(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162499
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プログラマブルロジックコントローラ
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G05B19/05 L
G05B19/05 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078051
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【氏名又は名称】君塚 絵美
(72)【発明者】
【氏名】石内 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 勇一
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA05
5H220AA06
5H220BB07
5H220BB18
5H220CC03
5H220CC09
5H220CX05
5H220CX09
5H220JJ02
5H220JJ12
5H220JJ18
5H220KK03
5H220KK06
(57)【要約】
【課題】通信を安定させつつ、通信速度の低下を抑制する。
【解決手段】プログラマブルロジックコントローラ1は、基本ベースユニット100と、1以上の増設ベースユニット101とを備え、基本ベースユニット100は、制御ユニット111、第1のユニット112、及び第1のユニット112に比べて要求される通信速度が低い第2のユニット115を含み、増設ベースユニット101は、第2のユニット115を含み、パラレル通信信号生成部201は、パラレル通信により、メイン演算器121と第1のユニット112との間で信号を送受信し、シリアル通信信号生成部202は、シリアル通信により、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる第2のユニット112との間で信号を送受信し、メイン演算器121と、増設ベースユニット101に含まれる第2のユニット115との間で信号を送受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本ベースユニットと、1以上の増設ベースユニットとを備え、
前記基本ベースユニットは、制御ユニット、前記制御ユニットと信号を送受信する第1のユニット、及び前記制御ユニットと信号を送受信して前記第1のユニットに比べて要求される通信速度が低い第2のユニットを含み、
前記増設ベースユニットは、前記基本ベースユニットとシリアル通信ケーブルによって接続されており、前記制御ユニットと信号を送受信する第3のユニットを含み、
前記制御ユニットは、メイン演算器と、パラレル通信信号生成部及びシリアル通信信号生成部を有する信号分配器とを含み、
前記パラレル通信信号生成部は、パラレル通信により、前記メイン演算器と前記第1のユニットとの間で信号を送受信し、
前記シリアル通信信号生成部は、シリアル通信により、前記メイン演算器と前記第2のユニットとの間で信号を送受信し、前記メイン演算器と前記第3のユニットとの間で信号を送受信する、プログラマブルロジックコントローラ。
【請求項2】
前記シリアル通信信号生成部は、前記メイン演算器と前記第2のユニットとの間で信号を送受信するとき、前記メイン演算器と前記第3のユニットとの間で信号を送受信するときに比べて高速のクロックで信号を送受信する、請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項3】
前記第1のユニットは、外部機器と通信する通信ユニットである、請求項1又は2に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラマブルロジックコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller(PLC))は、シーケンス制御を実行するコントローラである。最近では、プログラマブルロジックコントローラは、様々なインターフェース、通信機能等を有し、各種ロボット、自動機械等の制御、工程管理等に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1の従来技術には、PLC本体が、パラレルI/Oバスを介して、各I/Oユニット内の各ローカルI/Oモジュール103に対して直接データの読み出し、書き込みを行いことが記載されている。
【0004】
ここで、
図4を参照して、基本ベースユニット300と増設ベースユニット331及び332とを備えるプログラマブルロジックコントローラ3について説明する。
【0005】
図4に示すように、基本ベースユニット300には、制御ユニット301と、通信ユニット302と、I/Oユニット(入出力ユニット)303、マスタユニット311とが含まれている。制御ユニット301には、各種制御、演算処理、及び通信処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)と、プログラムを記憶するメモリとが含まれる。通信ユニット302は、外部機器(不図示)と信号を送受信するためのユニットであり、パラレルバス306を介して制御ユニット301と信号を送受信する。外部機器は、プログラマブルロジックコントローラが制御する対象となっている機器、他のプログラマブルロジックコントローラ等である。I/Oユニット303及びマスタユニット311は、パラレルバス306を介して制御ユニット301と信号を送受信し、リモートユニット351、352、・・・は、シリアルバスケーブル311を介してマスタユニット311と信号を送受信する。
【0006】
また、増設ベースユニット331には、インターフェース(IF)ユニット309及びI/Oユニット303が含まれており、IFユニット309と、上述した制御ユニット301とは、パラレルバスケーブル307を介して信号を送受信する。
【0007】
また、増設ベースユニット332には、IFユニット309及びI/Oユニット303が含まれており、増設ベースユニット331のIFユニット309と、増設ベースユニット332のIFユニット309とは、パラレルバスケーブル307を介して信号を送受信する。
【0008】
これにより、制御ユニット301は、基本ベースユニット300、増設ベースユニット331、及び増設ベースユニット332それぞれに含まれている各種のユニットと信号を送受信することができる。
【0009】
また、複数の増設ベースユニット331それぞれに含まれる複数のI/Oユニット303それぞれを一意に識別するために、I/Oユニット303に対応するパラレルバスケーブル307のアドレスが付された信号が送信されることによって、該信号は、適切なI/Oユニット303によって受信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した方法では、増設ベースユニットが増加し、これに伴ってI/Oユニットが増加するほど、パラレルバスによって送信されるデータ量が増加する。これに起因して、ユニット間、特に制御ユニットと、高速での通信が要求されるユニット(例えば、通信ユニット)との間での通信における通信速度が低下することがあった。これにより、所定の周期でのデータの更新が困難となることがあった。
【0012】
上記のような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、通信を安定させつつ、通信速度の低下を抑制することができるプログラマブルロジックコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、一実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラは、基本ベースユニットと、1以上の増設ベースユニットとを備え、前記基本ベースユニットは、制御ユニット、前記制御ユニットと信号を送受信する第1のユニット、及び前記制御ユニットと信号を送受信し、前記第1のユニットに比べて要求される通信速度が低い第2のユニットを含み、前記増設ベースユニットは、前記基本ベースユニットとシリアル通信ケーブルによって接続されており、前記制御ユニットと信号を送受信する第3のユニットを含み、前記制御ユニットは、メイン演算器と、パラレル通信信号生成部及びシリアル通信信号生成部を有する信号分配器とを含み、前記パラレル通信信号生成部は、パラレル通信により、前記メイン演算器と前記第1のユニットとの間で信号を送受信し、前記シリアル通信信号生成部は、シリアル通信により、前記メイン演算器と前記第2のユニットとの間で信号を送受信し、前記メイン演算器と前記第3のユニットとの間で信号を送受信する。
【0014】
また、一実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラにおいて、前記シリアル通信信号生成部は、前記メイン演算器と前記第2のユニットとの間で信号を送受信するとき、前記メイン演算器と前記第3のユニットとの間で信号を送受信するときに比べて高速のクロックで信号を送受信してよい。
【0015】
また、一実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラにおいて、前記第1のユニットは、外部機器と通信する通信ユニットであってよい。
【発明の効果】
【0016】
本開示に係るプログラマブルロジックコントローラによれば、通信を安定させつつ、通信速度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラの構成例を示す図である。
【
図2】
図1に示す制御ユニットを詳細に示す図である。
【
図3】
図2に示す信号分配器を詳細に示す図である。
【
図4】従来のプログラマブルロジックコントローラの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示すように、本開示の本実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラ1は、基本ベースユニット100と、1以上の増設ベースユニット101とを備える。
【0020】
基本ベースユニット100は、パラレルバス103、シリアルバス104、制御ユニット111、第1のユニット112、増設マスタユニット113、及び第2のユニット115を含む。制御ユニット111、通信ユニット112、増設マスタユニット113、及び汎用ユニット115それぞれは、パラレルバス103及びシリアルバス104を介してデータを送受信することができる。シリアルバス104は、TTL(Transistor Transistor Logic)レベルの信号を伝送する。なお、第1のユニット112は、制御ユニット111と信号を送受信する。第1のユニット112は、例えば、外部機器と通信を行う通信ユニットであるが、これに限られない。また、第2のユニット115は、第1のユニット112に比べて要求される通信速度が低いユニットであり、例えば、入出力ユニットである。以降において、第1のユニット112を「通信ユニット112」として説明する。また、以降において、第2のユニット115を「汎用ユニット115」という。なお、基本ベースユニット100は、複数の通信ユニットを含んでもよく、第1のユニット112及び第2のユニット115によって実行される通信の通信速度は、それぞれにユニットが設けられている場所ではなく、それぞれの通信仕様によって定まる。
【0021】
パラレルバス103は、パラレル通信により信号を伝送する伝送路である。
【0022】
シリアルバス104は、シリアル通信により信号を伝送する伝送路である。
【0023】
図2に示すように、制御ユニット111は、パラレルバス103と、シリアルバス104と、外部通信インターフェース(I/F)120と、メイン演算器121と、信号分配器122と、ROM(Read-Only Memory)123と、メインメモリ124とを含む。
【0024】
外部通信I/F120は、制御ユニット111が、他の機器(例えば、上位機器、デバック機器等)と通信するためのインターフェースである。メイン演算器121は、例えば、CPUによって構成され、ラダー処理、各種演算、データの管理等を実行することができる。
【0025】
信号分配器122は、メイン演算器121によって出力された信号をパラレル通信又はシリアル通信により送信する。メイン演算器121によって出力された信号は、メイン演算器121による演算結果を示す信号であってもよいし、メイン演算器121が受信した信号であってもよい。このとき、信号分配器122は、信号を送受信するユニットに応じて、パラレル通信とシリアル通信とのいずれかにより信号を送受信する。
【0026】
図3に示すように、信号分配器122は、CPUパラレルバス203によってメイン演算器121と接続されており、これにより、メイン演算器121からコントロールされ、メイン演算器121から出力された信号を送受信することができる。また、信号分配器122は、CPUパラレルバス203によってメインメモリ124と接続されており、これにより、信号分配器122は、メインメモリ124に記憶されているデータを示す信号を送受信することができる。
【0027】
信号分配器122は、パラレル通信信号生成部201と、シリアル通信信号生成部202とを有する。信号分配器122は、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる通信ユニット112との間で信号を送受信する場合、パラレル通信信号生成部201がパラレル通信により信号を送受信するように切り替え、メイン演算器121と、基本ベースユニット100又は増設ベースユニット101に含まれる汎用ユニット116(第3のユニット)との間で信号を送受信するとき、シリアル通信信号生成部202がシリアル通信により信号を送受信するように切り替える。
【0028】
すなわち、パラレル通信信号生成部201は、パラレル通信により、メイン演算器121と通信ユニット112との間で信号を送受信する。具体的には、パラレル通信信号生成部201は、メイン演算器121によって出力された信号を、パラレルバス103を介して通信ユニット112に送信し、通信ユニット112からパラレルバス103を介して受信した信号をメイン演算器121に送信する。
【0029】
ここで、パラレル通信信号生成部201は、基本ベースユニット100が備えるユニットとのみ、パラレルバス103を介して信号を送受信することができる。このため、パラレル通信信号生成部201は、ワードサイズのデータを一度に送受信することが可能となる。したがって、パラレル通信信号生成部201は、サイズが大きいデータを高速で送受信する必要があるユニット(例えば、通信ユニット112)と、パラレル通信により信号を送受信する。
【0030】
また、シリアル通信信号生成部202は、シリアル通信により、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる汎用ユニット115(第2のユニット)との間で信号を送受信する。また、シリアル通信信号生成部202は、シリアル通信により、メイン演算器121と、増設ベースユニット101に含まれる汎用ユニット116(第3のユニット)との間で信号を送受信する。具体的には、シリアル通信信号生成部202は、メイン演算器121によって出力された信号を、シリアルバス104を介して汎用ユニット115に送信し、汎用ユニット115からシリアルバス104を介して受信した信号をメイン演算器121に送信する。シリアル通信信号生成部202は、メイン演算器121によって出力された信号を、シリアルバス104及び増設ケーブル102を介して汎用ユニット116に送信し、汎用ユニット116からシリアルバス104及び増設ケーブル102を介して受信した信号をメイン演算器121に送信する。なお、増設ケーブル102は、シリアル通信ケーブルである。
【0031】
ここで、シリアル通信信号生成部202は、基本ベースユニット100及び増設ベースユニット101それぞれが備えるユニットに対して、シリアル通信により信号を送受信することができる。なお、シリアル通信では、パラレル通信に比べて、サイズが大きいデータを短時間で大量に送受信することが困難である。したがって、シリアル通信信号生成部202は、サイズが大きいデータを高速で送受信する必要がないユニット(例えば、汎用ユニット115)と、シリアル通信により信号を送受信する。
【0032】
また、シリアル通信信号生成部202は、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる汎用ユニット115(第2のユニット)との間で信号を送受信するとき、メイン演算器121と、増設ベースユニット101に含まれる汎用ユニット116(第3のユニット)との間で信号を送受信するときに比べて高速のクロックで信号を送受信する。
【0033】
図2を再び参照して、ROM123は、メイン演算器121が演算を実行するために用いるラダー、定数等のプログラムデータを記憶している。メインメモリ124は、メイン演算器121によって演算されているデータ、外部通信I/F120によって送受信される、又は、送受信された、一時的に待機している通信データを記憶することができる。
【0034】
図1を再び参照して、通信ユニット112は、制御ユニット111と信号を送受信する。具体的には、通信ユニット112は、基本ベースユニット100に含まれるパラレルバス103及びシリアルバス104に接続される。例えば、通信ユニット112は、パラレルバス及びシリアルバスを内蔵しており、該パラレルバス及び該シリアルバスがそれぞれ基本ベースユニット100に設けられているパラレルバス103及びシリアルバス104に接合される。これにより、通信ユニット112は、パラレルバス103を介して、パラレル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。また、通信ユニット112は、シリアルバス104を介して、シリアル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。
【0035】
増設マスタユニット113は、基本ベースユニット100に含まれるパラレルバス103及びシリアルバス104に接続される。具体的には、増設マスタユニット113は、パラレルバス及びシリアルバスを内蔵しており、該パラレルバス及び該シリアルバスがそれぞれ基本ベースユニット100に設けられているパラレルバス103及びシリアルバス104に接合される。これにより、増設マスタユニット113は、パラレルバス103を介して、パラレル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。また、汎用ユニット115は、シリアルバス104を介して、シリアル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。
【0036】
また、増設マスタユニット113は、シリアルケーブルである増設ケーブル102によって、追って詳細に説明する増設スレーブユニット114と接続され、これにより、増設ケーブル102を介して増設スレーブユニット114と信号を送受信することができる。増設マスタユニット113は、シリアルバス104が伝送するTTLレベルの信号を差動の信号に変換し、増設ケーブル102を介して増設スレーブユニット114に差動の信号を送信する。増設ケーブル102のケーブル長が長い場合、TTLレベルの信号は外部ノイズによる影響を大きく受ける。そのため、増設マスタユニット113は、TTLレベルの信号を作動の信号に変換することにより、増設ケーブル102が長くても外部ノイズによる品質の低下を抑制して、増設スレーブユニット114に信号を送信することができる。
【0037】
汎用ユニット115は、通信ユニット112に比べて要求される通信速度が低いユニットである。基本ベースユニット100の汎用ユニット115は、基本ベースユニット100に含まれるパラレルバス103及びシリアルバス104に接続される。具体的には、汎用ユニット115は、パラレルバス及びシリアルバスを内蔵しており、該パラレルバス及び該シリアルバスがそれぞれ増設ベースユニット101に設けられているパラレルバス103及びシリアルバス104に接合される。これにより、汎用ユニット115は、パラレルバス103を介して、パラレル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。また、汎用ユニット115は、シリアルバス104を介して、シリアル通信により、制御ユニット111と信号を送受信することができる。
【0038】
増設ベースユニット101は、基本ベースユニット100と増設ケーブル102(シリアル通信ケーブル)によって接続されており、制御ユニット111と信号を送受信する汎用ユニット116(第3のユニット)を含む。具体的には、増設ベースユニット101は、増設ベースユニット101a及び増設ベースユニット101bを含み、増設ベースユニット101a及び増設ベースユニット101bそれぞれは、パラレルバス103と、シリアルバス104と、増設スレーブユニット114と、汎用ユニット116とを有する。
【0039】
増設スレーブユニット114は、増設ケーブル102によって増設マスタユニット113と接続され、これにより、増設ケーブル102を介して、シリアル通信により、増設マスタユニット113と信号を送受信することができる。また、増設スレーブユニット114は、該増設スレーブユニット114を有する増設ベースユニット101に含まれるパラレルバス103及びシリアルバス104に接続される。
【0040】
また、増設ベースユニット101aが備える増設スレーブユニット114と、増設ベースユニット101bが備える増設スレーブユニット114とは、増設ケーブル102によって接続される。これにより、増設ベースユニット101aが備える増設スレーブユニット114と、増設ベースユニット101bが備える増設スレーブユニット114とは、増設ケーブル102を介して、シリアル通信により、互いに信号を送受信する。
【0041】
本例では、増設ベースユニット101bは、プログラマブルロジックコントローラ1における最終段のベースユニットであるため、増設ベースユニット101bの増設スレーブユニット114における、次段の増設スレーブユニットと接続するためのポートには終端抵抗117が設けられる。なお、増設ベースユニット101bの増設スレーブユニット114は、さらに異なる増設ベースユニットに接続されてもよく、このような構成において、最終段となる増設スレーブユニットにおける、次段の増設スレーブユニットと接続するためのポートには終端抵抗117が設けられる。
【0042】
また、増設ベースユニット101aの増設スレーブユニット114は、増設マスタユニット113から増設ケーブル102を介して送信された差動の信号を受信する。そして、増設ベースユニット101aの増設スレーブユニット114は、受信した差動の信号を、増設ケーブル102を介して、増設ベースユニット101bの増設スレーブユニット114に送信することができる。また、増設ベースユニット101aの増設スレーブユニット114は、受信した差動の信号をTTLレベルの信号に変換して、シリアルバス104を介して、増設ベースユニット101aの汎用ユニット116にTTLレベルの信号を送信することができる。すなわち、基本ベースユニット100と増設ベースユニット101aとの間、及び増設ベースユニット101aと増設ベースユニット101bとの間では、差動の信号が送受信される。また、基本ベースユニット100、増設ベースユニット101a、及び増設ベースユニット101bそれぞれにおけるシリアルバス104を介した送受信においては、TTLレベルの信号が送受信される。
【0043】
なお、増設マスタユニット113が、TTLレベルの信号を差動の信号に変換し、増設スレーブユニット114が、増設ケーブル102を介して受信した差動の信号をTTLレベルの信号に変換することによって、基本ベースユニット100と増設ベースユニット101aとの間での信号の受信には、これらの2回の変換に要した時間にばらつきが生じている。増設ベースユニット101aと増設ベースユニット101bとの間の信号の送受信においても同様である。
【0044】
増設ベースユニット101の汎用ユニット116は、該増設ベースユニット101に設けられているシリアルバス104に接続される。具体的には、汎用ユニット116は、シリアルバスを内蔵しており、該シリアルバスがそれぞれ増設ベースユニット101に設けられているシリアルバス104に接合される。これにより、汎用ユニット116は、シリアルバス104を介して、シリアル通信により、増設スレーブユニット114と信号を送受信することができる。
【0045】
以上、説明したように、本実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラ1は、基本ベースユニット100と、1以上の増設ベースユニット101とを備える。基本ベースユニット100は、制御ユニット111、制御ユニット111と信号を送受信する通信ユニット112、及び制御ユニット111と信号を送受信して通信ユニット112に比べて要求される通信速度が低い汎用ユニット115を含む。増設ベースユニット101は、基本ベースユニット100とシリアル通信ケーブル(増設ケーブル102)によって接続されており、汎用ユニット116を含む。制御ユニット111は、メイン演算器121と、パラレル通信信号生成部201及びシリアル通信信号生成部202を有する信号分配器122とを含む。パラレル通信信号生成部201は、パラレル通信により、メイン演算器121と通信ユニット112との間で信号を送受信し、シリアル通信信号生成部202は、シリアル通信により、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる汎用ユニット115(第2のユニット)との間で信号を送受信し、メイン演算器121と、増設ベースユニット101に含まれる汎用ユニット116との間で信号を送受信する。
【0046】
これにより、サイズが大きいデータを高速で送受信する必要がある通信ユニット112に対してパラレル通信により信号が送受信され、サイズが大きいデータを高速で送受信する必要がない汎用ユニット115に対してシリアル通信により信号が送受信される。したがって、プログラマブルロジックコントローラ1は、通信を安定させつつ、通信速度の低下を抑制することができる。また、パラレルバス103の占有率を増加させることなく、通信速度の低下を抑制することができるため、プログラマブルロジックコントローラ1の小型化を妨げられにくくなる。
【0047】
また、本実施形態に係るプログラマブルロジックコントローラ1において、シリアル通信信号生成部202は、メイン演算器121と、基本ベースユニット100に含まれる汎用ユニット115(第2のユニット)との間で信号を送受信するとき、メイン演算器121と、増設ベースユニット101に含まれる汎用ユニット116(第3のユニット)との間で信号を送受信するときに比べて高速のクロックで信号を送受信する。一般に、シリアル通信のクロックが高いほど、信号の変換におけるばらつきに起因してラッチミスが発生しやすい。しかし、基本ベースユニット100に含まれる、制御ユニット111内におけるメイン演算器121と、汎用ユニット115(第2のユニット)との間での信号の送受信では信号が変換されないため、ラッチミスは発生せず、このためシリアル通信のクロックを高くして、通信の高速化を図ることができる。これに対して、制御ユニット111内のメイン演算器121と、増設ベースユニット101の汎用ユニット116(第3のユニット)との間の通信では信号が変換されるため、シリアル通信のクロックを低くして、ラッチミスを抑制することができる。
【0048】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 プログラマブルロジックコントローラ
100 基本ベースユニット
101、101a、101b 増設ベースユニット
102 増設ケーブル
103 パラレルバス
104 シリアルバス
111 制御ユニット
112 第1のユニット(通信ユニット)
113 増設マスタユニット
114 増設スレーブユニット
115 第2のユニット(汎用ユニット)
116 第3のユニット(汎用ユニット)
117 終端抵抗
120 外部通信インターフェース
121 メイン演算器
122 信号分配器
123 ROM
124 メインメモリ
201 パラレル通信信号生成部
202 シリアル通信信号生成部
203 CPUパラレルバス