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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162358
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】計量システム
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/06 20060101AFI20241114BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G01G13/06 Z
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077771
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】513142806
【氏名又は名称】株式会社カサイ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和功
【テーマコード(参考)】
2F046
3C707
【Fターム(参考)】
2F046AA01
2F046FA01
2F046FA05
3C707AS14
3C707ES03
3C707EV10
3C707LV06
(57)【要約】
【課題】小型設備を実現することができる計量システムを提供すること。
【解決手段】計量システム1は、計量台21を有する計量器20と、粉体材料Waを収容し、粉体材料を吐出するための開口111aを有する粉体容器111と、ロボットハンド71を備えるロボット70と、ロボットを制御する制御装置80とを備える。制御装置80は、ロボットハンドの閉動作によりロボットハンドに粉体容器を挟持させる容器挟持動作S12を実行し、粉体容器を挟持した状態で計量台の上方にてロボットハンドを揺動回転させることにより粉体容器を揺動回転させ、粉体容器の開口から粉体容器の中の粉体材料を計量台に供給する粉体供給動作S15,S17を実行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量台(21)を有する計量器(20)と、
粉体材料(Wa)を収容し、前記粉体材料を吐出するための開口(111a)を有する粉体容器(111)と、
ロボットハンド(71)を備えるロボット(70)と、
前記ロボットを制御する制御装置(80)と、を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記粉体容器を挟持させる容器挟持動作(S12)を実行し、
前記粉体容器を挟持した状態で前記計量台の上方にて前記ロボットハンドを揺動回転させることにより前記粉体容器を揺動回転させ、前記粉体容器の前記開口から前記粉体容器の中の前記粉体材料を前記計量台に供給する粉体供給動作(S15,S17)を実行する、計量システム(1)。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記粉体供給動作の基準動作として、前記粉体容器の前記開口が上寄りの方向を向く初期姿勢から前記開口が下寄りの方向を向く下向姿勢に変化させる供給揺動回転を実行し、前記供給揺動回転に次いで前記供給揺動回転の逆回転動作により前記下向姿勢から前記初期姿勢に戻す復帰揺動回転を実行し、
前記粉体供給動作の前記基準動作を複数回実行する、請求項1に記載の計量システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記粉体材料の供給目標量に基づいて前記基準動作の回数を演算し、
前記粉体供給動作として、演算した前記回数だけ前記基準動作を実行する、請求項2に記載の計量システム。
【請求項4】
前記粉体容器の内面は、中心軸線を基準とする軸対称形状または前記中心軸線を通る平面に対する面対称形状に形成され、かつ、前記粉体容器の前記開口が前記中心軸線を含む位置に形成されている、請求項1または2に記載の計量システム。
【請求項5】
さらに、
前記開口に挿入可能な棒(112a)を有し、前記開口を閉塞する蓋(112)を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの動作により、前記粉体容器から前記蓋を取り外し、かつ、取り外した前記蓋を蓋置台に載置する蓋取外動作(S11)を実行し、
前記蓋取外動作に次いで、前記容器挟持動作および前記粉体供給動作を実行し、
前記粉体供給動作に次いで、前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記蓋を挟持させる蓋挟持動作(S21)を実行し、
前記計量台に供給された前記粉体材料の盛り高さを調整する高さ調整動作(S22)を実行する、請求項1または2に記載の計量システム。
【請求項6】
さらに、
流動性材料(Wb)を収容する流動性材料容器(121)と、
圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記流動性材料を吸引可能に構成され、前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより、吸引済みの前記流動性材料を吐出可能に構成されたスポイト(131)と、を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記スポイトを挟持させるスポイト挟持動作(S34)を実行し、
前記スポイトの先端を前記流動性材料容器内の前記流動性材料に接触した状態において、前記ロボットハンドの開動作により前記スポイトの前記圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記スポイトに前記流動性材料を吸引させる吸引動作(S38)を実行し、
前記ロボットハンドの搬送により、前記スポイトを挟持した状態で、前記スポイトを前記計量台の上方に搬送するスポイト搬送動作(S41)を実行し、
前記ロボットハンドの閉動作により前記スポイトの前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより前記スポイトに吸引された前記流動性材料を前記計量台に吐出する吐出動作(S42)を実行する、請求項1または2に記載の計量システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記流動性材料の供給目標量が前記スポイトの最大吸引可能量より大きいか否かを判定すると共に、前記流動性材料の供給目標量が前記スポイトの最大吸引可能量以下の場合に前記流動性材料の供給目標量に応じた前記スポイトの前記圧縮量を演算し、
前記吸引動作において、
前記流動性材料の供給目標量が前記スポイトの最大吸引可能量より大きいと判定された場合には、前記スポイトの前記圧縮量を最大圧縮量から吸引規定圧縮量へ変化させることにより前記流動性材料を吸引させ、
前記流動性材料の供給目標量が前記スポイトの最大吸引可能量以下と判定された場合に、前記スポイトの前記圧縮量を前記流動性材料の供給目標量に応じた演算量から前記吸引規定圧縮量へ変化させることにより前記流動性材料を吐出する、請求項6に記載の計量システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記吐出動作において、前記ロボットハンドの閉動作および搬送を同時に行うことにより、前記計量台に吐出される前記流動性材料の位置を移動させる、請求項6に記載の計量システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記吐出動作において、前記計量台に前記流動性材料が既に吐出された状態で、追加で前記流動性材料を吐出する場合において、前記ロボットハンドの閉動作および搬送を同時に行うことにより、前記流動性材料の前回吐出の終端近傍から、前記流動性材料の今回吐出を開始する、請求項8に記載の計量システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記吐出動作に次いで、前記ロボットハンドの開動作の後に搬送を行うことにより、前記スポイトの先端に付着する前記流動性材料を内部に吸引した状態で、前記スポイトを戻し搬送する戻し搬送動作(S37)を実行する、請求項6に記載の計量システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記スポイト搬送動作において、前記スポイトの先端を前記流動性材料容器内の前記流動性材料から離間させて前記ロボットハンドの開動作の後に搬送を行うことにより、前記スポイトの先端に付着する前記流動性材料を内部に吸引した状態で、前記スポイトを搬送する、請求項6に記載の計量システム。
【請求項12】
前記制御装置は、
前記スポイト搬送動作において、前記スポイトの先端を前記流動性材料容器に接触させて前記スポイトの姿勢を所望姿勢とし、次いで前記スポイトを搬送する、請求項6に記載の計量システム。
【請求項13】
計量台(21)を有する計量器(20)と、
流動性材料(Wb)を収容する流動性材料容器(121)と、
ロボットハンド(71)を備えるロボット(70)と、
圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記流動性材料を吸引可能に構成され、前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより、吸引済みの前記流動性材料を吐出可能に構成されたスポイト(131)と、
前記ロボットを制御する制御装置(80)と、を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記スポイトを挟持させるスポイト挟持動作(S34)を実行し、
前記スポイトの先端を前記流動性材料容器内の前記流動性材料に接触した状態において、前記ロボットハンドの開動作により前記スポイトの前記圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記スポイトに前記流動性材料を吸引させる吸引動作(S38)を実行し、
前記ロボットハンドの搬送により、前記スポイトを挟持した状態で、前記スポイトを前記計量台の上方に搬送するスポイト搬送動作(S41)を実行し、
前記ロボットハンドの閉動作により前記スポイトの前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより前記スポイトに吸引された前記流動性材料を前記計量台に吐出する吐出動作(S42)を実行する、計量システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場などにおいては自動化が図られているのに対して、粉体材料や流動性材料の検査や研究においては、まだまだ作業者の手作業により行われる作業が多数存在する。製造工場における自動化設備は、産業ロボットなどを含む大型設備であるため、材料の検査や研究において、製造工場と同様の自動化設備をそのまま利用することができない場合が多い。
【0003】
特許文献1には、食品中の微生物を検査する食品衛生検査に適用し、1種のロボットハンドにより、シャーレの搬送、ピペットの操作、試験管およびコンラージ棒の把持並びに操作など、多種の操作を行うことが記載されている。つまり、ロボットハンドが複数の機能を実施できるような形状に形成されることにより、上記を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/095743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
粉体材料や流動性材料の検査や研究において、粉体材料や流動性材料の計量を行うことは重要である。これまでは、計量作業は、作業者の手作業により行うことが一般的であった。さらに、自動化を行うとしても、製造工場と同様の産業機械を用いた大型設備ではなく、小型設備にて実現することも重要である。特許文献1に記載の設備を用いることにより小型設備により実現することが可能となる。ピペットを用いて材料を供給することが記載されているが、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、小型設備を実現することができる計量システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様は、計量台を有する計量器と、
粉体材料を収容し、前記粉体材料を吐出するための開口を有する粉体容器と、
ロボットハンドを備えるロボットと、
前記ロボットを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記粉体容器を挟持させる容器挟持動作を実行し、
前記粉体容器を挟持した状態で前記計量台の上方にて前記ロボットハンドを揺動回転させることにより前記粉体容器を揺動回転させ、前記粉体容器の前記開口から前記粉体容器の中の前記粉体材料を前記計量台に供給する粉体供給動作を実行する、計量システムにある。
【0008】
本発明の第二態様は、計量台を有する計量器と、
流動性材料を収容する流動性材料容器と、
ロボットハンドを備えるロボットと、
圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記流動性材料を吸引可能に構成され、前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより吸引済みの前記流動性材料を吐出可能に構成されたスポイトと、
前記ロボットを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記ロボットハンドの閉動作により前記ロボットハンドに前記スポイトを挟持させるスポイト挟持動作を実行し、
前記スポイトの先端を前記流動性材料容器内の前記流動性材料に接触した状態において、前記ロボットハンドの開動作により前記スポイトの前記圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより前記スポイトに前記流動性材料を吸引させる吸引動作を実行し、
前記ロボットハンドの搬送により、前記スポイトを挟持した状態で、前記スポイトを前記計量台の上方に搬送するスポイト搬送動作を実行し、
前記ロボットハンドの閉動作により前記スポイトの前記圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより前記スポイトに吸引された前記流動性材料を前記計量台に吐出する吐出動作を実行する、計量システムにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第一態様によれば、粉体容器を挟持した状態で計量台の上方にてロボットハンドを揺動回転させることにより粉体容器を揺動回転させ、粉体容器の開口から粉体容器の中の粉体材料を計量台に供給する粉体供給動作を実行している。従って、粉体材料を収容した粉体容器を設置するだけで、所望量の粉体材料を計量台に供給することができる。
【0010】
また、本発明の第二態様によれば、ロボットハンドの開閉動作によりスポイトの圧縮量を調整することができ、スポイトの圧縮量を調整することにより流動性材料の吸引および吐出を行うことができる。従って、スポイトと流動性材料容器を設置するだけで、所望量の流動性材料を計量台に供給することができる。
【0011】
以上のごとく、上記態様によれば、小型設備を実現することができる計量システムを提供することができる。
【0012】
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1における、計量システムの構成を示す平面図で。
図2】計量システムを構成する制御装置による処理を示すフローチャート。
図3】計量システムを構成する制御装置による処理を示すフローチャート。
図4】計量システムを構成する制御装置による処理を示すフローチャート。
図5】計量システムにおいて、ロボットハンドがバルブバキュームを用いて計量皿を搬送する過程を示す図。
図6】計量システムにおいて、ロボットハンドが粉体容器から蓋を取り外す過程を示す図。
図7】計量システムにおいて、ロボットハンドが粉体容器を用いて粉体材料を計量皿に供給する過程を示す図。
図8】計量システムにおいて、ロボットハンドが蓋を用いて粉体材料を平坦化する過程を示す図。
図9】計量システムにおいて、ロボットハンドがスポイトに流動性材料を吸引するまでの過程を示す図。
図10】計量システムにおいて、ロボットハンドがスポイトを用いて計量皿に供給する過程を示す図。
図11】実施形態2における、制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
1.計量システム1の構成
計量システム1について、図1を参照して説明する。計量システム1は、対象材料として粉体材料Waおよび流動性材料Wbの計量を行うシステムである。計量システム1は、作業者の作業と人協働ロボット70との協働により行われる。例えば、作業者は、計量皿101、粉体容器111、流動性材料容器121などを準備し、設置する。人協働ロボット70は、計量皿101に、所望量の粉体材料Waまたは流動性材料Wbを供給するための動作を行う。以下、計量システム1の詳細構成について説明する。
【0015】
計量システム1は、ベース10を備え、ベース10上に、計量器20、皿置台30、第一容器設置台40、第二容器設置台50、廃棄容器60、人協働ロボット70、制御装置80を備える。ベース10は、任意の形状に形成されることができる。ベース10は、例えば、テーブルなどを適用でき、起立姿勢または座位姿勢の作業者が作業しやすい高さに設定されている。
【0016】
計量器20は、ベース10上における、図1の左下領域に設置される。計量器20は、対象材料の質量を計測できる機器である。計量器20は、対象材料を載置するための計量台21、表示部22を備え、図示しないが計量を実施するための制御部を備える。つまり、計量器20は、計量台21に載置された対象材料の質量を計測し、表示部22に計測した質量を表示することができる。
【0017】
計量器20は、電源ON動作の後には、電源OFFになるまでの間、計量台21に載置された対象材料の質量を常時計測することもできる。また、計量器20は、電源ON動作の後において、計量開始信号をトリガーとして、計量台21に載置された対象材料の質量を計測することもできる。
【0018】
本実施形態においては、計量器20は、さらに、必要に応じて、任意の計量下皿23を備える。計量下皿23は、計量台21の上に載置され、例えば、板状本体部分の縁に持ち運び用の取手部23aを有している。
【0019】
皿置台30は、ベース10上における、計量器20の近傍に設置される。本実施形態においては、皿置台30は、図1の左上領域に設置される。皿置台30上には、複数の計量皿101が、重ねた状態で載置される。計量皿101が、所望量の粉体材料Waまたは流動性材料Wbを受ける部材を構成する。
【0020】
皿置台30は、計量皿101が設置される領域の近傍に、バルブバキューム102を設置するためのバキューム設置台31を備える。バルブバキューム102は、後述するように(図5(a)参照)、ゴムや樹脂などにより形成されており内部に空間を有する弾性変形部102aと、先端に吸引部102bとを備える。バキューム設置台31には、貫通孔が形成されている。バキューム設置台31の貫通孔には、バルブバキューム102の吸引部102bの部分が挿入可能であり、バルブバキューム102を所定姿勢にて保持できるように構成されている。
【0021】
第一容器設置台40は、例えば、ベース10上における、図1の下側領域に配置されている。第一容器設置台40は、複数の粉体容器111を載置可能な容器台41と、粉体容器111に取り付けられる蓋112を載置可能な蓋置台42とを備える。粉体容器111は、粉体材料Waを収容する。また、粉体容器111は、後述するように(図6(b)参照)、粉体材料Waを吐出するための開口111aを有する。
【0022】
本実施形態においては、粉体容器111の内面は、中心軸線を基準とする軸対称形状または中心軸線を通る平面に対する面対称形状に形成されている。粉体容器111の内面は、軸対称形状の例として円筒内周面に形成されていたり、面対称形状の例として角筒内周面に形成されていたりする。また、粉体容器111の開口111aは、中心軸線を含む位置に形成されている。つまり、開口111aは、開口111aが形成される面の中心に位置することを意味する。開口111aの形状は、例えば円形断面形状、角形断面形状などに形成されている。また、粉体容器111は、1つの開口111aを有するようにしても良いし、複数の開口111aを有するようにしても良い。
【0023】
蓋112は、粉体容器111の開口111aを閉塞するように構成されている。本実施形態においては、蓋112は、粉体容器111の開口111aに挿入可能な棒112aを有する。つまり、棒112aが開口111aに挿入されることで、蓋112は、開口111aを閉塞することができる。なお、蓋112は、棒112aを有しない構成としても良い。また、蓋112は、粉体容器111の開口111aを有する面上に載置されるだけとしても良いし、ねじなどにより取り付けられるようにしても良い。
【0024】
蓋置台42は、容器台41に隣接して配置されている。蓋置台42には、貫通孔42aが形成されている。蓋置台42の貫通孔42aには、蓋112の棒112aが挿入可能であり、蓋112を所定姿勢にて保持できるように構成されている。ただし、蓋112が棒112aを有しない構成の場合には、蓋置台42の貫通孔42aは不要となる。
【0025】
第二容器設置台50は、例えば、ベース10上における、図1の右側領域に配置されている。第二容器設置台50は、複数の流動性材料容器121を載置可能な容器台51と、流動性材料容器121に取り付けられる蓋122を載置可能な蓋置台52と、スポイト131を立てた状態で載置可能なスポイト置台53とを備える。
【0026】
流動性材料容器121は、液体、コロイド溶液(ゾル)などの流動性材料Wbを収容する。また、流動性材料容器121は、後述するように(図9(a)参照)、開口121aを有する。本実施形態においては、開口121aは、流動性材料容器121における流動性材料Wbが貯留している底面寄りの部分と同程度の面積を有する。
【0027】
蓋122は、流動性材料容器121の開口121aを閉塞するように構成されている。蓋122は、流動性材料容器121の開口121aを有する面上に載置されるだけとしても良いし、ねじなどにより取り付けられるようにしても良い。蓋置台52は、容器台51に隣接して配置されている。蓋置台52には、蓋122を位置決めできるように突起52aを有するようにしても良い。スポイト置台53は、容器台51に隣接して配置されている。スポイト置台53は、複数のスポイト131のそれぞれを挿入可能な複数の貫通孔を有する。
【0028】
スポイト131は、圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させることにより流動性材料を吸引可能に構成されている。反対に、スポイト131は、圧縮量を小さい状態から大きい状態へ変化させることにより、吸引済みの流動性材料を吐出可能に構成されている。
【0029】
廃棄容器60は、例えば、使用済みのスポイト131を廃棄するための容器である。また、使用済みの計量皿101を廃棄する場合には、廃棄容器60は、使用済みの計量皿101を廃棄するための容器として用いることもできる。廃棄容器60は、例えば、ベース10上における、第二容器設置台50の近傍に配置される。
【0030】
人協働ロボット70は、ベース10上における中央付近に配置されており、シリアル型の多軸ロボットにより構成される。ベース10上における外周領域は、人協働ロボット70による作業領域であり、かつ、作業者による作業領域を構成する。従って、人協働ロボット70は、作業者による作業領域における作業を可能となるように、高い安全性を有するように構成されている。
【0031】
人協働ロボット70は、先端部が人協働ロボット70の周囲に位置することができるように、さらに、先端部が各位置において様々な姿勢を取ることができるように構成されている。本形態においては、人協働ロボット70は、例えば、6個の回転軸と5個のアームとを備えて構成される。ただし、人協働ロボット70は、シリアル型に限定されるものではなく、パラレル型や、他の任意の機械構成を有するようにしても良い。
【0032】
本形態においては、人協働ロボット70は、先端に一対のロボットハンド71,71を備える。従って、人協働ロボット70は、人協働ロボット70の周囲において、一対のロボットハンド71,71の位置および姿勢を自由に取ることができる。
【0033】
一対のロボットハンド71,71は、相互の離間距離を変更することにより対象物を挟持できるように構成されている。一対のロボットハンド71,71は、複数の対象物を挟持できるように、複数の対象物のそれぞれの形状に応じた部位を有する。例えば、ロボットハンド71,71のある部位は、小径の対象物を挟持できるように、離間距離が短い部分であって、平行に対向する平面を有する。また、他の部位は、大径の対象物を挟持できるように、離間距離が長い部分であって、平行に対向する平面を有する。また、他の部位は、湾曲した凹面を有する。
【0034】
さらに、一対のロボットハンド71,71の表面は、部位に応じて、異なる材質により形成されても良い。例えば、形状安定性の高く耐摩耗性の高い金属または硬質樹脂からなる部位や、ゴムやエラストマーなどの摩擦係数が大きな材質からなる部位、弾性変形することにより耐衝撃性の高い材質からなる部位などを有しても良い。
【0035】
人協働ロボット70は、例えば、バルブバキューム102の挟持および操作、計量皿101の挟持および搬送、粉体容器111の挟持および搬送、蓋112の挟持および搬送、蓋122の挟持および搬送、スポイト131の挟持、操作および搬送などを行う。
【0036】
作業者は、人協働ロボット70が行わない作業を行うと良い。例えば、作業者は、計量皿101を皿置台30へ設置すること、粉体材料Waを粉体容器111に補給すること、流動性材料Wbを流動性材料容器121に補給すること、バルブバキューム102やスポイト131を設置することなどを行う。このように、作業者による作業と人協働ロボット70による作業とにより協働して行われる。
【0037】
制御装置80は、計量器20および人協働ロボット70を制御する。詳細には、制御装置80は、計量器20の制御装置および人協働ロボット70の制御装置と通信を行い、所定のプログラムを実行することにより、計量器20の制御装置および人協働ロボット70の制御装置への指令を行う。
【0038】
2.制御装置80による処理
制御装置80による処理について、図2図10を参照して説明する。以下において、制御装置80による処理について、計量システム1の起動から計量皿101の搬送までの初期準備処理、対象材料が粉体材料Waの場合の処理、対象材料が流動性材料Wbの場合の処理に分けて説明する。
【0039】
2-1.初期準備処理
制御装置80による初期準備処理について、図2および図5を参照して説明する。初期準備処理は、皿置台30に載置されている計量皿101を、計量器20の計量台21上に搬送するための処理である。
【0040】
図2に示すように、制御装置80は、図示しない起動ボタンが作業者により押されたことを取得することにより、計量システム1の起動を判定する(図2のS1)。起動されていなければ、起動されるまで待機する(図2のS1:No)。続いて、制御装置80は、対象材料の種類情報を取得し(図2のS2)、対象材料の供給目標量を取得する(図2のS3)。対象材料の種類情報および対象材料の供給目標量は、予め作業者により入力されている。
【0041】
続いて、図5(a)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、一対のロボットハンド71,71にバルブバキューム102の弾性変形部102aを挟持させる(図2のS4:挟持動作の実行)。このときの圧縮量は、バルブバキューム102が計量皿101を吸引することができる程度の圧縮量とされる。
【0042】
続いて、図5(b)に示すように、制御装置80は、バルブバキューム102の弾性変形部102aを挟持した状態で、バルブバキューム102の吸引部102bを、皿置台30に載置されている計量皿101の中央付近に接触させる。そして、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の開動作により、バルブバキューム102の弾性変形部102aの圧縮量を小さくする。このようにして、バルブバキューム102に、計量皿101を吸着させる(図2のS5:吸着動作の実行)。
【0043】
続いて、図5(c)に示すように、制御装置80は、バルブバキューム102により計量皿101を吸着させた状態で、バルブバキューム102および計量皿101を搬送する(図2のS6:搬送動作の実行)。そして、計量皿101が計量台21上に設置した後に、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、吸引部102bによる計量皿101の吸引状態を解消させる。従って、計量皿101が計量台21上に設置される。
【0044】
続いて、図5(d)に示すように、制御装置80は、バルブバキューム102を挟持した状態で、バルブバキューム102をバキューム設置台31へ戻し搬送する(図2のS7:戻し搬送動作の実行)。続いて、制御装置80は、入力された対象材料の種類情報が粉体材料Waであるか、流動性材料Wbであるかを判定する(図2のS8:判定処理の実行)。以下に説明するように、制御装置80は、対象材料が粉体材料Waである場合と流動性材料Wbである場合とで、異なる処理を行う。
【0045】
2-2.粉体材料における処理
図2のS8において、対象材料が粉体材料Waである場合について(S8:Yes)、図3図6図8を参照して説明する。
【0046】
対象材料が粉体材料Waである場合には(S8:Yes)、図6(a)~図6(c)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71により、容器台41に載置されている粉体容器111から蓋112を取り外し、取り外した蓋112を蓋置台42に載置する(図3のS11:蓋取外動作の実行)。
【0047】
詳細には、図6(a)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、蓋112を挟持する。続いて、図6(b)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71を移動させることにより、蓋112を粉体容器111の上方へ移動することにより、蓋112の棒112aが粉体容器111から抜かれる。続いて、図6(c)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71を移動させることにより、蓋112の棒112aを蓋置台42の貫通孔42aに挿入する。このようにして、蓋112が蓋置台42に載置される。
【0048】
続いて、図7(a)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、蓋112が取り外された粉体容器111を挟持し、一対のロボットハンド71,71の搬送により、挟持した粉体容器111を計量台21の上方に搬送する(図3のS12:容器挟持動作、容器搬送動作の実行)。
【0049】
続いて、制御装置80は、図2のS3にて取得した供給目標量(質量)と、計量皿101に供給されている粉体材料Waの現在供給量(質量)との差分を演算する(図3のS13:演算処理の実行)。初期においては、現在供給量は、ゼロであるため、差分は、供給目標量に等しい。
【0050】
続いて、制御装置80は、演算した差分が基準供給量より大きいか否かを判定する(図3のS14:判定処理の実行)。ここで、基準供給量は、粉体供給動作の基準動作を予め設定された回数実行した場合に、粉体容器111から計量皿101に供給される粉体材料Waの質量である。
【0051】
粉体供給動作の基準動作について、図7(a)~図7(c)を参照して説明する。図7(a)に示すように、一対のロボットハンド71,71が粉体容器111を挟持した状態で、粉体容器111の開口111aが上寄りの方向を向く初期姿勢とされる。例えば、初期姿勢は、粉体容器111の開口が真上を向く方向とする。ただし、初期姿勢は、粉体容器111から粉体材料Waが落下しない姿勢であれば、傾斜姿勢としても良い。
【0052】
続いて、図7(b)に示すように、一対のロボットハンド71,71の揺動回転により、粉体容器111に対して、初期姿勢から粉体容器111の開口111aが下寄りの方向を向く下向姿勢に変化させる供給揺動回転を実行する。例えば、下向姿勢は、水平から下方へ10°~80°の範囲に回転させた姿勢である。図7(b)においては、下向姿勢は、水平から下方へ30°回転させた姿勢を図示する。この供給揺動回転の実行により、粉体容器111の中の粉体材料Waが、粉体容器111の開口111aから吐出され、計量皿101に供給される。
【0053】
続いて、図7(c)に示すように、一対のロボットハンド71,71を供給揺動回転の逆回転動作により、粉体容器111に対して、下向姿勢から初期姿勢に戻す復帰揺動回転を実行する。つまり、粉体供給動作の基準動作は、図7(a)に示す初期姿勢から図7(b)に示す下向姿勢に変化し、さらに図7(c)に示す初期姿勢に戻るまでの一連の動作である。
【0054】
基準供給量は、上述したように、粉体供給動作の基準動作を予め設定された回数実行した場合に、粉体容器111から計量皿101に供給される粉体材料Waの質量である。予め設定される回数は、基本は、複数回であるが、1回とすることもできる。例えば、予め設定される回数が5回とすると、図7(a)~図7(c)の基準動作を5回行った場合に供給される粉体材料Waの質量が、基準供給量となる。ここで、通常、基準動作による粉体材料Waの供給量にはばらつきがある。従って、複数回の基準動作の試験を行い、複数回の基準動作による供給量の平均値を、基準動作の供給量として用いると良い。
【0055】
そして、上述したように、図3のS14において、制御装置80は、演算した差分が基準供給量より大きいか否かを判定する。差分が基準供給量よりも大きい場合には(S14:Yes)、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の動作により、規定回数の基準動作により粉体材料Waを計量皿101に供給する(図3のS15:粉体供給動作の実行)。
【0056】
詳細には、図7(b)(c)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71を揺動回転させることにより、粉体容器111を揺動回転させ、粉体容器111の開口111aから粉体材料Waを計量皿101に供給する(粉体供給動作の実行)。つまり、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71に、上述した基準動作を実行させる。
【0057】
そして、ここでは、図3のS14において、差分が基準供給量よりも大きい場合であるため、続いて、図7(d)(e)に示すように、粉体供給動作の基準動作を規定回数だけ実行する。規定回数が、例えば、5回に設定されている場合には、5回の基準動作を実行する。
【0058】
一方、図3のS14において、差分が基準供給量以下である場合には(S14:No)、制御装置80は、差分に基づいて基準動作の回数を演算する(図3のS16:演算処理の実行)。具体的には、制御装置80は、基準動作を何回実行した場合に、差分をゼロに近づけるかを演算する。例えば、1回の基準動作による供給量が0.5gであって、差分が1.5gの場合には、3回の基準動作により1.5gの粉体材料Waを供給することができる。そこで、この例においては、制御装置80は、基準動作の回数として、3回を導出する。
【0059】
続いて、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71を動作させることにより、演算した回数の基準動作により粉体材料Waを供給する(図3のS17:粉体供給動作の実行)。図3のS17においては、図3のS15の動作に対して、基準動作の回数が異なるのみで、他は同様の動作となる。
【0060】
図3のS15、S17における粉体材料Waの供給に続いて、制御装置80は、計量器20による計量を実行させる(図3のS18:計量処理の実行)。計量器20は、常時計量処理を実行するようにしても良いし、例えば計量開始信号をトリガーとして計量処理を実行するようにしても良い。前者の場合には、計量器20は常時計量処理を実行しているが、安定した計量を実現するために、粉体材料Waの供給を一旦停止している状態において計量するのが好ましい。そこで、このタイミングにおいて、計量器20による計量を実行する。後者の場合には、図3のS18において、制御装置80は、計量開始信号を出力することにより、計量器20による計量を実行させる。
【0061】
そして、制御装置80は、計量結果としての計量皿101に供給された現在供給量が供給目標量に到達したか否かを判定する(図3のS19:判定処理の実行)。ここでの供給目標量に到達した場合とは、現在供給量が、供給目標量を基準として許容範囲内に含まれている場合を含むようにしても良いし、供給目標量を超過している場合のみを対象としても良い。
【0062】
現在供給量が供給目標量に到達していない場合には(S19:No)、S13に戻り処理を繰り返す。つまり、現在供給量が供給目標量に到達するまで、制御装置80は、粉体容器111を揺動回転することにより、粉体材料Waを供給し続ける。
【0063】
現在供給量が供給目標量に到達した場合には(S19:Yes)、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の搬送により、粉体容器111を容器台41に戻し搬送する(図3のS20:戻し搬送動作の実行)。
【0064】
続いて、図8(a)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71を蓋置台42に移動させて、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、蓋112を挟持する(図3のS21:蓋挟持動作の実行)。
【0065】
続いて、図8(b)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71が蓋112を挟持した状態で、蓋112を計量台21の上方に搬送する。そして、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の往復動作により、蓋112の棒112aを用いて計量皿101に供給された粉体材料Waの盛り高さを調整する(図3のS22:盛り高さ調整動作の実行)。図8(c)に示すように、計量皿101上の粉体材料Waは、平坦化される。
【0066】
続いて、図8(c)(d)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の搬送により蓋112を搬送して、容器台41に載置された粉体容器111に、蓋112を取り付ける(図3のS23:取付動作の実行)。
【0067】
以上のようにして、所望量の粉体材料Waが、計量台21に設置された計量皿101に供給される。なお、計量後においては、作業者が計量皿101を取り出し、別の部位で任意の作業を行うことができる。また、計量器20が計量以外の処理を行う場合には、計量後において、制御装置80は、計量器20に計量後処理を実行させる。
【0068】
2-3.流動性材料における処理
図2のS8において、対象材料が流動性材料Wbである場合について(S8:No)、図4図9図10を参照して説明する。図10(a)~図10(f)において、上段は、水平方向から見た図を示し、下段は、計量台21の上方から見た図を示す。
【0069】
対象材料が流動性材料Wbである場合には(S8:No)、図9(a)(b)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71により、容器台51に載置されている流動性材料容器121から蓋122を取り外し、取り外した蓋122を蓋置台52の突起52aに載置する(図4のS31:蓋取外動作の実行)。
【0070】
続いて、制御装置80は、図2のS3にて取得した供給目標量(質量)と、計量皿101に供給されている流動性材料Wbの現在供給量(質量)との差分の演算(図4のS32:演算処理の実行)。初期においては、現在供給量は、ゼロであるため、差分は、供給目標量に等しい。
【0071】
続いて、制御装置は、演算した差分が基準吸引可能量より大きいか否かを判定する(図4のS33:判定処理の実行)。基準吸引可能量は、スポイト131による1回の最大吸引可能量である。
【0072】
ここで、一対のロボットハンド71,71によるスポイト131の圧縮量として、最大圧縮量、最小圧縮量、吸引規定圧縮量、垂下防止圧縮量が規定されている。最大圧縮量は、一対のロボットハンド71,71によりスポイト131を最大に押し潰した状態の圧縮量である。最小圧縮量は、一対のロボットハンド71,71によりスポイト131を搬送できる把持力を発揮する程度に最小に押し潰した状態の圧縮量である。吸引規定圧縮量は、最大圧縮量と最小圧縮量との間であって、最小圧縮量寄りに位置する圧縮量である。詳細には、スポイト131の圧縮量が吸引規定圧縮量から最小圧縮量に変化することにより、スポイト131に吸引された流動性材料Wbがスポイト131の先端から垂れないようにする程度の微少拡張量に対応する。垂下防止圧縮量は、最大圧縮量と吸引規定圧縮量との間であって、最大圧縮量から僅かに拡張した圧縮量である。
【0073】
そして、図4のS33における基準吸引可能量は、上述したように、スポイト131による1回の最大吸引可能量である。詳細には、基準吸引可能量は、スポイト131の圧縮量が最大圧縮量から吸引規定圧縮量に至るまでに、スポイト131に吸引される流動性材料Wbの量(質量)に相当する。ただし、通常、基準吸引可能量にはばらつきがある。従って、複数回の上記動作の試験を行い、複数回の動作による吸引可能量の平均値を、基準吸引可能量として用いると良い。
【0074】
そして、上述したように、図3のS33において、制御装置80は、演算した差分が基準吸引可能量より大きいか否かを判定する。差分が基準吸引可能量よりも大きい場合には(S33:Yes)、図9(c)(d)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、一対のロボットハンド71,71に基準圧縮量でスポイト131を挟持させる(図4のS34:スポイト挟持動作の実行)。
【0075】
一方、図3のS33において,差分が基準吸引可能量以下である場合には(S33:No)、制御装置80は、供給目標量と現在供給量との差分に基づいてスポイト131の圧縮量を演算する(図4のS35:演算処理の実行)。以下において、演算された圧縮量を、演算量と称する。
【0076】
続いて、図9(c)(d)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、一対のロボットハンド71,71に演算された圧縮量(演算量)でスポイト131を挟持させる(図4のS36:挟持動作の実行)。
【0077】
図4のS34、S36におけるスポイト131の挟持に続いて、図9(e)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の搬送により、スポイト131を流動性材料容器121の位置に搬送し、スポイト131の先端を流動性材料容器121へ挿入する(図4のS37:搬送動作の実行)。そうすると、スポイト131の先端が、流動性材料容器121内の流動性材料に接触した状態となる。
【0078】
続いて、図9(f)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の開動作によりスポイト131の圧縮量を大きい状態から小さい状態へ変化させる。詳細には、制御装置80は、スポイト131の圧縮量を吸引規定圧縮量に至るまで拡張する。吸引規定圧縮量は、上述したように、最大圧縮量と最小圧縮量との間であって、最小圧縮量寄りの圧縮量である。そうすると、スポイト131に流動性材料Wbを吸引される(図4のS38:吸引動作の実行)。吸引量は、初期の圧縮量におけるスポイト131内の空間体積と吸引規定圧縮量におけるスポイト131内の空間体積との差に、流動性材料の比重を掛けた値となる。
【0079】
従って、スポイト131の圧縮量を最大圧縮量から吸引規定圧縮量へ変化させた場合には、スポイト131は、最大吸引可能量を吸引することになる。一方、スポイト131の圧縮量を図4のS35における演算量から吸引規定圧縮量へ変化させた場合には、スポイト131は、図4のS32において演算された供給目標量と現在供給量との差分に応じた分だけ吸引することになる。
【0080】
続いて、図9(g)に示すように、制御装置80は、スポイト131の先端を流動性材料容器121内の流動性材料Wbから離間させる。そして、図9(h)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の開動作により、スポイト131の微少拡張を行う(図4のS39:拡張動作の実行)。詳細には、スポイト131の圧縮量を、吸引規定圧縮量から最小圧縮量へ変化させる。この動作により、スポイト131の先端に付着した状態の流動性材料Wbが、スポイト131の内部に吸引される。
【0081】
続いて、図9(i)(j)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の往復移動により、スポイト131の姿勢の適正化動作を行う(図4のS40:適正化動作の実行)。詳細には、制御装置80は、スポイト131を一対のロボットハンド71,71の離間方向に直交する水平方向に移動させて、スポイト131の先端を流動性材料容器121の開口付近に接触させる。その後、制御装置80は、スポイト131を逆方向に移動させて、スポイト131の先端を流動性材料容器121の開口付近に接触させる。このようにして、スポイト131の姿勢を所望姿勢(例えば垂直姿勢)にする。
【0082】
続いて、図9(k)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の搬送により、スポイト131の先端を流動性材料容器121から抜き出し、計量台21へ搬送する(図4のS41:スポイト搬送動作の実行)。つまり、スポイト131の搬送は、スポイト131は所望姿勢にされた状態で、かつ、流動性材料Wbがスポイト131の先端から下方に垂れることのない状態で、行われる。
【0083】
続いて、図10(a)~図10(c)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、スポイト131の圧縮量を最小圧縮量から最大圧縮量になるまで変化させて、スポイト131を押潰す。このようにして、スポイト131の内部に吸引されていた流動性材料Wbを計量台21上の計量皿101に吐出する(図4のS42:吐出動作の実行)。
【0084】
従って、スポイト131に最大吸引可能量の流動性材料Wbが吸引された場合には、当該最大吸引可能量の流動性材料Wbが、計量皿101に吐出される。一方、スポイト131に、図4のS35における演算量(演算された圧縮量)に対応する分だけ吸引された場合には、当該演算量に対応する流動性材料Wbが、計量皿101に吐出される。
【0085】
本実施形態においては、図10(a)~図10(c)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作と同時に搬送を行う。例えば、スポイト131を、螺旋状や円形状などに搬送する。従って、図10(a)~図10(c)に示すように、計量皿101に吐出された流動性材料Wbは、螺旋状や円形状になる。ただし、この現象は、粘性の高い流動性材料Wbの場合に生じる。一方、粘性の低い流動性材料Wbの場合には、吐出された位置から流動し得る。
【0086】
続いて、制御装置80は、計量器20による計量を実行させる(図4のS43:計量処理の実行)。計量器20は、常時計量処理を実行するようにしても良いし、例えば計量開始信号をトリガーとして計量処理を実行するようにしても良い。前者の場合には、計量器20は、常時計量処理を実行しているが、安定した計量を実現するために、流動性材料Wbの供給を一旦停止している状態において計量するのが好ましい。そこで、このタイミングにおいて、計量器20による計量を実行する。後者の場合には、図4のS43において、制御装置80は、計量開始信号を出力することにより、計量器20による計量を実行させる。
【0087】
続いて、図9(i)に示すように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の開動作により、スポイト131の微少拡張を行う(図4のS44:拡張動作の実行)。詳細には、スポイト131の圧縮量を、最大圧縮量から微少量だけ小さくした垂下防止圧縮量へ変化させる。この動作により、スポイト131の先端に付着した状態の流動性材料Wbが、スポイト131の内部に吸引される。なお、S44のスポイト131の微少拡張動作は、S43の計量処理の前に行うようにしても良い。
【0088】
そして、制御装置80は、計量結果としての計量皿101に供給された現在供給量が供給目標量に到達したか否かを判定する(図4のS45:判定処理の実行)。ここでの供給目標量に到達した場合とは、現在供給量が、供給目標量を基準として許容範囲内に含まれている場合を含むようにしても良いし、供給目標量を超過している場合のみを対象としても良い。
【0089】
現在供給量が供給目標量に到達していない場合には(S45:No)、S32に戻り処理を繰り返す。つまり、現在供給量が供給目標量に到達するまで、制御装置80は、再びスポイト131により流動性材料容器121内の流動性材料Wbを吸引して、吸引した流動性材料Wbを計量皿101に吐出する動作を繰り返す。
【0090】
ここで、再びスポイト131に流動性材料Wbを吸引させるために、図4のS37において、制御装置80は、スポイト131を計量器20の位置から流動性材料容器121の位置へ戻し搬送する(戻し搬送動作の実行)。つまり、戻し搬送動作は、図4のS44におけるスポイト131の微少拡張の後に実行するため、流動性材料Wbがスポイト131の先端から下方に垂れることのない状態で行われる。
【0091】
そして、図4のS41において、再びスポイト131に吸引された流動性材料Wbを計量皿101に吐出させるために、スポイト131を計量台21へ搬送する。そして、図4のS42において、再びスポイト131の圧縮量が最大圧縮量になるまで押潰す。
【0092】
この吐出動作においては、図10(e)(f)に示すように、計量皿101に流動性材料Wbが既に吐出された状態で、追加で流動性材料Wbを吐出することになる。このとき、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作および搬送を同時に行うことにより、流動性材料Wbの前回吐出の終端付近から、流動性材料Wbの今回吐出を開始する。そして、スポイト131を螺旋状または円形状などに搬送することで、計量皿101に吐出された流動性材料Wbは、螺旋状または円形状になる。
【0093】
そして、図4のS45において、現在供給量が供給目標量に到達した場合には(S45:Yes)、一対のロボットハンド71,71の搬送により、スポイト131を搬送する。このとき、使用済みのスポイト131を破棄する場合には、当該スポイト131を廃棄容器60へ搬送する。使用済みのスポイト131を再使用する場合には、当該スポイト131をスポイト置台53に戻し搬送する(図4のS46:搬送動作の実行)。
【0094】
続いて、図10(b)に示す状態から図10(a)に示す状態となるように、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、一対のロボットハンド71,71に蓋122を挟持させて、一対のロボットハンド71,71の搬送により、容器台51に載置された流動性材料容器121の位置に、蓋122を搬送する。(図4のS47:取付動作の実行)。
【0095】
以上のようにして、所望量の流動性材料Wbが、計量台21に設置された計量皿101に供給される。なお、計量後においては、作業者が計量皿101を取り出し、別の部位で任意の作業を行うことができる。また、計量器20が計量以外の処理を行う場合には、計量後において、制御装置80は、計量器20に計量後処理を実行させる。
【0096】
3.作用効果
図7に示すように、本実施形態における計量システム1は、粉体容器111に収容された粉体材料Waを計量台21に容易に供給することができる。詳細には、粉体材料Waの供給において、粉体容器111を挟持した状態で計量台21の上方にて一対のロボットハンド71,71を揺動回転させることにより粉体容器111を揺動回転させ、粉体容器111の開口111aから粉体容器111の中の粉体材料Waを計量台に供給する粉体供給動作を実行している。従って、粉体材料Waを収容した粉体容器111を設置するだけで、所望量の粉体材料Waを計量台21に供給することができる。
【0097】
特に、粉体容器111の揺動回転を行う際に、図7(c)に示すように、毎回、粉体容器111の姿勢を初期姿勢に戻している。これにより、1回の基準動作による粉体材料Waの供給量を安定させることができる。
【0098】
また、図3のS16、S17のように、粉体材料Waの供給目標量に基づいて基準動作の回数を演算し、演算した回数だけ基準動作を実行することにより、所望量の粉体材料Waを供給することができる。特に、1回の基準動作による供給量を少なく設定することにより、微調整が可能となる。
【0099】
また、図6および図7に示すように、粉体容器111において、開口111aは、中央に位置する。従って、一対のロボットハンド71,71が挟持する粉体容器111の位置によらずに、粉体材料Waを供給することができる。
【0100】
また、蓋112に棒112aを設けることにより、粉体容器111の蓋機能と、供給された粉体材料Waの盛り高さ調整機能との兼用を図ることができる。さらに、蓋112を粉体容器111に取り付けた状態において、蓋112の棒112aが、粉体容器111の開口111aに挿入される構成とすることにより、開口111aが、粉体材料Waの供給のための穴と、棒112aの収容のための穴との兼用を図ることができる。
【0101】
また、図9に示すように、本実施形態における計量システム1は、流動性材料容器121に収容された流動性材料Wbを計量台21に容易に供給することができる。詳細には、一対のロボットハンド71,71の開閉動作によりスポイト131の圧縮量を調整することができ、スポイト131の圧縮量を調整することにより流動性材料Wbの吸引および吐出を行うことができる。従って、スポイト131と流動性材料容器121を設置するだけで、所望量の流動性材料Wbを計量台21に供給することができる。
【0102】
ピペットの場合には複雑なロボットハンドを用いる必要がある。しかし、本実施形態においては、流動性材料Wbを供給する際に、スポイト131を用いている。そのため、一対のロボットハンド71,71はスポイト131を挟持することだけで足りる。さらに、一対のロボットハンド71,71の開閉動作は、多種の用途に用いることもできるため、汎用性が高い。特に、本実施形態においては、スポイト131を搬送するために挟持するための一対のロボットハンド71,71の開閉動作と、スポイト131に流動性材料Wbを吸引または吐出するための一対のロボットハンド71,71の開閉動作とは、同種の動作である。このように、一対のロボットハンド71,71を簡易な構成として、多機能とすることができる。
【0103】
また、図4のS35、S36、S37、S38、S42にて実行したように、流動性材料Wbの供給目標量に基づいてスポイト131の圧縮量を演算し、演算した圧縮量に応じた流動性材料Wbをスポイト131に吸引させ、吸引した流動性材料Wbを吐出させる。このように、一対のロボットハンド71,71によるスポイト131の圧縮量を調整することで、計量皿101に供給する流動性材料Wbの量を調整することができる。従って、所望量の流動性材料Wbを得ることができる。
【0104】
また、図10に示すように、計量皿101において、スポイト131を押し潰しながら搬送することにより、流動性材料Wbの吐出位置を移動させている。さらに、再度、スポイト131に吸引させた流動性材料Wbを吐出させる際においても、吐出位置を前回位置から移動させている。特に、前回吐出の終端近傍から、今回吐出を開始している。
【0105】
これらにより、計量皿101において、流動性材料Wbの位置が満遍なく広がった状態となる。これにより、安定した計量を図ることができる。また、計量後処理においても、流動性材料Wbが満遍なく広がった状態であることが望ましい処理においては、特に好ましい。
【0106】
また、流動性材料Wbをスポイト131で搬送する場合において、スポイト131の先端に流動性材料Wbの付着状態によっては、付着している流動性材料Wbが垂下するおそれがある。そこで、流動性材料容器121から計量台21へスポイト131を搬送する際において、一対のロボットハンド71,71の開動作の後に搬送を行うようにしている。さらに、再びスポイト131に流動性材料Wbを吸引させるために、計量台21から流動性材料容器121にスポイト131を搬送する際においても、一対のロボットハンド71,71の開動作の後に搬送を行うようにしている。この動作により、スポイト131の先端に付着した流動性材料Wbが、垂下することを防止できる。
【0107】
(実施形態2)
実施形態2の計量システム1について、図11を参照して説明する。図11に示すように、計量システム1の制御装置80は、まず計量処理を実行する(S50)。計量処理とは、実施形態1において説明した計量処理であって、図2図4に示す処理である。
【0108】
続いて、制御装置80は、計量器20による計量後処理を実行する(S51)。計量後処理は、任意の処理であって、例えば、加熱、冷却、乾燥、攪拌、所定のガス雰囲気の生成などを行うことができる。そして、計量後処理を行った際の対象材料の質量を計測することができる。計量器20によっては、質量以外の要素を計測することができるようにしても良い。
【0109】
制御装置80は、計量後処理が完了したか否かを判定し、計量後処理が終了するまで待機する(S52:No)。制御装置80は、計量後処理が完了したと判定された場合には(S52:Yes)、一対のロボットハンド71,71の閉動作により、計量皿101を載置した状態の計量下皿23の取手部23aを挟持し、一対のロボットハンド71,71の搬送により計量下皿23を廃棄容器60まで搬送する(S53)。そして、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の姿勢を傾けることにより、計量下皿23に載置されている計量皿101を廃棄容器60内に廃棄する。
【0110】
続いて、制御装置80は、一対のロボットハンド71,71の搬送により、計量下皿23の取手部23aを挟持した状態で計量下皿23を計量台21の上に搬送する(S54)。続いて、制御装置80は、全ての処理が完了したか否かを判定し(S55)、処理を継続する場合にはS50に戻り処理を繰り返す。一方、全ての処理が完了した場合には、処理を終了する。
【0111】
本実施形態においては、計量に加えて、計量後処理についても、自動化が可能となる。
【0112】
(変形態様)
上記実施形態においては、計量システム1は、対象材料として、粉体材料Waおよび流動性材料Wbの両方を適用できることとした。ただし、計量システム1は、粉体材料Waのみを対象とすることもできるし、流動性材料Wbのみを対象とすることもできる。
【0113】
また、上記実施形態においては、計量器20において、初期に設置する計量皿101には何も載置されていないものを用いることとした。つまり、上記実施形態においては、空の計量皿101の上に、対象材料を供給することとした。この他に、計量器20に、初期に設置する計量容器に別の材料が収容されている状態として、当該計量容器に、対象材料である粉体材料Waまたは流動性材料Wbを供給することもできる。この場合、計量容器において、既に収容されている別の材料と、今回供給する対象材料である粉体材料Waまたは流動性材料Wbとを混ぜることができる。
【0114】
また、上記実施形態においては、計量システム1は、計量皿101に供給する対象材料として、粉体材料Waと流動性材料Wbとの一方のみとした。この他に、計量皿101に、所望量の粉体材料Waを供給し、さらに、所望量の流動性材料Wbを供給することで、粉体材料Waと流動性材料Wbとを混ぜることもできる。
【符号の説明】
【0115】
1 計量システム
10 ベース
20 計量器
21 計量台
22 表示部
23 計量下皿
23a 取手部
30 皿置台
31 バキューム設置台
40 第一容器設置台
41 容器台
42 蓋置台
42a 貫通孔
50 第二容器設置台
51 容器台
52 蓋置台
52a 突起
53 スポイト置台
60 廃棄容器
70 人協働ロボット
71 ロボットハンド
80 制御装置
101 計量皿
102 バルブバキューム
102a 弾性変形部
102b 吸引部
111 粉体容器
111a 開口
112 蓋
112a 棒
121 流動性材料容器
121a 開口
122 蓋
131 スポイト
Wa 粉体材料
Wb 流動性材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11