(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162533
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】撮像装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03B 15/05 20210101AFI20241114BHJP
G03B 17/53 20210101ALI20241114BHJP
G03B 17/28 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B17/53
G03B17/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078121
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋口 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 岳郎
【テーマコード(参考)】
2H053
2H104
【Fターム(参考)】
2H053CA02
2H053CA12
2H053CA15
2H053CA45
2H104AA19
2H104BB06
2H104BC04
2H104BC22
2H104CA01
2H104CC06
(57)【要約】
【課題】被写体像に視覚的効果を付与することが可能な撮像装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、筐体内に設けられた光源であって、被写体光と重ねて感光面に露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を感光面に対して照射可能な光源と、を備える撮像装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、
前記筐体内に設けられた光源であって、前記被写体光と重ねて前記感光面に露光させることにより、前記被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を前記感光面に対して照射可能な光源と、を備える
撮像装置。
【請求項2】
前記光源は、前記筐体内で前記被写体光が通過する露光開口の周囲に設けられている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記露光開口が設けられたフレーム部材を備え、
前記光源は、前記フレーム部材に設けられている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記フィルムが装填される筐体本体と、前記露光開口とを有し、
前記光源は、前記筐体本体において前記露光開口の周囲に配置されている
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記フィルムが装填される筐体本体を有し、
前記光源は、前記筐体本体に固定されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記エフェクト光を拡散させる拡散部材を有し、前記拡散部材によって拡散された前記エフェクト光が前記感光面に照射される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記光源は、複数設けられ、
前記拡散部材は、複数の前記光源の内の少なくとも2つの光源の各々に対向して配置される少なくとも2つの拡散部と、前記拡散部同士を連結する連結部とが接続された部材である
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記拡散部材は、さらに、前記拡散部から前記連結部に伝播することにより前記連結部から前記感光面に向かって漏出するエフェクト光を遮光する遮光部材をさらに備える
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記光源は、複数設けられ、
複数の前記光源は、装填された状態の前記フィルムを平面視した場合に、前記フィルムの前記感光面の中心に対して対称な位置に配置されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記光源は、前記フィルムの前記感光面の外周縁に対向する位置に設けられている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記光源は、前記フィルムの前記感光面の四隅のうちの少なくとも一つに対向する位置に設けられている
請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記光源は、前記フィルムの前記感光面の四辺のうちの少なくとも一つの辺の中間位置と対向する位置に設けられている
請求項10に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記光源は、装填された状態の前記フィルムを平面視した場合に、前記フィルムの前記感光面の中心に対して同心円状に配置されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記光源は、前記筐体内に一つ設けられている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の前記視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、
前記視覚的効果の種類の指定を受け付ける受付部と、
プロセッサと、をさらに備え、
前記プロセッサは、
前記受付部を介して受け付けられた前記視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得し、
前記エフェクト特定情報により示される前記視覚的効果の種類に応じて前記パラメータを設定する制御を実行する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記光源は、異なる色の光を発する複数色の発光素子で構成され、各色の前記発光素子が発光する光の光量比が調整されることにより、複数種類の前記エフェクト光を発光可能である
請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
各色の前記発光素子は、周期的に入力される駆動パルスに応じてパルス発光するものであり、
前記パラメータは、前記発光素子の前記駆動パルスのデューティ比、及び前記駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間のうちの少なくとも1つを含む
請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記発光素子は、LEDである
請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記感光面の露出量に関するユーザによる指定を受け付けた場合に、前記光源から発光される前記エフェクト光の光量に応じて、前記感光面に到達する前記被写体光の光量を調整する露出制御を実行する
請求項15に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記露出制御は、前記露出量に関する前記ユーザの指定に応じた光量から前記エフェクト光の光量を差し引いた光量を前記被写体光の光量とする調整を実行する制御である
請求項19に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記フィルムは、前記感光面に記録した潜像を現像する現像液が封入され、露光済みの前記感光面に前記現像液を展開可能なインスタントフィルムである
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記視覚的効果には、フィルムの発色に変化を加える効果である色調効果が含まれる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項23】
被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、前記筐体内に設けられた光源であって、前記被写体光と重ねて前記感光面に露光させることにより、前記被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を前記感光面に対して照射可能な光源と、を備えるカメラにおける制御方法であって、
前記光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の前記視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、
前記制御方法は、
前記視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得すること、及び、
前記エフェクト特定情報により示される前記視覚的効果の種類に応じて前記パラメータを設定する制御を実行すること、を含む
制御方法。
【請求項24】
被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、前記筐体内に設けられた光源であって、前記被写体光と重ねて前記感光面に露光させることにより、前記被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を前記感光面に対して照射可能な光源と、を備えるカメラにおいて、コンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
前記光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の前記視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、
前記処理は、
前記視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得すること、及び、
前記エフェクト特定情報により示される前記視覚的効果の種類に応じて前記パラメータを設定する制御を実行すること、
を含む処理を実行させるプログラム。
【請求項25】
被写体光を受光面に露光させることで被写体像を撮像する撮像素子が配置される筐体と、
前記筐体内に設けられた光源であって、前記被写体光と重ねて前記受光面に露光させることにより、前記被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を前記受光面に対して照射可能な光源と、を備える
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、撮像装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラに着脱自在に取り付けられるアダプタ本体と、アダプタ本体に設けられ、該アダプタ本体のカメラへの装着時に撮影レンズの前面に位置決めされるクローズアップレンズとからなる接写アダプタであって、クローズアップレンズは、半透明な凸面ミラーとなるように表面処理され、接写される位置から凸面ミラーを見たときに撮影範囲と略同じ範囲を映すことを特徴とする接写アダプタが記載されている。
【0003】
特許文献2には、カメラに用いられるフォトフィルタであって、フォトフィルタは、板状の透明な本体と、この本体の中央部に設けられたフィルタ部とからなり、このフィルタ部は、無色、ブルー、ピンク、イエロー、グリーン、セピアのカラーの内の何れか1つ、又はこれらの内の3色の組合せの内の何れか1つ、又は粗面、エンボス、魚眼、複眼、スリットの形状加工の内の何れか1つ、又はカラーの内の1つと形状加工の内の1つを組合せた表面加工を施してレンズ付フィルムのレンズ部の前面に臨ませ、本体には、カメラのボディに取り付けられる装着部材を備える、ことを特徴とする汎用フォトフィルタが記載されている。
【0004】
特許文献3には、撮像部と光学ファインダ部を有する電子カメラ装置において、光学ファインダ部は、エフェクトフィルタ装着部を有し、装着部に装着されたエフェクトフィルタの種別を判別するフィルタ種別判別手段を備えたことを特徴とする光学ファインダ付電子カメラ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-119335号公報
【特許文献2】特開平11-52454号公報
【特許文献3】特開平11-252413号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、被写体像に視覚的効果を付与することが可能な撮像装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1の態様は、被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、筐体内に設けられた光源であって、被写体光と重ねて感光面に露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を感光面に対して照射可能な光源と、を備える撮像装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第2の態様は、光源は、筐体内で被写体光が通過する露光開口の周囲に設けられている第1の態様に係る撮像装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第3の態様は、筐体は、露光開口が設けられたフレーム部材を備え、光源は、フレーム部材に設けられている第2の態様に係る撮像装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第4の態様は、筐体は、フィルムが装填される筐体本体と、露光開口とを有し、光源は、筐体本体において露光開口の周囲に配置されている第2の態様に係る撮像装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第5の態様は、筐体は、フィルムが装填される筐体本体を有し、光源は、筐体本体に固定されている第1の態様に係る撮像装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第6の態様は、エフェクト光を拡散させる拡散部材を有し、拡散部材によって拡散されたエフェクト光が感光面に照射される第1の態様に係る撮像装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第7の態様は、光源は、複数設けられ、拡散部材は、複数の光源の内の少なくとも2つの光源の各々に対向して配置される少なくとも2つの拡散部と、拡散部同士を連結する連結部とが接続された部材である第6の態様に係る撮像装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第8の態様は、拡散部材は、さらに、拡散部から連結部に伝播することにより連結部から感光面に向かって漏出するエフェクト光を遮光する遮光部材をさらに備える第7の態様に係る撮像装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第9の態様は、光源は、複数設けられ、複数の光源は、装填された状態のフィルムを平面視した場合に、フィルムの感光面の中心に対して対称な位置に配置されている第1の態様に係る撮像装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第10の態様は、光源は、フィルムの感光面の外周縁に対向する位置に設けられている第1の態様に係る撮像装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第11の態様は、光源は、フィルムの感光面の四隅のうちの少なくとも一つに対向する位置に設けられている第10の態様に係る撮像装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第12の態様は、光源は、フィルムの感光面の四辺のうちの少なくとも一つの辺の中間位置と対向する位置に設けられている第10の態様に係る撮像装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第13の態様は、光源は、装填された状態のフィルムを平面視した場合に、フィルムの感光面の中心に対して同心円状に配置されている第1の態様に係る撮像装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第14の態様は、光源は、筐体内に一つ設けられている第1の態様に係る撮像装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第15の態様は、光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、視覚的効果の種類の指定を受け付ける受付部と、プロセッサと、をさらに備え、プロセッサは、受付部を介して受け付けられた視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得し、エフェクト特定情報により示される視覚的効果の種類に応じてパラメータを設定する制御を実行する第1の態様に係る撮像装置である。
【0022】
本開示の技術に係る第16の態様は、光源は、異なる色の光を発する複数色の発光素子で構成され、各色の発光素子が発光する光の光量比が調整されることにより、複数種類のエフェクト光を発光可能である第15の態様に係る撮像装置である。
【0023】
本開示の技術に係る第17の態様は、各色の発光素子は、周期的に入力される駆動パルスに応じてパルス発光するものであり、パラメータは、発光素子の駆動パルスのデューティ比、及び駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間のうちの少なくとも1つを含む第16の態様に係る撮像装置である。
【0024】
本開示の技術に係る第18の態様は、発光素子は、LEDである第17の態様に係る撮像装置である。
【0025】
本開示の技術に係る第19の態様は、プロセッサは、感光面の露出量に関するユーザによる指定を受け付けた場合に、光源から発光されるエフェクト光の光量に応じて、感光面に到達する被写体光の光量を調整する露出制御を実行する第15の態様に係る撮像装置である。
【0026】
本開示の技術に係る第20の態様は、露出制御は、露出量に関するユーザの指定に応じた光量からエフェクト光の光量を差し引いた光量を被写体光の光量とする調整を実行する制御である第19の態様に係る撮像装置である。
【0027】
本開示の技術に係る第21の態様は、フィルムは、感光面に記録した潜像を現像する現像液が封入され、露光済みの感光面に現像液を展開可能なインスタントフィルムである第1の態様に係る撮像装置である。
【0028】
本開示の技術に係る第22の態様は、視覚的効果には、フィルムの発色に変化を加える効果である色調効果が含まれる第1の態様に係る撮像装置である。
【0029】
本開示の技術に係る第23の態様は、被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、筐体内に設けられた光源であって、被写体光と重ねて感光面に露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を感光面に対して照射可能な光源と、を備えるカメラにおける制御方法であって、光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、制御方法は、視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得すること、及び、エフェクト特定情報により示される視覚的効果の種類に応じてパラメータを設定する制御を実行すること、を含む制御方法である。
【0030】
本開示の技術に係る第24の態様は、被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、筐体内に設けられた光源であって、被写体光と重ねて感光面に露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を感光面に対して照射可能な光源と、を備えるカメラにおいて、コンピュータに処理を実行させるプログラムであって、光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、処理は、視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得すること、及び、エフェクト特定情報により示される視覚的効果の種類に応じてパラメータを設定する制御を実行すること、を含む処理を実行させるプログラムである。
【0031】
本開示の技術に係る第25の態様は、被写体光を受光面に露光させることで被写体像を撮像する撮像素子が配置される筐体と、筐体内に設けられた光源であって、被写体光と重ねて受光面に露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を受光面に対して照射可能な光源と、を備える撮像装置である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図2】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図3】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観側面図である。
【
図4】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観背面図である。
【
図5】実施形態に係る光源の配置の一例を示す概念図である。
【
図6】実施形態に係る光源の配置の一例を示す概念図である。
【
図7】実施形態に係るフレーム部材の構成の一例を示す外観背面図である。
【
図8】実施形態に係るフレーム部材の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図9】実施形態に係る余長処理構造の構成の一例を示す概念図である。
【
図10】実施形態に係るカメラの電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態に係るカメラのプロセッサの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図12】実施形態に係るカメラのプロセッサの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図13】実施形態に係るカメラの動作の一例を示す外観斜視図である。
【
図14】実施形態に係る光源制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観背面図である。
【
図16】実施形態に係るカメラの構成の一例を示す外観背面図である。
【
図17】実施形態に係る光源の配置の一例を示す概念図である。
【
図18】実施形態に係る光源の配置の一例を示す概念図である。
【
図19】実施形態に係る光源の配置の一例を示す概念図である。
【
図20】実施形態に係るカメラのプロセッサの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図21】実施形態に係るカメラのプロセッサの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図22】実施形態に係るフィルムの形状の一例を示す概念図である。
【
図23】実施形態に係るカメラの電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付図面に従って、本開示の技術に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
【0034】
以下の説明では、説明の便宜上、カメラ10の前後方向(奥行方向ともいう)、幅方向、及び高さ方向をX、Y及びZの3つの矢印で示す。まず、高さ方向を矢印Zで示し、矢印Zが指し示す矢印Z方向をカメラ10の上方向とし、その逆方向を下方向とする。幅方向を、矢印Zと直交する矢印Yで示し、矢印Yが指し示す方向をカメラ10の右方向とし、その逆方向を左方向とする。前後方向を、矢印Z及び矢印Yと直交する方向を矢印Xで示し、矢印Xが指し示す方向をカメラ10の前方向とし、その逆を後方向とする。すなわち、カメラ10において被写体に向かう方向が前方向である。また、以下において、上側、下側、左側、右側、前側、及び後側といった側を用いた表現も方向を用いた表現と意味は同じである。
【0035】
一例として
図1に示すように、カメラ10は、被写体を撮像可能な撮像装置である。カメラ10は、例えば、筐体11の内部に装填されたインスタントフィルムに被写体像を記録可能なインスタントカメラである。カメラ10は、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例である。筐体11は、カメラ10による被写体の撮像に用いられる各種構成、及び部品等を内部に収容可能とされている。筐体11は、本開示の技術に係る「筐体」の一例である。筐体11は、筐体本体12と鏡胴14とを備えている。筐体本体12は、略直方体形状の筐体であり、筐体本体12の前面12Aには、鏡胴14が設けられている。鏡胴14は、対物レンズ16を含む光学系58(
図10参照)を備えており、光軸Lに沿って伸縮可能とされている。筐体本体12は、本開示の技術に係る「筐体本体」の一例である。
【0036】
また、筐体本体12の前面12Aには、レリーズボタン18、開口窓20、及びストロボ22が設けられている。レリーズボタン18は、ユーザによって押下可能とされたボタンであり、レリーズボタン18が押下されることでカメラ10による撮像動作が開始される。開口窓20は、ユーザが後面12C側から撮像の前に被写体を確認するための開口である。また、ストロボ22は、ユーザにより指定された条件で被写体に向けて発光する。これにより、感光面34A(
図3等参照)に入射する被写体光Lo(
図3等参照)の光量が調整される。
【0037】
なお、ここでは、レリーズボタン18が前面12Aにのみ設けられている形態例を示しているが、これはあくまでも一例にすぎない。レリーズボタン18が、筐体本体12の左側面にも設けられてもよい。この場合において、カメラ10は、
図1に示す状態での撮影と、
図1に示す状態から、前面12A側から見て時計回りに90度回転させた状態での撮影の両方が可能となる。
【0038】
また、筐体本体12の上面12Bには、排出口24が形成されている。排出口24は、被写体像が記録されたフィルム34(
図3等参照)を筐体本体12の内部から排出するための開口である。
【0039】
一例として
図2に示すように、筐体本体12の後面12Cには、カバー26が設けられている。カバー26が開くことで、筐体本体12の内部が開放され、筐体本体12の内部にフィルム34を有するカートリッジ36(
図4参照)を装填することが可能となる。また、後面12Cには、前面12Aの開口窓20と対応したファインダ28が設けられている。
【0040】
筐体本体12の後面12Cには、受付装置30と表示装置32とが設けられている。受付装置30は、ユーザからの各種入力を受け付け可能な装置であり、
図2に示す例では、複数のボタンが示されている。受付装置30は、本開示の技術に係る「受付部」の一例である。例えば、ユーザは、ボタンを押下することで撮影モード(例えば、後述するエフェクトモード)の選択、及び決定を行う。また、表示装置32は、ユーザに対して各種情報を表示可能な装置である。表示装置32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0041】
一例として
図3に示すように、カメラ10は、鏡胴14が筐体本体12に対して伸びた状態で撮像を開始する。鏡胴14に入射した被写体光Loは、鏡胴14の内部に収容された撮影レンズ58Aを経て、フィルム34の感光面34Aに結像される。鏡胴14が筐体本体12から突出する距離は、撮影モードによって定められていてもよいし、ユーザによって適宜調整されてもよい。また、カメラ10の電源がオフされた場合、又は撮影が一定時間行われない場合には、鏡胴14は、筐体本体12に対して縮んだ状態とされる。
【0042】
一例として
図4に示すように、後面12Cのカバー26が開くことで、筐体本体12の内部が露出する。
図4に示す例では、ヒンジ26Aを介してカバー26が回動することで、カバー26が開いている。筐体本体12の内部には、X方向から見て矩形の空間が形成されており、筐体本体12内の空間にカートリッジ36が装填される。カートリッジ36は、複数のフィルム34を有している。カートリッジ36が装填されることで、フィルム34も筐体本体12の内部に装填される。フィルム34が筐体本体12の内部に装填された状態で、フィルム34の前面には感光面34A(
図3も参照)が形成されており、被写体光Lo(
図3参照)が感光面34Aに露光されることで、被写体像が感光面34Aに記録される。フィルム34は、カラーフィルムであり、例えば、B(青)、G(緑)、R(赤)の各色の光に対して別々に感じる3つの感光層を有する。
【0043】
ところで、従来既知のフィルムカメラ(例えば、インスタントカメラ)においては、被写体像を感光面に記録することはできるものの、ユーザが望むような視覚的効果を被写体像に付与する点には、改善の余地があった。視覚的効果とは、被写体像に視覚的な変化を生じさせる効果を指し、視覚的効果には、例えば、色調効果、又は明るさ効果が含まれる。
【0044】
色調効果とは、フィルム34に入射する被写体光の色味を変化させることにより、フィルム34の色合いなど、フィルム34の発色に意図的な変化を加える効果をいう。色調効果としては、例えば、フィルム34の発色を緑掛かったノスタルジーな雰囲気の色味に変化させるエフェクトA、又は、フィルム34の発色を黄味掛かった色ムラを有する色味に変化させるエフェクトBなどのエフェクトモードがある。
【0045】
また、明るさ効果とは、フィルム34に入射する被写体光の他に、フィルム34に光を照射することにより、フィルム34の明るさに意図的な変化を加える効果をいう。明るさ効果としては、例えば、フィルム34の一部を他の部分より明るくしたり、意図的にハレーションを生じさせたりすることが挙げられる。
【0046】
従来既知のフィルムカメラでは、このような視覚的効果は、例えば、特殊な色味が付与された外付けのフィルタをカメラのレンズに取り付けることにより実現している。このようにフィルタによって被写体像に視覚的効果を付与する場合には、フィルタを視覚的効果毎に用意する必要があり、また、視覚的効果を変える場合には、その都度フィルタを取り換えることが必要であった。
【0047】
そこで、本実施形態に係るカメラ10では、筐体本体12の内部に光源46を設けている。すなわち、カメラ10は、筐体本体12に内蔵された光源46を備えている。そして、光源46は、被写体光Loと重ねて感光面34Aに露光させることにより、被写体像に視覚的効果を付与するための光であるエフェクト光をフィルム34の感光面34Aに対して照射可能とされている。光源46は、本開示の技術に係る「光源」の一例である。
【0048】
なお、以下の説明において、視覚的効果として色調効果が付与される形態例を挙げて説明するが、その他の視覚的効果(例えば、明るさ効果、及び明るさ効果と色調効果とを組み合わせた効果)についても同様に本開示の技術が適用可能であることはもちろんである。
【0049】
光源46は、筐体本体12の内部に複数設けられている。
図4に示す例では、光源46は、4つ設けられており、光源46は、LED(Light Emitting Diode)を発光素子として備えるLED光源である。光源46の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。なお、以下の説明において、第1LED光源46A、第2LED光源46B、第3LED光源46C、及び第4LED光源46Dを区別する必要が無い場合は、単に「光源46」と称する場合がある。
【0050】
なお、ここでは、光源46として、第1LED光源46A、第2LED光源46B、第3LED光源46C、及び第4LED光源46Dの4つが示されているが、これはあくまでも一例にすぎない。また、光源46として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)光源が用いられてもよい。
【0051】
光源46は、筐体本体12の内部において、フィルム34を平面視した場合(
図4に示すX方向から見た場合)に、フィルム34の感光面34Aの中心Cに対して対称に配置されている。ここで、中心Cに対して対称に配置とは、中心Cに対して回転対称性を有する位置に配置されている、又は中心Cを通る直線であって、感光面34Aの辺に沿って延びる直線に対して線対称に配置されていることを指す。また、本実施形態において、「対称に配置」とは、完全に対称な位置に配置されることの他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの対称な位置に配置されることを指す。
【0052】
図4に示す例では、複数の光源46は、中心Cに対して点対称な位置(すなわち、2回対称な位置)に配置されている。また、別の見方をすれば、複数の光源46は、中心Cを通る直線であって、感光面34Aの長辺に沿った方向(
図4に示すZ方向)に延びる直線に対して線対称に配置されている。
【0053】
また、
図5に複数の光源46が線対称に配置されている形態例を示している。
図5に示す例では、感光面34Aの中心Cを通る直線であって、感光面34Aの長辺に沿って延びる直線CLが示されている。そして、複数の光源46が直線CLに対して線対称に配置されている。具体的には、光源46Aが、紙面表側から見て直線CLの右側に配置されており、光源46Bが、紙面表側から見て直線CLの左側に配置されている。直線CLを挟んで光源46A及び光源46Bは対応する箇所に位置している。
【0054】
また、
図6に複数の光源46が点対称に配置されている形態例を示している。
図6に示す例では、複数の光源46が、感光面34Aの中心Cに対して点対称に配置されている。すなわち、紙面表側から見た場合に、中心Cを回転中心として仮想的に複数の光源46の位置を180度回転移動させた場合、回転前の光源46Aの位置に、回転後の光源46Bが位置している。また、回転前の光源46Bの位置に、回転後の光源46Aが位置している。
【0055】
なお、
図5及び
図6に示した例では、複数の光源46が2つの例を示しているが、上述したように、複数の光源46の数は特に限定されない。また、複数の光源46の配置についても線対称又は回転対称性を有していればよく、特に限定されない。
【0056】
本実施形態における以下の説明では、
図4に示した複数の光源46の配置を例に挙げて説明する。
【0057】
光源46は、フレーム部材38に設けられている。フレーム部材38は、鏡胴14の内部において、フィルム34と対向する位置に設けられている。フレーム部材38は、例えば、硬質性樹脂から成る。フレーム部材38は、本開示の技術に係る「フレーム部材」の一例である。
【0058】
一例として
図7に示すように、フレーム部材38は、外形が円形状であり、内周側に露光開口38Aが形成された枠状部材である。被写体光Loは、露光開口38Aを通過し、感光面34Aに到達する。換言すれば、露光開口38Aは、感光面34Aと対向する位置に設けられている。露光開口38Aは、本開示の技術に係る「露光開口」の一例である。
【0059】
また、光源46は、フレーム部材38において、露光開口38Aの周囲に設けられている。フレーム部材38が鏡胴14の内部に設けられていることから、露光開口38Aは、鏡胴14に設けられており、光源46は、露光開口38Aの周囲に設けられている。
【0060】
また、フレーム部材38には、拡散部材40が設けられている。拡散部材40は、光源46から出射したエフェクト光Leを拡散させる部材である。拡散部材40は、フレーム部材38の後側の面(すなわち、フィルム34側の面)に取り付けられている。拡散部材40は、本開示の技術に係る「拡散部材」の一例である。
【0061】
図7に示す例では、拡散部材40として一対の拡散部材40A及び40Bが示されている。拡散部材40Aには、遮光部材44Aが取り付けられている。また、拡散部材40Bには、遮光部材44Bが取り付けられている。なお、以下の説明では、拡散部材40Aを例に挙げて説明するが、拡散部材40Bについても同様の構成、及び機能を有している。
【0062】
図7中に示すA-A断面図では、光源46が基板48に実装されており、電源系(図示省略)からの電力の供給を受けた光源46からエフェクト光Leが出射されている。そして、光源46から出射したエフェクト光Leが拡散部材40Aによって拡散されている。ここで、拡散部材40Aは、乳白色の樹脂製部材であり、拡散部材40Aの表面には粗化処理(例えば、ブラスト処理)が施されている。これにより、拡散部材40A内に入射したエフェクト光Leは、拡散部材40Aの拡散部42Aの内部で散乱されながら進行し、拡散部材40Aの表面で拡散されて出射される。この結果、拡散部材40Aで拡散されたエフェクト光Leが感光面34Aに照射される。
【0063】
一例として
図8に示すように、拡散部材40Aは、一対の拡散部42Aと、一対の拡散部42A同士を連結する連結部43Aを備えている。また、拡散部材40Aには、連結部43Aを覆う遮光部材44Aが取り付けられている。一対の拡散部42Aは、本開示の技術に係る「拡散部」の一例であり、連結部43Aは、本開示の技術に係る「連結部」の一例であり、遮光部材44は、本開示の技術に係る「遮光部材」の一例である。
【0064】
一対の拡散部42Aは、光源46と対向する位置に設けられている。具体的には、一の拡散部42Aは、フレーム部材38において、第1LED光源46Aが収容された凹部38Bを覆う位置に設けられる。また、他の拡散部42Aは、第2LED光源46Bが収容された凹部38Bを覆う位置に設けられる。連結部43Aは、一対の拡散部42Aの間に延在され、かつ拡散部42A同士を連結する部位である。連結部43Aは、一対の拡散部42Aと接続されている。例えば、連結部43Aは、一対の拡散部42Aと一体成形されている。
図8に示す例では、連結部43Aは、Z方向に沿って延在されている。なお、ここでは、連結部43Aが一対の拡散部42Aと一体成形されている例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎない。例えば、連結部43Aと一対の拡散部42Aとが、接合(例えば、超音波溶着)されることで接続されていてもよい。
【0065】
遮光部材44Aは、連結部43Aから感光面34Aに向かって漏出するエフェクト光Leを遮光する部材である。すなわち、拡散部材40Aにおいて、エフェクト光Leの一部が拡散部42Aから連結部43Aに伝播する。これにより、連結部43Aからエフェクト光Leが感光面34Aに向かって漏出する場合がある。
【0066】
そこで、遮光部材44Aを用いて、連結部43Aから漏出するエフェクト光Leを遮光する。
図8に示す例では、遮光部材44Aが、連結部43Aを後側(すなわち、フィルム34側)から覆っている。遮光部材44Aは、直方体形状を有し、連結部43A側の面においてZ方向に沿って延在する溝部44A1を有している。溝部44A1に連結部43Aが嵌まることで、遮光部材44Aが連結部43Aを覆っている。
【0067】
一例として
図9に示すように、カメラ10の内部には余長処理構造50が設けられている。余長処理構造50は、基板48から延出された配線部48Aが余っている場合に、カメラ10の内部で配線部48Aの余長部分を収容するための構造である。ここで、配線部48Aは、光源46が実装された基板48とカメラ10の筐体本体12に設けられた電源系とを電気的に接続するケーブル状の部位である。すなわち、配線部48Aは、フレーム部材38と筐体本体12との間で延設されている。
図9の上部に示すように、鏡胴14が伸びている場合には、鏡胴14の内部に設けられたフレーム部材38は、鏡胴14から離れた位置にあるので、配線部48Aには余長部分が生じていない状態となっている。
【0068】
図9の下部に示すように、鏡胴14が筐体本体12に対して収納されると、フレーム部材38と筐体本体12との距離が、鏡胴14が伸びている場合と比較して近くなる。この結果、配線部48Aには、余長部分が生じる場合がある。そこで、配線部48Aの余長部分が、余長処理構造50によって収容される。
【0069】
余長処理構造50は、第1部位52、第2部位54、及び第3部位56を含んでいる。第1部位52及び第2部位54は、フレーム部材38の前面から立設された板状の部位である。第1部位52と第2部位54とは、Y方向において対向する位置に設けられており、第1部位52と第2部位54との間には、間隙が形成されている。第3部位56は、鏡胴14に一端が取り付けられ、他端が第1部位52と第2部位54との間隙に挿入可能とされた板状の部位である。
【0070】
鏡胴14が筐体本体12に収納される方向(すなわち、後方向)に移動すると、それに伴って第3部位56が第1部位52と第2部位54との間に向かって移動する。この場合に第3部位56の他端が配線部48Aに当接することで、配線部48Aが第1部位52と第2部位54との間に折り畳まれながら収容される。
【0071】
配線部48Aが収容された状態において、基板48から延出された配線部48Aは、先ず、第2部位54によって折り返される。次に、配線部48Aは、第3部位56の他端によって折り返される。そして、配線部48Aは、第1部位52によって折り返される。このように、配線部48Aは、余長処理構造50によって折り畳まれる。これにより、余長処理構造50に配線部48Aが収容されるので、鏡胴14が筐体本体12に対して移動しても、配線部48Aが、カメラ10の内部で他の部位と干渉したり、挟まったりすることが抑制される。
【0072】
また、配線部48Aは、カメラ10の内部へ入射した被写体光Loの反射を抑制するための表面処理(例えば、黒色塗装)が施されている。これにより、感光面34Aに対して意図しない露光が生じることが抑制される。
【0073】
続いて、本実施形態に係るカメラ10の電気系のハードウェア構成について説明する。一例として
図10に示すように、カメラ10は、制御装置60を備えている。制御装置60は、カメラ10の全体の動作を制御する。制御装置60は、プロセッサ62、RAM(Random Access Memory)64、ストレージ66、及び外部I/F(インタフェース)68を備えている。プロセッサ62、RAM64、ストレージ66、及び外部I/F68は、バス70に接続されている。プロセッサ62は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。
【0074】
プロセッサ62には、メモリが接続されている。メモリは、ストレージ66及びRAM64を含む。プロセッサ62は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有する。なお、プロセッサ62に、CPUとは別に、画像処理専用のGPU(Graphics Processing Unit)を設けてもよい。
【0075】
RAM64は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、プロセッサ62によってワークメモリとして用いられる。RAM64としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等が挙げられる。
【0076】
ストレージ66は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ66としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)及びSSD(Solid State Drive)等)及び/又はHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。なお、フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、フラッシュメモリ、HDD磁気抵抗メモリ、及び強誘電体メモリのうちの少なくとも1つをストレージ66として用いてもよい。
【0077】
外部I/F68は、制御装置60の外部に存在する装置との間の各種情報の授受を司る。外部I/F68は、シャッタ61、ストロボ22、光源46、及び受付装置30と通信可能に接続されている。
【0078】
光源46は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の色調効果を得るための複数種類のエフェクト光Leを発光可能とされている。具体的には、上述したように、カメラ10は、光源46として第1LED光源46A、第2LED光源46B、第3LED光源46C、及び第4LED光源46Dを備えている。第1LED光源46Aは、R(赤)発光素子47A、G(緑)発光素子47B、及びB(青)発光素子47Cから構成されている。第1LED光源46Aの各発光素子の発光に関するパラメータの設定が変更されることで、第1LED光源46Aの光量及び発光色が調整される。
【0079】
また、第2LED光源46Bについても同様に、R(赤)発光素子47A、G(緑)発光素子47B、及びB(青)発光素子47Cから構成されている。さらに、図示しないが、第3LED光源46C、及び第4LED光源46DについてもR(赤)発光素子、G(緑)発光素子、及びB(青)発光素子から構成されている。なお、以下の説明において、R(赤)発光素子47A、G(緑)発光素子47B、及びB(青)発光素子47Cを区別する必要が無い場合は、単に「発光素子47」と称する場合がある。発光素子47は、本開示の技術に係る「発光素子」の一例であり、R(赤)発光素子47A、G(緑)発光素子47B、及びB(青)発光素子47Cは、本開示の技術に係る「複数色の発光素子」の一例である。
【0080】
そして、第2LED光源46B~第4LED光源46Dについても、発光素子47のパラメータの設定が変更されることで、第2LED光源46B~第4LED光源46Dの光量及び発光色が調整される。第1LED光源46A~第4LED光源46Dの光量及び発光色が調整された結果、光源46からエフェクト光Leが発光される。
【0081】
発光素子47は、周期的に入力される駆動パルスに応じてパルス発光するLEDである。発光素子47のパラメータとしては、駆動パルスのデューティ比、及び/又は駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間等が挙げられる。
【0082】
また、カメラ10は、光学系58及びドライバ57を備えている。ドライバ57は、外部I/F68と通信可能に接続されており、ドライバ57は、プロセッサ62の制御下で生成した動力によって光学系58を駆動させる。光学系58は、被写体を撮像するための光学系であり、撮影レンズ58Aを含む複数のレンズ群、及び絞りを含んで構成される。
【0083】
ところで、カメラ10において、光源46を用いた被写体像への色調効果の付与が行われる場合、ユーザからの色調効果の指定に応じて、光源46の発光動作を制御する必要がある。そこで、このような事情に鑑み、本実施形態に係るカメラ10では、制御装置60において、プロセッサ62は、ストレージ66から制御プログラム66Aを読み出し、読み出した制御プログラム66AをRAM64上で実行する。これにより、プロセッサ62は、取得部62A、及び光源制御部62Bとして動作する。制御プログラム66Aは、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。
【0084】
一例として
図11に示すように、受付装置30は、ユーザからの色調効果の種類の指定(例えば、エフェクトモードの指定)を受け付ける。ここで、カメラ10において、色調効果の種類は、エフェクトモードとして予め設定されている例を挙げて説明しているが、これはあくまでも一例にすぎない。色調効果の種類は、ユーザによって設定、又は変更されてもよい。受付装置30は、ユーザからの色調効果の種類の指定を受け付けた場合、色調効果の種類を特定可能な情報であるエフェクト特定情報72をプロセッサ62に対して出力する。エフェクト特定情報72は、本開示の技術に係る「エフェクト特定情報」の一例である。
【0085】
プロセッサ62において、取得部62Aは、受付装置30からエフェクト特定情報72を取得する。そして、取得部62Aは、光源制御部62Bに対してエフェクト特定情報72を出力する。
【0086】
光源制御部62Bは、取得部62Aからエフェクト特定情報72を取得する。また、光源制御部62Bは、エフェクト特定情報72により示される色調効果の種類に応じて、光源46のパラメータを設定する制御を実行する。具体的には、光源制御部62Bは、ストレージ66から設定テーブル66Bを取得する。設定テーブル66Bは、エフェクトモードを入力情報とし、光源46の発光条件のパラメータを出力情報とするテーブルである。
【0087】
図11に示す例では、設定テーブル66Bにおいて、エフェクトモードとしてエフェクトA又はエフェクトBが入力情報であった場合に、出力情報として、各エフェクトモードの第1LED光源46A、及び第2LED光源46Bのパラメータが示されている。パラメータとしては、光源46を構成するR(赤)、G(緑)、及びB(青)のそれぞれの発光素子47の駆動パルスのデューティ比(
図11に示すパルス幅Wとパルス間隔Sとの比)が示され、また、各光源46のそれぞれの総発光時間Tが示されている。なお、図示していないが、第3LED光源46C及び第4LED光源46Dについても同様に、エフェクトモードに応じたパラメータが、設定テーブル66Bにおいて保持されている。また、図示していないが、エフェクトA、及びエフェクトB以外のエフェクトモードについても、パラメータが設定テーブル66Bに保持されている。
【0088】
その他のエフェクトモードとしては、例えば、被写体像が淡い青味を有することでさわやかな雰囲気の色味に変化させたり、部分的に発光色を明るい色にすることで光漏れを再現したり、又は、被写体像に異なる色彩のグラデーションを加えたりする例が挙げられる。
【0089】
光源制御部62Bは、設定テーブル66Bを用いて、エフェクト特定情報72に基づいて光源46のパラメータを読み出す。具体的には、エフェクト特定情報72により示されるエフェクトモードに応じた光源46のパラメータを読み出す。そして、光源制御部62Bは、読み出した光源46のパラメータの設定を実行する。具体的には、各光源46を構成するR(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光素子47の駆動パルスのデューティ比を設定し、また、各光源46の総発光時間Tを設定する。
【0090】
各色の発光素子47の駆動パルスのデューティ比を調整することは、各色の発光素子47の単位時間当たりの発光量を調整することを意味する。そして、各色の発光素子47の発光量の組み合わせにより、各色の発光素子47の集合である光源46としては様々な色の光を作りだすことが可能である。
【0091】
例えば、R(赤)の発光素子47の発光量を相対的に多くすれば、光源46の光は赤味が増し、B(青)の発光素子47の発光量を相対的に多くすれば、光源46の光は青味が増す。各発光素子47の発光量を均等にすることにより光源46の光は白色光となる。また、R(赤)とG(緑)のみ同じ発光量で点灯させる一方、B(青)の発光素子47を消灯させることにより、光源46は、黄色の光を作りだすことが可能である。また、各色の発光素子47の発光量を微調整することにより、より多様な色の光を作り出すことが可能である。さらに、複数の光源46において異なる色の光を発光させることにより、各光源46の領域毎に色を変化させることも可能である。このように、光源46において、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光素子47が発する光の光量比が調整されること、および各光源46における発光色を変化させることにより、複数種類のエフェクト光Leを発光可能である。
【0092】
なお、ここでは、設定テーブル66Bを用いて、パラメータの設定が行われる形態例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎない。設定テーブル66Bの代わりに、設定テーブル66Bを関数として表したパラメータ導出式(図示省略)を用いて、パラメータの設定が行われてもよい。パラメータ導出式は、エフェクトモードを示す値を独立変数とし、パラメータの値を従属変数とする演算式である。
【0093】
一例として
図12に示すように、ユーザの指Fによってレリーズボタン18を押下することで被写体が撮像される。すなわち、被写体光Loがフィルム34の感光面34Aに対して露光されることで、被写体像がフィルム34に記録される。
【0094】
また、プロセッサ62において、光源制御部62Bは、レリーズボタン18が押下された場合に出力される撮像指示信号を受け付けたか否かを判定する。判定が肯定された場合、光源制御部62Bは、光源46に対してエフェクト光Leを照射させる。上述したように、光源46において、エフェクトモードに応じてパラメータが設定されている。従って、エフェクトモードに応じたパラメータで、光源46からエフェクト光Leがフィルム34の感光面34Aに向かって照射される。エフェクト光Leは、拡散部42Aによって拡散された後、感光面34Aに対して露光される。この結果、被写体像にエフェクト光Leによる色調効果が付与される。感光面34Aは、本開示の技術に係る「感光面」の一例である。エフェクト光Leは、本開示の技術に係る「エフェクト光」の一例であり、被写体光Loは、本開示の技術に係る「被写体光」の一例である。
【0095】
撮像が終了した後のフィルム34は、カートリッジ36から排出される。フィルム34がカートリッジ36から排出される場合に、フィルム34に封入された現像液34Bが感光面34Aに展開される。現像液34Bは、感光面34Aに記録された潜像を現像する。具体的には、カメラ10に設けられた一対の排出用ロール74によってフィルム34が排出される場合に、現像液34Bが感光面34A上に押し出されることで、現像液34Bが露光済みの感光面34Aに展開される。現像液34Bは、本開示の技術に係る「現像液」の一例である。
【0096】
一例として
図13に示すように、フィルム34がカメラ10から排出される。フィルム34に記録された被写体像には、色調効果が付与されている。ユーザは、色調効果が付与された被写体像を視認することで、被写体像に対する視覚的な演出効果を楽しむことができる。
図13に示す例では、フィルム34に記録された被写体像(ここでは、人物の集合写真)の周辺のハッチングで示される四隅に、色調を変化させるエフェクト光Leが被写体光Loに重ねて露光されることにより、被写体像に色調効果が付与された例が示されている。
【0097】
次に、本実施形態に係るカメラ10における光源制御処理について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、光源制御処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す光源制御処理の流れは、本開示の技術に係る「制御方法」の一例である。
【0098】
一例として
図14に示す光源制御処理では、先ず、ステップST10で、取得部62Aは、エフェクトモードが指定されたか否かを判定する。ステップST10において、エフェクトモードが指定された場合、判定は肯定され、光源制御処理は、ステップST12へ移行する。ステップST10において、エフェクトモードが指定されていない場合、判定は否定され、光源制御処理は、ステップST22へ移行する。
【0099】
ステップST12で、取得部62Aは、受付装置30を介して入力されたエフェクトモードを特定可能なエフェクト特定情報72を取得する。ステップST12の処理が実行された後、光源制御処理は、ステップST14へ移行する。
【0100】
ステップST14で、光源制御部62Bは、ストレージ66から設定テーブル66Bを取得する。ステップST14の処理が実行された後、光源制御処理は、ステップST16へ移行する。
【0101】
ステップST16で、光源制御部62Bは、ステップST14で取得した設定テーブル66Bを用いて、エフェクト特定情報72により示されるエフェクトモードに応じた光源46のパラメータの設定を実行する。ステップST16の処理が実行された後、光源制御処理は、ステップST18へ移行する。
【0102】
ステップST18で、光源制御部62Bは、ユーザからの撮像指示信号を受け付けたか否かを判定する。ステップST18において、ユーザからの撮像指示信号が受け付けられた場合、判定は肯定され、光源制御処理は、ステップST20へ移行する。ステップST18において、ユーザからの撮像指示信号が受け付けられていない場合は、判定が否定され、光源制御処理は、再度ステップST18へ移行する。
【0103】
ステップST20で、光源制御部62Bは、光源46に対してエフェクト光Leを照射させる。ステップST20の処理が実行された後、光源制御処理は、ステップST22へ移行する。
【0104】
ステップST22で、光源制御部62Bは、光源制御処理が終了する条件(以下、「終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。終了条件の一例としては、光源制御処理を終了させる指示が受付装置30によって受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST22において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、光源制御処理はステップST10へ移行する。ステップST22において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、光源制御処理が終了する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に係るカメラ10では、筐体本体12の内部に被写体像を記録するフィルム34が装填される。フィルム34には、被写体光Loが感光面34Aに露光される。そして、筐体本体12の内部には、エフェクト光Leを感光面34Aに対して照射可能な光源46が設けられている。エフェクト光Leを被写体光Loと重ねて感光面34Aに露光させることにより、被写体像に色調効果が付与される。被写体を撮像する場合に、色調効果を付与するエフェクト光Leを、被写体光Loと重ねてフィルム34に照射することで、被写体像に色調効果を付与することができる。
【0106】
例えば、外付けのフィルタをカメラに取り付けて、被写体像に色調効果を付与する構成では、外付けフィルタ等の別部品を色調効果毎に用意する必要があり、また、色調効果を変更する場合でも、その都度フィルタを取り換える作業が必要となる。本構成では、筐体本体12に内蔵された光源46によってエフェクト光Leが感光面34Aに照射されることで、簡便に被写体像に色調効果を付与することができる。
【0107】
また、本実施形態に係るカメラ10では、光源46は、被写体光Loが通過する露光開口38Aの周囲に設けられている。光源46が露光開口38Aの周囲に設けられていることで、感光面34Aの中心Cに光源46を近付けることができる。これにより、感光面34Aに対するエフェクト光Leの光量分布の偏りが低減される。
【0108】
また、本実施形態に係るカメラ10では、フレーム部材38には、被写体光Loが通過する露光開口38Aが設けられている。そして、複数の光源46は、フレーム部材38において、露光開口38Aの周囲に設けられている。複数の光源46がフレーム部材38の露光開口38Aの周囲に設けられていることで、光源46からフィルム34までの距離が均一化され、かつ感光面34Aの中心Cに光源46を近付けることができる。これにより、感光面34Aに対するエフェクト光Leの光量分布の偏りが低減される。
【0109】
また、本実施形態に係るカメラ10では、エフェクト光Leを拡散させる拡散部材40が設けられている。エフェクト光Leが、拡散部材40を介して感光面34Aに照射される。これにより、エフェクト光Leが拡散されるので、フィルム34の感光面34Aに対するエフェクト光Leの光量分布の偏りが低減される。
【0110】
また、本実施形態に係るカメラ10では、拡散部材40Aは、一対の拡散部42Aと、拡散部42A同士を連結する連結部43Aとを備えている。一対の拡散部42Aの各々は、光源46の内の第1LED光源46A及び第2LED光源46Bに対向する。また、拡散部材40Aは、拡散部42Aと連結部43Aとが一体成形された部材である。これにより、光源46を覆う拡散部材40Aを一体化することで、部品点数を減らすことができる。
【0111】
また、本実施形態に係るカメラ10では、拡散部材40Aには、連結部43Aから感光面34Aに向かって漏出するエフェクト光Leを遮光する遮光部材44が取り付けられている。これにより、余計なエフェクト光Leの漏出が抑制され、感光面34Aにおける光量分布の均一化への寄与が実現される。
【0112】
また、本実施形態に係るカメラ10では、複数の光源46は、装填された状態のフィルム34を平面視した場合に、感光面34Aの中心に対して対称な位置に配置されている。これにより、例えば、光源46がフィルム34の感光面34Aの中心Cに対して一の側に偏在している場合と比較して、フィルム34の感光面34Aに対するエフェクト光Leの光量分布の偏りが低減される。
【0113】
エフェクト光Leの光量分布に偏りが生じていると、色調効果の種類によってはエフェクト光Leによる露光に偏りが生じてしまい、ユーザの意図する色調効果が得られない場合がある。また、エフェクト光Leの光量分布に偏りがあると、エフェクト光Leの露光によって、感光面34Aの感度の上限に達してしまい、被写体像の記録がなされないことがある。本実施形態に係るカメラ10では、上記のように構成したので、フィルム34の感光面34Aに対するエフェクト光Leの光量分布の偏りが低減される。
【0114】
また、本実施形態に係るカメラ10では、光源46は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の色調効果を得るための複数種類のエフェクト光Leを発光可能とされている。また、カメラ10は、色調効果の種類の指定を受け付ける受付装置30を備えている。そして、制御装置60のプロセッサ62において、取得部62Aは、受付装置30を介して受け付けられた色調効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報72を取得する。光源制御部62Bは、エフェクト特定情報72により示される色調効果の種類に応じて光源46のパラメータを設定する制御を実行する。これにより、ユーザの指定した色調効果に応じた光源46の発光が実現される。
【0115】
また、本実施形態に係るカメラ10では、光源46は、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光素子47で構成され、発光素子47が発光する光の光量比が調整されることにより、複数種類のエフェクト光Leを発光可能である。これにより、光源46が単色の発光素子から構成される場合と比較して、エフェクト光Leの種類が増えるので、様々な種類の色調効果を被写体像へ付与することが実現される。
【0116】
また、本実施形態に係るカメラ10では、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光素子47は、周期的に入力される駆動パルスに応じてパルス発光するものであり、パラメータは、発光素子の駆動パルスのデューティ比、及び駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間のうちの少なくとも1つを含む。これにより、様々な種類の色調効果を被写体像へ付与することが実現される。例えば、発光素子47の発光時間及び発光色が常に一定である場合と比較して、エフェクト光Leの種類が増えるので、様々な種類の色調効果を被写体像へ付与することが実現される。
【0117】
また、本実施形態に係るカメラ10では、光源46を構成するR(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光素子47は、LEDである。これにより、LEDの駆動パルスのデューティ比、及び駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間の調整によって発光色が調整されるので、LEDにおける発光色の調整が容易になる。例えば、位相制御によって調色を行う場合と比較して、LEDにおける発光色の調整が容易になる。
【0118】
また、本実施形態に係るカメラ10では、フィルム34には、感光面34Aに記録した潜像を現像するための現像液34Bが封入されている。そして、フィルム34がカメラ10から排出される場合に、露光済みの感光面34Aに対して、現像液34Bが展開される。このように、感光面34Aに現像液34Bを展開可能なインスタントフィルムに対して、エフェクト光Leによる色調効果が付与されるので、撮影したその場で色調効果が付与された被写体像を楽しむことができる。
【0119】
また、本実施形態に係るカメラ10では、視覚的効果として色調効果が被写体像に付与される。これにより、ユーザは、色調効果が付与された被写体像を視認することで、被写体像に対する視覚的な演出効果(ここでは、色調の変化)を楽しむことができる。
【0120】
なお、上記第1実施形態では、フレーム部材38を介して光源46が鏡胴14の内部に設けられる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、鏡胴14の内部に光源46が直接取り付けられる態様であってもよい。この場合において、光源46は、筐体本体12に設けられた露光開口の周囲に設けられる。
【0121】
また、上記第1実施形態では、拡散部材40がフレーム部材38に取り付けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、拡散部材40が光源46と一体化され、拡散部材40が直接鏡胴14の内部に設けられる態様であってもよい。
【0122】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、鏡胴14内に設けられたフレーム部材38に光源46が設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第2実施形態では、光源46は、筐体本体12の内部に固定されている。
【0123】
一例として
図15に示すように、筐体本体12には、光源46が固定されている。なお、ここで、固定とは、カメラ10の使用時に筐体本体12の内部で予め定められた位置に取り付けられている態様を指し、光源46が完全に固定されている態様だけでなく、交換等で光源46が着脱可能である態様も含む。光源46は、筐体本体12の内部に装填された状態のフィルム34を平面視した場合(すなわち、
図15に示すX方向から見た場合)に、フィルム34の感光面34Aに対して、感光面34Aの外周縁34Cに対向する位置に配置されている。
図15に示す例では、フィルム34の感光面34Aの外周縁34Cのうちの四隅に対向する位置に第1LED光源46A~第4LED光源46Dがそれぞれ配置されている。
【0124】
ここで、感光面34Aの外周縁34Cに対向する位置とは、感光面34Aの外周縁34Cを含む予め定められた範囲(例えば、外周縁を基準として内側に10mm以内、かつ外側に10mm以内)に対向する位置であって、感光面34Aの外周縁に対して光源46からのエフェクト光Leが到達可能な位置を指す。
【0125】
また、感光面34Aの四隅に対向する位置とは、感光面34Aの四隅を含む予め定められた範囲(例えば、四隅の点を中心としてから半径10mm以内)に対向する位置であって、感光面34Aの四隅に対して光源46からのエフェクト光Leが到達可能な位置を指す。第1LED光源46A及び第2LED光源46Bには、拡散部42Aが対向している。また、第3LED光源46C及び第4LED光源46Dには、拡散部42Bが対向している。拡散部42A及び42Bは、筐体本体12に取り付けられている。
【0126】
以上説明したように、本第2実施形態に係るカメラ10では、光源46は、筐体本体12に固定されている。これにより、例えば、鏡胴14内に光源46が設けられている場合と比較して、鏡胴14の伸縮に起因した光源46と感光面34Aとの距離の変化が生じにくくなる。この結果、エフェクト光Leの照射距離の変化による色調効果の変化が抑制される。
【0127】
また、本第2実施形態に係るカメラ10では、光源46は、フィルム34の感光面34Aの外周縁34Cに対向する位置に設けられている。これにより、感光面34Aの外周縁に色調効果を与えることが実現される。
【0128】
また、本第2実施形態に係るカメラ10では、光源46は、フィルム34の感光面34Aの四隅に対向する位置に設けられている。これにより、感光面34Aの四隅に色調効果を与えることが実現される。
【0129】
なお、上記第2実施形態において、光源46が四隅に対向する位置に設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。光源46は、感光面34Aの四隅のうちの少なくとも一つに対向する位置に設けられていればよく、光源46の数及び配置は、色調効果の種類、又は感光面34Aにおける光量分布に応じて適宜設定され得る。
【0130】
(第1変形例)
上記第2実施形態において、光源46が、感光面34A全ての四隅に対向する位置設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第1変形例では、感光面34Aの四隅のうちの一つに対向する位置にのみ光源46が設けられている。
【0131】
一例として
図16に示すように、光源46Aが、フィルム34を平面視した場合の感光面34Aの右上隅に対向する位置にのみ設けられている。このように、光源46が、筐体本体12内に一つ設けられている。これにより、感光面34Aの四隅のうちの一つにのみ色調効果を与えることが実現される。また、光源46が一つのみなので、色調効果を付与するために必要な電力消費を抑えることができる。
【0132】
なお、本第1変形例では、右上隅に光源46が設けられている形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。光源46が、感光面34Aの外周縁34Cにおける他の位置に対向する位置に設けられてもよいことはもちろんである。
【0133】
(第2変形例)
上記第2実施形態において、光源46が、感光面34Aの四隅に対向する位置に設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第2変形例では、複数の光源46が、感光面34Aの四辺の各辺における中間位置と対向する位置に設けられている。ここで中間位置とは、四辺の各辺において、四隅に対応する端点以外の位置を意味する。中間位置は、各辺の中央でもよいし、中央から一方の端点側にオフセットされた位置でもよい。
【0134】
一例として
図17に示すように、フィルム34の感光面34Aの四辺の各辺における中間位置と対向する位置に第1LED光源46A~第4LED光源46Dがそれぞれ配置されている。
図17に示す例では、より具体的には、第1LED光源46A~第4LED光源46Dは、各辺において中央から一方の端点側にオフセットされた位置に配置されている。このように、本第2変形例では、光源46が感光面34Aの四辺の各辺の中間位置に対向する位置に設けられていることで、感光面34Aの四辺に色調効果を与えることが実現される。
【0135】
なお、上記第2変形例において、光源46が四辺の各辺における中間位置と対向する位置に設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。光源46は、感光面34Aの四辺にうちの少なくとも一つの辺の中間位置と対向する位置に設けられていればよく、光源46の数及び配置は、色調効果の種類、又は感光面34Aにおける光量分布に応じて適宜設定され得る。
【0136】
(第3変形例)
上記第2実施形態において、光源46が、感光面34Aの四隅に対向する位置に設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第3変形例では、複数の光源46が、中心Cに対して同心円状に配置されている。
【0137】
一例として
図18に示すように、フィルム34の感光面34Aの中心Cに対して同心円状に第1LED光源46A~第4LED光源46Dがそれぞれ配置されている。具体的には、中心Cを有する円Dの円周上に第1LED光源46A~第4LED光源46Dが配置されている。なお、円Dの大きさ(例えば、半径)及び円周上の光源46の位置並びに数は、色調効果の種類、又は感光面34Aにおける光量分布に応じて適宜設定され得る。このように、本第3変形例では、光源46が感光面34Aの中心Cに対して同心円状に配置されていることで、感光面34Aに対して同心円状に色調効果を与えることが実現される。
【0138】
なお、ここでは、一つの円Dの円周上に第1LED光源46A~第4LED光源46Dが配置されている形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。複数の円の円周上に光源46が配置されていてもよい。
【0139】
(第4変形例)
上記第2実施形態において、複数の光源46が、光軸に沿った方向において、感光面34Aから等しい距離に配置されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第4変形例では、感光面34Aに対して複数の光源46が異なる距離に配置されている。
【0140】
一例として
図19に示すように、光軸に沿った方向(
図19に示すX方向)において、複数の光源46が、感光面34Aからの距離が異なる位置に配置されている。具体的には、第2LED光源46B及び第4LED光源46Dが同じ平面E上に配置されている。平面Eは、感光面34Aに対して平行な仮想的な平面である。平面Eは、感光面34Aからの距離L1に設定されている。そして、第1LED光源46A及び第3LED光源46Cが、光軸に沿った方向において、平面Eとは感光面34Aからの距離が異なる位置に配置されている。具体的には、第1LED光源46Aは、平面Eよりも感光面34Aからの距離L2が長い位置に配置されている。また、第3LED光源46Cが、平面Eよりも感光面34Aからの距離L3が短い位置に配置されている。
【0141】
すなわち、第1LED光源46Aは、感光面34Aを平面視した場合において、他の光源46よりも奥まった位置に配置されている。また、第3LED光源46Cは、他の光源46よりも手前側に配置されている。また、第2LED光源46B及び第4LED光源46Dが、第1LED光源46Aと第3LED光源46Cとの間に配置されている。
【0142】
以上説明したように、本第4変形例では、光軸に沿った方向において、複数の光源46が感光面34Aに対して異なる距離に配置されている。これにより、複数の光源46から照射されるエフェクト光Leの照射範囲及び露光量が変わるので、感光面34Aにおける色調効果を変えることができる。
【0143】
なお、上記第4変形例において示した、複数の光源46の配置は、あくまでも一例に過ぎない。複数の光源46のうちの少なくとも何れか一つが、他の光源46とは異なる平面に存在していれば本開示の技術は成立する。また、複数の光源46が、互いに異なる平面上に配置されてもよい。また、複数の光源46の感光面34Aからの距離、位置及び数は、色調効果の種類、又は感光面34Aにおける光量分布に応じて適宜設定され得る。
【0144】
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、光源制御部62Bによって、ユーザの指定したエフェクトモードに応じて、光源46に対するパラメータの設定が実行される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第3実施形態では、パラメータの制御と共に、エフェクト光Leの光量に応じて被写体光Loの光量を調整する露出制御が実行される。
【0145】
一例として
図20に示すように、受付装置30は、ユーザからの色調効果の種類の指定(例えば、エフェクトモードの指定)を受け付ける。また、受付装置30は、ユーザからの感光面34Aの露出量に関する指定(例えば、明るさモードの指定)を受け付ける。受付装置30は、エフェクト特定情報72及び明るさ特定情報76をプロセッサ62に対して出力する。ここで、明るさ特定情報76は、感光面34Aの露出量を特定可能な情報である。
【0146】
なお、ここでは、カメラ10において、明るさの種類は、明るさモードとして予め設定されている例を挙げて説明しているが、これはあくまでも一例にすぎない。明るさの調整は、ユーザによって調整(例えば、露出量が直接入力)されてもよい。
【0147】
また、ここでは、色調効果の種類の指定と感光面34Aの露出量の指定が、いずれも受付装置30によって受け付けられる形態例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎない。色調効果の種類の指定と感光面34Aの露出量の指定とが別々の受付装置によって行われてもよい。
【0148】
プロセッサ62において、取得部62Aは、受付装置30からエフェクト特定情報72及び明るさ特定情報76を取得する。光源制御部62Bは、エフェクト特定情報72により示される色調効果の種類に応じて、光源46のパラメータを設定する制御を実行する(
図11参照)。具体的には、光源制御部62Bは、ストレージ66から設定テーブル66Bを取得し、取得した設定テーブル66Bを用いて、光源46の発光素子47に対してエフェクトモードに応じたパラメータを設定する。
【0149】
また、光源制御部62Bは、感光面34Aの露出量に関するユーザによる指定を受け付けた場合に、エフェクト光Leの光量に応じて感光面34Aに到達する被写体光Loの光量を調整する露出制御を実行する。具体的には、光源制御部62Bは、ストレージ66から光量導出式66Cを取得する。光量導出式66Cは、ユーザにより指定された露出量に応じた光量LV_Xからエフェクト光Leの光量LV_ledを差し引いた値を被写体光の光量LV_modeとする演算式であり、次式(1)で表される。
LV_mode=LV_X-LV_led ・・・(1)
【0150】
ここで、LV_Xは、ユーザによって指定された露出量であり、例えば、適正露出に対して、ユーザが加えた露出補正量を加味した露出量である。また、露出補正量がゼロであれば、LV_Xは、適正露出量となる。例えば、ユーザによって指定された露出量LV_Xは、適正露出量をLVとした場合に、露出補正量に応じて、例えば、暗い側から、1/2LV、2/3LV、LV、4/3LV、3/2LVの順で明るさモードを段階的に設定することができる。なお、これはあくまでも一例にすぎず、明るさモード毎の光量の設定が適宜なされることはもちろんである。
【0151】
光源制御部62Bは、明るさ特定情報76により示される露出量に応じた光量LV_Xを求める。例えば、光源制御部62Bは、露出量を光量LV_Xとして求める。また、光源制御部62Bは、光源46のパラメータの設定結果に応じて、エフェクト光Leの光量LV_ledを求める。そして、光源制御部62Bは、光量導出式66Cを用いて、被写体光Loの光量LV_modeを導出する。
【0152】
なお、ここでは、光量導出式66Cを用いて光量LV_modeの導出が行われる形態例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎない。光量導出式66Cに代えて、光量導出テーブル(図示省略)が用いられてもよい、光量導出テーブルは、ユーザに指定された露出量に応じた光量LV_X及びエフェクト光Leの光量LV_ledを入力情報とし、被写体光Loの光量LV_modeを出力情報とするテーブルである。
【0153】
光源制御部62Bは、導出した被写体光Loの光量LV_modeとするためにシャッタ61及び/又はストロボ22を制御する。例えば、光源制御部62Bは、シャッタ61においてシャッタスピードの設定を行う。また、例えば、光源制御部62Bは、ストロボ22における発光時間の設定を行う。このように、光源制御部62Bは、ユーザにより指定された露出量に応じた光量LV_Xからエフェクト光Leの光量LV_ledを差し引いた値を、光量LV_modeとする調整を実行する。つまり、このような調整を実行することにより、光源46のエフェクト光Leを考慮した露出制御を行うことができる。ここでは、図示していないが光学系58が絞りを有する場合には、光源制御部62Bは、絞り量の設定を通じて露出制御を行ってもよい。
【0154】
一例として
図21に示すように、光源制御部62Bは、レリーズボタン18が押下された場合に出力される撮像指示信号を受け付けたか否かを判定する。判定が肯定された場合、光源制御部62Bの制御下で、光源46からエフェクト光Leがフィルム34の感光面34Aに向かって照射される。また、光源制御部62Bの制御下でシャッタ61及びストロボ22が動作することにより、被写体光Loは、光量LV_modeに調整されている。具体的には、光量LV_modeは、ユーザにより指定された露出量に応じた光量LV_Xからエフェクト光Leの光量LV_ledを差し引いた値に設定されている。この結果、エフェクト光Leが感光面34Aに対して露光される場合であっても、感光面34Aには、ユーザが指定した明るさでの露出が実現される。
【0155】
以上説明したように、本第3実施形態に係るカメラ10では、プロセッサ62において、光源制御部62Bは、感光面34Aの露出量に関するユーザによる指定を受け付けた場合に、光源46から発光されるエフェクト光Leの光量に応じて、感光面34Aに到達する被写体光Loの光量を調整する露出制御を実行する。これにより、エフェクト光Leによる光量LV_ledに応じて被写体光Loの光量LV_modeが調整される。この結果、ユーザが指定した露出量での撮像が実現される。
【0156】
例えば、エフェクト光Leが照射される場合に、被写体光Loの光量LV_modeの調整が何ら行われない場合、感光面34Aにはエフェクト光Leと被写体光Loが重ねて露光されるので、ユーザが意図しない明るさ(例えば、想定した明るさよりもエフェクト光Leの分、明るい状態)で露光が行われてしまう。本構成では、エフェクト光Leによる光量LV_ledに応じて被写体光Loの光量LV_modeが調整される。これにより、ユーザが指定した露出量での撮像が実現される。
【0157】
また、本第3実施形態に係るカメラ10では、露出制御は、ユーザの指定した露出量に応じた光量LV_Xからエフェクト光Leの光量LV_ledを差し引いた光量を被写体光Loの光量LV_modeとする調整を実行する制御である。光量LV_Xからエフェクト光Leの光量LV_ledの分、差し引いた光量が被写体光Loの光量LV_modeとなる調整が実行されるので、ユーザが指定した露出量での撮像が実現される。
【0158】
なお、上記各実施形態では、光源46の光量比が、光源46を構成する発光素子47の駆動パルスのデューティ比、及び駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間によって調整される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。光源46が連続発光しており、連続発光の点灯時間が調整されることで、光源46の光量比が調整されてもよい。
【0159】
また、上記各実施形態では、光源46がすべて発光する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。エフェクトモードに応じて、光源46の内の一部のみが発光する態様であってもよい。また、エフェクトモードに応じて、光源46の内からランダムに選択された光源46が発光する態様であってもよい。また、光源46の光量は全て同じである必要はなく、エフェクトモードに応じて、複数の光源46の各々の光量が変更される態様であってもよい。
【0160】
また、上記各実施形態では、エフェクト光Leが被写体光Loとともに露光される形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、エフェクト光Leは、被写体光Loが露光された後、予め定められた時間の経過後(例えば、1秒後)に露光されてもよい。
【0161】
また、上記各実施形態では、レリーズボタン18が押下された場合に、光源46からエフェクト光Leが照射される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。光源制御部62Bは、エフェクト光Leの照射に関する予め定められた条件(例えば、エフェクト光Leの意図しない照射を抑制するための条件)を満たした場合に、光源46に対してエフェクト光Leの照射を許可する制御を実行する。具体的には、光源制御部62Bは、レリーズボタン18が押された後、レリーズボタン18から指Fが離れたことを検出した場合に、エフェクト光Leの照射を許可する態様であってもよい。これにより、誤って複数回、レリーズボタン18が押下された場合(例えば、レリーズボタン18が元の位置に戻りきる前に再度押下した場合)であっても、その都度、エフェクト光Leが照射されてしまうことが抑制される。
【0162】
また、その他の例として、エフェクト光Leが照射された後、予め定められた時間(例えば、10秒)経過した場合に、光源制御部62Bは、光源46に対してエフェクト光Leが照射を許可する態様であってもよい。これにより、誤って複数回、レリーズボタン18が押下された場合(例えば、1秒間隔で何度もレリーズボタン18が押下された場合)であっても、その都度、エフェクト光Leが照射されてしまうことが抑制される。
【0163】
また、上記各実施形態では、光源46がエフェクト光Leの照射時に発光する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、光源46は、カバー26が開かれた場合に、点灯、又は点滅可能に構成されてもよい。これにより、ユーザは、カバー26が開状態であることを視認できる。さらに、筐体11の内部の故障を確認する場合に、光源46が点灯することで、内部の明るさが確保され、故障個所の確認が容易になる。
【0164】
また、第1LED光源46A~第4LED光源46Dが順に点滅する形態であってもよい。これにより、カートリッジ36を交換する際に、ユーザが順次点滅する第1LED光源46A~第4LED光源46Dを視認することで、カメラ10を使用する場合の面白さ等のユーザ体験を向上させることが実現される。
【0165】
また、第1LED光源46A~第4LED光源46Dの取り付け角度も特に限定されず、エフェクト光Leを感光面34Aに対して照射可能であればよい。例えば、第1LED光源46A~第4LED光源46Dから照射されるエフェクト光Leの光束の中心軸が、感光面34Aの法線方向に対して傾斜している態様であってもよい。
【0166】
また、上記各実施形態では、拡散部材40が、一対の拡散部42Aと連結部43Aとが一体成形されることで形成される形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。拡散部材40Aは、4つの光源46に応じて4つの拡散部を有し、これらが一体の部品として形成されていてもよい。
【0167】
また、上記各実施形態では、連結部43Aから漏出するエフェクト光Leを遮光する遮光部材44Aが設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、連結部43A自体が、遮光性を備える材料から形成されていてもよい。
【0168】
また、上記各実施形態では、拡散部材40が設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。カメラ10は、拡散部材40を有さず、エフェクト光Leが直接、感光面34Aに照射される態様であってもよい。
【0169】
また、上記各実施形態では、受付装置30として複数のボタンが設けられている形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、受付装置30として、複数のボタンと共に、又は複数のボタンに代えて、操作ダイヤルが設けられてもよい。操作ダイヤルが回転操作されることで、エフェクトモード及び/又は明るさモードが切替えられる態様であってもよい。
【0170】
また、上記各実施形態では、カメラ10がインスタントカメラである形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。カメラ10は、インスタントカメラ以外のフィルムカメラであってもよい。
【0171】
また、上記各実施形態では、フィルム34を平面視した場合に、フィルム34が、Z方向に沿って延びる長辺を有する長方形である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として
図22に示すように、フィルム34を平面視した場合に、フィルム34は、正方形であってもよい。
【0172】
また、上記各実施形態では、カメラ10がフィルムカメラである形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として
図23に示すように、カメラ10Aは、デジタルカメラである。カメラ10Aは、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例である。この場合において、カメラ10Aは、フィルム34に代えて撮像素子80を備えている。撮像素子80は、本開示の技術に係る「撮像素子」の一例である。撮像素子80は、筐体本体12の内部に配置されている。撮像素子80は、例えば、制御装置60の制御下で動作し、光学系58から出射した被写体光Loを受光する。すなわち、撮像素子80は、被写体像を捕獲する。撮像素子80は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。撮像素子80は、制御装置60指示の下、被写体を撮像する。撮像素子25は、被写体像を示すデジタルの撮像信号であるデジタル画像を生成する。撮像素子25は、生成したデジタル画像を、制御装置60に対して出力する。
【0173】
なお、ここでは、撮像素子80の一例としてCMOSイメージセンサを挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されず、撮像素子25としてCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを適用してもよい。
【0174】
また、撮像素子80の受光面80Aに対向する位置には、光源46が配置されている。撮像素子80は、被写体光Loと併せて、光源46から照射されたエフェクト光Leも受光する。これにより、被写体像を示すデジタル画像には、エフェクト光Leによる色調効果が付与される。
【0175】
また、上記各実施形態では、カメラ10が携帯型の撮像装置である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本開示の技術は、据え置き型の撮像装置(例えば、顔写真撮影用の撮像装置、又はアミューズメント施設での体験の様子を撮影するための撮像装置)にも適用可能である。
【0176】
また、上記各実施形態では、ストレージ66に制御プログラム66Aが記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御プログラム66AがSSD又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶媒体(図示省略)に記憶されていてもよい。記憶媒体は、可搬型のコンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。記憶媒体に記憶されている制御プログラム66Aは、カメラ10にインストールされる。プロセッサ62は、制御プログラム66Aに従って光源制御処理を実行する。
【0177】
また、ネットワークを介してカメラ10に接続される他のコンピュータ又はサーバ等の記憶装置に制御プログラム66Aを記憶させておき、カメラ10の要求に応じて制御プログラム66Aがダウンロードされ、カメラ10にインストールされるようにしてもよい。つまり、本実施形態で説明したプログラム(すなわち、プログラム製品)は、記録媒体で提供するほか、外部のコンピュータから配信する形態であっても良い。
【0178】
また、上記各実施形態では、カメラ10のプロセッサ62、ストレージ66、及びRAM64がコンピュータとして例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及び/又はPLD(Programmable Logic Device)を含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータに代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0179】
上記各実施形態で説明した光源制御処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電子回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで処理を実行する。
【0180】
光源制御処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、光源制御処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0181】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、光源制御処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、光源制御処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、光源制御処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0182】
これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電子回路を用いることができる。また、上記の処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0183】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0184】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0185】
上記実施形態に関し、さらに以下を開示する。
<付記1>
被写体光を感光面に露光させることで被写体像を記録するフィルムが装填される筐体と、
上記筐体内に設けられた光源であって、上記被写体光と重ねて上記感光面に露光させることにより、上記被写体像に視覚的効果を付与するエフェクト光を上記感光面に対して照射可能な光源と、を備える
撮像装置。
<付記2>
上記光源は、上記筐体内で上記被写体光が通過する露光開口の周囲に設けられている
付記1に記載の撮像装置。
<付記3>
上記筐体は、上記露光開口が設けられたフレーム部材を備え、
上記光源は、上記フレーム部材に設けられている
付記2に記載の撮像装置。
<付記4>
上記筐体は、上記フィルムが装填される筐体本体と、上記露光開口とを有し、
上記光源は、上記筐体本体において上記露光開口の周囲に配置されている
付記2に記載の撮像装置。
<付記5>
上記筐体は、上記フィルムが装填される筐体本体を有し、
上記光源は、上記筐体本体に固定されている
付記1に記載の撮像装置。
<付記6>
上記エフェクト光を拡散させる拡散部材を有し、上記拡散部材によって拡散された上記エフェクト光が上記感光面に照射される
付記1から付記5の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記7>
上記光源は、複数設けられ、
上記拡散部材は、複数の上記光源の内の少なくとも2つの光源の各々に対向して配置される少なくとも2つの拡散部と、上記拡散部同士を連結する連結部とが接続された部材である
付記6に記載の撮像装置。
<付記8>
上記拡散部材は、さらに、上記拡散部から上記連結部に伝播することにより上記連結部から上記感光面に向かって漏出するエフェクト光を遮光する遮光部材をさらに備える
付記7に記載の撮像装置。
<付記9>
上記光源は、複数設けられ、
複数の上記光源は、装填された状態の上記フィルムを平面視した場合に、上記フィルムの上記感光面の中心に対して対称な位置に配置されている
付記1から付記8の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記10>
上記光源は、上記フィルムの上記感光面の外周縁に対向する位置に設けられている
付記1から付記9の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記11>
上記光源は、上記フィルムの上記感光面の四隅のうちの少なくとも一つに対向する位置に設けられている
付記10に記載の撮像装置。
<付記12>
上記光源は、上記フィルムの上記感光面の四辺のうちの少なくとも一つの辺の中間位置と対向する位置に設けられている
付記10に記載の撮像装置。
<付記13>
上記光源は、装填された状態の上記フィルムを平面視した場合に、上記フィルムの上記感光面の中心に対して同心円状に配置されている
付記1から付記12の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記14>
上記光源は、上記筐体内に一つ設けられている
付記1から付記6の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記15>
上記光源は、パラメータの設定に応じて、異なる種類の上記視覚的効果を得るための複数種類のエフェクト光を発光可能であり、
上記視覚的効果の種類の指定を受け付ける受付部と、
プロセッサと、をさらに備え、
上記プロセッサは、
上記受付部を介して受け付けられた上記視覚的効果の種類を特定可能なエフェクト特定情報を取得し、
上記エフェクト特定情報により示される上記視覚的効果の種類に応じて上記パラメータを設定する制御を実行する
付記1から付記14の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記16>
上記光源は、異なる色の光を発する複数色の発光素子で構成され、各色の上記発光素子が発光する光の光量比が調整されることにより、複数種類の上記エフェクト光を発光可能である
付記15に記載の撮像装置。
<付記17>
各色の上記発光素子は、周期的に入力される駆動パルスに応じてパルス発光するものであり、
上記パラメータは、上記発光素子の上記駆動パルスのデューティ比、及び上記駆動パルスの繰り返し数によって決まる発光時間のうちの少なくとも1つを含む
付記16に記載の撮像装置。
<付記18>
上記発光素子は、LEDである
付記16又は付記17に記載の撮像装置。
<付記19>
上記プロセッサは、上記感光面の露出量に関するユーザによる指定を受け付けた場合に、上記光源から発光される上記エフェクト光の光量に応じて、上記感光面に到達する上記被写体光の光量を調整する露出制御を実行する
付記15から付記18の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記20>
上記露出制御は、上記露出量に関する上記ユーザの指定に応じた光量から上記エフェクト光の光量を差し引いた光量を上記被写体光の光量とする調整を実行する制御である
付記19に記載の撮像装置。
<付記21>
上記フィルムは、上記感光面に記録した潜像を現像する現像液が封入され、露光済みの上記感光面に上記現像液を展開可能なインスタントフィルムである
付記1から付記20の何れか一つに記載の撮像装置。
<付記22>
上記視覚的効果には、フィルムの発色に変化を加える効果である色調効果が含まれる
付記1から付記21の何れか一つに記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0186】
10,10A カメラ
11 筐体
12 筐体本体
12A 前面
12B 上面
12C 後面
14 鏡胴
16 対物レンズ
18 レリーズボタン
20 開口窓
22 ストロボ
24 排出口
26 カバー
26A ヒンジ
28 ファインダ
30 受付装置
32 表示装置
34 フィルム
34A 感光面
34B 現像液
34C 外周縁
36 カートリッジ
38 フレーム部材
38A 露光開口
38B 凹部
40,40A,40B 拡散部材
42A,42B 拡散部
43A,43B 連結部
44,44A,44B 遮光部材
44A1 溝部
46 光源
46A 第1LED光源
46B 第2LED光源
46C 第3LED光源
46D 第4LED光源
47 発光素子
47A R(赤)発光素子
47B G(緑)発光素子
47C B(青)発光素子
48 基板
48A 配線部
50 余長処理構造
52 第1部位
54 第2部位
56 第3部位
57 ドライバ
58 光学系
58A 撮影レンズ
60 制御装置
61 シャッタ
62 プロセッサ
62A 取得部
62B 光源制御部
64 RAM
66 ストレージ
66A 制御プログラム
66B 設定テーブル
66C 光量導出式
68 外部I/F
70 バス
72 エフェクト特定情報
74 排出用ロール
76 明るさ特定情報
80 撮像素子
80A 受光面
C 中心
F 指
L 光軸
Le エフェクト光
Lo 被写体光