(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162360
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 3/28 20060101AFI20241114BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20241114BHJP
【FI】
H02K3/28 J
H02K11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077780
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207859
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 尚人
(72)【発明者】
【氏名】内海 暁弘
(72)【発明者】
【氏名】山下 祐司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀紀
【テーマコード(参考)】
5H603
5H611
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603BB01
5H603BB09
5H603BB12
5H603CA01
5H603CB01
5H603CB11
5H603CC05
5H603CC07
5H603CC17
5H603CD21
5H603CE01
5H611BB01
5H611BB06
5H611QQ03
5H611TT01
5H611UA04
5H611UA08
(57)【要約】
【課題】3ティース2相巻線となるティース群を複数有する巻線構造において、相巻線の巻回を好適に行わせる。
【解決手段】固定子30において、固定子巻線の各相巻線は、ティースにそれぞれ集中巻により巻回されている。複数のティースにおいて周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の相巻線がそれぞれ巻回されている。周方向に並ぶ複数のティース群には、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなるティース群が複数含まれている。2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる各ティース群において、各相の相巻線が、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部91により接続されており、渡り部91の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線92が接続されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子(30)と、前記固定子に対して径方向に対向配置された回転子(40)とを備え、前記固定子は、周方向に所定間隔で設けられた複数のティース(34)を有する固定子コア(31)と、相ごとに設けられた複数の相巻線を有する固定子巻線(32)とを有する回転電機(10)であって、
各相の前記相巻線は、前記ティースにそれぞれ集中巻により巻回されており、
前記複数のティースにおいて周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース、第2ティース及び第3ティースのうち、第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の前記相巻線がそれぞれ巻回されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群に各相の前記相巻線が巻回されることで前記固定子巻線が構成されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群には、2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記ティース群が複数含まれており、
2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群において、各相の前記相巻線が、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部(91)により接続されており、
前記渡り部の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線(92)が接続されている、回転電機。
【請求項2】
軸方向において前記固定子の側方には制御装置(50)が設けられており、
相ごとの前記各引出線は、前記制御装置に向けて延び、当該制御装置に接続されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で接続されるものであり、
前記固定子及び前記回転子を収容するハウジング(20)を有し、前記ハウジングは、前記固定子及び前記回転子の側の第1スペースと前記制御装置の側の第2スペースとを区分けする端板部(22)を有しており、
前記第1スペースにおいて、各相の前記相巻線どうしが中性点接続部材(101~104)により接続され、
前記第2スペースにおいて、前記各引出線が前記制御装置に接続されている、請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記導線材は、導体が絶縁被膜により覆われた被覆導線であり、
前記渡り部の途中において、前記導線材の絶縁被膜が部分的に除去され部分に前記引出線が接続されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記固定子コアの軸方向端部には、前記ティースと前記固定子巻線とを絶縁する絶縁部材(63)が設けられており、
前記渡り部は、前記絶縁部材により、径方向において前記ティースに重複しない位置で周方向に案内されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項6】
2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群が、周方向に180度離れた位置に配置されており、当該各ティース群において、一方のティース群と他方のティース群との間で各相の前記相巻線が前記渡り部により接続されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項7】
各相の前記相巻線は、それぞれ2並列に接続された複数の部分巻線を有し、
前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で互いに接続されて構成されており、
前記相巻線は、前記2並列の一方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部から、他方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部までが1本の導線材(C1,C2)により巻回されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固定子と回転子とを具備する回転電機において、固定子に設けられた固定子巻線におけるリプル電流の低減等を図るべく、周方向に3連続となる各ティースにおいて、互いに異相となる2つの相巻線を巻回することが考えられる。例えば特許文献1には、U相、V相、W相からなる3相の固定子巻線を有する回転電機において、第1ティースに、第1固定子巻線におけるU相、V相、W相の各コイル体Ua,Va,Waが巻回され、第2ティースに、第2固定子巻線におけるU相、V相、W相の各コイル体Ub,Vb,Wbが巻回され、第3ティースに、第1,第2固定子巻線のいずれか1相ずつのコイル体Uc,Vc,Wcが巻回されている回転電機において、相間の各コイル体における起磁力の位相差が電気角で20度を含む所定の位相範囲内となるようにした技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、引用文献1等においては、周方向に連続する3つのティースからなる各ティース群において2相分の相巻線を巻回させる具体的な構成について記載がなされていない。そのため、周方向に3連続となる各ティースに2相分の相巻線を巻回させる技術の提案が望まれる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、3ティース2相巻線となるティース群を複数有する巻線構造において、相巻線の巻回を好適に行わせることができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
【0007】
手段1は、
固定子と、前記固定子に対して径方向に対向配置された回転子とを備え、前記固定子は、周方向に所定間隔で設けられた複数のティースを有する固定子コアと、相ごとに設けられた複数の相巻線を有する固定子巻線とを有する回転電機であって、
各相の前記相巻線は、前記ティースにそれぞれ集中巻により巻回されており、
前記複数のティースにおいて周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース、第2ティース及び第3ティースのうち、第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の前記相巻線がそれぞれ巻回されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群に各相の前記相巻線が巻回されることで前記固定子巻線が構成されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群には、2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記ティース群が複数含まれており、
2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群において、各相の前記相巻線が、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部により接続されており、
前記渡り部の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線が接続されている。
【0008】
例えば、固定子におけるリプル電流の低減等を図るべく、固定子巻線において、周方向に3連続となる各ティースに、互いに異相となる2つの相巻線を巻回することが考えられる。具体的には、周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース、第2ティース及び第3ティースのうち、第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の相巻線がそれぞれ巻回される構成が考えられる。そして、固定子の各ティース群のうち、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる2つのティース群において、各相の相巻線を、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部により接続する構成とした。これにより、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる各ティース群について、各相の相巻線を、連続する1本の導線材により連続的に巻回することができる。また、2つのティース群の間の渡り部の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線を接続するようにした。これにより、それら各ティース群に含まれる各相の相巻線において、引出線を集合部分としかつ二方に分岐した並列巻線回路を容易に作成することができる。この場合、各相の相巻線がそれぞれ2並列となり、かつ2並列のうち一方の巻線と、他方の巻線とが互いに異なるティース群に属する構成の固定子巻線において、電力入出力線である引出線が並列部分で共用できる構成となっている。これにより、固定子巻線において電力入出力側との接合点数の削減を図ることができる。その結果、3ティース2相巻線となるティース群を複数有する巻線構造において、相巻線の巻回を好適に行わせることができる。
【0009】
手段2では、軸方向において前記固定子の側方には制御装置が設けられており、相ごとの前記各引出線は、前記制御装置に向けて延び、当該制御装置に接続されている。
【0010】
機電一体型の回転電機において、固定子の側方に設けられた制御装置に、各相の引出線を直接的に接続する構成とした。これにより、電力入出力用のバスバが不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
手段3では、前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で接続されるものであり、前記固定子及び前記回転子を収容するハウジングを有し、前記ハウジングは、前記固定子及び前記回転子の側の第1スペースと前記制御装置の側の第2スペースとを区分けする端板部を有しており、前記第1スペースにおいて、各相の前記相巻線どうしが中性点接続部材により接続され、前記第2スペースにおいて、前記各引出線が前記制御装置に接続されている。
【0012】
回転電機では、固定子巻線の各相の引出線を介して、回転電機の外部との間で電力の入出力が行われる一方、中性点接続部材を介して固定子巻線内での電力の出入りが行われる。この場合、引出線側と中性点側とで電力の出入り先が異なることを考慮し、ハウジングの端板部を挟んで両側で、引出線と中性点接続部材とをそれぞれ接続する構成とした。これにより、これら引出線と中性点接続部材とのそれぞれの接続を共に端板部の片側にする場合に比べて、接続作業の簡易化や設置スペースの削減が可能となる。
【0013】
手段4では、前記導線材は、導体が絶縁被膜により覆われた被覆導線であり、前記渡り部の途中において、前記導線材の絶縁被膜が部分的に除去され部分に前記引出線が接続されている。
【0014】
渡り部の途中において、導線材の被膜除去部分に引出線が接続されている構成とした。これにより、2つのティース群の間で連続する渡り部を用いつつ、電力線としての引出線を好適に接続することができる。
【0015】
手段5では、前記固定子コアの軸方向端部には、前記ティースと前記固定子巻線とを絶縁する絶縁部材が設けられており、前記渡り部は、前記絶縁部材により、径方向において前記ティースに重複しない位置で周方向に案内されている。
【0016】
周方向に離れた2つティース群において、各相の相巻線を、一方のティース群と他方のティース群との間で渡り部により連続させて巻回する場合には、先に巻回された相巻線が、後から巻回される相巻線の邪魔になることが懸念される。この点、固定子コアの軸方向端部に設けられた絶縁部材を用い、渡り部を、径方向においてティースに重複しない位置で周方向に案内する構成とした。これにより、巻回順序が前後する各相巻線について互いが邪魔になることなく、好適に巻回作業を行わせることができる。
【0017】
手段6では、2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群が、周方向に180度離れた位置に配置されており、当該各ティース群において、一方のティース群と他方のティース群との間で各相の前記相巻線が前記渡り部により接続されている。
【0018】
2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる各ティース群が周方向に180度離れた位置に配置されている場合には、各ティース群で各々個別に相ごとの引出線が設けられる構成が想定される。これに対し、上記のごとく周方向に180度離れた各ティース群において、一方のティース群と他方のティース群との間で各相の相巻線が渡り部により接続されている構成とすることで、相ごとに引出線を集約することが可能となる。
【0019】
手段7では、各相の前記相巻線は、それぞれ2並列に接続された複数の部分巻線を有し、前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で互いに接続されて構成されており、前記相巻線は、前記2並列の一方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部から、他方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部までが1本の導線材により巻回されている。
【0020】
2並列に接続された複数の部分巻線を有する各相の相巻線において、2並列の一方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部から、他方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部までが1本の導線材により巻回されている構成とした。この場合、各相巻線の巻回時には、導線材を、2並列の部分巻線の一方の中性点から巻き始めて他方の中性点で巻き終わらせることができ、相巻線に含まれる全ての部分巻線を効率良く巻回させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図7】固定子巻線の各部分巻線について各ティースとの対応関係を示す図。
【
図8】ティース群G1,G4にのみ相巻線が巻回された状態を示す平面図。
【
図9】ティース群G1,G4の各ティースに対する導線材の巻線順序を示す図。
【
図10】ティース群G1,G4の間において渡り部の配置を示す図。
【
図11】各ティース群における巻線の手順を説明するための図。
【
図12】全てのティース群に相巻線を巻回した状態を示す図。
【
図13】回転電機において端板部及び制御装置を分解して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。本実施形態では、回転電機としてのモータ10を例示して説明する。
【0023】
図1に示すモータ10は、永久磁石界磁型の回転電機であり、具体的には3相巻線を有する永久磁石界磁型同期機である。つまり、モータ10は、ブラシレスモータである。この3相巻線は2系統有していてもよい。モータ10は、ハウジング20と、ハウジング20に固定される固定子30と、固定子30に対して回転する回転子40と、回転子40が固定される回転軸11と、を備える。以下、本実施形態において、軸方向とは回転軸11の軸方向のことを示し、径方向とは回転軸11の径方向のことを示し、周方向とは回転軸11の周方向のことを示す。
【0024】
ハウジング20は円筒形状に形成されており、ハウジング20内には、固定子30及び回転子40等が収容されている。ハウジング20の軸方向一端側及び他端側にはそれぞれ端板部21,22が設けられている。各端板部21,22には、軸受23,24が設けられており、軸受23,24により回転軸11が回転自在に支持されている。ハウジング20の内周面の軸心は回転軸11と同軸となっている。回転軸11の先端側には、角度センサ12が設けられている。角度センサ12は、磁気センサでもレゾルバでもよい。
【0025】
固定子30は、ハウジング20の軸方向略中央において、ハウジング20の内周に沿って円筒状に設けられている。そして、固定子30は、回転軸11の軸心Oを中心にして、ハウジング20の内周面に固定されている。固定子30は、磁気回路の一部を構成するものであり、円環状をなし回転子40の外周側において径方向に対向して配置される固定子コア31と、固定子コア31に巻回された固定子巻線32とを有している。
【0026】
図2に示すように、固定子コア31は、円環状のバックヨーク33と、バックヨーク33から径方向内側に向けて突出し、周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース34とを有し、隣り合うティース34の間にスロット35が形成されている。固定子コア31においてティース34は周方向に等間隔に設けられ、そのティース34に固定子巻線32が巻回されている。これにより、各スロット35内に固定子巻線32の導体が収容されている。本実施形態では、ティース34の数、スロット35の数をそれぞれ「18」としている。説明の都合上、各ティース34には、周方向の配列順で反時計回りに符号T1~18を付しており、ティース番号を示す必要のある場合には、ティース34をティースT1,T2,T3・・・としても記載する。固定子巻線32は、スロット35に収容された状態で保持されており、電力(交流電力)が供給されることで磁束を発生する。
【0027】
固定子コア31は、薄板状の磁性体である複数の鋼板(コアシート)を用い、その複数の鋼板が固定子コア31の軸方向に積層されることで形成されている。鋼板は、例えば帯状の電磁鋼板材をプレス打ち抜きすることで形成されているとよい。
【0028】
回転子40は、磁気回路の一部を構成するものであり、周方向に複数の磁極を有し、固定子30に対して径方向に対向するように配置されている。本実施形態において、回転子40は、14個の磁極(すなわち7個の磁極対)を有する。回転子40は、磁性体からなる回転子コア41と、回転子コア41に固定される複数の永久磁石42と、を備える。具体的には、
図2に示すように、回転子40は、周方向に極性が交互となるように磁極ごとに磁石部としての永久磁石42を備えており、回転子コア41に軸方向に沿って設けられた収容孔に永久磁石42が埋め込まれている。
【0029】
回転子40は、周知の構成でよく、例えば、IPM型(Interior Permanent Magnet:埋め込み磁石型)の回転子であっても、SPM型(Surface Permanent Magnet:表面磁石側)の回転子であってもよい。また、回転子40として、界磁巻線側の回転子を採用してもよい。本実施形態では、IPM型の回転子を採用している。回転子40には、回転軸11が挿通され、回転軸11を中心にして回転軸11と一体回転するように回転軸11に固定されている。
【0030】
図1に示すように、モータ10は、機電一体型モータであり、軸方向において固定子30及び回転子40の側方には制御装置50が設けられている。制御装置50は、ハウジング20に一体に設けられたカバー25内に収容されている。制御装置50は、
図3に示すように、インバータ回路51,52と、そのインバータ回路51,52における通電を制御する制御部53とを備えている。制御部53は、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPUがROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。なお、各種機能は、ハードウェアである電子回路によって実現されてもよく、あるいは、少なくとも一部をソフトウェア、すなわちコンピュータ上で実行される処理によって実現されてもよい。
【0031】
制御部53は、不図示の上位ECUからの指令や、角度センサ12から入力された回転角度に関する情報等に基づいて、モータ10の制御(電流制御など)を行う機能を備える。また、インバータ回路51,52は、外部(例えばバッテリ)からの電力を変換し、モータ10に供給して駆動力を発生させる。
【0032】
制御装置50は、基板55と、基板55上に搭載された各種の電気部品56とを有する。電気部品56には、制御部53を構成するマイクロコンピュータや、インバータ回路51,52を構成する半導体スイッチング素子、駆動回路等が含まれる。制御装置50は、端板部22を挟んで固定子30とは逆側に設けられている。
【0033】
図3は、本実施形態における制御装置50の電気的構成を示す図である。
【0034】
本実施形態では、固定子巻線32が第1固定子巻線32aと第2固定子巻線32bとから構成されており、固定子巻線32a,32bごとにインバータ回路51,52が設けられている。ここでは、第1固定子巻線32aに接続されたインバータ回路51を第1インバータ回路51、第2固定子巻線32bに接続されたインバータ回路52を第2インバータ回路52とも称する。各インバータ回路51,52は、それぞれ3相の相数と同数の上下アームを有するフルブリッジ回路により構成されている。制御部53は、インバータ回路51,52の各アームに設けられたスイッチング素子のオンオフにより、各相における電流を制御する。
【0035】
詳しく説明すると、第1インバータ回路51は、U相、V相及びW相からなる3相において、スイッチング素子としての上アームスイッチSpと下アームスイッチSnとの直列接続体をそれぞれ備えている。本実施形態では、各相における上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、具体的にはIGBTを用いている。なお、スイッチング素子としてMOSFETを用いてもよい。各相における上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnには、それぞれフリーホイールダイオード(還流ダイオード)Dp,Dnが逆並列に接続されている。
【0036】
各相の上アームスイッチSpの高電位側端子(コレクタ)は、バッテリBの正極端子に接続されている。また、各相の下アームスイッチSnの低電位側端子(エミッタ)は、バッテリBの負極端子(グランド)に接続されている。各相の上アームスイッチSpと下アームスイッチSnとの間の中間接続点は、それぞれ第1固定子巻線32aにおける各相の相巻線の一端に接続されている。第1固定子巻線32aはU相、V相、W相の相巻線を有しており、第1インバータ回路51では、それら各相の相巻線の一端がそれぞれ上下アームのスイッチSp,Snの中間接続点に接続されている。
【0037】
第2インバータ回路52は、第1インバータ回路51と同様の構成を有するものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。第2固定子巻線32bは、X相、Y相、Z相の相巻線を有しており、第2インバータ回路52では、それら各相の相巻線の一端がそれぞれ上下アームのスイッチSp,Snの中間接続点に接続されている。
【0038】
第1インバータ回路51から供給される3相の電流と、第2インバータ回路52から供給される3相の電流とは、互いに所定の電流位相差を有するものとなっている。
【0039】
以下には、固定子30の具体的な構成を説明する。
図4は、固定子30の平面図であり、
図5(a),(b)は、固定子コア31の構成を説明するための斜視図である。
【0040】
固定子30において、固定子コア31は複数の分割コア61により構成されており、各分割コア61が周方向に並べて配置されることで固定子コア31が円筒状に形成されている。分割コア61はそれぞれ、鋼板積層体であるコア本体62と、絶縁性の樹脂材料等により構成された絶縁部材63,64とを有している。
図5(a)は、固定子コア31において絶縁部材63,64を取り付けた状態を示し、
図5(b)は、固定子コア31において絶縁部材63,64を取り外した状態を示している。
【0041】
コア本体62は、固定子コア31の径方向に延びるティース34と、その一端側に設けられたヨーク部62aと、他端側に設けられた鍔部62bとを有している。ヨーク部62aは、
図2に示す固定子コア31のバックヨーク33に相当する部位である。隣り合う分割コア61ではヨーク部62aどうしが接着等により接合されているとよい。絶縁部材63,64は、ティース34の軸方向一端側及び他端側に装着されている。絶縁部材63,64は、ティース34よりも径方向外側(バックヨーク33側)で軸方向に延びる起立部63a,64aを有している。起立部63a,64aには、固定子巻線32の導線材を挿通可能な溝部63b,64bが周方向2箇所にそれぞれ設けられている。
【0042】
各分割コア61が周方向に並ぶことにより、
図2に示すとおりティース34とスロット35とが周方向に交互に配置されるようになっている。本実施形態では、18個の分割コア61により固定子コア31が構成されている。
図4に示すように、固定子巻線32は、各ティース34に導線材が集中巻により巻回されることで構成されている。ただし、
図4には各ティース34に対する巻線構造の一例を示しており、後述する巻線構造とは必ずしも一致しない。本実施形態における巻線構造については後で詳しく説明する。
【0043】
固定子巻線32の電気的な構成について一例を
図6に示す。
図6(a)は、第1固定子巻線32aにおいてU相、V相、W相の相巻線の構成を示し、
図6(b)は、第2固定子巻線32bにおいてX相、Y相、Z相の相巻線の構成を示している。これら各固定子巻線32a,32bでは、星形結線(Y結線)により各相の相巻線が互いに接続されている。
【0044】
図6(a)に示すように、第1固定子巻線32aは、U相の相巻線として部分巻線U1,U2,U3,U4を有し、V相の相巻線として部分巻線V1,V2,V3,V4を有し、W相の相巻線として部分巻線W1,W2,W3,W4を有している。そして、部分巻線U1,U2の直列接続体の一端と、部分巻線V1,V2の直列接続体の一端と、部分巻線W1,W2の直列接続体の一端とが中性点N1aにて互いに接続されるとともに、部分巻線U3,U4の直列接続体の一端と、部分巻線V3,V4の直列接続体の一端と、部分巻線W3,W4の直列接続体の一端とが中性点N1bにて互いに接続されている。
【0045】
また、
図6(b)に示すように、第2固定子巻線32bは、X相の相巻線として部分巻線X1,X2,X3,X4を有し、Y相の相巻線として部分巻線Y1,Y2,Y3,Y4を有し、Z相の相巻線として部分巻線Z1,Z2,Z3,Z4を有している。そして、部分巻線X1,X2の直列接続体の一端と、部分巻線Y1,Y2の直列接続体の一端と、部分巻線Z1,Z2の直列接続体の一端とが中性点N2aにて互いに接続されるとともに、部分巻線X3,X4の直列接続体の一端と、部分巻線Y3,Y4の直列接続体の一端と、部分巻線Z3,Z4の直列接続体の一端とが中性点N2bにて互いに接続されている。
【0046】
第1固定子巻線32aにおける各相の部分巻線U1~U4,V1~V4,W1~W4と、第2固定子巻線32bにおける各相の部分巻線X1~X4,Y1~Y4,Z1~Z4は、それぞれ固定子コア31のティース34に集中巻により巻回されている。本実施形態では、第1固定子巻線32aの12個の部分巻線と第2固定子巻線32bの12個の部分巻線とが、固定子コア31の18個のティース34に対して振り分けられて巻回されている。この点について以下に詳しく説明する。
【0047】
固定子コア31では、全18個のティース34が3つずつのティース群に分けられ、各ティース群における3つずつのティース34に、互いに異相となる2つの相巻線の部分巻線がそれぞれ巻回されている。つまり、固定子30では、
図4に示すように、固定子コア31の全てのティース34(T1~T18)が6つのティース群G1~G6に分けられており、周方向に並ぶティース群G1~G6に各相の相巻線が巻回されることで固定子巻線32a,32bが構成されている。各ティース群G1~G6には、第1固定子巻線32aの部分巻線U1~U4,V1~V4,W1~W4のうち2つの部分巻線と、第2固定子巻線32bの部分巻線X1~X4,Y1~Y4,Z1~Z4のうち2つの部分巻線とが振り分けられた状態で巻回されている。この場合、各ティース群G1~G6において、各3つのティースのうち周方向の両側となる各ティース34の一方には、第1固定子巻線32aの部分巻線が巻回されるとともに、同じ各ティース34の他方には、第2固定子巻線32bの部分巻線が巻回されている。また、各ティース群G1~G6の中央となるティース34には、第1,第2固定子巻線32a,32bにおける両方の部分巻線が巻回されている。
【0048】
ここで、各ティース群G1~G6において、周方向に3連続となるティース34を、周方向の並び順で第1ティース、第2ティース及び第3ティースとすると、それら第1~第3ティースのうち、第1,第2ティースに、複数の相巻線のうち第1相巻線の部分巻線が連続して巻回されるとともに、第2,第3ティースに、複数の相巻線のうち第2相巻線の部分巻線が連続して巻回されている。3連続となるティース34のうち中央となる第2ティースは、第1,第2相巻線が共に巻回される共通ティースとなっている。
【0049】
図7は、固定子巻線32a,32bの各部分巻線について各ティースT1~T18との対応関係を示す図である。
図7では、例えばティース群G1において、
・ティースT1には、第1固定子巻線32aの部分巻線W1が巻回され、
・ティースT2には、第1固定子巻線32aの部分巻線W2と第2固定子巻線32bの部分巻線X2とが巻回され、
・ティースT3には、第2固定子巻線32bの部分巻線X1が巻回されている。これら各ティースT1~T3が第1~第3ティースに相当する。その他のティース群G2~G6については説明を省くが、同様の態様で各部分巻線が巻回されており、各ティース群G2~G6における各3つのティースが、それぞれ第1~第3ティースに対応するものとなっている。
【0050】
図7に示す各ティース群G1~G6には、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなるティース群として、2つずつ3組のティース群が含まれている。具体的には、ティース群G1,G4では、2相分の相巻線の組み合わせとして、W相の相巻線とX相の相巻線とが組み合わされている。また、ティース群G2,G5では、2相分の相巻線の組み合わせとして、V相の相巻線とZ相の相巻線とが組み合わされ、ティース群G3,G6では、2相分の相巻線の組み合わせとして、U相の相巻線とY相の相巻線とが組み合わされている。
【0051】
2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなるティース群、すなわちティース群G1,G4、ティース群G2,G5、ティース群G3,G6は、それぞれ周方向において互いに180度離れた位置に配置されている(
図4参照)。
【0052】
次に、各ティース群G1~G6における相巻線(部分巻線)の巻回の構造について詳しく説明する。
【0053】
図8は、全てのティース群G1~G6のうち、ティース群G1,G4にのみ相巻線が巻回された状態を示す平面図である。上述したとおり、各ティース群G1,G4に巻回される相巻線は、2相の組み合わせが同じであり、いずれもW相の相巻線とX相の相巻線との組み合わせとなっている。なお、
図8では、確認をし易くするために、W相の相巻線とX相の相巻線とのうちX相の相巻線にドット状の網掛けを付している。また、
図9は、ティース群G1,G4の各ティースに対する導線材の巻線順序を模式的に示す図である。
【0054】
図8及び
図9に示すように、W相の相巻線として、ティース群G1のティースT1,T2には部分巻線W1,W2が巻装されるとともに、ティース群G4のティースT10,T11には部分巻線W3,W4が巻装されている。部分巻線W1~W4は、1本の導線材C1を用いて巻回されている。また、X相の相巻線として、ティース群G1のティースT3,T2には部分巻線X1,X2が巻装されるとともに、ティース群G4のティースT12,T11には部分巻線X3,X4が巻装されている。部分巻線X1~X4は、1本の導線材C2を用いて巻回されている。W相の相巻線とX相の相巻線とのうちW相の相巻線が、巻線巻回時において先に巻回される先巻きの相巻線であり、X相の相巻線が、後に巻回される後巻きの相巻線となっている。各導線材C1,C2は、導体が絶縁被膜により覆われた被覆導線であり、例えば丸線である。
【0055】
この場合、先巻き巻線であるW相の相巻線の巻回時には、導線材C1が、ティース群G1においてティースT1→ティースT2の順に巻回されるとともに、その後、周方向に180度離れたティース群G4まで引き延ばされる。そして、導線材C1が、ティース群G4においてティースT10→ティースT11の順に巻回される。つまり、W相の相巻線は、1本の導線材C1を用いて、部分巻線W1→部分巻線W2→部分巻線W3→部分巻線W4の順に巻回される。なお、ティースT1,T2では、互いに逆となる周回方向で導線材C1が巻回され、ティースT10,T11では、互いに逆となる周回方向で導線材C1が巻回される。
【0056】
W相の相巻線において、導線材C1の巻き始めは部分巻線W1であり、巻き終わりは部分巻線W4である。導線材C1において、部分巻線W1の巻き始めよりも基端側の導線端部71は、中性点に接続される中性点側端部である。この導線端部71は、
図6(a)において中性点N1aに接続されている。また、部分巻線W4の巻き終わりよりも先端側の導線端部72は、中性点に接続される中性点側端部である。この導線端部72は、
図6(a)において中性点N1bに接続されている。
【0057】
ティース群G1において、導線材C1が部分巻線W1→部分巻線W2の順に巻回される際、それら両部分巻線W1,W2の間の渡り部73が、各分割コア61に設けられた絶縁部材63により案内されているとよい。具体的には、渡り部73は、絶縁部材63の溝部63bを介して起立部63aの外側、すなわち起立部63aを挟んで反ティース側に案内されているとよい。渡り部73が起立部63aの外側に案内されることで、導線材C1の渡り部73が、後巻きである導線材C2の巻回の邪魔にならないようになっている。
【0058】
また、ティース群G4において、導線材C1が部分巻線W3→部分巻線W4の順に巻回される際、それら両部分巻線W3,W4の間の渡り部74が、渡り部73と同様に絶縁部材63により案内されているとよい。
【0059】
W相の相巻線において、ティース群G1,G4の間、すなわち部分巻線W2と部分巻線W3との間は渡り部75になっている。渡り部75は、周方向に(すなわち各ティース34が並ぶ方向に)円弧状に延びるように設けられている。渡り部75は、一方のティース群G1と他方のティース群G4との間で共通の導線材C1により接続された部位である。なお、
図8では便宜上、渡り部75を、各ティース34の中間部分に重ねて示しているが、実際には、
図10に太実線で示すように、渡り部75が、絶縁部材63により各ティース34の径方向外側、すなわち径方向においてティース34に重複しない位置に案内されているとよい。
【0060】
渡り部75の途中には、W相の電力端子に接続される引出線76が接続されている。この場合、渡り部75では、例えば、導線材C1の絶縁被膜が部分的に除去され、その被膜除去部分(すなわち導体露出部分)に、引出線76が接続されているとよい。
【0061】
また、後巻き巻線であるX相の相巻線の巻回時には、導線材C2が、ティース群G1においてティースT3→ティースT2の順に巻回されるとともに、その後、周方向に180度離れたティース群G4まで引き延ばされる。そして、導線材C2が、ティース群G4においてティースT12→ティースT11の順に巻回される。つまり、X相の相巻線は、1本の導線材C2を用いて、部分巻線X1→部分巻線X2→部分巻線X3→部分巻線X4の順に巻回される。なお、ティースT3,T2では、互いに逆となる周回方向で導線材C2が巻回され、ティースT12,T11では、互いに逆となる周回方向で導線材C2が巻回される。
【0062】
X相の相巻線において、導線材C2の巻き始めは部分巻線X1であり、巻き終わりは部分巻線X4である。導線材C2において、部分巻線X1の巻き始めよりも基端側の導線端部81は、中性点に接続される中性点側端部である。この導線端部81は、
図6(b)において中性点N2aに接続されている。また、部分巻線X4の巻き終わりよりも先端側の導線端部82は、中性点に接続される中性点側端部である。この導線端部82は、
図6(b)において中性点N2bに接続されている。
【0063】
ティース群G1において、導線材C2が部分巻線X1→部分巻線X2の順に巻回される際、それら両部分巻線X1,X2の間の渡り部83は、W相の渡り部73とは異なり、絶縁部材63により案内されていなくてもよい。X相の相巻線が後巻き巻線であるためである。
【0064】
また、ティース群G4において、導線材C2が部分巻線X3→部分巻線X4の順に巻回される際、それら両部分巻線X3,X4の間の渡り部84は、渡り部83と同様に絶縁部材63により案内されていなくてもよい。
【0065】
X相の相巻線において、ティース群G1,G4の間、すなわち部分巻線X2と部分巻線X3との間は渡り部85になっている。渡り部85は、周方向に(すなわち各ティース34が並ぶ方向に)円弧状に延びるように設けられている。渡り部85は、一方のティース群G1と他方のティース群G4との間で共通の導線材C2により接続された部位である。なお、
図8では便宜上、渡り部85を、各ティース34の中間部分に重ねて示しているが、実際には、
図10に太破線で示すように、渡り部85が、絶縁部材63により各ティース34の径方向外側、すなわち径方向においてティース34に重複しない位置に案内されているとよい。
【0066】
渡り部85の途中には、X相の電力端子に接続される引出線86が接続されている。この場合、渡り部85では、例えば、導線材C2の絶縁被膜が部分的に除去され、その被膜除去部分(すなわち導体露出部分)に、引出線86が接続されているとよい。
【0067】
図10に示すように、ティース群間におけるW相、X相の渡り部75,85は、ティース群G1から、周方向に互いに逆となる向きで周方向に引き延ばされている。すなわち、
図10において、W相の渡り部75は反時計回り方向に引き延ばされ、X相の渡り部75は時計回り方向に引き延ばされている。ただし、これら渡り部75,85が、ティース群G1から、周方向に同じ向きで周方向に引き延ばされていてもよい。
【0068】
図11(a)は、ティース群G1,G4にW相の相巻線とX相の相巻線とを巻回した状態を模式的に示す図であり、
図11(b)は、
図11(a)においてさらに、ティース群G3,G6にU相の相巻線とY相の相巻線とを巻回した状態を模式的に示す図である。なおここでは、対となる2つのティース群どうしの間となる渡り部(
図8,
図9の渡り部75,85)を、いずれも「渡り部91」とし、その渡り部91に接続された引出線(
図8,
図9の引出線76,86)を、いずれも「引出線92」としている。
【0069】
図11(a)には、上述の
図8に対応する構成を示しており、ティース群G1,G4において、W相の相巻線及びX相の相巻線が、それぞれ渡り部91を介して連続的に巻回されている。
【0070】
また、
図11(b)では、ティース群G3,G6において、U相の相巻線及びY相の相巻線が、それぞれ渡り部91を介して連続的に巻回されている。なお、U相及びY相の相巻線は、W相及びX相の相巻線と同じ手法で各ティース群G3,G6に巻回されるとよい。この場合、1相につき1つずつ渡り部91と引出線92とが設けられている。
【0071】
先にティース群G1,G4にW相及びX相の相巻線が巻回された状態で、ティース群G3,G6にU相及びY相の相巻線が巻回される場合には、先巻きのW相及びX相の相巻線が、後巻きのU相及びY相の相巻線の邪魔にならないようになっているとよい。この点、
図10で説明したように、W相の相巻線の渡り部91(
図10において太実線で示す渡り部75)と、X相の相巻線の渡り部91(
図10において太実線で示す渡り部85)とが、絶縁部材63により各ティース34の径方向外側に案内されるようになっている。これにより、先巻きのW相及びX相の相巻線が、後巻きのU相及びY相の相巻線の邪魔にならないようになっている。
【0072】
ティース群G1,G4の間で架け渡されるW相、X相の渡り部91と、ティース群G3,G6の間で架け渡されるU相、Y相の渡り部91とは、いずれも絶縁部材63により各ティース34の径方向外側に案内されるとよい。この場合、周方向において重複する位置に各相の渡り部91がそれぞれ配される場合、それら各渡り部91が軸方向又は径方向に並べて配置されるとよい。
【0073】
図12には、全てのティース群G1~G6に相巻線を巻回した状態を示す。
図11(b)との違いを言えば、
図12では、さらにティース群G2,G5にV相の相巻線とZ相の相巻線とが巻回された状態となっている。V相及びZ相の相巻線は、W相及びX相の相巻線や、U相及びY相の相巻線と同じ手法で各ティース群G2,G5に巻回されるとよい。この場合、各相の相巻線には、1相につき1つずつ渡り部91と引出線92とが設けられており、
図12には、6つの渡り部91と引出線92とが示されている。
【0074】
また、
図12には、各相の相巻線について中性点の接続構造を併せて示している。なおここでは、各相の相巻線の巻き始めとなる中性点側端部(
図8,
図9の導線端部71,81)と、各相の相巻線の巻き終わりとなる中性点側端部(
図8,
図9の導線端部72,82)とを、いずれも「中性点側端部93」としている。
【0075】
本実施形態では、中性点の接続構造として以下の構成を有している。
・ティースT1,T5,T7から延びる中性点側端部93は中性点バスバ101により接続されている。
・ティースT3,T5,T9から延びる中性点側端部93は中性点バスバ102により接続されている。
・ティースT11,T13,T17から延びる中性点側端部93は中性点バスバ103により接続されている。
・ティースT11,T15,T17から延びる中性点側端部93は中性点バスバ104により接続されている。
【0076】
各中性点バスバ101~104は、各相の相巻線を中性点接続する中性点接続部材であり、円弧状に延び、それぞれ3箇所の接続位置で各相の相巻線に接続されている。なお、
図8では、導線材C1,C2の中性点側端部93が、巻き始め及び巻き終わりの各相巻線の位置から余剰に周方向に引き延ばされている。これにより、所望の位置での中性点接続が可能になっている。
【0077】
図12の構成について、
図6の巻線構造図と対応させて説明すると、以下のとおりとなる。
【0078】
図6(a)では、第1固定子巻線32aにおいて、U相、V相、W相の各相巻線がそれぞれ2並列となっており、その2並列の集合部分が相ごとの電力端子に接続されている。この場合、U相の部分巻線U2-U3の間、V相の部分巻線V1-V4の間、W相の部分巻線W2-W3の間が、それぞれ
図12におけるU相、V相、W相の渡り部91に相当する。また、第1固定子巻線32aにおいて、部分巻線U1と部分巻線V2と部分巻線W1とを接続する中性点N1aが、
図12の中性点バスバ101に相当し、部分巻線U4と部分巻線V3と部分巻線W4とを接続する中性点N1bが、
図12の中性点バスバ103に相当する。
【0079】
また、
図6(b)では、第2固定子巻線32bにおいて、X相、Y相、Z相の各相巻線がそれぞれ2並列となっており、その2並列の集合部分が相ごとの電力端子に接続されている。この場合、X相の部分巻線X2-X3の間、Y相の部分巻線Y2-Y3の間、Z相の部分巻線Z1-Z4の間が、それぞれ
図12におけるX相、Y相、Z相の渡り部91に相当する。また、第2固定子巻線32bにおいて、部分巻線X1と部分巻線Y1と部分巻線Z2とを接続する中性点N2aが、
図12の中性点バスバ102に相当し、部分巻線X4と部分巻線Y4と部分巻線Z3とを接続する中性点N2bが、
図12の中性点バスバ104に相当する。
【0080】
固定子30では、各相の電力入出力線となる引出線92が軸方向に延び、制御装置50に接続されている。この構成を
図13により説明する。
図13は、モータ10において、固定子巻線32と制御装置50との電気的な接続に関する構成を示す概略図である。なお、
図13は、
図1に示すモータ10について本説明に該当する部分のみを分解して示す図である。
図1に示すとおり、モータ10では、軸方向において固定子30の側方に制御装置50が設けられている。
【0081】
固定子巻線32は、各相の相巻線に1つずつ設けられた引出線92を有し、その引出線92は軸方向に引き延ばされている。また、固定子巻線32は、各相の相巻線に2つずつ設けられた中性点側端部93を有し、その中性点側端部93は軸方向に引き延ばされている。そして、各相の中性点側端部93に対して、中性点バスバ101~104が接続される。これにより、
図6や
図12に示すとおり各固定子巻線32a,32bが星形結線される。
【0082】
固定子30が固定されるハウジング20は端板部22を有し、その端板部22には、軸方向に貫通する複数の貫通孔22aが設けられている。貫通孔22aは、周方向に並ぶ位置に各々設けられている。各相の引出線92は、端板部22の貫通孔22aに挿通されることで、制御装置50の側に引き出される。そして、各引出線92が、制御装置50の基板55に設けられた接続端子57に接続される。この構成では、各引出線92が制御装置50に直接接続されており、電力入出力側の結線がバスバレス構造となっている。
【0083】
本実施形態では、ハウジング20の端板部22を挟んで一方の側において中性点バスバ101~104による中性点接続が行われるとともに、他方の側において制御装置50に対する各相の引出線92(電力入出力線)の接続が行われるものとなっている。つまり、ハウジング20は、モータ10において固定子30及び回転子40の側の第1スペースと制御装置50の側の第2スペースとを区分けする端板部22を有しており、第1スペースにおいて、各相の相巻線どうしが中性点バスバ101~104により接続され、第2スペースにおいて、各引出線92が制御装置50に接続されている。
【0084】
なお、
図1に示すように、端板部22の貫通孔22aに引出線92が挿通された状態で、貫通孔22a内の隙間が樹脂等のシール材58により閉塞されているとよい。
【0085】
ところで、回転電機では、トルクリプルに基づく騒音や振動が問題となっている。トルクリプルは、主に6次高調波成分又は12次高調波成分が主要成分となるため、これらの抑制することが望ましい。そこで、上記構成のモータ10を用い、制御装置50において以下のような制御が行われるとよい。
【0086】
上記構成のモータ10では、
・各ティース群の第1ティース(T1,T4,T7,T10,T13,T16)に、第1固定子巻線32aにおけるU相、V相、W相の各部分巻線(第1コイル体)が巻回され、
・各ティース群の第2ティース(T2,T5,T8,T10,T14,T17)に、第1,第2固定子巻線32a,32bにおけるいずれか1相ずつの部分巻線(第2コイル体)が巻回され、
・各ティース群の第3ティース(T3,T6,T9,T12,T15,T18)に、第2固定子巻線32bにおけるX相、Y相、Z相の各部分巻線(第3コイル体)が巻回されている。
【0087】
そしてかかる構成において、制御装置50が、各相の第1コイル体の起磁力に対する各相の第2コイル体の起磁力の各位相差と、各相の第2コイル体の起磁力に対する各相の第3コイル体の起磁力の各位相差と、が電気角で20度を含む所定の位相範囲内となるように、又は、各相の第1コイル体の起磁力に対する各相の第3コイル体の起磁力の各位相差と、各相の第3コイル体の起磁力に対する各相の第2コイル体の起磁力の各位相差と、が電気角で20度を含む所定の位相範囲内となるように、第2ティースに巻回される第1固定子巻線32aの部分巻線により発生する起磁力と当該第2ティースに巻回される第2固定子巻線32bの部分巻線により発生する起磁力との合算位相差を設定する。合算位相差は、例えば電気角で72~88度の範囲で設定されるとよい。若しくは、制御装置50は、第2ティースに巻回される第1固定子巻線32aの部分巻線に流れる電流と当該第2ティースに巻回される第2固定子巻線32bの部分巻線に流れる電流との合算位相差を設定する。なお、本制御の詳細は、本願出願人の出願による特許第7103299号公報に詳細に記載されている。
【0088】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0089】
固定子巻線32の構成として、周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース、第2ティース及び第3ティースのうち、第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の相巻線がそれぞれ巻回される構成とした。そして、固定子30の各ティース群のうち、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる2つのティース群において、各相の相巻線を、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部91により接続する構成とした。これにより、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる各ティース群について、各相の相巻線を、連続する1本の導線材により連続的に巻回することができる。また、2つのティース群の間の渡り部91の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線92を接続するようにした。これにより、それら各ティース群に含まれる各相の相巻線において、引出線92を集合部分としかつ二方に分岐した並列巻線回路を容易に作成することができる。この場合、各相の相巻線がそれぞれ2並列となり、かつ2並列のうち一方の部分巻線と、他方の部分巻線とが互いに異なるティース群に属する構成の固定子巻線32において、電力入出力線である引出線92が並列部分で共用できる構成となっている。これにより、固定子巻線32において電力入出力側との接合点数の削減を図ることができる。その結果、3ティース2相巻線となるティース群を複数有する巻線構造において、相巻線の巻回を好適に行わせることができる。
【0090】
機電一体型のモータ10において、固定子30の側方に設けられた制御装置50に、各相の引出線92を直接的に接続する構成とした。これにより、電力入出力用のバスバが不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0091】
モータ10では、固定子巻線32の各相の引出線92を介して、モータ外部との間で電力の入出力が行われる一方、中性点バスバ101~104を介して固定子巻線32内での電力の出入りが行われる。この場合、引出線側と中性点側とで電力の出入り先が異なることを考慮し、ハウジング20の端板部22を挟んで両側で、引出線92と中性点バスバ101~104とをそれぞれ接続する構成とした。これにより、これら引出線92と中性点バスバ101~104とのそれぞれの接続を共に端板部22の片側にする場合に比べて、接続作業の簡易化や設置スペースの削減が可能となる。
【0092】
渡り部91の途中において、導線材の被膜除去部分に引出線92が接続されている構成とした。これにより、2つのティース群の間で連続する渡り部91を用いつつ、電力線としての引出線92を好適に接続することができる。
【0093】
周方向に離れた2つティース群において、各相の相巻線を、一方のティース群と他方のティース群との間で渡り部91により連続させて巻回する場合には、先に巻回された相巻線が、後から巻回される相巻線の邪魔になることが懸念される。この点、固定子コア31の軸方向端部に設けられた絶縁部材63を用い、渡り部91を、径方向においてティース34に重複しない位置で周方向に案内する構成とした。これにより、巻回順序が前後する各相巻線について互いが邪魔になることなく、好適に巻回作業を行わせることができる。
【0094】
2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる各ティース群が周方向に180度離れた位置に配置されている場合には、各ティース群で各々個別に相ごとの引出線が設けられる構成が想定される。これに対し、上記のごとく周方向に180度離れた各ティース群において、一方のティース群と他方のティース群との間で各相の相巻線が渡り部91により接続されている構成とすることで、相ごとに引出線92を集約することが可能となる。
【0095】
2並列に接続された複数の部分巻線を有する各相の相巻線において、2並列の一方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部から、他方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部までが1本の導線材C1,C2により巻回されている構成とした。この場合、各相巻線の巻回時には、導線材C1,C2を、2並列の部分巻線の一方の中性点から巻き始めて他方の中性点で巻き終わらせることができ、相巻線に含まれる全ての部分巻線を効率良く巻回させることができる。
【0096】
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
【0097】
・第1固定子巻線32a及び第2固定子巻線32bは、
図14に示す構成であってもよい。
図14(a)に示す第1固定子巻線32aでは、U相の部分巻線U1,U4と、V相の部分巻線V2,V3と、W相の部分巻線W1,W4とが中性点N1にて互いに接続されている。また、
図14(b)に示す第2固定子巻線32bでは、X相の部分巻線X1,X4と、Y相の部分巻線Y1,Y4と、Z相の部分巻線Z2,Z3とが中性点N2にて互いに接続されている。この場合、各固定子巻線32a,32bでは、それぞれ1つの中性点バスバにより中性点接続が行われているとよい。
【0098】
・固定子コア31において、各分割コア61は複数個ずつのティース34を有するものであってもよい。例えば、分割コア61は3つのティース34を有するものであるとよい。また、固定子コア31は、分割コア構造でない構成、すなわち周方向に分割不可な一体の円環状をなす構成であってもよい。
【0099】
・固定子コア31のティース数は18以外であってもよい。ただしこの場合、ティース数は6×n個であるとよい。また、固定子巻線32は、{(6×n)/3}個のティース群からなる固定子コア31に導線材が巻回されるものであるとよい。例えば固定子コア31のティース数が36である場合には、固定子巻線32において、2相分の相巻線の組み合わせが同じ組み合わせになるティース群として、2つずつ6組のティース群が含まれているとよい。モータ10では、回転子40の磁極数を(18±4)×m、スロット数を18×m(mは整数)とするといよい。
【0100】
・回転電機は、インナロータ式の回転電機に代えて、アウタロータ式の回転電機であってもよい。
【0101】
上述の実施形態から抽出される技術思想を以下に記載する。
[構成1]
固定子(30)と、前記固定子に対して径方向に対向配置された回転子(40)とを備え、前記固定子は、周方向に所定間隔で設けられた複数のティース(34)を有する固定子コア(31)と、相ごとに設けられた複数の相巻線を有する固定子巻線(32)とを有する回転電機(10)であって、
各相の前記相巻線は、前記ティースにそれぞれ集中巻により巻回されており、
前記複数のティースにおいて周方向に連続する3つのティースを1つのティース群とし、そのティース群における第1ティース、第2ティース及び第3ティースのうち、第1ティース及び第2ティースと、第2ティース及び第3ティースとに、互いに異なる2相の前記相巻線がそれぞれ巻回されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群に各相の前記相巻線が巻回されることで前記固定子巻線が構成されており、
周方向に並ぶ複数の前記ティース群には、2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記ティース群が複数含まれており、
2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群において、各相の前記相巻線が、一方のティース群と他方のティース群との間で共通の導線材からなる渡り部(91)により接続されており、
前記渡り部の途中に、相ごとの電力端子に接続される引出線(92)が接続されている、回転電機。
[構成2]
軸方向において前記固定子の側方には制御装置(50)が設けられており、
相ごとの前記各引出線は、前記制御装置に向けて延び、当該制御装置に接続されている、構成1に記載の回転電機。
[構成3]
前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で接続されるものであり、
前記固定子及び前記回転子を収容するハウジング(20)を有し、前記ハウジングは、前記固定子及び前記回転子の側の第1スペースと前記制御装置の側の第2スペースとを区分けする端板部(22)を有しており、
前記第1スペースにおいて、各相の前記相巻線どうしが中性点接続部材(101~104)により接続され、
前記第2スペースにおいて、前記各引出線が前記制御装置に接続されている、構成2に記載の回転電機。
[構成4]
前記導線材は、導体が絶縁被膜により覆われた被覆導線であり、
前記渡り部の途中において、前記導線材の絶縁被膜が部分的に除去され部分に前記引出線が接続されている、構成1~3のいずれかに記載の回転電機。
[構成5]
前記固定子コアの軸方向端部には、前記ティースと前記固定子巻線とを絶縁する絶縁部材(63)が設けられており、
前記渡り部は、前記絶縁部材により、径方向において前記ティースに重複しない位置で周方向に案内されている、構成1~4のいずれかに記載の回転電機。
[構成6]
2相分の前記相巻線の組み合わせが同じ組み合わせとなる前記各ティース群が、周方向に180度離れた位置に配置されており、当該各ティース群において、一方のティース群と他方のティース群との間で各相の前記相巻線が前記渡り部により接続されている、構成1~5のいずれかに記載の回転電機。
[構成7]
各相の前記相巻線は、それぞれ2並列に接続された複数の部分巻線を有し、
前記固定子巻線は、各相の前記相巻線が中性点で互いに接続されて構成されており、
前記相巻線は、前記2並列の一方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部から、他方の部分巻線に接続される中性点側の巻線端部までが1本の導線材(C1,C2)により巻回されている、構成1~6のいずれかに記載の回転電機。
【符号の説明】
【0102】
10…モータ、30…固定子、31…固定子コア、32…固定子巻線、34…ティース、40…回転子、91…渡り部、92…引出線。