(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162423
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241114BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241114BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 303
G06F3/12 332
G06F3/12 354
G06F3/12 339
G06F3/12 325
G06F3/12 328
B41J29/38 202
H04N1/00 E
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077911
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎也
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ08
2C061HK07
2C061HK14
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP08
2C061HQ17
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AC04
5C062AC09
5C062AC22
5C062AC35
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF10
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】複数ユーザが使用する装置に対してユーザ単位でデバイスにインストール可能な拡張アプリケーションを用いる場合であっても、管理者が各ユーザの設定制御を行える情報処理装置等を提供する。
【解決手段】デバイスから基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得部と、取得された能力情報に基づいてデバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示部と、拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定部とを備え、拡張アプリケーションを起動するユーザが管理者権限を有するユーザであると判定された場合、表示部において他ユーザが設定項目を変更不能に、管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能な構成であることを特徴とする。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置であって、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示部と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定部と、を備え、
前記判定部により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示部において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能な構成であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した能力情報は、設定項目と当該設定項目に対する値である属性値とで構成され、デバイスベンダーが独自で定義した設定項目と属性値が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部が取得した能力情報に基づいて、デバイスドライバの機能設定のための能力情報を生成するために必要な定義情報であるデバイス能力情報を設定する設定部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理者権限を有するユーザによって強制設定可能な設定項目を表示するために使用される強制設定データを保存する保存部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者でないと判定された場合、前記保存部から前記強制設定データを読み出す読み出し部を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記読み出し部により、前記保存部から読み出された前記強制設定データを反映させたUIを表示するUI表示部を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記UI表示部は更に、
前記管理者権限を有するユーザ以外のユーザが前記デバイスの設定項目を変更不能とするために当該設定項目をグレーアウトして表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記デバイスは、印刷装置、スキャナー装置および複合機の内のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
OSにインストールされている標準ドライバで設定することが可能な第1設定項目を規定する第1能力情報をデバイスから取得する第1取得部と、当該第1取得部により取得された第1能力情報に基づいて、前記第1設定項目を設定するためのオブジェクトを表示する表示部と、を備えた情報処理装置であって、
前記標準ドライバの機能を拡張する拡張アプリケーションに対する第2設定項目を規定する第2能力情報を前記デバイスから取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された第2能力情報に基づいて、前記拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトも前記表示部に表示する表示制御部と、を備え、
管理者権限を有するユーザが前記表示部に表示される拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトを用いて他ユーザが変更不能に設定した当該第2設定項目の設定値は、他ユーザが使用する拡張アプリケーションに対して変更不能であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示工程と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記判定工程により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示工程において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能とする、ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記制御方法は、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示工程と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記判定工程により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示工程において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能とする、ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OSに対して予めインストールされている標準ドライバの機能を拡張する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置、その制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPP(Internet Printing Protocol)のような業界標準のプロトコルを用いた「汎用プリンタドライバ」が提案されている。「汎用プリンタドライバ」としては、プリンタと直接接続する「ローカルプリンタドライバ」やクラウドプリントサービスに印刷データを送信する「クラウドプリンタドライバ」がある。また、「汎用プリンタドライバ(標準プリンタドライバ)」は、複数のプリンタベンダーのプリンタと通信することができる。このため、「汎用プリンタドライバ」を利用することで、ユーザがベンダー固有のプリンタドライバをインストールしなくても、画像形成装置やクラウドプリントサービスに印刷データを送信することができる。
【0003】
上記の「汎用プリンタドライバ」は様々なベンダーのプリンタで印刷される印刷ジョブを扱うように構成されているため、印刷設定として設定することが可能な項目、機能等が制限されている。そこで、特許文献1に開示されている技術によれば、プリンタドライバに紐付くプリンタの識別情報を用いて、当該プリンタドライバと紐付くプリントキューを拡張することが提案されていた。これにより、ベンダー独自の印刷設定UI、印刷ジョブ編集機能等を実現することができた。
【0004】
また、一企業内において、1つのPC(パソコン)を複数のユーザが利用する場合がある。その際、PCの管理者は、当該PCを利用する複数のユーザに対して、所定印刷設定に強制したい場合がある。例えば、利用する複数のユーザに対して、印刷用紙の節約のために両面印刷設定に印刷設定を固定したり、印字用のインクの節約のために白黒印刷設定に印刷設定を固定したりする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、「汎用プリンタドライバ」に対してプリントキューを拡張する仕組みとして、「印刷拡張アプリケーション」があるが、「拡張設定アプリケーション」は、ユーザ毎にインストールされる仕組みである。このため、例えばPCの管理者が、当該PCを利用する他のユーザがインストールした「印刷拡張アプリケーション」に対して、印刷設定を固定することができない。つまり、管理者は複数のユーザの印刷設定の制御を行うことができず、複数のユーザが仕様する印刷設定に制限を設けることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、複数ユーザが使用する装置に対してユーザ単位でインストール可能な拡張アプリケーション等を用いる場合であっても、当該装置の管理者が各ユーザの設定の制御を行うことを可能とする情報処理装置等を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置であって、前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示部と、前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定部と、を備え、前記判定部により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示部において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能な構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数ユーザが使用するPC等の装置に対してユーザ単位でインストール可能な拡張アプリケーション等を用いる場合であっても、当該装置の管理者が各ユーザの設定の制御を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態における印刷システムの構成図である。
【
図2】本発明の実施形態におけるクライアント端末、クライアントサーバ、アプリケーション管理サーバ、プリンタ、オンラインサポートサーバのハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリをインストールする処理を示すシーケンスを説明する説明図である。
【
図4】本発明の実施形態におけるクライアント端末に表示される画面例の説明図である。
【
図5】本発明の実施形態におけるプリンタの「能力情報」の説明図である。
【
図6A】本発明の実施形態におけるOSに同梱された初期状態のデバイス能力情報例の説明図である。
【
図6B】本発明の実施形態におけるプリンタから取得された能力情報を用いて更新された「デバイス能力情報」の説明図である。
【
図7】本発明の実施形態におけるオンラインサポートサービス部から取得される拡張セットアップ情報ファイル例の説明図である。
【
図8】本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリで印刷設定を行って印刷データを送信するまでの処理を示すシーケンスを説明する説明図である。
【
図9】本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリがインストールされていない場合に表示される印刷設定画面例の説明図である。
【
図10】本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリがインストールされている場合に表示される印刷設定画面例の説明図である。
【
図11】本発明の実施形態におけるドキュメント生成アプリが表示する印刷設定画面例の説明図である。
【
図12】本発明の実施形態におけるクライアント端末に印刷設定拡張アプリをインストールするためのOSの処理を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態において印刷設定拡張アプリで強制設定および印刷設定を行う際の処理を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態における複数ユーザがログイン可能な状態の説明図である。
【
図15】本発明の実施形態におけるクライアント端末に保存される強制設定データである。
【
図16】本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリで強制設定および強制された印刷設定における印刷設定画面例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施の形態に記載される構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施の形態に記載される構成によって限定されることはない。なお、以下の実施形態においては「デバイス」の一例としてプリンタ104を挙げて説明する。
【0012】
また、クライアント端末101のOSにインストールされた標準ドライバの印刷設定機能を拡張するアプリを「印刷設定拡張アプリケーション(印刷設定拡張アプリ)」と称する。一般のデバイスを動作させるクライアント端末101のOSにインストールされた標準ドライバの基本機能を拡張する「機能拡張設定アプリケーション」のことを単に「拡張アプリケーション」、「拡張アプリ」、「アプリケーション」などとも称する。
【0013】
<
図1:印刷システムの構成>
図1は、本発明の実施形態における「ローカルプリント」および「クラウドプリント」が可能な印刷システムの構成図である。本印刷システムは、クライアント端末101、クラウドプリントサーバ102、アプリケーション管理サーバ103、プリンタ104およびオンラインサポートサーバ105を有する。各サーバ102、103、105、クライアント端末101およびプリンタ104は、ネットワーク107により接続されている。かくして、各サーバ102、103、105、クライアント端末101およびプリンタ104は互いに所要の情報が送受信可能になっている。
【0014】
クラウドプリントサーバ102は、クラウドプリントサービスを提供するクラウドプリントサービス部321を備える。また、アプリケーション管理サーバ103は、アプリケーション管理サービスを提供するアプリケーション管理サービス部331を備える。そして、オンラインサポートサーバ105は、オンラインサポートサービスを提供するオンラインサポートサービス部351を備える。また、クライアント端末101は、クラウドプリンタドライバ311と印刷設定拡張アプリ312とローカルプリンタドライバ314とを有する。クライアント端末101(情報処理装置)は、そのOSに予めインストールされている標準ドライバの機能を利用してプリンタ104を動作可能に構成されている。なお、標準ドライバの機能は、印刷設定拡張アプリ312により拡張される。
【0015】
図1では、クライアント端末101およびプリンタ104をそれぞれ1台ずつ記載しているが、クライアント端末101およびプリンタ104は複数台設けても良い。また、クラウドプリントサーバ102、アプリケーション管理サーバ103およびオンラインサポートサーバ105は、複数台の情報処理装置で構成される1台のサーバシステムと構成しても良い。なお、各サーバ102、103、105を複数台の情報処理装置で構成されるサーバシステムとすることで、負荷分散を複数台の情報処理装置で分散することができるため、処理速度の向上が図られる。また、クラウドプリントサーバ102、アプリケーション管理サーバ103およびオンラインサポートサーバ105を物理的には一台の情報処理装置の内部に仮想的に構成しても良い。
【0016】
ネットワーク107としては、クラウドサービスを受けるに際してその接続はインターネットなどのWANを想定しているが、総てが社内LANなどの閉じたネット環境であってもよい。また、クライアント端末101は、PC、タブレット、スマートフォン、他のモバイル端末等の情報処理装置であり、ユーザにより直接操作される端末である。なお、クライアント端末101上では任意のアプリケーションソフトウェアを実行可能となっている。
【0017】
プリンタ104(画像形成装置)は、用紙等の記録媒体に対して実際に印刷を行うデバイスであり、ネットワーク107を介して受信した印刷データを画像データに変換して印刷する「画像形成装置」と捉えることができる。プリンタ104は、クラウドプリントサーバ102を介してクライアント端末101からの印刷データを受信することも、クラウドプリントサーバ102を介さずに、クライアント端末101から直接印刷データを受信することも可能である。プリンタ104は、クライアント端末101のクラウドプリンタドライバ311(デバイスドライバ)が生成した印刷データを、クラウドプリントサーバ102を介して受信する。また、プリンタ104は、クラウドプリントサーバ102を介さずにクライアント端末101のローカルプリンタドライバ314が生成した印刷データを受信する。
【0018】
クラウドプリントサーバ102のクラウドプリントサービス部321は、外部から印刷指示と印刷データを受け付ける。そしてクラウドプリントサービス部321は、受信した印刷データをプリンタ104へ送信する。アプリケーション管理サーバ103のアプリケーション管理サービス部331は、各種アプリケーションを保持および管理を行う。アプリケーション管理サーバ103のアプリケーション管理サービス部331は、クライアント端末101からアプリケーションの「識別情報」と「ダウンロード要求」を受信する。次いで、アプリケーション管理サービス部331は、受信した「識別情報」に基づき特定されるアプリケーションをクライアント端末101に送信する。
【0019】
オンラインサポートサーバ105は、オンラインサポートサービス部351によりオンラインサポートサービスを提供するサーバ装置である。オンラインサポートサービス部351は、クライアント端末101の機能を拡張するための情報が記述された「拡張セットアップ情報ファイル」をクライアント端末101に提供する。
【0020】
<
図2:各サーバ、クライアント端末、プリンタのハードウェア構成>
<
図2(a):クライアント端末101の構成>
次に、
図2を参照して、本発明の実施形態のシステムの構成要素のハードウェア構成について説明する。先ず、
図2(a)は、クライアント端末101のハードウェア構成を示すブロック図である。クライアント端末101は、表示部216、操作部217、記憶部214、制御部211およびネットワーク通信部215を有する。表示部216は、液晶ディスプレイ等のユーザに対して視覚的に情報を表示するための表示デバイスである。操作部217は、キーボード、マウス等で成り、ユーザからの入力を受け付けるための入力デバイスである。なお、タッチパネル等を用いて、表示部216と操作部217の両方の機能を兼ねる構成としても良い。
【0021】
記憶部214は、ハードディスク、SSD等の不揮発性の記憶デバイスであり、デジタルデータの記録(保存)および書き換えが可能である。制御部211は、CPU212とメモリ213とを備え、クライアント端末101の全体の動作を制御する。CPU212は、記憶部214に記憶されたプログラムをメモリ213に展開し、展開されたプログラムを実行する。これによりクライアント端末101が有する各種の機能が実現される。また、メモリ213は、CPU212の主記憶メモリであり、ワークエリアや各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。そして、ネットワーク通信部215は、外部のネットワーク107と通信を行う機能を有する装置であり、ネットワーク107を介して外部サーバ102、103、105やプリンタ104との間でデジタルデータの送受信を行う。
【0022】
<
図2(b):クラウドプリントサーバ102の構成>
図2(b)は、クラウドプリントサーバ102のハードウェア構成を示すブロック図である。クラウドプリントサーバ102は、記憶部224、制御部221およびネットワーク通信部225を有する。記憶部224、制御部221、ネットワーク通信部225の説明はクライアント端末101のものと同等のデバイスであるため重複説明を省略する。なお、クラウドプリントサーバ102は、
図2(b)に示すハードウェア構成を有する1台の情報処理装置で構成されるものとして説明する。しかしながら、クラウドプリントサーバ102が、
図2(b)で示される情報処理装置を複数台組み合わせた構成としても良い。
【0023】
<
図2(c):アプリケーション管理サーバ103の構成>
図2(c)は、アプリケーション管理サーバ103のハードウェア構成を示すブロック図である。アプリケーション管理サーバ103は、表示部236、操作部237、記憶部234、制御部231およびネットワーク通信部235を有する。表示部236、操作部237、記憶部234、制御部231、ネットワーク通信部235の説明はクライアント端末101のものと同等のデバイスであるため重複説明を省略する。 なお、アプリケーション管理サーバ103は、
図2(c)に示すハードウェア構成を有する1台の情報処理装置で構成されるものとして説明する。しかしながら、アプリケーション管理サーバ103も、
図2(c)で示される情報処理装置を複数台組み合わせた構成としても良い。
【0024】
<
図2(d):プリンタ104の構成>
図2(d)は、プリンタ104のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ104は、表示部246、操作部247、記憶部244、制御部241、ネットワーク通信部245および印刷部248を有する。表示部246は、プリンタ104に備え付けたタッチパネル、LED等のデバイスで成り、ユーザに対して情報を表示するための表示デバイスである。操作部247は、ユーザからの入力を受け付けるための入力デバイスであり、タッチパネルに加えてテンキー等のハードキーを含む構成としても良い。なお、記憶部244および制御部241はクライアント端末101のものと同等のデバイスであるため重複説明を省略する。
【0025】
また、ネットワーク通信部245は、外部のネットワーク107と通信を行う機能を有し、主として印刷データを受信したり、エラーなどのプリンタ104の状態について外部サーバ等に対して送信したりする。印刷部248は、カセット、トレイ等に設定されている用紙に対して、給紙、印字、排紙の一連の動作を行うことにより印刷処理を実行する。印字方式は、電子写真方式、インクジェット方式を利用するが特には限定されない。排紙時に使用される両面ユニット、ステイプル、パンチ処理などのフィニッシング装置も印刷部248に含まれる構成である。なお、本実施形態においては、プリンタ104の例として印刷機能のみを行う「シングルファンクションプリンタ」について説明しているが、スキャナー機能、FAX機能も合わせて持つ「マルチファンクションプリンタ(複合機:MFP)」を用いてもよい。
【0026】
<
図2(e):オンラインサポートサーバ105の構成>
図2(e)は、オンラインサポートサーバ105の詳細を示すハードウェアブロック図である。本実施形態にあっては、オンラインサポートサーバ105は、1台の情報処理装置で構成されるものとして説明するが、複数台の情報処理装置で構成されていても良い。オンラインサポートサーバは、表示部256、操作部257、記憶部254、制御部251およびネットワーク通信部255を有する。表示部256および操作部257は、クライアント端末101の表示部216、操作部217と同等のデバイスであるため重複説明を省略する。記憶部254は、HDD、SSD等の記憶デバイスである。記憶部254にはクライアント端末101で提供される機能を拡張するための情報が記載されたファイルである「拡張セットアップ情報ファイル」が記憶されている。
【0027】
制御部251は、CPU252とメモリ253とを有する。CPU252は、オンラインサポートサーバ105全体の制御を行う。メモリ253は、CPU252により実行される処理に用いられる。例えばメモリ253は、処理結果の一時的な記憶等に利用される。ネットワーク通信部255は、オンラインサポートサーバ105がクライアント端末101と通信するための機能を有するインタフェースである。オンラインサポートサーバ105は、ネットワーク通信部255を介して、記憶部254に記憶された「ファイル」の取得要求を受信し、対応する「ファイル」をクライアント端末101に送信する。
【0028】
以上説明してきたように、クライアント端末101、クラウドプリントサーバ102、アプリケーション管理サーバ103、プリンタ104およびオンラインサポートサーバ105が構成される。クライアント端末101、各サーバ102、103、105、プリンタ104の夫々はCPUがメモリに記録されたプログラムを実行することにより所望の各種機能が実現される。
【0029】
<
図3:印刷設定拡張アプリ312をインストールする処理を示すシーケンス>
次に、
図3を参照して本発明の実施形態における印刷設定拡張アプリ312をインストールする処理を示すシーケンスを説明する。本実施形態では、ローカルプリンタドライバ314(
図1のクライアント端末101参照)を用いたシーケンスについて説明する。なお、クライアント端末101は、OS313を備えている。
【0030】
<
図4:クライアント端末101に登録されているプリンタに関する画面>
まず、S3002において、クライアント端末101のOS313は、ユーザによるプリンタ104の「セットアップ操作」であるプリンタの追加操作を受け付ける。プリンタ104の「セットアップ操作」とは、例えば以下のような操作である。
図4に示す図は、クライアント端末101のOS313が表示する、クライアント端末101に登録されているプリンタに関する画面である。つまり、
図4は、クライアント端末101に表示される画面例である。
図4に示す例では、画面中央より左側に「デバイス」が表示されるとともに、画面中央より右側に接続されている「プリンターとスキャナー」が表示されている。
【0031】
この画面において、ユーザがオブジェクト401を選択することに応答して、OS313にプリンタの「探索指示」が入力される。次に、S3008において、クライアント端末101のOS313は、クライアント端末101と同じネットワークに接続されているプリンタの探索を行う。これは「mDNS」や「Bonjour」等によるデバイス探索である。次に、S3009において、プリンタ104は、取得要求に応じた「プリンタ情報」をクライアント端末101用に送信する。S3009において、クライアント端末101に送信される「プリンタ情報」とは、プリンタ104に付与されている「プリンタ名」および当該プリンタの「HWID(プリンタの機種ごとに割り振られるID)」である。
【0032】
OS313は、ネットワーク107へのデバイス探索で検出した「プリンタ情報」を元にクライアント端末101にプリンタ一覧を表示する。
図4の領域402には、「Printer XX(XX:001~003)」のように、クライアント端末101がネットワーク107を探索して検出したプリンタの一覧が表示されている。次に、ユーザは、領域402に表示されたプリンタ情報からクライアント端末101に登録したいプリンタに対応する「プリンタ情報」を選択する。
【0033】
次に、S3010において、クライアント端末101のOS313は、選択された「プリンタ情報」に対応するプリンタの「能力情報」を問い合わせる。ここで、「能力情報」とは、プリンタが搭載している機能を示す情報であり、両面可能情報、カラー可能情報、ステイプル可能情報などのユーザが印刷時に印刷設定として設定するために必要な情報を指す。クライアント端末101のOS313が、いずれの設定項目について「能力情報」を問い合わせるかは、OS313の仕様によって定められており、具体的にはOS313内に設定されている。
【0034】
クライアント端末101のOS313は、予め記憶された設定項目を指定して「能力情報」の問い合わせを行う。OS313に予め設定された項目は、「IPP」により標準の仕様として定義された設定項目である。例えば「用紙サイズ」、「用紙の種類」、「カラーモード」等の設定項目である。次に、S3011において、プリンタ104は、クライアント端末101のOS313に対して、プリンタ104の「能力情報」を応答する。
【0035】
<
図5:能力情報の説明図>
図5は「能力情報」の一例の説明図である。「能力情報」は「項目名」と「属性値」で構成される。「項目名」は、印刷設定の「設定項目」に相当する。「属性値」は、各設定項目において設定することができる設定値、選択肢、値域等である。プリンタ104においては、「IPP」により業界標準仕様として定義されている「項目名」、「属性値」に加え、プリンタベンダー(デバイスベンダー)が独自で定義する「項目名」、「属性値」も記憶している。「項目名」として例えば「用紙サイズ501、用紙の種類502、部数503、カラーモード504」等が記述されている。「属性値」としては、例えば項目名「用紙サイズ501」に対して「A6/A5/A4/…/スクエア(4×4)」が記述されている。
【0036】
例えば、
図5に記載の「項目名」のうち「ジョブをプリンタに保存」、「ジョブ名短縮」やそれに付随する「属性値」はプリンタベンダーが独自で定義している「項目名」、「属性値」である。「ジョブをプリンタに保存」は、プリンタ104が受信した印刷データを印刷後もプリンタ内に保存しておくか否かを設定するための設定項目である。「ジョブ名短縮」は、プリンタがプリンタ104から受信した印刷データの書誌情報をプリンタの表示部に表示する際に、印刷データに付与された名称を短縮して表示するか否かを設定する項目である。
【0037】
図5には図示しないが「針なしとじ」は、プリンタ104から受信した印刷データに基づく出力用紙を、「ステイプル針」を用いずに閉じるか否かを設定するための設定項目である。「ステイプル針」を用いずに閉じるとは、例えば、圧着により用紙を閉じることである。なお、業界標準の仕様として定義されている「項目名」に対応する「属性値」としてプリンタベンダー独自の「属性値」を定義してもよい。例えば「折り設定」は、IPPで定義されている項目名である。一方で「折り設定」の属性値の一つである「サドル折り」は、1枚以上の用紙を「ステイプル」でとじることなく、纏めて折り排紙する機能であり、プリンタベンダーが独自に定義する属性値である。
【0038】
図3に戻って、S3011において、プリンタ104は、クライアント端末101から指定された「設定項目」について、当該「設定項目」に対応する「属性値」と「デフォルト値」を回答する(能力情報取得)。ここで、回答される「属性値」は、標準として定義されている「属性値」であるか否かに関わらず、プリンタ104に登録されている全ての「属性値」である。「デフォルト値」は、クライアント端末101が印刷設定画面を表示するときに最初に設定される値である。なお、プリンタ104は、クライアント端末101のOS313が問い合わせた属性に対する応答を記憶していない場合、OS313に対して応答はしない。
【0039】
次に、OS313は、ユーザが選択したプリンタの「デバイス識別情報」や「プリンタ名」を基にローカルプリンタドライバ314のインストールを開始する。そして、S3012において、OS313は、OS313に同梱された基本的な「デバイス能力情報」をもったローカルプリンタドライバ314の「プリントキュー」を生成する。ここで、「デバイス能力情報」とは、プリンタドライバの印刷設定能力情報(印刷機能設定項目)を生成するために必要な定義情報のことである。つまり、「デバイス能力情報」とは、プリンタドライバの「印刷機能」の「設定項目(機能設定のための能力情報)」を生成するために必要な情報のことである。例えば「Print Device Capabilites」のようなXMLで記述される。
【0040】
<
図6A:デバイス能力情報の例>
図6Aは、OS313に同梱された初期状態の「デバイス能力情報」例の説明図である。「Feature」は、その項目が「設定項目」であることを示している。例えば、
図6Aには「PageMediaSize」は「Feature」であることが記載されている。これは「用紙サイズ」が「設定項目」であることを示している。「Option」は設定項目の「選択肢」を示している。例えば、
図6Aには「PageMediaSize」には「ISOA4」と「AmericaLetter」の二つのOptionが記載されている。これは、「デバイス能力情報」の初期値では、用紙サイズとして「A4」と「LETTER」の2つの選択肢しかないことを示している。この情報は「プリントキュー」の生成時に「プリントキュー」と紐付けて記憶部214に記憶され、OS313により管理される。なお、初期状態の「デバイス能力情報」は、接続されているプリンタの情報に関わらず固定の「デバイス能力情報」である。その後、OS313は、プリンタ104から取得した「能力情報」を用いて、ローカルプリンタドライバ314を構成する「デバイス能力情報」を設定する(設定部)。
【0041】
<
図6B:能力情報を用いて更新されたデバイス能力情報の例>
図6Bは、プリンタ104から取得した「能力情報」を用いて更新された「デバイス能力情報」の一例の説明図である。例えば、用紙サイズを表す「PageMediaSize」に対して、プリンタ104が印刷可能な用紙サイズとして「A4」と「LETTER」以外の「Option」が追記される。このように、クライアント端末101は、先ずローカルプリンタドライバ314とOS313に同梱されている「デバイス能力情報」を対応づけて「プリントキュー」に登録する。
【0042】
そして、その後、「プリントキュー」に紐付けられた「デバイス能力情報」をプリンタ104から取得した「能力情報」で更新する。このとき、OS313は、プリンタ104から取得した「能力情報」のうち、業界標準の仕様で定義される「属性値」のみを用いて「デバイス能力情報」を更新する。このため、例えば「能力情報」の取得において、用紙種類としてベンダー独自の「属性値」が取得されたとしても、ベンダー独自の「属性値」は「デバイス能力情報」には追加しない。このようにすることで、OS313が同梱する「デバイス能力情報」では設定できない印刷設定値を設定する可能になる。
【0043】
以上により、ローカルプリンタドライバ314のインストールが完了する。ここまでの処理を行うことにより、クライアント端末101から、プリンタ104内に生成されたプリンタ104用の「プリントキュー」に印刷データを送信することができるようになる。
【0044】
次に、OS313は、当該プリンタに紐付く、ローカルプリンタドライバ314を拡張する印刷設定拡張アプリケーションのインストール処理を開始する。先ず、OS313は、「デバイス識別情報」に対して「識別付加情報付与処理」を行う。これは、オンラインサポートサーバ105に対して「拡張セットアップ情報ファイル700」を取得する際に必要な処理であり、通常の「デバイス識別情報」と異なる文字列であればよい。本実施形態においては、他のデバイスのアプリケーションと区別するために、OS313が「デバイス識別情報」にプリンタに対応するアプリケーションであることを示す「識別付加情報(“PrinterApp_”)」を付与する。なお、“PrinterApp_”は一例であって、他の文字列、数字、記号でも良い。上記処理の結果、例えばプリンタ104の「デバイス識別情報」が「device001」であった場合、識別付加情報付与処理後の「デバイス識別情報」は「PrinterApp_device001」となる。
【0045】
次に、S3013において、OS313は、オンラインサポートサービス部351に対し、対象となる「付加情報付きデバイス識別情報」を含む「拡張セットアップ情報ファイル700」の探索要求を送信する。S3013の処理によって、識別付加情報が付与された“PrinterApp_device001”がオンラインサポートサービス部351に通知される。
【0046】
<
図7:拡張セットアップ情報ファイル>
オンラインサポートサービス部351には、
図7に示す「拡張セットアップ情報ファイル」が記憶されている。
図7は「拡張セットアップ情報ファイル700」の一例である。「拡張セットアップ情報ファイル」は、プリンタ104のベンダーが作成し、オンラインサポートサービス部351に登録するファイルである。
【0047】
「拡張セットアップ情報ファイル」には、プリンタ104に送られる印刷データの設定に使用される印刷設定拡張アプリ312(
図1参照)を特定するための「アプリケーション識別子」が記述されている。
図7に記載された「拡張セットアップ情報ファイル700」のうち「PackageFamilyName」という項目が印刷設定拡張アプリ312の「識別情報」である。一方で、「PrinterHardwareID(id)」は、プリンタ104の「識別情報」に「識別付加情報」を付加した文字列が記述されている。
【0048】
なお、オンラインサポートサービス部351には、印刷設定拡張アプリ312の「識別情報」が記述された「拡張セットアップ情報ファイル」に加えて、プリンタドライバの「識別情報」が記述された「拡張セットアップ情報」が格納されている。プリンタドライバの「識別子」が記述された「拡張セットアップ情報ファイル」は、「PackageFamilyName」にプリンタドライバの「識別子」が記述されている。また、「拡張セットアップ情報ファイル」の「PrinterHardwareId」は「識別付加情報」が記載されていない「デバイス識別情報」が記述されている。
【0049】
このように、オンラインサポートサービス部351には、プリンタドライバの「識別子」を記述した「拡張セットアップ情報ファイル」と、印刷設定アプリケーションの識別子を記述した「拡張セットアップ情報ファイル」の両方が記憶されている。このため、OS313が適宜必要な「拡張セットアップ情報ファイル」を取得するために「デバイス識別情報」に「識別付加情報」の付加を行う。
【0050】
探索のリクエストを受信したオンラインサポートサービス部351は、リクエストで指定される「識別付加情報付きのデバイス識別情報」と、ファイル内の「PackageFamilyName」とが一致する「拡張セットアップ情報ファイル」を特定する。次に、S3014において、探索の結果、オンラインサポートサービス部351が対象となる「デバイス識別情報」が含まれた「拡張セットアップ情報ファイル700」を格納している場合、OS313に「拡張セットアップ情報ファイル700」を返信する。この時、「拡張セットアップ情報ファイル」の内容がOS313のレジストリに書き込まれる。
【0051】
次に、S3015において、OS313は、オンラインサポートサービス部351から取得した「拡張セットアップ情報ファイル」に書かれた「拡張セットアップ情報」をS3012で生成した「プリントキュー」と紐付けてインストールする。次に、S3016において、OS313は、インストールした「拡張セットアップ情報」から、アプリケーションIDを抽出する。ここで、「アプリケーションID」とは「拡張セットアップ情報ファイル」において、「PackageFamilyName」で規定される「識別子」である。ここまでの処理が、オンラインサポートサービス部351に、プリンタ104に対応する「拡張セットアップファイル」が格納されていた場合の処理である。
【0052】
一方、オンラインサポートサービス部351による探索の結果、対象となる「デバイス識別情報」が含まれた「拡張セットアップ情報ファイル」が検出されない場合がある。このとき、S3017において、OS313は、ローカルプリンタドライバ314のインストールを完了し、アプリケーションのインストール処理を中止する。OS313は、S3013における探索リクエストから所定の時間内に「拡張セットアップファイル」を受信できなかった場合や、オンラインサポートサービス部351からエラー通知を受けた場合、インストール処理を中止する。
【0053】
<S3018以降の処理>
S3018以降の処理においては、「拡張セットアップファイル」が取得でき、かつ、S3019において「アプリケーションID」が抽出できた場合の処理について説明する。S3018において、OS313は、アプリケーション管理サービス部331に対して、抽出したアプリケーションIDが一致するアプリケーションの探索を要求する。アプリケーション管理サービス部331は、クライアント端末101で動作する「アプリケーション」と当該アプリケーションの識別子である「アプリケーションID」を対応づけて記憶部234に記憶する。「アプリケーション」および「アプリケーションID」は、プリンタ104を提供するベンダーにより、アプリケーション管理サービス部331に登録される。
【0054】
S3019において、アプリケーション管理サービス部331が、要求されたアプリケーションIDと一致する印刷設定拡張アプリ312を記憶している場合、次の処理を実行する。つまり、アプリケーション管理サービス部331は、印刷設定拡張アプリ312をクライアント端末101に返信する(S3019)。ここで、返信される印刷設定拡張アプリ312は、送信した「アプリケーションID」と同じIDが付与されたアプリケーションである。
【0055】
次に、S3020において、OS313は、取得した印刷設定拡張アプリ312を、クライアント端末101側の「プリントキュー」と関連付けてインストールする(S3020)。OS313は、レジストリに「プリントキュー」の情報として、アプリケーションIDを保存する。但し、印刷設定拡張アプリ312は、ユーザ毎にインストールされるため、ローカルプリンタドライバ314との紐付け処理はユーザ毎に必要となる。これについては、
図14を参照して説明する。
【0056】
<
図14:複数ユーザがログイン可能な環境の説明図>
図14はクライアント端末101において、複数のユーザがログインできる状態(環境)を示した説明図である。クライアント端末101は、ローカルプリンタドライバ314がインストールされている環境にあり、
図3のシーケンスで示した処理によって、印刷設定拡張アプリ312がインストールされる。
【0057】
印刷設定拡張アプリ312のインストールはユーザ毎に行われる。例えば、管理者が、印刷設定拡張アプリ312をインストールした後にログアウトし、クライアント端末101に対して別ユーザAがログインした場合、
図3のS3018からの処理が開始される。そして、該当する印刷設定拡張アプリ312がユーザAの領域(ユーザA領域)にインストールされる。このように、ユーザが切り替わる度に印刷設定拡張アプリ312がそれぞれのユーザ領域にインストールされ、ローカルプリンタドライバ314との紐付けが行われる。
【0058】
図14においては、管理者領域、ユーザA領域、ユーザB領域、…の夫々に対して、印刷設定拡張アプリ312がインストールされており、各領域はローカルプリンタドライバ314と紐付けられている状態を示している。なお、
図14における、管理者領域、ユーザA領域、ユーザB領域、…の夫々にインストールされる印刷設定拡張アプリ312に対して同一符号「312」を付しているがその内容は必ずしも同じものではない。
【0059】
また、印刷設定拡張アプリ312は、OS313に対して当該アプリケーションと紐付けられた「プリントキュー」が印刷設定画面で設定されたタイミングでイベント通知をするようにOS313に設定する。インストールされた印刷設定拡張アプリ312は、クライアント端末101の電源がオンになり、OS313が起動した後に起動され、起動後はバックグラウンドタスクとして動作する。
【0060】
図3のS3021に示すように、アプリケーション管理サービス部331が、要求された「アプリケーションID」と一致する印刷設定拡張アプリ312を記憶していない場合、OS313は、アプリケーションのインストール処理を中止する。この場合、生成された「プリントキュー」とローカルプリンタドライバ314が紐付けられてインストールされ印刷設定拡張アプリ312は「プリントキュー」と紐付けられずに処理が終了する。
【0061】
なお、上記の説明では、プリンタ104の「デバイス識別情報」に所定の文字列を付加して「拡張セットアップファイル」の探索を行った。プリンタドライバのインストール用のファイルを区別できる場合、所定の文字列を付加せず探索を行う構成であってもよい。
【0062】
<
図8:印刷設定拡張アプリ312で印刷設定を行って印刷データを送信するまでの処理を示すシーケンス>
次に
図8の動作シーケンスを参照して、印刷設定拡張アプリ312で印刷設定を行い、印刷データを送信するまでの処理を説明する。クライアント端末101は新たにドキュメント生成アプリ315を備える。ドキュメント生成アプリ315は、文書データの作成アプリケーション、プレゼンテーション資料の作成アプリケーション、写真や画像データの表示アプリケーション等のアプリケーションである。
【0063】
<
図11:印刷設定画面>
ドキュメント生成アプリ315は「プリントキュー」の選択をおこなう「印刷設定画面」を「印刷設定初期画面」として表示する。
図11は「印刷設定画面」の説明図である。なお、本実施形態にあっては、ドキュメント生成アプリ315が「印刷設定初期画面」を表示するが同様の画面をOS313が表示するようにしても良い。
図11に示すように「印刷設定初期画面」には「プリントキュー」を選択するためのオブジェクト1101、様々な印刷設定を行うためのオブジェクト1102、印刷プレビュー画像1103が表示される。
【0064】
オブジェクト1102が示す様々な印刷設定には「部数」、「用紙サイズ」、「カラーモード」が図示されているがこれらの印刷設定項目以外のものが示されていても良い。また、符号「1104」は「その他の設定」であり、ユーザがこれをクリック等すると他の印刷設定画面が表示されるようになっている。また、符号「1105」は印刷ボタンである。
【0065】
先ず、S801において、OS313はデフォルトプリンタとして設定されているプリンタに紐付く「プリントキュー」を選択する。本実施形態においては、プリンタ104がデフォルトプリンタとして選択されているものとする。なお、S801以降の処理は、ユーザがオブジェクト1101を操作することにより、使用するプリンタを変更した場合にも実行される。
【0066】
次に、S802において、OS313は、プリンタ104に対応した「プリントキュー」に対してプリンタ104の「能力情報」を問い合わせる処理を実行する。いずれの「設定項目」について「能力情報」を問い合わせるかについては、OS313の仕様に応じて予め決定されている。このため、このタイミングで取得される「能力情報」は、
図3のS3011によって取得したものと同様のものである。このような問い合わせは、例えば「Get-printer-Attributes」のように「IPP」により定義される標準プロトコルのコマンドを用いて、プリンタ104に対して行われる。
【0067】
「Get-printer-Attributes」を用いる場合、OS313によって予め決定されている「能力情報」をリスト形式で問い合わせする。つまり、問い合わせる「能力情報」をリストにリスティングしておいて、OSは当該リストをプリンタ104に送って「能力情報」の問い合わせ処理を実行する。
【0068】
次に、S803において、プリンタ104は、OS313に対して「Get-printer-Attributes」で送られてくる「能力情報」のリストに基づいてその「能力情報」を返答する。例えば「Get-printer-Attributes(IPP)」でメディアサイズの属性(メディアサイズ属性)が指定されたものとする。プリンタ104がメディアサイズ属性を保有している場合、プリンタ104は保有しているメディアサイズ属性に紐付けられている値(A4,B5,Letter等)を返答する。
【0069】
一方、プリンタ104が「Get-printer-Attributes」で指定されたメディア属性がプリントキューに保有していない場合、紐付いた値の応答(レスポンス)は行わない。S803において取得される「能力情報」は、あくまでもOS313が接続されているプリンタの種類、能力に関わらず問い合わせる「能力情報」のことである。
【0070】
次に、S804において、OS313は、プリンタ104から取得した「能力情報」を用いて「デバイス能力情報」を更新する。つまり、S804において、OS313は、
図3のS3012において生成したデバイス能力情報に対して、
図8のS803において取得した「能力情報」を追加する。デバイス能力情報に「更新」がある場合、S803の処理を実行することにより、クライアント端末101が管理するデバイス能力情報を「更新」することができる。なお、S804におけるデバイス能力情報の「更新」においては、業界標準の仕様により定義される「属性値」のみについて「デバイス能力情報」が更新される。
【0071】
次に、S805において、OS313は、印刷設定拡張アプリ312に対して、「イベント」と「デバイス能力情報」の編集に使われる「API」を通知する。「イベント」の通知タイミングは、印刷設定拡張アプリ312がクライアント端末101のOS313にインストールされるときに実行される。印刷設定拡張アプリ312は「イベント」を受信すると、プリンタ104に「能力情報」の取得要求を行う。ここで行われる「能力情報」の取得は、プリンタベンダーが独自で定義する「設定項目」、「属性値」をデバイス能力情報に書き込むために行う「能力情報」の取得である。
【0072】
次に、S806において、印刷設定拡張アプリ312は、イベントをOS313から受信すると、プリンタ104の「能力情報」を問い合わせる。この際、印刷設定拡張アプリ312は、プリンタベンダー独自の「設定項目」や、プリンタベンダー固有の「属性値」を含む設定項目の「能力情報」をプリンタ104に問い合わせる。
【0073】
印刷設定拡張アプリ312による問い合わせは、
図8のS802と同様に「Get-printer-Attributes」を用いて実行し「項目名」として問い合わせたい「設定項目」の「項目名」を指定することで「能力情報」が取得される。なお、本実施形態においては、S806において、プリンタベンダー独自に定義した「設定項目」、プリンタベンダーが独自で定義した「属性値」を含む設定項目について「能力情報」の取得を行うものとして説明する。OS313による「能力情報」の取得により、取得済みの設定項目についても「能力情報」の取得を行うようにしても良い。
【0074】
次に、S807において、プリンタ104は印刷設定拡張アプリ312から「独自能力情報(個別独自の能力情報)」の問い合わせがある場合、印刷設定拡張アプリ312に「独自能力情報」を応答する。ここでの応答方法は、先に説明した
図8のS3011の処理と同様である。本実施形態においては、S807において、プリンタ104はその「能力情報」を応答する。
【0075】
次に、S808において、印刷設定拡張アプリ312は、プリンタ104から「能力情報」を取得すると「構成情報オブジェクト」を介してOS313が管理するデバイス能力情報の「編集」を行う。ここで「構成情報オブジェクト」とは、デバイス能力情報を編集するために必要なデータ群の集合のことである。印刷設定拡張アプリ312は、OS313が有するデバイス能力情報を直接には編集することができない。このため、この「構成情報オブジェクト」を利用して、OS313が有するデバイス能力情報を変更する。
【0076】
図8のS807において取得した「針無しとじ」、「ジョブをプリンタに保存」等の「能力情報」をデバイス能力情報に変換し「構成情報オブジェクト」に追加することにより、デバイス能力情報を編集する。以上のようにして、S801からS808までの処理を実行することにより、デバイス能力情報に対してOS313の問い合わせで取得された標準的な設定項目に関する「能力情報」に追加する。かくして、プリンタベンダー独自の「設定項目」、「属性値」が記憶部214(
図2(a)参照)に記憶される。
【0077】
次に、S809において、印刷設定拡張アプリ312は、編集したデバイス能力情報をOS313に渡す。OS313は、印刷設定拡張アプリ312から渡されて取得したデバイス能力情報をプリントキューと紐付けて記憶部214に記憶する。
【0078】
次に、S810において、OS313がデバイス能力情報を更新すると、印刷設定拡張アプリ312のUI(ユーザインターフェイス)を表示するトリガーとなるオブジェクトが「有効」となる。印刷設定拡張アプリ312のUIを表示するトリガーとなるオブジェクトとは、例えば
図11のオブジェクト1104である。S810における処理が完了するまで、オブジェクト1104はグレーアウトされていて、ユーザがクリックしても印刷設定拡張アプリ312の印刷設定画面は表示されない。S810における処理が完了すると、オブジェクト1104のグレーアウトが解除され、ユーザはオブジェクト1104を選択することが可能となる。
【0079】
次に、S811において、ユーザがオブジェクト1104を選択すると印刷設定拡張アプリ312が起動し、
図10に示すような印刷設定画面を表示する(S811)。この印刷設定画面は利用するドキュメント生成アプリ315の種類に依存しない。
図10(a)は「出力用紙サイズ」、「用紙の種類」、「用紙の向き」、「部数」、「印刷品質」の印刷設定項目が設定可能な画面である。また、
図10(b)は「部単位で印刷」、「ホチキス」、「パンチ」、「折り設定」、「カラーモード」の印刷設定項目が設定可能な画面である。同様に、
図10(c)から
図10(e)においても各種の印刷設定項目が設定可能な画面である。
図10(a)から
図10(e)の下部には「言語の切り替え」、「OK」、「キャンセル」ボタンが表示されている。「OK」ボタンを押下操作することにより所望の印刷設定が行われる。
【0080】
なお、
図10(d)は、その設定項目の一つである設定項目「ジョブ名短縮」が「OFF」に設定された場合であり、一方、
図10(e)は設定項目「ジョブ名短縮」が「ON」に設定された場合である。
図10(e)に示すように、設定項目「ジョブ名短縮」が「ON」に設定された場合には「ジョブの先頭から以下の文字列を削除する」とのガイダンスが表示され、削除する文字列の一例として「サンプル文書」が表示されている。
【0081】
なお、選択されているプリントキューに印刷設定拡張アプリ312が紐付いていない場合には、
図9(a)に示すようにOS313に予め搭載されている「標準印刷設定画面」が表示される。「標準印刷画面」においては、詳細設定ボタン901を押下操作することで、
図9(b)の「詳細印刷画面」を表示する。
図9(b)は、
図9(a)の「標準印刷画面」において表示しきれない設定項目を設定するための「詳細印刷画面」である。なお、
図9(b)に示す「詳細印刷画面」は、画面右端に設けられたスクロールバーを上下方向に操作することでスクロールが可能である。スクロールバーを操作することにより、
図9(c)、
図9(d)に示すように新たな「詳細印刷画面」が現れる。かくして、OS313がサポートする複数の設定項目(総ての設定項目)について印刷設定を行うことが可能になる。
【0082】
なお、OKボタン902を選択することにより、設定されている印刷設定を保存し、
図9(a)に戻ることができる。
図9(a)の適用ボタン903は、印刷設定を保存するボタンであり、キャンセルボタン904は、印刷設定を保存せずに
図11の画面に戻るためのボタンである。OKボタン905を選択すると印刷設定を保存し、
図11の画面に戻る。なお、
図9(a)~(d)では、プリンタベンダーが独自に定義した「印刷設定項目」、属性値」を設定することはできない。
【0083】
さて、印刷設定拡張アプリ312に話を戻す。印刷設定拡張アプリ312は、OS313がデバイス能力情報から生成した「印刷設定能力情報」を元に生成した「印刷設定情報」を受け取り、
図10(a)に示す拡張印刷設定画面を表示する。「拡張印刷設定画面」は、
図10(a)から
図10(e)に示すように、画面右端に設けられたスクロールバーを上下方向に操作することによりスクロールすることができる。この結果、様々な印刷設定項目の設定値を設定することができる。
【0084】
例えば、
図10(a)の設定項目1001の「出力用紙サイズ」は、
図6(b)の「psk:PageMediaSize」から生成された「印刷設定情報」である。また、「出力用紙サイズ」の選択肢である「A4」は印刷設定拡張アプリ312が印刷設定情報「psk:IOSA4」なる情報を元に生成し表示している。このように、印刷設定拡張アプリ312は、デバイス能力情報を設定値に変換して「拡張印刷設定画面」を表示する。「拡張印刷設定画面」は、プリンタベンダー固有の設定項目に関する「能力情報」を含むデバイス能力情報から生成される。このため、OS313が提供する
図9に示す画面では設定することが不能な「設定項目」や「設定値」を設定することが可能となる。
【0085】
ユーザが、印刷設定拡張アプリ312が表示する
図10に示す画面において、オブジェクト1002を選択する。オブジェクト1002は印刷設定を確定するためのオブジェクトである。印刷設定拡張アプリ312は、ユーザによって任意に印刷設定を変更する機能を提供し、変更した場合にはその設定値を保存する。例えば、ユーザがUI上でメディアサイズ(用紙サイズ)を「A4」から「Letter」へと変更したとする。その場合、印刷設定拡張アプリ312が有する印刷設定情報が「A4」から「Letter」へと変更させる。オブジェクト1002が選択されると、印刷設定拡張アプリ312は、印刷設定画面のコントロール内で処理した印刷設定情報を印刷設定画面から取得し、取得した印刷設定情報をOS313に渡す。
【0086】
図8に戻り、S812において、印刷設定拡張アプリ312が印刷設定情報をOS313に渡すと、
図10に示す印刷設定画面の表示を終了する。つまり、S812において、印刷設定が変更されUIが閉じられる。S812の処理が完了すると、
図11に示す「印刷設定画面」が表示される。この時、表示される「印刷設定画面」は印刷設定拡張アプリ312によって設定された「設定値」が設定された画面である。
【0087】
次に、S813において、ユーザが
図11に示す画面において、オブジェクト1105を選択すると、OS313に印刷指示が入力される。OS313は、ドキュメント生成アプリ315を介して入力された印刷指示に応じて、印刷に係る処理を実行する(印刷実行)。
【0088】
次に、S814において、OS313は印刷実行が指示されると、「中間データ」を生成し印刷設定拡張アプリ312に対して生成した「中間データ」と印刷設定画面で編集した「印刷設定情報」とを渡す。ここで、「中間データ」とは、PDLのような印刷データに変換する前に生成されるデータのことであり、例えばXPSデータ等である。印刷設定情報もこの「中間データ」に含まれている。
【0089】
次に、S815において、印刷設定拡張アプリ312は、OS313から「中間データ」と「印刷設定情報」とを受け取ると、「中間データ」を元に印刷データを生成し、「印刷設定情報」を元に印刷能力情報を生成する。ここで「印刷データ」とは、例えばPDFファイルのようなPDLのことを称し、「印刷能力情報」とは具体的には「印刷設定情報」をIPPで定義される「属性値」で記述した情報のことである。そして、S816において、印刷設定拡張アプリ312は印刷データを生成後、生成した「印刷データ」と「印刷能力情報」をOS313の「プリントキュー」に渡す。
【0090】
以上説明したS814~S816における処理は、「プリントキュー」に紐付く印刷設定拡張アプリ312がクライアント端末101にインストールされている場合の処理である。クライアント端末101に印刷設定拡張アプリ312がインストールされていない場合、クライアント端末101は、S817において次述する処理を実行する。次に、S817において、OS313は、XPSデータを生成し、ページレイアウトを編集し、XPSデータを所定フォーマットに変換し「印刷データ」と「印刷能力情報」を生成する。ここで、「所定フォーマット」とは例えばPDF、PWG―Raster等である。
【0091】
次に、S818において、OS313は印刷設定拡張アプリ312から渡された「印刷データ」と「印刷能力情報」、または、OS313が生成した「印刷データ」と「印刷能力情報」を「プリントキュー」を介してプリンタ104に送信する。以上のような処理を実行することにより、印刷設定拡張アプリ312を用いて行った印刷設定を反映した印刷データをプリンタ104に送信することができる。
【0092】
<
図12:クライアント端末101に印刷設定拡張アプリ312をインストールするまでのOS313の処理>
図12は、クライアント端末101に印刷設定拡張アプリ312をインストールするまでのOS313の処理を示すフローチャートである。本フローチャートに記載の処理を実行するためのプログラムは、クライアント端末101の記憶部214に記憶されている。クライアント端末101が備えるCPU212が、このプログラムを実行することにより、
図12に示す処理が実現される。
【0093】
先ず、S1201において、CPU212は、
図4に示す画面を表示して、プリンタの探索指示を受け付ける。ユーザが、
図4に示すオブジェクト401を選択することに応じて、CPU212はプリンタ探索指示を受け付ける。次に、S1207において、CPU212は、プリンタ探索指示を受け付けてプリンタ探索処理を実行して見つかった「プリンタ名」と当該プリンタの「HWID」を取得する。そして、CPU212は、プリンタ104の情報(「プリンタ名」、「HWID」)を取得してクライアント端末101の表示部216に表示する。S1207において、CPU212が表示部216にプリンタ104の情報を表示することにより、
図4の領域402にプリンタの情報がリスト状に縦方向に表示される。
【0094】
次に、S1208において、CPU212は、プリンタ104の情報が選択されたか否かを判定する。CPU212は、プリンタ104の情報が選択されたと判定した場合(Yes)、S1209に進む。一方、CPU212は、プリンタ104の情報が選択されていないと判定した場合(No)、S1208においてウエイト状態となる。つまり、CPU212はプリンタ104の情報がユーザに選択されるまではS1208における処理を繰り返し実行する。
【0095】
次に、S1209において、CPU212は選択されたプリンタの「能力情報」の取得要求を選択されたプリンタ104に対して送信する。次に、S1210において、CPU212は、プリンタ104から取得した情報に基づき、クライアント端末101が記憶する「プリンタ能力情報」を更新し「プリントキュー」を生成する。次に、S1211において、CPU212は、オンラインサポートサービス部351に「拡張セットアップ情報ファイル」の取得要求を送信する。この取得要求にはプリンタのHWIDが含まれる。
【0096】
次に、S1212において、CPU212は「拡張セットアップ情報ファイル」の取得に成功したか否かを判定する。CPU212が「拡張セットアップ情報ファイル」の取得に成功したと判定した場合(Yes)、S1213に進む。一方、CPU212が「拡張セットアップ情報ファイル」の取得に失敗したと判定した場合(No)、CPU212は、
図12に示す処理を終了する。
【0097】
次に、S1213において、CPU212は、取得した「拡張セットアップ情報ファイル」に記述された印刷設定拡張アプリ312の取得要求をアプリケーション管理サービス331部に送信する。CPU212は「拡張セットアップ情報ファイル」から、印刷設定拡張アプリ312の「アプリ識別子」を取得する。次いで、CPU212は、取得した「アプリ識別子」を指定して、当該印刷設定拡張アプリ312の取得要求をアプリケーション管理サービス部331に送信する。
【0098】
次に、S1214において、CPU212は印刷設定拡張アプリ312の取得に成功したか否かを判定する。CPU212が印刷設定拡張アプリ312の取得に成功したと判定した場合(Yes)、S1215に進む。一方、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312の取得に失敗した判定した場合(No)、CPU212は、
図12に示す処理を終了する。
【0099】
次に、S1215において、CPU212は、取得した印刷設定拡張アプリ312をインストールし、印刷設定拡張アプリ312の「アプリ識別子」を「プリントキュー」に紐付けて登録する。さらに、OS313に通知のタイミングを示すイベント登録を行う。ここでは、ドキュメントアプリが表示する印刷設定画面で印刷設定拡張アプリ312と紐付けられた「プリントキュー」が選択された場合、印刷設定拡張アプリ312にイベントを通知するようにイベント登録を行う。以上が、印刷設定拡張アプリ312をクライアント端末101にインストールするまでの処理である。
【0100】
<
図13:印刷設定拡張アプリで強制設定および印刷設定を行う際の処理>
次に、
図13を参照して、インストールされた印刷設定拡張アプリ312を用いて「強制設定データ」を用いた印刷設定処理について説明する。
図13に示す処理を実行するためのプログラムは、印刷設定拡張アプリ312に記憶されていて、CPU212は当該プログラムをクライアント端末101のメモリ213に展開して実行することにより
図13の各処理が実現可能となる。
【0101】
先ず、S1301において、CPU212は、イベント通知を受信したか否かを判定する。ここで、「イベント」とはOS313により発行されるイベントであり、
図12のS1215において登録したタイミングであることを印刷設定拡張アプリ312に通知するためのイベントである。CPU212は、イベント通知を受信したと判定した場合(YES)、S1302に進む。一方、CPU212は、イベント通知を受信していないと判定した場合(No)、S1301でウエイト状態となる。つまり、CPU212は、イベント通知を受信したと判定するまで、S1301の処理を繰り返して実行する。
【0102】
次に、S1302において、CPU212は「能力情報」の取得要求をプリンタ104に送信する。CPU212は印刷設定拡張アプリ312に設定されている「設定項目」について、「能力情報」の取得要求をプリンタ104に送信する。ここでは、
図12のS1206において取得しなかった設定項目についても「能力情報」を取得する。次に、S1303において、CPU212は「能力情報」の取得が完了したか否かを判定する。CPU212が「能力情報」の取得が完了したと判定した場合(Yes)、S1304に進む。一方、CPU212が「能力情報」の取得が完了していないと判定した場合(No)、S1303でウエイト状態となる。つまり、CPU212は、CPU212が「能力情報」の取得が完了したと判定するまで、S1303の処理を繰り返し実行する。
【0103】
次に、S1304において、CPU212は取得した「能力情報」でデバイス能力情報を更新する。S1304の処理を実行することにより、OS313が取得しない設定項目についてもその「能力情報」がクライアント端末101の記憶部214に記憶されることになる。次に、S1305において、CPU212は印刷設定拡張アプリ312による「印刷設定画面」の表示が指示されたか否かを判定する。ここで、「印刷設定拡張アプリ312による印刷設定画面の表示の指示」とは、例えば
図11のオブジェクト1104の選択等のユーザ操作に基づいて発行される指示である。CPU212が「印刷設定画面」の表示が指示されたと判定した場合(Yes)、S1306に進む。一方、CPU212が、「印刷設定画面」の表示が指示されていない判定した場合(No)、CPU212はS1314に進む。
【0104】
次に、S1306において、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312がOS313の設定画面から開かれたか否かを判定する。印刷設定拡張アプリ312の「印刷設定UI」が開かれるケースは2通りあり、OS313の設定画面から開かれる場合(第1の場合)と、前述したドキュメント生成アプリ315経由で開かれる場合(第2の場合)がある。OS313の設定画面から開かれる場合は、例えば
図4に示す画面である。
図4に示す設定画面には、デバイス探索で検出された印刷装置(プリンタ)の情報に加え、クライアント端末101に登録済みの印刷装置の情報を表示することができる。ユーザはクライアント端末101に登録済みの印刷装置の情報を選択することで、印刷装置の状態を確認したり、印刷装置を使用するときのデフォルト値の設定をしたりすることが可能になる。
【0105】
本発明の実施形態の「強制設定データ」を用いる印刷設定UIは、ドキュメント生成アプリ315毎に設定するものではなく、全印刷装置に伴う強制設定となるため、OS313の設定画面から開かれているか否かを判定する必要がある。CPU212が、OS313の設定画面から開かれていると判定した場合(Yes)、S1307に進む。CPU212はこれ以外の場合(No)、S1311に進む。
【0106】
次に、S1307において、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312を実行したユーザが管理者権限を有している否かを判定する。例えば、OS313により開かれた設定画面において管理者権限を有するユーザに対するIDとパスワードとが入力された場合、CPU212は、当該ユーザは管理者権限を有するユーザであると判定する。CPU212が、ユーザが管理者権限を有していると判定した場合(Yes)、S1308に進む。一方、CPU212が、ユーザが管理者権限を有していないと判定した場合(No)、S1311に進む。
【0107】
次に、S1308において、CPU212は「強制印刷設定UI」および「印刷設定UI」を生成して印刷設定拡張アプリ312で画面表示する(UI表示部)。「強制印刷設定UI」は、
図16(a)に示した管理者設定タブによる「両面固定」、「白黒固定」のような印刷設定を強制するようなUIを表示する。
図16(a)に示すUIによれば、管理者設定タブが設けられていて「両面固定:オフ」、「白黒固定:オフ」とされている。
【0108】
本設定は、S1306、S1307における条件に合致した場合(両判定が「Yes」の場合)のみ表示され、管理者権限を有しているユーザにしか設定できないように制御されている。そして、S1309にて、CPU212は印刷設定拡張アプリ312において、ユーザによる「強制設定」および「印刷設定」の入力を受け付ける。そして、CPU212は入力の受け付けを完了すると、S1310に進む。S310において、CPU212は強制設定データを保存する(保存部)。
【0109】
CPU212は、総てのユーザがアクセスできる領域にユーザが行った「強制印刷設定」のデータを保存する。このとき保存領域は印刷設定拡張アプリ312のみがアクセスする領域である場合、次の不具合が生じる。つまり、別ユーザがインストールした印刷設定拡張アプリ312がアクセスすることができない。このため、どのような環境にインストールされた印刷設定拡張アプリ312であっても、アクセス可能な領域であることが必要である。
【0110】
<
図15:クライアント端末に保存される強制設定データの例>
保存するデータ形式としてはいずれのものでも良いが、
図15に記載したように、ユーザ毎に「両面固定」、「白黒固定」の設定追加および更新保存をしていくものであても良い。
図15は、ユーザ名と両面固定と白黒固定とを関連付けて記憶したテーブルである。
図15の例では「ユーザ名」として「管理者、ユーザA、ユーザB」がリスティングされている。ユーザは1名の管理者と2名のユーザA、Bとをクライアント端末101を使用する者としており、「管理者」以外のユーザA、Bの「両面固定」、「白黒固定」をオンとしている。つまり、ユーザA、ユーザBには、白黒モードによって両面印刷で印刷するように強制制御している。
【0111】
なお、本実施形態ではユーザ毎にデータを保存しているが、管理者以外の総てのユーザに適用できるような形式としてもよい。また、本発明の実施形態においては、印刷設定拡張アプリ312は総ての「プリントキュー」に紐付くことを想定している。だが、本データに「プリントキュー」の識別子(例えば「プリントキュー名」)をデータに追加して、「プリントキュー」毎に強制設定データを設定するために用意しても良い。
【0112】
そして、S1315において、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312において「プリントチケット編集処理」を行って印刷設定処理を終了する。一方、OS313の設定画面から開かれていない場合(S1306のNo)、および、ユーザが管理者権限を有していない(S1307のNo)場合の処理について説明する。S1311にて、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312において、前述したS1310において保存された強制設定データを読み込む。なお、本実施形態におけるプリントチケットは、印刷設定画面を介して設定された印刷設定が書き込まれたファイルのことである。
【0113】
<
図16:強制設定データを反映したUI表示の説明図>
そして、S1312において、CPU212は、読み込んだ強制設定データを元に印刷設定UIを表示する。つまり、CPU212は、読み込んだ強制設定データを反映したUIを表示する。具体的には、CPU212は、「両面固定」が設定されていれば、
図16(b)に示すように両面印刷の設定を変更できないようにグレーアウトしてUI表示を行う。また、「カラーモード」に「白黒固定」が設定されていれば、
図16(c)に示すように、カラー設定を変更できないようにグレーアウトしてUI表示する。
【0114】
このように、CPU212は、管理者権限を有するユーザ以外のユーザがプリンタ104の設定項目を変更不能とするために当該設定項目をグレーアウトして表示を行う。そして、S1313にて、CPU212は、印刷設定拡張アプリ312において、ユーザの印刷設定入力を受け付ける。そして、CPU212は、印刷設定入力の受け付けを完了すると、S1314に進む。
【0115】
そして、S1314にて、前記と同様にCPU212は、印刷設定拡張アプリ312において「プリントチケット編集処理」を行って、S1315において印刷設定処理を終了する。以上が印刷設定拡張アプリ312を用いた「強制設定」および「強制」された印刷設定処理である。
【0116】
また、本発明の実施形態においては、印刷設定UIの表示方法を制御することにより、印刷設定を管理者の所望のものに強制設定した。この他に、S1314における「プリントチケット編集」時に保存された「強制設定データ」を読み込み、関連する印刷設定の丸め処理を行うことで印刷設定を強制設定する構成としても良い。具体的には、「白黒固定」の強制設定がされていた場合において、印刷設定で「カラー」が選択された場合、S1314における「プリントチケット編集」時に「カラー」を「白黒」に変更する。更に、OS313に対して禁則解決のステータスを通知することによって、ドキュメント生成アプリ315や
図11のような印刷設定画面に対しても強制設定することが可能となる。
【0117】
上述してきた処理を実行することにより、汎用のクラウドプリンタドライバやローカルプリンタドライバと紐付く「プリントキュー」を選択して印刷設定を行う際に、強制設定を踏まえた印刷設定UIを表示する。これにより、印刷設定を強制設定することが可能となる。
【0118】
<本発明の実施形態の纏め>
以上説明してきたように、本発明の実施形態は以下のクライアント端末101(情報処理装置)を提供する。このクライアント端末101は、OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してプリンタ104(デバイス)を動作可能である。CPU212(取得部)は、プリンタ104(デバイス)から基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する。また、CPU212(表示部)は、取得された能力情報に基づいて、プリンタ104(デバイス)の設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する。
【0119】
また、CPU212(判定部)は、拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する。そして、拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、CPU212は次述の処理を実行する。つまり、CPU212は、表示部216において他ユーザが設定項目を変更不能に、管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能とする。
【0120】
<本発明の他の側面>
本発明を他の側面によれば以下の構成が提案される。クライアント端末101のCPU212(第1取得部)は、OSにインストールされている標準ドライバで設定することが可能な第1設定項目を規定する第1能力情報をプリンタ104(デバイス)から取得する。次いで、CPU212(表示部)は、取得された第1能力情報に基づいて第1設定項目を設定するためのオブジェクトを表示する。また、CPU212(第2取得部)は、標準ドライバの機能を拡張する拡張アプリケーションに対する第2設定項目を規定する第2能力情報をプリンタ104(デバイス)から取得する。また、CPU212(表示制御部)は、取得された第2能力情報に基づいて、拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトも表示する。
【0121】
そして、CPU212は次述の処理を実行する。CPU212は、管理者権限を有するユーザが拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトを用いて他ユーザが変更不能に設定した第2設定項目の設定値を他ユーザが使用する拡張アプリケーションに対して変更不能とする。
【0122】
以上の構成により、複数ユーザが使用するクライアント端末101に対してユーザ単位でインストール可能な拡張アプリケーション等を用いる場合であっても、当該端末の管理者が各ユーザの設定の制御を行うことができることになる。つまり、管理者は、拡張アプリケーションを使用する他ユーザの設定に対しても制御をかけることが可能になる。
【0123】
<他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)をネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU、MPU、DSP等のプロセッサ)がプログラムコードを読み出して実行することにより本実施形態の諸機能が実現できる。この場合、そのコンピュータプログラムおよびこのコンピュータプログラムを記録した記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0124】
<その他>
(1)クライアント端末101の管理者がUI表示により他のユーザが設定項目を変更不能とする情報を入力する際には必ずしもPCを用いる必要は無い。例えば、特定サイトからダウンロードした専用アプリをインストールしたスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末を利用することも可能である。この際、モバイル端末とPCとは例えば「BlueTooth(登録商標)」等で近距離通信可能にしておけば良い。(2)また、UIを3次元画像として表示して目視容易とすることができる。このためには、例えばゴーグルや特殊眼鏡を掛けて3次元画像を目視するようにすれば良い。(3)印刷項目の設定変更できないようにグレーアウトしてUI表示を行う代わりに、そもそも設定変更不能な印刷項目は表示しないUIとすることもできる。(4)UI制御だけではなく、アプリが指定した印刷設定でも禁側が発生するようにすることができる。例えば、管理者以外の権限の無いユーザが設定項目を変更して印刷ボタンを押下操作した場合、「一部の設定が印刷結果に反映されない場合がある」旨のメッセージを画面全体に表示することもできる。
【0125】
<追記>
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1) OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置であって、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示部と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定部と、を備え、
前記判定部により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示部において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能な構成であることを特徴とする情報処理装置。
(構成2)前記取得部が取得した能力情報は、設定項目と当該設定項目に対する値である属性値とで構成され、デバイスベンダーが独自で定義した設定項目と属性値が含まれることを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
(構成3)前記取得部が取得した能力情報に基づいて、デバイスドライバの機能設定のための能力情報を生成するために必要な定義情報であるデバイス能力情報を設定する設定部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
(構成4)前記管理者権限を有するユーザによって強制設定可能な設定項目を表示するために使用される強制設定データを保存する保存部を更に備えたことを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(構成5)前記判定部により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者でないと判定された場合、前記保存部から前記強制設定データを読み出す読み出し部を更に備えたことを特徴とする構成4に記載の情報処理装置。
(構成6)前記読み出し部により、前記保存部から読み出された前記強制設定データを反映させたUIを表示するUI表示部を更に備えたことを特徴とする構成5に記載の情報処理装置。
(構成7)前記UI表示部は更に、
前記管理者権限を有するユーザ以外のユーザが前記デバイスの設定項目を変更不能とするために当該設定項目をグレーアウトして表示を行うことを特徴とする構成6に記載の情報処理装置。
(構成8)前記デバイスは、印刷装置、スキャナー装置および複合機の内のいずれかであることを特徴とする構成1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(構成9)OSにインストールされている標準ドライバで設定することが可能な第1設定項目を規定する第1能力情報をデバイスから取得する第1取得部と、当該第1取得部により取得された第1能力情報に基づいて、前記第1設定項目を設定するためのオブジェクトを表示する表示部と、を備えた情報処理装置であって、
前記標準ドライバの機能を拡張する拡張アプリケーションに対する第2設定項目を規定する第2能力情報を前記デバイスから取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された第2能力情報に基づいて、前記拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトも前記表示部に表示する表示制御部と、を備え、
管理者権限を有するユーザが前記表示部に表示される拡張アプリケーションに対する第2設定項目を設定するためのオブジェクトを用いて他ユーザが変更不能に設定した当該第2設定項目の設定値は、他ユーザが使用する拡張アプリケーションに対して変更不能であることを特徴とする情報処理装置。
【0126】
(方法)OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示工程と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記判定工程により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示工程において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能とする、ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
(プログラム)OSにインストールされている標準ドライバの基本機能を拡張する拡張機能を実現する拡張アプリケーションを利用してデバイスを動作可能な情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記制御方法は、
前記デバイスから前記基本機能と拡張機能とを示す能力情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された能力情報に基づいて、前記デバイスの設定項目を選択可能なオブジェクトを表示する表示工程と、
前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記判定工程により前記拡張アプリケーションを起動するユーザが自装置の管理者権限を有するユーザであると判定された場合、前記表示工程において他ユーザが設定項目を変更不能に、前記管理者権限を有するユーザが設定項目を強制設定可能とする、ことを特徴とするプログラム。
【0127】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。例えば、本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記録媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータのプロセッサがプログラムを読みだして実行する処理でも実現可能である。また、本発明は1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0128】
101 クライアント端末
102 クラウドプリントサーバ
103 アプリケーション管理サーバ
104 プリンタ
105 オンラインサポートサーバ
211 制御部
212 CPU
213 メモリ
214 記憶部
215 ネットワーク通信部
216 表示部
217 操作部
241 制御部
242 CPU
243 メモリ
244 記憶部
246 表示部
245 ネットワーク通信部
247 操作部
248 印刷部
311 クラウドプリンタドライバ
312 印刷設定拡張アプリ
313 OS
314 ローカルプリンタドライバ
315 ドキュメント生成アプリ
321 クラウドプリントサービス部
331 アプリケーション管理サービス部
351 オンラインサポートサービス部
401 オブジェクト