IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特開2024-162544通信装置、制御方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162544
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20241114BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20241114BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 84/00 20090101ALN20241114BHJP
【FI】
H04W28/18
H04W4/40
H04W28/06 110
H04W84/00 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078137
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】恩田 大河
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD24
5K067EE06
(57)【要約】
【課題】モバイルIABノード側に各特定エリアを把握させることができる仕組みを提供する。
【解決手段】V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する取得手段と、第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する制御手段とを備える、通信装置が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する取得手段と、
前記第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する制御手段とを備える、通信装置。
【請求項2】
前記第1の情報は、前記V2XP Info FieldにおけるNot served by E-UTRA and not served by NRフィールドに含まれる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の情報は、前記Not served by E-UTRA and not served by NRフィールドにおけるE-UTRA radio parameters per geographical area listフィールド、又は、前記Not served by E-UTRA and not served by NRフィールドにおけるNR radio parameters per geographical area listフィールドに含まれる、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記取得手段は、PCFにV2X通信ポリシーをリクエストする要求メッセージの応答として前記メッセージを取得する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記要求メッセージは、モバイルIAB用に設定された通信ポリシーを指定する要求を含み、
前記取得したV2XP Info FieldにおけるV2XP info typeフィールドは、モバイルIAB用に設定された前記通信ポリシーが指定されたことを示す第2の情報を含む、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第2の情報は、UE policies for V2X communication over PC5を示す情報である、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
自ノードの現在位置情報を取得する位置取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置情報に基づいて、自ノードが現在位置する一の前記通信エリアを特定し、特定した一の前記通信エリアに紐付けられる前記無線パラメータの値に基づいて、前記機能を提供する、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
自ノードが現在位置する一の前記通信エリアである第1の特定エリアから、前記第1の特定エリアとは異なる一の前記通信エリアである第2の特定エリアへの自ノードが移動するエリア間移動を検出又は予測する検出又は予測手段と、
前記制御手段は、前記検出又は予測手段により前記エリア間移動が検出又は予測された場合に、前記第1の特定エリアにおいて提供している前記機能について、前記第2の特定エリアにおける継続的な提供の可否を判定する、請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1の特定エリアに紐付けられる第1の前記無線パラメータの値が、前記第2の特定エリアでも動作可能である場合に、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能であると判定する、請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1の特定エリアに紐付けられる第1の前記無線パラメータの値が、前記第2の特定エリアに紐付けられる第2の前記無線パラメータの値に包含される場合に、前記第1の無線パラメータの値が前記第2の特定エリアでも動作可能であると判定する、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記無線パラメータは、利用可能な周波数、利用可能な無線チャネル、利用可能な電波強度、利用可能なIPアドレス、及び利用可能なサービスIDのうちの、少なくともいずれか1つを含む、請求項8に記載の通信装置。
【請求項12】
前記無線パラメータは、SL-V2X-Preconfigurationパラメータ、及び、SL-PreconfigurationNRパラメータのうちの、少なくともいずれか1つを含む、請求項8に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第1の特定エリアと前記第2の特定エリアが隣接しているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の特定エリアと前記第2の特定エリアが隣接している場合、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能であると判定する、請求項8に記載の通信装置。
【請求項14】
前記第1の特定エリアを出てから前記第2の特定エリアに入るまでの移動に関する移動時間又は移動距離を表す所定パラメータの値を算出する算出手段と、
前記制御手段は、前記所定パラメータの値が閾値を超える場合、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能でないと判定する、請求項8に記載の通信装置。
【請求項15】
前記算出手段は、自ノードの移動予定経路、自ノードの移動速度、自ノードの現在位置と前記第2の特定エリアとの位置関係、及び、自ノードが第1の特定エリアを出た後の経過時間、のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記所定パラメータの値を導出する、請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
通信を制御する制御方法であって、
V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する工程と、
前記第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、
V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する工程と、
前記第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する工程と、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)において、バックホール用の通信技術としてIABの規格化が進んでいる。なお、IABは、Integrated Access and Backhaulの略語である。
【0003】
IAB技術は、基地局とユーザ機器(UE:User Equipment)との間のアクセス通信に用いられる28GHz帯等のミリ波無線通信を、バックホール通信として同時に利用する技術である(特許文献1)。
【0004】
IAB技術を用いたバックホール通信においては、IABノードと呼ばれる中継器が、基地局であるIABドナーからの通信をミリ波通信により中継する。IAB技術を用いることで、従来の光ファイバーなどによる有線通信と比較して低コストでエリアのカバレッジを広げることができる。
【0005】
これまで3GPPでは、Rel-17まで固定基地局(移動を伴わないIABノード)について仕様策定を実施してきた。
【0006】
現在、3GPPでは次期Rel-18でユースケースとなる車載リレー(Vehicle Mounted Relay)と、そのユースケースを実現するための仕様策定としてモバイルIABの議論を積極的に行っていくことを予定している。
【0007】
ここでは、これまで議論されてきた固定基地局を想定した仕様だけでは満たせない様々な要件が出てくることが考えられる。
【0008】
その中で、「移動基地局リレーの許可と設定」という議論項目がある。ここでは、都市環境や指定された地域での大規模イベント等の間、特別なカバレッジと接続を実現するために、一時的に車両に搭載されたモバイルIABノードが中継器として機能し、UEへサービスを提供することを想定している。
【0009】
ユースケースとしては、モバイルIABノードが特定エリア内に存在する場合、周辺のUEへサービスを提供し、モバイルIABノードが特定エリア外に移動した場合はサービス提供を中断するというものが3GPP TR 22.839で示されている。
【0010】
この点、モバイルノードの位置情報や移動情報を利用してアプリケーション機能やサービスを提供する技術が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特表2019-534625号公報
【特許文献2】特表2009-501453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、モバイルIABノードが特定エリア外に移動したか否かに応じてサービス提供の中断の要否を判断する場合、特定エリアをどのようにモバイルIABノードが定義するのかを5Gシステム上決定することが有用である。
【0013】
本発明は、上述の課題の少なくとも1つを鑑みなされたものである。本発明の1つの側面としては、モバイルIABノード側に各特定エリアを把握させることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの側面としての通信装置は、V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する取得手段と、
前記第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1つの側面によれば、モバイルIABノード側に各特定エリアを把握させることができる仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】IABノードを構成するハードウェアブロック図である。
図2】IABノードのソフトウェア機能ブロック図である。
図3A】3GPP規格におけるV2XP Info Fieldメッセージフォーマット図である。
図3B】3GPP規格におけるNot served by E-UTRA and not served by NRフィールドフォーマット図である。
図3C】3GPP規格におけるRadio parameters per geographical area listフィールドフォーマット図である。
図3D】3GPP規格におけるradio parameters per geographical area contentsフィールドフォーマット図である。
図3E】3GPP規格におけるgeographical area contentsフィールドフォーマット図及びCoordinateフィールドフォーマット図である。
図3F】3GPP規格におけるRadio parameters contentsフィールドフォーマット図である。
図4】本実施形態におけるV2X通信ポリシー情報の取得及び特定エリアの決定シーケンス図である。
図5A】本実施形態におけるモバイルIABノードの移動と動作無線パラメータ例(その1)を示す図である。
図5B】本実施形態におけるモバイルIABノードの移動と動作無線パラメータ例(その2)を示す図である。
図6】本実施形態におけるエリア情報紐付けられる無線パラメータに基づいてモバイルIABノードとしての機能提供有無を制御するための制御フローチャート図である。
図7】第2の実施形態の説明図であり、2つの隣り合う特定エリアが定義上離れている場合を示す模式図である。
図8】本実施形態による一のモバイルIABノードにおいて実行される処理の一例の概略的なフローチャートである。
図9A】3GPP規格におけるV2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldメッセージに係る第1の実施形態とは異なる、別のメッセージフォーマットを示す図である。
図9B図9Aに示すメッセージフォーマット中のPLMN infosフィールドの説明図である。
図9C】V2X AS addressesの説明図である。
図9D】Geographical areaフィールドの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、一実施形態に係るIABノードのハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【0019】
IABノードに係るハードウェア構成101は、制御部102、記憶部103、無線通信部104、通信アンテナ制御部105、GPS通信部106、GPSアンテナ制御部107、及びセンサ部108を含む。
【0020】
制御部102は、記憶部103に記憶される制御プログラムを実行することにより装置全体を制御する。制御部102は、例えば、CPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部103であるRAMに読みだされた制御プログラムを実行することにより通信装置の全体を制御する。なお、後述するフローチャートで説明する制御部102が行う各処理は、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実現することもできる。なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略語である。また、ハードウェア回路と、CPUやMPU等のプロセッサとを協働することで、後述するフローチャートで説明する処理を実現することもできる。
【0021】
記憶部103は、制御部102が実行する制御プログラムと、セル情報や接続端末情報、IABのルーティング情報、位置情報等の各種情報を記憶する。記憶部103は、主記憶部及び補助記憶部を含んでよい。主記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部は、制御部102が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存してよい。補助記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶してよい。例えば、不揮発性の記憶領域に記憶された制御プログラムはRAM(Random Access Memory)に展開され、制御部102を構成するプロセッサにより実行される。このように、制御部102及び記憶部103は、所謂コンピュータとして機能してよい。
【0022】
無線通信部104は、3GPP(登録商標)規格に準拠するLTE、5G等のセルラー網通信を行う。
【0023】
通信アンテナ制御部105は、無線通信部104にて行われる無線通信用のアンテナ(図示せず)を制御する。
【0024】
GPS通信部106は、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星信号を受信して、経度・緯度情報等の位置特定情報を含む現在位置の位置情報を取得する。なお、GPS通信部106は、衛星信号に基づいて現在位置を計測(測位)する機能を有してよい。
【0025】
GPSアンテナ制御部107は、GPS通信部106にて行われるGPS通信用のアンテナ(図示せず)を制御する。
【0026】
センサ部108は、移動速度や移動距離等の周辺環境情報を収集する。センサ部108は、例えば車両に搭載される車輪速センサや画像センサと同様の機能を有してよい。
【0027】
図2は通信制御機能を実行するIABノードのソフトウェア機能ブロックの構成の一例を表すブロック図である。
【0028】
IABノードに係るソフトウェア機能201は、信号送信部202、信号受信部203、データ記憶部204、接続制御部205、報知情報検出部206、5G通信制御部207、及び報知情報生成部208を含む。また、ソフトウェア機能201は、GPS信号送信部209、GPS信号受信部210、GPS制御部211、及びセンサ制御部212を含む。
【0029】
信号送信部202及び信号受信部203は、ユーザ端末(UE:User Equipment)との間で3GPP規格に準拠したLTE、5G等のセルラー網通信を実施する。
【0030】
データ記憶部204は、ソフトウェアそのもの及び、IABのルーティング情報や、接続中のユーザ端末に関する情報、位置情報や移動経路情報等を記憶保持している。
【0031】
接続制御部205は、無線通信部104にて行われる無線通信用のアンテナを制御する。
【0032】
報知情報検出部206は、周辺IABノードの報知情報を検出する。報知情報は、SSB(Synchronization Signal/PBCH block)であってよい。
【0033】
5G通信制御部207は5Gネットワークへの接続や切断を行う。
【0034】
報知情報生成部208は、自IABノードの出現(存在)を報知するための報知情報を生成する。
【0035】
GPS信号送信部209及びGPS信号受信部210は、端末装置との間でGPS規格に準拠した通信を実施する。
【0036】
GPS制御部211は、GPS通信部106にて行われるGPS通信用のアンテナを制御する。
【0037】
センサ制御部212は、センサ部108に係る各種センサを用いて移動速度や移動距離等の周辺環境情報の収集制御を行う。
【0038】
次に、本実施形態におけるモバイルIABノードの特定エリアの定義方法について説明する。
【0039】
本実施形態では、3GPPによって定義された5G NR(New Radio)におけるV2X通信ポリシーパラメータに含まれる通信エリア情報を特定エリアとして定める。
【0040】
図3Aから図3Fに3GPP規格におけるV2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldメッセージに係るメッセージフォーマットを示す。
【0041】
本メッセージフォーマットはTS24.588にて定義され、3GPPによって定義された5G NR(New Radio)におけるV2X通信ポリシーをIABノードへ通知するためのものである。
【0042】
図3Aに示すメッセージフォーマット301では、V2XP info typeフィールドにはモバイルIAB用に設けられたポリシーである旨を示す情報が格納される。本実施形態においては、UE policies for V2X communication over PC5を示す情報(第2の情報の一例)が格納されることが想定される。
【0043】
メッセージフォーマット301の各フィールドは、図3Aに示すように、無線パラメータ等のパラメータの更新周期情報や、無線設定、通信エリア情報などが入れ子で格納され、V2X通信ポリシー情報を構成している。
【0044】
図3Bに示すメッセージフォーマット302は、V2XP Info FieldメッセージフォーマットおけるNot served by E-UTRA and not served by NRフィールドに関する。
【0045】
メッセージフォーマット302におけるE-UTRA radio parameters per geographical area listには、無線設定と通信エリア情報が紐づけられたパラメータを格納している。これは、NR radio parameters per geographical area listフィールドも同様である。
【0046】
図3Cに示すメッセージフォーマット303は、Radio parameters per geographical area listフィールドに関する。メッセージフォーマット303に係るフィールドは、E-UTRA radio parameters per geographical area listに格納される。または、メッセージフォーマット303に係るフィールドは、NR radio parameters per geographical area listフィールドに格納される。
【0047】
メッセージフォーマット303に係るフィールドは、無線パラメータと通信エリア情報が紐づけられたRadio parameters per geographical area infoフィールド(第1の情報の一例)が複数個連結されてなる。ある一の通信エリアでは、当該一の通信エリアに紐づいている無線パラメータで動作することが想定される。
【0048】
図3Dに示すメッセージフォーマット304は、radio parameters per geographical area contentsフィールドに関する。メッセージフォーマット304に係るフィールドは、Radio parameters per geographical area infoフィールドに格納される。
【0049】
図3Eに示すメッセージフォーマット305、306は、radio parameters per geographical area contentsフィールドに格納されるメッセージに関する。メッセージフォーマット305は、geographical area contentsフィールドに関する。メッセージフォーマット306は、Coordinateフィールドに関する。
【0050】
メッセージフォーマット305に係るgeographical area contentsフィールドは、複数のCoordinateフィールドで構成される。
【0051】
Coordinateフィールドに係るメッセージフォーマット306は、LatitudeフィールドとLongitudeフィールドで構成される。これらのフィールドには、対応する緯度と経度が格納され、通信エリアを示すための座標点が一意に示される。
【0052】
メッセージフォーマット306で示される座標点が、メッセージフォーマット305で示されるgeographical area contentsフィールド上に複数個存在する。これにより、これらの各座標点を結んで形成される領域内が、通信エリアとして一意に特定可能となる。
【0053】
ここで、メッセージフォーマット306で示すLatitudeフィールドとLongitudeフィールドのフォーマットについて説明する。
【0054】
本フィールドに格納される緯度と経度の情報は、TS23.032内6.1節に示されるフォーマットに則り、それぞれ24ビットでコード化されかつ格納される。
【0055】
図3Fに示すメッセージフォーマット307は、Radio parameters contentsフィールドに関する。Radio parameters contentsフィールドは、radio parameters per geographical area contentsフィールドに格納される。
【0056】
本フィールドにおけるRadio parameters contentsフィールドには、E-UTRA向けの設定かNR向けの設定かに合わせて、それぞれ別の無線パラメータが設定される。
【0057】
E-UTRA向けであればTS36.331内9節で示されるSL-V2X-Preconfigurationパラメータが本フィールドに設定される。NR向けであればTS38.331内9.3節で示されるSL-PreconfigurationNRパラメータが本フィールドに設定される。なお、Radio parameters contentsフィールドには、SL-PreconfigurationNRに代えて又は加えて、将来的なパラメータの新設によりモバイルIAB用の無線パラメータが格納されてもよい。
【0058】
ここで、Radio parameters contentsフィールドに設定される無線パラメータは、以下の通りであってよい。すなわち、無線パラメータは、対応する特定エリアで利用可能な周波数、対応する特定エリアで利用可能な無線チャネル、及び、対応する特定エリアで利用可能な電波強度を含んでよい。また、無線パラメータは、対応する特定エリアで利用可能なIPアドレス、及び、対応する特定エリアで利用可能なサービスIDを含んでよい。
【0059】
以上、図3Aから図3Fに示すメッセージフォーマット301~307は、3GPP規格におけるV2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldメッセージに係る。本実施形態では、メッセージフォーマット303に定義されるRadio parameters per geographical area infoフィールド内に格納されるGeographical area情報を利用する。すなわち、Geographical area情報を、特定エリア内外でモバイルIABノードとしての機能を提供するか否かを制御するための判断情報として利用する。
【0060】
次に、本実施形態におけるV2X通信ポリシー情報の取得及び特定エリアの決定シーケンスについて、図4を参照して説明する。
【0061】
ハードウェア構成101及びソフトウェア機能201で構成されるモバイルIABノード401は、V2X通信ポリシー情報を取得するためにPCFとV2X通信ポリシーのプロビジョニング手順を実施する。なお、V2X通信ポリシーのプロビジョニング手順は、V2X policy provisioning procedureとも呼ばれ、PCFは、Policy Control Functionの略語である。
【0062】
モバイルIABノード401は、V2X通信ポリシーをリクエストする要求メッセージを送信する。具体的には、PCF402に対してS411にてUE POLICY PROVISIONING REQUESTメッセージを送信する。UE POLICY PROVISIONING REQUESTメッセージは、モバイルIAB401用に設定された通信ポリシーを指定する要求を含む。
【0063】
PCF402は本メッセージを受信した場合、S412にてMANAGE UE POLICY COMMANDメッセージで応答する。
【0064】
本応答にはV2X通信ポリシー情報が含まれており、要求元であるモバイルIABノード401は本手順でV2X通信ポリシー情報を取得することができる。本手順は3GPP規格におけるTS24.587及びTS24.501に定義されている。この場合、V2X通信ポリシーの有効期限切れや、現在モバイルIABノード上に有効な設定が存在しない場合、異常検知によりV2X通信ポリシーの再取得が必要と判断された場合に実施される。
【0065】
3GPP規格の手順に則りV2X通信ポリシー情報を取得した後、モバイルIABノード401はS413にて取得したV2X通信ポリシー情報を保存する。
【0066】
最後に、モバイルIABノード401は、S414にて取得したV2X通信ポリシー情報からは303に定義されるRadio parameters per geographical area infoフィールドを解析する。そして、モバイルIABノード401は、各Geographical area情報に格納される通信エリア情報をモバイルIABノード401における特定エリア情報として決定する。
【0067】
この際、モバイルIABノード401は、メッセージフォーマット306のLatitudeフィールドとLongitudeフィールドの変換処理をあわせて実施する。LatitudeフィールドとLongitudeフィールドは、上述したように、メッセージフォーマット305で示されるgeographical area contentsフィールド上に複数個存在する各座標点を示す。
【0068】
LatitudeフィールドとLongitudeフィールドにはそれぞれ24ビットでコード化された緯度・経度情報が格納されている。モバイルIABノード401は、STS23.032内6.1節に示されるフォーマットに則りデコードを実施し、各座標点の緯度・経度を求めておく。なお、モバイルIABノード401は、デコードした緯度・経度情報を、別途モバイルIABノード内に保持してもよい。
【0069】
このようにして、本実施形態では、モバイルIABノード401において、3GPP規格で定義されるV2X通信ポリシー情報の取得を実施する。そして、モバイルIABノード401は、V2X通信ポリシー情報に格納される通信エリア情報に基づいて、特定エリアを特定する。
【0070】
次に、モバイルIABノード401が定義された特定エリア間を移動した場合の制御方法について説明する。
【0071】
図5A及び図5BはモバイルIABノードが特定エリアに紐付けられる無線パラメータでサービス提供を行いつつ移動している状況の一例を示す説明図である。
【0072】
図5A及び図5Bに示す状況では、モバイルIABノード401は、現在特定エリア501内を移動しており、本エリアに紐付けられる無線パラメータ511にて動作している。
【0073】
なお、本エリアに紐付けられる無線パラメータは、上述の3GPP規格で定義されるV2X通信ポリシー情報に含まれる各Geographical area情報に紐付いている。この場合、無線パラメータは、メッセージフォーマット307に示すradio parameters per geographical area contentsフィールドに格納される。また、無線パラメータは、SL-V2X-PreconfigurationパラメータないしはSL-PreconfigurationNRパラメータであってよい。若しくは、無線パラメータは、モバイルIAB用の無線パラメータであってもよい。
【0074】
モバイルIABノード401は、その後、矢印方向に移動を続け、あるタイミングで特定エリア501から特定エリア502へエリア間移動を行う。
【0075】
ここで、エリア間移動を行ったモバイルIABノード401は、3GPP規格におけるTR 22.839に示される通りサービス提供を中断する仕組みが考えられる。かかる仕組みの場合、エリア間移動を行ったモバイルIABノード401は、移動したエリアに紐づいた無線パラメータ512での動作に切り替わり、サービス提供を再開することになる。
【0076】
しかしながら、移動前の特定エリア501に紐付けられる無線パラメータ511が移動先の特定エリア502に紐付けられる無線パラメータ512に包括されている場合がある。例えば無線パラメータのうちの、一のパラメータαの値が、無線パラメータ511では、a1≦α≦b1の範囲であり、無線パラメータ512では、a2≦α≦b2の範囲であるとする。この際、a2≦a1かつb2≧b1であれば、当該一のパラメータαに関して、無線パラメータ511が無線パラメータ512に包含されている。この場合、無線パラメータ511の設定のまま特定エリア502でも継続動作が可能である。従って、本実施形態では、かかる場合、サービス提供の中断を実施せず、そのままサービス提供を継続する。
【0077】
図6は、本実施形態による一のモバイルIABノード(モバイルIABノード401)において実行される処理の一例の概略的なフローチャートである。本フローチャートでは、一のモバイルIABノードにおいて、上述の特定エリア情報に紐付けられる無線パラメータに基づいてサービス提供機能が制御される。
【0078】
まず、F601にて動作を開始したモバイルIABノード401は、F602にて3GPP規格に則ったV2Xポリシー情報の取得及び特定エリアの決定処理を実施する。
【0079】
F602における具体的な処理内容は、上述の図4に示すフローチャートにより実現される。なお、F602の処理は、初回だけ実行され、その後、所定条件が満たされた場合だけ実行されてもよい。この場合、所定条件は、時間の経過等に基づき満たされてもよいし、V2Xポリシー情報の更新等に応じて満たされてもよい。
【0080】
なお、F602において、特定エリアの決定処理に係る特定エリアは、モバイルIABノード401の現在位置の属する特定エリアとともに、それとは異なる周辺の特定エリアを含んでよい。例えば、移動経路があらかじめ決まっている場合、移動経路上の1つ以上の特定エリアが決定対象となる。
【0081】
次に、F603にて、モバイルIABノード401は、自ノードにおける特定エリアの決定処理を行う。すなわち、モバイルIABノード401は、自局の現在位置の属する特定エリアを特定する。モバイルIABノード401は、移動しながらモバイルIABノード401の現在位置が、S414で決定した複数の特定エリアのうち、どの特定エリアに位置しているのか監視する。ここでモバイルIABノード401の現在位置は、上述のGPS通信部106で取得される経度・緯度情報から決定される。
【0082】
次に、モバイルIABノード401は、F604にて自ノードがエリア間移動したか判定を実施する。
【0083】
本判定処理はF603にて確定した現在位置する特定エリアが前回の特定エリアと異なっていた場合、自ノードがエリア間移動したと判定する。
【0084】
本判定処理はF603と共に定周期で実施され、エリア間移動していないと判断された場合は再び一定時間経過後にF603のチェック処理を実施し、F604のエリア間移動判定処理を続けていく。
【0085】
モバイルIABノード401は、F604にてエリア間移動したと判定した場合は、次にF605にて判定処理を行う。具体的には、モバイルIABノード401は、移動前に自ノードが存在していた特定エリアに紐付けられる無線パラメータの値が、移動後に自ノードが存在している特定エリアでも動作可能であるか否かを判定する。
【0086】
判定処理の一例として、上述の移動前の特定エリア501に紐付けられる無線パラメータ511の値が移動先の特定エリア502に紐付けられる無線パラメータ512の値に包括されているか否かの判定処理が挙げられる。
【0087】
例えば、無線パラメータ511及び無線パラメータ512は、ともに、共通の複数のパラメータ(ここでは、5つパラメータA1~A5)を含むものとする。この場合、パラメータA1~A5のそれぞれについて、無線パラメータ511の値が無線パラメータ512の値に包括されているか否かが判定されてよい。すなわち、無線パラメータ511のうちのパラメータA1の値が、無線パラメータ512のうちのパラメータA1の値に包含されているか否かが判定される。また、無線パラメータ511のうちのパラメータA2の値が、無線パラメータ512のうちのパラメータA2の値に包含されているか否かが判定される。他のパラメータA3~A5も同様である。そして、5つパラメータA1~A5のそれぞれについて、無線パラメータ511の値が無線パラメータ512の値に包括されている場合、肯定判定されてもよい。すなわち、移動前に自ノードが存在していた特定エリアに紐付けられる無線パラメータの値が移動後に自ノードが存在している特定エリアでも利用可能であると判定されてもよい。
【0088】
なお、例えば、パラメータA1が、利用可能な無線チャネルである場合、無線パラメータ511の値がチャネルβ1、β2であり、無線パラメータ512の値がβ1である場合、上述したとおりである。この場合、無線パラメータ511の値が、無線パラメータ512の値に包含されていない。ただし、変形例では、チャネルβ1が共通であることから、移動後に自ノードが存在している特定エリアでも利用可能であると判定されてもよい。この場合、例えば上位のソフトウェアにより、チャネルβ2の利用(移動後に自ノードが存在している特定エリアでの利用)が禁止されてよい。
【0089】
本判定処理において、肯定判定された場合は、モバイルIABノード401は、F606にて、移動後の特定エリアにおいて、現在実行中のサービス提供をそのまま継続する。すなわち、モバイルIABノード401は、エリア間移動に起因したサービス提供の中断を、禁止する。そして、新たな特定エリア502を、自ノードが存在していた特定エリアとして、一定時間経過後にF603から処理を再開する。
【0090】
本判定処理において、否定判定された場合は、モバイルIABノード401は、F607にてサービス提供を中断する。この場合、モバイルIABノード401は、移動後の特定エリアに紐付けられる無線パラメータの値に従ってサービスの再起動を実施し、移動後の特定エリアにおいてサービス提供を再開する。
【0091】
このようにして、本実施形態によれば、モバイルIABノードが特定エリア外に移動する際にサービス提供の中断の要否を判断する。この際、特定エリアと無線パラメータとの対応関係を示す情報に基づいて、特定エリアに対応付けられる無線パラメータの値が、特定エリア外でも利用可能であるか否かを判定できる。これにより、一律にサービス提供を中断する場合に比べて、サービス提供の中断頻度を低減し、効率的なサービス提供が可能となる。
【0092】
ところで、このような特定エリアと無線パラメータの値との対応関係を利用する仕組みにおいては、特定エリアをどのようにモバイルIABノードが定義するのかを5Gシステム上決定することが有用である。この点、本実施形態では、上述したように、5GNRにおけるV2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージを利用して、特定エリアを定義できる。
【0093】
[第2の実施形態]
第1の実施形態ではモバイルIABノードが2つの連続する特定エリア間を移動した場合の制御方法について説明してきた。ここで、モバイルIABノードが2つの不連続の特定エリア間を移動した場合の制御方法について、別の実施形態を説明する。
【0094】
図7は、第2の実施形態の説明図であり、2つの隣り合う特定エリアが定義上離れている場合を示す模式図である。
【0095】
第1の実施形態による特定エリアの定義方法に従った場合等、2つの隣り合う特定エリアは、定義上、図7に模式的に示すように、不連続となる場合がありうる。例えば、図7に示す例では、2つの隣り合う特定エリア501、503は、定義上、離れている。この場合、以下で図8を参照して説明するように、2つの隣り合う特定エリア間の距離等に応じた制御方法が実現されてよい。
【0096】
図8は、本実施形態による一のモバイルIABノード(モバイルIABノード401)において実行される処理の一例の概略的なフローチャートである。
【0097】
図8に示す処理は、第1の実施形態に関連して上述した図6に示した処理に対して、F604が、F604A及びF604Bで置換された点が異なる。また、図8に示す処理は、第1の実施形態に関連して上述した図6に示した処理に対して、F607が、F607A~F607Cで置換された点が異なる。
【0098】
F604Aでは、モバイルIABノード401は、自ノードが、前回周期で位置していた特定エリアから、他の特定エリア(以下、「移動予定の特定エリア」とも称する)へ移動中であるか否かを判定する。すなわち、モバイルIABノード401は、現在の位置がどの特定エリアにも属しないが、他の特定エリアへと移動しうる状態であるか否かを判定する。なお、モバイルIABノード401の移動予定経路が事前に設定されている場合、移動予定の特定エリアは、移動予定経路に基づいて特定されてもよい。図7に示す例では、モバイルIABノード401が、特定エリア501から特定エリア503へと移動中の状態が模式的に示されている。F604Aにおいて、判定結果が“YES”の場合、F604Bに進み、それ以外の場合は、S603へ戻る。
【0099】
F604Bでは、モバイルIABノード401は、直近に位置していた特定エリアから、移動予定の特定エリアまで距離(特定エリア間の距離)が閾値以下であるか否かを判定する。閾値は、任意に設定されてよいが、比較的小さい値(例えば、1分以内で移動できるような距離)であってよい。また、閾値は、モバイルIABノード401の移動速度に応じて変化されてもよい。例えば、閾値は、モバイルIABノード401の移動速度が大きいほど小さくなる態様で変化されてもよい。F604Bにおいて、判定結果が“YES”の場合、F605に進み、それ以外の場合は、F607Aに進む。
【0100】
F607Aでは、モバイルIABノード401はサービス提供を中断する。そして、モバイルIABノード401は、移動予定の特定エリアへの移動完了に対する待機状態となり(F607B)、移動予定の特定エリアへの移動が完了する(F607Bで“YES”)、S607Cに進む。
【0101】
F607Cでは、モバイルIABノード401は移動後の特定エリアに紐付けられる無線パラメータの値に従ってサービスの再起動を実施し、移動後の特定エリアにおいてサービス提供を再開する。
【0102】
このような第2の実施形態によっても、上述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。特に本実施形態によれば、2つの特定エリア間のモバイルIABノード401の移動の際に、定義上、2つの特定エリア間が離れている場合でも、その離間距離に応じた制御を実現できる。
【0103】
なお、上述した例では、特定エリア間の距離(所定パラメータの一例)に基づいて、F604Bの判定を行うが、これに限られない。直近に位置していた特定エリアから、移動予定の特定エリアまでの距離や時間(移動に要する時間)の長さに相関する任意のパラメータが評価されてもよい。この場合、判定に用いるパラメータの値は、自ノード(モバイルIABノード401)の移動予定経路、自ノードの移動速度、及び、自ノードの現在位置と移動予定の特定エリアとの位置関係のうちの少なくともいずれか1つに基づいて算出されてもよい。また、これに加えて又は代えて、判定に用いるパラメータの値は、自ノードが、直近に位置していた特定エリア(図7では、特定エリア501)を出た後の経過時間に基づいて算出されてもよい。
【0104】
[第3の実施形態]
第1の実施形態ではモバイルIABノードにおける特定エリアの定義方法とエリア間を移動した場合の制御方法について説明してきた。ここでモバイルIABノードにおける特定エリアの定義方法について、別の実施形態を説明する。
【0105】
図9A図9Dは、3GPP規格におけるV2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldメッセージに係る第1の実施形態とは異なる、別のメッセージフォーマット901を示す。
【0106】
図9Aに示す本メッセージフォーマット901は、TS24.588にて定義され、3GPPによって定義された5G NR(New Radio)におけるV2X通信ポリシーをIABノードへ通知するためのものである。
【0107】
本メッセージフォーマット901のV2XP info typeフィールドには、モバイルIAB用に設けられたポリシーである旨を示す情報が格納される。本実施形態においてはV2XP info typeフィールドに、UE policies for V2X communication over Uuを示す情報を格納する。
【0108】
本メッセージフォーマット901の各フィールドは、パラメータの更新周期情報やサービス識別子、無線パラメータ、通信エリア情報などが入れ子で格納され、V2X通信ポリシー情報を構成している。本実施形態では本メッセージフォーマット901に通信エリア情報を格納する。より具体的に説明する。図9Aに示すPLMN infosフィールド902はより詳細には図9Bの902に示される。図9Bの902に示されるPLMN info 1~nフィールドはより詳細には903に示される。903は、サービス識別子やV2Xに関する情報等さらなる情報を含む。さらなる情報について説明する。903のV2X Service identifier unrelated infoは、より詳細には、図9Cの904に示される。そして、図9Cの904に示されるV2X AS addressesは、より詳細には905に示される。905には、V2X AS address1~nフィールドが含まれており、各フィールドはより詳細には図9Dの906に示される。906のフィールドには、Geographical areaフィールド907が含まれている。このフィールドには、図3Eの305、306に示したフォーマットの経度緯度情報を格納することができる。本実施形態においては、当該Geographical areaフィールド907をデコードすることで、特定エリアを決定するように構成すればよい。
【0109】
このような第3の実施形態によっても、上述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0110】
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、上述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0111】
なお、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0112】
[付記1]
V2X通信ポリシーを示すV2XP Info Fieldを含むメッセージであって、通信エリアと無線パラメータの値の対応関係を示す第1の情報を含むメッセージを取得する取得手段と、
前記第1の情報に基づいて、モバイルIABノードとしての機能を提供する制御手段とを備える、通信装置。
【0113】
[付記2]
前記第1の情報は、前記V2XP Info FieldにおけるNot served by E-UTRA and not served by NRフィールドに含まれる、付記1に記載の通信装置。
【0114】
[付記3]
前記第1の情報は、前記Not served by E-UTRA and not served by NRフィールドにおけるE-UTRA radio parameters per geographical area listフィールド、又は、前記Not served by E-UTRA and not served by NRフィールドにおけるNR radio parameters per geographical area listフィールドに含まれる、付記2に記載の通信装置。
【0115】
[付記4]
前記取得手段は、PCFにV2X通信ポリシーをリクエストする要求メッセージの応答として前記メッセージを取得する、付記1から3のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0116】
[付記5]
前記要求メッセージは、モバイルIAB用に設定された通信ポリシーを指定する要求を含み、
前記取得したV2XP Info FieldにおけるV2XP info typeフィールドは、モバイルIAB用に設定された前記通信ポリシーが指定されたことを示す第2の情報を含む、付記4に記載の通信装置。
【0117】
[付記6]
前記第2の情報は、UE policies for V2X communication over PC5を示す情報である、付記5に記載の通信装置。
【0118】
[付記7]
自ノードの現在位置情報を取得する位置取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置情報に基づいて、自ノードが現在位置する一の前記通信エリアを特定し、特定した一の前記通信エリアに紐付けられる前記無線パラメータの値に基づいて、前記機能を提供する、付記1から6のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0119】
[付記8]
自ノードが現在位置する一の前記通信エリアである第1の特定エリアから、前記第1の特定エリアとは異なる一の前記通信エリアである第2の特定エリアへの自ノードが移動するエリア間移動を検出又は予測する検出又は予測手段と、
前記制御手段は、前記検出又は予測手段により前記エリア間移動が検出又は予測された場合に、前記第1の特定エリアにおいて提供している前記機能について、前記第2の特定エリアにおける継続的な提供の可否を判定する、付記7に記載の通信装置。
【0120】
[付記9]
前記制御手段は、前記第1の特定エリアに紐付けられる第1の前記無線パラメータの値が、前記第2の特定エリアでも動作可能である場合に、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能であると判定する、付記8に記載の通信装置。
【0121】
[付記10]
前記制御手段は、前記第1の特定エリアに紐付けられる第1の前記無線パラメータの値が、前記第2の特定エリアに紐付けられる第2の前記無線パラメータの値に包含される場合に、前記第1の無線パラメータの値が前記第2の特定エリアでも動作可能であると判定する、付記9に記載の通信装置。
【0122】
[付記11]
前記無線パラメータは、利用可能な周波数、利用可能な無線チャネル、利用可能な電波強度、利用可能なIPアドレス、及び利用可能なサービスIDのうちの、少なくともいずれか1つを含む、付記8から10のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0123】
[付記12]
前記無線パラメータは、SL-V2X-Preconfigurationパラメータ、及び、SL-PreconfigurationNRパラメータのうちの、少なくともいずれか1つを含む、付記8から11のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0124】
[付記13]
前記第1の特定エリアと前記第2の特定エリアが隣接しているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の特定エリアと前記第2の特定エリアが隣接している場合、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能であると判定する、付記8から12のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0125】
[付記14]
前記第1の特定エリアを出てから前記第2の特定エリアに入るまでの移動に関する移動時間又は移動距離を表す所定パラメータの値を算出する算出手段と、
前記制御手段は、前記所定パラメータの値が閾値を超える場合、前記第2の特定エリアにおける前記機能の継続的な提供が可能でないと判定する、付記8から13のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0126】
[付記15]
前記算出手段は、自ノードの移動予定経路、自ノードの移動速度、自ノードの現在位置と前記第2の特定エリアとの位置関係、及び、自ノードが第1の特定エリアを出た後の経過時間、のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記所定パラメータの値を導出する、付記14に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0127】
101 ハードウェア構成
102 制御部(取得手段、判定手段、検出又は予測手段、位置取得手段、算出手段、制御手段の一例)
103 記憶部
104 無線通信部(取得手段の一例)
105 通信アンテナ制御部
106 GPS通信部
107 GPSアンテナ制御部
108 センサ部
201 ソフトウェア機能
202 信号送信部
203 信号受信部
204 データ記憶部
205 接続制御部
206 報知情報検出部
207 5G通信制御部
208 報知情報生成部
209 GPS信号送信部
210 GPS信号受信部
211 GPS制御部
212 センサ制御部
401 モバイルIABノード
501 特定エリア(第1の特定エリアの一例)
502 特定エリア(第2の特定エリアの一例)
503 特定エリア(第2の特定エリアの一例)
511 無線パラメータ(第1の無線パラメータの一例)
512 無線パラメータ(第2の無線パラメータの一例)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D