(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162472
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】処理装置、レーザ加工機及び処理方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20241114BHJP
B23K 26/38 20140101ALI20241114BHJP
【FI】
B23K26/00 Q
B23K26/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078006
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰啓
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168AD13
4E168CB03
4E168EA17
4E168FB01
4E168FC00
4E168GA02
4E168HA05
4E168KA15
(57)【要約】
【課題】穴あけ加工時に発生するスパッタの影響によってノズルが使用不可となった場合に当該使用不可を検知することができる処理装置、レーザ加工機及び処理方法を提供する。
【解決手段】ノズル100の先端面110に形成された出射孔120から出射するレーザ光によりワークWを加工するレーザ加工機2に用いられる処理装置11であって、先端面110を撮影する撮影部20と、レーザ加工機2による穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、撮影部20が撮影した先端面110の画像に基づいて、ノズル100の使用可否を判定する処理部22と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルの先端面に形成された出射孔から出射するレーザ光によりワークを加工するレーザ加工機に用いられる処理装置であって、
前記先端面を撮影する撮影部と、
前記レーザ加工機による穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、前記撮影部が撮影した前記先端面の画像に基づいて、前記ノズルの使用可否を判定する処理部と、
を備える処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記穴あけ加工の回数が前記規定回数に達しない場合において、前記ワークの加工に要した累計時間が規定時間に達した場合には、前記ノズルの使用可否を判定する、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記穴あけ加工の回数が前記規定回数に達した場合には、前記撮影部による前記先端面の撮影を実行させ、前記撮影により得られた前記先端面の画像に基づいて前記使用可否を判定する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記レーザ加工機に備える清掃部により前記ノズルの清掃を実行させる制御部を備え、
前記制御部は、前記穴あけ加工の回数が前記規定回数に達した際には、前記清掃を実行させ、
前記処理部は、前記清掃が終了した後に、前記撮影部による前記先端面の撮影を実行させる、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記レーザ加工機による穴あけ加工の回数が規定回数に達してから前記ノズルの状態の判定を開始するまでの間と、前記ノズルの状態の判定を行った直後と、のいずれかにおいて、前記穴あけ加工の回数のカウント値を初期値に設定する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記先端面の画像から算出される前記出射孔の形状と、予め取得している前記出射孔の基準形状とを比較して、前記出射孔の形状と前記基準形状とのズレが所定の閾値を超える場合には、前記ノズルについて使用不可と判定する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記ノズルについて使用不可と判定した場合に、前記ノズルが使用不可であることを外部装置に出力する、
請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ノズルについて使用不可と判定された場合に、前記レーザ加工機に備えるノズル交換部を用いて前記ノズルの交換を実行する、
請求項7に記載の処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の処理装置を備えるレーザ加工機。
【請求項10】
ノズルの先端面に形成された出射孔からレーザを出射するレーザ加工機によって実行される穴あけ加工の回数が規定回数に達したかを判定することと、
前記回数が前記規定回数に達した場合に前記先端面の撮影を行うことと、
前記撮影によって得られた前記先端面の画像に基づいて前記ノズルの状態を判定することと、
を含む、処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、レーザ加工機及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルの出射孔から出射するレーザ光によりワークを加工するレーザ加工機が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、レーザ加工機は、ワークに対して切断加工を行う場合には、始めに切断加工を行う始点に対して穴あけ加工を行い、穴あけ加工によって形成された穴から切断加工を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
穴あけ加工では、レーザ光の照射によって溶融した溶融金属がスパッタ(spatter)として周囲上方に飛散する場合がある。穴あけ加工の回数が多い場合には、この飛散されたスパッタがノズルの先端面に付着してノズルが損傷し、ノズルが使用不可となる場合がある。そのため、ノズルの使用可否を判定することは重要であるが、穴あけ加工については何ら考慮されていないのが現状である。従って、穴あけ加工によってノズルが使用不可になったとしても、当該ノズルの使用不可を検出することができない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、穴あけ加工時に発生するスパッタの影響によってノズルが使用不可となった場合に当該使用不可を検知することができる処理装置、レーザ加工機及び処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る処理装置又はレーザ加工機は、ノズルの先端面に形成された出射孔から出射するレーザ光によりワークを加工するレーザ加工機に用いられる処理装置であって、先端面を撮影する撮影部と、レーザ加工機による穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、撮影部が撮影した先端面の画像に基づいて、ノズルの使用可否を判定する処理部と、を備える。
【0007】
本発明の態様に係る処理方法は、ノズルの先端面に形成された出射孔からレーザを出射するレーザ加工機によって実行される穴あけ加工の回数が規定回数に達したかを判定することと、回数が規定回数に達した場合に先端面の撮影を行うことと、撮影によって得られた先端面の画像に基づいてノズルの状態を判定することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
上記態様に係る処理装置、レーザ加工機又は処理方法によれば、穴あけ加工の回数が規定回数(1以上)に到達した場合に、ノズルの使用可否を判定するため、穴あけ加工時に発生するスパッタの影響によってノズルが使用不可となった場合に当該使用不可を検知することができる。
【0009】
また、上記態様に係る処理装置において、処理部は、穴あけ加工の回数が規定回数に達しない場合において、ワークの加工に要した累計時間が規定時間に達した場合には、ノズルの使用可否を判定してもよい。このような構成により、ノズルを長時間において使用したことによるノズル損傷によってノズルが使用不可になった場合であっても、当該使用不可を検出することができる。
【0010】
また、上記態様に係る処理装置において、処理部は、穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、撮影部による先端面の撮影を実行させ、撮影により得られた先端面の画像に基づいてノズルの使用可否を判定してもよい。また、上記態様に係る処理装置は、レーザ加工機に備える清掃部によりノズルの清掃を実行させる制御部を備え、制御部は、穴あけ加工の回数が規定回数に達した際には、清掃を実行させ、処理部は、清掃が終了した後に、撮影部による先端面の撮影を実行させてもよい。このような構成により、先端面の付着物を取り除いた状態で先端面の撮像を実行することができ、ノズルの使用可否の判定精度を向上させることができる。
【0011】
また、上記態様に係る処理装置において、処理部は、レーザ加工機による穴あけ加工の回数が規定回数に達してからノズルの状態の判定を開始するまでの間と、ノズルの状態の判定を行った直後と、のいずれかにおいて、穴あけ加工の回数のカウント値を初期値に設定してもよい。このような構成により、ノズル状態判定が行われた直後にピアス指令の入力によって再度ノズル判定が開始されてしまうことを抑制することができる。
【0012】
また、上記態様に係る処理装置において、処理部は、先端面の画像から算出される出射孔の形状と、予め取得している出射孔の基準形状とを比較して、出射孔の形状と基準形状とのズレが所定の閾値を超える場合には、ノズルについて使用不可と判定してもよい。このような構成により、ノズルの使用不可を容易に検知することができる。
【0013】
また、上記態様に係る処理装置において、処理部は、ノズルについて使用不可と判定した場合に、ノズルが使用不可であることを外部装置に出力してもよい。このような構成により、ユーザにノズルが使用不可である旨を知らせることが可能となる。
【0014】
また、上記態様に係る処理装置において、制御部は、ノズルについて使用不可と判定された場合に、レーザ加工機に備えるノズル交換部を用いてノズルの交換を実行してもよい。このような構成により、使用不可のノズルから自動で新しいノズルに交換することが可能となり、ユーザの手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るレーザ加工システムを示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るレーザ加工機の概略ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るプロセッサの機能ブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る規定時間及び規定回数の設定画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る処理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0017】
以下に、本実施形態に係るレーザ加工システムRSの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザ加工機を有するレーザ加工システムを示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るレーザ加工機の概略ブロック図である。レーザ加工システムRSは、搬送装置1と、レーザ加工機2とを備える。
【0018】
搬送装置1は、パレット3と、パレット搬送装置4と、製品搬送装置5とを備える。
【0019】
パレット3は、板状のワークWを載置する。パレット3は、X方向に並んで複数設けられる支持プレートを有し、その各支持プレートの上端部が例えば鋸歯状に形成されている。この複数の支持プレートの上には、ワークWがほぼ水平に載置される。
【0020】
パレット搬送装置4は、パレット3の加工領域R1への搬入および搬出に用いられる。加工領域R1は、レーザ加工機2によりワークWの加工が行われる領域である。パレット搬送装置4は、レール4aを備える。パレット3は、ワークWを保持してレール4aに沿って移動可能である。パレット3は、レール4a上を走行可能な車輪を備える。レール4aは、加工領域R1からアンロード位置UPまでX方向に直線的に延びている。アンロード位置UPは、レーザ加工によって製品Waが形成されたワークWから製品Waを取り出す際に、ワークWが配置される位置である。パレット搬送装置4は、パレット3を牽引することによって、レール4aに沿ってパレット3を搬送する。例えば、パレット3には、ワイヤと接続されたフックが掛けられ、このワイヤが駆動部に巻き取られることでパレット3が牽引される。なお、パレット3を移動させる機構は適宜変更可能であり、例えば、パレット3が自走式でもよい。
【0021】
製品搬送装置5は、ワークW(製品Wa)の表面を吸着することにより、パレット3に対してワークW(製品Wa)を搬出する。製品搬送装置5は、レーザ加工後にアンロード位置UPに配置されるパレット3の製品Waを、製品搬出エリアPAに搬出する。製品搬送装置5は、X方向に延びるXガイドGxに取り付けられている。XガイドGxは、アンロード位置UPから製品搬出エリアPAまで延びている。XガイドGxは、不図示の走行台車に支持される。XガイドGxは、この走行台車のY方向の移動により、Y方向に移動する。製品搬送装置5は、例えば、XガイドGxに沿って移動可能なX移動体5aと、X移動体5aに設けられたZ移動体5bと、Z移動体5bの下端に設けられる吸着部5cとを備える。X移動体5aは、アンロード位置UPに配置されたパレット3の上方と製品搬出エリアPAとの間を移動可能である。Z移動体5bは、吸着部5cを保持しながら、X移動体5aに対して上下方向(Z方向)に移動可能である。吸着部5cは、上記の走行台車によりY方向に移動し、X移動体5aによりX方向に移動し、Z移動体5bによりZ方向に移動する。
【0022】
レーザ加工機2は、加工領域R1内におけるパレット3上のワークWに対してレーザ光を出射することで、切断などのレーザ加工を行う。レーザ加工機2は、ワークWに対して切断加工を行う場合には、始めに切断加工を行う始点に対して穴あけ加工(例えば、ピアッシング)を行い、穴あけ加工によって形成された穴から切断加工を開始する。例えば、レーザ加工機2は、穴あけ加工によって形成された穴からから、一筆書きの要領でワークWを切断して、ワークWの一部を所望の形状の製品Waに切断する。なお、穴あけ加工は、穴をあける加工であればよく、ピアッシングには限定されない。
【0023】
以下に、本実施形態に係るレーザ加工機2の構成について説明する。レーザ加工機2は、レーザヘッド6と、ヘッド駆動部7と、清掃部8と、ノズル交換部(ノズルチェンジャ)9と、表示装置10と、処理装置11とを備える。
【0024】
レーザヘッド6は、ヘッド駆動部7に接続され、X方向、Y方向、Z方向に相対的に移動可能に設けられる。レーザヘッド6は、ワークWに対して相対的に移動しながら、ワークWに対してレーザ光を照射する。具体的には、レーザヘッド6の下方には、ノズル100が取り付けられている。ノズル100の先端面110には、レーザ光を出射するための出射孔120が形成されている。レーザヘッド6は、光ファイバなどの光伝送体(不図示)を介してレーザ光源(不図示)に接続され、そのレーザ光源からのレーザ光をノズル100の出射孔120から出射することでレーザ加工を行う。また、レーザヘッド6には、アシストガスが供給され、レーザヘッド6は、アシストガスをノズル100から噴射しながらレーザ光を照射する。
【0025】
ヘッド駆動部7は、処理装置11に制御され、レーザヘッド6をX方向、Y方向、及びZ方向の各方向に移動させる。ヘッド駆動部7は、例えば、X方向に移動可能なガントリ7aと、ガントリ7aに対してY方向に移動可能なスライダ7bと、スライダ7bに対してZ方向に移動可能な昇降部7cとを有する。なお、ヘッド駆動部7は、上記の構成に限定されず、ロボットアーム等の他の構成により実現されてもよい。
【0026】
清掃部8は、ノズル100の先端面110を清掃する。例えば、清掃部8は、例えば、加工領域R1外であって、清掃部8のX方向及びY方向の位置が、レーザヘッド6の移動範囲内になるように設置されている。清掃部8は、例えば、上方向に突出したブラシを有する。この場合には、ノズル100の清掃は、ノズル100の出射孔120を含む先端面110がブラシに接触することで行われる。なお、先端面110の清掃は、ブラシにノズル100が接触した状態でブラシが回転することで行われてもよいし、ブラシにノズル100が接触した状態でレーザヘッド6がXY方向に移動することで行われてもよい。
【0027】
ノズル交換部9は、処理装置11からの制御に基づいて、ノズル100の交換を行う。ノズル交換部9は、ノズル収容部(図示せず)に複数のノズル100を配置し、複数のノズル100のうち、いずれかのノズル100をレーザヘッド6の先端に装着する。処理装置11は、ノズル交換部9によるノズル100の交換を制御する。
【0028】
表示装置10は、処理部22に接続されている。表示装置10は、様々な情報を表示する。例えば、表示装置10は、パーソナルコンピュータ用のモニタである。ただし、これに限定されず、表示装置10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯機器の表示デバイス(ディスプレイ)であってもよい。
【0029】
処理装置11は、撮影部20と、制御部21と、処理部22とを備える。
【0030】
撮影部20は、例えば、ノズル100よりも下方に位置しており、カメラのレンズが上向きの状態で設置される。撮影部20は、例えば、加工領域R1外であって、撮影部20のX方向及びY方向の位置が、レーザヘッド6の移動範囲内になるように設置されている。
【0031】
撮影部20は、ノズル100の先端面110を撮影する。撮影部20は、例えばカメラである。撮影部20は、ノズル100の下方から先端面110を撮影する。撮影部20は、例えば、ノズル100よりも下方に位置しており、カメラのレンズが上向きの状態で設置される。撮影部20は、例えば、加工領域R1外であって、撮影部20のX方向及びY方向の位置が、レーザヘッド6の移動範囲内になるように設置されている。撮影部20による先端面110の撮影が行われる場合には、レーザヘッド6は、ヘッド駆動部7によって、ノズル100が撮影部20の直上に位置するように移動する。そして、ノズル100が撮影部20の直上に移動した際に、撮影部20による先端面110の撮影が行われる。撮影部20は、処理部22に有線又は無線で接続されている。処理部22は、撮影した先端面110の画像を処理装置11に送信する。なお、当該画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0032】
制御部21は、ヘッド駆動部7を制御することで、レーザヘッド6の移動を制御する。例えば、制御部21は、レーザヘッド6の位置情報を所定の周期で取得し、その取得した位置情報に基づいてヘッド駆動部7を制御することでレーザヘッド6の移動を制御する。制御部21は、アシストガスの噴射やレーザ光の照射を制御する。すなわち、制御部21は、レーザ加工機2による穴あけ加工及び切断加工などのレーザ加工を制御する。制御部21は、レーザヘッド6の移動を制御する。例えば、制御部21は、レーザ加工が停止されている状態において、レーザヘッド6を移動させることで清掃部8によるノズル100の清掃を実行する。また、制御部21は、撮影部20による先端面110の撮影のために、レーザ加工が停止されている状態において撮影部20の直上にレーザヘッド6を移動させる。制御部21は、ノズル交換部9によるノズル100の交換を制御する。
【0033】
処理部22は、撮影部20と通信し、撮影部20に対して撮影を指示したり、撮影部20から先端面110の画像を受信したりする。また、処理部22は、制御部21と通信して情報を送受する。また、処理部22は、表示装置10と接続され、表示装置10に対して各種情報を表示させる。
【0034】
処理部22は、撮影部20が撮影した先端面110の画像に基づいてノズル100の状態の判定(以下、「ノズル状態判定」という。)を行う。ノズル100の状態とは、例えば、ノズル100が使用不可か否かである。ノズル100が使用不可である場合とは、ノズル100の損傷レベルが所定レベル以上である場合であってもよいし、何らかの判断基準によってノズル100が異常であると判定された場合であってもよい。
【0035】
図3は、本実施形態に係る処理部22のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、処理部22は、記憶装置30と、通信装置31と、入力装置32と、プロセッサ34とを備える。なお、記憶装置30は、処理部22の構成ではなく外部の記憶装置であってもよい。記憶装置30が外部の記憶装置である場合には、処理部22は、記憶装置30に有線又は無線で接続され、記憶装置30と情報を送受する。
【0036】
記憶装置30には、例えば、ノズル状態判定を実行するためのプログラム(ソフトウェア)、及びこのプログラムで処理されるデータ等が格納される。また、記憶装置30には、ノズル状態判定に必要な情報が格納される。記憶装置30は、例えば、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)を含む。上記したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体によって提供されてもよいし、有線又は無線の通信ネットワークにより外部装置から提供されてもよい。提供されたプログラムは、記憶装置30に格納され、プロセッサ34によって実行される。
【0037】
通信装置31は、外部の装置と通信するための通信インタフェースである。通信装置31は、通信ネットワーク介して撮影部20及び制御部21のそれぞれと通信する。
【0038】
入力装置32は、ユーザからの入力操作を受け付ける。例えば、入力装置32は、ユーザからの入力操作を受け付けると、その受け付けた入力操作に応じた情報をプロセッサ34又は記憶装置30に送信する。例えば、入力装置32は、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、ボタン、スイッチ、モーションセンシティブコントローラ、キーボード、マウス、ジェスチャー入力デバイス、又は音声入力デバイス(例えば、マイクロフォン)である。
【0039】
プロセッサ34は、ノズル状態判定に関する処理を実行する。プロセッサ34は、記憶装置30内に格納されたプログラムを実行し、プログラムによって記述された動作、すなわちノズル状態判定に関する処理を実行するように動作可能である。一例として、プロセッサ34は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つ以上を含む。
【0040】
上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体によって提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、記憶装置30にインストールされ、プロセッサ34によって実行される。上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0041】
コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0042】
本実施形態のプロセッサ34の機能部について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係るプロセッサ34の機能ブロック図である。プロセッサ34は、計時部40と、カウント部41と、条件判定部42と、ノズル状態判定部43と、出力部44とを備える。計時部40と、カウント部41と、条件判定部42と、ノズル状態判定部43と、出力部44とは、プロセッサ34が記憶装置30内に格納された上記プログラムを実行することにより実現される。
【0043】
計時部40は、レーザ加工機2によってワークWがレーザ加工されている時間を計測する。計時部40によって計測される時間を「加工時間」と称する場合がある。この加工時間は、レーザ加工されている時間の累計値である。すなわち、レーザ加工が行われている間では経過時間が加工時間に積算される。この加工時間は、ノズル100の使用時間に相当する。なお、加工時間は、1つの製品Waを加工するのに要した時間ではなく、製品Waが個数にかかわらずレーザ加工が行われている間において計時された時間である。
【0044】
カウント部41は、レーザ加工機2による穴あけ加工の回数をカウントする。カウント部41によってカウントされた穴あけ加工の回数を「カウント値」と称する場合がある。例えば、1つの製品Waをレーザ加工によって切り出す場合には、1回の穴あけ加工を行い、その穴あけ加工によって形成された穴から一筆書きの要領でレーザ加工することで1つの製品Waを切り出す。そのため、1つのワークWからN個の製品Waを切り出す場合には、N回の穴あけ加工が行われる。そのため、カウント値がリセットされなければ、N個の製品Waが切り出されると、カウント値=「N」となる。
【0045】
条件判定部42は、以下の第1条件及び第2条件のそれぞれを判定する。
・(第1条件)…加工時間が規定時間に達したか。
・(第2条件)…カウント値が規定回数に達したか。
【0046】
例えば、条件判定部42は、第1条件の判定と第2条件の判定とを同時に実行してもよい。また、条件判定部42は、第1条件を先に判定し、第1条件が成立しなかった場合に第2条件の判定を行ってもよい。ただし、これに限定されず、条件判定部42は、第2条件を先に判定し、第2条件が成立しなかった場合には第1条件の判定を行ってもよい。条件判定部42は、第1条件又は第2条件が成立した場合、すなわち、加工時間が規定時間に達した場合と、カウント値が規定回数に達した場合とのいずれかの場合には、トリガー信号を制御部21に送信する。制御部21は、トリガー信号を受信した場合には、清掃部8によるノズル100の清掃を実行する。なお、カウント値、加工時間、規定時間及び規定回数は、記憶装置30に記憶される。なお、規定回数は、「1」以上である。
【0047】
ここで、規定時間及び規定回数は、ユーザによって変更可能である。
図5は、本実施形態に係る規定時間及び規定回数の設定画面200の一例を示す図である。設定画面200は、表示装置10に表示される。設定画面200は、第1表示領域210と、第2表示領域220とを有する。第1表示領域210は、第1表示欄211と、第2表示欄212とを有する。第1表示欄211には、穴あけ加工の現在のカウント値が表示される。第2表示欄212には、カウント値の閾値である上記規定回数が表示される。第2表示領域220は、第3表示欄221と、第4表示欄222とを有する。第3表示欄221には、現在の加工時間が表示される。第4表示欄222には、加工時間の閾値である上記規定時間が表示される。
【0048】
第2表示欄212に表示されている規定回数と、第4表示欄222に表示されている規定時間とは、変更可能である。例えば、ユーザは、入力装置32を操作して、第2表示欄212に表示されている規定回数を任意の値に変更可能である。第2表示欄212に表示されている規定回数が変更されると、その変更後の規定回数の情報が記憶装置30において格納される。すなわち、記憶装置30に格納されていた規定回数の情報が新たに設定された規定回数に更新される。同様に、例えば、ユーザは、入力装置32を操作して、第4表示欄222に表示されている規定時間を任意の値に変更可能である。第4表示欄222に表示されている規定時間が変更されると、その変更後の規定時間の情報が記憶装置30において格納される。すなわち、記憶装置30に格納されていた規定時間の情報が新たに設定された規定時間に更新される。
【0049】
ノズル状態判定部43は、第1条件が成立した場合と、第2条件が成立した場合との少なくともいずれかの場合に、ノズル状態判定を行う。すなわち、ノズル状態判定部43は、カウント値が規定回数に達した場合にノズル状態判定を行う。また、ノズル状態判定部43は、加工時間が規定時間に達した場合にはノズル状態判定を行う。一例として、ノズル状態判定部43は、第2条件が成立していない場合、すなわちカウント値が規定回数に達していない場合であっても、加工時間が規定時間に達していれば(第1条件が成立していれば)、ノズル状態判定を行う。
【0050】
ここで、加工時間が規定時間に達した場合にノズル状態判定を行うとは、加工時間が規定時間に達したタイミングでノズル状態判定が開始してもよいし、加工時間が規定時間に達した後の何らかのタイミングでノズル状態判定が実行されてもよい。例えば、加工時間が規定時間に達した場合にノズル状態判定を行うとは、加工時間が規定時間に達したことをトリガーとしてノズル状態判定を含む一連の動作が開始されることも含む。すなわち、加工時間が規定時間に達した場合にノズル状態判定を行うとは、加工時間が規定時間に達したタイミングでノズル状態判定を実行しなくてもよく、加工時間が規定時間に達したことをトリガーとして一連の動作が開始され、その一連の動作の中でノズル状態判定が実行されてもよい。例えば、一連の動作とは、清掃部8による先端面110の清掃と、当該清掃後における先端面110の撮影と、撮影された先端面110の画像を用いたノズル状態判定とを含む。
【0051】
同様に、カウント値が規定回数に達した場合にノズル状態判定を行うとは、カウント値が規定回数に達したタイミングでノズル状態判定が開始してもよいし、カウント値が規定回数に達した後の何らかのタイミングでノズル状態判定が実行されてもよい。例えば、カウント値が規定回数に達した場合にノズル状態判定を行うとは、カウント値が規定回数に達したことをトリガーとしてノズル状態判定を含む一連の動作が開始されることも含む。すなわち、カウント値が規定回数に達した場合にノズル状態判定を行うとは、カウント値が規定回数に達したタイミングでノズル状態判定を実行しなくてもよく、カウント値が規定回数に達したことをトリガーとして上記一連の動作が開始され、その一連の動作の中でノズル状態判定が実行されてもよい。
【0052】
ノズル状態判定部43は、ノズル状態判定を行うにあたって、撮影部20から先端面110の画像を取得する。そして、ノズル状態判定部43は、先端面110の画像に基づいてノズル100の状態を判定する。ここで、先端面110の画像に基づいてノズル100の状態を判定するとは、先端面110の画像を用いていればよく、先端面110の画像だけを用いてノズル100の状態を判定することに限定されない。
【0053】
例えば、ノズル状態判定部43は、ノズル状態判定の一例として、先端面110の画像から得られた出射孔120の形状と、予め取得している出射孔120の基準形状とを比較し、出射孔120の形状と基準形状とのズレ(以下、「形状ズレ」という。)が所定の閾値を超える場合には、ノズル100について使用不可と判定する。ここで、基準形状とは、正常であると定義された出射孔120の形状である。一例として、ノズル状態判定部43は、撮影部20から取得した画像と、予め取得した基準形状の基準画像とを比較して形状ズレを求め、その形状ズレが所定の閾値以上である場合には、使用不可と判定する。
【0054】
ノズル状態判定部43は、ノズル状態判定の一例として、先端面110の画像を含む情報に基づいてノズル100の損傷レベルを判定してもよい。例えば、損傷レベルは、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4の順に高くなると仮定する。ノズル状態判定部43は、先端面110の画像に対して公知の画像処理を適用し、現在のノズル100の損傷レベルがレベル1~レベル4のどのレベルかを判定する。そして、ノズル状態判定部43は、判定した損傷レベルが所定のレベル、例えばレベル3以上の場合には、現在のノズル100が使用不可であると判定してもよい。
【0055】
出力部44は、ノズル状態判定部43の判定結果を制御部21にする。例えば、出力部44は、ノズル状態判定部43によってノズル100が使用不可であると判定された場合には、その旨を、通信装置31を介して制御部21に出力する。制御部21は、ノズル100について使用不可と判定された場合には、ノズル交換部9を制御してノズル100の交換を実行する。
【0056】
出力部44は、ノズル状態判定部43によってノズル100が使用不可であると判定された場合には、その旨を表示装置10その他の外部装置に出力してもよい。出力部44は、表示装置以外の外部装置として、ノズル100が使用不可であるとする通知を、ユーザが利用する情報端末に通知してもよい。情報端末に通知する方法は、特に限定されないが、例えば、メールでの通知、ポップアップ通知、又はSNSを利用した通知であってもよい。情報端末とは、例えば、コンピュータ、携帯端末又はウェアラブル端末である。
【0057】
以下に、本実施形態に係る処理装置11に実行する処理方法の流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る処理方法のフロー図である。切断加工のための穴あけ加工を指示するピアス指令が制御部21に入力すると、制御部21は、ピアス指令が入力された旨を処理部22に送信する。このピアス指令は、1つの製品WaをワークWから切り出す際に、上位装置から制御部21に出力される。すなわち、一筆書きの要領でワークWを切断加工して1つの製品Waを切り出す場合にあたって、当該切断加工のための穴を穴あけ加工で形成する必要がある。そのため、ピアス指令は、この穴あけ加工を1回だけ実行するための指令信号として上位装置から制御部21に出力される。
【0058】
処理部22は、ピアス指令が制御部21に入力されると(ステップS101)、現在の加工時間が規定時間に達しているか否かを判定する(ステップS102)。処理部22は、加工時間が規定時間に達していると判定した場合には、ノズル100の清掃を実行させる上記トリガー信号を制御部21に送信する。処理部22は、加工時間が規定時間に達していない場合には、穴あけ加工の回数のカウント値が規定回数に達しているか否かを判定する(ステップS103)。処理部22は、穴あけ加工の回数のカウント値が規定回数に達している場合には、トリガー信号を制御部21に送信する。一方、処理部22は、ステップS103において、穴あけ加工の回数のカウント値が規定回数に達していない場合には、穴あけ加工を実行可能であると判定して、その旨を示す許可信号を制御部21に送信する。
【0059】
制御部21は、処理部22からの許可信号を受信するとレーザ加工機2による穴あけ加工を実行させる(ステップS104)。処理部22は、制御部21と通信し、穴あけ加工が実行されたことを検出すると、カウント値のカウントアップを行う(ステップS105)。ステップS104又はステップS105が行われると、製品Waを切り出すためのワークWの切断加工が開始される。
【0060】
制御部21は、処理部22からトリガー信号を受信するとノズル100の清掃を実行させる(ステップS106)。例えば、制御部21は、レーザヘッド6の動作を制御して、ノズル100の出射孔120を含む先端面110を清掃部8のブラシに接触させて擦らせることでノズル100の清掃を実行させる。制御部21は、ノズル100の清掃が完了すると、レーザヘッド6を撮影部20の直上に移動させる。なお、ノズル100の清掃の完了とは、その清掃の経過時間が所定の時間に達した場合であってもよいし、ブラシに接触させて擦った回数が所定の回数に達した場合であってもよいし、その他何らかの条件が成立した場合であってもよい。
【0061】
制御部21は、レーザヘッド6を撮影部20の直上に移動させると、ノズル撮影の準備が完了した旨を処理部22に通知する。処理部22は、ノズル撮影の準備の完了を示す通知を受信すると、撮影部20に対して撮影指令を出力して撮影部20による先端面110の撮影を実行させる(ステップS107)。撮影部20は、撮影した先端面110の画像を処理部22に送信する。
【0062】
処理部22は、撮影部20に対して撮影指令を送信した後に、現在の加工時間とカウント値とをそれぞれ初期値(例えば、0(ゼロ))に設定する(ステップS108)。処理部22は、撮影部20から先端面110の画像を受信すると、その先端面110の画像を用いてノズル状態判定を行う(ステップS109)。例えば、処理部22は、ノズル状態判定の一例として、先端面110の画像を含む情報に基づいて、レーザヘッド6に取り付けられているノズル100が使用不可か否かを判定する。処理部22は、撮影部20から得られた先端面110の画像に基づいて出射孔120の真円度や傷度合いを計算し、その計算値が所定値を超えている場合にはノズル100が使用不可であると判定する。一方、処理部22は、上記計算値が所定値以下の場合にはノズル100が使用不可ではないと判定する。
【0063】
処理部22は、ノズル100が使用不可であると判定した場合には、制御部21に対してその旨を通知する。制御部21は、ノズル100が使用不可である通知を受け取ると、ノズル交換部9を制御してノズル100の交換を実行する(ステップS110)。一方、処理部22によってノズル100が使用不可ではないと判定された場合には、ステップS104に移行して、穴あけ加工が実行される。
【0064】
このように、本実施形態では、穴あけ加工の回数が規定回数(1以上)に到達した場合に、ノズル100の使用可否を判定するため、穴あけ加工時に発生するスパッタの影響によってノズル100が使用不可となった場合である場合に当該使用不可を検知することができる。また、穴あけ加工の回数が多くなると、スパッタによるノズル損傷の蓋然性が高くなる。そのため、規定回数を適切な値に設定することで、加工効率の低下を抑止しつつノズル100の使用不可を検出することができる。
【0065】
図6では、ステップS107の直後に、ステップS108を実行したが、これに限定されない。例えば、ステップS106とステップS107の間において、ステップS108を実行してもよいし、ステップS106の直前にステップS108を実行してもよい。また、ステップS109の処理が実行された後に、ステップS108が実行されてもよい。このように、処理部22は、レーザ加工機2による穴あけ加工の回数が規定回数に達してからノズル100の状態の判定を開始するまでの間と、ノズル100の状態の判定を行った直後と、のいずれかにおいて、穴あけ加工の回数のカウント値を初期値に設定してもよい。
【0066】
なお、上記実施形態は、以下の構成を開示する。
(構成1)
ノズル100の先端面110に形成された出射孔120から出射するレーザ光によりワークを加工するレーザ加工機2に用いられる処理装置11であって、
先端面110を撮影する撮影部20と、
レーザ加工機2による穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、撮影部20が撮影した先端面110の画像に基づいて、ノズル100の使用可否を判定する処理部22と、
を備える処理装置。
(構成2)
処理部22は、穴あけ加工の回数が規定回数に達しない場合において、ワークWの加工に要した累計時間が規定時間に達した場合には、ノズル100の使用可否を判定する、構成1に記載の処理装置。
(構成3)
処理部22は、穴あけ加工の回数が規定回数に達した場合には、撮影部20による先端面110の撮影を実行させ、当該撮影により得られた先端面110の画像に基づいてノズル100の状態を判定する、
構成1又は構成2に記載の処理装置。
(構成4)
レーザ加工機2に備える清掃部8によりノズル100の清掃を実行させる制御部21を備え、
制御部21は、穴あけ加工の回数が規定回数に達した際には、ノズル100の清掃を実行させ、
処理部22は、ノズル100の清掃が終了した後に、撮影部20による先端面110の撮影を実行させる、
構成1から構成3のいずれかに記載の処理装置。
(構成5)
処理部22は、レーザ加工機2による穴あけ加工の回数が規定回数に達してからノズル100の状態の判定を開始するまでの間と、ノズル100の状態の判定を行った直後と、のいずれかにおいて、穴あけ加工の回数のカウント値を初期値に設定する、
構成1から構成4のいずれかに記載の処理装置。
(構成6)
処理部22は、先端面110の画像から算出される出射孔120の形状と、予め取得している出射孔120の基準形状とを比較して、出射孔120の形状と基準形状とのズレが所定の閾値を超える場合には、ノズル100について使用不可と判定する、
構成1から構成5のいずれかに記載の処理装置。
(構成7)
処理部22は、ノズル100について使用不可と判定した場合に、ノズル100が使用不可であることを外部装置(例えば、表示装置10)に出力する、
構成1から構成6のいずれかに記載の処理装置。
(構成8)
制御部21は、ノズル100について使用不可と判定された場合に、レーザ加工機2に備えるノズル交換部を用いてノズル100の交換を実行する、
構成1から構成7のいずれかに記載の処理装置。
(構成9)
構成1から構成8のいずれか一項に記載の処理装置を備えるレーザ加工機。
【0067】
以上、実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に限定されない。また、上記した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、上記した実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態において示した各手順の実行順序は、前の手順の結果を後の手順で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【符号の説明】
【0068】
RS・・・レーザ加工システム
1・・・搬送装置
2・・・レーザ加工機
6・・・レーザヘッド
7・・・ヘッド駆動部
8・・・清掃部
9・・・ノズル交換部
10・・・表示装置
11・・・処理装置
20・・・撮影部
21・・・制御部
22・・・処理部