(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162464
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】リニアエンコーダ、ガイド機構、ヘッドブラケット、及びリニアエンコーダの取付方法
(51)【国際特許分類】
F16C 41/00 20060101AFI20241114BHJP
F16C 29/02 20060101ALI20241114BHJP
F16C 29/04 20060101ALI20241114BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F16C41/00
F16C29/02
F16C29/04
G01D5/245 110X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077991
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山中 修平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 優佑
【テーマコード(参考)】
2F077
3J104
3J217
【Fターム(参考)】
2F077JJ03
2F077NN05
2F077NN06
2F077VV02
2F077VV31
3J104AA65
3J104AA70
3J104AA73
3J104AA76
3J104BA80
3J104DA16
3J104DA20
3J104EA01
3J104EA04
3J217JA12
3J217JA23
3J217JA24
3J217JA36
3J217JB68
3J217JB82
3J217JB84
3J217JB89
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リニアスケールとガイドレールとの平行度を十分に確保したうえで、リニアエンコーダの省スペース化を実現する。
【解決手段】リニアエンコーダは、スライダ(14)の所定方向の位置を検出するリニアエンコーダであって、ベース(12)に設けられ、ガイドレールに対して平行に配置され、所定方向に延びたリニアスケール(26)と、スライダ(14)にリニアスケール(26)に対向して設けられ、リニアスケール(26)に対向し、リニアスケール(26)の目盛を読み取る読取ヘッド(34)と、を備え、リニアスケール(26)をベース(12)に取付けるためのスケール取付面は、ガイドレールをベース(12)に取付けるためのレール取付面と同一平面上に位置し、リニアスケール(26)の少なくとも一部が、ガイドレールの側方且つガイドブロックが摺動したときに通過する範囲の下方に位置する。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースに設けられかつ所定方向に延びたガイドレールと、スライダに設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロックとを備えたガイド機構に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出するリニアエンコーダであって、
前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケールと、
前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る読取ヘッドと、を備え、
前記リニアスケールを前記ベースに取付けるためのスケール取付面は、前記ガイドレールを前記ベースに取付けるためのレール取付面と同一平面上に位置し、
前記リニアスケールの少なくとも一部が、前記ガイドレールの側方且つ前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲の下方に位置する
ことを特徴とするリニアエンコーダ。
【請求項2】
前記読取ヘッドに設けられ、前記スライダが連結されたヘッドブラケットを備え、
前記読取ヘッドは、
前記ヘッドブラケットを介して前記スライダに取り付けられた状態において、前記ヘッドブラケットと接触する、前記読取ヘッドの側面又は上面の少なくとも一部が、前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲に含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアエンコーダ。
【請求項3】
前記リニアスケールは、
前記ベースに取り付けられるときに、当該リニアスケールの側端面が前記ガイドレールの側面に介在部材を介して間接的に当接する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアエンコーダ。
【請求項4】
前記介在部材は、
前記リニアスケールが前記ベースに取り付けられたのちに前記ベースから取り外し可能である
ことを特徴とする請求項3に記載のリニアエンコーダ。
【請求項5】
前記ベースに対して前記スライダを所定方向へ移動可能に案内するガイド機構であって、
前記ガイドレールと、
前記ガイドブロックと、
請求項3に記載のリニアエンコーダと、を備え、
前記ガイドレールの下方には、前記所定方向に沿って研削された面取り部が形成されており、
前記ベースを基準とする前記面取り部の高さは、前記リニアスケールの高さよりも高い
ことを特徴とするガイド機構。
【請求項6】
前記ベースを基準とする前記介在部材の高さは、前記面取り部の高さよりも高い
ことを特徴とする請求項5に記載のガイド機構。
【請求項7】
リニアエンコーダが備える読取ヘッドの取り付けに用いられるヘッドブラケットであって、
前記リニアエンコーダは、
ベースに設けられかつ所定方向に延びたガイドレールと、スライダに設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロックとを備えたガイド機構に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出し、
前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケールと、
前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る前記読取ヘッドと、を備え、
前記読取ヘッドは、前記ヘッドブラケットを介して前記スライダに取り付けられ、
前記ヘッドブラケットは、前記読取ヘッドの側面又は上面との接触面を有し、前記スライダに取り付けられた状態において、前記接触面の少なくとも一部が、前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲に含まれる
ことを特徴とするヘッドブラケット。
【請求項8】
請求項3に記載のリニアエンコーダの取付方法であって、
前記リニアスケールの側端面を前記ガイドレールの側面に前記介在部材を介して間接的に当接させて、その状態で、前記リニアスケールを前記ベースの前記スケール取付面に取付ける第1取付工程と、
前記リニアスケールの取付後に、ヘッドブラケットの側端面を前記スライダのヘッド位置決め面を当接させて、その状態で、前記読取ヘッドを前記スライダのヘッド取付面に前記ヘッドブラケットを介して取付ける第2取付工程と、を含むことを特徴とするリニアエンコーダの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアエンコーダ、ガイド機構、ヘッドブラケット、及びリニアエンコーダの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガイド機構は、加工装置、物品搬送装置等の様々な装置の一部として広く用いられており、今後、ガイド機構の利用範囲は、様々な分野において拡大する傾向にある。
【0003】
特許文献1に記載のガイド機構は、スライダ(特許文献1では「テーブル」と称する。)の所定方向の位置を検出するリニアエンコーダを備えている。リニアエンコーダは、ベース(特許文献1では「基台」と称する。)に設けられかつ所定方向に延びたリニアスケールと、スライダにリニアスケールに対向して設けられかつリニアスケールの目盛を読み取る読取ヘッド(特許文献1では「エンコーダヘッド」と称する。)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、リニアエンコーダの検出精度を高めるには、リニアスケールとガイドレールとの平行度を十分に確保する必要がある。加えて、ガイド機構は、大掛かりな機構であるため、リニアエンコーダの省スペース化を行うことが求められている。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、リニアスケールとガイドレールとの平行度を十分に確保したうえで、リニアエンコーダの省スペース化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリニアエンコーダは、ベースに設けられかつ所定方向に延びたガイドレールと、スライダに設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロックとを備えたガイド機構に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出するリニアエンコーダであって、前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケールと、前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る読取ヘッドと、を備え、前記リニアスケールを前記ベースに取付けるためのスケール取付面は、前記ガイドレールを前記ベースに取付けるためのレール取付面と同一平面上に位置し、前記リニアスケールの少なくとも一部が、前記ガイドレールの側方且つ前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲の下方に位置する。
【0008】
また、前記課題を解決するために、本発明の一態様に係るヘッドブラケットは、リニアエンコーダが備える読取ヘッドの取り付けに用いられるヘッドブラケットであって、前記リニアエンコーダは、ベースに設けられかつ所定方向に延びたガイドレールと、スライダに設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロックとを備えたガイド機構に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出し、前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケールと、前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る前記読取ヘッドと、を備え、前記読取ヘッドは、前記ヘッドブラケットを介して前記スライダに取り付けられ、前記ヘッドブラケットは、前記読取ヘッドの側面又は上面との接触面を有し、前記スライダに取り付けられた状態において、前記接触面の少なくとも一部が、前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、リニアスケールとガイドレールとの平行度を十分に確保したうえで、リニアエンコーダの省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るガイド機構を説明するための斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るガイド機構を説明するための平面図である。
【
図3】
図2におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。
【
図4】
図2におけるIV-IV線に沿った拡大断面図である。
【
図5】本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第1取付工程を説明するための部分断面図である。
【
図6】本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第1取付工程を説明するための部分断面図である。
【
図7】本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第2取付工程を説明するための部分断面図である。
【
図8】本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第2取付工程を説明するための部分断面図である。
【
図9】介在部材の構成例1に係るガイド機構を説明するための拡大断面図である。
【
図10】本実施形態の変形例に係るガイド機構を説明するための拡大断面図である。
【
図12】
図11と同じガイドブロックに加え、ヘッドブラケット及び読取ヘッド含む部分断面図である。
【
図13】ヘッドブラケット及び読取ヘッドの斜視図である。
【
図14】ガイドレールの下方において研削されている面取り部の高さよりもスケールの高さが低い場合を例示する部分断面図である。
【
図15】ガイドレールにスケールを間接的に当接させる構成を例示する図である。
【
図16】間座を用いる場合における、スケールの取付け手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
〔ガイド機構10の構成等〕
図1から
図4を参照して、本実施形態に係るガイド機構10の構成等について説明する。
図1は、本実施形態に係るガイド機構を説明するための斜視図である。
図2は、本実施形態に係るガイド機構を説明するための平面図である。
図3は、
図2におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。
図4は、
図2におけるIV-IV線に沿った拡大断面図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るガイド機構10は、ベース12に対してスライダとしてのテーブル14を所定方向である第1方向D1へ移動可能に案内する機構である。ここで、ベース12は、第1方向D1に延びており、テーブル14は、所定方向に直交する方向である第2方向D2に延びている。ガイド機構10、ベース12、及びテーブル14は、例えばレーザ加工機等の加工装置、物品搬送装置等の種々な装置の一部として用いられる。
【0014】
(ガイドレール16)
図1から
図3に示すように、ベース12の表側における第2方向D2の両端側には、第1方向D1に延びたガイドレール16(16L,16R)が複数の六角穴付きの取付ボルト18を介してそれぞれ設けられている。2つのガイドレール16(16L,16R)は、平行に配置されている。一方のガイドレール16Lは、第2方向D2の一端側に位置しており、他方のガイドレール16Rは、第2方向の他端側に位置している。
【0015】
(ガイドブロック20)
図1から
図3に示すように、テーブル14の裏側における第2方向D2の両端側には、2つのガイドブロック20(20L,20R)が複数の六角穴付きの取付ボルト22を介してそれぞれ設けられている。2つのガイドブロック20Lは、第2方向D2の一端側に位置しており、2つのガイドブロック20Rは、第2方向D2の他端側に位置している。2つのガイドブロック20Lは、第1方向D1に離隔しており、一方のガイドレール16Lに第1方向D1へ摺動可能に支持されている。2つのガイドブロック20Rは、第1方向D1に離隔しており、他方のガイドレール16Rに第1方向D1へ摺動可能に支持されている。各ガイドブロック20(20L,20R)には、ガイドレール16(16L,16R)に第1方向D1に沿って摺動可能に嵌合するガイド溝20gが形成されている。
【0016】
(ガイドレール16の取付に関する構成)
図3に示すように、ベース12の表側における第2方向D2の一端側には、一方のガイドレール16Lを取付けるための平坦な第1レール取付面12aが機械加工によって形成されている。ベース12の第1レール取付面12aは、ベース12の長手方向(第1方向D1)の一端から他端にかけて第1方向D1に延びている。ベース12の表側における第2方向D2の一端側には、一方のガイドレール16Lを第2方向D2に位置決めするためのレール位置決め面12bが機械加工によって形成されている。ベース12のレール位置決め面12bは、第1レール取付面12aに直交しており、ベース12の長手方向の一端から他端にかけて第1方向D1に延びている。
【0017】
ベース12の表側における第2方向D2の他端側には、他方のガイドレール16Rを取付けるための平坦な第2レール取付面12cが機械加工によって形成されている。ベース12の第2レール取付面12cは、ベース12の長手方向の一端から他端にかけて第1方向D1に延びており、第1レール取付面12aと同一平面上に位置している。
【0018】
(ガイドブロック20の取付に関する構成)
図3に示すように、テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、ガイドブロック20Lを取付けるための2つの平坦な第1ブロック取付面14aが機械加工によってそれぞれ形成されている。テーブル14の2つの第1ブロック取付面14a(1つの第1ブロック取付面14aのみ図示)は、第1方向D1に離隔している。テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、ガイドブロック20Lを第2方向D2に位置決めするための2つのブロック位置決め面14bが機械加工によってそれぞれ形成されている。テーブル14の2つのブロック位置決め面14b(1つのブロック位置決め面14bのみ図示)は、第1方向D1に離隔している。テーブル14の各ブロック位置決め面14bは、各第1ブロック取付面14aに直交している。
【0019】
テーブル14の裏側における第2方向D2の他端側には、ガイドブロック20Rを取付けるための平坦な第2ブロック取付面14cが機械加工によって形成されている。テーブル14の2つの第2ブロック取付面14c(1つの第2ブロック取付面14cのみ図示)は、第1方向D1に離隔している。テーブル14の各第2ブロック取付面14cは、各第1ブロック取付面14aと同一平面上に位置している。
【0020】
(リニアエンコーダ24の概略)
図1及び
図2に示すように、ガイド機構10は、テーブル14の第1方向D1の位置(移動量)を検出するリニアエンコーダ24を備えている。リニアエンコーダ24の検出方式は、光学式、磁気式、静電容量式、又は電磁誘導式のいずれであってもよい。そして、リニアエンコーダ24の具体的な構成は、次の通りである。
【0021】
(リニアスケール26)
図1、
図2、及び
図4に示すように、ベース12の表側における第2方向D2の一端側には、第1方向D1に延びた長尺板状のリニアスケール26が複数の六角穴付きの取付ボルト28を介して設けられている。リニアスケール26は、一方のガイドレール16Lに対して平行に配置されており、一方のガイドレール16Lよりも第2方向D2の一端側に位置している。リニアスケール26は、その表面に、より詳細にはスケールベース部分の上に、第1方向D1に延びた目盛部26aを有しており、目盛部26aには、目盛(不図示)が第1方向D1に沿って形成されている。リニアエンコーダ24の検出精度を高めるには、リニアスケール26と一方のガイドレール16Lの平行度を十分に確保する必要がある。なお、以後の説明においても、目盛部26aと目盛部26aが設置されているスケールベースとを合わせてリニアスケール26と呼称するが、目盛部26aとスケールベースとは、一体であってもよいし、別体であってもよい。また、リニアスケール26が長尺板状に構成される代わりに、テープ状に構成されてもよい。
【0022】
(ヘッドブラケット30、読取ヘッド34)
図1、
図2、
図4に示すように、テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、ヘッドブラケット30が複数の六角穴付きの取付ボルト32を介して設けられている。ヘッドブラケット30は、2つのガイドブロック20Lの間に配置されており、一方のガイドレール16Lに対向している。ヘッドブラケット30の正面視形状は、L字状に形成されている。
【0023】
ヘッドブラケット30の側端部には、リニアスケール26の目盛部26aの目盛を読み取る読取ヘッド34が複数の六角穴付きの連結ボルト36を介して連結されており、読取ヘッド34は、リニアスケール26に対向している。換言すれば、テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、読取ヘッド34がヘッドブラケット30等を介してリニアスケール26に対向して設けられている。読取ヘッド34は、ヘッドブラケット30と共に2つのガイドブロック20Lの間に配置されている。ヘッドブラケット30は、読取ヘッド34に対して着脱可能に構成されている。読取ヘッド34には、取付ボルト28の頭部との干渉を回避するための切欠部34nが形成されている。リニアエンコーダ24の検出精度を高めるには、読取ヘッド34とリニアスケール26の目盛部26aとのギャップを所定量(所定の範囲内)に設定することが必要である。
【0024】
(リニアエンコーダ24の取付に関する構成等)
図3及び
図4に示すように、ベース12の表側における第2方向D2の一端側には、リニアスケール26を取付けるための平坦なスケール取付面12dが機械加工によって形成されている。スケール取付面12dは、ベース12の長手方向(第1方向D1)の一端近傍から他端近傍にかけて第1方向D1に延びている。ベース12のスケール取付面12dは、第1レール取付面12aに連続した面であり、第1レール取付面12aと同一平面上に位置している。また、リニアスケール26の短手方向の側端面26sは、一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに当接する。換言すれば、リニアスケール26を第1方向D1に位置決めするためのスケール位置決め面は、一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsである。
【0025】
テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、ヘッドブラケット30を介して読取ヘッド34を取付けるための平坦なヘッド取付面14dが機械加工によって形成されている。テーブル14のヘッド取付面14dは、2つのブロック取付面14aに連続した面であり、2つのブロック取付面14aと同一平面上に位置している。また、テーブル14の裏側における第2方向D2の一端側には、ヘッドブラケット30を介して読取ヘッド34を第2方向D2に位置決めするためのヘッド位置決め面14eが機械加工によって形成されている。テーブル14のヘッド位置決め面14eは、ヘッド取付面14dに直交している。ヘッド位置決め面14eは、2つのブロック位置決め14bに連続した面であり、2つのブロック位置決め面14bと同一平面上に位置している。
【0026】
(駆動機構)
図示は省略するが、ベース12とテーブル14との間には、テーブル14を第1方向D1へ移動させる駆動機構が設けられている。駆動機構は、リニアエンコーダ24からの検出結果に基づいて、コンピュータからなる制御装置によって駆動制御される。換言すれば、テーブル14の移動動作は、リニアエンコーダ24からの検出結果に基づいて、制御装置によって駆動制御される。
【0027】
駆動機構がリニアモータからなる場合には、駆動機構は、ベース12の表側に設けられた固定子と、テーブル14の裏側に設けられかつ固定子に対向する可動子とを備える。駆動機構がベース12に設けられたサーボモータを備える場合には、駆動機構は、ベース12の表側に回転可能に設けられかつサーボモータの出力軸に連動連結されたボールねじと、テーブル14の裏側に設けられかつボールねじに螺合したナット部材とを備える。駆動機構がテーブル14に設けられたサーボモータを備える場合には、駆動機構は、ベース12の表側に設けられたラック部材と、サーボモータの出力軸に連動連結されかつラック部材に噛合したピニオン部材とを備える。なお、駆動機構として、流体圧シリンダ又は電動シリンダを用いてもよい。
【0028】
〔リニアエンコーダの取付方法〕
続いて、
図5から
図8を参照して、本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法について説明する。
図5及び
図6は、本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第1取付工程を説明するための部分断面図である。
図7及び
図8は、本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第2取付工程を説明するための部分断面図である。
【0029】
本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法は、リニアエンコーダ24をベース12とテーブル14との間に取付けるため方法であり、第1取付工程と、第2取付工程とを含んでいる。そして、本実施形態に係るリニアエンコーダの取付方法における第1取付工程及び第2取付工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0030】
(第1取付工程)
図5に示すように、ガイドレール16(16L,16R)及びガイドブロック20(20L,20R)の取付後に、まず、作業者は、リニアスケール26の短手方向の側端面26sを一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに当接させる。すると、リニアスケール26がベース12に対する第2方向D2の所定位置に位置決めされる。そして、
図6に示すように、作業者は、その状態で、六角穴付きの取付ボルト28を用いて、リニアスケール26をベース12のスケール取付面12dに取付ける。
【0031】
(第2取付工程)
図7に示すように、リニアスケール26の取付後に、作業者は、ヘッドブラケット30の側端面30sをテーブル14のヘッド位置決め面14eに当接させる。すると、読取ヘッド34がテーブル14に対する第2方向D2の所定位置に位置決めされる。そして、作業者は、その状態で、六角穴付きの取付ボルト32を用いて、読取ヘッド34をテーブル14のヘッド取付面14dにヘッドブラケット30を介して取付ける。
【0032】
〔本実施形態の作用及び効果〕
続いて、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0033】
本実施形態の構成によると、リニアスケール26をベース12の表側に取付けるためのスケール取付面12dは、一方のガイドレール16Lをベース12の表側に取付けるためのレール取付面12aと同一平面上に位置している。リニアスケール26の短手方向の側端面26sは、一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに当接している。そのため、リニアスケール26の短手方向の側端面26sを一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに当接させた状態で、リニアスケール26をベース12のスケール取付面12dに取付けるだけで、リニアスケール26と一方のガイドレール16Lの平行度を十分に確保することができる。これにより、リニアエンコーダ24の検出精度を高めつつ、ベース12へのリニアスケール26の取付作業が簡単になる。
【0034】
また、本実施形態の構成によると、読取ヘッド34をテーブル14の裏側にヘッドブラケット30を介して取付けるためのヘッド取付面14dは、ガイドブロック20Lをテーブル14の裏側に取付けるためのブロック取付面14aと同一平面上に位置している。読取ヘッド34をテーブル14に対して第2方向D2に位置決めするためのヘッド位置決め面14eは、ガイドブロック20Lをテーブル14に対して第2方向D2に位置決めするためのブロック位置決め面14bと同一平面上に位置している。そのため、ヘッドブラケット30の側端面30sをテーブル14のヘッド位置決め面14eを当接させて、読取ヘッド34をテーブル14のヘッド取付面14dにヘッドブラケット30を介して取付けるだけで、読取ヘッド34とリニアスケール26とのギャップを所定量(所定の範囲内)に設定することができる。これにより、リニアエンコーダ24の検出精度を高めつつ、読取ヘッド34とリニアスケール26の目盛部26aとのギャップを所定量に調整する手間を省いて、テーブル14への読取ヘッド34の取付作業が簡単になる。
【0035】
つまり、本実施形態によれば、リニアエンコーダ24の検出精度を高めつつ、リニアエンコーダ24の取付作業の作業性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態の構成によると、ベース12のスケール取付面12dは、第1レール取付面12aに連続した面であり、第1レール取付面12aと同一平面上に位置している。そのため、ベース12のスケール取付面12d及び第1レール取付面12aを同一の機械加工によって形成することができる。同様に、テーブル14のヘッド取付面14dは、2つのブロック取付面14aに連続した面であり、テーブル14の2つのブロック取付面14aと同一平面上に位置している。そのため、テーブル14のヘッド取付面14d及び2つのブロック取付面14aを同一の機械加工によって形成することができる。また、テーブル14のヘッド位置決め面14eは、2つのブロック位置決め14bに連続した面であり、2つのブロック位置決め面14bと同一平面上に位置している。そのため、テーブル14のヘッド位置決め面14e及び2つのブロック位置決め面14bを同一の機械加工によって形成することができる。
【0037】
つまり、本実施形態によれば、ベース12のスケール取付面12d、テーブル14のヘッド取付面14d、ヘッド位置決め面14eの加工の手間とコストを大幅に削減することができる。換言すれば、本実施形態によれば、リニアエンコーダ24をベース12とテーブル14の間に取付けるための加工の手間とコストを大幅に削減することができる。
【0038】
更に、本実施形態の構成によると、ヘッドブラケット30は、読取ヘッド34に対して着脱可能に構成されている。そのため、本実施形態によれば、ガイドレール16の型式等の種類に応じて、複数種のヘッドブラケット30を用意することにより、リニアエンコーダ24の汎用性を高めることができる。
【0039】
また、本実施形態の構成によると、読取ヘッド34は、ヘッドブラケット30と共に2つのガイドブロック20Lの間に配置されている。そのため、本実施形態によれば、テーブル14の第1方向D1の寸法を拡大しなくても、読取ヘッド34をテーブル14にヘッドブラケット30を介して取付けることができ、テーブル14のコンパクト化を図ることができる。
【0040】
(介在部材の構成例1)
図9を参照して、本例に係るガイド機構10A及び介在部材の構成等について説明する。
【0041】
図9に示すように、本例に係るガイド機構10Aは、ベース12に対してスライダとしてのテーブル14を所定方向である第1方向D1へ移動可能に案内する機構であり、前述のガイド機構10(
図1及び
図4参照)と同様の構成を有している。以下、ガイド機構10Aの構成のうち、ガイド機構10と異なる構成についてのみ説明する。
【0042】
ベース12の第1レール取付面12aには、第1方向D1に延びた介在部材38が設けられており、介在部材38は、一方のガイドレール16Lとリニアスケール26との間に介在する。介在部材38は、ブロック又はバーからなり、介在部材38の短手方向の側端面38sは、一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに当接する。また、リニアスケール26の短手方向の側端面26sは、一方のガイドレール16Lの短手方向の側面16Lsに介在部材38を介して間接的に当接する。
【0043】
そして、本例の構成においても、前述のガイド機構10と同様の作用効果を奏する。
【0044】
(介在部材の構成例2)
続いて、介在部材についての第2の構成例、及びガイド機構10(10A)の各部における寸法について説明する。
図11は、ガイドブロック20を含む部分断面図である。
【0045】
図11において、W
1は、ガイドレール16のD2方向における幅を示している。W
2は、ガイドレール16の側面からガイドブロック20の近い方の側面までのD2方向における距離を示している。Mは、ガイドレール16の下面からガイドブロック20の上面までの高さを示している。Kは、ガイドブロック20部分の高さを示している。H3は、ガイドレール16の下面からガイドブロック20の下面までの距離を示している。また、H3は、式:M-Kによって表される。
【0046】
Tは、テーブル(スライダ)14をガイドブロック20に固定するための取付ボルト22が挿入される深さを示している。Bは、D2方向の両端に位置する取付ボルト22のボルト穴22aの中心間の距離を示している。
【0047】
図12は、
図11と同じガイドブロック20に加え、ヘッドブラケット30及び読取ヘッド34を含む部分断面図である。また、
図12の右図は、左図の読取ヘッド34部分を拡大した図である。
【0048】
図12において、Xは、読取ヘッド34とヘッドブラケット30との接触面である、読取ヘッド34の側面から、ヘッドブラケット30の他端の側面までのD2方向の距離を示している。ここで、前記他端の側面は、ガイドブロック20の側面と同一平面である。Yは、読取ヘッド34の上面からヘッドブラケット30の上面までの高さ方向の距離を示している。tは、読取ヘッド34の前記側面から、読取ヘッド34が有する、リニアスケール26の目盛部26aを読み取るセンサの中心位置までのD2方向における距離を示している。sは、ガイドレール16の側面から前記センサの中心位置までのD2方向における距離を示している。
【0049】
上述したXは、
図11の「W
1」及び「W
2」等を用いて、式:W
1+W
2+aによって表される。ここで、aは、式:s-t(s>=t)によって表される値である。
【0050】
uは、リニアスケール26(スケールベース)の下面から、リニアスケール26の目盛部26aの上面までの高さを示している。ここで、リニアスケール26の下面は、ガイドレール16の下面と同一平面である。vは、リニアスケール26の目盛部26aの上面から前記センサの読取位置までの高さ方向の距離を示している。wは、前記センサの読取位置から読取ヘッド34の上面までの高さ方向の距離を示している。
【0051】
また、上述したYは、
図11の「M」等を用いて、式:Y=M-bによって表される。ここで、bは、式:u+v+wによって表される値である。
【0052】
また、
図13は、ヘッドブラケット30及び読取ヘッド34の斜視図である。読取ヘッド34は、ガイド機構10の寸法に合わせたヘッドブラケット30を用いてテーブル14に取り付けられる。但し、ヘッドブラケット30は、ガイド機構10毎に設計する必要は無く、ガイドブロック20、ガイドレール16及び読取ヘッド34の寸法に応じて、ヘッドブラケット30の寸法を規定するX及びY等の値が定まる。
【0053】
また、リニアスケール26についても、ガイド機構10毎に設計を不要とするため共通化することが望ましいが、以下に説明するようにガイドレール16の下方が研削されている場合があることに留意する必要がある。
【0054】
図14の右図は、左図における点線の矩形部分に対応する図であって、ガイドレール16の下方においてガイドレール16の長手方向に沿って研削されている部分(以下、面取り部51とも称します。)の高さよりもリニアスケール26の高さが低い場合を例示する部分断面図である。面取り部51の高さよりもリニアスケール26の高さが低い場合とは、ガイド機構10が、サイズが大きい型番である場合等が該当する。前記の場合、リニアスケール26をガイドレール16に当接させると、面取り部51における研削の角度によってD2方向におけるリニアスケール26の位置が変化してしまうため、リニアスケール26を共通化することができない。別の側面から言えば、ガイドレール16にリニアスケール26を直接当接させる構成の場合、リニアスケール26を共通化するためには、面取り部51の高さをリニアスケール26の高さが上回っていることが必要となる。
【0055】
図15は、ガイドレール16にリニアスケール26を間接的に当接させる構成を例示する図である。即ち、
図15は、ガイドレール16の側面に介在部材の一種である間座38aを介在させ、リニアスケール26を当接させた様子を示している。また、
図15の右図は、左図における点線の矩形部分に対応する。
【0056】
図15においても、リニアスケール26の高さは面取り部51の高さよりも低いが、間座38aの高さは、面取り部51の高さよりも高い。これにより、面取り部51の大きさ又は角度に関わらず、リニアスケール26のD2方向の位置が一定となるため、リニアスケール26を共通化することが可能となる。なお、リニアスケール26の高さが面取り部51の高さよりも高い場合にも、共通した間座38aを用いてリニアスケール26が取り付けられてもよい。
【0057】
また、
図12及び
図15に示す構成では、リニアスケール26をベース12に取付けるためのスケール取付面は、ガイドレール16をベース12に取付けるためのレール取付面と同一平面上に位置し、リニアスケール26の少なくとも一部は、ガイドレール16の側方且つガイドブロック20が摺動したときに通過する範囲の下方に位置している。前記の構成によれば、リニアスケール26とガイドレール16との平行度を十分に確保したうえで、ガイドブロック20が摺動したときに通過する範囲の下方のスペースを有効活用し、リニアエンコーダ24の省スペース化を実現することができる。
【0058】
図16は、間座38aを用いる場合における、リニアスケール26の取付け手順を示す図である。以下、
図16の各図について説明する。
【0059】
(1)間座38aをガイドレール16の側面に当接させる。
【0060】
(2)リニアスケール26を間座38aの側面に当接させる。別の側面から言えば、リニアスケール26をガイドレール16に間接的に当接させる。
【0061】
(3)リニアスケール26をボルト28によってベース12に固定する。
【0062】
(4)間座38aをベース12から取り外す。これは、間座38aがリニアスケール26を位置決めするためのものであってガイド機構10の運用時には不要であり、間座38aの大きさによっては、摺動するガイドブロック20に干渉し得るためである。結果として、リニアスケール26は、ガイドレール16に接触しないように配置される。但し、リニアスケール26をベース12に固定したのちに間座38aをベースから取り外さない態様についても本開示に含まれる。
【0063】
(5)ヘッドブラケット30を、テーブル14のヘッド位置決め面に当接させる。
【0064】
(6)ヘッドブラケット30をボルト22によってテーブル14に取り付ける。
【0065】
また、読取ヘッド34は、ヘッドブラケット30を介してスライダ14に取り付けられた状態において、ヘッドブラケット30と接触する、読取ヘッド34の側面又は上面の少なくとも一部が、ガイドブロック20が摺動したときに通過する範囲に含まれる。これにより、読取ヘッド34、及びリニアスケール26の目盛部26aをガイドブロック20に近づけ、リニアエンコーダ24の検出精度をより向上させることに寄与する。
【0066】
〔変形例〕
図10を参照して、本実施形態の変形例に係るガイド機構10Bの構成等について説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0067】
図10に示すように、本実施形態の変形例に係るガイド機構10Bは、ベース12に対してスライダとしてのテーブル14を所定方向である第1方向D1へ移動可能に案内する機構であり、前述のガイド機構10(
図1及び
図4参照)と同様の構成を有している。以下、ガイド機構10Bの構成のうち、ガイド機構10と異なる構成についてのみ説明する。
【0068】
リニアスケール26における短手方向の側端面26sの反対側には、第1方向D1に延びたフランジ部26fが立ち上がるように形成されている。換言すれば、リニアスケール26は、断面L字状に形成されている。リニアスケール26の目盛部26aは、フランジ部26fに配置されている。これにより、リニアスケール26の目盛部26aに粉塵等の異物が堆積し難くなり、リニアエンコーダ24の検出精度を安定的に高めることができる。
【0069】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るリニアエンコーダ(24)は、ベース(12)に設けられかつ所定方向に延びたガイドレール(16)と、スライダ(14)に設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロック(20)とを備えたガイド機構(10、10A)に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出するリニアエンコーダであって、前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケール(26)と、前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る読取ヘッド(34)と、を備え、前記リニアスケールを前記ベースに取付けるためのスケール取付面は、前記ガイドレールを前記ベースに取付けるためのレール取付面と同一平面上に位置し、前記リニアスケールの少なくとも一部が、前記ガイドレールの側方且つ前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲の下方に位置する構成である。
【0070】
前記の構成によれば、リニアスケールとガイドレールとの平行度を十分に確保したうえで、リニアエンコーダの省スペース化を実現することができる。
【0071】
本発明の態様2に係るリニアエンコーダは、上記の態様1において、前記読取ヘッドに設けられ、前記スライダが連結されたヘッドブラケットを備え、前記読取ヘッドは、前記ヘッドブラケットを介して前記スライダに取り付けられた状態において、前記ヘッドブラケットと接触する、前記読取ヘッドの側面又は上面の少なくとも一部が、前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲に含まれる構成としてもよい。
【0072】
前記の構成によれば、読取ヘッド及びリニアスケールをガイドブロックに近づけ、リニアエンコーダの検出精度をより向上させることに寄与する。
【0073】
本発明の態様3に係るリニアエンコーダは、上記の態様1又は2において、前記リニアスケールは、前記ベースに取り付けられるときに、当該リニアスケールの側端面が前記ガイドレールの側面に介在部材(38、38a)を介して間接的に当接する構成としてもよい。
【0074】
前記の構成によれば、例えばガイドレール及びリニアスケールの形状によらず、リニアスケールを所定位置に配置することに寄与する。
【0075】
本発明の態様4に係るリニアエンコーダは、上記の態様3において、前記介在部材は、前記リニアスケールが前記ベースに取り付けられたのちに前記ベースから取り外し可能である構成としてもよい。
【0076】
前記の構成によれば、摺動するガイドブロックに介在部材が干渉することを防ぐことができる。
【0077】
本発明の態様5に係るガイド機構は、前記ベースに対して前記スライダを所定方向へ移動可能に案内するガイド機構であって、前記ガイドレールと、前記ガイドブロックと、態様3に記載のリニアエンコーダと、を備え、前記ガイドレールの下方には、前記所定方向に沿って研削された面取り部が形成されており、前記ベースを基準とする前記面取り部の高さは、前記リニアスケールの高さよりも高い構成である。
【0078】
前記の構成によれば、リニアスケールを薄く形成することができる。
【0079】
本発明の態様6に係るガイド機構は、上記の態様5において、前記ベースを基準とする前記介在部材の高さは、前記面取り部の高さよりも高い構成としてもよい。
【0080】
前記の構成によれば、面取り部の高さによらず、リニアスケールを所定位置に配置することができる。
【0081】
本発明の態様7に係るヘッドブラケット(30)は、リニアエンコーダ(24)が備える読取ヘッド(34)の取り付けに用いられるヘッドブラケットであって、前記リニアエンコーダは、ベース(12)に設けられかつ所定方向に延びたガイドレール(16)と、スライダ(14)に設けられかつ前記ガイドレールに前記所定方向へ摺動可能に支持されるガイドブロック(20)とを備えたガイド機構(10、10A)に用いられ、前記スライダの前記所定方向の位置を検出し、前記ベースに設けられ、前記ガイドレールに対して平行に配置され、前記所定方向に延びたリニアスケール(26)と、前記スライダに前記リニアスケールに対向して設けられ、前記リニアスケールに対向し、前記リニアスケールの目盛を読み取る前記読取ヘッドと、を備え、前記読取ヘッドは、前記ヘッドブラケットを介して前記スライダに取り付けられ、前記ヘッドブラケットは、前記読取ヘッドの側面又は上面との接触面を有し、前記スライダに取り付けられた状態において、前記接触面の少なくとも一部が、前記ガイドブロックが摺動したときに通過する範囲に含まれる構成である。
【0082】
前記の構成によれば、リニアエンコーダの省スペース化を実現することができる。
【0083】
本発明の態様8に係るリニアエンコーダの取付方法であって、前記リニアスケールの側端面を前記ガイドレールの側面に前記介在部材を介して間接的に当接させて、その状態で、前記リニアスケールを前記ベースの前記スケール取付面に取付ける第1取付工程と、前記リニアスケールの取付後に、前記ヘッドブラケットの側端面を前記スライダの前記ヘッド位置決め面を当接させて、その状態で、前記読取ヘッドを前記スライダの前記ヘッド取付面に前記ヘッドブラケットを介して取付ける第2取付工程と、を含むことを特徴とするリニアエンコーダの取付方法は、上記の態様3において、請求項3に記載のリニアエンコーダの取付方法であって、前記リニアスケールの側端面を前記ガイドレールの側面に前記介在部材を介して間接的に当接させて、その状態で、前記リニアスケールを前記ベースの前記スケール取付面に取付ける第1取付工程と、前記リニアスケールの取付後に、ヘッドブラケット(30)の側端面を前記スライダのヘッド位置決め面を当接させて、その状態で、前記読取ヘッドを前記スライダのヘッド取付面に前記ヘッドブラケットを介して取付ける第2取付工程と、を含む方法としてもよい。
【0084】
前記の構成によれば、上記の態様3に係る発明と同等の効果を奏する。
【0085】
〔付記事項〕
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 ガイド機構
12 ベース
12a 第1レール取付面
12b レール位置決め面
12c 第2レール取付面
12d スケール取付面
12e スケール位置決め面
14 テーブル(スライダ)
14a 第1ブロック取付面
14b ブロック位置決め面
14c 第2ブロック取付面
14d ヘッド取付面
14e ヘッド位置決め面
16(16L,16R) ガイドレール
16Ls 側面
18 取付ボルト
20(20L,20R) ガイドブロック
20g ガイド溝
22 取付ボルト
24 リニアエンコーダ
26 リニアスケール
26a 目盛部
26s 側端面
28 取付ボルト
30 ヘッドブラケット
32 取付ボルト
34 読取ヘッド
34n 切欠部
36 連結ボルト
38、38a 介在部材(間座)
38s 側端面
D1 第1方向(所定方向)
D2 第2方向(所定方向に直交する方向)