(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162469
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】撮像ユニット、撮像方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20241114BHJP
H04N 5/30 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G06T7/00 C
H04N5/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078002
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲戸川 博人
(72)【発明者】
【氏名】青木 良朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁
【テーマコード(参考)】
5C024
5L096
【Fターム(参考)】
5C024AX06
5C024AX09
5C024CY17
5C024DX06
5L096AA09
5L096CA02
5L096DA01
5L096FA66
(57)【要約】
【課題】測距精度を向上する。
【解決手段】撮像ユニット100は、光学系への入射光を部分的に遮光する符号化開口パターン12aが形成される絞り部12と、光学系を通過した入射光に基づいて画像データを取得する撮像素子13と、有する撮像装置10と、発射光が任意の撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測するTOFセンサ20と、撮像素子13の複数の画素のそれぞれにおける第1奥行き情報を取得する測距結果取得部30aと、TOFセンサ20の計測結果に基づいて撮像対象の第2奥行き情報を取得する実距離取得部と、第1奥行き情報と第2奥行き情報との関係を環境温度に関連付けて記憶する記憶部と、第1奥行き情報と第2奥行き情報とに基づいて、環境温度を取得する温度取得部30cと、環境温度に基づいて、複数の画素のそれぞれにおいて第1奥行き情報を補正する補正部30dと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系と、該光学系への入射光を部分的に遮光する符号化開口パターンが形成される絞り部と、前記光学系を通過した入射光に基づいて画像データを取得する撮像素子と、を有する撮像装置と、
発射光が任意の撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測する補正用センサと、
前記撮像素子の複数の画素のそれぞれにおける第1奥行き情報を取得する第1奥行き情報取得部と、
前記補正用センサの計測結果に基づいて前記撮像対象の第2奥行き情報を取得する第2奥行き情報取得部と、
第1奥行き情報と第2奥行き情報との関係を環境温度に関連付けて記憶する記憶部と、
前記第1奥行き情報取得部により取得された前記撮像対象の第1奥行き情報と、前記第2奥行き情報により取得された前記撮像対象の第2奥行き情報とに基づいて、環境温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部が取得した環境温度に基づいて、前記複数の画素のそれぞれにおいて第1奥行き情報を補正する補正部と、
を有する撮像ユニット。
【請求項2】
符号化開口パターンが形成される絞り部を通過した入射光に基づいて画像データを取得すると共に、撮像素子の複数の画素のそれぞれにおける第1奥行き情報を取得する手順と、
発射光が任意の撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測する補正用センサの計測結果に基づいて前記撮像対象の第2奥行き情報を取得する手順と、
第1奥行き情報と第2奥行き情報との関係を環境温度に関連付けて記憶する記憶部を用いて、前記第1奥行き情報と、前記第2奥行き情報とに基づいて、環境温度を取得する手順と、
前記取得した環境温度に基づいて、前記複数の画素のそれぞれにおいて第1奥行き情報を補正する手順と、
を有する撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像ユニット及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、符号化撮像法についての解説が記載されている。符号化撮像法は、複雑なパターンのマスクを絞り(符号化絞り)として用い、一般ぼけ関数(PSF)やその周波数特性をコントロールすることで、シーンの奥行きを画像のぼけより推定するDepth From Defocus(DFD)と呼ばれる手法が利用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】長原 一:符号化撮像,情報処理学会研究報告,Vol.2010-CVIM-171,No.14,pp.1-9,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、符号化撮像法を用いる撮像装置による測距の精度は、レンズを含む光学系と撮像素子(イメージセンサ)の距離、すなわち焦点距離の精度に依存する。そのため、光学系又は撮像素子が変位してしまうと正確な測距をできない場合がある。光学系又は撮像素子に変位が生じる要因の一つとして、環境温度の変化が挙げられる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、測距精度を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本出願に係る撮像ユニットは、光学系と、該光学系への入射光の一部を遮光する符号化開口パターンが形成される絞り部と、該光学系を通過した入射光に基づいて画像データを取得する撮像素子と、有する撮像装置と、発射光が任意の撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測する補正用センサと、前記符号化開口パターンに係るぼけ関数に基づいて、前記撮像素子の複数の画素のそれぞれにおける第1奥行き情報を取得する第1奥行き情報取得部と、前記補正用センサの計測結果に基づいて前記撮像対象の第2奥行き情報を取得する第2奥行き情報取得部と、第1奥行き情報と第2奥行き情報との関係を環境温度に関連付けて記憶する記憶部と、前記第1奥行き情報取得部により取得された前記撮像対象の第1奥行き情報と、前記第2奥行き情報により取得された前記撮像対象の第2奥行き情報とに基づいて、環境温度を取得する温度取得部と、前記温度取得部が取得した環境温度に基づいて、前記複数の画素のそれぞれにおいて第1奥行き情報を補正する補正部と、を有する。
【0007】
また、上記課題を解決すべく、本出願に係る撮像方法は、光学系への入射光を部分的に遮光する符号化開口パターンが形成される絞り部を通過した入射光に基づいて画像データを取得すると共に、撮像素子の複数の画素のそれぞれにおける第1奥行き情報を取得する手順と、発射光が任意の撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測する補正用センサの計測結果に基づいて前記撮像対象の第2奥行き情報を取得する手順と、第1奥行き情報と第2奥行き情報との関係を環境温度に関連付けて記憶する記憶部を用いて、前記第1奥行き情報と、前記第2奥行き情報とに基づいて、環境温度を取得する手順と、前記取得した環境温度に基づいて、前記複数の画素のそれぞれにおいて第1奥行き情報を補正する手順と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る撮像ユニットを模式的に示す模式図である。
【
図2】本実施形態における制御部で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】撮像装置による測距結果と環境温度の関係の一例を示すグラフである。
【
図4】記憶部が格納するテーブルの一例を示す図である。
【
図5】画素毎の奥行き情報の補正について説明する図である。
【
図6】本実施形態における補正処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願において、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
[撮像ユニット100の全体構成の概要]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る撮像ユニット100の全体構成の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像ユニットを模式的に示す模式図である。本実施形態に係る撮像ユニット100は、撮像装置10及びTOF(Time Of Flight)センサ20と、それらを収容する筐体Hとを含む。また、撮像ユニット100は、制御部30と記憶部40を含む。
【0011】
図1においては、撮像ユニット100が、撮像ユニット100からの距離がDAである撮像対象Aと、撮像ユニット100からの距離がDBである撮像対象Bと、が表示される画像を取得する際の様子を模式的に示している。なお、距離DAは撮像対象Aの表面からレンズ11の中心までの距離であり、距離DBは撮像対象Bの表面からレンズ11の中心までの距離であるとよい。
【0012】
撮像装置10は、ぼけを観測する符号化撮像法を用いて撮像対象の奥行方向における距離を取得可能なカメラである。撮像装置10は、デジタルカメラであってもよいし、スマートフォン等に内蔵されるカメラであってもよい。
【0013】
撮像装置10は、少なくとも1のレンズ11を含む光学系と、光学系を通過する外光を開口パターンで絞る符号化開口12aが形成される絞り部12と、撮像素子13とを含む。なお、撮像装置10は、
図1に示す構成に限らず、撮像機能を実現するために一般的なカメラに搭載される種々の構成を有しているとよい。例えば、撮像装置10は、撮像素子13への外光の露光量を調整するシャッター等を有しているとよい。
【0014】
レンズ11は一般的なカメラに用いられるものでよく、焦点距離を調整可能に構成されていてもよい。なお、
図1においては、1のレンズ11を模式的に示すが、光学系は複数のレンズ群を含むとよい。
【0015】
絞り部12は、レンズ11に入射される外光を部分的に遮蔽するものである。絞り部12には符号化開口12aが形成されている。撮像ユニット100においては、符号化開口12aが形成される絞り部12を絞り(符号化絞り)として用い、点拡がり関数(Point Spread Function、以下単にPSFとも呼ぶ)やその周波数特性をコントロールすることで、シーンの奥行きを画像のぼけより推定するDepth from defocus(DFD)と呼ばれる手法を利用している。PSFはぼけ関数とも呼ばれることがある。絞り部12は、液晶シャッターであって、符号化開口12aの開口パターンを変更可能に構成されていてもよい。
【0016】
撮像素子13は、一般的なカメラに用いられるCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサやCCD(電荷結合素子)であるとよい。撮像素子13により検出される画像は、カラー画像であってもよいし、モノクロ画像であってもよい。
【0017】
制御部30は、少なくとも1つのプロセッサを含む情報処理装置であるとよい。制御部30は、撮像素子13により得られた画像データを処理することにより撮像された画像の奥行き情報を取得する。制御部30は、絞り部12の符号化開口12aの開口パターンに係るぼけ関数に基づく復元処理により、撮像素子13の複数の画素のそれぞれの奥行き情報を取得可能であるとよい。
【0018】
記憶部40には、奥行き情報を補正するための情報が格納されている。記憶部40が記憶する情報については
図4を参照して後述する。
【0019】
TOFセンサ20は、発射光が撮像対象の表面で反射して返ってくるまでの時間を計測することにより撮像対象の奥行き情報を検出するセンサである。TOFセンサ20は、発射光を出射する発光部と、任意の撮像対象の表面で反射して戻ってくる光を受光する受光部を有しているとよい。なお、本実施形態においては、補正用センサとしてTOFセンサ20を例に挙げて説明するが、これに限られず、他の測距センサであってもよい。例えば、補正用センサとして、超音波測距センサ、赤外線測距センサ、ミリ波レーダなどを用いてもよい。
【0020】
[制御部30で実現される機能]
図2は、本実施形態における制御部で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図2で示される各機能はプログラムをコンピュータが実行することで実現される。プログラムはコンピュータに読み取り可能な情報記録媒体に格納されていてもよい。
【0021】
制御部30においては、第1奥行き情報取得部である測距結果取得部30a、第2奥行き情報取得部である実距離取得部30b、温度取得部30c、補正部30dが実現される。
【0022】
測距結果取得部30aは、撮像装置10により測定された測距結果(第1奥行き情報)を取得する。実距離取得部30bは、TOFセンサ20により測定された測距結果(第2奥行き情報)を取得する。温度取得部30cは、測距結果取得部30aが取得した測距結果と、実距離取得部30bが取得した測距結果とに基づいて環境温度Tを取得する。補正部30dは、温度取得部30cが取得した環境温度Tに基づいて、撮像素子13の複数の画素のそれぞれにおける測距結果を補正する。なお、本実施形態において、環境温度Tとは、レンズ11及び撮像素子13の周辺の気温、又は、その気温や機器の駆動に応じて生じる熱を保持するレンズ11及び撮像素子13の温度である。
【0023】
[奥行き情報の補正]
次に、
図1~
図5を参照して、本実施形態における奥行き情報の補正について説明する。
図3は、撮像装置による測距結果と環境温度の関係の一例を示すグラフである。
図4は、記憶部が格納するテーブルの一例を示す図である。
図5は、画素毎の奥行き情報の補正について説明する図である。
【0024】
ここで、上述の非特許文献1において、下記式(1)が示されている。式(1)は、ぼけの大きさbを表す式である。
【0025】
【0026】
式(1)において、aは絞りの大きさである。pは撮像素子13とレンズ11との間の距離である。vはレンズ11と入射光が集光する点との間の距離である。すなわち、vは、レンズ11から像までの距離である。式(1)より、ぼけの程度は、絞りの大きさa、レンズ11から像までの距離v、レンズ11と撮像素子13との間の距離pに基づいて決定される。これら各パラメータが変化してしまうと、ぼけの程度を正確に取得できなくなる。すなわち、撮像装置10において取得される奥行き情報の精度が低下してしまう。なお、式(1)より、vとpが一致すれば、ぼけの大きさbは0となる。すなわち、焦点の合った画像が得られることとなる。
【0027】
ここで、本出願の発明者の実験結果により、符号化開口12aを用いてぼけを観測することで奥行き情報を取得する撮像装置10においては、環境温度Tによっては正確な奥行き情報を取得できない場合があることが分かった。
図3は、実距離Dにある撮像対象を、温度を変化させつつ撮像装置10により測距した結果を示している。
【0028】
図3に示すように、環境温度T1の環境下において、測距結果はDであり、実距離Dと一致している。環境温度T2(>T1)の環境下において、測距結果はD’(>D)であり、実距離Dよりも長くなっている。環境温度T3(>T1)の環境下において、測距結果D’’(>D’)であり、環境温度T2の環境下よりもさらに長くなっている。以上のように、環境温度Tが高くなるに従い、撮像装置10による測距結果が実距離よりも長くなっている。これは、環境温度Tが高くなるに従い、レンズ11と撮像素子13との間の距離が変化したためと考えられる。すなわち、環境温度Tによって、レンズ11や撮像素子13が膨張又は伸縮することにより、それらの間の距離が変わったためと考えられる。なお、上述の式(1)で示したように、ぼけの大きさはレンズ11と撮像素子13との間の距離pに依存するものである。
【0029】
そこで、本実施形態においては、予め環境温度T毎に、撮像装置10により取得した奥行き情報(測距結果)と、実距離との関係をテーブルとして記憶しておき、当該テーブルに基づいて環境温度Tを推定すると共に奥行き情報を補正する構成を採用した。なお、
図4に示すテーブルは記憶部40に記憶されているとよい。
【0030】
実距離とは、撮像装置10から撮像対象までの実際の距離である。ここで、TOFセンサ20は、撮像装置10と同様に奥行き方向の距離を測定するためのものであるが、撮像装置10のようにレンズ11及び撮像素子13を有すると共に符号化開口12aによるぼけを利用した測距手法と異なる手法を用いて測距を行うものである。そのため、TOFセンサ20においては環境温度Tに依らず、高い精度で奥行き方向の距離を測定することができる。そこで、本実施形態においては、TOFセンサ20により取得された奥行き情報を実距離とみなすこととした。
【0031】
本実施形態においては、撮像装置10により予め測距を行い、環境温度T毎の測距結果と実距離の関係を取得することにより、
図3に示すテーブルを作成する。当該測距は、室温を適宜変更可能な実験室などで行われるとよい。
【0032】
図4に示すように、環境温度T1の環境下において、測距結果d1であった場合における撮像対象の実距離はD11であった。また、環境温度T1の環境下において、測距結果d2であった場合における撮像対象の実距離はD12であった。また、環境温度T1の環境下において、測距結果d3であった場合における撮像対象の実距離はD13であった。
図4に示すように、環境温度T2、T3においても同様に測距結果と実距離の関係を取得するとよい。
【0033】
以下、
図5を参照して、予め記憶部40に記憶されるテーブルを用いた奥行き情報の補正の一例について説明する。
図5においては、奥行き情報の補正前の画素群と、奥行き情報の補正後の画素群を示している。また、
図5においては、画素7、8、12、13に撮像対象Aが表示されており、その他の画素に撮像対象Bが表示されている例を示している。すなわち、画素7、8、12、13は、撮像対象Aの奥行き情報を含み、その他の画素は、撮像対象Bの奥行き情報を含む。
【0034】
ここで、制御部30は、撮像対象Aを撮像した際、撮像装置10による測距結果がd1であって、TOFセンサ20により取得した実距離がD11であった場合、
図4に示すテーブルを参照して、環境温度がT1であると判定する。そして、制御部30は、撮像対象Aが表示される画素における奥行き情報をD11に補正する。
【0035】
図5に示すように、撮像対象Aの背景である撮像対象Bにおいては、撮像装置10による測距結果がd2であった。このため、制御部30は、
図4に示すテーブルを参照して、撮像対象Bの奥行き情報を補正する。具体的には、制御部30は、環境温度T1において、測距結果d2であることより、撮像対象Bの実距離がD12であると判定する。なお、同様に、制御部30は、測距結果がd3である画素を含む場合、その画素における実距離がD13であると判定するとよい。
【0036】
[フローチャート]
次に、
図6を参照して、本実施形態における奥行き情報の補正処理について説明する。
図6は、本実施形態における補正処理のフローチャートを示す図である。
【0037】
まず、測距結果取得部30aにより、撮像装置10により取得された画像に含まれる各画素において測距結果である奥行き情報を取得する(S1)。また、実距離取得部30bにより、TOFセンサ20により取得された撮像対象Aの実距離を取得する(S2)。なお、S1とS2の順番は逆でもよいし、同じタイミングに行われてもよい。
【0038】
また、温度取得部30cにより、記憶部40に記憶されるテーブルを参照すると共に、撮像装置10により取得された複数の画素における撮像対象Aの奥行き情報と、TOFセンサ20により取得された撮像対象Aの実距離とに基づいて、環境温度を取得する(S3)。次に、補正部30dにより、取得された環境温度に基づいて、撮像装置10により取得された画像に含まれる各画素における測距結果である奥行き情報を補正する(S4)。
【0039】
[まとめ]
以上説明した本実施形態においては、環境温度によらず、高い精度で奥行き情報を取得することができる。また、本実施形態においては、TOFセンサ20により取得される撮像対象の実距離に基づいて、撮像装置10により取得された画像に含まれる全ての画素における奥行き情報を補正することができ、補正の処理負担が小さい。すなわち、TOFセンサ20により、撮像装置10に取得された画像に含まれる複数の画素それぞれにおける実距離を取得する構成と比較して、処理負担が小さい。また、TOFセンサ20においては、環境温度によらず実距離に近い測距結果を得られるという特徴がある一方で、外光の影響を受けやすく、また測距可能距離が短いというデメリットがある。本実施形態においては、符号化撮像法による測距とTOFセンサ20による測距のそれぞれのデメリットを補完することができ、高い精度で奥行き情報を取得することが可能である。
【0040】
なお、本実施形態においては、記憶部40に
図4に示すテーブルが記憶される例を説明したがこれに限られない。例えば、記憶部40には、測距結果と実距離との関係を表す関数が記憶されていてもよい。その場合、温度取得部30cは、記憶部40に記憶される関数に基づいて、環境温度を取得するとよい。
【符号の説明】
【0041】
10 撮像装置、11 レンズ、12 絞り部、12a 符号化開口、13 撮像素子、20 TOFセンサ、30 制御部、30a 測距結果取得部、30b 実距離取得部、30c 温度取得部、30d 補正部、40 記憶部、100 撮像ユニット。