(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162447
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、設定方法、設定プログラム、および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241114BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241114BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241114BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/42 F
H04N1/00 C
G06F3/12 331
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077952
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大畑 勤
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061CQ04
2C061CQ10
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN08
2C061HN15
2C061HQ02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AF02
(57)【要約】
【課題】画像形成装置が異なるメーカーの画像形成装置に代替えされた場合に、代替え前の画像形成装置が故障しているか否かに関わらず、ユーザーが代替え後の画像形成装置の設定を容易に行うことができる。
【解決手段】情報処理装置は、第1メーカーの画像形成装置100用の設定画面を表示装置に表示させる表示制御部と、設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置200の設定を行う設定部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、前記第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行う設定部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1設定情報は、ネットワークの設定情報、宛先の設定情報、画質の設定情報、および印刷の設定情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1設定情報を前記第2メーカーの画像形成装置における第2設定情報に変換する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記第1設定情報を前記第2設定情報に変換するための変換テーブルを記憶する記憶部と、
前記変換テーブルを編集する編集部とをさらに備える、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1設定情報は、画質の設定情報を含む、請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示装置は、モバイル端末を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示装置は、前記第2メーカーの画像形成装置が備える操作パネルを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、複数のメーカーの中から前記第1メーカーの指定を受け付ける受付部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させることと、
前記設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、前記第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行うこととを備える、設定方法。
【請求項10】
請求項9に記載の設定方法をコンピューターに実行させる、設定プログラム。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置を備え、前記設定部によって設定される、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置の設定を行う情報処理装置、画像形成装置の設定方法、画像形成装置の設定プログラム、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ユーザーは使用環境等に合わせて画像形成装置の設定をカスタマイズしている。そのため、画像形成装置が代替えされた場合には、ユーザーは代替え後の画像形成装置に代替え前の画像形成装置と同等の設定を行いたい。
【0003】
代替え前の画像形成装置と代替え後の画像形成装置とでメーカーが同じ場合には、操作性、および、画質等の設定値は代替え前の画像形成装置と代替え後の画像形成装置とで同一または類似している。そのため、ユーザーが設定に戸惑うことは少ない。一方、代替え前の画像形成装置と代替え後の画像形成装置とでメーカーが異なる場合には、操作性、および、画質等の設定値が代替え前の画像形成装置と代替え後の画像形成装置とで異なる。そのため、ユーザーは設定に戸惑う。
【0004】
これまでにも、設定作業に関するユーザーの負担を抑制する方法が提案されている。例えば、特開2021-140366号公報(特許文献1)、特開2016-31757号公報(特許文献2)、特開2014-120824号公報(特許文献3)、特開2018-156309号公報(特許文献4)、および特開2013-131168号公報(特許文献5)には、第1の機器から設定情報を取得し、当該設定情報に基づいて第2の機器の設定を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-140366号公報
【特許文献2】特開2016-31757号公報
【特許文献3】特開2014-120824号公報
【特許文献4】特開2018-156309号公報
【特許文献5】特開2013-131168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1~5に開示される方法では、第1の機器から取得される設定情報に基づいて第2の機器の設定が行われるため、上記特許文献1~5に開示される方法は第1の機器が故障している場合には利用できない。上記特許文献2に開示される方法のように、設定情報がバックアップされている場合でも、第1の機器の故障のタイミングによっては、最新の設定情報がバックアップされておらず、第2の機器の設定が正しく行われない。
【0007】
本開示は、画像形成装置が異なるメーカーの画像形成装置に代替えされた場合に、代替え前の画像形成装置が故障しているか否かに関わらず、ユーザーが代替え後の画像形成装置の設定を容易に行えることを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある局面に従う情報処理装置は、第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させる表示制御部と、設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行う設定部とを備える。
【0009】
好ましくは、第1設定情報は、ネットワークの設定情報、宛先の設定情報、画質の設定情報、および印刷の設定情報のうち少なくとも1つを含む。
【0010】
好ましくは、設定部は、第1設定情報を第2メーカーの画像形成装置における第2設定情報に変換する。
【0011】
好ましくは、情報処理装置は、第1設定情報を第2設定情報に変換するための変換テーブルを記憶する記憶部と、変換テーブルを編集する編集部とをさらに備える。
【0012】
好ましくは、第1設定情報は、画質の設定情報を含む。
【0013】
好ましくは、表示装置は、モバイル端末を含む。
【0014】
好ましくは、表示装置は、第2メーカーの画像形成装置が備える操作パネルを含む。
【0015】
好ましくは、情報処理装置は、複数のメーカーの中から第1メーカーの指定を受け付ける受付部をさらに備える。
【0016】
本開示の他の局面に従う設定方法は、第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させることと、設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行うこととを備える。
【0017】
本開示の他の局面に従う設定プログラムは、上述の設定方法をコンピューターに実行させる。
【0018】
本開示の他の局面に従う画像形成装置は、上述の情報処理装置を備え、上述の設定部によって設定される。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、画像形成装置が異なるメーカーの画像形成装置に代替えされた場合に、代替え前の画像形成装置が故障しているか否かに関わらず、ユーザーは代替え後の画像形成装置の設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施の形態における第1メーカーの画像形成装置と第2メーカーの画像形成装置との一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態における画像形成装置200のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態における制御装置210による画像形成装置200の設定処理の概要を示す図である。
【
図4】本実施の形態における変換テーブルの一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態における制御装置210による画像形成装置200の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本実施の形態における受付画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施の形態における他メーカーの画像形成装置用の設定画面の第1の例を示す図である。
【
図8】本実施の形態における他メーカーの画像形成装置用の設定画面の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本開示に従う実施の形態および変形例について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0022】
[実施の形態]
図1は、本実施の形態における第1メーカーの画像形成装置と第2メーカーの画像形成装置との一例を示す図である。画像形成装置100は、本開示における「第1メーカーの画像形成装置」の一例である。画像形成装置200は、本開示における「第2メーカーの画像形成装置」の一例である。画像形成装置100のメーカーは、メーカーAである。メーカーAは、本開示における「第1メーカー」の一例である。これに対し、画像形成装置200のメーカーは、メーカーAとは異なるメーカーPである。メーカーPは、本開示における「第2メーカー」の一例である。
【0023】
画像形成装置100が画像形成装置200に代替えされた場合には、ユーザーは画像形成装置200の設定を行う必要がある。画像形成装置200の設定モードは、第1モードと第2モードとを含む。
【0024】
第1モードは、他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いて設定を行うモードである。他メーカーとは、画像形成装置200のメーカーとは異なるメーカーを意味する。他メーカーは、画像形成装置100のメーカーであるメーカーAを含む。
【0025】
他メーカーの画像形成装置用の設定画面は、他メーカーの画像形成装置の操作パネルに表示される設定画面と同一でもよい。他メーカーの画像形成装置用の設定画面は、他メーカーの画像形成装置の操作パネルに表示される設定画面と同じ設定値を含むが、他メーカーの画像形成装置用の設定画面の画面構成は他メーカーの画像形成装置の操作パネルに表示される設定画面の画面構成と異なっていてもよい。
【0026】
第2モードは、画像形成装置200用の設定画面を用いて設定を行うモードである。ユーザーは、第1モードと第2モードとのいずれかのモードを選択して、画像形成装置200の設定を行う。
【0027】
図2は、本実施の形態における画像形成装置200のハードウエア構成の一例を示す図である。画像形成装置200は、制御装置210と、給紙部220と、画像形成部230と、定着部240と、操作パネル250と、通信インターフェイス260とを備える。制御装置210と、給紙部220と、画像形成部230と、定着部240と、操作パネル250と、通信インターフェイス260とは、バス299で接続されている。
【0028】
制御装置210は、本開示における「情報処理装置」の一例である。制御装置210は、プロセッサー211、メモリー212、およびストレージ213を含む。プロセッサー211は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro-Processing Unit)などで構成される。メモリー212は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ213は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはフラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で構成される。
【0029】
ストレージ213は、本開示における「記憶部」の一例である。ストレージ213は、プログラム214を記憶する。プログラム214は、画像形成装置200を制御するためのコンピューター読取可能な命令を含む。プログラム214は、本開示における「設定プログラム」を含む。プロセッサー211はプログラム214を実行することで、画像形成装置200の各部を制御し、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
【0030】
プログラム214は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う画像形成装置200の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム214によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウエアによって実現されてもよい。
【0031】
ストレージ213は、画面データ215をさらに含む。画面データ215は、後述する表示部252に表示される画面のデータである。画面データ215は、画像形成装置200用の設定画面のデータと、他メーカーの画像形成装置用の設定画面のデータとを含む。
【0032】
ストレージ213は、1つ以上の変換テーブル216をさらに含む。変換テーブル216は、他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報を画像形成装置200における第2設定情報に変換するためのテーブルである。変換テーブル216は、他メーカーのメーカー毎に設けられる。
【0033】
給紙部220は、用紙を画像形成部230に供給する。画像形成部230は、トナーまたはインクを用いて用紙に画像データに基づく画像を形成する。定着部240は、用紙を加熱および加圧して用紙に画像を定着させる。
【0034】
操作パネル250は、本開示における「表示装置」の一例である。操作パネル250は、入力部251と表示部252とを含む。入力部251は、ユーザーの操作を受け付け、当該操作を操作信号に変換してプロセッサー211に出力する。入力部251は、例えばタッチパッドである。表示部252は、画面データ215に基づく画面を表示する。表示部252は、画像形成装置200の動作ステータスや処理結果等の各種情報を表示する。表示部252は、例えば、液晶ディスプレイである。操作パネル250では、入力部251が表示部252に重ねられて配置されている。
【0035】
通信インターフェイス260は、外部装置300と情報の送受信を行う。一例として、プロセッサー211は、通信インターフェイス260を介して、外部装置300から画像データを受信する。
【0036】
図3~
図8を参照して、本実施の形態における制御装置210による画像形成装置200の設定処理について説明する。
【0037】
図3は、本実施の形態における制御装置210による画像形成装置200の設定処理の概要を示す図である。画像形成装置200は、制御装置210を備え、後述する設定部203によって設定される。
【0038】
制御装置210は、受付部201と、表示制御部202と、設定部203と、編集部204と、ストレージ213とを含む。受付部201と、表示制御部202と、設定部203と、編集部204とは、プロセッサー211がプログラム214を実行することにより実現される。
【0039】
受付部201は、ユーザーが入力部251を用いて入力した画像形成装置200の設定モードを受け付ける。第1モードの場合には、受付部201は、複数のメーカーの中から他メーカーの指定をさらに受け付ける。より具体的には、第1モードの場合には、受付部201は、ユーザーが入力部251を用いて指定した他メーカーを受け付ける。
【0040】
表示制御部202は、ストレージ213に保存されている画面データ215のうち設定モードに応じた画面データdを取得し、画面データdに基づく設定画面を表示部252に表示させる。より具体的には、設定モードが第1モードである場合には、表示制御部202は、ユーザーにより指定されたメーカーの画像形成装置用の設定画面を表示部252に表示させる。ユーザーにより指定されたメーカーがメーカーAである場合には、表示制御部202は、メーカーAの画像形成装置、すなわち画像形成装置100用の設定画面を表示部252に表示させる。
【0041】
一方、設定モードが第2モードである場合には、表示制御部202は、画像形成装置200用の設定画面を表示部252に表示させる。
【0042】
設定部203は、ユーザーが入力部251を用いて設定画面に入力した設定情報を受け付ける。
【0043】
より具体的には、設定モードが第1モードである場合には、設定部203は、他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、画像形成装置200の設定を行う。第1設定情報は、ネットワークの設定情報、宛先の設定情報、画質の設定情報、および印刷の設定情報のうち少なくとも1つを含む。
【0044】
ネットワークの設定情報は、例えば、画像形成装置200のIP(Internet Protocol)アドレスを含む。宛先の設定情報は、例えば、スキャンデータの保存先と、ファクシミリの送信先とのうち少なくとも一方を含む。画質の設定情報は、例えば、画質の設定値を含む。印刷の設定情報は、例えば、用紙の設定情報、片面印刷か両面印刷かという情報、およびカラー印刷かモノクロ印刷かという情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
設定部203は、第1設定情報のうち画像形成装置200における第2設定情報への変換が必要な設定情報を、変換テーブル216を参照して第2設定情報に変換する。第1設定情報のうち画像形成装置200における第2設定情報への変換が必要な設定情報は、例えば、画質の設定情報である。
【0046】
ここで、
図4を参照して、設定情報の変換について説明する。
図4は、本実施の形態における変換テーブルの一例を示す図である。変換テーブル216は、他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報を画像形成装置200における第2設定情報に変換するためのテーブルである。
図4には、画質の設定値に関して、メーカーAの設定値を画像形成装置200の設定値、すなわちメーカーPの設定値に変換するためのテーブルが示されている。
【0047】
図4に示す例では、メーカーAの画質の設定に使用される設定値は、「1」~「7」である。これに対し、メーカーPの画質の設定に使用される設定値は、「マイナス3」~「プラス3」である。メーカーAでは、標準的な印刷濃度を示す設定値は「4」であるのに対し、メーカーPでは、標準的な印刷濃度を示す設定値は「ゼロ」である。メーカーAの画像形成装置100を使用してきたユーザーは、メーカーPの画像形成装置200において、標準的な印刷濃度を示す設定値が「ゼロ」であることを知らない場合がある。そのような場合でも、ユーザーは第1モードおよびメーカーAを指定し、表示部252に表示されるメーカーAの画像形成装置100用の設定画面に画像形成装置100と同様の設定値を入力するだけでよい。画像形成装置100用の設定画面に入力された設定値を設定部203が画像形成装置200用の設定値に変換して、画像形成装置200の設定を行う。
【0048】
再び、
図3を参照して、設定モードが第2モードである場合には、設定部203は、画像形成装置200用の設定画面を用いてユーザーが入力した第2設定情報に基づいて、画像形成装置200の設定を行う。第2設定情報は、ネットワークの設定情報、宛先の設定情報、画質の設定情報、および印刷の設定情報のうち少なくとも1つを含む。
【0049】
編集部204は、変換テーブル216の編集指示を受け付けた場合に、変換テーブル216を編集する。変換テーブル216の編集指示は、例えば、画像形成装置200のメーカーPのサービスマンにより入力される。なお、変換テーブル216の編集指示は、ユーザーにより入力されてもよい。
【0050】
変換テーブル216は、画像形成装置200のメーカーPによって作成されている。画像形成装置200のメーカーPは、他メーカーの画像形成装置を繰り返し調査して変換テーブル216を作成する。変換テーブル216の精度を上げるためには、他メーカーの画像形成装置に対し繰り返し行われる調査の結果、および、他メーカーの画像形成装置からメーカーPの画像形成装置200に代替えしたユーザーの意見を変換テーブル216に反映させることが効果的である。制御装置210は、編集部204を備えることにより、調査の結果、および、ユーザーの意見を変換テーブル216に反映させることができる。これにより、変換テーブル216の精度が向上するため、ユーザーによる設定値の調整作業の手間が抑制される。
【0051】
図5は、本実施の形態における制御装置210による画像形成装置200の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS1において、プロセッサー211は、ユーザーが入力部251を用いて入力した画像形成装置200の設定モードを受け付ける。
【0053】
ステップS2において、プロセッサー211は、画像形成装置200の設定モードが第1モードであるか否かを判定する。画像形成装置200の設定モードが第1モードである場合には(ステップS2においてYES)、プロセッサー211は、処理をステップS3に移行する。一方、画像形成装置200の設定モードが第1モードではない場合には(ステップS2においてNO)、プロセッサー211は、処理をステップS7に移行する。
【0054】
ステップS3において、プロセッサー211は、他メーカーの指定を受け付けるための受付画面を表示部252に表示させる。
【0055】
ここで
図6を参照して、他メーカーの指定を受け付けるための受付画面について説明する。
図6は、本実施の形態における受付画面の一例を示す図である。画面G1は、他メーカーの指定を受け付けるための受付画面の一例である。画面G1は、操作パネル250の表示部252に表示される。画面G1には、複数のメーカーが表示される。ユーザーは複数のメーカーの中から使用したい設定画面のメーカーを選択する。
【0056】
再び
図5を参照して、ステップS4において、プロセッサー211は、他メーカーの指定を受け付ける。より具体的には、プロセッサー211は、ユーザーが画面G1上で選択したメーカーを指定されたメーカーとして受け付ける。
【0057】
ステップS5において、プロセッサー211は、ユーザーにより指定されたメーカーの画像形成装置用の設定画面を表示部252に表示させる。
【0058】
ここで、
図7および
図8を参照して、他メーカーとしてメーカーAが指定された場合に表示部252に表示される設定画面について説明する。
図7は、本実施の形態における他メーカーの画像形成装置用の設定画面の第1の例を示す図である。
図8は、本実施の形態における他メーカーの画像形成装置用の設定画面の第2の例を示す図である。
【0059】
画面G2は、メーカーAの画像形成装置(すなわち、画像形成装置100)用の設定画面の第1の例である。画面G3は、メーカーAの画像形成装置(すなわち、画像形成装置100)用の設定画面の第2の例である。画面G2および画面G3は、操作パネル250の表示部252に表示される。画面G2および画面G3は、画像形成装置100の操作パネルに表示される設定画面と同一でもよい。画面G2および画面G3は、画像形成装置100の操作パネルに表示される設定画面と同じ設定値を含むが、画面G2および画面G3の画面構成は画像形成装置100の操作パネルに表示される設定画面の画面構成と異なっていてもよい。
【0060】
画面G2は、設定項目の一覧が表示される画面である。ユーザーは、画面G2上の設定項目の一覧の中から設定を行いたい項目を選択する。ユーザーが画面G2上の「画質設定」を選択した場合には、画面G3が表示部252に表示される。画面G3は、画像形成装置100の画質の設定に使用される設定値「1」~「7」を含む。ユーザーは、設定値「1」~「7」のうち所望の設定値を選択する。
【0061】
再び
図5を参照して、ステップS6において、プロセッサー211は、ユーザーにより指定されたメーカーの画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、画像形成装置200の設定を行う。プロセッサー211は、画質の設定情報のように変換が必要な設定情報を、変換テーブル216を参照して、画像形成装置200用の設定情報に変換して、画像形成装置200の設定を行う。一例として、設定部203は、画面G3上で選択された設定値を画像形成装置200用の設定値に変換して、画像形成装置200の設定を行う。
【0062】
ステップS7において、プロセッサー211は、画像形成装置200用の設定画面を表示部252に表示させる。
【0063】
ステップS8において、プロセッサー211は、画像形成装置200用の設定画面を用いてユーザーが入力した第2設定情報に基づいて、画像形成装置200の設定を行う。
【0064】
ステップS6またはステップS8の後、画像形成装置200の設定処理が終了する。
【0065】
このように、本実施の形態における制御装置210は、画像形成装置200のメーカーと異なる他メーカーの画像形成装置用の設定画面を画像形成装置200の表示部252に表示させる。制御装置210は、他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、画像形成装置200の設定を行う。すなわち、画像形成装置200のメーカーと異なる他メーカーの画像形成装置が画像形成装置200に代替えされた場合に、ユーザーは他メーカーの画像形成装置用の設定画面を用いて画像形成装置200の設定を行うことができる。そのため、代替え前の画像形成装置と代替え後の画像形成装置とでメーカーが異なる場合でも、ユーザーは代替え後の画像形成装置の設定を容易に行うことができる。また、代替え前の画像形成装置が故障している場合でも、表示部252に表示される代替え前の画像形成装置用の設定画面を用いてユーザーは問題無く代替え後の画像形成装置の設定を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、画像形成装置が異なるメーカーの画像形成装置に代替えされた場合に、代替え前の画像形成装置が故障しているか否かに関わらず、ユーザーは代替え後の画像形成装置の設定を容易に行うことができる。
【0066】
本実施の形態における制御装置210は、画像形成装置200用の設定画面を画像形成装置200の表示部252に表示させることもできる。そのため、ユーザーは、画像形成装置200用の設定画面と、他メーカーの画像形成装置用の設定画面とのうち使い慣れている方の画面を用いて画像形成装置200の設定を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、ユーザーの利便性が向上する。
【0067】
[変形例1]
上記実施の形態では、画像形成装置200のメーカーと異なる他メーカーの画像形成装置用の設定画面は画像形成装置200の操作パネル250(より具体的には、表示部252)に表示されたが、他の表示部に表示されてもよい。例えば、画像形成装置200のメーカーと異なる他メーカーの画像形成装置用の設定画面は、画像形成装置200と通信可能なモバイル端末に表示されてもよい。当該モバイル端末は、本開示における「表示装置」の一例である。
【0068】
[変形例2]
上記実施の形態では、制御装置210は画像形成装置200内に設けられていたが、制御装置210は画像形成装置200外に設けられてもよい。
【0069】
[付記]
上述した実施の形態および変形例は、以下のような技術思想を含む。
【0070】
[構成1]
第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、前記第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行う設定部とを備える、情報処理装置。
【0071】
[構成2]
前記第1設定情報は、ネットワークの設定情報、宛先の設定情報、画質の設定情報、および印刷の設定情報のうち少なくとも1つを含む、構成1に記載の情報処理装置。
【0072】
[構成3]
前記設定部は、前記第1設定情報を前記第2メーカーの画像形成装置における第2設定情報に変換する、構成1に記載の情報処理装置。
【0073】
[構成4]
前記情報処理装置は、
前記第1設定情報を前記第2設定情報に変換するための変換テーブルを記憶する記憶部と、
前記変換テーブルを編集する編集部とをさらに備える、構成3に記載の情報処理装置。
【0074】
[構成5]
前記第1設定情報は、画質の設定情報を含む、構成3または構成4に記載の情報処理装置。
【0075】
[構成6]
前記表示装置は、モバイル端末を含む、構成1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0076】
[構成7]
前記表示装置は、前記第2メーカーの画像形成装置が備える操作パネルを含む、構成1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0077】
[構成8]
前記情報処理装置は、複数のメーカーの中から前記第1メーカーの指定を受け付ける受付部をさらに備える、構成1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0078】
[構成9]
第1メーカーの画像形成装置用の設定画面を表示装置に表示させることと、
前記設定画面を用いてユーザーが入力した第1設定情報に基づいて、前記第1メーカーとは異なる第2メーカーの画像形成装置の設定を行うこととを備える、設定方法。
【0079】
[構成10]
構成9に記載の設定方法をコンピューターに実行させる、設定プログラム。
【0080】
[構成11]
構成1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置を備え、前記設定部によって設定される、画像形成装置。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
100,200 画像形成装置、201 受付部、202 表示制御部、203 設定部、204 編集部、210 制御装置、211 プロセッサー、212 メモリー、213 ストレージ、214 プログラム、215,d 画面データ、216 変換テーブル、220 給紙部、230 画像形成部、240 定着部、250 操作パネル、251 入力部、252 表示部、260 通信インターフェイス、299 バス、300 外部装置、G1,G2,G3 画面。