(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162539
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】処理システム
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/12 20060101AFI20241114BHJP
B24B 55/00 20060101ALI20241114BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20241114BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B23Q11/12 A
B24B55/00
B23Q17/00 A
H01L21/78 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078130
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田部 政典
(72)【発明者】
【氏名】稲山 大介
【テーマコード(参考)】
3C029
3C047
5F063
【Fターム(参考)】
3C029EE01
3C047FF03
3C047FF17
5F063AA48
5F063DD01
5F063FF22
5F063FF28
(57)【要約】
【課題】処理装置が所定の処理項目を実行している間に冷却システムの冷却能力が不足することを抑制することができる処理システムを提供すること。
【解決手段】処理システム1は、複数の処理装置10と、冷却システム2と、冷媒を処理装置10に供給しかつ冷却システム2に戻す冷媒流路20と、冷媒の流量、および供給前後の温度を測定する測定ユニット30と、を備える。制御ユニット40は、処理装置10が処理項目を実行する際に単位時間当たりに発生しうる想定熱量を記憶する想定熱量記憶部51と、処理装置10で単位時間当たりに発生した総発生熱量を算出する総発生熱量算出部71と、冷却システム2の冷却余力を算出する冷却余力算出部72と、実行しようとする処理項目を実行した際に冷却システム2の冷却能力が不足するか不足しないかを判断する冷却能力判断部81と、実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する実行制御部90と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物に対して1つ以上の実行可能な処理項目を有し、該処理項目を実行する際に熱を発する複数の処理装置と、
該処理装置が発した該熱を冷媒によって冷却する冷却システムと、
該処理装置のそれぞれと該冷却システムとを接続し、該冷却システムから該処理装置に該冷媒を供給するとともに、該処理装置から該冷却システムに該冷媒を戻す冷媒流路と、
該処理装置を制御する制御ユニットと、を備える処理システムであって、
該冷媒流路を通過する該冷媒の流量、該処理装置に供給する前の該冷媒の温度、および該処理装置から戻った該冷媒の温度を測定する測定ユニットをさらに備え、
該制御ユニットは、
該処理装置が該処理項目を実行する際に単位時間当たりに発生しうる熱量を想定熱量として記憶する想定熱量記憶部と、
該測定ユニットの測定値に基づいて、該処理装置のそれぞれで単位時間当たりに発生した熱量を合算し総発生熱量を算出する総発生熱量算出部と、
該総発生熱量と、該冷却システムが単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量と、の差から冷却余力を算出する冷却余力算出部と、
実行しようとする処理項目についての該想定熱量と該冷却余力とを比較して、該実行しようとする処理項目を実行した際に該冷却システムの冷却能力が不足するか不足しないかを判断する冷却能力判断部と、
該冷却能力判断部の判断結果に基づいて、該実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する実行制御部と、を有する
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
該制御ユニットは、
該処理装置間の優先順位と該処理項目間の優先順位との少なくともいずれかの情報を示す優先順位情報を記憶する優先順位記憶部をさらに有し、
該実行制御部は、該冷却能力判断部の判断結果と該優先順位情報とに基づいて、該実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
該制御ユニットは、
該測定ユニットの測定値に基づいて、該処理装置のぞれぞれで単位時間当たりに発生した熱量を算出し、いずれかの処理装置において単位時間当たりに発生した熱量が、当該処理装置において実行されている処理項目の該想定熱量より大きい場合に、異常発生と判断する異常判断部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等の被処理物を切削する切削装置や研削する研削装置等の処理装置では、スピンドルを高速回転させ、スピンドルの先端に装着される切削ブレードや研削砥石を用いて切削加工や研削加工を実行している。切削装置や研削装置等の処理装置は、処理位置を熱歪み等によって変化させないようにすることで高精度な処理を実現しており、処理装置の温度を一定に維持するためにスピンドルを回転駆動するモータが発する熱を冷却システムによって冷却している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一つの冷却装置に複数台の処理装置を接続する場合や、負荷が大きくモータが発する熱量が多い場合には、冷却システムの冷却能力が不足してしまい、処理装置の温度を一定に保てないことがある。このため、処理装置は、温度が所定の温度を超えた場合には異常が発生したと判断し、動作を緊急停止させる機能を有している。
【0005】
しかしながら、緊急停止後に処理を再開させる際、緊急停止時に処理していた位置と全く同一の位置から繋げて処理を再開することや、緊急停止時の処理状況を正確に再現することが困難であるため、処理品質に影響を及ぼすという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理装置が所定の処理項目を実行している間に冷却システムの冷却能力が不足することを抑制することができる処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の処理システムは、被処理物に対して1つ以上の実行可能な処理項目を有し、該処理項目を実行する際に熱を発する複数の処理装置と、該処理装置が発した該熱を冷媒によって冷却する冷却システムと、該処理装置のそれぞれと該冷却システムとを接続し、該冷却システムから該処理装置に該冷媒を供給するとともに、該処理装置から該冷却システムに該冷媒を戻す冷媒流路と、該処理装置を制御する制御ユニットと、を備える処理システムであって、該冷媒流路を通過する該冷媒の流量、該処理装置に供給する前の該冷媒の温度、および該処理装置から戻った該冷媒の温度を測定する測定ユニットをさらに備え、該制御ユニットは、該処理装置が該処理項目を実行する際に単位時間当たりに発生しうる熱量を想定熱量として記憶する想定熱量記憶部と、該測定ユニットの測定値に基づいて、該処理装置のそれぞれで単位時間当たりに発生した熱量を合算し総発生熱量を算出する総発生熱量算出部と、該総発生熱量と、該冷却システムが単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量と、の差から冷却余力を算出する冷却余力算出部と、実行しようとする処理項目についての該想定熱量と該冷却余力とを比較して、該実行しようとする処理項目を実行した際に該冷却システムの冷却能力が不足するか不足しないかを判断する冷却能力判断部と、該冷却能力判断部の判断結果に基づいて、該実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する実行制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の処理システムにおいて、該制御ユニットは、該処理装置間の優先順位と該処理項目間の優先順位との少なくともいずれかの情報を示す優先順位情報を記憶する優先順位記憶部をさらに有し、該実行制御部は、該冷却能力判断部の判断結果と該優先順位情報とに基づいて、該実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御してもよい。
【0009】
また、本発明の処理システムにおいて、該制御ユニットは、該測定ユニットの測定値に基づいて、該処理装置のぞれぞれで単位時間当たりに発生した熱量を算出し、いずれかの処理装置において単位時間当たりに発生した熱量が、当該処理装置において実行されている処理項目の該想定熱量より大きい場合に、異常発生と判断する異常判断部をさらに有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、処理装置が所定の処理項目を実行している間に冷却システムの冷却能力が不足することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る処理の流れの第一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る処理の流れの第二例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る処理の流れの第三例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、処理装置の一例である切削装置の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態〕
<処理システム1の構成>
まず、本発明の実施形態に係る処理システム1の全体構成について図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る処理システム1の構成例を示すブロック図である。処理システム1は、冷却システム2と、複数の処理装置10-1、10-2、・・・、10-nと、複数の冷媒流路20-1、20-2、・・・、20-nと、複数の測定ユニット30-1、30-2、・・・、30-nと、制御ユニット40と、を備える。複数の冷媒流路20-1、20-2、・・・、20-nは、それぞれに対応する冷媒供給流路21-1、21-2、・・・、21-nと、冷媒戻り流路22-1、22-2、・・・、22-nと、を含む。複数の測定ユニット30-1、30-2、・・・、30-nは、それぞれに対応する供給温度測定部31-1、31-2、・・・、31-nと、戻り温度測定部32-1、32-2、・・・、32-nと、流量測定部33-1、33-2、・・・、33-nと、を含む。「n」は、正の整数であり、処理システム1において管理される複数の処理装置10-1、10-2、・・・、10-nの数を示す。
【0014】
なお、以降の説明において、複数の処理装置10-1、10-2、・・・、10-nをそれぞれ区別する必要がない場合、あるいは全ての処理装置10-1、10-2、・・・、10-nを含む場合には、単に「処理装置10」と記載される。また、複数の冷媒流路20-1、20-2、・・・、20-nについても、同様に「冷媒流路20」と記載される。また、複数の冷媒供給流路21-1、21-2、・・・、21-nについても、同様に「冷媒供給流路21」と記載される。また、複数の冷媒戻り流路22-1、22-2、・・・、22-nについても、同様に「冷媒戻り流路22」と記載される。
【0015】
また、複数の測定ユニット30-1、30-2、・・・、30-nについても、同様に「測定ユニット30」と記載される。また、複数の供給温度測定部31-1、31-2、・・・、31-nについても、同様に「供給温度測定部31」と記載される。また、複数の戻り温度測定部32-1、32-2、・・・、32-nについても、同様に「戻り温度測定部32」と記載される。また、複数の流量測定部33-1、33-2、・・・、33-nについても、同様に「流量測定部33」と記載される。
【0016】
冷却システム2は、処理装置10が発した熱を冷媒によって冷却するシステムである。冷媒は、流体であり、実施形態では純水等の液体を想定するが、本発明では空気等の気体や、液体と気体との混合流体であっても構わない。冷却システム2は、冷媒を冷却する機能を有する。また、冷却システム2は、複数の処理装置10-1、10-2、・・・、10-nと、それぞれ、冷媒供給流路21-1、21-2、・・・、21-nを介して接続する。冷却システム2は、冷媒供給流路21を介して、処理装置10に冷却した冷媒を送り出す。冷却システム2は、複数の処理装置10-1、10-2、・・・、10-nと、それぞれ、冷媒戻り流路22-1、22-2、・・・、22-nを介して接続する。冷却システム2は、冷媒戻り流路22を介して、処理装置10を冷却することで加熱された冷媒を受け取る。
【0017】
処理装置10は、被処理物200(
図12参照)に各種の加工を施す工作機械を含む。処理装置10は、例えば、被処理物200に切削加工を施す切削装置101(
図12参照)や、被処理物200に研削加工および研磨加工を施す研削装置、被処理物200にレーザー加工を施すレーザー加工装置等を含む。
【0018】
処理装置10は、被処理物200に対して1つ以上の実行可能な処理項目を有する。処理装置10は、制御ユニット40により制御される。処理項目は、例えば、送り速度、保持ユニット110(
図12参照)およびスピンドル122(
図12参照)の回転速度、砥石種類等の加工条件を含む。処理装置10は、処理項目を実行する際に熱を発する。熱を発する要因は、例えば、モータおよびスピンドル122の高速回転に伴う発熱等である。
【0019】
処理装置10は、例えば、スピンドル122を収容するスピンドルハウジング123(
図12参照)の内部等、発熱する部位の周囲に冷媒が通過する冷却通路を複数有する。処理装置10では、冷媒供給流路21から供給された冷媒が、冷却通路を通過することで、処理項目を実行することによる発熱を抑制し、温度を一定に維持するようにしている。処理装置10において、熱交換され加熱した冷媒は、冷媒戻り流路22から冷却システム2に戻される。
【0020】
冷媒流路20は、処理装置10と冷却システム2とを接続し、冷媒が流通する流路である。冷媒流路20は、冷媒供給流路21と、冷媒戻り流路22と、を含む。冷媒供給流路21および冷媒戻り流路22を含む冷媒流路20は、複数の処理装置10に対応して、それぞれ設けられる。
【0021】
冷媒供給流路21は、冷却システム2から処理装置10のそれぞれに冷媒を供給する流路である。冷媒供給流路21を流通する冷媒は、冷却システム2によって冷却された低温の冷媒である。冷媒供給流路21には、測定ユニット30の供給温度測定部31と、流量測定部33と、が設けられる。なお、冷媒供給流路21は、処理装置10側において、複数の流路に分岐されていてもよい。
【0022】
冷媒戻り流路22は、処理装置10のそれぞれから冷却システム2に冷媒を戻す流路である。冷媒戻り流路22を流通する冷媒は、処理装置10のそれぞれにおいて加熱され、冷媒供給流路21を流通する冷媒より高温になった冷媒である。冷媒戻り流路22には、測定ユニット30の戻り温度測定部32が設けられる。なお、冷媒戻り流路22は、処理装置10側において、複数の流路に分岐されていてもよい。言い換えると、冷媒供給流路21が処理装置10側において複数の流路に分岐されている場合、当該複数の流路は、冷媒戻り流路22において合流する。
【0023】
測定ユニット30は、冷媒流路20を通過する冷媒の流量および温度を測定するユニットである。測定ユニット30は、供給温度測定部31と、戻り温度測定部32と、流量測定部33と、を含む。供給温度測定部31、戻り温度測定部32および流量測定部33を含む測定ユニット30は、複数の処理装置10に対応して、それぞれ設けられる。
【0024】
供給温度測定部31は、処理装置10に供給する前の冷媒の温度TINを測定する。供給温度測定部31は、測定した冷媒の温度TINの測定結果を、制御ユニット40に出力する。供給温度測定部31は、冷媒供給流路21に設けられる。なお、冷媒供給流路21が処理装置10側において複数の流路に分岐されている場合、供給温度測定部31は、分岐される前の冷媒供給流路21に設けられる。
【0025】
戻り温度測定部32は、処理装置10から戻った冷媒の温度TOUTを測定する。戻り温度測定部32は、測定した冷媒の温度TOUTの測定結果を、制御ユニット40に出力する。戻り温度測定部32は、冷媒戻り流路22に設けられる。なお、冷媒戻り流路22が処理装置10側において複数の流路に分岐されている場合、戻り温度測定部32は、合流した後の冷媒戻り流路22に設けられる。
【0026】
流量測定部33は、冷媒供給流路21を通過する冷媒の流量QINを測定する。流量測定部33は、測定した冷媒の流量QINの測定結果を、制御ユニット40に出力する。流量測定部33は、冷媒供給流路21に設けられる。なお、冷媒供給流路21が処理装置10側において複数の流路に分岐されている場合、流量測定部33は、分岐される前の冷媒供給流路21に設けられる。また、流量測定部33は、冷媒戻り流路22を通過する冷媒の流量QOUTを測定してもよいし、冷却システム2側で測定してもよい。
【0027】
制御ユニット40は、処理装置10のそれぞれを制御し、設定された処理項目を実行させる。制御ユニット40は、演算手段としての演算処理装置と、記憶手段としての記憶装置と、通信手段としての入出力インターフェース装置と、を含むコンピュータである。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサを含む。記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等のメモリを有する。演算処理装置は、記憶装置に格納された所定のプログラムに基づいて各種の演算を行う。演算処理装置は、演算結果にしたがって、入出力インターフェース装置を介して各種制御信号を上述した処理装置10のそれぞれに出力する。
【0028】
制御ユニット40は、記憶部50と、測定値取得部60と、算出部70と、判断部80と、実行制御部90と、を有する。また、記憶部50は、想定熱量記憶部51と、優先順位記憶部52と、を含む。また、算出部70は、総発生熱量算出部71と、冷却余力算出部72と、を含む。また、判断部80は、冷却能力判断部81と、異常判断部82と、を含む。
【0029】
なお、上述した制御ユニット40の構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、制御ユニット40の具体的形態は、図示のものに限られず、制御ユニット40の処理負担や使用状況等に応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0030】
記憶部50には、制御ユニット40の演算処理装置によって実行されるプログラムおよびかかるプログラムによって使用される各種データ等の各種の情報が記憶される。例えば、記憶部50には、不図示の入力装置からオペレータが入力した、あるいはメディアインターフェースを介して所定の記憶媒体からロードされた情報等が記憶される。例えば、記憶部50には、処理システム1が管理する冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量Cchillerを予め記憶している。
【0031】
また、記憶部50の一次記憶領域には、例えば、待機中である処理項目が待機順に記憶されてもよい(例えば、後述の
図5等参照)。なお、待機中とは、実行されるようオペレータ等の入力により設定され、かつ処理が開始されていない状態を示す。
【0032】
図2は、
図1に示す記憶部50の第一例(記憶部50-1)を示す図である。また、
図3は、
図1に示す記憶部50の第二例(記憶部50-2)を示す図である。
図2および
図3に示すように、記憶部50-1、50-2は、「装置」、「処理項目」、「想定熱量」、および「優先順」といった項目を有する。「装置」は、処理システム1が管理する処理装置10を示す。「装置」は、複数の処理装置10を互いに識別するための識別情報を少なくとも含む。「処理項目」は、「装置」(処理装置10)が実行する処理の内容を示し、例えば、送り速度、保持ユニット110(
図12参照)およびスピンドル122(
図12参照)の回転速度、砥石種類等の加工条件の情報を含む。
【0033】
「想定熱量」は、「装置」(処理装置10)が「処理項目」を実行する際に単位時間当たりに発生しうる熱量を示す。言い換えると、記憶部50は、処理装置10が「処理項目」を実行する際に単位時間当たりに発生しうる熱量を「想定熱量」として記憶する想定熱量記憶部51を含む。「想定熱量」は、例えば、予め実際に被処理物200(
図12参照)を当該「処理項目」の加工条件で加工した際、単位時間当たりに発生した熱量をサンプリングすることで得られる。
【0034】
「優先順」は、
図2に示す例では、処理装置10間の優先順位の情報を示す。また、「優先順」は、
図3に示す例では、「処理項目」間の優先順位の情報を示す。優先順位とは、処理システム1において実行される「処理項目」のうち複数の「処理項目」が待機中である場合に、いずれの「処理項目」から処理するか予め設定された順番を示す。言い換えると、記憶部50は、処理装置10間の「優先順」と「処理項目」間の「優先順」との少なくともいずれかの情報を示す優先順位情報を記憶する優先順位記憶部52を含んでもよい。なお、記憶部50は、必ずしも「優先順」を含まなくてもよい。
【0035】
例えば、
図2および
図3に示す例において、「装置#1」の「処理項目#11」を実行する際に単位時間あたりに発生し得る熱量は「想定熱量#11」である。また、例えば、
図2に示す例において、「装置#1」の「優先順」は、「装置#3」に次いで「2位」であるため、「処理項目#11」、「処理項目#12」、および「処理項目#13」は、待機中の処理項目に「装置#3」の「処理項目#31」、「処理項目#32」、および「処理項目#33」の少なくともいずれかがある場合、これらが実行されるまでは待機状態が維持され、さらに冷却余力がある場合に、これらに次いで実行される。また、例えば、
図3に示す例において、「装置#1」の「処理項目#11」は、「優先順」が「1位」であるため、待機中の他の処理項目に優先されて実行される。
【0036】
図1に示す測定値取得部60は、測定ユニット30が測定した各種の測定値を取得する。より詳しくは、測定値取得部60は、供給温度測定部31から、処理装置10に供給する前の冷媒の温度T
INを取得する。また、測定値取得部60は、戻り温度測定部32から、処理装置10から戻った冷媒の温度T
OUTを取得する。また、測定値取得部60は、流量測定部33から、冷媒供給流路21を通過する冷媒の流量Q
INを取得する。測定値取得部60は、例えば、所定の周期毎に、温度T
IN、温度T
OUT、および流量Q
INの測定値を数値データとして取得する。また、測定値取得部60は、取得する各測定値を、処理装置10の識別情報と紐付けて取得する。
【0037】
算出部70は、測定ユニット30から測定値取得部60取得した測定値や、記憶部50に記憶された各種情報に基づいて、各種の演算処理を行う。算出部70は、総発生熱量算出部71と、冷却余力算出部72と、を含む。
【0038】
総発生熱量算出部71は、測定値取得部60から、冷媒流路20-1、20-2、・・・、20-nのそれぞれに対応する温度TIN、温度TOUT、および流量QINの測定値を取得する。総発生熱量算出部71は、測定ユニット30の測定値に基づいて、処理装置10-1、10-2、・・・、10-nのそれぞれで単位時間当たりに発生した熱量C1、C2、・・・、Cnを合算し総発生熱量Ctotalを算出する。総発生熱量Ctotalは、以下の式(1)によって示される。
【0039】
【0040】
冷却余力算出部72は、総発生熱量算出部71が算出した総発生熱量Ctotalの算出値を取得する。また、冷却余力算出部72は、冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量Cchillerを、記憶部50から参照する。冷却余力算出部72は、総発生熱量Ctotalと、冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量Cchillerと、の差から、冷却余力Ccurrentを算出する。冷却余力Ccurrentは、以下の式(2)によって示される。
【0041】
【0042】
判断部80は、各種の判断処理を実行する。判断部80は、例えば、待機中の「処理項目」があるか否かを判断する。判断部80は、例えば、待機中の「処理項目」に対応する「装置」が、当該「処理項目」を除く何らかの処理を既に実行中であるか否かを判断する。判断部80は、例えば、待機中の「処理項目」を「装置」または「処理項目」の「優先順」に基づいて整列させる。判断部80は、さらに、冷却能力判断部81と、異常判断部82と、を含む。
【0043】
冷却能力判断部81は、冷却余力算出部72が算出した冷却余力Ccurrentの算出値を取得する。冷却能力判断部81は、実行しようとする処理項目についての想定熱量を、想定熱量記憶部51から取得する。冷却能力判断部81は、実行しようとする処理項目についての想定熱量と冷却余力Ccurrentとを比較して、実行しようとする処理項目を実行した際に冷却システム2の冷却能力が不足するか不足しないかを判断する。
【0044】
例えば、
図2または
図3に示す例において、「装置#1」の「処理項目#11」を実行しようとする場合、冷却能力判断部81は、「想定熱量#11」を取得し、「想定熱量#11」が冷却余力C
currentを上回っているか否かを判断する。冷却能力判断部81は、「想定熱量#11」が冷却余力C
currentを上回っている場合、冷却能力が不足すると判断し、「想定熱量#11」が冷却余力C
currentを上回っていない場合、冷却能力が不足しないと判断する。
【0045】
異常判断部82は、測定値取得部60から、冷媒流路20-1、20-2、・・・、20-nのそれぞれに対応する温度TIN、温度TOUT、および流量QINの測定値を取得する。異常判断部82は、は、測定ユニット30の測定値に基づいて、処理装置10-1、10-2、・・・、10-i、・・・、10-nのそれぞれで単位時間当たりに発生した熱量C1、C2、・・・、Ci、・・・、Cnを算出する。なお、「i」は、1からnまでのいずれかの整数を示す。熱量Ciは、以下の式(3)によって示される。
【0046】
【0047】
異常判断部82は、熱量Ciを算出した対象の処理装置10-iにおいて実行されている処理項目についての想定熱量を、想定熱量記憶部51から取得する。異常判断部82は、算出した熱量Ciが、処理装置10-iにおいて実行されている処理項目の想定熱量より大きいか否かを判断する。異常判断部82は、処理装置10-1、10-2、・・・、10-i、・・・、10-nのそれぞれで単位時間当たりに発生した熱量C1、C2、・・・、Ci、・・・、Cnが、それぞれ想定熱量より大きいか否かを判断する。
【0048】
異常判断部82は、算出した熱量C
1、C
2、・・・、C
i、・・・、C
nのいずれかが、対応する想定熱量より大きい場合、熱量C
iが想定熱量より大きかった処理装置10-iに異常が発生していると判断する。例えば、
図2または
図3に示す例において、「装置#1」で「処理項目#11」を実行中、算出した熱量C
#1が「想定熱量#11」より大きかった場合、異常判断部82は、「装置#1」に異常が発生していると判断する。
【0049】
実行制御部90は、処理装置10が実行する処理項目の実行タイミングを制御する。実行制御部90は、例えば、冷却能力判断部81の判断結果に基づいて、実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する。例えば、実行しようとする処理項目について、冷却能力が不足しないと冷却能力判断部81が判断した場合、実行制御部90は、即座に当該処理項目を実行するよう制御する。
【0050】
また、実行制御部90は、例えば、冷却能力判断部81の判断結果と優先順位情報とに基づいて、実行しようとする処理項目の実行タイミングを制御する。例えば、優先順位が1位である処理装置10の処理項目(
図2参照)、あるいは優先順位が1位の処理項目(
図3参照)について、冷却能力が不足しないと冷却能力判断部81が判断した場合、実行制御部90は、即座に当該処理項目を実行するよう制御する。
【0051】
<処理システム1の処理>
次に、本発明の実施形態に係る処理システム1における処理の流れについて説明する。
【0052】
(第一例)
図4は、実施形態に係る処理の流れの第一例を示すフローチャートである。
図5から
図7までは、
図4に示す処理を説明するための図である。
図4に示す処理の例では、制御ユニット40が
図2に示す記憶部50-1を有するものとして説明する。すなわち、処理システム1に含まれる処理装置10間で処理項目を実行する優先順位があるものとして説明する。また、記憶部50-1には、処理システム1が管理する冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量C
chillerが予め記憶されているものとする。
【0053】
図4に示す処理は、制御ユニット40が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。制御ユニット40は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた開始操作に関する所定の操作信号を受け付けることによって、
図4に示すステップ1001に移行して処理を開始する。
【0054】
ステップ1001において、制御ユニット40の判断部80は、待機中の「処理項目」があるか否かを判断する。例えば、
図5に示す例では、「処理項目#11」、「処理項目#21」、「処理項目#43」、「処理項目#51」、および「処理項目#32」が、待機中の処理項目として順に記憶されていることを示している。制御ユニット40は、判断部80が待機中の処理項目があると判断した場合(ステップ1001;Yes)、ステップ1002に移行する。制御ユニット40は、判断部80が待機中の処理項目がないと判断した場合(ステップ1001;No)、
図4に示す一連の処理を終了する。
【0055】
ステップ1002において、制御ユニット40の判断部80は、実行中の「装置」に対応する「処理項目」を除外する。より詳しくは、判断部80は、まず、ステップ1001において特定した待機中の「処理項目」について、「処理項目」に対応する「装置」を特定し、当該「装置」が、当該「処理項目」を除く何らかの処理を既に実行中であるか否かを判断する。例えば、
図6に示す例では、「処理項目#21」に対応する「装置#2」および「処理項目#32」に対応する「装置#3」が処理を実行中であることを示している。
【0056】
判断部80は、次に、ステップ1001で抽出した「処理項目」の待機順について、実行中の「装置」に対応する「処理項目」を除外して更新する。例えば、
図6に示す例では、対応する「装置#2」、「装置#3」が実行中である「処理項目#21」、「処理項目#32」が除外され、「処理項目#43」が「2番」に、「処理項目#51」が「3番」に、待機順が繰り上がったことを示している。
【0057】
ステップ1002の後、ステップ1003において、制御ユニット40の判断部80は、待機中の「処理項目」を「装置」の優先順位に基づいて整列させる。より詳しくは、判断部80は、まず、ステップ1001において特定し、かつステップ1002において除外したものを除く、待機中の「処理項目」について、対応する「装置」の「優先順」を優先順位記憶部52から取得する。なお、ここでは、比較のため、ステップ1002において除外した「処理項目」についても同様に「優先順」を取得したものとする。
【0058】
図2に示すように、
図6に示す「処理項目#11」に対応する「装置#1」の「優先順」は、「2位」である。同様に、「処理項目#21」に対応する「装置#2」の「優先順」は、「3位」であり、「処理項目#43」に対応する「装置#4」の「優先順」は、「5位」であり、「処理項目#51」に対応する「装置#5」の「優先順」は、「4位」であり、「処理項目#32」に対応する「装置#3」の「優先順」は、「1位」である。したがって、「優先順」に整列させると、「処理項目#32」、「処理項目#11」、「処理項目#21」、「処理項目#51」、「処理項目#43」となる。このうち、「処理項目#32」および「処理項目#21」は、ステップ1002において除外されているため、
図7に示すように、「処理項目#11」が「1番」に、「処理項目#51」が「2番」に、「処理項目#43」が「3番」になる。なお、ステップ1003は、ステップ1002より前に実施されてもよい。
【0059】
ステップ1003の後、ステップ1004において、制御ユニット40の冷却能力判断部81は、整列順「1番」の「処理項目」の「想定熱量」を取得する。例えば、
図2および
図7に示す例では、整列順「1番」である「処理項目#11」に対応する「想定熱量#11」を取得する。
【0060】
ステップ1004の後、ステップ1005において、制御ユニット40の総発生熱量算出部71は、総発生熱量Ctotalを算出する。より詳しくは、総発生熱量算出部71は、測定値取得部60から取得した、冷媒流路20のそれぞれに対応する温度TIN、温度TOUT、および流量QINの測定値に基づいて、総発生熱量Ctotalを、式(1)を用いて算出する。
【0061】
ステップ1005の後、ステップ1006において、制御ユニット40の冷却余力算出部72は、冷却余力Ccurrentを算出する。より詳しくは、冷却余力算出部72は、冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量Cchillerを記憶部50から参照し、冷却余力Ccurrentを、式(2)を用いて算出する。
【0062】
なお、ステップ1005およびステップ1006は、ステップ1001からステップ1004までの間に並列処理で実行されてもよいし、ステップ1004より前のいずれかのタイミングで実行されてもよい。
【0063】
ステップ1006の後、ステップ1007において、制御ユニット40の冷却能力判断部81は、ステップ1004で取得した整列順「1番」の「想定熱量」が、ステップ1005で算出した冷却余力C
currentより小さいか否かを判断する。例えば、
図7に示す例では、整列順「1番」である「処理項目#11」に対応する「想定熱量#11」が、冷却余力C
currentより小さいか否かが判断される。
【0064】
「想定熱量」が冷却余力Ccurrentより小さいと冷却能力判断部81が判断した場合、整列順「1番」の「処理項目」を実行した際に冷却システム2の冷却能力が不足しないとみなされる。制御ユニット40は、「想定熱量」が冷却余力Ccurrentより小さいと冷却能力判断部81が判断した場合(ステップ1007;Yes)、ステップ1008に移行する。
【0065】
「想定熱量」が冷却余力C
current以上であると冷却能力判断部81が判断した場合、整列順「1番」の「処理項目」を実行した際に冷却システム2の冷却能力が不足するとみなされる。制御ユニット40は、「想定熱量」が冷却余力C
current以上であると冷却能力判断部81が判断した場合(ステップ1007;No)、
図4に示す処理を終了する。
【0066】
ステップ1008において、制御ユニット40の実行制御部90は、整列順「1番」の「処理項目」を実行するよう制御する。
図7に示す例では、整列順「1番」である「処理項目#11」に対応する「想定熱量#11」が、ステップ1007において冷却余力C
currentより小さいと冷却能力判断部81に判断された場合、実行制御部90は、直ちに「処理項目#11」を「装置#1」が実行するよう、所定の制御信号を「装置#1」に出力する。
【0067】
ステップ1008の後、制御ユニット40は、
図4に示す処理を終了する。
図4に示す処理は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた終了操作に関する所定の操作信号を受け付けるまで、所定の周期毎にステップ1001から繰り返し実行される。所定の周期は、予め設定され、例えば、1秒である。なお、
図4に示す処理を実行中に、オペレータ等の入力操作により、新たな「処理項目」が追加設定された場合は、次回の処理において、新たな「処理項目」も待機中の「処理項目」として含め、一連の処理を実行する。
【0068】
図4に示す例では、
図2に示す記憶部50-1に従って「装置」の「優先順」で整列させる処理を実行したが(ステップ1003)、
図3に示す記憶部50-2に従って「処理項目」の「優先順」で整列させてもよい。また、「優先順」で整列させるステップ1003は、必ずしも実行しなくてもよい。
【0069】
(第二例)
図8は、実施形態に係る処理の流れの第二例を示すフローチャートである。
図9および
図10は、
図8に示す処理を説明するための図である。
図8に示す処理の例では、制御ユニット40が
図3に示す記憶部50-2を有するものとして説明する。すなわち、処理システム1に含まれる複数の処理装置10が有する「処理項目」間で、処理項目を実行する優先順位があるものとして説明する。また、記憶部50-2には、処理システム1が管理する冷却システム2が単位時間あたりに冷却可能な冷却可能熱量C
chillerが予め記憶されているものとする。
【0070】
図8に示す処理は、制御ユニット40が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。制御ユニット40は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた開始操作に関する所定の操作信号を受け付けることによって、
図8に示すステップ2001に移行して処理を開始する。
【0071】
ステップ2001において、制御ユニット40の判断部80は、待機中の「処理項目」があるか否かを判断する。ステップ2001は、
図4に示すステップ1001と手順が同様であるため、説明を省略する。制御ユニット40は、判断部80が待機中の処理項目があると判断した場合(ステップ2001;Yes)、ステップ2002に移行する。制御ユニット40は、判断部80が待機中の処理項目がないと判断した場合(ステップ2001;No)、
図8に示す一連の処理を終了する。
【0072】
ステップ2002において、制御ユニット40の冷却能力判断部81は、待機中の「処理項目」全ての「想定熱量」を取得する。例えば、
図9に示す例では、「処理項目#11」、「処理項目#21」、「処理項目#43」、「処理項目#51」、および「処理項目#32」が、待機中の処理項目として順に記憶されていることを示している。
図3および
図9に示す例では、「処理項目#11」に対応する「想定熱量#11」、「処理項目#21」に対応する「想定熱量#11」、「処理項目#43」に対応する「想定熱量#43」、「処理項目#51」に対応する「想定熱量#51」、および「処理項目#32」に対応する「想定熱量#32」を取得する。
【0073】
ステップ2002の後、ステップ2003において、制御ユニット40の総発生熱量算出部71は、総発生熱量C
totalを算出する。また、ステップ2003の後、ステップ2004において、制御ユニット40の冷却余力算出部72は、冷却余力C
currentを算出する。ステップ2003およびステップ2004は、
図4に示すステップ1001と手順が同様であるため、説明を省略する。また、ステップ2003およびステップ2004は、ステップ2001からステップ2002までの間に並列処理で実行されてもよいし、ステップ2002より前のいずれかのタイミングで実行されてもよい。
【0074】
ステップ2004の後、ステップ2005において、制御ユニット40は、実行数jをj=1として設定してループ処理を開始する。ループ処理では、j≦mが成立している間、ステップ2006からステップ2007までの処理を、m回繰り返し実行する。なお、mは、待機中の「処理項目」の数であり、jは、「待機順」を示す。
【0075】
ステップ2006において、制御ユニット40の冷却能力判断部81は、待機順「j番」の「処理項目」に対応する「想定熱量」と、ステップ2004で算出した冷却余力C
currentと、を比較する。例えば、
図9に示す例では、「処理項目#11」に対応する「想定熱量#11」、および「処理項目#32」に対応する「想定熱量#32」が、冷却余力C
current以上であり、「処理項目#21」に対応する「想定熱量#21」、「処理項目#43」に対応する「想定熱量#43」、および「処理項目#51」に対応する「想定熱量#51」が、冷却余力C
currentより小さいことを示している。
【0076】
ステップ2006の後、ステップ2007において、実行数jをj=j+1として再設定し、ステップ2005に戻る。ステップ2005からステップ2007までに示すループ処理をm回実行し、冷却能力判断部81が、待機中の「処理項目」全てについて、「想定熱量」と冷却余力Ccurrentとの比較を完了すると、ループ処理を終了する。
【0077】
ステップ2005からステップ2007までに示すループ処理の後、ステップ2008において、制御ユニット40の判断部80は、「想定熱量」が冷却余力Ccurrentより小さい「処理項目」を「優先順」で整列させる。より詳しくは、判断部80は、ステップ2005からステップ2007までに示すループ処理において特定された「想定熱量」が冷却余力Ccurrentより小さい「処理項目」について、「優先順」を優先順位記憶部52から取得する。なお、ここでは、比較のため、「想定熱量」が冷却余力Ccurrent以上である「処理項目」についても同様に「優先順」を取得したものとする。
【0078】
図3に示すように、
図9に示す「処理項目#11」の「優先順」は、「1位」である。同様に、「処理項目#21」の「優先順」は、「2位」であり、「処理項目#43」の「優先順」は、「8位」であり、「処理項目#51」の「優先順」は、「3位」であり、「処理項目#32」の「優先順」は、「6位」である。したがって、「優先順」に整列させると、「処理項目#11」、「処理項目#21」、「処理項目#51」、「処理項目#32」、「処理項目#43」となる。このうち、「処理項目#11」および「処理項目#32」は、除外されているため、
図10に示すように、「処理項目#21」が「1番」に、「処理項目#51」が「2番」に、「処理項目#43」が「3番」になる。なお、「優先順」による整列は、ステップ2005からステップ2007までに示すループ処理より前に実行されてもよく、ステップ2008のタイミングにおいて、整列された後の「処理項目」から「想定熱量」が冷却余力C
current以上である「処理項目」を除外してもよい。
【0079】
ステップ2009において、制御ユニット40の実行制御部90は、整列順「1番」の「処理項目」を実行するよう制御する。
図10に示す例では、整列順「1番」である「処理項目#21」を直ちに「装置#2」が実行するよう、実行制御部90は、所定の制御信号を「装置#2」に送信する。
【0080】
ステップ2009の後、制御ユニット40は、
図8に示す処理を終了する。
図8に示す処理は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた終了操作に関する所定の操作信号を受け付けるまで、所定の周期毎にステップ2001から繰り返し実行される。所定の周期は、予め設定され、例えば、1秒である。なお、
図8に示す処理を実行中に、オペレータ等の入力操作により、新たな「処理項目」が追加設定された場合は、次回の処理において、新たな「処理項目」も待機中の「処理項目」として含め、一連の処理を実行する。
【0081】
図8に示す例では、
図3に示す記憶部50-2に従って「処理項目」の「優先順」で整列させる処理を実行したが(ステップ2008)、
図2に示す記憶部50-1に従って「装置」の「優先順」で整列させてもよい。また、「優先順」で整列させるステップ2008は、必ずしも実行しなくてもよく、単に「想定熱量」が冷却余力C
current以上である「処理項目」を除外してもよい。
【0082】
(第三例)
図11は、実施形態に係る処理の流れの第三例を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、
図4または
図8に示すフローチャートの処理と並列処理で実行されてもよい。
図11に示す処理は、制御ユニット40が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。制御ユニット40は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた開始操作に関する所定の操作信号を受け付けることによって、
図11に示すステップ3001に移行して処理を開始する。
【0083】
ステップ3001において、制御ユニット40は、実行数iをi=1として設定してループ処理を開始する。ループ処理では、i≦nが成立している間、ステップ3002からステップ3006までの処理を、n回繰り返し実行する。なお、nは、「装置」(処理装置10)の数であるが、処理システム1が管理する処理装置10のうち、一部が停止中である場合は、稼働中の処理装置10の数であってもよい。
【0084】
ステップ3002において、制御ユニット40の異常判断部82は、処理装置10-iで発生した熱量Ciを算出する。より詳しくは、異常判断部82は、測定値取得部60から取得した、冷媒流路20-iに対応する温度TINi、温度TOUTi、および流量QINiの測定値に基づいて、処理装置10-iで単位時間当たりに発生した熱量Ciを、式(3)を用いて算出する。
【0085】
ステップ3002の後、ステップ3003において、異常判断部82は、処理装置10-iが実行中の「処理項目」の「想定熱量」を、想定熱量記憶部51から取得する。なお、ステップ3003は、ステップ3002より前に実行されてもよいし、ステップ3002と並列処理で実行されてもよい。
【0086】
ステップ3003の後、ステップ3004において、異常判断部82は、ステップ3002で算出した熱量Ciが、ステップ3003で取得した「想定熱量」にαを乗算した値より大きいか否かを判断する。αは、予め設定される安全率を示す。熱量Ciが「想定熱量」にαを乗算した値より大きい場合、熱量Ciは異常値であり、処理装置10-iは、異常が発生したとみなされる。異常判断部82は、熱量Ciが「想定熱量」にαを乗算した値より大きいと判断した場合(ステップ3004;Yes)、ステップ3005に移行する。異常判断部82は、熱量Ciが「想定熱量」にαを乗算した値以下であると判断した場合(ステップ3004;No)、ステップ3006に移行する。
【0087】
ステップ3005において、異常判断部82は、異常を報知する。より詳しくは、異常判断部82は、不図示の報知装置に、処理装置10-iに異常が発生した旨を示す報知情報を報知させるよう、所定の制御信号を出力する。報知装置は、例えば、文字や映像、音声、光によって予め定める報知情報を表示させる表示装置や発音装置、発光装置等によって構成される。異常判断部82は、ステップ3005の後、ステップ3006に移行する。
【0088】
ステップ3006において、実行数iをi=i+1として再設定し、ステップ3001に戻る。ステップ3001からステップ3006までに示すループ処理をn回実行し、異常判断部82が、処理装置10-1、10-2、・・・、10-i、・・・、10-nで発生した熱量C1、C2、・・・、Ci、・・・、Cnに関し、異常値であるか否かの判断を完了すると、ループ処理を終了する。
【0089】
ステップ3001からステップ3006までのループ処理の後、制御ユニット40は、
図11に示す処理を終了する。
図11に示す処理は、例えば、オペレータから不図示の入力装置が受け付けた終了操作に関する所定の操作信号を受け付けるまで、所定の周期毎にステップ3001から繰り返し実行される。所定の周期は、予め設定され、例えば、1秒である。
【0090】
なお、
図11に示す処理では、ステップ3002において、処理装置10-iに対応する熱量C
iを算出しているが、この演算は、
図4に示すステップ1005および
図8に示すステップ2003における総発生熱量C
totalの算出の一部に相当する。言い換えると、総発生熱量C
totalは、熱量C
1、C
2、・・・、C
i、・・・、C
nの総和であるため、これらの演算結果は互いに共有されてよい。
【0091】
<処理装置10の適用形態>
次に、本発明の実施形態に係る処理装置10の適用形態の一例について説明する。
図12は、処理装置10の一例である切削装置101の構成例を示す斜視図である。切削装置101は、被処理物200を切削加工する工作機械であり、保持ユニット110と、切削ユニット120と、撮像ユニット130と、移動ユニット140と、切削装置101の各部を制御する不図示の制御ユニットと、を備える。
【0092】
なお、適用形態の切削装置101は、加工送り方向がX軸方向であり、割り出し送り方向がY軸方向であり、切り込み送り方向がZ方向である。X軸方向は、水平面における一方向である。Y軸方向は、水平面において、X軸方向に直交する方向である。Z軸方向は、X軸方向およびY軸方向に直交する方向である。Z軸方向は、X軸方向およびY軸方向に直交する方向である。
【0093】
保持ユニット110は、被処理物200を保持するユニットである。保持ユニット110は、被処理物200を保持面111で保持する。保持面111は、ポーラスセラミック等から形成された円板形状である。保持面111は、例えば、真空吸引経路を介して真空吸引源と接続している。保持ユニット110は、保持面111上に載置された被処理物200を吸引保持する。保持ユニット110の周囲には、被処理物200を支持する環状のフレーム210を挟持するクランプ部材112が複数配置されている。
【0094】
保持ユニット110は、移動ユニット140の加工送りユニット141によって、切削ユニット120の下方の領域である加工領域と、切削ユニット120の下方から離隔して被処理物200が搬入出される領域である搬入出領域と、に亘って移動自在に設けられる。保持ユニット110は、移動ユニット140の回転ユニット144によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられる。
【0095】
切削ユニット120は、保持ユニット110に保持された被処理物200を切削加工するユニットである。切削ユニット120は、保持ユニット110に保持された被処理物200に対して、移動ユニット140の割り出し送りユニット142によりY軸方向に移動自在、かつ移動ユニット140の切り込み送りユニット143によりZ軸方向に移動自在に設けられている。切削ユニット120は、切削ブレード121と、スピンドル122と、スピンドルハウジング123と、液体供給ノズル124と、を有する。
【0096】
切削ブレード121は、略円環状を有する極薄の切削砥石を含む。
図12に示す例において、切削ブレード121は、円環状の基台と、基台の外周縁に設けられる円環状の切り刃と、を備える所謂ハブブレードである。切り刃は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とを含み、所定厚みに形成されている。なお、本発明では、切削ブレード121は、切り刃のみで構成された所謂ワッシャーブレードでもよい。切削ブレード121の軸心は、Y軸方向と平行な平行である。
【0097】
スピンドル122は、軸心がY軸方向と平行な方向になるように、スピンドルハウジング123に対して回転可能に設けられる。スピンドル122は、先端に切削ブレード121が装着される。スピンドル122は、不図示のスピンドルモータによって、軸心回りに回転することで、切削ブレード121をY軸方向と平行な軸心回りに回転させる。
【0098】
スピンドルハウジング123は、スピンドル122を内部に収容する。スピンドルハウジング123は、割り出し送りユニット142によりY軸方向に移動自在、かつ切り込み送りユニット143によりZ軸方向に移動自在に設けられる。切削ユニット120は、割り出し送りユニット142および切り込み送りユニット143により、保持ユニット110の保持面111の任意の位置に切削ブレード121を位置付け可能となっている。
【0099】
スピンドルハウジング123には、
図1に示す処理システム1の冷却システム2から供給され、かつ冷却システム2に戻る冷媒が通過する冷却通路が、内部に形成される。冷却通路は、上流において冷媒供給流路21に連通し、下流において冷媒戻り流路22に連通する。冷却システム2から供給される低温の冷媒が冷却通路を通過することで、スピンドル122および不図示のスピンドルモータで発生してスピンドルハウジング123に伝達した熱が冷媒に回収されて、スピンドル122、スピンドルモータ、およびスピンドルハウジング123が冷却される。
【0100】
液体供給ノズル124は、切削加工中、保持ユニット110の保持面111の上方において、切削ブレード121にむけて液体を供給する。液体供給ノズル124は、X軸方向と平行な方向に延在し、切削ブレード121の切り刃の下端をY軸方向に挟むように、互いにY軸方向に間隔をあけて一対設けられる。液体供給ノズル124は、スピンドルハウジング123に固定して設けられ、切削ブレード121の移動に伴って、Y軸方向およびZ軸方向に移動する。
【0101】
撮像ユニット130は、保持ユニット110に保持された被処理物200を撮像するユニットである。撮像ユニット130は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子またはCMOS(Complementary MOS)撮像素子等の撮像素子を有する。撮像ユニット130は、加工領域と搬入出領域との間を移動する保持ユニット110の上方に配置されている。撮像ユニット130は、保持ユニット110に保持された切削加工前の被処理物200の切削加工すべき領域を撮像して、画像を取得して、取得した画像を不図示の制御ユニットに出力する。
【0102】
移動ユニット140は、保持ユニット110を加工送りする加工送りする加工送りユニット141と、切削ユニット120を割り出し送りする割り出し送りユニット142と、切削ユニット120を切り込み送りする切り込み送りユニット143と、保持ユニット110を切込み送り方向と平行な軸心回りに回転する回転ユニット144と、を含む。
【0103】
加工送りユニット141は、保持ユニット110と切削ユニット120とを加工送り方向であるX軸方向に相対的に移動させる。
図12に示す加工送りユニット141は、保持ユニット110を装置本体102に対して、X軸方向に移動させる。
【0104】
割り出し送りユニット142は、保持ユニット110と切削ユニット120とを割り出し送り方向であるY軸方向に相対的に移動させる。
図12に示す割り出し送りユニット142は、切削ユニット120および切り込み送りユニット143を、装置本体102から立設した立壁部103に対して、Y軸方向に移動させる。
【0105】
切り込み送りユニット143は、保持ユニット110と切削ユニット120とを切込み送り方向であるZ軸方向に相対的に移動させる。
図12に示す切り込み送りユニット143は、切削ユニット120を、割り出し送りユニット142に対して、Z軸方向意移動させる。
【0106】
加工送りユニット141、割り出し送りユニット142および切り込み送りユニット143は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじと、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータと、保持ユニット110または切削ユニット120をX軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールと、等を有する。回転ユニット144は、保持ユニット110を軸心回りに回転するモータ等を有する。
【0107】
加工対象である被処理物200は、例えば、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化ガリウム(GaAs)またはその他の半導体材料を基板とする円板状の半導体ウェーハ、光デバイスウェーハ等のウェーハである。あるいは、被処理物200は、サファイア(Al2O3)、ガラス、石英等の材料を基板とする円板状のウェーハである。ガラスは、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、等を含む。
【0108】
被処理物200は、例えば、基板の表面に格子状に設定される複数の分割予定ラインと、分割予定ラインによって区画された領域に形成されたるデバイスと、を有する。デバイスは、例えば、IC(Integrated Circuit)、あるいはLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等である。
【0109】
被処理物200は、例えば、環状のフレーム210が貼着されかつ被処理物200の外径よりも大径なテープ211が被処理物200の裏面に貼着されて、フレーム210の開口内に支持された状態で搬送および加工される。被処理物200は、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割されて、チップに個片化される。なお、被処理物200は、円板状に限定されず、樹脂パッケージ基板や金属基板等その他の板状であってもよい。また、チップは、正方形状に限定されず、長方形状または多角形状であってもよい。
【0110】
<処理装置10の適用形態の他の例>
処理装置10は、例えば、被処理物200を研削加工する研削装置であってもよい。研削装置は、被処理物200を保持ユニットと、被処理物200の上面を研削加工する研削ユニットと、保持ユニットと研削ユニットとを相対的に移動させる移動ユニットと、を備える。研削ユニットは、保持ユニットの保持面に垂直な軸心回りに回転可能なスピンドルと、スピンドルを軸心回りに回転させるスピンドルモータと、スピンドルを内部に収容するスピンドルハウジングと、スピンドルの下端に固定されるホイール基盤と、ホイール基盤の下端に装着される研削砥石と、を有する。
【0111】
処理装置10が研削装置である場合、例えば、スピンドルハウジングには、
図1に示す処理システム1の冷却システム2から供給され、かつ冷却システム2に戻る冷媒が通過する冷却通路が、内部に形成される。冷却通路は、上流において冷媒供給流路21に連通し、下流において冷媒戻り流路22に連通する。冷却システム2から供給される低温の冷媒が冷却通路を通過することで、スピンドルおよびスピンドルモータで発生してスピンドルハウジングに伝達した熱が冷媒に回収されて、スピンドル、モータ、およびスピンドルハウジングが冷却される。
【0112】
<効果>
以上説明したように、実施形態に係る処理システム1では、冷却システム2の冷却可能熱量Cchillerと処理装置10のそれぞれで単位時間当たりに発生している熱量Ciを合算した総発生熱量Ctotalとの差から算出した冷却余力Ccurrentと、実行しようとする「処理項目」に対応する「想定熱量」と、に基づいて冷却システム2の冷却能力が不足するか不足しないかを判断し、実行しようとする「処理項目」の実行タイミングを制御する。
【0113】
すなわち、冷却システム2の冷却能力が不足すると判断された場合は、当該「処理項目」の実行を待機させることができる。これにより、処理装置10が「処理項目」を実行している途中に冷却システム2の冷却能力が不足することを抑制することができるため、処理途中で温度上昇により緊急停止することを抑制できる。したがって、緊急停止後に処理を再開させる際、緊急停止時に処理していた位置と全く同一の位置から繋げて処理を再開したり、緊急停止時の処理状況を正確に再現したりすることが困難であるために処理品質に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0114】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 処理システム
2 冷却システム
10 処理装置
20 冷媒流路
21 冷媒供給流路
22 冷媒戻り流路
30 測定ユニット
31 供給温度測定部
32 戻り温度測定部
33 流量測定部
40 制御ユニット
50 記憶部
51 想定熱量記憶部
52 優先順位記憶部
60 測定値取得部
70 算出部
71 総発生熱量算出部
72 冷却余力算出部
80 判断部
81 冷却能力判断部
82 異常判断部
90 実行制御部
TIN、TOUT 温度
QIN 流量
Ctotal 総発生熱量
Cchiller 冷却可能熱量
Ccurrent 冷却余力