(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162458
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20241114BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241114BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241114BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241114BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20241114BHJP
【FI】
G06Q30/08
G06Q50/10
A63F13/69
A63F13/79 520
A63F13/792
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077978
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】栄花 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB73
5L049BB73
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】所望の状況で即決できるシステムを提供する。
【解決手段】オークションに出品される出品媒体を示す情報を出品ユーザから取得する出品媒体情報取得部(111)と、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す情報を取得する入札額情報取得部(112)と、入札可能期限が満了する前に出品媒体を落札する落札ユーザを決定するための即決条件を取得する即決条件取得部(115)と、当該オークションの状況情報を取得する状況情報取得部(116)と、状況情報が所定の内容である場合に即決条件を満たす入札を実行する指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得部(117)と、状況情報が所定の内容である場合に、即決指示情報に基づいて即決条件を満たす入札を実行する即決管理部(118)と、即決条件を満たす入札に基づいて入札ユーザを落札ユーザとして決定する落札ユーザ決定部(119)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得部と、
当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得部と、
当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得部と、
当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得部と、
前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得部と、
前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理部と、
前記即決管理部によって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定部と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記出品媒体情報取得部は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品ユーザから取得し、
前記入札額情報取得部は、複数の前記入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得し、
前記落札ユーザ決定部は、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定し、
前記状況情報は、前記複数の前記出品媒体の数から、落札された出品媒体の数を減じた残数を示す情報を含み、
前記即決指示情報は、前記残数が所定の数以下である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記状況情報は、他の入札ユーザの入札額を示す情報を含み、
前記即決指示情報は、当該入札額が所定の額以上である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記状況情報は、当該オークションに入札している入札ユーザの数を示す情報を含み、
前記即決指示情報は、当該入札ユーザの数が所定の数以上である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記状況情報は、前記予め設定された期限が満了するまでの残り時間を示す情報を含み、
前記即決指示情報は、当該残り時間が所定の時間以下である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記出品媒体情報取得部は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品ユーザから取得し、
前記入札額情報取得部は、複数の前記入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得し、
前記落札ユーザ決定部は、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記入札額が高い順としたときの前記入札額情報の順位を示す順位情報取得部と、
当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、
前記順位が前記出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である前記入札額情報が示す入札額の、当該順位が前記落札圏内となるための入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、更新可と決定した場合に、当該更新を実行する、自動入札管理部と、をさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記出品媒体は、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられた電子媒体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1または複数のコンピュータが実行する方法であって、
オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップと、
当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップと、
当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップと、
当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップと、
前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップと、
前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップと、
前記即決管理ステップによって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップと、
を含む方法。
【請求項10】
1または複数のコンピュータに、
オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップと、
当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップと、
当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップと、
当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップと、
前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップと、
前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップと、
前記即決管理ステップによって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オークションによる取引を行うためのサービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動入札を利用したオークションでは、出品数に対して入札者の数が過度に多い場合など、他の入札者より高額な対価を支払う意思があったとしてもタイミングによって落札できない状況も起こり得る。例えば、入札者数が多い合、入札期間の終了間際には、入札額が急変動することもあるため、再入札が間に合わないことも起こり得る。また、オークションでは、即決額として設定された金額で入札すれば、入札期間の終了を待たずして落札可能とする即決という仕組みがある。特許文献1には、即決価格で入札したユーザに、当該出品物を落札させるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、このような即決額を利用した入札では、不要に高額な落札となる可能性もある。例えば、即決額が30000円のオークションにおいて、実際には1000円で落札可能なものを、相場を知らないと30000円という即決額で落札してしまうようなこともあり得る。そのため、即決額を利用した落札は、確実に落札できる半面、入札者にとっては不要に高額な購入となってしまう虞がある。本発明の一態様は、所望の状況で即決できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るシステムは、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得部と、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得部と、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得部と、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得部と、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得部と、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理部と、前記即決管理部によって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定部と、を備える。
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る方法は、1または複数のコンピュータが実行する方法であって、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップと、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップと、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップと、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップと、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップと、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップと、前記即決管理ステップによって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップと、を含む。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップと、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップと、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップと、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップと、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップと、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップと、前記即決管理ステップによって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、所望の状況で即決できるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るオークションサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1における順位情報の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るゲームサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る出品ユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る入札ユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係る情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。
【
図8】本発明の実施形態1に係る出品ユーザ端末の表示装置に表示される画面例である。
【
図9】本発明の実施形態1に係る入力ユーザ端末の表示装置に表示される画面例である。
【
図10】本発明の実施形態1に係る入力ユーザ端末の表示装置に表示される他の画面例である。
【
図11】本発明の実施形態1に係る入力ユーザ端末の表示装置に表示されるさらに他の画面例である。
【
図12】本発明の実施形態1に係る自動入札管理処理の詳細な流れの一例を示すフロー図である。
【
図13】本発明の実施形態1において更新された順位情報の一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態1において更新された順位情報の他の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態1において更新された順位情報のさらに他の一例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態1に係る即決管理処理の詳細な流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、本実施形態に係るシステム1について、詳細に説明する。システム1は、ネットワーク上でオークションによる取引の場を提供するシステムである。
【0011】
<システム1の構成>
図1は、システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、システム1は、オークションサーバ10、ゲームサーバ30、出品ユーザ端末50、入札ユーザ端末70-1、70-2、…、およびブロックチェーンシステム90、を含む。入札ユーザ端末70-1、70-2、…、を特に区別して説明する必要がない場合には、それぞれを単に入札ユーザ端末70とも記載する。これらの装置は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネットを含むがこれに限られない。また、
図1には、2つの入札ユーザ端末70を示しているが、システム1に含まれる入札ユーザ端末70の個数は、それぞれ3以上であってもよい。また、
図1には、オークションサーバ10、ゲームサーバ30、出品ユーザ端末50、およびブロックチェーンシステム90を1つずつ示しているが、システム1に含まれる各装置の個数は、それぞれ複数であってもよい。
【0012】
オークションサーバ10は、ネットワーク上で行われるオークションを管理する装置である。ゲームサーバ30は、ゲームプログラムを実行することによりゲームを進行させる装置である。なお、当該ゲームプログラムの一部は、ゲームサーバ30とは異なる他の装置(例えば、出品ユーザ端末50、入札ユーザ端末70、等)が実行するものであってもよい。ゲームサーバ30は、ユーザの操作に基づいて、ゲーム媒体を用いてゲームを進行させる。ゲーム媒体は、オークションに出品される出品媒体の一例となり得る。システム1は、互いに異なる種類のゲームを進行させる複数のゲームサーバ30を含んでいてもよい。出品ユーザ端末50は、オークションに出品媒体を出品する出品ユーザが利用する端末である。入札ユーザ端末70は、オークションに入札する入札ユーザが利用する端末である。ブロックチェーンシステム90は、出品媒体に関連付けられた非代替性トークン(Non-Fungible Token:以下、NFT)を記憶する装置である。なお、出品媒体には、必ずしもNFTが関連付けられていなくてもよい。
【0013】
出品ユーザは、ゲームサーバ30が進行させるゲームの運営側のオペレータであってもよい。この場合、出品ユーザ端末50は、ゲームサーバ30を管理する管理端末であってもよい。また、出品ユーザおよび入札ユーザの一方または両方は、当該ゲームのプレイヤであってもよいが、必ずしもプレイヤでなくてもよい。また、出品ユーザ端末50および入札ユーザ端末70の一方または両方は、当該ゲームをプレイ可能な装置であってもよいが、必ずしも当該ゲームをプレイ可能な装置でなくてもよい。
【0014】
(オークションサーバ10のハードウェア構成)
図1に示すように、オークションサーバ10は、例えば、プロセッサ11、メモリ12および通信インタフェース13を含む。これらの構成要素は、バス19を介して接続される。
【0015】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、オークションサーバ10の各部を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の集積回路によって構成される。
【0016】
メモリ12は、プロセッサ11が実行するプログラム、および、プロセッサ11が使用する各種のデータを記憶する。メモリ12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはこれらの組み合わせによって構成される。なお、メモリ12の一部または全部は、オークションサーバ10に内蔵されることに限らず、USB(Universal Serial Bus)等の入出力インタフェース(図示せず)を介して外付けされていてもよい。また、メモリ12の一部または全部は、オークションサーバ10とは独立した装置として、ネットワークを介してオークションサーバ10に接続されていてもよい。
【0017】
通信インタフェース13は、ネットワークNWに接続するインタフェースである。通信インタフェース13は、例えば、イーサネット(登録商標)等の有線接続インタフェースまたはWiFi(登録商標)等の無線接続インタフェースによって構成される。
【0018】
(ゲームサーバ30のハードウェア構成)
図1に示すように、ゲームサーバ30は、例えば、プロセッサ31、メモリ32、および通信インタフェース33を含む。これらの構成要素は、バス39を介して接続される。プロセッサ31、メモリ32、および通信インタフェース33については、オークションサーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0019】
(出品ユーザ端末50のハードウェア構成)
図1に示すように、出品ユーザ端末50は、例えば、プロセッサ51、メモリ52、通信インタフェース53、入力装置54、および表示装置55を含む。これらの構成要素は、バス59を介して接続される。
【0020】
プロセッサ51、メモリ52、および通信インタフェース53については、オークションサーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。入力装置54は、ユーザの操作を受け付ける装置であり、例えば、コントローラ、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。表示装置55は、オークションによる取引に関する画面等を表示する装置であり、例えば、ディスプレイによって構成される。入力装置54および表示装置55の一方または両方は、出品ユーザ端末50に内蔵されることに限らず、周辺機器として外部に接続されていてもよい。
【0021】
(入札ユーザ端末70のハードウェア構成)
図1に示すように、入札ユーザ端末70は、例えば、プロセッサ71、メモリ72、通信インタフェース73、入力装置74、および表示装置75を含む。これらの構成要素は、バス79を介して接続される。これらの構成要素については、出品ユーザ端末50が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0022】
(ブロックチェーンシステム90の構成)
ブロックチェーンシステム90は、出品媒体に関連付けられたNFTおよび当該出品媒体の所有者情報等を含むトランザクションデータを格納したブロックの列であるブロックチェーンを、複数の分散ノード(図示せず)に分散して記憶する。トランザクションデータは、出品媒体の所有者が更新されることに応じて生成され、ブロックチェーンシステム90に格納される。トランザクションデータに含まれる情報の詳細については後述する。
【0023】
ブロックチェーンシステム90は、公知のブロックチェーン技術により実現される。例えば、ブロックチェーンシステム90には、複数の分散ノードが含まれる。各分散ノードは、新たに格納すべきトランザクションデータを含むブロックを生成するためのマイニングを実行する。複数のノードのうち所定のコンセンサスアルゴリズムに基づくマイニングに成功したノードによって生成されたブロックが、正当なブロックとしてブロックチェーンの末尾に追加される。各ノードが記憶するブロックチェーンは、正当なブロックが追加されたブロックチェーンに同期する。ブロックチェーンが分岐した場合は、最も長いブロックチェーンが正当なブロックチェーンとなる。不正なブロックが追加されたブロックチェーンは他のブロックチェーンより短いため、正当なブロックチェーンにより上書きされる。
【0024】
(オークションサーバ10の機能的構成)
図2は、オークションサーバ10の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、オークションサーバ10は、制御部110および記憶部130を含む。制御部110は、プロセッサ11がメモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部130はメモリ12によって構成される。
【0025】
制御部110は、出品媒体情報取得部111、入札額情報取得部112、順位情報取得部113、自動入札管理部114、即決条件取得部115、状況情報取得部116、即決指示情報取得部117、即決管理部118、落札ユーザ決定部119、および、通知部120を含む。
【0026】
出品媒体情報取得部111は、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、出品媒体を出品する出品ユーザから取得する。例えば、出品媒体情報取得部111は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、当該出品媒体を出品する出品ユーザから取得してもよい。これにより、複数個単位で使用する電子媒体等、複数個取得することの価値が大きい媒体のオークションを実施できる。
【0027】
ここで、「1件のオークション」とは、一回の出品で開始するオークションをいう。例えば、1件のオークションは、商品1個の出品で開始してもよく、同じ種類の商品を複数個出品することで開始してもよい。また、商品を出品した後、同じ種類の商品を追加してもよい。また、1件のオークションは、オークションを終了するための「終了条件」を満たすことによって終了する。例えば、本実施形態では、1件のオークションは、後述するオークションIDによって識別される。
【0028】
また、「出品媒体」とは、オークションに出品される媒体をいう。媒体は、例えば、現実で使用可能な商品、ゲーム等の仮想世界で使用可能な電子媒体などが挙げられる。電子媒体としては、例えば、ゲームサーバ30が進行させるゲームで使用可能なアイテムやキャラクタなどのゲーム媒体、他者とコミュニケーションを行う仮想空間でのアバターに関連付ける電子情報(アバターの外見を変更する情報、音声を変更する情報等)、仮想空間を利用したライブ等の配信で使用する媒体(応援したり盛り上げたりするためのアイテム、いわゆる投げ銭のための価値)等が挙げられる。電子媒体は、ブロックチェーンシステム90において保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられていてもよい。これにより、出品媒体が電子媒体である場合に当該電子媒体の信用を保つことができる。例えば、不正行為によって生成されたものでは無いことを示すことができる。また、非代替性トークンが関連付けられていることによって、取引履歴に関する情報をより容易に取得することができる。
【0029】
また、「同じ種類の出品媒体」とは、例えば、出品媒体が現実に存在する物品である場合は、例えば、用途や商品名が同じであるなどの事情から、出品するユーザが同じ種類の出品媒体として、1件のオークションにまとめて出品したものは、同じ種類の出品媒体である。
【0030】
また、「同じ種類の出品媒体」の別の態様として、出品媒体が電子媒体である場合は、関連付けられている媒体識別情報が同じである電子媒体は、同じ種類の電子媒体である。さらに別の態様として、出品媒体が、ゲームサーバ30が進行させるゲームで利用される媒体である場合、その機能、能力、特性が同一であるものであってもよい。この態様の場合、外観が異なっていてもよく、同じであってもよい。このような態様であり、かつ、外観が異なる態様としては、例えば、機能等が同じであり、外観の輪郭が同じであるが、色彩のみが互いに異なる媒体等が挙げられる。
【0031】
同じ種類の電子媒体に含まれる、個々の電子媒体については、それぞれを識別するためのシリアル情報がさらに関連付けられていてもよく、前述の非代替性トークンが関連付けられていてもよい。
【0032】
また、出品媒体情報には、入札する出品媒体の個数の最低個数である入札単位を示す情報が関連付けられていてもよい。これにより、最低個数での使用が望ましい出品媒体を、最低個数に満たない数で落札することを防止できる。また、出品媒体情報には、一人の落札ユーザが落札可能な個数の上限数を示す情報が関連付けられていてもよい。これにより、出品ユーザが落札者数の数を調整することができる。
【0033】
入札額情報取得部112は、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する。例えば、入札額情報取得部112は、当該オークションに入札する複数の入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得してもよい。また、入札額情報には、当該入札額情報が示す入札額による入札が行われた時刻が関連付けられていてもよい。以降、入札が行われた時刻を、入札時刻ともいう。
【0034】
また、入札額情報には、入札ユーザによって指定された入札個数を示す入札個数情報が関連付けられていてもよい。これにより、入札ユーザは、所望の個数を一度に入札できる。例えば、所定の複数個を利用することで有利になるように設定されているゲーム媒体などについては、当該所定の複数個を一度に入札できる。ただし、入札額情報には、必ずしも入札個数情報が関連付けられていなくてもよい。
【0035】
順位情報取得部113は、入札額が高い順としたときの入札額情報の順位を示す順位情報を取得する。例えば、順位情報は、入札額が同じ入札額情報が複数ある場合、当該入札額を入札した入札時刻が早い方の入札額情報が高い順位であることを示す。これにより、複数の落札ユーザが生じるオークションにおいては、入札額が同じであるにもかかわらず、落札できたものとできなかったものが発生する場合がある。このような場合に、落札できなかったユーザの納得度が向上する。
【0036】
なお、入札額が同じ入札額情報が複数ある場合に、これらの入札額情報には、入札時刻に限らず、その他の情報に基づき順位が付与されていてもよい。その他の情報は、例えば、入札個数であってもよい。入札個数とは、出品媒体情報が示す複数の同じ種類の出品媒体情報のうち、入札ユーザが落札を希望する出品媒体の個数である。例えば、入札額が同じ複数の入札額情報がある場合にこれらの入札額情報には、まず入札時刻が早い順に順位が付与され、次に、入札額および入札時刻が同じ複数の入札額がある場合にそれらの入札額情報には、入札個数が多い順に順位が付与されていてもよい。ただし、順位情報が示す順位は、これらの例に限られない。
【0037】
自動入札管理部114は、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、(1)順位が出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である入札額情報が示す入札額の、当該順位が落札圏内となるための入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、(2)更新可と決定した場合に、当該更新を実行する。例えば、出品媒体の数に基づいて設定される落札圏とは、1位から出品媒体の数の順位までである。また、例えば、順位が落札圏内となるための入札額は、当該順位が落札圏内となるための最低額の入札額であってもよい。
【0038】
これにより、ユーザがオークションの状況を監視する手間を減少させつつ、落札する可能性を上げることができる。また、落札圏内となるための最低額、又は、当該最低額に近い額で購入できるユーザが増え、公平感が向上する。例えば、直近で入札され落札圏内に入った別のユーザが落札圏内での最低額であった場合、落札圏内に入る目的を考えれば、当該最低額に対して、一定の金額(例えば、オークションにおいて設定される、入札のための最小単位の金額)を加算した金額で自動的に再入札するような、本実施形態とは異なる態様も考えられる。しかし、このような態様の場合、再入札される金額は落札圏内に入るための最低金額ではなく、また、落札圏内での最低額が上昇するスピードが速い。よって、落札に必要な金額がより高くなる。一方、本実施形態の上記構成によれば、再入札される金額が、落札圏内に入るための最低金額であるため、落札に必要な金額の上昇を抑制できる。そして、1件のオークションに出品する出品媒体の数が多ければ多いほど、落札に必要な金額の上昇を抑制する効果が大きくなる。
【0039】
また、例えば、入札ユーザによる事前の設定は、更新する入札額の上限額を含んでいてもよい。更新する入札額の上限額を、以降、「最高入札額」ともいう。これにより、入札ユーザが想定する以上に高額の入札をすることを防ぐことができる。ただし、事前の設定は、必ずしも最高入札額を含んでいなくてもよい。
【0040】
ここで、「終了条件」とは、入札可能期間が終了する条件である。例えば、入札が可能な期限として予め設定された所定の期限を満了(例えば、所定の時間又は時点を経過)すること、所定の期限の満了の前に即決額による入札が行われることによって出品媒体が落札されること(出品媒体が複数の場合は、当該複数の出品媒体が落札されること)が挙げられる。また、出品媒体が1個の場合は、当該1個の出品媒体の落札が終了条件となってもよい。また、1件のオークションについて、複数の出品媒体が出品されている形態においては、商品が落札されることが終了条件であってもよい。例えば、複数個の商品を出品した場合、当該複数個の落札で終了してもよい。
【0041】
また、「落札圏内となるための最低額」とは、落札圏内となるために必要な入札額のうち、最小金額をいう。例えば、落札圏内となるための最低額は、例えば、直近で入札され落札圏内に入った別のユーザが落札圏内での最低額であった場合、当該最低額と同額であってもよく、当該同額では落札圏内に入れない場合は、予め設定された最小単位の金額だけ、当該同額に対して加算された金額であってもよい。
【0042】
ただし、更新後の入札額は、「落札圏内となるための最低額」に限らず、当該最低額より多い額であってもよい。例えば、当該最低額より多い額は、落札圏内において低い順に所定順位の入札額(例えば2番目に低い入札額)等であってもよいが、これに限られない。
【0043】
即決条件取得部115は、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する。即決条件は、例えば、入札額が、事前に設定された即決額であることであってもよい。なお、この場合、即決額を超える入札は不可能となっていてもよい。
【0044】
状況情報取得部116は、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する。状況情報とは、オークションの進行により変化する状況を示す情報である。状況情報としては、例えば、(1)出品媒体が複数の場合、まだ落札されていない残数、(2)他の入札ユーザによる入札額、(3)当該オークションに参加する入札ユーザの数、(4)オークションの残り時間、(5)入札件数、が挙げられる。
【0045】
例えば、状況情報は、出品媒体情報が示す複数の同じ種類の出品媒体の数から、落札された出品媒体の数を減じた残数を示す情報を含んでいてもよい。また、例えば、状況情報は、他の入札ユーザの入札額を示す情報を含んでいてもよい。また、例えば、状況情報は、当該オークションに入札している入札ユーザの数を示す情報を含んでいてもよい。また、例えば、状況情報は、予め設定された期限が満了するまでの残り時間を示す情報を含んでいてもよい。なお、状況情報は、上述した情報に限らず、オークションの進行により変化するその他の状況を示す情報を含んでいてもよい。例えば、状況情報は、後述する即決により決定された落札ユーザを示す情報を含んでもよい。例えば、特定のユーザと同じ出品媒体の取得を希望する入札ユーザは、後述する即決指示情報として、「状況情報が示す落札ユーザが当該特定のユーザである場合に、即決条件を満たす入札を実行する」との即決指示情報を設定してもよい。
【0046】
即決指示情報取得部117は、即決条件を満たす入札を、状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する。ここで、「即決指示情報」とは、状況情報が予め設定された所定の内容である場合に、即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である。即決指示とは、例えば、即決条件として即決額が特定されている場合は、当該即決額による入札を行なう指示、当該即決額以上の額による入札を行なう指示、指示の内容に即決額の具体的な金額を含めずに、即決条件を満たすような入札を行なう指示が挙げられる。例えば、即決額が10000円である場合、指示は、10000円での入札を実行せよという指示、10000円より多い額の入札を実行せよという指示、指示の内容自体に10000円という金額を示す情報を含めずに、即決額を満たすような入札を実行せよという指示が挙げられる。
【0047】
そして、状況情報が所定の内容であることとは、例えば、(1)出品媒体が複数の場合、まだ落札されていない残数が、所定の数以下になること、(2)他の入札ユーザによる入札額が所定の額以上であること、(3)当該オークションに参加する入札ユーザが、所定の数以上であること、(4)オークションの残り時間が所定の時間以下であること。(5)入札件数が所定の件数以上であること、等が挙げられる。これらの条件は単独でもよく、複数が組み合わされてもよい。
【0048】
例えば、即決指示情報は、状況情報に含まれる情報が示す残数が所定の数以下である場合に、即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報であってもよい。このような即決指示情報を設定することにより、入札ユーザは、同じ種類の出品媒体が複数出品されている1件のオークションについて、全ての当該出品媒体が落札される前に即決によって落札することができる。また、入札ユーザが不要に高額な金額で即決することを減らすことができる。
【0049】
また、例えば、即決指示情報は、状況情報に含まれる情報が示す上述の他の入札ユーザの入札額が所定の額以上である場合に、即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報であってもよい。他の入札ユーザによる入札が増えると、入札額が高くなっていき、入札額が即決額に達する可能性が高くなる。本構成によれば、他の入札ユーザによる入札額が即決額に達する前に即決することができる。
【0050】
また、例えば、即決指示情報は、状況情報に含まれる情報が示す上述の入札ユーザの数が所定の数以上である場合に、即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報であってもよい。他の入札ユーザの数が増えると落札できない可能性が高くなる。本構成によれば、このような場合にも即決できる。
【0051】
また、例えば、即決指示情報は、状況情報に含まれる情報が示す上述の残り時間が所定の時間以下である場合に、即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報であってもよい。このような即決指示情報を設定することにより、入札ユーザは、残り時間に余裕を持って即決できる。例えば、残り時間が少なくなると、サーバーが込み合うなどして、即決の指示が反映されないリスクが生じるが、本構成によればこのようなリスクを低減できる。
【0052】
なお、即決指示情報は、即決条件を満たす入札を実行する条件として、上述した条件に限らず、状況情報に含まれる任意の情報に関する条件を含む情報であってもよい。
【0053】
即決管理部118は、状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、即決指示情報に基づいて、即決条件を満たす入札を実行する。これにより、入札ユーザに対して、オークションの状況に応じて即決できるシステムを提供することができる。例えば、入札ユーザが不要に高額な金額で即決することを減らすことができる。また、入札ユーザは、オークションの終了時間を管理せずとも、当該終了時間に対して余裕を持って即決することができる。
【0054】
落札ユーザ決定部119は、複数の入札ユーザのうち、出品媒体情報が示す複数の同じ種類の出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する。また、落札ユーザ決定部119は、出品媒体情報が示す複数の同じ種類の出品媒体のうち、同一の落札ユーザが落札する出品媒体の数を、上限数以下となるように落札ユーザを決定してもよい。また、落札ユーザ決定部119は、即決管理部118によって実行された即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する。即決条件を満たす入札により落札ユーザを決定することを、以降では、「即決する」ともいう。
【0055】
通知部120は、落札圏より下位の順位の入札額情報に関連付けられている入札ユーザに対して、落札圏外であることを通知する。これにより、落札圏外となった入札ユーザがその旨を知ることができる。ただし、通知部120による通知は必ずしも行われなくてもよい。また、通知部120は、入札ユーザに対して落札ユーザとして決定されたか否かを示す落札結果を通知してもよい。また、通知部120は、オークション終了後、出品ユーザに対して、出品媒体を落札した落札ユーザを含む落札結果を通知してもよい。また、通知部120は、オークション終了後、出品媒体がゲーム媒体である場合、オークション終了後、ゲームサーバ30に対して、出品媒体の所有者が出品ユーザから入札ユーザに変更されたことを含む落札結果を通知してもよい。また、通知部120は、オークション終了後、出品媒体にNFTが関連付けられている場合、ブロックチェーンシステム90に対して、出品媒体の所有者が出品ユーザから入札ユーザに変更されたことを含む落札結果を通知してもよい。
【0056】
(オークションサーバ10に記憶される情報)
図2に示すように、記憶部130は、出品媒体情報、出品設定情報、順位情報、入札時刻、入札額情報、および入札設定情報を記憶する。出品媒体情報は、出品媒体情報記憶部によって取得される情報であり、出品媒体および当該出品媒体の出品数を示す情報を含む。出品設定情報は、出品媒体情報に関連付けて出品媒体情報取得部111によって取得される情報であり、出品ユーザによる事前の設定を示す情報である。例えば、出品設定情報は、入札可能期限、即決条件、入札単位を示す情報、上限数を示す情報を含んでいてもよい。順位情報は、順位情報取得部113によって取得される情報である。出品媒体情報、出品設定情報、および順位情報は、オークション毎に、互いに関連付けられて記憶される。複数件のオークションが並行して進行している場合、記憶部130には、出品媒体情報、出品設定情報、および順位情報の組が、複数組記憶される。
【0057】
入札額情報は、入札額情報取得部112によって取得される情報である。入札時刻は、当該入札額情報が示す入札額が更新された時刻を示す。入札設定情報は、入札額情報に関連付けて入札額情報取得部112によって取得される情報であり、入札ユーザによる事前の設定を示す情報である。入札設定情報は、出品媒体に対する入札額を自動で更新するか否かを示す情報を含む。入札額を自動で更新することを、以降、自動入札、ともいう。また、入札額を自動で更新しないことを、以降、手動入札ともいう。つまり、入札設定情報は、自動入札をするか否かを示す情報を含む。また、例えば、入札設定情報は、最高入札額、入札個数、入札個数の一部の購入の可否、落札圏外の通知の可否、等を示す情報を含んでいてもよい。また、入札設定情報は、即決指示情報を含んでいてもよい。入札額情報および入札設定情報は、入札毎に、互いに関連付けられて記憶される。1件のオークションに対して複数の入札が行われた場合、記憶部130には、当該オークションに対して、入札時刻、入札額情報および入札設定情報の組が複数組関連付けられて記憶される。
【0058】
ここで、順位情報の一例について、
図3を参照して説明する。
図3は、順位情報の一例を示す図である。
図3において、テーブルT1は、或る出品媒体情報に関連付けられた或る時点での順位情報を示す。テーブルT1は、当該オークションに対する1または複数の入札ユーザによる入札が、入札単位ごとに1行のレコードとして生成されたものである。この例では、入札単位は1である。テーブルT1は、入札可能期間中、更新され得る。例えば、テーブルT1の更新は、新たな入札が行われること、既存の入札において入札額が更新されること、入札設定情報が更新されること、等に応じて行われる。テーブルT1は、レコードL1~L30を含み、この時点までに30単位の入札が行われていることを示している。また、この例では、出品媒体の数は30であり、30位までが落札圏内となっている。
図3に示す時点では、落札圏外のレコードは無い。
【0059】
また、テーブルT1の各レコードは、順位、入札ユーザID、自動入札可否、入札額、最高入札額、入札個数、入札時刻、および落札状況の各項目を含む。各レコードにおける順位は、少なくとも入札額に基づき付与された順位である。この例では、レコードL1~L30には、入札額が高い順に1~30位までの順位が付与されている。また、入札額が同一の複数の入札(例えば、レコードL4~L30)に対しては、入札時刻が早い順に順位(例えば、4~30位)が付与されている。さらに、入札額および入札時刻が同一の複数の入札(例えば、レコードL4~L6)に対しては、入札個数が多い順に順位(例えば、4~6位)が付与されている。
【0060】
また、各レコードにおいて、入札ユーザIDは、当該レコードが示す入札を行った入札ユーザを識別する情報である。入札ユーザIDが「U001」の入札ユーザを、入札ユーザU001、等とも記載する。レコードL1~L3、L6~L30のそれぞれは、互いに異なる入札ユーザU001~U003、U005~U028が、それぞれ入札個数を1として行った入札を示す。レコードL4~L5は、同一の入札ユーザU004が入札個数を2として行った入札を示す。
【0061】
自動入札可否は、当該レコードが示す入札について自動入札を行うか否かを示す。自動入札可否は、入札ユーザによって選択された情報である。入札額は、現時点での入札額を示す。入札額は、自動入札可否が「する」の場合、初期値は、出品ユーザによって設定された最低入札額であってもよく、自動入札管理部114によって更新され得る。また、入札額は、自動入札可否が「しない」の場合は、初期値は入札ユーザにより入力された額であり、入札ユーザの入力により更新され得る。最高入札額は、自動入札可否が「する」の場合に入札ユーザによって設定された上限の額であり、自動入札可否が「しない」の場合には設定されない。入札個数は、入札された個数を示す。入札された個数が複数である場合には、入札個数は、当該複数の個数分のレコード(例えば、レコードL4、L5)それぞれにおいて当該複数の個数(この例では、2)となる。入札時刻は、入札が行われた時刻であり、入札額が更新されると当該更新時刻に更新される。なお、自動入札可否、最高入札額、入札個数は、入札後において、入札ユーザの操作に基づき変更可能であってもよい。
【0062】
落札状況は、落札の状況を示す情報であり、入札可能期間が終了する前までは、確定または未確定を示す。入札可能期間が終了後は、確定または落選を示す。入札可能期間が終了する前に落札状況が確定であるレコードは、即決されたことを示す。
【0063】
この例では、レコードL1は、手動入札による即決額を満たす入札を示している。当該レコードL1は、入札可能期間の終了前に落札が確定(即決)となっている。レコードL2~L3は、それぞれ、手動入札による即決額未満の入札を示している。レコードL4~L31は、それぞれ、自動入札による入札を示し、入札額の初期値として後述する最低入札額が適用されている。
【0064】
(ゲームサーバ30の機能的構成)
図4は、ゲームサーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ゲームサーバ30は、制御部310および記憶部330を含む。制御部310は、プロセッサ31がメモリ32に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部330はメモリ32によって構成される。制御部310は、媒体管理部311を含む。
【0065】
記憶部330は、媒体情報、出品状況情報、所有者情報、およびNFT識別情報を記憶する。記憶部330に記憶される媒体情報の個数は、1又は複数である。媒体情報は、ゲームサーバ30が進行させるゲームで使用されるゲーム媒体を示す。また、各媒体情報には、出品状況情報が関連付けられる。出品状況情報は、当該媒体情報が示すゲーム媒体がオークションに出品中であるか否かを示す。初期状態では、出品状況情報は、出品中でないことを示す。
【0066】
また、各媒体情報には、当該媒体情報が示すゲーム媒体の所有者を示す所有者情報が関連付けられる。なお、媒体情報が示すゲーム媒体には、所有者が存在しない場合もある。例えば、運営側によって新規に販売されるゲーム媒体は、未だ所有者が存在していない。このようなゲーム媒体を示す媒体情報には、所有者がいないことを示す所有者情報が関連付けられていてもよい。また、媒体情報が示すゲーム媒体の所有者がブロックチェーンシステム90で管理されている場合、当該媒体情報には、NFTの識別情報が関連付けられる。また、この場合、媒体情報に関連付けられる所有者情報は、ブロックチェーンシステム90において当該NFTの識別情報に関連付けられた所有者情報に同期するよう構成される。
【0067】
媒体管理部311は、ゲーム媒体が出品されたことを通知されると、当該ゲーム媒体を示す媒体情報に関連付けられた出品状況情報を、オークションに出品中であることを示すよう更新する。なお、以下では、「ゲーム媒体が出品されたこと」の通知元が出品ユーザ端末50である形態について説明する。ただし、通知元は、出品ユーザ端末50に限られず、オークションサーバ10であってもよい。また、媒体管理部311は、ゲーム媒体が落札されたことをオークションサーバ10から通知された場合、当該ゲーム媒体を示す媒体情報に関連付けられた出品状況情報を、出品中でないことを示すよう更新する。また、媒体管理部311は、出品状況情報を参照し、出品中であるゲーム媒体については、ゲームにおける使用を不可とする。また、媒体管理部311は、出品中でない場合(落札された場合を含む)には、ゲームにおける当該ゲーム媒体の使用を可とする。
【0068】
(出品ユーザ端末50の機能的構成)
図5は、出品ユーザ端末50の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、出品ユーザ端末50は、制御部510および記憶部530を含む。制御部510は、プロセッサ51がメモリ52に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部530はメモリ52によって構成される。
【0069】
制御部510は、出品UI部511、および出品媒体通知部512を含む。出品UI部511は、出品媒体を出品するためのユーザインタフェースを出品ユーザに提供する。出品媒体通知部512は、出品媒体がゲーム媒体である場合、当該ゲーム媒体の出品状況をゲームサーバ30に通知する。記憶部530は、出品ユーザがオークションに出品可能な媒体を表す媒体情報を記憶する。例えば、出品ユーザがオークションに出品可能な媒体は、例えば、出品ユーザが所有するゲーム媒体であってもよい。
【0070】
また、出品ユーザがゲームの運営側のオペレータである場合、出品ユーザがオークションに出品可能な媒体は、運営側から新規に販売される、未だ所有者が存在しないゲーム媒体であってもよい。この場合、出品ユーザ端末50は、ゲームサーバ30の管理端末として機能する端末であってもよい。
【0071】
(入札ユーザ端末70の機能的構成)
図6は、入札ユーザ端末70の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、入札ユーザ端末70は、制御部710および記憶部730を含む。制御部710は、プロセッサ71がメモリ72に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部730はメモリ72によって構成される。
【0072】
制御部710は、入札UI部711、落札圏外受信部712、および落札結果受信部713を含む。入札UI部711は、オークションに入札するためのユーザインタフェースを入札ユーザに提供する。落札圏外受信部712は、オークションサーバ10から落札圏外であるという情報を受信すると、受信した情報を、入札ユーザが認識可能な態様で出力する。落札結果受信部713は、オークションサーバ10から入札したオークションの落札結果を受信し、受信した落札結果を、入札ユーザが認識可能な態様で出力する。入札ユーザが認識可能な態様での出力の一例としては、表示装置75への表示、音声出力装置(図示せず)への音声出力、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、落札結果が落札したことを示す場合、落札結果受信部713は、落札した出品媒体を示す媒体情報を、記憶部730に記憶する。記憶部730は、入札ユーザが所有する媒体を示す媒体情報、および、入札ユーザを識別する入札ユーザIDを記憶する。入札ユーザが所有する媒体は、オークションで落札した媒体を含む。また、例えば、入札ユーザが所有する媒体は、入札ユーザが所有するゲーム媒体を含んでいてもよい。
【0073】
<システム1の処理>
以上のように構成されるシステム1は、情報処理方法S1を実行する。
図7は、情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。以下、情報処理方法S1の説明においては、出品媒体として、ゲームサーバ30が進行させるゲームで使用されるゲーム媒体を適用する例を中心に説明する。また、出品ユーザは、ゲームサーバ30が進行させるゲームの運営側のオペレータである例を中心に説明する。また、運営側が、システム1を利用して複数の同じ種類のゲーム媒体を新規に販売する例を中心に説明する。
【0074】
図7に示すように、情報処理方法S1は、ゲーム媒体を出品する処理(ステップS500~S506)、出品されたゲーム媒体を管理する処理(S300~S304)、出品されたゲーム媒体をオークションにより取引させる処理(S100~S116)、およびオークションに入札する処理(S700~S706)を含む。
【0075】
ステップS500において、出品ユーザ端末50の出品UI部511は、出品ユーザの操作に基づいて出品媒体情報および出品設定情報を取得する。また、出品UI部511は、取得した出品媒体情報および出品設定情報を、オークションサーバ10に送信する。
図8は、当該ステップにおいて出品ユーザ端末50の表示装置55に表示される画面例G1である。画面例G1において、ユーザインタフェース(以降、UIと記載)オブジェクトG101は、オークションに出品する出品媒体を選択する操作を受け付ける。一例として、UIオブジェクトG101に対する操作が受け付けられると、記憶部530に記憶された媒体情報が示す媒体のリスト(図示せず)が表示され、当該リストに対する操作に基づいて特定された媒体が、出品媒体として選択されてもよい。情報G102および画像G103は、当該選択された出品媒体を示す。この例では、出品媒体として、ゲームAで使用可能なゲーム媒体「キャラAの剣」が選択されている。ゲームAは、例えば、ゲームサーバ30が進行させるゲームの種類である。情報G104は、当該選択された出品媒体を出品ユーザが所有している個数を示す。この例では、出品ユーザは、ゲーム媒体「キャラAの剣」を50個所有している。
【0076】
UIオブジェクトG105は、UIオブジェクトG101によって選択された出品媒体の出品数を入力する操作を受け付ける。この例では、所有される50個のうち30個の「キャラAの剣」が当該オークションで出品される。UIオブジェクトG101、G105を操作して入力される出品媒体および出品数を示す情報は、例えば、出品媒体情報を構成する。
【0077】
UIオブジェクトG106は、入札単位を入力する操作を受け付ける。この例では、入札単位は「1」である。つまり、入札ユーザは、30個の「キャラAの剣」のうち1個のみに入札してもよく、1個単位で複数個入札してもよい。
【0078】
UIオブジェクトG107は、入札可能期限を入力する操作を受け付ける。この例では、入力された入札可能期限「2023/12/06 18:00」は、入札可能期間が遅くとも終了する時点である。ただし、前述したように、入札可能期間は、入力された入札可能期限が満了する前に終了する可能性がある。例えば、入札可能期限が満了する前に即決により出品媒体の残数がゼロとなった場合には、その時点で入札可能期間は終了する。入札可能期間の開始時点は、出品を指示する操作(例えばUIオブジェクトG113に対する操作)が行われた時点であってもよい。なお、UIオブジェクトG104は、入札可能期限を入力する操作を受け付ける代わりに、入札可能期間の開始時点からの長さ(3日間など)を入力する操作を受け付けてもよい。
【0079】
UIオブジェクトG108は、最低入札額を入力する操作を受け付ける。手動入札においては、最低入札額より低い金額では入札不可である。また、自動入札においては、最低入札額は入札額の初期値として適用される。なお、最低入札額は、必ずしも入力を必須としなくてもよい。最低入札額が入力されずに出品を指示する操作が行われた場合、例えば、最低入札額は所定の金額(例えば、1円等)として処理されてもよい。
【0080】
UIオブジェクトG109は、即決額を入力する操作を受け付ける。即決額は、即決条件の一例であり、入札可能期間が終了する前に出品媒体を落札する落札ユーザを即決するための入札額を示す。この例では、即決額「30000円」で入札したユーザは、落札ユーザとして即決される。なお、即決額は、必ずしも入力を必須としなくてもよいが、入力された場合は、即決額を超える入札額での入札は不可となる。
【0081】
UIオブジェクトG110は、一人の落札ユーザが落札可能な個数の上限数を入力する操作を受け付ける。なお、上限数は、必ずしも入力を必須としなくてもよい。上限数が入力されずに出品を指示する操作が行われた場合、例えば、上限数は出品数として処理されてもよい。
【0082】
UIオブジェクトG111は、当該出品媒体に対するコメントを入力する操作を受け付ける。UIオブジェクトG106~G111を操作して入力される情報は、例えば、出品設定情報を構成する。
【0083】
UIオブジェクトG112は、当該画面例G1に基づく出品をキャンセルする操作を受け付ける。UIオブジェクトG113は、画面例G1での入力内容にしたがって出品媒体を出品する操作を受け付ける。UIオブジェクトG113に対する操作が受け付けられると、出品UI部511は、UIオブジェクトG101、G105により入力された出品媒体情報、および、UIオブジェクトG106~G111により入力された出品設定情報を、オークションサーバ10に送信する。
【0084】
再び
図7を参照して、ステップS502以降の情報処理方法S1の流れについて説明する。ステップS502において、出品媒体通知部512は、オークションサーバ10に送信した出品媒体情報を、ゲームサーバ30にも通知する。
【0085】
ステップS300において、ゲームサーバ30の媒体管理部311は、出品ユーザ端末50から出品媒体情報を受信すると、当該出品媒体情報が示す出品数の各ゲーム媒体について、当該ゲーム媒体を示す媒体情報に関連付けられた出品状況情報を、出品中であることを示すよう更新する。これにより、媒体管理部311は、これらの出品数のゲーム媒体のゲームにおける使用を不可とする。
【0086】
ステップS100(出品媒体情報取得ステップ、即決条件取得ステップ)において、オークションサーバ10の出品媒体情報取得部111は、出品ユーザ端末50から、出品媒体情報、および出品設定情報を受信する。この例では、出品媒体情報は、複数の同じ種類の出品媒体を示している。また、即決条件取得部115は、出品設定情報に即決条件情報が含まれる場合、当該即決条件情報を取得する。出品設定情報には、入札単位を示す情報が含まれる場合がある。また、出品設定情報には、上限数を示す情報が含まれる場合がある。また、出品媒体情報取得部111は、オークションを識別するオークションIDを発行し、オークションID、出品媒体情報、および出品設定情報を関連付けて、記憶部130に保存する。
【0087】
ステップS102において、制御部110は、入札ユーザ端末70に対して、1件以上のオークションを示す情報を送信する。オークションを示す情報は、記憶部130に記憶された出品媒体情報および出品設定情報に基づいて生成される。例えば、制御部110は、入札ユーザ端末70からの要求に応じて、1件以上のオークションを示す情報を送信してもよい。
【0088】
ステップS700において、入札ユーザ端末70の入札UI部711は、受信したオークションを示す情報を表示するとともに、入札ユーザの操作に基づいて、何れかのオークションに対する入札額情報および入札設定情報を取得する。また、入札UI部711は、取得した入札額情報、入札設定情報、および記憶部730に記憶された入札ユーザIDを、オークションサーバ10に送信する。
図9~
図11は、当該ステップにおいて入札ユーザ端末70の表示装置75に表示される画面例G2~G4を示す図である。
【0089】
図9に示す画面例G2は、オークション一覧を示し、開催中の1件以上の各オークションを示す情報G201を含む。情報G201は、1件のオークションに関する情報を示し、出品媒体、出品数、入札単位、およびコメントをそれぞれ示す情報を含む。なお、情報G201は、
図9に示した例に限らず、オークションサーバ10の記憶部130に記憶された出品設定情報に基づく情報(例えば、入札可能期限、即決条件等)を含んでいてもよい。また、情報G201は、状況情報取得部116によって取得される当該オークションの状況を示す状況情報(例えば、現在の落札可能最低入札額、現在の入札ユーザの人数等)を含んでいてもよい。また、情報G201は、出品ユーザを示す情報(例えば、出品ユーザの名称等)を含んでいてもよい。また、UIオブジェクトG202は、各情報G201に対応して配置される。UIオブジェクトG202に対する操作が受け付けられると、対応する情報G201が示すオークションが選択されたものとして、画面例G2は、自動入札するか否かを選択する自動入札選択画面(図示せず)に遷移する。
【0090】
当該自動入札選択画面において自動入札が選択されなかった場合、当該自動入札選択画面は、手動入札における入札額を入力する手動入札画面(図示せず)に遷移する。また、入札UI部711は、手動入札画面において入力された入札額を含む入札額情報、自動入札しないことを含む入札設定情報、および記憶部730に記憶された入札ユーザIDを、オークションサーバ10に送信する。
【0091】
また、自動更新選択画面において自動入札が選択された場合、当該自動更新選択画面は、自動入札に関する設定を行う画面例G3に遷移する。
図10に示す画面例G3において、情報G301は、当該オークションに関する詳細な情報を示し、この例では、対象となる出品媒体が「キャラAの剣」であり、落札可能最低入札額が「9500円」であり、入札残り時間が「48時間20分」であることを示している。落札可能最低入札額は、当該オークションにおいて現時点で落札圏内となるための最低額を示し、現時点の順位情報に応じて算出される。なお、現時点とは、画面例G3が表示された時点である。入札残り時間は、現時点から入札可能期限までの期間の長さを示し、この例では、画面例G1において出品ユーザが入力した入札可能期限までの期間を示す。
【0092】
UIオブジェクトG302は、当該オークションに対する最高入札額を入力する操作を受け付ける。この例では、当該オークションに対して、最高入札額「20000円」までの入札が自動で行われる。
【0093】
UIオブジェクトG303は、当該オークションにおける複数の同じ種類の出品媒体のうち、入札ユーザが落札を希望する希望個数(入札個数)を入力する操作を受け付ける。この例では、出品されている30個の「キャラAの剣」のうち3個の落札を希望することが入力されている。なお、画面例G1において出品ユーザによって入札単位が入力されている場合、UIオブジェクトG303は、希望個数として、当該入札単位の倍数のみ受け付ける。例えば、入札単位が2である場合、希望個数として2、4、…等の2の倍数は受け付けられるが、3、5、等2の倍数でない数は受け付けられない。また、画面例G1において、出品ユーザによって上限数が入力されている場合、UIオブジェクトG303は、希望個数として、上限数以下の数のみ受け付ける。例えば、上限数が10である場合、希望個数としては、10以下の数が受け付けられ、出品数が30であっても、10を超える数は受け付けられない。なお、希望個数として複数の数が入力された場合、上述した最高入札額は、1個あたりの最高入札額を示す。
【0094】
UIオブジェクトG304は、希望個数より少ない個数での落札を行うか否かを選択する操作を受け付ける。例えば、入札可能期間が終了した後の順位情報において、希望個数の一部のみが落札圏となることはあり得る。例えば、UIオブジェクトG304において「可」が選択された場合、希望個数が3個で落札圏内が1個である場合には1個のみ落札される。また、例えば、UIオブジェクトG304において「否」が選択された場合、希望個数が3個で落札圏内が1個である場合には1つも落札されない。
【0095】
UIオブジェクトG305は、落札圏外の通知を受信するか否かを選択する操作を受け付ける。落札圏外の通知は、落札圏内から落札圏外に変化したタイミングに基づき通知されてもよく、所定間隔で通知されてもよい。
【0096】
UIオブジェクトG306は、即決指示情報を設定する操作を受け付ける。UIオブジェクトG306に対する操作が受け付けられると、画面例G3は、即決指示情報を設定するための画面例G4に遷移する。画面例G3において入力された情報は、記憶部730に一時的に記憶される。
【0097】
図11に示す画面例G4において、UIオブジェクトG401~G404は、即決指示となり得る情報を入力する操作を受け付ける。また、UIオブジェクトG401a~G404aは、それぞれ、UIオブジェクトG401~G404により入力された情報を即決指示情報として設定するか否かを選択する操作を受け付ける。この例では、UIオブジェクトG401に対する操作によって、落札されていない残数が5以下である場合に即決額を満たす入札を指示するという情報が入力されている。また、UIオブジェクトG402に対する操作によって、落札圏内の最低額が25000円で以上である場合に即決額を満たす入札を指示するという情報が入力されている。また、UIオブジェクトG403に対する操作によって、入札ユーザの数が100人以上である場合に即決額を満たす入札を指示するという情報が入力されている。また、UIオブジェクトG404に対する操作によって、残り時間が2時間以下である場合に即決額を満たす入札を指示するという情報が入力されている。また、UIオブジェクトG401a~G404aのうち、UIオブジェクトG402a、G404aが選択されているので、UIオブジェクトG402、G404により入力された情報が、即決指示情報として設定される。
【0098】
UIオブジェクトG405は、即決指示情報が示す条件が満たされた場合に即決額を満たす入札を指示する即決個数を入力する操作を受け付ける。この例では、即決個数として、1以上且つ希望個数以下の数の入力が受け付けられる。例えば、入札ユーザは、希望個数を複数としておき少なくともその一部については即決額での入札を許容して落札の確実性を高めることができる。
【0099】
UIオブジェクトG406は、当該画面例G4に基づく設定をキャンセルする操作を受け付ける。UIオブジェクトG407は、画面例G4での入力内容に従って即決指示情報を決定する操作を受け付ける。UIオブジェクトG407に対する操作が受け付けられると、画面例G4は画面例G3に遷移する。画面例G4において入力された情報は、即決指示情報の一例を構成し、記憶部730に一時的に記憶される。
【0100】
図10に示した画面例G3において、UIオブジェクトG307は、当該画面例G3に基づく設定をキャンセルする操作を受け付ける。UIオブジェクトG308は、当該オークションに入札する操作を受け付ける。UIオブジェクトG308に対する操作が受け付けられると、入札UI部711は、画面例G3~G4において入力された入札額情報、入札設定情報、記憶部730に記憶された入札ユーザID、および入札時刻を、オークションサーバ10に送信する。当該入札設定情報には、画面例G4において入力された即決指示情報が含まれる。ただし、即決指示情報の入力は必須ではなく、入札設定情報は、即決指示情報を含んでいなくてもよい。入札時刻は、例えば、入札額情報および入札設定情報の送信時刻であってもよいが、これに限られない。
【0101】
再び
図7を参照して、ステップS104以降の情報処理方法S1の流れについて説明を続ける。ステップS104(入札額情報取得ステップ、即決実行指示情報取得ステップ)において、オークションサーバ10の入札額情報取得部112は、入札ユーザ端末70から、入札額情報および入札設定情報を受信する。また、入札額情報取得部112は、入札可能期間の間、複数の入札ユーザ端末70から、それぞれ、入札額情報、入札設定情報、および入札ユーザIDを受信する可能性がある。また、即決指示情報取得部117は、入札設定情報に即決実行指示情報が含まれる場合、当該即決実行指示情報を取得する。また、入札額情報取得部112は、受信した入札額情報、入札設定情報、入札ユーザID、および入札時刻を関連付けて、記憶部130に保存する。
【0102】
ステップS106(順位情報取得ステップ、自動入札管理ステップ)において、制御部110は、順位情報に基づき自動入札を管理する自動入札管理処理を実行する。自動入札管理処理の詳細について、
図12を参照して説明する。
図12は、自動入札管理処理の詳細な流れの一例を示すフロー図である。
【0103】
図12に示すように、自動入札管理処理は、ステップS120~S134を含む。ステップS120において、順位情報取得部113は、現時点までに受信されている入札額情報および入札設定情報に基づいて、順位情報を取得する。例えば、記憶部130に
図3に示したテーブルT1が記憶されており、ステップS700において新たな入札額情報および入札設定情報が受信されたとする。この場合、順位情報取得部113は、新たな入札額情報および入札設定情報に基づいてテーブルT1を更新することにより、順位情報を取得する。
【0104】
図13は、新たな入札により更新された順位情報の一例を示す図である。
図13において、テーブルT2は、テーブルT1が更新されたものであり、網掛けで示したセルは、テーブルT1との差分を示す。テーブルT2において、レコードL31は、新たな入札を示す。この例では、新たな入札は、新たなユーザU030によって、自動入札を行うことが選択され、入札額3100円、最高入札額30000円、入札個数1として行われたものである。レコードL31には、順位として4位が付与される。これは、新たなレコードL31を含むレコードL1~L31が、少なくとも入札額に基づいて並べ替えられた結果に基づいている。これにより、レコードL4~L30の順位は、それぞれ1ずつ繰り下げられて更新される。レコードL1~L29、L31の順位は落札圏内である。レコードL30の順位は、テーブルT1がテーブルT2に更新されることにより、落札圏内から落札圏外に変化している。
【0105】
続いて、自動入札管理部114は、順位情報を参照し、落札圏外の入札額情報のそれぞれについて順位が高いものから順に、
図12のステップS122~S132の処理を実行する。ステップS122~S132の説明において、処理の対象としている入札額情報を、処理対象の入札額情報と記載する。
【0106】
ステップS122において、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報に関連付けられた入札設定情報において、自動入札することが設定されているか否かを判断する。当該ステップS122においてNoと判断された場合、処理対象の入札額情報に関する処理は終了し、落札圏外において次の順位の入札額情報を新たな処理対象としてステップS122~S132が実行される。なお、落札圏外にステップS122~S132の新たな処理対象の入札額情報がなくなると、後述するステップS134が実行される。当該ステップS122においてYesと判断された場合、次のステップS124が実行される。
【0107】
ステップS124において、自動入札管理部114は、順位情報を参照し、処理対象の入札額情報の順位が落札圏内となるための最低額を算出する。例えば、
図13に示したテーブルT2を参照すると、落札圏内における入札額の最小値は3000円である。この例では、入札額が同一の場合は入札時刻が早い方に高い順位が付与されるため、処理対象の入札額情報は、仮に入札額が当該最小値と同額の入札額に更新されたとしても、落札圏内となることができない。そこで、自動入札管理部114は、落札圏内となるための最低額として、当該最小値より大きい額を設定する。例えば、落札圏内となるための最低額は、当該最小値に所定値(例えば、100円)を加算した値(例えば、3100円)であってもよい。
【0108】
ステップS126において、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報が示す入札額について、落札圏内となるための最低額への更新の可否を、入札設定情報に基づいて決定する。例えば、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報に関連付けられた入札設定情報において自動入札の最高入札額が「落札圏内となるための最低額」以上に設定されている場合、当該更新を行うことを決定してもよい。また、自動入札管理部114は、当該最高入札額が「落札圏内となるための最低額」未満である場合、当該更新を行わないことを決定してもよい。例えば、テーブルT2に50レコード含まれ落札圏が30位までであるとする。また、「落札圏内となるための最低額が3100円であるとする。この場合、31~50位の各レコードは、自動入札の最高入札額が3100円以上であれば、更新を行うことが決定される。
【0109】
また、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報の順位が所定順位以内であり、且つ、自動入札の最高入札額が「落札圏内となるための最低額」以上に設定されている場合に、当該更新を行うと決定してもよい。この場合、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報の順位が所定順位より低い場合は、入札設定情報の内容に関わらず当該更新を行わないことを決定してもよい。例えば、上述したテーブルT2の例において所定順位を40位とする場合、31~40位の各レコードは、自動入札の最高入札額が3100円以上であれば、更新を行うことが決定される。また、この場合、41~50位のレコードは、入札設定情報の内容に関わらず更新を行わないことが決定される。
【0110】
また、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報が、順位情報の直近の更新により落札圏内から落札圏外に変化しており、且つ、自動入札の最高入札額が「落札圏内となるための最低額」以上に設定されている場合に、当該更新を行うと決定してもよい。この場合、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報の順位が、順位情報の直近の更新前においても落札圏外であった場合は、入札設定情報の内容に関わらず当該更新を行わないことを決定してもよい。例えば、上述したテーブルT2の例において、テーブルT1からT2への更新により30位以内から31位以下に下がった各レコードは、自動入札の最高入札額が3100円以上であれば、更新を行うことが決定される。また、この場合、テーブルT1、T2の何れにおいても31位以下のレコードは、入札設定情報の内容に関わらず更新を行わないことが決定される。
【0111】
ステップS126において更新を行わないと決定された場合(ステップS128でNo)、処理対象の入札額情報に関する処理は終了し、落札圏外において次の順位の入札額情報を新たな処理対象としてステップS122~S132が実行される。なお、落札圏外にステップS122~S132の新たな処理対象の入札額情報がなくなると、後述するステップS134が実行される。ステップS126において更新を行うと決定された場合(ステップS128でYes)、次のステップS130が実行される。
【0112】
ステップS130において、自動入札管理部114は、処理対象の入札額情報が示す入札額を、ステップS124で算出した「落札圏内となるための最低額」に更新する。ステップS132において、順位情報取得部113は、更新した入札額に基づいて順位情報を更新する。処理対象の入札額情報に関する処理は終了し、落札圏外において次の順位の入札額情報を新たな処理対象としてステップS122~S132が実行される。なお、落札圏外にステップS122~S132の新たな処理対象の入札額情報がなくなると、後述するステップS134が実行される。
【0113】
ステップS122~S132の処理の一例について、
図13~
図15を参照して説明する。
図13に示すテーブルT2において、落札圏外である31位のレコードL30は、自動入札可否として「する」を含む(S122)。前述したように、落札圏内となるための最低額は、3100円と算出されている(S124)。また、レコードL30に含まれる最高入札額12000円は、「落札圏内となるための最低額」3100円以上である。そこで、自動入札管理部114は、レコードL30について更新を行うことを決定し(S126~S128)、入札額3000円を「落札圏内となるための最低額」3100円に更新する(S130)。また、自動入札管理部114は、レコードL30の入札時刻を、当該更新を行った時刻に更新する。また、自動入札管理部114は、更新後の入札額および入札時刻に基づいてレコードL1~L31を並べ替える(S132)。
【0114】
これにより、
図13に示したテーブルT2は、
図14に示すテーブルT3に更新される。
図14は、ステップS132において更新される順位情報の一例を示す図である。
図14において、テーブルT3は、
図13に示したテーブルT2が更新されたものであり、網掛けで示したセルは、テーブルT2との差分を示す。
図14に示すテーブルT3において、
図13に示すテーブルT2では落札圏外であったレコードL30には、落札圏内の5位の順位が付与されている。
【0115】
また、テーブルT3において新たに落札圏外の31位となったレコードL29は、自動入札可否として「する」を含む(S122)。また、テーブルT3において、落札圏内における入札額の最小値は3000円であり、「落札圏内となるための最低額」として引き続き3100円が算出される(S124)。また、レコードL29に含まれる最高入札額18000円は、「落札圏内となるための最低額」3100円以上である。そこで、自動入札管理部114は、レコードL29について更新を行うことを決定し(S126~S128)、入札額3000円を「落札圏内となるための最低額」3100円に更新する(S130)。また、自動入札管理部114は、レコードL29の入札時刻を、当該更新を行った時刻に更新する。また、自動入札管理部114は、更新後の入札額および入札時刻に基づいてレコードL1~L31を並べ替える(S132)。
【0116】
このようにして、落札圏外のレコードのそれぞれについてステップS122~S132が実行される過程において、「落札圏内における入札額の最小値」が3100円になったとする。この例では、前述したように、入札額が同一の場合は入札時刻が早い方に高い順位が付与されるため、処理対象のレコードは、仮に入札額が当該最小値と同額の入札額に更新されたとしても、落札圏内となることができない。そこで、自動入札管理部114は、落札圏内となるための最低額として、例えば、当該最小値3100円に所定値(例えば、100円)を加算した値(例えば、3200円)を算出する(S124)。続いて、当該3200円を用いて、処理対象のレコードの入札額が更新されるとともに順位情報が更新される(S126~S132)。
【0117】
このようにして、ステップS122~S132が繰り返されることにより、
図14に示したテーブルT3は、
図15に示すテーブルT4に更新される。
図15は、ステップS132において更新された順位情報の他の一例を示す図である。
図15において、テーブルT4は、
図14に示したテーブルT3が更新されたものであり、網掛けで示したセルは、テーブルT3との差分を示す。
図15に示すテーブルT4において、落札圏内における入札額の最小値は5000円である。この例では、前述したように、入札額が同一の場合は入札時刻が早い方に高い順位が付与されるため、落札圏外である31位のレコードL5は、仮に入札額が当該最小値と同額の入札額に更新されたとしても、落札圏内となることができない。そのため、「落札圏内となるための最低額」として5100円が算出される(S122)。しかしながら、当該レコードL5は、最高入札額として5000円を含む。当該当該最高入札額は、「落札圏内となるための最低額」5100円未満である。そこで、自動入札管理部114は、レコードL5について更新を行わないと決定する(S124)。
【0118】
落札圏外の入札額情報のそれぞれについてステップS122~S132が完了すると、ステップS134が実行される。ステップS134において、自動入札管理部114は、更新を行った入札額情報が少なくとも1つはあったかどうかを判断する。当該ステップS134においてNoと判断した場合、自動入札管理処理は終了する。当該ステップS134においてYesと判断した場合、自動入札管理部114は、落札圏外の入札額情報のそれぞれについてステップS122~S132を実行する。例えば、
図15に示したテーブルT4の例では、レコードL5について更新を行わないと決定されており、落札圏において更新を行ったレコードが1つもない。そこで、自動入札管理処理は終了する。
【0119】
再び
図7を参照して、ステップS108以降の情報処理方法S1の流れについて説明を続ける。ステップS108(状況情報取得ステップ、即決管理ステップ、即決落札ユーザ決定ステップ)において、制御部110は、状況情報に基づき落札ユーザを即決するための即決管理処理を実行する。なお、ステップS106の自動入札管理処理、およびステップS108の即決管理処理は、必ずしもこの順に実行されなくてもよい。例えば、ステップS108の後にステップS106が実行されてもよく、並行して実行されてもよい。ステップS108における即決管理処理の詳細について、
図16を参照して説明する。
図16は、即決管理処理の詳細な流れの一例を示すフロー図である。
図16に示すように、即決管理処理は、ステップS150~S160を含む。
【0120】
ステップS150において、状況情報取得部116は、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する。例えば、状況情報取得部116は、状況情報として、当該オークションにおける出品媒体の数から、落札された出品媒体の数を減じた残数を示す情報を取得してもよい。残数を示す情報は、
図3、
図13~
図15に一例を示したテーブルを参照することにより取得されてもよい。例えば、
図15に示したテーブルT4において、出品媒体の個数「30」から、落札状況が「確定」であるレコードの個数「1」を減じることにより、残数「29」が算出される。
【0121】
また、例えば、状況情報取得部116は、状況情報として、当該オークションに入札している他の入札ユーザの入札額を示す情報を取得してもよい。例えば、状況情報として取得する他の入札ユーザの入札額は、落札圏内の入札額の最小値であってもよい。そのような他の入札ユーザの入札額は、
図3、
図13~
図15に一例を示したテーブルを参照することにより取得されてもよい。例えば、
図15に示したテーブルT4において、落札圏内の入札額の最小値は「5000円」である。
【0122】
また、例えば、状況情報取得部116は、状況情報として、当該オークションに入札している入札ユーザの数を示す情報を取得してもよい。入札ユーザの数を示す情報は、
図3、
図13~
図15に一例を示したテーブルを参照することにより取得されてもよい。例えば、
図15に示したテーブルT4において、入札ユーザIDにより識別される入札ユーザU001~U030の数は「30人」である。
【0123】
また、例えば、状況情報取得部116は、状況情報として、予め設定された期限が満了するまでの残り時間を示す情報を取得してもよい。残り時間を示す情報は、出品媒体情報に含まれる入札可能期限を参照することにより取得されてもよい。
【0124】
続いて、制御部110は、これまでに受信した各入札額情報について、ステップS152~S158を実行する。ステップS152において、即決管理部118は、状況情報が、予め設定された所定の内容であるか否かを判断する。予め設定された所定の内容は、当該入札額情報に関連付けられた入札設定情報が含む即決指示情報に含まれている。
【0125】
例えば、即決管理部118は、状況情報が示す上述の残数が所定の数以下であるか否かを判断してもよい。また、例えば、即決管理部118は、状況情報が示す上述の他の入札ユーザの入札額が所定の額以上であるか否かを判断してもよい。また、例えば、即決管理部118は、状況情報が示す上述の入札ユーザの数が所定の数以上であるか否かを判断してもよい。また、例えば、即決管理部118は、状況情報が示す上述の残り時間が所定の時間以下であるか否かを判断してもよい。
【0126】
ステップS152において状況情報が所定の内容ではないと判断された場合、当該入札額情報に関する処理は終了し、次の入札額情報についてステップS152~S158の処理が実行される。ステップS152において状況情報が所定の内容であると判断された場合、ステップS154が実行される。
【0127】
ステップS154において、即決管理部118は、即決条件を満たす入札を実行するために、当該入札額情報が示す入札額を即決額に更新する。例えば、
図15に一例を示したテーブルT4に関連付けられた出品設定情報において、即決額が30000円に設定されているとする。また、レコードT30に関連付けられた入札設定情報に、「落札圏における入札額の最小値が25000円以上であり、且つ、残り時間が2時間以下になったら即決条件を満たす入札を実行する」という即決指示情報が含まれているとする。この場合、落札圏における入札額の最小値が25000円以上であり、且つ、残り時間が2時間以下になると(S152でYes)、レコードT30の入札額が即決額の30000円に更新される。
【0128】
ステップS156において、落札ユーザ決定部119は、上述した即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する。例えば、
図15に一例を示したテーブルT4において、レコードT30に含まれる入札額が即決額の30000円に更新された場合、落札ユーザ決定部119は、レコードT30が示す入札ユーザU030を、落札ユーザとして決定する。また、落札ユーザ決定部119は、テーブルT4におけるレコードT30の落札状況を「未確定」から「確定」に更新する。
【0129】
ステップS158において、通知部120は、即決した落札ユーザが利用する入札ユーザ端末70に対して、即決したことを通知する情報を送信する。即決したことを通知する情報は、即決が行われる契機となった状況情報を含んでいてもよい。例えば、即決したことを通知する情報は、「落札圏内の入札額の最小値が25000円以上となり、残り時間が2時間以下になったので、即決額30000円により即決しました。」等のテキストを含んでいてもよい。
【0130】
ステップS160において、制御部110は、落札ユーザを即決した結果、出品媒体の残数が1以上あるか否かを判断する。残数が1以上あると判断された場合、次の入札額情報について、ステップS152~S158の処理が繰り返される。残数が0であると判断された場合、または、全ての入札額情報についてステップS152~S158の処理が終了した場合、即決管理処理は終了する。
【0131】
再び
図7を参照し、ステップS110以降の情報処理方法S1の流れについて説明を続ける。ステップS110において、通知部120は、最新の順位情報を参照し、落札圏より下位の順位の入札額情報に関連付けられている入札ユーザに対して、落札圏外であることを通知する。例えば、通知部120は、
図15に示したテーブルT4を参照し、落札圏外の31位であるレコードL29が示す入札ユーザU028が利用する入札ユーザ端末70に対して、落札圏外であることを通知する情報を送信する。
【0132】
ステップS702において、入札ユーザ端末70の落札圏外受信部712は、落札圏外であることを通知する情報を受信すると、落札圏外であることを、入札ユーザが認識可能な態様で出力する。例えば、手動入札が設定されている場合、通知を受けた入札ユーザは、落札圏に入るために再入札を行う等の対応が可能となる。また、自動入札が設定されている場合、通知を受けた入札ユーザは、自動入札による経過に注目したり、自動入札の設定を変更したりする等の対応が可能となる。
【0133】
ステップS112において、オークションサーバ10の制御部110は、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件が満たされるか否かを判断する。終了条件が満たされない場合、ステップS700、S104~S110の処理が繰り返される。終了条件が満たされる場合、続くステップS114が実行される。
【0134】
ステップS114において、落札ユーザ決定部119は、複数の入札ユーザのうち、複数の同じ種類の出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する。例えば、落札ユーザ決定部119は、入札可能期間の終了後において、順位情報において落札圏内の入札額情報に関連付けられた入札ユーザIDが示す入札ユーザを、落札ユーザとして決定してもよい。例えば、入札可能期間の終了後において、
図15に示したテーブルT4が記憶部130に記憶されているとする。この場合、落札ユーザ決定部119は、落札圏内のレコードL1~L3、L31、L6~L29、L4に含まれる入札ユーザIDが示す入札ユーザを、落札ユーザとして決定する。また、落札ユーザ決定部119は、テーブルT4におけるこれらのレコードのうち、落札状況が「未確定」のレコードを「確定」に更新する。
【0135】
なお、落札ユーザ決定部119は、入札設定情報に含まれる入札個数が複数である場合、当該入札設定情報に含まれる「希望個数の一部の購入」の可否を参照して、落札とするか否かを決定してもよい。例えば、上述のテーブルT4の例では、レコードL4、L5は、入札ユーザU004による入札個数が2の入札を示している。このうち、レコードL4は順位が30位で落札圏内であるが、レコードL5は順位が31位のため落札圏外である。このとき、レコードL4、L5に対応する「希望個数の一部の購入」の設定が「可」である場合、レコードL4は落札が確定となり、レコードL5は落選となる。つまり、入札ユーザU004は、入札個数2のうち一部である1つについて落札することができる。
【0136】
一方、レコードL4、L5に対応する「希望個数の一部の購入」の設定が「不可」である場合、レコードL4およびレコードL5は共に落選となる。つまり、入札ユーザU004は、入札個数である2個それぞれに対応するレコードのうち1つでも落札圏外である場合は、2個とも落札できない。この場合、32位以下のレコードが存在する場合には、希望個数が1のレコード、または、希望個数の一部の購入が可となっているレコードのうち順位が最も高いレコードの落札が確定となる。
【0137】
ステップS116において、通知部120は、出品ユーザ端末50および入札ユーザ端末70に対して、落札結果を通知する。また、出品媒体にNFTが関連付けられている場合、通知部120は、当該出品媒体の所有者が出品ユーザから入札ユーザに変更されたことを、ブロックチェーンシステム90に通知する。
【0138】
例えば、出品ユーザ端末50に対して通知される落札結果は、出品媒体を落札した入札ユーザを示す情報を含んでいてもよい。例えば、当該落札結果は、複数の同じ種類の出品媒体のそれぞれを落札した入札ユーザのリストであってもよい。また、入札ユーザ端末70に対して通知される落札結果は、落札したか否か、または落札個数を示す情報を含んでいてもよい。例えば、上述のテーブルT4の例では、入札ユーザU004に対して通知される落札結果は、入札個数2のうち落札個数が1であるとの情報を含んでいてもよい。
【0139】
ステップS704において、入札ユーザ端末70の落札結果受信部713は、受信した落札結果を、入札ユーザが認識可能な態様で出力する。認識可能な態様の一例については前述した通りである。また、ステップS706において、落札結果受信部713は、落札した出品媒体がある場合、当該出品媒体を示す媒体情報を記憶部730に記憶する。なお、ステップS704およびS706は、必ずしもこの順に実行されなくてもよく、順序を逆にして、または並行して実行されてもよい。
【0140】
ステップS504において、出品ユーザ端末50の出品媒体通知部512は、受信した落札結果を、出品ユーザが認識可能な態様で出力するとともに、ゲームサーバ30に送信する。また、ステップS506において、出品媒体通知部512は、落札された出品媒体を示す媒体情報を記憶部530から削除する。なお、ステップS504およびS506は、必ずしもこの順に実行されなくてもよく、順序を逆にして、または並行して実行されてもよい。
【0141】
ステップS302において、ゲームサーバ30の媒体管理部311は、出品ユーザ端末50から落札結果を受信すると、当該落札結果が示すゲーム媒体の媒体情報に関連付けられた出品状況情報を、出品中でないことを示すよう更新する。これにより、媒体管理部311は、当該ゲーム媒体のゲームにおける使用を可とする。また、ステップS304において、媒体管理部311は、当該媒体情報が示すゲーム媒体の所有者情報を、出品ユーザから入札ユーザに変更する。なお、ステップS302およびS304は、必ずしもこの順に実行されなくてもよく、順序を逆にして、または並行して実行されてもよい。以上で、システム1は、情報処理方法S1を終了する。
【0142】
<変形例1>
上述した実施形態において、自動入札における入札額の初期値として、出品設定情報に含まれる最低入札額を適用する例について説明した。これに限らず、自動入札における入札額の初期値は、入札ユーザにより指定可能であってもよい。この場合、例えば、
図10に示した画面例G3は、入札額の初期値の入力を受け付けるUIオブジェクトを含んでいてもよい。これにより、相場に比べて低すぎる入札額から開始することを避け、早い段階でそのオークションにおける相場を形成することができる。
【0143】
<変形例2>
また、上述した実施形態において、自動入札を行うか否かを、入札ユーザの操作に基づき入札後に切り替え可能としてもよい。例えば、手動入札により設定された入札額を示す入札額情報に関連付けられた入札設定情報が、自動入札をするよう変更されたとする。このような入札設定情報の変更は、例えば、
図10~
図11の画面例G3~G4を用いて行われてもよい。この場合、自動入札管理部114は、当該入札額情報について直近に手動で入力された入札額をもとに、以降、入札ユーザの入力に基づく更新を行わず、自動入札により更新する。
【0144】
また、例えば、自動入札により設定された入札額を示す入札額情報に関連付けられた入札設定情報が、自動入札をしないよう変更されたとする。この場合、自動入札管理部114は、当該入札額情報について、以降、自動入札による更新を行わず、入札ユーザの入力に基づき更新する。また、この場合、変更後の手動入札の開始時において、自動入札において直近に更新された入札額および入札個数が維持されていてもよい。
【0145】
<変形例3>
また、上述した実施形態において、入札額が同一の複数の入札額情報に順位を付与するために、入札時刻が早い順、および、入札個数が多い順を、この順に適用するものとして説明した。ただし、入札額が同一の複数の入札額情報に順位を付与するために参照する情報の種類、適用する順序は、これに限られない。例えば、入札額が同一の複数の入札額情報に対して、まず、入札個数が多い順に高い順位が付与され、次に、入札額および入札個数が同一の複数の入札額情報に対して、入札時刻が早い順に高い順位が付与されてもよい。これにより、複数の同じ種類の出品媒体のうち、より多くの購入を希望する入札ユーザが優遇される。
【0146】
また、入札個数が複数である場合には、そのうち一部に対応する入札額情報に優先的に高い順位が付与され、他の一部に対応する入札額情報にはより低い順序が付与されるようにしてもよい。例えば、複数の入札ユーザのそれぞれにつき入札個数の少なくとも一部(例えば1個目)に対応する入札額情報を対象としてまず順位が付与されてもよい。また、この場合、各入札ユーザにつき入札個数の他の一部(例えば2個目以降)がある場合、当該他の一部に対応する入札額情報については、1個目に対応する各入札額情報に付与された順位のうち最も低い順位より低い順位が付与されるようにしてもよい。これにより、複数の同じ種類の出品媒体に対して、より多くの入札ユーザによる落札が可能となる。
【0147】
<変形例4>
また、上述した実施形態において、
図12に示した自動入札管理処理におけるステップS124は、次のように変形することができる。例えば、入札額が同一の場合に、入札時刻とは異なる他の情報を参照して高い順位が付与される場合、落札圏内における最小値が、「落札圏内となるための最低額」となる可能性がある。例えば、入札額が同一の場合に入札個数が多いほど高い順位が付与されるとする。この場合、落札圏外における処理対象の入札額情報に関連付けられた入札個数が、落札圏内における当該最小値の入札額情報に関連付けられた入札個数よりも多ければ、当該処理対象の入札額情報は、入札額が当該最小値に更新されることにより、落札圏内となる。そこで、自動入札管理部114は、
図12のステップS124において、処理対象の入札額情報について、入札額を落札圏における最小値に更新した場合の仮の順位を算出し、仮の順位が落札圏内となる場合には、当該最小値を「落札圏内となるための最低額」として算出してもよい。また、自動入札管理部114は、仮の順位が依然として落札圏外である場合には、当該最小値に所定の金額を加算した額を「落札圏内となるための最低額」として算出してもよい。
【0148】
また、上述した実施形態において、
図12に示した自動入札管理処理は、次のように変形することができる。例えば、自動入札管理部114は、ステップS104で取得した新たな入札額情報が落札圏内となるよう順位情報を更新する。次に、自動入札管理部114は、当該新たな入札額情報の順位以下において自動入札が設定された複数の入札額情報のうち、各入札額情報に関連付けられた最高入札額が最も低い入札額情報を、新たな落札圏外として特定する。なお、最高入札額が最も低い入札額情報が複数ある場合、自動入札管理部114は、入札時刻が遅い方の入札額情報を、新たな落札圏外として特定する。次に、自動入札管理部114は、当該最も低い最高入札額に所定金額を加算した金額を、新たな再入札額として決定する。次に、自動入札管理部114は、落札圏内において、当該新たな入札額情報の順位以下で自動入札が設定された各入札額情報の入札額を、決定した再入札額に更新する。次に、自動入札管理部114は、更新した入札額に基づいて順位情報を更新する。これにより、
図12に示したような繰り返し処理を行うことなく、例えば、テーブルT2を、これ以上更新できないテーブルT4に更新することができる。
【0149】
<変形例5>
上述の実施形態では、1件のオークションにおいて自動入札するか手動入札するかを入札ユーザが選択可能であるとして説明した。これに限らず、オークションごとに出品ユーザが入札手法を設定可能であってもよい。設定可能な入札手法としては、自動入札のみ、手動入札のみ、並びに、自動入札および手動入札の何れも可、が挙げられる。入札手法によってオークションの過程または結果が異なり得るため、オークションごとに入札手法を設定することで、より出品内容に適したオークションとすることができる。出品ユーザにより入札手法が「自動入札のみ」に設定されたオークションは、「どのオークションでも自動入札を行う」という設定を事前に行った入札ユーザでなければ入札に参加できないか、又は、入札すると同時に自動的に自動入札を行うことが設定されるように構成してもよい。
【0150】
<変形例6>
上述の実施形態では、1人の入札ユーザが1件のオークションに対して入札可能な件数を1件としていた。なお、ここでいう1件の入札とは、同一の入札設定情報を適用する入札である。これを変形し、1件のオークションに対して、1人の入札ユーザによる複数件の入札を可能としてもよい。これにより、複数件の入札のそれぞれにおいて、入札設定情報を互いに異ならせることが可能となる。例えば、入札ユーザは、1件のオークションに対して複数件の入札を行い、一方の入札においては高額な最高入札額を設定し、他方の入札においては安価な最高入札額を設定することができる。これにより、例えば、入札ユーザは、高額の最高入札額を設定した入札によって少なくとも1個については入手の確実性を高め、その他については安価であれば入手する、という戦略をとることが可能となる。なお、本変形例において、1人の入札ユーザが入札可能な件数の上限を、出品ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0151】
<変形例7>
上述の実施形態では、出品媒体情報が、複数の同じ種類の出品媒体を示す例を中心に説明した。ただし、出品媒体情報は、1つのみの出品媒体を示す情報であってもよく、少なくとも2つの異なる種類の出品媒体を含む複数の出品媒体を示す情報であってもよい。この場合でも、特にステップS108における即決管理処理は同様に実行可能である。また、上述の実施形態では、入札額情報取得部112は、複数の入札ユーザのそれぞれから入札を受け付けるものとして説明した。ただし、入札額情報取得部112は、少なくとも1人の入札ユーザからの入札を受け付けてもよい。この場合でも、特にステップS108における即決管理処理は同様に実行可能である。
【0152】
<変形例8>
また、システム1を構成する装置構成は、
図1に示した構成に限定されない。例えば、オークションサーバ10およびゲームサーバ30は、同一のコンピュータ上に実現されてもよい。また、オークションサーバ10およびゲームサーバ30の一方または両方は、ブロックチェーンシステム90における分散ノードの1つであってもよい。また、出品ユーザ端末50および入札ユーザ端末70は、同一の端末によって構成されていてもよい。
【0153】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0154】
態様1に係るシステム(1)は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、当該出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得部(111)と、当該オークションに入札する複数の入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得部(112)と、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する、落札ユーザ決定部(119)と、前記入札額が高い順としたときの前記入札額情報の順位を示す順位情報を取得する順位情報取得部(113)と、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、前記順位が前記出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である前記入札額情報が示す入札額の、当該順位が前記落札圏内となるための最低額の入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、更新可と決定した場合に、当該更新を実行する、自動入札管理部(114)と、を備える。上記構成によれば、最低額、又は、最低額に近い額で購入できるユーザが増え、公平感が向上する。
【0155】
態様2に係るシステム(1)は、態様1において、前記入札ユーザによる事前の設定は、更新する入札額の上限額を含む。上記構成によれば、当該入札ユーザが想定する以上に高額の入札をすることを防ぐことができる。
【0156】
態様3に係るシステム(1)は、態様1または2において、前記入札額情報には、当該入札額情報が示す入札額による入札が行われた時刻が関連付けられており、前記順位情報は、入札額が同じ入札額情報が複数ある場合、当該入札額を入札した時刻が早い方の入札額情報が高い順位であることを示す。上記構成によれば、複数の落札ユーザが生じるオークションにおいては、入札額が同じであるにもかかわらず、落札できたものとできなかったものが発生する場合がある。このような場合に、落札できなかったユーザの納得度が向上する。
【0157】
態様4に係るシステム(1)は、態様1から3の何れか1つにおいて、出品媒体情報には、入札する出品媒体の個数の最低個数である入札単位を示す情報が関連付けられている。上記構成によれば、最低個数での利用が望ましい出品媒体を、最低個数未満で落札することを防止できる。
【0158】
態様5に係るシステム(1)は、態様1から3の何れか1つにおいて、前記出品媒体情報には、一人の落札ユーザが落札可能な個数の上限数を示す情報が関連付けられている。上記構成によれば、複数の同じ種類の出品媒体を、より多くのユーザに落札させることができる。
【0159】
態様6に係るシステム(1)は、態様1から態様5の何れか1つにおいて、前記落札圏より下位の順位の前記入札額情報に関連付けられている入札ユーザに対して、落札圏外であることを通知する通知部(120)をさらに備える。上記構成によれば、落札圏外となった入札ユーザがその旨を知ることができる。
【0160】
態様7に係るシステムは、態様1から態様6の何れか1つにおいて、前記出品媒体は、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられた電子媒体である。上記構成によれば、電子媒体の信用を保つことができる。例えば、不正行為によって生成されたものでは無いことを示すことができる。また、非代替性トークンが関連付けられていることによって、取引履歴に関する情報をより容易に取得することができる。
【0161】
態様8に係る方法(S1)は、1または複数のコンピュータが実行する方法であって、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、当該出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップ(S100)と、当該オークションに入札する複数の入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップ(S104)と、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する、落札ユーザ決定ステップ(S114)と、前記入札額が高い順としたときの前記入札額情報の順位を示す順位情報を取得する順位情報取得ステップ(S106)と、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、前記順位が前記出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である前記入札額情報が示す入札額の、当該順位が前記落札圏内となるための最低額の入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、更新可と決定した場合に、当該更新を実行する、自動入札管理ステップ(S106)と、を含む。上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0162】
態様9に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、当該出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップ(S100)と、当該オークションに入札する複数の入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップ(S104)と、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する、落札ユーザ決定ステップ(S114)と、前記入札額が高い順としたときの前記入札額情報の順位を示す順位情報を取得する取得ステップ(S106)と、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、前記順位が前記出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である前記入札額情報が示す入札額の、当該順位が前記落札圏内となるための最低額の入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、更新可と決定した場合に、当該更新を実行する、自動入札管理ステップ(S106)と、を実行させる。上記構成によれば、上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0163】
態様10に係るシステム(1)は、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得部と、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得部(111)と、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得部(115)と、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得部(116)と、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得部(117)と、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理部(118)と、前記即決管理部によって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定部(119)と、を備える。上記構成によれば、入札ユーザは、オークションの状況に応じて即決できるシステムを提供する。例えば、入札者が不要に高額な金額で即決することを減らしたり、入札ユーザがオークションの終了時間を管理せずとも、当該終了時間に対して余裕を持って即決したりすることができる。
【0164】
態様11に係るシステム(1)は、態様10において、前記出品媒体情報取得部(111)は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品ユーザから取得し、前記入札額情報取得部(112)は、複数の前記入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得し、前記落札ユーザ決定部は、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定し、前記状況情報は、前記複数の前記出品媒体の数から、落札された出品媒体の数を減じた残数を示す情報を含み、前記即決指示情報は、前記残数が所定の数以下である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である。上記構成によれば、同じ種類の出品媒体が複数出品されている1件のオークションについて、全ての当該出品媒体が落札される前に即決によって落札することができ、また、入札ユーザが不要に高額な金額で即決することを減らすことができる。
【0165】
態様12に係るシステム(1)は、態様10または態様11において、前記状況情報は、他の入札ユーザの入札額を示す情報を含み、前記即決指示情報は、当該入札額が所定の額以上である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である。上記構成によれば、他の入札ユーザの入札額が高くなっていくと、入札額が即決額に達する可能性が高くなる。本構成によれば、他の入札ユーザによる入札額が即決額に達する前に即決することができる。
【0166】
態様13に係るシステム(1)は、態様10から態様12の何れか1つにおいて、前記状況情報は、当該オークションに入札している入札ユーザの数を示す情報を含み、前記即決指示情報は、当該入札ユーザの数が所定の数以上である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である。上記構成によれば、入札ユーザの数が増えると落札できない可能性が高くなる。本構成によれば、このような場合にも即決できる。
【0167】
態様14に係るシステム(1)は、態様10から態様13の何れか1つにおいて、前記状況情報は、前記予め設定された期限が満了するまでの残り時間を示す情報を含み、前記即決指示情報は、当該残り時間が所定の時間以下である場合に、前記即決条件を満たす入札を実行する指示を示す情報である。上記構成によれば、残り時間に余裕を持って即決できる。例えば、残り時間が少なくなると、サーバーが込み合うなどして、即決の指示が反映されないリスクが生じるが、本構成によればこのようなリスクを低減できる。
【0168】
態様15に係るシステム(1)は、態様10から態様14の何れか1つにおいて、前記出品媒体情報取得部(111)は、1件のオークションに出品される、複数の同じ種類の出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品ユーザから取得し、前記入札額情報取得部(112)は、複数の前記入札ユーザの各々の、入札額を示す入札額情報を取得し、前記落札ユーザ決定部(119)は、前記複数の入札ユーザのうち、複数の前記出品媒体のうちの少なくとも一部を落札する、複数の落札ユーザを決定する。上記構成によれば、複数個単位で使用する電子媒体等、複数個取得することの価値が大きい媒体のオークションを実施できる。
【0169】
態様16に係るシステム(1)は、態様10から態様15の何れか1つにおいて、前記入札額が高い順としたときの前記入札額情報の順位を示す順位情報取得部(113)と、当該オークションの入札可能期間が終了する終了条件を満たすまでの間、前記順位が前記出品媒体の数に基づいて設定される落札圏の外である前記入札額情報が示す入札額の、当該順位が前記落札圏内となるための入札額への更新の可否を、当該入札額情報に関連付けられている入札ユーザによる事前の設定に基づいて決定し、更新可と決定した場合に、当該更新を実行する、自動入札管理部(114)と、をさらに備える。上記構成によれば、ユーザがオークションの状況を監視する手間を減少させつつ、落札する可能性を上げることができる。
【0170】
態様17に係るシステム(1)は、態様10から態様16の何れか1つにおいて、前記出品媒体は、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられた電子媒体である。上記構成によれば、電子媒体の信用を保つことができる。例えば、不正行為によって生成されたものでは無いことを示すことができる。また、非代替性トークンが関連付けられていることによって、取引履歴に関する情報をより容易に取得することができる。
【0171】
態様18に係る方法(S1)は、1または複数のコンピュータが実行する方法であって、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップ(S100)と、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップ(S104)と、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップ(S100)と、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップ(S108)と、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップ(S104)と、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップ(S108)と、前記即決管理部(118)によって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップ(S108)と、を含む。上記構成によれば、態様10と同様の効果を奏する。
【0172】
態様19に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、オークションに出品される出品媒体を示す出品媒体情報を、前記出品媒体を出品する出品ユーザから取得する、出品媒体情報取得ステップ(S100)と、当該オークションに入札する入札ユーザの入札額を示す入札額情報を取得する、入札額情報取得ステップ(S104)と、当該オークションの入札可能期限として予め設定された期限が満了する前に前記出品媒体を落札する、落札ユーザを決定するための即決条件を示す即決条件情報を取得する即決条件取得ステップ(S100)と、当該オークションの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得ステップ(S108)と、前記即決条件を満たす入札を、前記状況情報が予め設定された所定の内容である場合に実行する即決指示を示す即決指示情報を取得する即決指示情報取得ステップ(S104)と、前記状況情報が、予め設定された所定の内容である場合に、前記即決指示情報に基づいて、前記即決条件を満たす入札を実行する即決管理ステップ(S108)と、前記即決管理部(119)によって実行された前記即決条件を満たす入札に基づいて、当該即決指示情報に関連付けられた入札ユーザを、前記出品媒体を落札する落札ユーザとして決定する、落札ユーザ決定ステップ(S108)と、を実行させる。上記構成によれば、態様10と同様の効果を奏する。
【0173】
[ソフトウェアによる実現例]
システム1を構成する各装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に、オークションサーバ10の制御部110に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0174】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0175】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0176】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0177】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0178】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
1 システム
10 オークションサーバ
30 ゲームサーバ
50 出品ユーザ端末
70 ユーザ端末
90 ブロックチェーンシステム
11、31、51、71 プロセッサ
12、32、52、72 メモリ
13、33、53、73 通信インタフェース
19、39、59、79 バス
54、74 入力装置
55、75 表示装置
110、310、510、710 制御部
130、330、530、730 記憶部
111 出品媒体情報取得部
112 入札額情報取得部
113 順位情報取得部
114 自動入札管理部
115 上限数情報取得部
116 即決条件取得部
117 状況情報取得部
118 即決指示情報取得部
119 即決管理部
120 落札ユーザ決定部
121 通知部
311 媒体管理部
511 出品UI部
512 出品媒体通知部
711 入札UI部
712 落札圏外受信部
713 落札結果受信部