(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162347
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】充電ケーブル
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241114BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241114BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077748
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 将
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
5H125FF13
(57)【要約】
【課題】断線時に、充電ケーブル全体が交換されることを回避又は抑制する。
【解決手段】充電ケーブルは、前記商用電源に着脱可能に接続されるプラグと、前記電動車の充電インレットに着脱可能に接続されるコネクタと、前記プラグと前記コネクタとの間に介在し、前記商用電源から前記電動車への充電を制御するコントロールボックスと、前記コントロールボックスと前記コネクタとを互いに接続するケーブル部と、を備えてもよい。前記ケーブル部の一端は前記コネクタに対して着脱可能に構成されてもよく、前記ケーブル部の他端は前記コントロールボックスに対して着脱可能に構成されてもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源に電動車を接続するための充電ケーブルであって、
前記商用電源に着脱可能に接続されるプラグと、
前記電動車の充電インレットに着脱可能に接続されるコネクタと、
前記プラグと前記コネクタとの間に介在し、前記商用電源から前記電動車への充電を制御するコントロールボックスと、
前記コントロールボックスと前記コネクタとを互いに接続するケーブル部と、
を備え、
前記ケーブル部の一端は前記コネクタに対して着脱可能に構成されており、
前記ケーブル部の他端は前記コントロールボックスに対して着脱可能に構成されている、
充電ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、充電ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、商用電源に電動車を接続するための充電ケーブルが記載されている。充電ケーブルは、商用電源に着脱可能に接続されるプラグと、充電インレットに着脱可能に接続されるコネクタと、プラグとコネクタとの間に介在し、商用電源から電動車への充電を制御する充電回路遮断装置(CCID)と、CCIDとコネクタとを互いに接続するケーブル部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような充電ケーブルには、商用電源と充電インレットとの間を接続するために、長く延びるケーブル部が設けられている。そのため、曲げや踏みつけ等により、ケーブル部で断線が生じ得る。しかしながら、このようにケーブル部で断線が生じた場合であっても、ケーブル部が充電ケーブルの他の構成要素と一体に形成されていることから、充電ケーブル全体を交換することが余儀なくされる。本明細書は、このような問題を回避又は抑制し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、商用電源に電動車を接続するための充電ケーブルを開示する。充電ケーブルは、前記商用電源に着脱可能に接続されるプラグと、前記電動車の充電インレットに着脱可能に接続されるコネクタと、前記プラグと前記コネクタとの間に介在し、前記商用電源から前記電動車への充電を制御するコントロールボックスと、前記コントロールボックスと前記コネクタとを互いに接続するケーブル部と、を備えてもよい。前記ケーブル部の一端は前記コネクタに対して着脱可能に構成されてもよく、前記ケーブル部の他端は前記コントロールボックスに対して着脱可能に構成されてもよい。
【0006】
上記した充電ケーブルでは、ケーブル部は、コントロールボックスとコネクタとのそれぞれに対して、着脱可能に構成されている。従って、ケーブル部に断線が生じたときには、ケーブル部のみを交換することができ、合理的である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】充電ケーブルの構成を模式的に示す図である。
【
図2】ケーブル部が着脱される充電コネクタの雄型コネクタを示す図。
【
図3】ケーブル部の両端の接続構造を説明する端面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して、実施例の充電ケーブル10を説明する。充電ケーブル10は、例えば家庭用の100V又は200Vの商用電源を用いた電動車2の充電に用いられる。
図1に示すように、電動車2は、充電ケーブル10が着脱される充電インレット6を備える。充電インレット6には、電動車2の内部において、二つのケーブル8a、8bが接続されている。一方のケーブル8aは、充電インレット6から電動車2バッテリへ延びており、充電インレット6から当該バッテリへ充電電力を供給する。他方のケーブル8bは、接地線であり、例えば車体4に接続されている。充電ケーブル10は、通常、充電インレット6から取り外された状態で、電動車2の荷室等に搭載されている。
【0009】
充電ケーブル10は、充電コネクタ12と、コントロールボックス16と、電源プラグ20と、第1ケーブル部14と、第2ケーブル部18とを備える。第1ケーブル部14は、充電コネクタ12とコントロールボックス16とを互いに接続しており、第2ケーブル部18は、コントロールボックス16と電源プラグ20とを互いに接続している。
【0010】
充電コネクタ12は、充電ケーブル10の一端に位置している。充電コネクタ12の一端12aは、電動車2の充電インレット6に対して着脱可能に構成されている。充電コネクタ12は、充電インレット6に接続されたときに、充電インレット6に対してロックされる。充電コネクタ12には、そのロックを解除するためのロック解除ボタン13が設けられている。充電コネクタ12の他端12bは、第1ケーブル部14に接続される。
【0011】
電源プラグ20は、充電ケーブル10の他端に位置している。電源プラグ20は、商用電源のソケットに対して着脱可能に構成されている。
【0012】
コントロールボックス16は、充電ケーブル10の中間に位置しており、電源プラグ20と充電コネクタ12との間に介在する。コントロールボックス16の一端16aは、第1ケーブル部14に接続される。コントロールボックス16の他端16bは、第2ケーブル部18に接続される。コントロールボックス16は、商用電源から電動車2への充電を制御する。コントロールボックス16は、充電回路遮断装置(CCID)を含み、電動車2との通信に応じて、商用電源から電動車2への充電電力の供給及び遮断を切り替える。
【0013】
図2、3を参照して、第1ケーブル部14と充電コネクタ12との接続構造について詳しく説明する。
【0014】
図2、
図3に示すように、第1ケーブル部14の一端14aは、充電コネクタ12の他端12bに対して着脱可能に構成されている。充電コネクタ12の他端12bには、雄型コネクタ22(
図2参照)が設けられている。雄型コネクタ22は、コネクタ本体22xと、複数(本実施例では4つ)の雄型端子22a、22b、22c、22dとを有する。各雄型端子22a、22b、22c、22dは、棒状を有し、金属で構成されている。各雄型端子22a、22b、22c、22dは、第1電力端子22aと、第2電力端子22bと、接地端子22cと、信号端子22dとを含む。第1電力端子22a及び第2電力端子22bとは、給電用の端子である。信号端子22dは、CPLT(コントロールパイロット)信号を送る端子である。
【0015】
コネクタ本体22xは、例えば樹脂等の絶縁性を有する材料で構成されている。コネクタ本体22xは、複数の雄型端子22a、22b、22c、22dを支持する。コネクタ本体22xには、第1ケーブル部14との対向面に凹部22eが設けられている。凹部22eの底面には、複数(本実施例では4つ)の穴22fが設けられている。複数の穴22fには、穴22f毎に複数の雄型端子22a、22b、22c、22dのうちの一つがそれぞれ配置されている。各雄型端子22a、22b、22c、22dは、互いに電気的に独立している。
【0016】
第1ケーブル部14の一端14aには、雄型コネクタ22に着脱可能に接続される雌型コネクタ24が設けられている。雌型コネクタ24は、コネクタ本体24xと、複数(本実施例では4つ)の雌型端子24c、24dと、を有する。複数の雌型端子24c、24dは、第1電力端子と、第2電力端子と、接地端子24cと、信号端子24dとを含む。
【0017】
コネクタ本体24xは、例えば樹脂等の絶縁性を有する材料で構成されている。コネクタ本体24xは、複数の雌型端子24c、24dを支持する。コネクタ本体24xには、充電コネクタ12の雄型コネクタ22との対向面に複数の突出部24gが設けられている。各突出部24gは、筒状を有する。複数の突出部24gには、突出部24g毎に複数の雌型端子24c、24dのうちの一つがそれぞれ配置されている。各雌型端子24c、24dには、挿入孔が形成されている。雌型コネクタ24のコネクタ本体24xが、雄型コネクタ22の凹部22eに挿入されると、複数の雄型端子22a、22b、22c、22dが、複数の雌型端子24c、24dの挿入孔へ案内される。複数の雌型端子24c、24dの挿入孔のそれぞれに、複数の雄型端子22a、22b、22c、22dのうちの対応する端子が挿入されることによって、第1ケーブル部14と充電コネクタ12とが電気的に接続される。第1ケーブル部14の雌型コネクタ24の第1電力端子、第2電力端子、接地端子24c、信号端子24dはそれぞれ、充電コネクタ12の雄型コネクタ22の第1電力端子22a、第2電力端子22b、接地端子22c、信号端子22dにそれぞれ接続される。
【0018】
一例ではあるが、雄型コネクタ22のコネクタ本体22xと、雌型コネクタ24のコネクタ本体24xとには、それぞれロック穴22h、24hが設けられている。充電コネクタ12に第1ケーブル部14を接続した場合に、2つのロック穴22h、24hが重なり合う位置に配置されている。この場合、第1ケーブル部14と充電コネクタ12との接続構造を、例えばロックキーを用いて、雄型コネクタ22と雌型コネクタ24の接続がロック可能に構成することができる。
【0019】
同様に、第1ケーブル部14の他端14bは、コントロールボックス16の一端16aに対して着脱可能に構成されている。コントロールボックス16の一端16aには、雄型コネクタ28が設けられている。コントロールボックス16の雄型コネクタ28は、充電コネクタ12と同様に構成されることができ、コネクタ本体28xと、複数(本実施例では4つ)の雄型端子28c、28dとを有する。コネクタ本体28xには、凹部28eと、複数の穴28fと、ロック穴28hが設けられている。
【0020】
第1ケーブル部14の他端14bには、コントロールボックス16の雄型コネクタ28と着脱可能に接続される雌型コネクタ26が設けられている。第1ケーブル部14の他端14bの雌型コネクタ26は、一端14aと同様に構成されることができ、コネクタ本体26xと、複数(本実施例では4つ)の雌型端子26c、26dとを有する。コネクタ本体26xには、複数の突出部26gとロック穴26hとが設けられている。
【0021】
上述した充電ケーブル10には、商用電源と充電インレット6との間を接続するために、長く延びる第1ケーブル部14が設けられる。そのため、曲げや踏みつけ等により、第1ケーブル部14で断線が生じ得る。しかしながら、このように第1ケーブル部14で断線が生じた場合であっても、第1ケーブル部14が充電ケーブル10の他の構成要素と一体に形成されていると、充電ケーブル10の全体を交換することが余儀なくされる。
【0022】
この点に関して、本実施例の充電ケーブル10では、第1ケーブル部14が、コントロールボックス16と充電コネクタ12とのそれぞれに対して、着脱可能に構成されている。従って、第1ケーブル部14に断線が生じたときには、第1ケーブル部14のみを交換することができ、合理的である。また、第1ケーブル部14が着脱可能であることから、ユーザは、例えば自身の充電環境に応じて、第1ケーブル部14の長さを選択することも可能となる。
【0023】
なお、第1ケーブル部14に生じた断線は、外部から視認することができないことも多い。そのことから、充電ケーブル10は、第1ケーブル部14の導通/断線を自ら検査し得る構成を有してもよい。そして、充電ケーブル10は、その検査結果をユーザに報知する報知手段を、例えばコントロールボックス16に備えてもよい。
【0024】
一例ではあるが、本実施例では、第1ケーブル部14の両端14a、14bに雌型コネクタ24、26がそれぞれ配置されている。雌型端子24c、24d、26c、26dは、接続時に負荷が加えられるため、雄型端子22a、22b、22c、22d、28c、28dよりも比較的寿命が短い。従って、このような比較的寿命が短い雌型端子を、交換可能な第1ケーブル部14側に設けることにより、充電ケーブル10全体としての寿命を長くすることができる。変形例では、第1ケーブル14の両端14a、14bに雄型コネクタがそれぞれ配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0025】
10:充電ケーブル、12:充電コネクタ、14:第1ケーブル部、16:コントロールボックス、18:第2ケーブル部、20:電源プラグ、22:充電コネクタの雄型コネクタ、24、26:第1ケーブル部の雌型コネクタ、28:コントロールボックスの雄型コネクタ