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特開2024-162536基地局装置、通信装置、制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162536
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】基地局装置、通信装置、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/18 20180101AFI20241114BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 48/02 20090101ALI20241114BHJP
【FI】
H04W76/18
H04W16/26
H04W48/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078127
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 瑞穂
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
【課題】モバイルIABを含みうるIABネットワーク環境でマルチホップ構成を制限する仕組みを提供する。
【解決手段】通信サービスの提供に関連する基地局装置であって、一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する取得手段と、少なくとも、一のIABノードがモバイルIABノードであり、かつ、外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする、基地局装置が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービスの提供に関連する基地局装置であって、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する取得手段と、
少なくとも、前記一のIABノードがモバイルIABノードであり、前記外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う処理手段と、
を備えることを特徴とする、基地局装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記外部装置がUE(User Equipment)である場合、前記接続要求を受け入れることを特徴とする、請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記接続要求は、前記外部装置がIABノードであるか否かの種別情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記処理手段は、更に、特定の設定が前記基地局装置になされている場合であって、前記外部装置がモバイルIABノードである場合に、前記接続要求を拒否する一方、前記特定の設定が前記基地局装置になされている場合であっても、前記外部装置がUE(User Equipment)又は固定のIABノードである場合、前記接続要求を受け入れることを特徴とする、請求項1に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記接続要求は、前記外部装置がモバイルIABノードであるか否かの識別情報を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記処理手段は、更に、前記外部装置が他のIABノードである場合であって、前記接続要求を受け入れた場合に前記他のIABノードまでのホップ数が閾値を超える場合に、前記接続要求を拒否することを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項7】
移動体に搭載され、又は、移動体の形態であり、IABネットワークを構成可能な通信装置であって、
一のIABノードに対して接続要求を行う要求手段と、
前記接続要求が受け入れられた場合に、前記一のIABノードを介して通信サービスを配下のUE(User Equipment)に提供する処理手段とを備え、
前記要求手段は、モバイルIABノードであることを示す識別情報を前記接続要求に含めることを特徴とする、通信装置。
【請求項8】
通信を制御する制御方法であって、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する取得工程と、
少なくとも、前記一のIABノードがモバイルIABノードであり、前記外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う処理工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する工程と、
少なくとも、前記一のIABノードがモバイルIABノードであり、前記外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う工程と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
通信装置の制御方法であって、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対して、モバイルIABノードであることを示す識別情報を含む接続要求を送信する工程と、
前記接続要求が受け入れられた場合に、前記一のIABノードを介して配下のUE(User Equipment)に無線接続を提供する工程と、
を有することを特徴とする、制御方法。
【請求項11】
通信装置のコンピュータに、
一のIABノードに対して、モバイルIABノードであることを示す識別情報を含む接続要求を送信する工程と、
前記接続要求が受け入れられた場合に、前記一のIABノードを介して配下のUE(User Equipment)に無線接続を提供する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局装置、通信装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)において、バックホール用の通信技術としてIAB(Integrated Access and Backhaul)の規格化が進んでいる。
【0003】
IAB技術は、基地局とユーザ機器(UE:User Equipment)との間のアクセス通信に用いられる28GHz帯等のミリ波無線通信を、バックホール通信として利用する技術である(特許文献1)。
【0004】
IAB技術を用いたバックホール通信網(以降、IABネットワーク)において、IABノードと呼ばれる中継機器は、従来の基地局に相当するIABドナーからの通信を宛先のUEまで中継(基地局リレー)する。IABノードは、UEからの接続を受け入れる基地局相当の機能を有する。
【0005】
3GPPでは次期Release-18において、5Gセルラーカバレッジと接続性の改善に対する需要に対し、Vehicle-Mounted Relayを実現するモバイルIABの仕様策定を予定している。Vehicle-Mounted Relayは、車両に搭載されたIABノードが基地局リレーを行う技術に関する。
【0006】
当該仕様策定の議論においては、従来仕様では満たさないIABノードとUEが互いに移動するモビリティシナリオならではの要件が発生することが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2019-534625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、モバイルIABがマルチホップ構成を許容する場合、モバイルIABノードを含むIABネットワークが形成された状態でモバイルIABノード配下にIABノードが接続されうる。この状態で上位のモバイルIABノードが車両共々移動されるとIABネットワークの維持が困難になりうる。その結果、配下のIABノード及びUEの通信サービスを継続することができなくなりうる。また、他にもIABネットワークの構成によっては、配下にIABノードを接続することが好ましくないケースが想定されうる。この点、現行の規格においてもモバイルIABを含みうるIABネットワーク環境でマルチホップ構成を制限する仕組みは提案されていない。
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも1つを鑑みなされたものである。本発明の1つの側面としては、モバイルIABを含みうるIABネットワーク環境でマルチホップ構成を制限する仕組みの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの側面としての基地局装置は、通信サービスの提供に関連する基地局装置であって、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する取得手段と、
少なくとも、前記一のIABノードがモバイルIABノードであり、前記外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1つの側面によれば、モバイルIABを含みうるIABネットワーク環境でマルチホップ構成を制限する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における移動通信システムの一例を示す図である。
図1A図1の移動通信システムにおける他の状況を示す説明図である。
図2】本実施形態におけるモバイルIABノードのハードウェア機能ブロック図である。
図3A】本実施形態におけるモバイルIABノードのソフトウェア機能ブロック図である。
図3B】本実施形態におけるIABドナーのソフトウェア機能ブロック図である。
図4】実施形態1におけるモバイルIABノード及びIABノードの接続制御処理シーケンス図である。
図5】実施形態1における外部装置からの接続要求に対するIABドナーの処理フローであるである。
図6】実施形態2におけるモバイルIABノード及びIABノードの接続制御処理シーケンス図である。
図6A】実施形態2における外部装置からの接続要求に対するIABドナーの処理フローである。
図7】実施形態3におけるモバイルIABノード及びIABノードの接続制御処理フローである。
図7A】実施形態3における外部装置からの接続要求に対するIABドナーの処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
【0014】
[実施形態1]
図1は本実施形態における移動通信システムの一例を示す図である。
【0015】
図1に示す例では、公衆網通信サービスをセルカバレッジ101、102に対し提供しているネットワークにおいて、CN100への接続を提供するIABドナー103、104が存在する。
【0016】
セルカバレッジ101内においてIABドナー103にはIABノード105~107及びモバイルIABノード108が無線接続しIABネットワークを形成している。図1において、CNはCore Networkの略であり、端末であるUE109~114の認証等の様々な処理を担う。
【0017】
IABドナー103は、各IABノード105~107及びモバイルIABノード108を統括的に制御し、自局のカバーするセルカバレッジ101を形成する。IABドナー104も同様に、自局のカバーするセルカバレッジ102を形成する。
【0018】
IABネットワーク内では、通信パケットとしてBAPデータPDUのフォーマットに従った通信パケット(以降、BAPデータパケット)が使用される。PDUはProtocol Data Unitの略である。
【0019】
例えば、CN100からUE109を宛先とするIPパケットは、IABドナー103において、BAPデータパケットへとカプセル化され、IABノード105に転送される。また、転送されたBAPデータパケットは、IABノード105で再度IPパケットに戻され、宛先UE109へ届けられる。
【0020】
同様に、UE109からのIPパケットについてもIABノード105でBAPデータパケットへとカプセル化される。そして、IABドナー103で再度IPパケットに戻され、CN100へ転送される。なお、IPはInternet Protocolの略である。
【0021】
IABノード105~107は固定された通信ノードであり、IABドナー103に接続している。
【0022】
モバイルIABノード108もIABドナー103に接続している。この場合、IABドナー103、IABノード105~107、モバイルIABノード108でIABネットワークを形成する。
【0023】
モバイルIABノード108は、例えば電車、バス、タクシーといった移動体に設置された通信ノードであってよい。なお、移動体は、路上を移動する物体に限られず、飛行体を含む概念である。モバイルIABノード108は、セルカバレッジ101を超えてセルカバレッジ102に移動した場合に、IABドナー104配下に接続変更を実施する。基地局間の移行はCN100を介して実施される。
【0024】
UE109~112はIABノード105、107に接続している。UE113~114はモバイルIABノード108に接続している。モバイルIABノード108を搭載する移動体は、計画された経路に則ってセルカバレッジ101及びセルカバレッジ102内を移動(走行)してよい。
【0025】
図2は本実施形態におけるモバイルIABノード108のハードウェア機能ブロック図である。
【0026】
モバイルIABノード108は、制御部201、記憶部202、無線通信部203及び、アンテナ制御部204を含む。
【0027】
制御部201は、例えば、CPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部202であるRAMに読みだされた制御プログラムを実行することにより通信装置の全体を制御する。なお、後述するフローチャートで説明する制御部201が行う各処理は、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実現することもできる。なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略語である。また、ハードウェア回路と、CPUやMPU等のプロセッサとを協働することで、後述するフローチャートで説明する処理を実現することもできる。
【0028】
記憶部202は制御部201が制御に使う情報や通信に関わる情報を保存する。例えば、記憶部202は、制御部201が実行する制御プログラムと、接続されるUE情報、IABドナー103との接続強度等の各種情報を記憶する。
【0029】
記憶部202は、主記憶部及び補助記憶部を含んでよい。主記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部は、制御部201が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存してよい。補助記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶してよい。例えば、不揮発性の記憶領域に記憶された制御プログラムはRAM(Random Access Memory)に展開され、制御部201を構成するプロセッサにより実行される。このように、制御部201及び記憶部202は、所謂コンピュータとして機能してよい。
【0030】
記憶部202は、所定のプログラムを格納する記録媒体を含んでもよい。この記録媒体に格納されたプログラムは、ドライブ装置等を介してインストールされ、インストールされた所定のプログラムは、制御部201により実行可能とされてもよい。記録媒体は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体であってよい。また、記録媒体は、ROMや、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。なお、記録媒体には、搬送波は含まれない。
【0031】
無線通信部203は、3GPP規格に準拠するLTE、5G等のセルラー網通信を行う。
【0032】
アンテナ制御部204では、無線通信部203において実行される無線通信に使用するアンテナを制御する。
【0033】
なお、ここでは、モバイルIABノード108を想定したハードウェアの説明を行ったが、IABノード105~107も同様の構成であるものとする。また、IABドナー103、104についても同様の構成であるものとする。
【0034】
図3Aは本実施形態におけるモバイルIABノード108のソフトウェア機能ブロック図である。
【0035】
ソフトウェア機能ブロック301は、記憶部202に格納され、制御部201において実行される。ソフトウェア機能ブロック301は、信号送信部302、信号受信部303、データ記憶部304、接続制御部305、及び信号生成部308を備える。
【0036】
信号送信部302及び信号受信部303は、制御部201を介して無線通信部203を制御し、IABドナー103及び、UE113~114との間で3GPP規格に準拠したLTE、5G等のセルラー網通信を実行する。
【0037】
データ記憶部304は、記憶部202の制御や管理を行い、ソフトウェアそのもの及び、IABドナー103及び104との接続情報や、UE113~114に関する情報等を記憶保持する。IABノード間の情報は報知信号やBAPの各種制御PDUに伴う通信パケット(以下、BAP制御パケット)により収集することができる。
【0038】
接続制御部305は、無線通信時に制御部201を介してアンテナ制御部204を制御する。
【0039】
信号生成部308は接続制御部305にて生成した各種信号を管理し発報する。
【0040】
なお、ここでは、モバイルIABノード108を想定したハードウェアの説明を行ったが、IABノード105~107も同様の構成であるものとする。
【0041】
図3Bは本実施形態におけるIABドナー103のソフトウェア機能ブロック図である。なお、以下の説明において、「対応するIABネットワーク」とは、当該IABドナー103が形成するIABネットワークを意味する。
【0042】
ソフトウェア機能ブロック401は、記憶部202に格納され、制御部201において実行される。ソフトウェア機能ブロック401は、信号送信部402、信号受信部403、データ記憶部404、接続制御部405、及びネットワーク構成情報管理部406を含む。
【0043】
信号送信部402及び信号受信部403は、制御部201を介して無線通信部203を制御する。信号送信部402及び信号受信部403は、接続制御部405で生成した信号やメッセージの送信処理や、配下UEからのメッセージの受信処理を行う。
【0044】
データ記憶部404は、記憶部202の制御や管理を行い、ソフトウェアそのもの及び、IABノード105~108との接続情報や、UE113~114に関する情報等を記憶保持する。各種情報は報知信号、RRCメッセージ、BAPデータパケット等により収集することができる。RRCは、Radio Resource Controlの略であり、BAPは、Backhaul Adaptation Protocolの略である。
【0045】
接続制御部405は、無線通信時に制御部201を介してアンテナ制御部204を制御する。接続制御部405は、ネットワーク構成情報管理部406で管理される情報に基づいて、対応するIABネットワークにおける接続制御を行う。具体的には、接続制御部405は、IABネットワークの構成情報等に基づいて、対応するIABネットワークにおけるIABノード105~107、モバイルIABノード108及びUE113~114間の接続を制御する。
【0046】
ネットワーク構成情報管理部406では、対応するIABネットワークの構成情報を管理する。ネットワーク構成情報管理部406では、IABネットワークの構成情報の一部として、接続要求を行うUE、IABノード、モバイルIABノードの種別情報についても管理してもよい。
【0047】
図4は実施形態1におけるIABノード105とモバイルIABノード108の接続制御処理シーケンス図である。
【0048】
本実施形態ではIABノード105において、移動により近接してきたモバイルIABノード108への接続変更要求を実施する場合を想定する。IABドナー103が、モバイルIABノード108に対し接続要求を試行するIABノード105の識別情報を把握し接続を制御する処理について説明する。
【0049】
S400では、IABノード105は報知信号の送受信を実施する。IABノード105は、S400で受信した報知情報から自局に接近してくるモバイルIABノード108の存在を検知できる。なお、報知信号は、例えばSSB(SS/PBCH Block)を用いてよい。以下のS401、S402等の報知信号も同様である。
【0050】
S401では、モバイルIABノード108は報知信号の送受信を実施する。
【0051】
S402では、IABドナー103は報知信号の送受信を実施する。
【0052】
S403では、自局に接近してくるモバイルIABノード108の存在を検知すると、モバイルIABノード108への接続を企図する。
【0053】
S404では、IABノード105はモバイルIABノード108への接続要求(RRCSetupRequest)を生成する。なお、RRCSetupRequestは、RRC接続の確立を要求するためのメッセージである。もし、このIABノード105がモバイルIABノードである場合、RRCSetupRequestに自局がモバイルIABノードであることを示す識別情報を付加する。識別情報の付加フィールドはRRCSetupRequest-IEsのspare又はue-identityのrandamValue、establishmentCauseの spare1~6を用いることができる。例えば、spare1~6のいずれかを、iab-TypeIndicationといったフィールドであるものと新たに定義する。そして、当該iab-TypeIndicationフィールドに「1」を設定した場合に、自装置が移動しうるノードであること、すなわち、モバイルIABノードであることを示すように構成すればよい。なお「0」を設定した場合に、移動しないIABノードであること、すなわち、固定のIABノードであることを示すようにしてもよい。このように、iab-TypeIndicationといったフィールドを用いて、自装置が移動しうるIABノードか否かを識別する情報を他の装置に対して通知することができるようになる。
【0054】
S405で、モバイルIABノード108は、IABノード105から受信したRRCSetupRequestを、INITIAL UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEに含めてIABドナー103に送信する(S405、S406)。
【0055】
S406では、IABドナー103は、UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEを受信すると、RRCSetupRequestを取り出す。
【0056】
S407からS409において、IABドナー103は、IABノード105とモバイルIABノード108の間のRRCSetupに係る処理を継続する。IABドナー103は、RRCSetupメッセージをDL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEに含めて、モバイルIABノード108に送信する。モバイルIABノード108は、DL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEからRRCSetupを取り出してIABノード105に送信する。
【0057】
続いて、S410では、IABノード105は、第2の接続要求としてのRRCSetupCompleteをモバイルIABノード108に送信する。このとき、IABノード105は、RRCSetupCompleteにiab-Nodeindicationを含める。モバイルIABノード108は、RRCSetupCompleteを含むUL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEを、IABドナー103に送信する(S411)。
【0058】
S412では、IABドナー103は、UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEを受信すると、RRCSetupCompleteを取り出す。そして、IABドナー103は、取り出したRRCSetupCompleteに含まれるiab-Nodeindicationに基づいて、IABノード105の種別情報を保存する。すなわち、IABドナー103は、第2の接続要求からIABノードかどうかの識別情報を取得し、種別情報を保存する。
【0059】
S413では、IABドナー103は、S412で得た種別情報に基づいて、IABノードからの接続要求であることを確認(把握)する。また、IABドナー103は、モバイルIABノード108からUL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEにRRCSetupCompleteが含まれていたことに基づいて、要求先を確認(把握)する。すなわち、IABドナー103は、モバイルIABノード108が接続要求の要求先(接続先)であることを確認(把握)する。その結果、S414では、IABドナー103は、IABノード105の接続要求への拒否を決定する。なお、変形例では、S407からS412までの処理が省略されてもよい。この場合、S413では、IABドナー103は、S406で得た種別情報に基づいて、IABノードからの接続要求であることを確認してもよい。
【0060】
S415~S417では、IABドナー103は、モバイルIABノード108を経由してIABノード105に対しRRCReconfigurationにて接続を拒否することを通知する。なお、RRCConnectionReleaseを利用して接続が拒否されてもよい。
【0061】
S418、S419では、IABノード105はRRCReconfigurationCompleteで拒否を受諾したことをモバイルIABノード108へ通知する。
【0062】
図5は実施形態1における外部装置からの接続要求に対するIABドナー103の処理フローである。なお、外部装置とは、対応するIABネットワークを形成していない装置を指す。
【0063】
S500では、IABドナー103は、接続要求を行う外部装置に係る種別情報を取得する。なお、種別情報は、図4を参照して上述したように、S410からS412で取得でき、S413で確認できる。
【0064】
S501では、IABドナー103は、S500で取得した種別情報に基づいて、接続要求を試みている外部装置がIABノードであるかどうかを判断する。IABドナー103は、上述したRRCSetupCompleteにiab-Nodeindicationが含まれていれば、外部装置がIABノードであると判断してもよい。他方、IABドナー103は、上述したRRCSetupCompleteにiab-Nodeindicationが含まれていなければ、外部装置がUEであると判断してもよい。
【0065】
また、S501では、IABドナー103は、接続要求に係る接続先がモバイルIAB(本例ではモバイルIABノード108)であるかどうかを判断する。この判断方法は上述したとおりであってよい。より具体的には、IABドナー103は、第2の接続要求に含まれるiab-TypeIndicationがモバイルIABノードを示す値(例えば「1」)である場合に、接続要求に係る接続先がモバイルIABノードであると判断する。
【0066】
接続要求を行う外部装置がIABノード105でありかつ接続要求に係る接続先がモバイルIAB(本例ではモバイルIABノード108)である場合、S502に進む。そして、S502では、IABドナー103は外部装置がIABノードであることを識別し接続を拒否する。この場合、IABドナー103は、図4を参照して上述したように、IABノード105に対してRRCReconfigurationにて接続を拒否することを通知する。
【0067】
S503では、IABドナー103は、接続要求を行った外部装置がIABノードではないことを識別し接続を許可する。例えば、接続要求を行う外部装置がUEである場合、IABドナー103は、RRCReconfigurationを送信せずに処理を終了する。
【0068】
ところで、次期Release-18においては、モバイルIABノードは自局へのUEのみの接続を許可するシングルホップ構成をとる前提として議論が行われている。従来のIAB技術と同様、モバイルIABノード配下に更にIABノードやモバイルIABノードをリレーするマルチホップ構成を否定してはいない。しかしながら、マルチホップ構成をとることによりネットワーク維持の複雑性が増大することが想定される。
【0069】
ここで、本実施形態とは異なる比較例として、モバイルIABノード108へのIABノード105からの接続要求を許可した場合、以下のとおり不都合が生じうる。すなわち、モバイルIABノード108を含むIABネットワークが形成された状態でモバイルIABノード108配下にIABノード105が接続されることになる。この状態で上位のモバイルIABノード108が移動すると、IABネットワークの維持が困難になりうる。そして、その結果、配下のIABノード105及びUE109、109の通信サービスを継続することができなくなる。
【0070】
これに対して、本実施形態によれば、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。すなわち、モバイルIABノード108へのIABノード105からの接続要求を拒否することで、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。
【0071】
このようにして、本実施形態によれば、モバイルIABノード108を含むIABネットワーク環境でマルチホップ構成を適切に制限する仕組みを成立させることができる。
【0072】
[実施形態2]
図1においてIABドナー103、IABノード105から107によってIABネットワークが形成されている状態でモバイルIABノード108がIABネットワークへの参加を試みIABノード105への接続を試みる場合の処理について述べる。
【0073】
本実施形態に係る前提は以下の通りであるものとする。IABネットワークは許容可能な負荷上限に近い負荷状況で運用しており、IABネットワーク全体としてモバイルIABノード108の接続を拒否することが定義されている。
【0074】
図6は実施形態2におけるIABノード105とモバイルIABノード108の接続制御処理シーケンス図である。
【0075】
S600~S602では、IABドナー103、IABノード105、及びモバイルIABノード108は、実施形態1と同様に報知信号を送受信する。
【0076】
S600では、モバイルIABノード108は報知信号から近接ノードとしてIABノード105の存在を把握する。
【0077】
S603では、モバイルIABノード108はIABノード105への接続を企図する。
【0078】
S604、S605では、IABネットワークを形成するIABドナー103、IABノード105においてモバイルIABノードの接続を許可しないルール(特定の設定の一例)が共有されている。なお、変形例では、S604、S605は省略されてもよい。
【0079】
S606では、モバイルIABノード108はIABノード105への接続要求を行う。この時モバイルIABノード108は接続要求信号として発するRRCSetupRequestに自身の識別情報を付加する。ここで付加する情報は実施形態1で定義したものとする。
【0080】
具体的には、モバイルIABノード108は、RRCSetupRequestをIABノード105に送信する。そして、IABノード105は、RRCSetupRequestを含むINITIAL UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEをIABドナー103に送信する(S606、S607)。
【0081】
S608では、IABドナー103は、UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEを受信すると、RRCSetupRequestを取り出す。そして、IABドナー103は、取り出したRRCSetupRequestの付加フィールド内の識別情報に基づいて、接続種別識別情報を蓄積する。
【0082】
S609では、IABドナー103は、S608で得た識別情報に基づいて、IABノードからの接続要求であることを確認する。すなわち、S609では、IABドナー103は、S608で得た種別情報に基づいて、接続要求を試みている外部装置がモバイルIABノード(モバイルIABノード108)であることを確認する。その結果、S610では、IABドナー103は、モバイルIABノード108によるIABノード105への接続要求に対して拒否を決定する。そして、S611では、IABドナー103は、モバイルIABノード108に対しRRCRejectを用いて接続拒否を行う(S612、S613)。
【0083】
図6Aは、実施形態2における外部装置からの接続要求に対するIABドナー103の処理フローである。
【0084】
図6Aに示す処理は、実施形態1に関連して図5に示した処理に対して、S501がS501Aで置換された点が異なる。
【0085】
S501Aでは、IABドナー103は、S500で取得した識別情報に基づいて、接続要求を試みている外部装置がモバイルIABノード108であるかどうかを判断する。接続要求を行う外部装置がモバイルIABノード108である場合、IABドナー103は外部装置がモバイルIABノード108であることを識別し接続を拒否する(S502)。他方、接続要求を行う外部装置がIABノード(固定された通信ノード)である場合、IABドナー103は今回の接続要求を許可する(S503)。
【0086】
ところで、本実施形態とは異なる比較例として、IABノード105へのモバイルIABノード108からの接続要求を許可した場合、以下のとおり不都合が生じうる。すなわち、IABノード105を含むIABネットワークが形成された状態でモバイルIABノード108が接続されることになる。この状態でモバイルIABノード108が移動すると、IABネットワークの維持が困難になりうる。
【0087】
これに対して、本実施形態によれば、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。すなわち、IABノードへのモバイルIABノード108からの接続要求を拒否することで、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。
【0088】
このようにして、実施形態2によれば、上述した実施形態1と同様に、モバイルIABノード108を含むIABネットワーク環境でマルチホップ構成を適切に制限する仕組みを成立させることができる。また、実施形態2によれば、事前に設定されたルール(具体的には、IABネットワークとしてモバイルIABノード108の接続を許可しないというルール)に基づいて、マルチホップ構成を適切に制限できる。なお、実施形態2では接続要求の一例であるRRC SetupRequestに対しiab-TypeIndicationを含め、接続要求の一例であるRRC SetupCompleteに対しiab-NodeIndicationを含める場合を例示した。しかしながらこれに限定されず、iab-TypeIndicationとiab-NodeIndicationの両方をRRC SetupRequestに含めるように構成することもできる。
また、iab-TypeIndicationとiab-NodeIndicationの両方をRRC SetupCompleteに含めるように構成することもできる。前者を採用した場合、接続の早い段階で接続可否を判断することができ、演算コストを削減することができる。後者を採用した場合、現行の通信規格を大きく改変することなく接続可否を判断できるようになる。言い換えると、すでにiab-NodeIndicationフォーマットを含めることが定義済みのRRC SetupCompleteメッセージに対して、iab-TypeIndicationを追加するだけで接続可否のための情報を伝達できるようになる。
【0089】
なお、本実施形態2は、上述した実施形態1と有効に組み合わせることができる。この場合、接続要求に係る要求元がモバイルIABノード108でありかつ要求先がモバイルIABノード108である場合に、接続要求が拒否されてもよい。なお、本実施形態では、IABドナー103が接続要求の拒否を行う場合を例示したが下位ノードで拒否の判断を行うように構成することもできる。この場合、モバイルIABノードの接続を許可しないというルールが事前共有されているIABノード105は、IABノード108から受信した接続要求(RRC SetupRequest)の内容を参照する。続けて、IABノード105は、接続要求に含まれるiab-TypeIndicationがモバイルIABノードを示す値(例えば「1」)である場合に、接続要求を拒否すると判断する。接続要求を拒否すると判断した場合、IABノード105は、モバイルIABノード108に対する応答メッセージであるRRC rejectメッセージを送信することで接続要求を拒否する。一方、IABノード105は、接続要求に含まれるiab-TypeIndicationがモバイルIABノードを示す値(例えば「1」)でない場合に、接続要求を上位のIABノードであるIABドナー105に転送する。以降の接続処理は上述の実施形態で説明した接続処理を行うようにすればよい。この実施形態2の変形例によれば、下流のIABノードにおいて、事前に共有されたルール(具体的には、IABネットワークとしてモバイルIABノード108の接続を許可しないというルール)に基づいて、マルチホップ構成を適切に制限できる。
【0090】
[実施形態3]
図1AにおいてIABドナー103、IABノード105から107によってIABネットワークが形成されている状態でモバイルIABノード108がIABネットワークへの参加を試みIABノード107への接続を試みる場合の処理について述べる。
【0091】
本実施形態において形成されるIABネットワークではIABノードの構成ホップ数Nが定義されている。構成ホップ数Nの“N”は、2以上の自然数であり、N段以降のIABノードへのモバイルIABノード108の接続は許可されないことを意味する。
【0092】
実施形態3においてはIABノード構成ホップ数N=2(閾値の一例)とする。
【0093】
図7は実施形態3におけるモバイルIABノード108及びIABノード107の接続制御処理シーケンス図である。
【0094】
S700~S703では、IABドナー103、IABノード107、及びモバイルIABノード108は、実施形態1と同様に報知信号を送受信する。
【0095】
S704では、IABノード107はIABドナー103に自局のIABネットワークにおけるIAB構成ホップ数を通知する。
【0096】
この時自身のホップ数を把握する手段としては、TS38.401 8.12に定義されるIAB-node Integration ProcedureのPhase2-2:Routing updateを利用できる。すなわち、Phase2-2:Routing updateにおいて、IPアドレスを取得する際に例えばTracerouteを実行することで自身のIABネットワークにおけるホップ数を把握することができる。
【0097】
この情報はBAPを通じてIABドナー103へ通知することができる。
【0098】
S705ではIABネットワークとしてIABノード構成ホップ数N=2と定義し、IABネットワークを構成するIABノード105~107へ通知する。
【0099】
ついで、モバイルIABノード108は、RRCSetupRequestをIABノード107に送信する。そして、IABノード107は、RRCSetupRequestを含むINITIAL UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEをIABドナー103に送信する(S706、S707)。
【0100】
S708では、IABドナー103は、UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEを受信すると、RRCSetupRequestを取り出す。
【0101】
S709では、IABドナー103は、IABノード107のホップ数を把握し、接続要求を試みているモバイルIABノード108の識別情報から接続拒否を判断する。例えば、IABドナー103は、RRCSetupRequestを含むINITIAL UL RRC MESSAGE TRASFER MESSAGEをIABノード107から受信した場合、次のとおりであってよい。まず、IABドナー103は、RRCSetupRequestを送信したIABノードのホップ数は、IABノード107のホップ数+1(つまり、図7の例では2)であると判断してもよい。そして、現在のホップ数が構成ホップ数Nである場合、IABドナー103は、モバイルIABノード108によるIABノード107への接続要求に対して拒否を決定する。その結果、S710では、IABドナー103は、モバイルIABノード108によるIABノード107への接続要求に対して拒否を決定する。そして、S711では、IABドナー103は、モバイルIABノード108に対しRRCRejectを用いて接続拒否を行う(S712、S713)。なお、接続要求を試みている外部装置がモバイルIABノード108でなく、UEである場合は、IABドナー103は、接続要求を受け入れることとしてもよい。
【0102】
図7Aは、実施形態3における外部装置からの接続要求に対するIABドナー103の処理フローである。
【0103】
図7Aに示す処理は、実施形態1に関連して図5に示した処理に対して、S501の判定結果が“YES”である場合に、S502に代えて、S700に進む点が異なる。
【0104】
S700では、IABドナー103は、現在のホップ数が構成ホップ数Nであるかどうかを判断する。そして、現在のホップ数が構成ホップ数Nである場合、IABドナー103は、今回の接続要求を拒否する(S502)。他方、現在のホップ数が構成ホップ数Nよりも小さい場合、IABドナー103は今回の接続要求を許可する(S503)。
【0105】
なお、図7Aでは、S501の判定処理は、実施形態1に関連して図5に示した処理と同じであるが、異なってもよい。例えば、図7Aにおいては、S501に代わる処理として、IABドナー103は、S500で取得した種別情報に基づいて、接続要求を試みている外部装置がIABノードであるかどうかを判断するだけでもよい。すなわち、図7Aにおいては、接続要求に係る接続先がモバイルIABノード108であるか否かは判定されなくてもよい。
【0106】
ところで、本実施形態とは異なる比較例として、ホップ数を考慮しない条件に基づいて接続要求を許可した場合、以下のとおり不都合が生じうる。すなわち、ホップ数が過大となるIABネットワークが形成されうり、かかる状態では、ネットワーク維持の複雑性が増し、安定したIABネットワークの維持が困難になりうる。
【0107】
これに対して、本実施形態によれば、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。すなわち、ホップ数が構成ホップ数Nを超えるような接続要求を拒否することで、このような比較例で生じうる不都合を低減できる。
【0108】
このようにして、実施形態3によれば、上述した実施形態1と同様に、モバイルIABノード108を含むIABネットワーク環境でマルチホップ構成を適切に制限する仕組みを成立させることができる。また、実施形態3によれば、事前に設定されたルール(具体的には、ホップ数が構成ホップ数Nを超えるようなIABノードの接続を許可しないというルール)に基づいて、マルチホップ構成を適切に制限できる。
【0109】
なお、本実施形態3は、上述した実施形態2と有効に組み合わせることができる。例えば、本実施形態3と実施形態2と有効に組み合わせる場合、接続要求に係る要求元がモバイルIABノード108でありかつ現在のホップ数が構成ホップ数Nである場合に、接続要求が拒否されてもよい。
【0110】
[その他の実施形態]
上述の実施形態にて説明したように、識別情報の送受信はRRCでの識別信号の付加による識別処理を想定している。すなわち、TS38.401 8.12にて定義される3GPP規格によるIABノードの接続シーケンスIAB-node Integration ProcedureにおけるPhase1:IAB-MT setupに相当する処理方法として記載した。しかしながら、Phase2-1:BH RLC channel establishmentや、Phase2-2:Routing update、Phase3:IAB-DU setupの各Phase等にて識別を実施してもよい。
【0111】
また、上述した実施形態では、公衆網通信サービスに関するが、ローカル5G又はその類に適用されてもよい。
【0112】
以上の実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0113】
[付記1]
通信サービスの提供に関連する基地局装置であって、
一のIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対する外部装置からの接続要求を取得する取得手段と、
少なくとも、前記一のIABノードがモバイルIABノードであり、かつ、前記外部装置が他のIABノードである場合、前記接続要求を拒否する処理を行う処理手段と、
を備えることを特徴とする、基地局装置。
【0114】
[付記2]
前記処理手段は、前記外部装置がUE(User Equipment)である場合、前記接続要求を受け入れることを特徴とする、付記1に記載の基地局装置。
【0115】
[付記3]
前記接続要求は、前記外部装置がIABノードであるか否かの種別情報を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の基地局装置。
【0116】
[付記4]
前記処理手段は、更に、特定の設定が前記基地局装置になされている場合であって、前記外部装置がモバイルIABノードである場合に、前記接続要求を拒否する一方、前記特定の設定が前記基地局装置になされている場合であっても、前記外部装置がUE(User Equipment)又は固定のIABノードである場合、前記接続要求を受け入れることを特徴とする付記1から3のうちのいずれか1項に記載の基地局装置。
【0117】
[付記5]
前記接続要求は、前記外部装置がモバイルIABノードであるか否かの識別情報を含む、ことを特徴とする付記1から4のうちのいずれか1項に記載の基地局装置。
【0118】
[付記6]
前記処理手段は、更に、前記外部装置が他のIABノードである場合であって、前記接続要求を受け入れた場合に前記他のIABノードまでのホップ数が閾値を超える場合に、前記接続要求を拒否することを特徴とする、付記1から5のうちのいずれか1項に記載の基地局装置。
【符号の説明】
【0119】
101 セルカバレッジ
102 セルカバレッジ
103 IABドナー(基地局装置の一例)
104 IABドナー
105 IABノード(通信装置の一例)
106 IABノード(通信装置の一例)
107 IABノード(通信装置の一例)
108 モバイルIABノード(通信装置の一例)
109~114 UE
201 制御部(処理手段及び要求手段の一例)
202 記憶部
203 無線通信部(取得手段の一例)
204 アンテナ制御部
301 ソフトウェア機能ブロック
302 信号送信部
303 信号受信部
304 データ記憶部
305 接続制御部
308 信号生成部
401 ソフトウェア機能ブロック
402 信号送信部
403 信号受信部
404 データ記憶部
405 接続制御部
406 ネットワーク構成情報管理部
図1
図1A
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図6A
図7
図7A