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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162370
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気接続箱、及び、ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20241114BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20241114BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241114BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20241114BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20241114BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
H05K7/20 N
H01B7/00 301
B60R16/02 610C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077799
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏侑
【テーマコード(参考)】
5E322
5G309
5G361
【Fターム(参考)】
5E322AA02
5E322AA07
5E322AA10
5E322AA11
5E322AB01
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5E322FA04
5G309AA01
5G309AA09
5G361AB12
5G361AD01
5G361BA03
5G361BA06
5G361BA07
5G361BB01
5G361BB03
5G361BC01
(57)【要約】
【課題】適正に冷却性能を確保すること。
【解決手段】電気接続箱10は、発熱部品11と、発熱部品11を冷却する冷却部12と、発熱部品11、及び、冷却部12を保持する樹脂筐体13と、を備え、冷却部12は、発熱部品11のバスバー3の形状に沿った形状に形成される金属板5と、金属板5に沿って金属板5に接触して配置され冷媒が流通される金属配管6と、絶縁性を有して発熱部品11と金属板5との間に介在される伝熱材4と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品と、
前記発熱部品を冷却する冷却部と、
前記発熱部品、及び、前記冷却部を保持する樹脂筐体と、
を備え、
前記冷却部は、前記発熱部品の形状に沿った形状に形成される金属板と、前記金属板に沿って前記金属板に接触して配置され冷媒が流通される金属配管と、絶縁性を有して前記発熱部品と前記金属板との間に介在される伝熱材と、を含む、
電気接続箱。
【請求項2】
前記冷却部は、前記伝熱材に切欠が設けられ、
前記樹脂筐体は、前記伝熱材の前記切欠に嵌合し、且つ、前記発熱部品に接触して設けられる樹脂部材を有する、
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記冷却部は、前記金属板に前記伝熱材の前記切欠と一致する切欠が設けられ、
前記樹脂筐体は、前記樹脂部材が前記金属板の前記切欠にも嵌合する、
請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記金属配管は、前記金属板の板面に対向し当該金属板の板面と接触する平面部を有する、
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項5】
導電性を有する配索材と、
前記配索材と電気的に接続される電気接続箱と、
を備え、
前記電気接続箱は、
発熱部品と、
前記発熱部品を冷却する冷却部と、
前記発熱部品、及び、前記冷却部を保持する樹脂筐体と、
を備え、
前記冷却部は、前記発熱部品の形状に沿った形状に形成される金属板と、前記金属板に沿って前記金属板に接触して配置され冷媒が流通される金属配管と、絶縁性を有して前記発熱部品と前記金属板との間に介在される伝熱材と、を含む、
ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱、及び、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、発熱部品としてのリレー、及び、バスバーと、リレー、及び、バスバーを冷却する冷却用部材と、リレー、バスバー、及び、冷却用部材を保持する放熱体である樹脂製のケースと、を備えた構成が開示されている。冷却用部材は、金属からなる板材を略L字状にプレス加工して形成される。冷却用部材とケースの底面との間には、樹脂製の熱伝導部材が設けられている。
【0003】
また、従来、例えば、特許文献2には、発熱部品としてのリレー、及び、バスバーと、バスバーを冷却する伝熱部材と、リレー、バスバー、及び、伝熱部材を保持する筐体と、を備えた構成が開示されている。バスバーは、同方向に延びる第1部と第3部との間に上下方向に延びる第2部が設けられて略Z字状に形成され、第1部がリレーに接続され、第3部が伝熱部材に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-052189号公報
【特許文献2】特開2020-127302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、冷却性能を向上するには、上述した冷却用部材や伝熱部材の容量を大きくすることが考えられるが、これでは重量が嵩み、大型化が懸念される等、更なる改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に冷却性能を確保することのできる電気接続箱、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、発熱部品と、前記発熱部品を冷却する冷却部と、前記発熱部品、及び、前記冷却部を保持する樹脂筐体と、を備え、前記冷却部は、前記発熱部品の形状に沿った形状に形成される金属板と、前記金属板に沿って前記金属板に接触して配置され冷媒が流通される金属配管と、絶縁性を有して前記発熱部品と前記金属板との間に介在される伝熱材と、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する配索材と、前記配索材と電気的に接続される電気接続箱と、を備え、前記電気接続箱は、発熱部品と、前記発熱部品を冷却する冷却部と、前記発熱部品、及び、前記冷却部を保持する樹脂筐体と、を備え、前記冷却部は、前記発熱部品の形状に沿った形状に形成される金属板と、前記金属板に沿って前記金属板に接触して配置され冷媒が流通される金属配管と、絶縁性を有して前記発熱部品と前記金属板との間に介在される伝熱材と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、適正に冷却性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電気接続箱の平面図である。
図3図3は、実施形態に係る電気接続箱の樹脂筐体を除外した斜視図である。
図4図4は、図2のA-A断面図である。
図5図5は、図2のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
なお、以下の説明では、互いに交差する3つの方向を便宜的に「長さ方向(第1方向)X」、「幅方向(第2方向)Y」、「高さ方向(第3方向)Z」という。ここでは、長さ方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、互いに直交する。典型的に、長さ方向X、及び、幅方向Yは、水平方向(平面方向ともいう)に相当する。また、典型的に、長さ方向Xは、電気接続箱10における長辺方向に相当し、幅方向Yは、電気接続箱10における短辺方向に相当する。また、典型的に、高さ方向Zは、鉛直方向に相当し、鉛直上方を上部や上側と言い、鉛直下方を下部や下側という。
【0013】
実施形態の電気接続箱10は、自動車等の車両に搭載され、図1に示すように、ワイヤハーネスWHに組み込まれるものである。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを、コネクタ等で各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、配索材Wに電気的に接続される電気接続箱10と、を備える。配索材Wは、例えば、金属棒、電線、電線束等によって構成される。金属棒は、導電性の棒状部材の外側を絶縁性の被覆部によって覆ったものである。電線は、複数の導電性の金属素線からなる導体部(芯線)の外側を絶縁性の被覆部によって覆ったものである。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0014】
電気接続箱10は、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニットや、これらをユニット化した電子部品ユニット等の電子部品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱10は、例えば、車両のエンジンルームや車両室内に設置される。電気接続箱10は、配索材W等を介して、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続される。電気接続箱10は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。電気接続箱10は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。なお、各図においては、電気接続箱10の一部分をとりだして模式的に図示している。
【0015】
実施形態の電気接続箱10は、図1から図5に示すように、発熱部品11と、冷却部12と、樹脂筐体13と、を備える。
【0016】
発熱部品11は、通電に伴い発熱する部品である。発熱部品11は、本実施形態では、リレー2、及び、バスバー3である。発熱部品11は、コネクタ、ヒューズ、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニットや、これらをユニット化した電子部品ユニット等の電子部品であってもよい。
【0017】
冷却部12は、発熱部品11を冷却するものである。冷却部12は、伝熱材4と、金属板5と、金属配管6と、を含む。
【0018】
樹脂筐体13は、発熱部品11、及び、冷却部12を保持するものである。
【0019】
以下、電気接続箱10の細部について説明する。
【0020】
樹脂筐体13は、図1、及び、図2に示すように、絶縁性の合成樹脂によって形成される。樹脂筐体13は、基部13aと、一端部13bと、他端部13cと、を有する。
【0021】
基部13aは、幅方向Yにおいて所定の幅寸法を有し、長さ方向Xにおいて所定の長さ寸法を有し、高さ方向Zにおいて幅方向Y、及び、長さ方向Xで一定の高さ寸法を有するように、板状に形成される。基部13aは、高さ方向Zの上側の面において、幅方向Y、及び、長さ方向Xがなす平面に沿って平らな上面13aaを有する。
【0022】
一端部13bは、基部13aの長さ方向Xの一方に設けられる。一端部13bは、基部13aの長さ方向Xの一方において一体に形成される。一端部13bは、基部13aの長さ方向Xの一方において、基部13aの幅方向Yにおける幅寸法と同寸法で、高さ方向Zにおける高さ寸法が大きくなるように形成される。具体的に、一端部13bは、基部13aの上面13aaから上方に立ち上がり、幅方向Y、及び、高さ方向Zがなす垂直面に沿って平らな立面13baを有する。また、一端部13bは、立面13baの上端に連続して基部13aの上面13aaに平行な頂面13bbを有する。従って、一端部13bは、基部13aの長さ方向Xの一方において、高さ方向Zの上側に突出する段を構成する。また、一端部13bは、頂面13bbにおいて、高さ方向Zの下側に凹む切欠13bcを有する。
【0023】
他端部13cは、基部13aの長さ方向Xの他方に設けられる。他端部13cは、基部13aの長さ方向Xの他方において一体に形成される。他端部13cは、基部13aの長さ方向Xの他方において、基部13aの幅方向Yにおける幅寸法と同寸法で、高さ方向Zにおける高さ寸法が大きくなるように形成される。具体的に、他端部13cは、基部13aの上面13aaから上方斜めに立ち上がる斜面13caを有する。また、他端部13cは、斜面13caの上端に連続して基部13aの上面13aaに平行な頂面13cbを有する。従って、一端部13bは、基部13aの長さ方向Xの他方において、高さ方向Zの上側に突出する段を構成する。また、他端部13cは、頂面13cbにおいて、高さ方向Zの下側に凹む切欠13ccを有する。
【0024】
発熱部品11のリレー2は、図1、及び、図2に示すように、樹脂筐体13における基部13aの上面13aaに配置され、樹脂筐体13にボルト8によって固定される。
【0025】
発熱部品11のバスバー3は、図1、及び、図2に示すように、リレー2にそれぞれ独立して接続される第一バスバー3Aと第二バスバー3Bとを有する。
【0026】
第一バスバー3Aは、樹脂筐体13の基部13aから一端部13bに架かり設けられる。第一バスバー3Aは、板状に形成され、基部13aの上面13aa、一端部13bの立面13ba、及び、一端部13bの頂面13bbに沿って配置されるように、板金やプレスにより折り曲げて形成される。具体的に、第一バスバー3Aは、基部13aの上面13aaに沿い、リレー2に接続される接続部3Aaと、一端部13bの立面13baに沿う中間部3Abと、一端部13bの頂面13bbに沿い、配索材Wに接続される接続部3Acと、が連続して構成される。接続部3Acは、一端部13bの切欠13bcに配置され、一方の配索材Wを固定し導通接続するためのネジ穴3Adが形成される。
【0027】
第二バスバー3Bは、樹脂筐体13の基部13aから他端部13cに架かり設けられる。第二バスバー3Bは、板状に形成され、基部13aの上面13aa、他端部13cの斜面13ca、及び、他端部13cの頂面13cbに沿って配置されるように、板金やプレスにより折り曲げて形成される。具体的に、第二バスバー3Bは、基部13aの上面13aaに沿い、リレー2に接続される接続部3Baと、他端部13cの斜面13caに沿う中間部3Bbと、他端部13cの頂面13cbに沿い、配索材Wに接続される接続部3Bcと、が連続して構成される。接続部3Bcは、他端部13cの切欠13ccに配置され、他方の配索材Wを固定し導通接続するためのネジ穴3Bdが形成される。図2、及び、図5に示すように、本実施形態では、第二バスバー3Bは、その幅方向Yの幅寸法W3Bが、第一バスバー3Aの幅方向Yの幅寸法W3Aと同じく形成される。
【0028】
冷却部12の伝熱材4は、絶縁性を有する。図1から図5に示すように、伝熱材4は、第一バスバー3Aに接触する第一伝熱材4Aと、第二バスバー3Bに接触する第二伝熱材4Bと、を有する。
【0029】
第一伝熱材4Aは、樹脂筐体13の基部13aから一端部13bに架かり設けられる。第一伝熱材4Aは、第一バスバー3Aに重なるように板状に形成され、接続部3Aa、及び、中間部3Abに沿うように、折り曲げて形成される。具体的に、第一伝熱材4Aは、接続部3Aaに重なって接触する平坦部4Aaと、中間部3Abに重なって接触する立上部4Abと、が連続して構成される。第一伝熱材4Aは、樹脂筐体13に対し、平坦部4Aaの板面が基部13aの上面13aaに面一に沿うように基部13aに埋め込まれ、立上部4Abの板面が一端部13bの立面13baに面一に沿うように一端部13bに埋め込まれて配置され、各板面が第一バスバー3Aの板面に面して接触する。図2、及び、図5に示すように、本実施形態では、第一伝熱材4Aは、その幅方向Yの幅寸法W4Aが、第一バスバー3Aの幅方向Yの幅寸法W3Aよりも大きく形成される。
【0030】
また、第一伝熱材4Aは、幅方向Yの端に切欠4Aeが形成される。切欠4Aeは、幅方向Yで対向して設けられる。切欠4Aeは、第一伝熱材4Aの立上部4Abに設けられる。第一伝熱材4Aは、対向する切欠4Aeによって幅方向Yの幅寸法W4Aが幅寸法W4A’に括れて形成される。切欠4Aeによって第一伝熱材4Aの括れた幅寸法W4A’は、第一バスバー3Aの幅方向Yの幅寸法W3Aよりも小さい。また、切欠4Aeは、樹脂筐体13の樹脂部材13eが入り込み嵌合する。切欠4Aeに嵌合する樹脂部材13eは、切欠4Aeによって第一伝熱材4Aの括れた幅寸法W4A’が第一バスバー3Aの幅方向Yの幅寸法W3Aよりも小さいことから、第一バスバー3Aの板面に接触する。
【0031】
第二伝熱材4Bは、樹脂筐体13の基部13aから他端部13cに架かり設けられる。第二伝熱材4Bは、第二バスバー3Bに重なるように板状に形成され、接続部3Ba、及び、中間部3Bbに沿うように、折り曲げて形成される。具体的に、第二伝熱材4Bは、接続部3Baに重なって接触する平坦部4Baと、中間部3Bbに重なって接触する傾斜部4Bbと、が連続して構成される。第二伝熱材4Bは、樹脂筐体13に対し、平坦部4Baの板面が基部13aの上面13aaに面一に沿うように基部13aに埋め込まれ、傾斜部4Bbの板面が他端部13cの斜面13caに面一に沿うように他端部13cに埋め込まれて配置され、各板面が第二バスバー3Bの板面に面して接触する。図2、及び、図5に示すように、本実施形態では、第二伝熱材4Bは、その幅方向Yの幅寸法W4Bが、第二バスバー3Bの幅方向Yの幅寸法W3Bよりも大きく形成される。
【0032】
また、第二伝熱材4Bは、幅方向Yの端に切欠4Beが形成される。切欠4Beは、幅方向Yで対向して設けられる。切欠4Beは、第二伝熱材4Bの平坦部4Ba、及び、傾斜部4Bbに設けられる。第二伝熱材4Bは、対向する切欠4Beによって幅方向Yの幅寸法W4Bが幅寸法W4B’に括れて形成される。切欠4Beによって第二伝熱材4Bの括れた幅寸法W4B’は、第二バスバー3Bの幅方向Yの幅寸法W3Bよりも小さい。また、切欠4Beは、樹脂筐体13の樹脂部材13eが入り込み嵌合する。切欠4Beに嵌合する樹脂部材13eは、切欠4Beによって第二伝熱材4Bの括れた幅寸法W4B’が第二バスバー3Bの幅方向Yの幅寸法W3Bよりも小さいことから、第二バスバー3Bの板面に接触する。
【0033】
冷却部12の金属板5は、図2から図5に示すように、金属板5は、伝熱材4に重なるように板状に形成され、板金やプレスにより折り曲げて形成される。金属板5は、伝熱材4の板面に接触する。具体的に、金属板5は、第一伝熱材4Aの平坦部4Aa、及び、第二伝熱材4Bの平坦部4Baに沿う平坦部5aと、第一伝熱材4Aの立上部4Abに沿う立上部5bと、第二伝熱材4Bの傾斜部4Bbに沿う傾斜部5cと、が連続して構成される。金属板5は、第一伝熱材4Aと第二伝熱材4Bとの境目では、伝熱材4から離れるように形成された撓み部5fを有する。図2、及び、図5に示すように、本実施形態では、金属板5は、その幅方向Yの幅寸法W5が、伝熱材4の幅方向Yの幅寸法W4A,W4Bと同じく形成される。
【0034】
従って、金属板5は、伝熱材4(第一伝熱材4A、及び、第二伝熱材4B)を介し、発熱部品11であるバスバー3(第一バスバー3A、及び、第二バスバー3B)の形状に沿った形状に形成される。そして、伝熱材4(第一伝熱材4A、及び、第二伝熱材4B)は、発熱部品11であるバスバー3(第一バスバー3A、及び、第二バスバー3B)と金属板5との間に介在する。
【0035】
また、金属板5は、幅方向Yの端に切欠5eが形成される。切欠5eは、伝熱材4の切欠4Ae,4Beと高さ方向Zで重なり一致するように、同じ配置で同じ形状に形成される。切欠5eは、幅方向Yで対向して設けられる。金属板5は、対向する切欠5eによって幅方向Yの幅寸法W5が幅寸法W5’に括れて形成される。切欠5eによって金属板5の括れた幅寸法W5’は、伝熱材4の括れた幅寸法W4A’,W4B’と同じであり、バスバー3の幅方向Yの幅寸法W3A,W3Bよりも小さい。また、切欠5eは、樹脂筐体13の樹脂部材13eが入り込み嵌合する。切欠5eに嵌合する樹脂部材13eは、切欠5eによって伝熱材4の括れた幅寸法W4A’,W4B’がバスバー3の幅方向Yの幅寸法W3A,W3Bよりも小さいことから、バスバー3の板面に接触する。
【0036】
冷却部12の金属配管6は、図1から図5に示すように、管状に形成され、基部6aと、基部6aの両端の接続端部6b,6cと、を有する。
【0037】
基部6aは、主に長さ方向Xに沿って延びて設けられ、金属板5に沿って配置され、バスバー3(第一バスバー3A、及び、第二バスバー3B)の位置と反対側で対向して配置される。具体的に、図4に示すように、基部6aは、金属板5の平坦部5a、立上部5b、及び、傾斜部5cに沿うように、折り曲げて形成される。この基部6aは、樹脂筐体13の内部に埋設される。また、基部6aは、金属板5の板面に対向し接触する平面部6dが形成される。平面部6dは、金属板5の板面に対向する少なくとも1面にあればよく、他の面にあってもよい。金属配管6は、第一伝熱材4Aと第二伝熱材4Bとの境目では、金属板5から離れるように形成された撓み部6fを有する。図2、及び、図5に示すように、本実施形態では、金属配管6(基部6a)は、その幅方向Yの幅寸法W6が、伝熱材4の幅方向Yの幅寸法W4A,W4B、及び、金属板5の幅寸法W5よりも小さい。
【0038】
接続端部6b、6cは、基部6aの各端から幅方向Yに向けて曲げられ、樹脂筐体13の外部に延びて形成される。接続端部6b、6cは、図には明示しないが、冷媒を接続端部6b、6cの一方に供給し、他方から回収する冷媒流路が接続される。従って、金属配管6は、冷媒が流通される。冷媒は、例えば、空気や水や不凍液(ロングライフクーラント:LLC)がある。
【0039】
上述したように、実施形態の電気接続箱10は、発熱部品11と、発熱部品11を冷却する冷却部12と、発熱部品11、及び、冷却部12を保持する樹脂筐体13と、を備え、冷却部12は、発熱部品11のバスバー3の形状に沿った形状に形成される金属板5と、金属板5に沿って金属板5に接触して配置され冷媒が流通される金属配管6と、絶縁性を有して発熱部品11と金属板5との間に介在される伝熱材4と、を含む。
【0040】
また、実施形態のワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、配索材Wと電気的に接続される電気接続箱10と、を備え、電気接続箱10は、発熱部品11と、発熱部品11を冷却する冷却部12と、発熱部品11、及び、冷却部12を保持する樹脂筐体13と、を備え、冷却部12は、発熱部品11のバスバー3の形状に沿った形状に形成される金属板5と、金属板5に沿って金属板5に接触して配置され冷媒が流通される金属配管6と、絶縁性を有して発熱部品11と金属板5との間に介在される伝熱材4と、を含む。
【0041】
この電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHによれば、発熱部品11が発する熱は、発熱部品11のバスバー3の形状に沿った形状の金属板5に伝わり、さらに、金属板5に接触する金属配管6を流通する冷媒によって冷却される。また、この電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHによれば、発熱部品11と金属板5との間の伝熱材4によって絶縁性を確保されつつ発熱部品11から金属板5へ熱が伝わる。このため、実施形態の電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHは、金属板5の容量を大きくすることなく小型軽量化を図りつつ、冷却性能を向上できる。
【0042】
また、実施形態の電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHでは、冷却部12は、伝熱材4に切欠4Ae,4Beが設けられ、樹脂筐体13は、伝熱材4の切欠4Ae,4Beに嵌合し、且つ、発熱部品11のバスバー3に接触して設けられる樹脂部材13eを有する。
【0043】
この電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHによれば、樹脂筐体13の樹脂部材13eが、伝熱材4の切欠4Ae,4Beに嵌合し、発熱部品11のバスバー3に接触することで、伝熱材4の板厚方向(高さ方向Z)の圧縮量が保たれるため、金属板5と発熱部品11との絶縁距離を確保できる。
【0044】
また、実施形態の電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHでは、冷却部12は、金属板5に伝熱材4の切欠4Ae,4Beと一致する切欠5eが設けられ、樹脂筐体13は、樹脂部材13eが金属板5の切欠5eにも嵌合する。
【0045】
この電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHによれば、伝熱材4の切欠4Ae,4Beと一致する切欠5eを金属板5に設けることで、伝熱材4、及び、金属板5を重ねて共に切欠4Ae,4Be,5eを加工できるため、製造をし易くできる。しかも、この電気接続箱10によれば、金属板5の切欠5eにも樹脂部材13eを嵌合させることで、金属板5の幅方向Y、及び、長さ方向Xの位置を規制できる。
【0046】
また、実施形態の電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHでは、金属配管6は、金属板5の板面に対向し金属板5の板面と接触する平面部6dを有する。
【0047】
この電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHによれば、金属板5の板面に対向し接触する平面部6dにより、金属板5と金属配管6との接触面積を多くして伝熱性を向上でき、冷却性能を向上できる。
【0048】
なお、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。また、本実施形態に係る電気接続箱10、及び、ワイヤハーネスWHは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 電気接続箱
11 発熱部品(2 リレー、3 バスバー)
12 冷却部
4 伝熱材
4Ae,4Be 切欠
5 金属板
5e 切欠
6 金属配管
6d 平面部
13 樹脂筐体
13e 樹脂部材
W 配索材
WH ワイヤハーネス
図1
図2
図3
図4
図5