2024-162402 自動開閉装置と障子との連結構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024162402

(43)【公開日】2024-11-21

(54)【発明の名称】自動開閉装置と障子との連結構造

(51)【国際特許分類】

   E05F 15/603 20150101AFI20241114BHJP

   E06B 3/46 20060101ALI20241114BHJP

【ＦＩ】

E05F15/603

E06B3/46

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023077865

(22)【出願日】2023-05-10

(71)【出願人】

【識別番号】504163612

【氏名又は名称】株式会社ＬＩＸＩＬ

(74)【代理人】

【識別番号】100141139

【弁理士】

【氏名又は名称】及川 周

(74)【代理人】

【識別番号】100161506

【弁理士】

【氏名又は名称】川渕 健一

(74)【代理人】

【識別番号】100179833

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 将尚

(72)【発明者】

【氏名】近藤 雅徳

【テーマコード（参考）】

2E014

2E052

【Ｆターム（参考）】

2E014AA03

2E014FB01

2E014FB11

2E014FC02

2E052AA01

2E052DA04

2E052DB04

2E052EA13

2E052EA16

2E052EB01

2E052EC01

(57)【要約】

【課題】位置調整が可能な自動開閉装置と障子との連結構造を提供する。
【解決手段】自動開閉装置と障子との連結構造１０１は、障子９Ｂ側に固定された第一面ファスナー６１と、自動開閉装置１の可動部４０側に固定された第二面ファスナー６２と、可動部４０に固定された第一連結部５１と、第二面ファスナー６２が固定された第二連結部５６と、を備え、第一面ファスナー６１と第二面ファスナー６２とは着脱可能であり、第一連結部５１と第二連結部５６とは螺子５７２で固定されている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

障子側に固定された第一面ファスナーと、
自動開閉装置の可動部側に固定された第二面ファスナーと、を備え、
前記第一面ファスナーと前記第二面ファスナーとは着脱可能である自動開閉装置と障子との連結構造。

【請求項2】

前記可動部に固定された第一連結部と、
前記第二面ファスナーが固定された第二連結部と、を備え、
前記第一連結部と前記第二連結部とは螺子で固定されている請求項１に記載の自動開閉装置と障子との連結構造。

【請求項3】

前記第一連結部及び前記第二連結部の一方には、屋内外方向に長く上下方向に貫通する貫通部が形成され、
前記第一連結部及び前記第二連結部の他方には、螺子孔が形成され、
前記螺子は、前記貫通部に挿通されて、前記螺子孔に螺合されている請求項２に記載の自動開閉装置と障子との連結構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、自動開閉装置と障子との連結構造に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から、モータによって障子を自動的に移動させる自動開閉建具が知られている。障子と自動開閉装置の可動部とが、ブラケットを介して連結された構成が提案されている（下記の特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２３－１７２１８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

障子の設置位置がずれていると、障子と自動開閉装置との連結箇所を左右方向及び上下方向に調整することが困難で、施工性が悪いという問題点がある。

【0005】

本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位置調整が可能な自動開閉装置と障子との連結構造を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示の一態様に係る自動開閉装置と障子との連結構造は、障子側に固定された第一面ファスナーと、自動開閉装置の可動部側に固定された第二面ファスナーと、を備え、前記第一面ファスナーと前記第二面ファスナーとは着脱可能である。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】自動開閉装置と障子との連結構造を示す上部鉛直断面図である。

【図2】自動開閉装置の分解斜視図である。

【図3】自動開閉装置の可動部の斜視図である。

【図4】自動開閉装置と障子との連結構造の一部の斜視図である。

【図5】自動開閉装置を下から見た図である。

【図6】自動開閉装置の斜視図である。

【図7】変形例に係る自動開閉装置の第二連結部の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、一実施形態に係る自動開閉装置と障子との連結構造について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成を分かりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。

【0009】

図１に示すように、建物の開口部Ｗに設けられる引違い窓９に自動開閉装置１が設置されている。自動開閉装置１は、引違い窓９に限らず、片引き窓にも設置可能である。

【0010】

引違い窓９及び自動開閉装置１を正面から見た左右方向を、矢印Ｘで示す。左右方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称し、矢印Ｙで示す。屋内側を＋Ｙで示し、屋外側を－Ｙで示す。左右方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称し、矢印Ｚで示す。

【0011】

引違い窓９は、枠体９１と、外障子９Ａ及び内障子９Ｂと、を有している。外障子９Ａ及び内障子９Ｂは、左右方向に移動可能に枠体９１に納められている。

【0012】

自動開閉装置１は、建物の開口部Ｗに固定されたブラケット８０を介して、開口部Ｗの上額縁９３に固定されている。自動開閉装置１の左右方向に可動する可動体４０側が内障子９Ｂに連結されている。

【0013】

図２に示すように、自動開閉装置１は、本体部材１０と、レール部材２０と、駆動モータ３１と、第１プーリ３３と、第２プーリ３５と、ベルト３７と、可動体４０と、位置決め部材７０と、を備えている。自動開閉装置１は、ユニット化されている。

【0014】

本体部材１０は、レール部材２０、駆動モータ３１、第１プーリ３３、第２プーリ３５、ベルト３７と、可動体４０及び位置決め部材７０等の各種部材を収容する機能を有している。本体部材１０は、下側及び屋外側が開口する形状をしている。本体部材１０は、左右方向に離れて２箇所に設けられたブラケット８０を介して、開口部Ｗの上額縁９３に固定されている。

【0015】

本体部材１０には、屋外側から見て右側から左側に向かって、モータ固定部材３２、駆動モータ３１、第１プーリ３３、第１プーリ固定部材３４、位置決め部材７０、レール部材２０及び第２プーリ固定部材３６の順で並んで配置されている。

【0016】

レール部材２０は、本体部材１０の下面及び屋外側を向く面に沿って配置されている。レール部材２０は、本体部材１０に固定されている。

【0017】

駆動モータ３１は、モータ固定部材３２を介して本体部材１０に固定されている。第１プーリ３３は、駆動モータ３１に接続されている。第１プーリ３３は、第１プーリ固定部材３４を介して本体部材１０に固定されている。第１プーリ３３は、軸線を屋内外方向に向けて配置されている。第１プーリ３３は、駆動モータ３１の駆動力によって、軸線回りに回転可能である。第２プーリ３５は、第２プーリ固定部材３６を介して本体部材１０に固定されている。第２プーリ３５は、軸線を屋内外方向に向けて配置されている。第２プーリ３５は、第２プーリ固定部材３６に回転可能に支持されている。ベルト３７は、第１プーリ３３と第２プーリ３５との間にかけ渡されている。ベルト３７は、可動体４０に固定されている。

【0018】

可動体４０は、レール部材２０に案内されて左右方向に移動可能である。図３に示すように、可動体４０は、基部４１と、摺動部４２と、ローラ４３と、を有している。

【0019】

基部４１は、支持下板部４１１と、ローラ支持板部４１２と、図４に示す係止板部４１３と、を有している。

【0020】

図３に示すように、支持下板部４１１は、平板状に形成されている。支持下板部４１１の板面は、上下方向を向いている。ローラ支持板部４１２は、支持下板部４１１の屋内側の端部から上方に延びている。ローラ支持板部４１２は、平板状に形成されている。ローラ支持板部４１２の板面は、屋内外方向を向いている。図４に示すように、係止板部４１３は、支持下板部４１１の屋外側の端部から上方に延びている。係止板部４１３は、支持下板部４１１の左右方向の中央にのみ設けられている。係止板部４１３は、平板状に形成されている。係止板部４１３の板面は、屋内外方向を向いている。

【0021】

図３に示すように、摺動部４２は、支持下板部４１１から上方に突出するように設けられている。摺動部４２は、支持下板部４１１の左右方向の中央にのみ設けられている。摺動部４２の内周形状は、上側且つ屋内側に開口する円形状である。摺動部４２の内周面には、径方向の内側に突出する複数の突起４２１が周方向に間隔を空けて複数設けられている。図１に示すように、摺動部４２の内側には、レール部材２０の下方に延びる可動部支持体２４が嵌め込まれている。摺動部４２は、可動部支持体２４に左右方向に摺動可能に案内される。

【0022】

図３に示すように、ローラ４３は、ローラ支持板部４１２の屋内側に取り付けられている。ローラ４３は、軸線を屋内外方向に向けて、軸線回りに回転可能である。図１に示すように、ローラ４３は、レール部材２０のローラ支持部２７に、回転可能に支持されている。可動体４０の摺動部４２及び２個のローラ４３の３箇所が、レール部材２０に支持されている。

【0023】

図２に示すように、位置決め部材７０は、レール部材２０の左右方向に一方側の端部２０ａに配置されている。位置決め部材７０の外形は、略直方体状である。位置決め部材７０は、本体部材１０に螺子等によって固定されている。図５に示すように、位置決め部材７０の屋内外方向の長さは、レール部材２０の屋内外方向の長さと略同一である。

【0024】

図６に示すように、自動開閉装置１の屋内側及び下側を覆うように、カバー部材６５が取り付けられている。

【0025】

自動開閉装置と障子との連結構造１０１について詳細に説明する。自動開閉装置と障子との連結構造１０１は、内障子９Ｂに自動開閉装置１を連結する構造である。図１に示すように、自動開閉装置と障子との連結構造１０１は、連結部材５０と、第一面ファスナー６１と、第二面ファスナー６２と、を備えている。

【0026】

連結部材５０は、第一連結部材５１と、第二連結部材５６と、を有している。第一連結部材５１は、第一連結部に対応する。第一連結部材５１は、第一連結部及び第二連結部の他方に対応する。第二連結部材５６は、第二連結部に対応する。第二連結部材５６は、第一連結部及び第二連結部の一方に対応する。

【0027】

図４に示すように、第一連結部材５１は、断面視Ｌ字状をしている。第一連結部材５１は、係止板部５２と、上側板部５３と、を有している。

【0028】

係止板部５２は、平板状に形成されている。係止板部５２の板面は、屋内外方向を向いている。係止板部５２の左右方向の中央の下端部には、上方に向かって凹む切欠き部５２１が形成されている。可動体４０の係止板部４１３に、切欠き部５２１が係止されている。係止板部５２は、係止板部４１３の屋内側且つ支持下板部４１１屋外側の端部との間に挟み込まれて、可動体４０に固定されている。

【0029】

上側板部５３は、係止板部５２の上端部から屋外側に延びている。上側板部５３は、平板状に形成されている。上側板部５３の板面は、上下方向を向いている。図１に示すように、上側板部５３には、上下方向に貫通する不図示の螺子孔５３４が左右方向に間隔を空けて複数箇所に形成されている。

【0030】

図４に示すように、第二連結部材５６は、断面視Ｌ字状をしている。第二連結部材５６は、下側板部５７と、上側板部５８と、を有している。

【0031】

下側板部５７は、平板状に形成されている。下側板部５７の板面は、上下方向を向いている。上側板部５３は、下側板部５７に載置されている。下側板部５７には、屋内側の端部から屋外側に向かって凹む螺子孔凹部５７１が形成されている。螺子孔凹部５７１は、屋内外方向に長い形状である。螺子孔凹部５７１は、左右方向に間隔を空けて複数箇所に形成されている。螺子５７２は、螺子孔凹部５７１に挿通されて、第一連結部材５１の上側板部５３の螺子孔５３４に螺合されている。螺子孔凹部５７１は、貫通部に対応する。

【0032】

上側板部５８は、下側板部５７の屋外側の端部から上方に延びている。上側板部５８は、平板状に形成されている。上側板部５８の板面は、屋内外方向を向いている。

【0033】

図１に示すように、第一面ファスナー６１は、内障子９Ｂの上框９６の屋内側を向く面に貼り付けられている。図４に示すように、第二面ファスナー６２は、可動体４０に固定された第二連結部材５６の上側板部５８の屋外側を向く面に貼り付けられている。第一面ファスナー６１と第二面ファスナー６２とは、着脱可能に接着されている。内障子９Ｂと可動体４０とは、連結部材５０及び面ファスナー６１，６２を介して、連結されている。

【0034】

自動開閉装置と障子との連結構造１０１を施工する際の手順について説明する。連結部材５０の第一連結部材５１と第二連結部材５６とは、取り外した状態にしておく。上額縁９３の下側に固定された自動開閉装置１の可動体４０の係止板部４１３に、第一連結部材５１の切欠き部５２１を係止させておく。

【0035】

内障子９Ｂの上框９６に第一面ファスナー６１を貼り付けておく。第二連結部材５６の上側板部５８に第二面ファスナー６２を貼り付けておく。第一面ファスナー６１と第二面ファスナー６２とを接着する。内障子９Ｂまたは可動体４０を左右方向に動かして、第一連結部材５１の螺子孔５３４と第二連結部材５６の螺子孔凹部５７１との位置を合わせる。螺子５７２を螺子孔凹部５７１に挿通して螺子孔５３４に螺合させて完成する。

【0036】

自動開閉装置と障子との連結構造１０１では、内障子９Ｂ側に固定された第一面ファスナー６１と、自動開閉装置１の可動体４０側に固定された第二面ファスナー６２とを、接着することで、自動開閉装置１が内障子９Ｂに連結される。内障子９Ｂと自動開閉装置１との上下方向または左右方向の位置がずれている場合には、第一面ファスナー６１と第二面ファスナー６２とを剥がして、位置調整した後に、再度第一面ファスナー６１と第二面ファスナー６２とを接着すればよい。自動開閉装置１と内障子９Ｂとの位置調整を容易にすることができる。

【0037】

可動体４０に固定された第一連結部材５１と第二面ファスナー６２が固定された第二連結部材５６との位置を合わせた後に、第一連結部材５１と第二連結部材５６とを螺子５７２で固定する。内障子９Ｂと自動開閉装置１との位置がずれている場合には、第一連結部材５１及び第二連結部材５６でもずれを吸収して調整することができる。

【0038】

螺子５７２は、第二連結部材５６に形成された螺子孔凹部５７１に挿通されて、第一連結部材５１に形成された螺子孔５３４に螺合されている。螺子孔凹部５７１は屋内外方向に長い形状をしているため、螺子孔凹部５７１における螺子５７２の屋内外方向の位置を調整することで、自動開閉装置１と内障子９Ｂとの屋内外方向の位置調整をすることができる。

【0039】

以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。

【0040】

（変形例）
図７に示すように、第二連結部材５６には、螺子孔凹部５７１に代えて、屋内外方向に長い長孔５７３が形成されていてもよい。

【0041】

螺子５７２は、第二連結部材５６に形成された長孔５７３に挿通されて、第一連結部材５１に形成された螺子孔５３４に螺合されている。長孔５７３は屋内外方向に長い形状をしているため、長孔５７３における螺子５７２の屋内外方向の位置を調整することで、自動開閉装置１と内障子９Ｂとの屋内外方向の位置調整をすることができる。

【0042】

第一面ファスナー６１は、内障子９Ｂの上框９６に直接貼り付けられているが、これに限られない。第一面ファスナー６１は、部材を介して障子に貼り付けられる構成であってもよい。

【0043】

連結部材５０は、第一連結部材５１と第二連結部材５６と螺子５７２で連結された構成であるが、これに限られない。連結部材５０は、一つの部材で構成されていてもよい。

【0044】

第二連結部材５６に形成された螺子５７２が挿通される孔は、屋内外方向に長い形状をしているが、これに限られない。第二連結部材５６に形成される孔は、螺子５７２の径に対応した大きさであれば適宜設定可能である。

【0045】

レール部材２０の端部２０ａには位置決め部材７０が設けられているが、これに限られない。位置決め部材７０は、設けられていなくてもよい。

【0046】

位置決め部材７０の外形は略直方体状であり、位置決め部材７０の屋内外方向の長さはレール部材２０の屋内外方向の長さと略同一であるが、これに限られない。位置決め部材７０の形状は、適宜設定可能である。

【0047】

第二連結部材５６に螺子孔凹部５７１が形成され、第一連結部材５１に螺子孔５３４が形成され、螺子５７２が螺子孔凹部５７１に挿通されて螺子孔５３４に螺合されているが、これに限られない。第一連結部に屋内外方向に長く上下方向に貫通する貫通部が形成され、第二連結部に螺子孔が形成され、螺子が貫通部に挿通されて螺子孔に螺合されていてもよい。

【符号の説明】

【0048】

１ 自動開閉装置、９Ｂ 内障子（障子）、４０ 可動体（可動部）、５１ 第一連結部材（第一連結部）、５６ 第二連結部材（第二連結部）、６１ 第一面ファスナー、６２ 第二面ファスナー、１０１ 自動開閉装置と障子との連結構造、５７１ 螺子孔凹部（貫通部）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】