(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162405
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241114BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241114BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241114BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B41J29/38 204
H04N1/00 567Z
G06F3/12 303
G06F3/12 329
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077883
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 徹
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ36
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN15
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC23
(57)【要約】
【課題】用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させること。
【解決手段】情報処理装置は、管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付ける受付手段と、編集操作がなされた用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ編集操作によって用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、編集操作がなされた用紙の種類がベース用紙であり、かつ編集操作によって用紙の名称が変更されていない場合、画面を表示する制御手段と、を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付ける受付手段と、
前記編集操作がなされた前記用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、前記用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙の名称が変更されていない場合、前記画面を表示する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記受付手段において前記用紙の名称を変更する指示をユーザから受け付けたことに応じて前記画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙である場合、前記編集操作が完了した前記用紙の種類をユーザ設定用紙とする新たな用紙情報として前記管理部に登録することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記制御手段によって表示された前記画面において前記用紙の名称が変更されなかった場合、前記管理部に登録した前記新たな用紙情報を前記管理部から削除することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記制御手段によって表示された前記画面において前記用紙の名称が変更された場合、前記新たな用紙情報の名称を、変更後の名称で上書きすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記用紙情報は、前記用紙の名称と、前記用紙の種類と、前記用紙の特性と、を含む設定値が含まれており、
前記編集操作は、前記設定値を変更する操作を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記管理部において、前記用紙の種類が前記ベース用紙である前記用紙情報の設定値は、変更できない値として管理されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理部に登録されている前記用紙情報は、印刷が行われる場合に設定されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、印刷装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
管理部において登録済みの用紙情報のリストを含む第一画面と、
用紙の種類がベース用紙である用紙情報の選択を前記第一画面において前記受付手段によって受け付けた後に表示される第二画面と、
前記第二画面において前記用紙情報における用紙の名称の変更を受け付けておらず、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合に表示される、前記用紙の名称の変更を受け付ける第三画面と、
を表示部に表示することが可能な表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記第二画面において前記用紙の名称の変更を受け付け、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合、前記第三画面を表示せずに前記用紙情報の登録を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付けるステップと、
前記編集操作がなされた前記用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、前記用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙の名称が変更されていない場合、前記画面を表示するステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
管理部において登録済みの用紙情報のリストを含む第一画面を表示部に表示するステップと、
用紙の種類がベース用紙である用紙情報の選択を前記第一画面において受け付けた後に第二画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第二画面において前記用紙情報における用紙の名称の変更を受け付けておらず、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合に、前記用紙の名称の変更を受け付ける第三画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第二画面において前記用紙の名称の変更を受け付け、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合、前記第三画面を表示せずに前記用紙情報の登録を行うステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
給紙段に給紙されている用紙の種類を設定する技術がある。特許文献1には、ユーザがカスタマイズした紙種をデータベース(DB)に登録する機能と、DBから任意の紙種を選択して、給紙段の紙種として設定する機能と、を有する画像処理装置が開示されている。
【0003】
画像処理装置における印刷画像の品質は、画像処理装置の各特性(搬送特性、転写特性、または定着特性など)と、用紙の特性(表面性または坪量など)とが、適合するか否かに依存する。特許文献2には、特性値を各用紙種類に予め関連付けて用紙DBに登録できる画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-029120号公報
【特許文献2】特開2020-12940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
用紙の特性を示す用紙情報を変更する際のユーザビリティの向上が求められている。本開示は、用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付ける受付手段と、前記編集操作がなされた前記用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、前記用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙の名称が変更されていない場合、前記画面を表示する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】画像処理装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】画像処理装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】用紙情報の詳細の確認および編集を行う画面を示す図である。
【
図6】用紙情報の詳細の確認および編集を行う画面を示す図である。
【
図9】用紙情報の編集処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また以下の実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
【0010】
<<第1実施形態>>
本実施形態では、用紙の特性を示す用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させる形態を説明する。後述するように、用紙情報には、各種の特性が含まれる。また、用紙情報には、用紙の属性を示す項目として、用紙種別(用紙種類)が含まれる。用紙種別には、2つの用紙種別が用いられる。第1の用紙種別は、製品出荷時に予め画像処理装置に登録されている用紙種別である。この第1の用紙種別の用紙のことをベース用紙という。ベース用紙は、予め決められた特性値を有するものであり、ベース用紙自体の特性値を変更することはできない。ユーザがベース用紙の特性値を変更したものを利用したい場合、ベース用紙を複製した第2の用紙種別を用いる必要がある。この第2の用紙種別の用紙のことをユーザ設定用紙という。
【0011】
このように、ユーザが新たな用紙情報を登録しようとする場合、以下の各種のユーザ操作が必要になる。即ち、所望のベース用紙を指定するユーザ操作、指定したベース用紙の複製を指示するユーザ操作、複製後の用紙情報の名称を変更するユーザ操作、および、複製後の用紙(ユーザ設定用紙)の特性値を変更するユーザ操作などが必要となる。このような操作は、ユーザにとって煩雑な操作であり、また、直感的な操作でないため、ユーザビリティが低下する。
【0012】
一方で、ベース用紙の複製を指示するユーザ操作を介さずに、新たな用紙情報を登録することでユーザビリティを向上させることが考えられる。例えば、種別がベース用紙の用紙情報の詳細画面において、各種の値をユーザが変更できるように構成することが考えられる。そして、このように変更した値を有する用紙情報を、種別をユーザ設定用紙として用紙DBに登録することが考えられる。ここで、後述するように、用紙情報において「名称」は、用紙DBにおいて他の用紙情報と区別するためのキーとなる情報である。このため、用紙DBにおいて重複した名称の用紙情報は、登録ができないように構成されている。そのような状況を鑑みて、用紙情報の詳細画面において各種の値の編集が完了した場合、用紙の名称の変更入力を促す画面を表示させる形態が考えられる。
【0013】
しかしながら、既にユーザが用紙情報の名称を変更した後に、その用紙情報の編集の完了に伴って名称の変更入力が再度促されてしまうと、ユーザが、別名称を入力する必要があると誤認識してしまう可能性がある。このため、本実施形態では、ユーザに誤認識を与えないようにすることでユーザビリティを向上させる例を説明する。
【0014】
尚、高品質な印刷を行う際には、製品出荷時に登録されているベース用紙から各種の特性値を変更する場面が増える。さらには、特殊な用紙に対する高品質な印刷への需要の高まりにより、用紙情報の変更を要望するユーザが増えている。このため、用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させることが求められている。
【0015】
以下で説明する実施形態では、適切な条件下で名称変更画面を表示させることで、ユーザビリティを向上させる例を説明する。
【0016】
<システム構成>
図1は、本実施形態における印刷システムの構成を示す図である。印刷システムは、ネットワーク上に接続されたサーバー装置101と、クライアント装置102と、画像処理装置103とを有する。
【0017】
サーバー装置101は、情報処理装置の一種であり、画像処理装置103およびクライアント装置102と各種のデータの送受信を行う。クライアント装置102もまた、情報処理装置の一種であり、画像処理装置103およびサーバー装置101と各種のデータの送受信を行う。サーバー装置101およびクライアント装置102は、たとえばサーバー端末、パーソナルコンピュータ、タブレット、または、スマートフォンなど、任意の情報処理装置とすることができる。
【0018】
画像処理装置103は、プリンタ装置(印刷装置)であり、本実施形態では多機能複写機(MFP:Multifunction Peripheral)である。画像処理装置103は、紙原稿を複写する機能に限らず、外部のプリンタドライバから送付された印刷データを印刷する機能、および、紙原稿を読み込みその画像データを外部のファイルサーバーまたはメールアドレス宛に送信する機能(SEND機能)を有する。さらには、画像処理装置103は、不図示の他の画像処理装置にデータを送信して、送信先の画像処理装置で印刷する機能(リモートコピー機能またはファクシミリ機能)なども有する。また、本実施形態の画像処理装置103は、用紙情報の登録を行う機能を有しており、画像処理装置103もまた、情報処理装置の一種である。
【0019】
画像処理装置103は、不図示のイーサネット(登録商標)により接続されているものとするが、この例に限られない。任意のネットワークで接続されていてよい。また、インターフェースは、有線であっても無線であってもよい。画像処理装置103以外のサーバー装置101およびクライアント装置102は、別個の装置として例示しているが、同一のコンピュータで構成されていてもよい。さらには、画像処理装置103が、サーバー装置101およびクライアント装置102の機能を実装していてもよい。本実施形態における画像処理装置103の印刷方式は、電子写真方式でもインクジェット方式でもよく、その他の方式でもよい。
【0020】
<画像処理装置のハードウェア構成>
図2は、本実施形態の画像処理装置103のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置103は、コントローラユニット200と、操作部212と、スキャナ270と、プリンタ295とを有する。コントローラユニット200は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、Image Bus I/F205、操作部I/F206、SRAM209、Network I/F210、RTC211、およびMODEM250を有する。以上のデバイスがシステムバス207上に配置される。また、コントローラユニット200は、デバイスI/F220、画像回転部230、画像圧縮/伸張部240、スキャナ画像処理部280、およびプリンタ画像処理部290を有する。以上のデバイスが、画像バス208上に配置される。
【0021】
コントローラユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ270および画像出力デバイスであるプリンタ295と接続する。また、コントローラユニット200は、イーサネット(登録商標)および公衆回線と接続することで、画像情報およびデバイス情報の入出力を行う。
【0022】
CPU201は、画像処理装置103を制御するコントローラである。RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM203は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD204は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、および画像データを格納する。
【0023】
操作部I/F206は、タッチパネルを有した操作部212とのインターフェース部であり、操作部212に表示する画像データを操作部212に対して出力する。また、操作部212を通じてユーザが入力した情報を、CPU201に伝える役割をする。Network I/F210は、ネットワークに接続し、情報の入出力を行う。MODEM250は、公衆回線に接続し、情報の入出力を行う。
【0024】
SRAM209は、高速動作可能な不揮発性の記録媒体である。RTC211は、リアルタイムクロックであり、コントローラユニット200に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける処理を行う。
【0025】
Image Bus I/F205は、画像データを高速で転送する画像バス208とシステムバス207とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス208は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。
【0026】
RIP260は、ラスターイメージプロセッサでありPDLコードをビットマップイメージデータに展開する。デバイスI/F部220は、画像入出力デバイスであるスキャナ270およびプリンタ295とコントローラユニット200とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部280は、入力画像データに対する補正、加工、および編集を行う。プリンタ画像処理部290は、プリント出力画像データに対する補正および解像度変換等を行う。画像回転部230は、画像データの回転を行う。画像圧縮/伸張部240は、圧縮伸張処理を行う。
【0027】
プリンタ295は、一つ以上の給紙部を有している。給紙部には、記録媒体である用紙が収容される。各給紙部に収容される用紙の用紙情報を、各給紙部に設定することができる。これにより、プリンタ295において高品質な印刷が行われることになる。
【0028】
以上説明した画像処理装置103の構成は一例に過ぎず、これに限られるものではない。
図2に示す一部の構成を備えていなくてもよいし、
図2に不図示の構成を画像処理装置103が備えていてもよい。
【0029】
<画像処理装置のソフトウェア構成>
図3は、画像処理装置103のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3は、画像処理装置103の処理部のうち、本実施形態に関連する処理機能の一例を示している。画像処理装置103は、制御部301、表示部302、入力部303,および用紙情報管理部304を有する。
図3に示す各機能部は、ROM203に格納されたプログラムをCPU201がRAM202に読み出して実行することで、CPU201が
図3に示す各部として機能する。
【0030】
表示部302は、操作部212に画像処理装置103の状態を表示したり、操作メニューを表示したりする表示制御を行う。入力部303は、ユーザからの操作指示を受け付ける受付部である。用紙情報管理部304は、用紙情報を処理し、用紙DBに用紙情報を記憶する。用紙DBは、HDD204またはSRAM209に実装されているものとするが、画像処理装置103の外部に設けられていてもよい。制御部301は、
図3に示す各部を制御し、各種の処理を実行する。
【0031】
<用紙情報の管理>
次に、用紙DBにおいて管理される用紙情報を説明する。前述したように、画像処理装置103には、1つ以上の給紙部が備えられており、各給紙部に用紙情報を設定することが可能に構成されている。例えばユーザが画像処理装置103を用いて印刷を行う際に、所望の用紙を収容した給紙部に、所望の用紙情報を設定することで、より高品位な印刷を実行することができる。
【0032】
図4は、画像処理装置103の操作部212上に表示される画面の一例を示す図である。
図4の画面401は、用紙種類(用紙情報)の管理設定を行う設定画面である。画面401には、用紙情報リスト404が含まれる。用紙情報リスト404に含まれている用紙情報は、用紙情報管理部304に登録済みの用紙情報である。
図4の例では、ベース用紙とユーザ設定用紙とのいずれのチェックボックス405にもチェックが入っているため、後述する種別がベース用紙の用紙情報とユーザ設定用紙の用紙情報との両方が、用紙情報リスト404に含まれて表示されている。いずれか一方の種別のチェックボックス405にチェックが入っている場合、チェックが入っている種別の用紙情報が用紙情報リスト404に含まれて表示されることになる。
図4の画面401では、「薄紙1」、「普通紙1」、「厚紙1」との名称が付された3つの用紙情報(用紙種類)がリスト表示されている。
【0033】
画面401には詳細/編集ボタン403、複製ボタン406,削除ボタン407,およびOKボタン402が含まれる。ユーザが用紙情報リスト404から任意の用紙情報を選択し、詳細/編集ボタン403、複製ボタン406、または、削除ボタン407が押下されると、押下されたボタンに応じた処理が行われる。尚、ボタンの押下には、例えばUI部品であるアイコンへのタッチ動作も含まれるものとする。詳細/編集ボタン403が押下されると、選択された用紙の詳細確認および編集処理が可能となる。詳細は後述する。複製ボタン406が押下されると、選択された用紙の複製が行われる。削除ボタン407が押下されると、選択された用紙の削除が行われる。OKボタンが押下されると、
図4に示す画面401が閉じられる。
【0034】
より詳細には、入力部303は、ユーザの操作を検知し、画面上のどの場所(座標)が押下されたかを制御部301に通知する。制御部301は、操作部212上に表示している画面のビットマップと、通知された座標と、に基づいて、どのボタンが押下されたかを検出する。そして、制御部301は、押下を検出したボタンに応じた処理を行い、次に表示すべき画面を生成して表示部302にその内容を通知する。表示部302は、通知された画面を操作部212上に表示する。このようにして、ユーザの操作に対する処理が行われ、画面が遷移していく。本実施形態では、詳細/編集ボタン403が押下された場合の処理を説明する。
【0035】
図5は、用紙情報の詳細の確認および編集を行う画面501を示す図である。
図4の画面401においてユーザによって用紙情報リスト404のいずれかの用紙が選択された状態で、詳細/編集ボタン403が押下されると、操作部212の表示画面が、画面401から画面501に切り替わる。画面501は、用紙情報リスト404のうちの「薄紙1」が選択された例を示している。
【0036】
画面501は、「薄紙1」の用紙情報の詳細を示している。用紙情報には、用紙の特性を示す情報(項目)が含まれる。また、用紙情報には、用紙の属性を示す情報(項目)も含まれる。尚、ここでは便宜上、用紙の特性と属性とを分けて説明しているが、
図5に示す項目のすべてを用紙の特性または属性として扱ってもよい。本実施形態では、用紙の属性を示す項目として、名称および種別が含まれる。用紙の特性を示す項目として、坪量、表面性、色、プレプリント、および両面2面目の項目が含まれる。各項目には、それぞれ設定値が設定されている。
図5に示す例では、種別項目の設定値は、「ベース用紙」であり、表面性の設定値は、「上質紙」である、といった具合である。
【0037】
名称は、詳細を表示中の用紙情報(用紙種類)の名称を示している。ユーザは、名称を参照して他の用紙情報(用紙種類)との区別をすることができる。また、用紙情報管理部304においても、名称をキーとしたデータ管理がされている。つまり、用紙情報管理部304のデータ管理上、同一名称が付されないように構成されている。種別は、ベース用紙かユーザ設定用紙かを示している。坪量は、単位面積当たりの紙の重さを示している。本実施形態では、g/m
2(1平方メートル当たりのグラム数)を用いるが、別の単位であってもよい。表面性は、紙の種類を表す属性である。色は、紙の色を示している。本実施形態では、白、赤、または、青といった一般的な色を表す名称を指定するが、他の色と区別できるなら、DIC(大日本インキ化学工業が発行する色見本)等の別の色であってもよい。プレプリントは、すでにプリントが施されている紙かを示すものである。両面2面目は裏面プリント専用の紙かを示すものである。尚、
図5に示す項目の例は、一例にすぎず、この例に限られるものではない。
【0038】
図5に示す画面501では、変更ボタン群502が、各項目に対応して設けられている。入力部303が、変更ボタン群502の中の変更ボタンのいずれかが押下されたことを検知すると、対応する項目の設定値変更画面が表示され、編集を行うことが可能となる。尚、本実施形態では、種別の項目は、ユーザによる変更ができないため、「種別」に対応する変更ボタンは配置されていない。あるいは、「種別」に対応する変更ボタンは配置されてあってもよいが、グレーアウトするなどしてユーザによって押下できないような態様で配置がされていてもよい。
【0039】
このように、本実施形態では、既存の用紙情報を用いて、その用紙情報の一部を変更することが可能に構成されている。また、その際に、ユーザは、既存の用紙情報の詳細情報を確認したうえで、必要な項目を変更するといった編集作業が可能となる。このため、例えば
図4の画面401の状態で複製ボタン406を押下し、一旦既存の用紙情報の複製を行う場合に比べて、ユーザは、直感的に作業を行うことができる。また、ユーザは、用紙情報の詳細を確認しながら作業をすることができるので、ユーザの作業時の負荷を低減することもできる。尚、後述するように、基本的に、ユーザは、所望の項目を変更して、OKボタン503を押下することで、新規の用紙情報の登録が行われることになる。即ち、OKボタン503は、用紙情報の変更(編集)の確定を示す確定ボタンとも言える。
【0040】
図6は、用紙情報の詳細の確認および編集を行う画面を示す図である。
図6に示す画面601は、用紙情報リスト404のうちの「普通紙1」が選択された例を示している。画面601における構成は、
図5で説明した例と同様である。
図5に示す画面501は、種別がベース用紙の画面の例であり、
図6に示す画面601は、種別がユーザ設定用紙の画面の例である。
【0041】
図5および
図6に示すように、本実施形態では、種別がユーザ設定用紙の場合に限らず、ベース用紙の場合にも変更ボタン群502が配置され、ユーザによる変更が可能なように構成されている。尚、ベース用紙は、前述したように、予め決められた特性値を有するものであり、ベース用紙自体の特性値を変更することはできない。このように、特性値を変更することができないベース用紙においても、本実施形態では、変更ボタン群502を配置している。そして、後述するように、ベース用紙における項目の設定値が変更された状態でOKボタン503(確定ボタン)が押下された場合、制御部301は、種別をユーザ設定用紙とする新たな用紙情報を用紙DBに登録する処理を行う。以下の説明では、
図5の画面に基づいて説明を行うこととするが、
図6の画面の場合であっても同様である。
【0042】
図7は、名称を変更する画面の例を示す図である。
図5の画面501の名称の項目に対応する変更ボタン5021が押下されたことを検知すると、制御部301は、
図7に示す画面701を表示する制御を行う。即ち、操作部212における画面が、画面501から画面701に切り替わる。ユーザは、画面701を介して、名称の編集を行うことが可能である。画面701は、キーボードを表示する画面であり、表示されているキーボードを介してユーザは名称を入力することができる。このように、ユーザは、任意のタイミングで名称を編集することができる。また、ユーザは名称を元に他の用紙との区別を行うことができる。名称の編集後にOKボタン702が押下されると、編集された名称を反映させた元の画面501に戻る。尚、画面501においてOKボタン503が押下されたことをトリガに用紙情報管理部304(用紙DB)への登録処理が開始されることになる。画面701においてキャンセルボタン703が押下されると、編集内容を破棄して元の画面501に戻る。以上が名称を変更する場合の例である。名称以外の他の特性の設定値を変更する場合、画面501上において、適宜、変更を行うUI部品が表示されたり、直接値を入力できる領域が表示されたりする。尚、名称以外の他の特性の設定値を変更する場合にも、他の画面に切り替わり、その画面で設定値が入力されるように構成されていてもよい。
【0043】
画面501においてOKボタン503が押下されたことを入力部303が検知すると、制御部301は、設定値が変更されたかを判定することになる。そして、いずれの設定値も変更されていなかった場合、制御部301は、設定値を保存せず
図4の画面に戻る。設定値がいずれか一つ以上変更されていた場合、制御部301は、編集中の用紙情報の種別がベース用紙かユーザ設定用紙かを判定する。
【0044】
ベース用紙であると判定した場合、制御部301は、ベース用紙を複製し、種別をユーザ設定用紙とする新しい用紙情報を用紙情報管理部304に登録する。そして登録した後に、制御部301は、登録した用紙情報の名称がベース用紙の名称から変更されているかを判定する。登録した用紙情報の名称がベース用紙の名称から変更されている場合、制御部301は、設定値を用紙情報管理部304に保存し、
図4の画面に戻る。新しく登録した用紙情報は用紙情報リスト404に表示されることになる。一方、登録した用紙情報の名称がベース用紙の名称から変更されていない場合は、操作画面が
図8に示す画面に切り替わる。
【0045】
図8は、変更後の設定値を新しい用紙情報として登録するか選択するポップアップを含む画面を示す例である。種別がベース用紙であり、かつ、登録した用紙情報の名称がベース用紙の名称から変更されていない場合、ユーザは、ベース用紙そのものの設定値を変更しようとしている可能性が高い。あるいは、ベース用紙の名称から変更する必要性に気が付いていない可能性が高い。前述したように、本実施形態においてベース用紙の設定値は、変更できないように構成されている。このため、
図8では、ユーザにベース用紙の編集ができないこと、および、編集後の種別をユーザ設定用紙として登録することを通知するポップアップ画面801が表示されている状態である。
【0046】
ポップアップ画面801において、OKボタン702が押下されたことを入力部303が検知すると、
図7に示す画面に切り替わる。つまり、新規登録する用紙情報の名称がベース用紙の名称から変更されていないので、ユーザに名称を変更させるため、画面701を表示する。そして、画面701においてOKボタン602が押下されたことを入力部303が検知すると、制御部301は、設定値の名称を変更したうえで、用紙情報管理部304に保存し、
図4の画面に戻る。新しく登録された用紙情報は、用紙情報リスト404に表示されることになる。
【0047】
ポップアップ画面801で、キャンセルボタン703が押下されたことを入力部303が検知すると、制御部301は設定値を保存せず
図4の画面に戻る。このとき、用紙情報管理部304に登録された用紙情報は、削除される。このように、本実施形態では、設定値が変更された場合にOKボタン503(確定ボタン)が押下されると、一旦は、新たな用紙情報が用紙情報管理部304に登録される。そして、キャンセルがされる場合には、その登録された用紙情報が削除される。
【0048】
このように、種別がベース用紙の用紙情報を編集する際において、変更ボタン5021により用紙情報の名称が変更されている場合は、OKボタン503により確定された際に再度、名称を登録する画面701が表示されることがない。このため、さらに別の名称を入力する必要があるという誤認識をユーザに与えてしまうことを低減することができる。一方で、種別がベース用紙の用紙情報を編集する際において、変更ボタン5021により用紙情報の名称が変更されていない場合には、ポップアップ画面801を経て、名称を登録する画面701が表示される。これにより、必要な状況下において名称を変更する画面が表示されることになるので、ユーザビリティを向上させることができる。
【0049】
以上が、種別がベース用紙であるときOKボタン503が押下された場合の説明である。次に、種別がユーザ設定用紙であるときにOKボタン503が押下された場合を説明する。
【0050】
種別がユーザ設定用紙であると判定した場合、制御部301は、設定値を用紙情報管理部304に保存する。そして、制御部301は、
図4の画面に戻る。種別がユーザ設定用紙である場合、名称が重複している場合には、既存の用紙情報をそのまま変更する処理となる。このため、用紙情報管理部304において管理されている用紙情報の設定値が、
図6の画面601で設定された設定値に変更されることになる。また、ユーザ設定用紙の名称が変更されている場合にも、その用紙情報の名称が単に変更されているに過ぎないため、変更後の設定値(名称)に変更されることになる。
【0051】
図9は、本実施形態における用紙情報の編集処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートは、用紙情報が編集された場合において、種別がベース用紙であれば複製したのち新規登録を行い、ユーザ設定用紙であれば上書き保存する処理を示すフローチャートである。
図9に示す処理は、CPU201がROM203に記憶されているプログラムをRAM202に読み出し、CPU201が実行することによって実現される。即ち、
図9に示す処理は、CPU201が、前述したように、
図3に示す各部として機能することにより、実現される。尚、
図9におけるステップのうちの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャート図におけるステップであることを意味する(以下、本明細書におけるフローチャート図において同様である)。
図9に示すフローチャートの処理は、
図4における画面401の用紙情報リスト404において任意の用紙情報が選択された状態で、詳細/編集ボタン403の押下を入力部303が検知した場合に開始される。以下、画面401の用紙情報リスト404において選択されている用紙情報のことを、処理対象の用紙情報として説明する。
【0052】
S901において、入力部303は、処理対象の用紙情報の変更を受け付ける。具体的には
図5から
図7で説明したように、ユーザは、各設定値を変更することが可能であり、入力部303は、その変更を受け付ける。
【0053】
次に、S902において制御部301は、名称変更の指示があるかを判定する。即ち、制御部301は、変更ボタン5021の押下を検知したかを判定する。名称変更の指示がある場合、制御部301は、S903に進む。名称変更の指示がない場合、制御部301は、S904に進む。S903において制御部301は、名称を登録する画面を表示する。S903において制御部301は、ユーザによる名称変更を受け付け可能である。
【0054】
次に、S904において制御部301は、OKボタン503が押下されたことを入力部303において検知すると、処理対象の用紙情報を確定する。即ち、制御部301は、処理対象の用紙情報の編集が完了したと判定する。尚、S901からS903は、ユーザ操作によって行われる任意的な処理であり、処理対象の用紙情報の変更が行われない状態でS904において処理対象の用紙情報が確定することもあり得る。このため、S903で名称を登録する画面を表示した場合においても、処理対象の用紙情報の変更が行われない状態でS904において処理対象の用紙情報が確定することもあり得る。
【0055】
次に、S905において制御部301は、処理対象の用紙情報の設定値が変更されたかを判定する。制御部301は、用紙情報管理部304の用紙DBに保存されている設定値を参照して、処理対象の用紙情報の設定値が変更されたかを判定する。用紙情報の設定値が変更されたと判定した場合、制御部301は、S906に進む。用紙情報の設定値が変更されていないと判定した場合、制御部301は、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。このS905における設定値は、前述したように、用紙情報の名称を含むものである。つまり、S903で名称を登録する画面が表示され、名称の変更がされた場合にも、用紙情報の設定値が変更されたと判定されることになる。
【0056】
S906において制御部301は、設定値が変更された処理対象の用紙情報がベース用紙であるかを判定する。即ち、制御部301は、処理対象の用紙情報の種別がベース用紙であるかユーザ設定用紙であるかを判定する。変更された用紙情報がベース用紙であると判定した場合、制御部301は、S907に進む。変更された用紙情報がベース用紙でないと判定した場合、即ち、変更された用紙情報がユーザ設定用紙であると判定した場合、制御部301は、S911に進む。
【0057】
S907において制御部301は、変更された設定値の用紙情報(ベース用紙)を複製し、用紙情報管理部304に、種別をユーザ設定用紙とした新しい用紙情報として登録する。前述したように、ベース用紙の設定値は変更することができないように構成されている。このため、まず、変更された設定値の状態の用紙情報を複製し、種別をユーザ設定用紙として用紙情報管理部304に登録する処理が行われる。次に、S908において制御部301は、複製登録した新しい用紙情報の名称は、ベース用紙の名称から変更されているかを判定する。ベース用紙の名称から変更されていないと判定した場合、制御部301は、S909に進む。ベース用紙の名称から変更されていると判定した場合、制御部301は、S911に進む。
【0058】
S908においてベース用紙の名称から変更されていないと判定されるケースは、種別がベース用紙の用紙情報をユーザが編集した際に、名称以外の他の項目の変更をしたものの、名称を変更していない状態でOKボタン503が押下されたケースである。この場合、そのままの名称では用紙情報が登録できないため、S909において制御部301は、名称の入力を受け付ける。具体的には、
図8に示すポップアップ画面801を表示し、その後、OKボタン802が押下されたことを検知した場合に、
図7に示す、名称を登録する画面701を表示する。そして、画面701において名称の入力を受け付けることになる。尚、ここでは
図8のポップアップ画面801を表示した後に
図7に示す画面701を表示する例を説明したが、
図8のポップアップ画面801を表示せずに、
図7の画面701を表示するように構成されていてもよい。
【0059】
次に、S910において制御部301は、名称が入力されたかを判定する。例えば、
図7に示す画面701で、異なる名称が入力されてOKボタン702が押下されたかを判定する。名称が入力されたと判定した場合、制御部301は、S911に進む。名称が入力されないと判定した場合、制御部301は、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。尚、名称が入力されないと判定される場合には、例えば
図8のポップアップ画面801でキャンセルボタン803が押下された場合、
図7の画面701においてキャンセルボタン703が押下された場合などが含まれる。尚、
図9のフローチャートでは示していないが、画面701でOKボタン702が押下された結果、他の用紙情報と同じ名称が入力されている場合には、再度、S909の処理が行われることになる。つまり、ベース用紙の名称とは異なる名称が入力されたものの、他の用紙情報と同じ名称である場合には、再度、S909の処理が行われることになる。
【0060】
S911において制御部301は、用紙情報管理部304に登録されている処理対象の用紙情報を、変更後の設定値で上書き保存する。そして、制御部301は、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。
【0061】
S906でNoと判定されてS911に処理が遷移するケースは、種別がユーザ設定用紙の用紙情報の設定値が変更されたケースである。この場合、S911では、その変更後の設定値で用紙情報管理部304に登録されている処理対象の用紙情報の設定値を上書き保存する処理が行われる。
【0062】
S908でYesと判定されてS911に処理が遷移するケースは、種別がベース用紙の用紙情報の設定値が変更されたケースであり、さらに、名称も変更されているケースである。尚、名称のみが変更されるケースもこのケースに含まれる。この場合、S907で既に種別がユーザ設定用紙である用紙情報が新たに用紙情報管理部304に登録されている状態である。この登録されている用紙情報の設定値を、変更後の設定値で上書き保存する処理が行われる。
【0063】
S910でYesと判定されてS911に処理が遷移するケースは、種別がベース用紙の用紙情報の設定値が変更され、名称がベース用紙のものから変更されていない状態の後に、異なる名称に変更されたケースである。この場合、その変更後の名称も含めた変更後の設定値で、S907で新たに用紙情報管理部304に登録されている用紙情報の設定値を上書き保存する処理が行われることになる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させることができる。即ち、本実施形態では、新たに用紙情報を登録する際に、ベース用紙を複製するユーザ操作を行うことなく、ベース用紙の詳細を確認しながらユーザが設定値を変更することで、新たな用紙情報が登録できるように構成されている。つまり、ユーザ側の視点では、ベース用紙であることを特段意識しなくても、所望の設定値を持つ用紙情報を新たに登録することができる。その反面、画像処理装置103内では、設定値を変更できないというベース用紙の位置付けはそのまま維持し、設定値が変更された種別がベース用紙の場合には、ユーザ設定用紙として内部的に変更して登録処理が行われる。これにより、ベース用紙の位置付けを維持しつつ、用紙情報を変更する際のユーザビリティを向上させることができる。
【0065】
また、ベース用紙の詳細を確認しながらユーザが変更する設定値には、ベース用紙の名称も含まれる。このため、ユーザは、任意のタイミングで、新たに登録する用紙情報の名称を変更することができる。即ち、画像処理装置103は、ベース用紙の名称の変更指示があると、名称を変更する画面を表示し、ユーザによる名称の変更を受け付ける。さらに、編集が完了して用紙情報が確定したときに、ベース用紙の名称が変更されていない場合、画像処理装置103は、名称を変更する画面を表示し、ベース用紙の名称が変更されている場合、画像処理装置103は、名称を変更する画面を表示しない。このように制御することで、例えば既に名称を変更したユーザに対して、名称を変更する画面を再度表示させずに済むため、ユーザが誤認識する可能性を低減することができる。
【0066】
本実施形態では、
図4の詳細/編集ボタン403を押下した編集画面で編集される画面における編集処理を例に挙げて説明した。ここで、本実施形態の例とは異なる参考例を説明する。参考例として、用紙情報の複製操作をユーザが行う例を説明する。
図4の複製ボタン406をユーザが押下すると、まず、名称を変更する(登録する)画面が表示される。前述したように、名称が、用紙情報を区別するキーとなっているため、重複名称の入力を避けるためである。これに対して、本実施形態で説明した、
図4の詳細/編集ボタン403を押下した編集画面で編集されるときには、名称の変更がされる場合もあれば、されない場合もある。ユーザが、例えば既存のユーザ設定用紙の設定値を変更する場合もあり得るからである。つまり、
図4の詳細/編集ボタン403を押下した編集画面で編集されるときには、名称の変更がユーザの任意的な対応となる。そこで、本実施形態では、上述した構成を採ることで、名称の重複を避けつつ、ユーザの誤認識の可能性を低減することを実現している。
【0067】
<<その他の実施形態>>
以上説明した実施形態は、画像処理装置103の操作部212を用いて用紙情報の編集・登録が行われる例を説明したが、この例に限られない。サーバー装置101またはクライアント装置102の操作画面において画像処理装置103において用いられる用紙情報の編集・登録処理が行われてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、S908において名称が変更されていると制御部301が判定した場合、名称を変更する画面701を表示しないように制御する例を示したが、これに限られない。S908でYESに進んだ後に、制御部301は、再度の名称変更を行うかを確認するポップアップを表示してもよい。そして、変更を行う指示がされたときには、制御部301は、名称を変更する画面701を表示するように構成されていてもよい。
【0069】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0070】
本実施形態の開示は、以下の情報処理装置例、情報処理装置の制御方法例、およびプログラム例に代表される構成を含むものである。
【0071】
<構成1>
管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付ける受付手段と、
前記編集操作がなされた前記用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、前記用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙の名称が変更されていない場合、前記画面を表示する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0072】
<構成2>
前記制御手段は、前記受付手段において前記用紙の名称を変更する指示をユーザから受け付けたことに応じて前記画面を表示することを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0073】
<構成3>
前記制御手段は、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙である場合、前記編集操作が完了した前記用紙の種類をユーザ設定用紙とする新たな用紙情報として前記管理部に登録することを特徴とする構成1または2に記載の情報処理装置。
【0074】
<構成4>
前記制御手段は、前記制御手段によって表示された前記画面において前記用紙の名称が変更されなかった場合、前記管理部に登録した前記新たな用紙情報を前記管理部から削除することを特徴とする構成3に記載の情報処理装置。
【0075】
<構成5>
前記制御手段は、前記制御手段によって表示された前記画面において前記用紙の名称が変更された場合、前記新たな用紙情報の名称を、変更後の名称で上書きすることを特徴とする構成3に記載の情報処理装置。
【0076】
<構成6>
前記用紙情報は、前記用紙の名称と、前記用紙の種類と、前記用紙の特性と、を含む設定値が含まれており、
前記編集操作は、前記設定値を変更する操作を含むことを特徴とする構成1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0077】
<構成7>
前記管理部において、前記用紙の種類がベース用紙である前記用紙情報の設定値は、変更できない値として管理されていることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0078】
<構成8>
前記管理部に登録されている前記用紙情報は、印刷が行われる場合に設定されることが可能であることを特徴とする構成1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0079】
<構成9>
前記情報処理装置は、印刷装置であることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0080】
<構成10>
ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
管理部において登録済みの用紙情報のリストを含む第一画面と、
用紙の種類がベース用紙である用紙情報の選択を前記第一画面において前記受付手段によって受け付けた後に表示される第二画面と、
前記第二画面において前記用紙情報における用紙の名称の変更を受け付けておらず、かつ、前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合に表示される、前記用紙の名称の変更を受け付ける第三画面と、
を表示部に表示することが可能な表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記第二画面において前記用紙の名称の変更を受け付け、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合、前記第三画面を表示せずに前記用紙情報の登録を行うことを特徴とする情報処理装置。
【0081】
<構成11>
管理部において登録済みの用紙情報を編集する編集操作を受け付けるステップと、
前記編集操作がなされた前記用紙情報における用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙情報における用紙の名称が変更されていた場合、前記用紙の名称の変更を受け付ける画面を表示せず、前記編集操作がなされた前記用紙の種類がベース用紙であり、かつ前記編集操作によって前記用紙の名称が変更されていない場合、前記画面を表示するステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【0082】
<構成12>
管理部において登録済みの用紙情報のリストを含む第一画面を表示部に表示するステップと、
用紙の種類がベース用紙である用紙情報の選択を前記第一画面において受け付けた後に第二画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第二画面において前記用紙情報における用紙の名称の変更を受け付けておらず、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合に、前記用紙の名称の変更を受け付ける第三画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第二画面において前記用紙の名称の変更を受け付け、かつ前記用紙情報の登録の指示を受け付けた場合、前記第三画面を表示せずに前記用紙情報の登録を行うステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【0083】
<構成13>
構成11または12に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0084】
103 画像処理装置
201 CPU
301 制御部