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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162418
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20241114BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241114BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241114BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 301
G03G21/00 510
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077906
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】林 賢一
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HK05
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV32
2C061KK13
2C061KK22
2C061KK24
2C061KK28
2C061KK35
2H270LA19
2H270LA22
2H270LD03
2H270LD08
2H270MB13
2H270MB25
2H270MB27
2H270MB43
(57)【要約】
【課題】画像の品質を診断する際の精度を向上できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、読取部110と、特定部201と、決定部202と、判定部203とを備える。読取部110は、シートSからシートSに関する情報を読取する。特定部201は、シートSに関する情報に基づいて、シートSの種類を特定する。決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する。判定部203は、閾値に基づいて、シートに形成された画像の品質を判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートから前記シートに関する情報を読取する読取部と、
前記シートに関する情報に基づいて、前記シートの種類を特定する特定部と、
前記シートに関する情報と特定された前記シートの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する決定部と
前記閾値に基づいて、前記シートに形成された画像の品質を判定する判定部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記シートの種類ごとに基準閾値を記憶する記憶部と、
前記特定部が特定した前記シートの基準閾値を前記決定部が決定した前記閾値に更新する更新部と
を更に備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シートに関する情報は、前記シートの表面粗さを示す値を含み、
前記特定部は、前記シートの表面粗さを示す値に基づき、前記シートの種類を特定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記シートの表面粗さを示す値の標準偏差に基づき、前記シートの種類を特定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記シートに関する情報を所定の大きさのパッチに切り出し、前記パッチを所定サイズ以上のタイルに分割し、前記標準偏差を算出する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記シートの表面粗さを示す値が特定のシートの表面粗さを示す閾値よりも小さいか否かを判定し、前記シートの種類を特定する、請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表面粗さを示す閾値は、第1表面閾値と、前記第1表面閾値よりも大きい値を示す第2表面閾値とを含み、
前記特定部は、前記シートの表面粗さを示す値が前記第1表面閾値よりも小さいか否かを判定し、
前記シートの表面粗さを示す値が前記第1表面閾値よりも小さい場合、前記特定部は、前記シートを第1シートと特定し、
前記シートの表面粗さを示す値が前記第1表面閾値よりも小さくない場合、前記特定部は、前記シートの表面粗さを示す値が前記第2表面閾値よりも小さいか否かを判定し、
前記シートの表面粗さを示す値が前記第2表面閾値よりも小さい場合、前記特定部は、前記シートを前記第1シートと異なる第2シートと特定し、
前記シートの表面粗さを示す値が前記第2表面閾値よりも小さくない場合、前記特定部は、前記シートを前記第1シートおよび前記第2シートと異なる第3シートと特定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置は、画像形成手段で形成されたチャートから特徴量を取得する取得手段と、取得された特徴量から画像に不良が含まれているか否かを判定する判定手段と、判定結果を通知する通知手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-46595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像が形成される前のシートの情報が考慮されていない。このため、シートの表面状態を考慮して、シートに形成された画像の品質を判定することが困難であった。このため、画像の品質を診断する際の精度を向上できなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、画像の品質を診断する際の精度を向上できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、画像形成装置は、読取部と、特定部と、決定部と、判定部とを備える。前記読取部は、シートから前記シートに関する情報を読取する。前記特定部は、前記シートに関する情報に基づいて、前記シートの種類を特定する。前記決定部は、前記シートに関する情報と特定された前記シートの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する。判定部は、前記閾値に基づいて、前記シートに形成された画像の品質を判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、画像の品質を診断する際の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の模式的断面図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置を示すブロック図である。
図3】タイルサイズによる指数の変化を示す表である。
図4】本実施形態の画像形成装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態の画像形成装置の制御部が実行するシートの種類を特定する処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態の画像形成装置の制御部が実行する画像の品質に関する閾値を決定する処理を示すフローチャートである。
図7】本実施形態の画像形成装置の制御部が実行する画像の品質を判定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の模式的断面図である。
【0011】
画像形成装置100は、読取部110と、操作部120と、シート収容部130と、原稿搬送装置140と、補給部150と、画像形成部160と、排出装置170と、筐体180とを有する。シート収容部130と原稿搬送装置140と補給部150と画像形成部160と排出装置170とは、筐体180の内部に収容される。
【0012】
読取部110は、シートSからシートSに関する情報を読取する。読取部110は、例えば、スキャナーである。また、読取部110は、シートSに形成された画像を読み取る。読取部110は、コンタクトガラスと、プラテンカバーと、発光部と、イメージセンサー10とを含む。コンタクトガラスは、シートSが載置される。プラテンカバーは、コンタクトガラスを覆う。発光部は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。イメージセンサー10は、シートSに関する情報を読取する。シートSに関する情報とは、シートSの特徴を示す情報である。シートSの特徴を示す情報とは、例えば、シートSの表面特性である。シートSの表面特性とは、例えば、シートSの表面粗さを示す。つまり、シートSの表面特性は、シートSの表面が粗い、またはシートSの表面が滑らかであるかを示す。
【0013】
イメージセンサー10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)である。CCDは、シートSが載置されるコンタクトガラスに沿って往復移動する。CCDは、シートSに形成された画像を走査する。また、CCDは、シートSからシートSの濃度を読取する。CCDが読取したシートSの情報とシートSの濃度とは、制御部20に出力される。
【0014】
操作部120は、画像形成装置100に対するユーザーからの指示を受け付ける。操作部120は、タッチパネルおよび複数の操作キーを含む。
【0015】
シート収容部130には、複数のシートSが収容される。シート収容部130は、収容された複数のシートSを一枚ずつ送出する。また、シート収容部130は、画像形成装置100に複数設けられる。複数のシート収容部130の各々に収容されるシートSは、種別が異なる。シートSは、例えば、平滑紙、ラフ紙、または、エンボス紙である。平滑紙は、「第1シート」の一例である。ラフ紙は、「第2シート」の一例である。エンボス紙は、「第3シート」の一例である。
【0016】
原稿搬送装置140は、シート収容部130から送出されたシートSを排出装置170まで搬送する。
【0017】
補給部150は、画像形成部160へトナーを補給する。
【0018】
画像形成部160は、トナーを消費して、シートSに画像を形成する。画像は、トナー画像を示す。
【0019】
画像形成部160は、感光体ドラムと、現像装置と、帯電器と、クリーニング器と、転写ローラーと、露光器とを含む。
【0020】
帯電器は、感光体ドラムの周面を帯電させる。露光器は、帯電器によって帯電された感光体ドラムの周面に、レーザー光を照射する。レーザー光は、画像データに基づいて生成される。その結果、感光体ドラムの周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0021】
現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの周面にトナーを供給する。現像装置がトナーを感光体ドラムに供給すると、感光体ドラムの周面に形成された静電潜像が現像される。その結果、感光体ドラムの周面には、トナーを使用した画像が形成される。
【0022】
感光体ドラムは、転写ローラーの周面に接触している。シートSが感光体ドラムと転写ローラーとの間を通過するとき、感光体ドラムの担持する画像がシートSに転写される。シートSへ画像が転写された後に、クリーニング器は、感光体ドラムの周面に残るトナーを除去する。
【0023】
排出装置170は、シート排出口を介してトナー像が定着したシートSを筐体180の内部から排出トレイへ排出する。
【0024】
次に、図2を参照して、画像形成装置100について更に説明する。図2は、画像形成装置100を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、画像形成装置100は、記憶部190と、制御部20とを更に備える。
【0026】
記憶部190は、記憶装置を含む。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ、および不揮発性メモリー)を更に含んでもよい。主記憶装置は、例えば、半導体メモリーである。補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ、および不揮発性メモリーである。主記憶装置および/または補助記憶装置は、制御部20によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。コンピュータープログラムには、画像形成に関する処理を行うプログラムが含まれる。
【0027】
記憶部190は、シートSの種類ごとに基準閾値を記憶する。基準閾値は、画像の品質の基準を示す閾値である。画像の品質の基準は、例えば、定着不良の数である。定着不良とは、本来出力される画像データでない画像が出力されることを示す。つまり、定着不良の数は、例えば、定着パサツキの数、画像にできた線の数、画像の汚れの数である。
【0028】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部20は、画像形成装置A1の各要素を制御する。具体的には、制御部20のプロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、読取部110と、操作部120と、原稿搬送装置140と、補給部150と、画像形成部160と、排出装置170と、記憶部190とを制御する。
【0029】
制御部20は、特定部201と、決定部202と、判定部203と、更新部204とを備える。具体的には、制御部20は、記憶部190に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、特定部201、決定部202、判定部203、および、更新部204として機能する。
【0030】
特定部201は、シートSに関する情報に基づいて、シートSの種類を特定する。
【0031】
決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する。
【0032】
判定部203は、画像の品質に関する閾値に基づいて、シートSに形成された画像の品質を判定する。したがって、シートSの特性を考慮して画像の品質を判定できる。この結果、画像の品質を診断する際の精度を向上できる。
【0033】
なお、シートSに関する情報は、予め、記憶部190が記憶していてもよい。シートSに関する情報は、例えば、ペーパーカタログに基づいて、記憶部190に記憶される。
【0034】
また、更新部204は、特定部201が特定したシートSの基準閾値を記憶部190から所得する。そして、更新部204は、特定部201が特定したシートSの基準閾値を決定部202が決定した閾値に更新する。したがって、使用するシートSに応じた閾値を使用して、判定部203は画像の品質を判定できる。この結果、画像の品質の判定する際の精度を更に向上できる。
【0035】
また、シートSに関する情報は、シートSの表面粗さを示す値を含む。具体的には、読取部110は、シートSの表面を読み取り、読み取った情報を制御部20に出力する。制御部20は、読み取った情報に基づいて、シートSの表面粗さを示す値を算出する。シートSの表面粗さを示す値は、例えば、シートSの輝度値から算出される。また、シートSの表面粗さを示す値は、例えば、シートSのRGB値から算出されてもよい。なお、ガンマ補正などの画像処理が適用されないシェーディング後の画像データに基づいて、読取部110は、シートSの表面粗さを示す値を出力する。
【0036】
特定部201は、シートSの表面粗さを示す値に基づき、シートSの種類を特定する。シートSは種類によって、シートSの表面の粗さを示す値が異なる。したがって、シートSの表面の粗さからシートSの種類を判定できる。この結果、シートSの種類を容易に特定できる。
【0037】
シートSの種類を特定する場合に、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値に基づき、標準偏差を算出してもよい。特定部201は、シートSの表面粗さを示す値の標準偏差に基づき、シートSの種類を特定する。この結果、シートSの種類を特定する際の精度を向上できる。
【0038】
具体的には、特定部201は、読取部110が読み取った画像データを所定の大きさのパッチに切り出す。そして、パッチを所定数のタイルに分割する。パッチのサイズは、例えば、「12.7mm」角である。タイルサイズは、例えば、「10×10」である。つまり、1つのパッチには、100個のタイルが含まれる。
【0039】
また、標準偏差を算出する際のタイルサイズは、10(10×10)以上が好ましい。好ましくは、標準偏差を算出する際のタイルサイズは、15(15×15)以上が好ましい。タイルサイズが10(10×10)以上とすることで、特定部201のシートSの種類を特定する際の精度が向上する。
【0040】
そして、特定部201は、1タイルにつき所定の画素値から算出される平均値を用いて、標準偏差を算出する。所定の画素値は、例えば、「900dot」である。所定の画素値は、輝度値またはRGB値である。
【0041】
また、表面粗さの標準偏差の算出は、以下の(式1)または(式2)から導出される。
【式1】
【0042】
「L」は、輝度値の標準偏差を示す。「n」は、1~100の自然数を示す。「mLi」は、取得した輝度値を示す。「mLave」は、輝度値の平均値を示す。
【式2】
【0043】
「RGB」は、RGB値の標準偏差を示す。「n」は、1~100の自然数を示す。「mRGBi」は、取得したRGB値を示す。「mRGBave」は、RGB値の平均値を示す。
【0044】
そして、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値である指数kを算出する。指数kは、記憶部190に記憶された標準偏差と特定部201が算出した標準偏差との商から算出される。特定部201は、指数kに基づいて、シートSの種類を特定する。
【0045】
具体的には、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値である指数kが特定のシートの表面粗さを示す閾値よりも小さいか否かを判定する。そして、特定部201は、特定部201の判定結果に基づいて、シートSの種類を特定する。したがって、特定のシートの表面粗さを示す閾値に応じて、シートSが特定のシートか否かを判定できる。この結果、シートSの特定する精度を向上させることができる。
【0046】
また、表面粗さを示す閾値は、第1表面閾値と第2表面閾値とを含む。第2表面閾値は、第1表面閾値よりも大きい値を示す。
【0047】
特定部201は、シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さいか否かを判定する。シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さい場合、特定部201は、シートSを平滑紙と特定する。シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さくない場合、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さいか否かを判定する。シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さい場合、特定部201は、シートSを平滑紙と異なるラフ紙と特定する。シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さくない場合、特定部201は、シートSを平滑紙およびラフ紙と異なるエンボス紙と特定する。この結果、第1表面閾値と第2表面閾値とに基づいて、特定部201はシートSの種類を特定する精度を更に向上できる。
【0048】
また、決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する。この際、決定部202は、シートSの表面粗さを示す値に基づいて、画像の品質に関する閾値に対するオフセット量を決定してもよい。画像の品質に関する閾値は、例えば、定着不良の数を示す。具体的には、決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、定着不良に関する閾値を決定する。更に、例えば、決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、定着パサツキに関する閾値を決定する。
【0049】
図3は、タイルサイズによる指数kの変化を示す表Gである。図3の横軸は、タイルサイズを示す。タイルサイズは、「0~40」までが示される。図3の縦軸は、指数kを示す。指数kは、「0.0~9.0」までが示される。図3では、折れ線LA、折れ線LB、及び、折れ線LCを含む。折れ線LAは、シートSAのタイルサイズによる指数の変化を示す。折れ線LBは、シートSBのタイルサイズによる指数の変化を示す。折れ線LBは、シートSCのタイルサイズによる指数の変化を示す。シートSAは、平滑紙である。シートSBは、ラフ紙である。シートSCは、エンボス紙である。
【0050】
シートSAは、タイルサイズが5(5×5)の場合、指数が「1.7」である。シートSAは、タイルサイズが10(10×10)の場合、指数が「1.4」である。シートSAは、タイルサイズが15(15×15)の場合、指数が「1.3」である。シートSAは、タイルサイズが30(30×30)の場合、指数が「0.9」である。シートSAは、タイルサイズが40(40×40)の場合、指数が「1.0」である。
【0051】
シートSBは、タイルサイズが5(5×5)の場合、指数が「1.6」である。シートSBは、タイルサイズが10(10×10)の場合、指数が「2.0」である。シートSBは、タイルサイズが15(15×15)の場合、指数が「1.8」である。シートSBは、タイルサイズが30(30×30)の場合、指数が「2.0」である。シートSBは、タイルサイズが40(40×40)の場合、指数が「2.3」である。
【0052】
シートSCは、タイルサイズが5(5×5)の場合、指数が「5.0」である。シートSCは、タイルサイズが10(10×10)の場合、指数が「6.5」である。シートSCは、タイルサイズが15(15×15)の場合、指数が「7.3」である。シートSCは、タイルサイズが30(30×30)の場合、指数が「7.4」である。シートSCは、タイルサイズが40(40×40)の場合、指数が「8.3」である。
【0053】
また、第1表面閾値は、例えば、「1.5」である。また、第2表面閾値は、例えば、「3.8」である。なお、第1表面閾値と第2表面閾値とは、任意の値に決定が可能である。
【0054】
図3に示すように、タイルサイズが5(5×5)では、シートSAの指数は、「1.7」である。また、シートSBの指数は、「1.6」である。よって、シートSAの指数とシートSBの指数が第1表面閾値よりも大きく、第2表面閾値よりも小さいため特定部201は、シートSAとシートSBを第2シートと特定できる。つまり、特定部201は、シートSAとシートSBとをラフ紙であると特定する。
【0055】
しかし、タイルサイズが10(10×10)以上では、シートSAの指数は、「1.4」である。また、シートSBの指数は、「2.0」である。よって、シートSAの指数が第1表面閾値よりも小さいため特定部201は、シートSAを第1シートと特定できる。そして、シートSBの指数が第1表面閾値よりも大きいため、特定部201は、シートSBの指数が第2表面閾値よりも小さいか否かを判定する。シートSBの指数が第2表面閾値よりも小さいため特定部201は、シートSBを第2シートと特定できる。このように、タイルサイズが10以上となる場合、特定部201がシートSを特定する精度を向上できる。
【0056】
また、図3に示すように、タイルサイズが5(5×5)~40(40×40)では、シートSCの指数は第2表面閾値以上であった。このため、特定部201は、シートSCを第3シートと特定できる。つまり、特定部201は、シートSCをエンボス紙であると特定できる。
【0057】
次に、図4から図7を参照して、本実施形態の画像形成装置100の制御部20が実行する処理を説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置100の制御部20が実行する処理を示すフローチャートである。図4に示す制御部20が実行する処理は、ステップS10~ステップS40を含む。
【0058】
ステップS10において、制御部20は、読取部110がシートSに関する情報を取得するように、読取部110を制御する。処理はステップS20に進む。
【0059】
ステップS20において、制御部20は、シートSの種類を特定する処理を実行する。具体的には、シートSを特定する処理は、特定部201がシートSに関する情報に基づいて、シートSの種類を特定する処理である。処理はステップS30に進む。
【0060】
ステップS30において、制御部20は、画像の品質に関する閾値を決定する処理を実行する。具体的には、画像の品質に関する閾値を決定する処理は、決定部202が、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する処理である。処理はステップS40に進む。
【0061】
ステップS40において、制御部20は、画像の品質を判定する処理を実行する。具体的には、画像の品質を判定する処理は、判定部203が閾値に基づいて、シートSに形成された画像の品質を判定する処理である。
【0062】
次に図5を参照して、シートSの種類を特定する処理を詳しく説明する。図5は、シートSの種類を特定する処理を示すフローチャートである。シートSの種類を特定する処理は、ステップS201~ステップS206を含む。
【0063】
ステップS201において、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値である指数kを算出する。具体的には、特定部201は、読取部110が取得したシートSに関する情報に基づいて、シートSの表面粗さを示す値である指数kを算出する。処理はステップS202に進む。
【0064】
ステップS202において、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さいか否かを判定する。シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さい場合(ステップS202でNo)、処理はステップS204に進む。シートSの表面粗さを示す値が第1表面閾値よりも小さくない場合(ステップS202でYes)、処理はステップS203に進む。
【0065】
ステップS201でYesの場合、ステップS203において、特定部201は、シートSを第1シートと特定する。つまり、特定部201は、シートSを平滑紙であると特定する。処理は図4に示すステップS30に戻る。
【0066】
ステップS201でNoの場合、ステップS204において、特定部201は、シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さいか否かを判定する。シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さくない場合(ステップS204においてNo)、処理はステップS206に進む。シートSの表面粗さを示す値が第2表面閾値よりも小さい場合(ステップS204においてYes)、処理はステップS205に進む。
【0067】
ステップS204においてYesの場合、ステップS205において、特定部201は、シートSを第2シートと特定する。つまり、特定部201は、シートSを平滑紙と異なるラフ紙と特定する。処理は図4に示すステップS30に戻る。
【0068】
ステップS204においてNoの場合、ステップS206において、特定部201は、シートSを第3シートと特定する。つまり、特定部201は、シートSを平滑紙およびラフ紙と異なるエンボス紙と特定する。処理は図4に示すステップS30に戻る。
【0069】
次に図6を参照して、画像の品質に関する閾値を決定する決定処理を詳しく説明する。図6は、画像の品質に関する閾値を決定する処理を示すフローチャートである。画像の品質に関する閾値を決定する処理は、ステップS301とステップS302とを含む。
【0070】
ステップS301において、決定部202は、シートSに関する情報と特定されたシートSの種類と基づいて、画像の品質に関する閾値を決定する。処理はステップS302に進む。
【0071】
ステップS302において、更新部204は、特定部201が特定したシートSの基準閾値を決定部202が決定した閾値に更新する。処理は図4に示すステップS40に戻る。
【0072】
次に図7を参照して、画像の品質を判定する処理を詳しく説明する。図7は、画像の品質を判定する処理を示すフローチャートである。画像の品質を判定する処理は、ステップS401~ステップS405を含む。
【0073】
ステップS401において、制御部20は、画像形成部160が画像診断チャートをシートSに出力するように、画像形成部160を制御する。画像診断チャートは、例えば、所定の色のトナーのハーフトーンチャートである。また、画像診断チャートは、中間調データで構成される。画像診断チャートは、例えば、本来出力される画像にないデータが付加されていないかを判定することが可能である。
【0074】
ステップS402において、制御部20は、読取部110が画像診断チャートを読み取るように、読取部110を制御する。処理はステップS402に進む。
【0075】
ステップS403において、制御部20は、更新部204が更新した画像の品質に関する閾値を取得する。処理はステップS404に進む。
【0076】
ステップS404において、制御部20は、更新された画像の品質に関する閾値に基づいて、画像の品質を判定する。処理はステップS405に進む。
【0077】
ステップS405において、制御部20は、画像の品質を示す判定結果を出力する。処理は、図4に示すフローチャートに戻る。
【0078】
ステップS404において、制御部20は、画像の品質に関する閾値に基づいて、定着パサツキがあるか否かを判定する。したがって、更新された閾値によって、定着パサツキなどの評価の精度を向上できる。
【0079】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0080】
また、シートSの特徴を示す情報は、シートSの銘柄を示す情報と、シートSの色を示す情報と、と、シートSの厚みを示す情報と、シートSの種別を示す情報とのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、画像形成装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0082】
100 :画像形成装置
110 :読取部
190 :記憶部
201 :特定部
202 :決定部
203 :判定部
204 :更新部
A1 :画像形成装置
S :シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7