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2024-162453情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162453
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B60R16/02 645Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077963
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西川 徳行
(57)【要約】
【課題】多種多様なサービスを提供する。
【解決手段】ユーザ端末(20)は、車両(10)に対して着脱可能に搭載される又は車両に対して着脱可能に搭載され、かつ車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、モジュールによって提供可能なサービスを車両を利用するユーザに提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラを備える情報処理装置であって、
前記コントローラは、
車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、
前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コントローラは、複数のモジュールの組合せによって提供可能なサービスを前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記車両に予め搭載されている装置と前記モジュールとの組合せによって提供可能なサービスを前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモジュールは、前記車両に搭載されている第1モジュールであり、
前記車両に搭載されていない少なくとも1つの第2モジュールが前記車両に搭載されたことを条件として、前記第1モジュールと前記第2モジュールとの組合せによって提供可能なサービスが存在する場合、前記コントローラは、前記サービスを前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のモジュールには、前記ユーザの生体情報を取得するモジュールが少なくとも1つ含まれる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コントローラを備える情報処理装置に用いられる情報処理方法であって、
前記コントローラは、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、
前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示するステップを含む、
情報処理方法。
【請求項7】
コントローラを備える情報処理装置に用いられる情報処理プログラムであって、
前記コントローラは、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、
前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項8】
コントローラを備える情報処理装置と、
車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと、を備え、
前記コントローラは、
前記モジュールと通信可能に接続され、
前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知装置によって検知された身体情報に合わせて刺激出力装置からユーザをリラックスさせるための刺激を出力させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-67620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では検知装置及び刺激出力装置について車両から取り外して他の装置に交換することなどが記載されておらず、ユーザに提供可能なサービスが限定されている。
【0005】
本開示の一態様は、多種多様なサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理装置は、コントローラを備える情報処理装置であって、前記コントローラは、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する。
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、コントローラを備える情報処理装置に用いられる情報処理方法であって、前記コントローラは、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示するステップを含む。
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理プログラムは、コントローラを備える情報処理装置に用いられる情報処理プログラムであって、前記コントローラは、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続され、前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理システムは、コントローラを備える情報処理装置と、車両に対して着脱可能に搭載される又は前記車両に対して着脱可能に搭載され、かつ前記車両に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能な、少なくとも1つのモジュールと、を備え、前記コントローラは、前記モジュールと通信可能に接続され、前記モジュールによって提供可能なサービスを前記車両を利用するユーザに提示する。
【0010】
本開示の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、多種多様なサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態1に係る車内サービス提供システムの一例を示す概略構成図である。
図2】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末のCPUの機能ブロック図である。
図4】車内サービス提供システムによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】ユーザ端末のディスプレイに表示される通知の一例である。
図6】各モジュールの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図7】各モジュールの組合せによって提供可能なサービスを説明する図である。
図8】リフレッシュサービスの他の組合せについて説明する図である。
図9】実施形態1の変形例に係るCPUの機能ブロック図である。
図10】新しいモジュールの追加によって利用可能となるサービスを示す図である。
図11】本開示の実施形態2に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図12】本開示の実施形態3に係る車内サービス提供システムの一例を示す概略構成図である。
図13】既存装置と各モジュールとの組合せによって提供可能なサービスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1に係る車内サービス提供システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0014】
(車内サービス提供システムの構成)
図1は、車内サービス提供システムの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、車内サービス提供システムは、車両10に搭載されているモジュールと、ユーザ端末20と、を含む。モジュールの詳細は後述する。図1において、車両10は1台存在するが、これに限定されず、車内サービス提供システムは2台以上の車両を含んでもよい。また、図1において、ユーザ端末20は1台存在するが、これに限定されず、車内サービス提供システムは2台以上のユーザ端末を含んでもよい。
【0015】
本実施形態において、車両10は、ライドシェアサービスで用いられる車両として説明する。ただし、これに限定されず、車両10は、自家用車として用いられる車両であってもよい。車両10には、車両10に対して着脱可能な複数のモジュールが搭載されている。ここでいう「モジュール」とは、所定の機能を有する部品を指し、車両10に対して容易に追加又は交換が可能な部品である。ここでいう「容易に追加又は交換が可能」とは、例えば、ディーラーにおいて車両10の整備を担当する担当者、又は車両10を所有するオーナーが特別な訓練をすることなく、追加又は交換が可能であることを意味する。解除することによって着脱を許容するロック機構などがモジュールに設けられていれば、モジュールの追加又は交換は容易になりうる。
【0016】
図1において、複数のモジュールの一例として、アームレストモジュール30、クッションモジュール40、ヘッドレストモジュール50、照明モジュール60、及びディスプレイモジュール70が車両10に搭載されている例を示す。以下、これらのモジュールを区別しない場合は、単に「各モジュール」と称する。
【0017】
アームレストモジュール30は、アームレストとユーザの生体情報を検知するセンサ31とが一体形成されたモジュールである。生体情報として、心拍数、体温、又は血圧などが挙げられるが、本実施形態では主に心拍数を用いて説明する。すなわち、アームレストモジュール30は、アームレストにユーザの腕が乗せられたとき、センサ31によってユーザの心拍数を検知する検知機能を有する。
【0018】
クッションモジュール40は、シートクッションと振動子41とが一体形成されたモジュールである。クッションモジュール40は、振動子41を振動させることにより、シートクッションに着座したユーザをマッサージするマッサージ機能を有する。なお、クッションモジュール40にセンサ31を設けることによって、クッションモジュール40にマッサージ機能及び検知機能を持たせてもよい。
【0019】
ヘッドレストモジュール50は、ヘッドレストとスピーカ51とが一体形成されたモジュールである。ヘッドレストモジュール50は、ユーザに対して音声で各種情報を通知したり、音楽を提供したりする機能を有する。
【0020】
照明モジュール60は、天井に取り付けられ、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)チップ61が複数設けられたモジュールである。照明モジュール60は、LEDチップ61が出力する光度及び色を制御することにより、車室内を光で照らす照明機能を有する。
【0021】
ディスプレイモジュール70は、天井に取り付け可能に構成されたディスプレイを有するモジュールである。ディスプレイモジュール70は、各種情報を表示する表示機能を有する。ディスプレイモジュール70が取り付けられる位置として、例えば、ディスプレイモジュール70は、シートに着座したユーザが視認可能な位置に取り付けられる。
【0022】
ユーザ端末20は、ライドシェアサービスを利用して車両10に乗車するユーザが所持する装置である。本実施形態では、ユーザ端末20をスマートフォンとして説明するが、これに限定されず、ユーザ端末20はタブレット端末でもよく、ウェアラブル型の装置であってもよい。
【0023】
ユーザ端末20は、アームレストモジュール30、クッションモジュール40、ヘッドレストモジュール50、照明モジュール60、及びディスプレイモジュール70と通信可能に接続される。ユーザ端末20と各モジュールとの通信方式は、特に限定されないが、例えば、各モジュールがIoT(Internet of Things)デバイスとして構成されている場合、ユーザ端末20はインターネットを介して各モジュールと通信することが可能である。また、ユーザ端末20は、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)を用いて各モジュールに接続されてもよい。
【0024】
本実施形態では、各モジュールの組合せによるサービスをユーザに提供可能となっている。車両10に搭載されるモジュールが多くなるにしたがい、その組合せも多くなり、組合せによる提供可能なサービスも増える。提供可能なサービスが増えることは、ユーザからすればサービスの選択肢が増えることになるため、歓迎される。その一方で、提供可能なサービスが増えるにしたがい、どの組合せによってどのサービスを受けることができるのかについて、ユーザが把握することが難しくなる。そこで、本実施形態では、一例として、ユーザ端末20が各モジュールの組合せによってユーザに提供可能なサービスを自動的に特定し、特定したサービスをユーザに提示する構成とした。
【0025】
(ユーザ端末20のハードウェア構成)
次に、図2を参照してユーザ端末20のハードウェア構成を説明する。図2は、ユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、ユーザ端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶装置24、通信I/F26、及びディスプレイ27を備える。各構成は、バス25を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行するコントローラである。CPU21は、ROM22又は記憶装置24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶装置24に記録されているプログラムにしたがって、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0029】
記憶装置24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリなどにより構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。具体的には、記憶装置24には、車両10に搭載されている各モジュールを制御するためのアプリケーション241がインストールされている。以下では、アプリケーション241を単に「アプリ241」と称する。アプリ241は、CPU21が記憶装置24から専用のアプリケーションプログラムを読み出して実行することで実現する。また、記憶装置24には各モジュールの組合せによって提供可能なサービスがデータベースとして記憶されている。
【0030】
ディスプレイ27は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどで構成され、各種情報を表示する。また、ディスプレイ27は、静電容量式のタッチセンサを備えており、ユーザのタッチ操作を入力操作として受け付ける入力装置としても機能する。
【0031】
通信I/F26は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組合せとして実装され、各モジュールと無線通信を行う。
【0032】
(CPU21の機能)
次に、図3を参照して、ユーザ端末20のCPU21の機能について説明する。図3は、CPU21の機能ブロック図である。図3に示すように、本実施形態のユーザ端末20では、CPU21が、専用のアプリケーションプログラムを実行することにより、モジュール特定部211、サービス検索部212、通知部213、生体情報取得部214、疲労度推定部215、及びモジュール制御部216として機能する。
【0033】
モジュール特定部211は、車両10に搭載されている各モジュールを自動的に特定する。例えば、モジュール特定部211は、各モジュールから送信される信号を受信することにより、どのモジュールが車両10に搭載されているか自動的に特定することができる。モジュール特定部211は、特定したモジュールを示す情報をサービス検索部212に出力する。
【0034】
サービス検索部212は、モジュール特定部211から取得したモジュールを示す情報を用いて、各モジュールの組合せによって提供可能なサービスを記憶装置24を参照して検索する。サービス検索部212は、検索したサービスを示す情報を通知部213に出力する。
【0035】
通知部213は、サービス検索部212から取得したサービスを示す情報をディスプレイ27に表示することによって、ユーザに通知する。
【0036】
生体情報取得部214は、ユーザの生体情報を検知可能なモジュールによって検知されたユーザの生体情報を取得する。生体情報取得部214は、取得したユーザの生体情報を疲労度推定部215に出力する。
【0037】
疲労度推定部215は、生体情報取得部214から取得したユーザの生体情報に基づいてユーザの疲労度を推定する。疲労度推定部215は、推定したユーザの疲労度をモジュール制御部216に出力する。
【0038】
モジュール制御部216は、疲労度推定部215から取得したユーザの疲労度に基づいて各モジュールの動作を制御する。
【0039】
(車内サービス提供システムによって実施される処理の流れ)
次に、図4に示すフローチャートを参照して、車内サービス提供システムによって実施される処理の流れの一例について説明する。この処理は、例えば、ユーザがライドシェアサービスを利用して予約した車両10に乗車するシーンで実施される。
【0040】
ステップS101において、ユーザは車両10に乗車する。このとき、ユーザは、アプリ241を起動させた状態で車両10に乗り込むものとする。
【0041】
ステップS102において、ユーザ端末20のCPU21は、車両10に搭載されている各モジュールを自動的に特定する。各モジュールは、自身が車両10に搭載されていることを示す信号をユーザ端末20に送信するように構成されている。
【0042】
具体的には、アームレストモジュール30は、自身が車両10に搭載されていることを示す第1信号をユーザ端末20に送信する。アプリ241が起動した状態となっていればユーザ端末20は自動的に第1信号を受信する。第1信号を受信することにより、ユーザ端末20のCPU21は、アームレストモジュール30が車両10に搭載されていることを認識できる。
【0043】
クッションモジュール40は、自身が車両10に搭載されていることを示す第2信号をユーザ端末20に送信する。アプリ241が起動した状態となっていればユーザ端末20は自動的に第2信号を受信する。第2信号を受信することにより、ユーザ端末20のCPU21は、クッションモジュール40が車両10に搭載されていることを認識できる。
【0044】
ヘッドレストモジュール50は、自身が車両10に搭載されていることを示す第3信号をユーザ端末20に送信する。アプリ241が起動した状態となっていればユーザ端末20は自動的に第3信号を受信する。第3信号を受信することにより、ユーザ端末20のCPU21は、ヘッドレストモジュール50が車両10に搭載されていることを認識できる。
【0045】
照明モジュール60は、自身が車両10に搭載されていることを示す第4信号をユーザ端末20に送信する。アプリ241が起動した状態となっていればユーザ端末20は自動的に第4信号を受信する。第4信号を受信することにより、ユーザ端末20のCPU21は、照明モジュール60が車両10に搭載されていることを認識できる。
【0046】
ディスプレイモジュール70は、自身が車両10に搭載されていることを示す第5信号をユーザ端末20に送信する。アプリ241が起動した状態となっていればユーザ端末20は自動的に第5信号を受信する。第5信号を受信することにより、ユーザ端末20のCPU21は、ディスプレイモジュール70が車両10に搭載されていることを認識できる。
【0047】
このように、ユーザ端末20のCPU21は、各モジュールから送信される第1~第5信号を受信することにより、どのモジュールが車両10に搭載されているか自動的に特定することができる。
【0048】
処理はステップS103に進み、ユーザ端末20のCPU21は、ステップS102の処理で特定された各モジュールの組合せによって提供可能なサービスを記憶装置24を参照して検索する。
【0049】
処理はステップS104に進み、ユーザ端末20のCPU21は、ステップS103の処理で検索されたサービスをユーザに通知する。ここで、図5を参照して、ユーザにサービスを通知する通知方法の一例について説明する。図5は、ユーザ端末20のディスプレイ27に表示される通知の一例である。この通知は、アプリ241の機能の1つであり、アプリ241上で行われる。
【0050】
図5に示すように、ディスプレイ27には「現在搭載されているモジュールの組合せにより、以下のサービスが利用可能です」という内容の通知271が表示される。通知271の下方には、ステップS103の処理で検索されたサービスが、ユーザが選択可能なアイコン272,273により表示される。アイコン272はリフレッシュサービスを示し、アイコン273はエンタメサービスを示す。
【0051】
「リフレッシュサービス」とは、例えば、ユーザの疲労を軽減するためのサービスである。リフレッシュサービスは、アームレストモジュール30と、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、照明モジュール60と、ディスプレイモジュール70との組合せによって提供可能なサービスである。
【0052】
「エンタメサービス」とは、例えば、映画、音楽などのエンターテインメントを提供するサービスである。なお、エンタメとはエンターテインメントの略語である。エンタメサービスは、ヘッドレストモジュール50と、ディスプレイモジュール70との組合せによって提供可能なサービスである。
【0053】
ユーザは、アイコン272又はアイコン273をタッチ操作して、所望するサービスを選択する。図5では、ユーザはアイコン272をタッチ操作して、リフレッシュサービスを選択したものとする(図4のステップS105)。
【0054】
図4に戻り、ステップS106において、ユーザ端末20のCPU21は、ユーザの選択を受け付け、ユーザによって選択されたリフレッシュサービスをユーザに提供するために各モジュールを制御する。
【0055】
(各モジュールの制御方法)
図6に示すフローチャートを参照して、リフレッシュサービスを提供するための各モジュールの制御方法の一例について説明する。
【0056】
ステップS201において、ユーザ端末20のCPU21は、アームレストモジュール30のセンサ31からユーザの生体情報を取得する。具体的には、ユーザ端末20のCPU21は、センサ31からユーザの心拍数データを取得する。
【0057】
処理はステップS202に進み、ユーザ端末20のCPU21は、ステップS201の処理で取得したユーザの心拍数データを用いてユーザの疲労度を推定する。疲労度の推定方法の一例について説明する。
【0058】
心拍数は、一般的には、1分間あたりの心臓の拍動回数として表され、単位はBPM(Beats Per Minute)である。本実施形態における心拍数も1分間あたりの心臓の拍動回数として扱う。ただし、センサ31によって検知される心拍数データは、1分間あたりではなく1秒間あたりのデータであってもよい。疲労が蓄積されている状態では、強いストレスによって交感神経が優位になっており、心拍数が大きくなる傾向がある。したがって、ユーザの心拍数データが閾値より大きい場合はユーザの疲労度は大きいと推定される。一方、ユーザの心拍数データが閾値以下である場合はユーザの疲労度は小さいと推定される。このようにユーザ端末20のCPU21は、ユーザの疲労度を推定する。なお、閾値は実験及びシミュレーションなどを通じて、適宜設定される。また、ユーザの性別、年齢などの属性に応じて閾値が設定されてもよい。
【0059】
ユーザの疲労度は大きいと推定された場合、ユーザ端末20のCPU21は、クッションモジュール40の振動子41に流す電流を大きくし、振動レベルを大きくしてユーザのマッサージを行う(ステップS203)。一方、ユーザの疲労度は小さいと推定された場合、ユーザ端末20のCPU21は、クッションモジュール40の振動子41に流す電流を小さくし、振動レベルを小さくしてユーザのマッサージを行う(ステップS203)。このようにユーザの疲労度に応じて振動レベルを変更することにより、ユーザの疲労度に適したマッサージをユーザに提供することができ、ユーザをリフレッシュさせることができる。
【0060】
また、ユーザ端末20のCPU21は、ヘッドレストモジュール50に対してヒーリングミュージックを流すための制御信号を送信し、スピーカ51からヒーリングミュージックを流す(ステップS204)。ユーザにヒーリングミュージックを提供することにより、ユーザをリフレッシュさせることができる。なお、ユーザ端末20のCPU21は、ユーザの疲労度に応じてスピーカ51から流すヒーリングミュージックの種類を変更してもよい。例えば、ユーザの疲労度は大きいと推定された場合、CPU21は、よりリラックス効果が高いヒーリングミュージックをスピーカ51から流してもよい。
【0061】
また、ユーザ端末20のCPU21は、照明モジュール60のLEDチップ61に対して光度及び色を制御するための制御信号を送信し、車室内が暖色になるように光を制御する(ステップS205)。暖色系の光はリラックス効果があるため、ユーザをリフレッシュさせることができる。なお、ユーザ端末20のCPU21は、ユーザの疲労度に応じてLEDチップ61の光度を変更してもよい。例えば、ユーザの疲労度は大きいと推定された場合、ユーザ端末20のCPU21は、LEDチップ61の光度を低くしてもよい。
【0062】
また、ユーザ端末20のCPU21は、ディスプレイモジュール70に対して癒しの映像を表示させる制御信号を送信し、癒しの映像を表示させる(ステップS206)。ユーザに癒しの映像を提供することにより、ユーザをリフレッシュさせることができる。なお、ユーザ端末20のCPU21は、ユーザの疲労度に応じて癒しの映像の種類を変更してもよい。例えば、ユーザの疲労度は大きいと推定された場合、ユーザ端末20のCPU21は、よりリラックス効果が高い癒しの映像を表示させてもよい。
【0063】
なお、ステップS203~S206の処理は、同じタイミングで行われてもよく、時間差を設けて行われてもよい。ステップS203~S206の処理を時間差を設けて行う場合、処理の順番を適宜入れ替えても構わない。
【0064】
ステップS207において、ユーザ端末20のCPU21は、リフレッシュサービスを受けたことにより生じた改善効果をユーザ端末20のディスプレイ27に表示する。例えば、ユーザ端末20のCPU21は、リフレッシュサービスを受ける前と受けた後の心拍数の推移をユーザ端末20のディスプレイ27に表示することができる。リフレッシュサービスを受けることによって小さくなった心拍数を確認することにより、ユーザは、自身がリフレッシュできたことを知ることができる。
【0065】
(他のサービス)
ユーザに提供可能なサービスは、リフレッシュサービス及びエンタメサービスに限定されない。例えば、図7に示すように、他のサービスとして、健康診断サービス及び居眠り防止サービスが挙げられる。
【0066】
健康診断サービスは、アームレストモジュール30と、ヘッドレストモジュール50との組合せによって提供可能なサービスである。健康診断サービスは、例えば、アームレストモジュール30のセンサ31によって検知された心拍数データに基づいて診断された健康状態(例えば不整脈)をヘッドレストモジュール50のスピーカ51からユーザに通知するサービスである。これにより、ユーザは自身の健康状態を知ることができる。
【0067】
居眠り防止サービスは、アームレストモジュール30と、クッションモジュール40との組合せによって提供可能なサービスである。居眠り防止サービスは、例えば、アームレストモジュール30のセンサ31によって検知された心拍数データに基づいてユーザの眠気を検知した場合、クッションモジュール40の振動子41を振動させてユーザの眠気を覚ますサービスである。これにより、ユーザの居眠りを防止することができる。
【0068】
図7に示す「入力用モジュール」とは、検知した所定のデータをユーザ端末20に送信する機能を有するモジュールを意味する。「出力用モジュール」とは、ユーザ端末20からの指示を受けて所定の出力を行うモジュールを意味する。アームレストモジュール30は、検知したユーザの生体情報をユーザ端末20に送信する機能を有するから、入力用モジュールに分類される。ヘッドレストモジュール50及びクッションモジュール40は、ユーザ端末20からの指示を受けて所定の出力を行うから出力用モジュールに分類される。
【0069】
(リフレッシュサービスの他の組合せ)
上述では、リフレッシュサービスについて、アームレストモジュール30と、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、照明モジュール60と、ディスプレイモジュール70との組合せによって提供可能なサービスである、と説明した。ただし、リフレッシュサービスは、この組合せに限定されない。例えば、リフレッシュサービスは、クッションモジュール40とヘッドレストモジュール50との組合せによって提供されてもよい。
【0070】
また、リフレッシュサービスは、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、ディスプレイモジュール70との組合せによって提供されてもよい。また、リフレッシュサービスは、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、ディスプレイモジュール70と、照明モジュール60との組合せによって提供されてもよい。
【0071】
このような組合せでリフレッシュサービスが提供される場合、例えば図8のようにユーザ端末20のディスプレイ27にサービス内容が通知される。図8は、リフレッシュサービスの他の組合せについて説明する図である。アイコン274は、リフレッシュサービスの1つである「リフレッシュサービス No.1」を示し、ユーザが選択可能なアイコンである。アイコン274の下方には、「リフレッシュサービス No.1」の内容を示す通知275が表示される。「リフレッシュサービス No.1」とは、リフレッシュサービスが、クッションモジュール40とヘッドレストモジュール50との組合せによって提供される場合のサービス名称である。したがって、「リフレッシュサービス No.1」のサービス内容は、通知275に示すように、クッションモジュール40によって提供されるマッサージ、及び、ヘッドレストモジュール50によって提供されるヒーリングミュージックとなる。
【0072】
アイコン276は、リフレッシュサービスの1つである「リフレッシュサービス No.2」を示し、ユーザが選択可能なアイコンである。アイコン276の下方には、「リフレッシュサービス No.2」の内容を示す通知277が表示される。「リフレッシュサービス No.2」とは、リフレッシュサービスが、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、ディスプレイモジュール70との組合せによって提供される場合のサービス名称である。したがって、「リフレッシュサービス No.2」のサービス内容は、通知277に示すように、クッションモジュール40によって提供されるマッサージ、ヘッドレストモジュール50によって提供されるヒーリングミュージック、及び、ディスプレイモジュール70によって提供される癒しの映像となる。
【0073】
アイコン278は、リフレッシュサービスの1つである「リフレッシュサービス No.3」を示し、ユーザが選択可能なアイコンである。アイコン278の下方には、「リフレッシュサービス No.3」の内容を示す通知279が表示される。「リフレッシュサービス No.3」とは、リフレッシュサービスが、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、ディスプレイモジュール70と、照明モジュール60との組合せによって提供される場合のサービス名称である。したがって、「リフレッシュサービス No.3」のサービス内容は、通知279に示すように、クッションモジュール40によって提供されるマッサージ、ヘッドレストモジュール50によって提供されるヒーリングミュージック、ディスプレイモジュール70によって提供される癒しの映像、及び、照明モジュール60によって提供されるリラックスライトとなる。
【0074】
アイコン274,276,又は278をタッチ操作することにより、ユーザは、様々なモジュールの組合せによって提供されるサービスの中から所望するサービスを選択することができる。なお、図8で示したリフレッシュサービス No.1~No.3において、アームレストモジュール30を使用していない。これは、図7で説明した「入力用モジュール」はサービスを提供する際に必須ではないことを意味する。すなわち、リフレッシュサービスを提供する際に、ユーザの疲労度を考慮することは必須ではなく、ユーザの疲労度に関係なく、リフレッシュサービスを提供してもよい。この場合、ユーザ端末20のCPU21は、予め設定された内容に基づいてクッションモジュール40の振動子41を制御したり、照明モジュール60のLEDチップ61を制御したりすることができる。
【0075】
(実施形態1の変形例)
次に、図9~10を参照して、実施形態1の変形例について説明する。
【0076】
図9は、変形例に係るユーザ端末20のCPU21の機能ブロック図である。図9に示すように、変形例に係るユーザ端末20のCPU21は、専用のアプリケーションプログラムを実行することにより、さらに提案部217として機能する。
【0077】
提案部217は、車両10に搭載されている各モジュールとは別に、新しいモジュールを追加することによって利用可能となるサービスをユーザに提案する。具体的には、提案部217は、外部のサーバにアクセスして、車両10に搭載されている各モジュールとは別に、車両10に追加可能な新しいモジュールの情報を取得するとともに、新しいモジュールを追加することによって利用可能となるサービスの情報を取得する。
【0078】
図10は、新しいモジュールの追加によって利用可能となるサービスを示す図である。図10に示すように、新しいモジュールであるテーブルモジュール80を追加する前は、上述で説明したように、アームレストモジュール30と、クッションモジュール40と、ヘッドレストモジュール50と、照明モジュール60と、ディスプレイモジュール70との組合せによって、リフレッシュサービスが利用可能である。
【0079】
新しいモジュールである「テーブルモジュール80」は、荷物を載置可能なテーブルと、アロマディフューザーに代表される、香りを車室内に拡散する器具とが一体形成されたテーブル形状のモジュールである。アームレストモジュール30、クッションモジュール40、ヘッドレストモジュール50、照明モジュール60、及びディスプレイモジュール70に対してさらにテーブルモジュール80を組み合わせることにより、「香り付きリフレッシュサービス」という新しいサービスを利用可能となる。提案部217は、新しいサービスである香り付きリフレッシュサービスをユーザに提案する。提案方法は特に限定されず、アプリ241上で通知することにより提案してもよく、ユーザにメールで通知することにより提案してもよい。
【0080】
このような提案は、例えば、ユーザが自家用車を所有している場合、新しいモジュールの購入意欲の向上に繋がる。ユーザは、新しいモジュールを購入すれば、新しいサービスを受けることができるからである。
【0081】
また、提案部217は、車両10を所有するオーナーに対して、新しいモジュールを組み合わせることにより新しいサービスが利用可能になることを提案してもよい。オーナーは、新しいモジュールを購入することにより、ライドシェアサービスを利用するユーザに対して、新しいサービスが利用可能であることをアピールすることができる。このアピールは集客に寄与する。したがって、このような提案は新しいモジュールの購入意欲の向上に繋がる。
【0082】
なお、上述した健康診断サービスは、例えば、アームレストモジュール30にスピーカ51が一体形成されていれば、単一のモジュールで提供可能なサービスとなる。センサ31によって検知された心拍数データに基づいて診断された健康状態をスピーカ51からユーザに通知することができるからである。また、上述したリフレッシュサービスは、例えば、クッションモジュール40にセンサ31が一体形成されていれば、単一のモジュールで提供可能なサービスとなる。センサ31によって検知された心拍数データに基づいて推定された疲労度に応じて振動子41を振動させ、ユーザにマッサージを提供できるからである。
【0083】
(作用効果)
以上説明したように、実施形態1によれば、以下の作用効果が得られる。
【0084】
情報処理装置であるユーザ端末20は、車両10に対して着脱可能に搭載される、少なくとも1つのモジュールと通信可能に接続される。ユーザ端末20は、少なくとも1つのモジュールによって提供可能なサービスを車両10を利用するユーザに提示する。
【0085】
モジュールは、車両10に対して容易に着脱が可能であるから、様々なモジュールを車両10に取り付けることができる。取り付けられたモジュールによって提供可能なサービスを提示することは、多種多様なサービスの提供に繋がる。
【0086】
また、少なくとも1つのモジュールは、車両10に対して着脱可能に搭載され、かつ車両10に搭載された状態では通電の有無によって機能のオン及びオフが可能であってもよい。
【0087】
また、ユーザ端末20は、複数のモジュールの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示してもよい。
【0088】
上記構成によれば、どのモジュールの組合せによってどのサービスを受けることができるのかについて、ユーザは容易に把握することができる。
【0089】
現在、車両10に搭載されている少なくとも1つのモジュールを第1モジュールとする。また、現在、車両10に搭載されていない少なくとも1つのモジュールを第2モジュールとする。第2モジュールが車両10に搭載されたことを条件として、第1モジュールと第2モジュールとの組合せによって提供可能なサービスが存在する場合、ユーザ端末20は、このサービスをユーザに提示してもよい。
【0090】
ユーザは、新しいモジュールを購入すれば、新しいサービスを受けることができるから、新しいモジュールの購入意欲の向上に繋がる。なお、第1モジュール及び第2モジュールは複数存在してもよい。
【0091】
複数のモジュールには、ユーザの生体情報を取得するモジュールが少なくとも1つ含まれてもよい。
【0092】
上記構成によれば、ユーザの生体情報に適したサービスをユーザに提供することができる。なお、ユーザの生体情報を取得するモジュールの一例は、図7に示した入力用モジュールである。
【0093】
〔実施形態2〕
次に、図11を参照して、実施形態2について説明する。実施形態2が実施形態1と異なるのは、各モジュールと通信して制御する主体がユーザ端末20ではなく、車両10に搭載された制御装置90であることである。以下、相違点を中心に説明する。
【0094】
(制御装置90のハードウェア構成)
図11は、制御装置90のハードウェア構成を示すブロック図である。図11に示すように、制御装置90は、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、及び入出力I/F96を備える。各構成は、バス95を介して相互に通信可能に接続されている。CPU91、ROM92、RAM93、及び記憶装置94については、図2で説明したCPU21、ROM22、RAM23、及び記憶装置24と同様であるため説明を省略する。
【0095】
入出力I/F96は、各モジュールと通信するためのインターフェースである。このインターフェースとしては、例えば、CAN(Controller Area Network)プロトコルによる通信規格が用いられる。なお、各モジュールは、バス95に対して直接接続されてもよい。
【0096】
制御装置90のCPU91は、ユーザ端末20のCPU91と同様に、各モジュールを特定したり、各モジュールの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示したりする機能を有する。ユーザへのサービスの提示は、例えば、ナビゲーション装置97のディスプレイに図5で示した表示と同様の内容を表示することによって実現すればよい。
【0097】
ユーザ端末20の代わりに、制御装置90を用いて各モジュールを制御する利点として、ユーザはユーザ端末20にアプリ241をインストールする必要がなくなること、又はユーザ端末20を所持していないユーザでもサービスを利用することができるようになること、などが挙げられる。また、既存のCANプロトコルを用いることにより、各モジュールとの通信及び制御を容易に行うことができる。
【0098】
〔実施形態3〕
次に、図12~13を参照して、実施形態3について説明する。実施形態3が実施形態1と異なるのは、既存装置とモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示する点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0099】
実施形態1では、モジュール同士の組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示した。実施形態3では、モジュール同士の組合せではなく、既存装置とモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示する。
【0100】
実施形態3における「既存装置」とは、車両10に予め搭載されている装置を意味する。より具体的には、既存装置は、車両10が納車されたときに搭載されていた装置と定義されてもよい。あるいは、既存装置は、故障又は寿命などで交換する場合を除き、通常は交換することを想定されていない装置と定義されてもよい。
【0101】
図12は、実施形態3に係る車内サービス提供システムの概略構成図である。図12では、LEDチップ66を有するルームライト65が既存装置に該当する。したがって、図12では、4つのモジュール(アームレストモジュール30、クッションモジュール40、ヘッドレストモジュール50、及びディスプレイモジュール70)と、既存装置であるルームライト65が車両10に搭載されている。
【0102】
実施形態3において、ユーザ端末20は、各モジュールだけでなく、既存装置とも通信可能に接続される。すなわち、ユーザ端末20は、既存装置であるルームライト65とも通信可能に接続される。ユーザ端末20は、ルームライト65が既存装置であることを特定したり、LEDチップ66を制御してルームライト65が照射する光を調光したりすることができる。なお、ルームライト65が既存装置であるか否かの特定については、例えばルームライト65から既存装置であることを示す識別信号をユーザ端末20が受信することにより実現する。
【0103】
既存装置であるルームライト65と各モジュールとの組合せによって提供可能なサービスは記憶装置24に記憶されている。ユーザ端末20は、記憶装置24を参照することによりルームライト65と各モジュールとの組合せによって提供可能なサービスを検索する。ユーザ端末20は、検索によって得られたサービスをユーザに提示する。
【0104】
図13は、既存装置と各モジュールとの組合せによって提供可能なサービスの一例を示す図である。図13に示すように、既存装置であるルームライト65と、アームレストモジュール30との組合せによりリフレッシュサービスが提供可能となっている。このリフレッシュサービスでは、ユーザの疲労度に応じて照明を変更することによりユーザをリフレッシュすることができる。
【0105】
情報処理装置であるユーザ端末20は、車両10に予め搭載されている既存装置とモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示する。上記構成によれば、多種多様なサービスをユーザに提供できる。
【0106】
なお、ユーザ端末20は、少なくとも1つの既存装置と少なくとも1つのモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示してもよい。また、ユーザ端末20は、複数の既存装置と少なくとも1つのモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示してもよい。また、ユーザ端末20は、少なくとも1つの既存装置と複数のモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示してもよい。また、ユーザ端末20は、複数の既存装置と複数のモジュールとの組合せによって提供可能なサービスをユーザに提示してもよい。
【0107】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ユーザ端末20又は制御装置90としての機能は、ユーザ端末20又は制御装置90としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、ユーザ端末20又は制御装置90の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0108】
この場合、ユーザ端末20又は制御装置90は、プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。コンピュータがプログラムを実行することにより、各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0109】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータが読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、ユーザ端末20又は制御装置90が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介してユーザ端末20又は制御装置90に供給されてもよい。
【0110】
また、各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0111】
また、各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIはユーザ端末20又は制御装置90で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバなど)で動作するものであってもよい。
【0112】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0113】
上述の実施形態1では、ユーザが車両10に乗車する際に、又は乗車した後に、ユーザが所持するユーザ端末20によって車両10に搭載されている各モジュールが特定され、各モジュールの組合せによるサービスをユーザに提示する構成を説明した。この構成に限定されず、例えば、ユーザがライドシェアサービスを利用して車両10を予約する際に、ユーザ端末20によって車両10に搭載されている各モジュールが特定され、各モジュールの組合せによるサービスをユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは車両10を予約する際に、利用可能なサービスを知ることができる。なお、車両10を予約する際に、車両10に搭載されている各モジュールを特定する方法として、各モジュールがIoTデバイスとして構成されていれば、ユーザ端末20はインターネットを介して各モジュールを特定することができる。
【0114】
また、車両10に搭載されている各モジュールが特定されたとき、ユーザ端末20のCPU21又は制御装置90のCPU91は、各モジュールへの通電を行い、各モジュールを機能させてもよい。このとき、ユーザが課金することで所定のモジュールへ通電してそのモジュールを機能させることにより有料のサービスが受けられるシステムである場合、ユーザは、新しいモジュールを購入することなく、新しいサービスを受けることができる。なお、「通電の有無によって機能のオン及びオフが可能」とは、例えばアームレストモジュール30で説明すれば、通電すれば心拍数の検知機能がオンとなり、通電がなくなれば心拍数の検知機能がオフとなることを意味する。
【符号の説明】
【0115】
10 車両
20 ユーザ端末
30 アームレストモジュール
40 クッションモジュール
50 ヘッドレストモジュール
60 照明モジュール
70 ディスプレイモジュール
80 テーブルモジュール
90 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13