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  • 特開-シャッタ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162500
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】シャッタ装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/20 20060101AFI20241114BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61L2/20
A61J3/00 300C
A61J3/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078053
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】谷本 和仁
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 克紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛純
(72)【発明者】
【氏名】辻口 大毅
【テーマコード(参考)】
4C047
4C058
【Fターム(参考)】
4C047CC13
4C047CC14
4C047GG33
4C047GG37
4C047LL02
4C058AA01
4C058BB07
4C058EE01
4C058EE02
4C058JJ12
4C058JJ26
(57)【要約】
【課題】 内部空間が駆動源によって占拠されず、かつ内部空間の清掃性や無菌性を確保しやすくする。
【解決手段】 チャンバを複数の内部空間S1に区画する仕切り壁11に形成された開口部11aを開閉するシャッタ21と、上記シャッタ21を上記仕切り壁11に沿って移動させる第1移動機構22と、シャッタ21を仕切り壁11に向けて進退動させる第2移動機構23と、上記シャッタ21と開口部11aとをシールするシール手段24とを備えたシャッタ装置12に関する。
上記第1、第2移動機構22、23の駆動源(昇降用シリンダ22a、モータ31)を外部空間S2に設け、上記第2移動機構23は、上記モータ31によって回転し、チャンバの外部空間S2から内部空間S1に貫通して設けられた回転軸32と、内部空間S1に設けられるとともに上記シャッタ21と回転軸32とを連結するリンク機構33とを備えている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が密閉されたチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁に形成された開口部を開閉するシャッタと、上記シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたシャッタ装置において、
上記第1、第2移動機構の駆動源をそれぞれ上記チャンバの外部空間に設け、
上記第2移動機構は、上記チャンバの外部空間から内部空間に貫通して設けられるとともに、当該第2移動機構の駆動源によって回転する回転軸と、内部空間に設けられるとともに上記シャッタと回転軸とを連結するリンク機構とを備え、
上記第2移動機構の駆動源が回転軸を回転させることにより、上記リンク機構を介してシャッタが仕切り壁に向けて進退動することを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
上記シャッタの外周縁を上記開口部の開口縁よりも小さく形成し、
上記シール手段は、開口部の内周に沿って設けた中空のシール部材と、当該シール部材の内部にエアを供給するエア供給手段とを備え、
上記第2移動機構によって上記シャッタが上記開口部の内側に位置すると、上記エア供給手段がシール部材にエアを供給して当該シール部材を膨張させ、シール部材をシャッタの外周縁に密着させることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッタ装置に関し、詳しくはチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁の開口部を、移動機構によって移動するシャッタによって開閉させるシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部が密閉されたチャンバを仕切り壁によって複数の内部空間に区画し、内部空間と内部空間との間で物品を移載する際に、上記仕切り壁に形成された開口部をシャッタ装置によって開閉させるシステムが知られている(特許文献1)。
このようなシャッタ装置として、シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたものが知られている(特許文献2)。
特許文献2のシャッタ装置では、第1移動機構によってシャッタが開口部の前方に位置すると、第2移動機構がシャッタを仕切り壁に接近させ、これにより上記シール手段がシャッタと開口部との間をシールするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-183845号公報
【特許文献2】特許第4524886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2のシャッタ装置の場合、上記第1移動機構および第2移動機構を駆動する駆動源が上記チャンバの内部空間に設けられており、駆動源が内部空間のスペースを占拠するという問題がある。
また、チャンバの内部空間を清掃する場合には、当該内部空間に設けた駆動源の清掃が煩雑であり、内部空間を殺菌する場合には、駆動源を殺菌剤から防護しなければならないという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は内部空間が駆動源によって占拠されず、かつ内部空間の清掃性や無菌性を確保しやすいシャッタ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかるシャッタ装置は、内部が密閉されたチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁に形成された開口部を開閉するシャッタと、上記シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたシャッタ装置において、
上記第1、第2移動機構の駆動源をそれぞれ上記チャンバの外部空間に設け、
上記第2移動機構は、上記チャンバの外部空間から内部空間に貫通して設けられるとともに、当該第2移動機構の駆動源によって回転する回転軸と、内部空間に設けられるとともに上記シャッタと回転軸とを連結するリンク機構とを備え、
上記第2移動機構の駆動源が回転軸を回転させることにより、上記リンク機構を介してシャッタが仕切り壁に向けて進退動することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、第1、第2移動機構の駆動源をチャンバの外部空間に設けているため、チャンバの内部空間の構造を簡素化することができ、また内部空間の清掃が容易となり、殺菌剤に対する駆動源の防護が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかるシャッタ装置を備えた凍結乾燥製剤製造システムの平面図
図2】シャッタ装置を説明する正面図
図3】第2移動機構を説明する平面図
図4】シャッタ装置の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について本発明を説明すると、図1はバイアルに薬液を充填する処理と、当該薬液を凍結乾燥して粉末化する処理と、バイアルを密閉する処理とを行う凍結乾燥製剤製造システム1を示している。
凍結乾燥製剤製造システム1は、内部が無菌状態に維持されたアイソレータ2と、薬液を凍結乾燥するための凍結乾燥機3と、これらの間に設けられた断熱室4とを備え、これら上記アイソレータ2、凍結乾燥機3および断熱室4によって、本発明にかかるチャンバが構成されている。
上記アイソレータ2の内部には、図示しないがバイアルに薬液を充填する充填装置および、上記バイアルを密閉する打栓装置が設けられており、上記バイアルは図示しない移載装置によって上記アイソレータ2と凍結乾燥機3との間で自動的に移載されるようになっている。そして凍結乾燥製剤製造システム1は図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記断熱室4は、アイソレータ2と凍結乾燥機3との温度差を軽減するために設けられ、上記アイソレータ2と断熱室4との間は第1仕切り壁11Aによって区画され、また凍結乾燥機3と断熱室4との間は第2仕切り壁11Bによって区画されている。
そして、これら第1、第2仕切り壁11A、11Bにはそれぞれ開口部11aが形成され、これらの開口部11aは制御手段によって制御される第1、第2シャッタ装置12A、12Bによって自動的に開閉されるようになっている。
【0009】
上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4は、それぞれ内部が無菌状態に維持されるようになっており、アイソレータ2、断熱室4にはそれぞれ給気配管13が接続され、給気ポンプ14によって無菌エアが供給されるようになっている。
これと同様、上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4には、それぞれ排気配管15が接続され、排気ポンプ16によって内部のエアが排出されるようになっている。
さらに、上記給気配管13と排気配管15との間には循環配管17が接続されるとともに循環ポンプ18が設けられており、当該循環ポンプ18を作動させることにより、上記排気配管15を流通するエアを給気配管13へと送気し、上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4に供給された無菌エアを循環させるようになっている。
そして、上記給気配管13には過酸化水素蒸気などの除染ガスを供給する図示しない殺菌剤供給手段が設けられており、必要なタイミングでアイソレータ2や断熱室4に除染ガスを供給してそれらの内部を除染することができるようにしてある。
なお凍結乾燥機3については、当該凍結乾燥機3に連通している給気配管13の開閉弁を閉鎖して、除染ガスを用いた除染を行わずに、蒸気による滅菌(SIP)を行うようになっている。
【0010】
上記構成を有する凍結乾燥製剤製造システム1によれば、アイソレータ2と凍結乾燥機3との間でバイアルを移載する場合には、上記第1、第2シャッタ装置12A、12Bによって、上記第1、第2仕切り壁11A、11Bに設けた開口部11aを同時に開放させるようになっている。
この状態となると、薬液が充填されたバイアルをアイソレータ2から断熱室4を通過して凍結乾燥機3の内部に移載することができ、また凍結乾燥された薬剤を収容したバイアルを凍結乾燥機3からアイソレータ2へと移載することができる。
【0011】
また本実施形態の凍結乾燥製剤製造システム1によれば、上記凍結乾燥機3において薬液を凍結乾燥している最中に、薬液と異なる薬液をアイソレータ2で充填する場合には、薬液同士でのコンタミネーションを防止するために、上記アイソレータ2の除染を行う必要が生じる。
この際、薬液を凍結乾燥している凍結乾燥機3の内部空間は-40℃に冷却されているが、上記断熱室4が第1シャッタ装置12Aと第2シャッタ装置12Bとによって密閉されて断熱空間を形成しているため、アイソレータ2に充満させた除染ガスが、凍結乾燥機3の冷気によって冷却されないようにすることができる。
【0012】
図2は、上記第1シャッタ装置12Aを断熱室4の内部側から見た図を示しており、開口部11aが開放されてアイソレータ2と断熱室4とが連通した開放状態を示している。なお第2シャッタ装置12Bも同様の構成を有しているため、説明を省略する。
第1シャッタ装置12Aは、上記アイソレータ2と断熱室4とを区画する第1仕切り壁11Aに設けられており、当該第1仕切り壁11Aに形成された開口部11aを開閉するシャッタ21と、上記シャッタ21を上記第1仕切り壁11Aに沿って移動させる第1移動機構22と、シャッタ21を第1仕切り壁11Aに向けて進退動させる第2移動機構23と、上記シャッタ21と開口部11aとの間隙をシールするシール手段24とを備えている。
【0013】
図2において、上記第1仕切り壁11Aは上記アイソレータ2の外壁を構成しており、上記第1仕切り壁11Aの断熱室4側には、上記開口部11aが形成された所要の板厚を有するプレート25が設けられている。
上記開口部11aは角部にコーナーRが形成された横長の長方形を有しており、上記シャッタ21の外周縁はこの開口部11aの開口縁よりも小さく形成されている。
このため、図3(b)に示すようにシャッタ21を開口部11aの内側に位置させると、上記シャッタ21の外周縁と開口部11aの開口縁との間に一定の幅の隙間が形成されるようになっている。
そして、上記開口部11aおよび上記プレート25を囲繞するように、断面略正方形の筒状部材26が連結されており、当該筒状部材26の内側が上記断熱室4の内部空間S1を構成するようになっている。
【0014】
上記第1移動機構22は、上記シャッタ21を上下に昇降させるものとなっており、駆動源として1対の昇降用シリンダ22aを備え、上記シャッタ21は上記第2移動機構23ごと昇降されるようになっている。
上記昇降用シリンダ22aは上記断熱室4を構成する上記筒状部材26の外部に設けられており、上記アイソレータ2を構成する上記第1仕切り壁11Aに固定されている。
昇降用シリンダ22aのシリンダシャフト22bは図示上方に設けられ、2つのシリンダシャフト22bの先端部と先端部とは、上記第2移動機構23を保持するための上部ベースフレーム22cによって連結されている。
【0015】
上記第2移動機構23は、上記上部ベースフレーム22cに固定された駆動源としての2つのモータ31と、当該モータ31によって回転する2つの回転軸32と、断熱室4の内部空間S1に設けられるとともに上記シャッタ21と回転軸32とを連結する2つのリンク機構33とを備えている。
上記回転軸32は、上端部が上記上部ベースフレーム22cに対して回転可能に設けられており、上記筒状部材26を上下方向に貫通するように設けられている。また回転軸32の下端部には当該回転軸32の下端部同士を連結する下部ベースフレーム34が設けられている。
上記筒状部材26の内側には、上記回転軸32を回転可能に保持する筒状のスリーブ35が設けられており、また上記プレート25の上部には当該スリーブ35を保持するためのブラケット35aが設けられている。
またスリーブ35の内部には、当該スリーブ35を介して断熱室4の内部空間S1に外気が進入するのを防止するため、Oリングなどのシール手段が設けられている。
そして上記モータ31は上記上部ベースフレーム22cの上部に固定されるとともに、上記回転軸32の上端部に連結され、上記制御手段の制御によって上記回転軸32を回転させるようになっている。
【0016】
上記下部ベースフレーム34には上記回転軸32の下端部を軸支する軸受けが設けられるとともに、当該下部ベースフレーム34の両端部にはリング状を有したリング状部材34aが設けられている。
これに対し、上記プレート25の左右両端部には、上記リング状部材34aに嵌合するピン36が設けられており、上記第1移動機構22がシャッタ21を下降端まで下降させると、上記リング状部材34aが上記ピン36に嵌合するようになっている。
これにより、上記下部ベースフレーム34が第1仕切り壁11Aに対して前後方向に移動するのを阻止し、第2移動機構23によってシャッタ21を移動させる際に、下部ベースフレーム34の揺れを防止するようになっている。
【0017】
図3は上記リンク機構33を説明する図となっており、上記回転軸32に固定されたアーム33aと、上記シャッタ21に固定されるとともに上記アーム33aに対して揺動軸33bを中心に揺動可能に設けられた保持部材33cとを備えている。
図3(a)は、シャッタ21が第1仕切り壁11Aに対して離隔した状態を示しており、上記第1移動機構22はシャッタ21が開口部11aより離隔した状態で当該シャッタ21を昇降させるようになっている。
これに対し、図3(b)は上記シャッタ21を第1仕切り壁11Aに向けて接近させ、当該シャッタ21を上記開口部11aの内側に位置させた状態を示している。
図3(a)の状態から図3(b)の状態とするには、上記モータ31が回転軸32を回転させて上記アーム33aを旋回させ、これにより上記保持部材33cを揺動させることでシャッタ21を開口部11aに向けて移動させることができる。
また図3(b)の状態から回転軸32を逆方向に回転させれば、リンク機構33を介してシャッタ21が開口部11aから離隔する方向に移動し、上記図3(a)の状態にすることができる。
本実施形態においては、図3(b)のように上記シャッタ21を上記開口部11aの内側に位置させると、シャッタ21の外周縁が第1仕切り壁11Aの開口部11aに沿って設けたストッパ37に当接するようになっている。
【0018】
上記シール手段24は、上記プレート25に設けられており、上記開口部11aの内周に沿って形成した収容溝25aと、当該収容溝25aの内部に設けられた中空のシール部材24aと、当該シール部材24aの内部にエアを供給するエア供給手段(図示せず)とを備えている。
上記シール部材24aは、図3(a)に示すようにシャッタ21が開放された状態ではエアが抜かれており、シール部材24aが上記収容溝25aの内部に収容されるようになっている。このとき、上記シャッタ21の外周縁との間には隙間が形成されるようになっている。
これに対し、図3(b)に示すようにシール部材24aにエア供給手段が制御手段の制御によってエアを供給すると、シール部材24aが膨張して上記収容溝25aから突出し、上記開口部11aの内側に位置するシャッタ21の外周縁に密着して、シャッタ21と開口部11aとがシールされるようになっている。
【0019】
上記構成を有する第1シャッタ装置12Aの動作を図4を用いて説明する。
図4(a)は第1シャッタ装置12Aの開放状態を示し、このときシャッタ21は上記第1移動機構22によって開口部11aに対して上方に位置しており、また第2移動機構23によって図3(a)に示すように第1仕切り壁11Aから離隔した状態となっている。
この状態から、図4(b)に示すように、上記第1移動機構22がシャッタ21を下降させて、当該シャッタ21を開口部11aの前方に位置させる。
このとき、第1移動機構22の昇降用シリンダ22aが作動して、上記上部ベースフレーム22cを下降させ、これにより第2移動機構23と共にシャッタ21を下降させる。このとき第2移動機構23は作動しておらず、依然としてシャッタ21は図3(a)に示すように第1仕切り壁11Aから離隔した状態を維持している。
【0020】
シャッタ21が開口部11aの前方に位置すると、図4(c)に示すように、上記第2移動機構23がシャッタ21を第1仕切り壁11Aに接近させ、図3(b)に示すように当該シャッタ21を開口部11aの内側に位置させる。
このとき、第2移動機構23のモータ31が作動して回転軸32を回転させると、上記リンク機構33のアーム33aが旋回し、これに連動して上記保持部材33cが揺動することで、上記シャッタ21が第1仕切り壁11Aに接近する方向に移動する。
そして、上記シャッタ21が開口部11aの内側に位置すると、シャッタ21の外周縁が上記開口部11aに設けたストッパ37に当接し、シャッタ21が開口部11aの内側に位置した状態が維持される。
【0021】
シャッタ21が開口部11aの内側に位置すると、図4(d)に示すように、上記シール手段24が作動して、上記シール部材24aによってシャッタ21と開口部11aとをシールした閉鎖状態とする。
シャッタ21が開口部11aの内側に位置すると、上記シール手段24のエア供給手段がシール部材24aにエアを供給し、これによりシール部材24aが膨張する。
シール部材24aは開口部11aの内周面に形成された収容溝25aに収容されているため、シール部材24aが膨張することで開口部11aの内側に向けて膨張し、膨張したシール部材24aがシャッタ21の外周縁に密着する。
これにより、第1仕切り壁11Aの開口部11aが第1シャッタ装置12Aによって閉鎖されることとなり、アイソレータ2と断熱室4とが気密を保った状態で区画されることとなる。
【0022】
以上のように、本実施形態の第1、第2シャッタ装置12A、12Bは、上記第1移動機構22の昇降用シリンダ22aと、上記第2移動機構23のモータ31とが、上記アイソレータ2および断熱室4の外部空間S2に設けた構成を有している。
特に本実施形態において、上記断熱室4は上記開口部11aを囲繞するように設けた筒状部材26によって構成されることから、当該筒状部材26の内部空間S1にこれらの駆動源を設けると、これらの駆動源が内部空間S1を占拠してしまい、バイアルの移載に支障をきたす恐れがあった。
また、駆動源を外部空間S2に設けることで、内部空間S1において駆動源の作動による粉塵等の発生が防止され、内部空間S1の清浄化を維持することができ、内部空間S1の清掃をする際には、複雑な形状を有する駆動源の清掃が不要となる。
さらに、アイソレータ2や断熱室4の内部を除染ガスによって除染する際、これらの駆動源に除染ガスが触れることはないため、駆動源を除染ガス対応のものとする必要はなく、またカバー等によって覆う必要がなくなる。
【符号の説明】
【0023】
1 凍結乾燥製剤製造システム 2 アイソレータ
3 凍結乾燥機 4 断熱室
11A、11B 第1、第2仕切り壁 11a 開口部
12A、12B 第1、第2シャッタ装置 21 シャッタ
22 第1移動機構 11 昇降用シリンダ(駆動源)
23 第2移動機構 24 シール手段
31 モータ(駆動源) 32 回転軸
33 リンク機構
図1
図2
図3
図4