IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図1
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図2
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図3
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図4
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図5
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図6
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図7
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図8
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図9
  • -建具の自動開閉装置の固定構造 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162401
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】建具の自動開閉装置の固定構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20241114BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20241114BHJP
【FI】
E05D15/06 125C
E05F15/643
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077864
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅徳
【テーマコード(参考)】
2E034
2E052
【Fターム(参考)】
2E034CA01
2E034DA17
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA16
(57)【要約】
【課題】容易に固定することができる建具の自動開閉装置の固定構造を提供する。
【解決手段】自動開閉装置の固定構造101は、建物の開口部Wに固定されたブラケット80と、障子9Bに連結されるとともに、ブラケット80に固定される自動開閉装置1と、を備え、ブラケット80は、自動開閉装置1を支持する支持部を有し、支持部は、自動開閉装置1の屋内外方向の一方側を支持する第一支持部83と、自動開閉装置1の屋内外方向の他方側を支持する第二支持部86と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に固定されたブラケットと、
障子に連結されるとともに、前記ブラケットに固定される自動開閉装置と、を備え、
前記ブラケットは、
前記自動開閉装置を支持する支持部を有する建具の自動開閉装置の固定構造。
【請求項2】
前記支持部は、
前記自動開閉装置の屋内外方向の一方側を支持する第一支持部と、
前記自動開閉装置の屋内外方向の他方側を支持する第二支持部と、を有する請求項1に記載の建具の自動開閉装置の固定構造。
【請求項3】
前記第一支持部は、前記第二支持部よりも高い位置に配置されている請求項2に記載の建具の自動開閉装置の固定構造。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記第一支持部の上方に空間を有する請求項2または3に記載の建具の自動開閉装置の固定構造。
【請求項5】
前記自動開閉装置は、前記ブラケットに螺子で固定されている請求項1に記載の建具の自動開閉装置の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具の自動開閉装置の固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、モータによって障子を自動的に移動させる自動開閉建具が知られている。障子側に接続されたガイドローラと、ガイドローラを案内するガイド体と、を備え、ガイド体が開口の上側の壁部に固定された自動開閉建具が提案されている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-17218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガイド体は開口の幅方向の略全長にわたって設けられているため、ガイド体を固定する際には、重量のあるガイド体を上方に持ち上げながらビス等で固定することになり、一人で作業することが困難であるという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に固定することができる建具の自動開閉装置の固定構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具の自動開閉装置の固定構造は、建物の開口部に固定されたブラケットと、障子に連結されるとともに、前記ブラケットに固定される自動開閉装置と、を備え、前記ブラケットは、前記自動開閉装置を支持する支持部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】建具の自動開閉装置の固定構造を示す上部鉛直断面図である。
図2】建具の自動開閉装置の分解斜視図である。
図3】建具の自動開閉装置の斜視図である。
図4】建具の自動開閉装置を下から見た図である。
図5】建具の自動開閉装置の拡大鉛直断面図である。
図6】自動開閉装置のブラケットへの取り付け方法を説明する図である。
図7図6の後工程である。
図8図7の後工程である。
図9】建具の自動開閉装置の可動体の斜視図である。
図10】建具の自動開閉装置と障子との連結構造の一部の斜視である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る建具の自動開閉装置の固定構造について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成を分かりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
図1に示すように、建物の開口部Wに設けられる引違い窓9に自動開閉装置1が設置されている。自動開閉装置1は、引違い窓9に限らず、片引き窓にも設置可能である。
【0010】
引違い窓9及び自動開閉装置1を正面から見た左右方向を、矢印Xで示す。左右方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称し、矢印Yで示す。屋内側を+Yで示し、屋外側を-Yで示す。左右方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称し、矢印Zで示す。
【0011】
引違い窓9は、枠体91と、外障子9A及び内障子9Bと、を有している。外障子9A及び92Bは、左右方向に移動可能に枠体91に納められている。
【0012】
自動開閉装置の固定構造101は、自動開閉装置1を開口部Wに固定する構造である。自動開閉装置の固定構造101は、自動開閉装置1と、ブラケット80と、を備えている。
【0013】
自動開閉装置1は、建物の開口部Wに固定されたブラケット80を介して、開口部Wの上額縁93に固定されている。自動開閉装置1の左右方向に可動する可動体40側が内障子9Bに連結されている。
【0014】
図2に示すように、自動開閉装置1は、本体部材10と、レール部材20と、駆動モータ31と、第1プーリ33と、第2プーリ35と、ベルト37と、可動体40と、位置決め部材70と、を備えている。自動開閉装置1は、ユニット化されている。
【0015】
本体部材10は、レール部材20、駆動モータ31、第1プーリ33、第2プーリ35、ベルト37と、可動体40及び位置決め部材70等の各種部材を収容する機能を有している。本体部材10は、下側及び屋外側が開口する形状をしている。
【0016】
本体部材10には、屋外側から見て右側から左側に向かって、モータ固定部材32、駆動モータ31、第1プーリ33、第1プーリ固定部材34、位置決め部材70、レール部材20及び第2プーリ固定部材36の順で並んで配置されている。
【0017】
レール部材20は、本体部材10の下面及び屋外側を向く面に沿って配置されている・。レール部材20は、本体部材10に固定されている。
【0018】
駆動モータ31は、モータ固定部材32を介して本体部材10に固定されている。第1プーリ33は、駆動モータ31に接続されている。第1プーリ33は、第1プーリ固定部材34を介して本体部材10に固定されている。第1プーリ33は、軸線を屋内外方向に向けて配置されている。第1プーリ33は、駆動モータ31の駆動力によって、軸線回りに回転可能である。第2プーリ35は、第2プーリ固定部材36を介して本体部材10に固定されている。第2プーリ35は、軸線を屋内外方向に向けて配置されている。第2プーリ35は、第2プーリ固定部材36に回転可能に支持されている。ベルト37は、第1プーリ33と第2プーリ35との間にかけ渡されている。ベルト37は、可動体40に固定されている。
【0019】
可動体40は、レール部材20に案内されて左右方向に移動可能である。図9及び図10に示すように、可動体40は、基部41と、摺動部42と、ローラ43と、を有している。
【0020】
基部41は、支持下板部411と、ローラ支持板部412と、係止板部413と、を有している。
【0021】
支持下板部411は、平板状に形成されている。支持下板部411の板面は、上下方向を向いている。ローラ支持板部412は、支持下板部411の屋内側の端部から上方に延びている。ローラ支持板部412は、平板状に形成されている。ローラ支持板部412の板面は、屋内外方向を向いている。係止板部413は、支持下板部411の屋外側の端部から上方に延びている。係止板部413は、支持下板部411の左右方向の中央にのみ設けられている。係止板部413は、平板状に形成されている。係止板部413の板面は、屋内外方向を向いている。
【0022】
図9に示すように、摺動部42は、支持下板部411から上方に突出するように設けられている。摺動部42は、支持下板部411の左右方向の中央にのみ設けられている。摺動部42の内周形状は、上側且つ屋内側に開口する円形状である。摺動部42の内周面には、径方向の内側に突出する複数の突起421が周方向に間隔を空けて複数設けられている。図1に示すように、摺動部42の内側には、レール部材20の下方に延びる可動部支持体24が嵌め込まれている。摺動部42は、可動部支持体24に左右方向に摺動可能に案内される。
【0023】
図9に示すように、ローラ43は、ローラ支持板部412の屋内側に取り付けられている。ローラ43は、軸線を屋内外方向に向けて、軸線回りに回転可能である。図1に示すように、ローラ43は、レール部材20のレール屋内側下段板部23とローラ支持板部26との間に、回転可能に支持されている。可動体40の摺動部42及び2個のローラ43の3箇所が、レール部材20に支持されている。
【0024】
図1に示すように、可動体40には、連結部材50が接続されている。連結部材50は、可動体40側に位置する第一連結部材51と、内障子9B側に位置する第二連結部材56と、を有している。
【0025】
図10に示すように、第一連結部材51は、断面視L字状をしている。第一連結部材51は、係止板部52と、上側板部53と、を有している。
【0026】
係止板部52は、平板状に形成されている。係止板部52の板面は、屋内外方向を向いている。係止板部52の左右方向の中央の下端部には、上方に向かって凹む切欠き部521が形成されている。可動体40の係止板部413に、切欠き部521が係止されている。係止板部52は、係止板部413の屋内側且つ支持下板部411屋外側の端部との間に挟み込まれて、可動体40に固定されている。
【0027】
上側板部53は、係止板部52の上端部から屋外側に延びている。上側板部53は、平板状に形成されている。上側板部53の板面は、上下方向を向いている。図1に示すように、上側板部53には、上下方向に貫通する不図示の螺子孔534が左右方向に間隔を空けて複数箇所に形成されている。
【0028】
図10に示すように、第二連結部材56は、断面視L字状をしている。第二連結部材56は、下側板部57と、上側板部58と、を有している。
【0029】
下側板部57は、平板状に形成されている。下側板部57の板面は、上下方向を向いている。上側板部53は、下側板部57に載置されている。下側板部57には、屋内側の端部から屋外側に向かって凹む螺子孔凹部571が形成されている。螺子孔凹部571は、屋内外方向に長い形状である。螺子孔凹部571は、左右方向に間隔を空けて複数箇所に形成されている。螺子572は、螺子孔凹部571に挿通されて、第一連結部材51の上側板部53の螺子孔534に螺合されている。
【0030】
上側板部58は、下側板部57の屋外側の端部から上方に延びている。上側板部58は、平板状に形成されている。上側板部58の板面は、屋内外方向を向いている。
【0031】
図1に示すように、連結部材50には、面ファスナー61が貼り付けられている。内障子9Bの上框96には面ファスナー62が貼り付けられている。面ファスナー61と面ファスナー62とは、着脱可能に接続されている。内障子9Bと可動体40とは、連結部材50及び面ファスナー61,62を介して、連結されている。
【0032】
図2に示すように、位置決め部材70は、レール部材20の左右方向に一方側の端部20aに配置されている。位置決め部材70の外形は、略直方体状である。位置決め部材70は、本体部材10に螺子等によって固定されている。図4に示すように、位置決め部材70の屋内外方向の長さは、レール部材20の屋内外方向の長さと略同一である。
【0033】
自動開閉装置1の屋内側及び下側を覆うように、カバー部材65が取り付けられている。図5に示すように、本体部材10の本体屋内側板部14の屋内側を向く面には、カバー固定部材66が固定されている。カバー固定部材66は、断面下向きC字状をしている。カバー部材65の屋外側を向く面には、屋外側に突出し上方に突出する係合部65aが設けられている。カバー部材65の係合部65aは、カバー固定部材66の端部66aにひっかけられている。カバー部材65の下部は、本体部材10に固定された第2プーリ固定部材36に螺子67で固定されている。カバー固定部材66は左右方向で離間して例えば少なくとも2個設けられている。カバー部材65のサイズによっては、カバー固定部材66は、左右方向の中央に1個のみ設けられていてもよい。
【0034】
本体部材10及びブラケット80の構成について詳細に説明する。図5に示すように、本体部材10は、左右方向に長い形状をしている。本体部材10は、本体上板部11と、本体屋外側板部12と、本体屋外延出板部13と、本体屋内側板部14と、本体突起15と、を有している。
【0035】
本体上板部11は、平板状に形成されている。本体上板部11の板面は、上下方向を向いている。本体上板部11とレール部材20とは、螺子115で螺子止めされている。本体上板部11には、下方に開口する上部溝部111が形成されている。上部溝部111には、レール部材20の嵌合突起231が嵌め込まれている。
【0036】
本体屋外側板部12は、本体上板部11の屋外側の端部から下方に延びている。本体屋外側板部12は、平板状に形成されている。本体屋外側板部12の板面は、屋内外方向を向いている。本体上板部11と本体屋外側板部12とで形成される下側の隅部には、屋内側に向かって開口する屋外側溝部121が形成されている。屋外側溝部121には、レール部材20の嵌合突起222が嵌め込まれている。
【0037】
本体屋外延出板部13は、本体屋外側板部12の上部から屋外側に向かって延びている。本体屋外延出板部13は、平板状に形成されている。本体屋外延出板部13の板面は、上下方向を向いている。
【0038】
本体屋内側板部14は、本体上板部11の屋内側の端部から下方に延びている。本体屋内側板部14は、平板状に形成されている。本体屋内側板部14の板面は、屋内外方向を向いている。本体屋内側板部14の上下方向の長さは、本体屋外側板部12の上下方向の長さよりも長い。
【0039】
本体屋内側板部14の下部には、屋内側に開口する螺子止め凹部145が形成されている。螺子止め凹部145は、一対の上下延出壁部146,146と、一対の係合壁部147,147と、を有している。一対の上下延出壁部146,146は、本体屋内側板部14から屋内側に向かって突出している。係合壁部147は、上下延出壁部146から対向する上下延出壁部146に向かって延びている。
【0040】
本体屋内側板部14の屋外側を向く面には、図2に示すモータ固定部材32、第1プーリ固定部材34及び第2プーリ固定部材36が固定されている。
【0041】
本体突起15は、本体上板部11の屋外側の端部から上方に延びている。本体突起15の上端部は、ブラケット80の後述するブラケット上板部81のわずかに下方に位置している。
【0042】
図3に示すように、ブラケット80は、自動開閉装置1の左右方向の両端部近傍の2箇所に設置されている。ブラケット80は、左右方向に離れていれば、例えば少なくとも2個設けられていて、自動開閉装置1のサイズによっては中央に1個設けられていてもよい。
【0043】
図5に示すように、ブラケット80は、ブラケット上板部81と、ブラケット屋外側板部82と、ブラケット屋外側支持板部83と、ブラケット傾斜板部84と、ブラケット屋内側板部85と、ブラケット屋内側支持板部86と、を有している。
【0044】
ブラケット上板部81は、平板状に形成されている。ブラケット上板部81の板面は、上下方向を向いている。ブラケット上板部81は、本体部材10の本体上板部11の上方に配置されている。
【0045】
図1及び図3に示すように、ブラケット上板部81には、上下方向に貫通する取付孔811が左右方向及び屋内外方向に離れて複数箇所に形成されている。螺子812が、取付孔811に挿通されて、上額縁93を貫通して、開口部Wの上側の躯体に固定されている。
【0046】
図5に示すように、ブラケット屋外側板部82は、ブラケット上板部81の屋外側の端部から下方に延びている。ブラケット屋外側板部82は、平板状に形成されている。ブラケット屋外側板部82の板面は、屋内外方向を向いている。
【0047】
ブラケット屋外側支持板部83は、ブラケット屋外側板部82の下端部から屋内側に延びている。ブラケット屋外側支持板部83は、平板状に形成されている。ブラケット屋外側支持板部83の板面は、上下方向を向いている。
【0048】
ブラケット屋外側支持板部83の上面には、本体部材10の本体屋外延出板部13の屋外側の端部が載置されている。ブラケット屋外側支持板部83は、本体屋外延出板部13を支持している。ブラケット屋外側支持板部83は、支持部及び第一支持部に対応する。本体屋外延出板部13の屋外側の端部は、自動開閉装置の屋内外方向の一方側に対応する。
【0049】
ブラケット傾斜板部84は、ブラケット上板部81の屋内側の端部から下方に向かうにしたがって屋内側に向かうように傾斜している。
【0050】
ブラケット屋内側板部85は、ブラケット傾斜板部84の屋内側の端部から下方に延びている。ブラケット屋内側板部85は、平板状に形成されている。ブラケット屋内側板部85の板面は、屋内外方向を向いている。
【0051】
ブラケット屋内側板部85には、図1に示す取付孔851が形成されている。取付孔851は、左右方向に長い長孔である。図5に示すように、本体部材10の螺子止め凹部145には、取付板852が収容されている。螺子853が、ブラケット屋内側板部85の取付孔851に挿通されて、取付板852に螺子止めされている。ブラケット屋内側板部85と取付板852との間に本体部材10の一対の係合壁部147,147が挟み込まれて、本体部材10はブラケット80に固定されている。
【0052】
ブラケット屋内側支持板部86は、ブラケット屋内側板部85の下端部から屋外側に向かって延びている。ブラケット屋内側支持板部86は、平板状に形成されている。ブラケット屋内側支持板部86の板面は、上下方向を向いている。
【0053】
ブラケット屋内側支持板部86の上面には、本体部材10の下側の上下延出壁部146である上下延出壁部146Aが載置されている。ブラケット屋内側支持板部86は、上下延出壁部146Aを支持している。ブラケット屋外側支持板部83は、ブラケット屋内側支持板部86よりも高い位置に配置されている。ブラケット屋内側支持板部86は、支持部及び第二支持部に対応する。上下延出壁部146Aは、自動開閉装置の屋内外方向の他方側に対応する。
【0054】
自動開閉装置1の取付方法について説明する。図6から図8では、自動開閉装置1の構成要素のうち本体部材10のみを示し、他の部材の図示を省略している。
【0055】
図1に示すように、螺子812で、ブラケット80のブラケット上板部81を開口部Wの上側の躯体に固定する。図3に示すように、2個のブラケット80は、例えば、それぞれ本体部材10の左右方向の長さに対して内側に所定距離とった位置に、互いに左右方向に離れた状態で固定する。
【0056】
図6に示すように、自動開閉装置1の本体部材10にレール部材20等の部材が取り付けられた状態で、本体部材10の本体屋外延出板部13を、ブラケット80のブラケット上板部81、ブラケット屋外側板部82及びブラケット屋外側支持板部83で形成された空間Sに挿入する。本体部材10の屋外側が屋内側よりも上方になるように、本体部材10を斜めにした姿勢で行う。
【0057】
図6に二点鎖線で示すように、本体屋外延出板部13を起点として、屋内側の部分を上方に持ち上げる。この際に、本体部材10の本体屋外延出板部13を、ブラケット80のブラケット屋外側支持板部83上に載置すると、自動開閉装置1の自重をブラケット屋外側支持板部83で負担させることができるため、自動開閉装置1を上方に持ち上げる作業を軽い力で行うことができる。
【0058】
図7に示すように、本体部材10の上下延出壁部146Aがブラケット80のブラケット屋内側支持板部86上に載置されれば、自動開閉装置1の上下方向の位置が決定される。
【0059】
本体部材10の螺子止め凹部145に左右方向から、図8に示す取付板852を挿入する。螺子853を、ブラケット80の取付孔851に挿通して、取付板852に螺子止めする。取付孔851は左右方向に長い長孔であるため、ブラケット80に対する自動開閉装置1の左右方向の位置調整をすることができる。ブラケット屋内側板部85と取付板852との間に本体部材10の一対の係合壁部147,147が挟み込まれて、自動開閉装置1はブラケット80に固定される。
【0060】
建具の自動開閉装置1では、建具の開口部Wに固定されたブラケット80に自動開閉装置1を固定する際には、ブラケット80のブラケット屋外側支持板部83及びブラケット屋内側支持板部86に自動開閉装置1を支持させる。自動開閉装置1を上方に設置する際に、自動開閉装置1の自重をブラケット屋外側支持板部83及びブラケット屋内側支持板部86で負担させることができるため、螺子止めして固定する作業を容易に行うことができる。
【0061】
自動開閉装置1の本体屋外延出板部13は、ブラケット80のブラケット屋外側支持板部83で支持される。自動開閉装置1の上下延出壁部146Aは、ブラケット80のブラケット屋内側支持板部86で支持される。自動開閉装置1の屋内外方向の両側をブラケット80に支持させることができるため、自動開閉装置1を屋内外方向の両側で安定させた状態で、自動開閉装置1をブラケット80に固定することができる。
【0062】
ブラケット80のブラケット屋外側支持板部83は、ブラケット屋内側支持板部86よりも高い位置に配置されている。自動開閉装置1をブラケット80に取り付ける際には、本体部材10をブラケット屋外側支持板部83に支持させて、自動開閉装置1の自重をブラケット屋外側支持板部83に負担させつつ、自動開閉装置1を持ち上げてブラケット屋内側支持板部86に支持させることができる。自動開閉装置1を取り付ける際の負荷を軽減することができ、作業性を向上させることができる。
【0063】
ブラケット80は、ブラケット屋外側支持板部83の上方に空間Sを有する。空間S内で、本体部材10の本体屋外延出板部13を起点として回転させて、自動開閉装置1を取り付けることができる。
【0064】
自動開閉装置1はブラケット80に螺子853で固定されているため、容易に固定することができる。
【0065】
ブラケット80は、ブラケット傾斜板部84を有しているため、本体部材10におけるブラケット傾斜板部84に対向する部分とブラケット傾斜板部84との間の距離を狭めることができ、本体部分10の屋内外方向での動きを規制することができる。
【0066】
ブラケット80と本体部材10とは、螺子853で固定されている。本体部材10には本体上板部11から上方に突出する本体突起15が設けられているため、螺子853との固定部分を中心に本体部材10が持ち上がる方向に回転しようとしても、本体突起15がブラケット80のブラケット上板部81に当たった回転を規制することができる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0068】
自動開閉装置1の屋内外方向の両側がブラケット80に支持されているが、これに限られない。自動開閉装置1の少なくとも一箇所がブラケット80に支持されていればよい。
【0069】
自動開閉装置1はブラケット80に螺子853で固定されているが、これに限られない。自動開閉装置1とブラケット80とは、螺子固定に限られず、嵌合等の方法によって固定されていてもよい。
【0070】
レール部材20の端部20aには位置決め部材70が設けられているが、これに限られない。位置決め部材70は、設けられていなくてもよい。
【0071】
位置決め部材70の外形は略直方体状であり、位置決め部材70の屋内外方向の長さはレール部材20の屋内外方向の長さと略同一であるが、これに限られない。位置決め部材70の形状は、適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 自動開閉装置、9B 内障子(障子)、80 ブラケット、83 ブラケット屋外側支持板部(支持部、第一支持部)、86 ブラケット屋内側支持板部(支持部、第二支持部)、101 建具の自動開閉装置の固定構造、853 螺子、W 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10