(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162521
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】動物診療用ベッド
(51)【国際特許分類】
A61D 3/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61D3/00 A
A61D3/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078086
(22)【出願日】2023-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】520414103
【氏名又は名称】株式会社ワン・ステップ
(74)【代理人】
【識別番号】110004440
【氏名又は名称】弁理士法人ソシデア知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】山元 洋幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 礼一郎
(57)【要約】
【課題】動物を臥位姿勢で安全に安定して固定して手術、診療等することができると同時に、エアーを注入して膨張させるだけで簡単かつスムーズに設置可能で不要時にはエアーを抜いてコンパクトにした状態で保管、持ち運びできる実用性が高い動物診療用ベッドを提供する。
【解決手段】注入した空気圧で上面2aに載せた動物を支持するエアーマットレス2と、前記エアーマットレス2の上面2a側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレス2の上面2aに載せた該動物を側方から保持する保定部3と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入した空気圧で上面に載せた動物を支持するエアーマットレスと、
前記エアーマットレスの上面側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレスの上面に載せた該動物を側方から保持する保定部と、を備えたことを特徴とする動物診療用ベッド。
【請求項2】
前記保定部は、空気を注入して膨張又は排気して収縮し、内部の空気圧で該動物を保持しうる中空体を含むことを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項3】
前記保定部は、前記エアーマットレスの上面側に所定の間隙をあけて平行状に対向配置される2つの柱状体を含むことを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項4】
前記柱状体は、空気を注入して膨張又は排気して収縮する中空三角柱状体からなることを特徴とする請求項3記載の動物診療用ベッド。
【請求項5】
前記2つの柱状体は、それぞれ別個に空気の注入又は排気を行えることを特徴とする請求項4記載の動物診療用ベッド。
【請求項6】
前記エアーマットレスには、上面に載せた該動物を固定するロープをガイド又は留める留め具が取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項7】
エアーマットレスは、上下方向に着脱可能に連結される複数のエアーマット体から構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の動物診療用ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、牛、馬、豚等の動物を手術や診察、治療、処置等する際に利用できる動物診療用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
牛や豚等の家畜動物や愛玩動物を飼育している際に、動物がケガをしたり、病気になったりするケースも多い。従来、ケガ等した動物を診療、手術等する際には、該動物を床や診察台に横臥させたり、立ったままの状態でロープ等で四肢等を固定したりしていた。
【0003】
一方、牛舎内で牛が立ち上がる際に前脚を負傷するのを防止する等のために牛用ベッドの技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、特許文献1では、合成ゴム性硬質独立気泡スポンジで作製した適当な厚みを有する盤体を、合成樹脂からなるスノコ状体に密着した牛用ベッドが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
動物を手術、診療、処置等する際、例えば、腹部の診察や脚の手術等の場合には、動物を仰臥させた姿勢の方が施術しやすい場合がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1の牛用ベッドや従来の診察台等では、動物を仰臥させた姿勢で固定できないことから、該動物の背中に負担がかかりかえって動物が不快に感じたり、動物が左右に暴れてしまうことがあった。よって、動物の診療や処置を行えなかったり、暴れた動物の脚や体が物や人にあたって更に動物が負傷してしまったり、逆に人間が怪我したり医療器具等が破損してしまうおそれがあった。
【0008】
さらに、特許文献1の牛用ベッドでは、不要時には場所をとり邪魔になったり、比較的重量があるので持ち運びも大変である等の問題があった。
【0009】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、動物を臥位姿勢で安全に安定して固定して手術、診療等することができると同時に、エアーを注入して膨張させるだけで簡単かつスムーズに設置可能で不要時にはエアーを抜いてコンパクトにした状態で保管、持ち運びできる実用性が高い動物診療用ベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る動物診療用ベッドは、注入した空気圧で上面に載せた動物を支持するエアーマットレスと、前記エアーマットレスの上面側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレスの上面に載せた該動物を側方から保持する保定部と、を備える。
【0011】
また、前記保定部は、空気を注入して膨張又は排気して収縮し、内部の空気圧で該動物を保持しうる中空体を含むこととしてもよい。
【0012】
また、前記保定部は、前記エアーマットレスの上面側に所定の間隙をあけて平行状に対向配置される2つの柱状体を含むこととしてもよい。
【0013】
前記柱状体は、空気を注入して膨張又は排気して収縮する中空三角柱状体からなることとしてもよい。
【0014】
前記2つの柱状体は、それぞれ別個に空気の注入又は排気を行えることとしてもよい。
【0015】
また、前記エアーマットレスには、上面に載せた該動物を固定するロープをガイド又は留める留め具が取り付けられたこととしてもよい。
【0016】
また、エアーマットレスは、上下方向に着脱可能に連結される複数のエアーマット体から構成されることとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の動物診療用ベッドによれば、空気を注入して膨張または排気して収縮し、注入された空気圧で上面に動物を支持するエアーマットレスと、前記エアーマットレスの上面側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレスの上面に載せた該動物を側方から保持する保定部と、を備えたことから、動物を仰臥姿勢、横臥姿勢、伏臥姿勢等の臥位姿勢で安全にかつ安定して固定することができ、スムーズに手術や診療、処置等を行うことができる。さらに、エアーを注入して膨張させるだけで簡単かつスムーズにベッドを設置して診療、手術等できる。比較的軽量であるとともに、不要時にはエアーを抜いてコンパクトにした状態で保管、持ち運びできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る動物診療用ベッドの斜視説明図である。
【
図4】
図1の動物診療用ベッドのエアーマットレスの分解状態説明図である。
【
図5】
図1の動物診療用ベッドの使用状態説明図である。
【
図6】
図1の動物診療用ベッドの他の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照しつつ本発明の動物診療用ベッドの実施形態について説明する。以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
本発明の動物診療用ベッドは、例えば、牛、馬、豚、羊等の動物を、仰臥姿勢や横臥姿勢、伏臥姿勢等の寝せた状態で手術、診療、処置等するのに適用できるものである。
【0021】
図1ないし
図6は、本発明の動物診療用ベッドの一実施形態を示している。本実施形態に係る動物診療用ベッド1は、
図1、
図2、
図3に示すように、エアーマットレス2と、該エアーマットレス2に設置された保定部3と、を備えている。
【0022】
エアーマットレス2は、上面2aに動物ANを臥位姿勢で載せるベッド本体であり、内部に注入された空気圧で動物を支持するエアーマットである。エアーマットレス2はクッション性があるので動物を傷つけることなく載せることができる。
【0023】
本実施形態では、エアーマットレス2は、例えば、ビニル樹脂等の可撓性材料で中空に形成されており、内部に空気(エアー)を注入して膨張させることで所定の支持力を発揮してする。さらに、エアーマットレス2は、内部の空気を排気することで折りたたんだり丸めたりすることでコンパクトな状態とすることができる。
【0024】
図1、
図2、
図3に示すように、エアーマットレス2は、例えば、平面視略長方形状で高さ方向にある程度の高さがある中空の略直方体形状で設けられている。本実施形態では、エアーマットレス2は、上下方向に着脱可能に連結される2つのエアーマット体を含む構成となっている。
【0025】
2つのエアーマット体のうち上方に配置されるものを第1エアーマット体21、下方に配置されるものを第2エアーマット体22とする。
図4に示すように、第1エアーマット体21と第2エアーマット体22は、所定の連結手段4を介して着脱可能に連結される。
【0026】
第1エアーマット体21は、例えば、ビニル樹脂等で形成されており、中空で偏平な略直方体形状に設けられている。第1エアーマット体21の上面2aは、エアーマットレス2全体の上面となり動物ANを載せる面となる。第1エアーマット21の上面2aに保定部3が設置されている。
【0027】
第1エアーマット体21は、長辺側の側面の略中央位置に、空気を出し入れできる開閉弁5が設けられている。
【0028】
第1エアーマット体21の開閉弁5に、例えば、エアーポンプを接続して空気を圧送することで中空内部に空気を注入、充填して所定形状に膨張させるとともに、空気圧による動物の支持力を調整することができる。また、例えば、該開閉弁4を作業者が手で操作すること又は排気ポンプ等を介して、第1エアーマット体21の内部の空気を排気して収縮することができる。
【0029】
第1エアーマット体21の下面には、連結手段4を構成要素となる面ファスナ41が設けられている。面ファスナ41は、例えば、雄型(又は雌型)の面ファスナ部材であり、略長方形状の該下面の四辺に沿うように略長方形枠状に配置されて、接着、溶着又は縫製等により固定されている。
【0030】
第2エアーマット体22は、第1エアーマット体21と略同じ構成であり、例えば、ビニル樹脂等で形成されており、中空で偏平な略直方体形状に設けられ、長辺側の側面の略中央位置に空気を出し入れできる開閉弁5が設けられている。
【0031】
第2エアーマット体22の上面すなわち、第1エアーマット体21の下面と当接面には、連結手段4を構成要素となる面ファスナ42が設けられている。面ファスナ42は、例えば、雌型(又は雄型)の面ファスナ部材であり、略長方形状の該下面の四辺に沿うように略長方形枠状に配置されて、接着、溶着又は縫製等により固定されている。
【0032】
第1エアーマット体21の下面の面ファスナ41と、第2エアーマット体22の上面の面ファスナ42と、により連結手段4が構成され、第1,第2エアーマット体21,22を着脱することができる。これにより、例えば、エアーマットレス2の高さを必要に応じて変更することもでき、使い勝手を向上しうる。なお、面ファスナ41,42の取付態様は任意でもよい。
【0033】
なお、第2エアーマット体22の下面に面ファスナ41を設け、その構成の第2エアーマット体22を複数個用意し、第2エアーマット体22の下方に、第3、第4、第5・・・のエアーマット体を順次連結していく構成としてもよい。すなわち、エアーマットレス2は、3つ以上の複数のエアーマット体を連結して構成されていてもよい。複数のエアーマットレス体を連結する個数を増減することで、エアーマットレス2の全体の高さを大きく変更調整することができる。その結果、例えば、動物の種類や診療内容、作業者の体格等に合わせて利用することができ、高い実用性を実現できる。
【0034】
また、連結手段4は、上記の面ファスナ41、42の構造に限らず、例えば、ホックや磁石、フック、その他任意のもので構成してもよい。
【0035】
また、エアーマットレス2は、一つのエアーマットレスで構成されていてもよい。また、エアーマットレス2は、複数のエアーマット体どうしを固定して設けることとしてもよい。
【0036】
図1、
図2、
図3に示すように、第1エアーマットレス21、第2エアーマットレス22には、それぞれロープを留める留め具6が設けられている。例えば、
図5に示すように、留め具6は、エアーマットレス2の上面2aに載せた動物ANを固定するためのロープを挿通させてガイド又は規制したり、ロープを直接結んだり又は金具等を介して留めたりすることができる締結手段である。
【0037】
本実施形態では、留め具6は、例えば、D環等のカン金具からなり、2つのカン金具を重ねた状態でかつ直杆状の取付基部側を回転軸として軸支部材6aを介して軸支され上下に回動自在な状態で、第1エアーマット21、第2エアーマットレス22の側面に取り付けられている。留め具6は、例えば、第1エアーマット21、第2エアーマットレス22の四方の各側面に2個所ずつに設置されている。なお、留め具6の構造や個数は任意でもよい。
【0038】
保定部3は、エアーマットレス2の上面2aに載せた動物ANを側方から保持する動物の保持手段である。
図1,
図2,
図3に示すように、保定部3は、エアーマットレス2の上面2a側から上方に突出して設置される。
【0039】
本実施形態では、保定部3は、エアーマットレス2の上面2aの長辺に沿って軸方向を横倒しして設置された中空柱状体を含む。保持部3の該中空柱状体は、例えば、エアーマットレス2の長辺と略同じ長さに設定されており、該エアーマットレス2の上面2aに所定の間隙Hをあけて平行状に対向配置される2つの中空三角柱状体31、32からなる。
【0040】
よって、動物ANは、エアーマットレス2の上面2aの2つの中空三角柱状体31、32の間に載せられる。これにより、エアーマットレス2の上面2aに載せられた動物を、左右両側方から安定的に保持させることができる。
【0041】
中空三角柱状体31、32は、例えば、ビニル樹脂等の可撓性材料からなり、中空内部に空気を注入して膨張又は空気を排気して収縮しうる中空筒状体であり、内部に封入された空気の空気圧で所定の弾性力又は緩衝力を発揮して動物ANを安全にかつ安定して側方から保持しうる。
【0042】
より詳細には、本実施形態では、中空三角柱状体31,32は、例えば、3つの略円筒状部3a,3b、3cと、それらの3つの略円筒状部3a,3b、3cの両端部を連結する三角状の端部3dと、を含む。
【0043】
略円筒状部3a、3b、3cは、それぞれ略同じ径の可撓性円筒状体からなり、中心軸が略平行に揃えられつつ、縦断面で該中心軸が略正三角形の頂点に配置されるように束ねられ、互いの側面どうしを密着して接合されている。よって、中空三角柱状体31、32は、外形輪郭が、円弧面に湾曲しつつ側面にくびれ部が形成され、全体として略三角柱状となっている。これにより、中空三角柱状体31,32に動物が触れても円弧曲面で緩衝しながら保持しうる。
【0044】
2つの略円筒状部3b、3cは、エアーマットレス2の上面2aに側面を平坦に変形させ面状に当接した状態で接着等により固定されている。それらの2つの略円筒状部3b、3cの上に1つの略円筒状部3aが接合されている。よって、中空三角柱状体31,32による保定部3は、エアーマットレス2側から上方への突出端側に向けて狭くなるような形状となっている。
【0045】
三角形状の端部3dは、互いに当着した3つの略円筒状部3a,3b、3cを互いに内部連通状態でそれらの端部を閉鎖するように連結している。三角形状の端部3dの底辺側がエアーマットレス2の上面2aに当接されており、中空三角柱状体31,32は、安定した状態で固定的にエアーマットレス2に設置される。一方の端部3dには、3つの略円筒状部すなわち中空三角柱状体31、32内に空気を出し入れする開閉弁7が設けられている。
【0046】
中空三角柱状体31、32の開閉弁7は、前記のエアーマットレス2の開閉弁5と同様に、例えば、例えば、エアーポンプを接続して空気を圧送することで中空内部に空気を注入、充填して所定形状に膨張させるとともに、空気圧を調整することができる。また、例えば、該開閉弁7を作業者が手で操作することで、中空三角柱状体31、32の内部の空気を排気して収縮することができる。
【0047】
さらに、2つの中空三角柱状体31,32は、それぞれ別個の中空体で構成されていることから、それぞれの開閉弁7を操作することにより、それぞれ独立して空気の注入又は排気を行えるように設けられている。
【0048】
これにより、
図6に示すように、例えば、動物の診療・手術状況や、動物のエアーマットレス2への載せ降ろし作業等の際等、必要に応じてどちらか一方の中空三角柱状体のみを膨張させ他方の中空三角柱状体を収縮した状態として使用することもできる。
【0049】
なお、中空三角柱状体は、3つの略円筒状部を組み合わせたものに限らず、縦断面輪郭形状がくびれ部が無い略三角形状で内部空間が一つとなる三角柱状で形成してもよい。また、中空三角柱状体は、正三角形状、直角三角形状等の任意の形状としてもよい。また、保定部3は、例えば、円柱状、半円柱状体、四角柱状等のその他任意形状の中空柱状体としてもよい。また、中空柱状体は、エアーマットレス2に固定されていてもよいし、着脱可能な構成としてもよい。
【0050】
また、保定部3は、エアーマットレス2の上面2aの一辺に沿って1つの中空柱状体を設置することとしてもよい、任意の3辺に沿って3つの中空柱状体を設置してもよいし、あるいは4辺に沿って4つの中空柱状体を設置することとしてもよい。また、保定部3は、中空柱状体のような長尺体に限らず、一個または複数が所定の間隙を開けて配列されるブロック状や枕状あるいは袋状、壁状体等その他任意の中空体で構成してもよい。また、保定部3は、エアーマットレス2と中空内部を連通して一体的に形成することとしてもよい。
【0051】
次に、本実施形態に係る動物診療用ベッド10の使用例について説明する。例えば、動物ANを手術、診療等する際には、エアーポンプ等でエアーマットレス2および保定部3の中空三角柱状体31,32に空気を注入し膨張させる。
【0052】
図5に示すように、エアーマットレス2の上面2aに、2つの中空三角柱状体31,32の間に、子牛等の動物ANを仰臥姿勢で載せる。なお、エアーマットレス2を膨張させた状態で動物ANを載せてもよいし、エアーマットレス2に空気を注入する前の状態で動物ANを載せた後、エアーマットレス2に空気を注入して膨張させることとしてもよい。
【0053】
エアーマットレス2の上面2aに載せた状態で、例えば、ロープRPの一端を動物ANの四肢に結びつけて、他端側を留め具6に締結し固定する。
【0054】
これにより、動物ANは、クッション性があるエアーマットレス2上で側方を同様にクッション性がある保定部3で保持されるので、仰臥姿勢で安全に安定して保持することができ、手術や治療等を良好に円滑に行うことができる。
【0055】
また、
図6に示すように、エアーマットレス2上で動物ANを横臥姿勢としたい場合や動物ANを載せたり降ろしたりする作業等の場合には、必要に応じて、一方側の中空三角柱状体32の内部の空気を排気させて収縮させることもできる。また、必要に応じて、2つの中空柱状体31,32の内部の空気をともに排気させて収縮させて、エアーマットレス2の上面を略水平状態として使用することもできる。このように、エアーマットレス2に載せる動物の臥位姿勢、例えば、仰臥、伏臥、横臥等の姿勢や利用状況に応じて、保定部3の態様を変更することができるので実用性も高い。
【0056】
手術や診療後で動物診療用ベッドは不要の際には、エアーマットレス2と、2つの三角柱状体31、32の内部の空気を排出し収縮させて折りたたんだり丸めたりしてコンパクトな状態として、搬送や保管することができる。
【0057】
以上説明した本発明の動物診療用ベッドは、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の動物診療用ベッドは、牛、馬、豚、鹿、羊、山羊、犬、猫、その他愛玩動物、家畜動物、動物園等の飼育動物、野生動物等の動物を手術、診察、治療又は処置等する際に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 動物診療用ベッド
2 エアーマットレス
2a 上面
21 第1エアーマット体
22 第2エアーマット体
3 保定部
31 中空三角柱状体
32 中空三角柱状体
3a 略円筒状部
3b 略円筒状部
3c 略円筒状部
3d 端部
6 留め具
AN 動物
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入した空気圧で上面に載せた動物を支持するエアーマットレスと、
前記エアーマットレスの上面側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレスの上面に載せた該動物を側方から保持する保定部と、を備え、
前記保定部は、前記エアーマットレスの上面側に所定の間隙をあけて平行状に対向配置される2つの柱状体を含み、
前記柱状体は、空気を注入して膨張又は排気して収縮する中空三角柱状体からなる、ことを特徴とする動物診療用ベッド。
【請求項2】
前記保定部は、空気を注入して膨張又は排気して収縮し、内部の空気圧で該動物を保持しうる中空体を含むことを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項3】
前記2つの柱状体は、それぞれ別個に空気の注入又は排気を行えることを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項4】
前記エアーマットレスには、上面に載せた該動物を固定するロープをガイド又は留める留め具が取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の動物診療用ベッド。
【請求項5】
エアーマットレスは、上下方向に着脱可能に連結される複数のエアーマット体から構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の動物診療用ベッド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る動物診療用ベッドは、注入した空気圧で上面に載せた動物を支持するエアーマットレスと、前記エアーマットレスの上面側に上方に突出して設置され、前記エアーマットレスの上面に載せた該動物を側方から保持する保定部と、を備え、前記保定部は、前記エアーマットレスの上面側に所定の間隙をあけて平行状に対向配置される2つの柱状体を含み、前記柱状体は、空気を注入して膨張又は排気して収縮する中空三角柱状体からなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】