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特開2024-162487ストッパブロック抜け止め構造、ストッパブロックおよびブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162487
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ストッパブロック抜け止め構造、ストッパブロックおよびブロック
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/12 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B66F9/12 R
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078034
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾杉 匡哉
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB13
3F333AE02
3F333DA03
3F333DA04
3F333DB02
(57)【要約】
【課題】従来よりも作業効率がよいストッパブロック抜け止め構造を提供する。
【解決手段】ストッパブロック抜け止め構造Sは、ブロック2と、ストッパブロック3と、揺動部材4と、軸部材5と、を備えている。ブロック2は、ストッパブロック差し込み孔22aと、ストッパ23とを有する。ストッパブロック3は第2スライド制限部32を有する。揺動部材4は、第2係止部42を有し、軸部材5を介してストッパブロック3に上下に揺動可能に連結されている。第2スライド制限部32がストッパブロック差込部22に差し込まれた後、揺動部材4が下方に揺動され第2係止部42の一部がストッパ23の下方に配置されることによりストッパブロック3の抜けを防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直部と、前記垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、前記垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントを前記フォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造であって、
ブロックと、ストッパブロックと、揺動部材と、軸部材と、を備え、
前記ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、前記下フィンガーバーと前記支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
前記ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、前記ブロック本体から下方に延びて、前記支持部に隣接することにより、前記ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、前記第1スライド制限部の反対側において前記ブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
前記ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
前記ストッパブロックは、
前記軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、前記ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
前記第1係止部から連続して上下方向に延びるとともに前記ストッパブロック差込部に差し込まれ、前記支持部に隣接することにより、前記ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
前記揺動部材は、
基端において前記軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、前記軸部材を介して上下方向に揺動可能に前記ストッパブロックに連結される連結部と、
前記連結部の先端から連続し、前記連結部とともに下方に揺動されたとき、前記ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
前記ストッパブロックが上から前記ストッパブロック差込部に差し込まれた後、前記揺動部材が下方に揺動され前記第2係止部の一部が前記ストッパの下方に配置されることにより前記ストッパブロックの抜けを防止する、ストッパブロック抜け止め構造。
【請求項2】
前記ストッパの先端は、前記ブロック本体よりも左右方向に突出している、請求項1に記載のストッパブロック抜け止め構造。
【請求項3】
前記揺動部材は、実質的にL字状または逆L字状に形成されている、請求項2に記載のストッパブロック抜け止め構造。
【請求項4】
前記ストッパは、前記ストッパブロック差込部の前面および後面の両方に配置され、
前記揺動部材は、実質的に逆T字状に形成されている、請求項2に記載のストッパブロック抜け止め構造。
【請求項5】
垂直部と、前記垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、前記垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントを前記フォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造に用いられるストッパブロックであって、
前記ストッパブロック抜け止め構造は、ブロックを備え、
前記ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、前記下フィンガーバーと前記支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
前記ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、前記ブロック本体から下方に延びて、前記支持部に隣接することにより、前記ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、前記第1スライド制限部の反対側において前記ブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
前記ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
前記ストッパブロックは、ストッパブロック本体と、揺動部材と、軸部材と、を有し、
前記ストッパブロック本体は、
前記軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、前記ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
前記第1係止部から連続して上下方向に延びるとともに前記ストッパブロック差込部に差し込まれ、前記支持部に隣接することにより、前記ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
前記揺動部材は、
基端において前記軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、前記軸部材を介して上下方向に揺動可能に前記ストッパブロック本体に連結される連結部と、
前記連結部の先端から連続し、前記揺動部材とともに下方に揺動されたとき、前記ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
前記ストッパブロック本体が上から前記ストッパブロック差込部に差し込まれた後、前記揺動部材が下方に揺動され前記第2係止部の一部が前記ストッパの下方に配置されることにより前記ストッパブロック本体の抜けを防止する、ストッパブロック。
【請求項6】
垂直部と、前記垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、前記垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントを前記フォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造に用いられるブロックであって、
前記ストッパブロック抜け止め構造は、ストッパブロックを備え、
前記ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、前記下フィンガーバーと前記支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
前記ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、前記ブロック本体から下方に延びて、前記支持部に隣接することにより、前記ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、前記第1スライド制限部の反対側において前記ブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
前記ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
前記ストッパブロックは、ストッパブロック本体と、揺動部材と、軸部材と、を有し、
前記ストッパブロック本体は、
前記軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、前記ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
前記第1係止部から連続して上下方向に延びるとともに前記ストッパブロック差込部に差し込まれ、前記支持部に隣接することにより、前記ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
前記揺動部材は、
基端において前記軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、前記軸部材を介して上下方向に揺動可能に前記ストッパブロックに連結される連結部と、
前記連結部の先端から連続し、前記揺動部材とともに下方に揺動されたとき、前記ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
前記ストッパブロックが上から前記ストッパブロック差込部に差し込まれた後、前記揺動部材が下方に揺動され前記第2係止部の一部が前記ストッパの下方に配置されることにより前記ストッパブロックの抜けを防止する、ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトのアタッチメントに用いられるストッパブロックの抜け止め構造、当該抜け止め構造に用いられるストッパブロックおよびブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のように、ラム型のアタッチメントと、アタッチメントを左右方向にスライドさせるシフトシリンダとを備えた大型のフォークリフトがある。この種のフォークリフトは、上下のフィンガーバーを備えており、特許文献2に開示のように、アタッチメントを上下のフィンガーバーに脱着可能に構成されているものがある。
【0003】
図8Aおよび図8Bは、ラム型のアタッチメント1と、フォーク型のアタッチメント1とをそれぞれ示している。フォーク型のアタッチメント1は、左右一対のアタッチメント1としてフォークリフトに装着される。図8Aおよび図8Bに示すように、各アタッチメント1は、垂直部10と、上フック11と、下フック12と、シリンダブラケット13と、支持部14と、を有する。ラム型のアタッチメント1は、左右の垂直部10を有し、上フック11、下フック12、シリンダブラケット13および支持部14は、各垂直部10に設けられている。また、フォーク型のアタッチメント1の場合、左右のアタッチメント1それぞれに、垂直部10、上フック11、下フック12、シリンダブラケット13および支持部14が設けられている。上フック11は、垂直部10の上端に設けられており、下フック12は、垂直部10の背面の上下方向中央に設けられており、支持部14は、垂直部10の背面の下部に突設されている。
【0004】
図9のA、BおよびCは従来のフォーク型アタッチメント1およびブロック2の配置方法を示す側面図であり、DはCのブロック2周辺の拡大側面図である。このアタッチメント1は、フォークリフトに装着されるとき、図9Aに示すように、まず、上下のフックを上下のフィンガーバーの上方から係止され、次いで、図10に示すように、ブロック2を下フィンガーバーLFと支持部14との隙間に差し込まれる。これにより、アタッチメント1の上下の移動が制限されるので、アタッチメント1は、フォークリフトから外れない。
【0005】
図9図11に示すように、ブロック2は、ブロック本体20と、第1スライド制限部21と、ストッパブロック差込部22と、を備えている。第1スライド制限部21は、ブロック2が下フィンガーバーLFと支持部14との隙間に差し込まれたとき、支持部14に隣接して配置されることによりブロック2の左右方向(この例では右方向)の移動を制限する。
【0006】
アタッチメント1がフォークリフトに固定されると、シフトシリンダは、シリンダブラケット13に通され、図9Bおよび図9Cに示すように、シリンダブラケット用ストッパBSによって固定される。また、図10に示すように、ストッパブロック3がブロック2のストッパブロック差込部22に差し込まれる。ストッパブロック3は、第1係止部30と、第2スライド制限部32とを有する。第1係止部30は、ストッパブロック差込部22に係止され、第2スライド制限部32は、ストッパブロック差込部22の下から突き出た部分が支持部14に隣接して配置されることにより、ブロック2の左右方向の移動を制限する。ストッパブロック差込部22は、前後方向に貫通された孔を有し、ストッパブロック3が差し込まれた後、その孔に固定ピンFPを差し込まれる。これにより、ストッパブロック3の抜けが防止される。
【0007】
図12は、反対方向から差し込まれた左右逆のブロック2と他の構成を示す図である。図12に示すように、ストッパブロック差込部22は、左右方向に貫通された孔をさらに2つ有し、その各孔にスプリングプランジャSPがそれぞれ差し込まれる。スプリングプランジャSPの先端は、ストッパブロック3および固定ピンFPに当接されるとともに、スプリングプランジャSPの付勢力によりストッパブロック3および固定ピンFPの抜けを防止する。
【0008】
ところで、説明したように、ストッパブロック3を固定する従来のストッパブロック抜け止め構造は、固定ピンFPおよびスプリングプランジャSP2つの合計3部品によってストッパブロック3の抜けを防止するので作業効率が悪い。また、固定ピンFPおよびスプリングプランジャSPは小型で紛失しやすい。しかも泥汚れ等でスプリングプランジャSPが固着することがあり、ストッパブロック3が外れにくいときがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2021-178693号公報
【特許文献2】特開平8-108999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも作業効率がよいストッパブロック抜け止め構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るストッパブロック抜け止め構造は、
垂直部と、垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントをフォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造であって、
ブロックと、ストッパブロックと、揺動部材と、軸部材と、を備え、
ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、下フィンガーバーと支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、ブロック本体から下方に延びて、支持部に隣接することにより、ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、第1スライド制限部の反対側においてブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
ストッパブロックは、
軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
第1係止部から連続して上下方向に延びるとともにストッパブロック差込部に差し込まれ、支持部に隣接することにより、ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
揺動部材は、
基端において軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、軸部材を介して上下方向に揺動可能にストッパブロックに連結される連結部と、
連結部の先端から連続し、連結部とともに下方に揺動されたとき、ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
ストッパブロックが上からストッパブロック差込部に差し込まれた後、揺動部材が下方に揺動され第2係止部の一部がストッパの下方に配置されることによりストッパブロックの抜けを防止する。
【0012】
上記ストッパブロック抜け止め構造は、好ましくは、
ストッパの先端が、ブロック本体よりも左右方向に突出している。
【0013】
上記ストッパブロック抜け止め構造は、好ましくは、
揺動部材が、実質的にL字状または逆L字状に形成されている。
【0014】
上記ストッパブロック抜け止め構造は、好ましくは、
ストッパが、ストッパブロック差込部の前面および後面の両方に配置され、揺動部材は、実質的に逆T字状に形成されている。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係るストッパブロックは、
垂直部と、垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントをフォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造に用いられるストッパブロックであって、
ストッパブロック抜け止め構造は、ブロックを備え、
ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、下フィンガーバーと支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、ブロック本体から下方に延びて、支持部に隣接することにより、ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、第1スライド制限部の反対側においてブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
ストッパブロックは、
ストッパブロック本体と、揺動部材と、軸部材と、を有し、
ストッパブロック本体は、
軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
第1係止部から連続して上下方向に延びるとともにストッパブロック差込部に差し込まれ、支持部に隣接することにより、ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
揺動部材は、
基端において軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、軸部材を介して上下方向に揺動可能にストッパブロック本体に連結される連結部と、
連結部の先端から連続し、揺動部材とともに下方に揺動されたとき、ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
ストッパブロック本体が上からストッパブロック差込部に差し込まれた後、揺動部材が下方に揺動され第2係止部の一部がストッパの下方に配置されることによりストッパブロック本体の抜けを防止する。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係るブロックは、
垂直部と、垂直部に設けられフォークリフトの上フィンガーバーおよび下フィンガーバーに係止される上下のフックと、垂直部の背面に突設された支持部とを有するアタッチメントをフォークリフトに固定させるアタッチメント固定構造におけるストッパブロック抜け止め構造に用いられるブロックであって、
ストッパブロック抜け止め構造は、ストッパブロックを備え、
ブロックは、
水平方向に広がる上面および下面を有し、下フィンガーバーと支持部との隙間に、左右方向から差し込まれるブロック本体と、
ブロック本体の左右側面いずれかに固定され、ブロック本体から下方に延びて、支持部に隣接することにより、ブロック本体の左右いずれかの移動を制限する第1スライド制限部と、
上下に延びる差し込み孔を有し、第1スライド制限部の反対側においてブロック本体の側面に固定されたストッパブロック差込部と、
ストッパブロック差込部の前面および後面の両方またはそのいずれかに固定されたストッパと、を有し、
ストッパブロックは、ストッパブロック本体と、揺動部材と、軸部材と、を有し、
ストッパブロック本体は、
軸部材を前後方向に通す第1孔を有するとともに、ストッパブロック差込部に係止される第1係止部と、
第1係止部から連続して上下方向に延びるとともにストッパブロック差込部に差し込まれ、支持部に隣接することにより、ブロックの左右いずれかの移動を制限する第2スライド制限部と、を有し、
揺動部材は、
基端において軸部材を前後方向に通す第2孔を有するとともに、軸部材を介して上下方向に揺動可能にストッパブロックに連結される連結部と、
連結部の先端から連続し、揺動部材とともに下方に揺動されたとき、ストッパの下方にその一部が配置される第2係止部と、を有し、
ストッパブロックが上からストッパブロック差込部に差し込まれた後、揺動部材が下方に揺動され第2係止部の一部がストッパの下方に配置されることによりストッパブロックの抜けを防止する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るストッパブロック抜け止め構造は、従来よりも作業効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るストッパブロック抜け止め構造を示す斜視図である。
図2】ストッパブロックが差し込まれたところを示すストッパブロック抜け止め構造の背面図である。
図3】ストッパブロックが差し込まれたところを示すストッパブロック抜け止め構造の側面図である。
図4】ストッパブロックが差し込まれたところを示すストッパブロック抜け止め構造の斜視図である。
図5】本発明のストッパブロック抜け止め構造の変形例を示す側面図である。
図6】本発明のストッパブロック抜け止め構造の別の変形例を示す側面図である。
図7図6に示されたストッパブロック抜け止め構造の斜視図である。
図8】従来のアタッチメントを示す側面図であり、Aはラム型アタッチメントであり、Bはフォーク型アタッチメントである。
図9】A、BおよびCは従来のアタッチメントおよびブロックの配置の流れを示す側面図であり、DはCのブロック周辺の拡大側面図である。
図10】従来のストッパブロックの抜け止め構造を示す斜視図である。
図11】従来のブロックおよびストッパブロックを右方向から見た斜視図である。
図12】右側のフォーク型アタッチメントにおける従来のストッパブロックの抜け止め構造を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のストッパブロック抜け止め構造の一実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るストッパブロック抜け止め構造Sを示す斜視図である。図2は、ストッパブロック3が差し込まれたところを示すストッパブロック抜け止め構造Sの背面図であり、図3はその側面図であり、図4はその斜視図である。図1図4に示すように、ストッパブロック抜け止め構造Sは、ブロック2と、ストッパブロック3と、揺動部材4と、軸部材5と、を備えている。なお、本実施形態で説明するストッパブロック抜け止め構造Sは、アタッチメント1と下フィンガーバーLFの隙間に対して、ブロック2が左から右に差し込まれることを想定した構造であるので、当該隙間に対して右から左に差し込まれる構造の場合、左右反対の構成となる。
【0021】
ブロック2は、ブロック本体20と、第1スライド制限部21と、ストッパブロック差込部22と、ストッパ23と、を有する。
【0022】
ブロック本体20は、右からの側面視、略逆L字状に形成されており、ブロック本体20は、上段と下段とを有する。下段の上面および下面は、水平方向に広がっている。ブロック本体20は、図10に示される従来のブロック本体20と同様に、アタッチメントの垂直部10と下フィンガーバーLFと支持部14との隙間に差し込まれると、上段側がアタッチメントの垂直部10の背面と下フィンガーバーLFの前面との間に配置され、下段側が下フィンガーバーLFと支持部14との間に配置される。
【0023】
第1スライド制限部21は、ブロック本体20の左側面に固定されており、ブロック本体20から下方に延びている。第1スライド制限部21は、ブロック本体20がアタッチメントと下フィンガーバーLFとの隙間に差し込まれると、第1スライド制限部21の下部が支持部14の左側面に隣接することにより、ブロック本体20の右方向への移動を制限する。
【0024】
図1に示すように、ストッパブロック差込部22は、平面視コの字状に形成され上下に延びる差し込み孔22aを有する。ストッパブロック差込部22は、第1スライド制限部21の反対側(本実施形態では右側)においてブロック本体20の側面に固定されている。
【0025】
ストッパ23は、左右方向に延びる直方体に形成され、ストッパブロック差込部22の前面に固定されている。ストッパ23の先端は、ブロック本体20よりも右方向に突出している。ストッパ23の形状は単なる一例であって、これに限定されない。また、ストッパ23の固定方法は、溶接でもよく特に限定されない。
【0026】
ストッパブロック3は、第1係止部30と、第2スライド制限部32と、を有する。なお、ストッパブロック3は、本発明の「ストッパブロック本体」に相当する。
【0027】
第1係止部30は、その基端からストッパブロック差込部22の右方まで延びるとともに、その先端に第1孔30aを有する。第1係止部30は、本実施形態では、平面視コの字状に形成されているが、単なる一例であって、これに限定されない。第1係止部30は、次に説明する第2スライド制限部32が差し込み孔22aに差し込まれたとき、ストッパブロック差込部22の上面に係止されるよう構成されている。
【0028】
図1に示すように、第2スライド制限部32は、第1係止部30の基端から連続して下方に延びる直方体に形成されている。図2図4に示すように、第2スライド制限部32は、ストッパブロック差込部22に差し込まれると、その先端がブロック本体20の下方に配置され支持部14の右側面に隣接することにより、ブロック本体20の左方向の移動を制限する。なお、第2スライド制限部32の形状も特に限定されるものではない。
【0029】
揺動部材4は、連結部40と、第2係止部42とを有する。
【0030】
図1に示すように、連結部40は、左右方向に延びるとともに、その先端に第2孔40a(図2参照)を有する。連結部40の先端は、第1係止部30のコの字状の間に配置されるとともに、第1孔30aおよび第2孔40aを通される軸部材5を介して、第1係止部30に揺動可能に連結される。連結部40の形状は、単なる一例であって、例えば、コの字状に形成され、第1係止部30の先端に連結されてもよい。この場合、第1係止部30は、コの字状ではなく直方体に形成され、コの字状に形成された連結部40の間に配置されて、軸部材5によって連結されてもよい。
【0031】
第2係止部42は、連結部40の基端から連続してストッパブロック3の前方に延びる略直方体に形成されている。
【0032】
図2図4に示すように、揺動部材4は、ストッパブロック3がストッパブロック差込部22に差し込まれると、下方に揺動させられることにより、第2係止部42の先端がストッパ23先端の下方に隣接して配置される。これにより、揺動部材4は、ストッパブロック3の上方への移動を制限してストッパブロック3の抜けを防止する。また、揺動部材4は、ストッパブロック3が引き抜かれるときには、上方に揺動させられることによりストッパブロック3の抜け止めを解除する。
【0033】
以上、説明したように、ストッパブロック抜け止め構造Sは、揺動部材4を下方に揺動するだけでストッパブロック3の抜けを防止することができ、また、揺動部材4を上方に揺動するだけでストッパブロック3の抜け止めを解除することができる。したがって、ストッパブロック抜け止め構造Sは、従来品に比して作業効率がよい。また、ストッパブロック抜け止め構造Sは、スプリングプランジャSPおよび固定ピンFPが不要になったことで、これらの紛失のおそれがなくなり、しかも、スプリングプランジャSPを使用しないことで故障や固着リスクを軽減させている。さらには、ストッパブロック抜け止め構造Sは、従来のブロック2にストッパ23を取り付ければ、従来のブロック2を流用することもでき、アタッチメントや下フィンガーバーLFなどの改造も不要である。
【0034】
以上、本発明のストッパブロック抜け止め構造の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のストッパブロック抜け止め構造は、以下の変形例を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0035】
<変形例>
【0036】
図5に示すように、ストッパブロック抜け止め構造Sは、2つのストッパ23をブロック本体20の前後面に固定されるとともに、第2係止部42が、側面視逆T字状に形成され、その両先端が2つのストッパ23の下面にそれぞれ配置されるよう構成されてもよい。
【0037】
図6および図7に示すように、ストッパ23は、上述の実施形態よりも左右方向が短く構成され、第2係止部42は、その先端にさらに左右方向に延びる部分を付加されることにより、その部分をストッパ23に係止されて、ストッパブロック3の抜けを防止してもよい。すなわち、ストッパブロック抜け止め構造Sは、揺動部材4が下方に揺動して第2係止部42がストッパ23の下方に配置され、または第2係止部42がストッパ23に係止されることでストッパブロック3の抜けを防止することができれば、第2係止部42およびストッパ23の形状は特に限定されない。
【符号の説明】
【0038】
S ストッパブロック抜け止め構造
UF 上フィンガーバー
LF 下フィンガーバー
FP 固定ピン
SP スプリングプランジャ
BS シリンダブラケット用ストッパ
1 アタッチメント
10 垂直部
11 上フック
12 下フック
13 シリンダブラケット
14 支持部
2 ブロック
20 ブロック本体
21 第1スライド制限部
22 ストッパブロック差込部
22a 差し込み孔
23 ストッパ
3 ストッパブロック(ストッパブロック本体)
30 第1係止部
30a 第1孔
32 第2スライド制限部
4 揺動部材
40 連結部
40a 第2孔
42 第2係止部
5 軸部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12