(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162359
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】セルフレジシステム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20241114BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/00 331B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077775
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】398040158
【氏名又は名称】株式会社ビジュアルジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 徳廣
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA16
3E142CA12
3E142DA08
3E142GA02
3E142GA32
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】ソフトウェアの改修を最小限に留め容易に機能追加ができるセルフレジシステムを提供する。
【解決手段】セルフレジシステム1は、顧客により操作され、購入する商品の精算に関する機能が割り当てられた操作子画像を有する精算画像を生成するPOSアプリ213a及び第1スキンアプリ213bと、カメラ51で撮像されたプレビュー画像223a及び店員呼出ボタン223bを含む監視画像を生成する第2スキンアプリ213cと、を備えている。また、セルフレジシステム1は、精算画像と監視画像が表示される表示部22を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客により操作され、購入する商品の精算に関する機能が割り当てられた操作子画像を有する精算画像を生成する第1処理部と、
監視カメラにより前記顧客を撮像中であることを示す画像及び店員の呼び出しのための呼出操作用画像のうち少なくともいずれかを含む監視画像を生成する第2処理部と、
前記精算画像と前記監視画像が表示される表示部と、
を備えていることを特徴とするセルフレジシステム。
【請求項2】
前記精算画像と前記監視画像とは、1つの表示装置に重ねて表示されることを特徴とする請求項1に記載のセルフレジシステム。
【請求項3】
前記顧客を撮像中であるすることを示す画像は、前記監視カメラが撮像した画像を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルフレジシステム。
【請求項4】
前記精算画像と前記監視画像とは、それぞれ個別の表示装置に表示されることを特徴とする請求項1に記載のセルフレジシステム。
【請求項5】
前記呼出操作用画像の操作に応じて点灯する点灯部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のセルフレジシステム。
【請求項6】
前記監視カメラと、
前記撮像された映像を外部サーバに出力する出力部と、
を備えていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載のセルフレジシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のセルフレジシステムから前記映像を取得する映像取得部と、
前記セルフレジシステムにより精算された商品の売上情報を取得する売上取得部と、
前記映像取得部が取得した前記映像と、当該映像において精算処理された前記売上情報と、関連付けて保存する保存部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客自身が購入する商品の精算を行うセルフレジシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から顧客自身が購入する商品の精算を行うために、顧客自身が商品情報をスキャンするスキャナ等を備えたセルフレジシステムが知られている。
【0003】
上述したセルフレジシステムにおいて、例えば、特許文献1には、セルフ決済端末の店員呼出ボタンを押下すると、セルフ決済端末のパトランプが点滅して、不慣れな顧客への対応を即座に行うことができることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、セルフレジ監視システムとしてセルフレジ使用者の両手が届く範囲を含む範囲を撮影対象領域として連続的に撮影することができる位置に設置される監視カメラを備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-205023号公報
【特許文献2】特許第7039084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した店員呼出ボタンは、セルフレジの操作画面内に設けられていることが多い。また、監視カメラ動作中であることを示す表示等もセルフレジの操作画面内に設けられることが多い。つまり、これらの機能はセルフレジのソフトウェアの一部として作り込まれている。そのため、今まで上記した機能を有していなかったソフトウェアを使用していた場合は、ソフトウェアの変更や改修が必要となる。そのため、工数や費用がかかり機能追加が容易ではなかった。
【0007】
また、店員呼出ボタンや監視カメラ動作中であることを示す表示を物理ボタンや独立したランプ等で構成することも可能であるが、ハード的な改修または機器の交換が発生するため、工数や費用面で問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、ソフトウェアの改修を最小限に留め容易に機能追加ができるセルフレジシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、顧客により操作され、購入する商品の精算に関する機能が割り当てられた操作子画像を有する精算画像を生成する第1処理部と、監視カメラにより前記顧客を撮像中であることを示す画像及び店員の呼び出しのための呼出操作用画像のうち少なくともいずれかを含む監視画像を生成する第2処理部と、前記精算画像と前記監視画像が表示される表示部と、を備えていることを特徴とするセルフレジシステムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、精算画像と監視画像とがそれぞれ別の画像として生成されて表示されるので、精算画像の改修等は不要であり、最小限の改修に留め容易に機能追加ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステムの外観斜視図である。
【
図2】
図1に示されたセルフレジシステムの機能構成図である。
【
図3】第1スキンアプリ、第2スキンアプリ、POSアプリとハードウェア等との階層構造ついての説明図である。
【
図4】店員用画面とセルフレジ画面との関係についての説明図である。
【
図5】セルフレジ画面と監視・呼出画像との関係についての説明図である。
【
図6】プレビュー画面と、店員呼出ボタンと、の具体例を示した図である。
【
図7】
図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その1)である。
【
図8】
図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その2)である。
【
図9】
図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その3)である。
【
図10】複数のセルフレジシステムとサーバ装置とを有するネットワークシステムの構成例である。
【
図11】
図1に示されたセルフレジシステムの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステムを
図1~
図10を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステム1の外観斜視図である。
【0013】
セルフレジシステム1は、レジスタ装置2と、筐体3と、スキャナ4と、支柱5、6と、を備えている。
【0014】
レジスタ装置2は、本体部21と、表示部22と、を備えている。レジスタ装置2は、後述するPOSアプリ213aによって、POS機能を有するキャッシュレジスタとして機能する。本体部21は、商品購入にかかる精算処理全般を行う。また、本体部21は、筐体3と通信し、商品情報、投入金額情報等が入力される。また、本体部21は、表示部22の操作結果に基づいて、筐体3が有する後述する自動釣銭機34に対してお釣りの排出等の指示を行う。
【0015】
また、本体部21は、レシートプリンタ23を備えている(
図2を参照)。レシートプリンタ23は、購入した商品名、商品単価、預かり金額、釣銭金額などの情報が記載されたレシートを印刷する。
【0016】
表示部22は、顧客が購入した商品の精算を行うための各種操作画面(後述するセルフレジ画面222)が表示される。このセルフレジ画面222が後述するように第2画像として機能し、表示部22が画像表示部として機能する。表示部22は、例えば液晶ディスプレイで構成されているが、タッチパネルの機能は有していない。それは、後述するようにモーションセンサ52を用いたタッチパネルの代わりとなる機能を有するためである。なお、表示部22をタッチパネルとしてもよく、その場合は後述する機能は省略することができる。
【0017】
筐体3は、その上面にレジスタ装置2が設置されている。また、同様に上面にはスキャナ4及び支柱5、6も設置されている。筐体3は、硬貨取扱装置34aや紙幣取扱装置34bからなる自動釣銭機34(
図2も参照)を備える。また、筐体3には、顧客の操作面となる外部に、紙幣投入口、紙幣出金口、硬貨投入口、硬貨返却口、硬貨出金口等を備える。
【0018】
また、筐体3は、例えば小型PC(Personal Computer)等で構成された処理装置31(
図2も参照)を備える。処理装置31は、カメラ51で撮像された顧客画像から周知の方法により顧客の性別や年齢を識別する。
【0019】
また、処理装置31は、モーションセンサ52が検出した指先の位置と移動方向に基づいて、指先が表示部22上のどの位置を指しているか特定する。指先の位置は、周知の方法により特定すればよい。
【0020】
また、処理装置31は、マイク32やスピーカ33が接続され(
図2も参照)、商品入力から支払いまでの一連の処理の中で、必要な音声を出力するものである。例えば、本実施形態では、円滑な商品入力を促すための音声案内を出力したり、商品の未入力など不正があった場合に警告音を出力したりする。
【0021】
さらに、処理装置31は、後述する店員呼出ボタンが操作された際に、点灯部61を点灯(あるいは点滅)させ、店員を呼び出す。なお、店員呼出ボタンによる点灯部61の点灯等の制御は処理装置31とは別の制御装置等で行ってもよい。
【0022】
マイク32やスピーカ33は、筐体3の利用者等の音声を取得し易い位置や利用者等が聞き取り易い位置等に設けられている。マイク32やスピーカ33は、モーションセンサ52による指先の位置特定結果やカメラ51による顔認識の結果に基づいて音声案内をする際にも利用される。
【0023】
スキャナ4は、レーザ走査線を商品に照射したり、CCD(Charge Coupled Device)スキャナ等により、商品に付されたバーコードを読み取る。また、スキャナ4は、会員カードやポイントカード等のバーコードが付されているカードであればスキャンすることができる。
【0024】
支柱5は、筐体3の上面から上に向かって延在し、途中から顧客側に向かって斜め上方に向かうように折れ曲がっている。支柱5には、中間部にカメラ51と、先端部にモーションセンサ52と、が設けられている。
【0025】
カメラ51は、顧客を撮像するためのカメラ(監視カメラ)であり、CCDイメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを有するカメラモジュールである。
【0026】
モーションセンサ52は、顧客の手指の形状や移動する方向を検出する。本実施形態では、モーションセンサ52はカメラで構成されている。
【0027】
支柱6は、筐体3の上面から上に向かって延在している。支柱6の先端には、例えば青色や赤色などに点灯(または点滅)する点灯部61が設けられている。
【0028】
そして、レジスタ装置2では、後述するCPU211(
図2を参照)において、処理装置31での処理結果に基づいて表示部22に表示されたボタン画像のうち、どのボタン画像が操作されたかが判定される。そして、判定結果に基づいて、後述する第1スキンアプリ213b、第2スキンアプリ213cやPOSアプリ213aが動作する。
【0029】
また、本実施形態では、処理装置31において特定された指先の位置に基づいて、指先が、例えば表示部22の表面から3cm以内に近づいたと判定されると、CPU211は、当該指先が指していると推定される表示部22上の位置にマークを表示させる。そして、例えば表示部22の表面から1cm以内に近づいたと判定されると、CPU211は、その位置のボタンを押した(操作された)ものと判定する。これらの距離等の判定は、モーション検知の特定結果に基づいて行うことができる。
【0030】
即ち、CPU211(判定部)は、表示部22(画像表示部)の表面から3cm以内(第1距離よりも長い距離である第2距離以内)に指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される表示部22(画像表示部)上の位置にマークを表示させる。また、CPU211(判定部)は、表示部22(画像表示部)の表面から1cm(第1距離)以内に指先が近づいた場合に、第2ボタン画像の操作を判定する。
【0031】
図2に、上述した構成のセルフレジシステム1の機能的構成を示す。
図2に示したように、セルフレジシステム1は、CPU211と、RAM212と、HDD213と、通信インタフェース214と、グラフィック処理装置215と、入出力インタフェース216と、表示部22と、レシートプリンタ23と、スキャナ4と、処理装置31と、マイク32と、スピーカ33と、自動釣銭機34と、を備えている。
【0032】
上記したCPU211と、RAM212と、HDD213と、通信インタフェース214と、グラフィック処理装置215と、入出力インタフェース216と、は、本体部21が内蔵するものであり、各ブロックはバス217で相互に接続されている。
【0033】
CPU211は、バス217を介して、HDD213などに格納される商品の精算処理を行うためのアプリケーションプログラムを読み込み、RAM212に一時的に読み込んだプログラムを格納し、そのプログラムを実行するものである。具体的には、HDD213に格納されているPOSアプリ213a、第1スキンアプリ213b及び第2スキンアプリ213cを読み込み、それぞれを実行する。
【0034】
RAM212には、CPU211に実行させるためのOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。また、RAM212には、CPU211による処理に必要な各種データが格納される。HDD213には、上述したPOSアプリ213a、第1スキンアプリ213b及び第2スキンアプリ213cなどが格納される。
【0035】
通信インタフェース214は、外部とデータの送受信を行うものであり、例えばLAN(Local Area Network)などの接続形式を用いることができる。本実施形態では、通信インタフェース214は、店舗内のセルフレジシステム1を統括するシステムや外部のサーバ装置と通信する。
【0036】
グラフィック処理装置215は、CPU211からの命令に従って、店員用画面(第1画像)とセルフレジ画面(第2画像)と監視・呼出画像とを画像信号に変換して表示部22に出力するものである。ここで、セルフレジ画面は、購入する商品の精算に関する機能が割り当てられた操作子(ボタン)画像を有する精算画像として機能する。そして、監視・呼出画像は、監視カメラ(カメラ51)により顧客を撮像中であることを示す画像及び店員の呼び出しのための呼出操作用画像のうち少なくともいずれかを含む監視画像として機能するものである。また、店員用画面は第1画像として機能し、セルフレジ画面は第2画像として機能するものである。各画像の詳細は後述する。
【0037】
入出力インタフェース216には、スキャナ4、レシートプリンタ23、処理装置31、自動釣銭機34が接続されている。
【0038】
次に、本実施形態における第1スキンアプリ213b、第2スキンアプリ213c、POSアプリ213aとハードウェア等との階層構造を
図3を参照して説明する。
図3に示したように、本体部21、レシートプリンタ23、自動釣銭機34等のハードウェアではOSプログラムに基づいて動作している。そして、OSプログラム上では、POSアプリ213aが動作している。POSアプリ213aは、従来の店員が操作するレジスタ用のアプリケーションプログラムである。そして、POSアプリ213aの上に被さるように第1スキンアプリ213bが動作し、第1スキンアプリ213bの上に被さるように第2スキンアプリ213cが動作する。
【0039】
第1スキンアプリ213bは、主にセルフレジ機能にかかるGUI(Graphical User Interface)等を実現するアプリケーションプログラムである。つまり、第1スキンアプリ213bは、POSアプリ213aのGUIの外観をセルフレジ仕様に変更する。また、第1スキンアプリ213bは、処理装置31の制御をするとともに処理装置31の処理結果に基づいてGUIの切り替え等の制御も行う。本実施形態ではセルフレジ機能を実現するにあたりPOSアプリ213a自体を改修するのではなく、別プログラムとして構成している。
【0040】
本実施形態では、POSアプリ213aは従来どおり動作し、店員用画面221(
図4を参照)は表示部22に表示されないものの画像データとしては生成され、メモリ等に格納されている。第1スキンアプリ213bは、後述するようにPOSアプリ213aが生成した店員用画面221の変化等に基づいて画面を遷移させる。
【0041】
第2スキンアプリ213cは、カメラ51が撮像中であることを示す表示や、店員呼出ボタン等の機能を有するアプリケーションプログラムである。第2スキンアプリ213cは、第1スキンアプリ213bによるGUIに、前記した表示や店員呼出ボタンを追加する。
【0042】
図3に示したように、本実施形態では、ハードウェアとOS、OSとPOSアプリ213aは、それぞれ密結合となっている。つまり、互いに密接に結びついている状態である。一方、POSアプリ213aと第1スキンアプリ213b、第1スキンアプリ213bと第2スキンアプリ213cは、それぞれ疎結合となっている。つまり、互いの結びつきが弱い状態である。そのため、POSアプリ213aが変更されても第1スキンアプリ213bは変更が不要または最小限とすることが可能となる。同様に第1スキンアプリ213bが変更されても第2スキンアプリ213cは変更が不要または最小限とすることが可能となる。また、モーション検出や顔認識、音声案内等の処理装置31で実行される機能は第1スキンアプリ213bと密結合している。
【0043】
次に、本実施形態における店員用画面とセルフレジ画面との関係について
図4を参照して説明する。
図4において、符号221は店員用画面の例、符号222はセルフレジ画面の例である。
【0044】
店員用画面221は、商品・金額等表示部221aと、操作ボタン表示領域221bと、を有している。商品・金額等表示部221aは、スキャナ4でバーコードをスキャンした商品の名称と単価及び現在の合計金額等が表示される。即ち、商品・金額等表示部221aは、購入した商品に関する情報が表示される商品情報表示領域に相当する。操作ボタン表示領域221bは、商品の種類や決済方法(現金、クレジットカード、電子マネー等)を入力するためのボタン画像が複数設けられている。
【0045】
セルフレジ画面222は、商品・金額等表示部222aと、操作ボタン222b、222cと、を有している。商品・金額等表示部222aは、店員用画面221の商品・金額等表示部221aを切り出したものである。つまり、商品・金額等表示部222aは、セルフレジ画面222を生成する第1スキンアプリ213bが、POSアプリ213aから商品・金額等表示部221aに含まれる商品名や金額の情報を取得して再構築したものではなく、第1スキンアプリ213bが店員用画面221の画像から商品・金額等表示部221aの部分を切り出してセルフレジ画面222に埋め込んだものである。なお、商品・金額等表示部221aの全体を切り出す必要はなく、商品名や金額等の必要な箇所のみを切り出せばよい。
【0046】
操作ボタン222b、222cは、例えば、決済方法の選択や「次へ」、「精算」等の商品入力から支払いまでの一連の処理中で必要となる機能のボタン画像が表示される。操作ボタン222b、222cは、必要最小限のボタン画像のみを表示させるため、店員用画面221よりもボタン画像の数が少ない。したがって、セルフレジ画面222は、店員用画面221よりも簡易な画面構成となっている。
【0047】
また、操作ボタン222bはボタン221b1と対応するため、操作ボタン222bは、店員用画面221のボタン221b1と関連付けられている。操作ボタン222cはボタン221b2と対応するため、操作ボタン222cは、店員用画面221のボタン221b2と関連付けられている。
【0048】
関連付けられているとは、操作ボタン222bが操作されると、ボタン221b1が操作されたこととなるようにリンク等がされている状態をいう。これは、例えば操作ボタン222bが押されると、ボタン221b1に対応する機能がPOSアプリ213a上で動作するということではなく、例えば操作ボタン222bが押されるとボタン221b1が押されることを意味する。つまり、第1スキンアプリ213b側では、POSアプリ213aの機能については何ら関知せず、単に店員用画面221のボタンを押すということを伝達するのみである。これは、レジスタ装置2に対して処理装置3からモーション検出の結果や顔認識結果等に基づいて疑似的にキーボードやマウス等の入力手段の操作を行うことに相当する。
【0049】
また、第1スキンアプリ213bは、店員用画面221の変化を検出してセルフレジ画面222を変化させる。例えば、追加の商品をスキャンして商品・金額等表示部221aが変化した場合、その変化を検出すると商品・金額等表示部221aを再度切り出してセルフレジ画面222に反映させる。これは、例えば店員用画面221となる画像における商品・金額等表示部221aの座標範囲を予め設定し、その座標範囲に経時的変化があったことで検出すればよい。即ち、第1スキンアプリ213bは、店員用画面221(第1画像)のうち、予め定めた所定の領域の変化を監視している。
【0050】
また、店員用画面221の変化の検出方法としては、例えば、店員用画面221の左上等に当該画面の名称(後述する商品入力画面、会員カード入力画面等)等が表示されている場合は、その名称等の変化を検出してもよい。これも上記と同様に、当該名称等が表示される部分の座標範囲の経時的変化を検出すればよい。
【0051】
以上の説明のとおり、店員用画面221は、購入する商品の精算に関する機能がそれぞれ割り当てられた複数の第1ボタン画像を有する第1画像である。また、セルフレジ画面222は、第1ボタン画像と対応する第2ボタン画像を少なくとも1以上有し、顧客により操作されるとともに第1画像よりも簡易な画像である第2画像である。
【0052】
次に、本実施形態におけるセルフレジ画面と監視・呼出画像との関係について
図5を参照して説明する。
図5において、符号222はセルフレジ画面の例、符号223は監視・呼出画像の例である。
図5に示したセルフレジ画面222は
図4と同様である。
【0053】
監視・呼出画像223は、プレビュー画像223aと、店員呼出ボタン223bと、を有している。プレビュー画像223aは、カメラ51が撮像中であることを示す表示であり、カメラ51で撮像された画像がリアルタイムで表示される。プレビュー画像223aは、表示画面の左上にセルフレジ画面222の各ボタンの操作や視認に差し支えない大きさ(例えば180×120ドット、10フレーム/秒)で表示されている。
【0054】
店員呼出ボタン223bは、店員の呼び出しのための呼出操作用画像であり、顧客が操作することにより、点灯部61が点灯する。店員は、点灯部61の点灯を確認するとセルフレジシステム1へ向かい顧客対応を行う。店員呼出ボタン223bは、表示画面の右上に表示されている。
【0055】
図6にプレビュー画像223aと、店員呼出ボタン223bと、の具体例を示す。
図6は、表示部22に表示された画面の例である。
図6の画面は、精算処理の前に表示される開始画面(画像)である。この画面において、左上にはプレビュー画像223aが表示されている。プレビュー画像223aの右には「カメラ動作中」との表示も行われている。この「カメラ動作中」も監視・呼出画像223の一部である。また、
図6の画面の右上には、店員呼出ボタン223bが表示されている。
【0056】
図6に示したように、監視・呼出画像223は、セルフレジ画面222に重ねて(重畳して)表示されている。つまり、セルフレジ画面222の領域に被さるようにプレビュー画像223aと、店員呼出ボタン223bと、が表示されている。
【0057】
図5や
図6に示した監視・呼出画像223は、プレビュー画像223aと、店員呼出ボタン223bと、の両方を含んでいたがいずれか一方のみであってもよい。また、プレビュー画像223aの表示を行わず「カメラ動作中」との表示のみであってもよい。
【0058】
次に、上述した構成のセルフレジシステム1の動作例を
図7~
図9を参照して説明する。
図7~
図9は、商品の購入時のセルフレジ画面222と店員用画面221の遷移を示している。
図7~
図9において、左側の列はセルフレジ画面222、右側の列は店員用画面221をそれぞれ示し、同じ行に並んだ画面同士が対応する画面となる。なお、
図7~
図9においては、監視・呼出画像223の表示は省略する。
【0059】
まず、セルフレジシステム1を起動すると、POSアプリ213a、第1スキンアプリ213bがそれぞれ起動して、表示部22には、第1スキンアプリ213bにより、セルフレジ画面222として開始画面S1が表示される。一方、このときのPOSアプリ213aにより生成される店員用画面221としては、商品入力画面T2-1が生成され、上述したようにメモリ等に格納される。なお、起動時には、店員用画面221が表示され、切り替えボタン画像を操作することによりセルフレジ画面222が表示されるようにしてもよい。このようにすると、必要に応じて従来のPOSレジスタとセルフレジとの切り替えが可能となる。
【0060】
次に、開始画面S1が表示された状態で顧客がスキャナ4から商品のバーコードをスキャンすると、スキャンされた情報をPOSアプリ213aが受信して、店員用画面221を商品入力画面T2-2に遷移させる。商品入力画面T2-2には、スキャンした商品の商品名や金額が含まれる。一方、第1スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を商品入力画面S2に遷移させる。商品入力画面S2は、
図4で説明したように、商品入力画面T2-2の商品名や金額の欄が切り出されて表示されている。
【0061】
次に、顧客が商品入力画面S2において「次へ」ボタンを操作する。「次へ」ボタンは、商品入力画面T2-2の「会員カード読込」ボタンと関連付けられており、「次へ」ボタンが操作されると「会員カード読込」ボタンが操作され、店員用画面221が会員カード入力画面T3に遷移する。一方、第1スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を会員カード入力画面S3に遷移させる。
【0062】
次に、顧客が会員カード入力画面S3表示時に会員カードをスキャナ4からスキャンすると、スキャンされた情報をPOSアプリ213aが受信して、店員用画面221を小計画面T4(
図8)に遷移させる。なお、会員カードをスキャンせずに「スキャンせずにお支払いへ進む」ボタンを操作した場合もPOSアプリ213aは店員用画面221を小計画面T4に遷移させる。一方、第1スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を支払方法選択画面S4(
図8)に遷移させる。
【0063】
次に、顧客が支払方法選択画面S4において「現金」を選択する。「現金」ボタンは、小計画面T4の「現計」ボタンと関連付けられており、「現金」ボタンが操作されると「現計」ボタンが操作され、店員用画面221が自動釣銭機入金画面T4-G1に遷移する。一方、第1スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を自動釣銭機入金画面S4-G1に遷移させる。
【0064】
次に、顧客が自動釣銭機入金画面S4-G1において、筐体3の紙幣取扱装置34bや硬貨取扱装置34a等から紙幣や硬貨を投入すると、投入した金額の情報をPOSアプリ213aが受信して自動釣銭機入金画面T4-G1に反映させる。反映後の自動釣銭機入金画面をT4-G2とする。一方、第1スキンアプリ213bでは、自動釣銭機入金画面T4-G1の変化(自動釣銭機入金画面T4-G2)を検出してセルフレジ画面222の自動釣銭機入金画面S4-G1の金額に反映させる。反映後の自動釣銭機入金画面をS4-G2とする。
【0065】
次に、顧客が現金の投入を終えて自動釣銭機入金画面S4-G2の「精算」ボタンを操作する。「精算」ボタンは、自動釣銭機入金画面をT4-G2の「確定」ボタンと関連付けられており、「精算」ボタンが操作されると「確定」ボタンが操作され、店員用画面221が現計処理画面T5-G(
図9)に遷移する。そして、POSアプリ213aは、筐体3の自動釣銭機34に釣銭の排出を行わせるとともに、レシートプリンタ23からレシートを印刷して出力する。一方、第1スキンアプリ213bでは、店員用画面221が現計処理画面T5-Gに遷移したことを検出してセルフレジ画面222を完了画面S5-G(
図9)に遷移させる。顧客は、商品とともに釣銭とレシートを受け取って購入が完了する。
【0066】
上述したセルフレジシステム1ではカメラ51で精算中(精算開始~精算終了まで)の顧客を撮像しているが、この撮像データを外部のサーバ装置に出力してもよい。外部のサーバ装置との通信には通信インタフェース214を利用する。そして、この撮像データは外部のサーバ装置で売上データと関連付けて保存される。詳細を
図10を参照して説明する。
【0067】
図10は、複数のセルフレジシステム1と、サーバ装置500と、がネットワークNに接続されている。また、売上データ600は、売上データを集計するサーバ装置(不図示)等からサーバ装置500が取得するものである。
【0068】
サーバ装置500は、周知のサーバコンピュータであり、クラウドサーバ等であってもよい。サーバ装置500は、セルフレジシステム1から映像データを取得し、集計サーバ等から売上データ600を取得する。
【0069】
サーバ装置500は、取得した映像データと売上データ600とをリンクさせる(関連付ける)。これは、ある顧客が商品を精算した際の映像データと、その精算時の売上データ600と、をリンクさせるものである。
【0070】
また、サーバ装置500は、セルフレジシステム1が識別した顧客の性別や年齢のデータも取得してもよいし、セルフレジシステム1ではなく、サーバ装置500で顧客の性別を識別してもよい。
【0071】
即ち、サーバ装置500のネットワークインターフェースは、セルフレジシステムから映像を取得する映像取得部、セルフレジシステムにより精算された商品の売上情報を取得する売上取得部として機能する。サーバ装置500のハードディスク等の記憶装置は、映像取得部が取得した映像と、当該映像において精算処理された売上情報と、関連付けて保存する保存部として機能する。
【0072】
以上説明した本実施形態によれば、セルフレジシステム1は、顧客により操作され、購入する商品の精算に関する機能が割り当てられた操作子画像を有するセルフレジ画面222を生成する第1スキンアプリ213bと、カメラ51で撮像されたプレビュー画像223a及び店員呼出ボタン223bを含む監視・呼出画像223を生成する第2スキンアプリ213cと、を備えている。また、セルフレジシステム1は、セルフレジ画面222と監視・呼出画像223が表示される表示部22を備えている。
【0073】
セルフレジシステム1を上記のように構成することにより、セルフレジの精算機能と、顧客の監視機能と、を分けることができる。したがって、顧客の監視機能を追加する際にセルフレジの精算機能を改修する必要が無く、最小限の改修に留め容易に機能追加ができる。また、物理ボタンも不要である。さらに、セルフレジのアプリに依存せずに監視機能(監視カメラ撮像中、店員呼び出し)を追加することができる。
【0074】
また、セルフレジ画面222と監視・呼出画像223とは、表示部22に重ねて表示されているので、顧客からはセルフレジ画面222と監視・呼出画像223との区別無く一体化しているように見える。また、プレビュー画像223aや店員呼出ボタン223bの表示位置も自由に変更することができる。
【0075】
また、カメラ51で撮像されたプレビュー画像223aを監視・呼出画像223に含めることにより、顧客からは監視されていることが確実に伝わり防犯上も有効である。
【0076】
また、セルフレジシステム1は、購入する商品の精算に関する処理を実行するとともに、精算に関する機能がそれぞれ割り当てられたボタン221b1、221b2を有する店員用画面221を生成するPOSアプリ213aを備えている。そして、ボタン221b1と対応する操作ボタン222bと、ボタン221b2と対応する操作ボタン222cと、を有し、顧客により操作されるとともに店員用画面221よりも簡易な画像であるセルフレジ画面222を生成する第1スキンアプリ213bを備えている。そして、セルフレジ画面222を表示する表示部22と、を備えている。そして、ボタン221b1と操作ボタン222bとは関連付けられ、ボタン221b2と操作ボタン222cとは関連付けられている。
【0077】
このため、顧客が操作するセルフレジ画面222を表示させるため従来のPOSレジスタ等の操作画像である店員用画面221を顧客が直接操作することがなく、従来のPOSレジスタをセルフレジ化することができる。また、顧客が操作する必要があるボタンのみを関連付ければよいので、顧客は簡易な画面で操作することができ、操作ミス等を少なくすることができる。さらに、1種類のセルフレジ画面222を用意すれば、複数種類の店員用画面221(POSアプリ213a)に適用することができ多機種対応も容易である。
【0078】
また、店員呼出ボタン223bの操作に応じて点灯する点灯部61を備えているので、光の発光により店員に通知して呼び出すことができる。
【0079】
また、サーバ装置500は、セルフレジシステム1から顧客を撮像した映像データを取得し、セルフレジシステム1により精算された商品の売上データを取得し、取得した映像データと、当該映像データにおいて精算処理された売上データと、関連付けて保存している。このようにすることにより、売上データと顧客の情報とを関連付けた分析を行うことが可能となる。例えば、顧客の映像から年齢や性別等を識別して分析することで、どの商品がどの客層に売れているか分析することができる。このような分析は、ポイントカード等の利用により同様の分析が可能であるが、本実施形態であれば、ポイントカード等を所持していない顧客に対しても分析が可能である。
【0080】
なお、上述した実施形態では、セルフレジ画面222に監視・呼出画像223が重ねられて1つの表示部22に表示されていたが、それぞれの画像を別の表示装置に表示させてもよい。
図11に本実施形態の変形例を示す。
【0081】
図11には、表示部22に加えて表示部24が示されている。表示部24は、例えば表示部22よりも小型の表示装置であり、表示部24の周縁部に設けられている。表示部24は、タッチパネルで構成してもよいし、表示部22と同様にモーションセンサ52にて操作を検出してもよい。
【0082】
図11の表示部22には、監視・呼出画像223は表示されない。つまり、プレビュー画像223aと店員呼出ボタン223bは表示部22に表示されない。プレビュー画像223aと店員呼出ボタン223bは表示部24に表示される。
【0083】
図11の変形例によれば、セルフレジ画面222と監視・呼出画像223とは、それぞれ個別の表示装置に表示されている。このようにすることにより、表示部22への表示処理は変更する必要が無い。一方で表示部24へ表示する監視・呼出画像223は、第2スキンアプリ213cにより出力先が異なるのみで他の処理は変更が無い。このような別画面への表示は、上記したように、セルフレジのアプリに依存しないために容易に可能となるものである。
【0084】
また、
図11では、表示部24全体に監視・呼出画像223を表示したが、例えば表示部24に広告等を表示させ、その広告に監視・呼出画像223を重ねるようにしてもよい。監視・呼出画像223は第2スキンアプリ213cにより表示されるので、第1スキンアプリ213bに限らずアプリと疎結合できれば容易に表示できる。
【0085】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のセルフレジシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 セルフレジシステム
2 レジスタ装置
3 筐体
21 本体部
22 表示部
24 表示部
51 カメラ(監視カメラ)
61 点灯部
213a POSアプリ
213b 第1スキンアプリ(第1処理部)
213c 第2スキンアプリ(第2処理部)
214 通信インタフェース(出力部)
221 店員用画面(第1画像)
221b1 ボタン(第1ボタン画像)
221b2 ボタン(第1ボタン画像)
222 セルフレジ画面(精算画像、第2画像)
222b 操作ボタン(第2ボタン画像)
222c 操作ボタン(第2ボタン画像)
223 監視・呼出画像(監視画像)
223a プレビュー画像(顧客を撮像中であるすることを示す画像)
223b 店員呼出ボタン(呼出操作用画像)
500 外部サーバ(情報処理装置、映像取得部、売上取得部、保存部)