2024-162519 建具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024162519

(43)【公開日】2024-11-21

(54)【発明の名称】建具

(51)【国際特許分類】

   E06B 1/56 20060101AFI20241114BHJP

【ＦＩ】

E06B1/56 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023078084

(22)【出願日】2023-05-10

(71)【出願人】

【識別番号】504163612

【氏名又は名称】株式会社ＬＩＸＩＬ

(74)【代理人】

【識別番号】100106002

【弁理士】

【氏名又は名称】正林 真之

(74)【代理人】

【識別番号】100165157

【弁理士】

【氏名又は名称】芝 哲央

(74)【代理人】

【識別番号】100126000

【弁理士】

【氏名又は名称】岩池 満

(74)【代理人】

【識別番号】100160794

【弁理士】

【氏名又は名称】星野 寛明

(72)【発明者】

【氏名】北島 拓也

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 達也

【テーマコード（参考）】

2E011

【Ｆターム（参考）】

2E011JA01

2E011JA02

2E011JA03

2E011KA01

2E011KB03

2E011KC02

2E011KC03

2E011KC04

2E011KC07

2E011KD26

2E011KD28

2E011KD35

(57)【要約】

【課題】枠体や躯体の形状に関わらず室内側から枠体を躯体に固定可能な構造を有する建具を提供する。
【解決手段】躯体の開口部７に配置され、固定具２５０を介して躯体に固定される枠体２０と、枠体２０の内側に配置される戸体４と、を備える建具１であって、固定具２５０は、枠体２０の上枠２１Ａに装着されるとともに、躯体の上側躯体２の室内側から当該上側躯体２に固定可能である。固定具２５０は、上枠２１Ａに、当該上枠２１Ａが開口部７に配置された状態で、開口部７よりも内側の退避位置と、上側躯体２の室内側の見付面２ｂに対向する固定位置と、の２位置の間を移動可能に装着され、固定位置において上側躯体２に固定される。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

躯体の開口部に配置され、固定具を介して前記躯体に固定される枠体と、
前記枠体の内側に配置される障子と、を備える建具であって、
前記固定具は、前記枠体に装着されるとともに、前記躯体の室内側から当該躯体に固定可能である、建具。

【請求項2】

前記固定具は、前記枠体に、当該枠体が前記開口部に配置された状態で、
前記開口部よりも内側の退避位置と、前記躯体の室内側の見付面に対向する固定位置と、の２位置の間を移動可能に装着され、前記固定位置において前記躯体に固定される、請求項１に記載の建具。

【請求項3】

前記固定具は、前記枠体に回転可能に装着され、当該回転動作によって前記退避位置と前記固定位置との間を移動可能である、請求項２に記載の建具。

【請求項4】

前記固定具は、前記枠体にスライド可能に装着され、当該スライド動作によって前記退避位置と前記固定位置との間を移動可能である、請求項２に記載の建具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、建具に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、ガラス窓等の障子が内側に組み込まれる枠体を躯体の開口部に配置して固定する構造の建具が知られており、枠体は、見込方向や見付方向にねじ込まれるビス等の固定具により固定される構造が一般的である（例えば、特許文献１等参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２３－１５３３２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

施工の状況等により、室内側から枠体を躯体に固定する場合がある。しかしながら、枠体あるいは躯体の形状等によっては、室内側から枠体を躯体に直接固定できない場合がある。そこで本開示は、枠体や躯体の形状に関わらず室内側から枠体を躯体に固定可能な構造を有する建具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本開示は、躯体の開口部に配置され、固定具を介して前記躯体に固定される枠体と、前記枠体の内側に配置される障子と、を備える建具であって、前記固定具は、前記枠体に装着されるとともに、前記躯体の室内側から当該躯体に固定可能である、建具に関する。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】実施形態に係る建具を室外側から見た姿図である。

【図2】実施形態に係る建具を室内側から見た姿図である。

【図3】実施形態に係る建具であって、当該建具が備える上障子及び下障子が開いた状態を示す斜視図である。

【図4】図２のIV－IV線に対応する部分の断面図であって、上枠が室内側から上側躯体に固定される前の状態を示す図である。

【図5】図４の状態から上枠が室内側から上側躯体に固定された状態を示す図である。

【図6】図２のVI－VI線に対応する部分の断面図であって、縦枠が室内側から躯体に固定される前の状態を示す図である。

【図7】図６の状態から縦枠が室内側から躯体に固定された状態を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0007】

以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物に形成された開口部に納められた建具における障子の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記障子の厚さ方向（奥行方向）を意味し、「上下方向」とは、障子を正面から見た場合の上下方向を意味する。また、「幅方向」とは、障子を正面から見た場合の左右方向を意味する。また、「平行」とは、完全な平行だけでなく、一定の誤差範囲内の実質的な平行も含む。

【0008】

図１は、実施形態の建具１を室外側から見た姿図である。図２は、建具１を室内側から見た姿図である。図３は、建具１が備える上障子５及び下障子６が開いた状態を示す斜視図である。

【0009】

はじめに、図１～図３を参照して、建具１の基本構成について説明する。実施形態の建具１は、勝手口ドア等のドアである。建具１は、建物に形成された縦長矩形の開口部７に納められる。建具１は、建物の開口部７に取り付けられる枠体２０と、枠体２０の内側に開閉可能に配置される障子としての戸体４と、を備える。戸体４は、一方の側部が枠体２０にヒンジ結合されたいわゆる開き戸である。

【0010】

枠体２０は、上下にそれぞれ配置される上枠２１Ａ及び下枠２２Ａと、吊元側の縦枠２３及び戸先側の縦枠２４により矩形に枠組みされる。上枠２１Ａ及び下枠２２Ａは本開示に係る枠体ならびに建具部材の一例であって、幅方向（左右方向）に延びている。各縦枠２３、２４は、上下方向に延びている。戸体４は、スイング框体４０と、スイング框体４０に嵌め込まれる上障子５及び下障子６と、を備える。

【0011】

スイング框体４０は、スイング上框４１及びスイング下框４２と、吊元側のスイング縦框４３及び戸先側のスイング縦框４４により矩形に枠組みされる。戸先側のスイング縦框４４は、高さ方向の略中央部にドアノブ８ａを有する。室内側のドアノブ８ａの上下には、図示しない錠が配置される。図２に示すように、戸先側のスイング縦框４４は、当該錠を開閉するサムターン８ｂ，８ｃを有する。サムターン８ｂ、８ｃを回転させることにより、図示しないデッドボルトを操作して戸体４を施錠できるようになっている。

【0012】

上障子５は、框体５０と、框体５０に嵌め込まれて固定されたガラス５５と、を備える。框体５０は、上框５１と、下框５２と、吊元側の縦框５３及び戸先側の縦框５４と、により矩形に框組みされる。下障子６は、框体６０と、框体６０に嵌め込まれて固定されたガラス６５と、を備える。框体６０は、上框６１と、下框６２と、吊元側の縦框６３及び戸先側の縦框６４と、により矩形に框組みされる。

【0013】

上障子５及び下障子６は、採風窓の構造を備える。具体的には、下障子６は、スイング框体４０内において見込方向かつ上下方向に移動可能、または、見付方向に移動可能に設けられている。すなわち、下障子６を室内側に引きながら引き上げているときには、下障子６は、見込方向（室内の方向）かつ見付方向（上方向）に移動しており、その後に、下障子６を上方へ引き上げているときには、下障子６は、上下方向にのみ移動する。上障子５及び下障子６は、いわゆるフラットスライド構造を備える。すなわち、上障子５と下障子６とにより構成される採風窓が閉鎖された状態では、下障子６は、上障子５の下方の同一平面内に配置される。

【0014】

建具１は、上下方向に延びるスイング縦框４３及びスイング縦框４４に沿って、上障子５を下方向に、下障子６を上方向にそれぞれ移動させることにより、室外と室内とを連通させて採風することができる。框体６０の上框６１は、下障子６を閉鎖状態に固定するための一対のスライドロック８ｄを有する。一対のスライドロック８ｄは、上框６１の、戸先側と吊元側の両端にそれぞれ配置されている。

【0015】

戸体４は、室内側からドアノブ８ａを把持して反時計回りに回動させ、図示しないデットボルトを操作しつつ、戸先側のスイング縦框４４を室外側に押し出し、戸体４を図示しないヒンジを介して回動させることにより、開けることができる。

【0016】

上障子５のガラス５５及び下障子６のガラス６５は、例えば、複数枚（例えば、３枚）の板ガラスを備えた断熱性に優れる複層ガラスが用いられるが、これに限定されない。

【0017】

以上が、実施形態の建具１の基本構成である。次いで、図４及び図５を参照して、上枠２１Ａ及び上枠２１Ａの躯体への取付け構造について説明する。図４及び図５は、いずれも図２のIV－IV線に対応する部分の断面図であって、上枠２１Ａ及び上側躯体２を示しており、図４は上枠２１Ａが室内側から上側躯体２に固定される前の状態を示し、図５は上枠２１Ａが室内側から上側躯体２に固定された後の状態を示している。図４及び図５は、図２に示されない上側躯体２を示している。上枠２１Ａは、上側躯体２に固定される。

【0018】

図４及び図５に示すように、上枠２１Ａは、上側躯体２側に配置される躯体側上枠７０と、躯体側上枠７０の内側すなわち下側に配置される障子側上枠８０と、の２つの部材から構成される。

【0019】

躯体側上枠７０は、アルミニウム等の金属からなる形材であって、見込方向と平行な平板状のベース部７１０と、ベース部７１０の室外側の外側端部７２０と、ベース部７１０の室内側の内側端部７３０と、を含む。ベース部７１０と外側端部７２０との間、及びベース部７１０と内側端部７３０との間のそれぞれには、タッピングホール７１１、７１２が形成されている。

【0020】

外側端部７２０は、見込方向と平行な上下一対の上板部７２１及び下板部７２２と、これら上板部７２１と下板部７２２とを連結する見付方向と平行な連結板部７２３と、を含む。連結板部７２３の上端部及び中央部のそれぞれから、上下一対の位置決め片７２３ａ、７２３ｂが室内側に延びている。

【0021】

内側端部７３０は、見込方向と平行な結合板部７３１と、結合板部７３１の室内側下端から垂下する垂下部７３２と、を含む。結合板部７３１は、ベース部７１０よりも下方に形成される。

【0022】

障子側上枠８０は、アルミニウム等の金属からなる断面略Ｌ字状の形材であって、見込方向と平行なベース部８１０と、ベース部８１０の室内側の端部から下方に垂下する垂下部８１１と、垂下部８１１の上方、かつ室内側に配置される結合板部８１３と、を含む。

【0023】

垂下部８１１の下端の室外側には、気密材装着部８１６が形成され、この気密材装着部８１６に、気密材８１７が装着される。気密材８１７は、閉状態の上述した戸体４におけるスイング上框４１の室内側の面に当接する。

【0024】

躯体側上枠７０と障子側上枠８０とは、互いに係合する複数の係合部２５、２６を介して係合されるとともに、互いに重なる結合板部７３１及び結合板部８１３がカシメ結合等により結合され、これにより、上枠２１Ａが組み立てられる。上枠２１Ａの室内側には、樹脂製の枠材９０が係合されて取り付けられる。

【0025】

躯体側上枠７０の外側端部７２０は、位置決め片７２３ａ、７２３ｂの先端が上側躯体２の室内側の見付面２ａに対向した状態で、室外側から見込方向に沿って連結板部７２３に通されるねじ１０１が上側躯体２にねじ込まれることにより、上側躯体２に締結される。

【0026】

内側端部７３０の結合板部７３１には、連結具２００を介して固定具２５０が取り付けられる。連結具２００は、ねじ２１０により、結合板部７３１の上側躯体２側の面に固定される。連結具２００は、結合板部７３１に重ねて固定される基部２０１と、基部２０１から側面視で略Ｌ字状に屈曲して室内側に延びる屈曲部２０２を有する。屈曲部２０２の先端板部２０３は、室内側に向かうにつれて見付方向内側、すなわち下方に延びるように傾斜している。このように傾斜する先端板部２０３の外面に、固定具２５０がねじ２２０により装着されている。固定具２５０は、板状部材であって、連結具２００にねじ止めされる本体部２５１と、本体部２５１の先端から所定角度で屈曲して延びる先端固定部２５２と、を含む。先端固定部２５２には、ねじ挿通孔２５２ａが形成されている。

【0027】

固定具２５０は、ねじ２２０により連結具２００に締結されるが、ねじ２２０を緩めた状態では、ねじ２２０を軸として回転可能である。すなわち固定具２５０は、上枠２１Ａに、連結具２００を介して回転可能に装着される。固定具２５０は、その回転動作中において、先端固定部２５２が見付方向で最も内側、すなわち上側躯体２の見込面２ｃから見付方向内側に最も離れた位置にあるとき、全体が上側躯体２の開口部７よりも内側の退避位置に位置する。図４は、固定具２５０が退避位置に位置し、ねじ２２０で連結具２００に固定された状態を示している。

【0028】

その固定状態からねじ２２０を緩めて固定具２５０を概ね１８０°回転させると、図５に示すように、固定具２５０は上側躯体２の室内側の固定位置に位置する。この固定位置では、先端固定部２５２が上側躯体２の室内側の見付面２ｂに対し平行に対向し、その見付面２ｂに接触する。固定具２５０はこの固定位置で、ねじ２２０により連結具２００に締結される。そして、先端固定部２５２のねじ挿通孔２５２ａに、室内側から通した固定ねじ２３０を上側躯体２に見込方向に沿ってねじ込むことにより、固定具２５０は上側躯体２に固定される。これにより、室内側から、上枠２１Ａの内側端部７３０が固定具２５０を介して上側躯体２の室内側の見付面２ｂに固定される。

【0029】

以上により、上枠２１Ａが上側躯体２に固定される。

【0030】

次に、図６及び図７を参照して、戸先側の縦枠２４及び縦枠２４の躯体への取付け構造について説明する。図６及び図７は、いずれも図２のVI－VI線に対応する部分の断面図であって、縦枠２４及び戸先側の躯体３を示しており、図６は縦枠２４が室内側から躯体３に固定される前の状態を示し、図７は縦枠２４が室内側から躯体３に固定された後の状態を示している。図６及び図７は、図２に示されない戸先側の躯体３を示している。縦枠２４は、この戸先側の躯体３に固定される。

【0031】

図６及び図７に示すように、縦枠２４は、躯体３側に配置される躯体側縦枠７８と、躯体側縦枠７８の内側に配置される障子側縦枠８８と、の２つの部材から構成される。

【0032】

（縦枠２４の躯体側縦枠７８）
躯体側縦枠７８は、アルミニウム等の金属からなる断面略Ｌ字状の形材であって、見込方向と平行なベース部７８１と、ベース部７８１の室外側の見付方向と平行な外側端板部７８５と、を含む。ベース部７８１は、躯体３の内側に配置されている。外側端板部７８５は躯体３の室外側の見付面３ａと平行に対向する。外側端板部７８５の内面には、室内側に延びる左右一対の位置決め片７８５ａ、７８５ｂが形成されている。外側端板部７８５は、幅方向中央部の室外側に、タッピングホール７８６を有する。

【0033】

障子側縦枠８８は、アルミニウム等の金属からなる形材であって、中空のベース部８８１と、ベース部８８１から室外側に見込方向に沿って真っ直ぐ延びる外側端部８８２と、ベース部８８１から室内側に延びる断面略逆Ｌ字状の内側端部８８３と、を含む。内側端部８８３は、ベース部８８１の室外側端部から室外側に見込方向と平行に延びる内側板部８８３ａと、内側板部８８３ａの室内側端部から見付方向内側に延びる固定板部８８３ｂと、を含む。

【0034】

躯体側縦枠７８と障子側縦枠８８とは、互いに係合する複数の係合部２７、２８を介して係合されるとともに、ベース部７８１及びベース部８８１が互いに重なるか、あるいは近接する箇所がカシメ結合等により結合され、これにより、縦枠２４が組み立てられる。障子側縦枠８８の内側端部８８３には、見付方向内側から枠材９４が取り付けられる。この枠材９４の室外側には、気密材装着部９４１が形成され、この気密材装着部９４１に、気密材９４２が装着される。気密材９４２は、閉状態の上述した戸体４における戸先側のスイング縦框４４の室内側の面に当接する。

【0035】

躯体側縦枠７８の外側端板部７８５は、位置決め片７８５ａ、７８５ｂの先端が躯体３の室外側の見付面３ａに対向した状態で、室外側から見込方向に沿って外側端板部７８５に通されるねじ１１１が躯体３にねじ込まれることにより、躯体３に締結される。

【0036】

内側端部８８３の固定板部８８３ｂには、固定具２６０が取り付けられる。固定具２６０は、平面視でクランク状に屈曲する板状部材であって、見込方向と平行な中間板部２６１と、中間板部２６１の両端からそれぞれ見付方向に沿って延びる本体部２６２及び先端固定部２６３と、を含む。本体部２６２は、中間板部２６１の室内側端部から幅方向内側に延びている。本体部２６２には、幅方向に延びる長孔２６２ａが形成されている。先端固定部２６３は、中間板部２６１の室外側端部から幅方向外側に突出している。先端固定部２６３には、ねじ挿通孔２６３ａが形成されている。

【0037】

固定具２６０は、先端固定部２６３が幅方向外側に配置された状態で、室内側から長孔２６２ａに通されるねじ２７０により、本体部２６２が固定板部８８３ｂに締結されるが、ねじ２７０を緩めた状態では、長孔２６２ａに沿って幅方向（左右方向）にスライド可能である。すなわち固定具２６０は、縦枠２４に幅方向に沿ってスライド可能に装着される。固定具２６０は、幅方向で最も内側にあるとき、躯体３の開口部７よりも内側の退避位置に位置する。図６は、固定具２６０が退避位置に位置し、ねじ２７０で縦枠２４の固定板部８８３ｂに固定された状態を示している。

【0038】

その固定状態からねじ２７０を緩めて固定具２６０を幅方向外側にスライドさせると、図７に示すように、固定具２６０は躯体３の室内側の固定位置に位置する。この固定位置では、先端固定部２６３が躯体３の室内側の見付面３ｂに対し平行に対向し、その見付面３ｂに接触する。固定具２６０はこの固定位置で、ねじ２７０により縦枠２４の固定板部８８３ｂに締結される。そして、先端固定部２６３のねじ挿通孔２６３ａに、室内側から通した固定ねじ２８０を躯体３に見込方向に沿ってねじ込むことにより、固定具２６０は躯体３に固定される。これにより、室内側から、縦枠２４の内側端部８８３が固定具２６０を介して躯体３の室内側の見付面３ｂに固定される。

【0039】

以上により、戸先側の縦枠２４が躯体３に固定される。

【0040】

以上が実施形態に係る建具１であり、この建具１は、躯体の開口部７に配置され、固定具を介して躯体に固定される枠体２０と、枠体２０の内側に配置される戸体４と、を備え、固定具は、枠体２０に装着されるとともに、躯体の室内側から当該躯体に固定可能である。固定具としては、枠体２０に、当該枠体２０が開口部７に配置された状態で、開口部７よりも内側の退避位置と、躯体の室内側の見付面に対向する固定位置と、の２位置の間を移動可能に装着され、固定位置において躯体に固定される。

【0041】

より具体的には、固定具２５０は、上枠２１Ａに連結具２００を介して回転可能に装着され、当該回転動作により、上側躯体２に対する退避位置と固定位置との間を移動可能であり、固定位置において、室内側から固定具２５０に通される固定ねじ２３０により、固定具２５０が上側躯体２の室内側の見付面２ｂに室内側から固定される。これにより、固定具２５０を介して上枠２１Ａが上側躯体２に室内側から固定される。

【0042】

また、他の固定具２６０は、縦枠２４にスライド可能に装着され、当該スライド動作により、躯体３に対する退避位置と固定位置との間を移動可能であり、固定位置において、室内側から固定具２６０に通される固定ねじ２８０により、躯体３の室内側の見付面３ｂに室内側から固定される。これにより、固定具２６０を介して縦枠２４が躯体３に室内側から固定される。

【0043】

以上のように本実施形態によれば、固定具２５０、２６０を用いることにより、枠体や躯体の形状に関わらず、室内側から枠体を躯体に固定可能である。

【0044】

なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。

【0045】

例えば、上記実施形態は、枠体に装着されて移動可能な固定具として、回転式の固定具２５０及びスライド式の固定具２６０を例示しているが、開口部よりも内側の退避位置と、躯体の室内側の見付面に対向する固定位置と、の２位置の間を移動可能であれば、移動の態様は制限されない。

【0046】

また、上記実施形態では、上枠２１Ａ及び戸先側の縦枠２４を室内側から躯体に固定する形態を示したが、固定具２５０あるいは固定具２６０により、下枠２２Ａ及び吊元側の縦枠２３を室内側から躯体に固定可能に構成することもできる。

【0047】

上記実施形態では、建具１は、採風窓を有するドアにより構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、障子としては、開き戸のほかに、引き戸、各種窓等、いかなる障子にも適用することができる。

【符号の説明】

【0048】

１ 建具
２ 上側躯体
３ 戸先側の躯体
４ 戸体（障子）
７ 開口部
２０ 枠体
２１Ａ 上枠
２４ 戸先側の縦枠
２５０、２６０ 固定具

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】