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…紫外線検出装置、2…紫外線検出管、3…回路基板、4…筐体、5…第1発光素子、6…第2発光素子、10…容器、13…円筒部分、14…湾曲部分、21…アノード(電極)、22…カソード(電極)、23…アノード通電部、24…カソード通電部、32…駆動回路、41…光導入部、56…Oリング、60…判定部、G…放電ガス、LT…光、S…隙間、S1…一方側、S2…他方側。
図1
図2
図3