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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162399
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】商品収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/36 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G07F11/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077862
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 恒治
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046AA02
3E046AA03
3E046BA01
3E046BB02
3E046CB04
3E046CC02
3E046DA01
3E046EA13
3E046EB01
(57)【要約】
【課題】商品収納通路における商品の在庫数を簡単に把握すること。
【解決手段】商品収納通路13の延在方向に沿って商品を所定間隔毎に収納し、かつ搬送モータ15が正回転駆動する場合に、商品を商品収納通路13の下流側に向けて搬送しつつ最下流位置に収納された商品を商品収納通路13から払い出す搬送機構14を備えた商品収納装置10であって、商品収納通路13の最も上流となる個所における商品の有無を検出する商品検出部16と、商品収納通路13における商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、搬送モータ15を逆回転駆動させて商品検出部16により商品が検出されるまでの搬送機構14の搬送移動量を算出し、収納可能数情報と算出した搬送移動量とから商品の収納可能数を求め、更に予め設定された商品収納通路13における商品の最大収納数から収納可能数を減算して商品収納通路13における商品在庫数を算出する制御部20とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品収納通路の延在方向に沿って商品を所定間隔毎に収納し、かつ駆動源である搬送モータが正回転駆動する場合に、商品を前記商品収納通路の下流側に向けて搬送しつつ最下流位置に収納された商品を該商品収納通路から払い出す搬送機構を備えた商品収納装置であって、
前記商品収納通路の最も上流となる個所における商品の有無を検出する商品検出手段と、
前記商品収納通路における商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、前記搬送モータを逆回転駆動させて前記商品検出手段により商品が検出されるまでの前記搬送機構の搬送移動量を算出し、搬送移動量と商品の収納可能数とが関連付けられた収納可能数情報と、算出した搬送移動量とから商品の収納可能数を求め、更に予め設定された前記商品収納通路における商品の最大収納数から前記収納可能数を減算して前記商品収納通路における商品在庫数を算出する制御部と
を備えたことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、前記商品収納通路の延在方向に沿って螺旋状に巻回される態様で構成されたスパイラルを備え、前記搬送モータが正回転駆動する場合に、前記スパイラルが中心軸回りに一方向に回転して該スパイラルのピッチ間に拘束された商品を前記商品収納通路の下流側に向けて搬送しつつ最下流位置に拘束された商品を該商品収納通路から払い出すものであり、
前記制御部は、前記商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、前記搬送モータを逆回転駆動させて前記商品検出手段により商品が検出されるまでの前記スパイラルの他方向への回転数を算出し、他方向への回転数と商品の収納可能数とが関連付けられた収納可能数情報と、算出した回転数とから商品の収納可能数を求め、更に前記最大収納数から前記収納可能数を減算して前記商品収納通路における商品在庫数を算出することを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記商品収納通路は、上下方向に沿って延在するものであり、
前記搬送機構は、前記搬送モータが正回転駆動する場合に、前記スパイラルが中心軸回りに一方向に回転して該スパイラルのピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬送しつつ最下位位置に拘束された商品を該商品収納通路から下方に払い出すことを特徴とする請求項2に記載の商品収納装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記商品収納通路における商品在庫数を算出した後、前記搬送モータを正回転駆動させることにより、前記スパイラルを前記算出した回転数分だけ一方向に回転させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売を行う自動販売機に適用される商品収納装置が特許文献1に提案されている。この商品収納装置においては、上下方向に沿って延在する商品収納通路にスパイラルが設けられており、常態においてはスパイラルの各ピッチ間において商品を拘束し、スパイラルが回転する場合には各ピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬送し、最下位位置に拘束された商品を商品収納通路から下方に払い出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5217474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に提案されている商品収納装置では、商品収納通路における商品の在庫数を把握するためには、商品の補充数と商品の払出数とをカウントしなければならず、煩雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、商品収納通路における商品の在庫数を簡単に把握することができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品収納装置は、商品収納通路の延在方向に沿って商品を所定間隔毎に収納し、かつ駆動源である搬送モータが正回転駆動する場合に、商品を前記商品収納通路の下流側に向けて搬送しつつ最下流位置に収納された商品を該商品収納通路から払い出す搬送機構を備えた商品収納装置であって、前記商品収納通路の最も上流となる個所における商品の有無を検出する商品検出手段と、前記商品収納通路における商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、前記搬送モータを逆回転駆動させて前記商品検出手段により商品が検出されるまでの前記搬送機構の搬送移動量を算出し、搬送移動量と商品の収納可能数とが関連付けられた収納可能数情報と、算出した搬送移動量とから商品の収納可能数を求め、更に予め設定された前記商品収納通路における商品の最大収納数から前記収納可能数を減算して前記商品収納通路における商品在庫数を算出する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記搬送機構は、前記商品収納通路の延在方向に沿って螺旋状に巻回される態様で構成されたスパイラルを備え、前記搬送モータが正回転駆動する場合に、前記スパイラルが中心軸回りに一方向に回転して該スパイラルのピッチ間に拘束された商品を前記商品収納通路の下流側に向けて搬送しつつ最下流位置に拘束された商品を該商品収納通路から払い出すものであり、前記制御部は、前記商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、前記搬送モータを逆回転駆動させて前記商品検出手段により商品が検出されるまでの前記スパイラルの他方向への回転数を算出し、他方向への回転数と商品の収納可能数とが関連付けられた収納可能数情報と、算出した回転数とから商品の収納可能数を求め、更に前記最大収納数から前記収納可能数を減算して前記商品収納通路における商品在庫数を算出することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記商品収納通路は、上下方向に沿って延在するものであり、前記搬送機構は、前記搬送モータが正回転駆動する場合に、前記スパイラルが中心軸回りに一方向に回転して該スパイラルのピッチ間に拘束された商品を漸次下方に向けて搬送しつつ最下位位置に拘束された商品を該商品収納通路から下方に払い出すことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記制御部は、前記商品収納通路における商品在庫数を算出した後、前記搬送モータを正回転駆動させることにより、前記スパイラルを前記算出した回転数分だけ一方向に回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品検出手段が、商品収納通路の最も上流となる個所における商品の有無を検出し、制御部が、商品収納通路における商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、搬送モータを逆回転駆動させて商品検出手段により商品が検出されるまでの搬送機構の搬送移動量を算出し、搬送移動量と商品の収納可能数とが関連付けられた収納可能数情報と、算出した搬送移動量とから商品の収納可能数を求め、更に予め設定された商品収納通路における商品の最大収納数から収納可能数を減算して商品収納通路における商品在庫数を算出するので、商品の補充数と商品の払出数とをカウントする必要がなく、商品収納通路における商品の在庫数を簡単に把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である商品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、図1に示した商品収納装置の要部を模式的に示す模式図である。
図4図4は、図1に示した商品収納装置の要部を模式的に示す模式図である。
図5図5の(a)及び(b)は、図2~4に示した商品検出部の構成を模式的に示す説明図である。
図6図6の(a)及び(b)は、図2~4に示した商品検出部の構成を模式的に示す説明図である。
図7図7は、図2に示した制御部が実施する商品在庫数算出処理の処理内容を示すフローチャートである。
図8図8は、図1に示した商品収納装置の要部を模式的に示す模式図である。
図9図9は、図1に示した商品収納装置の要部を模式的に示す模式図である。
図10図10は、図1に示した商品収納装置の要部を模式的に示す模式図である。
図11図11は、図1に示した商品収納装置の動作の変形例を模式的に示す模式図である。
図12図12は、図1に示した商品収納装置の動作の変形例を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図であり、図2は、本発明の実施の形態である商品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1、外扉2及び内扉3を備えている。
【0014】
本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面に開口を有した直方体状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫4を有している。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。
【0015】
図には明示していないが、この外扉2の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口2a等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。尚、商品取出口2aは、利用者が商品を取り出すための開口であり、商品取出扉2bにより開閉されるものである。
【0016】
内扉3は、商品収容庫4の前面開口を覆うための断熱扉であり、外扉2よりも内方となる位置において本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この内扉3の下方部には、商品を商品収容庫4の外部に搬出するための商品搬出口3aが設けられている。
【0017】
また上記自動販売機の商品収容庫4には、冷却ユニット5及び商品収納装置10が配設されている。冷却ユニット5は、商品収容庫4の内部雰囲気を冷却するためのもので、冷媒回路5a及び送風ファン5bを備えて構成されている。冷媒回路5aは、蒸発器5a1、圧縮機5a2、凝縮器5a3及び膨張機構5a4を冷媒管路にて順次接続して構成されており、内部に冷媒が封入されている。
【0018】
蒸発器5a1は、商品収容庫4の後方側下方部に設置されている。圧縮機5a2は、本体キャビネット1における商品収容庫4の下方の機械室6に設置されている。この圧縮機5a2は、後述する自販機制御部30から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に蒸発器5a1より冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮するものである。
【0019】
凝縮器5a3は、機械室6において圧縮機5a2よりも前方側に設置されている。この凝縮器5a3は、圧縮機5a2で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構5a4は、例えば電子膨張弁等により構成されており、凝縮器5a3で凝縮した冷媒を断熱膨張させて蒸発器5a1に送出するものである。
【0020】
このような冷媒回路5aでは、蒸発器5a1に送出された冷媒と、該蒸発器5a1の周囲空気との間で熱交換が行われ、該冷媒が蒸発することにより周囲空気が冷却される。
【0021】
送風ファン5bは、商品収容庫4において、蒸発器5a1の前方側に設置されている。この送風ファン5bは、自販機制御部30から与えられる指令により回転駆動するもので、回転駆動する場合に、蒸発器5a1により冷却された空気を商品収容庫4の内部に送風するものである。そのような冷却ユニット5により、商品収容庫4の内部雰囲気を所定の温度(例えば-5℃以下の冷凍温度)に冷却して維持することができる。
【0022】
商品収納装置10は、収納装置本体11、搬送モータ15、商品検出部(商品検出手段)16、回転数検出部17及び制御部20を備えて構成されている。
【0023】
収納装置本体11は、前面に補充口11a及び下面に払出口11bを有した箱状の形態を成している。補充口11aは、前面扉12により開閉されるものである。この収納装置本体11の内部には、上下方向に沿って延在する商品収納通路13が画成されており、この商品収納通路13に搬送機構14が設置されている。
【0024】
搬送機構14は、図3にも示すように、例えば金属製の棒状体が商品収納通路13の延在方向(上下方向)に沿って螺旋状に巻回されることによって形成されたスパイラル14aにより構成されている。このような搬送機構14は、スパイラル14aの各ピッチ間に商品Wを拘束することで該商品Wを収納している。
【0025】
搬送モータ15は、搬送機構14の駆動源であり、制御部20から与えられる指令に応じて正逆回転駆動するものである。搬送モータ15が正回転駆動する場合、搬送機構14は、スパイラル14aが中心軸回りに一方向に回転することにより、図4に示すように、各ピッチ間に拘束される商品Wを漸次下方に向けて搬送するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品W(最下位の商品W)を払出口11bより下方に向けて払い出すものである。払出口11bで払い出された商品Wは、商品収納装置10の下方に配設されたシュータ7により、商品搬出口3aに向けて搬出される。
【0026】
一方、搬送モータ15が逆回転駆動する場合、搬送機構14は、スパイラル14aが中心軸回りに他方向に回転することにより、各ピッチ間に拘束される商品Wを漸次上方に向けて搬送するものである。
【0027】
商品検出部16は、図3及び図4に示したように、商品収納通路13の最も上流側となる個所に配設されており、スパイラル14aにおける最も上方のピッチ間における商品Wの有無を検出するものである。より詳細に説明すると、商品検出部16は、例えば押圧スイッチ161や光センサ162等により構成されるものである。
【0028】
商品検出部16が押圧スイッチ161により構成される場合、図5の(a)及び(b)に示すように、スパイラル14aにおける最も上方のピッチ間に拘束される商品Wに押圧された接触子161aが、図示せぬ付勢手段に抗して上方に回動することによりオン状態となり、商品有りとしてその旨を制御部20に出力するものである。ここで接触子161aは、図5の(a)及び(b)に示したように、厚みの大きい商品W1や厚みの小さい商品W2に対しても検出できるように、ストロークが十分に確保されていることが好ましい。
【0029】
商品検出部16が光センサ162により構成される場合、図6の(a)及び(b)に示すように、スパイラル14aにおける最も上方のピッチ間に拘束される商品Wにより、図示せぬ発光要素から発せられた光が遮られたことを条件としてオン状態となり、商品有りとしてその旨を制御部20に出力するものである。図6の(a)及び(b)に示したように、厚みの大きい商品W1や厚みの小さい商品W2に対しても検出できるように、商品検出部16は、商品Wの側面を検出できる個所に配設されていることが好ましい。
【0030】
回転数検出部17は、スパイラル14aの一方向の回転、並びに他方向への回転数を検出するものであり、その検出結果を制御部20に出力するものである。ここでスパイラル14aは、一方向に1回転することにより、図4に示したように、各ピッチ間に拘束する商品Wを直下のピッチ間に搬送するとともに、最下位の商品Wを下方に払い出すものである。また、スパイラル14aは、他方向に1回転することにより、各ピッチ間に拘束する商品Wを直上のピッチ間に搬送するものである。
【0031】
制御部20は、自動販売機の動作を統括的に制御する自販機制御部30、上記搬送モータ15、上記商品検出部16及び上記回転数検出部17に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部21に記憶されたプログラムやデータにしたがって商品収納装置10の各部の動作を統括的に制御するものである。尚、本実施の形態では、制御部20は、自販機制御部30と別個のものとして説明するが、本発明においては、制御部20は自販機制御部30と構成上同じものであってもよい。
【0032】
上記記憶部21には、図には明示していないが、収納可能数情報や最大収納数情報が格納されている。収納可能数情報は、スパイラル14aの他方向への回転数と商品の収納可能数とが関連付けられたものである。上述したように、スパイラル14aの他方向への1回転により各ピッチ間に拘束する商品を直上のピッチ間に搬送するので、スパイラル14aの他方向への回転数と商品の収納可能数は同数である。最大収納数情報は、搬送機構14を構成するスパイラル14aの商品の最大収納数に関する情報である。
【0033】
以上のような構成を有する商品収納装置10においては、自販機制御部30から商品の払出指令が与えられた場合、制御部20は、搬送モータ15を正回転駆動させてスパイラル14aを一方向に1回転させる。これにより、図4に示したように、スパイラル14aの各ピッチ間に拘束された商品Wは漸次下方に向けて搬送され、直下のピッチ間に拘束されるとともに、最下位の商品Wは、収納装置本体11の払出口11bを通じて、商品収納通路13よりシュータ7に払い出される。シュータ7に払い出された商品Wは、商品搬出口3aを通過した後、商品搬出口3aを通じて商品取出口2aより取出可能な状態になる。
【0034】
図7は、図2に示した制御部20が実施する商品在庫数算出処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる商品在庫数算出処理を説明しながら商品収納装置10の動作について説明する。
【0035】
商品在庫数算出処理において、制御部20は、自販機制御部30から商品在庫数の算出指令の有無を判断する(ステップS101)。商品在庫数の算出指令がない場合(ステップS101:No)、制御部20は、かかる処理を繰り返す。
【0036】
一方、商品在庫数の算出指令がある場合(ステップS101:Yes)、制御部20は、搬送モータ15を逆回転駆動させる(ステップS102)。このように搬送モータ15が逆回転駆動することにより、スパイラル14aは、中心軸回りに他方向に回転する。これにより、図8に示すように、スパイラル14aの各ピッチ間に拘束された商品Wは、漸次上方に搬送される。
【0037】
搬送モータ15を逆回転駆動させた制御部20は、商品検出部16が商品Wを検出したか否かを判断する(ステップS103)。商品検出部16が商品Wを検出していない場合(ステップS103:No)、制御部20は、ステップS102及びステップS103の処理を繰り返す。
【0038】
一方、商品検出部16が商品Wを検出した場合(ステップS103:Yes)、すなわち、図9に示すように、商品検出部16がスパイラル14aにおける最も上方のピッチ間の商品Wを検出した場合、制御部20は、搬送モータ15の逆回転駆動を停止させ(ステップS104)、回転数検出部17を通じてステップS102からステップS104までのスパイラル14aの他方向への回転数を検出する(ステップS105)。
【0039】
このようにしてスパイラル14aの他方向への回転数を検出した制御部20は、記憶部21から収納可能数情報を読み出し(ステップS106)、スパイラル14aの他方向への回転数と収納可能数情報とから収納可能数を算出する(ステップS107)。
【0040】
このようにして収納可能数を算出した制御部20は、記憶部21に記憶された最大収納数情報に含まれる最大収納数から収納可能数を減算し、商品収納通路13における商品Wの在庫数を算出する(ステップS108)。
【0041】
商品Wの在庫数を算出した制御部20は、記憶部21に在庫数情報を記憶させるとともに、自販機制御部30に在庫数情報を送出する(ステップS109)。これにより、自販機制御部30は、図示しないリモートコントローラの表示部等に商品在庫数を表示させることが可能になる。
【0042】
そして、制御部20は、搬送モータ15を正回転駆動させる(ステップS110)。このように搬送モータ15が正回転駆動することにより、スパイラル14aは、中心軸回りに一方向に回転する。これにより、図10に示すように、スパイラル14aの各ピッチ間に拘束された商品Wは、漸次下方に搬送される。
【0043】
搬送モータ15を正回転駆動させた制御部20は、回転数検出部17を通じて検出されるスパイラル14aの一方向への回転数が所定回転数、すなわちステップS105で検出した回転数に達したか否かを判断し(ステップS111)、一方向への回転数が所定回転数に達した場合に(ステップS111:Yes)、搬送モータ15の正回転駆動を停止させ(ステップS112)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0044】
これによれば、図3に示したように、スパイラル14aの最も下方のピッチ間に商品Wを拘束させることができ、次の払出指令が与えられた場合に、当該商品Wを払い出すことが可能である。
【0045】
以上説明したように、本発明の実施の形態である商品収納装置10によれば、商品検出部16が、スパイラル14aの最も上方のピッチ間(商品収納通路13の最も上流となる個所)の商品Wの有無を検出し、制御部20が、自販機制御部30から商品収納通路13における商品在庫数の算出指令が与えられた場合に、搬送モータ15を逆回転駆動させて商品検出部16により商品Wが検出されるまでのスパイラル14aの他方向への回転数を算出し、収納可能数情報と算出した回転数とから商品Wの収納可能数を求め、更に最大収納数から収納可能数を減算して商品収納通路13における商品在庫数を算出するので、商品Wの補充数と商品Wの払出数とをカウントする必要がなく、商品収納通路13における商品Wの在庫数を簡単に把握することができる。
【0046】
また商品在庫数の算出のために、スパイラルの各ピッチ間毎に商品の有無を検出するセンサを配設することも考えられる。しかしながら、各ピッチ間毎に商品の有無を検出するセンサを配設することは、部品点数の増大による製造コストの増大化を招来する。この点、本実施の形態である商品収納装置10によれば、1つの商品検出部16を配設するだけでよく、製造コストの低減化を図ることができる。
【0047】
更に商品在庫数の算出のために、商品収納通路の最上個所からスパイラルに拘束される商品までの距離を計測する距離センサを配設することも考えられる。しかしながら、距離センサ自体が高価なものであり、結果的に製造コストの増大化を招来する。この点、本実施の形態である商品収納装置10によれば、商品検出部16は、押圧スイッチ161や光センサ162等の比較的低価なものであり、製造コストの低減化を図ることができる。
【0048】
上記商品収納装置10によれば、制御部20が、商品検出部16が商品Wを検出するまでスパイラル14aを他方向に回転させるので、次のような作用効果を奏する。
【0049】
すなわち、図11に示すように、商品収納通路13に収納された商品W(スパイラル14aのピッチ間に拘束された商品W:以下、在庫商品Wともいう)を漸次上方に搬送させた後に、補充商品W3を在庫商品Wの直下のピッチ間に拘束させる。尚、図11において符号18は、売切検出センサである。売切検出センサ18は、スパイラル14aの最も下方のピッチ間の商品の有無を検出するものであり、その検出結果を制御部20に出力するものである。その後、搬送モータ15を正回転駆動させることにより在庫商品W及び補充商品W3を漸次下方に搬送させ、図12に示すように、売切検出センサ18が商品を検出することにより搬送モータ15の正回転駆動を停止させる。これによれば、在庫商品Wよりも補充商品W3の賞味期限が短い場合、補充商品W3を在庫商品Wよりも先に払い出させることができる。
【0050】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0051】
上述した実施の形態では、商品収納通路13が上下方向に沿って延在していたが、本発明のいては、商品収納通路が前後方向に沿って延在していてもよい。
【0052】
上述した実施の形態では、搬送機構14は、スパイラル14aを備えて構成されるものであったが、本発明においては、搬送機構は、無端状に張設された搬送ベルトにより構成されていてもよいし、スクリュにより構成されていてもよい。搬送機構が搬送ベルトにより構成される場合、上述したスパイラル14aの他方向への回転数は、商品収納通路の搬送移動量となる。
【0053】
上述した実施の形態では、商品在庫数算出処理のステップS111において、回転数検出部17を通じて検出されるスパイラル14aの一方向への回転数が所定回転数(ステップS105で検出した回転数)に達したか否かを判断していたが、図11及び図12に示したように、売切検出センサ18が設けられている場合、ステップS111の処理は、売切検出センサ18が商品を検出するか否かを判断するものとしてもよい。
【0054】
上述した実施の形態における商品検出部16(押圧スイッチ161、光センサ162)の配設例は一例であり、これに限定されるものではない。例えば商品検出手段が光センサにより構成されるものであって商品の側面を検出することが困難である場合、商品の上面を検出できる位置に配設してもよい。この場合、厚みの小さい商品であれば、スパイラルの他方向への回転数が過大なものとなるおそれがある。例えば、スパイラルの回転数が本来3回であるところ、3.5回となることもある。このように3.5回となる場合、小数点以下を切り捨てることにより、3回として算出できるようにしてもよい。
【0055】
上述した実施の形態では、自販機制御部30から商品在庫数の算出指令があった場合に、商品在庫数の算出を行っているが、本発明においては、外扉2が開く方向に揺動した場合に商品在庫数の算出を行ってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…本体キャビネット、2…外扉、3…内扉、4…商品収容庫、5…冷却ユニット、10…商品収納装置、11…収納装置本体、11a…補充口、11b…払出口、12…前面扉、13…商品収納通路、14…搬送機構、14a…スパイラル、15…搬送モータ、16…商品検出部、17…回転数検出部、20…制御部、21…記憶部、30…自販機制御部。
図1
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図12