(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162456
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】地図情報記憶装置、地図情報記憶用コンピュータプログラム及び地図情報記憶方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/0968 20060101AFI20241114BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20241114BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241114BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G08G1/0968 B
G09B29/10 Z
G09B29/00 Z
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077970
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】高野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】万代 悠作
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB02
2C032HC08
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB23
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF36
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
2F129FF72
2F129GG03
2F129GG04
2F129GG05
2F129GG06
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH33
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF40
5H181LL09
5H181MB04
(57)【要約】
【課題】地図情報が提供される領域の終端を確認するための情報の数を低減して地図情報を記憶できる地図情報記憶装置を提供する。
【解決手段】地図情報記憶装置は、複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶装置であって、車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、且つ、第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を記憶する記憶部を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶装置であって、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する記憶部を有する、
ことを特徴とする地図情報記憶装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第1区間においては、車線を区画する左右の車線区画線を表す前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、車線を区画する左の車線区画線、右の車線区画線、及び、車線の中央を表す中央線のうちの何れかの線を表す前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記第1区間の終端から、前記車線位置情報によって表される前記第2区間の終端までの距離を表す情報を含み、
車両の現在位置から前記第2区間の終端までの距離が、所定の基準距離未満である場合、前記第2区間の終端を、前記地図情報が提供される領域の終端であると判定する判定部を有する、請求項2に記載の地図情報記憶装置。
【請求項4】
前記第1区間及び前記第2区間における車線は、複数の車線区間の連なりで表されており、
前記記憶部は、複数の車線区間のそれぞれの長さを記憶しており、
前記第1区間の始端から前記第2区間の終端までの距離は、前記第1区間の始端と前記第2区間の終端との間の複数の車線区間のそれぞれの長さの和で表される、請求項3に記載の地図情報記憶装置。
【請求項5】
前記第2区間の前記車線位置情報は、所定の閾値を超える曲率を有する車線の位置の曲率を含む、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項6】
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力する入力部を有し、
前記記憶部は、前記第1区間においては、前記入力部により入力された車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記入力部により入力された前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項7】
前記第1区間及び前記第2区間において、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を取得し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を取得する取得部を有し、
前記記憶部は、前記第1区間においては、前記取得部により取得された車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記取得部により取得された前記地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項8】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶用コンピュータプログラムであって、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力し、
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶部に記憶し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を前記記憶部に記憶する、
ことを含む処理をプロセッサに実行させる、ことを特徴とする地図情報記憶用コンピュータプログラム。
【請求項9】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶方法であって、
地図情報記憶装置が、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力し、
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する、
ことを含む、ことを特徴とする地図情報記憶方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地図情報記憶装置、地図情報記憶用コンピュータプログラム及び地図情報記憶方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動制御システムは、車両を制御するために、車両の現在位置を含む所定の区間の高精度地図情報を用いる(例えば、特許文献1参照)。自動制御システムは、車両の現在位置を含む所定の区間の高精度地図情報を、サーバから受信して記憶する。
【0003】
高精度地図情報は、車線、道路の曲率、他の道路特徴物を表す情報等を含んでいるが、中でも車線に関する情報量が多い。車線は、車線の位置を表す複数の車線位置情報の連なりにより表される。
【0004】
自動制御システムは、高精度地図情報が用意されていない領域では車両を制御できないので、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認しながら車両を走行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、車両の現在位置から高精度地図情報が提供される領域の終端までの情報を全て記憶すると、大きな記憶容量の記憶部が必要であった。一方、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を確認するためには、提供される領域の終端までの全ての高精度地図情報を必要とはしない。
【0007】
そこで、本開示は、地図情報が提供される領域の終端を確認するための情報の数を低減して地図情報を記憶できる地図情報記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)一の実施形態によれば、地図情報記憶装置が提供される。この地図情報記憶装置は、複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶装置であって、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、且つ、第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を記憶する記憶部を有する、ことを特徴とする。
【0009】
(2)また、(1)の地図情報記憶装置では、記憶部は、第1区間においては、車線を区画する左右の車線区画線を表す車線位置情報を記憶し、第2区間においては、車線を区画する左の車線区画線、右の車線区画線、及び、車線の中央を表す中央線のうちの何れかの線を表す車線位置情報を記憶することが好ましい。
【0010】
(3)(2)の地図情報記憶装置では、記憶部は、第1区間の終端から、車線位置情報によって表される第2区間の終端までの距離を表す情報を含み、
車両の現在位置から第2区間の終端までの距離が、所定の基準距離未満である場合、第2区間の終端を、地図情報が提供される領域の終端であると判定する判定部を有することが好ましい。
【0011】
(4)(3)の地図情報記憶装置では、第1区間及び第2区間における車線は、複数の車線区間の連なりで表されており、記憶部は、複数の車線区間のそれぞれの長さを記憶しており、第1区間の始端から第2区間の終端までの距離は、第1区間の始端と第2区間の終端との間の複数の車線区間のそれぞれの長さの和で表されることが好ましい。
【0012】
(5)(1)から(4)の地図情報記憶装置では、第2区間の車線位置情報は、所定の閾値を超える曲率を有する車線の位置の曲率を含むことが好ましい。
【0013】
(6)(1)から(5)の地図情報記憶装置では、第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を入力し、且つ、第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を入力する入力部を有し、記憶部は、第1区間においては、入力部により入力された車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、第2区間においては、入力部により入力された地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を記憶することが好ましい。
【0014】
(7)(1)から(5)の地図情報記憶装置では、第1区間及び第2区間において、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を入力し、且つ、第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を取得し、第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を取得する取得部を有し、記憶部は、第1区間においては、取得部により取得された車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、第2区間においては、取得部により取得された地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を記憶することが好ましい。
【0015】
(8)他の実施形態によれば、地図情報記憶用コンピュータプログラムが提供される。この地図情報記憶用コンピュータプログラムは、複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶用コンピュータプログラムであって、車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を入力し、且つ、第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を入力し、第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶部に記憶し、第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を記憶部に記憶する、ことを含む処理をプロセッサに実行させる、ことを特徴とする。
【0016】
(9)また他の実施形態によれば、地図情報記憶方法が提供される。この地図情報記憶方法は、複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶方法であって、地図情報記憶装置が、両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を入力し、且つ、第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を入力し、第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、第2区間においては、地図情報が提供される領域の終端を確認し、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を記憶する、ことを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る地図情報記憶装置は、地図情報が提供される領域の終端を確認するための情報の数を低減して地図情報を記憶できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態の地図情報記憶装置の動作の概要を説明する図である。
【
図2】本実施形態の地図情報記憶装置を含む地図情報記憶システムの地図情報記憶処理に関するシーケンス図である。
【
図3】本実施形態の地図情報記憶装置が実装される車両の概略構成図である。
【
図4】本実施形態のサーバのハードウェア構成図である。
【
図5】本実施形態の地図情報記憶装置の記憶処理に関する動作フローチャートの一例である。
【
図6】(A)は、道路区間管理表を説明する図であり、(B)は、車線区間管理表を説明する図である。
【
図7】(A)は、第1区間の一部の車線区間を示す図であり、(B)は、第2区間の複数の車線区間を示す図である。
【
図8】本実施形態の地図情報記憶装置の判定処理に関する動作フローチャートである。
【
図9】サーバの送信処理の動作フローチャートの一例である。
【
図10】本実施形態の地図情報記憶装置の変型例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本実施形態の地図情報記憶装置11の動作の概要を説明する図である。本実施形態の地図情報記憶装置11を含む地図情報記憶システム1は、少なくとも一つの車両10と、サーバ70とを有する。
【0020】
車両10は、無線基地局80(以下、マクロセル基地局80ともいう)にアクセスすることで、マクロセル基地局80及び通信ネットワーク60を介してサーバ70と接続される。マクロセル基地局80は、通信ネットワーク60とゲートウェイ(図示せず)等を介して接続する。
【0021】
なお、
図1では、一つの車両10のみが示されているが、地図情報記憶システム1は複数の車両10を有してもよい。同様に、複数のマクロセル基地局80が通信ネットワーク60に接続されていてもよい。
【0022】
車両10には、地図情報記憶装置11及び自動制御装置14が実装される。地図情報記憶装置11は、車両10の現在位置等を推定するのに用いる地図情報を記憶する。地図情報は、車線、道路の曲率、他の道路特徴物を表す情報等を含む。
【0023】
自動制御装置14は、自動制御装置14が主体となって車両10を運転する自動運転モードと、ドライバが主体となって車両10を運転する手動運転モードとを有する。車両10は、現在、自動制御装置14によって自動運転モードで運転されている。
【0024】
図1に示す例において、車両10は、道路50の車線51上を走行している。車線51は、車線区画線52及び車線区画線53により区画される。車両10のナビルートRは、道路50を走行することを示している。
【0025】
地図情報では、車線区画線は、複数の点の連なりで表される。各点の位置は、例えば世界座標系で表された緯度及び経度の座標で表される。本明細書では、車線区画線を表す点の位置を表す情報を、車線位置情報ともいう。車線位置情報は、緯度及び経度と共に、高さを表す情報を有していてもよい。
【0026】
地図情報記憶装置11は、車両10の現在位置を含む地図情報を、自動制御装置14へ出力する。自動制御装置14は、この地図情報等に基づいて、車両10の位置を推定して、車両を制御する。また、地図情報記憶装置11は、車両10の移動にともなって、車両10の現在位置を含む所定の範囲の高精度地図情報を、サーバ70から受信して記憶する。
【0027】
図2は、本実施形態の地図情報記憶装置11を含む地図情報記憶システム1の地図情報記憶処理に関するシーケンス図である。地図情報記憶システム1は、車両10から地図情報の送信を求める送信要求を受信する度に、
図2に示されるシーケンス図に従って地図情報記憶処理を実行する。
【0028】
まず、地図情報記憶装置11は、所定の周期で設定される地図情報更新時刻に、車両10の現在位置P及びナビルートRと共に、地図情報の送信を要求する送信要求を、マクロセル基地局80及び通信ネットワーク60を介してサーバ70へ送信する(ステップS101)。
【0029】
次に、サーバ70は、車両10の現在位置P及びナビルートRと、サーバ70が有する高精度地図情報に基づいて、区間地図情報を作成する(ステップS102)。この区間地図情報は、車両10の現在位置Pから車両10の進行方向に向かった所定の範囲の高精度地図情報を含む。区間地図情報は、車両10の移動にともなって、そこに含まれる地図の範囲が変化する。高精度地図情報は、地図制作者によりサーバ70に提供されている。
【0030】
次に、サーバ70は、区間地図情報を、通信ネットワーク60及びマクロセル基地局80を介して地図情報記憶装置11へ送信する(ステップS103)。
【0031】
地図情報記憶装置11は、区間地図情報を受信して記憶して(ステップS104)、一連の処理を終了する。車両10の現在位置Pから車両10の進行方向に向かった第1区間D1においては、区間地図情報は、自動制御装置14がナビルートRに沿って車両10を制御するのに必要な数の車線位置情報を有する。第1区間D1の終端位置は、例えば、車両10の現在位置Pから200mから400mの位置である。
【0032】
図1に示すように、第1区間D1の区間地図情報では、車線区画線52、53は、複数の点S1の連なりで表される。実際には、第1区間D1の区間地図情報は、車線区画線52、53を表す一対の点の連なりを表す車線位置情報を有するが、
図1では、一対の点を、点S1で示している。
【0033】
これらの複数の点S1は、自動制御装置14がナビルートRに沿って車両10を制御することが可能な数で提供される。各点S1の位置は、車線位置情報で表される。第1区間D1の区間地図情報には、第1区間D1の始端と終端との間に含まれる車線区画線52、53の位置を表す複数の点S1の車線位置情報が含まれる。
【0034】
地図情報記憶装置11は、車両10の移動にともなって、第1区間D1に含まれる区間地図情報のうち、車両10の現在位置を含む相対的に狭い領域の地図情報を、自動制御装置14へ出力する。自動制御装置14は、この地図情報等に基づいて車両10を制御する。
【0035】
また、第1区間D1の終端から車両10の進行方向に向かった第2区間D2においては、区間地図情報は、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を有する。また、区間地図情報は、車両10を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を有する。
【0036】
第2区間D2の終端は、通常、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離だけ先の位置である。地図終端判定距離は、車両10の現在位置Pから進行方向の前方において地図情報が提供されているか否かを判定する距離である。地図終端判定距離は、例えば、700mから1000mである。第2区間D2の区間地図情報は、ナビルートに沿って車両10を走行させることに必要な数の車線位置情報を有していない。
【0037】
図1に示す例では、第2区間D2の区間地図情報には、第2区間D2の終端における車線区画線52、53の位置を表す点S2の車線位置情報が含まれる。第2区間D2の区間地図情報には、第2区間のD2の終端以外の位置における車線区画線52、53を表す車線位置情報は含まれない。
【0038】
第1区間D1の終端から地図終端判定距離の位置までの高精度地図情報が提供されている場合、サーバ70は、高精度地図情報に基づいて、第1区間D1の終端から地図終端判定距離の位置までの第2区間D2の区間地図情報を作成する。
【0039】
サーバ70から受信した区間地図情報が、第2区間D2の終端位置の車線位置情報を含む場合、地図情報記憶装置11は、車両10の現在位置Pから第2区間D2の終端まで、高精度地図情報が提供されていると判定する。
【0040】
一方、車両10が高精度地図情報の提供されている地域から高精度地図情報が提供されていない地域へ移動する場合、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離だけ先の位置の高精度地図情報が提供されていないことがある。
【0041】
この場合、サーバ70は、高精度地図情報が提供されている終端までの地図情報に基づいて、第2区間D2の区間地図情報を作成するので、第2区間D2の区間地図情報の終端は、高精度地図情報が提供される領域の終端と一致する。
【0042】
サーバ70から受信した第2区間D2の区間地図情報が、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離だけ先の位置の車線位置情報を含まない場合、地図情報記憶装置11は、第2区間D2の終端は、高精度地図情報が提供される領域の終端を示すと判定する。
【0043】
第2区間D2の終端が高精度地図情報の提供される領域の終端を示すと判定した場合、地図情報記憶装置11は、自動運転モードが終了することを表す終了通知を、自動制御装置14へ通知する。自動制御装置14は、車両10が高精度地図情報の提供される領域の終端へ到達する前に、手動運転モードへ移行する。
【0044】
第2区間D2の区間地図情報は、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数だけ車線位置情報を有していればよい。第2区間D2の区間地図情報は、ナビルートRに沿って車両10を走行させることには用いられないので、第1区間D1におけるような多数の車線位置情報を有していなくてよい。そのため、地図情報記憶装置11は、大きな記憶容量を必要とする車線位置情報を記憶する数を大きく低減できる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の地図情報記憶装置11は、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を確認するための情報の数を低減して地図情報を記憶できる。
【0046】
図3は、本実施形態の地図情報記憶装置11が実装される車両10の概略構成図である。車両10は、カメラ2と、通信装置3と、測位情報受信機4と、ナビゲーション装置5と、ユーザインターフェース(UI)6と、地図情報記憶装置11と、位置推定装置12と、物体検出装置13と、自動制御装置14等とを有する。更に、車両10は、LiDARセンサといった、車両10の周囲の物体までの距離を測定するための測距センサ(図示せず)を有してもよい。
【0047】
カメラ2と、通信装置3と、測位情報受信機4と、ナビゲーション装置5と、UI6と、地図情報記憶装置11と、位置推定装置12と、物体検出装置13と、自動制御装置14とは、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク15を介して通信可能に接続される。
【0048】
カメラ2は、車両10に設けられる撮像部の一例である。カメラ2は、車両10の前方を向くように、車両10に取り付けられる。カメラ2は、例えば所定の周期で、車両10の前方の所定の領域の環境が表されたカメラ画像を撮影する。カメラ画像には、車両10の前方の所定の領域内に含まれる道路と、その路面上の車線区画線等の道路特徴物が表わされ得る。カメラ2は、CCDあるいはC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。
【0049】
カメラ2は、カメラ画像を撮影する度に、カメラ画像及びカメラ画像が撮影されたカメラ画像撮影時刻を、車内ネットワーク15を介して、位置推定装置12及び物体検出装置13等へ出力する。カメラ画像は、位置推定装置12において、車両10の位置を推定する処理に使用される。また、カメラ画像は、物体検出装置13において、車両10の周囲の物体を検出する処理に使用される。
【0050】
通信装置3は、装置通信部の一例であり、地図情報記憶装置11等をマクロセル基地局80に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信装置3は、サーバ70と、マクロセル基地局80及び通信ネットワーク60を介して通信可能に構成される。
【0051】
測位情報受信機4は、車両10の現在位置を表す測位情報を出力する。例えば、測位情報受信機4は、GNSS受信機とすることができる。測位情報受信機4は、所定の受信周期で測位情報を取得する度に、測位情報及び測位情報を取得した測位情報取得時刻を、ナビゲーション装置5及び地図情報記憶装置11等へ出力する。
【0052】
ナビゲーション装置5は、ナビゲーション用地図情報と、UI6から入力された車両10の目的位置と、測位情報受信機4から入力された車両10の現在位置を表す測位情報とに基づいて、車両10の現在位置から目的位置までのナビルートRを生成する。ナビルートRは、右折、左折、合流、分岐等の位置に関する情報を含む。ナビゲーション用地図では、道路は、複数の道路リンクがノードにより接続されることで表される。各ノード及び各道路リンクは、識別情報を用いて識別される。道路リンク及びノードの位置は、例えば、所定の位置を原点とする世界座標系で表される。ナビゲーション装置5は、目的位置が新しく設定された場合、又は、車両10の現在位置がナビルートRから外れた場合等に、車両10のナビルートRを新たに生成する。ナビゲーション装置5は、ナビルートRを生成する度に、そのナビルートRを、車内ネットワーク15を介して、地図情報記憶装置11及び位置推定装置12等へ出力する。
【0053】
UI6は、通知部の一例である。UI6は、ナビゲーション装置5及び自動制御装置14等に制御されて、車両10の走行情報、自動運転モードが終了することを表す終了通知等をドライバへ通知する。車両10の走行情報は、車両の現在位置、ナビルート等の車両の現在及び将来の経路に関する情報等を含む。また、UI6は、走行情報等をドライバへ通知するための音響出力装置(図示せず)を有していてもよい。UI6は、走行情報等を表示するために、液晶ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置6aを有する。
【0054】
また、UI6は、ドライバから車両10に対する操作に応じた操作信号を生成する。UI6は、ドライバから車両10への操作情報を入力する入力装置として、例えば、タッチパネル又は操作ボタンを有する。操作情報として、例えば、目的位置、経由地、車両速度及びその他の車両10の制御情報等が挙げられる。UI6は、入力された操作情報を、車内ネットワーク15を介してナビゲーション装置5及び自動制御装置14等へ出力する。
【0055】
地図情報記憶装置11は、制御処理と、更新処理と、算出処理と、判定処理とを実行する。そのために、地図情報記憶装置11は、通信インターフェース(IF)21と、メモリ22と、プロセッサ23とを有する。通信インターフェース21と、メモリ22と、プロセッサ23とは、信号線24を介して接続されている。通信インターフェース21は、地図情報記憶装置11を車内ネットワーク15に接続するためのインターフェース回路を有する。
【0056】
地図情報記憶装置11が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ23は、制御部231と、更新部232と、算出部233と、判定部234とを有する。あるいは、プロセッサ23が有する機能モジュールは、プロセッサ23に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ23は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。メモリ22は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ22は、プロセッサ23により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。
【0057】
メモリ22は、上述した第1区間D1において、車両10の現在位置を含む相対的に広い範囲の広域の位置推定用の区間地図情報を記憶する。区間地図情報は、路面の3次元情報と、道路上の車線区画線を表す車線位置情報、他の道路特徴物、構造物の種類及び位置を表す情報と、道路の法定速度等を含む高精度地図情報を有する。自動制御装置14は、メモリ22に記憶される高精度地図情報に基づいて、車両10を制御する。高精度地図情報が提供されていない領域では、自動制御装置14は、自動運転モードでの車両10の運転は許容されない。
【0058】
また、メモリ22は、上述した第2区間D2において、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報を有する。
【0059】
制御部231は、測位情報受信機4から測位情報を入力する度に、記憶している広域の区間地図情報を参照して、測位情報により表される現在位置を含む相対的に狭い領域の地図情報を、車内ネットワーク15を介して、位置推定装置12、物体検出装置13及び自動制御装置14等へ出力する。地図情報記憶装置11の動作の詳細については、後述する。
【0060】
位置推定装置12は、カメラ画像内に表された車両10の周囲の道路特徴物に基づいて、カメラ画像撮影時刻における車両10の位置を推定する。例えば、位置推定装置12は、カメラ画像内に識別した車線区画線と、地図情報記憶装置11から入力された地図情報に表された車線区画線とを対比して、カメラ画像撮影時刻における車両10の推定位置及び推定方位角を求める。また、位置推定装置12は、地図情報に表された車線区画線と、車両10の推定位置及び推定方位角とに基づいて、車両10が位置する道路上の走行車線を推定する。位置推定装置12は、カメラ画像撮影時刻における車両10の推定位置、推定方位角及び走行車線を求める度に、これらの情報を、物体検出装置13及び自動制御装置14等へ出力する。
【0061】
物体検出装置13は、カメラ画像に基づいて、車両10の周囲の物体及びその種類(例えば、車両)を検出する。この物体には、車両10の周囲を走行する他の車両が含まれる。物体検出装置13は、検出された物体を追跡して、物体の軌跡を求める。物体検出装置13は、地図情報に表された車線区画線と、物体位置とに基づいて、物体が走行している走行車線を特定する。物体検出装置13は、検出された物体の種類を示す情報と、その位置を示す情報及び走行車線を示す情報を含む物体検出情報を、自動制御装置14等へ出力する。
【0062】
自動制御装置14は、自動制御装置14が主体となって車両10を運転する自動運転モード(例えば、レベル3~5の運転モード)と、ドライバが主体となって車両10を運転する手動運転モード(例えば、レベル0~2の運転モード)とを有する。
【0063】
自動運転モードでは、自動制御装置14は、地図情報と、車両10に搭載されたカメラ2等のセンサの検知情報等とに基づいて、車両10の操舵、駆動、制動等の動作を制御する。自動運転モードでの車両10の制御は、高精度地図情報が提供される領域において許容される。また、手動運転モードでは、自動制御装置14は、ドライバ40の操作に基づいて、車両10の操舵、駆動、制動等の動作を制御する。高精度地図情報が提供されていない領域では、車両10は、手動運転モードで制御される。
【0064】
自動制御装置14は、自動運転モードでは、地図情報と、ナビルートR及び周辺環境情報と、車両10の現在位置とに基づいて、車両10が走行する予定走行車線を表す走行車線計画を生成する。また、自動制御装置14は、走行車線計画と、地図情報と、車両10の現在位置と、周辺環境情報と、車両状態情報とに基づいて、所定の時間先までの車両10の予定走行軌跡を表す運転計画を生成する。ここで、自動制御装置14は、車線位置情報で表される一対の車線区画線により区画される車線内を車両10が走行するように運転計画を生成する。そして、自動制御装置14は、車両10の現在位置と、車両速度及びヨーレートと、運転計画とに基づいて、操舵、駆動、制動を制御する。
【0065】
図3では、地図情報記憶装置11と、位置推定装置12と、物体検出装置13と、自動制御装置14は、別々の装置として説明されているが、これらの装置の全て又は一部は、一つの装置として構成されていてもよい。
【0066】
図4は、サーバ70のハードウェア構成図である。サーバ70は、制御処理を実行する。そのために、サーバ70は、通信インターフェース(IF)31と、ストレージ装置32と、メモリ33と、プロセッサ34とを有する。通信IF31、ストレージ装置32及びメモリ33は、プロセッサ34と信号線35を介して接続されている。サーバ70は、キーボード及びマウスといった入力装置と、液晶ディスプレイといった表示装置とを更に有してもよい。
【0067】
通信IF31は、サーバ70を通信ネットワーク60に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信IF31は、車両10と、通信ネットワーク60及びマクロセル基地局80を介して通信可能に構成される。通信IF31は、サーバ通信部の一例である。
【0068】
ストレージ装置32は、例えば、ハードディスク装置又は光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。そしてストレージ装置32は、ナビゲーション地図及び高精度地図情報等を含む地図情報321を記憶する。ナビゲーション地図は、車両10のナビゲーション装置5と同様の地図である。高精度地図情報は、車両10を制御するのに必要な数の車線位置情報等を有する。また、高精度地図情報は、路面の3次元情報と、他の道路特徴物、構造物の種類及び位置を表す情報と、道路の法定速度等を含む高精度地図情報を有する。高精度地図情報は、地図製作者により提供される。更にストレージ装置32は、プロセッサ34上で実行される、地図情報記憶処理に関連するサーバ70の処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶してもよい。ストレージ装置32は、記憶部の一例である。
【0069】
メモリ33は、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ33は、プロセッサ34により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。なお、制限情報は、メモリ33に記憶されていてもよい。メモリ33は、記憶部の一例である。
【0070】
サーバ70が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ34上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ34は、制御部341を有する。あるいは、プロセッサ34が有する機能モジュールは、プロセッサ34に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ34は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ34は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。サーバ70の動作の詳細については、後述する。
【0071】
図5は、本実施形態の地図情報記憶装置11の記憶処理に関する動作フローチャートの一例である。地図情報記憶装置11は、所定の周期で設定される地図情報更新時刻に、
図5に示される動作フローチャートに従って記憶処理を実行する。
【0072】
まず、更新部232は、区間地図情報の送信を求める送信要求を、車両10の現在位置P及びナビルートRと共に、サーバ70へ送信する(ステップS201)。サーバ70は、高精度地図情報を参照して、車両10の現在位置P及びナビルートRに基づいて、第1区間D1及び第2区間D2の区間地図情報を生成して、地図情報記憶装置11へ送信する。
【0073】
次に、更新部232は、サーバ70から区間地図情報を受信する(ステップS202)。更新部232は、第1区間D1においては、車両10を制御するのに必要な数の車線位置情報を含む区間地図情報を受信する。また、更新部232は、第2区間D2においては、地図情報が提供される領域の終端位置を確認するために必要な数の車線位置情報を含む区間地図情報を受信する。更新部232は、入力部の一例である。
【0074】
次に、更新部232は、区間地図情報をメモリ22に記憶して(ステップS203)、一連の処理を終了する。更新部232は、第1区間D1においては、車両10を制御するのに必要な数の車線位置情報を含む区間地図情報をメモリ22に記憶する。また、更新部232は、第2区間D2においては、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を確認するために必要な数の車線位置情報を含む区間地図情報をメモリ22に記憶する。
【0075】
区間地図情報では、道路は、複数の道路区間の連なりとして表される。各道路区間は、識別情報を用いて識別される。道路に含まれる一又は複数の車線は、道路区間ごとに、道路区間と関連付けられている。区間地図情報に含まれる車線等の位置は、例えば、所定の位置を原点とする世界座標系で表される。区間地図情報は、地図情報に含まれる道路区間の情報が登録される道路区間管理表を有する。また、道路が有する一の車線は、複数の車線区間の連なりとして表される。区間地図情報は、地図情報に含まれる車線区間の情報が登録される車線区間管理表を有する。
【0076】
図6(A)は、道路区間管理表100を説明する図である。道路区間管理表100には、区間地図情報に含まれる複数の道路区間が登録される。道路区間管理表100には、車両10の現在位置を含む道路区間から第2区間の終端を含む道路区間が登録される。
【0077】
道路区間管理表100は、道路区間ID欄101と、接続元ID欄102と、接続先ID欄103と、車線区間ID欄104と、道路区間情報欄105とを有する。道路区間ID欄101には、道路区間を識別する識別情報が登録される。接続元ID欄102には、接続元の道路区間の識別情報が登録される。接続先ID欄103には、接続先の道路区間の識別情報が登録される。車線区間ID欄104には、道路区間に含まれる車線を識別する識別情報が登録される。道路区間情報欄105には、道路区間が表す道路の識別情報、道路区間の位置、道路特徴物、構造物の種類及び位置を表す情報、道路の法定速度等が登録される。
【0078】
図6(B)は、車線区間管理表110を説明する図である。車線区間管理表110には、区間地図情報に含まれる複数の車線区間が登録される。車線区間管理表110には、車両10の現在位置を含む車線区間から第2区間の終端を含む車線区間が登録される。
【0079】
車線区間管理表110は、車線区間ID欄111と、接続元ID欄112と、接続先ID欄113と、車線位置情報欄114と、長さ欄115と、車線区間情報欄116を有する。車線区間ID欄111には、車線区間を識別する識別情報が登録される。接続元ID欄112には、接続元の車線区間の識別情報が登録される。接続先ID欄113には、接続先の車線区間の識別情報が登録される。車線位置情報欄114には、車線区間に含まれる車線区画線を表す複数の点の車線位置情報が登録される。長さ欄115には、車線区間に含まれる車線区画線の長さが登録される。車線区間情報欄116には、車線区間が表す車線の識別情報及び車線区間の位置等が登録される。
【0080】
図7(A)は、第1区間D1の一部の車線区間L1からL4を示す図である。車線区間管理表110では、第1区間D1における車線51は、複数の車線区間の連なりで表される。
【0081】
車線51は、左側車線区画線52と、右側車線区画線53とにより区画される。車線区間管理表110では、左側車線区画線52は、左側車線区画線52を表す複数の点Slの車線位置情報の連なりで表される。右側車線区画線53は、右側車線区画線53を表す複数の点Srの車線位置情報の連なりで表される。このように、一の車線区画線(車線)は、複数の車線位置情報の連なりで表される。更に、車線区間管理表110では、車線51の中央線54を表す複数の点Scの車線位置情報の連なりで表される。
【0082】
第1区間D1の車線区間管理表110の車線位置情報欄114には、各車線区間に対して、点Slの車線位置情報と、点Srの車線位置情報と、点Scの車線位置情報とが登録されている。
【0083】
車線区間管理表110において、第1区間D1の各車線区間の車線位置情報欄114には、左側車線区画線52を表す点Sl、右側車線区画線53を表す点Sr及び中央線54を表す点Scは、自動制御装置14が車両10を車線51に沿って走行させることが可能な数が登録される。
【0084】
自動制御装置14は、車線位置情報欄114に登録される左側車線区画線52及び右側車線区画線53の車線位置情報に基づいて、運転計画を生成する。また、自動制御装置14は、車線の中央線54の車線位置情報を参照して、運転計画を生成してもよい。
【0085】
図7(B)は、第2区間D2の複数の車線区間LmからLnを示す図である。車線区間管理表110では、第2区間D2における車線51も、複数の車線区間の連なりで表される。車線区間Lmは、第2区間D2の始端にあり、車線区間Lnは、第2区間D2の終端にある。
【0086】
第2区間D2の車線位置情報については、車線区間管理表110には、第2区間D2の終端位置の車線区間Lnの車線位置情報欄114のみに車線位置情報が登録されている。
【0087】
車線区間Lnの車線位置情報欄114には、車線51の中央線54を表す点Scの車線位置情報が登録される。具体的には、車線区間Lnの車線位置情報欄114には、車線区間Lnの終端の位置の点Scの車線位置情報しか登録されていない。なお、車線区間Lnの車線位置情報欄114には、右側車線区画線の点Srの位置を表す車線位置情報が登録されていてもよい。また、車線区間Lnの車線位置情報欄114には、左側車線区画線の点Slの位置を表す車線位置情報が登録されていてもよい。
【0088】
車線区間管理表110では、第2区間D2の始端の車線区間Lmから終端の一つ手前の車線区間Ln-1までの車線位置情報欄114には、車線位置情報が登録されていない。これにより、メモリ22に記憶される第2区間D2の車線位置情報の量を大きく低減できる。
【0089】
次に、地図情報記憶装置11が、第2区間D2の終端位置の車線位置情報に基づいて、地図情報が提供される領域の終端位置を判定する判定処理について、
図8を参照しながら、以下に説明する。
【0090】
図8は、本実施形態の地図情報記憶装置11の判定処理に関する動作フローチャートである。地図情報記憶装置11は、新たに区間地図情報を受信する度に、
図8に示される動作フローチャートに従って判定処理を実行する。
【0091】
まず、算出部233は、車両10の現在位置から第2区間D2の終端までの距離Gを算出する(ステップS301)。第2区間D2の終端の車線区間Lnの終端位置は、車線区間管理表110に登録された車線位置情報で表される。車線区間管理表110には、第2区間D2において車線位置情報が登録されているのは、第2区間D2の終端の車線区間のみである。算出部233は、メモリ22に記憶する車線区間管理表110の長さ欄115を参照して、車両10が走行している車線51について、第1区間D1の始端と前記第2区間の終端との間の複数の車線区間のそれぞれの長さの和を、距離Gとして算出する。距離Gには、第1区間D1の始端を含む車線区間と、第2区間の終端を含む車線区間の長さも含まれる。
【0092】
次に、判定部234は、距離Gが地図終端判定距離よりも短いか否かを判定する(ステップS302)。自動制御装置14は、高精度地図情報が用意されていない領域では車両10を精確に制御できない。そのため、地図情報記憶装置11は、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認する。
【0093】
距離Gが地図終端判定距離よりも短い場合(ステップS302-Yes)、判定部234は、第2区間D2の終端位置は、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を示すと判定して(ステップS303)、一連の処理を終了する。距離Gが地図終端判定距離よりも短いことは、第2区間D2の終端位置から先では、高精度地図情報が提供されていないことを意味する。
【0094】
判定部234は、自動運転モードが終了することを表す終了通知を、距離Gと共に、自動制御装置14へ通知する。自動制御装置14は、車両10が高精度地図情報の提供される領域の終端へ到達する前に、手動運転モードへ移行する。ドライバは、手動運転モードで車両10を運転する。または、自動制御装置14は、両10が高精度地図情報の提供される領域の終端へ到達する前に、車両10を停車してもよい。
【0095】
一方、距離Gが地図終端判定距離よりも短くない場合(ステップS302-No)、一連の処理を終了する。距離Gが地図終端判定距離よりも短くないことは車両10の現在位置から地図終端判定距離だけ先の位置においても、高精度地図情報が提供されていることを意味する。自動制御装置14は、自動運転モードで車両10の運転することが可能である。
【0096】
次に、地図情報記憶処理に関連するサーバ70の処理を、
図9を参照しながら、以下に説明する。
図9は、サーバ70の送信処理の動作フローチャートの一例である。サーバ70は、地図情報記憶装置11から送信要求を受信する度に、
図9に示す動作フローチャートに従って送信処理を実行する。
【0097】
制御部341は、車両10の現在位置P及びナビルートRに基づいて、ストレージ装置32に記憶している地図情報321を参照して、道路区間管理表を生成する(ステップS401)。地図情報321は、ナビゲーション地図及び高精度地図情報を含む。
【0098】
制御部341は、ナビルートRを参照して、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離の位置までの道路の道路区間管理表を作成する。ナビゲーション用地図では、道路は、複数の道路リンクがノードにより接続されることで表される。車両10の現在位置Pから地図終端判定距離の位置までの道路は、複数の道路リンクの連なりにより表される。
【0099】
制御部341は、ナビルートRにおける複数の道路リンクのそれぞれに対して、高精度地図情報の道路区間を関連付けて、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離の位置までの道路区間を表す道路区間管理表を生成する。
【0100】
次に、制御部341は、高精度地図情報に基づいて、道路区間管理表の車線区間ID欄を参照して、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離の位置までの道路の車線区間管理表を作成する(ステップS402)。
【0101】
次に、制御部341は、道路区間管理表と、車線区間管理表と、それぞれの表と関連付けられた高精度地図情報とを有する区間地図情報を作成する(ステップS403)。制御部341は、第1区間D1については、車両10を制御するのに必要な数の車線位置情報を含むように区間地図情報を作成する。具体的には、制御部341は、高精度地図情報が含む車線位置情報と同じ数の車線位置情報を含むように車線区間管理表を作成する。
【0102】
また、制御部341は、第2区間D2については、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を確認するために必要な数の車線位置情報を含むように区間地図情報を作成する。また、制御部341は、第2区間D2については、車両10を制御するのに必要な数未満の車線位置情報を含むように区間地図情報を作成する。
【0103】
具体的には、制御部341は、第2区間D2の終端位置の車線区間の車線位置情報だけを含むように、車線区間管理表を作成する。例えば、制御部341は、第2区間D2の終端位置の車線区間の中央線の車線位置情報だけを含むように、車線区間管理表を作成する。好ましくは、制御部341は、第2区間D2の終端位置の車線区間における中央線の終端位置の車線位置情報だけを含むように、車線区間管理表を作成する。
【0104】
一方、車両10の現在位置Pから地図終端判定距離だけ先の位置までの高精度地図情報が提供されていない場合がある。この場合、第1区間については高精度地図情報が提供されているが、第2区間については、第2区間の途中まで高精度地図情報が提供されていると考えられる。そして、制御部341は、高精度地図情報が提供されている終端までの地図情報に基づいて、道路区間管理表及び車線区間管理表を作成する。第2区間D2の区間地図情報の終端は、高精度地図情報が提供される領域の終端と一致する。制御部341が、第2区間D2の終端の車線区間の車線位置情報だけを含むように、第2区間D2の車線区間管理表を作成することは、上述したのと同様である。
【0105】
次に、制御部341は、区間地図情報を地図情報記憶装置11へ送信して(ステップS404)、一連の処理を終了する。
【0106】
以上、詳述したように、本実施形態の地図情報記憶装置は、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を確認するための情報の数を低減して地図情報を記憶できる。
【0107】
次に、上述した本実施形態の地図情報記憶装置11の変型例を、
図10を参照しながら、以下に説明する。
図10は、本実施形態の地図情報記憶装置11の変型例を説明する図である。
【0108】
本変型例では、第2区間D2において、車線位置情報は、所定の閾値を超える曲率を有する車線の位置の曲率を含む。地図情報記憶装置11は、区間地図情報を求める送信要求と共に、車両10の現在の速度も、サーバ70へ送信する。サーバ70は、車両10の速度と、ナビルートRと高精度地図情報とに基づいて、車両10に対して所定の基準値を超える横方向加速度が生じる車線の位置の有無を判定する。所定の基準値を超える横方向加速度が生じる車線の位置が有る場合、サーバ70は、この車線の位置の曲率を含む車線位置情報を、第2区間D2の区間地図情報に加える。以下、曲率半径が提供される車線の位置を、急カーブ位置ともいう。
【0109】
図9に示す例では、第2区間D2において、終端の点S2と共に、急カーブ位置の点S21の車線位置情報が、地図情報記憶11のメモリ22に記憶される。このように、地図情報記憶装置11は、高精度地図情報が提供される領域の終端を確認するため以外の点の車線位置情報を記憶していてもよい。
【0110】
地図情報記憶装置11の制御部231は、第2区間D2の区間地図情報を参照して、曲率を含む車線位置情報がある場合、この急カーブ位置と、曲率とを、自動制御装置14へ通知する。
【0111】
自動制御装置14は、車両10が急カーブ位置へ到達した時に、車両10に生じる横方向加速度が所定の制限以内となるように運転計画を生成する。自動制御装置14は、現在の車両10の速度で走行すると、車両10に生じる横方向加速度が基準値を超えると推定される場合、事前に減速するように運転計画を生成する。
【0112】
上述した本変型例によれば、地図情報記憶装置11は、安全な運転及び快適な走行を提供できる。
【0113】
本開示では、上述した実施形態の地図情報記憶装置、地図情報記憶用コンピュータプログラム及び地図情報記憶方法は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本開示の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0114】
例えば、高精度地図情報が提供される領域の終端位置を判定する方法は、上述した実施形態に限定されない。例えば、地図情報判定距離の位置の高精度地図情報が提供されていない場合、サーバは、地図情報判定距離の位置に対応する第2区間の終端位置の車線位置情報を含まない区間地図情報を、地図情報記憶装置へ送信してもよい。区間地図情報は、第2区間の終端位置の車線位置情報の有無を表すフラグを有していてもよい。地図情報記憶装置は、第2区間の終端の車線位置情報の有無に基づいて、高精度地図情報が提供される領域の終端を判定してもよい。この場合、第2区間の終端の車線位置情報が無いことが最初に判定された時、判定部は、この判定よりも一つ前の判定時のおける第2区間の終端を、高精度地図情報が提供される領域の終端と判定してもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、サーバにより作成された区間地図情報を、地図情報記憶装置が記憶していたが、地図情報記憶装置が区間地図情報を作成するようにしてもよい。この場合、サーバは、第1区間及び第2区間の高精度地図情報を地図情報記憶装置へ送信する。高精度地図情報は、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を含む。地図情報記憶装置の更新部は、第1区間及び第2区間の高精度地図情報を入力する。そして、更新部は、第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を取得し且つ、第2区間については、地図情報が提供される領域の終端位置を確認するために必要な数の車線位置情報を取得する。更新部は、第1区間においては、取得された車両を制御するのに必要な数の車線位置情報をメモリに記憶し、第2区間において、取得された地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の車線位置情報をメモリに記憶する。更新部は、取得部の一例である。第2区間の途中まで高精度地図情報が提供されていない場合、更新部は、高精度地図情報が提供されている終端までの地図情報に基づいて、区間地図情報を作成する。
【0116】
更に、上述した実施形態では、地図情報が提供される領域の終端位置を確認するために必要な車線位置情報として、第2区間の終端の車線区間の中央線の終端位置の車線情報がメモリに記憶されていた。メモリは、第2区間の終端の車線区間について、左側車線区画線、右側車線区画線及び中央線の終端位置の車線位置情報のうちの何れかを記憶するようにしていてもよい。この場合、地図情報記憶装置は、左側車線区画線、右側車線区画線及び中央線の終端位置の車線位置情報のうちの何れかに基づいて、地図情報が提供される領域の終端位置を確認する。
【符号の説明】
【0117】
1 地図情報記憶システム
2 カメラ
3 通信装置
4 測位情報受信機
5 ナビゲーション装置
6 ユーザインターフェース
6a 表示装置
10 車両
11 地図情報記憶装置
21 通信インターフェース
22 メモリ
23 プロセッサ
231 制御部
232 更新部
233 算出部
234 判定部
12 位置推定装置
13 物体検出装置
14 自動制御装置
15 車内ネットワーク
70 サーバ
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶装置であって、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の車線位置情報を記憶し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するのに必要な数であり、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する記憶部を有する、
ことを特徴とする地図情報記憶装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第1区間においては、車線を区画する左右の車線区画線を表す前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、車線を区画する左の車線区画線、右の車線区画線、及び、車線の中央を表す中央線のうちの何れかの線を表す前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記第1区間の終端から、前記車線位置情報によって表される前記第2区間の終端までの距離を表す情報を含み、
車両の現在位置から前記第2区間の終端までの距離が、所定の基準距離未満である場合、前記第2区間の終端を、前記地図情報が提供される領域の終端であると判定する判定部を有する、請求項2に記載の地図情報記憶装置。
【請求項4】
前記第1区間及び前記第2区間における車線は、複数の車線区間の連なりで表されており、
前記記憶部は、複数の車線区間のそれぞれの長さを記憶しており、
前記第1区間の始端から前記第2区間の終端までの距離は、前記第1区間の始端と前記第2区間の終端との間の複数の車線区間のそれぞれの長さの和で表される、請求項3に記載の地図情報記憶装置。
【請求項5】
前記第2区間の前記車線位置情報は、所定の閾値を超える曲率を有する車線の位置の曲率を含む、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項6】
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力する入力部を有し、
前記記憶部は、前記第1区間においては、前記入力部により入力された車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記入力部により入力された前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数であり、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項7】
前記第1区間及び前記第2区間において、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を取得し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を取得する取得部を有し、
前記記憶部は、前記第1区間においては、前記取得部により取得された車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記取得部により取得された前記地図情報が提供される領域の終端を確認するのに必要な数であり、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する、請求項1に記載の地図情報記憶装置。
【請求項8】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶用コンピュータプログラムであって、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力し、
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶部に記憶し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数であり、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を前記記憶部に記憶する、
ことを含む処理をプロセッサに実行させる、ことを特徴とする地図情報記憶用コンピュータプログラム。
【請求項9】
複数の車線位置情報の連なりにより表される車線に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶方法であって、
地図情報記憶装置が、
車両の現在位置から車両の進行方向に向かった第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を入力し、且つ、前記第1区間の終端から車両の進行方向に向かった第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するために必要な数の前記車線位置情報を入力し、
前記第1区間においては、車両を制御するのに必要な数の前記車線位置情報を記憶し、前記第2区間においては、前記地図情報が提供される領域の終端を確認するのに必要な数であり、且つ、車両を制御するのに必要な数未満の前記車線位置情報を記憶する、
ことを含む、ことを特徴とする地図情報記憶方法。