(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162509
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】照明装置および照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/10 20200101AFI20241114BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20241114BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20241114BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20241114BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241114BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241114BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20241114BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20241114BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241114BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20241114BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241114BHJP
【FI】
H05B47/10
H05B47/19
F21V33/00 430
F21V23/04 500
F21S2/00 444
F21S2/00 433
F21V23/00 140
H04R3/00 310
H04R1/02 102A
H04R1/02 103C
H04R1/02 103F
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078071
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克磨
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
3K273
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
3K014RB11
3K244AA05
3K244BA03
3K244BA08
3K244BA21
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244EA02
3K244EA13
3K244EC17
3K244HA01
3K273PA01
3K273QA07
3K273QA13
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA08
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA22
3K273UA27
5D017AE01
5D220AA01
(57)【要約】
【課題】本開示によれば、照明の視覚的効果に限らず、屋内においても自然の環境を演出することができる照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示は、室内の壁、床、天井のいずれかに設置され、光源の点灯状態によって自然の環境を演出する照明装置であって、開口部を有し、壁、床、天井のいずれかに設けられた窪み部にはめ込まれる枠体と、枠体に設置される疑似的な窓枠としてのカバーと、光源と、開口部の内側に配置される導光板と、音声出力素子とを備える。枠体の開口部は、枠体が窪み部にはめ込まれた状態で、室内を向くように構成される。音声出力素子は、光源の点灯状態に合わせて、好適な音声または音楽の少なくとも一方を再生するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁、床、天井のいずれかに設置され、光源の点灯状態によって自然の環境を演出する照明装置であって、
開口部を有し、前記壁、前記床、前記天井のいずれかに設けられた窪み部にはめ込まれる枠体と、
前記枠体に設置される疑似的な窓枠としてのカバーと、
前記光源と、
前記開口部の内側に配置される導光板と、
音声出力素子と、
を備え、
前記枠体の前記開口部は、
前記枠体が前記窪み部にはめ込まれた状態で、前記室内を向くように構成され、
前記音声出力素子は、
前記光源の点灯状態に合わせて、好適な音声または音楽の少なくとも一方を再生するように構成される、照明装置。
【請求項2】
前記光源は、
前記開口部の内側において、前記室内の空間から見て前記導光板の後部、または導光板の側部に配置される第一の光源を含み、
前記導光板は、
前記第一の光源の光を拡散させ、前記室内に向けて光を出射する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバーは、
光拡散性の第一領域と、
非発光性の第二領域と、
を備え、
前記光源は、
前記室内の空間から見て前記カバーの前記第一領域の後部に設置される、第二の光源を含む、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
自己の累積稼働時間、電力消費量、故障の少なくとも一つをモニタリングする処理と、
前記モニタリングの結果を前記音声出力素子により発する処理と、
を更に実行する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記音声出力素子は、
前記室内の空間から見て前記カバーの前記第二領域の後部に設置される、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記音声出力素子は、ボイスコイルであり、
前記カバーは、前記ボイスコイルが再生する前記音声を前記室内に届けるための空隙をさらに備える、請求項1または5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記音声出力素子は、ピエゾ素子である、請求項1または5に記載の照明装置。
【請求項8】
前記音声はユーザに屋外であることを疑似的に感じさせる環境音である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1に記載の照明装置と、
前記照明装置と通信する機器と、
を備え、
前記照明装置は、
前記室内の環境を測定するセンシングユニットをさらに備え、
前記センシングユニットが測定したデータを、前記機器に通知する処理をさらに実行し、
前記機器は、
前記データに基づき稼働する、照明制御システム。
【請求項10】
前記センシングユニットが測定する前記データは前記室内の温度、湿度、二酸化炭素濃度の少なくとも一つの項目を含む、請求項9に記載の照明制御システム。
【請求項11】
請求項1の照明装置と、
前記照明装置と通信するサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータの少なくとも一つを前記照明装置に通知する処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
記憶部をさらに備え、
前記サーバから受け付けた前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータを前記記憶部に記憶させる処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
前記記憶部に記憶された前記点灯状態のデータにより前記光源を点灯制御する処理、または前記記憶部に記憶された前記音声または前記音楽のデータにより前記音声出力素子を再生制御する処理の少なくとも一方をさらに実行するように構成される、照明制御システム。
【請求項12】
前記照明装置は、前記サーバが記憶する前記音声または前記音楽のデータをストリーミング再生する処理を更に含む、請求項11に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記照明装置は、無線通信部をさらに備え、
前記通信は、前記無線通信部を介して、無線通信により行われる、請求項9または11に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、屋内においても自然の環境を演出する照明装置および照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋内の空間においても屋外の様子を疑似的に再現することで、意図的にユーザーに覚醒効果を与えたり、リラックス効果を与えたりすることができる照明装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、空の様子を模擬した光拡散板の周囲から白色光をコの字状に出射する照明装置が開示されている。これにより、窓から外光が差し込んでいるような奥行き感のある照明効果を演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の方法では、照明の視覚的効果により自然の環境を演出することはできるが、視覚以外の効果により自然の環境を演出することができなかった。
【0006】
本開示は上述の問題を解決するため、照明の視覚的効果に限らず、屋内においても自然の環境を演出することができる照明装置を提供することを第一の目的とする。
【0007】
本開示は上述の問題を解決するため、照明の視覚的効果に限らず、屋内においても自然の環境を演出することができる照明制御システムを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第一の態様は、
室内の壁、床、天井のいずれかに設置され、光源の点灯状態によって自然の環境を演出する照明装置であって、
開口部を有し、前記壁、前記床、前記天井のいずれかに設けられた窪み部にはめ込まれる枠体と、
前記枠体に設置される疑似的な窓枠としてのカバーと、
前記光源と、
前記開口部の内側に配置される導光板と、
音声出力素子と、
を備え、
前記枠体の前記開口部は、
前記枠体が前記窪み部にはめ込まれた状態で、前記室内を向くように構成され、
前記音声出力素子は、
前記光源の点灯状態に合わせて、好適な音声または音楽の少なくとも一方を再生するように構成されることが好ましい。
【0009】
また、第二の態様は、
請求項1に記載の照明装置と、
前記照明装置と通信する機器と、
を備え、
前記照明装置は、
前記室内の環境を測定するセンシングユニットをさらに備え、
前記センシングユニットが測定したデータを、前記機器に通知する処理をさらに実行し、
前記機器は、
前記データに基づき稼働する、照明制御システムであることが好ましい。
【0010】
また、第三の態様は、
請求項1の照明装置と、
前記照明装置と通信するサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータの少なくとも一つを前記照明装置に通知する処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
記憶部をさらに備え、
前記サーバから受け付けた前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータを前記記憶部に記憶させる処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
前記記憶部に記憶された前記点灯状態のデータにより前記光源を点灯制御する処理、または前記記憶部に記憶された前記音声または前記音楽のデータにより前記音声出力素子を再生制御する処理の少なくとも一方をさらに実行するように構成される、照明制御システムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の第一から第三の態様によれば、照明の視覚的効果に限らず、屋内においても自然の環境を演出することができる照明装置および照明制御システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る、照明装置の正面図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係る、照明装置の取り付け例を示す図である。
【
図5】本開示の実施の形態1に係る、点灯装置の構成図である。
【
図6】実施の形態2に係る照明装置の正面図である。
【
図9】本開示の実施の形態2に係る、照明装置の取り付け例を示す図である。
【
図10】本開示の実施の形態2に係る、点灯装置の構成図である。
【
図11】本開示の実施の形態3に係る、照明装置の正面図である。
【
図14】本開示の実施の形態3に係る、照明装置の取り付け例を示す図である。
【
図15】本開示の実施の形態3に係る、点灯装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
図1から
図3は、本開示の実施の形態1に係る、照明装置1の構成を説明する図である。
図1は、本開示の実施の形態1に係る、照明装置1の正面図である。
図2は
図1の照明装置1の斜視図である。
図3は
図1の照明装置1の上下方向の断面図である。なお、上下方向とは、
図1における紙面縦方向である。また、左右方向とは、
図1における紙面横方向である。
【0014】
図1から
図3に示すように、照明装置1は、外郭を形成する枠体2と、化粧としてのカバー3と、第一の光源部4および第二の光源部7と、導光板5と、音声出力素子としてのボイスコイル300とを備える。ここで、カバー3は、上カバー31、下カバー32、左カバー33および右カバー34から構成されるが、上下左右すべてのカバー3に共通する場合は、単にカバー3と称する。
【0015】
図4は、本開示の実施の形態1に係る、照明装置1の取り付け例を示す図である。照明装置1を取り付ける壁100には、被取付部としての窪み部11が形成されている。照明装置1は、枠体2を窪み部11にはめ込み、ねじなどの固定具6を用いて固定することで、壁100に取り付けられる。照明装置1が壁100の窪み部11にはめ込まれることで、ユーザからは、導光板5が擬似的な窓ガラス、カバー3が疑似的な窓枠として見える。すなわち、照明装置1は疑似的な窓として機能する。なお、照明装置1が設置される場所は、壁100に限らず天井、床などでもよい。
【0016】
以下では、
図1から
図4を参照しながら照明装置1の構成要素について説明する。
【0017】
枠体2は、一面に開口部2aが形成された矩形の箱型をなす。枠体の開口部2aは、壁に取り付けられた状態においては、室内空間を向くように構成される。なお、枠体2は開口部2aを有していればよく、形状は、矩形の箱型に限ることはない。
【0018】
カバー3は、枠体2の内壁面に配置される。カバー3は、枠体2の開口部2aから、後述する導光板5に向かって下り傾斜した形状をなしている。カバー3は、例えば乳白色または白色などの樹脂性のカバーである。
【0019】
下カバー32および右カバー34は、背面に第二の光源部7を備え、第二の光源部7からの光を拡散する光拡散性のカバーとして機能する。一方、上カバー31および左カバー33は、非発光性のカバーとして機能する。これにより、第二の光源部7により発せられた光は、下カバー32および右カバー34においてのみ拡散される。したがって、拡散された光をみたユーザは、カバー3の一方向から光が射し込んでいるように感じる。上述したように、カバー3は疑似的な窓枠の役割を果たすことから、ユーザは、あたかも窓枠を介して太陽光が差し込んでいるように感じる。このことにより、白色光をコの字状に出射する従来技術に比べて、より奥行き感のある視覚的効果を生みだすことができる。
【0020】
第二の光源部7は、例えば、白色等のLED(LightEmittingDiode)であり、不図示の基板に実装される。第二の光源部7は、ここでは図示省略するが、点灯装置200に接続されており、当該点灯装置200によって点灯、消灯および調光等が制御される。
【0021】
第一の光源部4は、例えば、青色および白色等のLEDであり、不図示の基板に実装される。第一の光源部4は、枠体2の開口部2aの内側において、導光板5の上下の側部にそれぞれ配置される。第一の光源部4は、導光板5に対して光を出射する。第一の光源部4は、第二の光源部7と同様に、当該点灯装置200によって点灯制御される。なお、第一の光源部4は必ずしも導光板5の上下の側面に配置される必要はなく、左右の側部、または後部などでもよい。
【0022】
なお、第一の光源部4および第二の光源部7は、例えば表面実装タイプのLED素子で構成されるが、COB(Chip On Board)型のLEDモジュールでもよい。また、第一の光源部4および第二の光源部7は、固体レーザ素子、半導体レーザ素子または有機EL素子でもよい。
【0023】
点灯装置200は、枠体2、導光板5、およびカバー3が成す空間に配置される。しかしながら、点灯装置200の配置箇所はこれに限らない。
【0024】
導光板5は、光を拡散させる拡散処理が施された非透明部材によって形成される。拡散処理においては、例えば、樹脂部材の表面を荒らすことで、屈折率に分布をもたせることが可能となる。導光板5は、上下それぞれの側面から入射した第一の光源部4の光を拡散させ、室内空間に向けて光を出射する。導光板5は、枠体2の開口部2aの内側において、壁100の表面よりも内側に配置されることが好ましい。これは、照明装置1において、導光板5は疑似的な窓ガラスの役割を果たすことから、壁の表面よりも内側に配置されないと、ユーザに違和感を生じさせるためである。なお、導光板5は液晶パネル、有機ELパネルまたは無機ELパネルでもよい。
【0025】
音声出力素子としてのボイスコイル300は、非発光性の上カバー31および左カバー33の背面に配置される。ボイスコイル300は、一般的なスピーカーである。ボイスコイル300から出力された音声または音楽は、上カバー31および左カバー33に設けられた空隙301を介し、室内に届けられる。
【0026】
〈変形例〉
なお、上カバー31および左カバー33は、光拡散性のカバーとして機能する下カバー32および右カバー34と比較して、カバー背面のスペースに余裕がある。したがって、ボイスコイル300を配置するのに好ましいと言える。しかしながら、ボイスコイル300は照明装置1が設置された室内空間から見てカバー3よりも後ろ側にあればどこに配置されてもよい。
【0027】
なお、上述では下カバー32および右カバー34が光拡散性のカバーである場合を説明した。しかしながら、疑似的な窓枠としてのカバー3全体において、一つの領域のみを光拡散性とし、残りの領域を非発光性とし、光拡散性の領域の後部に第二の光源部7を設置することで、上述と同じ効果が得られる。
【0028】
次に、
図5を参照しながら、本実施の形態1の照明装置1に設けられる点灯装置200の構成について説明する。
図5は、本開示の実施の形態1に係る、点灯装置200の構成図である。
【0029】
図5に示すように、点灯装置200は、ACDC変換回路20、点灯回路21、制御部22と音声制御部23とを備える。
【0030】
点灯装置200において、商用電源ACから得られた電圧は、ACDC変換回路20にて整流され、直流電圧に変換される。変換された直流電圧は、点灯回路21により、第一の光源部4および第二の光源部7を点灯するために適切な電圧に変換される。
【0031】
制御部22は、第一の光源部4および第二の光源部7を点灯制御するための調光指令信号および消灯指令信号を点灯回路21に出力する。制御部22は、外部通信機器40を介して、外部のサーバから、操作信号を受信する。操作信号には、第一の光源部4または第二の光源部7の点灯状態のデータ、またはボイスコイル300に再生させる音声または音楽データの信号が含まれる。操作信号を受け付けた場合、制御部22は、操作信号に基づき光源の点灯制御、または音声出力素子の再生制御を実行する。
【0032】
また、制御部22は、照明装置1の累積稼働時間、電力消費量、および故障などをモニタリングする。さらに、モニタリングの結果を外部通信機器40に送信する。なお、モニタリングの結果は、音声出力素子としてのボイスコイル300から、音声メッセージとして発することにより報知することも可能である。これにより、照明装置1のメンテナンス性、サービス性の向上に寄与することができる。
【0033】
音声制御部23は、制御部22からの制御に基づき、ボイスコイル300を再生させる。ボイスコイル300は、音声制御部23からの制御に基づき、第一の光源部4または第二の光源部7の点灯状態に、好適な音声または音楽を再生する。
【0034】
例えば、第一の光源部4または第二の光源部7の点灯状態が青空を模している場合、ボイスコイル300はセミの鳴き声、風鈴の音色、ヒーリングミュージック、川のせせらぎ、または波の音などの自然音等を再生する。一方、第一の光源部4または第二の光源部7が夜空の点灯状態を模している場合は、ボイスコイル300は鈴虫の鳴き声、または盆踊りで使用される曲など季節を連想させる音楽を再生する。音声制御部23は、第一の光源部4または第二の光源部7の点灯状態と同期するタイミングで、再生する音声または音楽データを切り替える。
【0035】
ボイスコイル300が生成する音声または音楽データは、当該データを再生するのに好適な光源の点灯状態と紐づけられたうえで、音声制御部23の記憶部にあらかじめ記憶されている。もしくは、外部通信機器40を介して、外部のサーバから提供され、音声制御部23の記憶部に記憶される。音声制御部23は、サーバから提供されたデータにより、記憶部に記憶された音声または音楽データを更新することができる。これにより、例えば季節および天候の情報に合わせて、音声または音楽データを変更することが可能である。
【0036】
以上、説明したように、本開示においては、照明装置1が設置された室内空間から見てカバー3よりも後ろ側にボイスコイル300を設置し、ボイスコイル300により第一の光源部4または第二の光源部7の点灯状態に好適な音声または音楽を再生する。これにより、ユーザは疑似的な窓の外から自然音が聞こえているように錯覚する。
【0037】
〈変形例〉
上述において、音声または音楽データは音声制御部23内の記憶部に記憶されると説明したが、制御部22が外部のサーバに記憶された音声または音楽データをストリーミングすることにより、再生してもよい。
【0038】
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1と比較し、より高機能、且つ意匠性に優れた実施内容としている。以下、実施の形態1との内容が同一である部分は説明を省略し、相違点について説明していく。
【0039】
図6から
図8は、本開示の実施の形態2に係る、照明装置1の構成を説明する図である。
図6は、本開示の実施の形態2に係る照明装置1の正面図である。
図7は
図6の照明装置1の斜視図である。
図8は
図6の照明装置1の上下方向の断面図である。
【0040】
図9は、本開示の実施の形態2に係る、照明装置1の取り付け例を示す図である。
【0041】
図10は、本開示の実施の形態2に係る、点灯装置200の構成図である。
【0042】
以下では、
図6から
図10を参照しながら、実施の形態2における照明装置1について説明する。実施の形態1と比較し、照明装置1は音声出力手段、および外部通信機器40との通信手段が変更されている。
【0043】
まず、音声出力手段の変更点について説明する。
図10に示すように、実施の形態2では、音声出力素子としてボイスコイル300ではなく、ピエゾ素子(圧電素子ともいう)400を使用する。ピエゾ素子400とは、両端間に電圧が印加されることで、逆圧電効果により振動する素子である。ピエゾ素子を薄板の表面に密着させることで、振動が薄板に伝わり、薄板から音声を出力することができる。
【0044】
照明装置1においては、
図8に示すように、ピエゾ素子400を非発光性の上カバー31および左カバー33の背面に密着させることで、上カバー31および左カバー33振動させ、音声を出力させる。音声出力素子としてピエゾ素子400を使用することにより、実施の形態1で設けられていた音声出力の為の空隙301が不要となり、より意匠性に優れた照明装置1を提供できるといった、第一の効果が得られる。なお、ピエゾ素子400は室内空間から見てカバー3よりも後部にあれば、どこに配置されてもよい。
【0045】
次に、外部通信機器40との通信手段の変更点について説明する。
図10に示すように、実施の形態2では、点灯装置200に無線通信部24が追加されている。無線通信部24は、外部通信機器40と無線通信を行う。外部通信機器40は、例えば実施の形態1で説明したサーバである。無線通信部24を追加することで、外部通信機器40と点灯装置200との通信のための配線が不要となるため、有線接続の場合と比べて施工性が向上するといった、第二の効果が得られる。
【0046】
図8に示すように、無線通信部24は、上カバー31または左カバー33の背面に設置される。上カバー31および左カバー33は樹脂製の材料であり、無線電波を遮蔽する心配がないことから、無線通信部24は外部通信機器40と安定した無線通信を実施できる。無線通信方式は例えばBluetooth(登録商標)であるが、これに限定されない。
【0047】
〈変形例〉
以上説明したように、実施の形態2においては、第一の効果と第二の効果が得られるが、第一の効果を得ることのみを目的とする場合は、点灯装置200の無線通信部24はなくともよい。同様に、第二の効果を得ることのみを目的とする場合は、音声出力素子はピエゾ素子400でなくともよい。
【0048】
実施の形態3
図11から
図13は、本開示の実施の形態3に係る、照明装置1の構成を説明する図である。
図11は、本開示の実施の形態3に係る照明装置1の正面図である。
図12は
図11の照明装置1の斜視図である。
図13は
図11の照明装置1の上下方向の断面図である。
【0049】
図14は、本開示の実施の形態3に係る、照明装置1の取り付け例を示す図である。
【0050】
図15は、本開示の実施の形態3に係る、点灯装置200の構成図である。
【0051】
以下では、
図11から
図15を参照しながら実施の形態3における照明装置1について説明する。実施の形態3の照明装置では、実施の形態1の構成に、室内の環境を測定するセンシングユニット500が追加されている。センシングユニット500は、温度センサ、湿度センサ、CO2センサ、センサなどである。
【0052】
図15に示すように、センシングユニット500は、点灯装置200の制御部22に接続されている。例えば、温度センサ、湿度センサが測定した室内の温度、湿度の測定結果は、制御部22から、ネットワークを介して空調機器へ通知される。このように点灯装置200と空調機器とを連携させることで、室内環境を一定に保ち、快適性向上につなげることができる。また、二酸化炭素センサが測定した室内の二酸化炭素濃度は、制御部22から、換気設備へ通知される。換気設備との連携により、閾値以上の二酸化濃度が検出された場合に室内を換気することができる。なお、閾値以上の二酸化濃度が検出された場合に、制御部22が、ユーザに換気を促すメッセージを出力することも可能である。
【0053】
このように、実施の形態3の照明装置1は、センシングユニット500の測定結果に基づき外部の機器を稼働させる。
【0054】
〈変形例〉
点灯装置200に実施の形態2で説明した無線通信部24を追加し、センシングユニット500と制御部22との通信方式を無線通信にすることで、センシングユニット500を外部へ設置してもよい。例えば、センシングユニット500をユーザーの近くに設置することで、ユーザの周囲の環境をより正確に測定することができる。さらには、制御部22との外部の機器との通信も無線通信により行うことで、配線の施工性を向上させることが可能となる。
【0055】
以上説明したように、本開示によれば、照明の視覚的効果に限らず、屋内においても自然の環境を演出することができる照明装置1を提供することができる。
【0056】
〈変形例〉
なお、上述では照明装置1が第一の光源部4と第二の光源部7を同時に備える場合を説明したが、第一の光源部4と第二の光源部7のうちいずれか一方を備えていればよい。その場合にも、上述と同様の効果が得られる。
【0057】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。
【0058】
〈請求項で使用する用語との対応〉
上述した照明装置1と、上述したサーバとを備えるシステムを、請求項では照明制御システムと称する。さらに、上述した照明装置1と、上述した外部の機器とを備えるシステムについても、照明制御システムと称する。
【0059】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
室内の壁、床、天井のいずれかに設置され、光源の点灯状態によって自然の環境を演出する照明装置であって、
開口部を有し、前記壁、前記床、前記天井のいずれかに設けられた窪み部にはめ込まれる枠体と、
前記枠体に設置される疑似的な窓枠としてのカバーと、
前記光源と、
前記開口部の内側に配置される導光板と、
音声出力素子と、
を備え、
前記枠体の前記開口部は、
前記枠体が前記窪み部にはめ込まれた状態で、前記室内を向くように構成され、
前記音声出力素子は、
前記光源の点灯状態に合わせて、好適な音声または音楽の少なくとも一方を再生するように構成される、照明装置。
(付記2)
前記光源は、
前記開口部の内側において、前記室内の空間から見て前記導光板の後部、または導光板の側部に配置される第一の光源を含み、
前記導光板は、
前記第一の光源の光を拡散させ、前記室内に向けて光を出射する、付記1に記載の照明装置。
(付記3)
前記カバーは、
光拡散性の第一領域と、
非発光性の第二領域と、
を備え、
前記光源は、
前記室内の空間から見て前記カバーの前記第一領域の後部に設置される、第二の光源を含む、付記1または2に記載の照明装置。
(付記4)
自己の累積稼働時間、電力消費量、故障の少なくとも一つをモニタリングする処理と、
前記モニタリングの結果を前記音声出力素子により発する処理と、
を更に実行する、付記1に記載の照明装置。
(付記5)
前記音声出力素子は、
前記室内の空間から見て前記カバーの前記第二領域の後部に設置される、
付記3に記載の照明装置。
(付記6)
前記音声出力素子は、ボイスコイルであり、
前記カバーは、前記ボイスコイルが再生する前記音声を前記室内に届けるための空隙をさらに備える、付記1または5に記載の照明装置。
(付記7)
前記音声出力素子は、ピエゾ素子である、付記1または5に記載の照明装置。
(付記8)
前記音声はユーザに屋外であることを疑似的に感じさせる環境音である、付記1または6に記載の照明装置。
(付記9)
付記1に記載の照明装置と、
前記照明装置と通信する機器と、
を備え、
前記照明装置は、
前記室内の環境を測定するセンシングユニットをさらに備え、
前記センシングユニットが測定したデータを、前記機器に通知する処理をさらに実行し、
前記機器は、
前記データに基づき稼働する、照明制御システム。
(付記10)
前記センシングユニットが測定する前記データは前記室内の温度、湿度、二酸化炭素濃度の少なくとも一つの項目を含む、付記9に記載の照明制御システム。
(付記11)
付記1の照明装置と、
前記照明装置と通信するサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータの少なくとも一つを前記照明装置に通知する処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
記憶部をさらに備え、
前記サーバから受け付けた前記点灯状態のデータ、または前記音声または前記音楽のデータを前記記憶部に記憶させる処理を実行するように構成され、
前記照明装置は、
前記記憶部に記憶された前記点灯状態のデータにより前記光源を点灯制御する処理、または前記記憶部に記憶された前記音声または前記音楽のデータにより前記音声出力素子を再生制御する処理の少なくとも一方をさらに実行するように構成される、照明制御システム。
(付記12)
前記照明装置は、前記サーバが記憶する前記音声または前記音楽のデータをストリーミング再生する処理を更に含む、付記11に記載の照明制御システム。
(付記13)
前記照明装置は、無線通信部をさらに備え、
前記通信は、前記無線通信部を介して、無線通信により行われる、付記9または11に記載の照明制御システム。
【符号の説明】
【0060】
1 照明装置、2a 開口部、3 カバー、4 第一の光源部、5 導光板、6 固定具、7 第二の光源部、AC 商用電源、11 窪み部、20 ACDC変換回路、21 点灯回路、22 制御部、23 音声制御部、24 無線通信部、31 上カバー、32 下カバー、33 左カバー、34 右カバー、40 外部通信機器、100 壁、200 点灯装置、300 ボイスコイル、301 空隙、400 ピエゾ素子、500 センシングユニット